ライラ「ライラさん、バオーでございますです。ばおー」 (60)


ライラ「リイナさん、ロックに必要なものとは何なのでございましょうか?」

李衣菜「んー、そうだね…… 自分のハートを震わせること! 燃え尽きるほどヒートすること! そしてェェェェェェ!ファンの心に血液のビートを刻むこと!」

李衣菜「そういう心持ち……かな?」

ライラ「なるほどー。つまりロックというのは、バルバルバルバルウオオ~~~ムってことでございますねー」

李衣菜「……とにかく!内なる自分を呼び覚まし、解き放つのがロック!OK?」

ライラ「オッケーでございます。おうちで練習してきますですー」

李衣菜「ガンバッテねー!」

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あくる日

李衣菜「今日からフォー・ピース全員であわせての練習……!くぅ~~っ!待っていましたこの時を!」

李衣菜「この扉の向こうでみんなが待っているんだ……よーし!ロックに行くよォー!」

李衣菜「みんなー!おっはよーっ!!」ドジャアーン

バオー「バルッ」

李衣菜「」バタム


李衣菜(落ちつけ多田李衣菜…!私はパニックを知らないロックなアイドル!)

李衣菜(驚いて扉を閉めちゃったけど、さっき見たものはきっと私がロックなせいで、あと光ちゃんといっしょに見た特撮の影響で現れた幻覚だろう)

李衣菜(なんとなく衣装がロックだったし)

李衣菜(でもいくらロックでも、肌も髪の毛も真っ青でいかにも怪人な見た目の人がいるわけないじゃん!)

李衣菜(落ちついて…深呼吸してスイッチング・ウィンバック…すぅはぁ……素数を数えて……)

李衣菜「よっし!行くぞ!」

李衣菜「みんなー!おっはよーっ!!」ドジャアーン

清美「李衣菜さん!」

星花「どうしたんですか?先ほどは扉を開けるなり閉めてしまって…」



バオー「バルバルッ」



李衣菜「」















李衣菜「」


清美「? どうしたんですか? いきなり体中を穴ぼこチーズにされたかのような顔をして」

李衣菜「例え怖ッ!? いや二人の方こそどうしてるのさ!なんで怪物といっしょにいるわけ!?」

星花「怪物?……おっしゃっていることの意味がわからないのですが」

バオー「バルッ」

李衣菜「いや二人の目の前にいるじゃん!何なのその得体の知れない青い怪人は!?」

清美「李衣菜さん、さっきから何を言っているんですか?それに二人って……私たちは三人であなたを待っていたんですよ?」

李衣菜「この場にいるべきなのはライラちゃん、清美ちゃん、星花さんの三人でしょ!どうしてライラちゃんじゃあなくて怪人がいるんだよ!」

清美「李衣菜さん……あなた本当に何を言っているんですか……?」

星花「李衣菜さん、あなたは私たちをまとめるリーダー役を立派に務めております。ですがそのせいでとても疲れておられるのでしょう」

星花「今回の練習は私たち三人で行いますから、李衣菜さんは休んではいかがでしょうか?」

李衣菜「三人ってライラちゃんがいなっ………ハッ!」

李衣菜「まさか……その怪人が……」



李衣菜「ライラちゃんだっていうの…………?」

バオー「ウオオオ~~~ム!」


清美「さっきから怪人、怪人と……いるわけないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「え、いや、だってどう見てもライラちゃんじゃあなくて怪人にしか」

清美「この部屋にいるのは李衣菜さん、星花さん、超☆ROCKなライラさん、それに私だけですよ?怪人が入る余地なんて砂漠の砂一粒ほどもありません」

李衣菜「超☆ROCKなライラさんって何!?」

星花「見ての通りですわ。今日のライラさん、いつになくディ・モールトロックですもの」

李衣菜「ディ・モールトロック!? 何なのディ・モールトって!? この李衣菜ですら知らない新たなロック!?」

星花「ベリッシモロックとの差異はございませんが」

李衣菜「ベリッシモロックもわからないよ!?」

フレデリカ「ダー。落ちついて、リイナさん。ディ・モールトもベリッシモも、ロシア語でオーチン、という意味のイタリア語、なのれす」

李衣菜「ロシア語もわからないって!!てか最早あなた誰なの!?」

フレレリカ「ソーリーソーリー、声優…じゃなくて部屋間違えてた☆ フレレリカちゃんはクールに去るぜ」

バオー「バルバルバル」

清美「そうですねライラさん、いともたやすく多言語を操るフレデリカさんは超☆ROCKといえるかもしれません」

李衣菜「フレデリカさんは日本語しか喋れないでしょ!というか今のライラちゃんと会話できんの!?」

星花「李衣菜さん、ライラさんは日本語がディ・モールトお上手ではございませんか。今までフォー・ピースの三人でポケモンをやっていて困ったことなどありませんわ」

李衣菜「三人でポケモンやっていたとか初耳なんだけど!? 私ハブ!?」

バオー「バルッ」

清美「ああ、ライラさん、李衣菜さんは正真正銘のタマゴグループ妖精ですよ。ヒョウ君と同じタマゴグループじゃあないですから、いっしょに預けてもタマゴはできません」

李衣菜「そもそもポケモンじゃないんだけど!? って、やっぱり怪人語喋っているようにしか聞こえないよ!」

星花「怪人語なんてあるわけないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「さっきも聞いたよそれ!!」


李衣菜(うう~っ、こうなったら…)

李衣菜「バルバルバルッ ウオオ~~~ム……?」

清美「……どうしたんですか李衣菜さん? いきなり奇声を上げて…」

星花「やっぱり、今日は休まれたほうがいいのでは…」

バオー「バルバルバル……」

李衣菜「ウッガーーーーーッ!!!!」











光「怪人らしきうなり声を聞いて南条光ッ!ただいま参上ッ!」

李衣菜「遅いよッ!!!」


光「どうしたんだ李衣菜!まるで相手ピッチャーの心を読むことで投球コースを知りその通りにバットを振っているのに、なぜかまったく違うコースに来るせいでまるで当たらないというような顔をしているぞ!」

李衣菜「なんでそんなに具体的なの!?」

星花「光さん、おはようございます」

清美「おはようございます!」

バオー「バールバルバルバルッ!」

光「みんな!おはよう!怪人の声がしたから来てみたんだけど…練習の邪魔しちゃったかな?」

李衣菜「いやたった今その怪人が声を出したでしょ!? って怪じ……ライラちゃんの姿見て何も思わないの!?」

清美「怪人の声なんて聞こえてくるわけないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「三回目ェェェ!?」

星花「奇声をあげる李衣菜さんならいらっしゃいますが…」

李衣菜「さっきから奇声を発しているのはライラちゃんだよね!? ライラちゃん要素が粉みじんほどにもないけど!?」

清美「李衣菜さん、ライラさんが話しているのはアラビア語ですよ? 奇声などではない、立派な言語です」

李衣菜「さっき日本語で話してるって言ってなかった!? 二人がアラビア語理解できるのもおかしいでしょ!!」

光「そういえば今日のライラ…………」

李衣菜「やっと反応したああああアアアア!? なんでそんなに反応遅いの!? てかなんでライラちゃんだってわかるの!? おかげで奇妙な反応しか期待できないじゃん!?」

清美「李衣菜さん、素数を数えて落ちつきましょうよ。私もいっしょに数えてあげますから…」

李衣菜「いや誰のせいだよ!?」


光「…………」

李衣菜「2…3…5…7…ええっと…」

光「究極生命体的にロックだな!」

李衣菜「ああもう知ってたよその奇妙な反応!!てかなんでみんなロックに結びつけるの!?わたしがおかしいの!?」

光「あんまりにもロック過ぎて特撮に出てくる怪人みたいだな!ユニット組む?」

バオー「バルバルバルッ」

清美「確かに、超☆ROCKなライラさんはそのまま特撮物に出演してもおかしくない姿をしていますね…」

星花「いかにもこれが怪人だッ!というような風貌をしておられますものね」

李衣菜「やっぱりみんなにも怪人に見えるんじゃあないかァッ!!」

麗奈「怪人と聞いてすっ飛んできたわッ!」

李衣菜「遅いよ!!いややっぱり来るなァ!!」


麗奈「何よ失礼ねッ!石でできた仮面をハンマーで粉々に砕く作業からわざわざ抜けてきたって言うのに!」

李衣菜「むしろなんでそんなことやってんの!? マイクをハンマーに持ち替えてアイドル活動!?」

清美「この前フォー・ピースの三人で体験入部させてもらったんですけど、かなり楽しいですよ? 抜けてくるのが惜しい気持ちもわかります」

李衣菜「部!?部活動!?てかまた私ハブられてた!?フォー・ピースは四人ッ!!四人だから!!!」

バオー「ウオオ~~~ム」

星花「ふふっ。二十枚を素手で一撃で割ったライラさんですもの。今のディ・モールトロックなライラさんなら三十…いえ、四十枚でもいけますわ」

有香「やりますねライラさんッ!私も負けていられません!!さっそく修行をしてきますッ!!では!」

李衣菜「出てくるなりどっかに行った!? 仮面割りってかわら割り的な何かなの!? って石でできた仮面を素手で割るライラちゃんとか恐怖しか感じないんだけど!?」

美羽「別に高いところから落として割ってもいいんですよ? ストーン!って」

李衣菜「割り方なんて聞いてないよっ!てかまた新キャラ?」

美羽「ちなみに、石仮面って岩から切り出して作られているんですよ」

李衣菜「はあ」

美羽「そんな石仮面を素手で割るなんてすでえ(すげえ)ロック!だと思いません?」

李衣菜「うるせー!」

美羽「用は済んだので帰ります。矢口みうさぎはキュートに去るぜ。ぴょーん!」

李衣菜「そこはクールに去ってよ。美羽ちゃんの駄洒落のおかげでクールダウンできたし」


麗奈「ふーん、ライラったらあたしがしばらく見ないうちにこんなにロックになっちゃって…アンタ背伸びた?」

李衣菜「やばい麗奈のこと忘れてた。なんで来たんだっけ?」

麗奈「光いるところレイナ様あり、よッ!!常識常識ィ! ドゥーユーアンダスタン?」

李衣菜「さっき怪人って単語に反応してきたって言ってなかったっけ。理由変わってない?」

星花「李衣菜さん。一度聞いたことをまた聞くってことは、あなたの頭が悪いってことになってしまいますわ。無駄だから駄目ですよ?無駄無駄…」

李衣菜「あー、はい」

麗奈「ライラッ!アタシについて来なさい!アタシについてきたら世界の半分……いえ!世界の三分の一をあなたのものにしてあげるわ!」

李衣菜「減ってる減ってる」

清美「詐欺じゃないですか!」

李衣菜「そういう問題だろうか」

星花「減っているのは李衣菜さんのロック度じゃあないでしょうか。やはりここは休まれたほうが…」

李衣菜「なんなのロック度ってのはァァァァアアアア!!??そんなに私はロックじゃあないっていうのォォォォオオオオ!!??」

清美「あ、実に李衣菜さんらしいシャウトですね。元気が戻ってよかったです」


バオー「バルバルバル」

麗奈「世界よりアイスのほうがいいですって……?いいわッ!アタシについてきたらコンビニのアイス全種類一つずつおごってあげるわ!!」

バオー「バルバルバルバルッ!?」

光「騙されるなライラァッ!麗奈はライラを悪の陣営に引き込もうとしているんだ!ライラは人類を笑顔にする存在っ!そうだろう!?」

麗奈「何言ってんのよ光ゥ!今の最高にロック!なライラはどーみたって悪の怪人じゃあないの!ライラにふさわしいのは常にひとり!このレイナ様よッ!」

光「違うッ!例え姿かたちが邪悪の化身だったとしても、ライラの内に宿っているのは黄金の精神そのものだ!!ライラ!あたしと一緒に世界を救おうッ!」

バオー「ウオオ~~~ム……」

清美「世界って地球そのものの事と考えていいんでしょうか?でしたら、麗奈さんについて世界の三分の一をもらうのもありではないでしょうか。幸い、海と陸の比率は七対三ですし、陸地全てを支配することができます」

李衣菜「規律を重んじる超☆風紀委員が何を言ってんの!?あと交渉材料コンビニアイスになったよね!?」

星花「世界を支配するまでに時間がかかりすぎるのでは?やはりここは一般市民を悪から守り、その対価をアイスによって支払ってもらうべきでしょう。即効性がありますし、量のほうも悪を滅ぼさない限りは対価をもらい続けることが可能ですわ」

李衣菜「星花さんまで何言ってんの!?ヒーローになるんだったら対価なんて求めちゃいけないよ!」

星花「……李衣菜さん、この世は等価交換で成り立っているんです。そんななまっちょろいこと言っていたらこの先苦労しますよ?」

李衣菜「なまっちょろくていいからヒーローの夢見させてよ!!」

志希「こいつはくせえッー!アドレナリンのにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」

李衣菜「またなんか出てきたァーーーッ!?」

志希「お?なに?怒ってんの?興奮すると体内で分泌されるアドレナリンのにおいがプンプンするよ?まあまあここは落ち着いて素数でも数えよ?」

李衣菜「もうどこまで数えたか忘れたよ!!」


麗奈「光ゥゥ アンタがいなかったら最高にロック!なライラがどこにいるのかわからなかったでしょうね… しかしアンタがいるからライラはいまだアタシのものになっていない!」

光「そうだな麗奈ぁ!神がいるとして運命を操作しているとしたら!アタシたちほどよく計算された関係はないだろうなッ!」

李衣菜「神ってプロデューサーの事なんじゃあ」

麗奈「アタシたちは」

光「この世において」

麗奈・光「「ふたりでひとり!」」

李衣菜「息ぴったりじゃん!!あんたたちでユニット組んでいればいいでしょーがァーーッ!!ライラちゃんは私たちフォー・ピースのものなのッ!依然変わりなくッ!」

麗奈「決着をつけるわよ光ゥ!勝負はそう…ピッツベルリナ山山ろく「骸骨の踵石」でのライブ対決よッ!!さっそく行きましょう!たあっ!」

光「受けてたつ麗奈ッ!知るがいい!ライラにふさわしいのはどちらか!!とうっ!!」

李衣菜「無視してどっかいくなあ!!けっこう恥ずかしかったのにィィィ!!それにピッツベルリナ山ってどこなの!?明らかに日本じゃないじゃん!!」

星花「スイスですが」

李衣菜「スイスゥ!?ヨーロッパじゃん!!海の向こう側のその先じゃん!!そんなところまでゲーセン行ってくるみたいな感覚で行こうとしないでよ!!」

清美「以前、フォー・ピースの三人で散歩に行きましたが」

李衣菜「またまたハブられましたアアアアアン!!?てかスイスってそんなに近いところじゃあないでしょ!?なんで気軽に行けちゃうの!?」

志希「面白いよね骸骨の踵石名物戦車上ライブ!この前の拓海組と愛結奈さん、そらちんの三つ巴デッドヒートはちょー熱かったよ~~~っ!!」

バオー「バルッ」

李衣菜「みんな頻繁に行くところなのスイスってのは!?それに戦車上ライブとか意味わかんないんだけど!?」

星花「私のイチオシ戦士は美世さんですわ。ドリフト急停止からの闘技連打……あの圧倒的破壊空間はまさに乙女の憧れがぎっしり詰まった小宇宙ですわ」

李衣菜「戦士ってどういう事!?同名の別人だと思いたいんだけど!?それに破壊空間が乙女の憧れとか怖すぎるんだけど!?」

清美「しかし美世さんの闘技連打を食らっても動ける愛結奈さんとそらさんは何者でしょうか?あの拓海組でさえまともに食らったら再起不能は確実ッ!そう!コーラを飲んだらゲップが出るぐらい確実だというのに」

李衣菜「何者も何も私たちの同僚のアイドルでしょーーーっ!?あとさっきから飛び交う単語がアイドルの対極に位置する不穏な単語ばかりなんだけど!?」

志希「あの二人すごいよねーっ 周りの戦士が次々とバイク、自動車、航空機、蒸気機関車、ラクダに乗り換える中、いまだに愛結奈さんは馬、そらちんは牛で参戦して勝っちゃうんだもん。さすがは大ベテランって感じだよね」

バオー「ウオオーーーム」

李衣菜「どういう競技か理解不能ッ!理解不能ッ!理解不能ッ!何なの!?戦ってんの!?レースしてんの!?ライブしてんの!?」


清美「動物系ライダーといえば最近は時子さんもメキメキと頭角を現しきてましたね。ミニブタたちによる葬送行進曲……圧巻の一言です」

李衣菜「葬送行進曲とか怖っ!?」

星花「たしかに初見ではいささか恐怖を感じる方もおられるでしょうが…しかしミニブタたちはその吐き気を催すドス黒い感情を圧倒的パワーで押さえ込んでしまうほどに」

志希・清美「「カワイイ!」」

星花「まさに戦車上ライブ界のアイドルですわ」

バオー「バルルバルル」

李衣菜「いやブタ率いている人がアイドルそのものだよね!?信じたくないけど!信じたくないけど!!」

星花「? ブタたちもアイドルですが……」

李衣菜「はい?」

志希「やだなあ李衣菜ちゃん察してよ。時子さんが率いてるブタって一人を除いて全員315プロ所属だよ?」

李衣菜「315プロってマゾしかいなかったのぉぉぉぉ!?しかもカワイイとかどういう事なの!?男ばかりでしょあそこは!?」

清美「今315プロの最高に熱いトッププロデューサーは仁奈さんですからね!その育成方針上、全員にキグルミの着用が義務付けられています。可愛くないわけがありません」

李衣菜「九歳の女の子になにやらせてんのさあああ!?」

星花「みなさん常にキグルミを纏っているのですから、暑くないわけがありませんわ」

志希「あーっはっはっ!うけるー」

バオー「バールバルバルッ」

李衣菜「何うまいこと言った気になってんの!?」


志希「水上戦はいつも涼しくて気持ちいいよね!また七海ちゃんの半径二十メートルサバオリくんスプラッシュ浴びたいなー」

李衣菜「半径二十メートルサバオリくんスプラッシュ!? サバオリくんなんなの!?」

星花「水上戦は七海さんと海さんの二強ですわね」

清美「ですが二人とも副業が忙しいとのことで最近は滅多に出てこないんですよねぇ……」

李衣菜「忙しいのはアイドルなんだよね!?そうだよね!?」

バオー「バルバルバルッ」

志希「確かに海さんすごいよねー!中堅どころとはいえ陸上戦でもいけちゃうんだもん!」

星花「陸地でも波乗りし始めますからね…恐るべき執念ですわ」

李衣菜「執念でどうかなっちゃうものなの!?それとも丘サーファー?」

清美「いえきっちりと塩味のする海水に乗っていましたが」

李衣菜「ポケモンじゃん!ファンタジーやメルヘンじゃん!!」

清美「実際に起こったのならファンタジーやメルヘンじゃないでしょう?」

志希「波乗り麻理菜さんファンだったんだけどなー…」

清美「実にッ!実に惜しい人をなくしましたね…」

星花「案ずることはございません。麻理菜さんの沢田魂はキッチリと海さんに受け継がれていますわ」

李衣菜「麻理菜さんが故人みたいな言い方しないでよ!?」

バオー「バルッ」


志希「そーいえば気になったんだけど、麗奈ちゃんと光ちゃんって戦車上ライブ公式戦に参戦したことあったっけ?」

バオー「バルバル」

星花「ございますね。麗奈さんは千佳ちゃん、舞ちゃん、由愛さんとチームを組んでたまに出場しておりますわ」

志希「あー、マジカルテット」

李衣菜「もう実際に魔法が使えても驚かないよ!てか小学生にそんな危なそうなことやらせないでよ!」

清美「魔法なんてあるわけないじゃあないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「そう思いたいよッ!」

星花「彼女たち四人は『スピードワゴン財団科学特捜隊』として参加していますわ」

李衣菜「何それェ!?魔法と正反対!? 小学生にやらせることじゃねぇぇぇ!!」

志希「あーそっちかー」

李衣菜「そっちって何!?他でも科学特捜隊名義で活動してんの!?」

バオー「バルバルバルル」

清美「光さんは時子さんのミニブタの中の一匹ですよ」

李衣菜「315プロ所属じゃない一人って光ちゃんだったのォォォオオ!?どっちかっていうと悪の組織の戦闘員っぽい立ち位置じゃん!?光ちゃんのキャラと真逆だよ!!」


バオー「バルバルバルバルバルバル」

星花「そうですわね。いつかフォー・ピースの四人で参戦してみたいですわね」

李衣菜「そこは三人でいいよッ!!私そんなの出たくない!」

清美「そうですね。李衣菜さんではせいぜい武器をぶら下げる柱役が関の山でしょうし」

李衣菜「武器!?やっぱり傷つけあう競技なの!?あとなんか失礼!出るつもりないけど!」

星花「李衣菜さん……柱役を馬鹿にしてはいけませんわ。戦士たちの勝敗を左右する武器を掲げるその役目、それ相応の人物にのみまかされるまさに試合の花形です。その大役を見事成し遂げられるのなら、アイドル性十分!と言えるでしょう」

李衣菜「もうアイドルだよ私たちはッ!あとそんな大役なら関の山とか言わないでよ清美ちゃん!」

志希「そーいえばライラちゃんいつになくレクイエムにロックだね!」

李衣菜「唐突に話戻してきたアアアア!!??もう私ですらライラちゃんが怪人っぽいこと忘れていたよっ!!」


志希「フーム、私が見るにライラちゃんはアドレナリンがたくさん分泌されることによって、レクイエムにロックになるっぽいね」

李衣菜「いきなり話の核心!?てかそれだけで怪人になれるんなら私とか今頃大怪獣なんだけど!?」

清美「怪人や大怪獣になれるわけないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「実際に起こったのならファンタジーやメルヘンじゃないって言ったの清美ちゃんじゃん!!目の前で起きているんだけど!?」

星花「なにを言っているのかよくわかりませんが、李衣菜さんがライラさんっぽくなるにはロック度が足りないかと」

志希「そだねー」

李衣菜「だからなんなのロック度ってのはァァァァアアアア!!??そんなに私ロックじゃあないってのかァァァァアアアア!?!?」

マキノ「こちらマキノ。潜入先において調査対象アイドル『ザ・ロックのライラ』のザ・ロック化現象の原因究明に成功したわ。直ちに帰還する。ではみなさん、八神マキノはパッショーネに帰るわ。アリーヴェ・デルチ」

李衣菜「マキノさんいたの!?わたしたちに挨拶したら潜入の意味ないじゃん!!それに今までのパターンからしてパッションに去るとこじゃないの!?意味わかんなくなるけど!」

志希「じゃあ代わりに今から仕事な私がパッションに去るぜ。バイビー★」

バオー「バルッ」

李衣菜「うん。意味わかんない。ちょっと美嘉っぽい気がするけど」

巴「パッショーネはうちらと敵対するマフィアの事じゃな。マキノのやつは諜報部員なんじゃろう」

李衣菜「巴ちゃん!?敵対とか物騒だからやめてよ!?ってかなんでいんの!?」

巴「そろそろ時間じゃからのう」

李衣菜「一体何の……ってレッスン場が吹っ飛ばされたああぁぁァァアアーーー!!??」

七海「れすー♪」

マッコウクジラ「ブモッ」

巴「うむ、時間通りじゃな」

星花「あら?もうそんな時間ですか?まだレッスン開始していないというのに」

清美「七海さんがイルカに乗っていないとは珍しいですね」

李衣菜「空飛ぶクジラに乗って突っ込んでくるとかもう一体何なんだよぉぉぉぉおおおおおお!!!!」


七海「? ただの産地直送れすよ?」

李衣菜「空飛ぶクジラに乗ってくるのが問題なんだよッ!! レッスン場ブッ壊しているのもだけど!!」

七海「マッコウクジラは半径二十メートルサバオリくんスプラッシュにどーしても必要な素材なんれす。ただのそれしか言わないのれす。それだけれす」

李衣菜「だからなんなのサバオリくん!?」

巴「ムッ、イルカはおらんのか?」

七海「あいにく品切れれしてー…」

李衣菜「変なもの取り引きしないでよ! てか最近忙しい副業ってこれだったりしないよね!?」

巴「じゃあフジツボを800、アッパチ3機、潜水艦一艇、クロアワビを20ほど頼む」

七海「まいどれす~」

李衣菜「変なものばかり取り引きしないでってばぁぁぁあああ!?」

巴「なんじゃ…ウチかてアラブの大金持ちをマネしてみたいんじゃ!…/// 笑うなら笑え!」

李衣菜「いやそこ顔を赤らめるとこなの!? それにアラブの大金持ちはフジツボをなにに使うわけ!?」

清美「ブワーッハッハッハ アヒーッ アヒーッ」

星花「フフフフ フフフフフフフフ」

バオー「バルバルバルッ バルッ バルッ」

李衣菜「笑うなぁぁぁぁああああーーーーっ!!!!」


のあ「七海…みくにゃんへの生贄として……ボラボラボラボラボラボラボラボラが必要なのだけれど」

七海「ボラ八匹れすね~」

李衣菜「なんでそんなわかりにくい言い方すんののあさん!?あとみくにゃんいじめちゃ駄目だって!」

のあ「さばくのもお願いするわ」

七海「はいれす~ さばくのは!七海のサバオリくんれすー!ウッシャアアアーーーッ!」

巴「相変わらず見事なサバオリくんさばきじゃな」

星花「光り輝くかのようなほど美しいサバオリくんさばき!すぐれた絵画や彫刻はそれ自体輝きを放つように見えますが……七海さんのサバオリくん技は最早芸術の域ですわ」

清美「いやあれは実際に光っていますね。サバオリくんの表面を細かく微小な鋭いサメの歯が滑るように走っているようです。その一個一個が複雑な光を反射し、サバオリくんがあたかも光を発しているかのように見えるんです」

李衣菜「サバオリくん本当に何なのおおおお!!??なんで清美はそんなことわかるの!?」

バオー「バルバルバルッ」

七海「ライラさんも手伝ってくれるのれすか!助かるのれす~」

バオー「ウオオオオーム!」ギィィィン

李衣菜「腕からなんか出てきたァーーーーッ!?!?」

バオー「ウオオオオオオ~ムバルバルバル!」シバババババババ

李衣菜「人間をやめた動きで切り刻んだァァーーーッ!?!?」

蘭子「バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノンッ!!(これが!バオー・リスキニハーデン・セイバー・現象ですッ!!)」

李衣菜「中二病も出てきたァーーーーッ!?!?」


蘭子「ククク…闇蠢くところ常に我あり!(怪人という単語が聞こえてきたので駆けつけました!)」

李衣菜「遅すぎるよッ!!」

のあ「待ちなさい蘭子…バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン……その名を許可するわけにはいかないわ」

蘭子「立ちはだかる強敵か!(なんですって!?)」

李衣菜「技名なんてどうでもいいよッ!」

のあ「この高峯のあがライラの技のゴッドファーザーになってあげましょう。そうね……『輝彩滑刀』というのはどうかしら?」

蘭子「宵闇に光り輝くか…!(カッコイイ…!でも負けられません!)」

巴「うちは輝彩滑刀のほうが好みかのう」

七海「七海はバオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノンのほうがいいと思うのれす~」

李衣菜「多数決で決める気!?」

星花「どちらも素敵ですが、私はバオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノンを支持いたしますわ」

清美「私としては、頭に超☆をつけても違和感のない輝彩滑刀のほうが好きですね」

李衣菜「基準おかしいでしょ!てか☆は違和感バリバリだよッ!!」

バオー「ウオオオ~ム」

清美「李衣菜さんはどうなんです?ライラさんの――未来の運命を変えられるのはあなただけですよ?」

李衣菜「技名ごときでそんなに仰々しくしないでほしいんだけど!」


のあ「…………」

蘭子「…………(選ばれるべきはこの蘭子ですっ ゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

李衣菜(うわーっ…二人ともすごい鋭い目つきしてるよ…私を選ばないことは死を意味する!ってかんじの!)

星花「よりロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロック!ロックと言えるほうに投票していただければいいかと」

李衣菜(そんなのわかんねー!どっちがよりロックなのかなつきちならわか……らないでほしいなあ)

李衣菜「あー、その、折衷案でどう?どっちかが技名でどっちかが武器名みたいな…」

のあ「…………」

蘭子「…………」

李衣菜「…………」











巴「ゴ」

七海「ク」

清美「リ」

李衣菜「分けて言わなくていいよっ!」


のあ「『どちらかが技名になる』………『もう一方が武器名になる』 つまり」

のあ「ハサミ討ちの形になるわ…」

蘭子「…………」

李衣菜「だからなんだと言うのか」

のあ「…李衣菜。あなたの『妥協案』は…登りゆく朝日よりも明るい:輝きで『ロック道』を照らしているわ」

蘭子「自由人!貴殿の命をふりしぼったメッセージッ!たしかに受け取ったッ!(スッゴク素晴らしいッ!百万倍もロックなアイデアです!)」

巴「さすが李衣菜!ウチらにできない発想を平然としてのける!そこにシビれるあこがれるのう!」

清美「『李衣菜さん』と『ロック』ッ!この世にこれほど相性のいいものがあるでしょうかッ!?」

星花「李衣菜さんの心とアイデアに一点の曇りなし!全てが『ロック』ですね」

バオー「バルバルッ バルバルバル」

七海「ルックスもロックれす~」

李衣菜「なんで急に私のこと褒めちぎるわけ!?もっと別なことで『ロック』だと評価してほしいんだけどッ!!」

マッコウクジラ「多田李衣菜…きさまのアイデアのロック力…認めよう!!

李衣菜「クジラがしゃべってるんじゃねえェェェェエエエエエーーーッ!!!」


清美「クジラが喋るわけないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

李衣菜「そもそもこんなところにクジラがいること自体が九割九分九厘ファンタジーやメルヘンでしょッ!!」

七海「七海が種の改良を行い訓練したのれす~。レッスン場をたやすく微塵にぶち抜くほど無双で強靭な肉体と高度な知能に加え! ロックな性格を身につけているのれすッ!」

李衣菜「七海ちゃん普通にすごいけどなんで七海ちゃんがロックを気にする必要があんの!?」

マッコウクジラ「清美ィ…見ろよ…このおれのロックな姿を!あえて…あえてこの姿をお前の前にさらそう」

清美「!?!?」

李衣菜「いやどーみてもただのクジラじゃ……空飛んでる上にしゃべってた…てかこのクジラなんなの?清美ちゃんの知り合いなの?」

マッコウクジラ「日常から一気にファンタジーやメルヘンへ…どういう事態が起こっているのか把握できず声も出ない…か… 七海は語らなかったのか?ロックに生きるこのおれの神話を!」

清美「この冴島清美…クジラが喋るのはファンタジーやメルヘンじゃあないということを…認めましょう!!」

李衣菜「ああもうわけわかんねェェェーーーッ!! つーか私からすりゃ今日レッスン場に来た瞬間から一気にファンタジーやメルヘンなんだけど!!」


のあ「『どちらかが技名になる』 『もう一方が武器名になる』……どちらも名もライラの中で永遠に生きることになる。確かに素晴らしくロックな案だわ。それはここにいる誰もが認めること」

のあ「しかし私は、あくまでも…あくまでも『技名として』 輝彩滑刀をライラに託したの」

のあ「『技の命名権を譲って武器名にする』 これは決して本意でない。そしてなにより」

のあ「自分の意思を捨て、勝負を放棄して相手に『譲る』という行為…私のプライドが許さないわ。それは蘭子も同じ思いのはず」

蘭子「無論よ(プライドが許さない!私も同じです)」

のあ「『決闘』よ。神崎蘭子」

のあ「決着をつける権利は私たちにだけある」

李衣菜(めんどくさいなのあさん)

のあ「一瞬でカタをつけるわ」

蘭子「ククク…勝負は『戦車戦』なのか?(勝負は『ライブバトル』ですか?)」

のあ「当然!『ジャンケン』よッ!」

のあ「先輩アイドルから受け継ぐ『ジャンケン』ッ!それが流儀ィィッ!!」

李衣菜「ジャンケンの参加権にアイドルも一般人も関係ないでしょッ!?」

蘭子・のあ「「ジャアあああ~~けん」」

蘭子・のあ「「ホイッ!」」

蘭子・のあ「「ホイィッ!」」

蘭子・のあ「「HOYYYYEEEEEEEEEEーーーーッ!」」

李衣菜「ただのジャンケンでなんで空飛ぶの!?」

バオー「バルバルル」

星花「跳びもしないでどうやってジャンケンに勝てというのですか」

李衣菜「跳躍力とジャンケンに何の因果があるって言うの!? それにレッスン場がブッ壊れていなければ今頃あの二人は天井に頭をぶつけて悶絶してたよ!!」

清美「…だったらジャンケンする前にあらかじめ、レッスン場をブッ壊せばいいことでは?」

李衣菜「いやだめでしょ!?」

巴「七海がクジラをブッこんできたおかげで、レッスン場をブッ壊さなくて済んだということじゃな」

李衣菜「レッスン場をブッ壊していることがまずおかしいんだけど!?」

七海「さっきから『ブッ壊す』 『ブッ壊す』って…なんなんれすか!『ブッ壊す』って頭の中に思い浮かべたその時には!すでにレッスン場はブッ壊れてなきゃ駄目なんれすよッ!七海たちアイドルの世界ではッ!!」

李衣菜「アイドルが率先してレッスン場をブッ壊して何の意味があるんだよォォーーッ!! 自分たちが困るだけでしょーがぁっ!! 現に今私が困り果てているんだよォォーーーーッ!!!」


星花「しかしまあ二転三転するおもしろい戦いでしたわね。ですがしょせん蘭子さんのほうが運・実力共に上だったということ」

バオー「バルバルッ」

李衣菜「二転三転するほどジャンケンしてないよね!?」

巴「なにを勘違いしているんじゃ?NOAと蘭子の戦いはまだ終わっておらんぞ」

七海「? 一戦目はのあさんがグー、蘭子さんがパーで蘭子さんの勝ち、二戦目、お互いにグーで引き分け」

七海「三戦目はのあさんがチョキで蘭子さんはグー、すでに決着はついているのれす」

清美「フフフ…感覚の目でよーく見てみてください!」

星花「……!! のあさんの…お…親指がァッ!?」

蘭子「…………(そんな……そんな!)」

のあ「………フッ」

七海「親指が上がっているのれす!つまりあの型は…」

巴「そうッ!! のあが出したのはッ!!」

清美「無敵の型『グーチョキパー』だったんですッ!!」

バオー「バルバルバル!?」

李衣菜「ただのイカサマじゃんそれェーーーッ!?」

七海「私たち…人間はグ…『グーチョキパー』にだけは勝てない!服従しかないんれす!」

李衣菜「んなおおげさな」

のあ「勝つためには手段を選ばんもんネーのあちゃん。ルンルン」

李衣菜「のあさんのキャラまでどこかにブッ跳んでる!? でも表情はいつも通りとか何なの!?」

星花「ジャッジッ!ジャッジはどうなんですか!?」

七海「クジラは反応していないのれす!ルール違反ではないのれす!」

李衣菜「クジラに審判させないでよっ!!」


蘭子「死が二人を分かつまで、というのか…! 高峰のあァァァ!(ルールを事前に取り決めなかったから何でもありってことですか!?)」

のあ「二回目よッ! これで勝利ッ!!」

七海「マズイ!のあさんは『グーチョキパー』を完全にモノにしているのれす!!次も確実に『グーチョキパー』を出してくるのれすっ!」

巴「『グーチョキパー』をやぶったアイドルはひとりとしていない!のあの勝利は揺るがんッ!」

バオー「バルルバルルッ!」

李衣菜「なんでイカサマが公認されてるんだか…」

のあ「ジャアアーーンケン!」

蘭子・のあ「「ホイッ!」」

のあ「!?!? 神崎蘭子ッ! 貴様ァッ!!」

清美「の…のあさんが声を荒げている!? 勝利は確実だというのに! 一体何事!?」

蘭子「…わが…わが究極の奥義……よ!(やってやりました!)」

星花「おお!蘭子さんの右腕のッ!まぎれもない、あの型はッ! 『グーチョキパー』ーーーッ!!」

巴「なっ……なんじゃとぉ~~~~!?」

七海「蘭子さんとのあさんは同じジャンケンの型!! つまりはこの勝負『あいこ』れすッ!」

清美「あ…あいこ!? 引き分けですってェェ~~!?」

バオー「バルバルバルバルバルバル!」

李衣菜「ジャンケン一つでよく盛り上がれるよねみんな!?」

蘭子「ゼハァーッ ゼハァーッ ハァッ ハアーッ ハア」

李衣菜「グーチョキパー出すだけでなんで息切れすんの!?」

星花「究極の奥義ですよ? 李衣菜さんだって使ったら息切れぐらいするでしょう」

李衣菜「そもそも持っていないから!」

清美「究極の奥義も持っていないのにアイドルになったんですか李衣菜さんは!? 毎朝どーやって起きているというのですか!?」

李衣菜「起床するたびに究極の奥義使わなきゃなんないの清美ちゃんは!? 目覚めるだけでグランド一周を全力疾走したときみたいに息切れ!?」


のあ「…こともあろうに!神崎蘭子!あなたがこの土壇場で『グーチョキパーの世界』に……入門してくるとは……!!」

のあ「しかし、よ。神崎蘭子…あなたは『対応者』に過ぎないッ!わたしが『グーチョキパー』を使ったからって同じ手を使うだなんて……汚らわしいわッ!!そんなことでは私に勝つ事は出来ないッ!」

李衣菜「汚らわしいのはこんなしょーもないことで堂々とイカサマするのあさんのほうだよっ!!」

蘭子「『再び』か?(再びですかァァーーーッ!!)」

のあ「来なさいッ!先に出させてあげるわッ!」

李衣菜「後出しする気満々でしょのあさんーーーッ!!?」

蘭子「ええい貧弱貧弱ゥ!(『グーチョキパー』を破る策はさっき思いつきました!)」

蘭子「無駄無駄無駄ァーッ!(この神崎蘭子に二度……いえ!三度同じ手を使うことはすでに凡策なんです!)」

清美「終わりがないのが終わり それが『グーチョキパーによるあいこ』のルールだというのに……一体どうやって!?」

バオー「バルバルバルッ」

蘭子「我が逃走経路に死角なし!(逃げるんだよォォォーーーーーッ!)」

のあ「!?」ガッシィ

蘭子「!」

のあ「……あなたの動きがスッとろいおかげで捕えることができたわ。さあ覚悟を決め…」

蘭子「ジャンケンホイッ!(次にのあさんは『ホイッ!』と言う!)」

のあ「ホイッ!……ハッ」

バオー「バルッ!?」

清美・星花・巴・七海「「「「アッ!?」」」」


巴「つ…つられて完結」

清美「唐突に行われたジャンケン…のあさんの出した型は『グー』!『グーチョキパー』じゃあありません!」

星花「そして蘭子さんの手は『グーチョキパー』…つまりこれは」

バオー「バルバルバル!」

七海「蘭子さんの…勝ち!つまり決着はッ!蘭子さんの勝ちで完結なのれす!」

李衣菜「やっと終わった…」

蘭子「『二手』……『二手』遅れたようね。拳神よ(私が背を向け走り出そうとしたとき、のあさんは『利き手で』私を捕まえたんです)」

蘭子「(常に構えていた『グーチョキパー』の型をといてッ!)」

蘭子「(利き手で私を捕まえているんです。当然!ジャンケンは利き手の反対の手で行うことになります)」

蘭子「(そこで不意打ちですかさずジャンケンを仕掛けるッ!)

蘭子「(利き手の反対の手によるジャンケン…とっさに『グーチョキパー』のような複雑な型を作ることなんてできるわけがありませんッ!必然的に『グー』か『パー』になるんです)」

蘭子「ゼハァー ゼハァー クハッ!(後は私が『グーチョキパー』を出す……こ………これ以上『グーチョキパー』は…出せそうにありません……危な…かった!)」

李衣菜「翻訳長ッ!?たったあれだけの言葉からこれだけ読み取れっての!?」


のあ「完全……敗北ね」

のあ「蘭子………十年たった世界の友人…もう一度。もう一度だけ聞かせて。あなたが編み出した技名を」

蘭子「バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノンッ!!(バオー・カイタイショー・オブ・マグロ!!)」

バオー「バル!」シバババババババ

のあ「今となっては心地よい響きね…奇妙なやすらぎを私は今感じる…」

のあ「ライラ…あなたのその腕に刻んである刃に、この名を捧げるわ」 ドシュドシュッ!


輝彩滑刀(輝彩滑刀を)


清美「達筆ですね……!」

のあ「この時に備えて千鶴に教わったかいがあったわ」

のあ「そしてフォー・ピースッ!」

李衣菜「えっ?私たち!?」

のあ「あなたたちの未来へこれを持って行きなさいッ!」

李衣菜「かっこいいこと言いながらボーリングの投球フォームで岩投げてこないでよッ!!それに岩持ってけってどーいうこと!?あぶなっ」

バオー「バルッ」ガッシィ

星花「おや?何か文字が刻まれているようですわ。これは…」


ROCK(ロックをッ!)


李衣菜「ただのダジャレじゃん!?美羽ちゃんと同レベル!?」

巴「七厘持ってきたぞ」

李衣菜「何いきなり!?」


巴「今しがたライラが刻んだマグロを炙るためなんじゃが。まさか李衣菜……マグロに『敬意』を払わず捨てる気じゃったんか…?」

李衣菜「私がどうこうするものじゃあないような」

巴「…イカン、マッチがないな…誰か持っておらんか」

バオー「バルッ」

巴「じゃあお願いするかのう」

バオー「ウオオオーム!」シュバッ

李衣菜「髪の毛飛ばしたァーーー!?!?」

蘭子「バオー・シューティングビースス・スティンガー・フェノメノンッ!(これが!バオー・シューティングビースス・スティンガー・現象ですッ!!)」

李衣菜「いや髪の毛ブッ刺して何の意味が!?…って燃えはじめた!?」

星花「ライラさんの髪は硬質化しぬけると、物質の成分が変質して『自然発火』するのです」

李衣菜「なんで知ってんのそんなこと!?」

清美「フォー・ピースのみんなで花火をやったときには重宝しました」

李衣菜「わたし花火やってないんだけど!?どこまでハブられ続けるの!?」

のあ「……怪焔王の流法」


七海「少し火が弱いれすね。もう一回お願いするれす~」

バオー「バルッ」

蘭子「バオー・シュティングビースス・スティンガー・フェノメノンッ!(バオー・シュティングビースス・スティンガー・フェノメノンッ!!)」

七海「もいっぱつ!」

バオー「バルッ」

蘭子「バオー・シューティグ・ビースス・スティンガー・フェノメノンッ!(バオー・シューティグ・ビースス・スティンガーッ!!)」

七海「もいっぱああああああつッ!!」

バオー「バルッ」

蘭子「バオー・シューティングビース・スティンガー・フェノメノンッ!(シューティングビース・スティンガーッ!!)」

巴「ウム、大火力じゃ」

李衣菜「なんで毎回微妙に違うワケ!?度忘れでも連打してんの!?」

蘭子「真理の書に偽りなし!(原作どおりだから問題ありません!)」

李衣菜「何原作って!?」


巴「ほれ、李衣菜も食え」

李衣菜「あ、ありがとう」

李衣菜「……(おいしい)」

蘭子「美味!(うンま~~~~い!)」

バオー「バルバルバルバル」

七海「はふはふれす~」

李衣菜「…星花さん、なに焼いてんの?」

星花「カエルですわ」

李衣菜「いきなりゲテモノ焼かないでよっ!?」

星花「ゲテモノとは何ですか!このカエルは私たちの血肉となるべく、今この場で焼かれているのです!」

星花「私たちの糧となってくれるこのカエルには『敬意』を払わなくてはなりませんわッ!それをゲテモノ呼ばわりとはッ……!」

李衣菜「わ、わかったから!ごめんなさいって!」








清美「さて、そろそろレッスン始めましょうか」

李衣菜「そおだよッ!!レッスンしに来たんだよ私たちィィィィ!!」


蘭子「全てが終わるときか…!(レッスンを始めるのなら、お邪魔しちゃいけませんね。神崎蘭子はクールに去ります)」

のあ「そうね。私も野望の果てを目指すみくにゃんに生贄を捧げなくては」

星花「みくにゃんさんの野望ってなんなのでしょうか?」

のあ「この地域一体にあるスーパーの鮮魚コーナーの殲滅」

李衣菜「それってのあさんがいじめすぎたせいじゃないの!?」

のあ「ならばなおさら私が止めないわけにはいかないわ」

七海「許すまじみくにゃんさんッ!七海も行くのれすッ!」

マッコウクジラ「Good Bye フォー・ピースゥゥ!」

巴「ウチもいくかのう。さよならじゃ」

バオー「バルバルッ」

清美「…静かになりましたね」

星花「ええ、本当に。この『静けさ』こそが『静』のあかし……」

李衣菜「てかレッスン場がレッスンできるような状態じゃあないんだけどぉ!!!」

星花「……? 楽器はすべて異常なし、電気系統も問題なし、ですわ。できるのでは?」

李衣菜「いやできるけど!!できるけどさあ!!!むしろ何で無事なの!?」

清美「…つまりこう言いたいのですか? 『部屋として機能していないからレッスンできない』」

李衣菜「イグザグトリィ(その通りでございます)」

清美「…フーッ、やーれやれ、ですね。ガレキまみれのこの惨状ッ!そしてこの状況で演奏!まさにこれが『ロック』というヤツでしょう」

星花「常識をブッ壊して初めてロックなのですよね? 今の状況、まさにピッタリじゃあないですか」

李衣菜「常識にだってブッ壊していい範囲とそうじゃないのがあるんだよッ!てかブッ壊されたのレッスン場ッ!!」


李衣菜「(でもみんなレッスンする気満々だよなぁ……止めるもの悪い気がしてきたぞ。……どのみち私の話聞き入れてくれそうにもないし)」

李衣菜「わかったよ。このままレッスンやろう!じゃあいきなりだけど合わせてみようか…って、ライラちゃん割り箸で演奏するの?」

バオー「ウオオーム」

李衣菜「まあいいや…ワンツースリーフォー!」

バオー「」タカタンタッタカタカタカタカタカタカタカタカタカドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴタカタカタカタカタカタカタカタカタカタコスッ!

李衣菜「(人間を超越した動きで叩きはじめた!?)」

バオー「!」ドグシャアッ

星花「あーらら…スネアドラムが根元からボキッと折れてしまっていますわ…」

李衣菜「割り箸でドラムブッ壊さないでよッ!!」

清美「しかしこれじゃあ練習できませんね…代わりのものもないですし」

バオー「バルバルバルバルッ!」

李衣菜「!? くっついた!?」

清美「フーム…少し短くなったようですが、これぐらいならじきに慣れるでしょう」

星花「手のひらから出る強い酸によって溶かし、くっつけたようですね」

蘭子「バオー・メルテッディン・パルム・フェノメノンッ!(これが!バオー・メルテッディン・パルム・現象ですッ!!)」

李衣菜「戻ってきたァッ!?」


蘭子「闇に沈むわ!(帰ります!)」

李衣菜「てかなんなのライラちゃんは!?人間なの!?人間辞めちゃってんじゃんッ!!」

清美「最初に言ったじゃあないですか。今のライラさんは『超☆ROCKなライラさん』だって」

李衣菜「超☆ROCKになると人間辞めなきゃなんないワケッ!?というかそもそも――」


李衣菜「私は『納得』がいかない!この『怪物』がライラちゃんだっていうことがッ!!」


バオー「!」

清美「!」

星花「!」


清美「李衣菜さん、まだそんなこと言っているんですか?」

李衣菜「私は納得したいだけだッ!『納得』は全てに優先するんだよッ!!」

星花「…今日長らくいっしょにいて、何が納得いかないというのですか」

李衣菜「『事実』だよッ!!少なくとも私は『理解』できなかったし、『納得』もできていない!!この怪物がライラちゃんだという事実をッ!!」

清美「事実は『納得する』ものじゃあなく、『受け入れる』ものだと思いますが?」

李衣菜「そうだろうね!だからっ…夢なら醒めてほしいんだよ……!」

星花「…夢なんかじゃあありません。ですから、『事実』を『受け入れて』もらいます」

李衣菜「だったら私に『信じさせて』みてよ!!」

李衣菜「怪人が『ライラちゃん』だという事を…今!私を『納得』させてよッ!!」

星花「李衣菜さんが納得するのに必要なものはなんでしょうか?」

清美「『あかし』でしょうか?だったら、何よりも素晴らしい、ザ・グレイトフル・ロックな『あかし』がもうすでにあります。先ほどのライラさんの演奏、聴きましたよね?」

李衣菜「聞いたけど…なによ」

星花「私たち『フォー・ピース』の曲…ほんの一瞬の短い演奏だったとはいえ、素晴らしいアレンジだったじゃあないですか」

李衣菜「がむしゃらに叩いてるようにしか聞こえなかったんだけど!?」


星花「………見えないのですか?感じないのですか?ライラさんの『ロック魂』の波紋を」

李衣菜「何わけわかんないことをっ……!わかるわけがないッ!」

清美「……李衣菜さん。少なくともあなたは、この場にいる誰よりも『ロック』に精通している方です」

清美「だからこそ、気づいてほしい。ライラさんの『ロック魂』を」

星花「私も清美さんと同じ気持ちです。…ライラさん、もう一度演奏をお願いできますか?」

李衣菜「まさか割り箸で演奏してるのがあかしって言うんじゃあないでしょうね…!? そんなのは認めないッ!!」

星花「…私も清美さんも…ライラさんも。あれ以上のあかしは…出すことができません」

李衣菜「私がほしいのは一目でライラちゃんだとわかる『あかし』だよ!」

李衣菜「今私の目の前にいるこの怪人にライラちゃんである『あかし』は何一つないじゃんか!」

李衣菜「腕から刃物だすわ…髪の毛が燃えるわ!金属溶かすわッ!『怪物』のあかしばっかりじゃあないか!」

李衣菜「そんな『怪物』を……ライラちゃんだと信じるだなんて…できないよッ!!」 ダダーッ

バオー「バルッ!?」

星花「!! 李衣菜さん!」

清美「飛び出してしまった…」


李衣菜「ドラムの演奏を聴いてそいつが誰なのか気づけって~~~~~っ!?」

李衣菜「そんな感覚的であいまいなもの!わかるわけがないッ!クソッ!クソッ!」

李衣菜「…………」

李衣菜「……私だって本当は信じたいんだ。あの怪人がライラちゃんだってことを。みんながライラちゃんだと言っているんだ。だからそうだと、100%信じたい」

李衣菜「でも……信じれないんだよ………仲間の言う言葉が信用できないだなんて……」

李衣菜「………フォー・ピースのリーダー、辞めちゃおうかな、ハハ……」


バオー「バルバルバルバルッ」

星花「…でしたらこれを持っていってください」

清美「私たちじゃあ李衣菜さんを『納得』させることができないでしょう。きっとそれができるのは…ライラさんと、李衣菜さん自身だけ」

バオー「バルバルウオオ~~ム!!」 ダッ

星花「…………」

清美「…………」



ライラさんが泣けるとしたなら 彼女は今 まちがいなく泣いていた!

彼女の存在が 李衣菜に否定されたからではない!

彼女の触覚が 「悲しみのにおい」を感じとったのだッ!

李衣菜の「悲しみのにおい」を!


李衣菜の悲しむ「におい」!


追わなければならない!



『李衣菜さんは今 悲しんでいますです』

『誰のせいで!』

『そうです!李衣菜さんは私のせいで悲しんでいるのでございますッ!』

『李衣菜さんを見つけなければッ!』


清美「…これは試練です。李衣菜さんに対しての試練だと、私は受け取りました」

星花「北国ノルウェーにこんなことわざがあります。『北風が勇者バイキングをつくった』」

星花「厳しい試練があったからこそ、勇者が生まれたということですが…この場合、北風はライラさん、そして李衣菜さん自身なのでしょう」

星花「私は、『北風がバイキングをつくる』と信じたい」

クラリス「そうですね…『祈り』ましょう」

清美「クラリスさん…」

クラリス「私たちのアイドル活動は『祈り』の連続です」

クラリス「ライブでトラブルが発生しない事を『祈り』 ライブが盛り上がる事を『祈り』」

クラリス「ファンが増える事を『祈り』 新たな挑戦がファンに受け入れられる事を『祈る』」

クラリス「このあたりまえの事をくり返しながら 一歩一歩トップアイドルに近づいていくのです」

クラリス「信じ、祈り、待ちましょう。彼女が目醒めることを」


バオー「バルバルバルバルバルバルッ!!」

李衣菜「!? ライラちゃん!?」

バオー「ウオオオオオオォォォォム!!」

李衣菜「ドラムセットにギター、アンプ!?」

李衣菜「ギター…え…演奏する気なのここで!?アンプなんて電源ないと使えないのに…!」



電源はある!



普通の人でも筋肉や神経は すごく弱いが電気をつくっている

もし!その筋肉細胞を乾電池をつなぐように 直列状につなぎあわせたとしたら

ごく弱い電気は 何百万倍の電力となるはずだ!

ライラさんの筋肉はそれができるのだ!

ましてやライラさんの筋肉細胞は ひとつひとつものすごいパワーをもっている

アンプを動かすのに必要な電力を発電するのは たやすい!



バオー・ブレイク・サンダー・フェノメノン!!!



ライラさんの新しい武装現象(ニューアームド・フェノメノン)!!


李衣菜「お…音が出た!?」

バオー「バルバルバルウオオォォォォーム!!」  ドギュウウウーン ドリュデドリュデドリュドリュドギュギララ

李衣菜「!?!? こっ……これはァ~~~!! この感覚はッ!!」



今 李衣菜は感じ取った!

ライラの震える心を!

燃え尽きるほどの熱さを!

刻まれる血液のビートを!

言葉はいらない!

伝わる!

ライラさんの『ロック魂』は 李衣菜から受け取ったものだ!




李衣菜「そうだったんだ……そうだったんだね」

李衣菜「ライラちゃんの『ロック魂』が! 『言葉』でなく『心』で理解できた!」

李衣菜「ライラちゃんの『ロック魂』………その源は私…だったんだ」

バオー「バルッ!」

李衣菜「ギター……私に…演奏……セッションしようって…こと…?」

バオー「ウオオオーム!」

李衣菜「…うん。やろう!」


ギュオオオオオオォォォン

李衣菜「ありがとう……ありがとうライラちゃん 本当に…『ありがとう』…それしか言う言葉がみつからない…」

李衣菜「帰ろう…みんなのところに…」








李衣菜「けどさ……どうやってドラムセットをばらさずに持ってきたの…?」

バオー「バルッ」

李衣菜「ああそっか……クジラが突っ込んできたから………ところでさあ、ギター、私が持っていくよ」

バオー「バルバルバル」

李衣菜「いいからいいから。そのぐらい手伝わせて…」


数日後 ライブ会場


李衣菜「みんなー!今日は私たちのライブに来てくれてアリガトォーー!」



ライラさんはファンたちの、仲間たちの発する興奮のにおいを触覚で感じ……



李衣菜「みんなは…覚悟をしているんだよね!?今日ここに来たってことは…」

李衣菜「私たちの震えるハートを! 燃え尽きるほどのヒートをッ! そしてェェェェェェ!血液のビートを刻みこまれる覚悟をッ!!」



そのにおいが大好きだった



李衣菜「ディ・モールト ディ・モールトクールなバンドメンバーを紹介するぜッ!」



ライラさんの胸の奥深く感じる この力が湧くにおい!



李衣菜「Gu.KIYOMI!!」


李衣菜「Ba.SEIKA!!」


李衣菜「Dr.LAYLA!!」


李衣菜「アーンド私!Vo.RIINA!!」



仲間のにおいだ!

みんなが熱くたぎるにおい!


李衣菜「FOUR PIECE!! 最高に『超☆ROCKッ!』にいくぜェーッ!!!」




ライラさんは思った!


みんなとのライブを


もっと盛り上げるのでございますッ!





バ オ ー


ブ レ イ ク ・ ダ ー ク ・ サ ン ダ ー


フ  ェ  ノ  メ  ノ  ン  ッ  !  !  !  !

終わり
見てくれた皆さん、レスくれた皆さん
ディ・モールト グラッツェ!

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