提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」 (1000)

提督「金剛はかわいいな」

金剛「て、提督? いきなりなんですカ?」

提督「嫌だったか?」

金剛「嬉しいデース。でも、何時もの提督らしくないネ」

提督「そうか、こうして告白するのは初めてだからな……」

金剛「わ、ワッツ!?」

提督「しまった……金剛、この際言う」

金剛「……」ドキドキ

提督「俺と、結婚してくれ」

金剛「も、もちろんデース!」

提督「良かった……断られたらどうしようかと」

金剛「断るはずないデース!」

提督「じゃあ……その、いいか。恋人同士でしかできない事」

金剛「もちろんデス……」

提督「目、瞑れ」

金剛「……」ドキドキ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408859242

~~~~~~~~

金剛「……ハッ」ガバッ

榛名「どうしました金剛お姉さま。何か悪い夢でも?」

金剛「……ドリーム?」

榛名「え、ええ。今まで寝てましたし」

金剛「……もう一回寝るデース」

榛名「金剛お姉さま!?」

金剛「邪魔するなネ榛名! 私は今から提督の子どもを……!」

榛名「夢の内容は知りませんが、どう考えてもとばしまくってますよね!?」


霧島「今日も朝から大変なようで」

比叡「朝ご飯できましたよー」

霧島「……」ダッ

比叡「なんで逃げるの!?」

以上、前スレ1000の内容でした



前スレ
提督「安価でみんなと遊ぶ」
提督「安価でみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407207253/)

※キャラ崩壊注意

―執務室―

霞「遊ぶのは自由だけど、こっちにまた過剰な仕事が来るようなら――沈めるわよ」

提督「イエス! ユアハイネス!」

霞「ふん」

バタン

提督「あれから幾日か……ようやく自由になった」

提督「さあ、また今日から遊ぶぞ!」

↓2

提督「如月は前に酷い目にあった……いや、薬を盛ろうとして自分で飲んだだけだけど」

提督「前見たときには健康だったから、今度はどんなことでも手加減はしない」

↓2

如月「司令官、作戦完了したわ」ガチャ

提督「ご苦労。ちょっとこっち来てくれないか」

如月「あら、なあに?」スタスタ

提督「ちょっと髪触るな」スッ

如月「あっ、もう……今は戻ってきたばかりで、すこし汚れているでしょう?」

提督「いや、ちゃんと手入れがされている。汚れているなんて思わない」

如月「司令官ったら、上手なんですから」

提督「気になるというのなら、ブラッシングをしてやろう」

如月「え、本当?」

提督「なんだ、おかしなことでも言ったか?」

如月「ちょっと珍しくて……」

提督(ここ幾日かは霞にカンヅメされてたからな……)

如月「もちろん、よろしく頼むわ」

――――――――


提督「こんなものか」

如月「うふふ、お上手でしたわ司令官」

提督「言われるままに梳いただけだけどな」

如月「好きな人にしてもらうだけで、全然違う物ですから」

提督(そこまで信頼してくれているのか。ありがたいことだ)

如月「では司令官、また機会があればよろしくお願いします」

バタン

提督「無言で梳くだけだったけど、またしてもらいたいと思うほど良かったのか?」

提督「まあ礼儀で言ってくれただけかも。気にしないほうがいいだろう」

↓2

―廊下―

「うおおおおおお!」ダダダダ

如月「……? 司令官?」クルッ

提督「如月ぃいいいいいい!」ダダダダ

如月(司令官が追いかけてくる→抱きしめる→押し倒してくる)

提督(如月の動きが止まった? よし、手加減はせんぞ!)シュッ

如月「もう! 司令官ってば早いわよ!」ドゴォ

提督「グフゥッ!」

如月「あら、司令官?」

提督(良いパンチだった……ガクッ)


菊月(ずっと見てたが、走ってきたスピードがカウンターになり、そのまま威力になった感じだった)

―執務室―

提督「腹にパンツを巻いて『腹パン(笑)』とかしようと思った結果がこれだよ」

提督「まあ普段から兵装抱えてる人物が、非力なわけがないな……」

提督(ていうか今まで俺がアイツらに勝ったことあったっけ……あ、吹雪なら勝ったか)

↓2

―執務室―

提督「吹雪、ちょっと指かしてくれ」

吹雪「はあ、なんですか?」

提督「気になるから爪剥がせろ」

吹雪「拷問とか勘弁してくださいよ!?」

提督「違う違う。その白いところがさっきから気になるんだよ」

吹雪「え? あ、ちょっと爪の皮が剥がれてますね」

提督「綺麗に剥いでやるから、ちょっとかせ」

吹雪(何で司令官はそういう技術だけ覚えてるんでしょう……)

提督「それと、俺これから出かけるから秘書官には言っておいてな」

吹雪「え」

―高級料理店―

大和「ふわぁ……いいんですか? こんなところで食事して」

提督「今までお世話になっているお礼だ」

加賀「ですが、これは他の者たちに申し訳ないような気がします」

提督「大丈夫だ。間宮と鳳翔、手伝いに龍鳳もつけてある。今日は鎮守府でも豪勢だ」

武蔵「遠慮する理由は無いと」

長門「支払いとかは大丈夫なのか?」

提督「安心しろ、俺の自腹だ」

陸奥(遠慮しちゃうんだけど)

赤城(あんまり安心できないですよねぇ)

―執務室―

提督「なんか今回もあんまり食べてなかった気がする」

提督「口に合わないのか……もしくは、やっぱり食堂で豪勢な食事をとった方がいいって事か?」

提督「食事量多い奴は間宮さんに負担を強いらせそうだが……まあ、鳳翔に龍鳳もいるし今度から一緒にしようかな」

↓2

―工廠―

提督「妖精さん妖精さん」

妖精「はあ、なんでしょう」

提督「妖精さんは仕事が無い時は何をしているの?」

妖精「なにもしていないのでありましてー」

提督「そうなの?」

妖精「もちろん、しごとがあるひとはそちらをがんばっているのです」

友永隊「そうですな。私たちは何もない日でも訓練をいたしておりますぞ」

提督「さすが友永隊」

応急修理女神「われわれはむしろでばんがないです」

提督「使ったら終わりだもんな」

応急修理女神「でばんがないにこしたことはないのですよ」

妖精「なにもないひ、てーとくさんはなにをしているのです?」

提督「遊んでるだけ」

『なんと』


夕張(楽しそうだなぁ)

明石(提督は仕事しなきゃいけないんじゃ……)

―執務室―

提督「妖精さんの事をちょっと知った」

提督「それが役に立つ日は――多分来ない」

↓2

提督「前科有でこんなことしたくないんだけど……」


―食堂―

加古「zzz……」

提督「こんなところで居眠りしてるし、仕方ないよね!」

提督「しかし、机に座って寝られているこの恰好。どうやってへそを舐めればいいのか」

提督「……」

提督「そのままでいいんじゃね。机の下にかがめばいけるだろ」

加古「ぅん……」

提督「おっと、起きる前に実行に移しておこう。いただきまー……」スッ ペラッ

古鷹「こらっ、加古ったらこんなところで居眠りして……」

提督「……」

古鷹「……提督、なんで加古の服をまくっているんですか?」

提督「……prpr」

加古「ふひゅっ……んん?」

古鷹「て、提督!」ガシャン

加古「えっ? なんで古鷹こっちに主砲を……って、なんだかお腹がくすぐったい!?」

提督「加古がいて撃てるのなら撃ってみるがいい。さあ、かかってこ――」

ドーン

―執務室―

提督「まさかうまく加古を避けるなんてな……流石命中率がいいだけはある」

提督「明石に壊れたものの修理を頼まなきゃ。そろそろ明石は怒っていいと思う。うん」

↓2

提督「そんなにスカートめくっても、多分あきられるぞ。うーん」


―廊下―

提督「まずは普通に一回」ヒラッ

吹雪「きゃああああああ!!?」


提督「風を巻き起こして一回!」ブワッ

吹雪「扇風機の使い方考えてください!」


提督「マジックハンドで一回」ウィーン

吹雪「なんで持ってるんですか!」


提督「罠に引っ掛けて一回」バサッ

吹雪「鎮守府の中で宙吊りされるとは思いませんでした」


提督「足でめくる」シュッ

吹雪「思ったより普通ですね」


提督「釣竿を使って一回」ブンッ

吹雪「当たると危ないのでやめてくださいね」


提督「人に行かせる。行け、妖精さん!」ゴー

吹雪「そこまでしますか?」


提督「スカートが重力に逆らう!」ゴッ

吹雪「どうなってるんですか!?」


提督「なんとなくめくれる!」

吹雪「偶然ですよねそれ!」


提督「自分がスカートを着てめくる」ペラッ

吹雪「うぷっ……って、私のスカートじゃないですか! やめてくださいよ!」


提督「頼む、スカートめくってくれ」

吹雪「今更ですよねそれ!? もちろん断りますから!」

―執務室―

提督「ふぅ……」

提督「悪質だな、十回もめくるなんて。ありがたみもありもしない」

提督「そういうのはやっぱりチラリズムが大切だ。少しは自嘲した方がいいな」

提督(ぶっちゃけあんまりおもしろくなかった)

↓2

提督「北方……? ああ、前に追い返されたあれか」

提督「もうあらかた片づけた海域だが……まだいるのか?」


―北方AL海域―

北方棲姫「また……海に還るの……かな……」

北方棲姫(おねえちゃんも……きっとそこに……)

提督「あちゃあ……もう沈む直前、かな」

北方棲姫「だれ……?」

提督「覚えてないか? って、あれくらいじゃ記憶に残らないか」

北方棲姫「……?」

提督「あー、まあ……とりあえずやることやっておくか」

北方棲姫「こないで……!」ガシャン

提督「大破じゃ攻撃なんてできないだろう。無理すんな」

北方棲姫「……っ」

提督「……よしよし。もう疲れたろう。自分の仲間の所へ帰るんだ」

北方棲姫「なかま……おねえちゃん……」

提督「うーん……まあいいか。じゃあな」

提督(あんまり首つっこまない方がいいか。それに、情が移ると戦いにくくなる)ザパァ

北方棲姫「……どこ……おねえちゃん……」

「あの人間、まだ……」

北方棲姫「おねえ――」

―執務室―

提督「あんな風にしたのはこっちだけど、ああも弱られるとねぇ……」

提督「このご時世、気にしててもしょうがないけど」

↓2

―阿賀野型の部屋―

提督「さけるチーズ」スッ

矢矧「……」

阿賀野(な、なんだか知らないけど、凄く行動が早かった気がするっ)

能代(いつの間に矢矧の背後に……)

酒匂(さけるちーず?)

提督「……」

矢矧「……」

提督「さけるチーズ」スッ

矢矧「……」

提督(反応が無い!?)

阿賀野「提督さん、どういう事か聞いてもいい?」

提督「言葉のままだけど……」

能代「阿賀野姉ぇは多分、どういうものかわかってないんじゃない?」

提督「え、ああ、そういうこと」

酒匂「あたしも何かわかんないー、司令、さけるチーズって?」

矢矧「恥ずかしながら、実は私も……」

提督「能代以外分かってなかったのか……」

―食堂―

間宮「これがさけるチーズですよ」

阿賀野「へぇ……」

矢矧「綺麗にさけるのね」

酒匂「おもしろーい!」

能代「普通に作れるのね」

提督「ふふん、間宮さんにかかれば楽勝だな」

間宮「どうぞ、皆さんで頂いてください。本数は無いので、あまり周りに知らせないようにしてくださいね」

阿賀野「わーい! じゃあ阿賀野半分!」

能代「阿賀野姉ぇとりすぎ!」

矢矧「これはなかなか……」

酒匂「うまうま♪」

提督(……はっ、今なら!)

阿賀野「矢矧ー、さけるチーズ。あははっ」スッ

矢矧「……」

提督「阿賀野に先にとられた!」

能代「阿賀野姉ぇも提督も子供すぎ……」

酒匂(矢矧ちゃん、すごくどうでもよさそうな顔してるー)

―執務室―

提督「ポニテで遊ぶ阿賀野と黙々とチーズを食べる矢矧の光景はシュールだった」

提督「ちなみに、相手がいないから阿賀野にしようかと思ったら、能代に冷たい目で見られた」

提督「今回は一応最初にしたし、まあ成功でいいんじゃないかな」

↓2

提督「無理です」

提督「……といいたいところだけど、流石にうるさいっていう苦情がたくさん来ている。しかも神通と那珂ちゃんが寝不足なのも見受けられる」

提督「しょうがない、ひと肌脱ぐか」


―夜・川内型の部屋―

川内「夜戦行きたい!」

那珂(これはまたうるさくなるよ……)

神通「そういえば、提督が呼んでたみたい」

川内「本当? 夜戦の話かな?」

神通「実際に行ってみた方が早いかと」

川内「待っててね夜戦!」ガチャ

那珂「本当なの?」

神通「ええ、相談しに言ったら、夜に呼んでくれって……」

―廊下―

川内「やっせんー夜戦~♪」

提督「よう、ご機嫌だな」

川内「提督、呼んだって聞いたけど」

提督「ああ、最近ちょっと川内は夜戦ばかりに重視しすぎな気がしてな」

川内「それもう! 夜戦が大好きだから!」

提督「だがそれだけでは、いつかは止まってしまう」

川内「止まる……」

提督「だから、MVPをとってみろ。川内は夜戦だけじゃないってところを見せてみろ」

川内「……」

提督「お前が俺の期待に応えてくれたその時は……一緒に夜戦をしよう」

川内「一緒に……夜戦!?」

提督「じゃあな、頑張ってくれよ」

川内「うん!」

川内(そう言われたら頑張るしかないからね)

川内「よーし、今日はもう寝るぞー!」

~次の日~

川内「おはよー!」

提督「元気だな川内。また夜戦のために夜更かししたかと思ってたぞ」

川内「だって、MVPとったら一緒に夜戦してくれるんでしょ? だったら昼戦もがんばらないと!」

提督「は? そんなこと言ったっけ」

川内「昨日の夜に会った時言ったじゃんか」

提督「そういや昨日の夜なんで来なかったんだ? ずっと執務室で待ってたんだが」

川内「え……ろ、廊下に出てたよね?」

提督「呼んでるやつがいるのに、それを待たずに廊下なんて出るか」

川内「……」

提督「川内?」

川内「今日は夜戦はいいや……」

提督「川内!?!?」

―執務室―

提督「一体川内の身に何が……下手な幽霊よりも怖いよな……」

提督(あれから川内が夜に静かになったのはいいことだけど、いつまでもつかね)

提督「……明日には直ってるだろうな」

↓2

―南西諸島防衛線―

ヲ級「はぁ……平和ね……」

提督「だな」

ヲ級「ひいっ! こ、こないでぇ!」ザザッ

提督「おいおい、散々な物言いだな」

ヲ級「お願い、見逃してぇ……」

提督(なんでこんなに怖がられてるんだ……)

ヲ級「……何しに来たの?」

提督「その帽子貰おうかと」

ヲ級「そ、それだけは勘弁して!」

提督「えぇ……じゃあ、この帽子かぶって」スッ

ヲ級「わ、分かった……」

提督「かぶったところで奪取! じゃあな!」ザパァ

ヲ級「……サーモン沖から出ないように……だめ、どこにでもあの人間でてきそう……」

―執務室―

提督「とりあえず帽子を見せたけど特に反応は無かった。まあ普通の帽子だし」

提督「ていうか、あのヲ級は大丈夫なのか。あんなに怖がって戦えてるの?」

提督「……いや、余計な心配なんだろうけど」

↓2

本人が誤爆と言っているので再安価で
↓2

提督「いや無理無理。どうやってあいつを遊園地まで連れて行くんだよ。もう沈む寸前だったのに」

提督「うーん……」

夕張「提督ーって、何やらお悩みのようですね」

提督「ああ夕張。一つ聞きたいんだが、深海の奴と遊園地行く方法ってあるのか?」

夕張「遊園地? も、もしかして提督……!」

提督「いやいや、そういうことじゃなくて……ちょっと、この前会った奴にかくかくしかじか」

夕張「……はぁ。情がわいたとしても、それは無謀ですよ」

提督「だよなぁ」

夕張「……何時しか前の、見たいものが見れる機械の改良版です」

提督「それで、ちょっとでも罪悪感を紛らわせと」

夕張「当たり前です。相手は敵なんですから」

提督「……分かった。悪かったな」

~夢の国~

提督「ってことで自由だぜ! 場所はネズミがいるところだけどな!」

北方棲姫「おねえちゃんは?」

提督「……だ、誰でもいいから姉代わりになる人ー」

電「電の力を見るのです!」

提督「あちゃあ、末っ子来ちゃったか」

北方棲姫「おねえちゃんは……?」

電「電がお姉ちゃんの代わりになってあげるのです!」

北方棲姫「おねえちゃんはもっとおむねが大きい……」

電「ぅ……」

提督「い、電? そんなところでうなだれてないで、アトラクション乗ろう、な?」

北方棲姫「あれ乗りたい」

提督「ああ、スプラッシュ……ね」

電「でも司令官さん、待ち時間が……」

[二時間半待ち]

提督「……」

北方棲姫「乗りたい」

電「ほ、他のは無いのですか?」

北方棲姫「……あれ」

提督「熊のハニー……は」

[二時間待ち]

提督「……」

北方棲姫「だめ?」

電「べ、別は?」

北方棲姫「じゃあ……」

提督「ビッグサンダー……」

[一時間半待ち]

提督(あ、これ待つだけで夢が終わるや)

電「まともに乗れそうにないですね……」

北方棲姫「楽しみ」

――――――――


夕張「どうでした?」

提督「何も乗れなかった……」

夕張「はい?」




提督「休日や祝日前提だったのがミスだな。もっと何もない日を想像していれば……!」

提督「悔やんでもしょうがない。次の事を考えよう」

↓2

提督「誰かとゆっくりしよう。いや、もうむしろ一人でゆっくりしよう」

「……」ギラン

提督「一人はダメだ。しょぼくても理由がなくちゃ撃たれる」

提督「さて、誰の所に行こうか」

↓2

―暁型の部屋―

提督「入るぞ」

暁「……ほ、本物よね?」

提督「は? 何言ってんだ」

雷「司令官の偽物がいるってこと?」

暁「いや、なんでもない……」

響「暁、気にしてもしょうがないよ。見分けることはできないんだから」

提督「えーと、気にしなくてもいいのか?」

雷「二人は最近いつもこんな感じよ」

電「心配なのです」

提督「カウンセリングとか行かせた方がいいかな……」

響「そ、そこまで重症じゃないよ」

暁「そ、そうそう。一人前のレディは自分の体長にも気を配るのよ」

提督「そう言うなら問題ないが……」

雷「それで、司令官は何の用なの?」

提督「まったりしにきた」

暁「司令官と?」(暁と響はどこを見て喋ってたんだ?)

響「まったり……」(いわゆるこっくりさんの紙を用意した)

雷「私は良いと思うわ」

電「特に何もしないのなら、電はいいのです」

提督「二人は優しいなぁ。暁と響はどこを見てるんだ?」

暁「き、気にしなきゃいいのよ。うん」

響「雷と電が相手している司令官なら大丈夫、大丈夫……」

提督「なあ雷、この二人本当に大丈夫だと思うか?」

雷「電とちゃんと見てることにするわ」

電「なのです」

―執務室―

提督「俺はまったりできたけど、あの二人が……」

提督「うーん、怖がらせ過ぎたかな。ちょっと自重しよう」

↓2

提督「飛び込むのと触るのどっちが簡単なんだろうか」

提督「前回みたいな偶然は無いだろうし……」


―陽炎型の部屋三号室―

秋雲「なんでそれを私に相談するのかなぁ……」

提督「薄い本書いてるから、そういうシチュへの道とか考えるだろ」

秋雲「現実と空想の違いしってる?」

提督「現実は空想より奇なりとは言ったものだ」

秋雲「ああいえばこういう……とりあえず、無茶はやめてよ」

舞風「一緒に踊って、たたらを踏んで倒れこめばいいんですよ」

提督「……」

秋雲「わざとらしすぎるでしょ」

提督「それだ!」

秋雲「いいの!?」

――――――――


提督「踊ろう」

浜風「嫌です」

提督「なんでだよ! 一緒に踊るくらいいいだろ!」

浜風「また何か裏があるのでしょう」

提督「ソンナワケナイダロ」

浜風「なんで片言になったんですか」

舞風「じゃあ提督、私と一緒に踊りましょー」

提督「舞風?」

舞風「ずっと、踊りたいと思っていたんですよ」

提督「う、うん? でも趣旨がずれるような……」

舞風「まあまあ」

提督「……まあいいか」

浜風「ま、待ってください。舞風に何をする気ですか」

提督「何するって、踊るだけだが」

浜風「そんなこと言って、どうせまたセクハラするんでしょう!」

提督「前のは谷風が原因だろ」

浜風「喜んでやっていたのは誰でしょうね」

提督「ダレダロー」

浜風「とにかく、舞風に手を出すのは……!」ズイッ

舞風「えいっ」ドンッ

提督「うわっ」グラッ

浜風「て、提督!?」

バタンッ

提督「いたた……」フニッ

浜風「ぁっ……!」

提督「……」フニフニ

浜風「んんっ……! て、提督……っ、早く離れてください!」

提督「す、すみませんでした!」バッ ダッ

浜風「ま、待ちなさい!」ダッ

舞風(計画通りっ)

―執務室―

提督「何とか逃げ切ることに成功した」

提督「……でも、憲兵に言われたらおしまいなんだよな。どうしよ……」

提督「いや、あれは事故だ! 事故……ってことにしてくれないかな」

↓2

―サーモン沖―

レ級「あ、人間がくる気がするー」

ヲ級「ひいっ!」

タ級「王子様が?」

南方棲戦姫「くっくっく、今度こそ逃さんぞ!」

ル級(いつから深海棲艦はこんなことになってしまったのだ)


提督「別に全員じゃないんだよなぁ……」フニフニ

イ級(こいつうぜぇ……)

提督「なんかうざがられてる気がするけど、別にいいよな」プニプニ

ヨ級「[ピーーー]」

提督「……まあ、撃ってこないからな。大丈夫だろう」モニモニ

イ級(止められてなかったら撃っていた)

―執務室―

提督「まあレ級とかは一回やってるし……こいつらも登場したし、別にいいよね」

提督「πがあるか知らないけど」

↓2

―サーモン沖―

レ級「あ、人間がくる気がするー」

ヲ級「ひいっ!」

タ級「王子様が?」

南方棲戦姫「くっくっく、今度こそ逃さんぞ!」

ル級(いつから深海棲艦はこんなことになってしまったのだ)


提督「別に全員じゃないんだよなぁ……」フニフニ

イ級(こいつうぜぇ……)

提督「なんかうざがられてる気がするけど、別にいいよな」プニプニ

ヨ級「死ね」

提督「……まあ、撃ってこないからな。大丈夫だろう」モニモニ

イ級(止められてなかったら撃っていた)




―執務室―

提督「まあレ級とかは一回やってるし……こいつらも登場したし、別にいいよね」

提督「πがあるか知らないけど」

↓2

―金剛型の部屋―

比叡「どうですかお姉さま、美味しいですか?」

金剛「……」モグモグ

霧島(まさかまた作るとは……)

榛名(すみませんお姉さま。榛名には食べることが出来ません)

金剛「……普通デース」

比叡「本当!?」
霧島「嘘!?」

金剛「少なくとも、味は……」

霧島「奇跡が起きたのですね」

比叡「霧島、私を何だと思ってるの」

提督「よう、お邪魔するぞ」ガチャ

比叡「司令! 初めて私一人でまともなカレーを作れましたよ!」

提督「いや、お前比較的まともなのは作るけど、変な効能が出るんだろ」

比叡「そんなわけないじゃないですか! ね、お姉さま」

金剛「……はっ、ハイ?」

比叡「どうしたんですかお姉さま」

金剛「な、なんでもないデース!」

提督「そうか? ちょっと様子がおかしいような……」スッ

金剛「……」サッ

提督「!? 金剛に……避けられた……だと」

比叡「嫌われているんじゃないですかー!」

提督「そんなはずが……こ、金剛、どうしたんだ?」

金剛「な、なんだか提督に近寄られると……その……顔が熱くなるネー……」

提督「は? はっはっは、面白い事言うな」スッ

金剛「……」サッ

提督「……ばかな」

比叡「つまり、お姉さまは真実の愛をお求めになるのですね! お姉さまぁ!」ガバッ

金剛「比叡はクレイジーすぎデース」サッ

比叡「避けられた!」

提督「比叡はいつものことだろ」

榛名(……榛名も、比叡お姉さまのカレーを食べれば混ざれますかね)

霧島(多分またカレーのせいなのだろうから、被害が増える前に薬取ってこよう)

―執務室―

提督「遊ぶ? うん、遊んでいた。楽しかったのなら、それはすべからく遊びになる」

提督「でもあそこの姉妹いつも楽しそうだな。俺もあんな姉妹が欲しかった」

↓2

―蒼龍型の部屋―

提督「……」ダキッ

蒼龍「ええと……」

飛龍「提督、いきなり部屋に来てどうしたの? 蒼龍に抱きつくし」

提督「……飛龍は良いよな。運の値も改二になって瑞鶴をこえたし」

飛龍「まあ、そうね」

提督「それに火力も……ん? この内容は前とかぶるか」

蒼龍「とりあえず、離れてくないかなと思うのですけど」

提督「うーん……胸が、いや、これはセクハラだし蒼龍も……」

蒼龍「人に抱きつきながら確認するの止めてくれません?」

飛龍「提督は一体何をしようとしているの?」

提督「蒼龍に抱き着きながら飛龍を褒めちぎろうかと」

蒼龍「なんでそんなことを……」

飛龍「いつもの奇行ですね」

飛龍「へ?」

提督「褒めてほしいところを褒めるから」

飛龍「えーっと、やっぱり見た目かなぁ? ほら、普段戦果は褒めてくれるけど、そういうところは褒めないでしょ?」

提督「そうだっけ。飛龍は髪が綺麗だ。いい匂いだってするし……」

提督(待てよ、これも別の奴に同じようなこと言ってた気がする。じゃあ……)

提督「胸が大きい、母性がある、良い母親になりそう」

飛龍「!?」
蒼龍「!?」

飛龍「そ、それは……」

提督「他に……」

蒼龍「そ、そろそろ離れてください!」ガッ

提督「痛い!」

蒼龍「提督も性格が悪いですよ! 人に抱きつきながら他の人を褒めるなんて!」

提督「ご、ごめんなさい」

蒼龍「もう」

飛龍(あ、あんなこと言われたのは初めてだった……)

―執務室―

提督「大鳳か瑞鶴とかだと艦載機がとんでいた。だからこそ避けられなかったんだけど」

提督「でも、まあ……女性を褒めるのって苦手だわ」

↓2

瑞鶴「提督さん、艦隊が無事に帰投したわよ。はい、報告書」

提督「食堂で間宮さんがアイスをふるまっている。それを食べてゆっくりしてくれ」

瑞鶴「分かったわ。失礼しました」

バタン

瑞鶴「……」スタスタ

提督「……」スタスタ

瑞鶴「なんでついてきてるの?」

提督「俺もアイス食べたいから」

瑞鶴「はぁ……まあいいけど」

―食堂―

瑞鶴「間宮さん、アイスありますか?」

間宮「はい、どうぞ」

提督「間宮、アイスあるか」

間宮「もう食べましたよね」

提督「あ、そうだっけ」

瑞鶴「提督さん、なんでそんなことも忘れてるの」

提督(ふん、全て分かっていた事。今ここには加賀もいる)


加賀(アイスクリーム美味しいです)


提督(上手く瑞鶴を誘導して、加賀に向けてころばせる!)

瑞鶴「……まあ提督さんがおかしいのはいつもの事か。それじゃあね、提督さん」スタスタ

加賀(大事に……大事に食べなくては……)

提督(そして、加賀の前に出たときが勝負!)バッ

瑞鶴「えっ?」コケッ

加賀「あっ」

ドグシャ フニッ

加賀「……」

瑞鶴「えっと、ごめんなさい。でも、今のは提督さんが……」

加賀「貴女がこけたことはどうでもいいです」

瑞鶴「そ、そう? ごめんなさい」

加賀「ただ、私のアイスクリームを潰したことは許せません」グシャッ

瑞鶴(あっ、手が当たって……)

加賀「ふぅ……第一攻撃部隊、発艦してください」

瑞鶴「ご、ごめんなさーい!」ダッ

加賀「逃がしません!」ダッ


提督「俺以外で発艦されている姿初めてみた」

(……)ジー

―次の日・廊下―

青葉「号外、号外ですよー」

提督「ん、何を配っているんだ?」

青葉「昨日の加賀さんと瑞鶴さんの事の顛末です」

提督「……それって」

青葉「はい、司令官のしたこともばっちりです!」

提督「青葉ぁ!」

青葉「あらあら、青葉にかまってていいんですか? 後ろ、見てみるといいですよ」

提督「……」チラッ

瑞鶴「提督さん……?」

提督「げっ、瑞鶴!? って、加賀は?」

瑞鶴「昨日、私を虐めてアイスを取った後すっきりした顔で去っていったから、提督さんには向かないんじゃない……?」ゴゴゴ

提督「その怒り、今の言葉でなんとなくわかった」

瑞鶴「じゃあ、おとなしくやられてくれるわね」ニッコリ

提督「逃げるに決まってんだろ!」

瑞鶴「全機爆装、準備出来次第発艦! 目標、逃走中の提督、やっちゃって!」

ドーン

青葉「でも、司令官のいつもの奇行に比べると、この記事も弱いですねー。証拠に誰もとびつきませんよ」

―執務室―

提督「何とか逃げ切った……危ないところだった」

提督「加賀の怒りは向かなかったけど、その分瑞鶴の怒りが半端なかった。というか、誰も止めてくれなかった」

提督「青葉め……あの号外が無ければ、翔鶴くらい助けてくれただろうに……」

↓2

提督「……で、瑞鶴が風邪だって?」

翔鶴「はい。心配なので、私が遠征中見てもらいたいんです」

提督「えー、めんどくさいな。作戦指揮とかしなきゃいけないしー」

翔鶴「どうせ、出撃しないんでしょう?」

提督(分かってるな翔鶴)


―翔鶴型の部屋―

提督「それで、なんで加賀までついてくるんだ?」

加賀(あの提督が何もなしに五航戦の子に付き合うはずがない。きっと何かあるんでしょう)

提督(なんか疑いの目がかかってるな)

瑞鶴(翔鶴姉ぇ……この二人に見られるほど、辛い人選は無いのに……)

提督「まあ加賀はいいや。何かしてほしいことはあるか?」

瑞鶴「二人とも、出て行って……」

提督「嫌だ」
加賀「嫌です」

瑞鶴(翔鶴姉ぇ……帰ってきて……)

提督「そもそも、なんで風邪ひいたんだ?」

瑞鶴「……昨日、加賀さんに」

提督「なんとなくわかった」

加賀「あれは貴女が悪いんでしょう。あれしきの事で動じるのがいけないの」

瑞鶴「動じるって……」

提督「元々は俺がいけないんだがな」

加賀「まあ、提督には大分前にパフェ奢ってもらいましたし、その時を考えればと」

瑞鶴「えっ、私にあれだけしたのは?」

加賀「私のアイスを潰したのは貴女でしょう」

瑞鶴(そこは私なんだ……)

提督「でも瑞鶴、思ったより元気そうだな」

瑞鶴(この二人の前で弱気になると、何されるかわかったものじゃないわ)

提督「寝てもいいんだぞ?」

加賀「そうね、ゆっくりすることが一番の療養よ」

瑞鶴(絶対何かしてくる気よ、この二人……寝ていられない……)

提督(寝てる間にどこか遊びに行ってもばれないかな)

加賀(寝てる間に赤城さんと話してもいいわよね)

~夕方~

翔鶴「あら……加賀先輩?」

瑞鶴「翔鶴姉ぇ……」

提督「お帰り翔鶴」

加賀「この子なら心配なさそうよ」

翔鶴「それは嬉しいですけど……加賀先輩が珍しいですね」

加賀「珍しい?」

翔鶴「す、すみません」

加賀「この子のためじゃないわ。あくまでも私のために看病してたの」

翔鶴(加賀先輩ってば……)

加賀(風邪だというのに、気丈に見せる心構えには感心させられたわ。提督も、それを見に来たのかもしれないわね)

提督(他の奴と遊びたいなー)

瑞鶴(今日ずっと同じ部屋にいたからわかる……みんな、誰一人として考えがかみ合っていない)

―執務室―

提督「寝たりとかしてないのに風邪が直ってた。瑞鶴すごいな」

提督「加賀も、なんだかんだと感心している様子だったし、良かったのかもしれない」

提督「……はっ、もしかして、翔鶴はこれを見越して……!」

↓2

提督「恒例の回想タイム」


~回想・大鯨の部屋~

提督「我らが艦隊に馴れるためのその二だ」

大鯨「その一はなんですか?」

提督「ソリティアをやっただろう」

大鯨「あれは、どちらかといえば提督と仲良くなるだけだったような……」

提督「……まあ、それは置いておこう」

大鯨「そうですね」

提督「とりあえず、そのためにほら」ポンポン

大鯨「膝を叩いてどうかしたんですか?」

提督「一番近くの席で、俺の働きぶりを見るといい」

大鯨「じゃ、邪魔じゃないですか?」

提督「邪魔なら提案などしない。ほら、来てみろ」

大鯨「で、では、お言葉に甘えまして」ノソノソ

提督「よし、仕事を始めるか」

~数分後~

大鯨「……」

提督「あれがあれで……やっぱり、あいつはここに……」

大鯨「……」

提督「よし、出撃メンバーはこれでいいな。後は呼び出しておくか」

大鯨(不純みたいなんですけど……)

提督「よし、後はこっちをかたずけて……」

大鯨(なんだか、背中があったかくて広いものに当たって……安心できる……ような)

提督「おっと、この書類は……」

大鯨(あわわ……私ったらなんてはしたない)

提督「……大鯨、やっぱり退屈か?」

大鯨「と、とんでもないです! むしろ、満足というか充実というか」

提督「へ?」

大鯨「あう……」

提督「ま、まあ、暇じゃないならいい」

大鯨(もう、私ったら……でも、提督優しい……こんな私に気にかけてくれるなんて)

提督「……」

大鯨(私も、お役にたてるよう頑張らなきゃ。でも、今は……)

提督「おっと、こっちもか」

大鯨(この暖かさを楽しませてもらいます……)

~回想終わり~

提督「あのとき何だか静かだったなぁ。何か楽しんでたようだけど、楽しむような場面あるかね」

提督「鳳翔の店を手伝ってる姿を時たまみかけるし、事務系が好きなのだろうか」

↓2

提督「着せ替え。川内は夜戦とか言えば余裕だったけど、羽黒はなぁ」

提督「うーん、羽黒はどういえば……」

羽黒「司令官さん、お呼びですか?」ガチャ

提督「……羽黒、ここに服を用意した」

羽黒「そうですね、よく用意しましたね」

提督「着ろ」

羽黒「えっ」

提督「着ろ」


~数十分後~

羽黒「し、司令官さん……そろそろ……」

提督「いや、こんなに作ってしまったんだ。もったいないから全部着るまで帰さん」

羽黒「うぅ、司令官さんちょっと怖いです……」

提督「メイドにナース、今度はスク水だ!」

羽黒「む、無理です!」

提督「大丈夫だ、きっと似合う」

羽黒「無理ですーーーーー!」ダッ

提督「あー、逃げられたか……でも、ナースのままだよな、あれ」

提督「まあ、いいか」

↓2

―千歳型の部屋―

提督「千代田はいるか?」

千歳「千代田ならそこにいますよ」

千代田「ん? 何、提督」

提督「ちょっと立ってくれないか、千代田」

千代田「何よぉ、まったく提督は……」

提督「ほら、たかいたかーい!」バッ

千代田「きゃっ!? い、いきなり何するのよ提督! ていうか離して」

提督「お前が提督大好きというまでし続けてやる!」

千代田「な、何よそれ! 千代田は千歳お姉一筋なんだから! 絶対そんなこと言わない!」

提督「強情だな。だが、いつまで耐えられるかな」

千歳(提督、気付いてて言ってるのかしら?)

~一時間後~

提督「さ、さぁ……ぜぇぜぇ……そろそろ疲れてきたんじゃ……げほっ……ないのか?」

千歳(やっぱり……)

千代田「疲れてるのは提督の方でしょ! ほら、早く離しなさいよ」

提督「千代田が大好きって言ってくれるまで絶対に離さん!」

千代田「なんで提督は無駄に強情なのよ!」

提督「ふ、ふふ……ふぅふぅ……まだいう気はないのか?」

千代田「ち、千歳お姉……」

千歳「提督がこうなのは何時もの事でしょ。千代田の方から折れてあげたら?」

千代田「ち、千歳お姉に言われたからだから! 提督大好き! これでいい!?」

提督「もっと愛を込めて」

千代田「は、はぁ!?」

提督「……は、流石に疲れたからやめておこう。はぁ……」

千代田「まったく提督は……」

千歳(でも、一時間も千代田を胴上げし続けた提督の持久力は一体……)

―執務室―

提督「疲れた……久しぶりに筋肉痛になりそう」

提督「最近あんまり身体動かしてなかったからなぁ。ちょっと運動しなきゃ」

↓2

―島風の部屋―

島風「島風一番乗りーって、私しかいないんだけど」

ダンボール「はっ」ゴソゴソ

島風「えっ、ダンボールが私の箪笥をあさってる!?」

ダンボール「……この進化したダンボールの性能を見せてやる」

島風「進化?」

ダンボール「車輪装着! 奪取! 二重の意味で!」ダッ

島風「あっ、私のパンツ……は、はやーい」


―執務室―

提督「しまった、早すぎた……これで終わっていいのか、いや駄目だ」

島風「司令官、ちょっといい?」ガチャ

提督「何だ島風」

島風「私のパンツ返してよ」

提督「な、なぜ俺だと……」

島風「車輪付けただけで、走って逃げたよね。足見えてたよ」

提督「しまった!」

――――――――


提督「まさか島風に見破られるとは……」

提督「これも一種の成長か。感慨深いな」

提督「……いや、冗談だ。さすがに足が見える逃走してばれてないなんて思ってないぞ。パンツ取ってもしょうがないし」

↓2

―蒼龍型の部屋―

飛龍「最近、提督がいつも以上にふざけてる気がするわ」

蒼龍「確かに、奇行が激しいね」

飛龍「見てる分にはいいけど、どうにも矛先がこちらに向くような……」

提督「呼んだ?」ガチャ

蒼龍「噂をすればって感じだったね」

飛龍「しまった……」

提督「飛龍、いいか?」

飛龍「ん、何?」

提督「結婚してくれ」

蒼龍「え、えー」

飛龍「まさかそう来るとはね……」

提督「それで、返事は?」

飛龍「……いいですよ、幸せな家庭を築きましょう」

END

蒼龍「って、本気!?」

飛龍「まさか、冗談に付き合っただけ」

提督「まあ本気でこんなところで結婚なんてせんわな」

蒼龍「そ、そう」ホッ

飛龍「そういう冗談、あんまり他の人にしちゃダメですよ」

提督「分かってるって。金剛とか大和にだけは絶対にしない」

飛龍「まあ、そんなことして困るのは提督自身ですからね」

提督「オーケーオーケー。肝に銘じておく」

飛龍(多分、また似たようなことやりそう)

蒼龍(銘じるだけで、しないとは言ってないもんね)

―執務室―

提督「やんわりと怒られてしまった」

提督「きっと飛龍ならと思っていたが、伝わったようでなにより。あんまりよろしくないことだとは思ってるけど」

提督「……うん、一部の奴らには絶対にしないから」

↓2

―蒼龍型の部屋―

提督「飛龍、お詫びにデートに行こうか」

飛龍「それお詫びって言わないと思います」

提督「だな。蒼龍、荷物持ち頼むぞ」

蒼龍「私そういう役回りなんですか」


―デパート―

提督「でも二人とも来るんだな」

飛龍「デートなら奢ってくれますよね」

蒼龍「期待してますから」

提督(三人の時点でデートではないのだが)

飛龍「あそこの宝石綺麗ですね」

蒼龍「あ、本当」

提督「宝石は許してください! 流石にお金が足りなくなります!」

飛龍「もう……せめて楽しませてくださいよ」ギュッ

蒼龍「ね、提督」ギュッ

提督「暑いから引っ付くな」

飛龍(抱きつかれて顔色変えずにこんなこと言う人が、結婚の申し込みをするわけないじゃない)

蒼龍(他の提督が好きな人は大変だろうなぁ)

―執務室―

提督「高い物は買わなかった。あいつらが本気でほしがるとは思ってないけど」

提督「でも、今回のってやっぱりデートじゃないような……」

↓2

提督「勝利か……勝利=勝つだけにカツを掴もう」

提督「カツ百枚揚げるぞ!」


―食堂―

足柄「間宮さんには許可ちゃんと得た?」

提督「完璧」

足柄「肉衣油は?」

提督「余裕に用意してある」

足柄「いくわ! 暁の水平線に勝利を刻むのよ!」

提督「おう!」

間宮(あれ、百枚って量じゃ……いえまさか、全部使うわけが……)

足柄「全部使い切るわよね!」

提督「もちろんだ!」

間宮(胃薬用意しておきましょう)

~夕食~

提督「さあ皆、俺と足柄が作ったカツカレーだ!」

足柄「結局四百枚くらいになったけど、一人二つで十分食べられるわよね!」

駆逐艦娘『多い!』

提督「だよなぁ……」

足柄「まあ、私と提督は五枚にしてるから」

妙高「私のは何で十枚もあるのかしら?」

提督「せめて妙高相手には本当の勝利を掴もうかと」

足柄「妙高姉さん、私と提督に勝てるかしら?」

妙高「……冷静に考えてフェアじゃない上に無理よ」

提督「足柄、事実上の敗北宣言だぞ足柄!」

足柄「妙高姉さんに勝ったわ!」

妙高「だから、二人に四枚ずつ上げるわね」

提督「」
足柄「」

―執務室―

提督「少し胃がむかつく……足柄は最後、酷い三日酔いしたOLみたいなことになっていた」

提督「駆逐艦の子たちが食べれなかった分は、あの戦艦やあの空母が食べてくれていたようだ」

提督「胃薬は足りたのだろうか……?」

下2

酒匂「よんだー、司令」

提督「呼んだ呼んだ。ほらおいで」

酒匂「わーい♪」ポスッ

提督「よーしよしよし」ナデナデ

酒匂「んー、司令良い気持ちー」

提督「ははは、酒匂は可愛いな」

酒匂「もっと褒めてー」

提督「うんうん。ちっちゃくて抱きしめやすそうでいいなぁ」

酒匂「じゃあ、阿賀野ちゃんは?」

提督「意外と子供っぽいところがいいぞー。酒匂は素直なところがいいなー」

酒匂「えへへ」

提督「よーし可愛い酒匂には、膝に乗る権利をあげよう」

酒匂「ぴゃあっ、嬉しい!」


阿賀野「阿賀野子供っぽくない!」

能代「ううん、あの状態は憲兵が来たら不味いような……」

矢矧「どうして?」

能代「なんでもない……」

――――――――


提督「なんでか阿賀野達に覗かれてた。視線向けたら散っていったけど」

提督「でも酒匂は可愛いなぁ。あんなに素直な子はなかなかいないぞ。阿賀野型の時代来るね」

↓2

提督「グルメ、いいねぇ。でもそんな時間が取れるのか」

提督「いや、とって見せる」


~ダイジェスト~

提督「沖縄だ!」

赤城「やっぱり南からですね! では、何を食べますか?」

提督「やっぱりゴーヤだな」

「呼んだでち?」

提督「ゴーヤチャンプルーを食べよう。今誰かいたか?」

赤城「気のせいだと思います」


提督「鹿児島だ。鹿児島といえば」

赤城「さつま揚げですね。んー、美味しいです」


提督「福岡来たぞ。もつ鍋を食べよう」

赤城「やっぱり山中ですかねー。熱々で美味しいです」


提督「広島……はやっぱりお好み焼きかな」

赤城「一食になるんですよね。ふぅ、結構お腹に来ます」

提督「島根。しまねっこだ!」

赤城「出雲そば食べに行きましょー」


提督「香川はうどん! 讃岐うどん!」

赤城「やっぱりトップブランドっていうだけありますね……ズルズル」


提督「愛媛だ! みかん狩りだ!」

赤城「ぶどう狩りにも行きましょう!」


提督「高知は……」

赤城「アイスクリンの名称が使われてますよ! ほら、五段重ねです!」


提督「兵庫には甲子園があるぞー」

赤城「初めて見ました。さて、神戸牛のお店に行きましょう」


提督「大阪はたこ焼きだ!」

赤城「提督、お一つあーん」


提督「奈良……鹿せんべいだ!」

赤城「バリバリ……草の味しかしません……」


提督「京都に来た」

赤城「生八つ橋ですよ! ううん、この感触がたまりません」


提督「愛知に来たけど、味噌カツ丼と天むす……どっちもだ!」

赤城「提督も食いしん坊ですね」

提督「富山は鱒寿司。これに決まり」

赤城「お店行って、いっぱい食べましょう」


提督「新潟……お米?」

赤城「コシヒカリの名産は他にもありますけどね」


提督「静岡はお茶がおいしい」

赤城「うなぎパイをおやつには合いませんかね」


提督「東京! 東京といえばやっぱり!」

赤城「東京バナナ! あむっ、レロレロ」


提督「どうせ千葉に来たのなら、夢の国行こう! フリーパス買ってるぞ!」

赤城「ハマグリもいいですね。遊んだあと行きましょう」


提督「宮城に来た。牛タン美味しい」

赤城「ずんだを加賀さんのお土産にしましょう」

提督「飽きた。間違えた、秋田はきりたんぽ! ほら赤城、キーホルダー買ってやろう」

赤城「本当ですか? えーっと、きりち……ちょっと提督!?」


提督「わんこそばもういっちょ!」

赤城「岩手は一杯おそばが食べられますね。あ、提督倒れそうです!」


提督「青森はりんご狩りだ。うん、やっぱり甘い」

赤城「味噌カレー……牛乳ラーメン!?」


提督「北海道は海鮮がいい。いくらにうににカニに……美味い!」

赤城「夕張メロン! 夕張さんに買って帰りましょう!」

提督「さて、帰るか!」

赤城「はい!」

提督「……あ、やばい」

赤城「どうしたんですか?」

提督「秘書官に連絡してない……」

赤城「あー……」

―執務室―

霞「今までどこに行ってたのよカス! 居なくなるなら連絡くらいしなさいよ!」

提督「す、すみませんすみません! どうか夕張メロンでことをおさめください!」

霞「……まあ、急ぐ仕事が無かったから許してあげるわ。もちろん、これはもらうけど」

バタン

提督「……死ぬかと思った……」

提督「まあ、思ったより長くなったのはある。結構とばしたところもあるんだけど……」

↓2

―金剛型の部屋―

金剛「提督分が足りないデース!」

比叡「この比叡で代わりに!」バッ

金剛「ならないネー」スッ

霧島「まったく、いつもの二人ですね。そう思いませんか、榛名」

榛名「提督……金剛お姉さまは相手にしてくれるのに……榛名は……」

霧島「……榛名?」

榛名「えっ、は、榛名は大丈夫です!」

提督「さて、今日は誰と遊ぼうかなー」ガチャ

金剛「あ、提督ー」
霧島「榛名と遊んであげてください」

提督「え?」

霧島「ほら、金剛お姉さまに比叡お姉さま。トレーニングに行きますよ」

金剛「霧島?」

比叡「お姉さまがいるのならどこへでも!」

霧島(殺伐とした状況には、したくないですからね)

バタン

提督「ええと、榛名?」

榛名「は、はいっ!」

提督「おいで」

榛名「は、榛名、いざ参ります!」グッ

提督「なんで身構える。もっと楽にしろ、楽に。普段の榛名の方がいいぞ」

榛名「普段の榛名、ですか?」

提督「ああ。ほら」ナデナデ

榛名「提督……」

提督「そうやって、力を抜いているときの榛名の方が可愛いぞ」

榛名「ありがとう、ございます」

提督「ほら、今はもっと甘えていいんだぞ」

榛名「は、はいっ」

提督(……さっき目のハイライトが無かったような……いや、気にしないでおこう。きっと勘違いに違いない)

―執務室―

提督「多分三人が素直に出て行ったの、あれが原因なんだろうな……」

提督「そういえば、前になんか盛られたような……気のせい気のせい。榛名がそんな怖いことしたとか思いたくない」

↓2

提督「眼鏡ブームなどどう起こせばいいのか……」

妖精「われわれにおまかせあれ」

提督「よ、妖精さん。こういう時って夕張が出るとばかり」

妖精「はたらきすぎにつき、おやすみのようです」

提督「納得。それで、眼鏡ブームなんて、どう起こすって?」

妖精「どのはいっていないめがねをつかい、こうながすのです。『かけたらもてる』と」

提督「モテる眼鏡か。だいぶ昔に流行ったな」

妖精「どうです。いいさくせんとおもいませんか」

提督「乗った。ちなみに、本当にモテるの?」

妖精「ちょっとだけ」

提督「微妙な……」

~次の日~

提督「……流行ったな」

妖精「そうですね」

提督「一部の婚期逃しそうな連中や、モテたそうにしてた人に」

妖精「はて、どうしていちぶのみでしょう」

提督「青葉に聞いたら、不特定多数にモテても意味ないって皆言ってると」

妖精「なるほど。こんごのためのかてといたします。では」シュン

提督「消えた!」

提督「しかし、物を流行らせるって難しいな」

提督「不特定多数に意味ない……青葉には消しゴムに意中の人の名前を書くと叶うっていうのを教えてみるか」

提督「こっちが流行るとか。はは、まさか」

↓2

―廊下―

提督「金剛ー」

金剛「あっ、提督ー、今日は私を相手してくれるですカー?」

提督「もちろんだ!」

金剛「嬉しいデース! あっ、提督足元!」

提督「ん? なっ……!」ツルッ

提督(バナナの皮が……!)

ゴツン

金剛「提督? 提督ー!」

提督「」

金剛「血が……提督ー! ううっ」

提督「」

金剛「私が……私がバナナの皮をポイ捨てしなかったら……!」

提督「お前のせいかよ!」ムクッ

金剛「提督、無事だったデース。 血は?」

提督「お前にドッキリしかけるための血のりだ。まさか本当に頭をぶつけることになるとは思わなかったけど」

金剛「もー、提督は本当に驚かせるデース」

提督「お前はバナナの皮をちゃんと捨てろ」

―執務室―

提督「実は狙っていたんじゃないのだろうか……」

提督「ていうか、バナナの皮で滑るって、コントじゃないんだから」

↓2

那珂「那珂ちゃん呼んだ?」ガチャ

提督「那珂ちゃん呼んだぞ。今回はリアルおままごとをしよう」

那珂「リアルおままごと?」

提督「そう。那珂ちゃんはアイドル歴十年。とあるCDによって空前のブームを引き起こしたけど、時代の波にもまれ徐々に人気が衰えていき、気付けば自分は女の子らしいことをしたことないと思い返し、駅前のバーで見つけたあの彼に胸をときめかせるけど、自分の職業を考えてファンを裏切ってまで自分を押し通そうか悩んだ結果、アイドルを辞めてあの彼と結婚したが、彼は優しくていい人のはずなのになぜか満たされない自分に戸惑いを感じる二十五歳専業主婦の役ね」

那珂「えっ」

提督「それで俺が万年アイドルの追っかけをしているただのサラリーマンだけど、バーで出会った過去に追っかけていたアイドルに胸をときめかせるけど、過去を追っかけない主義者の男はそのアイドルの事を忘れようとするけど、なぜか心に残ったまま忘れることが出来ず、ついバーで告白してしまい、しばらく後に結婚まで行くが、なぜか追っかけていたアイドルがいつも以上に気になって日々を悶々と過ごしている三十歳サラリーマンの役ね」

那珂「えっ」

提督「じゃあ始めようか」

那珂「ちょ、ちょっと待って、あまりにも長すぎて、那珂ちゃん覚えられなかったんだけど」

提督「えー、まったく那珂ちゃんは。そんな事じゃアイドルなんてできないぞ」

那珂「口頭でそんな長い文章伝えられること、アイドルはあんまりないと思う」

提督「アイドル業っていうのは幅広いんだぞ。そんなことで弱音はいてどうする」

那珂「と、とにかく無理だからー!」ダッ

提督「あっ、逃げるな! 待てー!」

――――――――


提督「まったく、逃げられるまでがテンプレだとはいえ、あんな全速力で逃げなくても」

提督「結構面白い設定だと思ったんだけどな」

↓2

―サーモン海域北方―

提督「ホント、この辺の奴ら攻撃しなくなったなぁ。おっす」

ヲ級「ひっ」バシャッ

提督「……なんか、一部からは逃げられるけど」

レ級「あ、きたんだー」

提督「来いって言われたからな」

レ級「だってめずらしいからねっ。戦闘ばかりだと、わたしも嫌になるから」

提督「俺も俺も。気が合うなぁ」

レ級「そうなんだ、あはは」

提督「サーモン海域だけはボート壊れなくて済むから助かってるよ」

レ級「南方棲戦姫様も、私が倒すから手出しするなって言ってるからね」

提督「……そういえば、そいつはどこに?」

レ級「今はいないよ。いたら誰かがまっさきに報告してるよ」

提督「それもそうか」

レ級「んー、抱きついてもいい?」

提督「いいぞー」

レ級「えへへー、こんなこと出来る人って、いないから」ギュッ

提督「俺ならいくらでも相手になってあげるからな」

レ級「嬉しいっ」ニコッ

南方棲戦姫「じゃあ、私も混ぜてもらうとするか」

提督「……」

南方棲戦姫「くくっ、この日を楽しみにしてたぞ!」

提督「じゃあなレ級! ていうか、居ないって聞いたんだけど!?」

南方棲戦姫「お前のために急いで戻ってきたぞ!」

提督「余計なことを!」バシャァ

南方棲戦姫「待てぇ!」バシャッ

レ級「ばいばーい」

―執務室―

提督「泳いだ方が早い。ボートは乗り捨ててきた」

提督「しかし、笑う事も出来るんだな。なかなか新鮮だった」

↓2

―大和型の部屋―

大和「……」

武蔵「どうした大和、自分の箪笥を見て」

大和「……私のあれが無いの」

武蔵「PADならあるじゃないか」

大和「これどう見ても胸当て! PADじゃ……!」

武蔵「気付いたか、おそらく犯人は……」

大和「PADじゃありません! 三重装甲なだけです!」

武蔵「なぜそこを訂正する」

大和「PADと胸当ての違いが判らないといえば、提督しかいないわね」

武蔵「そっちが後か。まあ、言って聞いてみるといい」

―執務室―

提督「シラネ」

大和「どう考えても提督しかいないでしょう!」

提督「証拠はあるか、証拠は」

大和「提督じゃなかったら、多分そのあたりのPADを代わりに入れておくでしょう!」

提督「え、PADだろ。胸当てって」

大和「違いますー。詰め物って意味もあるんですー」

提督「マジか……誤情報とはな。龍驤の言葉は信頼しないようにしよう」

大和(龍驤さん……)

大和「って、その言い方明らかに提督じゃないですか!」

提督「しまった!」

大和「とにかく返してください!」

提督「龍驤の箪笥に入れといた」

大和「……」

龍驤「こらキミィ! なんや、虐めかこれ!」ガチャ

―――――――――


提督「一番割を食ったのは、多分龍驤」

提督「PADがなんたるかとかどうでもいいや。どうせ女性用のなにかだろう」

提督「とりあえず、この用途に困った胸当ては赤城辺りにあげとこう」


↓2

提督「改善したって?」

夕張「はい、見たいものが見れるこの機械、今まで実験結果からして、ちょっとねじまがった未来が見えていました」

提督「そういえば、深海提督になる夢とか見たなぁ」

夕張「今度こそ、自分の求めている夢が見れるようになっているはずです」

提督「今度こそ、本当に大丈夫だよな?」

夕張「もちろんです。試してみればわかりますよ」

提督「まあ、俺も自分がゆっくり出来そうな未来なら、求めているものかも……」

夕張(……なんて、実験はおまけ。これまでのことで、提督はもうこの鎮守府がいいと思えているようになっているはず)

提督「ふわぁ……今からでも寝てみるか」

夕張(確認のためにも、使ってもらいますよ、提督)

~夢の中~

提督「レ級、一緒に平和な海へ行こう!」

レ級「に、人間?」

提督「どうだレ級、来てくれるか」

レ級「で、でも……わたしは深海棲艦だよ?」

提督「お前の境遇は知った。でも、それでもお前と共にありたいと思っている」

レ級「ほんとう……?」

提督「もちろんだ。もし裏切るようなことがあれば、俺は腹を掻っ捌いてもいい」

レ級「……」

提督「やっぱり、ダメか?」

レ級「ううん、嬉しい! そんなこと言ってくれた人、いままでいないから」

提督「レ級……」

レ級「人間、一緒ににげよっか。あらそいのない、平和な海まで」

提督「おう! 俺とレ級となら、どこまでも行けるさ」

~~~~~~~~


提督「……んん」

夕張「どうでした、どんな夢見ましたか?」

提督「……レ級と逃避行する夢」

夕張「」




提督「夕張が絶句したまま出て行ったが大丈夫か? どこか、失敗してたのかもしれんな」

↓2

加賀のぼそっと「深海に寝返りたいと」独り言を言う

>>224
加賀が秘書官の時ぼそっと「深海に寝返りたいと」独り言を言う

提督「加賀、秘書官になれ」

加賀「なぜですか。提督の秘書官をできるのは、あの子くらいしかいないものだと思いますが」

提督「その霞が風邪でダウンしてな。みんな、加賀みたいなことを言って断るんだ」

加賀「まあ、提督のそばにいるわけでもないですから、そうかもしれません」

提督「そりゃ一日中上司といても嫌だろ」

加賀(尤もなこと言いますが、おそらく提督はあの子と一緒に居たくないだけだと推測します)

提督「とにかく、加賀にお任せしたい」

加賀「別にかまいませんが……仕事はそっちにもふらせてもらいますよ」

提督「ええっ」

加賀(全部任せるつもりなんですかこの人)

提督「ちぇー、これなら深海に寝返った方が良いかな……」

加賀「……それ、あんまり他の人の前で言わない事ですね」

提督「へ? なんで」

加賀「相手が悪ければ、縛られますよ」

提督「何それ怖い」

―次の日―

提督「風が治って秘書官は元通り。仕事量が戻って俺もニコニコ」

提督「ていうか、普段秘書官はあの量の仕事してたのか……まあ、だからといって自分でやるわけじゃないけど」

↓2

―ジャム島―

タ級「はぁ……王子様来ないかなぁ……」

ル級(くそっ、こいつ遂に戦闘中にも言うようになってきたぞ! 隣で呟かれてすごくウザい!)

タ級「……王子様が来る」

ル級(ようやく来たか! またあいつに預けて、こっちはのんびりするとしよう)

提督「なんとなく、呼ばれたような感じできてしまった」

ル級「いいところに来たな! 貴様にはタ級とデートする権利をやろう!」

提督「え? いや、いらな」
タ級「本当!? 王子様!」

提督「……」

ル級「行くよな?」ギロッ

提督「そのために、私はここまで来たのだ。マイプリンセス」

タ級「あぁっ……もう沈んでもいい」ブクブク

ル級「いや沈んでる沈んでる」

~数分後~

提督「海域を適当にまわるだけだけど……」

タ級「こうして王子様といられるなんて、まるで夢みたい」

提督(なんで深海棲艦とデートしてるんだ)

タ級「うふふ、あれを見て、あんなところで小さな子が遊んでいるわ」


イ級(アイツ人間じゃね?)

ロ級(タ級様いるし、いいんじゃね)


提督(なんとなく助かった気がする)

タ級「かわいいわぁ……」

提督「こ、子ども好きなの?」

タ級「はい、小さくてかわいらしい。大好きです」

提督(いらない情報を知ってしまった)


~二時間後~

タ級「ありがとう王子様、楽しかったわ」

提督「海を漂うだけだったけどな……」

タ級「またデートしましょう、タ級はいつでも待ってるから」

提督(敵地の中をデートとか寿命縮むわ)

―執務室―

提督「今日も生き延びることが出来た……」

提督「そもそも、なんで俺はジャム島なんかに単身突撃したのか、それが問題だ」

↓2

―高翌雄型の部屋―

提督「そういえば、ここ来るのは初めてだな……」ガチャ

摩耶「お、珍しいじゃんか、提督がこの部屋に来るなんて」

提督「自分でもそう思う」

摩耶「まあゆっくりしてけよ」

提督「そうしようかな……っと、摩耶、お前ちゃんと片づけろよ。下着が転がってるぞ」

摩耶「何鼻の下伸ばしてんだよ。提督むっつりだなー」

提督「は? なんで鼻の下伸ばすんだ?」

摩耶「……えっと、本気で気にしてないのか」

提督「意味分からん奴だな。ただの下着だろ。ホック外して洗濯ものいれとくからな」

摩耶「いや、いい……あたしが自分でやる……」

提督「お、おう」

摩耶(まるであたしが被害妄想が激しいみたいじゃんかよ……)

提督「?」

―執務室―

提督「摩耶の調子が悪そうだから、早めに戻ってきた」

提督「なんか、俺が来たときは調子よくても、帰るとき悪い奴も多いな。無理させてんのか……?」

↓2

でち公に休暇をあげると嘘をつく

―小笠原―

提督「釣りに来たぞー! 大物だー!」

長門「何故ここに来たのか、いまいち分かっていないが……腕が鳴ることだけは確かだ」

提督「狙うは大物! マグロだ!」

長門「いや違うな、カツオ……スマカツオだ!」

提督「貸切ボート、今日は一日中釣りまくってやる!」


~一時間後~

提督「釣れない」

長門「釣れんな」

提督「本当に居るのか? って思うくらい釣れない」

長門「いや釣れるのだろう。釣れるのだろうが……釣れない」

提督「ちょっと餌っぽく動かしてやろうぜ」

長門「そういうのも大事だな。では、こちらは餌を変えてみよう」

提督「海軍人が釣れないって、死活問題な気もするんだよな」

長門「我らには必要ないスキルだろう」

提督「そうかなぁ、そうかもなぁ」

長門「……」

提督「……あ、そういえば」

長門「なんだ?」

提督「このルアーはこの釣り場に適してないんだって」

長門「……なぜ、ここで借りなかった」

提督「……まあ、いいじゃん」

―執務室―

提督「釣りにいくとは言ったけど、釣るとは言っていない」

提督「それに、俺はどちらかといえば釣る時より、待ってる時間の方が好きだわ」

提督「帰り際長門にそう言ったら、ちょっと呆れ顔だったけど」

↓2

>>243

提督「ゴーヤ、いやでち公」

58「なんで言い直したの。それで、なんでちか?」

提督「いや、オリョクルはしばらく休みにしてやろうと思って」

58「……」

提督「おかしいな、喜ぶと思ったんだが」

58「前々回は、てーとくがオリョクル行くって言って、前回は酷い目にあったでち」

提督「おいおい、今回も何かあるって?」

58「……無いとは思えないでち」

提督「ふぅ、俺も信頼が無くなったものだ」

58「てーとくの事は信頼してるけど、それとこれとは別」

提督「意味の分からんこと言うな。とりあえず、用件はそれだけだ。部屋に戻って次の出撃までゆっくりするといい」

58「……分かったでち。じゃあ、ゴーヤは休むね」

提督「ああ」

168「司令官――ってゴーヤ? 早く出撃準備してよ」ガチャ

58「え? でも休みって……」チラ

提督「オリョクルは……な。次の出撃がいつとは言ってないだろう」ニヤリ

58「てーとく!」

168「じゃあね司令官。私はゴーヤ呼びに来ただけだから」

バタン

提督「ゴーヤの涙目ながらも『何だ、この程度か』的なほっとした視線を忘れないだろう」

提督「嘘の休みをこの程度で済ませられる奴、多分この鎮守府でも数少ないと思うんだけどなぁ」

↓2

提督「呼んで突然で悪いが、運河に行きたい」

401「運河いいねー、提督はどこに行きたいの?」

提督「やっぱり行くなら世界三大運河。キール運河、スエズ運河、パナマ運河だな」

401「じゃあ、ニカラグア運河って知ってる?」

提督「なんだそれ、聞いたことも無いな」

401「まだ着工してないからしょうがないね」

提督「へぇ、ちなみにどんな運河になる予定なんだ?」

401「全長278kmの世界最大の運河になるんだよ!」

提督「それはすごいな。……でも、今回は行けるところにしようか」

401「それもそうだね。じゃあ、利根川、小樽運河、琵琶湖疏水辺りかな」

提督「いいね、そのあたりをまわってみるか!」

401「うん!」

~ダイジェスト~

401「利根川だね」

提督「ぶっちゃけ、利根繋がりで来ただけだよな」

401「そーだね、あはは。利根川はバス釣りとかできるから、それを楽しむのもいいね」


提督「小樽運河。有名な観光地だな」

401「北海道で観光がしっかりしてるし、ここなら旅行できても面白いかもね」

提督「いつか潜水艦の皆とも来てみたいところだ。あ、夕張メロン買っておこう」


401「琵琶湖疏水は運河法に適用されている、唯一の運河なんだよ」

提督「へー、ていうことは、それ以外はニセモノの運河?」

401「運河の定義自体はそんなに重いものじゃないんだよ。ただ、法で適用するのがここってだけ」

提督「さすがシオイ。よく調べてある」

401「ずっと提督と一緒に来たかったからねっ」

―執務室―

提督「観光もできたし、楽しかった」

提督「グルメとは違った楽しさがあるな、ああいうのも」

↓2

霞に本当の弱音を吐く

霞「ねえ、クズ司令官居る……って、やっぱりいない」ガチャ

霞「こんなだから、いつまでたってもクズが取れないのよ」

「ごほ、ごほっ……」

霞「……ん? 机の下から何か声が……って、クズ司令官!?」

提督「すまん……ちょっと、地球が半回転して……あれ、秘書官って分身できたっけ……?」

霞「あー……世話が焼けるわね」

提督「すまん……お前にはいつも世話をかける」

霞「分かってるなら、もうちょっと自分で何とかしなさい」

提督「手厳しいな、霞は……」

霞「どこか調子の狂う言い方ね……自分で立てるなら自分で立ってベッドに行きなさい。手を煩わせないで」

提督「分かった……おっと」グラッ

霞「無理なら無理しないの」スッ

提督「悪い……」

霞「とりあえず、今日は休みなさい。悪化されたらこっちが困るのよ」

提督「何時もこうやって肩借りるばかりで……本当、情けないよな」

霞「クズ司令官が情けないのはいつもの事よ。それより、今回は本当に参っているようね」

提督「こういう状態だと、なんとなく考えてしまうんだ……」

霞「一応聞いといてあげるわ。何を?」

提督「皆を、沈ませてしまった……へぶぅ!」バチン

霞「いい、弱気になっているときでもそういう事は言わない。絶対よ」

提督「……でも、可能性を見ないふりをするのは、決していいことではないだろ」

霞「可能性なんて、考えられないほど完璧にしなさい」

提督「そんなの、どれだけ頑張っても無駄なことだ……」

霞「あんたの秘書官、だれがやってると思ってるの。普段からまかせっきりのくせに」

提督「……なんとなく、その一言で安心できる」

霞「ったく、人を困らせることだけは一人前なのよね」

提督「俺も……少しは頑張るよう、に…………」

霞「……ちょっと、まさか……重っ! 寝るな馬鹿! 体格考えなさいよ! ああもう……!」

―次の日―

提督「気がつけば、ベッドに横になって熱も下がってた。驚きの回復」

提督「でも、昨日の事あんまり覚えてないんだよなぁ。秘書官が居たような気がするのは覚えているんだけど……ま、いっか」

↓2

―川内型の部屋―

神通「平和です……」

那珂(那珂ちゃん気づいちゃった。フラグが立っちゃったこと)

提督「……」ガチャ

神通「あれ、提督どうしたんですか?」

提督「……」ゴゴゴ

神通「てい、とく?」

那珂(多分逃げた方がいいんだろうなぁ。那珂ちゃん逃げとこっ)

提督「じんつうぅ……」

神通「は、はい」

提督「ずぃんんんつぅうううう」ゴゴゴゴ

神通「て、提督、どこか、様子が……」

提督「じんつぅうううううううう!!」ゴゴゴ バッ

神通「ひっ」バッ

提督「神通ぅうううううううううう!!」ゴゴゴ ダッ

神通「ひぃいいいいいいい!!」ダッ


~そのころ食堂~

比叡「あれぇ? 私の作った料理が……」

金剛「もうやめるデース! 誰も喜ばないネ!」

榛名「ついに金剛お姉さままでも!」

霧島(また誰か犠牲になってるわね。解毒剤もって探さなきゃ……)

―執務室―

提督「はっ、ここは……執務室」

提督「なんか、可憐な美少女を追いかけている夢を見た気がするが、所詮夢か」

提督「でも、なんで俺は探照灯ぶら下げてドラム缶片手にベッドで寝ているんだろうか」

↓2

提督「よく分からない装備は気にしないとして……長門と何かしようか」

提督「長門に何も釣れないとしらず、共に釣りに行ってしまったことがあったからな」

提督「ちょっとお詫びもこめ……れるかは分からない」

↓2

提督「つまり陸奥にドッキリでいいのか」

提督「あの陸奥に……ねぇ、うん」


―早朝・長門型の部屋―

提督「おはようございまーす。今私は長門型のお部屋にお邪魔していまーす」

提督「さてさて、お二方とも、ぐっすり眠っておられるようですね。では……」

提督「始めよう、この爆竹を使って」

パーンパーン

陸奥「きゃあああああああ!?」ガバッ

提督「いえーい、大成功!」

陸奥「な、何するのよ! 私の周りで火遊びはやめてって言ってるでしょ!」

提督「ドッキリなら、一番確実なのをやるべきかと思って」

陸奥「まったく、提督は……って、まだ寝ている人がいるようね」

提督「長門は寝坊助だなぁ。じゃあ、今度は協力して長門を驚かすとしようか」

陸奥「しょうがないわね、付き合ってあげるわ」

提督「口ではそう言いながら、顔がにやけてるぞ」

陸奥「あらあら」

提督「長門の方は……目を開けると目の前にアイスクリンがあるが、起き上がると潰してしまう仕掛けを作った」

陸奥「いつのまに……」

提督「俺が起こすとおそらく怪しまれるから、陸奥が起こしてくれ」

陸奥「分かったわ。……ほら、起きなさい、目の前にアイスクリームがあるわよ」

長門「んん……? 陸奥、もうちょっと右に……」

陸奥「え? ええ……」

バーン

陸奥「ひぃっ!? 耳元に爆発音が!」

長門「くくっ、陸奥は本当に苦手なんだな」

提督「二重トラップ。長門が指示したのは、目覚まし時計の爆発音が最もクリーンに聞こえる位置」

陸奥「……」

長門「そもそも爆竹の音で目覚めないわけがあるまい。まったく、陸奥はおっちょこちょいだ」

提督「しかも二回もかかるんだぜ。ちょっと笑いそうになった……ぞ……」

陸奥「……あらあら」ゴゴゴ

長門「……」ダラダラ
提督「……」ダラダラ

陸奥「ちょっとお仕置きが、必要なようねぇ」ゴゴゴ

ドーン

―執務室―

提督「陸奥の近くで火遊びをしてはならない。これは絶対だ」

提督「長門、今はご機嫌取りに必死なんだろうなぁ。大変そうだ」

↓2

提督「漣、メイド服を着てくれないか」

漣「通報しますた」

提督「ちょっ、ご主人様って呼んでくれるんだから、一回くらい来てくれてもいいじゃないか!」

漣「あ、はい、何ですか提督」

提督「酷くないそれ!?」

漣「まあご主人様が変なのはいつもの事ですけど、まさかセクハラまがいなこと言ってくるとは……」

提督「いや、ついでに着てみてほしかっただけだから、別に無理強いするほどじゃないけど」

漣「……分かりました、そういう風に言われては、漣の本気を見せるしかないみたい」

提督「今のセリフに、どこに漣を奮い立たせる言葉が」

漣「ちょっとだけですよ!」




漣(メイド服)「お帰りなさいませ、ご主人様♪」

提督「チェンジ」

漣「意味は分かりませんが、ちょっとイラッときました。撃っていいですか、撃っていいですね、撃ちます」

提督「ぬわーっ」

ドーン

―司令官室―


提督「手加減のない奴め……ちょっとしたジョークじゃないか」

提督「兵装も無いと思っていたのに、まったく」

↓2

―サーモン海域北方―

南方棲戦姫「ククク、ここであったが百年目。貴様を海の藻屑へと変える日を楽しみにしていたぞ」

提督「ちょっと待ってくれ。前に渡した馬鹿には見えないパンツ、どうだった?」

南方棲戦姫「……何?」

提督「ほら、前に送っただろ。あれだあれ」

南方棲戦姫「……貴様、大丈夫か?」

提督「え」

南方棲戦姫「もしや、騙されでもしたか。貴様を騙すなんて、相当な強者なのだろうな」

提督「いや、そんな騙されたとか……」

南方棲戦姫「風邪なら、今日は見逃してやる。弱っている貴様を沈ませたところで、私は満足しない」

提督「だから、馬鹿には見えないパンツをどうしたのかなって……」

南方棲戦姫「もういい、休め……」

提督(深海棲艦とは思えない慈愛の微笑み)

南方棲戦姫(しかし、ヲ級の言っていることは本当だったな)

~数日前~

南方棲戦姫「この手紙を置かれたのだが……」

ヲ級「馬鹿には見えないパンツ? はて、あの人間がこんなバカみたいなことするとは思えませんが」

南方棲戦姫「そうなのか」

ヲ級「もしかすると、風邪かなんかを患っているのかもしれませんね」

南方棲戦姫「なるほど……」

―執務室―

提督「一番平和に戻ってきたかもしれない」

提督「しかし、あそこまで可哀そうな目で見られたの、多分初めてだ。まさか敵からあんな視線を受けるとは……」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「ヘイ! 金剛元気か!」

金剛「提督ぅ、元気デース!」

提督「こんな天気良い日はたくさん遊ぶに限るぜぇ!」

金剛「今日の提督、テンション高いデース!」

提督「気のせいだ気のせい! さあ、夕日に向かってダッシュしよーぜ!」

金剛「まだ夕日じゃないデース!」

提督「そりゃそうだ! じゃあ何する金剛!」

金剛「ティータイムデース!」

提督「オーケーオーケー! 今日はクールじゃなくてホットに行くぞ!」


比叡「ひえぇ、司令の様子が……」

霧島「珍しいですね、比叡お姉さまが司令の方を気にするなんて」

榛名「提督がどこかやけくそに見えるのは見てわかることですし」


提督「落ちていたキノコ食っちゃったぜ、あははは!」

金剛「今すぐ医務室いくデース」

―執務室―

提督「ふう、深海棲艦に慈愛の目で見られて、ちょっと動転していた……キノコ食ったのもそのせいだ」

提督「色々やけくそ気味なのは認めてもいいのかもしれない」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「山城、一緒に買い物に行こう」

山城「嫌です。提督とデートなんて」

提督「ん? デートなんて言ってないが」

山城「いつも他の子誘うとき、言ってるじゃないですか」

提督「まあ確かにそうだが……山城にデートとか言っても断られるだけだろ」

山城「くっ、私の事をよく分かってるような発言を……!」

提督「それにしても、なんか元気だな」

山城「だってこの前、姉さまにプレゼント貰ったんですよ。これで調子が良くならずに何でなるっていうんですか」

提督「ああそう……で、来るのか?」

山城「しょうがないですね。姉さまに何かお礼をしなければならないと思っているところでしたし、行ってあげます」

―デパート―

山城「提督は欲しいものが?」

提督「何もないならわざわざ来ないな」

山城「ふぅん、私はあっち見てきますね」

提督「分かった、後で適当に落ち合おう」


提督「って待て。それじゃあいっしょに来た意味ないだろう」

山城「今更気づいたんですか? もう買った後じゃないですか」

提督「それもそうだが……何を買ったんだ?」

山城「幸運を呼ぶ招き猫。これさえあれば扶桑姉さまの運も良くなりますよね」

提督「ふっ、山城はだめだなぁ」

山城「むっ、じゃあ提督は何を買ったんですか」

提督「近代化改修用のまるゆ」

山城(なんでここにそんなものが……)

山城「それで、誰に使うんですか?」

提督「どうせならついてきた山城に」
山城「私に使うのなら、扶桑姉さまに」

提督「……断る!」

山城「はっきり断られた、不幸だわ……」

―司令官室―

提督「と、言いながら少し嬉しそうな山城だったとさ」

提督「ちょっとばかしか負い目感じてる風だったから、気が向いたら扶桑の運も上げとこう」

↓2

―早朝・母港―

提督「よし、これで準備は完了」

加賀「……何しているんですか」

提督「なにって、バズーカだよ」

加賀「提督、何も知らずにバズーカなんか撃ったら、反動で大変なことになりますよ」

提督「大丈夫だ、ゲームやアニメと一緒にしてはいない」

加賀「はあ、ではなぜ構えているのですか」

提督「加賀に見せてやろうと思ってな。このバズーカの威力を」

加賀(何か狙っているようですけど……あれ、艦載機?)

提督「この鎮守府に偵察部隊とは良い度胸だ。狙えば艦載機でも落とせるところを見せてやる!」

ドーン バーン

提督「よし、クリティカルヒット! 粉砕玉砕大喝采!」

加賀(対戦車兵器なのに、普通に当てれるって……この人陸軍行っても生き延びれるんじゃないかしら)


ヲ級(もうやだ、上司の命令でも偵察すらしたくない……)

―執務室―

提督「朝からいい射撃訓練になった」

提督「部屋も治ったし、心機一転頑張ろう」

↓2

―陽炎型の部屋二号室―

提督「雪風と時津風には重大な任務を遂行してもらいたいと思う」

雪風「重大な任務……」

時津風「ごくり……」

天津風「本当に重大な任務なら、執務室に呼ぶべきじゃない?」

提督「悪いが天津風、天津風にはこの任務は遂行できない」

天津風「どこかむかつく言い方ね……」

雪風「しれぇ、重大な任務ってなんですか?」

時津風「しれー、それに、天津風には出来ないって?」

提督「それだ! その呼び方で交互に呼んでくれ」

雪風「え?」

時津風「しれー?」

提督「ほら、雪風」

雪風「えっと、しれぇ!」

時津風「しれー」

雪風「し、しれぇ!」

時津風「しれー」

雪風「しれぇ……って、恥ずかしいです!」

時津風「しれー……変態?」

提督「ちょっと呼んで欲しかっただけで、断じて違う」

天津風「あなたが何を言おうと、させたことは変態以外の何物でもないわよ」

提督「ちょっと舌足らずっぽいところが可愛いって思っただけだし。別に他意は無いし」

時津風「そうなの、しれー?」

提督「もちろん」

雪風「でもしれぇ、その、可愛いって思ってくれたのは本当ですよね」

提督「え? あ、ああ」

雪風「えへへ……」

時津風「じゃあ、時津風と雪風、どっちが可愛かったと思うー?」

提督「えっ」

時津風「ねえしれー、どっち?」

提督「……天津風、どうすればいいと思う?」

天津風「知らないわよ。本心から選べばいいんじゃない」

提督「……あ、俺仕事があったわ。じゃあねー(棒)」

時津風「あ、にげた」

天津風「ヘタレなんだから」

雪風「可愛い……えへへ……」

―執務室―

提督「どっちが可愛い系の質問は地雷と相場が決まっている。逃げるが勝ち」

提督「それに決められるわけがない。まったく」

↓2

霞「ちょっと失礼するわ」

提督「何か探しに来たのか?」

霞「この前の遠征結果のまとめが必要になったのよ。気にせず仕事を進めなさい」

提督「分かった」

霞「……」ゴソゴソ

提督「……そういえば、俺にもこう世話をしてくれる婚約者がいた」

霞「……」ペラペラ

提督「そいつは、昔以来の知り合いで、俺の事を親以上にわかってくれている奴だった」

霞「……」ガサゴソ

提督「だが、そいつも今はいない。あの深海棲艦のせいで」

霞「……」ペラペラ

提督「だから俺はあいつらに復讐しようと、海軍に入った」

霞「これ、借りるわね」

提督「分かった」

霞「……」スタスタ

提督「……」スラスラ

霞「……ああ、出る前に一つ言っておくわ」

提督「何だ?」

霞「つまんない嘘吐くのやめなさい。程度が知れるわ」

バタン

提督「」

提督「……っと、まさかのきついお言葉一つ。ツッコミすらなかった」

提督「なんつーか、秘書官にああいうのは効かないな。やっぱり」

提督(今の適当に考えた嘘が通じる奴がいるかわからないけど)

↓2

曙「用件は何、クソ提督」

提督(呼んだはいいけど、どうやってデレるのだろうか)

曙「……」

提督(普通に可愛がっても、クソ提督の言葉が飛んでくるだけだし、どうすればクソ提督以外の言葉が飛んでくるようになるのか)

曙「ねえ、早く用件言いなさいよ」

提督(ううん、合法的に曙をデレさせる……ううん)

曙「クソ提督? ちょっと、返事位しなさいよ」

提督「……なあ曙」

曙「何」

提督「お前って何されたら嬉しい?」

曙「はあ? 別に、あんたから何されても嬉しくないわよ」

提督「そうか、じゃあ、このアイスはいらないか」

曙「……別に、貰ってあげてもいいわよ?」

提督「ちょろいな」

曙「なっ……ちょろいって何よ!」

提督「じゃあいらないのか?」

曙「い……っ、いるわよ!」パシッ

提督「よし、デレた!」

曙「このクソ提督!」

バタン

提督「まるで捨て台詞かのように去っていった」

提督「あれでデレた判断かは微妙なことろだけど」

↓2

―お風呂前―

提督「霧島が眼鏡を外すのは、寝るときかお風呂に入っているとき。ならば、すぐに反応を見ることが出来るお風呂を選ぶ」

ダンボール「こういう時のために、きちんとこれを用意した。さて、潜入だ」


~数十分後~

霧島「……」

金剛「どうしたデス? 霧島」

霧島「……無いんです」

比叡「胸が?」

霧島「いえ、比叡お姉さまよりあると思いますが」

比叡「さらし巻いてるだけだから! なら今見てみる!?」

榛名「そ、そんなに必死にならないでください」

金剛「霧島、何を困っていたデース?」

霧島「眼鏡が、鼻眼鏡に変わっていたんです」

『ええっ』

金剛「うーん、誰だろうネー」

霧島「いえ、当たりは付けているので」

榛名(また提督、だと榛名も思います)

比叡「じゃあ行って来たらどう?」

霧島「そうします。お姉さま方はゆっくりしててください」スタスタ

金剛「ゆっくりといっても、着替え終わってるから髪を乾かすだけデース」

榛名「先に部屋に戻っておきましょうか」

比叡「……あれ、こんなところにダンボールなんてあったっけ?」

ダンボール「……ふう、霧島め、存外冷静だったな」

金剛「あれ、提督ー?」

提督「思ったより面白くなかったから、これ返しといてくれ」[眼鏡]

金剛「分かったデース」

提督「じゃあな」スタスタ

比叡「行っちゃいましたね。あれ、榛名ってば、なんで顔を赤くしてるの?」

榛名「ずっと、見ていたって事ですよね……」

金剛「……あ、確かにそうネ」

比叡「お、お姉さまの身体を無断で見るとは! 万死に値します!」

榛名(比叡お姉さま自身はいいんですか……?)

―執務室―

提督「穴のあるダンボールじゃないから、覗きにはならない。多分」

提督「鼻眼鏡はわざわざ度のあるやつを買ってきたのに、かけてくれなかった。残念」

提督「霧島だし、予想は出来てたけど。せめてかけてくれたらなぁ」

↓2

―球磨型の部屋―

提督「てーちゃん、遊びに来たぴょん!」

球磨「クマァアアアアアアアアア!?」
多摩「ニャァアアアアアアアアア!?」
大井「」
北上「あらら、これは……」
木曾(キャラ付か?)

提督「どうしたぴょん? ちょっと驚いちゃったぴょん?」

球磨「た、多摩、ここからすぐに逃げるクマ……」

多摩「で、でも……!」

大井「」

北上「おおい、大井っちやーい……だめみたいだねー、突然のことに気がとんでいる」

提督「一気に阿鼻叫喚ぴょん?」

木曾「そりゃあ、いきなりそんなポーズ付きで卯月のまねされたら、誰だってそうなる」

提督「へー、木曾は大丈夫なのぉ?」

木曾「俺はまあ、平常心を保つ訓練だと考えてるからな」

提督「木曾真面目ぴょ~ん。あっ、多摩逃がさないでっす!」ガシッ

多摩「にゃああああああ!?」

球磨「た、多摩!」

提督「くすぐりはてーちゃんの得意分野だぴょん! ほれほれ~」

多摩「あははは! や、やめるにゃ!」

北上「ありゃ、どうしようか」

木曾「まあ変に刺激しなきゃ、こっちにこないだろうよ。大概、そっちも冷静なようだが」

北上「そうだね~、大井っちが倒れたから、その分ちょっと冷静になったところはあるね」

木曾「らしいな」

提督「だけど、相手しないとはいってないぴょん」

北上「ビクッ。あ、あの二人は?」

提督「あっちぴょん」

多摩「」

球磨「た、多摩……提督の猛攻に耐えられなかったクマ……」

北上「あぁ……」

提督「北上、てーちゃんと、遊ぶぴょん。無視すると……ぷっぷくぷぅ~!」

北上「お願い、それはやめて(真顔)」

木曾(北上、やはり耐えられなかったか)

―執務室―

提督「は、恥ずかしかった。さすがにいい大人が卯月のまねはきつい」

提督「真似するにあたって、青葉に嗅ぎつけられてないか何度も確認したくらいだからな……」

提督「とはいえ、あんな部屋を一つ丸々壊滅させられるようなものを流すとは思えんが」

↓2

―鳳翔の店―

提督「レトロゲーしよう、鳳翔」

鳳翔「レトロゲーですか? ええと、提督の手に持っているのは……」

提督「ゲーム&ウォッチ」

鳳翔「さすがに古すぎませんか? ここにはテレビもあるので、せめてファミコンあたりにしませんか」

提督「鳳翔がそう言うならしょうがないな……じゃあ、持ってくるから少し待っとけ」


~数分後~

提督「もってきた……」

最上「提督じゃないか」

三隈「こんばんわ」

鈴谷「もってるのファミコン? うわー、古いー」

熊野「ゲームをしに来たんですの?」

提督「結構来てるな」

鳳翔「提督が戻ったときに丁度。それで、何を持ってきたんですか?」

提督「桃鉄」

鳳翔「あら……」

提督「ま、ちょうどいい。最上たちもやるか」

鈴谷「あ、私やってみたい」

三隈「くまりんこも」

提督「じゃあ、用意するな」

鳳翔「ちなみに、何年するつもりなんですか?」

提督「朝までやるぞ」

『えっ』

~朝方~

提督「これで三回目のビルだ……」

鳳翔「この時代はまだ平和ですねぇ」

鈴谷「うーん、やっぱりカードとかないとつまんない」

三隈「四連敗もしてるから?」

鈴谷「ち、違う!」

熊野「鈴谷は後先考えずに物件ばかり買いすぎですわ」

最上「まずは地盤を固めないとね」

鈴谷「あそこでスリがでなかったら勝ってたの!」

提督「喧嘩すんな」

鳳翔「このゲームの喧嘩は、もう風習みたいなものですね」

提督「これにケンカする要素は……あんまりないと思うんだがな」

鈴谷「最新の奴で勝負よ! 絶対勝つんだから!」

―執務室―

提督「さすがに解散という事になった。眠そうにしてるやつもいたし」

提督「しかし、なんだかんだでハマるのが昔のゲームだな。今やっても遊べるゲームもある」

提督「懐古するわけではないが、ああいうのもやっぱりいい」

↓2

―天龍型の部屋―

提督「というわけで、身体能力が大きくアップするタイツだ」

天龍「なんか、タイツにしては素材が違わねえか?」

提督「そういうタイプのタイツもあるってことだ」

天龍「はあ、でも身体能力が上がるとか、とんだ眉唾物だが」

提督「何ってるんだ、タイツは運動には適しているぞ」

天龍「だが、いらない飾りまでついてるようにみえるぞ」

提督(ちっ、珍しく頭を働かせやがって。タイツって言えば、騙されてプラグスーツを着てくれるかと思ってたのに)

天龍「うーん……」

提督「一回、一回着てみればすべてわかることだろ?」

天龍「……まあ、それもそうか」

提督(よし、行ける)

天龍「じゃあ着てみるとするか」

~数分後~

天龍「……むしろ、動きづらくなった……って、何撮ってるんだ」

提督「気にするな」パシャパシャ

天龍「……まさか」

提督「ローアングルからも取っておこう。光がうまく取り入れて、かっこよくなるように……」

天龍「か、かっこいい? そうか、かっこいいか」

提督「ああ、かっこいいかっこいい」

天龍「ふふ、怖いか?」

提督「怖い怖い」パシャパシャ

天龍「……って、やっぱり撮る目的だな!」

提督「散々撮られてから気付くなよ」ダッ

天龍「逃げるな!」ダッ

提督「馬鹿め、追っかけてくることを予想していないと思っていたのか!」

天龍「何?」

パシャ

青葉「明日の一面はいただきですね!」

天龍「――――っ」

―執務室―

提督「顔真っ赤になって部屋にこもってしまった。まあ、出撃に呼べばケロッと忘れて参加してくるだろう」

提督「それより、明日の青葉新聞が楽しみだ」

↓2

提督「というわけで、温泉へ行きたい」

榛名「また急な話ですね」

提督「いつものことだろう。榛名は行きたい温泉とかあるか?」

榛名「榛名は……温泉はよく分かりませんから。有名な草津の湯や熱海温泉、城崎温泉位しかわかりません」

提督「そうか。なら、俺が行先を決めてもいいか?」

榛名「はい、榛名は提督が行きたいところについていきます」

提督「赤城の時は行き過ぎたから、今回は絞って見た結果、長湯温泉と湯の蜂温泉とカムイワッカ湯の滝に行きたいと思っている」

榛名「どういう温泉なんですか?」

提督「どれも行ってみればわかるものばかりだ」

榛名「楽しみですっ」

~ダイジェスト~

提督「長湯温泉は炭酸を含んでいるんだ」

榛名「あ、どうりで泡がつくわけですね」

提督「そして、飲むこともできる。胃腸病とかに効くぞ」

榛名「ゴクッ……あ、炭酸です」


提督「次は湯の蜂温泉だ。ここは最古の温泉とも言われている」

榛名「わぁ、色が……」

提督「お、運がいいな。この温泉は七色あるといわれているんだ。そして、世界遺産に登録されている温泉でもある」

榛名「そんなすごい温泉があるんですね」


提督「最後はカムイワッカ湯の滝だ。見ての通り、滝がそのまま温泉になっている」

榛名「ここも世界遺産になってるんですよね。隣のおばあちゃんが教えてくれました」

提督「まあ、そのせいで落石とかが頻繁に起こるようになって、色々制限がかけられたりしたんだがな」

榛名「……もしかして、のぼりたかったんですか?」

提督「ギクッ……ゴホン。あと、この三つの温泉を選んだのにはもう一つ理由がある」

榛名「なんですか?」

提督「榛名と、一緒に入れる温泉だからだ」

榛名「ぁ……ありがとう、ございます。榛名嬉しいです!」

―執務室―

提督「温泉は良いなぁ。日本の分化のひとつだ」

提督「さて、身体の疲れも取れたし、再開しようか」

↓2

提督「も、もみくちゃか……」

綾波「ご用ですか、司令官」

提督「そうだなぁ……よし、なでなでしてやろう!」

綾波「急にどうしたんですか?」

提督「どうしたもあるか、ええい!」バッ

綾波「きゃっ、ちょっと、司令官?」

提督「よーしよしよし」ナデナデ

綾波「わわっ、な、なんですか!?」

提督「こうなった俺は手加減せんぞ。ほれほれ~」ナデナデ

綾波「か、髪が崩れます!」

提督「そうなったらきちんと俺がセットしてやる!」クシャクシャ

綾波「それなら……って、良くないですから!」

提督「ははははー」クシャクシャ

ガチャ

敷波「……」

提督「」
綾波「」

敷波「ごめん」

バタン

提督「……綾波」

綾波「ご、誤解といてきます!」ガチャ


提督「何時ものオチだな、うん。気にすることではない」

提督「さーて、次は誰にしようかなー」

↓2

提督「見比べてどうするんだろうか。意図は掴めないが……」

提督「ちなみに、実物自体は落し物で持っている。返し方に悩む日々だが……よし、今回は適当にとってもらおう」


―会議室―

暁「会議室に落し物が置かれてるって聞いたけど……って、下着じゃない!」

響「いったい誰だろうね」

雷「鳳翔さんかしらね」

電「意外と司令官さんかもしれないのです」

暁「や、やめなさいよ!」

雷「司令官だとすると……ちょっと恥ずかしいわね」

響「この量の中で私たちのがわかるとは思えないけど、見られたという事実は変わらないからね」

暁「司令官かどうかはもういいから! は、早く探して戻るわよ!」

雷「分かったわ」

響「多分暁が一番落としてるから、一番時間かかるのは暁じゃないかな」

暁「うるさいっ」


ダンボール(ほお、一応どれがどれだかわかったが……こんなことに意味があるのか。仕事をした方が良かったのではないだろうか)

―執務室―

提督「ダンボールって意外と快適だ」

提督「今は会議室使わないし、一日くらい放っておいていいか。残った奴は、悪いけど鳳翔さんに託すとして」

提督「返し方にはもうちょっと工夫するべきかなぁ……」

↓2

提督「なっ、ちょっとしたデートだって!」

加賀「デートという言葉で行く気になるほど、提督とは良い仲ではないと思うのですが」

提督「じゃあ嫌だって?」

加賀「……行き先によりますね」

提督「サーモン海域北方」

加賀「それで行く気になる子が、この鎮守府にいるのでしょうかね」

提督「ですよねー」

加賀「まったく……」

提督「ふん、加賀が行かないといっても、俺にはある方法がある」

加賀「ある方法ですか」

提督「後で後悔しても知らんぞ!」

―サーモン海域北方―

提督「……よし。だが、もうついたのか」

加賀「どうしたんですか? 行きたいといったのは提督でしょう」

提督「まあそうなんだが……武装も外してる。デート?」

加賀「まあ、提督がそう言いましたから」

提督(言ったっけ?)

加賀「では、最近無茶振りばかりしている提督に、ちょっとしたご褒美を」

提督「は?」

レ級「……人間」

提督「レ級? まて、これは一体……」

レ級「人間は見逃してあげる、でも、艦娘は敵だから」ガシャン

加賀「これが、提督の選んだ道です。提督――」


「先に逝って……待っているわね……」

~~~~~~~~

提督「……」

加賀「で、なんで急に寝始めたんですか?」

提督「これ故障してる! 縁起でもない物見せられたぞ!」

加賀「はあ……提督がよく分からないのはいつもの事ですけど」




提督「夕張に物申してきた。さすがに轟沈する夢は無い。全くもってありえない。夕張は故障してたことにホッとしてたみたいだけど」

提督「あんまり使えないな……見たいものが見れる機械」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「お茶もティーだし、ある意味ティータイムだな」

金剛「紅茶美味しいデース」

提督「ふう、こうしてのんびりして、悪いことは忘れよう」

金剛「提督、悪い事があったの~?」

提督「まあな。だからこそ、こうして今が平和だってことを実感するんだ」

霧島「平和ではないと思いますが」

提督「こらそこ、余計なことを言うな」

榛名「言いたくなければ良いのですが、提督に起きた悪い事ってなんですか?」

提督「……金剛が嫁になる夢」

比叡「ひぇ~!」

提督「本人よりも先に比叡が驚くのかよ」

金剛「……」ズーン

榛名「金剛お姉さま、相手は提督だって言ってませんから!」

金剛「そ、そうネ! 私、提督以外のブライドにはならないデース!」

提督「は? プライド? 何言ってんの」

霧島(ブライド、花嫁ですけど……聞き間違えすらする司令に言っても無駄ですね)

―執務室―

提督「気分はすっきり。悪い夢は忘れるに越したことは無い」

提督「危機感を覚えるために必要なことっていう考え方もあるしな」

↓2

―サーモン海域北方―

提督「今日は南方棲戦姫はいないな!?」

レ級「南方棲戦姫様なら遠くにでかけてるよ」

提督「それならよし。ほらレ級、アイスをあげに来たぞ」

レ級「あいす? 美味しいの?」

提督「食べてみればわかる。ほら、ヲ級も」

ヲ級「いっ、いえ私は……ちょっとお腹の調子が悪くて……」

提督「そうか? まあ後で食べてみろ」

ヲ級(うう、関わりを持ちたくないのに……)

提督「レ級、どうだ美味しいか?」

レ級「おいしいよー! ありがと、人間♪」

ヲ級(レ級が籠絡されてる気がする……人間、艦娘よりもはるかに恐ろしい……)

提督「あとは……」

―ジャム島―

タ級「王子様が!」

ル級「へー」

タ級「もう驚かなくなったの? 流石王子様、小姑も認めつつあるわ」

ル級「誰が小姑だ!」

提督「喜んでるところ悪いが、今回はまたアイスをあげに来ただけだから」

タ級「王子様が未来のために気をつかってくれているわ。小姑も一撃ね!」

ル級「いい加減にしないと、お前に一撃当てるぞ」ガシャン

タ級「うふふ、私はいつでも王子様から一撃食らっているわ」

ル級「う、うざっ」

提督「二人分あるから喧嘩するな。じゃあ、俺は帰るから」ザバァ

タ級「はあ……王子様はいつみてもかっこいいわ……」

ル級「お前……ていうか、今回は私の分もあるのか……ん、うまい」

―廊下―

提督「最近攻撃されなくなったなぁ……南方棲戦姫以外は」

提督「多分別の海域に行けば違うんだろうけど、わざわざ行くこともないし」

間宮「提督、ちょっといいですか?」

提督「なんですか?」

間宮「最近アイスの減りが早いような気がするんですが……」

提督「こ、この鎮守府にかなりの人数が住んでいるんだから、同然だろう」

間宮「それもそうですね。きちんと材料ももらっていますし、考えすぎかもしれませんね」スタスタ

提督「……さて、次だ」

↓2

―食堂―

長門「最近、敵が高翌揚状態になっていることがあるんだが」

赤城「そうですね、そういう時はこちらも高翌揚状態になっているときが多いので、条件は同じですけど」

大鳳「しかし、ヲ級やル級、果てはレ級が高翌揚状態になっているのはさすがに厳しい状況です」

利根「一体何で高翌揚しているのじゃろう」

川内「きっと夜戦ね! 夜戦して高翌揚してるのよ!」

時雨「百歩譲ってル級とレ級はあり得るかもしれないけど、ヲ級は空母だしありえないんじゃないかな」

168「じゃあ、何か楽しいことがあったんじゃない?」

明石「たとえば?」

龍鳳「……何があるんでしょう?」


間宮(もしかして……)

―執務室―

間宮「失礼します」ガチャ

提督「珍しいな、間宮がここに来るなんて」

間宮「少し、お聞きしたいことがありまして」

提督「なんだ、今は忙しい。手短に頼む」

間宮「アイスが減りが早い理由……提督が深海にもっていっているのが原因ですね」

提督「……続けろ」

間宮「誤魔化すために皆にも配り、そして量をごまかす。だから両方とも高翌揚状態が起こる」

提督「……」

間宮「素直に認めてください。今なら、誰にも話しません」

提督「話しません、か。だが断言してやろう、間宮はそれを話せない」スッ

間宮「何を……」

提督「何をすると思う……?」

間宮(も、もしや口封じのために――)

提督「許してください! ほんの出来心だったんです!」ガバッ

間宮「……土下座?」

提督「もし広まったら今後こそ反逆罪になるからお願いします!」ペコペコ

間宮「……はぁ、そうですね、提督にそれは野暮な考えでした」

提督「許してくれるのか!?」

間宮「次からはやめてください。極端に悪い状況になっているわけでもないですし、今回だけです」

提督「ま、間宮様!」

間宮(たしかに、話せなくなりました。こんなこと周りに広まれば、騒動になるに決まっていますし)




提督「ふう、助かった……」

提督「まさか深海棲艦まで高翌揚するとは……ある意味発見だな」

提督「まてよ、実験のためといえば許してくれるんじゃ……いや、最終手段にしておこう」

↓2

―お風呂―

提督「……正直、予想つかないんだよなぁ。ちょっと怖い」

ダンボール「しかしここまで用意した以上、逃げるわけにはいかない。俺はやるぞ」


~数十分後~

早霜「服が……ない……」

長波「もってきたわけじゃなくてか?」

早霜「着ていた服もない……」

清霜「誰かがもって行ったって事?」

巻雲「た、大変ですー!」

夕雲(多分、というより、間違いなく提督ね)

早霜「どうせ私は……フフ、ウフフフ……」

長波「あちゃあ……これ、早くどうにかしないと不幸姉妹みたいなことになるぞ」

清霜「まっさかー」

早霜「どうせみんなのもなくなる……」

長波「めっちゃ不吉なこと言ってるぞ」

夕雲(提督の事だから、きっとこの部屋のどこかに……)

夕雲「ねえ、清霜」

清霜「なに?」

夕雲「ちょっと耳かしてちょうだい」

清霜「うん。……え? そう言えばいいの? 分かった」

巻雲「どうしたんですか?」

清霜「ええと、これ以上隠れるようなら、霞ちゃんに相談した方がいいかなー」

ダンボール「やめてくれぇ! ……あ」

早霜「司令官……私の事、そんなに嫌いだったの……」

提督「え、いやそういう訳じゃなくて……ええと、そ、そう! 好きな子には虐めたくなるあれだ!」

早霜「……そうなの?」

提督「もちろん、嫌いなわけがないだろう。ほら服。はは、早霜は可愛いなぁ」

長波「どうでもいいから、早く出て行ってくれねぇ?」

巻雲「そ、そうです!」

提督「わ、悪い!」ダッ

早霜「……司令官、私のこと好きっていってくれたわ……フフッ」

―執務室―

提督「さすが夕雲と言ったところか。まさかあっさりとばれるとは」

提督「しかし、逃げるときに早霜から感じた気配は一体……」

↓2

―サーモン海域北方―

レ級「んー? もしスカウトされたら?」

提督「そうそう、俺が仮にあの鎮守府の司令官やってて、スカウトしたらの話」

レ級「断るよ」

提督「俺が指揮をしてても?」

レ級「艦娘は敵だから。それだけは絶対に変わらない事実なんだよ。そして、人間……あなたがその敵の一部だとしたら……」

提督「したら……?」

レ級「……あはは、もしもの話だからね。考えてないよ」

提督(なんか目がマジだったけど……)

ヲ級「何の話をしてるの?」

レ級「もしも、かくかくしかじかだったらって」

ヲ級(つ、ついにスカウト活動!? この人間やっぱり……!)

提督「レ級からは断られたけどな。も、もちろんもしもの話だぞ」

ヲ級「そ、そう、まあ私たちにとって、人間も艦娘も敵だから」

提督「やっぱりそうか。まあなんとなく聞いただけだし」

ヲ級(ほっ。本気じゃなかったみたい……この人間は怖いけど、皆と敵対するなんて、考えられないし……)

レ級「タ級とル級も同じ答えなんじゃないかなー?」

ヲ級「艦娘と敵は、深海棲艦の本能みたいなものだし……それに、そっちの上司も許さないんじゃない?」

レ級「そっちの上司?」

ヲ級「あ、いや……もし司令官だったとしてね」

提督「ヲ級の予想通りかも。まあ、あくまでももしもだからな! さて、今日はもう帰るか!」

レ級「ばいばーい」


南方棲戦姫「人間はどこだー!」

ヲ級「南方棲戦姫様って、狙ったように来るの遅いですね」

―執務室―

提督「まあ予測の範疇だ。敵が簡単に寝返るとか、そんなゲームじゃないんだから」

提督「そもそも簡単にスカウト出来たら、こんな戦争やってないしな」

↓2

―廊下―

提督「……ふむ」

隼鷹「ひゃっはー! 提督じゃないか、何を見てるんだ?」

提督「いや、隼鷹の昔の姿と見比べてみてるんだけどな」

隼鷹「昔って……あっ! その写真!?」

提督「さっき青葉から一枚譲ってもらった。お前の中破写真らしいな」

隼鷹「ば、馬鹿! 返せ!」シュッ

提督「返せって言われても、俺がもらったものだし」スッ

隼鷹「じゃあ、なんのために見比べてるんだよ!」

提督「なんで隼鷹は、こんなに激しい破れ方になったんだ?」

隼鷹「……え?」

提督「前の時は胸部や下部に服が残ってたのに、なぜこんなもろに下着が出るように?」

隼鷹「それは……」

提督「正直、まだ若い子がこんな格好になるのって、良くないことだと思うんだ」

隼鷹「うぅ……」

提督「仕方ないのかもしれないけどさ、もうちょっと隠すように努力しようか」

隼鷹「はい……」

―執務室―

提督「そのあたりはレディー(仮)とかお艦とかを見習ってほしいな」

提督「戦闘が激しくなってるのは分かるけど、隠す努力を怠ってほしくないものだ」

↓2

―阿賀野型の部屋―

提督「……」サワサワ

矢矧「……」

提督「……」ワサワサ

阿賀野「あれ、突っ込んだ方がいいのかなぁ?」

能代「つっこんでみる?」

酒匂「ねえ司令、なんで矢矧ちゃんの髪を触ってるの?」

提督「……なんとなく」

阿賀野「じゃあ阿賀野の髪も触ってみる?」

提督「今日は矢矧の髪を触ることにしてるから」

阿賀野「そうなの?」

能代「矢矧は嫌じゃないの? 提督に触られて」

矢矧「特別嫌悪感は無いわ。少し邪魔には思うけど」

提督「じゃあまだ触ってていいな」

矢矧「出撃までなら」

酒匂「じゃああたしは司令の髪を触る!」

阿賀野「じゃあ阿賀野は酒匂の!」

能代(このパターン、前にも見たような……)

阿賀野「能代はしないの?」

能代「しません!」

―執務室―

提督「なんか似たようなことをした気もする」

提督「前は別に電車みたいなことにはなってないけど」

↓2

木曾「――報告は以上だ。他にあるか?」

提督「個人的なお願いなら」

木曾「珍しいな。言ってみてくれ」

提督「ハグさせてくれ」

木曾「……なんだ、人肌が寂しくなったとか、そういう理由か?」

提督「そういう理由ではないが……強いて言えばなんとなく」

木曾「なんだそれ。つまり理由は無いって事じゃねえか」

提督「そうともいう。どうだ木曾、抱いていいか?」

木曾「その言い方だと、酷い誤解を受けそうだぞ」

提督「なんで?」

木曾「そう言うと思ったけどよ……まあ、そんな提督だからな。いいぞ」

提督「木曾ーーーー!」ギュッ

木曾「子どもみたいだな。まったく」

提督「はぁ、こういう人肌もいいなぁ」

木曾「ま、気が済むまでこうしてやるよ」

――――――――


提督「さすが木曾、男前だった」

提督「この艦隊の中で、木曾みたいな反応する奴は多分いないな。うん」

↓2

―会議室―

霞「何故か私の所に報告に来るのよね。クズ司令官が何をしようと、仕事さえしてれば放っておくんだけど。……それで、あんたたちは本気で許せないほど怒ってるわけ?」

浜風「いえ、そういう訳では……」

大鳳「まあ下心が薄いですから、そんなに気にしてませんが」

霞「でしょ。はぁ……本気で許せない事だけ言いに来なさい。そもそも、その場でだいたいやり返しているでしょ」

浜風「私は砲撃までは……」

大鳳「自室だからと艦載機出しました」

霞「とにかく、そういうのはなるべく自分で仕返しして頂戴。ああ、クズのせいで余計に忙しいわ……」


「つまり、好きにやり返してええんやな」ニヤリ

―夜・提督私室―

龍驤「あな大きなPAD持ってこられたこと、忘れとらんでぇ」

提督「zzz……」

龍驤「お礼参りや。しっかり受け取っとき」ブゥン

提督「……甘いな」

龍驤「ちっ、起きとったんかい。せやけど甘いのはそっちや! すでに艦載機は発艦しとる!」

提督「よくその艦載機を見るんだな」

龍驤「なんや……なっ、九六式艦戦やて!?」

提督「こうなることは予想していた! だからこそ、一番弱い艦載機にしておいたのだ!」

龍驤「……せやけど、生身の人間にはこれでもちょうどええやん」

提督「……確かに、そうか」

龍驤「さあさお仕事お仕事。目の前の提督に突撃や!」

提督「逃げるが勝ちだ!」ダッ

―執務室―

提督「しかし今更報復に来るとは……だいたいの奴がその場でやり返してくるというのに」

提督「油断しているところを狙う、というのは分かるけどな」

↓2

― 一航戦の部屋 ―

提督「加賀、マッサージしてくれ」

加賀「何ですか、突然」

提督「俺が突然おかしなことを言うのは、いつものことだろう。なあ赤城」

赤城「それって肯定していいんでしょうか」

加賀「提督がおかしいのは分かりました。それで、なんで私がマッサージすることになるんでしょうか」

提督「最近疲れてきたから、誰かにやってもらいたいなぁって」

加賀「それで、どうして私になるんですかね」

提督「ちぇ、しょうがないから翔鶴の所に行こう。あっちならやってくれるだろうし」

加賀「待ってください。あの子たちにやらせるくらいなら、私がしましょう」

提督「本当か。いやぁ、悪いなぁ」

赤城(うまく乗せられちゃってますよ、加賀さん)

~数十分後~

提督「何か微妙」

加賀「人に長い間させておいて、それですか」

提督「なんか心がこもってない。多分赤城がやった方が上手」

加賀「……」イラッ

赤城「て、提督、あまりそういう事言うのは……」

提督「翔鶴だったら、もっと気持ちがいいマッサージが出来ただろうしなー」

加賀「……」イライラッ

赤城「か、加賀さんおさえて!」

提督「ふぅ、ちょっと骨休みに赤城やってくれない?」

加賀「……」イライライラッ

赤城「あわわ……」

提督「何を慌てて……ゲッ」

加賀「……」ゴゴゴゴゴ

提督「こ、これはだな、本当は良かったのだが、ちょっと照れくさくてでね」

加賀「……ます」

提督「え?」

加賀「勉強、してきます」ガチャ バタン

赤城「……どうやら、プライドの方を刺激してしまったみたいですね」

提督「真面目系だからこその判断か……」

―執務室―

提督「資料室に行くと、本当に加賀が本を見て勉強していた」

提督「悪いことしたような……してないような……」

↓2

提督「人数多いだろ……まともにしたら十三人、一人親役にしても十二人……いやいや」

提督「せめて人数を……人数を……」

陽炎「司令、ちょっといい?」

提督「陽炎? どうかしたのか」

陽炎「ちょっとね……」


提督「なるほど、ここ最近いっきに増えた妹たちがこの鎮守府に馴れてるか心配だと」

陽炎「そうなの、ちょっと確認みたいなものでいいから、聞いてほしいと思ってね」

提督(余計な心配だと思うけどなぁ。でもまあ……)

提督「お姉ちゃんやってるんだな」

陽炎「な、なに、司令にしては珍しい優しい言葉なんて言って」


~多いからダイジェスト~

提督「不知火……はいいよな」

陽炎「もう馴染んでるからね」

不知火(ではなぜ呼ばれたんですか……)


提督「黒潮も……」

黒潮「いやいや、呼んどいてそれは無いやろ」

提督「今日も元気なようでなによりです。終わり」

陽炎(流石に適当すぎじゃないかなぁ……)

初風「あれ、提督は?」

陽炎「苦手って言ってどこか行ったわ」

初風「何それ……」


雪風「こうしてみんなと集まれたのに、幸運の女神のキスを感じちゃいます!」

提督「雪風はいい子だし、それもあるんだろうなぁ」

陽炎(さっきとの差は……)


提督「天津風はちゃんと友達いるのか? 島風とかどうだ?」

天津風「余計なお世話よ! 島風とは……まあ、友達だけど」

陽炎(一番まとも……)


提督「どうだ時津風、ここには馴れたか?」

時津風「しれーが変態ってことは分かったよ」

提督「なぜだ!」

陽炎「一体何したのよ……」

提督「浦風達は一緒に入ってきた姉妹もいるし、あんまり心配いらなさそうだな」

浦風「姉妹皆で戸惑っとるよ」

陽炎「分からないことがあれば、なんでも聞いてね」


提督「磯風は料理作るな」

磯風「なんだと、それは聞き捨てならんな」

陽炎「飯マズ人種……ていうか、司令が磯風にいう事ってそれだけでいいの?」


提督「浜風、この前の事は悪かったから、その砲を下してくれ」

浜風「……まあ、今更ですし、水に流します」

陽炎(司令、手を出し過ぎじゃない?)


提督「谷風さんよ、今度また混ぜてくれ」

谷風「がってん!」

陽炎「何を? また何かする気なの?」

提督「舞風と秋雲は部屋分けた方がいいか?」

舞風「あたしは踊れればどこでもいいですよ」

陽炎「あはは、そういう人っているわよね」


提督「最後だが……秋雲も同じ部屋のままでいいのか?」

秋雲「薄い本が書けて、置ける部屋ならどこでもいいよー」

陽炎「さっきと同じような返しね……」


陽炎「ありがと、司令」

提督「陽炎の気持ちもわかるから、こういう事ならいつでもいいぞ」

陽炎「そう? じゃあ、また相談があれば来るわね」

バタン

提督「あの人数にしては短く済んだ方か……」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「……」ガチャ

金剛「提督デース!」

霧島「本当に最近は良く来ますね。今度は何をしに来たんですか?」

提督「……」チラッ

榛名「えっと、榛名に何か用事がおありですか?」

提督「……」スッ

比叡「ひえっ、司令が急に服に手を!?」

金剛「提督ー! そういう事は榛名じゃなくてこっちを向いてして欲しいネー!」

霧島「いえ、止めるべきでしょう金剛お姉さま」

榛名「あわわ……」

提督「なあ榛名」プチ

榛名「は、はい! 榛名は大丈夫です!」

提督「やらないか」プチプチ

榛名「――」

比叡「ついに司令が上着を! ひええ!」

金剛「て、提督! 人の妹を誘惑しないでほしいデース!」

霧島「金剛お姉さま、それはただ、とられたくないからでしょう?」

提督「腕相撲を」

金剛「ン? 腕相撲?」

霧島「またいつものパターンですよ」

提督「やっぱり、腕は自由にしときたいしな。いかさま防止にもなるし」

金剛「なーんだ、そういうことネー。……榛名?」

榛名「」

提督「気を失ってる……」

―執務室―

提督「榛名にとっては最大級のドッキリだったらしい」

提督「ちゃんと相手を見てからするドッキリを考えようか。まあ、やりすぎなくらいが丁度いいとは言うけれど」

↓2

羽黒「失礼……します……」ガチャ

提督「おお……って、中破してるのか。恥ずかしいのなら先にお風呂入ってきてよかったんだぞ」

羽黒「いえ、旗艦を任せられたんです……いつまでも、甘えてられませんから」

提督「そうか……大破なら強制的にお風呂だが、そういうのならしょうがないな」

羽黒「はい……今回は――」


羽黒「――以上です。こちらが報告書になります」

提督「分かった……だが、隠さなくていいのか? それとも、もう慣れてしまったとか」

羽黒「はうっ……言わないでくださいぃ……」

提督「悪かった悪かった。ほれ」スッ

羽黒「司令官さんの上着……?」

提督「お風呂から上がったら返してくれ」

羽黒「司令官さん……ありがとうございます。後で返しに来ますね」

バタン

提督「……まあ、こいう愛で方もありだよな」

提督「でも恥ずかしかったら本当に無理しなくていいんだが……べつに報告者は旗艦じゃなくちゃいけないって決めてないし」

↓2

―食堂―

提督「いいのか赤城、お前暴飲暴食はしないんだろう」

赤城「そちらこそ、正規空母を舐めないでください」

間宮「よく分かりませんが、お二人の大食い対決、始まります。食品はおむすび、具は何もありません」

加賀「赤城さん……一体何が?」

赤城「止めないでください加賀さん。最近様子がおかしいと思えば、提督……私の事を報告書に『大食艦』って書いて提出してたんですよ!」

提督「ちょっとした冗談だろ! そんなに言うってことは……」

赤城「違います! 私は大喰らい食っちゃ寝じゃなく、素敵なお姉さんです!」

提督「自分で素敵とかいう奴があるか!」


加賀「……」

間宮「いきなり食堂で喧嘩し始めて、あのようなことに……」

加賀(赤城さんには悪いけど、庇ったら私に矛先むきそうだから、私には応援することしかできませんね)

間宮「一度すっきりさせればいいという事で、提督が大食い対決すると言ってこうなったんです」

加賀「でも、それだと多く食べた方が……ああ、そういうことですか」

~数十分後~

提督「勝った……!」

赤城「うぷっ……流石提督ですね……まったくかないませんでしたよ……」

提督「こっちだって、まさか炊飯器一回分なくすほど食べるなんてな」

赤城「ですが、提督はそれを上回った……いい勝負でした」

提督「ああ。それに、これで赤城は大食艦じゃないっていう証拠になっただろ」

赤城「提督……まさか、そのために大食い対決を?」

提督「ふっ、どうだかな」

赤城「素直じゃないですね」

提督「そんなことはない」


加賀「……良いシーンみたいなところ、悪いんですけど」

間宮「炊飯器の大きさについて言及してはいけません。余計な詮索です」

加賀(これだけの大所帯で、炊飯器の大きさが普通なわけないわよね……)

―執務室―

提督「うっ、やば……食べ過ぎた……」

提督「ま、まあすぐに消化するだろう……ふぅ……」

↓2

―廊下―

提督「どうだ、楽しいかー!?」ダダダダ

暁(いきなり連れ去らわれて、意味が分からないまま肩車されてるんだけど……)

提督「返事が無いな……なら、もっとスリリングな……!}ガラッ

暁「し、司令官、そっち窓!」

提督「しっかり掴まっておけよ!」ピョン

暁「しかもここ三階ーーーー!!」ガシッ

提督「――よっと」スタッ

暁「は、反動がほとんどなかったわよ! どうやったの!?」

提督「レディーがそんなこと気にするなよ」

暁「ま、まあ一人前のレディーとなれば、そういうこと気にしないもの……って気にするわよ!」

提督「まあまあ。よっと!」

暁「え、そっちは壁……」

提督「ほどよいところにジャンプ台! はっ!」ダンッ

暁「とんだぁ!」


妖精「はっ、あれはでんせつのだいしゃりん! まだつかえるものがいたとは……」


提督「そのまま二階の窓に突撃!」バッ

暁「も、もう止まってぇ!」

―執務室―

提督「やっぱり、食べた後は運動にかぎる」

提督「ついでに、暁ならまるでジェットコースターを乗った後かのように、憔悴した状態で部屋に戻っていった」

提督「おかしいな、楽しんでくれると思ったんだが……」

↓2

―高雄型の部屋―

提督「鍋の用意をしてきた」

高雄「また突然ですね」

愛宕「でも、鍋パーティっていいじゃない」

摩耶「だな。たまにはいいじゃんか」

鳥海「もう準備もしている事ですしね」

提督「でだ、一つする前に聞きたいんだが……誰か鍋奉行だって奴いるか?」

高雄「私はそういう訳ではないと思いますが」

愛宕「わたしも、鍋はゆ~っくりする方がいいかなー」

摩耶「ごちゃごちゃ考えたら、楽しめるもんも楽しめないだろ」

―高雄型の部屋―

提督「鍋の用意をしてきた」

高雄「また突然ですね」

愛宕「でも、鍋パーティっていいじゃない」

摩耶「だな。たまにはいいじゃんか」

鳥海「もう準備もしている事ですしね」

提督「でだ、一つする前に聞きたいんだが……誰か鍋奉行だって奴いるか?」

高雄「私はそういう訳ではないと思いますが」

愛宕「わたしも、鍋はゆ~っくりする方がいいかなー」

摩耶「ごちゃごちゃ考えたら、楽しめるもんも楽しめないだろ」

鳥海「……」

提督「鳥海、なぜそこで黙る」

鳥海「だ、大丈夫ですよ。大丈夫……気を付けます」

提督「不安だな……まあ、気にしてもしょうがない。するとしますか」

~数十分後~

高雄「提督、そのお肉はまだ煮えていませんよ」

提督「少々大丈夫だって」

高雄「提督?」

提督「……はい」

愛宕「これとか大丈夫かしら~?」

高雄「もうちょっとつけておいた方がいいわね」

摩耶「……以外だな」

鳥海「確かに、同感するわ」

提督「高雄、鍋奉行ってわけじゃないが……ちょっと口うるさいな」

摩耶「それを鍋奉行っていうんじゃないか?」

鳥海「私もそう思います」

高雄「あ、そう言えばうどんか餅かあるのかしら?」

―執務室―

提督「……なんだかんだで楽しく鍋をした」

提督「ただ、締めを忘れたといったら、怒りながら餃子を持ってきたのは驚きだったな……」

↓2

―夜・高翌雄型の部屋―

提督「これで夜に忍び込むのは何度目になるのか……」

提督「女子の寝床に侵入して、よく憲兵に通報されないものだ。いや、別件で一回連行されたけど」

愛宕「zzz……」

提督「よし、いい感じに眠ってるな。では、ふじ……あったごちゃ~ん!」ピョン

ボヨン
提督「!?」 ドガッ

提督「……な、何だ今のは……なぜ俺は壁に背をついているんだ……」

愛宕「なに~……? ……あら、提督~?」

提督「俺は一体何によってこんなことに……」

愛宕「ん~? そういえば、なんだか胸が痛い気がするわー」

提督「それか! その反動か!」

愛宕「どういうこと?」

提督「愛宕の胸の反動により、俺は吹き飛ばされたという事か……」

愛宕「あらあらー」

―執務室―

提督「恐るべし、愛宕の胸」

提督「一番恐るべしなのは、俺が部屋にいても驚きもしなかったことだが……」

↓2

―鳳翔の店―

提督「いつもの」

鳳翔「いつものって、なんですか?」

提督「なっ……もういつもので伝わるほど通っていると思っていたのに!」

鳳翔「提督、いつも違う奴を頼むじゃないですか」

提督「そうだっけ?」

鳳翔「もう……適当に作りますよ」

提督「ああ。鳳翔の作ったものは、何だっておいしいしな」

鳳翔「それ、他の子にも言ってますよね」

提督「比叡だけには言わない。あと磯風」

鳳翔「それは……何も言えませんね」

提督「間宮とか手助けすればまともにはなるんだけど……」

鳳翔「そうですか。どうぞ提督」

提督「ありがと……って、豆腐だけに見えるんだけど」

鳳翔「冷奴です」

提督「……なんだって美味しいって言ったの、もしかして」

鳳翔「うふふ、そんなことありませんよ」

提督(鳳翔さーん、ちょっと目が笑ってないですよ)

―執務室―

提督「料理作る人に、何でもいいや誰にでも言いそうなおべっかは厳禁だな」

提督「なんでもじゃなくて、鳳翔のオススメと言えば良かったのかもしれん」

↓2

―夜・近くの山―

提督「海ばかりもなんだから、山とかどうだ」

川内「山でもいいから夜戦したい。ただのドライブとか、つまんない」

提督「川内ならそう言うと思った」

川内「じゃあ、どうして私を連れてきたの? それに、紙コップに水なんかいれて」

提督「ちょっと走ってれば分かる」

川内「そう……?」

ブロロロ チカッチカッ

川内「……? ちょっと提督、煽られてるよ」

提督「わざとだわざと」

川内「いったい何を……」

ブォン ガタッ

川内「!? いきなりスピードを上げて……」

提督「これが、男たちの夜戦だ」

川内「って、走り屋!?」

提督「なるべく揺らさないようにするからな!」キキィ

川内「わ、分かった!」

―山の麓―

提督「辛くも勝利か……川内、どうだった?」

川内「すっごく面白かった!」

提督「そうか、それならよかった」

川内「最後まで水をこぼさなかったしね、提督さすがー」

提督「川内も満足いくようなドライブになってよかった」

川内「ドライブ……?」

提督「ドライブ……う、運転してるからドライブだ」

川内「まあ、これも一種の夜戦だしね!」

提督「夜戦……でいいのか?」

―執務室―

提督「ドライブの定義ってなんだろうな、一体」

提督「川内も夜の戦闘なら何でも夜戦なんだろうか。夜戦の定義とは……」

↓2

―会議室―

提督「ええ、二人に集まってもらったのは他でもない。君たちの頭脳を借りたいと思ってね」

鳥海「頭脳、ですか」

霧島「まともなことにですよね」

提督「……考えてほしいのは作戦だ」

鳥海「何の作戦ですか? サーモン海域北方ですか?」

提督「違う」

霧島「でしたらどこに……いえ、そもそも何の作戦ですか」

提督「程よいドッキリ作戦を立てる」

鳥海「……すみません、ちょっと耳が遠くなったみたいです」

提督「なんだ、しょうがないな。ドッキリだ、ドッキリの作戦を立てるんだ」

鳥海「ついでに、誰にですか?」

提督「さあ、面白そうな案がでたら、次にするときに採用する」

鳥海「……」

霧島「……いつもの事ですし、適当に付き合いましょう」

鳥海「そうですね……」

提督「やっぱりドッキリと言えば驚かす系」

鳥海「血まみれのマネキンを、血の付いたチェーンソーを持って見つめると言うのはどうですか」

提督「シャレにならんだろ……」

霧島「駆逐艦の子が見たらトラウマになりそうですね」

鳥海「え、ええ?」

霧島「間宮さんの料理と比叡お姉さまの料理を入れ替えるとか……」

提督「死人が出るぞ」

鳥海「間宮さんの料理がトラウマになりそうですね……」

霧島「私も行った後で不味いことに気付きました」

提督「料理の味だけに?」

鳥海「……」
霧島「……」

提督「ごめん、もう言わないからそんな顔するの止めて」

―執務室―

提督「ふう、疲れた……」

提督「肝心の作戦結果は……それはまあ、結局と言うか……」

提督「洗濯で落ちる墨汁を全身にぶっかけるドッキリが一番マシという事でまとまった」

↓2

―廊下―

扶桑「どうしようかしら……」

提督「どうした扶桑、今日は何に悩んでいるんだ?」

扶桑「もう、私いつも悩んでいるわけじゃありませんよ」

提督「ちょっとからかっただけだ、すまん。でも悩んでるのは本当だろ」

扶桑「鋭いのか、鈍感なのかよく分からないんですから……」

提督「ははは、まあそう言うな。それで……悩んでいるのは山城関連か」

扶桑「ど、どうしてわかるんですか?」

提督(あてずっぽうだったんだけど)

扶桑「分かっているなら隠す必要はありませんね。この前、山城から幸運を呼ぶ招き猫を貰ったんです」

提督(ああ、前に買ってたっけ)

扶桑「それで、何かお返ししようと思っているんですけど……」

提督「じゃあ、一緒に行くか」

扶桑「え?」

提督「山城のお礼、買いに行こうか」

―デパート―

提督(よく考えたら、二人の買い物に付き合ったことになるのか……)

扶桑「何を送ったら喜んでくれますかね」

提督「扶桑からもらったものは、冗談抜きで何でも喜ぶだろう」

扶桑「そうですか?」

提督「聞くまでもないと思うが」

扶桑「なんでもって言われると、困りますね……」

提督(扶桑……そういえば山城に、気が向いたら扶桑にもまるゆの近代化改修っするって言ってたっけ)

扶桑「……幸運の招き猫なら、こちらは幸運のタヌキの置物にしましょうか」

提督(扶桑、流石にタヌキは無いと思うぞ)


扶桑「ふふっ、山城が喜んでくれるといいのですけど」

提督「絶対喜ぶ。俺が保証する」

扶桑「ところで、提督は何を買ったんですか?」

提督「扶桑のためのまるゆ」

扶桑(それって買える物なんですか……?)

―執務室―

提督「扶桑は喜んで受け取ってくれた。ついでに山城にも喜んでくれたらしい」

提督「山城だからこそ喜んだんだろうな……って」

提督(今回デート感、薄すぎないか……)

↓2

―近くの海岸―

提督「はぁ……釣りはやっぱり釣れないような餌で臨むのが一番だ……」

提督「こののんびりとした時間が俺を癒してくれる……まあ、早く戻って皆と遊びたい気持ちはあるが」

提督「さて、この最後の間宮アイスを食べたら帰ると……あっ」ポチャ

提督「うう……アイスバーで片方だけ食べてたら、落ちることってあるよな……」

レ級「あ、人間だー!」

提督「あれ、レ級? なんでここに……」

提督(ま、まさかついに俺の所属が割れて、直接攻撃に……!?)

レ級「偵察を頼まれたら、迷っちゃって。あはは」

提督「な、なんだ……ほっとした」

レ級「どうやって帰ればいいか分かる?」

提督「サーモン海域なら、ここからこのまま……」


青葉「あ、青葉、見ちゃいました……」ガクガク

―執務室―

提督「まさかここまでレ級が来るとは……もうちょっと警戒した方がいいか?」

提督「そういえば、ここに帰るときにすれ違った青葉が青い顔してたけど大丈夫だろうか」

提督(まさか、レ級と話しているところを見られたわけがあるまい)

↓2

―デパート―

提督「前略。天龍と木曾と一緒に眼帯を買いに来た」

天龍「やっぱ眼帯はかっこいいもんじゃないとな」

木曾「自分に合ったのが一番だ」

提督「それはそう、好みという事で」

木曾「じゃあ、提督はどっちなんだ?」

天龍「かっこいい方だよな」

提督「どっちも大事だろ」

木曾「……提督ならそう言うと思ったがな」

天龍「間違っては無いけどよ……」

提督「なんだその微妙な顔。なんか間違ったこと言ったか?」

木曾「いや、提督の言うとおり、両方を満たす眼帯を探すとしようか」

天龍「使うわけじゃないんだから、見た目重視だと思うんだけどよぉ……」

―執務室―

提督「……山なし落ちなし。ううん、こんなのでいいのだろうか」

提督「眼帯は買ったけど、使う機会があるのかもわからないし……うん、無駄な出費だな」

提督「ちなみに、二人は喜んでついてきてくれた。いや、しょうがなさそうな感じだった気もするけど」

↓2

青葉「失礼します」ガチャ

提督「どうした青葉、いやに深刻な顔して」

青葉「これを見てもらいたく思いまして」

提督「……!? こ、この写真は」

青葉「どうして司令官が敵の戦艦と仲よくしているんですか。まさか……本気で裏切るなんてこと……」

提督「違う違う! ここまで来たレ級を上手くやり過ごしただけだ!」

青葉「……本当にそうですか?」

提督「当たり前だとも。こう、ただの一般人を装って、敵意が無いと伝えて見逃してもらったんだ!」

青葉「……報道者は、事実は何であれ、見たことを伝えるのが仕事です」

提督「あ、ああ、そうだな」

青葉「後は頑張ってくださいね」

提督「へ?」

ドタドタ ガシャ

『提督、説明お願いできますね?』ゴゴゴゴ

青葉「青葉、もう広めちゃいました!」

提督「青葉ぁ!」

~次の日~

提督「まさか誤解を解くのに一日要するとは……」

提督「くそっ、青葉め前といい今回といい、余計なことをして……いつか仕返ししてやる」

提督(青葉が報道したことは、事実は事実なんだけどな)

↓2

提督「扶桑姉妹とかではないけど、最近は悪いことが良く起こっている気がする。厄除け……そうだ、わら人形なら簡単に作れるな」

提督「材料は明石の売店に行けばあるか。さて、どうせ作るならいろいろ凝りたいところだな」

提督「……そうだ」


~数時間後~

雪風「しれぇ、入ってもいいですか?」

雪風「……うぅ、返事が無いです」

58「どうしたでち?」

雪風「その、しれぇに用事があるのに、呼んでも返事が無いんです」

58「てーとくが? 留守ってこと?」

雪風「そうなんでしょうか……?」

瑞鶴「提督さんがいないときは、一応鍵がかかってるはずよ」

雪風「あ、瑞鶴さん」

58「そうなんでちか?」

瑞鶴「少なくとも、報告する時はそれが徹底されてたわ。ええと……」ガチャ

雪風「開きました!」

58「じゃあいるってことでち?」

瑞鶴「提督さん、読んだら返事しなさい……よ……」

提督「ん? ああ、悪いな」『瑞鶴のわら人形』

瑞鶴「……えっと」

雪風「あ、瑞鶴さんのわら人形です! しれぇ、上手ですね!」

58「わら人形でち……って、ゴーヤのに雪風のもある!」

提督「結構作ってたら気分が乗ってな。次は時雨、飛龍のも作る予定なんだ」

瑞鶴「一つ聞きたいんだけど、それってまさか呪うために……?」

提督「馬鹿言うな、厄除けだ。お前たちの幸運を分けてもらおうと、幸運の艦を選んでわら人形で作ってみたんだ」

雪風「凄いですしれぇ! 雪風の、しっかりできています!」

提督「欲しいならやるぞ。また作ればいいし」

雪風「貰っていいんですか? しれぇ、ありがとうございます!」

58「自分のわら人形を見て動揺しないって、凄いでち……」

瑞鶴「悪気が無いってわかっても、自分のわら人形が作られてる所を見るとね……」

―――――――――


提督「よく考えたら、執務室に飾ったら秘書官から大目玉を食らうな……自室にもって行っておこう」

提督「さて、青葉のわら人形にはくぎを刺しておくとして……よし、後で青葉の部屋に届けるか」

↓2

―伊号潜水艦の部屋―

168「え? 深海に行ってみたい?」

提督「興味がわいて」

168「まあ司令官なら多分素潜りでもいけそうだけど……」

提督「準備はしてるぞ。どうして素潜りさせようとしている」

168「冗談だって冗談。でも100M位だけど、深海って程じゃ……」

提督「本当の深海行ったら光とかもないし、何も見れないだろ」

168「それもそうね。じゃあ、準備ができ次第潜りに行くの?」

提督「そうしようか。鎮守府海域で待っててくれ」

168「出来るだけ早くに来てね」

提督「待たせることはしない、多分」

168「そこは断言してほしかったわ」

―水深80M位―

168「大丈夫、司令官?」

提督『全然大丈夫。潜水服だし、多分まだいける』

168「でもこれくらいにしておきましょ。あんまり深すぎても、戻るときが大変になるし」

提督『そうだな』

168「どう、水の中」

提督『寂しいところだな……だが、今はイムヤがいるからそうでもないか』

168「そう。私も一人ではここまで潜らないの。今は司令官がいるから」

提督『そっか。寂しいところも、逆に言えば静かな場所って事だ。静かな場所で二人きりっていうのも乙なものじゃないか』

168「ロマンチストね司令官」

提督『じゃあ、誰にも見られてないからこそできることをしよう』

168「誰にも見られてないからこそ、できること?」

提督『間宮アイスのレシピを持ってきた。これの真髄を調べる』

168「……それだけのためにここまで来たの?」

提督『……』

168「否定してよ!」

―執務室―

提督「レシピを見ても分からない。間宮アイスの高いクオリティはどこからきているのか……」

提督「提督アイスとか作りたかったけど、比叡カレーの二の舞になりそうだからやめとこう」

提督「しょうがない、おとなしく間宮さんからアイスを貰って来るか」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「比叡、ケッコンを申し込む!」

比叡「ひえええええええええ!?」

金剛「ヒエエエエエエエエエ!?」

霧島「なんで金剛お姉さまが比叡お姉さまと同じ驚き方をしているんですか。って、榛名は」

榛名「」

霧島「気を失ってる……」

提督「それで、返事は?」

金剛「ノー! ノーデース!」

霧島「金剛お姉さま、これは二人が決めることでしょう。口出しはダメですよ」

金剛「うぅ……確かにそうデース……」

比叡「……分かりました」

提督「と、いうことは」

比叡「司令がそこまで言うのでしたら、私も腹を決めます」

提督「そうか、ようやく頷いてくれたか」

金剛「もしかして、もう二人は……」

霧島「……」

金剛「……悔しいけど、認めるしかないネー。おめでとうネ、提督に比叡」

END

比叡「って、全然おめでたくないですよー……」

金剛「ワッツ?」

提督「比叡カレーから謎の血痕が出たんだ。本人が認めないから、鑑識にも回しづらかったんだが……」

霧島「つまり、ケッコンを申し込むとは、血痕を(鑑識に)申し込むと」

提督「微妙なニュアンスの違いだな。まあ、そういう事だ」

比叡「金剛お姉さまの目の前でも認めないと、私がわがままみたいじゃないですか……」

金剛「な、なーんだ、そういうことネー」

提督「決まったなら早速回そう。多分妖精さんなら一晩でやってくれる」

比叡「ひえぇ……」

金剛「でも、なんで比叡はそんなに嫌がってるデース?」

提督「次に何か問題起こしたら、一年間厨房に入れないって間宮から言われてるから」

霧島「確かに禁止した方が安全ですね」

比叡「私にも身に覚えがないのに……」

―執務室―

提督「妖精さんに頼んだら、一晩と言わずに一瞬で答えてくれた」

提督「どうやら、血抜きをせずに入れた獣の血みたいだ」

提督「……十分やばいぞそれ! ていうか狩って来たのか!?」

↓2

今日はここまでにします

榛名「提督、榛名に何かご用ですか?」

提督「榛名、耳かきしてもらってもいいか?」

榛名「……」

提督「どうした、何時もなら二つ返事でしてくれると思ったが」

榛名「……提督、今は比叡お姉さまと言ういい人がいるじゃないですか」

提督「いい人?」

榛名「榛名は、幸せそうなお二人を見るだけで……」

提督「ちょっと榛名が何を言ってるのか分からない」

榛名「わ、分からないって……ついさっき提督が言ったんじゃないですか。結婚を申し込むと」

提督「……は? ちょっとよく分からんな……言っとくけどあれは、かくかくしかじかで」

榛名「け、血痕ですか……榛名は何て間違いを……」

提督「まあ間違えは誰にもあることだ。それで榛名、耳かきをしてくれるか?」

榛名「はい、榛名に任せてください!」

――――――――


提督「すっきりした」

提督「榛名が勘違いしたままなのは、気を失っていたからだろう」

↓2

金剛「提督、来たデース!」ガチャ

提督「呼んでから来るのが早い気がするぞ」

金剛「だって、提督に呼ばれてくるのはここ最近じゃ初めてネー!」

提督「え、そんな馬鹿な……いや、確かにそうだ……」

金剛「呼んでくれたから、その辺の事はもういいネー。提督はの用事はなんですかー?」

提督「実家から送られてきた見合いの相手を選んでもらおうかと」

金剛「」

提督「どうした金剛、固まって」

金剛「酷いデース提督! そうやって乙女のハートをブレイクして楽しんでいるデース!」

提督「ブレイクして楽しんでいないが……」

金剛「じゃあどうして私に選ばせるノー?」

提督「親の都合で、誰か一人は選ばなきゃならないんだ」

金剛「フムフム」

提督「もちろん断るんだが……断るために、自分で選ぶのはなんか嫌でな」

金剛「……」

提督「普段は秘書官にあみだくじで決めてもらうんだが、今回は断られたから代わりに決めてほしいなーと」

金剛「……分かったデース。あんまり気は進まないけど、提督のためなら……」

提督「それは良かった。じゃあ、この中から選んでくれ」ズラッ

金剛(……あれ、写真の中に見たことあるような……そういうことネ)

金剛「提督、これにするネー」

提督「悪いな。わざわざ断る相手を決めさせて」

金剛「そう思うのなら、自分で決めてほしいデース」

提督「う、うむ、努力はしよう」



提督「……金剛は部屋に戻ったが……どうしてこれにしたんだろうか」

提督「まあ、他の写真はどことなく、朝潮型に似ているような顔ばかりだけど」

下2

―廊下―

青葉「さあ、今日もスクープを探しますよ!」


提督(青葉、まるで記者みたいなことを言って出発、向かう先は食堂)

衣笠「何してるの、提督」

提督「青葉の弱点さがし」

衣笠「はあ……」


―食堂―

青葉「やっぱり間宮の料理はおいしいですね」


提督「と言うわけで間宮、何か弱点となることを知らないか」

間宮「ううん……あんまりそういう事はしないほうがいいと思いますよ」

提督「いいや、絶対にあきらめない」

間宮(人を呪わば……ともいうんですけど)

―演習―

青葉「敵はまだこちらに気付いてませんよ!」


提督「いや、気付いてるだろ、何言ってるんだ」

妖精「おや、そこにいるのは」

提督「今日の演習の旗艦は青葉。様子はどうだ?」

妖精「かもなく、ふかもなくです」

提督「敵が気付いてないとか言ってるのに?」

妖精「いつものことです、はい」


―廊下―

提督「くっ、ここまできても青葉の弱点一つ見つけられないとは……ん?」

新聞[司令官、ついに青葉のストーカー!]

提督「な、なんじゃこりゃ!」

青葉「ふっふっふ、最初から青葉を尾行していたのには気付いていました」

提督「なっ、尾行ってわかっていたのに、なぜストーカーと書いている!」

青葉「そっちの方が面白いからに決まってるんじゃないですか」

提督「青葉ぁ!」

青葉(そりゃあ、周りで聞き込みされたら、ばれるに決まってますよ)

―執務室―

提督「やはりダンボールを使わねばならなかったか……いや、青葉を侮っていたのも一因か」

提督「次に仕返しする時はこうはいかないぞ……」

↓2

―金剛型の部屋―

霧島「入り浸り過ぎではないですか?」

提督「まあいいじゃないの。今は霧島一人か」

霧島「そうですけど。まったく、提督はお暇なようで」

提督「そうでもない」

霧島「……それで、用件は一体なんですか?」

提督「お茶をしよう」

霧島「……」

提督「ティータイムだって。よくやってるだろう」

霧島「そういうのは、金剛お姉さまがいるときにしてください」

提督「まあまあ、少しくらいいいじゃないか」

霧島「はぁ……」

提督「――で、準備してくれる霧島が好きだ」

霧島「そういうのも、金剛お姉さまがいるときにしてください」

提督「そういうのって?」

霧島「たまに、分かってて行ってるんじゃないかと思うときがあって腹立たしくなります」

提督「何を言っているのか。……ふぅ、霧島のいれてくれたお茶もいいな」

霧島「はいはい」

提督「本当の事だぞ。少なくとも比叡のいれたやつよりはいい」

霧島「一気に嬉しくなくなりました」

提督「嬉しくなくなったって……ん? つまり、本当は嬉しかったって事か?」

霧島「……本当に、司令は分かってて言ってるんじゃないかと思うときがあって、腹立たしくなりますね」

提督「ええ、何それ……」

―執務室―

提督「霧島とお茶を楽しんだ」

提督「一方的に楽しんでいただけなような……いやいや、そこは大丈夫でしょ」

↓2

―廊下―

提督「浦風を誘いに行こうと思ってるんだけど」

金剛「私と?」

提督「そうそう。護衛任務受けてたんだろ? それつながりで」

金剛「私は良いけどネー。浦風は大丈夫?」

提督「トラウマがあるとすれば、流れ弾に当たることになった長門の方だろう」

金剛「救助が……ううん、提督が決めたのなら、別にいいデース」

提督「そうか。……お、ちょうどいいところに浦風。おーい」

浦風「提督さんに金剛姉さん? どうしたん、二人そろって」

提督「浦風を遊びに誘おうと思って」

浦風「うちを? 別にええんじゃが、いきなりどうしたんね」

提督「いつも誰かを遊びに誘っているじゃないか」

浦風「それもそうじゃね。提督さんがこうして誘う事は珍しい事じゃないか」

金剛「……提督ー、誘ってくれたのは嬉しいけど、何の役に立ってないネー」

提督「ここまで浦風があっさり頷くとは思わなかったんだ」

浦風「あー……一回断った方が、えかったみたいじゃな」

―執務室―

提督「そのあとは何をするか考えて公園に出かけたに出かけた」

提督「三人って微妙に出来ること少ないよな……」

↓2

―公園―

浦風「なんで公園なんじゃ?」

提督「三人で出来ることと言ったら、外で遊ぶだろ」

浦風「子どもか!」

金剛「公園と言っても、何をするネ?」

提督「グローブとミットを持ってきた。キャッチボールウをしよう」

浦風「まるで日曜日のお父さんみたいな内容じゃな」

金剛「日曜日のお父さん……! お母さんは私デース!」

提督「金剛お姉ちゃん、投げるぞー」シュッ

金剛「オウ! 提督酷いデース!」パシッ

提督「ナイスキャッチ!」

金剛「ムー……」シュッ

浦風「それだとうちは何になるんじゃろうなぁ……」パシッ


―執務室―

提督「そのあとは何をするか考えて公園に出かけたが……」

提督「三人って微妙に出来ること少ないよな」

―長門型の部屋―

提督「ここにパイがある」ガチャ

長門「いきなりなんだ」

陸奥「……なんとなく身構えちゃうのは、なんでかしらね」

提督「くらえ! パイ投げ!」シュッ

長門「うぷっ」グシャッ

陸奥「危なっ」スッ

提督「ではさらばだ!」ダッ

長門「……」

陸奥「……大丈夫?」

長門「これ、美味しくない」

陸奥「まあ、投げる用のパイは美味しくなかったりするから……」

長門「くっ、このビックセブンにこんな美味しくないパイを投げつけるとは!」

陸奥「美味しければいいの?」

長門「あ、陸奥、そこに綺麗に落ちたパイも食べないならくれないか」

陸奥「美味しくないって言いながら食べるの!?」

長門「食べ物に罪は無い!」ドン

―執務室―

提督「……」コソッ

提督「てっきり、追いかけて砲撃をぶちかましてくるとばかり思っていたんだが……うん」

提督「今日はかっこいい長門ではなかったようだ」

↓2

提督「夕立、山菜取りに行くぞ」

夕立「呼んでいきなりっぽい!」

提督「実際いきなりだけどな」

夕立「提督さんが行くならいくよ!」

提督「それならさっそく準備だ!」

夕立「分かったっぽい!」

提督(こんなにストレートに話が進むのいつぶりだろう……)

夕立「っぽい?」

―近くの山―

提督「明るい時に来れば、ただの人気のない山だよなぁ……」

夕立「ここ、動物とかでるっぽい?」

提督「野生の動物なら結構出るって話だ。姿を現すことは滅多にないらしいけどな」

夕立「じゃあじゃあ、仮に出てきても、夕立が提督さんを守ってあげるから!」

提督「さすが夕立だな、頼りになる。じゃあ……」

熊「……」ガサガサ

提督「さっそく守ってくれないかな……あはは」

夕立「うん! ソロモンの悪夢、見せてあげる!」ガシャン

熊?「ま、待つクマ! 球磨は本物の熊じゃ無いクマ!」

提督「……球磨?」

夕立「野生の熊ね! わかったっぽい!」ドーン

球磨「クマーーーーー!」

提督「……山菜取りに出かけるときは、野生(と見間違えないように)に注意しよう」

夕立「夕立、何か間違えたっぽい?」

提督「いや……冥福を祈ろう」

―執務室―

提督「球磨に後で聞いたら、本物の熊を一目見てみようと山に行ったらしい」

提督「メンバーは熊野、三隈、阿武隈……なんて言って、そんなネタメンバーを集めたんだ……」

提督「山菜取り自体はつつがなく終わった。帰ってくる時に夕立が毒キノコ入れて全部だめになったけど、ははは」

↓2

―金剛型の部屋―

霧島「入り浸り過ぎです」

提督「は、入ってきた瞬間に言われた……」

金剛「霧島、おさえるデース」

霧島「怒ってるわけじゃないですけど、あんまり遊びすぎますと、また秘書官の方が……」

提督「勘違いするな。今日の分はもう終わらせてある」

比叡「ひえーって、驚けばいいんでしょうか」

提督「それは酷くないか」

榛名「それで提督、ご用事があるのですよね?」

提督「そうだった。ティータイムに混ぜてくれたお詫びに、酒を用意した。今日は飲もう」

金剛「達磨?」

榛名「えっと、那智さんが好きなお酒でしたっけ?」

提督「そうだ。鳳翔が間違えてたくさん発注してしまったらしくてな。在庫を減らすために直売りしてた」

霧島(鳳翔さんが間違えますかね?)

提督「とにかく、それにつられてこっちもたくさん買ってしまった。減らすためにも協力してくれ」

金剛「そっちが本音っぽいネー。でも、提督と飲むのなら、喜んでいただくデース!」

榛名「榛名は良いですよ、飲みましょう」

比叡「金剛お姉さまが飲むのでしたら! 気合! 入れて! 飲みます!」

霧島「一人だけ飲まないのも、いけませんからね」

~数時間後~

提督「まだまだあるぞー! ははははは!」

金剛「ていとくぅ~、ちゅーしてもいいデス?」

比叡「金剛おねえさま! するのなら、このひえいに!」

榛名「ていとく、いつもはるなのことを……ぐすっ……」

霧島(セーブして飲んでましたけど、これはまた大変なことに……)

提督「きりしまぁ? おまえのんでないなぁ……」

霧島「えっ、いえ、これはその」

提督「おれのさけがのめないっていうのか!」

霧島(完全に悪酔いしてるじゃないですか!)

金剛「わたしがかわりにのんであげるデース!」ゴクゴク

提督「いいのみっぷりだ! ほれたぞこんごう! けっこんかっこかりしよう!」

金剛「じゃあさっそくちゅーするネー!」

比叡「わたしがします!」

榛名「え? あっ……やっぱり、はるなはおいてけぼりです……」

霧島(……私も悪酔いしたくなってきたわ……)

~次の日~

提督「……俺、昨日何してたんだっけ」

金剛「ムニャ……けっこんするデース……」

比叡「いいえ……比叡と……ムニャムニャ」

榛名「どうせはるなは……スー……」

霧島「zzz……」

提督「……とりあえず、布団かけておこう」




―執務室―

提督「体が痛い……はぁ、少し休憩したら、次に行こうか……」

↓2

比叡「金剛型二番艦比叡、ただいま参りました」ガチャ

提督「伝達で聞いたと思うが、今回は真面目な要件だ」

比叡「はい。御召艦に呼ばれたと聞きました。でも、その……」

提督「今は軍艦ではなく、艦娘。なぜ呼ばれたのか分からないのか」

比叡「はい……」

提督「俺も知らん」

比叡「ええっ!?」

提督「まあ、戦艦比叡は五回も御召艦に使われたと聞く。天皇様の御前に出ることに、格としては問題ないからじゃないか」

比叡「……物として扱われている、と言うわけじゃないんですよね」

提督「なんだ、お前の背中にでも乗せるのか?」

比叡「そういう意味じゃないです!」

提督「まあ心配するな。お前には、ちゃんとおめかししてもらうさ」

比叡「おめかし?」

提督「心配するな。俺が素敵な女性に見れるように、ちゃんと見てやるから」

比叡「ひ、必要なんですか?」

提督「別にその服でも駄目とは言わんが、せっかくだからちゃんとした方がいいだろ。イメージアップにもつながるだろうし」

比叡「ひ、ひえぇ……」

~数時間後~

提督「……言葉には言い表せないほど、似合ってるぞ」

比叡「その言い方、いい意味か悪い意味か分からないんですけど……」

提督「おいおい、何時もの気合はどうした?」

比叡「なれない服を着てたら、身も引き締まりませんよ……」

提督「むぅ……心配だなぁ」

比叡「……分かりました。ひいてはお姉さまのためにもなりますからね!」

提督「そうだ、その調子だ!」

比叡「気合! 入れて! 行きます! ……ところで、一体いつからなんですか?」

提督「今からだ」

比叡「ひえっ!?」

提督「頑張ってこい。そのドレスなら、きっとただの兵器には見られないはずだ」

比叡「そんな無責任な……って、司令は行かないんですか?」

提督「呼ばれたのは比叡一人だからな。余計なものが行くべきではないだろう」

比叡「ひえぇ……」

提督「ど、どうした、いきなり意気消沈して」

比叡「司令もいないんじゃ、流石に不安だからですよ……ひぇぇ……」

提督「まあ気を付けてくれ? 迎えは少ししたら来ると思うから」

比叡「本当に突然じゃないですかぁ……」

バタン

提督「なんか、悪いことしたような気分になるな……」

提督「笑顔で送り出した比叡が……まあ、何ともなければいいや」

↓2

提督「なんか最近、上からの監視が入っているんだよね」

霞「はぁ!? また何をやったのよ」

提督「いや、どうやら俺がしたわけじゃないらしくてな」

霞「じゃあなんで監視なんか入るのよ。また勘違い?」

提督「……比叡が御召艦に呼ばれたのは知ってるよな」

霞「軍艦じゃなくて、来賓扱いって聞いたわ」

提督「なんでも、招待された比叡は淑やかで、大和撫子のような女性だったらしい」

霞「……ちょっと耳が遠くなったかしら」

提督「霞も大概ひどいよな」

霞「それで、どう監視がひどくなることにつながるのよ」

提督「どうやら、その状況でよく呟いていた言葉が……司令の馬鹿、らしい」

霞「妙な誤解を受けたという訳ね」

提督「こんな女性に寂しい思いをさせるとは、からのコンボで監視が入った」

霞「本当、余計なもめごとばかり招き入れるんだから」

提督「今回は怒らないのか」

霞「まるでいつもいつも怒っているみたいに……それに、またいつものように出かけるんでしょ。関係ないわ」

―サーモン海域北方―

提督「……いや、俺はそのまま放置しておこうっていうつもりだったのに、なんでこんなところに来たんだろうか」

提督「監視されるのも面倒だし、このままゆったりするのも……」

提督「……よくないな。監視が薄まる場面を狙って戻るか。とりあえず、それまで次に何をするか考えるか」

↓2

―執務室―

雪風「しれぇ、呼びましたか?」

提督「ああ。陽炎型の部屋に行くと、余計な奴と出会うからな」

雪風「余計なやつ、ですか?」

提督「べ、別に初風のこととは言ってないぞ」

雪風「しれぇ、雪風は何も言ってません」

提督「……じゃあ雪風、何かして遊ぼうか」

雪風「しれぇ……」

提督「と、とにかく雪風、遊びたいものがあれば、好きに選んでいいんだぞ」

雪風「……雪風は、みんなと遊びたいです。せっかく、みんなが揃ったのですから」

提督「うっ、何だこの光は! これが幸運の女神パワーとでもいうのか!」

雪風「しれぇ?」

提督「……分かった、また今度考えておく」

雪風「ありがとうございますっ、しれぇ!」

提督「結局何も遊ばないでいいのか? こっちとしては、何か遊んで童心に還りたくも……」

雪風「じゃあその……前に提督がお人形を作ってましたよね」

提督「わら人形か。それが?」

雪風「皆の分も作ってあげたいんです!」

提督「皆って言ったら、第十六駆逐艦の三人か。いいぞ」

雪風「いえ、違いますよ」

提督「え?」

雪風「陽炎型全員ですっ!」

提督「」

雪風「しれぇ?」

提督「それはまた……時間がかかりそうだな」

雪風「そう思います。でも、雪風としれぇは何時でも遊べますから!」

提督「……うんうん、雪風は女神だなぁ」

雪風「?」

――――――――


提督「でもわらが無かったから、また今度と言うことになった」

提督「でも、本気で十三人分全員作るつもりなんだろうか……どれだけ時間がかかるのやら」

↓2

霞「ついに例の監視の件が私の所に来たんだけど」

提督「マジでか」

霞「はぁ……前にも言ったけど、私の手を煩わせるようなら……」ガシャン

提督「ま、待て! せめてどうすればいいのかヒントをくれ!」

霞「……まあ、そうね。多分本人も誤解を受けていることは分かってるから、適当に感謝と愛の詩を書き連ねた手紙でも渡せばいいと思うわ」

提督「え、それでいいの?」

霞「監視と言うより、報告者の目をごまかせばいいからよ。常に見ているわけじゃないんだから、その場しのぎで十分よ」

提督「秘書官がそう言うならそうしておく」

霞「じゃあね。これ以上、絶対に、私の手を煩わせないでよ」

提督「イエスマム!」

バタン

提督「……さて、書くか。めんどくさいから――」

―金剛型の部屋―

提督「というわけで、比叡に手紙を送ろう」

比叡「はあ、ありがとうございます」

金剛「うぅ~、詳細を知っているだけに、余計に羨ましいデース」

霧島「見方を変えれば、おうえの方々公認って事ですからね」

榛名「ぅ……」

金剛「アア、榛名が気を失う一歩手前デース!」

提督「何を慌てているのか……と言うわけで比叡、後のごまかしは全部任せた」

比叡「もともと私が悪いですからね。分かっています」

霧島「なんだか、思ったよりあっさりのような……」

比叡「お姉さまならいざ知らず、司令ですから!」

金剛「これが、物欲センサーってやつネ!」

榛名「榛名も、もっと欲を捨てなければ……!」

霧島(そういう訳でもないような……)

―執務室―

提督「……比叡があっさりしてたのって、もしかして万葉集の詩をパクったからかもしれない」

提督「感謝の手紙も、母の日に送る手紙を参考にしたし……」

提督「あれ、内容は根本的に間違えたかな」

↓2

―工廠―

提督「最近爆破されることは少なくなってきたが、執務室を魔改造したい」

夕張「魔改造ですか?」

明石「あんまりやり過ぎると、また秘書官に怒られるんじゃないの?」

提督「よく壊れて修理費も馬鹿にならないって言ったら、許してくれた」

明石「それならいいのですけど」

夕張「執務室の改造……心が躍りますね」

明石「私は修理専門だから、魔改造は得意じゃないんだけど」

提督「夕張一人に任せるよりいいだろう」

明石「そう、ですか」

夕張「一応聞いておきますけど、どういう風にしたいんですか?」

提督「回転扉に、隠し通路……」

夕張「ふむふむ」

明石(修理費がどうってことで魔改造するんじゃ……)

提督「トラップに……自爆機能とか」

夕張「ふむふむ」

明石(それ、絶対秘書官に怒られる……)

提督「最後に男のロマンのロボットになる!」

夕張「……」

明石「どうするんですか? 受けますか?」

夕張「受けますかって、そりゃあ……」

提督「遠慮せずに言っていいんだぞ」

夕張「無理です」

提督「ですよねー」

提督「回転扉に、隠し通路……」

夕張「ふむふむ」

明石(修理費がどうってことで魔改造するんじゃ……)

提督「トラップに……自爆機能とか」

夕張「ふむふむ」

明石(それ、絶対秘書官に怒られる……)

提督「最後に男のロマンのロボットになる!」

夕張「……」

明石「どうするんですか? 受けますか?」

夕張「受けますかって、そりゃあ……」

提督「遠慮せずに言っていいんだぞ」

夕張「無理です」

提督「ですよねー」


―執務室―

提督「頑丈にするくらいに留めておいた。これで、大型戦艦の主砲でもない限り吹き飛ばすことは無いだろう」

提督「無い……といいが」

↓2

―廊下―

提督「時津風発見!」

時津風「しれー? ……なんで二人を抱えてるの?」

時雨「出会いがしらに突然にね」

夕立「っぽい!」

提督「さあ時津風も行くぞ!」

時津風「どこに?」

提督「公園だ!」

―公園―

提督「ほら、フリスビーを投げるぞ!」

夕立「夕立、準備はいいっぽい!」

提督「ほれ!」シュッ

夕立「わー!」ダッ

提督「……時雨と時津風は行かないのか?」

時雨「僕はいいかな。こうして見ているだけで十分さ」

提督「時津風は?」

時津風「しれーはわたしに何をさせようとしてるのー?」

提督「時津風の元気に走り回る姿が見たい」

時津風「しれー、そんなことばかり言ってるから変態って言われるんだよ」

提督「い、言ってるのは時津風だけだ!」

時雨「……」

提督「ちょっと待て時雨。なぜ目を逸らした」

時雨「ぼ、僕から言えることは何もないよ。何もね」

提督「え、もしかしていろんな奴から言われてんの?」

夕立「提督さん、とってきたよ!」

提督「ああ、夕立だけが心の清涼剤だ……」

夕立「??」

提督「……あ、そうだ。時雨と時津風、ちょっと手を出してくれない?」

時雨「なんだい?」スッ
時津風「何かくれるの?」スッ

提督「はい、お手」ポンッ

時雨「……はぁ」

時津風「しれー、なんなの? ……ぶつよ」

提督「冗談だって。はい、飴だ」

時雨「良い飴だね」

時津風「……しれーが変なのは最初からだもんね」

提督「……待て」

時雨「……」ピタッ
時津風「……」ピタッ

提督「あっはっは……ちょ、ちょっと待て、公園で砲撃戦なんて――」

―執務室―

提督「ぶつなんてレベルじゃなかった。ガチの砲撃が飛んできた」

提督「行う冗談は限度を設けよう」

↓2

提督「――まあ、最近他の空母にも相談されてるんだが……お前らぎすぎすし過ぎ」

赤城「私はそんなつもりはないのですけど」

翔鶴「私も一航戦のお二人とは仲良くしているつもりなんですが……」

瑞鶴「そう見えるのって……」チラッ

加賀「……なんですか」

提督「そこだそこ。赤城と翔鶴は良いんだが、加賀と瑞鶴はどっちも引くタイプじゃないから、ちょっと関係が微妙なんだよ」

加賀「それで、どうするというのですか?」

瑞鶴「まさか、親睦を深めるために相部屋にするとか……まさかね」

提督「あ、それいいな、採用」

『えっ』

― 一航戦の部屋 ―

赤城「こうして話す事も、滅多にありませんでしたね」

翔鶴「はい、そうですね」

赤城「この日一日だけですが、たくさんお話ししましょうね」

翔鶴「はい!」


―翔鶴型の部屋―

加賀「……」

瑞鶴「……」

加賀(私としては、特別悪く扱ったことは無いのですが。いったいなぜそう思われたのでしょうか)

瑞鶴(こっちだって、別に空気悪くするほど険悪だとは思ってないんだけど)

加賀(私はこうして観察しているだけなんですが)ジー

瑞鶴(たまに、こうして鋭い視線を送ってくることがあるのよね……)

加賀(この機会に、もっとよく見ておこうかしら)ジーーー

瑞鶴(うう……今日は寝られそうにないみたい……)

―執務室―

提督「それで、一日過ごしてみた感想は?」

赤城「楽しかったですよ。こうして一緒に寝泊まりするのもいいものですね」

翔鶴「私もためになるお話をたくさん聞かせていただきました!」

提督「そうか。まあ、二人に関しては間違いなく失敗することは無いと思っていた。問題は……」

加賀「……ふぅ」

瑞鶴「うぅ……」

提督「こりゃあ、よほど大変だったらしい」

加賀(まさか完徹するなんて……それでもしっかりしている辺り、よく使われる要因はそこかしら)

瑞鶴(ずっと私のこと見てくるなんて……眠った後でも、ゆっくりすることが出来なかった……)

提督「二人の関係は根深いようだ。この話題は今度にすることにしよう」

赤城「そうした方がいいみたいですね……」

翔鶴「瑞鶴も限界みたい……」

――――――――


提督「根深いって言っても、表面上だけのような気がするんだよなぁ」

提督「まあ、特別問題は発生してないし、放っておいてもいいんだが」

↓2

比叡「なぜか、近くの喫茶店の割引券を貰いました」

提督「金剛と行ってくれば? ……っていうのは、野暮か。俺のところに来た理由があるんだろ」

比叡「それが、割引券が入っていた手紙の中に、写真を入れて返信してと書いてあったんです!」

提督「……本当、日本人っておせっかいが多いよな」

比叡「今回ばかりは、ちょっと思いました……返信さえなければお姉さまと行ったのに……」

提督「嘆いてもしょうがない。上からの言葉なら、従うしかないだろう」

比叡「そうですね……」

提督「そんな、見るからにやる気のなさそうな顔をされても……」

比叡「……確かに、私らしくないですね。気合! 入れて! 行きます!」

提督「ちなみに、それってなんの割引券なんだ?」

比叡「カップル用のパフェです。ツーショットのサービス付き」

提督「それかぁ……」

―喫茶店―

提督「じゃあさっそく、この割引使って、パフェを一つ」

店員「かしこまりましたー」

比叡「ひえぇ……緊張してきました」

提督「カップルでもないのに頼むことに、ちょっと躊躇いがあったぞ……」

比叡「……司令は平気なんですか?」

提督「何が?」

比叡「一つのパフェを二人で分け合い、その姿を写真に撮られることです」

提督「取り合うところを写真に残すだけだろ。別に、魂が吸われるわけでもないし」

比叡「司令は……」

店員「お待たせしましたー」カチャン

提督「思ったより早かったな。さて、写真を送らなければならないんだっけ」

比叡「勝手にとってくれるらしいですよ。モグモグ……お姉さまと来たかったなぁ」

店員「あ、あのぉ~」

提督「なんですか?」

店員「できればカップルらしいことをしてほしいんですけど」

提督「カップルらしいこと?」

比叡「あーんとかですかね」

店員「それでいいですよ」

提督「じゃあ比叡、あーん」

比叡「ひえっ!? 私が食べる方ですか!?」

提督「どっちでも問題なかろう。ほれ」

比叡「司令は……あ、あーん……」パクッ

カシャ

店員「はい、お疲れ様でしたー」

提督「……なんかあっさりだったな」

比叡「あちらは仕事でやってますからね」

提督「それは夢が無さすぎるだろう……」

―執務室―

提督「それっぽい写真が撮れたので、後は秘書官に任せることにした。きちんと送ってくれるだろう」

提督「そう言えば、俺の分の一枚は青葉に渡したけど、何に使うんだろうか」

提督「……渡したの失敗したかも」

↓2

大和「話は聞きました!」バンッ

提督「ど、どうした、珍しく乱暴にドアを開けて」

大和「今回の青葉新聞を読んだんです!」

提督「……あ、青葉ぁ!」

大和「今回は私一人だと思わない事ですね!」

提督「へ? 今回は一人じゃないって……」チラッ



大鳳「私にはセクハラばかりして……」

瑞鳳「わたしにもあんなことなかったですよね……」

鬼怒「一緒にマラソンとかどう?」

夕張「そろそろ私にご褒美のひとつくらいは無いんでしょうか」

雪風「でーとってなんですかしれぇ!」

天津風「べ、別に気になってきたわけじゃ……!」

初風「ただのつきそいよ」

時津風(しれーに対してはツンデレだなぁ)

早霜「私も……」

夕雲(なんかたくさん来てるけど……目立ちそうなあの人がいないわね)

168(司令官と二人きりになったのは私だけのはず)

58(とりあえず、もうオリョクルについてきてくれないのならどうでもいいでち)

龍鳳「す、すごい集まりです」

鳳翔「提督、大丈夫かしら」

間宮「ここからじゃ扉も見えませんしね」

提督「多い!」

大和「今回は一人で暴走せずに、新聞を広めてから来ましたから!」

提督「大和ぉ! 余計なことを!」

大和「それで、どう言い訳するんですか」

提督「……比叡に聞いたらすぐにわかる」

大和「逃げるわけじゃありませんよね」

提督「この騒ぎになって秘書官が放置している理由を考えてくれれば分かる」

大和「秘書官が放置している理由……ですか」

明石「順当に考えれば、秘書官も認めているということですか」

大和「……ちょっと行ってきます!」

ドドドド

提督「なんで女性の足音で地響きが鳴るんだよ……」

酒匂「ねーねー司令」

提督「ん、酒匂……に、阿賀野型全員?」

阿賀野「今度、私たちと行きましょ!」

矢矧「この物体が美味しそうに見えたもので、少し食べたく思ってしまいました」

能代「みんな言い出したら聞かないから……まあ、青葉新聞は八割嘘だから、そっちに目が向くのは当然かしら」

酒匂「どう、司令?」

提督「……よし、今度行くときは四人とも連れて行ってやろう!」

阿賀野「約束ね!」

矢矧「それが聞けたのなら満足です。では、私はトレーニングに戻るわ」

能代「そうね。酒匂、行くわよ」

酒匂「司令、楽しみしておくからー!」

バタン

提督「……なんとなく信じてもらったことに感動したけど、良く考えたらどうでもいいってだけなのね」

提督「それにあれ、カップル専用だろ……間宮さんに作ってもらうか……」

↓2

―長門型の部屋―

ダンボール「いない隙を狙って侵入成功。今は朝食時だからすぐに戻ってくるはず」


~数時間後~

ダンボール「……おかしい、誰も入ってこようとしない」

ダンボール「こうしてずっとダンボールにこもってるのも疲れるんだけど……」

ダンボール「今日は非番だよな……あれぇ?」


~夕方~

ダンボール「……はっ、寝てた」

ダンボール「まだ帰ってこない……どうしたことか」

ダンボール「心配だなぁ……」


~夜~

ダンボール「もう我慢できん。探しに行くぞ」

ガチャ

ダンボール「……!」サッ

陸奥「はぁ、ようやく帰って来たわ」

長門「すまなかったな。陸奥しか頼めるものが居なかったんだ」

陸奥「それは良いんだけど」

長門「限定スイーツを食べに行くなんて、ビックセブンのわたしが言えるわけないしな」

陸奥(イメージを気にしているんだったら、今更な気がするんだけど)

長門「なんだ、その何か言いたそうな顔して」

陸奥「いいえ、何も。ただ、幸せそうな顔してるなって」

長門「あのパフェが美味しかったからな」

ダンボール(あのパフェって……まさか、この二人であれを?)

長門「はぁ……また食べたいものだ」

陸奥「もう私は行かないから」

長門「なにっ!?」

陸奥(カップルなんて聞いてないわよ……)

ダンボール(なるほど。潜入はこれくらいでいいか。後は夕食に出たところを狙って脱出しよう)

陸奥「外で夜は食べてきたし、私はゆっくりしておくわ」

長門「分かった。私はこれからトレーニングに行ってくるとする」

ダンボール(なん……だと……)

―深夜・執務室―

提督「ようやく外に出ることが出来た。まさか陸奥が寝た直後に長門が戻ってくるなんてな」

提督「熱心なのはいいが、あのタイミングだと俺が困る……」

↓2

霞「いいこと、これは上からの命令だから、逃げられないわよ」

提督「はい……」

霞「次に逃げようとしたら、大和の砲撃食らわせるから」

提督「え、今ニュアンスが食べるだったような……」

霞「何か」

提督「イエ、ナンデモナイデス」

―舞踏会―

提督「ただの提督に上流の方々と舞踏会に出ろとか、どんだ無茶振りだよ」

比叡「そうですね。私もそう思います」

提督「……」

比叡「どうかしましたか?」

提督「なんか、口調が柔らかい。比叡じゃない」

比叡「うふふ、そうですか?」

提督「キモい」

比叡「ひえっ……司令、それは酷くないですか」

提督「だってお前もキャラ違うし、なんだか居づらい」

比叡「しょうがないですよ。こういう場は合わせないといけませんから」

提督「そもそも俺が呼ばれたのがおかしいんだよ。海軍からなら、大本営の方が行けばいいんだよ」

比叡「そうですよね。わざわざ司令が呼ばれる必要性は無いですよね」

提督「だよなぁ。ダンスなんか踊れないし、ただの立食パーティと何も変わらないぞ」

比叡「私が教えてあげましょうか?」

提督「いや、いい」

―次の日・執務室―

霞「……まあ、無理やりに行かせた身だから、あんまりどうこうは言わないわ」

提督「はい」

霞「ただ一つ言うとするならば、隠す努力くらいしないわけ?」

提督「滅相もない」

霞「はぁ……まあダンス一つしないでも、二人でそろって並んでる姿は絵になったらしいから、いいとするわ」

バタン

提督「……ちょっと怖かった。でも、絵になるってなんだろうな」

提督「次からは秘書官で断ってもらうようにしよう……」

↓2

―雲龍型の部屋―

提督「海水浴行こうぜ」

雲龍「海水浴?」

提督「海軍ならば泳げなければならないしな」

雲龍「それで海水浴の意味は分からないけど……分かりました、いいですよ」

提督「ならば早速用意をしようか」

雲龍「用意なんているの?」

提督「うん?」

雲龍「このままでいいと思います」

提督「……水着とか」

雲龍「この服でも問題ないですよね。艦娘って海で戦うものですし」

提督「ほら、遠くに行く準備とか」

雲龍「近くに海水ならいっぱいありますよ」

提督「……」

雲龍「どうかしました?」

提督「……そっちがそうなら、そのまま行ってやる!」

―母港―

提督「ひゃっほう!」ボチャン

雲龍「提督、張り切ってますね」

提督「整備とかされてないけど、全然行けるってことを教えてやるぜ!」

雲龍「……いいですね、提督。楽しそうです」

提督「楽しまなきゃ損だろ!」

雲龍「だったら私も行きますよ」

提督「おう、飛び込んで来い!」

雲龍「わー」ボチャン

提督「無表情なのはいただけないな」

雲龍「そうですか、すみません」


明石「あの二人楽しんでますけど、ここの近くの海は燃料とかで綺麗じゃないんですよね」

夕張「燃料船使ってないし、泳げるくらいには綺麗なんじゃないですか」

妖精「かんむすですので」

―執務室―

提督「雲龍と海水浴した」

提督「……ん? なんか海水浴した気持ちにならないな」

↓2

―長良型の部屋―

提督「阿武隈」

阿武隈「はい、何ですか? 今は私しかいませんけど」

提督「それは狙った。それで、ちょっと撫でさせてくれないか?」

阿武隈「提督が? 珍しいですね」

提督「そうだっけ。うーん……前に撫でたとき、北上さんみたいと言われて以来してなかったか」

阿武隈「もしかして、気にしてました? すみません……」

提督「いや、忘れてた」

阿武隈「そんな事だろうと思いました……」

提督「まあまあ、ほれ」ナデナデ

阿武隈「もう……誤魔化されませんからね」

提督「そんなつもりはない」ナデナデ…ワシャ

阿武隈「……」

提督「……」ワシャワシャ

阿武隈「気のせいか、なで方荒くないですか」

提督「気のせいだ」ワシャ…ワシャシャシャ

阿武隈「あっ、もう! 提督、本当に北上さんみたいに乱暴です!」

提督「わっはっは、すまんすまん……お詫びに髪を整えてやろう」

阿武隈「えっ?」

提督「大丈夫だ。その複雑な髪は理解している。まかせておけ」

阿武隈「なんで理解してるのは聞きませんけど……」

提督「大丈夫だ、俺を信じろ」

阿武隈「信じろと言われましても……分かりました。提督に任せてみます」

提督「よしっ!」

阿武隈「……もしかして、始めからこのために?」

提督「……櫛は用意したぞ!」

阿武隈「提督!」


―執務室―

提督「崩すよりも作り上げる方が大変とはよくいったものだと感じた」

提督「多分、みんなの中で一番あの髪型が難しいんじゃないだろうか」

↓2

提督「お菓子はやっぱりビスコ。小さな子供でも美味しくいただくことが出来る」

提督「……よし、名前も似てるからビスマルクと遊ぼう。何しようかな」

↓2

提督「ビスマルクで遊ぼう。不幸の手紙送ったらどういう反応してくれるかなー」


―ビスマルクの部屋―

ビスマルク「……あれ、何かしらこれ。机の上にあったけど……」

ビスマルク「アンハッピーレターって書いてある。英語ならチェーンレターだと思うんだけど」ビリビリ

ビスマルク「……この手紙を三日以内に送らないと、不幸が訪れる、ですって。今更こんなの信じる人いるのかしら」

ビスマルク「というより、こんなのに引っかかる人が居たら、それはそれで滑稽ね」

ビスマルク「はぁ、心配して損したわ。食堂に行こうかしら」


―食堂―

間宮「ごめんなさい。丁度食材が切れてて……」

ビスマルク「そう……じゃあ、鳳翔の店の方に行ってみるわ」


―鳳翔の店―

鳳翔「すみません、ちょうど仕入れ時で、軽食も無いんです」

ビスマルク「……たしか、売店に何か売っていたはず」


―売店―

明石「普段ならおにぎりとかあるんだけど……多分分かってるように、みんな買っていったわ」

ビスマルク「これが……不幸」

山城「おにぎりも無いの? 不幸だわ……」

―廊下―

ビスマルク「まさか、ここまで間が悪いなんて……」

ビスマルク(あの不幸の手紙、まさか本物?)

ビスマルク「も、戻ったら送らないと……」

提督「何を送るって?」

ビスマルク「アトミラール? その、恥ずかしい話になるのだけど……チェーンレターが届いたのよ」

提督「ふむふむ」

ビスマルク「最初は私も笑っていたんだけど、その……さっきから不幸なことばかり起こって……」

提督「たまたまだろう」

ビスマルク「これだけ続いて、たまたまなんて思えないわ」

提督「心配性な奴だな」

ビスマルク(この鎮守府に、知らないもう一人の提督がいる時点で心配もするわよ……)

提督「なんか弱気になってるな。しょうがない、幸せのおすそ分けをしてやろう」

ビスマルク「これ、サンドウィッチ?」

提督「そうだ。これで、馬鹿な考えはよしとけ」

ビスマルク「……分かったわ。余計なことはしないでおくことにするわ」

―執務室―

提督「まさかここまでうまくいくとは……間宮が発注ミスで食材を切らしていたのは知っているが、まさか鳳翔までないとは」

提督「買いだめしておいたサンドウィッチが無かったら広まってたところだったな……」

提督「さすがに、あれを流されるのはまずいだろう」

↓2

―鳳翔の店―

鳳翔「手伝ってくれるんですか?」

提督「何か労わろうと思ってな」

鳳翔「お気持ちは嬉しいんですけど……」

提督「りょ、料理は出来ないけど、接客ならできるぞ!」

鳳翔「うーん……分かりました。少しだけ手伝ってもらう事にします」

提督「よし来た」

鳳翔「では、仕入れを手伝ってもらいますね」

提督「まかせ……え?」

鳳翔「重いものが多いので、すみませんけど頼めますか?」

提督「……なんか違う気がするけど、まかせろ!」

鳳翔「お酒を一ケース、ここに置いてください」

提督「お、おう……」

鳳翔「お疲れなら、無理にとは言わないですけど……」

提督「ま、まかせろ。このくらい何とでもない」

鳳翔「そうですか?」


提督「はぁ、疲れた……」

鳳翔「お疲れ様です。はい、お茶ですよ」

提督「ありがとう、鳳翔」

鳳翔「いえいえ」

提督「……労わるってこういうことを言うんじゃないだろうか」

鳳翔「うふふ、出来ることを出来る人に任せることは重要ですよ」

提督「そう? それもそうか。うん、鳳翔のいれたお茶は美味しいな」

鳳翔「ありがとうございます、提督」

―執務室―

提督「……なんだかんだで、やっぱり労わられた気がする」

提督「おかしいなぁ? 労わったつもりなんだけど」

↓2

―暁型の部屋―

提督「雷、ちょっといいか?」

雷「何かしら」

提督「膝の上に乗ってくれ」

雷「いいわよ!」

響「ストレートに言ったね」

電「司令官はどうかしてるのです」

暁「私がいう事じゃないんだけど、二人ともちょっと辛口になった?」

提督「思春期ってやつだ。きっと素直になれないだけだ」

電「ふっ」

響「……電ほどすれていないつもりだけどね」

雷「もう司令官、私がいるんだから、もっと私を相手にしてよ!」

提督「おおすまんすまん。かわいいなぁ雷」

雷「うふふっ、もっと褒めてもいいのよ!」

提督「ううん、あまりに愛らしいものだから、秘書官にしてしまいそう――」
「へぇ……」

提督「!」

雷「どうしたの、司令官」

提督「い、いや……なんでもない」

雷「そう? 困ったことがあれば、何時でも頼っていいのよ!」

―執務室―

提督「一瞬、恐ろしい予感がした」

提督「離れていても強い気配をさせるとは……秘書官、恐ろしい……」

↓2

提督「五十鈴、最近食堂にゴキ……Gが出たのは知っているか?」

五十鈴「いきなり呼んできて、一体何の話? 間宮さんがGを出すとは思えないのだけど」

提督「それが出てしまったんだ。まあ、Gはどこから入ってくるか分かんないからな」

五十鈴「ふーん、それで私を呼んで何をさせようっていうの?」

提督「その対潜を使って、Gを退治してほしい」

五十鈴「……あのねえ、対潜でGが分かるわけないでしょ」

提督「なんだと……」

五十鈴「驚くところおかしいでしょ」

提督「じゃああのGをどうしろというんだ」

五十鈴「バルサンでも炊けばいいんじゃないかしら」

提督「食堂にか」

五十鈴「あー……しょうがないわね、成果が出なくても文句言わないでよね」

提督「やってくれるのか! でも、Gは平気なのか?」

五十鈴「子どもじゃないんだから、そんなの怖いわけないじゃない」

バタン

提督「……まあ、どちらかと言えば男の方が怖い人が多いか」

提督「お、俺は大丈夫だぞ!」

↓2

―翔鶴型の部屋―

翔鶴「語りたいって、珍しいですね」

提督「まあ、たまには瑞鶴の居ないところでしっぽりとな」

翔鶴「しっぽりって、ふふ、提督も冗談がお好きですね」

提督「冗談って……まあ、いいか」ゴト

翔鶴「それはお酒ですか?」

提督「やっぱり話すときは必要だろ」

翔鶴「私は無くても大丈夫ですよ」

提督「じゃあ訂正だ。俺が必要なんだ」

翔鶴「それなら、しょうがないですね」

提督「……翔鶴はこの艦隊にいて楽しいか?」

翔鶴「もちろんです。きっと、この艦隊が明るいのは提督があってこそだと思っていますから」

提督「そう言われると、少し恥ずかしいな」

翔鶴「でも、あんまり遊び過ぎないようにしてくださいね」

提督「それはまあ、分かっているつもりだ」

翔鶴「……こうしてゆっくりできる日が、いつまで続きますかね」

提督「ずっと続くに決まっているだろう。翔鶴が暗いと、俺が瑞鶴に怒られる」

翔鶴「まあ……」

提督「だから……うん、そういう暗いことは気にせずにしとけ。考えるだけ無駄だ」

翔鶴「はい、提督がそういうのであれば」

―執務室―

提督「その後静かに飲み明かした」

提督「しっぽり、静かなという意味もあるし、冗談なんかじゃなかったんだけどな」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「――そんなわけで、マッサージ師の資格を取った俺がマッサージをしてやろう」

扶桑「本当ですか? お願いします」

山城「許しません! 姉さまにマッサージをするのは私の仕事です!」

扶桑「山城?」

提督「ほう、山城そんなことを言っていいのか?」

山城「な、なんですか提督。どうせマッサージ師とか嘘に決まってるんですから」

提督「じゃあ、山城で試してやろうか?」

山城「……や、やってみなさいよ!」

扶桑(私、置いて行かれてますね。……でも、山城が楽しそうなら、それでいいかしら)


提督「って、俺は扶桑をマッサージしに来たんだった」

山城「はぁ……はぁ……資格はしりませんが……凄かったです……」トロン

扶桑「……わ、私もああなるのかしら」ドキドキ

―執務室―

提督「将を射るにはなんとやら、扶桑に対しては山城からだな」

提督「……って、馬にかまけすぎて扶桑の相手全然して無かった……」

↓2

提督「比叡呼ばれ過ぎじゃないか?」

霞「あっちもイメージアップに忙しいのよきっと」

提督「適当になってきたな」

霞「今回はあんまり上は関係ないからよ。ただ呼ばれた以上はね」

提督「ふぅん。それじゃ比叡行くぞ」

比叡「えっ、いつから気づいていたんですか」


―舞台鑑賞終了後―

提督「ふわぁ……」

比叡「退屈そうですね」

提督「まあ、こうやってゆっくり見るのは苦手だからな」

比叡「そうなんですか? 舞台中は真面目に見てましたよね」

提督「そりゃあ、前列で退屈そうに見てる客はまずいだろう。しかも招待されてだ」

比叡「気合を入れていたって事ですね!」

提督「別に気合は……なんでもいいや」

比叡「でもやっぱりお姉さまときたかったです」

提督「こんど誘ってみたらどうだ」

比叡「そうします!」

―執務室―

提督「舞台鑑賞は最近マナーの悪い客がいるようなので、そのあたりは考えよう」

提督「……いや、基本的に静かに見るだけでいいんだけど。比叡は金剛ときたらはしゃぐんだろうか」

提督「そこは関知することでもないけど。休暇中は自由だし」

↓2

金剛「最近、提督と比叡が一緒にいるデース」

霞「……なんで私に言いに来るの」

金剛「二人に言うと、ただの文句になるデース」

霞「愚痴なら鳳翔さんのお店に行った方がいいんじゃないかしら」

金剛「もう言ってきたデース」

霞「ああ、そう」

金剛「比叡ばっかりずるいネー、提督と出かけられて」

霞「比叡がかまってるからいいんじゃない」

金剛「全部提督と行ったところばかりで、逆に自慢されている気分デース」

霞「まあ、気持ちは分からないでもないわね」

金剛「それに、比叡と提督は違うネー」

霞「ふーん……」

金剛「どうすれば二人に混ぜてもらえるのかナー?」

霞「……それが目的なの?」

金剛「ワッツ?」

霞「二人に混ざりたいだけなんでしょ」

金剛「……そうかもしれませんネー」

霞「だったら、それを伝えることね。じゃなきゃ、何も伝わらないわよ」

金剛「そうしマース! ありがとネー!」

霞「もう来ないようにしなさい」

金剛「秘書官はいい人デース! 皆にも、伝えておきマース!」

霞「……え? よ、余計なこと……!」

金剛「グッバーイ!」

バタン

霞「……まさか、誰も来ないわよね」

―執務室―

提督「金剛から物申されたけど、全部上からの物なんだよなぁ……」

提督「まあ、どこか適当に時間をとってやるか。多分くっついて比叡も来るだろうし」

↓2

―飛鷹型の部屋―

提督「そう言えば祝ってなかったな。改二おめでとう」

隼鷹「あのときはいきなり説教されるとは思わなかった……」

提督「まあ、愛の説教とでも思っとけ」

隼鷹「それで、祝いに何もないってことは無いだろ。何を持ってきたんだ?」

提督「鬼ころし」

隼鷹「酒? なんか、珍しいな。鬼ころしを選んでくることも」

提督「隼鷹にはこれくらいじゃなきゃダメかと思ってな」

隼鷹「そうか。じゃあ、一緒に呑むか」

提督「でもこれ辛いんだよなぁ……」

隼鷹「持ってきたのは提督だろ」

提督「……まあ、しょうがないか」

隼鷹「へへっ、じゃあ乾杯!」


飛鷹(絶対からまれるから、今のうちに逃げておこう)

―執務室―

提督「ううん、自分で選んだものとはいえ、やっぱりあれはなぁ……」

提督「隼鷹は気にいってたから良かったけど」

↓2

提督「泣かす。そんなキャラだとは思えないんだが」

提督「……いや、でも、前にもクールキャラを泣かせたことがあるな。よし」


―食堂―

摩耶「間宮さん、アイス」

「はい、どうぞ」

摩耶「ん、なんか声がおかしいような……まあいいや。パクッ」

提督「ニヤリ」

摩耶「……! 提督って辛っ! な、なんだこれ!」

提督「アイスだと思ったか? タバスコつきの間宮アイスだ!」

摩耶「て、てめぇ!」

提督「おいおい、天下の摩耶様がアイスごときで? キャラの肩書が泣くぞ?」

摩耶「はあ? アイスはこの艦隊誰でも楽しみにしてるだろうが」

提督「まあ悲運に泣くんだな! いや、もう泣いてるか!」

摩耶「たしかに悲運だったな……お前がな!」ガシャン

提督「ふっ、そんなのいつものように避けて……手錠?」カチン

間宮「食べ物で遊ぶことは、許しませんよ?」

提督「……。摩耶、ここはお互い謝って――」
摩耶「謝るのはお前だ!」

ドーン

―執務室―

提督「ある意味泣かされたのは俺だな」

提督「まさか、間宮まで敵対しようとは……予想外だった」

↓2

―廊下―

提督「ぐっ……」

大和「提督、そんなところで胸を押さえて行った何を……?」

提督「ぐうっ……! や、大和! アレを……あれを持ってきてくれ!」

大和「あ、アレ? あれとは……」

提督「ぐああああああ!1 は、早くしてくれ大和! ぐうううううっ!!」ドサッ

大和「アレ……わ、分かりました! すぐにとってきますから、絶対に動かないでください!」ダッ

提督「ぐっ……ん? 大和は一体何が分かったというのだろうか。まあ、しばらくここで倒れておこう」


大和「取ってきました!」

提督「ぐわああああああ!!」

大和「た、大変です! どうぞ、提督!」

提督「く、薬?」

大和「はい。比叡さんの料理でこうなったんですよね」

提督「……あ、うん。そうだよ、ありがとう」

大和「お役にたててうれしいです。では提督、しばらく安静にしてくださいね」スタスタ

提督「……比叡の料理、よほど変人になるみたいだな」

―執務室―

提督「もとはと言えば俺が悪いのかもしれないけど、ちょっと扱い酷いよな」

提督「……まあ、数々の飯マズの軌跡を残したから、無理もないとはいえるが」

↓2

―二航戦の部屋―

提督「おーっす」ガチャ

蒼龍「ノックくらいしないんですか?」

飛龍「いつもの事なんですけどねぇ」

提督「そうだ、いつものことだ」ジー

蒼龍「……」

飛龍「今回は何をしに来たんですか?」

提督「まあ、ちょっと話にな」ジー

飛龍「それだけのために?」

提督「まあな」ジー

蒼龍「……」

飛龍「蒼龍、どうしたの?」

蒼龍「気付いてるんでしょ」

飛龍「まあ、提督が何で蒼龍の胸を見てるのか分からないけど、まあ突っ込むことではないかなって」

蒼龍「つっこむことじゃないって……」

提督「……」ジー

蒼龍「それで、なんで提督は見ているんですか?」

提督「いや、小さいといわれてるけど、そんな風に見えないなと」

蒼龍「誰が言ってるんですか!」

飛龍「あ、ごめんそれ私」

蒼龍「飛龍!?」

提督「飛龍、ちょっと間違えじゃないか?」ジー

蒼龍「提督は見てくるのをやめてください!」

―執務室―

提督「なんだかんだで有耶無耶になったな」

提督「それにしても、女性が視線に敏感というのは本当だったのか。一瞬で気付いてきたぞ」

↓2

――>>671の続き

提督「……」モニモニ

扶桑「ぁっ……ん……」

提督「……」コリコリ

扶桑「ふっ…………あ……そこ……です」

提督「……」グニッ

扶桑「ぃぃ……気持ち……いいです……」

提督「……」ガシガシ

山城(どうしよう、姉さまが凄くアレな雰囲気だけど、提督が真面目なせいで茶化せない)

提督「……」ゴリッ

扶桑「ふぁっ!」

提督「……」グッグッ

扶桑「はげ……っ……しい……です……っ」

提督「……あ、終わりだ」

扶桑「ふぅっ……ふぅっ……」

提督「はぁ、疲れたー。じゃあな」

バタン

扶桑「山城……気持ち良かったです」ハァハァ

山城「そ、それは良かったですね」

山城(姉さまのあんなところが見れたから、提督には悔しいけどGJをあげるわ)

↓2

―執務室―

青葉「青葉、聞いちゃいました」

提督「聞いたって……何をだ?」

青葉「扶桑姉妹から漏れ聞こえる声です!」

提督「マッサージの時のか。それで、何か?」

青葉「声だけ聴くと、何に聞こえると思います?」

提督「……普通にマッサージの時の声だよな」

青葉「いえいえ、そんな甘いものじゃないでしょう」

提督「はぁ? じゃあ何に聞こえるんだ、青葉は」

青葉「え? そ、それは……セクハラされたかのような……」

提督「セクハラされて気持ちよさそうな声が出るわけないだろう。もっと嫌がるはずだ」

青葉「そ、それは司令官だから……」

提督「意図がつかめんな……結局、青葉はなんだと思ってるんだ」

青葉「せ、セクハラに……」

提督「もっと具体的に」

青葉「……あ、青葉が不純みたいじゃないですかぁ!」ダッ

バタン

提督「よし、勝った!」

提督「まったく、青葉も揚げ足を取るなよ。これがマッサージ以外の何に聞こえるんだろうか」

提督「もしかしたら、青葉も疲れが溜まっているのかもしれない。今度マッサージしてあげよう」

↓2

金剛「提督ぅー! 私もマッサージしてほしいデース!」ガチャ

提督「嫌だよ」

金剛「シット! 酷いネー!」

提督「だって金剛、元気じゃないか」

金剛「それが?」

提督「やりごたえないじゃないか。やっぱり凝ってそうなひとをやりたいからな」

金剛「ということは、凝ってくればいいんですネー!」

提督「わざわざ凝ってくるのか。大変だな」

金剛「次に私が来たときは、ノーとは言わせないんだかからネ!」

提督「まあ、そこまで訓練することに対しては、俺は何も言わない。練度も上がるしな」

金剛「じゃあ比叡たち誘ってトレーニングしてくるデース!」

バタン

提督「……まあ、霧島がいるし、ほどほどで止めてくれるだろう」

提督「マッサージ、人気になるようならこの鎮守府にも取り入れた方がいいかなー。俺一人だと手が回らなくなりそうだ」

↓2

―青葉型の部屋―

提督「疲れているだろう、マッサージをしてやろう」

青葉「何か嫌な予感がしますから、遠慮しておきます」

提督「まあまあ」

青葉「いえ、まあまあじゃなくてですね……って、迫ってこないでください!」

提督「俺の手で喘いでみないか」

青葉「言葉が卑猥です!」

提督「なんで?」

青葉「くっ……! 分かりました、下心が無いというのなら、受けて立ちましょう」

提督「では、遠慮なく」

青葉(あ、青葉もああなっちゃうんでしょうか……!)ドキドキ

提督「……」ゴリッ

青葉「痛ぁ!」

提督「……」ゴリュドグッ

青葉「や、やめ、痛いですからやめ、ゴリゴリいって痛っ!」

提督「……」ボギッドゴッ

青葉「痛い痛い! マッサージの音じゃないです! あぐぅ!」


提督「ふぅ、満足」

青葉「ううっ……酷すぎですよぉ」

提督「でも、すっきりしただろう」

青葉「そんなわけ……あ、あれ?」

提督「ふっ」ニヤリ

青葉「痛みが無いどころか、疲れが取れています!」

提督「心無い記事など、流行らせないようにな」

バタン

青葉「……でも、青葉も気持ちいいマッサージの方が良かったです」

青葉「青葉にだけあんなマッサージなんて、記事にするしかないですね!」

―執務室―

提督「これで青葉も少しは懲りただろう」

提督「でも強いマッサージは疲れる。元々、華奢な女性に対するマッサージじゃないし」

↓2

―トレーニング場―

大鳳「ふぅ……」

提督「お疲れのようだな大鳳」

大鳳「あ、提督じゃないですか。ええ、トレーニングの後なので」

提督「ふむ……そうだ、マッサージでもしてやろうか?」

大鳳「本当ですか? ではお願……」

提督「何故止まる」

大鳳「……また、セクハラとかしませんよね」

提督「し、しないって! 今までの事は悪かったからさ」

大鳳「……分かりました。では、お願いします」


提督「……」グッグッ

大鳳「ん……はぁ……」

提督(なんか、効いてないな……凝るのが直らないみたいな……)

大鳳「そこぉ……いいです……」

提督「……これだ」ゴリッ

大鳳「!?!?」

提督「……」グリッメリッ

大鳳「て、提督!? それ、痛っ!」

提督「……」クリッサワッ

大鳳「ふぅっ……!? あ、なんかそれ……!」

提督「……」グキッドスッ

大鳳「痛いのと、気持ちいいのが……合わさって……っ」

提督「……」モミッサスッ

大鳳「あっ……だ、ダメ、私……――」


提督「……ふぅ、こんなものだろう。大鳳、どうだった。……大鳳?」

大鳳「」

提督「……なんだ、寝たのか。マッサージはゆったり出来るのが一番だからな。どうやら楽しんでくれたようだ」

提督「だがこのままも忍びない。部屋に運んでおいてやろう」

―執務室―

提督「まさか、こんなところで才能を開花させているなど、誰も思うまい」

提督「ふっふっふ、こりゃマッサージの免許皆伝も近いな!」

↓2

提督「監査?」

霞「いつもの定期監査よ。後は言わなくても分かってるわよね」

提督「めんどくさいなぁ……自分らしい方法でいいんだろ」

霞「まあ、そうね。やり方は押し付けないけど、仕事だけは増やさないでよね」

提督「イエス。分かっておりますとも」


―母港―

提督「ふむ、風がいい気持ちだ」

比叡「はい、そうですね」

監査員「……」


―食堂―

提督「うむ、今日もおいしいな」

比叡「はい、そうですね」

監査員「……」

―工廠―

提督「今日もいつものやつだったな」

比叡「はい、そうですね」

監査員「……」


―執務室―

提督「では、今日も出撃を頼んだ」

比叡「気合! 入れて! 行きます!」

監査員「……急に元気になりましたね」

提督「し、士気は高めていかないといけませんからなぁ」

比叡「そ、そうですよ」

監査員「……まあ、私は監査も終わったので帰ります」

提督「お疲れ様でした」

~次の日~

霞「なぜか好評価だったわ」

提督「そういう風にしたしな」

霞「なぜ? 普通はいちゃいちゃするものじゃないの?」

提督「頭のお固い上の人は、どちらかといえば三歩さがって見てくれる女性の方が受けはいいだろ。そういう風にみられてたし」

霞「言われてみればそうね……」

提督「ていうか秘書官、いちゃいちゃなんて言うんだな」

霞「――忘れなさい、いいわね」ゴオッ

提督「ハイ」

バタン

提督「……監査の評価ってなんだろうな」

↓2

―食堂―

提督「多摩、ここにいたか」

多摩「何にゃ?」

提督「ほら、プレゼントをやろうと思って……はい、またたび」

多摩「!?」

提督「もしかして気に入らなかったか?」

多摩「多摩は猫じゃないにゃ!」

提督「そんな、怒らなくても……そうだ、きっとお腹が空いて機嫌が悪いんだな」

多摩「そんな動物みたいな理由なわけないにゃ!」

提督「じゃあ、はいキャットフード」

多摩「にゃあああああ!! 多摩の言葉を完全に無視してるにゃ!」

提督「まあまあ」ナデナデ

多摩「ゴロゴロ……って、首を撫でるにゃあああああああ!!」

―執務室―

提督「マジ怒になった。怖くは無かったけど」

提督「多摩はいじりやすいやつだ。うん」

↓2

―食堂―

提督「龍田、竜田揚げを作ろう」

龍田「……まあ、いいですけど。でも提督、から揚げと竜田揚げの違いは分かっていますよね」

提督「何か違うのか?」

龍田「下味をつけて片栗粉で揚げたものが竜田揚げです。一説では、私の前世の中で作られた料理だからというものもあります」

提督「へぇ、それは本当なのか?」

龍田「そこまで把握しているわけじゃないから、分からないわ~」

提督「というか、よく分かってるな」

龍田「……天龍ちゃんが喜ぶから」

提督「天龍が?」

龍田「龍田の竜田揚げだって」

提督「あいつオヤジかよ……」

龍田「これに関しては、私もそう思います」

提督「……まあ、作るか」

龍田「そうね~」

―執務室―

提督「飯マズ集団と違って、普通においしくできた」

提督「しかし、つまんないギャグで受けるのは、天龍のいつも通りともいえるか」

下2

榛名「大変です! 金剛お姉さまが倒れました!」

提督「ふぅん……」

榛名「……」

提督「……え、マジで?」

榛名「はい!」

提督「一瞬冗談かと思ったけど、榛名がそんなこと言うはずないと思い返してつい反応が遅れてしまった」

榛名「金剛お姉さまの健康に絶対の信頼を置いているのか、榛名の言葉に信頼を置いているのか……」

提督「両方があったからこそのタイミングだ。それで、金剛は何で倒れたんだ?」

榛名「運動のし過ぎです」

提督「……なんとなく、理由が分かってしまった」

榛名「そうなんですか? 流石提督です!」

提督「いやぁ、うん……じゃあ、少しお見舞いに行くことにする」

榛名「はい! きっと金剛お姉さまも喜びます!」

―医務室―

提督「ほら、バケツ」

霧島「ドックじゃないんですから」

提督「それで、金剛は無事なのか?」

霧島「比叡お姉さまが凄く心配そうに見ていますけど、実際には全く問題ありません。ただの過労です」

提督「数日で過労って、なにやってたんだよ……」

金剛「提督ぅ……」

提督「金剛、起きたか」

金剛「ま、マッサージを……」

提督「……いや、寝てろよ」

金剛「無念……」ガクッ

比叡「お姉さまーーーーーー!」

提督「いや、なんで最後わざわざキャラブレイクしたんだ」

―執務室―

提督「マッサージされたいのなら、体力使う運動じゃなくて、筋力使う運動しろよ……」

提督「いや、榛名も霧島も止めなかっと見ると、金剛が勝手に暴走し過ぎただけか」

↓2

― 一航戦の部屋 ―

提督「……」ムニー

加賀「……」

提督「……」ムニー

加賀「……」

赤城「……なぜ、二人は反応しないんですか?」

提督「加賀の反応待ち」ムニー

加賀「すぐに反応しようとしましたが、提督の思い通りになるのではと」

赤城「もう……」

提督「それで、いう事は?」

加賀「暇なんですか。秘書官に言いつけますよ」

提督「い、今は自由時間だし」

加賀「じゃあ、間宮さんに言いつけますよ」

提督「へ、兵糧攻めだと!?」

加賀「提督は搦め手を使った方が反省しますから」

赤城(よく分かってますね、提督の事)

提督「こ、今度はこうはいかないからな!」

加賀「いえ、もうしないでください」

―執務室―

提督「さすがクール系キャラは一味違った」

提督「加賀のああいうところは、好きなところではあるけどな」

↓2

―高翌雄型の部屋―

提督「肩凝ってそうだから肩もみしようか」

愛宕「あら~じゃあ、よろしく頼むわねー」

摩耶「なんだ、セクハラか?」

提督「だって、こんな脂肪ついてるんだぜ」

摩耶「脂肪……」

鳥海「いつもの提督といいますか……」

提督「なんだかわからないが……どうだ、俺の肩もみ」モミモミ

愛宕「……」

提督「愛宕?」

愛宕「脂肪……」

提督(あの愛宕がこうなるとは……どうやら言葉をミスったかもしれないな)

高翌雄「脂肪って……」

提督(って、あっちにもショック受けてる人がいるんだけど……)

愛宕「提督、提督は小さい子の方が好きなんですかー?」

摩耶(流石に脂肪は堪えたか、気にしてるな。だけど、多分提督に聞いてもなぁ)

提督「どうでもよくね」

鳥海(この返しだろうと思いました)

愛宕「……うふふ、提督の肩もみ、気持ちいいわぁ」

提督「そうか、良かった」

摩耶(ショックが大きすぎて、すべてを投げ出したか……)

鳥海(悲しきは提督の鈍感さといったところですね)

―執務室―

提督「なんか愛宕の目のハイライトずっと消えてたが、大丈夫だろうか」

提督「働かせ過ぎてるのだろうか、肩も凝ってたし。うーむ」

↓2

―高翌雄型の部屋―

提督「忘れてたけど、高翌雄にもマッサージするつもりだったんだ」

高翌雄「なんですか提督。そのためだけに来たんですか」

提督(何だか辛辣……)

提督「ま、まあ高翌雄、機嫌治してくれ。俺のマッサージは最高だぞぅ」

高翌雄「……いいですけどね。してくれるというなら、頼みます」

提督「よし来た」

高翌雄(どうせ、ただ機嫌を取るだけで……っ!?)

提督「……」ムニムニ

高翌雄(こ、これ……凄い……だ、ダメ……)

―高雄型の部屋―

提督「忘れてたけど、高雄にもマッサージするつもりだったんだ」

高雄「なんですか提督。そのためだけに来たんですか」

提督(何だか辛辣……)

提督「ま、まあ高雄、機嫌治してくれ。俺のマッサージは最高だぞぅ」

高雄「……いいですけどね。してくれるというなら、頼みます」

提督「よし来た」

高雄(どうせ、ただ機嫌を取るだけで……っ!?)

提督「……」ムニムニ

高雄(こ、これ……凄い……だ、ダメ……)

高雄「んっ……ふっ……」

提督「……」モニョモヨ

高雄(声……抑えられない……っ!)

高雄「っ……ぁっ……」

提督「……」モミモミ

高雄「っふ……! あっ……!」

高雄(て、提督……やめ――)


提督「……はい終了」

高雄「はぁん……はぁっ……」

提督「うむ、満足してくれたようだな」

高雄「満足……と、いいますか……はぁ……」

―執務室―

提督「俺、本当にマッサージの才能あるかもしれないな。提督やめても生きていけそうだ」

提督「まっ、まだ戦争は続くだろうから、そんなことは大分先になるだろうけど」

↓2

提督「……なにこれ」

霞「比叡のTシャツらしいわ」

提督「見れば……まあ、分からんでもないけど、なんでこんなものが作られたんだ」

霞「……あんまり私も想像したくないけど、もしかしたら上でファンみたいなものが出来ているのかも」

提督「比叡の? ファン? まっさかー」

霞「そう思いたいのだけど、最近の動向を見てるとどうもね……」

提督「それで、この段ボール何箱ももらって、本当にどうするんだ」

霞「全員分あるらしいわ」

提督「へぇ、何が?」

霞「このTシャツ」

提督「……マジかよ」

―食堂―

提督「お願いだ。いらないのは重々承知だが、これを皆に行きわたらせなければならない」

鳳翔「なんだか、グッズTシャツみたいになってますね……」

間宮「理由は分かったので、ここに配布物でおいておくのは良いんですが……」

提督「そうか! 良かった……艦隊全員分配るなんて、呼び出すだけ時間の無駄だよ……」

間宮「いえ、その……自分でおっしゃったように、これを自主的に持ち帰る人は少ないと思いますよ」

提督「……だよなぁ」

鳳翔「ところで、ご本人は?」

提督「言ったら、お姉さまのTシャツが欲しかったといって、金剛に着てとせがむだけだった」

間宮「そうですか……」

龍鳳「……なら、全体通告をして、自主的にとらせるようにするのはどうでしょうか」

提督「それだ龍鳳! ありがとう、今度お前のTシャツ作ってやるからな!」

龍鳳「いえ、いらないです」

―執務室―

提督「こっそり様子を見に行ったら、みんな渋い顔してとっていた」

提督「まあ、近しい人のシャツなんかもらっても、嬉しくないよな……」

提督「普通にプレゼントされたら、俺でも処分するかもしれん……」

↓2

霞「もはや何様よって感じよね」

提督「なあ、その案件俺のところに持ってくる必要なかっただろ」

霞「一応上の言葉よ。伝えておく義務があるわ」

提督「だよなぁ……この誤解を解く方法ないか? 流石に……」

霞「私もそう思っているところよ。真面目に仕事していてこれが来ると、頭が痛くなりそう……」

提督「……まあ、ここまで放っておいたせいとも言えるし」

霞「なによ、クズ。何か考えたの?」

提督「何も言ってないんだから、クズで呼ばないで。ええと、正面から誤解を解かない?」

霞「珍しいわね。絶対正攻法は使わないと思っていたのに」

提督「今回は手紙を当てるだけでいいからな。さーて、書くか」

霞「大丈夫かしら……」

~次の日~

霞「……最悪よ」

提督「え゛、何か俺まずったことをした?」

霞「今回も違うというか……ああもう! あの人、比叡のガチのファンだったのよ! それでまた一目見たいって!」

提督「正直に話せ。あれだけしつこかった人が、それだけで済むはずないだろう」

霞「無駄に鋭いわね! 見たいじゃなくて、サインと握手してくださいって!」

提督「……那珂ちゃんなんかよりも、先にアイドル化しちゃったかー」

霞「多分、上は完全に染まってるわ。今回誤解を解いたせいで輪にかけてね」

提督「もう分かんねえな」

霞「じゃあ、伝えることは伝えたから」

バタン

提督「サイン会に握手会って……いや、艦娘の評価が上がっていることに喜んだ方がいいのか」

提督「……どうにでもなるか」

↓2

~回想~

提督「ある程度は殲滅したか……ん?」

中間棲姫「くっ……私としたことが、慢心したとでもいうの……?」

提督「なーんか、雰囲気が……ああいや、あいつは敵だ敵。よし」

中間棲姫「だれ! ……人間?」

提督「え、えっと……」

中間棲姫「こんなところに、人間……? もしかして……」

提督「わ、私はしがないマッサージ屋です!」

中間棲姫「マッサージ?」

提督「へ、へい!」

提督(とにかく、敵対心が無いというところを見せなければ……やられる!)

中間棲姫「……なら、やってみてくれない?」

提督「わ、分かった」

中間棲姫「はぁ……んっ……」

提督「……」ヌルヌル

中間棲姫(なんだか、気持ちいいわ……気持ちが、炎が鎮火していくよう)

提督「……」ニュルニュル

中間棲姫(そう……ね、この人は……)

中間棲姫「んくっ……ふぅ……」

提督「終わり……です」

中間棲姫「……そう。私はまた戻るわ」

提督(な、何とか生きて帰れそうだ。ふぅ)

中間棲姫「さようなら。提督、ここは見逃すけど、次に会った時……」ザパァッ

提督「ば……バレてたぁ!」

~~~~~~~~


提督「次なんてないって、次なんて」

赤城「すみません、ボーキサイトは……」ガチャ

提督「あ、すまん、大型建造に全部使ったわ」

赤城「空母を出撃させないつもりですか!?」

提督「しばらくは休みだ。じゃあな」

赤城「あっ、もう……」

バタン

提督「さて、こんな思い出にすがってないで、未来を見ることにしよう」

↓2

提督「おい秘書官」

霞「何、カス」

提督「……いつもより口調が厳しくないか」

霞「気のせいじゃない? 別に、あんたが空母が出せなくなるくらい建造に資材を使うのは自由だしね」

提督「やっぱり怒ってる!」

霞「……それで、何か用なの?」

提督(ここで適当なことを言うと、すぐに叱咤の声と砲撃が飛んでくるだろう。ならば、まずは機嫌をよくさせる)

提督「な、なんか甘いものが欲しくないか?」

霞「まさか、間宮アイスで私の機嫌を良くさせようって魂胆?」

提督「そ、そんなわけあろうはずがございません!」

霞「じゃあ何よ」

提督「……一緒にパフェ食べないか?」

霞「はぁ?」

提督「ま、間宮が試作品でくれるって言ってたんだ。だから、いつもお世話になっている秘書官を誘おうかなーって」

霞「……」

提督「駄目か?」

霞「いえ、いいわ。付き合ってあげる。たまには休息しないといけないし」

提督「よしっ!」

霞「でも、もちろんパフェは私のよね」

提督(食べたかった……)

~一時間後~

提督「目の前でパフェが食べられていく姿、みごとに辛いものだった」

提督「俺も欲しかったな、新作パフェ。たまに甘いものが食べたくなるのは女の子だけじゃないんだぞ」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「――という遊びをしようかと思う」

霧島「それは、言わないほうが良かったのでは?」

提督「先に言っておかないと、騒ぎ出しそうなやつばかりだからさぁ」

比叡「遊びでお姉さまに好きっていうなんて、信じられません!」

榛名「好きって、言ってもらえるのならば……」

金剛「喜んでいいのか微妙デース……」

提督「ではさっそく……好きだ、金剛」

金剛「っ!!」

比叡「一瞬でお姉さまの顔が真っ赤に!」

霧島「結構純朴ですよね」

榛名「うぅ、お姉さま……」

金剛(て、提督の好きは、多分そういう事じゃないデース。平常心平常心……)

~五分後~

提督「好きだぞ、金剛」

金剛「て、提督っ」ドキッ


~一五分後~

提督「金剛、好きだ」

金剛「うぅ……」

~一時間後~

提督「好き――って、金剛はどこに行った」

霧島「気持ちが止められなくなったとかで、どこか出て行きました」

榛名「比叡お姉さまも一緒に飛び出していきましたね」

提督「なんというか……押すのは良いけどおされると苦手っていういい例だった」

霧島(自分の好きと提督の好きの違いに気がつきつつも、ずれた感情にもやもやして駆けだしてしまったというところでしょう)

―執務室―

提督「別に好きって逃げ出す言葉じゃないよな。だれにも好意を持つ事はあるはずだ」

提督「その逆もまたしかり……だよな」

↓2

―初春型の部屋―

提督「何気に初めてだなぁ……」ガチャ

初春「なんじゃ。わらわに用でもあるのか」

提督「初春一人にじゃなくて、みんなとお茶会しようと」

若葉「お茶会か……悪くない」

初霜「私も大丈夫ですよ!」

子日「子日、お茶会の日ー!」

初春「まあ、皆がそういうのであれば、わらわも断るなんてマネはしまい」

提督「だったらいいって事だな」

初春「たまにはいいじゃろう」

子日「やったぁ!」

初霜「じゃあ準備しますね」



提督「――というわけで準備は終わった」

初春「して、だれが茶をたてるのじゃ」

若葉「私は無理だ」

子日「子日もだよー!」

初霜「わ、私もそういう経験が無いものですから」

初春「いきなり、破綻しておらぬか」

提督「しょうがないな、俺がする」

初春「できるのか?」

提督「百聞は一見にしかず。ほれ、早速たててみた、どうだ?」

初春「……濃いな」

若葉「和菓子が無いと少々きついな」

初霜「あ、なら持ってきます」

子日「子日も行くー!」

提督「ふぅ……確かにこれだけだと辛いな」

初春「ま、たまにはこんな日もいいじゃろう」

―執務室―

提督「その後めちゃくちゃお茶会を楽しんだ」

↓2

168「司令官、オリョールから帰還したわよ」

提督「ご苦労、今日はもう休んでて……」

168「どうかした、司令官」

提督「いや、お前の浮き輪ももう古くなってきたなぁと」

168「そうかしら?」

提督「一緒に買いに行くか」

168「えっ?」

提督「じゃあ、行こうか。多分あるだろ」

168「え、ええー?」

―売店―

明石「あ、珍しいですね。提督がここに来るのも」

提督「あんまり使わないから」

明石「今回は何のご用事で?」

提督「イムヤ、好きに決めていいぞ。妖精さんの作った物なら、戦闘でも耐えれるものだろうし」

168「ガッカリよ!」

提督「な、なんでだ?」

168「ううん、司令官は何時もの事だからね……」

提督「は、はあ……」

168「でも司令官、ここにあるもの全部高いけど」

提督「妖精さん製だし、普通だな」

168「まあいいんだけど、はぁ……」

提督(戦闘に使う物だし、ここでいいと思ったんだけどなぁ)

―執務室―

提督「でもまさか一番高いものを頼むなんてな……」

提督「古くなった浮き輪、少し修理して使わせた方が良かったかも」

↓2

霞「ついに天皇様から来たわよ」

提督「……一応聞こう、何をだ」

霞「食事の誘い」

提督「……いいのか、天皇様なんてだして」

霞「この世界のだから大丈夫よ、多分。それで、今回はあんたも呼ばれているけど」

提督「嫌だ」

霞「気持ちはわかるけど、もし逃げたら……消されるわよ」

提督「それも嫌だ!」

霞「あきらめなさい」

提督「はい……」

―超高級料理店―

天皇「いやね、比叡ちゃんの出るライブ見に行ったらね、とっても素晴らしかったわけなのよ」

提督(……)

比叡「あ、ありがとうございます」

天皇「サイン会と握手会を逃したのがもったいないよ。またやってくれない?」

比叡「天皇様のお言葉とあればもちろんさせていただきます」

天皇「違うよ、僕のお誘いじゃなくて、比叡ちゃん自身に聞いてるんだ。やっぱり、身の入ってないライブなんて、興味ないからね」

比叡「そのように言ってくれて、嬉しいです。わかりました、私の方からも喜んでさせていただきます」

天皇「ほんとうかい? それは良かった。会場とかはこっちの方で用意するからね」

比叡「ありがとうございます」

天皇「おっと、すまないけど席を外すよ。提督、君には比叡ちゃんのライブのための調整をしてもらうからね」

提督「は、はい」

天皇「では」

スタスタ

提督「……何時の間にライブしたんだ」

比叡「ちょっと前です……握手会の時に、やってみてくれないといわれてつい……」

提督「那珂ちゃんよりも先に全国的デビューするとは……俺が呼ばれたのも、そのための都合をつけれるようにと」

比叡「だと思います」

提督「比叡、お前どんどん遠い存在になっていくな」

比叡「自分でも驚きですよ……」

―執務室―

提督「ライブツアーとか、まさかのガチなものだったんだけど……ていうか、本当に全国デビューかよ」

提督「印象を良くするのは良いけど、これはやり過ぎのような……」

提督「……ま、俺には関係ないからいいや」

↓2

提督「千年殺し……過去にメタクソ団が使ったといわれる伝説の技。まああれは七年殺しだけど」

提督「でもあれシャレになんないんだよなぁ。一部じゃ問題になったし」

提督「……まあやるけどね!」


―廊下―

大和「……殺気!」バッ

シュッ

提督「……よく避けたな」

大和「提督、その技はよほどの使い手じゃないと成功しませんよ」

提督「ならば、そのよほどの使い手になってやる!」

大和「ならば、私は秘技ボ・ラギノールを……!」

提督「……で、いつまでやるの?」

大和「いえ、提督が始めたんでしょう」

提督「ぶっちゃけ、日本語的には行動さえすればきめたことにはなるんだよね」

大和「そうですか」

―執務室―

提督「平和に終わった」

提督「どうせあのままやっても大和にやられるだけだったし、あの場で逃げたのは正解のはず」

↓2

提督「俺なんか悪いことしたっけ」

提督「他の奴には謝ることはあったけど、特別榛名に謝ることは……なくない?」


―金剛型の部屋―

提督「というわけで、俺何かしたっけ」

榛名「いいえ、提督は何もしていませんよ」

霧島「特別問題があるとすれば、榛名には何もしていないからでしょう」

提督「何もしていないのが悪いと?」

榛名「い、いえっ、そんなことないですから!」

霧島「金剛お姉さまや比叡お姉さまを相手することはあっても、榛名を相手にすることは無かったじゃないですか」

提督「言われてみれば……だけど、それなら霧島も同じだろ」

榛名「だ、だから榛名が提督に求めることは何も……」

霧島「私と榛名は違いますからね。あと榛名、うるさい」

榛名(私の事のはずなのに、黙らされました……)

提督「ふうむ、そういう事ならすまなかったな榛名」

榛名「榛名は提督がいてくれるだけで……」

提督「今度一緒に比叡カレー作ろうな」

榛名「……え?」

提督「その時を待ちわびておけよ!」バタン

榛名「と、とんでもないことになってしまいました……」

霧島(絶対こういうオチだと思ったわ。危ない危ない)

―執務室―

提督「比叡いないと比叡カレー作れないじゃん、とはいわない」

提督「ちなみに金剛は比叡のライブツアーを見に行った。比叡に泣いてきてほしいとせがまれたらしいけど」

↓2

―ライブ会場―

比叡(うぅ、やっぱり緊張しちゃうなぁ……)

比叡(お姉様しか呼ばなかったのも、知人にこういうところを見られたくなかったからだし)

比叡(それにしても、休憩中に客が増えたような気がする。ちょっと覗いて……)


提督「いやぁ、実はライブとか久しぶりでなぁ」

霞「全員でくる必要はあったのかしら?」

霧島「一応自由参加ですし、それでも来る意志を見せたのは全員ですからね」

榛名「榛名、頑張ります!」

青葉「ここって写真OKですか? あ、はい分かりました」

鳳翔「あら、服装変えてきたのね」

168「鳳翔さんもみたいですね」

那珂「比叡ちゃん、絶対に負けないんだから!」


比叡(ひえええええええ!!)

「あ、休憩あけてください」

比叡「ひえぇ……」

―執務室―

提督「あの驚くほどの盛り上がり、アイドルファンってすごいなぁ」

提督「でも、なんだか後半ごろは動きが少し照れが混じってたとか。それがいいとか言ってたファンもいたけど」

↓2

―会議室―

青葉「今回は、あまりにも告発が多かった、最近の奇行、深海棲艦との逢瀬について、艦娘代表青葉が話を聞いてみたいと思っています」

提督(なぜこうなった)

青葉「それで、今までの奇行、深海の敵たちによる逢瀬、一体どういう風に考えておられるのですか」

提督「えー……今回につきましては、えー……わたくし自身深く反省を促すべきものであり、えー……その、えー……」

青葉「正直司令官が反省しないのは誰もが分かってるんですよ。これ以降やらないと、会見ではっきり言葉にしてくれれば」

提督「……」

青葉「どうですか、司令官」

提督「だ、誰がアー! ダデニ会ッテモ!イイヤナイデスカァー!ンァッ!ハッハッハー!ンァッ↑ハッハッハッハーwア゛ン!!この鎮守府ンフンフンッハ アアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!!アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン!コノチンジュフゥァゥ……ア゛ー!鎮守府は… ウッ…ズィユーダァ!誰に会うとかはぁ…グズッ…私のみンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑私のみンゥッハー↑グズッ私のみな らずぅう!!アオバヤ…皆の問題やないですかぁ…命がけで会ってッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!アダダニハワカラナイデショウネ エ!」

青葉「長いです。……おや、さっそくローカルで見ている艦娘からの返答が」

提督「え? ローカル?」


響[あれはおかしいね。霊の方じゃないよ]

龍驤[お笑いの手本はこれやな。この狂気を演じてできるのなら、最高の芸人になれるで]

大井[これ、反則技ですね。何が驚いたかですって? 私たちの提督なんですよ]

武蔵[もしかしたら精神鑑定が必要かもな]

マックス[提督がカメラの前でメルトダウンを起こした]

間宮[彼の振る舞いは何かの病気の兆候ではないかと見られます]

夕張[あと勝手に敵の海洋に入ってるのは提督だけですから]


提督「……なあ、これって」

青葉「生放送ですよ。鎮守府内だけですけど」

提督「」

―執務室―

提督「本当に精神鑑定されて、解放された……」

提督「あれが鎮守府全体に流れていることを知らないで、ついやってしまった」

提督「やばいな……これは絶対に伝説になる……」

↓2

―ジャム島―

提督「……誤魔化してしまった以上、俺はこうしてくることを止めるわけにはいかないのだ」

タ級「あ、王子様!」

提督「ええと、タ級だっけ」

タ級「王子様に覚えてもらえてるなんて、嬉しい!」

提督「ええと、ル級は?」

タ級「ル級は、何かに耐えかねたかのように、どこかへ行ってしまったわ」

提督「そうか……」

提督(あいつ呼んでるわけじゃ……もし来たら速攻で逃げよう)

タ級「王子様、何か辛いことでもあったの?」

提督「え? ああ、まあ一応」

タ級「そう……じゃあ、私が慰めてあげるわ!」

提督「悪いって」

タ級「遠慮しないで。ほら、優しく抱きしめてあげる」ギュッ

提督(……なんとなく落ち着く。昔から会っていたような……)

タ級(お、王子様を抱擁してるわ! こ、これは――)

提督「……タ級?」

タ級「」

提督「なぜ鼻血をだして気を失ってるんだ……」

―執務室―

提督「放置しておいたけど、別によかったのだろうか」

提督「一応敵だし、多少はね」

↓2

―旅館―

提督「適当に旅行に来たぞー」

榛名「旅館に来ただけで旅行って感じがしますね」

比叡「私はついこの間経験しましたけどね……」

金剛「私も、まさかツアーを最後まで参加することになるとは思わなかったデース」

霧島「だからこそ、今回はのんびりできそうな、観光だけの旅館にしたんですよ」

提督「まあ、山道歩くだけだが。……つまんないな」

榛名「榛名は景色がとてもきれいで、よかったと思ったのですが……」

提督「こういうのもたまにはいいな」

霧島「ところで提督、旅館の予約は頼みましたけど……どうして一部屋なんですか?」

提督「経費削減だけど」

金剛「シェアルームデース!」

比叡「司令が一緒ですか……身の危険が……」

提督「はあ? 一部屋追加で出すとかもったいないだろ。それに五人部屋とか広いほうがよくないか」

霧島「驚くほど感じませんね」

比叡「喜んでいいのでしょうか」

~~~~~~~~


金剛「提督ー! 浴衣を着てみたデース!」

提督「似合ってるな」

金剛「ありがとございマース!」

提督「でも、浴衣はやっぱり榛名とかの黒髪の方が似合ってるな」

榛名「あ、ありがとうございます」

金剛「むぅ……」

比叡「お姉様の美しさはこの比叡がきちんと理解してますから!」

金剛「比叡に言われても、フォローにならないデース」

比叡「な、なんでですか!?」

霧島「アイドルになって、キラキラしてたからだと思います」

比叡「まさかあれでお姉様との溝が広がるなんて!」

~帰り道~

提督「楽しかったな! あんまり覚えてないけど!」

霧島(司令が普通にしすぎて、これといったイベントが何も起こらなかったんですよね)

榛名(朝も早く気に起きて、外にランニングしに行ってましたし……)

金剛(慰安旅行って感じで、あんまりはしゃがなかったデース)

比叡(以外と奇行を気にしていたんでしょうか)

提督(あー、戻ったら今度は何しようかな)

↓2

―提督私室―

提督「来てくれたか、加賀と瑞鶴」

加賀「飲みなら私とて付き合います。なぜこの子まで?」

瑞鶴「別におかしいことじゃないでしょ。前にも提督さんと飲んだことあるし」

提督「会ってそうそういちゃもんつけるタッグはお前らだけだぞ」

加賀「タッグと言われると心外ですね。まあ、気にはしませんから始めましょうか」

瑞鶴「まるで私を子供みたいに……確かに、いがみ合うだけ時間の無駄だからね」

提督「あんまり言い合うようなら、お前ら二人二度と呼ばずに赤城と翔鶴を呼ぶようにするぞ」

加賀「すみません」
瑞鶴「ごめんなさい」

提督「まあ、お前ららしいといえばらしいが。まずは一杯飲め、話はそれからだ」

加賀「ありがとうございます」

瑞鶴「そうするわ」

~一時間後~

加賀「そもそも、さいきんはこのこたちばかりつかいすぎです!」

提督「かがはコストおもいんだよ、しょうがない」

加賀「しょうりよりもしざいをきにするんですか!」

提督「うるさいな……どうしようがかってだろ」

瑞鶴「かがさん、ちょっといがみあいすぎじゃない?」

加賀「なによ、どうせしんがたに、きもちがわかってたまるものですか」ゴクゴク

提督「のみっぷりはいいけど、ぎゃくにねちねちしすぎだぞ~」

加賀「ていとくはもっとまじめにすごしてください!」

瑞鶴「しきのときはまじめなのになー」

提督「……まあな」

加賀「……少し、飲みすぎてしまったようですね」

瑞鶴「そうみたい……どうせきにしないわね、私はここで寝るわ」ゴロン

提督「翔鶴には?」

瑞鶴「先に寝ててって言ってる、加賀さんはどうするの?」

加賀「ちょっと酔いが回ってるわ。しょうがないわね……」

~朝~

赤城「すみません提督、昨夜加賀さんが戻ってこなかったんですけど……あら」ガチャ

翔鶴「赤城先輩? 提督のお部屋の前で……ふふ、迎えに来たんですけど……ゆっくりさせてあげましょうか」

赤城「そうしましょうか」




―執務室―

提督「三日酔い一歩手前みたいな感じだわ……」

提督「加賀は余裕そうだったけど、瑞鶴は今日は休みにしておこう」

提督「――よし、仕事は終わり。遊ぶか」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「甘味と言えば砂糖だよな」

扶桑「そう……ですか?」

提督「というわけで、ここに上白糖を用意した」

扶桑「まさか、砂糖だけを食べるとか、そういうことは言いませんよね」

提督「そりゃそうですよ」コトコト

扶桑「……このフライパンに容器はいったいなんですか?」

提督「ここまで準備してわからないかなぁ」

扶桑「すみません……」

提督「正解はべっこう飴を作る。なに、作るのは簡単だ」

扶桑「そうなんですか?」

提督「砂糖水を作って煮るだけ――というわけで、完成」

扶桑「すごいですね。お上手です」

提督「見てるだけじゃ暇だろう、一緒に作るか」

扶桑「あ、いいんですか?」

提督「タイミングだけが問題だから、扶桑でもきれいに作ることができる」

扶桑「提督……ありがとうございます。頑張りますね」


扶桑「苦い……」

提督「煮すぎたな」

扶桑「これが不幸の苦さ……」

提督「無理やり不幸につなげなくていいから」

―執務室―

提督「べっこう飴は家で誰でも簡単に作れるから、好きな人はいつでも食べられる」

提督「ただ、下手すると作りすぎるところだな……この瓶一杯のべっこう飴どうしよう」

↓2

理樹・佳奈多「「メル友?」」真人・葉留佳「「おう(うん)」」

理樹・佳奈多「「メル友?」」真人・葉留佳「「おう(うん)」」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410004413/)

理樹(バスの事故から3ヶ月、

もう雪が降る季節だ。

僕らは悪夢のような出来事から目を覚まし、

今をこうして悠々と過ごしている)

日常系リトバスSSです!

亀更新ですがよろしくお願いします。

―金剛型の部屋―

提督「お邪魔するぞ」ガチャ

金剛「いらっしゃいデース」

提督「お、金剛がいるな。今日もかわいいな」

榛名「え、っと、なんで榛名に向けて言うのですか?」

提督「金剛はかわいいなぁ」ナデナデ

榛名「ぁ……」ナデラレナデラレ

金剛「アゥ……」

提督「瞳の色とか、実は金剛の方が好きだし」ナデナデ

榛名(金剛お姉様を褒めながら榛名を撫でて……あれ?)

金剛(提督の言ってることは私デース。でも相手にしてるのは榛名デー……)

提督「それに金剛みたいな元気な子はいいよなー」ナデナデ

榛名「……」

金剛「……」

霧島「理想と現実の齟齬に耐えられなくなったわね」

比叡「ただいまーって、お姉様と榛名の目にハイライトがない!?」

―執務室―

提督「行動に出ようにも、なんか出にくい状況に置かれ、それを観察する」

提督「趣味悪いと自分でも思うけど、あの状況の読めない二人は面白かった」

↓2

―暁型の部屋―

提督「お迎えに上がりました、暁お嬢様」

響「いったい司令官に何をさせているんだい」

暁「なんで私に言うの!? どう考えても司令官の方でしょ!」

電「でもいつもレディーを気にしていたのです」

暁「司令官の方に言ってよ!」

電「無駄なのです」

響「司令官にかまったら巻き込まれるからね」

暁(姉妹の仲を疑ってもいいかしら……)

提督「暁お嬢様、何なりとご命令を」

暁「帰って」

提督「おっと、チェンジはできませんよお嬢様。私の帰る先は暁お嬢様の胸の中だけですので」

暁「そのセリフ、寒いうえにセクハラよ!」

提督「まったく、暁お嬢様は照れておられる」

暁「照れてないわよ!」

提督「では、何か命令をしてださいませ。執事はお嬢様のお言葉こそ絶対ですから」

暁「……じゃあ、レディーとして扱って」

提督「ふふ、暁お嬢様は面白いことをいいなさる」

暁「そうだと思ったわよ!」

響「まあ、ちょっと無理があるよね」

電「厳しい命令なのです」

暁「ねえ、二人って司令官の味方なの?」

提督「ではお嬢様、ダージリンです」

暁「え? あ、ありがとう……うぅ、あんまりおいしくない」

響「ふっ」

電「ふふ」

雷「……ぷ」

暁「雷! その笑い方が一番嫌なんだけど!」

雷「ご、ごめんなさい、我慢しようと思ったら」

提督「いや、香りを一切楽しまずに飲む奴が悪い」

暁「う、うわーん!」ダッ

提督「やべ、やりすぎた」

響「私たちも、ちょっとフォローが少なかったようだね……」

電「少ないというより、フルボッコなのです」

雷「暁のことはまかせて! 私がとどめを刺したようなものだから……」

提督「わかった、雷にまかせる」

雷「わかったわ!」

―執務室―

提督「その後、暁は姉妹の仲を取り戻しましたとさ……って、元は俺が悪いんだけど」

提督「暁も墓穴を掘るのに自称レディーやめないんだもんな。あの根性こそが、真のレディーの証なのかもしれない」

↓2

提督「個人的におめかしさせてみたい」

金剛「いきなりの提督からのアタックデース!」

提督「いや、比叡とサイズ的にそう変わらないから、着せてみたいなーって」

金剛「期待してたわけじゃないデース。ちょっと夢を見たかっただけネー」

提督「嫌ならいいけど……」

金剛「ウウン、正面から落として見せるデース! 提督、私のおめかしした姿を見て、惚れないでネ!」

提督「わかった」

金剛「今のは私が悪いデース……」


金剛「どう、提督ぅ?」

提督「ううん、元気なタイプの金剛には、比叡みたいな服は……いや、比叡も通常は元気だけど」

金剛「ムー……比叡じゃなくて、私を見てほしいネー」

提督「金剛、似合ってるぞ」

金剛「ワオ!?」

提督「ちょっと雰囲気が違うところがギャップを感じていいな。……金剛?」

金剛「エヘヘ、似合ってるって言われたデース」

―執務室―

提督「金剛も幸せそうでよかった、うん」

提督「実はおめかし用の服はほかにもあるんだが……また何れの機会に」

↓2

―廊下―

提督「おーい、比叡。ちょっといいか」

比叡「はい?」

提督「ちょっと聞きたいことが……おっと」コケッ

比叡「ちょっと、提と――っ」チュッ

提督「――す、すまん」

比叡「い、いえ、今のは私も避けられたはずでしたのに」

青葉「……」

提督「あ、青葉!? ま、まさか……」

青葉「青葉、見ちゃいました!」ダッ

提督「青葉ぁ!」ダッ

比叡(司令は、何の用事だったんでしょう?)

~次の日~

提督「……」

霞「わかってると思うけど、また来たのよ」

提督「はい……」

霞「誤解は解いたはずよね? なら、なんでおめでとうとか来るのかしら?」

提督「いえ、これは青葉の策略であって」

霞「写真なら見たわ。また……と思ったけど、世間ではそうはいかないのよ」

提督「そうはいかないって?」

霞「……アイドルに恋愛は御法度のはずなのに、なんで頑張ったねとかくるのかしらね」

提督「せ、洗練されたファンだな」

霞「頭痛くなってきた……」

提督「俺も、また誤解を解かなければならないのか……」

―執務室―

提督「秘書官のところにたまったファンレターを渡そうと思ったら、これだ」

提督「また誤解を解くのか……支障は出ないから、とか言ってたら、いろいろ誘われたんだよなぁ……」

提督「今回も早めに誤解を解きたいところだ……」

↓2

提督「つまり……」

P「こういうことか」

提督「わかりづらいからこのままで行くがな」


~CGプロ~

緑の事務員「私にそういう目利きはありませんが、Pさんが言うなら信じます」

提督「よかったな! 俺もドリンクのんで頑張るからな!」

金剛(ここはどこデース)

榛名(居場所が違うような……)

霧島(なんでしょうか、この居心地の悪さ……)

~ライブバトル~

猫アイドル「にゃぁ! 負けたにゃあ!」

艦隊のアイドル「那珂ちゃんたちが負けるなんて……」


金剛(なんだか知らないけど、勝ってしまったデース)

榛名(どうすればいいんでしょうか……)

霧島(メガネアイドルって言われました……)


提督「よくやった三人とも。目指すはトップアイドルだ!」

金剛(さすがについていけないデース)

榛名(夢、夢ですよねこれ)

霧島(メガネアイドル……)

~~~~~~~


提督「見たいものが見れる機械。完全復活!」

提督「完ぺきだったと夕張には伝えておこう」

↓2

霞「比叡のファンの事なんだけど、また噂ができてるわ」

提督「またぁ!?」

霞「……まあ、さすがにちょっと心配になって、少しだけ調査したわ」

提督「ちょっととか少しだけとか、ツンデレみたいだな」

霞「余計なことは言わない。いい?」ガシャン

提督「はい」

霞「察してるかもしれないけど、外ではまあ……結婚秒読み段階だって」

提督「比叡と? 結婚? 秒読み?」

霞「そうよ」

提督「比叡と結婚って……考えたこともなかったな。そもそも結婚自体考えてなかった」

霞「それでこそクズ司令官という感じはするけど」

提督「なんで貶されたの」

霞「とりあえず、どうするのよ」

提督「……しょうがないな」

―会議室―

提督「はい、今回のことにつきましては、一部のファンの誤解、もといゴシップ記事によるもので、そのような事実は一切存在しません」

青葉「なるほど、では婚姻関係を結ぶことはすべて誤情報と」

提督「はい」


青葉「――って、感じで外に流せばいいんですね」

提督「お前があんなのゴシップにしなきゃこんなことにならなかったんだからな?」

青葉「鎮守府内ではもう一切騒がれなくなったので、感覚がマヒしていました。てへっ」

提督「はぁ……まあ、これで大丈夫だろう」

青葉「大丈夫なんですかね」

提督「何か不安なことでもあるか?」

青葉「いえ……まあ、青葉は何も言わないことにしておきましょう」

提督「不安になるようなこと言うなよ……」

―執務室―

提督「とりあえず流すだけ流しておいた」

提督「ていうか、さんざん違うって言ってるのに、なんなんだよ比叡のファン。普通のファンじゃないだろ……」

提督「……普通のファンじゃなかったな。上の人間とかいるし」

↓2

提督「今回呼んだのはほかでもない、全力で鬼ごっこをしよう」

金剛「鬼ごっこデース?」

提督「制限時間十分。逃げる範囲は鎮守府内。その他基本的に何でもアリ。逃げ切ったら……」

金剛「私するとは一度もいってないですヨ?」

提督「――ご褒美に、ケッコンカッコカリの指輪でもやろう」

シュッ

提督「さすが金剛。だが、スタートが甘いな」

―廊下―

金剛「これは負けられないデース!」ダダダ

提督「遅いな」

金剛「さすが提督ネ! でも、こちらも負けられないデース! ファイア!」ドーン

提督「金剛、お前は三つのミスを犯した」シュン

金剛(いつのまに後ろに……!)

提督「一つは攻撃に回ったこと、二つ目はウォーミングアップをしていないこと。三つ目は……」ポン

金剛「……」

提督「欲に目がくらんだことだ」

金剛「さすが提督デース……でも、今度戦う時は絶対に負けないですからネー!」

提督「次はないと思うぞ」

金剛「……」

―執務室―

提督「ざっと時間にして一分。いい運動になっただろう」

提督「しかし、そんなに勝利がほしかったのかね。足柄じゃないんだから」

提督「もしくは、ケッコンカッコカリの指輪……換金したら何円になるのか知らないけど」

↓2

―デパート―

提督「ここだけでいろいろ揃うな」

望月「zzz……」

提督「もう着いたぞ、起きろ」

望月「ん……? あれ……」ボー

提督「眼鏡ショップだぜ!」

望月「……え?」

提督「だから眼鏡ショップだ」

望月「いや、なんでこんなところに……司令官かぁ」

提督「なんか、俺に背負われてるという事実だけですべて納得してるな」

望月「でも、なんで眼鏡ショップなの? わざわざ買い変える必要もないんだけどぉ」

提督「そうなの?」

望月「そうなのって……めんどくさいなぁ、用事無いなら帰ろ」

提督「来た意味皆無だったなぁ。リサーチはちゃんとしないと」

望月(でも、こうして司令官に背負われてると……)

望月「……zzz」

提督「寝たか。はぁ……何か買いものして帰ろう」

―執務室―

提督「睦月型にお菓子買って帰った」

提督「しかし、一体何のために眼鏡ショップに行ったのか……あ、サングラス買ってインテリぶるとか面白かったかも」

↓2

―提督私室―

提督「……」ジャラ

扶桑「……」カタッ

山城「……」トン

陸奥「……ちょっと待って、急に麻雀なんてどうしたのよ」

提督「なんとなくしたくなったじゃダメか?」

陸奥「なんとなくって……はあ、まあいいわ」

提督「……ええと、親は俺だな。じゃあ――天和」

扶桑「あら……」

山城「一発終了、ふふ……不幸だわ……」

陸奥「さすがにもう一回しない!?」

提督「短いもんな。では……」


扶桑(不要牌……)コト

提督「御無礼、ロン」

扶桑「あっ……」


山城「これはカンします。あ、ツ――」
提督「横槓ロン。嶺上ならずだ」

山城「不幸だわ……」


陸奥(これは安全牌ね)コト

提督「来たぜ……ロン、国士無双」

陸奥「もう不幸ってレベルじゃないわね……」


提督「お前ら全部マイナスじゃないか」

扶桑「ふふ、これが運の低さね……」

山城「どうせ、運で提督にかなうことは一生ないんだわ……」

陸奥「いえ、これは提督が強すぎるだけだと思うの」

提督「お前らの運の悪さのおかげで、相対的に上がってるだけのような気もするがな」

―執務室―

提督「圧勝だった……が、逆に雪風とか飛龍とかの幸運艦とやったらどうなるのか」

提督「……トリロンとかになりそうな気がするな」

↓2

―鳳翔の店―

提督「前は働いてしまったが、今回はお茶でもしながらゆっくりしようではないか」

鳳翔「あら、今ちょうどお客さんもいないので、いいですよ」

提督「うむ、そうか。ええと、お茶は……」

鳳翔「どうぞ」

提督「悪いな。おせんべは持ってきた。一緒に食べようではないか」

鳳翔「はい」

提督「……ふぅ、鳳翔もお店が忙しそうだが、ちゃんと休めているのか?」

鳳翔「大丈夫です。食堂のように人が多く来るわけでもないですし。明石さんなんて、艦隊に工廠に売店と三つも掛け持ちしているじゃないですか」

提督「艦隊掛け持ちは鳳翔も一緒だろう。お店だって、夜が一番忙しい時間帯だし」

鳳翔「便宜を図ってくれてるじゃないですか」

提督「それくらいしかできないからな……ん、ここ縁側だとさ」

鳳翔「まるで、おじいちゃんとおばあちゃんみたいですか?」

提督「……止められると、なんていっていいか迷うわ」

鳳翔「ふふ、すみません」

―執務室―

提督「鳳翔の店、居酒屋として主に使われている」

提督「でも掛け持ちしてる奴ってすごいよなー」

↓2

不知火「はぁ、ネコカフェですか」

提督「デパートの近くにできたらしい。ちょっと気になるから行ってみたいのだが」

不知火「なぜ不知火なんですか」

提督「その仏頂面を変えて……じゃなくて、一緒に来たら楽しそうだから」

不知火「その建前、苦しくないですか」

提督「うっ……そ、そんなに行きたくないか?」

不知火「……いいえ、たまには、その……いいかもしれませんね」

提督「ぬいぬいがデレた!」

不知火「行きませんよ」

―ネコカフェ―

提督「かわいいなぁ……おっと、不知火も猫には人気のようだな」

不知火「い、いえ……十匹もいたら動けないんですけど……」

提督「独り占めだなー、うらやましいぞー」

不知火「司令官、絶対に楽しんでいますよね……」

提督「まあな。ほら、撫でてやったらどうだ」

不知火「う……えっと、こうでしょうか」ナデナデ

「にゃーん」

不知火(かわいい……)ナデナデ

提督「ぬいぬいが満足そうで何より」

不知火「ぬいぬい言わないでください。ところで、司令官は触らないんですか?」

提督「不知火に全部引き寄せられているのか、俺のところに一匹も来ないよ」

不知火「司令官……撫でますか?」スッ
「にゃーん」

提督「そういう気のつかわれ方は、俺が動物に嫌われているみたいで嫌なんだけど」

―執務室―

提督「ぬいぬいさえいなければ、きっと俺のところに寄ってきたはず」

提督「……」

提督「寄ってきたはず!」

提督「でも、ネコをかわいがる不知火は稀にみる可愛さだった」

↓2

―鎮守府前―

提督「マラソンだ。コースはさっき言った通り、いいか」

島風「提督からいってくるなんて珍しいからね! 私速いよ」

提督「そうやって自慢ばかりしていると、あとで後悔するぞ」

島風「後悔させてみてよ」

提督「ふん、言ったな。スタートの合図はこのコインが落ちた音だ」

島風「おっけー」

提督「じゃあ、よーい」パチン

チャリン

島風「じゃあね、提督」シュン

提督(消えるように素早い! だが、マラソンは持久力、あんなスピードで走ったところで、せいぜい途中で力尽きるのが目に見えてる。……まてよ、本当にあのスピードで完走できないのか? 考えてみろ、相手はあの島風だぞ。もしかすると、あのスピードを維持したままゴールまで行くかもしれん。くっ、考えるだけ時間の無駄だ、なら俺は――)←ここまで0.3秒

シュン

島風「!? さすが提督だね」

提督「このままゴールなんてさせるか」

島風「いいよ、勝負しよっか!」

―半分くらいのところ―

島風「はぁはぁ……て、提督、遅いね……」

提督「馬鹿いえよ……はぁはぁ、お前の走りとか……赤ちゃんのはいはいくらいだぜ……」

島風「なら……はぁ……提督、カメくらいかな……はぁはぁ」

提督「い、言ってろよ……」


時津風「あ、しれーと……島風?」

天津風「何やってんのよ。というかあれ、もう歩いたほうが早いんじゃ……」

時津風「それはいっちゃいけないんじゃない? 面白いからみてよー」


島風「私には誰も……追いつけないよ……」

提督「迫ってる奴が……ここに居るぜ……」

バタッ

時津風「あ、倒れた」

天津風「助けておきましょう……」

―執務室―

提督「半分くらいまで全力で走れたことがすごいだろう」

提督「いやまあ、意地になってたところはあるけど……」

↓2

金剛「姉妹の時間が減って寂しいデース!」

提督「えっ、金剛が姉妹の時間を気にする!?」

金剛「……」

提督「すまん、だからその失望するような目やめて。金剛らしくないぞ」

金剛「どうしたらいいデース?」

提督「うーむ、というか、最近出撃の回数もないし、何がそんなに時間が取れないんだ?」

金剛「主に、比叡のライブに誘われて、ティータイムの時間が取れないデース」

提督「あいつまだアイドル活動してんの!?」

金剛「あれって提督の指示じゃなかったノ?」

提督「知らんよ。そういえば、勝手にあいつライブしてたことあったな……はぁ……そういうのは秘書官の方に行って、どうぞ」

金剛「そう?」

提督「多分秘書官が許可出してる。まあ、実際比叡のプライベートだし、俺にも口出す権限ないけど」

金剛「わかったネー」

バタン

提督「多分本人が言えば、回数減らすと思うんだけどな……って、そう答えればよかった」

提督「秘書官、頑張ってくれ」

↓2

提督「妙高型……全員対象か」

提督「みんな絡みにくいんだよなぁ。こう、比較的真面目というか、ノリが悪いというか」

提督「無理やり合わせてくれそうな未来しか思い浮かばない。いや、合わせてくれるのか?」

↓2

―妙高型の部屋―

提督「なあ妙高、おっと、みんなもいるか」ガチャ

妙高「はい提督、何――」ハッ

那智「どうした提督、何か悩みか」

提督「悩みって程じゃないんだが、前線に出て活躍しているお前らに、艦隊の空気はどうか聞いてみたくて」

那智「そうだな……」


妙高「(那智が抑えている間に聞きたいんだけど、二人とも気づいてるわね)」

足柄「(提督の目に光がないわね)」

羽黒「(もしかして、艦隊でなにか問題が起こったのかな……?)」

妙高「(私には身に覚えがないわ。足柄と羽黒は何か心当たりがあるかしら?)」

足柄「(きちんと勝利もつかんでるし……考えられないわ)」

羽黒「(私も、最近は積極的に前に出ていて……同じ艦隊の人にも問題がなかったように思う)」

妙高「(じゃあ、どういうことなのかしら……)」

那智「何をしているんだ、こんなところでこそこそ話をして」

足柄「あら、提督は?」

那智「戦力は足りてるかどうかだけ聞いて、出て行ったぞ」

妙高「なら、提督の目は……」

那智「何かおかしいところでもあったか?」

羽黒(私たちが気にしていただけなのか……それとも、姉さんが鈍感だっただけ……?)

―執務室―

提督「カラコンならいくらでも彩色を変えることができる」

提督「比較的真面目なだけあって、こそこそと相談している姿はなかなか見れないものだった」

提督「……一つあるとすれば、那智が全く気付いてなかったことか」

↓2

~雰囲気の漂う喫茶店~

提督「よし、ついたぞ暁」

暁「もちろん、レディーの私を誘うくらいなんだから、きちんとした――うっ」

提督「どうした?」

暁(な、なによこれ……流れてる曲はクラシックだし、店も全体的にアンティークな雰囲気が流れてるし……)

提督「どうした暁、一人前のレディーにはピッタリな店だろう」

暁「そ、そうね!」

暁(こ、これはさすがにアダルトすぎじゃないかしら……)

提督「そうか? でも、一人前のレディーなんだろ」

暁「え、ええ……」


提督「ほら、メニュー選べよ」

暁(ジュースがない……ハンバーグとかもない……)

提督「好きに選べよ」

暁(全体的に値段も高い……! こ、こんなところに連れてきて、なによぉ……)

提督「どうした暁?」

暁「……うっ……ぐすっ……」

提督「!?」

―執務室―

提督「迷惑にもなるからすぐに連れて帰ったが、まさか泣かれるとは思わなかった……」

提督「今回は今までのお詫びも兼ねていたんだが……どうしたのだろうか」

↓2

―ボウリング場―

提督「てっきり掘削の事かと」

高翌雄「それはボーリングですよ」

提督「え? ボーリングだろ」

高翌雄「はい?」


愛宕「ストライクよ~」

摩耶「さっすが! こりゃあたしも負けてられないな」

鳥海「おかしい……さっきのコースに投げれば、ピンが二本のこるはず……」


提督「……まあいっか。表記揺れはよくあることだ」

高翌雄「どうりで、提督が作業着だったんですね」

提督「浮いててやばい」

高翌雄「気にせずにいてください」

提督(高翌雄がひどい)

愛宕「提督も投げてみてくださーい」

提督「お、ボウリングの龍と言われた俺に勝負を仕掛けるなんてな」

摩耶(また出たぞ、提督の変な設定)

鳥海(いつものことですね)

提督「見るがいい! この弾道を!」シュッ ゴンッ

高翌雄「ガーターですね」

提督「……ボールの重さがあってないんだ」

摩耶(でた、ボウリングの中で言い訳トップテンに入る)

鳥海(滑りやすいとか、調子悪いとかがほかに挙げられますね)

愛宕「やったわぁ、またストライク~」カコォン

高翌雄「私も、ちょっと本気だします」シュッ カコッ

提督「二本とか、ぷっ」

高翌雄(提督はガーターですよね)

摩耶「じゃあ、あたしだ。ほれっ」カコォン

提督「チッ」

摩耶「おい」

鳥海「では、わたしも……」ゴンッ

提督「鳥海、お前は仲間だと信じていた」

鳥海「それって、自分が下手だって認めてますよね。いえ、私が自分で下手だと思っているわけではなく」

―ボウリング場―

提督「てっきり掘削の事かと」

高雄「それはボーリングですよ」

提督「え? ボーリングだろ」

高雄「はい?」


愛宕「ストライクよ~」

摩耶「さっすが! こりゃあたしも負けてられないな」

鳥海「おかしい……さっきのコースに投げれば、ピンが二本のこるはず……」


提督「……まあいっか。表記揺れはよくあることだ」

高雄「どうりで、提督が作業着だったんですね」

提督「浮いててやばい」

高雄「気にせずにいてください」

提督(高雄がひどい)

愛宕「提督も投げてみてくださーい」

提督「お、ボウリングの龍と言われた俺に勝負を仕掛けるなんてな」

摩耶(また出たぞ、提督の変な設定)

鳥海(いつものことですね)

提督「見るがいい! この弾道を!」シュッ ゴンッ

高雄「ガーターですね」

提督「……ボールの重さがあってないんだ」

摩耶(でた、ボウリングの中で言い訳トップテンに入る)

鳥海(滑りやすいとか、調子悪いとかがほかに挙げられますね)

愛宕「やったわぁ、またストライク~」カコォン

高雄「私も、ちょっと本気だします」シュッ カコッ

提督「二本とか、ぷっ」

高雄(提督はガーターですよね)

摩耶「じゃあ、あたしだ。ほれっ」カコォン

提督「チッ」

摩耶「おい」

鳥海「では、わたしも……」ゴンッ

提督「鳥海、お前は仲間だと信じていた」

鳥海「それって、自分が下手だって認めてますよね。いえ、私が自分で下手だと思っているわけではなく」

―執務室―

提督「愛宕はうまかった。いやね、ボウリングはその時の調子によって左右されるからね」

提督「そう、きっとボールが滑りやすかっただけだ。うん、きっとそうだ」

↓2

―遊園地―

提督「遊園地(二回目)」

響(ここのお化け屋敷にだけは絶対に行かない)ブルブル

暁(そもそも来たくなかった……)ブルブル

雷「どうしたの、二人とも。寒いの?」

提督「最初はどこ行く? やっぱりジェットコースター? それともお化け屋敷?」

響「ジェットコースターにしよう」
暁「絶対ジェットコースターよ!」

提督「お、おう」

電「必死なのです」


提督「……それで、次は?」

雷「コーヒーカップに乗りましょう司令官!」

提督「お、ぐいぐい来るなぁ」

雷「前のときは早く帰っちゃったからね!」

提督「お、そういうの好きだぞ」

暁「わ、私も行くわ」

響「もちろん、私も行くよ」

提督「そうか、電はどうする?」

電「司令官さんがグイグイ回すのが目に見えるから、行かないのです」

提督「よくわかってんじゃないの。よーし、三人とも行くぞ」

響(しまった)
暁(霊を怖がりすぎて、司令官がそういう性格だって忘れてた)


電「はぁ……二人は忘れんぼうなのです。……あれ」

提督「やっぱり、一人にさせておけなくて」

電「そういうので得点は上がらないのです」

提督「得点とかリアルだろ、やめろよ」

電「……ところで、どこに連れて行っているのですか」

提督「お化け屋敷、暁と響は絶対に行かないだろ」

電「そんなに行きたかったのですか。しょうがないのでう、付き合ってあげるのです」

提督「感謝する」

~数十分後~

雷「あら、電どこに行っていたの?」

電「司令官さんに連れられて、お化け屋敷に言っていたのです」

暁「お化け屋敷!?」

響「おかしいね……さっき別れたけど、司令官はコーヒーカップに乗っていたよ」

電「そういわれても、あれは司令官さんだったのです。トイレに行くとかで、席を外したのですけど」

雷「こっちもそうよ」

暁「……え?」

響「……」

提督「悪いな、待たせたみたいで」

響「ねえ司令官、司令官はどこに行っていたんだい?」

提督「トイレだけど?」

響「そうじゃなくて――ごめん、やっぱりいいよ」

暁(事実は知らない方がいいわよね。響、レディーには知らない方がいいこともあるのよ)

雷「?? 何かおかしいのかしら……」

電(まあ、司令官さんなら分身できてもおかしくないのです)

―執務室―

提督「空元気にも見えたが、今回は暁と響にもある程度楽しんでもらえたようだ」

提督「何か不思議がってたけど、まあ『事実は小説よりも奇なり』というしな」

↓2

青葉「ドッペルゲンガーですか」

提督「俺はそんなのいるとは思ってないんだけど、相変わらず一部で騒がれているようでな」

青葉「ふうむ、でも青葉はそれらしいものを見たことないんですよね」

提督「俺もだな。まあ、ドッペルなら俺が見たら死んじゃうんだけど」

青葉「……記者としては、あんまり信憑性のない情報は嫌いなんですけど」

提督「お前、俺の目を見てそれを言ってみろ」

青葉「まあまあ、そう怒らないでくださいよ。一応こっちでも調べてみます」

提督「もしかすると、とんだ風評被害があるかもしれないからな」

青葉「これ以上立場が悪くなることなんてないと思いますけどね」

提督「あっはっは、青葉ぁ! 半分くらいはお前のせいだろ!」

青葉「調べてきまーす!」ダッ

提督「……ていうか、本当に霊なら祈祷師呼ばなきゃダメなんだよなぁ」

提督「もしくは寺生まれのTさんか……」

↓2

少ないけど今日はここまで

このスレのオチになりそうなネタとか何かないかな……

―会議室―

提督「では……扶桑、金剛、利根の三人の中で誰が一番よくできた姉か選んでもらおうか」

山城「姉さま」
比叡「お姉様」
筑摩「姉さん」

提督「……お前ら、ある意味仲いいよな」

山城「提督が何を呼び出すかと思えば、こんなもの姉さまの圧勝に決まっていますよ」

比叡「お姉様の素晴らしさが分からないからそんなこと言えるんですよ」

筑摩「ふふ、妄想はそこまでにしておいた方が恥をかかずに済むわよ」

『……』

提督(ふぇぇ……なんか怖いよぉ……)

山城「扶桑姉さまは私と違って不幸にめげずに前を向いているんですよ」

比叡「金剛お姉さまはムードメーカーで見ていると元気になってくるんですよ」

筑摩「利根姉さんは大人っぽいところと子供っぽいところがあってとてもかわいらしいんですよ」

『……』

提督(一発触発の空気……)

山城「提督はどっち!?」
比叡「司令はどっち!?」
筑摩「提督はどっち!?」

提督「こっちに矛先が向いたぁ!」

―執務室―

提督「急遽終了。突然こっちに来るとはなぁ」

提督「あと、三人は姉のことになると本当に考える事をしないんだから……姉の事って言ったらおとなしく来るし……」

提督「今後はああいったことはしないでおこう」

↓2

―サーモン海域北方―

提督「イチャイチャってどうすればいいんだろうか」

レ級「いちゃいちゃ?」

提督「いちゃもんを二回つける……これか」

レ級「さすが人間”」

ヲ級「わざとじゃないよね……?」

提督「つまり、ヲ級は知っていると」

レ級「そうなのー?」

ヲ級「そ、そういわれても私は……」

提督「知っているんだな!」

レ級「教えて教えてー」

ヲ級「こ、恋人みたいなことをする……んじゃない?」

提督「……はっ、男女で仲良くしゃべってたらイチャイチャだぞ」

レ級「私たちみたいに?」

提督「仲良くしゃべってるのならそうじゃないか」

レ級「ふふふ~」

ヲ級(知ってるなら聞かないでよ……)

―執務室―

提督「ちなみに、食堂で話したらそういわれたことがあるから、そうじゃないかと当たりをつけただけだがな」

提督「なら、イチャイチャくらい普通だよなー」

↓2

提督「なんだこれ」

夕張「帽子に妖精さん製の羽をつけてみたんです」

提督「それで、何が変わったんだ?」

夕張「飛べるんですよ! すごくないですか?」

提督「何の役に立つんだ」

夕張「飛べるんですよ!」

提督「両手で帽子を抑えなきゃいけないんだぞ。何の役に立つ」

夕張「え?」

提督「自分の体重、さらに装備も支えなきゃならんのだぞ」

夕張「……筋トレ?」

提督「いらねー!」

金剛「ヘイ、提督ぅー!」ガチャ

提督「ちょうどいいところに来た。ほら、この帽子やるよ、飛べるらしいぞ」

金剛「ワオ! さっそく試してくるネー!」ダッ

夕張「……」

提督「……」

<あ、飛んでいくデース!

夕張「……飛んでいきましたね、帽子だけ」

提督「まあ、秘密道具でもないし、ちゃんと持ってないと」

夕張「いろんな意味で改良ありですね、失礼しました」

バタン

提督「……あれ、羽をつけるものが間違っているだろう」

提督「なんで帽子……」

↓2

提督「……」

北上「あー……」

提督「なんで北上はここでゴロゴロしてるのかなー?」

北上「んー? だってここ日当たりがいいからー」

提督「そんな、さも当たり前のように言われても」

北上「まあいいじゃーん」

提督「まあいいけど」

北上「うー……」

提督「……」

北上「おー……」

提督「……俺もごろごろするぜー!」

北上「ばっちこーい」

「……」

提督「あっはっは……は!」

大井「……」ガシャン

提督「北上、俺は死ぬかもしれない」

北上「あー……まあ、頑張れ」

ドーン

―執務室―

提督「だが壊れない。これも魔改造の結果だな」

提督「備品は壊れたけどな、ははは……みかんダンボールが机だよ……」

↓2

―母港―

提督「正直、ここで同じことやってたのしいのか?」

ビスマルク「雰囲気は大切よ」

レーベ「こうして飲むのもなかなか楽しいよ」

提督「そうか? 人がいないビアガーデンって、準備損というか、寂しいというか」

マックス「日本では、こうして外で飲んだりする風習があるじゃないですか」

提督「地べただからなぁ……そうだ、ほかの人も呼ぶか」

ビスマルク「料理が確実に足りなくなるわよ?」

提督「間宮と鳳翔も呼ぶ。こうでもしないと、こんなに机を出した意味がない」

レーベ「僕は皆で食べるのもいいと思うよ」

マックス「まあそうですね、人数が多くなると許可が下りないと思って少人数でしてましたけど……」

ビスマルク「まあ、こうして少ない人数で飲むのは、今のうちに楽しめばいいわよね」

提督「よしきた!」

~数時間後~

提督「結局大人数でのビアガーデン開催になってしまった」

霞「たまにはいいんじゃないかしら」

提督「珍しいな、秘書官が認めるなんて」

霞「あんた、まるで私がただの鬼教官だと勘違いしてないでしょうね」

提督「わ、私の素敵な秘書官でございます!」

霞「まあいいけど……そんなにビビってるのに、なんで私を秘書官にしてるんだか」

提督「言ってなかったっけ?」

霞「聞いたことないわね。突然秘書官に任命されてずっとだったから」

提督「説明すると、霞なら秘書官以上の仕事もやってくれそうだから」

霞「秘書官以上って……」

提督「もちろん、提督業のことな」

霞「……」ガシャン

提督「……脱出!」ダッ


霞「アリーヴェデルチ――さよならよ」


提督「なんでイタリア語!?」バッ



                               ヽ`
                              ´
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提督(霞なら絶対甘やかさないからってフォロー言おうと思ったのに――!)

霞「ふんっ、クズ司令官ったら」

END

よしわかった。艦娘全員でたら最終回にしよう
明日の昼過ぎくらいにまた立てます

ちなみに、私が好きな艦娘は漣暁卯月阿武隈鳳翔榛名赤城瑞鶴でした
好きな艦娘だからって書きやすいわけじゃないから、贔屓はしないけどね!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月07日 (金) 01:37:09   ID: vHMnIW0h

城崎温泉があったような気がする...訳ないじゃないですかアアアァァァァァン!ヨノナカヲ!カエタイ!

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