自販機のおつり出るところでイった話 (32)

俺はどうしようもない男でね。
ついその日から2日前に仕事を辞めてきたんだよ。

でも、どうしようもない男にも「とりえ」ってもんがあるのさ。

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その「とりえ」ってもんはな、単刀直入に言うとすぐに出せるってことなんだよ。

ん? 何を出すって?
いや、もう君はわかっているだろ?
それを俺の口から言わせるのは野暮ってもんだよ

まあすぐ出せるって言っても、「すぐ」の具合がわからないんじゃあ仕方がねぇ。

具体的に言うとだな。3秒だ。

いや、冗談だと思ってるだろ? 本当なんだよこれが。

とにかく、俺にはこの「とりえ」があるわけさ。

顔はお世辞にも良いとは言えないし、一日何十発だせるわけでもねえ。

だけど、この「とりえ」が俺の人生を変えるとは…な。

ある日のことだ。

俺は土木工事の仕事を終えて、家に帰ってきたんだ。

ジメジメした暑い夜でね。
こう……、むらっときたんだよ。

そこで俺はパンツをずり下げて、もう硬くなっている一物を取り出したってわけだ。

実を言うとな、出した瞬間に出たんだよ。
つまりパンツと擦れ合う瞬間に出てしまったんだよ。

いや、まいったね。
なんたって触ってもいないでただ出ただけなんだからさ。

床にかかった精液を見て、俺はなんだか不思議な気分になったんだよ。

いや、こんなのはしょっちゅうの事さ。
風呂に浸かった瞬間に出たり、風にあたった瞬間に出たりするのは日常の一コマだからな。

しかし、この時違ったんだ。

俺は……、そうだな。
簡潔に言うならば、激怒していたんだ。
本当に、怒っていたんだよ。

自分に対する怒り、こんな身体で産んだ両親への怒り、なぜ俺だけがという怒り、スッキリしない事への怒り。

そんな感情が混じり合って、激怒していたんだ。

そこでふと、こう思ったんだよ。


――自販機のおつり出るところに挿れたら、どうなるんだろうか


ってね。

怒りのマグマからポンっとその疑問が形を表したんだ。

衝撃だったよ。
こんななんの取り柄もない有形無形の俺が、こんな素晴らしい事を思いついてしまった事への衝撃さ。

例えるならば、ホームレスの男が相対性理論を思いついてしまったかのような規格外の衝撃だ。

俺は下半身を露出しながら夢遊病患者のように外に出た。

ちょっと歩いたら自販機があるんだ。
そこの自販機のおつり取り出し口の事しか頭になかったんだ。

途中で素晴らしく綺麗な女性が通りかかったんだ。

女性は目を細めながら俺の方を見ていた。

正直ね、勃起したよ。

そして勃起する弾みで僕は射精したんだ。

いや、今になって女性視点で考えるととんでもない事だと思うよ。

道を歩いていたら下半身まる出しの男が射精したんだからね。

僕は固まっている女性を放置して自販機へ向かった。

自販機のおつりのパカパカした所を想像するだけで何回も出たよ。

歩きながら何度も何度も出したんだ。

正直今じゃ考えれないね。でも、その時の僕は限界を超えていたんだ。

そして、ついに、ついに、俺は自販機へついた。

赤い機体にCoca-Colaの文字が素晴らしくそそったね。

俺は自分の一物を手に構えて、おつりのパカパカした所を照準に定めた。

そして一気に突っ込んだ。

その瞬間に、魂がぬけるんじゃないかと思うほどに射精したんだが、そんなんじゃ俺は止まらなかった。

腰を引いて、腰を押し出す!

それだけの行為がどれだけ、なんでこんなにも素晴らしいのか!!!

それからの事は君の知っているとおりだよ。

俺は出しすぎで気絶し、股間を取り出し口に突っ込んだまま発見された。

……で、どうかな?

俺を弁護する余地はあるかな……?


……ああ…、そうかい。まぁ、君が無理っていうなら無理なんだろうな。


ああ、一つ聞いていいかい?




刑務所に自販機はあるのかい?


        完

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