もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part3 (1000)



もし小泉さんが主人公だったら


ダンガンロンパ2




※注意



・これを読む前に、前スレ、前々スレを読んでおくことをお勧めします。


前スレ、前々スレ↓


part1(もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917911/))



part2(もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406974060/))




・これは、ス―パ―ダンガンロンパ2の二次創作です。


・小泉が主人公のIFの世界なので、島の構造や、キャラの性格が微妙に違ったりするかもしれません。



・本編で明かされなかった部分などに、個人のねつ造が含まれています。注意して下さい。


・最初からネタバレのオンパレ―ドです。本編をクリアしてからご覧ください。


・基本的に、(非)日常編はギャグ&ほのぼの、非日常編はシリアス展開となってます。


・なるべくキャラの待遇を、(本編も考慮したうえで)平等にしようとしてますが、
全然平等じゃねぇよ!!って思うかもしれません。まあ、ご了承ください。


・(主人公含め)キャラ崩壊があります。キャラのイメ―ジを壊したくない人はご注意ください。


・場合によっては、こんなの○○(キャラ名)じゃない!!ってなるかもしれません。ご注意ください。


・エログロは(基本的には)ないですが、女の子がヒ―ルで何度も踏んづけられたり、
無理矢理命がけのロシアンル―レットをさせられたりはしょっちゅうなので、覚悟してください。


・カップリング要素が存在するキャラが数組あります(半数程度)。そういうのが嫌いな人は要注意。


・事実無根な話があったり、トリックに矛盾があったりするかもしれません。


・他にも、『これ、おかしくね?』みたいなところがあるかもしれませんが、希望があれば大丈夫だよね!!


それでもダンガンロンパ2が好きだぜ!!という人は見てやってください。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408702032

スレ立て乙です


一つ言わせてくれ

>エログロは(基本的には)ないですが、女の子がヒ―ルで何度も踏んづけられたり、
無理矢理命がけのロシアンル―レットをさせられたりはしょっちゅうなので、覚悟してください。

今回それどころじゃない事態起きてるだろうが!!



>>3
ネタにしたら、さすがにシャレにならんような気がしてですね…。




CLASSROOM TRIALS 4




モノロ―グ




飢餓というものが目前まで迫っていた中で、遂に殺人が起きてしまった…。




皆を安心させる力のあったソニアを無情にも手にかけた犯人とは?


その残酷な方法とは?



先日から意味深な発言を続ける彼の意図とは?





コトダマ一覧





1.モノクマ太極拳(7時30分開始)

『毎朝7時30分に、全員がこれに参加しないといけない。遅刻すると、その人のパンツが展示されてしまう。』



2.全員遅刻

『モノクマが言うには、事件が起きた日のモノクマ太極拳に全員が遅刻したらしい。
全員というのは、時間通りに来たはずの狛枝、七海、澪田も入っているのだろうか?』



3.モノクマファイル[4]

『【被害者:ソニア ネヴァ―マインド。致命傷は、頭部の傷。
頭部に強烈な衝撃を与えられている。頭部以外にも、体中を損傷している。】』



4.ソニアの死体の状況

『ワイヤ―で縛られているうえに、四肢がどれも異常な方向に曲がっている。
頭部などは見るも無惨な状態になっており、3章であんなことをした澪田ですら、余りの嫌悪感に吐き出してしまった。』



5.血の付いたハンマ―

『現場に落ちていたハンマ―。現場に落ちている凶器はこれくらいしかないが…?』



6.現場の血痕

『ハンマ―を中心とする血だまりとソニアの頭部から出ている血だまりはかなり離れていることから、
血痕を偽装されている可能性が高い。』



7.柱と焦げた跡

『マスカットハウスの柱が1本倒れている。付け根に焦げた跡が残っているから、
爆弾かなにかで爆発させて倒したものと思われる。倒した理由は不明。他にも、柱の先端には血痕が付いている。』



8.ワイヤ―

『ソニアを縛っていたもの。
先端は輪っかになっているが、本編をやっている人にはその理由はすぐにわかるだろう。』



9.手紙(4時集合)

『ソニアが服の中に持っていた物。恐らくソニアはこれに呼び出されて殺されてしまった。』





10.爆発音(6時15分)

『澪田だけが聞いたという爆発音。かなり小さい音だったらしいので、空耳かもしれない。』



11.地響き(6時15分)

『澪田と狛枝が聞いた地響き。何の音だったかは、今のところは不明。
これの直前に、澪田は爆発音も聞いていたらしいのだが…』



12.澪田のアリバイ(5時~7時20分)

『澪田は今日、5時から7時20分までずっとマスカットハウスのラウンジにいたらしい。
その間、地響き以外では何事もなく平穏だったらしい。』



13.壊されている連絡エレベ―タ―のスイッチ

『連絡エレベ―タ―のスイッチが壊されていて、連絡エレベ―タ―に入れない。
これによって、マスカットハウスとストロベリ―ハウスが分断されてしまった。
モノクマによると、スイッチを壊しても1度だけは別のハウスに移動できるらしい。』



14.どちらかにある連絡エレベ―タ―

『連絡エレベ―タ―のスイッチはどちらも壊されていたので、どちらで連絡エレベ―タ―が止まっているかもわからない。わかったところで、犯人は特定できそうもないが…』



15.マスカットハウスの人間の持ち物

『狛枝は希望の乾パン。七海はゲ―ム機。澪田とソニアは特になし。
事件に関係している持ち物はなさそうだ。』



16.ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)

『ソニアの時計だけ、他の時計よりも1時間だけ進んでいた。理由は今のところ不明。』



17.パ―ティの参加者(9時~11時)

『事件前日のパ―ティ参加者は、左右田、弐大、七海、小泉、澪田の5人。
ソニアは疑心暗鬼になっていたので、参加を拒否してしまった。』



18.ソニアの例外

『ソニアは疑心暗鬼になっていて、ほぼ全員に対して警戒していた。
しかし唯一田中だけは信用していたらしく、自分の部屋にも田中を疑うことなく入れていた。』




19.弐大の証言(4時起床)

『いつもは5時に起きる弐大だが、事件当日は4時に起きてしまったらしい。
弐大が言うには、自分の腹時計が狂った気はしていなかったらしいが…』



20.ストロベリ―ハウスの人間の持ち物

『左右田はペットボトルの空。弐大は肉類の残り。小泉は特になし。特に事件には関係してなさそうだ。』



21.田中の凶器

『田中の部屋にあった凶器たち。これを見るに、田中はファイナルデッドル―ムをクリアしていたのだろう。』



22.6つの時計

『ドッキリハウスにある時計は、全部合わせて6つだけ。
豪華な客室に1つずつと、ラウンジに1つずつ。メカ弐大はいないので、電波時計も存在しない。』



23.壊されたストロベリ―タワ―のスイッチ

『ストロベリ―タワ―のスイッチが壊されていて、ストロベリ―タワ―に入ることができない。
犯人には、ストロベリ―ハウスに入られると困ることがあったのか?それとも…?』



24.封鎖されたファイナルデッドル―ム

『ファイナルデッドル―ムの扉が、木の板で封鎖されていた。
このことから、犯人がファイナルデッドル―ムをクリアしていたことは間違いないだろう。
ファイナルデッドル―ムに入られると、犯人にとって不都合でもあったのだろうか?』



25.持ち去られた部品

『ストロベリ―タワ―のスイッチや連絡エレベ―タ―のスイッチの部品がいくつか持ち去られている。
これらを隠す場所などあっただろうか…?』



26.弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)

『左右田と弐大は4時30分から7時30分まで、ストロベリ―ハウスのラウンジにて2人でだべっていた。
その間、おたがいの食料を出し合って、絆(男の友情)を深めていた。』



27.目覚まし時計(6時30分)

『6時30分に、ストロベリ―ハウスでラウンジの時計が鳴り響いた。鳴らした意図は不明。』




28.集まった3人

『目覚まし時計が鳴り、ストロベリ―ハウスの人間のうち左右田、弐大、田中はこの音に気付いた。
豪華な客室の人間には、音は聞こえないはずだが…』



29.空白の20分(6時~6時20分)

『左右田と弐大は、弐大がトイレにこもった20分間だけ単独行動をしていたらしい。
しかし、たった20分では一連の犯行は不可能だと思われるのだが…?』



30.凶器たち

『ファイナルデッドル―ムにあった凶器は、どれも目を見張るものばかり。
銃、グレネ―ド、チェ―ンソ―、ハンマ―、ワイヤ―、槍、剣、斧、ナイフ…
とにかく、古今東西様々な凶器がそろっている。』



31.爆弾

『ファイナルデッドル―ムにあった爆弾。大量にあるが、時限式の物はなかった。』



32.血のり

『ファイナルデッドル―ムにあった物。これを使えば、犯行現場の血痕を偽装可能。』



33.さまざまな薬品

『ファイナルデッドル―ムにあった薬品。下剤、胃薬、風邪薬、殺虫剤…
とにかく様々な薬品が用意されていた。中には、人を殺せそうな薬品も存在した。』



34.1時間眠る睡眠薬

『ファイナルデッドル―ムにあった睡眠薬。
ドッキリハウスにある睡眠薬は1種類だけで、その睡眠薬では1時間くらい眠らせるのが限界らしい。
タワ―内に人が存在しても睡眠状態ならセンサ―には反応しないようだから、重要な証拠品だろう。』



35.窓からの光景

『ファイナルデッドル―ムの小窓から見えた光景。
オクタゴンはストロベリ―ハウスの1階にあるが、そこからの光景は高い所から眺めたようであり、
さらにストロベリ―タワ―の先には何もない、という光景だった。』



36.秘密の抜け道

『オクタゴンにあった扉には行ってみると、マスカットハウスの3階に着いた。
これは、ストロベリ―ハウスの1階と、マスカットタワーの3階がつながっていたことを意味する。
この秘密の抜け道は、今回の事件に果たして関与しているのだろうか?』




部屋割




ストロベリ―ハウス


豪華 田中 小泉

普通 左右田

粗末 弐大



マスカットハウス


豪華 七海 ソニア

普通 澪田

粗末 狛枝





モノクマ「まずは、学級裁判の、簡単な説明から始めましょう!!」


モノクマ「学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!
正しいクロを指摘できれば、クロだけがオシオキ。」


モノクマ「だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…
クロ以外の全員がオシオキされ、みんなを欺いたクロだけが、この島から脱出する権利が与えられます!!」




弐大「応っ!!小泉、ちゃんと生きとったか!!」

田中「一向にストロベリ―ハウスに帰ってくる気配がなかったからな…。もしものことがあったのかと思ったぞ…。」

小泉「うん…。なんとかファイナルデッドル―ムはクリアできたよ…。」




七海「じゃあ、まずはどうしよっか。」


左右田「やっぱり、ストロベリ―ハウスとマスカットハウスでの情報を共有する為に、
事件のあらすじをまとめるべきだろ!!」


狛枝「小泉さんが、ファイナルデッドル―ムで見た物もね…。」

田中「情報の共有…。何者かが2つのハウスを分断していたからな…。」




澪田「じゃあ、マスカットハウスでずっと起きていた唯吹から説明するっすよ!!」


澪田「唯吹は5時に起きたんすが、6時までは平和そのものだったっす!!」

澪田「ところが6時15分に、爆発音と地響きを聞いたんっす!!」

七海「その音がなんだったのか…。今はまだわからないかな…。」


澪田「で、7時くらいに真昼ちゃんから電話を受けて、みんなの安否を確認したんすよね。」

澪田「そのとき安否を確認できたのは、凪斗ちゃんだけだったっす!!」


左右田「ん?なんで七海は確認できなかったんだよ?」

澪田「インタ―ホンを押しても、出てこなかったっすから…」

七海「多分、私は熟睡してた…んだと思うよ。」




狛枝「で、7時30分のちょっと前に3人でモノクマ太極拳に行ったところで、
マスカットタワ―にあったソニアさんの死体を発見したんだよ。」


狛枝「現場には、ワイヤ―で縛られたソニアさんの死体と、倒れた柱と焦げた跡、柱には血もついていたかな。」

狛枝「そして、血の付いたハンマ―が落ちてたな。」

左右田「なら、そのハンマ―が凶器で間違いなさそうだな!!」


狛枝「話を最後まで聞いてほしいな。
そのハンマ―の血だまりとソニアさんの死体は明らかに離れていたから、犯人が偽装工作したと考えるのが妥当だよ。」



弐大「うむう。では真の凶器は、なんだったんじゃあ?」

狛枝「もちろん、“極上の凶器”だよ。」


田中「“極上の凶器”だと…?“暗黒の剣”に勝るとも劣らぬ名を持つ物だな…。」

小泉「それ、つまようじ。」




狛枝「まあ、極上の凶器は後のお楽しみとして…。次は、ストロベリ―ハウスの話を聞こうか。」


左右田「俺と弐大は、4時30分くらいからラウンジでだべってたんだよ…。」


葉隠『だべ!?』


弐大「そして、6時から6時20分までの空白を除き、
目覚まし時計が突然鳴り響いた6時30分まで、ワシらはずっと2人でラウンジにおったんじゃあ…。」


田中「時計が鳴り響き、小泉以外の3人が集合したのだったな…。」




小泉「そして、6時40分にアタシが起きて…」

小泉「マスカットハウスに行こうとしている田中を発見したの。」


狛枝「ふうん。田中クンはマスカットハウスに行って、何をするつもりだったのかな?」

田中「…」




小泉「それは後回しでいいかな?」


小泉「そこでストロベリ―タワ―のスイッチと、連絡エレベ―タ―のスイッチが壊されているのに加え、
ファイナルデッドル―ムの扉が封鎖されていることに気付いた。」



七海「そのことに気付いた小泉さんたちは、何をしたのかな?」

小泉「いやな予感がしてね…。また、事件が起きたんじゃないかって…」


小泉「ストロベリ―ハウスのみんなは4人とも無事だったから、
マスカットハウスのみんなの安否を7時くらいに唯吹ちゃんに確認してもらったんだよ。」


澪田「なるほど~!!あの電話は、そういう意味だったんすね!!」



小泉「それからは、何もできなくて…。死体発見アナウンスが流れる7時30分までは、ただただ戸惑うことしか…」




狛枝「なるほどね。大体のあらすじはまとめられたかな?」

狛枝「じゃ、今度は小泉さんがファイナルデッドル―ムで見た物を発表してもらおっかな。」



小泉「見たもの…。諸々の凶器と、薬品類。
ファイナルデッドル―ムを封鎖したときに使っただろう、木の板やくぎも見つかったわね…。」


狛枝「それだけ?」


小泉「凶器に関する詳しいことは、写真に撮ってあるからいいとして…」




小泉「ストロベリ―ハウスの1階にあるファイナルデッドル―ムの小窓から、
タワ―の先がなくて、高いところから見下ろしたような風景が見えた…。」


小泉「あと、ファイナルデッドル―ムの下に行くと、マスカットハウスの3階に着いたのよね…。」


澪田「ええ!?ストロベリ―ハウスの1階とマスカットハウスの3階は繋がってたんすか!?」

七海「ドッキリハウスの構造…。もう1度考え直さないとね…。」


弐大「事件のまとめは、このくらいかのう。」




七海「で、どこから攻めよっか。今回は今までの事件より、一段と複雑そうだけど…」


田中「では、マスカットタワ―の状況から始めるのはどうだ?」

弐大「現場に着目すれば、凶器がはっきりするんじゃないかのう?」


左右田「凶器ねぇ…。ハンマ―じゃないんだろ?」

澪田「凪斗ちゃんの見取り図によると、他に凶器になりそうなものは…」

澪田「もう、血の付いた柱くらいしかないっすよ?」




弐大「血…?そういやあ柱にもハンマ―の近くにも、血がついとったらしいのう。」

弐大「偽装工作で、血を使うことはできるんか?」


小泉「ファイナルデッドル―ムに血のりがあったからね。柱の血もハンマ―の血も、血のりで偽装が可能だよ。」

小泉「柱の高い部分に血をつけるのも、ファイナルデッドル―ムの適当なものを踏み台にすれば可能じゃないかな。」




澪田「え―!?柱のも偽装が可能なんすか!?じゃあ、本当の凶器はなんなんすか!?」


狛枝「だから言ってるでしょ?“極上の凶器”だって…」


左右田「それがなんなのかを言えよ!!気になって仕方ねぇんだよ!!」


小泉「それを明らかにするには…。ドッキリハウスの構造をはっきりさせる必要があるかな…。」

左右田「あ?なんでだよ?」

狛枝「当然、ドッキリハウスの構造と極上の凶器が、密接に関係してるからだよ。」


弐大「ドッキリハウスの構造…。
確か、マスカットハウスとストロベリ―ハウスの2つの建物が、タワ―を中心として横につながっとるんじゃなかったか?」


田中「いや…。小泉の写真によれば、それではつじつまの合わないところがある。」

澪田「真昼ちゃんがストロベリ―ハウスからマスカットハウスにやって来た事実と反するっすからね!!」


左右田「じゃあ、ドッキリハウスの構造ってなんだよ?」




小泉「小窓からの光景と、
ストロベリ―ハウスの1階とマスカットハウスの3階がつながっていたということからわかる事実…」


小泉「つまりドッキリハウスは、6階建ての1つの建物なんだよ!!」





左右田「なんだって~」


小泉「なにその適当な感じの驚き方。」


左右田「だって、本編とまる被りじゃね―か。」

小泉「そういうのは考えなくていいの!!」




七海「そして、タワ―が床だけが動くエレベ―タ―ということを利用して、落差を生み出せるのです!!」

小泉「一気にはしょった!!」



弐大「なるほどのう。ソニアはストロベリ―タワ―のドアノブにワイヤ―でくくられ、
床がマスカットタワ―の方にあるときに叩き落され、殺されたということか。」


弐大「強烈な衝撃とは、落下したときの衝撃だったんか…。」

澪田「つまり、ドッキリハウスの構造自体が“極上の凶器”なんっすね!!」



小泉「みんな、頭の回転早すぎない?
本編では、ドッキリハウスの構造がわかっても『だからどうしたの?』ってずっと思ってたのに…」




七海「ちなみに、2をやってないっていう人のために画像を用意したよ。」

小泉「できれば、2をクリアした後でこのssを読んでほしいものだけどね。」

左右田「お前ら、誰に向かって話してんだ…?」




部屋→ http://i.imgur.com/3ZbNAyd.png


ドッキリハウスの構造→ http://i.imgur.com/6KIk7OV.png





左右田「しかしよ、おかしくね―か?」

小泉「え?どうして?」


左右田「確かタワ―内は、動くものがあればセンサ―が作動して、別のタワ―には入れねぇんだろ?」

左右田「ストロベリ―タワ―でソニアさんをくくっていたのなら、マスカットタワ―には入れねぇじゃねぇか。」


澪田「今回は、メカがいないっすからね!!」




小泉「いや、できたはずだよ。だってファイナルデッドル―ムには睡眠薬があったから。」

小泉「あれでソニアちゃんを眠らせていれば、センサ―には反応しないはずだよ。」


田中「本編と微妙に設定が違うからな…。まあ、そうでもせんと事件を起こすことができんだろう。」

小泉「もう、さっきから本編本編うるさいよ!!」

狛枝「また小泉さんがキレた…。」




小泉「これなら、犯人をだいぶ絞れそうね。」

弐大「どうしてじゃあ?」


小泉「ファイナルデッドル―ムにあった睡眠薬は、もって1時間らしいんだ。」


小泉「1時間眠らされた後、起きてみたら宙づりにされていたソニアちゃんはびっくりして、
体を動かしちゃったんじゃないかな…。」


小泉「それで、落下して…。」

小泉「ソニアちゃんが落下した時刻がわかれば、ソニアちゃんが眠らされた時刻もはっきりするんじゃないかな?」



澪田「それなら心当たりがあるっす!!6時15分の地響きっすね!!」

狛枝「ボクもそのくらいに地響きを聞いたから、間違いないよ。」


弐大「つまり犯行は、5時付近で起きたっちゅうことか…。」




澪田「しかし…。それがわかっても、5時にアリバイがあるのは、唯吹と和一ちゃんと、猫丸ちゃんだけっすよ?」

澪田「容疑者はまだ4人もいるっす!!」


狛枝「澪田さんが5時にラウンジにいたっていう証言が嘘なら、澪田さんも容疑者に入るんじゃない?」

澪田「ええ!?マジっすか!?」


小泉「でも、唯吹ちゃんが音を聞いた時間は狛枝と同じ位らしいし、今の所は唯吹ちゃんを信用していいと思うよ。」




七海「う~ん…。しかし、犯行時刻が5時というのがわかっただけじゃ犯人は特定できそうにもないね…。」

七海「じゃ、他のところから攻めようか。」


田中「ふむ…。では、どこに着目するのだ?」


左右田「やっぱり、ソニアさんがマスカットタワ―に行った原因だろ!!」


弐大「そういえばそうじゃのう…。」

弐大「あれだけ他人を警戒していたソニアが、どうして部屋の外に行こうとしたんかのう…。」




PHASE1 議論開始!!



言弾:(>>5>>6>>7>>8


16.ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)

18.ソニアの例外

17.パーティの参加者(9時~11時)




澪田「ソニアちゃんがマスカットタワ―に行った理由っすか…?」

澪田「やっぱり[モノクマ太極拳に行くため]じゃないっすか!?」


左右田「ちょっと待てよ。ソニアさんがマスカットタワ―に向かった時刻を忘れたのか?」

左右田「確か、【5時あたり】だったろ?」

田中「確かにな…。【2時間30分もマスカットタワ―で待つ】など、普通では考えられんな…。」


狛枝「誰かに呼ばれたのかもよ?」

弐大「いや、それはないじゃろう。」

弐大「ソニアは、【ワシら全員に対して警戒しとった】からのう…。」


弐大「実は、[ワシらのパ―ティに参加したかった]んじゃないかのう!!」

七海「パ―ティは6時間以上前に終わってたんだよ?」

七海「それにそれだと、【ソニアさんがいつマスカットタワ―に来るかが犯人にはわからない】よ。」


田中「いや…。もしかしたら…」

田中「[千里眼を用いて、いつソニアが来るかを予知していた]のかもしれん…!!」

小泉「今回もわけわからないことを口走るのね…。」





小泉(ソニアちゃんにとって…確かアイツだけは、特別だったような…)



安価↓2


田中



正解



【ワシら全員に対して警戒しとった】←ソニアの例外



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!



小泉「いや、ソニアちゃんが警戒していたのは全員じゃない。例外が1人いたはずだよ。」

弐大「ん?そういやあ…」


小泉「そう、田中に呼び出されたのならソニアちゃんは外に出るかもしれない…。」

狛枝「その証拠もあるよ。」




手紙『脱出の手がかりをつかんだ。4時にマスカットタワ―に来てくれ。 田中』



狛枝「ソニアさんが、懐の奥深くに持っていたよ。」




小泉「ちょっと…。まさか狛枝、ソニアちゃんの死体を…!?」


狛枝「だって澪田さんや七海さんに、あんな惨たらしい死体を触らせるわけにはいかないでしょ?」

狛枝「汚れ仕事は、ボクが引き受けないとね。」


小泉「くっ…。なんで、そんなに平然としていられるのよ…!!」

七海「小泉さん、落ち着いて…。こんなところで立ち止まるわけにはいかない…。」




澪田「しかしソニアちゃんは、こんな手紙ひとつでほいほいマスカットタワ―にやって来たんすか?」

澪田「差出人が本当に眼蛇夢ちゃんかもわからないのに!!」

狛枝「ガチガチに警戒している人ほど、抜けているところはあきれるほどに抜けていたりするんだよね…。」


弐大「筆跡で、犯人を特定できんのか?」

狛枝「筆跡を使い分けられるのなら、特定はできないんじゃない?」

七海「そうでもなきゃ、こんな証拠品を残すとは思えないしね…。」




左右田「ちょっと待てよ。これ、時間がおかしくね―か!?」

左右田「これは4時になってるが、ソニアさんがマスカットタワ―に来たのは5時だったんだろ!?」


七海「う~ん。すこし違うんだと思うよ。」

左右田「違う?何が違うんだよ?」


狛枝「ソニアさんが眠らされたのは5時あたりで間違いないだろうね。」

七海「地響きが6時あたりらしいからね…。」


狛枝「でも、だからといってソニアさんがマスカットタワ―に来たのが5時とは限らないよ?」


田中「つまり、ソニアは手紙通りの時刻にマスカットタワ―に来訪し、
そこから5時までは何か別のことをしていたということか?」


小泉「じゃあその間、ソニアちゃんは何をしていたの?」




弐大「田中が来るまで、1時間待っていたとかじゃないかのう?」


澪田「そうじゃないっすよ!!猫丸ちゃん!!」

弐大「澪田…。何か心当たりがあるんか?」

澪田「ふふん、凪斗ちゃんの話を聞いていてよかったっす!!」




PHASE2 議論開始!!




言弾:(>>5>>6>>7>>8


2.全員遅刻

16.ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)

22.6つの時計

19.弐大の証言(4時起床)




小泉「唯吹ちゃん、5時までの間にソニアちゃんがとっていた行動に心当たりがあるの?」

澪田「いやいや、そういう意味じゃないっす!!」

田中「そういう意味じゃない…?どういうことだ?」


澪田「[凪斗ちゃんの証言によると]…」

澪田「ソニアちゃんの時計だけ、【1時間だけ時間がずれていた】らしいっす!!」

田中「ふむ…。そして、【手紙の時刻と実際の犯行時刻の差も、1時間】か…。」

左右田「なるほどな…。ソニアさんは、1時間だけずれた時間を過ごしていたんだな!!」


弐大「しかし、なぜ【ソニアのだけずれとる】んじゃあ?」

七海「う~ん…。それはまだわからないかな…。」


澪田「つまり…。ソニアちゃんは1時間だけ、時間を勘違いしていたんすから…」

澪田「4時に行こうとして、【5時に着いちゃうことは、なにもおかしくない】っすよ!!」


狛枝「ふ~ん。本当にそれでいいの?」

小泉「こ、狛枝…?」



小泉(あれ?ちょっと待ってよ…?ソニアちゃんの時計は1時間進んでたんでしょ?ということは…)


安価↓2




正解


【5時に着いちゃうことは、なにもおかしくない】←ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!




小泉「唯吹ちゃん…。やっぱりそれはおかしい…。」

澪田「え?どうしてっすか?」




小泉「ソニアちゃんの時計はみんなのと比べて、1時間進んでいたんだよ?」

澪田「え~と…。それなら、やっぱり4時から1時間進んだ5時に到着するんじゃないっすか?」


小泉「いや、逆だよ。」

小泉「時計が1時間進んでいたなら、1時間早くマスカットタワ―に着くはず…。」

左右田「え~っと…。なんかややこしいな…。」


小泉「要するにソニアちゃんは、3時に到着しないといけないんだよ!!」


弐大「そ、そう言われてみれば…」

弐大「じゃあ、やっぱりおかしいじゃないか!!」




今日はここまで。




再開



田中「しかし、現にソニアは殺された…。」

田中「つまりあの手紙に従い、3時にマスカットタワ―に行ったことになるが…」




狛枝「やっぱり、バカみたいに待っていたんじゃない?」


田中「…」


小泉「ちょ、ちょっと、狛枝!?バカって何よ!?」

狛枝「ま、そんなことはどうでもいいじゃない。」


狛枝「要するに、3時から5時までソニアさんはずっと待ってたんだよ。状況から、そうとしか考えられないよ。」

澪田「一途すぎないっすか…?」




左右田「そんなに…そんなに慕われていたのに…」



左右田「そんなにソニアさんに思われていたのに殺したのかよ!?田中ぁ!!」


澪田「えぇ!?どうしたんすか、和一ちゃん!?」

左右田「いままでの話を聞いて、もうわかっただろ!?犯人は田中しかいねぇだろ!!」

田中「…」




弐大「確かに田中の部屋からは、大量の凶器が出てきたが…」

七海「え?そうなの?なんで今まで言わなかったの?」

弐大「他の議論に夢中だったからのう…。」

狛枝「なるほどね…。田中クンは、ファイナルデッドル―ムをクリアしていたんだね。」




左右田「だが、証拠はそれだけじゃねえ…。」

小泉「え?」


左右田「ソニアさんの時計が1時間狂ってたんだろ?ソニアさん自身が狂わせるわけねぇよな…。」

澪田「当然、犯人が狂わせたんっすね!!」




小泉「あっ…!!」



左右田「そうだ…。ソニアさんの時計を狂わせられるのなんて…」


左右田「ソニアさんの部屋に唯一入れた、おめぇしかいねぇんだよ!!田中!!」


田中「…」




田中「それは違う。」


左右田「はぁ!?」


田中「俺様は、ソニアの時計は狂わせていない。」

左右田「何言ってやがる!!しらばっくれても無駄だ!!お前にしかできないんだからな!!」



小泉(ちょっと待ってよ。今、田中は、『ソニアちゃんの時計“は”』って言った…?)




PHASE3 議論開始!!



言弾:(>>5>>6>>7>>8


1.モノクマ太極拳(7時30分開始)

19.弐大の証言(4時起床)

21.田中の凶器




左右田「ソニアさんの時計を狂わせられたのは、田中しかいねぇ!!」

左右田「だって、【ソニアさんの部屋に入れたのは、田中しかいねぇ】からな!!」

田中「違う…。俺様はソニアの時計には触れていない…。」

田中「[別の可能性がある]だろう?」

左右田「言い逃れはできねぇぞ!!」


弐大「ソニア自身が変えた可能性はないんかぁ?」

澪田「【ソニアちゃん自身が変える理由がない】っすよ!!」


七海「じゃあ、犯人がソニアさんだけの時計を狂わせた理由は何?」

澪田「えっとっすね…。」

澪田「[4時あたりに何か見せたくないものでもあった]んすかね?」


弐大「そもそもなぜ、4時に呼んだのかのう?」

左右田「そんなの、理由なんていらねぇんだよ!!」

左右田「要するに、田中が犯人なんだよ!!」




小泉(アイツの証言と、ある事実の2つから考えると…。いままでアタシたちは、なにか思い違いをしていたのかも…)



安価↓2





正解


[別の可能性がある]←弐大の証言(4時起床)



小泉「そうかもしれない…。」同意



BREAK!!





小泉「田中の言う通り…。田中はソニアちゃんの時計を、狂わせてはいないのかもしれない…。」


左右田「は、はぁ!?どういうことだよ!?」

澪田「まさか、他に時計を狂わせた人間がいるということっすか!?」




小泉「ここで注目したいのは、いつもは5時に起きる弐大が今日は4時に起きたこと…。」

小泉「それと、モノクマ太極拳に全員が遅刻したという事実…。」




小泉(それがわかれば、あとはつなぎ合わせて考えるだけだ!!)





PHASE4 ロジカルダイブ開始!!





Q.1 時計を狂わせた可能性がないのは、誰?

赤:狛枝 青:田中 黄:ソニア


Q.2 どの時計を狂わせた?

赤:ソニアの時計 青:ソニアの時計以外 黄:どっちも


Q.3 いつ狂わせた?

赤:パーティ中 青:パーティ前 黄:パーティ後


安価↓1





黄‐青‐赤




小泉「推理はつながったわ!!」



COMPLETE!!




小泉「時間を狂わされたのが、ソニアちゃんの時計以外だったら、どう?」


弐大「何じゃと!?」

左右田「こ、根拠あんのか!?」




小泉「弐大は今日は4時に起きたのよね?でも、本当は5時だったんじゃない?」

弐大「う~ん。確かに、ワシの体内時計はまだ狂っていた気はしとらんかったからのう…。」


澪田「つまり真昼ちゃんは…」

澪田「時間を間違えていたのは唯吹たち全員で、ソニアちゃんだけが正しい時間を把握していたと言いたいんっすか?」

澪田「猫丸ちゃんの証言だけじゃ、信用できないっすね~。」


七海「いや、他にも根拠があるはずだよ。」

澪田「え?なんすか?」


七海「ほら、今日はモノクマ太極拳を全員が遅刻したんでしょ?」

七海「私たちはちゃんと7時30分に到着したと思っていたけど、実は8時30分だったんじゃないかな?」




狛枝「ま、そういうことだね。これなら議論をさらに発展させることができそうだね。」


左右田「なんだよ。変えたのがソニアさんの時計だろうとそれ以外だろうと、結局変えられたのは田中しかいねぇだろ?」

弐大「誰にもばれずに他の人の部屋に入れたのは、パ―ティ中くらいじゃからのう…。」

澪田「パ―ティの時にいなかったのは、眼蛇夢ちゃんだけだっけ?」

田中「ふん。本当にそうだったか?よく思い出してみろ。」




小泉(えっと…。田中が言っているのは、アイツのことかな…?)




怪しい人物を指名しろ


安価↓1




小泉「確かパ―ティに参加していなかったのは、田中だけじゃないよ。」


小泉「狛枝…。アンタも、参加していなかったよね?」

狛枝「…」





田中「どうだ。これでも俺様が時計を狂わせたと言えるのか?」

田中「大方、ソニアの時計以外を狂わせることで俺様に疑いの目を向けようとする輩がいるのだろう。」


左右田「た、確かに狛枝にも可能だったみて―だけどよ…。」

弐大「なんか、怪しいのう…。」



小泉(時計を狂わせたのは誰なのか…。それを、ここではっきりさせておこう。)




PHASE5



議論開始!!



言弾:(>>5>>6>>7>>8


18.ソニアの例外

17.パ―ティの参加者

9.手紙(4時集合)

22.6つの時計





田中「【時計を狂わせたのは、狛枝だった】のではないか?」

田中「[俺様を犯人に仕立て上げる]ためにな。」


澪田「う~ん。【パ―ティに参加してなかったのは、その2人だけ】だよね。」

弐大「ソニアも参加していなかったが…」

七海「あれだけ他人を警戒していたソニアさんが、【外に出てまで時計を狂わせるとは思えない】よ。」


小泉「じゃあ田中は、時計を狂わせてはいないんだね?」

田中「無論だ。【俺様は昨日の夜、ずっと自分の部屋にいた】。」


左右田「ちょっと待てよ、ソニアさんの説得はどうしたんだよ!?」

左右田「お前がパ―ティに参加しなかったのは、[ソニアさんをパ―ティに招待するため]だっただろ!?」

田中「どうしてもダメだと拒絶されて、それっきりだったのでな。」



狛枝「さてと…。こんな議論に時間を使うのも面倒だし、1発で決めてよ、小泉さん。」

小泉「なんでわざわざプレッシャ―を与えんのよ…。」




小泉(今までの田中の証言…。もしかして田中、自分自身の首を絞めていないかな?)


安価↓2





不正解


七海「う~ん。パ―ティの参加者では、田中くんのアリバイは崩せないと思うよ。」



小泉(しまった。間違えたみたいだ。)


小泉(もう1度よく考えよう。狂わせないといけない時計は豪華な客室と、ラウンジにあるんだ。)

小泉(そして、豪華な客室には、誰が泊っていたのかな…?)





どうやら議論が難しいと、安価が停滞しちゃうみたいですね…。

これからは、ミスをするたびにヒントが出されるという仕様にします。

さっさとストーリーを進めたいという方は、積極的に発言してください。




安価↓1




(一応)正解



俺様は昨日の夜、ずっと自分の部屋にいた→【時計を狂わせたのは、狛枝だった】




小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!





小泉「田中…。今のアンタの発言はおかしい。」

田中「何だと…?何がおかしいというのだ。」




小泉「アンタは今、昨日の夜はずっと自分の部屋にいたって言ったね?」

澪田「う~ん…。なにか問題あるっすかね?」


狛枝「大アリだよ。時計があるのは豪華な客室なんだよ?つまり、田中クンが居たっていう部屋だね。」

小泉「田中が自分の部屋にずっといた場合、田中の部屋にある時計を狛枝には狂わせることができないんだよ。」


弐大「ということは…」




狛枝「田中クンが嘘をついた、ってことになるね。」

左右田「そうか…。部屋にいたってのは嘘で、本当は部屋の外で時計を狂わせていたんだな!!」

田中「ぐっ!!」


狛枝「ソニアさんのを変えられなかったのは、部屋にソニアさんがいたからかな?」

左右田「ほら見ろ!!やっぱり田中が犯人だ!!」




今日はこのくらいで終了です。




1です。今日は9時くらいに投下します。




再開


七海「待った。決めつけるのは、まだ早いよ。」

澪田「おやおや?まだ何か話すことがあるんすか?」

弐大「5つの時計を狂わせたのは、田中で決定なのじゃろう?」



突然ですがここで宣伝!!

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77 :ドライさん :2014/08/25(月) 20:37:22.87 ID:i3/HsLf8O
うへっ



小泉「その理由が問題なんだよ。なんでわざわざ時計を狂わせる必要があったのかな?」

左右田「確かソニアさんの時計だけが狂っていると仮定した時には、その議論はとん挫したんだったな。」


七海「でも、狂っていたのが皆の時計の方なら…。変えた理由も、はっきりしそうだね。」

小泉「うん…。その理由って…」





1.時間稼ぎ

2.殺害時刻の誤認

3.モノクマ太極拳




安価↓1



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77 :ドライさん :2014/08/25(月) 20:37:22.87 ID:i3/HsLf8O




なんだこれ。荒らしかな?まあ気にしない方向で。

安価↓1





不正解



七海「殺害時刻を誤認させて、田中くんに何かメリットはあったかな?」

小泉「…ないわね。」


安価↓1






不正解


七海「時間稼ぎ?何の?」


小泉「…えっと……」


狛枝「もう少しよく考えてよ。」




小泉(怒られちゃった…。)


安価↓1




小泉「これで証明できる!!」解




小泉「時間に関係するものなんて、モノクマ太極拳くらいしかないよ…。」

小泉「7時30分前にマスカットタワ―に来られると、何かまずかったんだよ。」




澪田「え―っと…。唯吹たちは、1時間遅れた時間を過ごしてたんすよね。」

澪田「つまり唯吹たちの時間感覚では、6時30分にモノクマ太極拳があったんすよね…。」


弐大「その時間帯で、ワシらは何をしとったんかいのう?」

澪田「いや、唯吹たちじゃなくて、犯人が何かしてたんじゃないっすか?」

弐大「む…。そういわれてみればそうか…。」

左右田「ちょっと待てよ…。ややこしくなってきたな…。」




弐大「6時30分あたりか…。その時刻に犯人が、マスカットタワ―にいたということか?」

左右田「えぇ!?それだとその時刻あたりにストロベリ―ハウスにいた田中は犯人じゃないってことになるんじゃねぇか!?」


七海「う~ん、今までの状況を考えると、それはないんじゃない?」

七海「6時30分きっかりじゃなくて、それより少し前に、何かあったんじゃないの?」


澪田「え~っと…。なにがあったんすかね…?」




澪田「そういえば、真昼ちゃんが起きた時刻もそのあたりだったっすか?」

小泉「えぇ!?アタシ!?」

狛枝「確か、それは6時30分より少し後だよ。証人が3人いるから、間違いなさそうだね。」


左右田「じゃあ、マスカットハウスに行かれたくない理由ってなんだ…?」




狛枝「そんなの、はっきりしてるでしょ?」

狛枝「そこには、見られたくないものがあったはずだよ。」


澪田「え?なんすかそれ?」

田中「…」





小泉(それは…。6時から6時30分までの間、マスカットタワ―がどんな状態だったかを考えればわかるはずだ…。)


小泉(狛枝の言う、“見られたくないもの”っていうのは…)





PHASE6 閃きアナグラム(改)開始!!





ソ○○の○○い



安価↓1



ソニアのしたい





ソニアのしたい



小泉「よし、わかった!!」




小泉「確かソニアちゃんが落下死したのは、地響きのあった6時15分だったよね…。」

左右田「あ!!確かに、6時30分の少し前だ…!!」


小泉「犯行時刻が5時頃だから、5時から6時15分までソニアちゃんはずっと吊られていたんでしょ?」

小泉「その間にマスカットタワ―に誰かが来ると、トリックがばれてしまう…。」


澪田「じゃ、じゃあやっぱり、時計を狂わせた人が犯人なんっすね!?」










田中「邪眼の力をなめるな!!」反論






田中「ふん…。その思考回路…。すこし安直すぎるのではないか…?」


小泉「田中…。」


田中「確かに、時計を狂わせたのは俺様だ。」


田中「しかし、それで俺様を犯人扱いするのは、俺様の奴隷としてはふさわしくない行為だな…。」


小泉「別にアタシは、田中が犯人だって言ってるわけじゃ…」





小泉(田中、かなり焦っているようだけど…)


小泉(とりあえず冷静に、矛盾を打ち抜いていこう。)






PHASE7 反論ショ―ダウン(VS田中)開始!!




言刃:(>>5>>6>>7>>8


31.爆弾

7.柱と焦げた跡

12.澪田のアリバイ(5時~7時20分)




田中「時計を狂わせた理由は、本当に貴様らをマスカットタワ―から遠ざけるためなのか?」


田中「確かに貴様らのような凡人には、【別の可能性】など考える能力などないのかもしれんが…」


田中「しかし、甘い、甘い、甘いぞ!!」


田中「その程度では、漆黒の白魔術師と恐れられた俺様を地に堕とすことなどできはせんわ!!」




発展!!




小泉「アンタ、白なのか黒なのかはっきりしなさいよ…。」


小泉「いや、そこが問題なんじゃなくて…」


小泉「時計を狂わせた理由が、他にもあると言いたいの?」






田中「ふん、これだから無知は困る…。」


田中「貴様はマスカットタワ―の状態と、澪田の証言を忘れたのか?」



田中「現場には、焦げた跡と柱があったな…。」


田中「そして澪田の証言によると、6時15分には地響きの前に爆発音を聞いたと…。」



田中「つまり6時15分の2つの騒音は、ソニアが落ちた音ではなく…」


田中「【誰かが柱を爆破し、それを倒した音なのだ!!】」



田中「そうして殺害時刻を誤認させ、俺様に罪を被せようとしている輩がいるのだろうな…。」


田中「要するに、【時計を狂わせたのと今回の犯行は、無関係】ということだ…。」





発展!!




小泉「唯吹ちゃんの証言を忘れているのはアンタの方じゃないの…?」


小泉「唯吹ちゃんは、5時から7時20分まで、ずっとラウンジにいたんだよ?」


小泉「マスカットハウスの人間が6時15分に爆破しに行った場合…」


小泉「マスカットタワ―へ行ったことが唯吹ちゃんにばれてしまうんだよ…!!」


小泉「6時15分あたりでは既にストロベリ―ハウスとマスカットハウスは分断されていたはずだし…」


小泉「爆破できた人間なんていないよ!!」





田中「ふん…。貴様も、ファイナルデッドル―ムには行ったのだろう?」


田中「ならば6時15分に、マスカットタワ―に行く必要などないことなど、百も承知だろう。」


田中「なぜなら、適当な爆弾を…」


田中「【遠距離から爆発させればいいのだからな!!】」




安価↓1




正解




【遠距離から爆発させればいいのだからな!!】←爆弾




小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破




BREAK!!





小泉「いや…。あそこにあった爆弾には、リモ―ト式の物や時限式の物はなかったはずだよ。」

小泉「つまり6時15分に柱を爆破したなら、6時15分にマスカットタワ―にいないといけない…。」


小泉「でも、それが可能だった人間はいないのよ。」




澪田「ぽくぽくぽく…。マスカットタワ―の人には、唯吹がいる限り不可能なんすよね。」


弐大「ストロベリ―側の人間にも、本当に不可能なんか?」

七海「一応その点も考えてみよっか。」




左右田「6時あたりでは2つのハウスはすでに分断されていたはずだよな。」



狛枝「うん。その時間帯ではもう左右田クンと弐大クンは起きていたはずだから、
ファイナルデッドル―ムが封鎖されてないとおかしいね。」

狛枝「木の板を打ち付けるのは結構音が出るだろうから、ばれちゃうんじゃないかな。」



七海「そして、連絡エレベ―タ―も壊されていたよね。」

小泉「だから、ファイナルデッドル―ムからも連絡エレベ―タ―からもマスカットハウスに行くことができないんだよ。」


左右田「じゃあやっぱり、6時15分に柱を爆破しに行けた奴はいないんだな?」

小泉「今の情報の中では、多分そうだと思う。」




澪田「あのぉ~、少し気になったことがあるんすが…」

七海「何かな?」


澪田「今までの話だと、いつ柱が爆破されたのかがわからないんすが…」

小泉「えっと、それは…」




狛枝「恐らく、澪田さんも寝静まっている間じゃないかな。」

澪田「え?」


狛枝「あの柱は誰にも気づかれない時間帯に、こっそりと破壊されていたんだよ。」

澪田「う~ん…。寝ている間なら、気づかなくても仕方ないんすかね…。」


左右田「じゃあ、あの柱を壊した理由はなんだよ?」

狛枝「それはもちろん、田中クンの偽装工作だよ。」

狛枝「だってさっき、その件で疑いの目を自分からそらそうとしていたよね。」

田中「ぐっ!!」


澪田「じゃあ唯吹が聞いた、地響きの前の爆発音はなんだったんすか?」

狛枝「ただの気のせいじゃない?」

澪田「えぇ!?」




七海「狛枝くんは、やっぱり田中くんが犯人だと疑っているの?」

狛枝「当然でしょ。だって、そうとしか考えられないもん。」



小泉「う~ん…。じゃあ、あの目覚まし時計はなんだったの?」

狛枝「多分、本来は目覚ましが鳴った時に田中クンは部屋にいるつもりだったんじゃないかな。」

狛枝「小泉さんのように豪華な客室にいる人は、音が聞こえないということが重要なアリバイになるからね。」


狛枝「でも5時に犯行を終えたところ、弐大クンと左右田クンがだべっていたのが計算外で、
部屋に戻れずにそのまま時計が鳴ってしまったんだろうね。」




小泉「6時30分に設定したのはなんで?」

狛枝「地響きが大体6時から6時30分あたりで起こるとわかっていたんだろうね。」

狛枝「その音が怪しいから犯行時刻が6時くらいだと、皆が思ってくれることを期待していたんじゃないかな。」

狛枝「なら、6時30分あたりのアリバイが重要になるよね。」


狛枝「それに時計が鳴るのが夜更け過ぎると、最悪誰にも気づかれないかもしれないからね。」

弐大「ストロベリ―ハウスの人間は、ソニアの落ちた音すら聞こえんような人間じゃけぇのう。」

七海「まあ、ストロベリ―ハウスの皆の部屋は5階で、マスカットタワ―は1階にあるし、聞き逃すのも無理はないよ。」




左右田「つまり目覚ましの設定が6時30分ってのは、妥当な物なんだな?」

澪田「たしかに筋は通ってるっす!!」

七海「ソニアさんを2時間待たせた理由にもなっているかも…。」


弐大「じゃあやはり犯人は、田中か…。」

左右田「田中、てめぇ…!!」

田中「…」






小泉「ちょっと待って、みんな。」

七海「どうしたの?」


小泉「犯人を決めるのは少し早いよ。」

小泉「事件を最初からまとめて、矛盾が生じないかを確かめてみよう。」


狛枝「やれやれ。いつもならここで小泉さんが長々と語り始めるところだけど…」

狛枝「前座にこれ以上時間を割くのももったいないから、ボクのほうでサクッと終らせちゃうね。」


小泉「ちょ…」




~BGM:クライマックス推理(再現)~


狛枝「まず田中クンは、昨日みんながパ―ティをしている間にソニアさんの時計以外の5つの時計を狂わせた。」


狛枝「それで、めざまし時計を6時30分に設定したのもこの時だろうね。」


狛枝「で、みんなが寝静まっている間に、柱を倒して焦げ跡をつけておいた。」

狛枝「そうすれば、犯行時刻を誤認できると思ったのかな?」


狛枝「ファイナルデッドル―ムを封鎖したのも、このタイミングかな。」

狛枝「ここを調べられると、いろいろ不都合そうだしね。」




狛枝「そして、皆にとっては3時に、ソニアさんを手紙でマスカットタワ―に呼んだ。」


狛枝「しかしこの時はまだ田中クンは、マスカットタワ―には行っていなかったんだよ。」




澪田「あれあれ?ソニアちゃんはマスカットタワ―で、柱が倒れているのにも動じずに待っていたんすか?」


狛枝「忘れたの?澪田さん。ソニアさんはあれだけ他人を警戒していたにも関わらず、
差出人が田中クンである手紙1つでマスカットタワ―に行っちゃうような人なんだよ?」


狛枝「田中クンのしたことなら、どんなことでも甘んじて受け入れるんじゃないのかな?」


左右田「ソニアさんは相当不安定だったし、田中を相当信頼してたみて―だから、有り得ないことではなさそうだな…。」




狛枝「じゃ、事件のまとめを再開させるね。」



狛枝「2時間ほどソニアさんを待たせた後、5時にソニアさんに睡眠薬をかがせた。」


狛枝「そのあとストロベリ―タワ―に行き、ソニアさんをワイヤ―でくくり、ドアノブにひっかけた。」


狛枝「その後、マスカットタワ―に床を移動させ、ソニアさんを宙づりにした。」


狛枝「で、柱に血をつけ、血の付いたハンマ―も凶器として置いておいた。」


狛枝「これで、マスカットタワ―での偽装工作はすべて終了だよ。後はストロベリ―ハウスに帰るだけだね。」





左右田「ちょっと待てよ。帰るって、どうやって帰るんだ?」

狛枝「どういうこと?」



左右田「だってよ、ファイナルデッドル―ムは封鎖されているし、連絡エレベ―タ―も壊されてたんだろ?」

左右田「どうやってストロベリ―ハウスに帰るんだよ?」




狛枝「おそらく、連絡エレベ―タ―を壊したタイミングが問題かな?」

澪田「タイミングとは…?」


狛枝「マスカットタワ―での偽装工作を終えた時点では、まだ連絡エレベ―タ―のスイッチを壊していなかったんだよ。」

狛枝「で、ストロベリ―ハウスに帰るついでに、連絡エレベ―タ―のスイッチを壊しておけばいいんだよ。」


弐大「帰るついでに…?そんなことができるんか?」




狛枝「モノクマにやり方を教えてもらったよ。」



狛枝「まず連絡エレベ―タ―を呼んだ後に、マスカット側の連絡エレベ―タ―のスイッチを壊す。」

狛枝「モノクマによると、スイッチを壊しても1回だけ別のハウスに行けるらしいんだ。」


狛枝「で、ストロベリ―ハウスに戻った後に、ストロベリ―側のスイッチも壊す。」


七海「たしかにそれなら、帰る途中に連絡エレベ―タ―を壊しておけるんだね。」




狛枝「そして最後に、ストロベリ―タワ―のスイッチも壊しておいた。」


狛枝「予定ではこの後部屋に戻るつもりだったけど、左右田クンと弐大クンの存在により、戻ることができなかった。」


狛枝「だから、仕方なく音が鳴り響いた時に姿を現したんだよ。」




狛枝「ま、こんなところかな。じゃ、もう投票タイムに行こうよ。」

左右田「やっぱり、もう犯人は田中しかいねぇよ!!」

左右田「さっさとぶっ殺してやる…!!ソニアさんの仇だ!!」




小泉(確かに、有り得ると言えば有り得るかもしれないけど…)


小泉(かなり無理のあるトリックね…。このままだと、違和感だらけの推論じゃないかな…。)




小泉(何か…。何か、決定的な矛盾が、存在するんじゃないかな…?)




今日はこのくらいで。文字が多くてつらいっていう人は、雰囲気だけ楽しんでください。


乙です

田中じゃなくて安心した……田中じゃないよね?



再開



弐大「ん?よく考えたら、おかしくないか?」

小泉「え?」




弐大「確か田中は、5時にマスカットタワ―に向かったのじゃな?」


弐大「しかし、ワシと左右田は4時30分からラウンジにおったけん、
5時に自分の部屋を出たらワシらに気付かれるんじゃないかのう?」



狛枝「そんなの大した問題じゃないよ。だって自分の部屋じゃなくて、他のところに身をひそめていればいいんだもの。」


小泉「え?」




狛枝「たとえば、マスカットハウスのラウンジ…。」

狛枝「いや、あそこには5時に澪田さんがいるからダメか…。」


狛枝「そうでなくても、3階とか、1階とか、隠れられる場所はいくらでもあるよ。」

小泉「!!」




小泉(見つけた…。決定的な矛盾…!!)




小泉「狛枝…。やっぱりその推理はおかしい。」


狛枝「へぇ。小泉さんはボクの意見には賛成してくれないんだね。」

狛枝「どこがおかしいのかな?」


小泉「それを確認するためにも…」

小泉「ソニアちゃんを呼び寄せたあたりの推理を、もう1度言ってくれない?」


狛枝「はいはい。わかったよ。」

狛枝「キミが本当に希望の象徴なら、こんな謎くらい簡単に払いのけてくれるんだよね…。」


小泉「…」




PHASE8 議論開始!!



言弾:(>>5>>6>>7>>8


9.手紙(4時集合)

10.爆発音(6時15分)

11.地響き(6時15分)

12.澪田のアリバイ(5時~7時20分)

22.6つの時計

26.弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)

27.目覚まし時計(6時30分)





狛枝「田中クンは【昨日の9時から11時までの間に、時計を狂わせた。】」


狛枝「そして【11時から3時までの間に柱を倒し、ファイナルデッドル―ムを封鎖しておいた。】」


狛枝「【3時に、ソニアさんはマスカットタワ―にやって来た。】」


狛枝「で、田中クンは誰にもばれないように、【部屋の外で待機していたんだ。】」


狛枝「で、【5時にマスカットタワ―へ行き、極上の凶器を使った犯行に及んだ。】」


狛枝「それから【6時30分に時計が鳴るまで、部屋に帰れずにうろうろしていた。】」




澪田「何か問題あったっすか?」

左右田「かなり雑なトリックだが…。決定的に違うと言えるところなんてなくね―か…?」

弐大「ん~…。ワシにはさっぱりじゃが…」

七海「やっぱり、時間の関係かな?」


田中「…」





小泉(やっぱり…。この犯行は、田中には不可能だ!!そして、その部分とは…!!)





今回はかなり難しい可能性あり。


安価↓2(↓1が正解だったらそっちをとるかも)




不正解



狛枝「澪田さんはマスカットハウスの2階にいたんでしょ?」

澪田「1階の音まで拾える自信はないっすね…。」



小泉(しまった。間違えたみたいだ。)




小泉(もう1度考えよう。)


小泉(狛枝の証言には、“あるものを把握できること”を前提として話している箇所がある…。)

小泉(そして、田中が隠れられる場所では、それはできないはずなんだ!!)



安価↓1




不正解(惜しい)



狛枝「ん?時計がなくても、部屋の外で待機すること自体は可能だよ?」



小泉(しまった。間違えたみたいだ。)


小泉(でも、今ので確信できた!!打ち抜くべき場所は、あそこだ!!)



安価↓1




正解



【5時にマスカットタワ―へ行き、極上の凶器を使った犯行に及んだ。】←6つの時計



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!




小泉「やっぱり…。その推理には穴がある…。」


澪田「え?唯吹には全く分からなかったっす。」

弐大「一体、どこがおかしいんじゃあ?」




小泉「田中に、5時にマスカットタワ―に行くことなんてできるの?」


狛枝「えっと…。何か問題あるかな?」

澪田「眼蛇夢ちゃんは、他に何かやってたんすか?」

左右田「それとも、隠れる場所なんてないって言いたいのかよ?」


小泉「違う…。そういう問題じゃなくて…」






小泉「田中には、時間を把握することはできなかったはずなのよ!!」

弐大「なにぃ!?どういうことじゃあ!?」



小泉「思い出してみてよ。ドッキリハウスの中にある時計は、ラウンジと豪華な客室にある6つだけなんだよ?」

七海「そっか。他の場所に隠れていた場合、時間を確認することなんてできないね。」


小泉「だから、“5時にマスカットタワ―に行く”なんていう時間の把握が必須な行動は、
田中にはとることが不可能なんだよ!!」





七海「つまり…。今までの推理のどこかに、間違いがあるってことだね。」

左右田「マ、マジかよ…!!もう決まったって思ってたのに…!!」


狛枝「そもそも5時に行く必要なんかなくて、適当な時間にマスカットタワ―に行ければよかったんじゃないの?」


小泉「いや…。6時30分に設定された目覚まし時計や、
モノクマ太極拳に行かせないように時計を1時間狂わせたことを考えると、5時付近でないと偽装工作は成立しない…。」


狛枝「う~ん…。じゃあ、弐大クンみたいに田中クンが自分の腹時計を頼りにしたのなら、どう?」

小泉「それも、有り得ない。だって…」





1.田中は寝ぼすけ

2.田中は脳筋

3.田中は空腹




安価↓1





小泉「これで証明できる!!」解



小泉「田中はね、ソニアちゃんを気遣って、2日分の食料を全部ソニアちゃんにあげていたんだよ。」

小泉「つまり田中は、閉じ込められた日を含めて3日間何も食べていないんだよ。」


弐大「なるほどのう…。そんなに腹がへっとるんなら、腹時計がまともに機能するはずがないのう…。」

七海「こんなに時間に関するトリックを使うなら、腹ごしらえはきっちりしておくはずだもんね…。」


左右田「おいおい…。じゃあなんだ?田中は犯人じゃねぇって言いたいのかよ!?」

澪田「ここまで話し合ってきて、挫折っすか!?」




狛枝「まあたしかに小泉さんの話じゃあ、このトリックは使えなさそうだね。」

狛枝「でも、それ以外の選択肢はもうないんじゃない?」

田中「他の選択肢がない、だと…?」



狛枝「だって犯行時刻は、5時付近でしょ?」


狛枝「その時はすでにマスカットハウスに澪田さんがいたから、
マスカットハウスにいたボクと七海さんには、犯行は不可能だよね?」


左右田「たしかその時刻にラウンジ付近を通ると、澪田に気付かれちまうんだよな…。」


澪田「唯吹なら、粗末な部屋にいた凪斗ちゃんの息遣いまで判別可能っす!!」

狛枝「粗末な部屋は、隙間風がヒュ~ヒュ~吹いていたからね…。」

弐大「それにしても、恐ろしいのう。その聴力は…」




田中「待て。その話には、穴があるぞ。」

小泉「え?穴って?」



小泉(自分に優勢になったから、田中も話し始めたのかな…?)



田中「確かに澪田に気付かれるので、狛枝には犯行は不可能かもな。」

田中「しかし七海は、豪華な客室にいたのだろう?」

田中「なら、最初から部屋にいなくても澪田には気付かれないのではないか?」


左右田「つまり、何が言いたいんだよ?」

小泉「多分千秋ちゃんが、5時前から部屋以外のところに隠れていた可能性について言及してるんじゃないかな。」




七海「こらこら。ポ―トピアじゃあるまいし、まさかそんなどんでん返しはないよ…。」


狛枝「どっちにしろ無理だよね。」


狛枝「だって7時30分にモノクマ太極拳へ行く時、
七海さんが自分の部屋から出てくるのをボクと澪田さんは確かに目撃しているよ。」


弐大「それなら、七海も容疑から外していいのう…。」





狛枝「じゃあ、ストロベリ―ハウスの人たちについて考えようか。」


狛枝「5時くらいに田中クン以外の3人には、アリバイがあったはずだよ。」


左右田「確かにな…。小泉が6時40分に部屋から出てくるところを目撃してるし、
4時30分から6時40分までオレと弐大はラウンジにいたからな…。」



弐大「単独行動をした20分の間に、小泉が帰ってきた可能性はないのかのう?」

小泉「え?アタシ!?」


左右田「いや…。オレは弐大がトイレにこもっている間、ラウンジにいたからな…。」

左右田「やっぱり小泉にも、犯行は不可能だぜ…。」





狛枝「ね?犯行時刻が5時ならば、犯行は田中クンにしかできないんだよ。」

七海「う~ん…。」


狛枝「やっぱり、腹時計を頼りにしたんじゃない?難しいかもしれないけど、不可能じゃないかもよ。」


澪田「もう、他の選択肢もなさそうっすね…。」

弐大「う~む、ワシの頭じゃあ、これが限界か…。」

左右田「田中…。やっぱりてめぇが犯人なんだな…。いい加減に、白状しやがれ…!!」

田中「…」




小泉「…」



小泉(確かに、有り得なくはない…。でも、本当にこれでいいの?)



小泉(なにか、見落としている事実は存在しないの…?)





澪田「あれれ?」


小泉「?どうしたの、唯吹ちゃん。」


澪田「そもそもなんで、犯行時刻は5時っていうことになったんだっけ?」




小泉「それは…。6時15分に地響きが鳴ったから、睡眠薬の効果の時間から逆算して、5時あたりっていう話に…」







小泉「!!」



小泉「あ…。」


狛枝「どうしたの、小泉さん。もしかして、何かに気付いたの?」



小泉「もしかして…。アタシたちは最初っから、大きな勘違いをしていたのかもしれない…!!」


弐大「な、なんじゃとぉ!?」

澪田「それも、最初からっすか!?」




左右田「な、なんだよ!?なにを勘違いしてるっていうんだよ!?」


小泉「そのことを確認するためには、ソニアちゃんが3時にマスカットタワ―に来てから、
6時15分に落下したところまでのまとめをしないといけない…。」


七海「小泉さんは、そこに何かがあると言いたいんだね…。」

七海「わかったよ。じゃ、みんなでまとめてみよっか。」


田中「…」




PHASE9 議論開始!!



言弾: (>>5>>6>>7>>8


7.柱と焦げた跡

10.爆発音(6時15分)

16.ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)




七海「え―っと、まずは【差出人が田中くんの手紙を見て】…」

七海「ソニアさんは、【3時にマスカットタワ―に来た】んだったね。」


弐大「そして、実際に田中が来る5時まで【2時間待っていた】んだったのう。」


左右田「そして、【5時に眠らされて】…」

左右田「【宙づりにされた】んだったな。」


澪田「それから、6時15分までの約1時間…」

澪田「まるで【死んでいた】かのように、眠ってたんすよね…。」


狛枝「そして、[6時15分に目を覚まし、驚いた拍子で落下してしまった]。」

狛枝「なにもおかしいところはないよ?」


小泉「そもそも、なんで眠らせなくちゃいけないんだっけ?」

左右田「そんなもん、決まってんだろ!!」

左右田「【睡眠状態じゃねぇと、マスカットタワ―のセンサ―が反応しちまうじゃねぇか!!】」


澪田「ちょっと待つっす!!よく考えたら…!!」

澪田「[睡眠薬をガバッと飲ませれば、1時間以上眠らせられる]んじゃないっすか!?」

弐大「“ガバッ”ていうのは、どのくらいなんじゃあ…?」

澪田「もちろん、ガバッとくらいっすよ!!」

弐大「なるほどのう…。」

左右田「納得すんのかよ!!」


七海「でも確かに、[睡眠薬の他に眠らせる方法があった]のかも…。」

澪田「そもそもあの地響きは、[ソニアちゃんが落下した音じゃなかった]りして!!」

弐大「いや、[澪田が地響きを聞いた時だけ時計がさらに狂わされていた]のかもしれん…。」

狛枝「それで捜査の時に、他の時計と合わせたと。少し無理があるかな。」


狛枝「で、小泉さんはどこに盲点があると言いたいのかな?」

田中「…」



小泉(あの子の言葉を聞いて確信した…!!やっぱり、間違いない!!)




今日はこれで終了。

フェイズ9の安価をとるのは明日になると思います。

明日1がこのスレを見た時点で答えが出てた場合、フェイズ9をブレイクした状態でスタ―トします。




今日の再開は9時からで。




再開




【睡眠状態じゃねぇと、マスカットタワ―のセンサ―が反応しちまうじゃねぇか!!】←死んでいた



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破




BREAK!!




小泉「センサ―が反応しないために、眠らせなければいけない…」



小泉「その前提が、間違っていたんだよ…!!」

左右田「は、はぁ!?眠ってもいないで、どうやってセンサ―をのがれるんだよ!?」





小泉「ソニアちゃんを眠らせないでも、センサ―をかいくぐる方法はある…。」


狛枝「へえ。そんな方法存在するのかな?」

狛枝「タワ―内に起きている人がいたら、例外なくセンサ―は反応しちゃうんだよ?」

狛枝「間違いないよね、モノクマ。」


モノクマ「はい、間違いありません!!起きている人がいれば、息を止めた状態でもセンサ―に反応しちゃいます!!」

狛枝「じゃあやっぱり、ソニアさんを眠らせもしないで極上の凶器を使うことは不可能だよ。」





小泉「死んでいたら?」


狛枝「ん?」




小泉「極上の凶器を使う前から、ソニアちゃんが死んでいたとしたら?」



澪田「ど、どういうことっすか? 真昼ちゃんは、極上の凶器は使われなかったと言いたいんすか?」

小泉「そういう意味じゃない。極上の凶器は間違いなく使われたんだ。」

弐大「んん?極上の凶器は使われたのに、それを使う前からソニアは死んでいた?小泉は何が言いたいんじゃあ?」




小泉「センサ―に感知されない状態は、睡眠状態だけじゃない。」




小泉「“死んでいる状態”でも、センサ―は反応しないはずだよ!!」


左右田「い、意味がわかんねぇよ!!もっとわかりやすく言ってくれよ!!」





小泉「つまり、ソニアちゃんの死因は落下死じゃなかった…。」

小泉「ソニアちゃんは極上の凶器を使用される前に、別の方法で殺されていたんだよ!!」


弐大「な、な…」



弐大「何じゃとぉおおおおおおおおお!!!!?」




七海「そっか…。センサ―から逃れる為に犯人は…」

七海「ソニアさんを眠らせるという行為のかわりに、ソニアさんを殺すという行為をとったんだね。」

七海「それなら確かに、ソニアさんを眠らせる必要なんかないね。」




澪田「要するに犯人は、死んでいるソニアちゃんを宙づりにして、さらに追い打ちをかけるように落下させたんすか!?」

左右田「な、なんて無慈悲なことをしやがる!!」

弐大「死人に対する冒涜ともいえそうじゃのう…!!犯人は、そこまでソニアのことを憎んでいたんか!?」


小泉「いや…。憎いからこんなことをしたんじゃないと思う。恐らくこれも、偽装工作の一環なんだよ。」

左右田「じゃ、じゃあ死んだ状態で落下させるのって、何の意味があんだよ!?」

小泉「状況を整理してみれば、わかるはず…!!」




PHASE10 ロジカルダイブ開始!!



小泉(あ…。今回は2回あるんだ…。まぁ、たまにはこんなことがあってもいいのかな…。)


狛枝「シャッタ―チャンス(紐パンチラ)!!」パシャッ


小泉「!?」






Q.1 ソニアの死亡時刻は?

赤:3時付近 青:5時付近 黄:6時15分付近


Q.2 ソニアを殺した凶器は?

赤:ハンマ― 青:柱 黄:毒


Q.3 ソニアを落下させた理由に含まれないのは?

赤:犯行時刻の誤認 青:致命傷の誤認 黄:犯行現場の誤認



安価↓1





う~ん。ほとんど違います。

もう1度考えてみてください。


安価↓1



狛枝を腹パンするのは正解といえるので、正解ということにしておきましょう。



赤‐赤‐黄




小泉「推理はつながったわ!!」



COMPLETE!!




小泉「わざわざ死体を落下させたのは…」

小泉「当然、犯行時刻の誤認が目的だよ!!」


田中「犯行時刻の誤認…だと!?」




小泉「だって、『眠らせていたなら犯行時刻は5時しかない』って、今の今までずっと思っていたでしょ?」

七海「そっか。そうして、5時にアリバイのない田中くんに罪を着せることこそが、真犯人の目的だったんだね…。」


弐大「ちょ、ちょっと待たんかい!!じゃあ、ソニアはいつ殺されたんじゃ!?」

弐大「そもそも、本当の死因は何だったんじゃ!?」





小泉「今の推理が正しいなら、ソニアちゃんは手紙で呼び出された3時に既に殺されていたはずだよ…。」



小泉「そして、凶器は…」

小泉「考えられるのは、ハンマ―しかない。」

左右田「ええ!?やっぱり凶器はハンマ―だったのかよ!?」



澪田「毒殺とかはないんすか?」

小泉「いや、それはないよ。だって…」




1.モノクマファイル[4]

2.毒の容器がない

3.毒を使われた形跡がない

4.ファイナルデッドル―ムの毒が減っていなかった



安価↓1





不正解


小泉「毒殺に使った容器は見つかっていないんだよ。」

澪田「う~ん…。唯吹って、ドッキリハウスの中を全部調べたわけじゃないから、納得いかないっす。」

小泉「そ、そっか…」


小泉(もっと確実に、毒殺じゃないことを証明する方法がある…。)


安価↓1



正解


小泉「そっか…!!」解

小泉「忘れがちだけど、今回のモノクマファイルにはちゃんと致命傷は明記されているんだよ。」




モノクマファイル[4]

『被害者:ソニア ネヴァ―マインド。“致命傷は、頭部の傷”。
頭部に強烈な衝撃を与えられている。頭部以外にも、体中を損傷している。』





左右田「そうか…。頭部に強烈な衝撃を与えられているとは書いてあるけど…」

左右田「その『強い衝撃』が『致命傷』とは一言も書かれてねぇな…。」


七海「つまり落下させた理由には、致命傷を誤認させる目的もあったんだね…。」

七海「死体を落下させれば、ハンマ―で付けた頭の傷を覆い隠すことができるもんね。」


狛枝「…」






狛枝「ちぇっ、気づいちゃったか。やっぱり小泉さんは、一筋縄じゃいかないね。」


小泉「…アンタに言われたくないわ…。」




小泉(本当に…。こいつ、何を考えてんのよ…!!今回は、一段と不気味だわ…!!)





狛枝「で、犯行時刻が実は3時くらいだって可能性があるんだよね。」

狛枝「その場合、ここにいる全員のアリバイが崩されるわけだけど…」


狛枝「だからって、犯人を特定できるのかな?」

小泉「え…?」



狛枝「3時あたりは、みんな寝静まっていたはずだよ。その間の手がかりなんて、1つもなかったはずだけど。」




小泉「今のところは犯人が、ファイナルデッドル―ムをクリアしていることと、
田中が時計を狂わせたことを知っていたことしかわかってないけど…」


弐大「うん?その言いぐさ…。小泉は、田中が犯人じゃないと言いたいんか?」


小泉「だって…。偽装工作は、3時の時点で終了していたはずよ。」

小泉「田中が犯人なら、さっさと自分の部屋に戻るはずだよ。弐大も寝静まっている間にね。」


七海「犯人はおそらく、5時あたりのアリバイを固めているはずだよ。」

左右田「そ、それって、田中以外の全員じゃねぇか!!」






澪田「ちょっと待つっす!!じゃあ、なんで眼蛇夢ちゃんは時計を狂わせたんすか?」

小泉「それは…」



小泉「本人に聞くしかないわね。」


田中「…」




小泉「疑いが晴れたっていうのに、まだ言いたくないの…?」


田中「ふん…。どちらにせよ、俺様の目論みは見事に玉砕された…。」

田中「今さらそれを白状しようが、なにも変わりはせん…。」

小泉「玉砕された…?アンタの計画は、失敗だったっていうの…!?」


田中「それに、俺様の計画は事件にはさほど関係しているとは思えんぞ…。」

田中「本当に、言う必要があるのか…?」


小泉「…」




小泉「確かに、関係ないかもしれない…。」


小泉「じゃあ…アタシがアンタの目的を当てたら、白状するのでどう?」

田中「…」


田中「やってみろ…。貴様のような凡人に、そのようなことができるのならな…。」


澪田「真昼ちゃんにはわかるんすか!?」

左右田「そりゃあお前、お母さんは息子のことを何でも知って」



バゴォッ!!



左右田「しまった…。オレ、小泉の横だった…。」



小泉「みんなの時間を1時間ずらす…。そんなことをした理由は…」





1.モノクマ太極拳

2.殺害時刻の誤認

3.時間稼ぎ



安価↓1





不正解


七海「時間稼ぎ?何の?」


小泉「…えっと……」


狛枝「もう少しよく考えてよ。」



小泉(怒られちゃった…。)


小泉(あれ?これ、どこかのコピペだったりする…?)


安価↓1



不正解


澪田「え?殺害時刻の誤認?真昼ちゃんって、眼蛇夢ちゃんが犯人じゃないことを前提として話してるっすよね?」

弐大「ま、まさか、田中は共犯者といいたいんか!?」

七海「いや、共犯者がいた場合、アナウンスは流れないはずだから。」

左右田「じゃあ違うな…。」




小泉(…いい案だと思ったんだけどな~。)



安価↓1





小泉「これで証明できる!!」解



小泉「やっぱり…。モノクマ太極拳しかないね…。」

弐大「なにぃ!?それじゃあやっぱり、田中が犯人なのか!?」

小泉「そうじゃない。そもそも田中は、マスカットタワ―で事件が起きていることなんて知らなかったんじゃないかな。」


小泉「事件とは別の目的で、マスカットタワ―に用があったんだよ。」

澪田「事件とは別の目的…?なんすか、それ?」

小泉「それは多分…」




1.モノクマ太極拳を1人だけ極める

2.モノクマと勝負する

3.展示されたみんなのパンツを鑑賞



安価↓1






ま、まさかの秒殺だと…!?みんな、3を選んでくれると思ったのに。


正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「おそらく、1人でモノクマと戦うことじゃない?」

狛枝「やれやれ…。言ってることの意味が分からないよ。」




田中「な、なにを、い、言っている。そんな、ば、馬鹿な、は、話が…」


澪田「あれ?眼蛇夢ちゃんが、予想外にうろたえているっすよ?」

小泉「もちろん、モノクマと戦うことに何か意味があるからだよ…。」


田中「き、貴様…!!あまり俺様を落胆させるなよ…!!」

田中「貴様の言っていることは見当違いも甚だしい!!地獄の業火に焼かれろ!!」





小泉(確かに…。田中の性格から考えて、こんなことを自分から言い出せるわけがない…。)


小泉(でも、真相を暴くには…。ソニアちゃんの死の原因を探るためには…!!)


小泉(田中の目的を知ることは、重要になってくるかもしれない…!!)






PHASE11 パニックト―クアクション(VS田中)開始!!


              「貴様は勘違いをしている!!」


  「田中キングダムに栄光あれ!!」


                     「俺をあまり怒らせるなよ…!!」


「だ~い好きなのは~!!」


            「ひ~まわりの種~!!」


                 「森羅万象、三千世界の悉くを…」


  「俺に、何をした…!?」


           「普通の友人募集中!!」




「【モノクマと戦うだと!?そんな理由など、あるわけがない!!】」








             【△】
            超高校級の


【□】大花火!!              魔術師、【○】


             最期の
            【×】




安価↓1





タイトル通り
心の声どしたの?





超高校級の魔術師、最期の大花火!!


小泉「これで終わりよ!!」



BREAK!!





小泉「確かドッキリハウスから出してもらう条件は、『コロシアイが起きること』だったよね。」

七海「うん、間違いないよ。」




小泉「でもそれって、『生徒同士で』とは明言されていなかったよね…。」

弐大「む…!!ということは…!!」


小泉「多分田中は、モノクマとコロシアイをするつもりだったんじゃないかな?」

小泉「それを交渉材料にして、みんなをドッキリハウスから出そうと考えていたんじゃないかな?」


小泉「だとしたら、田中がファイナルデッドル―ムをクリアした理由もわかる。」

小泉「おそらく、モノクマと対抗できる武器がないかを調べていたんだね…。」




左右田「ちょっと待てよ、モノクマへの暴力は校則違反だろ!?」

左右田「そんなこじつけのような理屈で、“コロシアイ”だってモノクマに認められていたのかよ!?」


狛枝「まあ、自殺するための口実としては十分かもしれないけどね。」


七海「それに、ジェットコ―スタ―でもらった資料に同じようなことをしている人が載っていたからね。
それを参考にしたんじゃないかな?」


澪田「たしか、大神っていう人だっけ?」

弐大「戦うべき相手は常にモノクマだけ。それはドッキリハウスに閉じ込められていても変わらない。」

弐大「そう判断し、大神という奴と同じように、モノクマと決闘をする決心をしたわけか…!!」




左右田「じゃ、じゃあ、時間をずらして皆をモノクマ太極拳に来させなかったのは…」

七海「みんなを危険な目にあわせないためだね…。」


澪田「な、なんすかそれ!?つまり眼蛇夢ちゃんは、自分を犠牲にしてみんなを助けようとしたんすか!?」




小泉(おそらく、主にソニアちゃんを助けたかったんだろうな…。)


小泉(あんなに取り乱したソニアちゃんを、安心させるために…)






田中「…」



田中「それは違うな…。」


小泉「え?」



田中「俺様は、悪の道化師…。貴様らの犠牲になる気など、さらさらない…。」


田中「ただ、食料がなくなろうとしている状況で…」

田中「なすすべもなく死にゆこうとする貴様らを見ていると、虫唾が走っただけだ…。」


田中「生きることを諦め死を享受するなど、それは生に対する冒涜だ…。」





田中「それに、俺様はマスカットタワ―に死ににいったのではない。」


田中「あのふざけた顔をした気にくわないモノクマを殺し、さっさとハウスから脱出する予定だったのだ!!」


田中「分かっただろう!!俺様は常に俺様のために動いているだけだ!!」

田中「貴様らの自意識過剰加減にも、呆れを通り越して哀れにすら思えてくるぞ!!」


弐大「ふん…。あくまで悪を貫き通すか…。見事だ!!」






田中「それにも関わらず…。先に事件が起きてしまったな…。」


田中「あともう少し早く行動に移していれば、無駄な犠牲者は…」


田中「…」




小泉「田中…。」




モノクマ「うぷぷぷぷぷ…。田中クンの計画は、方針としては間違っていなかったかもね。」

モノクマ「先人の教訓を参考にすることはいいことですよ。」


モノクマ「実際前回の殺し合いでは、
大神さんが校則違反を行うことで、前回の黒幕に一矢報いることができたんだから。」



モノクマ「正直、田中クンの飼っているハムスタ―って苦手でさ。」


モノクマ「クロ―ズドサ―クルだからモノケモノも呼べないし、
校則違反をされてもオシオキができたかどうか不安だったんだよ。」







モノクマ「ま、事件が起きちゃった今となってはどうでもいい話だけどね!!」



モノクマ「死ぬ覚悟のある人間が生き永らえ、死ぬ覚悟のない人間が理不尽に殺される…。」



モノクマ「これって言うなれば、最期の大花火が不発だった花火大会のような不完全燃焼だよね!!」





モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!
結局オマエラは、ボクの手のひらの上で踊らされて、殺し合いながら絶望することしかできない雑魚キャラなんだよ!!」




小泉「くっ…!!アンタは黙ってなさいよ!!」


七海「うん。モノクマの言葉に惑わされちゃいけないよ。」


左右田「ソニアさんを殺したクロを突き止めんのが、先だからな…。」





今日はこの程度で。


あれ?狛枝がカメラを持っている描写なんてあったかな?

どこの部分か指摘してくれるとうれしいです。

カメラを持っていた場合は、ミスです。


FDRからの景色を撮ってなかったっけ。
武器庫にあったカメラで。



>>233


FDRからの景色をとったカメラは、小泉がいつも肩から下げているカメラです。


もしも3を選んでたら?

いや、本編で撮ってなかったっけ。
小泉のカメラでヒモパン撮ったの?



>>237

ロジカルダイブでの紐パン激写はギャグなんで。

本編ではFDRのカメラをそのまま裁判場に持っていったんでしょうね。



>>236 もし3を選んでいたら



小泉「これで証明できる!!」解



小泉「田中は、展示されたみんなのパンツを鑑賞するつもりだったんだよ!?」


田中「ファッ!?」

左右田「小泉まで疑問形じゃねぇか!!」


澪田「なるほど…!!ここに、新たなパンツハンタ―の誕生っすね!!」

弐大「う、うむぅ…。他人に見られるとなると、恥ずかしいのう…//」


田中「ちょ、ちょっと待て、何か、変だ…」

日向『ようこそ、パンハンの世界へ。』

田中「!?」



小泉(…なんとなくだけど、田中との希望のカケラが全部崩壊したような気がする。)









今日もやはり遅れます。9時くらいにお願いします。




再開



狛枝「なるほどね。」

狛枝「じゃあ犯人は、田中クンが1人でモノクマ太極拳に行くことを利用して、田中クンに罪を被せようとした…」





狛枝「と、小泉さんは言いたいんだね。」


小泉「え?な、なによ。なにかおかしいところでもあるっていうの…?」

狛枝「う~ん。おかしいところ、ねぇ。」





狛枝「ありすぎて困るくらいだね…!!」



弐大「な、なんじゃと!?」

小泉「な、何がおかしいのよ!!」


狛枝「そもそも、田中クンに5時のアリバイがなかったのは偶然だよ?」

狛枝「どうやって都合よく、田中クンに罪をなすりつけるのさ?」

七海「偶然…?」




狛枝「小泉さんの推理が正しいと仮定すれば、
田中クンがマスカットタワ―に行った時刻は、弐大クンに見つからない4時以前ということになる。」


狛枝「で、ストロベリ―ハウスの1階でマスカットハウスに行けずに、
目覚ましが鳴った6時30分までうろうろしていたことになるけど…」




狛枝「うろうろしている間に田中クンが挫折して、自分の部屋に戻ってくるかもしれないよ?」

狛枝「戻ってくる時刻が4時よりも前だった場合、5時の田中クンのアリバイを消すことは不可能だよ。」



澪田「猫丸ちゃんも寝ている4時前に、眼蛇夢ちゃんに自室に戻られると、
目覚ましの音が眼蛇夢ちゃんには聞こえないんすよね。」


弐大「だから、小泉のアリバイと同等のアリバイを獲得できるんじゃのう。」




狛枝「だいたい、弐大クンを無視して5時以降にマスカットタワ―に行くことだって、有り得るんじゃないかな?」

狛枝「その場合もやはり、5時のアリバイを田中クンに確保されちゃうんだよ?」


左右田「5時以降に部屋を出るところを目撃された場合、その時刻までは自室にいたと認められてしまうもんな…。」




澪田「言われてみれば、確かにそうっす!!」

澪田「眼蛇夢ちゃんがモノクマ太極拳に行くことを知っていても、罪をなすりつけることなんてできないっすよ!?」


小泉「え、えっと。それは…」


狛枝「それに、ソニアさんを死んだ状態で吊ったなら、どうやってソニアさんは落下したの?」

狛枝「死んでいた場合は、落ちるきっかけがないんじゃない?」

左右田「た、確かにな…。『びっくりして体をうごかした』なんて、生きていないとできないことじゃねぇか…?」


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ…。そんなにいっぺんに聞かれても…」




狛枝「分かった?小泉さんの推理は穴ぼこだらけなんだよ。」

狛枝「これじゃあ、ボクの推理のほうがまだマシだね。」

弐大「た、確かに…。じゃ、じゃあ、真実はいったいどれなんじゃあ!?」


小泉「ま、待ってよ!!考える時間!!考える時間をちょうだい…!!」

狛枝「はぁ~あ…。よくもまあ、そんな理屈で押し切ろうとしたもんだね。それでも希望の象徴なのかな?」





小泉(くぅ…!!狛枝の声が邪魔で、全然集中して考えられない…!!)



小泉(なんなのよ…!?なんで今回の狛枝は、こんなに邪魔をしてくるの…!?)





小泉「…」


狛枝「なにも反論はできないようだね…。じゃ、小泉さんはさっきの推理を引っ込めるのかな?」

狛枝「じゃあ、やっぱり田中クンが犯人だ。」


小泉「え…!?だ、だから、待ってって言ってるじゃない…!!」


狛枝「ま、反論できなくても仕方ないよね。」

狛枝「だって、犯人は田中クンしかいないし…」





田中「違うな。」


狛枝「…?」



田中「ふん、聞こえなかったとは言わせんぞ…。」


田中「小泉の推理に、穴はないと言っているのだ!!」



小泉「た、田中!?」




狛枝「どうしたのかな…?もしかして、助かりたくて必死とか?」

狛枝「見苦しい悪あがきなら、やめておいた方がいいんじゃないかな?」


田中「まぁ、貴様がそう思っても無理はないのかもな…。」


田中「しかし俺様は、貴様らが知らない事実を知っている…!!」


澪田「し、知らない事実!?なんかそれっぽい!!」



田中「そして、犯人の目星もついた!!」


小泉「え…!?」




田中「もちろん俺様は、小泉とは違い優秀に話をまとめることなどできん。」

田中「だから小泉、やってくれるよな?」

田中「先刻のようにな…!!」

小泉「…」


小泉「うん、わかった…。」

小泉「じゃあ、教えてくれる?田中が知っている事実って、何かな?」




田中「ふん。1度しか言わんぞ…。」


田中「俺様がマスカットタワ―へ出陣したのは、6時10分くらいのことだ。」

田中「そして1階に行くまで、誰とも会っていない。」


小泉「6時10分…?4時よりもずっと後じゃない!!」




小泉(でも…。それがわかったところで、アタシの推理は完成するの?そもそも、そこから犯人なんて割り出せるの…?)




田中「俺様の言ったことが信用に足る物の場合、小泉の推理の穴はすべて埋まる…!!」

小泉「え!?」

左右田「ホントかよ!?」

狛枝「ふうん。やけに断言するね?それだけの理由があるんだろうね…。」




小泉(…)


小泉(田中は6時10分に出かけた…。6時10分って、“あの時間”と被っているんじゃないかな…?)


小泉(なら、最初の謎を解明できるかも…!!)




左右田「で…。田中の証言から、狛枝の反論にどうこたえるんだよ?」

小泉「まず、田中の5時のアリバイを消す方法からいこっか…。」


小泉「これはそもそも、田中の行動パタ―ンを読めばできないことじゃないんだよ。」

澪田「そうなんっすか?それって、具体的にどんな方法なんすか?」


小泉「田中はね、何か行事があるときには決まって“ある行動”をとるんだよ。」

弐大「ある行動じゃと…?」

小泉「それは…」





PHASE12 閃きアナグラム(改)開始!!



1○ふ○○○こ○ど○



安価↓1




10ふんかんのくうはく



どうしよう…一応もう1回安価とります。

安価↓1



15ふんまえこうどう



小泉「よし、わかった!!」



小泉「田中はね、行事が開催される15分前に、集合場所に集合するんだよ。」


弐大「そう言えば…。確かにモノクマ太極拳に来るのも、きっちり15分前じゃったな!!」


七海「そしてさっきの証言も、6時10分に出発したって言ってたし…」

七海「マスカットタワ―に到着するのは、6時15分くらいになるんじゃないかな。」

左右田「え―と、6時15分はモノクマ太極拳がある6時30分の15分前だな…。」




澪田「で、それがどうかしたんすか?」


小泉「犯人の目的は田中に罪を被せること…。」

小泉「なら、田中がマスカットタワ―に向かうところを誰にも目撃させなければいいのよ!!」



小泉「そして、田中が人知れずマスカットタワ―にへ去って行った後に、目覚まし時計を鳴らす。」

小泉「その音に田中が駆け付けたなら、田中は6時30分前から部屋の外にいたことを印象付けられる。」

小泉「その音に駆け付けなくても、田中の部屋を訪問して田中が部屋にいないことをやはり証明できる。」




狛枝「そんなことできるのかな?」

狛枝「だって弐大クンと左右田クンは4時30分から目覚ましの鳴る6時30分までずっとラウンジにいたんでしょ?」

狛枝「なら、田中クンが6時10分あたりにラウンジを横切るのに気付かないなんて、有り得ないと思わない?」




小泉(いや、可能だ。だって6時10分は、ある時間と被っている。それは…)




1.左右田と弐大のアリバイのある時間

2.ソニアがつられていた時間

3.空白の時間


安価↓1




小泉「これで証明できる!!」解



小泉「忘れたの?6時10分は、6時から6時20分の間にある、左右田と弐大が単独行動をとっていた時間じゃない!!」



澪田「ええっと…。つまり犯人は、
眼蛇夢ちゃんが6時あたりでマスカットタワ―に向かうことを予測して、6時あたりの空白の時間を作ったわけっすか?」




左右田「有り得ないわけじゃなさそうだけどよ…。」

左右田「田中が本当に15分前行動をとるかはわかんねぇんじゃねぇか?」

左右田「気分を変えて1時間前に行動、なんてされていたらこの計画は破綻しねぇか?」


小泉「確かに綱渡りのような計画だけど…成功率はかなり高かったと思う。」

小泉「そもそも田中の性格からして、1時間も2時間もマスカットタワ―で待つとは考えにくいんだよ。」


弐大「そうじゃのう。田中は名目上、モノクマと戦うつもりだったんじゃあ。」

弐大「そんな戦士が、マスカットタワ―のような寒くて体力の温存もできんようなところで待機するとは思えんのう。」




澪田「何事にも全力でかかるってことっすね!!」

澪田「じゃあ、やっぱり空白の20分は意図的につくられたんすね?」

七海「しかもそれができるのって、ストロベリ―ハウスにいた3人だけだね。」


田中「いや、1人だけだ。」

小泉「え!?」

弐大「何じゃとお!?」




田中「その理由は、空白の時間を作った方法にある。」


田中「何よりそいつは先刻、失言をしているからな…!!」


左右田「失言…?」

小泉「ア、アタシはそんなの、してないわよ!?」

狛枝「2章のことでも思い出した?」





弐大「ちょ、ちょっと待たんかい!!あの空白の20分をつくる方法じゃと!?」

弐大「そんな方法があるとはとても思えんぞ!!」


弐大「そもそも空白の時間は、ワシが腹を壊したからこそ生まれたんじゃぞ!?」

弐大「ワシが腹を壊したのは、偶然じゃろう!?」


田中「それを、必然的に起こす方法がある…。」

田中「その方法…。ファイナルデッドル―ムをクリアした小泉なら、わかるだろう?」


小泉(意図的に空白の20分を作る方法…?)



小泉(あっ…!!)


小泉「そっか…!!まちがいなく、あれを使ったんだ…!!」




1.仮病

2.爆弾

3.血のり

4.さまざまな薬品



安価↓1




小泉「そっか…!!」解



小泉「犯人が空白の時間を作るために使ったもの…。」

小泉「それは、ファイナルデッドル―ムにあった下剤だよ!!」


弐大「何じゃとお!?じゃあ、ワシは知らんうちに下剤を盛られとったんか!?」





小泉「そして、それが分かれば…」



小泉「おのずと、犯人も絞れてくるはず…。」


狛枝「へぇ。誰かな?一応、聞いておこっかな。」



怪しい人物を指名しろ



安価↓1







小泉「弐大に下剤を盛れた人間なんて、1人しかいないよ…。」

澪田「そ、それってもしかして…!!」

田中「ああ。それは…」


田中「左右田和一…貴様だ!!」


左右田「…」



左右田「へ?オレ!?」


小泉「…」




田中「左右田。俺様がマスカットタワ―に向かう頃合を見計らって、貴様は弐大に下剤を盛ったのではないか?」

左右田「は、はぁ!?なんだよそれ!?そんなのオレ知らねえからな!!」


澪田「そ、そもそも下剤なんて、どうやって飲ませるんすか?」

弐大「た、確かに…。下剤を飲めと言われて素直に飲む人間などおらんはずじゃあ…。」




小泉(いや…それを簡単にできる方法があるはず…!!)




PHASE13 議論開始!!



言弾:(>>5>>6>>7>>8


15.マスカットハウスの人間の持ち物

26.弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)

29.空白の20分(6時~6時20分)

20.ストロベリ―ハウスの人間の持ち物




左右田「オレが弐大に下剤を盛った!?適当なこと言うんじゃねぇ!!」

左右田「大体、どうやって弐大に下剤を盛るんだよ!?」


澪田「う~ん…。[嫌がる猫丸ちゃんに、無理やり飲ませた]とか…」

七海「あの弐大くんに無理やり飲ませられる人なんているのかな?」

狛枝「腕っぷしの強さで弐大クンに勝てる人なんていないよ。」


田中「【食料に盛った】としたらどうだ?」


澪田「それってつまり、猫丸ちゃんの隙を狙って[猫丸ちゃんの食料に下剤をぶっかけた]ってことっすか?」

弐大「否!!今日の朝は飯から目を離さんかったし、【隙を狙われるほどワシはヤワじゃない】わい!!」


七海「で?可能性はそれだけかな?」


弐大「う~む。逆に、[自分自身の食料に下剤を仕込む]っていう手もあるかもしれんのう。」

左右田「それじゃあオレ自身が腹を下すだろうが!!」


澪田「それかいっそ、[下剤を気化させてから吸い込ませる]とか!!」

澪田「確か、2回目の裁判でもこんな展開があったっす!!」

左右田「そんなことできね―よ!!」


左右田「結局、[田中の言っていることが間違い]なんだよ!!」




小泉(落ち着いて考えれば…。下剤を弐大が摂取した経緯もわかるはず…。)



安価↓1





これは…安価↓1でやり直し。

[自分自身の食料に下剤を仕込む]に26.弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)

ストロベリ―ハウスの人間の持ち物 →[自分自身の食料に下剤を仕込む]
ペットボトルの水に仕込んだ



とりあえず>>287に答えが出てるんで、287をとります。

>>288は惜しいですが、自分の食糧を”相手に渡す”という点が足りないのです。




[自分自身の食料に下剤を仕込む]←弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)



小泉「その意見にフレ―ムインね!!」同意



BREAK!!




小泉「自分自身の食料に、予め下剤を仕込んでいたらどう?」

小泉「そうだとしたら、弐大は下剤を盛られていることに気付かないよね?」



澪田「う~んと。確かに気付かないかもしれないっすけど、
自分の物に仕込んだとしても、猫丸ちゃんがそれを食べない限り下剤を盛れないっすよ?」




弐大「いや…そういえば…!!」

澪田「ん?どうしたんすか猫丸ちゃん。」


弐大「忘れとったわい!!ラウンジでだべっとる時にワシを左右田は、お互いの食料を分け合っていたんじゃあ!!」

澪田「ええ!?そんな大事なことを忘れないでほしいっすよ!!」

七海「その場合は、自分の食料を相手に食べさせることができるんだね。」


狛枝「ふうん。念のために聞いておこうか。左右田クンが持っていた食料って、何だったかな?」

小泉「それは…」




1.ペットボトル

2.希望の乾パン

3.肉類



安価↓1






小泉「これで証明できる!!」解



小泉「左右田は確か、ペットボトルを持っていたよね?」

小泉「これは予測だけど、2人で語り合っていた間に弐大は飲み物を渡されたでしょ?」


弐大「あ、ああ…。ワシは左右田の勧めてくれるおいしい水を、少し分けてもらったんじゃが…」

澪田「その中に、下剤を仕込んでたんすか!?」


七海「そして弐大くんがトイレに行っている間に、田中くんをマスカットタワ―に向かわせる…。」

七海「うん、筋が通っているね。」





左右田「ちょ、ちょっと待てよ!!な、なんでいきなりオレが犯人扱いされてんだよ!?」


左右田「なんでオレが、ソニアさんを殺さなきゃなんねぇんだよ!?」



澪田「た、確かにそうっすよね…。和一ちゃんが…あんなにソニアちゃんが好きだった和一ちゃんが…」

澪田「ソニアちゃんを殺すなんて、普通じゃ考えられないっす…。」

弐大「な、何かの間違いじゃないんか!?」




田中「忘れたのか、左右田よ?貴様は先刻、失言をしたのだ。」

左右田「は、はぁ!?」


田中「狛枝の奴が、5時あたりのアリバイについて言い出した場面だ。」

田中「貴様は小泉のアリバイの時、何を言ったか覚えているか?」


狛枝「はは。意外に鋭いんだね、田中クン。」

狛枝「言ってあげようか?>>155だよ。」




~回想~


狛枝「じゃあ、ストロベリ―ハウスの人たちについて考えようか。」


狛枝「5時くらいに田中クン以外の3人には、アリバイがあったはずだよ。」


左右田「確かにな…。小泉が6時40分に部屋から出てくるところを目撃してるし、
4時30分から6時40分までオレと弐大はラウンジにいたからな…。」



弐大「単独行動をした20分の間に、小泉が帰ってきた可能性はないのかのう?」

小泉「え?アタシ!?」


左右田「いや…。“オレは弐大がトイレにこもっている間、ラウンジにいた”からな…。」

左右田「やっぱり小泉にも、犯行は不可能だぜ…。」


~回想終了~



田中「貴様が6時10分に本当にラウンジにいたなら、俺様の存在に気付いていたはずだ!!」

田中「それなのにどうして気付かなかった?俺様が通り去るのを、自分の部屋で待っていたのではないか!?」


左右田「そ、そんなの田中の証言を信用したらの話だ!!」

左右田「ソニアさんを殺した奴の言うことなんか、信用できるわけがねぇだろ!!」


田中「くっ…。さすがに俺様が証言しても、あまり説得力がないようだ…。」



小泉(…)




小泉(やっぱり、アタシが証明しないといけない、か…。)




小泉(でも、本当なの…?)


小泉(本当に、左右田が殺したの…?)



小泉(今の話だと、確かに犯行は左右田にしかできなさそう。)


小泉(でも、やっぱり2つ目の謎は解けないままだ。)




小泉(田中は言っていた。アタシの推理の穴は、すべて埋まると。)


小泉(それってもしかして、犯人が左右田だと仮定した時、2つ目の謎が解決するってこと?)


小泉(左右田が犯人だとしたら、不可能が可能になったりするの?)




小泉(じゃあ、左右田にしかできないことって…?)



小泉(…)





今日はここまで。





今日も投下が遅れ左右田。9時くらいに覗くと良さ左右田。




今日はさらに30分くらい遅れ左右田。




再開



狛枝「結局、いくら田中クンが発言しようと逃げ口上にしか聞こえないようだね。」

狛枝「で、どうするの?小泉さん。皆はキミの意見を欲しているみたいだよ?」


弐大「…」

田中「…」


狛枝「キミは、左右田クンを告訴するの?そうじゃないの?」


左右田「ま、まさか小泉まで、血迷いごとは言わねぇよな…?」

澪田「さすがに和一ちゃんが犯人なんて、想像ができないっていうか…」





小泉「いや。やっぱりアタシは、田中の言うことを信じるよ。」



左右田「え、ええ!?」

弐大「じゃ、じゃあ小泉は、犯人が左右田だと本気で思っとるんか!?」

澪田「ま、まさか…」


左右田「オ、オレが犯人だって!?証拠あんのか!?」

小泉「…」




狛枝「へぇ…。小泉さんは、あくまでボクの推理を受け入れるつもりはないんだね。」


狛枝「じゃあ、どっちが正しいかシロクロはっきりさせよっか。」




狛枝「ボクの希望と小泉さんの希望のぶつかり合い…。小泉さん、ボクと勝負してくれるよね?」











狛枝「それは違うよ…。」ネットリ





狛枝「キミは、ボクの反論を打ち破ることができるかな…?」


小泉「な、なによ…!!これはゲ―ムじゃないんだよ!?」



狛枝「ふふふ。これは必要なことなんだ。ボクが見極めるためにもね。」





PHASE14 反論ショ―ダウン(VS狛枝)開始!!




言刃:(>>5>>6>>7>>8


25.持ち去られた部品

30.凶器たち

22.6つの時計





狛枝「こんな学級裁判も、コロシアイもさぁ、所詮はただの前座でしかないんだよ!!」


狛枝「こんな茶番なんて、退屈すぎてストレスがたまるよ。」


狛枝「胃が穴だらけになってもおかしくないほど退屈だよ!!」


狛枝「だからさぁ!!ボクが健康を害して倒れる前に!!さっさと終わらせちゃおうよ…!!」



狛枝「とはいえ、キミたちの道連れになるのも御免だし、仕方ないから手を貸してあげよう。」



狛枝「最後には希望が勝つ!!ボクはそう確信してるんだ!!」





発展!!



小泉「さっきから、なにをわけのわからないことを言ってんのよ…。」


小泉「反論があるなら、はっきり言ってよ!!」




狛枝「キミの推理の1番のネックは、やっぱりソニアさんが落下するきっかけかな。」


狛枝「ソニアさんが落下した理由はなんなの?」


狛枝「【遠方からソニアさんを叩き落す方法もない】しね。」


狛枝「まさか、【死後硬直】なんて言わないよね?」


狛枝「やっぱり、反論なんてできるわけないよね。」


狛枝「だって小泉さんの希望って、そんなものだもんね…。」






発展!!



小泉「遠方から落とす方法がないわけじゃない…!!」


小泉「この中でただ1人、それが可能な人間がいる!!」


小泉「そのために使ったのは多分、爆弾かな…。」


小泉「犯人はきっと、ストロベリ―タワ―で爆弾を使い、その勢いでソニアちゃんを落としたんだよ!!」





狛枝「あれぇ?小泉さん、さっき自分で言ったことを忘れたの?」


狛枝「田中クンとの討論で、遠方から操作できる爆弾がないって言ったのはキミ自身だよ?」


狛枝「ソニアさんが落下した6時15分ごろに[犯人がマスカットタワ―にいた]なら、話は別かもしれないけど…」


狛枝「ただの爆弾しかないんだから、【現場の外で爆弾を爆発させるのは不可能】なんだよ。」




発展!!



小泉「確かに、爆弾だけじゃあ足りないかもしれない…。」


小泉「でも、“あるもの”を組み合わせれば、遠距離からでも爆発させられるかもしれない!!」




狛枝「あるもの?なんだろうね、それ。」


狛枝「爆弾と組み合わせるとなると、【機械類を想像すればいい】のかな?」


狛枝「でも、左右田クンに使える機械類なんてあったかな?」


狛枝「だって、ドッキリハウスにある機械類って…」


狛枝「七海さんのゲ―ム機、ラウンジの時計、壊されたスイッチの部品くらいで…」


狛枝「【他には機械類はない】よね?」


狛枝「ほら、七海さんのゲ―ム機を奪っていたら、【七海さんに気付かれる】はずだし…」


狛枝「ラウンジの時計は事件発生後も【正常に動いていた】し…」


狛枝「【スイッチが壊されたのは偽装工作の最後】だろうから、スイッチの部品は使えないと思うよ?」


狛枝「だから、小泉さんの推理には無理があるんじゃないかな?」



安価↓1






んんっと。無効な安価の時は、下に流れることにしましょう。




不正解


狛枝「なにいってんの小泉さん?持ち去られた部品って、スイッチの部品と同じでしょ?」

小泉「そ、そっか…。」




小泉(でも、今ので見えたような気がする!!)


小泉(狛枝は、他の機械類がある可能性を隠している…!!)



安価↓1






正解



【他には機械類はない】←凶器たち



小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破



BREAK!!





小泉「いや…。あったはずだよ。狛枝が言った物の他にも、機械類が。」

小泉「ファイナルデッドル―ムの写真をもう1回見てもらいたいんだけど…」




~回想~


小泉「銃にグレネ―ド…。“チェ―ンソ―”やハンマ―…。あ、ワイヤ―や木の板もあるんだ。」

小泉「槍に剣に、斧にナイフに…。頭がおかしくなりそう…。」


~回想終了~



小泉「ここにあったチェ―ンソ―なんかは、機械仕掛けなんだよ。」

小泉「これらを分解したら、十分な部品が手に入ると思うよ。」




澪田「確かに、機械類はあったみたいだけど…」

澪田「だから、何だって言うんすか?」

左右田「そうだ!!小泉が何を言いたいのか知らねぇけど、それが事件とどう関係するっていうんだ!!」


小泉「ここからアタシが述べることは、仮定でしかない。」

小泉「でも、もしアタシの仮定が正しかったとしたら…!!」


小泉「ファイナルデッドル―ムにあった機械類を使うことで、遠距離からでも爆弾を爆破できたはずだよ!!」

弐大「は、はぁ!?」





小泉「そしてそれが…犯人を特定する決定打になると思うんだ…。」



左右田「ああ!?適当なことを言ってんじゃねぇよ!!それって、根拠があって言ってんのか!?」


左右田「あるわけねぇよな!!小泉はオレを犯人に仕立て上げたいだけだろ!?」


左右田「オレより田中のほうが好きだから、田中の肩を持っているだけだろ!?」




小泉「じゃあ…。その根拠っていう奴を、考えてみよっか…。」





PHASE15 パニックト―クアクション(VS左右田)開始!!




      「ギニャアアアアアアア!!!!」


                  「エンジン全開!!」


   「うっせうっせ!!」


            「ソニアさ―ん!!!!」



         「だぁあああああ!!!!オメ―は引っ込んでろ!!」



「下ネタかよ下ネタなのかよ!!」



           「バレンタイデ―キッス!!!」










「【爆弾を遠距離から爆発させる方法なんてね―だろ―が!!】」







            【△】
             メカ


【□】ニック                超高校【○】


             級の
            【×】



安価↓1




超高校級のメカニック



超高校級のメカニック



小泉「これで終わりよ!!」



BREAK!!




小泉「確かにアタシも、ずっとそう思っていた。田中の発言を聞くまではね。」

小泉「でも、不可能じゃないんだよ。爆弾を遠方から爆発させる方法は確かにあるんだよ。」

澪田「な、なんすかそれ!?まさか、魔法でも使ったんすか!?」


狛枝「へぇ、そんな方法があるなんて…。ぜひ、お教え願いたいね。」





狛枝「ほら、言ってみてよ。キミが本当に希望の象徴なら、簡単に言ってのけることができるはずだよ。」



小泉(狛枝…。本当にわからない奴ね。今回は特に、何が目的なのかがさっぱりわからない…。)


小泉(アタシたちの議論を正解へ誘導したいのか、ただかく乱したいだけなのか、それすらもわからない…。)




小泉(いや…。今はそんなことを考えている場合じゃない…。この裁判に決着をつけないと…!!)






弐大「ファイナルデッドル―ムには普通の爆弾しかなかったんじゃな?」

弐大「じゃあやっぱり、遠距離からの爆破は不可能じゃろう?」


小泉「不可能じゃない。だって、遠距離爆弾がなければ…」





小泉「作ればいいんだよ。」


澪田「ば、爆弾を無から作る!?そんなの、常人には不可能っしょ!!」

小泉「確かに、常人には不可能だろうね…。」



小泉「でも、犯人が常人じゃなかったら?」


澪田「え…?」






小泉「犯人が“超高校級のメカニック”だとしたら、どう!?」



澪田「あっ…!!」

弐大「そうか…!!それなら、あるいは…!!」



左右田「…は?」


左右田「いや…。ちょっと待てよ…。」




七海「そっか…。犯人は“超高校級のメカニック”という才能を利用して、遠距離爆弾を作り上げたんだね。」

澪田「ってことは、6時15分に唯吹が聞いた爆発音って、遠距離から爆発された爆弾の音だったんすか!?」

弐大「その爆風の勢いで、ソニアを落下させたんじゃな?」




七海「これなら、柱を倒して焦げ跡を付けた理由もわかると思うよ。」

七海「上方で使った爆弾の破片をカモフラ―ジュすることだね。」


小泉「ストロベリ―タワ―に入れたら、ドアノブに焦げ跡がついていることを確認できたんだろうけど…」

小泉「スイッチが壊されいて、直すこともできなかったからね。」




七海「柱に血を付けていたのは、致命傷がハンマ―でないことを印象付けたかったからかな?」

田中「ハンマ―の血も柱の血も怪し過ぎる。その結果、真っ先にハンマ―を凶器から外してしまったからな。」




小泉「そして、今までの事実をまとめると、犯人は…!!」


左右田「…」






左右田「そうかよ。小泉は、そこまでオレを犯人扱いしてぇんだな。」


小泉「…」





左右田「はっ…。オレは、あんなにソニアさんが好きだったのに…」


左右田「そのソニアさんが死んじまって、これ以上ないくらいの哀しみにふけってんのによ…。」


左右田「さらにことかいて、まさか無実の罪を着せられんのかよ…。」




小泉「うっ…。」






左右田「小泉は、2回目の裁判で味わったんだろ?無実の罪が、どれ程つらいものかをよ…。」


左右田「どんなものかをわかっていながら、オレを問い詰めてんだろ?」




左右田「正気の沙汰とは思えねぇな…。なんで、オレがソニアさんを殺さねぇといけねぇんだよ…?」


左右田「小泉はオレを糾弾して、その先に何を望んでんだよ?」



小泉「ち、違う!!アタシは、左右田を責めたいわけじゃなくて…!!」





小泉(いけない、左右田に謝らないと。)



小泉(この話が仮定だっていったのはアタシなのに、左右田を一方的に追い詰めちゃって…)






田中「ふん。無実の罪、か…。」



小泉「え…?」

左右田「あん?なんだよ、ハムスタ―ちゃんよ!!」




田中「そんなもので、言い逃れができると思っているのか?」

小泉「た、田中…。」


田中「そんなものより、ずっと簡単に自分の無実を証明できる口実があるだろう?」

田中「どうしてそれを口に出さんのだ?」


左右田「何が言いてぇんだよ?」




狛枝「そもそも機械を分解したことや、弐大クンに下剤を仕込んだことが本当なら…」

狛枝「機械の残骸や、飲みかけのペットボトルがどこかに隠されてあるはず。」

狛枝「でも実際は、そんなものは見つかっていない。」


狛枝「そういうことだよね?田中クン。」

田中「…」




澪田「そういえば変っすね…。それをすべてまとめたら、結構な量っすよ?」

澪田「そんな量を隠す場所なんて、どこにもなかったっす!!」

弐大「何じゃとお!?ここまで来て、またしても矛盾が発覚したんかぁ!?」


左右田「…」





小泉「そうか…。左右田はその口実を、言いたくても言えなかったんだ…!!」


澪田「え?」

田中「ふ、さすがは小泉、と言っておこう。では、答え合わせをしようではないか…。」


澪田「眼蛇夢ちゃんは、わかっているんすか…?和一ちゃんが反論できなかった理由って、なんなんすか?」





小泉「だってその謎は、犯人を追いつめる決定的な手がかりにつながるんだから…!!」

小泉「その謎は、今までただの推論でしかなかったアタシの推理を、確固たる事実に変えてしまう…!!」


弐大「ど、どういうことじゃあ?」


小泉「犯行に使った道具を隠しておいた場所…。それがわかってしまったら、もう言い逃れはできないんだよ。」

小泉「だってそこには、決定的な手がかりが残っているんだから…。」


左右田「…」




狛枝「やれやれ。左右田クンは、すっかり戦意喪失しているのかな…?」

狛枝「これじゃあ、なんの反論もできそうにないね…。」

小泉「狛枝…。何が言いたいのよ…?」


狛枝「せっかくだから、ボクが左右田クンの代わりに戦いを挑んであげるよ。」

狛枝「だって、このまま終わるのもつまんないでしょ?」


小泉「…」




小泉(今回の狛枝は、何かおかしい…。)


小泉(確かに今までもおかしかったけど、今回はおかしさの種類が違うっていうか…)





狛枝「で、道具を隠した場所だったよね?」

狛枝「マスカットハウスはボクが全部調べたし、ストロベリ―ハウスは左右田クンが1階を調べたんだよね?」


狛枝「1階に、そんな大量の道具を隠す場所なんて存在しないんだよ。」

狛枝「だから、小泉さんの推理にはどこか間違いがあるってことだね。」



小泉「それも…。その言葉も、ただの建前ってことね…。」



狛枝「それはさておき…さあ、これが最後だよ。」

狛枝「ボクがキミに送る、最後の挑戦状だ…!!」




PHASE16 パニックト―クアクション(VS狛枝)開始!!




    「こりゃどういうことだろうねぇ。」


                     「土下座してよ。」


             「は?」



                        「こうして世界はル―プしていくんだね。」


   「何か言った?」


            「希望は前に進むんだ!!」


    「はぁ?」


            「前向きなのが、ボクの唯一の取り柄なんだ!!」









「【さあ、キミの希望を見せてよ!!そしてこの学級裁判と、コロシアイの幕紐をキミ自身の手で引くんだ!!】」







            【△】
             ベ―


【□】タ―                 連絡【○】


            エレ
            【×】



安価↓1











連絡エレベ―タ―


小泉「これで終わりよ!!」


BREAK!!



小泉「道具を隠した場所…。それって、いままで調べることができなかった、連絡エレベ―タ―の中じゃないかな。」

小泉「分解した機械は、予めそこに隠しておけばいいよね。」




狛枝「でも、飲みかけのペットボトルなんかはそうはいかないよ。」

狛枝「だってそれを使ったのは、スイッチを壊した後なんだから。」



小泉「そもそも、連絡エレベ―タ―のスイッチがどのくらい壊れているかなんて、左右田にしかわからないよ。」


小泉「1分もかからずに直せるレベルなのか、修復不可能な状態なのかなんて、
機械類に知識のないアタシたちにはわかりっこないんだ。」


小泉「ストロベリ―側の連絡エレベ―タ―の壊れたスイッチは、
実はすぐに直せる程度にしか壊されていなかったんじゃないかな?」


小泉「それなら、連絡エレベ―タ―は1階にあるし、
1階を捜査していた左右田なら誰にも見られずに証拠を処分することが可能だよ。」





七海「つまり、連絡エレベ―タ―の中を見ることができたら、それが決定的な証拠になるってことだね…。」

モノクマ「そうくると思って、もう用意しています!!」

モノクマ「はい、連絡エレベ―タ―の写真で―す!!」






そう言ってモノクマが提示した、連絡エレベ―タ―の中を撮った写真には…




機械類の残骸と、壊されたスイッチの部品と、飲みかけのペットボトルと、なにやらリモコンのようなものと…



とにかく、さまざまな証拠品が写っていた…。




左右田「…」



弐大「たしかにこれは、決定的じゃのう…。」

澪田「じゃあ、本当に、和一ちゃんが、ソニアちゃんを…」

七海「…」





小泉「じゃあ最後に、事件をまとめるよ。」


小泉「文句はないよね…?左右田。」

左右田「…」





クライマックス推理開始!!





act.1


小泉「事件の始まりは、昨日の夜にさかのぼる…。」

小泉「狛枝、ソニアちゃん、田中を除いて、みんなで9時からパ―ティを開いていたんだ。」

小泉「そこで田中は皆のいない隙に、ソニアちゃんの時計以外の時計をすべて1時間ずつずらしたんだよ。」

小泉「アタシたちがパ―ティを終えたのは11時だったけど…」

小泉「その時にはもう時計が狂っていたはずだから、あの時はもう12時だったんだね。」




act.2


小泉「そして、今回の真犯人は…。それを利用して、ある殺人の計画を立てた。」

小泉「まず、ファイナルデッドル―ムの扉を封鎖した。」

小泉「そしてアタシたちの時間感覚で3時に、ソニアちゃんを手紙でマスカットタワ―へ呼び寄せた。」

小泉「ソニアちゃんは、その手紙の差出人が田中だと思ったのかな。」

小泉「それを信じ切って、現場にやってきてしまった。」

小泉「そこで彼にハンマ―で頭を殴打され、殺されてしまったんだね…。」






act.3


小泉「その後、彼が行った偽装工作は…」

小泉「まずは柱を倒して、血のりをつけておいた。」

小泉「あからさますぎる柱の血によって、ハンマ―の血まで血のりだと思わせるためだよ。」

小泉「実際、効果てきめんだったね。アタシ達はハンマ―を、真っ先に凶器から除外してしまったもんね…。」

小泉「柱を倒す時に爆弾を使ったのは、上方でも爆弾を使っていたことを隠すためだよ。」

小泉「柱を倒す時に大きな音が出そうだけど、深夜だから誰にも気づかれないと思ったんだね。」




act.4


小泉「それで、ストロベリ―タワ―に移動した。」

小泉「そこでドアノブに爆弾を設置したんだよ。」

小泉「この爆弾は、ただの爆弾じゃない。」

小泉「“超高校級のメカニック”の力によって、いつでもどこでも爆破が可能になった爆弾だったんだよ。」


小泉「普通なら不可能だと思われるような犯行だけど、
ファイナルデッドル―ムには機械を使った凶器が結構あったから、彼にとっては朝飯前だった…。」



act.5


小泉「あとストロベリ―タワ―でしないといけないことは…」

小泉「ソニアちゃんの死体をワイヤ―で縛って、ワイヤ―の輪っかの部分をドアノブにひっかけるだけかな。」

小泉「ワイヤ―には焦げ跡はついてなかったようだから、ワイヤ―と爆弾は別々のドアノブに設置されてたんだろうね。」

小泉「それと、ストロベリ―タワ―を出るときにストロベリ―タワ―のスイッチを壊しておかないといけないね。」


小泉「ここまでの偽装工作が完了したら、
後はマスカットハウスに行って、タワ―の床をマスカットタワ―のほうに移動させるだけでいいはずだよ。」


小泉「これで、お膳立てはすべて完了したかな。」






act.6



小泉「偽装工作を完了させた彼は、
マスカットハウスで連絡エレベ―タ―を呼んで、マスカット側の連絡エレベ―タ―のスイッチを壊した。」


小泉「それで連絡エレベ―タ―に乗って、ストロベリ―ハウスに帰った。」

小泉「おそらくこの時に、今までの偽装工作で使用した道具を連絡エレベ―タ―に隠したんだね…。」

小泉「ストロベリ―ハウスに着いたら、ストロベリ―側の連絡エレベ―タ―のスイッチを壊した。」

小泉「でもこれは、すぐに直せるくらいにしか壊していなかったんだよ。」

小泉「後で隠す道具を追加するためにね。」




act.7


小泉「ここまでの偽装工作は、弐大が起きる4時までには終わらせていたんだろうね。」

小泉「あとは、自分のアリバイを確保するだけだよ。」

小泉「4時30分から死体発見アナウンスまでのアリバイを作るために、彼は弐大と時間を過ごした…。」

小泉「彼の偽装工作の意図は、犯行時刻を5時付近に誤認させることだったから…」

小泉「このあたりにアリバイがあったら、犯人だと疑われないと思ったのかな。」





act.8


小泉「そして6時…。この時間あたりに田中がマスカットタワ―に向かうことを、予め彼は予測していたんだよ。」


小泉「田中は15分前行動を習慣としているし、田中の性格や意図も考慮すると、
他の時間帯に出発することはまずないことが彼にはわかっていた…。」


小泉「だから田中がでかける瞬間を誰にも目撃させないために、6時に弐大に下剤を盛ったんだ。」

小泉「弐大にペットボトルを渡して下剤を飲ませ、弐大がトイレにこもったから…」

小泉「6時から6時20分までの空白の時間を意図的に作ることができたんだよ。」




act.9


小泉「空白の時間で彼は、自分の部屋で待機して田中が通り過ぎるのを待ったんだ。」

小泉「実際田中が出発したのは6時10分だったから、彼の思い通りに事が進んでいた…。」

小泉「これで、田中の5時くらいのアリバイを消すことに成功したってことだね。」

小泉「ちなみに田中の意図は、モノクマと戦うこと。」

小泉「それによって、ドッキリハウスから脱出することだった。」

小泉「そのためにみんなの時計をずらしたり、ファイナルデッドル―ムで使えそうな武器を探したりしていたんだ…。」







act.10


小泉「それで6時15分に、自製の爆弾でマスカットタワ―に仕掛けた爆弾を爆発させた。」

小泉「爆発の勢いによってソニアちゃんの死体を落下させたんだよ。」


小泉「モノクマが見せた連絡エレベ―タ―の写真にはリモコンみたいな物があったから、
多分それが起爆スイッチだったんだよ。」


小泉「死んだ状態のソニアちゃんを落下させた理由は…」

小泉「真の致命傷を隠すことと、犯行時刻を誤認させることだよ。」


小泉「ファイナルデッドル―ムには1時間眠る睡眠薬しかなかったから、
犯行時刻は5時に限定されるとアタシたちはずっと勘違いしていたしね…。」


小泉「しかし、このトリック…“極上の凶器”の正体がわかることを前提としているんだよね…。」

小泉「彼にとっては、“極上の凶器”すら自分のトリックの一部でしかなかったんだ…。」




act.11


小泉「そして6時20分に弐大が帰還した後の6時30分。」

小泉「彼が仕掛けていた目覚まし時計が鳴り響いた。」

小泉「その時田中は連絡エレベ―タ―が使えず、ファイナルデッドル―ムにも入れなかったから…」

小泉「ストロベリ―ハウスの1階をうろうろしていたんだろうね。」

小泉「そこで急に騒音が鳴り響いているのを聞いた田中は、とりあえず確認しにラウンジに行ったんだよ。」

小泉「その音も、彼の思惑の1つだとも知らずにね…。」





act.12


小泉「最後の偽装工作は、捜査の時に行われた。」

小泉「1階を調べると言って、誰も見ていないところでストロベリ―側の連絡エレベ―タ―のスイッチを急いで直した。」

小泉「そして、飲みかけのペットボトルと起爆スイッチを連絡エレベ―タ―の中に処分した後にまたスイッチを壊した。」

小泉「そうすることで、すべての偽装工作を完成させたんだ…。」




小泉「一連の犯行ができたのは、この中で1人しかいない…。」

小泉「だって犯人は、“超高校級のメカニック”…」




小泉「左右田和一…。アンタだからよ…!!」





COMPLETE!!






左右田「…」

小泉「一応聞いておくけど、左右田…。」


小泉「反論はある?」

左右田「…」








左右田「ははっ」



小泉「え…?」






左右田「ははははははははははは………」




弐大「な、何じゃあ…?」

澪田「え、ええっと…もしかして和一ちゃん、笑ってる?」








左右田「ケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ……………」




狛枝「これは…まるで前回の澪田さんみたいだね。」

澪田「い、唯吹のは演技っすよぉ!!」





小泉「…左右田。アンタ、これからどうなるかわかってんでしょ?」



小泉「投票されちゃうかもしれないんだよ?なんで笑っていられるの?」





左右田「…『投票する』と断言しないんだな?」


小泉「だって…」




小泉「戦うべき敵はモノクマだけだと言って、ついこの間に皆で結束したばかりなのに…」

小泉「仲間を殺すことになるかもしれないのに、アンタに投票なんてできないよ…。」



左右田「相変わらず、甘っちょろいな。まあ、それが小泉らしいとも言えるけどよ。」






左右田「人殺しに同情するよりも先に、殺された人間の弔い合戦に精を注いだらどうだ?」




田中「そうだな。だから…」


田中「この憎しみが風化してしまう前に、投票タイムを始めるぞ…!!」





VOTE

左右田 左右田 左右田

CLASSROOM TRIALS 4   DISMISSED








今日はここまで。




恒例のアレです。相変わらずクオリティが上がらない。


クライマックス4章→(http://i.imgur.com/BBdSnoj.png





やっぱり今日も遅れる。今日は7時に投下します。




モノクマ「え~。なんと…」

モノクマ「快挙です!!4連続正解!!すごいね~!!今のところ、ミスなしだよ!!」


モノクマ「そう。今回ソニアさんを殺したクロは、左右田和一クンでした~!!」



小泉「…」




左右田「あ~あ。何もかもうまくいったかと思ったんだけどよぉ。」

左右田「やっぱり、人生はそう甘くねぇってことか…。」


澪田「やっぱり、和一ちゃんなんすね…。何かの間違いかも、ってずっと思ってたのに…」




弐大「お、おかしいじゃろう!?左右田は、ソニアの奴をあんなに慕っていたじゃないか!!」

弐大「なのになんで、ソニアを殺してしまったんじゃあ!?」


左右田「弐大よぉ、そんな言い方はねぇんじゃねぇか?」

左右田「だってよ、これでお前らは餓死せずに済むんだぜ?」

左右田「それなのに…。まるでオレが悪いことをしたみてぇじゃねぇか…。」


弐大「くっ…!!」




七海「でも、左右田くんの目的は、みんなを餓死させない…。っていう理由じゃなさそうだね。」

七海「だって左右田くんは、田中くんの目的がそれだって知っていたにも関わらず、今回の犯行に及んだんだから…。」


左右田「まぁな…。あ、言っておくがオレは1人でこの島から脱出することなんて、まるで望んじゃいねぇからな。」

左右田「もし田中に罪を被せることに成功したら、その後ソニアさんの跡を追う予定だったからな…。」




小泉「田中に罪を被せる…。やっぱり、罪を被せる標的は田中に限定していたんだね?」


左右田「ああ。じゃねぇとあんな失言はしねぇだろ。」

左右田「オレが小泉を擁護したのは、小泉に疑いの目が行くと困るからだったんだ。」


澪田「い、意味が分からないっすよ!?結局和一ちゃんの目的はなんだったんすか!?」

澪田「結局、ただの愉快犯なんすか!?」


狛枝「澪田さんが言うと、意味深だね…。」




左右田「愉快犯…?違うな。オレは人殺しを楽しんだわけじゃねぇ。」

左右田「もちろんソニアさんを殺したことに快楽なんて覚えちゃいねぇ。」

左右田「むしろ、この世のすべてが終わったような虚無感に浸った…」

左右田「ま、それも当然だよな。オレは、ソニアさんが好きだったんだからな…。」


弐大「い、言っとる事とやっとる事が矛盾しとるぞ!?」

弐大「そんなに好きだったなら、なんの快楽もないなら、どうして殺すことにつながってしまうんじゃあ!?」




左右田「…」


左右田「どうしてだろうな…。やっぱ、嫉妬なのか…。」

左右田「少なくとも、ソニアさんを殺した時はそうだった…。」


小泉「え…?それって、今は違うってこと…?」



左右田「パ―ティ中に、トイレのためにオレが少し席を外した時のことだ。」

左右田「たまたま、田中が時計をいじっている場面を見ちまったんだよ。」




~回想~



―マスカットハウス 1階―



左右田「さてと、トイレにも行ったことだしみんなのところに戻るか。」


ガサゴソ


左右田「ん?なんか上から音が聞こえるか…?」

左右田「もしかして、ソニアさん!?」


左右田「よぉし!!行ってみるしかねぇな!!」




―マスカットハウス 2階―



左右田「…」ナンダ、タナカカ


田中「ふぅ…。」


左右田「あいつ、何をやってるんだ?時計をいじりやがって…」


田中「終わりだ。この脱出ゲ―ムを、これで終わらせる…。」


左右田「終わり…?あいつ、何を考えていやがる?」


田中「もう、案ずる必要はないぞ…」



左右田「…」




田中「…ソニ…ア……」





左右田「…………」





左右田「オレらがパ―ティを始めたのが9時…。」

左右田「しかし、これは8時くらいになっていやがる。」


左右田「なるほどな。そういうことか、田中…。」


左右田「…」







左右田「気にくわねぇ。」




~回想終了~



左右田「始めは、ただの嫉妬だった。」

左右田「田中とソニアさんの間に存在する、“絆”に嫉妬したんだよ。」


左右田「相手が自分を裏切ることなんて、頭にもよぎらないような“絆”に。」

左右田「オレが無意識のうちに、自分から引き離しては憧れている、誰かとの“絆”に。」


左右田「だから…その“絆”を、粉々に砕いてやりたかった。」

左右田「最初は、それだけだった…。」





左右田「ソニアさんを殺すまでは、ずっと犯行を思いとどまろうとしていたんだけどな…。」


左右田「まさかあんな適当に書いた手紙で、本当にソニアさんがやってくるなんてな…。」



左右田「その“信頼”にほとほと呆れて、どうでもよくなってしまったというかな…。」




左右田「殺してもいいか、って思っちまったなぁ…。」






田中「ふ、ふざけるなよ、貴様…!!」


小泉「た、田中…。」


左右田「何言ってるんだよ田中。そんな理由で人を殺していいわけがねぇって?」

左右田「人殺しに、なんの道徳を説こうってんだよ?」




田中「俺が言っているのは、そこではない…!!」



田中「俺とソニアの“絆”が気に食わんというのなら、なぜ俺を殺しに来なかった!!」



左右田「…」




田中「答えろと言っている!!」


田中「俺に恐れをなして逃げたのか!?俺と戦う勇気がなかったのか!?」



田中「…怖気づいたとでもいうのかぁあああああああああああっ!!!!?」






左右田「言っただろ?罪を着せるのは、田中じゃないとダメだってよ…。」




田中「…何だとっ!?」


左右田「お前、気づいているか?自分が、今どんな顔をしているかをよ…。」

田中「何を、言っている…!?」




左右田「自分が命を賭けて守ろうとしたソニアさんが、あっさりと自分の前から消えていった。」


左右田「それで、自分の無力さを恨んでいる。」


左右田「そのやるせない気持ちをオレにぶつけることで、なんとか平常心を保とうとしている。」



田中「ぐっ…!!」




左右田「なんていうんだろうな。今まで田中に勝るところなんて、1つもソニアさんに見せられなかったからな。」

左右田「『してやったり!!』って感じだ。」


田中「つまり…貴様の目的は…!!」




左右田「そうだ。途中から、田中が絶望に堕ちる姿を見てみたくなっちまったんだよ!!」


左右田「てめぇがなす術なくオレの手のひらの上で踊らされる様を、嘲笑ってやりたくなったんだよ!!」




左右田「大変だったんだぜ?そのためだけに、夜通しで偽装工作をしなきゃいけなかったんだからな。」


左右田「しかも、これだけ計画を練っても、肝心なところは運任せなんだからよ!!」


左右田「柱を倒して誰にも気づかれないか?田中は本当に6時に出発すんのか?」


左右田「他にも探せば運の要素は腐るほどあったかもしれねぇ。」



左右田「ロシアンル―レットは成功したからよ、今回の計画もうまくいくと思ったんだがな…」




小泉(ロシアンル―レット…?)




小泉「ちょっと待って左右田。アンタって、ファイナルデッドル―ムをクリアしたのよね。」

左右田「ああ、そうだぜ?」



小泉「その時アンタはロシアンル―レット、弾を何発こめてやったの?」


左右田「ああ、それは当然…」






左右田「5発だぜ?」


小泉「…!!」

田中「何…だと…!?」


澪田「え?ロシアンル―レット?どういうこと?」

弐大「よくはわからんが、常軌を逸していることだけは確かじゃ…!!」




小泉(そうか…だからアタシがプレイしたとき、最初から5発も入っていたのか…!!)




左右田「だってそうだろ?」

左右田「オレが今回の犯行を成功させることができる程の運の持ち主かを確認する必要があったんだからよ。」

左右田「腕試しを兼ねて、ロシアンル―レットをプレイしてみると、見事にオレは生き延びた。」

左右田「だから確信したんだ。オレはツイてるってな。」


小泉「く、狂ってる…!!」

狛枝「さすがのボクもビックリだよ。」

小泉「アンタが言う資格はない!!」




左右田「そして実際、学級裁判の途中まではオレの思惑通りだったんだがな…。」

左右田「やはり、運だけじゃあダメだったんだな。」

左右田「結局、小泉にすべて暴かれちまった。」


左右田「でも…」

田中「…」




左右田「田中、オメェを見てると思うんだよ。」

左右田「オレの犯行がばれようがばれまいが、結果は変わらなかったんだってな。」


左右田「田中…。鏡を見てみろよ。」

左右田「今のお前の顔…絶望に打ちひしがれて、醜くゆがんでやがるぜ…?」

左右田「どうせオレはもう死んじまうんだから、言ってもいいよな?」



左右田「今のお前を見ていると、すっげぇ爽快だ…!!」

左右田「この上なく快感を覚えるんだよ…!!」

田中「…!!」





左右田「やっぱりこれってアレなのかな。」


左右田「こんなので歓喜してしまうのは、オレが…」




左右田「“絶望”だから、なのかな。」




小泉(え…?)




左右田「最初に田中じゃなくてソニアさんを殺そうと思ったのも、本当はこれを味わいたかったからなのか!?」


左右田「ソニアさんを殺してしまったっていう絶望的な事実をかすめてしまうほどの悦びがこんなところにあったんだ!!」


左右田「みんな、なに変な顔してんだよ!!ここ、笑うところだぜ!?」




弐大「な、何じゃあそりゃぁ!?やっぱり、愉快犯だったっちゅうことじゃないか…!?」

澪田「そんな…!!こんなの、ベタベタのサイコパスじゃないっすか!!」

田中「それが…貴様の本性だったとでも、言いたいのか…!?」





小泉(…)




小泉(違う。左右田はこんな奴じゃなかった。)


小泉(だって…)




小泉(左右田はこの中で1番正常な思考回路を持っていたはずだ…!!)


小泉(平凡で年頃の男の子のように、仲間とはしゃいだり、バカをやってみたり、色恋沙汰にうつつを抜かしたり…)




小泉(2回目の裁判で花村が犯人だとわかった時だって、平和な日常に執着していた。)


小泉(残酷な非日常に、嘆くことができていたんだ…!!)







小泉(じゃあ…左右田にこう思わせたのは、一体誰?)


小泉(こんな絶望的なことで快感を覚えるように仕向けた原因は、一体なんなの?)





小泉(それとも原因は、1つじゃないの?)

小泉(ここに来てからのありとあらゆる非日常の要素が、ずっと左右田の心を侵し続けていたの…?)





小泉(この異常な空間が、彼にそう思わせるのか…)





小泉(…)






弐大「じゃあ…じゃあ…アレはなんだったんじゃあ!?」

澪田「アレって…?」





弐大「ソニアのモノクマファイルが渡された時に、ソニアの死を嘆いていた左右田は何だったんじゃあ!?」

弐大「あの時ワシは、何も映っていない虚空を眺めていたとでもいうんかぁ…!?」


狛枝「そんなの、自分が犯人じゃないと思わせるための演技でしょ。」

狛枝「そんな安い芝居に騙されるなんて…。弐大クンって、見た目に似合わず優しいんだね。」



左右田「…」






左右田「それは、違う…。」


七海「え?」






左右田「あの時に嘆いていたオレも、間違いなく本当のオレだった。」


左右田「だってそうだろ…?オレは、あんなにソニアさんが好きだったんだ。」


左右田「そんなソニアさんを自分の手で殺してしまったんだ。」




左右田「嘆かないわけが、ねぇじゃねぇか…。」






澪田「わ、わけわかんないっすよ!?情緒不安定っすか!?」


左右田「いわゆるジレンマってやつかな。オレの中には、2人のオレがいたんだ…。」

左右田「ソニアさんをこの上なく愛するオレと、田中を陥れてやろうと目論むオレが…」



左右田「まぁ、どうせ人殺しの言うことだ。軽く流しといてくれよ。」




モノクマ「え~と。もういいですか?」

モノクマ「じゃ、とっとと始めちゃいましょうか!!」


小泉「ま、待って…!!」

モノクマ「ん?どうしたの?」





小泉「お願い、左右田を許してあげて…!!」



澪田「えぇ!?」

弐大「小泉!?」


左右田「…」




小泉「アタシには、左右田ばっかり責めることなんてできない…。」

小泉「だ、だって左右田は、こんな環境に放り込まれなかったら、殺人なんて犯さなかったはずだよ!!」


モノクマ「はぁ~あ。何を言ってるの、小泉さん。人殺しっていうのは大体そんな感じなの。」

モノクマ「恵まれた環境にいる人間が殺人なんて犯すわけがないでしょうに。」






小泉「そ、それに、左右田にだってまだ良心が残ってるはず!!」

小泉「だってそうでもなきゃ、あんなことはしないでしょ…?」


七海「あんなこと…?」





小泉「ストロベリ―ハウスとマスカットハウスを、分断したことだよ…。」



澪田「えぇ!?あれは、捜査かく乱の為っしょ!?」

弐大「連絡エレベ―タ―を壊しておかんと、トリックがばれてしまうからのう。」




狛枝「でも、わざわざファイナルデッドル―ムを封鎖する必要はなかったんじゃない?」

狛枝「だってほら、左右田クンはソニアさんを落下させるタイミングを好きに選べたんだから。」

狛枝「田中クンがマスカットタワ―に行こうが、トリックに支障はなかったはずだよ。」



澪田「いやいや…ファイナルデッドル―ムに見られたくないものがあったとか…」

七海「睡眠薬とか血のりとか、むしろ見られないといけない物もあるけど?」


弐大「んん?じゃあ、ファイナルデッドル―ムを封鎖した理由って、何じゃあ?」


左右田「…」





小泉「本当の意図は、ソニアちゃんの凄惨な死体を見ないで済むようにすることだったんじゃないの?」


小泉「ストロベリ―ハウスにいることを強要された状態なら、
ソニアちゃんの死体があるマスカットタワ―に行かなくていいから…」



田中「小泉は、左右田をかばうのか!?ソニアを殺した罪人だぞ…!?」

小泉「うっ…。で、でも田中…。これは、アンタにも当てはまるんだよ…?」


田中「何…!?」




小泉「6時10分の時点で、もしファイナルデッドル―ムが封鎖されていなかったら…」

小泉「田中は、マスカットタワ―に行くことになったよね。」

小泉「そしたら、田中はソニアちゃんの凄惨な死体を目の当たりにすることになっていたんだよ…?」


田中「く…。」




小泉「あれは…ファイナルデッドル―ムを封鎖した行為は…」


小泉「田中にソニアちゃんの死体を見せないための行為だったんじゃないの?」

小泉「左右田の、最後の良心だったんじゃないの…?」



左右田「…」




モノクマ「え―と、小泉さんの意見もありましたが…」


モノクマ「残念ながら、ル―ルに則りクレ―ムは一切受け付けません!!」

モノクマ「左右田クンのオシオキは、やっぱりド派手に行っちゃいます!!」


小泉「そ、そんな…」



左右田「…」




左右田「そうだぜ、小泉。」



左右田「おめぇなぁ、なに夢を持っていやがる。」


左右田「おめぇの目の前にいんのは人殺しなんだぜ?」


左右田「自分のエゴのために、他人を殺すような奴なんだぜ?」


左右田「良心なんて、どこにも残っているわけがねぇだろ?」





左右田「だからよ…。おまえが、そんな顔をする必要なんてねぇだろ…。」


左右田「異常者を見る目で、オレの死を見送りゃあいいんだよ…。」



小泉「そ、左右田…。」




モノクマ「では今回は、“超高校級のメカニック”左右田和一クンのために、
スペシャルなオシオキを用意させていただきましたぞ!!」


モノクマ「それでは参りましょう!!オシオキタ―イム!!」



左右田「さてと…。じゃあ、あの世でソニアさんを、ナンパでもしてくっかな…。」





処刑執行 超高校級のメカニック 左右田和一


超高校級のメカニックは、時計仕掛けの夢を見るか?




左右田は薄暗い工場のようなところで、ベルトコンベア―に乗っている。


そのベルトコンベア―の先には、ぽっかりと落とし穴が待ち受けている。


左右田は縛られているわけじゃないけど、


抵抗しても無駄だと思っているのかそうでないのかはわからないが、動こうとしない。


これから起こる惨劇を、受け入れているかのようだ…。




そして落とし穴に堕ちると、そこには歯車がびっしり詰まっていて、


その隙間は人間がぎりぎりで1人は入れるくらいの間隔だ。


歯車たちが乱暴に左右田を運んでいく、その目的地は一体どこなのだろうか…?


と思うと、歯車の迷宮から抜け出して、その先は外につながっていた。




左右田が出てきた場所は、映画とかでよく見かける、外国の建物についているような大時計の長針の上だった。


その針の上で、今度は左右田の体は拘束された。


大時計は高い位置にあったから、針から落ちるとすぐに死んでしまうだろう。


モノクマは、それではつまらないとでも思っているのか…。


その時計が、まるでタイムスリップをしたかのように勢いよくまわり始めた。


そして、長針と短針に挟まれた左右田の体は、2つに切断された…。




この凄惨な光景を目の当たりにした…



にもかかわらず、アタシはまったく別の場所を見ていた。



空の上に、左右田の影が見えたような気がした。


その隣で彼とは不釣り合いな高貴な女性が、彼と手を取り合っているような…


そんな気がした。





モノクマ「エクストリ―ム!!脳汁が飛び散るぜぇ~!!」


澪田「うう…。和一ちゃんがカズ/イチちゃんに…」

小泉「唯吹ちゃん、それシャレにならない。」




狛枝「これで、本編の生き残り組は全滅か。」

七海「貴重なツッコミ役も失って…。この先大丈夫なのかな?」

澪田「6人の中でツッコミ属性なのは、真昼ちゃんくらいっすか?」


小泉「だから、何の話をしてんのよ…。」

弐大「うむ、そのツッコミや良し。その調子じゃあ。」



モノクマ「え―と。オマエラは自分のコテ―ジに戻っていいっすよ。」

モノクマ「ま、ドッキリハウスから出られただけで、コロシアイが終わったわけじゃあないけどね!!」




田中「…」


小泉「田中…。今回は、ありがとう。」

田中「田中の激励が無かったら、多分真相にたどり着けなかった。」


田中「…」





小泉「…やっぱり、左右田のことを許せないの?」


田中「…」





田中「違う。俺様は…左右田を恨んでなどいない。」

田中「そんなことをしたら、モノクマの思うつぼだからな。」


田中「過ぎ去った時間は取り戻せない。前に進むためには、後ろを振り返る暇などないのだ…。」



田中「それに…。ソニアなら…あの高貴な者なら…」

田中「左右田の犯行も、許してやることだろう。」

田中「ソニアが許すのだ、俺様が許さないわけにはいくまい…。」



小泉「そっか…」

小泉「…ありがとね。」


田中「なぜ貴様が礼を言う?」




田中「しかし…俺様が恨むとすれば…」

田中「自分自身だ…!!」


小泉「え?」




田中「俺様は…正直、恐れをなしていた…!!」

田中「マスカットタワ―でモノクマと“生き死にをかけた戦い”をすることを、極端に恐れていたのだ…!!」




小泉(確かに…。普通に考えれば、モノクマ太極拳じゃなくても1人でモノクマと対峙する方法は他にあったはず。)


小泉(それでもモノクマ太極拳にこだわったのは…)


小泉(モノクマと対峙する時間を明確にすることで、気持ちを落ち着けようとしたのか…。)


小泉(もしかしたら、ソニアちゃんに止めてもらいたかったのかな…?)




田中「だからこそ…躊躇してしまった。出陣を決意した時には、すでに手遅れだったのだ…!!」

田中「もっと早く決意を固めていたら、ソニアは…!!」


小泉「…」





小泉「しっかりしてよ。それでも、田中キングダムの王様なの?」

田中「なっ…?」



小泉「えっと…。口下手だから、うまく言えないんだけどさ。」

小泉「ソニアちゃんの死の責任を、自分だけで背負わないで。」

小泉「そんなことじゃあ、田中の心がもたないよ…。」


小泉「それに、アンタはアタシを励ました人間なのよ?」

小泉「アタシを励ましておいて、自分は正気を失うなんて、ずるいよ…。」


小泉「だから、その…」




田中「…」


田中「まさか、俺様の配下の者に励まされる日が来るとはな。」

田中「確かにそうだ。今嘆いても仕方のないことに執着するなど、俺様らしくない。」


田中「俺様はこの先も生きていく。」

田中「“田中眼蛇夢”として、1番“田中眼蛇夢”らしく!!」

田中「不敵に、高らかに笑いながらな!!」



田中「だがその前に、1つ言わせてもらうぞ。」

田中「ありがとう…。」

小泉「て、照れるからやめてよ…。」









澪田「じゃあ、この後は唯吹のリサイタルをするっすよ!!」

澪田「この殺伐とした雰囲気を、一気に払拭してやるっす!!」

弐大「ほ、本気かぁ!?まさか、さらに殺伐とさせる気じゃないんかぁ!?」


澪田「何言ってんすか~!!凪斗ちゃんには好評だったっすよ!!」

澪田「『この不運も、次に来る幸運の前兆だね!!素晴らしいよ!!』とか言って、大絶賛だったっす!!」


七海「不運って言われてるよ…。」




小泉「いいのかな…?2人も死んだ後なのに…」

田中「だが、生きるとはそういうことだ。」


田中「もちろん、死んでいった10人を忘れるわけではない。」

田中「貴様の写真が思い出させてくれるからな。」


田中「だがそれでも、自分を見失うわけにはいかんのだ。」

小泉「そっか。うん、そうだよね…。」




澪田「じゃあみんな、ライブハウスに集まるっす!!」

七海「本気でやるの…?」

弐大「じゃあ、狛枝に…ん?狛枝の奴、もうおらんのか。」

小泉「狛枝…。結局アイツの目的は、なんだったの?」



澪田「凪斗ちゃんは欠席っすか…。ま、仕方ないっすね!!ここの5人だけで、パ~っとやるっす!!」

弐大「う…。腹の調子が…」

小泉「諦めて、覚悟を決めたら?」

田中「ふん…。果たして貴様に、この俺様をうならせることができるか…?」





そうしてアタシたちは、5人しかいなかったけど、なんとか楽しくその日を過ごした…。


その晩…




―小泉のコテ―ジ―



小泉「あ…。そういえば、未来機関のファイルとアタシたちのプロフィ―ルを見てなかったな…。」

小泉「みんなにも報告したいけど、もう夜だし…。明日でいっか。」



小泉「一応、見るだけは見ておこうかな…。」




『日向創 予備学科  終里赤音 体操部

狛枝凪斗 幸運  七海千秋 ゲ―マ―

??? 詐欺師  ソニア ネヴァ―マインド 王女

田中眼蛇夢 飼育委員  西園寺日寄子 日本舞踊家

左右田和一 メカニック  ×小泉真昼 写真家

花村輝々 料理人  罪木蜜柑 保健委員

弐大猫丸 マネ―ジャ―  澪田唯吹 軽音楽部

九頭龍冬彦 極道  辺古山ペコ 剣道家』




小泉「ん…?アタシの名前の横に×が付いてる。なんだろう、これ。」

小泉「まあいいか。それよりも気になる事がある。」




小泉「この『???』ってのは、豚神か…。」



小泉「でも、日向の“予備学科”って何…?」

小泉「“超高校級の相談窓口”じゃなかったの…?」


小泉「あ、予備学科の説明がある…。」




『予備学科とは、希望ヶ峰学園の“希望”の育成のための資金を得るためのシステムである。
希望ヶ峰学園に莫大な入学料を払うことで、希望ヶ峰学園に一般人が入ることができるのだ。』




小泉「良くわかんないわ…。要するに、日向だけはアタシたちとは別だったの?」

小泉「といっても、もう日向は死んじゃったから、日向に聞くこともできないな…。」


小泉「結局、何も分かんないな。裏切り者のプロフィ―ルもモノクマにねつ造されているみたいだし。」


小泉「ん?これに付属しているの、なんだろう。」




『未来機関は、15人の、希望ヶ峰学園の生き残りを保護することに成功した。』


小泉「15人…?それって、裏切り者を除いたらアタシたちの数と一致する。」


小泉「たまたま…じゃないよね。それにしても、希望ヶ峰学園が廃校になったってのは本当なんだ。」

小泉「それどころか、“生き残り”って…」


小泉「遺跡にはシェルタ―とかあったし。外の世界は、一体どうなっているの…?」




『しかし取り調べを進めていくうちに、かれらが“超高校級の絶望”の残党だということが発覚した。』





小泉「“超高校級の絶望”…?なに、それ?」




『“人類史上最大最悪の絶望的事件”を扇動した連中だ。未来機関の中では全員を抹殺する事を提言する人間が多数いた。
彼らの中にも、奴らに家族を殺された者が山ほどいる。』




小泉「え…?」





『しかし腐っても元は“希望”。かれらをうまく扱えば、未来機関にとって大きな力となるかもしれない。
そこで未来機関が起用したのが、“希望更生プログラム”…。15人の絶望の、絶望の成分を取り除くことが目的である。』


『通常なら、絶望の残党は速やかに処分すべきだが…』

『かれらも“絶望のカリスマ”である彼女の被害者である、という意見も少数ながら存在する。
彼らの意見も尊重し、絶望の残党の処置はこのようなものとなった。』


『超高校級の絶望の時代のかれら15人の記憶を奪い、
監視者2人の元でかれらの希望を取り戻し、再びこの世界の希望を…』




ここからは、なぜかペ―ジか切れていて読めない…。




小泉「…」



小泉「ど、どういうこと…?未来機関の監視者2人って、裏切り者とモノミのことよね…。」

小泉「じゃあ、外の世界の大惨事を起こした、15人の絶望っていうのは…」




小泉「アタシたち…?」






『許して…。』



小泉「…?」







『許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許し』







小泉「!?」



小泉(なに、今の…?)


小泉(誰の…記憶なの…?)




小泉「とにかく…。これをみんなに見せるのは、やめたほうがよさそうね…。」


小泉「特に、狛枝…。“希望”をこよなく愛するアイツが、この事実を知ってしまったら…」

小泉「何をしでかすか、わかったもんじゃない…!!」


小泉「そうだ…。こんなの、嘘だっていう可能性もあるんだ…。」

小泉「べ、別に、みんなに報告しないといけないようなことじゃない…!!」




『うふふふふふふ、何を言っているの…?』



小泉「え…?」





『ただ、目をそらしているだけでしょ…?』



小泉「な、何…?誰…!?」







『アタシの理念は昔から変わらない…。すべては、エガオのために…!!』



小泉「知らない知らない!!…なにも、知らないっ!!お、思い出したくもない…!!」






小泉(とにかく…明日は普通に…何事もなかったように、過ごすんだ…。)



小泉(そして、コロシアイなんて絶対起きないようにすればいいんだ…!!)





小泉(そうしたら絶対に、帰れるはず…。)



小泉(希望ヶ峰学園に入学する前の日常の世界に、きっと…)









CHAPTER4 超高校級の魔術師、最期の大花火!!   END

生き残り   6人
☨ヒナタ 狛枝 ☨トガミ 田中 ☨ソウダ ☨ハナムラ 弐大 ☨クズリュウ
☨オワリ 七海 ☨ソニア ☨サイオンジ 小泉 ☨ツミキ 澪田 ☨ペコヤマ

TO BE CONTINUED….




今日はこれで終了です。明日からは5章ですね。早いものです。


5章は今までの章よりかなり長いです(4章の約2倍)。


そして、そんなのアリかよ!!っていう展開も多くなります。


4章の時点でそう感じている人は要注意です。





CHAPTER5 キミは幸運という名の不運に微笑む (非)日常編





二十八日目


―小泉のコテ―ジ―



映像の中のモノクマ『オマエラ、グッモ―ニン!!朝です、7時になりました!!』




小泉「そうか…。もう、7時か…。」


小泉「行こっか。レストランに…」





―レストラン前―



澪田「あ、真昼ちゃんじゃないっすか―!!」

小泉「唯吹ちゃん、今日は早いんだね…。」




西園寺『わ―い、おねぇだ!!ね、一緒に行こう!!』

小泉「はいはい、わかったからそんなにくっつかないでよ。」

澪田「濡れ濡れの百合の世界へようこそ―!!」


罪木『ふふふ…。楽しそうですね。』

西園寺『は?なんでお前みたいなゲロブタに話しかけられないといけないの?』

罪木『ふぇえ、すみませぇ―ん!!』

小泉「こら、日寄子ちゃん。そんなこと言わないの。」

西園寺『む―。』




―レストラン―



弐大「応っ!!来たか小泉!!」

終里『お先に頂いちゃってるぜ!!』

小泉「相変わらずものすごいスピ―ドね、赤音ちゃんが食べるのって…」




詐欺師『ふん。終里よ、どうやら貴様は俺の対抗心に火をつけてしまったようだな。』

澪田「びゃ、白夜ちゃんが燃えてるっす!!大食いの意地っすね!!」


詐欺師『どうだ終里?ここで俺と勝負しないか?どっちが早く10皿平らげるかをな…!!』

終里『は、望むところだぜ!!おい花村!!じゃんじゃんもってこい!!』

花村『オッケ―!!さてさて、君達はぼくの料理を何皿まで耐えきれるかな…?』




小泉「ちょっと。体に悪いんじゃない?」

弐大「固いこと言いっこなしじゃ!!」

弐大「あんなに元気よく食べているところを見たら、こっちまで気持ちよくなってくるけんのう!!」


詐欺師『いくぞ!!』

終里『おう!!』

澪田「は、始まったっす!!白夜ちゃんが別人のようっす!!」

小泉「ま、ほどほどにね…。」




花村『小泉さんもぜひ食べてよ!!ぼくの最高級の料理をね!!』

花村『そして、その紐パンをずり落とすんだ!!』

小泉「アンタのそのキャラも、相変わらずね…。」


日向『安心しろ!!ずり落ちたパンツは俺が回収してやるからな!!』

小泉「!?」




田中「ふっ。小泉の姿を見て、破壊神暗黒四天王も喜んでいるぞ…。」

ソニア『わぁ、すごくかわいいです!!田中さんのハムスタ―、わたくしも触ってみたいです!!』

田中「むっ…。しかし、俺様の体の猛毒が…」

ソニア『大丈夫です!!わたくしは特異点ですから!!』

左右田『おいおい…。いつの間にそんな仲になったんだよ?そんなのオレは認めねぇからな!!』




小泉「左右田も懲りないね…。まだあきらめてないの?」

左右田『うっせうっせ!!大体、いままで男を寄せ付けたことのなさそうなお前に、こんな淡い恋心がわかるわけがねぇ!!』

小泉「し、失礼ね。アタシだって…」


日向『目立たないところで気を使ってるもんな!!紐パンとか紐パンとか!!』

小泉「アンタは黙ってて!!」




七海「あれれ?狛枝くんは?」

西園寺『え―。あんな奴どうでもいいじゃ―ん!!』

辺古山『確かに、奴は少し危険だからな。』


小泉「そうかな…。話し合えば、わかる奴だと思うよ?」

辺古山『そうか…。小泉は優しいのだな。あんな奴でも、仲間だと言えるなんてな…』

小泉「もう、ペコちゃんってば…。おだてたって、何も出ないよ!!」






小泉(あれ…。なんだろ、これ…。こんな世界があったんだ…。)







小泉(楽しいな…。このまま、ずっとこの日常が続けばいいのにな…。)


















『赦さねぇ…。』











小泉「…え?」


『なんでてめぇが生きてるんだ…?』



小泉「え…?え…?」






『オレの…オレのかわいい妹を殺しておいて…』


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ…。な、何の話…?」




『しらばっくれんなよ…。わかってんだろ?オマエは赦されない…。オレが、永久に赦さない…。』


小泉「ち、違っ…!!」




小泉「ア、アタシは殺してなんかない!!ただ、少し手伝っただけで…そ、それだけで…」


『オマエは生き残るべきじゃない。ここで死ぬべきだ…。』

『ここで、オレに殺されるべきなんだ!!』


小泉「ま、待ってってば…。だ、だって…」




小泉「お、おかしいよ…。そ、そんなことで、花瓶を片付けただけで、死ぬべきなんて…!!」

小泉「そ、そんなの、納得できない!!」





辺古山『いや、貴様は死ぬべきだ。』


小泉「え…?」




日向『ああ、辺古山たちの言うとおりだ。』


西園寺『いくらおねぇでも、擁護できないよ。』


罪木『そんな言い訳で自分を簡単に赦しちゃうんですね…。ずるい、ずるい、ずるいよ…。』




小泉「み、みんな…?」




『死ね』



辺古山『死ね』

罪木『死ね』

左右田『死ね』

花村『死ね』

ソニア『死ね』

西園寺『死ね』

終里『死ね』

詐欺師『死ね』

日向『死ね』





小泉「や、やめて…。お願い、やめて…!!」





小泉「ゆ、赦して…。赦して、赦して、赦してぇ…!!」




『赦さねぇ…。そんなことをしても、オレの妹は永久に帰ってこないからな!!』


『楽に死ねると思うなよ。オレの妹が味わった苦しみの、100倍の苦痛を与えてやるからな…!!』




小泉「ひっ…!!」




『ちょうどいいところにバットがあるな。どこを殴って欲しい?頭はダメだぞ。すぐに死んじまうからな。』


『腕か?足か?それとも背中か?もしかして肩がいいのか?』


『お前の体がボロ雑巾のようにグチャグチャになるまで、何回でも何回でもバットを振り下ろしてやるからな…。』




小泉「い、いやだ…。いやだいやだ、いやだぁっ!!!」




小泉「こ、殺される…!!た、助けて、誰か助けて…!!」

小泉「みんな、助けてよ…!!」






日向『ヒヒヒ。』


左右田『ミグルシイナ。』


辺古山『ドブネズミガ。』


西園寺『ハヤクアキラメロ。』


ソニア『シネヨ。』


花村『ヤッチマエ!!』


罪木『アカイハナヲサカセテ。』


詐欺師『キキキキキ!!』


終里『クルシメ。モットクルシメ。』



小泉「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」





7時過ぎ



―レストラン―



田中「…」

弐大「…」




田中「2人だけか…。前回は、ここにもう2人いたのだがな。」

弐大「うむぅ…。小泉の奴はどうしたんじゃあ?」

田中「奴はいつも7時に来ていたからな。」


田中「…何かあったのかもな。」




七海「ねみぃ…。」

澪田「千秋ちゃん、ノリが悪いっすよ!!唯吹の歌を聞いて、元気出すっすか!?」

七海「いや、もう元気出たからいいよ。」


弐大「む…。ついに、この連中が先に来てしもうたか。」

田中「貴様ら。小泉の奴を知らんか?」


澪田「あれあれ?そういえば、まだ来てないっすね。」

七海「狛枝くんはともかく…。小泉さんが私より遅いなんて、初めてじゃないかな?」


澪田「心配っすね…。唯吹が真昼ちゃんのコテ―ジに行って、確かめてこよっか?」

弐大「ああ、任したぞ。」




トン…トン…



七海「あれ?階段を上がる音が聞こえるよ?」

澪田「おやおや?凪斗ちゃんか、真昼ちゃんか…」





小泉「…」



弐大「応っ!!小泉じゃないか!!」

田中「ふん。心配をかけさせるな。」


小泉「…フフ……ナニイッテンノ………タノシソウネ……」





澪田「…あれ?なんか、様子が変じゃないっすか?」


七海「なんか、目が虚ろというか…。小泉さん、どこを向いているの…?」

弐大「というより、ワシらの声は聞こえとるんか?」





小泉「モウ、ヒヨコチャン、メッ!!…ペコチャン……テレチャウヨ……」



澪田「なんか、さっきからブツブツ独り言を言ってないっすか…?」


田中「小泉…。貴様、どうしたというのだ?」




小泉「ひっ!!」


田中「んぅ!?」





小泉「な、なんで…なんでアンタが、ここにいんのよ…!?」


澪田「あれ…。真昼ちゃん、初めて反応したっすけど…」

田中「な、何を言っている小泉。俺様がここにいて、何がおかしいのだ…?」


小泉「お、おかしいよ…。アンタは死んだはず…。あの時に、確かに死んだじゃない…!!」

弐大「な、何の話をしとるんじゃあ!?」




小泉「ま、まさか…。アタシを殺しに来たの!?」


田中「お、落ち着け!!俺がそんなことをするはずがなかろう?」


小泉「そ、そうだ、きっとそうだ…!!」

小泉「地獄の底から、アタシを殺すために舞い戻って来たんだぁ…!!」




弐大「どうしたんじゃあ、小泉!?」

弐大「ここにはお前さんの敵なんて、お前さんを殺そうと目論む人間なんて、1人もおらんのじゃぞ!?」


七海「これは…。田中くんのことを言っているわけじゃなさそうだね。」

七海「田中くんの奥に、田中くん以外の誰かを見ている…。」

澪田「い、意味が分かんないっすよぉ!!」



田中「怯えなくてもいい!!俺様は、貴様の味方だ…!!」

小泉「い、いや…。近づいてこないで…!!ア、アタシに、何をするつもりなの…!?」

小泉「怖いよ、怖いよぉ…!!痛いのは、いや…!!」




小泉「ア、アタシを痛めつけても何も出ないよ…?お、お金なんて降ってこないよ…?」


小泉「み、みんなは、そこにあるフォ―クやナイフを何本アタシに刺せるかで競争しようとしてるの…?」

小泉「そ、そんなことをしたらナイフがもったいないからやめた方がいいよ!!」


小泉「そ、それとも、そこの鍋でアタシを料理する気…?」

小泉「アタシをぐつぐつ煮て、みんなでパ―ティでも開くつもり…?」

小泉「ア、アタシを食べてもおいしくないよ…?ホ、ホントだよ…?」


澪田「な、なんすか、これ!?真昼ちゃん、すんごい被害妄想に囚われちゃっているっす!!」

七海「田中くんだけじゃない…?もしかして小泉さんは、私たち全員が敵に見えているの?」

弐大「て、敵というほど対等な物でもなさそうじゃぞ?」

弐大「むしろ、自分のトラウマをさらにえぐる、絶対に勝てない相手と言った方が…」




田中「くっ、どうすれば…!?とりあえず、離れたほうがいいか…。」


小泉「ひっ…!!そ、そう言って本当は、アタシをいたぶるための道具を調達してくるつもりなんでしょ…?」

小泉「アタシの爪を剥いだり、ガスバ―ナ―でアタシの手をあぶったり…!!」


田中「くそっ、そんなことをするわけがなかろう!!」


小泉「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい、ぶたないで…!!」

小泉「痛いのは、嫌なんです…」


七海「もしかして、小泉さんの過去に何かあったのかも…」

田中「何かの拍子で、学園生活の記憶が一部戻っているとでもいうのか?」

澪田「えぇ!?どんな過去なのか、まったく想像がつかないんすけど…?」




狛枝「あるぇ?こりゃどういうことだろうねぇ?」

狛枝「なんで小泉さん、部屋の隅でへたり込んでいるの?田中クン、女の子をいじめちゃダメだよ…。」


田中「狛枝…!!」

澪田「な、凪斗ちゃん!!とにかく一大事なんっす!!真昼ちゃんの様子が、今日の初めからずっと変なんっす!!」




小泉「こ、狛枝…!!ア、アンタなら、アタシを助けてくれるよね!?」


弐大「うん?狛枝だけは、狛枝と呼んでおるぞぉ?」

澪田「も、もしかしたら、凪斗ちゃんならいけるかもしれないっすね!!」

澪田「凪斗ちゃん、真昼ちゃんを何とかして!!」


狛枝「何とかしろって言われても…。状況がさっぱりだよ…。」


七海「とりあえず…。何かの拍子で、被害妄想をするほどに疑心暗鬼になっているってことかな。」

狛枝「やれやれ…。それでも希望の象徴なのかな…?」





小泉「ね!?ね!?狛枝なら、助けてくれるよね!?そうでしょ!?そうだと言…」



狛枝「うるさい。」ビリッ

小泉「ギャ」パタリ




澪田「…なにしたんすか?」


狛枝「5の島に、スタンガンがあったからね。少し黙らせたよ。」

弐大「まぁ、今はこれが最善か…。」








七海「小泉さんは、とりあえず寝かしておくとして…」


澪田「ついに、5の島に行けるようになったんすか?」

モノミ「その通りでちゅ!!稀にみる総力戦の末、ついにやりまちたでちゅ!!」

田中「そうか…。」



モノミ「え~っと…。あちしへのねぎらいはまぁないと思ってまちたが…」

モノミ「今回もいかないつもりでちゅか…?」




弐大「いや、そういうわけにもいかんじゃろう。」

澪田「え?」


田中「すでに狛枝が探索を完了しているようだからな。」

田中「しかも、スタンガンのような危険なものが簡単に転がっているところなのだろう?」

田中「野放しにしておくのは危険だ…。」


澪田「そうっすね…。凪斗ちゃんが、また何かをしでかすかもしれないっすからね…。」

狛枝「…」




田中「そして、今回が最後の島だ…。今回で、モノクマの軍勢を地に叩き落とす方法を見つけ出すぞ!!」


澪田「え?脱出の方法じゃないんすか?」


弐大「ふん、逃げることを前提にしているのが間違いだったんじゃあ。」

弐大「逃げることができんのなら、戦うまでよ!!」


澪田「キャー!!かっけぇっす!!頑張ってね!!」




七海「澪田さんは頑張らないの?」

澪田「え―?ダメっすか?」


田中「ダメだ。」

弐大「ダメじゃあ。」


澪田「分かったっすよ…。やりゃあ良いんっしょ…。」

田中「ふ。俺様を本気にさせたことを後悔させてやるぞ…!!モノクマめ…!!」

弐大「よっしゃあ!!じゃあ、行くとすっか!!」





七海「うんうん、みんなの結束はすごいね。」




七海「って言いたいところだけど…」


澪田「どうしたんっすか?」







七海「小泉さんの様子が変。」


弐大「元から変じゃったろう?」



七海「なんというか…。精神的に変なんじゃなくて、物理的に変というか…」




田中「ふん、何をわけのわか…」


田中「…」



澪田「眼蛇夢ちゃん、どうし…」


澪田「…」



弐大「2人とも、何が…」


弐大「…」



狛枝「あれぇ?みんな黙って、なにを…」


狛枝「…」




七海「狛枝くんまで固まっちゃった…。」




今日はここまで。






「…?ここ、どこ?あたち、なにちてたんだっけ…?」




田中「奇妙、奇天烈、摩訶不思議…。」


弐大「奇想天外、四捨五入…。」


澪田「出前、迅速、落書無用…。」




狛枝「小泉さんの体、異常に縮んでるね。服がぶかぶかだよ…。」

七海「しかも、呂律が回ってないよ。」




ようじょ「おねぇちゃんたち、だれ…?」

ようじょ「おとうさんとおかあさんは…?」

ようじょ「うぅ…。」グスッ


澪田「ま、まずいっす!!泣き出しそうっすよ!!」

弐大「まるで、子供じゃな…?」

田中「“まるで”でもなく、子供になっているぞ…?」




ようじょ「お、おにぃちゃんたち、どうちたの…?み、みんなこわいかおしてるよ…?」


弐大「い、いかん!!子供の前で大人がうろたえると、教育上よろしくないぞぉ!!」

狛枝「育てるつもりなの?」




田中「ふ、ふふ…。とりあえず、子供とのコミュニケ―ションで必要なのは、子どもと同じ目線に立つことだ…。」


田中「そこの子羊よ…。貴様の名前と…年を教えてみろ。」

ようじょ「きゃあ!!た、たべられる…!!」

田中「ガ-ン!!」


澪田「超、上から目線だったっすよ…。怖がられて当然っす…。」

弐大「もともと怖そうな格好をしとるしのう。」

田中「ショ、ショックなど、受けてないからな…。」グフッ




七海「小泉さん、私たちの名前もわかってないみたいだから、まずは私たちの名前を教えてあげるべきじゃないかな?」

田中「そ、そうだな…。」


田中「俺様の名は、田中眼蛇夢!!覚えておくがいい、いずれこの世の全てを支配する男の名だ…!!」

ようじょ「お、おにぃちゃんは、わるいひとなの…?あ、あたちをたべちゃうの…?」

田中「ガ-ン!!」


弐大「おまえさん、なにがしたいんじゃあ…?」




七海「えっと…。私は、七海千秋だよ。キミの名前を教えてくれないかな?」

ようじょ「…」


ようじょ「うん、おねぇちゃんはやさしそうだね!!わかった、おちえてあげる!!」


田中「さ、差別だ…。」

澪田「そうでもないっしょ。」





こいずみ「あたちは、こいずみまひる!!5さいです!!」



狛枝「やっぱり、小泉さんなんだね。」

狛枝「5歳か…。幼児退行したのかな?」

弐大「しかし…。漫画とかでは精神が幼児退行するのはよく見るが、体まで幼児退行するのは変じゃろう?」

澪田「漫画、読むんだっ!?」




田中「あの被害妄想で精神が崩壊したのか。」

田中「体のことは置いておくとしても…このままでは小泉は、あまりにも無防備だ…。」


七海「誰かが見ていないと、いけないか。」




モノクマ「あ~あ。小泉さん、ついにぶっ壊れちゃったね。」


澪田「うわっ!!モノクマちゃんっす!!」

狛枝「小泉さんが小さくなったのは、キミがしたことなの?」


モノクマ「さてね…。でも、小さくなったからって彼女は立派な生徒ですから!!」

モノクマ「彼女を殺したら、コロシアイのル―ルに抵触するからね!!」

モノクマ「まぁ、彼女が誰かを殺すこともあり得るけど…」




こいずみ「わぁ、おにんぎょうさんだ!!おにんぎょうさんがうごいてる!!」

こいずみ「ねぇくまさん!!あなたって、そらをとべたりする!?」


弐大「人形に空を飛んでほしいのか!?」

澪田「空を自由に飛びたいなぁ~!!」ハイ、タケ○プタ-!!




田中「い、いかん!!小泉、そいつに近づいてはならんぞ!!そいつは危険だ!!」

こいずみ「ひっ…。」



こいずみ「え―ん!!あのこわいおにぃちゃんが、あたちをいぢめるぅ―!!!」

こいずみ「びえぇえええぇえええぇええええええええん!!!!!」



澪田「あ~あ、泣かした。」

田中「あ、あわわ…」

弐大「『あわわ』なんて、現実でいう奴がおるとは…」




モノクマ「うるさいなぁ…。ボクって、子供の泣く声がモノミの次に嫌いなんだよね。」

モノクマ「というわけで、さいなら~!!」


狛枝「結局、煽りに来ただけか…。」



こいずみ「びえぇえええぇえええぇええええええええん!!!!!」


七海「えっと、どうしよう…。なんとか泣きやまないかな?」

澪田「眼蛇夢ちゃ~ん。自分で泣かしたんだから、何とかしてよ~!!」

田中「そ、そう言ってもだな…。近づくだけで、怖がられてしまう…。」

弐大「名誉挽回のチャンスじゃあ!!なんとか気を許させるんじゃあ!!」




こいずみ「びえぇえええぇえええぇええええええええん!!!!!」


田中「ぐぬぬ…。」


破壊神暗黒四天王「チュ-チュ-!!」

田中「む!?自分たちに任せろだと…!?そ、そうか…!!」


澪田「動物の言葉がわかるんだ…。」




マガG「チュ-!!」

こいずみ「びえぇええ…ん…?」


マガG「チュ-チュ-!!」

サンD「チュ-チュ-!!」

こいずみ「わぁあああ…!!はむすた―さんだぁ!!」

田中「ふふふ…!!好感触だ…!!」


こいずみ「ねぇ、あなたのおなまえは?」

サンD「チュ―!!」

こいずみ「そっか!!さんでぃ―っていうんだね!!」

澪田「分かるんだっ!?」




田中「小泉…!!よく見ておけ。これから俺様と破壊神暗黒四天王が、貴様を笑顔にするために一芸披露してやろう!!」

こいずみ「えがお…?うん、あたちえがおだいすき!!みんながしあわせになれるもん!!」

弐大「む…。なんかかみ合ってきたのう…。」


田中「破壊神暗黒四天王お手玉!!4匹の刺客が一定のリズムを保ち、俺様の手のひらの上で円を描くのだ!!」ヒョイヒョイ

こいずみ「わああ!!すご―い!!はむすた―さんたちがいきいきちてる…!!」きらきら!!


狛枝「やれやれ…。“凄い”なんて他人事っぽいし適当だし…」

七海「子供相手になに言ってるの?」


澪田「とりあえず、泣きやんだようでよかったっす!!」








七海「さて…。第一の問題は、小泉さんの服かな。」

七海「今まで着ていた服じゃ大きすぎるもんね。」

弐大「ロケットパンチマ―ケットには、子供服なんてなかったしのう。」


澪田「なら、唯吹に任せるっす!!唯吹が子供服をこしらえるっすよ~!!」

田中「できるのか?」

澪田「唯吹をなめちゃ困るっす!!こんなの、バンドマンならできて当たり前なんっす!!」




澪田「じゃ、まずはちっこい真昼ちゃんのサイズを測ってと…」

こいずみ「うう、くしゅぐったい…」

澪田「ちょっとくらい我慢するっす!!この後、スタイリッシュな服をプレゼントするから!!」

こいずみ「すたいりす…?それってどんなりすさん?」







澪田「じゃ、ちょっと待ってるっす!!」

タタッ


七海「…」

田中「…」

弐大「…」






狛枝「で、これってどういうことなの?」



七海「あんまり考えないようにしたかったのにな…。」


こいずみ「もやしのおにぃちゃん、どうちたの…?」




狛枝「状況をもう1度冷静に考え直そうよ。」←もやしのおにぃちゃん

狛枝「まず、どうして小泉さんはこんなことになっちゃったんだろうね?」←もやしのおにぃちゃん




弐大「うむぅ。狛枝はあの小泉をあまり見ていないからのう…。」


こいずみ「おじさん…。むずかしいかおしてるよ…?なにかあったの…?」



弐大「やっぱり、さっきの小泉の様子とも関係するんじゃないかのう?」←おじさん

弐大「何かに怯えているような印象を受けたが…」←おじさん




こいずみ「ねぇ…。なんのおはなししてるの?こ、こわいおばけのおはなちじゃないよね…?」


こいずみ「おねぇちゃん…。あたち、こわいおはなちはきらいだよ…。」

こいずみ「だ、だって、からだがふるえて、よるにひとりでおといれにいけなくなっちゃう…。」


七海「…心配しなくていいよ。怖い話なんか、1つもしていないから…」←おねぇちゃん

こいずみ「む―!!じゃあ、なんのおはなしをちてるの?」

七海「…」←おねぇちゃん




田中「七海は言っていたな。小泉の過去に何かあると。」←こわいおにぃちゃん

田中「それが思い出すのもおぞましいものだとしようか。」←こわいおにぃちゃん

田中「それをおそらく、失われた学園生活の中で体験していたのだな…。」←こわいおにぃちゃん




狛枝「それが何かの拍子で思い出されて精神が崩壊しかけ、壊れかかった心を守るために幼児退行し、5歳に戻ったと。」

弐大「5歳のころはそんなことを体験しとらんから、その時代に逃げることができたんか。」


七海「でも、5歳に戻ってまで思い出したくない過去って、なんなんだろう…。」

田中「あの小泉の怯えた様子を見るからに、尋常なことではあるまい。」

田中「精神の1つや2つ、崩壊してもおかしくなさそうだったぞ。」




狛枝「まぁ精神のことはそれでいいとして、問題はどうして体まで縮んでしまったのかだね。」

七海「やっぱり、モノクマの思惑が働いているとしか思えないな…。」


こいずみ「ふんだ。おとなのひとはみんなそうだもん。」

こいずみ「こどものかんがえていることなんて、きにもとめないんだから。」

こいずみ「いいもん。なかまはずれにされても、さみしくなんかないもん…。」


こいずみ「おかあさんも、あたちのことなんてきにちないで、とおくにいっちゃうし。おとうさんもだらしないし…」




こいずみ「…」






こいずみ「ねぇ、ここどこ?あたち、いまどこにいるの?」



田中「…」





こいずみ「おとうさんは…?あたちのおうちは、どこ…?」

こいずみ「どこにいけば、おうちにかえれるの…?」


七海「…」




こいずみ「ねぇ…。どうしておへんぢをくれないの…?」

こいずみ「も、もしかして、あたちのこときらいなの…?」


弐大「…」





澪田「ただいまっす~!!できたっすよ!!真昼ちゃんがいつも着ている服の小っちゃいバ―ジョンっす!!」

モノミ「あちしと澪田さんの共同作業のおかげで、すごくはやくできたでちゅ!!」

弐大「い、いいタイミングじゃあ!!よし澪田、小泉に着せてやるんじゃあ!!」



こいずみ「ごまかさないで!!」




七海「…あとで、ちゃんと説明するから。」

七海「ね?今は、みんなと遊ぼ?」

こいずみ「む―…」




澪田「よ―し、真昼ちゃん!!こっちに来るっす!!唯吹が着せてあげるっすよ!!」

こいずみ「わぁ、どりるだぁ!!」


澪田「…」←どりる





田中「ドリル…」


弐大「ドリル…」


澪田「ドリル、ドリルと連呼しないでほしいっす!!」←どりる




こいずみ「どりるがきせてくれるの?わ―い、ありがとう!!」

澪田「“おねぇちゃん”さえ付かないんすか…。まぁ、別にいいっすよ。へこんでなんかないっすから…」ショボン


こいずみ「あ、あれ…? どりる、もしかちてごきげんななめ…?」

こいずみ「あたち、なにかわるいこといっちゃった…?」


弐大「気付いてさえもらえてないぞ、澪田。」

澪田「もういいっす!!この方が唯吹のキャラにあってるっす!!」グスッ


田中「どうでもいいから、さっさと着替えさせろ。」

澪田「どうでもよくないっす!!」


七海「ちなみに、男の人は見ちゃダメだよ。たしか、このことを世間ではロリコンというらしいから…」








こいずみ「…」チョコン


澪田「て、手のりサイズの真昼ちゃんっす…!!」

澪田「やベ―っす!!かぁいいっす!!だっこしていいっすか!?」


田中「何を言っている…。」





田中「破壊神暗黒四天王と戯れさせるのが先だ!!」


弐大「待つんじゃあ!!ワシにハグさせてくれぃ!!」

澪田「猫丸ちゃんが抱きしめたら、真昼ちゃんがぶっ壊れるっすよ!!」

弐大「な、なんじゃとぉ!?」




七海「なんか、みんなメロメロだね…。」

狛枝「ただの現実逃避のような気がするけど?」

七海「う~ん。確かにそうなんだけど、深刻にとらえ過ぎるのもよくないんじゃないかな?」


狛枝「はぁ。希望の象徴のくせに、問題を後回しにするの…?はい、ポッキ―。」

こいずみ「わぁい!!」


七海「狛枝くん!?」




田中「仕方ない。誰が最初に小泉と戯れるか、正々堂々勝負で決めようではないか…。」

弐大「初ハグはワシのもんじゃぞぉ!!」

澪田「分かったっす…。【3人で】ジャンケンっすね!!」



言弾:

4人で



安価↓1




4人で→【3人で】



狛枝「それは違うよ…。」ネットリ



BREAK!!





澪田「な、凪斗ちゃん!?」


狛枝「ふふふ、今の小泉さんこそ“希望の種”だよ!!今の彼女には、夢と希望が詰まっているんだ!!」

狛枝「そんな素晴らしい希望は、ぜひボクが育て上げたいものだね!!」


田中「何だと…!?貴様の“希望”というのは、実は“幼女趣味”とか、そんなことではなかろうな!?」





狛枝「幼女趣味なんて、そんな言葉で片付けられるのは心外だな…。」


狛枝「ボクのはなんていうか、もっとこう純粋で…」


狛枝「無償の愛みたいなものなんだよ…。」




澪田「ま、まさかの第4勢力っすか!?」

弐大「しかも、ジャンケンという勝負は“超高校級の幸運”に有利すぎる…!!」

弐大「こやつ、まちがいなくワシらにとっての脅威じゃぞ!?」


田中「そ、そうだな…。とりあえず、ジャンケンという戦闘方式は変更せざるを得まい…。」

弐大「じゃあいっそ、拳で決めるかぁ!!」

澪田「唯吹に不利すぎるっす!!平等に決めてほしいっす!!」




狛枝「平等ね…。ならいっそ、小泉さんに聞こうよ。誰と遊びたいかをさ。」

田中「なるほどな…。確かにそれなら平等だ。」


澪田「真昼ちゃんは、もちろん唯吹が1番好きだよね!!」


弐大「唯一呼び捨ての澪田なんて眼中にないわい!!」

弐大「ドリルなんかより、ワシのたくましい胸板が好きに決まっとる!!」


澪田「子供に何を教えるつもりっすか!?」

澪田「おじさんなんて、子供に避けられて当然の生き物っすよ!!」

澪田「洗濯物を別々に洗ってほしいってお母さんに頼まれる存在っすよ!!」


田中「ふん…。ドリルもおじさんも、落第点だな…。」

田中「俺様の破壊神暗黒四天王こそ子供心をくすぐる、子供の相手にふさわしい存在よ…!!」


狛枝「そういうのは、他力本願っていうんだよ。」

狛枝「ボクの幸運が、きっと小泉さんをボクのところに引き寄せる…。」




澪田「あれ?っていうか、真昼ちゃんはどこ?」

弐大「無っ…。」





―ホテル ロビー―


七海「ここをこう押すとね…」

こいずみ「わぁ、やっつけた!!」

七海「うんうん。ミニ小泉さん、呑み込みが早いね。その調子…」


田中「まさかの伏兵(ダークホース)…だと…っ!?」

澪田「水面下の第5勢力にしてやられたっすね…。」


弐大「しかも、“ミニ小泉”じゃと…?ニックネ―ムまでも、ちゃっかり命名しとるじゃないか…。」

狛枝「この不運も、次に来る幸運の前兆に違いない…。」









澪田「真昼ちゃん、グミをあげるっす!!」

こいずみ「わぁ、ありがとう!!どりる!!」


こいずみ「はむっ」パクリ

こいずみ「…」モムモム…


こいずみ「…!!」パアァ…!!



澪田「ギタァアアアアアアィラッシュ広島!!!!!!」ゴロゴロゴロ・←悶え死に




田中「な、何という破壊力…!!」

田中「可愛すぎる!!澪田が一撃でやられてしまった!!」

弐大「澪田、地べたをゴロゴロしているせいで、耳の装飾が変なところに刺さっとるぞぉ!?」




こいずみ「あっ」ポロッ

七海「袋ごとだね。」


こいずみ「おとしちゃった…。せっかくどりるがくれたのに…」

こいずみ「うう…」グスッ


田中「ふん…。落としただと?そのグミの袋の下をよく見てみるがいい。」

こいずみ「え…?」


ジャンP「zzz…」

こいずみ「はむすた―さん…!!あたちがおとちたふくろをうけとめてくれたの?ありがとう!!」




こいずみ「じゃあじゃあ、こわいおにぃちゃん!!おれいに、どっちかえらんで!!」


田中「む…。どっちかというのは、貴様の握りこぶしのことか?」

こいずみ「うん!!みぎてかひだりてがあたりだよ!!」


田中「じゃあ、右でいい…。」

こいずみ「む―!!ゆびでさしてくれないとわかんな―い!!」


田中「そ、そうか…。じゃあ、こっちだ。」ミギ

こいずみ「あたり―!!こっちはぐみ2つだよ!!ひだりでも、1つはあるんだよ!!」




こいずみ「じゃあたべさせてあげるから、かおをこっちにむけて!!」


田中「た、食べさせるだと!?しかし俺様は、猛毒が…」

澪田「ここまで来たら、腹をくくるっすよ!!」←出血


こいずみ「はい、あ―ん。」

田中「あ、あ―ん。」パクッ

こいずみ「よくたべられまちた!!なでなでしてあげる!!」ナデナデ



田中「ハムスタァアアアダストバトル―ト16タ―ボ!!!!!!」ゴロゴロゴロ

破壊神暗黒四天王「チュ-チュ-!!」



弐大「田中もやられたみたいじゃのう…。」

澪田「見事なまでのキャラ崩壊っすね…。」




弐大「こ、今度はワシの番じゃな!!だっこしてやるぞぉ!!いや、させてくれぃ!!」


こいずみ「そ、その…。ちょっとまってほちいな…。」モジモジ

七海「こ、これはもしかして…」


弐大「怖がる必要ないわい!!高いところから世界を見られるぞぉ!!」

こいずみ「ま、まって…。」

弐大「はっはっはっ!!ワシだけ何も無しなんか勘弁じゃぞ!!ワシも2人みたいに床をゴロゴロしたいんじゃあ!!」




弐大「ほぉれ!!どうじゃあ!!」ヒョイッ

こいずみ「きゃわあ!!」


弐大「どうじゃあ、2Mの高さから見る景色は…」




ジョォオオオオオ…



弐大「…?」

こいずみ「う、うう…」


七海「やっちゃったね…。」





弐大「なぜか急に湿っぽくなったんじゃが、なにが起こったんじゃあ?」



こいずみ「ご、ごめんなさい…。おもらし、しちゃった…」

弐大「…」



弐大「…」←小泉を降ろした



弐大「…」

こいずみ「そ、その…」






弐大「ルイボスティ―歴35歳独身ンぬぅううううううううう!!!!!!」ゴロゴロゴロ



田中「別の意味でゴロゴロしているな…」ニョハァ…

澪田「また下着を新調しないと…」




今日はここまでです。




???「ソニアさんにはオレがいますから!!」

今日の投下は9時からです。







澪田「また、着替えさせてあげたよ!!」

こいずみ「ねぇ、どうちてこれひもでつながってるの?す―す―しておちつかないよ…。」

澪田「大きくなった自分に聞いてみるんすね!!」


弐大「シャワ―を浴びてきたぞぉ!!おろしたてのタオルが気持ちいいのう!!」




七海「とにかくこれで、みんなミニ小泉さんと遊んだかな?」

狛枝「え」



七海「じゃあ、そろそろ5の島に行く?」

狛枝「わざとなのか…素で忘れているのか…」




こいずみ「おでかけするの?わ―い、あたちもつれていって!!」

田中「小泉も行きたいのか?その場合、小泉は誰が見るのだ?」


こいずみ「あれれ、みんないっしょじゃないの…?」


田中「全員一緒というわけにもいかんのだ。探索の効率というものもあるしな。」

弐大「それに、危険人物が混じっとるかもしれんからな。」

澪田「裏切り者も、まだわかってないっすからね…。」


こいずみ「む―。そんなむずかちいこと、あたちにはわかんない!!」

田中「すまんな。なんとかわかってくれ。」




こいずみ「ふん。やっぱりおとなのひとはずるいや。あたちにはわからないことをいってごまかすんだもん。」

七海「そう言わないで…。どんなことを言っても、私たちはミニ小泉さんの味方だから…」

こいずみ「ふんだ。」


弐大「ふてくされてしもうたか…。まぁ、そうばかりも言ってられん。話を戻すか。」




澪田「で、結局誰が見るんすか?」

弐大「そもそも、本当に小泉を5の島に連れて行っていいんかぁ?」

澪田「スタンガンとかあるんすよね。確かに、教育上よくないかもしれないっすね…。」

田中「こんな状況で、教育云々を言っても仕方ないのではないか?いざという時にこの島の地理を知らないのは困るぞ。」



七海「う―ん。そういうことなら、私が見ようか?」

澪田「まあ、この4人の中なら千秋ちゃんが妥当っすね。」

狛枝「あれ、ボクが入ってない…。」


七海「じゃ、ミニ小泉さん。行こっか。」

こいずみ「…」






こいずみ「あたち、もやしのおにぃちゃんがいい!!」


七海「え?」

狛枝「…ボク?」



澪田「真昼ちゃん?何を言ってるんすか!?」

こいずみ「もやしのおにぃちゃんとはまだあそんでなかったよね!!いっしょにおでかけしよう!!」




田中「やめておけ…!!そいつは、モノクマと同等に危険なやつだ!!」

こいずみ「ふん。よくわからないけど、みんななかよくしないなんていやだもん。」

こいずみ「もやしのおにぃちゃんだけなかまはずれにするみんななんて、きらいだもん。ね、いこ!!」


狛枝「これは…。もしかして、ボクに幸運がまわってきたのかな!?」

狛枝「よぉし、行こうか小泉さん!!わからないことは、ボクが教えてあげるよ!!」

こいずみ「わ―い!!もやしのおにぃちゃん、だいすき!!」




田中「…」


澪田「分からないことは教える…。いったい何を教えるつもりなんすかね~!!」

弐大「引き止めたほうがいいかのう?」


七海「いや…いいよ。私たちも、狛枝くんのことをあまり考えてなかったのかもね。」

田中「まぁ、狛枝の危険性など今の小泉にはわからんか…。」

田中「それで我々が狛枝を避けてしまえば、狛枝をあわれむのも無理はないかもしれんな…。」




弐大「しかし、あいつ…。小泉を食べたりせんだろうな?」

澪田「食べるって、そっち系の意味っすか?」

田中「何の話をしている?」


七海「多分、大丈夫だよ。あんな状況でミニ小泉さんを殺しても、狛枝くんが犯人だってすぐわかるんだから。」

七海「希望を盲信する彼が、そんなマネをするとは思えないよ。」

澪田「ま…。とりあえず、解散っすね!!」





というわけで、ごのしまにあたちたちはいったんだ!!

もやしのおにぃちゃんと、おててつないでいったんだ!!


澪田「真昼ちゃんが言うんすか!?」




―ワタツミ インダストリアル―



こいずみ「ねぇ、ここってなにをつくってるの?」

狛枝「ここはね、モノケモノを作っていたという設定があるんだよ。」

こいずみ「…?いってるいみがわかんないや。」

狛枝「ま、わからなくてもいいんじゃない?」


狛枝「だって、本編でも『世界の各地で慢性的な暴動が起きている』ってことくらいしか言われてないからね。」

狛枝「1をプレイしてたら既に知ってることだし。」

こいずみ「?????」




―軍事施設―



こいずみ「ここ、なに…?こわいよ、もやしのおにぃちゃん…。」

狛枝「戦車に戦闘機、戦艦もあるよ。他にもいろんな武器があるね。確かにここは危険だ。」


狛枝「でも、あそこになにか資料があるよ。ボクが取りに行こっか?」

こいずみ「こ、こんなところでおいてかないでよ…。な、ないちゃうからね…?」

狛枝「そうなの?できればボクに近づかないほうがいいんだけどな。」

こいずみ「ど、どうして…?」


狛枝「それはね…」





ドシャァアアアアアン…!!!!! ←トラックの積み荷(推定1t)が目の前に落ちた音




狛枝「…こうなるからさ。」


こいずみ「」ガクガク…


狛枝「じゃ、ここの探索はやめにしようか。」

狛枝「実はボクは先に探索を終わらしていたから、あの資料の内容もわかっているしね。」


こいずみ「」ブルブル…


狛枝「トラウマになっちゃったか…。」




ちなみに資料の内容は、ジャバウォック島の中央の島の構造がおかしいだのなんだの…

何かの計画に使われるだのなんだの…

まぁ本編と同じだから気にしないで、希望を持って前を向いて頑張らないと!!


それでこそ、希望の象徴なんだからさ!!




―工場 モノクマ工場―



狛枝「ここは…。モノクマが大量に製造されているね。」

狛枝「小泉さん、どう?このキャラ、かわいいと思う?」


こいずみ「」ガタガタ…


狛枝「まだアレを引きずってる…。」

狛枝「ま、その分頼りにされるということで、幸運ということにしておこう!!」




―工場 グッズ倉庫―



こいずみ「あのおにんぎょうさんがいっぱいいる…。おともだちかなにかかな…」

狛枝「可愛い発想だね。でも、これはそういうのじゃないよ。」


モノクマ「ボクをマスコットキャラとして、1発大儲けしようと思ってね!!ボクのグッズをいろいろ作っちゃいました!!」

狛枝「絶対売れない。」


モノクマ「仕方ないなぁ。モノクマパネル1つ10000円のところ、いまなら99998円でのご提供だよ!!」

狛枝「“9”を1つ減らさないと割引になってないよ。どっちにしろ2円しか割り引いてないけど。」




モノクマ「ま、そんなことは気にしないで1つ買っていってよ。」

狛枝「そもそも定価が高すぎるよ。100円でも惜しいってのに。そんなもの誰が買うのさ?」


こいずみ「わ―い!!もやしのおにぃちゃん、あれかって―!!」

狛枝「えぇ!?」


モノクマ「ふふ、純粋な子供の心は騙せませんな!!」

モノクマ「ボクはどの年齢層にも引っ張りだこの、超人気キャラっすよね!!」


狛枝「これは…。ボクの財布の中身がピンチだね。急いで逃げないと!!」ダッ

こいずみ「わぁあああん!!!!おいてかないでよ―!!!!!」テトテト…




―屋台通り―



狛枝「さて…。確かここにみんなが集まるはずだけど…」

狛枝「ボクらは1番早く探索が終わったみたいだね。まだ誰も集まってないや。」




こいずみ「む―…」

狛枝「どうしたの?」


こいずみ「もやしのおにぃちゃん、さっきからぜんぜんわらわない。」

狛枝「え?笑ってるよ。ほら、この通り。」




こいずみ「あたちにはわかるもん。もやしのおにぃちゃんのえがおはつくりものだって。」

狛枝「作りもの…?へぇ、なんでそう思うの?」


こいずみ「だってあたち、ちってるもん。」

こいずみ「おかぁさんのしゃちんをみてるから、ちってるもん。」


こいずみ「ほんとのほんとにわらってるひとは、もやしのおにぃちゃんみたいなかおなんてしないもん。」

こいずみ「おねぇちゃんもどりるも、おじさんもこわいおにぃちゃんだって、みんなほんとにわらってたよ。」




こいずみ「でももやしのおにぃちゃんだけは、ほんとのえがおをしてないよ…。」


狛枝「ふ―ん…。子供の言うことって、案外バカにできないもんだね。自分でも気づいてなかったよ。」

狛枝「笑顔ねぇ…。でも、なにも笑うことがないのに笑うことなんてできるのかな?」




こいずみ「ふふ~ん。あたちにまかして!!」


狛枝「あれっ。やけに自信満々だね。変なものでも食べた?」

こいずみ「た、たべてないもん!!あそこにおちてたまめみたいなやつなんて、たべてないもん!!」


狛枝「豆みたいなやつ…?それってもしかして豆電池…」


狛枝「…急いで吐けぇえええええ!!!!」

こいずみ「えぇええ!?」




…オエッ



こいずみ「おかぁさん、いってた。なかには、じぶんでもどうやってえがおになればいいかわからないひともいるって。」

こいずみ「だから、おかぁさんみたいなひとがいるんだって。」

こいずみ「しゃしんをどうやってとるかで、そんなひとをえがおにできるんだって!!!」




こいずみ「だからだから!!あたちがもやしのおにぃちゃんをとってあげる!!」

こいずみ「ほら、わらってわらって!!」

狛枝「えぇ?急に笑えって言ってもねぇ…」


こいずみ「えっと…。どこをおせばとれるんだっけ…」

狛枝「…ふふっ。写真家のくせに、そんなこともわからないの?」


こいずみ「あっ」




パシャッ



こいずみ「…!!」

こいずみ「やったぁ!!とれたぁ!!」

狛枝「撮れた?まだ撮られる準備もしてなかったのに。」


こいずみ「ちかもねちかもね、えがおなの!!」

こいずみ「ここにうつってるもやしのおにぃちゃん、いいえがおをちてる!!」

こいずみ「みんなとおなじような、おかぁさんのしゃちんとおなじようなえがおをちてる!!」

狛枝「え?そんなはずないんだけどな…」


こいずみ「む―、じゃあみてみてよ!!」

狛枝「どれ、見せてごらん。」




狛枝「あれ、本当だ…。ボク、こんな顔で笑っていたんだね。」

狛枝「知らない自分を見せつけられた気分だよ。」


狛枝「ボク、いつこんな顔をしたのかな?そもそも、笑顔になった記憶もないのに。」

狛枝「これが、被写体の笑顔を自然と引き出す“超高校級の写真家”の力か…。」


こいずみ「???なんのおはなちをしてるの…?」

狛枝「無自覚なのか…。それも当然か。だって、まだ5歳だもんね。」

狛枝「5歳でこれだ。なら、今の小泉さんはやっぱり…」


こいずみ「もやしのおにぃちゃん…。なにか、かんがえごとかな?」

こいずみ「…」





こいずみ「ねぇねぇ、もやしのおにぃちゃん!!かたぐるまして!!」


狛枝「肩車?」

こいずみ「いいでしょ!!かたぐるま!!たのしいよ!!」




狛枝「う~ん…。でも、肩車って危険なんだよね…。」

狛枝「バランスを取りずらいし、うっかり転びでもしたら大けがさせるかもよ。」


こいずみ「いいの~!!か~た~ぐ~る~ま~し~て~!!!!」

こいずみ「かたぐるまちてくれるまで、ここでねころがるもんね。」ゴロン


狛枝「あ~あ…。せっかく澪田さんが新調してくれた服が汚れちゃうよ?」

こいずみ「だって、ほかのみんなもごろごろしてたもん。もやしのおにぃちゃんはしないの?」

狛枝「ボクがそんなことするわけないよ。そんなのボクのキャラじゃないからね。」




こいずみ「あれ…。もやしのおにぃちゃん、このまえあたちのまえでごろごろちなかった…?」

狛枝「まさか、そんなこと…」



こいずみ「まえまえすれの>>500くらいで、ごろごろちなかったっけ…?」

狛枝「実は記憶があるんじゃないの?小泉さん…。」





こいずみ「かたぐるま~!!!!かたぐるま~!!!!」ゴロゴロゴロ



狛枝「はいはい、わかったよ…。肩車をしてる間にボクの巻き添えをくらっても、文句言わないでよ?」

こいずみ「わ~い!!」


狛枝「肩車ね…。ここでしゃがんでみればいいのかな?」

こいずみ「よ―ち!!のるよ~!!!!」








狛枝「さて…。肩車したはいいけど、この状態で一体何をすればいいんだろうね?」

こいずみ「かったぐっるまっ♪かったぐっるまっ♪」

狛枝「小泉さんは、勝手に喜んでるからいいか…。」




狛枝「ほら、小泉さん。手でしっかりとつかんでおかないと、いつ落ちるかわからないよ。」


こいずみ「わかったぁ!!じゃあねじゃあね、とりあえずもやしのおにぃちゃん1ごう、しゅっぱ―つ!!!」

狛枝「2号があるの?そもそもどこに行くのさ?」

こいずみ「おつきさままで!!」

狛枝「そんなに行きたいなら、アポロ11号にでも乗るんだね。」


こいずみ「あぽろ?そんなおかしみたいななまえのより、もやしのおにぃちゃん11ごうのほうがすごいもん!!」

狛枝「11人に増えちゃったか…。」



狛枝「それにしても、やけにボクが過大評価されているね…。ガッカリさせちゃうかもしれないな。」

こいずみ「ほら、いくの~!!」

狛枝「どうしよっかな。宇宙飛行士の免許って、どうやってとればいいのかな…?」








狛枝「も、もうボクの首が限界かな…。そろそろ降りてくれないかな?」

こいずみ「む―、まだのってたいのにぃ~!!」


こいずみ「あ、じゃあこんどはおんぶちてぇ!!」

狛枝「親ってこんなに忙しいのか…。ボク、一生独身でもいいな。」



『そもそもアンタには相手がいない。』



狛枝「!?」




こいずみ「おんぶ、おんぶ~!!」

狛枝「わかったから、ゴロゴロする準備をやめたら?」

こいずみ「やったぁ!!もやしのおにぃちゃん、だいすき!!」


狛枝「…でも、悪くないかもね。」








こいずみ「ふふ…。ここ、あたちのとくとうせきね!!」

狛枝「特等席ね…。だいぶ信頼されているってことかな?」

こいずみ「うん!!なんでだろ…。ここ、すごくあんしんできる…。」


こいずみ「…」

狛枝「小泉さん?」


こいずみ「…zzz」ス-ス-

狛枝「寝ちゃったみたいだね…。」




澪田「おやぁ?これは、意外な光景っすねぇ。」

弐大「狛枝の背中で寝とるのが小泉かぁ?」

田中「大方、小泉が泣かされていると思っていたが…」

七海「良かった…。要らない心配だったみたいだね。」




狛枝「ああ、やっと探索を終えたの?ちょうど良かったみたいだね。」

狛枝「小泉さんも寝ていることだし、話しにくいことも心置きなく話すことができるよ。」

七海「そうだね…。小泉さんが起きる前に、今まで集めた情報をまとめてみよっか。」




澪田「工場では、モノクマちゃんのグッズが作られていたっす!!」

弐大「有意義な情報でもないのう…。」


弐大「それより、世界の各地で暴動がおこっとるっちゅうことの方が重要じゃないか?」

田中「ふん…。しかし、それを知ったところで何の打開策にもならんぞ。」


田中「軍事施設には、あらゆる武器が用意されていたが…」

田中「使い方がわからんのでは話にならんな。そんなものでモノクマと渡り合えるかは謎だ…。」




澪田「え~。結局なんの手がかりもナシっすか!?」

弐大「これから、未来機関と戦わんといけんというのに…!!」


澪田「え?敵って、未来機関なんすか?」

弐大「ん?違うんかぁ?」


七海「敵は、未来機関じゃないと思うな…。」

七海「モノミちゃんは未来機関の仲間だと言っていたけど、モノミちゃんとモノクマは反目し合っているみたいだよ?」




田中「今のところは何も言えんな…。裏切り者というのは未来機関の手先なのだろう?」

田中「未来機関が仲間ならば、自分が裏切り者であることを隠す必要などないはずだ。」


澪田「そもそも、裏切り者がいるっていうことが嘘なんじゃないっすか!?」

澪田「唯吹たちと未来機関を仲違いさせるための罠とか!!」


狛枝「…」






狛枝「やれやれ…。相変わらず、キミ達はどうしようもないね…。」

七海「…え?」



狛枝「キミ達は、相変わらず同じことを繰り返すだけだね。」

狛枝「モノクマと戦うなんて断言した割には、今までと同じようにこの島を探索するだけ…」


狛枝「いや、本当に“探索”ができているのかさえ謎だよ。」

狛枝「だってその証拠に、この島に散らばる重要な手がかりには気付くことができなかった…。」



田中「重要な手がかり…だと?」

弐大「な、何のことじゃあ!?」




狛枝「教えないよ…。どうせ教えたって、キミ達はただ怯え惑って、逃げ出すだけでしょ?」


田中「逃げ出すだと…!?貴様!!その言葉、まさかこの田中眼蛇夢に向かって言っているのではないだろうな!?」


澪田「お、おかしくないっすか!?」

澪田「希望大好き人間の凪斗ちゃんって、今までスト―カ―まがいのことをずっと言ってきたっすよね…?」

澪田「それがどうして、手のひらを返しいたように…?」




狛枝「ま、そんなことよりボクにはやらなければいけない大事なことができたよ。」

狛枝「小泉さんを、置いて行かなきゃね。」

弐大「大事なこと…?一体、何のことじゃあ?」


狛枝「そのことは、裏切り者がわかったら教えてあげるよ…。」

田中「裏切り者だと…?知る方法があるというのか?」

狛枝「…」





こいずみ「…ふぁ~あ。よくねたなぁ~。」

七海「あ…。ミニ小泉さん、起きちゃった。」


こいずみ「う~ん…。」ゴシゴシ

澪田「目をこする仕草も、超かぁいいっす~!!」




狛枝「小泉さん、起きたの?じゃあもう降ろしてもいいよね?」

こいずみ「え~…。まだこうしていた~い!!!!」


弐大「小泉の奴、狛枝が怖くないんかぁ?」

澪田「唯吹でも怖いのに…」

田中「相当なついてしまったようだな。」

七海「なんか、複雑な気分だな…。」




こいずみ「む―…。もやしのおにぃちゃんのおせなかがこいちいな…。」

弐大「おんぶしてほしいんかぁ!?なら、ワシがしてやろうか!!」

こいずみ「もやしのおにぃちゃんがいいの!!」


弐大「ま、まさか、狛枝に負ける日が来るとは…!!」

弐大「ショックじゃあ!!!!」


田中「小泉は、狛枝が気に入ってしまったのか。これも因果律の定めか…。」




澪田「このまま凪斗ちゃんと一緒にいると、真昼ちゃんが凪斗ちゃんみたいな希望厨になっちゃうかもしれないっすよ!?」

弐大「幼児体験は、大人になっても潜在意識に残るからのう。」


七海「小泉さんが『最っ高だねぇ!!』とか『素晴らしいよ!!』とか『希望が溢れてる…。』とか言い出したら、
人気ガタ落ち間違いなしだね。」


狛枝「いや、今のキャラの薄さよりはだいぶマシになるんじゃないかな。テコ入れっていう意味でさ!!」


田中「まずいな…。ツッコミ役がいないせいで、収拾がつかん…。」




こいずみ「じゃあ、つぎはなにちてあそぶの―?」

七海「遊び、か…。」


狛枝「あれだけ遊んでおいて、まだ遊び足りないの?」

こいずみ「うん!!さっきおきたばっかりだから、げんきいっぱいなの!!」

弐大「な、なんというスタミナじゃあ…!!これじゃあ、こっちがもたんぞぉ!?」




澪田「真昼ちゃんに遊び相手がいればいいんすけどね。」

田中「本来なら、同い年の子供とじゃれあわせるのが妥当だろうが…」


弐大「西園寺の奴がおればのう。」

七海「今西園寺さんがいたら、すごいののしられていたと思うよ…?」




澪田「いや、ここは冬彦ちゃんっすよ!!」

狛枝「澪田さん、『九頭龍』クンがいたら、指を失っていたかもよ?」













こいずみ「クズ…リュウ…?」









七海「…え?」



こいずみ「ドウシテ……セッカク…ワスレタノニ…………」








こいずみ「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアァアアアアアアアアアアアァアアアアアアア!!!!!!!」




田中「!?」


澪田「え?え?」





こいずみ「イヤダ…イヤダ……」







こいずみ「ワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロ
ワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワス
レロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロ
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レロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロ
ワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワス
レロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワスレロワス」


石丸『忘れろ、忘れろ、忘れろビ―ム!!』

弐大「!?」





ドサッ



七海「ミニ小泉さん!!」




今日はここまで。




今日の投下も9時くらい。




狛枝「こりゃどういうことだろうねぇ。」

狛枝「『九頭龍』って言葉を聞いた途端、また小泉さんの様子が変になった…。」

澪田「だ、大丈夫なんすか!?ま、真昼ちゃん、まさか死んじゃったりしないっすよね!?」




モノクマ「ところがどっこい、大ピンチです!!」


七海「モノクマ…。」

田中「大ピンチ…。まさか、危篤状態なのか!?」


モノクマ「それどころではありません!!一刻を争う状況です!!」

弐大「な…なんじゃとぉ!?な、なら悠長にこんな話をしとる場合じゃないじゃろうが!!」

弐大「モノクマ、小泉を助けんかい!!」




モノクマ「いやいや。そういう意味ではなくってね。」


狛枝「違う?じゃあ、一刻を争うってどういう意味?」

モノクマ「今回の動機にしようとしていた、ミニ小泉さんですが…」



モノクマ「今、彼女の記憶が戻りかけています!!」

モノクマ「記憶が戻っちゃうとサイズも元通りになっちゃうんですね、これが!!」




七海「元通りに…?なら、なにも問題はないんじゃないかな?」

狛枝「大アリでしょ。5歳用の服を着ている状態で、高校生の体型に戻りなんかしたら…」

澪田「ま、まずいっす!!18禁になっちゃうっす!!」

弐大「いや、小泉の服は伸縮自在という設定にしておけば問題ないわい!!」

田中「そんな都合のいい話があるか!!」




澪田「でもよくよく考えてみたら、男子3人がどこかへ行けばいいんじゃないっすか?」

狛枝「そのようだね。じゃ、ボクらはここから離れよっか。」


モノミ「そ、それでも、まずいでちゅ…。」

七海「モノミちゃん。何がまずいの?」


モノミ「部屋の外で服を脱ぐなんてハレンチでちゅから、校則違反になっちゃいまちゅ…。」

モノクマ「校則違反!?どこだ、どこにいやがる!!ハチの巣にしてやるぜぇ!!」E:マシンガン




澪田「ちょっと待つっす!!2章でも凪斗ちゃんが痴漢行為をしてたよ!!」

モノミ「あれは幸運パワ―で大事なところが隠れてまちたから…」

田中「万能だな、幸運パワ―…」




弐大「とにかくやばいぞぉ!!急いで小泉をコテ―ジに運ばんと!!」

狛枝「ちなみに、あとどれくらいで元通りになるの?」

モノクマ「おそらく、あと5分ってとこかな!!」

田中「5分…。急いでも間に合うかどうか…」

七海「ど、どうしよっか…。」


狛枝「…」




狛枝「逆転の発想だよ。活路を見出す方法は、間違いなく存在する。」


弐大「逆転の発想じゃと!?なんじゃいそれは!?」



狛枝「教えないよ…。」

澪田「へ?」


狛枝「キミ達にはちゃんと学級裁判をやってもらわないとね。ボクが見極めるた…」




田中「破壊神暗黒四天王、やれ!!」

破壊神暗黒四天王「チュ~!!」


狛枝「うわっ、なんか服に入ってきた!!かゆっ、くすぐったい!!」

狛枝「言う言う、言うからやめてぇ~!!!!」


七海「やっぱり、キャラは崩壊してるね…。」




狛枝「要するに、大きくなっても服を着ていればいいんだから。」

狛枝「大事なところを隠せる誰かの服を、予め着せてあげていればいいんだよ。」


狛枝「たとえば、ボクのパ―カ―を小泉さんに着せればいい。ボクのパ―カ―は大きいからね。」

狛枝「165cmある小泉さんでも、うまく使えば肩から膝あたりまで覆えるし、前をチャックで閉められるから安全でしょ?」

弐大「万事解決じゃのう!!」



澪田「は、早くするっす!!もう2分くらいたったんじゃないっすか!?」

狛枝「分かったよ。急いでするからさ。」


狛枝「まずは、ボクのパ―カ―を着せて…」

狛枝「うん。腕に袖を通したから、後は前のチャックを閉じるだけ…」




ビリィイイイイ



狛枝「え」



澪田「まだ途中までしかチャックを閉めてないのに、元に戻っちゃったっす!!」

田中「予定より、若干早かったな。」

七海「もとに戻るのって、そこまでいきなり戻るものなんだね。」


モノクマ「パ―カ―でどうにか大事なところは隠されたから、残念だけど校則違反じゃないね。」

モノクマ「チャックを閉めるのが一瞬遅かったら下が見えて、ハチの巣にできたのに…」



モノミ「ど、どっちにしろ危ないでちゅ!!少し動いたらはだけてしまうでちゅ!!」



※小泉(の服装)がどんな状態なのかは、想像におまかせします。





小泉「ん…」


小泉「あれ…アタシ…」



狛枝「…」



小泉「狛枝…?なんでアンタ、いつものパ―カ―を着てな…」


小泉「…」






狛枝「…」



小泉「…」



狛枝「…」




田中「狛枝の奴…パ―カ―のチャックをつまんだまま、固まって動かんぞ?」

七海「小泉さんの顔が…夕日に染まった空のようだよ。」

澪田「特に耳がやばいっすね!!」




弐大「いわゆる、“お約束”という奴じゃなぁ!!」

澪田「たまにはこういううれし恥ずかしのイベントがないと困るっすね~!!」

弐大「うらやましいのう!!ラッキ―スケベなんぞ、今時ギャルゲ―の主人公くらいしか体験できんぞぉ!!」



狛枝「みんなは安全圏にいるからって、野次馬精神全開なのはどうかと思うんだけどな。」

狛枝「そもそもボクは、厚意でやってあげ…」








小泉「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


バグォ-ン!!




狛枝「」





歌詞: 狛枝飛んだ(屋台の)屋根まで飛んだ屋根まで飛んで(顔面的な意味で)壊れて消えた





田中「狛枝の肢体が空中を舞っている…。か、華麗だ…」

澪田「高跳びのギネス記録に乗るっす!!」

弐大「見事な右ストレ―トじゃったのう!!」




小泉「ぐすっ、ぐすっ。汚された…。アタシ、あんな奴に汚されちゃった…」

小泉「結婚まで、貞操を守りたかったのに…」


小泉「もう、お嫁さんに行けない…。」




弐大「相当、錯乱しとるのう。」

田中「しかも、いろいろと勘違いをしているようだな。」

七海「一生のトラウマにならなければいいけど。大丈夫かな小泉さん…。」


狛枝「」ボクノシンパイハ…?




澪田「大丈夫っすよ真昼ちゃん!!凪斗ちゃんは人間じゃなくてケモノっす!!ケダモノっす!!」


狛枝「なんか、みんな酷過ぎじゃない?これじゃあボクがただの痴漢じゃないか。」ヤネノウエ


澪田「ケダモノである凪斗ちゃんとの『間違い』なんてノ―カウントっすよ!!」

小泉「わぁあああああん!!!!やっぱり『間違い』があったんだぁあああああ!!!!!!」


澪田「は、励ましたつもりだったのに!!」

弐大「むしろ、いらん勘違いをさせたようじゃぞ?」




七海「とにかく、私と澪田さんで小泉さんをコテ―ジに運んで、事情を説明するから。」

七海「今日のところは、ここで解散しよっか。」

狛枝「ボクに対する小泉さんの誤解を何とか解いてね。」


小泉「…」



狛枝「小泉さん、ゴミを見るような目をしている…。まぁ、それも仕方ないかな。」


狛枝「だって、夢や希望を持つのもおこがましいほど…努力をするのも図々しいほど……」

狛枝「ボクは決定的に最低で、最悪で愚かで劣悪で、何をやってもダメな人間だからね…!!」




狛枝「それにしても、モノクマ。」

モノクマ「はい。」


狛枝「小泉さんを小さくするなんて、やけに無茶な動機をでっちあげたものだね。」


モノクマ「実はね、もうネタ切れなんだよね~!!」

モノクマ「そろそろ、新しい動機を考えるのも面倒になってきてるんだよね!!」


狛枝「ふ~ん。じゃ、言っておこっかな。」





狛枝「もう、新しい動機なんて必要ない…。」



狛枝「ボクが、終わりにするから…」




田中「なっ…!?」

七海「狛枝くん…。今の言葉、どういう意味かな?」


狛枝「…じゃあ、ボクはもう行くよ。やらないといけないことがあるからね。」


弐大「ちょ、ちょっと待たんかい!!今の発言、聞き捨てならんぞ!!」

弐大「納得のいく説明ができるまで、行かせるわけにはいかんぞぉ!!」

澪田「さすが猫丸ちゃんっす!!心強いっす!!」




狛枝「えいっ」







ボシュン!!




田中「なっ…!?煙幕か!?」

弐大「し、しまった!!なにも見えんぞぉ!?」

澪田「真っ暗だよぉ!!もうお先真っ暗だよぉ!!」









七海「逃がしちゃったね…。」


田中「先刻の奴の発言…。まさか、人殺しを企んでいるのか?」

澪田「終わりにするって言ってたっすね…。」

澪田「まさか、誰にも解けない謎を用意する自信があるんすかね!?」


弐大「と、とりあえず5人で作戦会議をせないかんじゃろう!!」

弐大「小泉の着替えが終わったら、またレストランに集合じゃい!!」


小泉「…??今、どういう状況なの?」




七海「それを説明するから、コテ―ジに行こうか。」


澪田「しかし…。大丈夫なんすかね、真昼ちゃんは。」

澪田「また、被害妄想にとらわれたりは…」


小泉「被害妄想…?何を言っているの?」

澪田「その記憶はないんすか…?」

七海「良くわかんないけど…とりあえず、正常ってことでいいんじゃないかな。」




―レストラン―



小泉「アタシ、小さくなってたの?みんなでアタシをからかってんじゃないでしょうね。」

田中「からかう理由がないだろう?」

澪田「この破れた子供服が証拠っす!!」


小泉「それで、狛枝は服をかけてくれたのか。」

小泉「悪いことしたな。思いっきり殴っちゃった…。」


弐大「まぁ、相手が狛枝じゃけぇいいじゃろう!!」

七海「いいんだ…。」




田中「では…どうする?狛枝の奴を放っておいていいのか?」

澪田「殺人予告をしていたもんね。このまま放っておくのは危険っすね…。」

弐大「やっぱり、1回目の事件の後のようにふん縛っといたほうがいいんじゃないかのう!!」


小泉「えぇ?それはちょっと…」


田中「小泉は反対なのか?奴を放っておいて危険なのは、奴より肉体の力で劣る貴様のような存在だぞ?」

田中「狛枝の肩を持っても、良いことはないと思うが…」




小泉「だって…『終わりにする』って言っただけだし、本当に人を殺すなんてまさか…」


澪田「真昼ちゃんは忘れたんっすか!?」

澪田「1回目の事件で凪斗ちゃんは、創ちゃんを殺してるんすよ!?」


小泉「え、えっと、それは…」




弐大「まぁ、小泉がどうしても狛枝を拘束するのに反対するなら、小泉以外の4人で決行するぞ!!」


七海「え?私も反対なんだけど。」


田中「何だと…!?貴様もか!?」

澪田「さ、3人だけで拘束は可能なんすか!?」

弐大「今回、奴は5の島で様々な武器を調達しとるみたいだったのう。」


田中「まあよかろう。俺様がいるだけで十分だ。」

田中「さらに弐大もいるのなら、何も問題はあるまい。」


弐大「じゃあ、作戦決行は今日の夜でいいのう!!」




澪田「で、具体的にどうするんすか?」


田中「誰かが狛枝をレストランに呼び寄せたらどうだ?」

澪田「それなら、唯吹が凪斗ちゃんをおびき寄せる役っすね!!」

澪田「音楽の女神である唯吹が誘えば、どんな男もイチコロっす~!!」


弐大「そして、レストランに来た狛枝をワシと田中でおさえるぞぉ!!」




小泉「ほ、本当にやるの…?」


田中「仕方あるまい。奴を野放しにしておくのは危険だ…。」

小泉「で、でも、冷静に狛枝と話し合うっていう手もあるでしょ?」



田中「奴は今までの経験に存在しないような、異質な存在なのだ。」

田中「そして、そのようなものと理解し合うことは…」




田中「不可能だ。」



小泉「…」




小泉「その計画は3人だけでやるんでしょ?」

小泉「なら、アタシはもう行っていいよね?それじゃ。」


タッタッタッ…



七海「小泉さん…。行っちゃったね…。」

弐大「やけに不機嫌そうじゃったのう…。」

澪田「ちっこい真昼ちゃんもそうだったけど、真昼ちゃんはどうも凪斗ちゃんの肩を持ちたがるっすね…。」

田中「問題児を放っていられない、母親の性なのだろう。」



キラ-ン



田中「!?殺気だ!!」

弐大「要するに、ツッコミ待ちということか…。」







小泉「…」




小泉「本当は、漠然とだけど覚えてる。」


小泉「アタシは…“トワイライトシンドロ―ム殺人事件”の真実を思い出して…」



小泉「…」




小泉「でも、今はあの時と違ってあまり恐怖を感じない。」

小泉「なんでだろう?」


小泉「…ゆりかご?」




小泉(子供の時のことは覚えてないけど…)


小泉(何かに乗って、心から安心したような…)




小泉「…とにかく、行かなきゃ。アイツのところへ。」




―ライブハウス―



小泉「…見つけた。」


狛枝「あれ?小泉さん。どうしたの?まさか、さっきの報復にでも来たの?」

小泉「あ、その…。そのことについてはごめんね…。跡、残ってない?」


狛枝「鉛直方向に3,4M飛んだけど、奇跡的にケガはないよ。」

小泉「さすがは“超高校級の幸運”…。」




小泉「えっとね。あのパ―カ―はちゃんと洗って返すから…。1日くらい待ってて。」

狛枝「別に洗わなくてもいいのに。だって小泉さんの体温がのこ」



狛枝「これ以上言ったら、小泉さんがキレそうだからやめとくよ。」

小泉「自主規制…。」




狛枝「で、用件は?まさか、それを言いに来たわけじゃないよね?」


小泉「…それより、アンタ…。ここで一体、何をしているの?」

小泉「5の島にもいないから、見つけるのに苦労したわ。」

狛枝「へぇ。ボクみたいなクズを探してくれたんだ。」




狛枝「で、何をしているかだっけ?」



狛枝「人を探しているんだよ。」



小泉「人…?」

狛枝「念のためってやつかな。やることはやったから、暇つぶしにでもね…。」


小泉「やること?なに、それ…?」


狛枝「…」



小泉「言うつもりはない、か…。」




小泉「じゃあ、これだけは教えて。」

狛枝「何?」


小泉「アンタの計画で…誰も死なないよね?」

狛枝「へぇ。『ボクが誰かを殺そうとしている』って考えてるのかな?」

狛枝「やだなぁ。いまさらそんなことしないって。」




小泉「じゃあ、その計画で…」

小泉「狛枝自身が、死んだりもしないんだね?」


狛枝「…ふふっ。」

小泉「…?」


狛枝「その方法も考えていたんだけどね。」

小泉「え…!?」




狛枝「そんなことをする必要はないんだよ。」

狛枝「ボクが生きたままでボクの目的を完遂させることは可能なんだよ。」

狛枝「危険な橋を渡ることになるけどね。」


小泉「危険な橋…!?何を言ってるのかわかんないけど、死んじゃうようなことは絶対にしないでよ!?」

小泉「たとえアンタだろうと、死人を出すのなんてもう、絶対に嫌だからね…?」


狛枝「なにを言ってるの?小泉さん。」





狛枝「ボクは幸運なんだよ?死のうと思って死ねるものじゃないんだよ。」



狛枝「大丈夫、きっとうまくいくに決まってるよ。」

狛枝「ボクはキミの中の“希望”と同様、ボクの“幸運”という才能を信じているからね…!!」


小泉「き、希望…?」




小泉(そうか、狛枝は知らないんだ…。本当はアタシは、“希望”なんかじゃないって…)


小泉(失われた学園生活でアタシたちが、“超高校級の絶望”と呼ばれていたことを知らないんだ…。)




小泉(今は普通に話してくれるけど。もし、アタシの正体を知ったら…)


小泉(これほどに“希望”を盲信する彼が、目の前に“絶望”が居ることを知ったら…?)




小泉「…」




小泉「じゃあ…もう1つ聞いていい…?」

狛枝「まだあるの?」


小泉「もし…アタシに“超高校級の写真家”なんていう才能が無かったら…」

小泉「アタシが“希望”なんて呼べる存在じゃなかったら…」

小泉「アンタは、どうしてた…?」


狛枝「そうだね。もしそうなら…」




狛枝「こんな所で話してないで、視界に入らないような所まで一目散に逃げ出すかな。」

小泉「っ…!!」




小泉(き、聞かなきゃよかった…。なんでこんなことを聞いちゃったんだろう。)


小泉(希望を盲信する狛枝が何のとりえもなくなったアタシを見たら、軽蔑するに決まってるのに…)


小泉(“絶望”に成り果てた、アタシなんかを見てしまったら…)




狛枝「だって“希望”で守られてもいない人がボクと仲良くなったら、すぐにボクの“幸運”で死んじゃうからね。」


小泉「え?」




狛枝「ボクの幸運ってのはね、相当厄介なんだ。」


狛枝「“誰かと仲良くなる”という幸運の代償は、“その人が死ぬ”という不運だと相場が決まってるんだよ。」

狛枝「だからボクは、“幸運”という才能を理解した時からなるべく1人で生きるようにしたんだ。」

狛枝「ボクなんかのせいで、無意味に人が死ぬ場面なんて見てられないでしょ?」


狛枝「それが、小泉さんならなおさらだよ。」

狛枝「ここまで慣れ親しんできたのに、わざわざ小泉さんが死ぬのを待つなんて出来ないでしょ?」


小泉「…」




小泉(もしかして…。狛枝は今、アタシを励ましてくれたの?)


小泉(アタシの質問は脈絡のない唐突すぎる物だったんだから、まともな返答なんてしなくてもよかったはずなのに…)




小泉(でも…)





小泉「ちょっと待って。1人で生きて来たって?」


狛枝「前に話したよね?両親は子供の時に死んだし、預かり先の親戚も立て続けに死んじゃったからね。」

狛枝「ボクは他人と関係を持っちゃダメなんだよ。」

狛枝「死人を出さないためには、1人で生きていくしかないんだよ。」


狛枝「ま、それも簡単だったよ。」

狛枝「だってボクの周りの人間がバタバタ死んでいくことはすぐに理解されたし…」

狛枝「“希望”に関する持論を振りかざせば、誰でもボクを敬遠してくれたからさ。」




小泉「そんな…。1人で生きていくことに疑問を持たなかったの?」

小泉「誰かと一緒にいたいとか、思ったことはないの?」


狛枝「ボクがそう思う思わないは関係ないんだ。これは天命なんだ。」

狛枝「“幸運”として生まれてきたボクの宿命なんだよ。」


小泉「そんなのって、あんまりだよ。宿命だか何だか知らないけど…」

小泉「どうして、そんな現実を受け入れられるの…?」




狛枝「言ったでしょ?ボクの“幸運”は、“希望”の本質に迫るための出発点だって。」

狛枝「ボクは“幸運”だからこそ、自分が本当に追求するものを見極めることができるんだ。」

狛枝「だから、他の問題なんて大したことじゃないんだよ。」


狛枝「実際この“幸運”という才能のおかげで、ボクはこんな状況に身を置くことができた!!」

狛枝「平凡で退屈な生活を送るだけでは、決してたどり着けない場所だよ!!」




小泉「ど、どういうこと?このコロシアイ修学旅行に巻き込まれたことが“幸運”だったとでも言いたいの?」


狛枝「最初は不運だと思ったけどね。」

狛枝「そうじゃない。ボクにはここでしかできないことがあるんだよ。」

狛枝「この状況に身を置かなければできないことがね。」


小泉「ここでしかできないこと?なに、それ…?」





狛枝「この島にはね、今まで見たこともないほどの“希望”が存在するんだよ!!」

狛枝「ボクが長い間求めていた“絶対的な希望”をついに見つけたんだ!!」



小泉「“絶対的な希望”?結局それって、なんだったの?」




狛枝「それはともかく今、世界は絶体絶命の危機に瀕しているんだ。」


小泉「うん…。世界中で暴動が起きているんだっけ?」


狛枝「それどころじゃないよ。もっと恐ろしいことだ。」


小泉「え?」





狛枝「“絶対的な希望”と同等の“絶望”が、この島に存在するんだ。」




小泉(“絶望”…?それってもしかして、アタシたちじゃないよね?)

小泉(まさか狛枝はアタシ達を皆殺し、なんて考えてないよね…?)




小泉(な、なにを考えているの、アタシは!!いくら狛枝でも、そんなことをするはずが…!!)


小泉(そもそも狛枝は、アタシたちが“超高校級の絶望”だったなんて知らないはずなんだ…!!)




狛枝「じゃあボクが、そんな状況で何ができるかって?」


狛枝「ボク自身の手で、“希望”を守ることだよ。」

小泉「…」




狛枝「ふふふ。まさか、ボクにこんなことをできる機会がやってくるなんて。」


狛枝「もしかしたら、ボクにもなれるかもしれない。」

狛枝「踏み台なんかじゃない…本物の、希望…!!」



狛枝「こんな好機に恵まれるなんて、なんてツイてるんだ!!」

狛枝「ボクはなんて“幸運”なんだ!!」




狛枝「そして…。ボクにそれができたら、小泉さんはボクを…」









狛枝「“超高校級の希望”と、呼んでくれるかい?」






小泉「…」





小泉「アンタの言ってることは、アタシには半分も理解できない。」

小泉「でも…」



小泉「もし…“もし”の話だよ?」

小泉「アンタに、“超高校級の幸運”なんて才能がなかったら…」





小泉「…いや、聞くだけ無駄か。今のは忘れて。」



狛枝「…ま、これで小泉さんにもわかったかな?ボクの“幸運”は、嘆くべきものなんかじゃない。」

狛枝「だから1人で生きていくことなんて、とりたてて問題にするようなことじゃないんだよ。」


狛枝「ボクは1人で生きていくよ…。今までも。これからもね。」


小泉「…」




小泉「気に食わない。」


狛枝「え?」




小泉「何かっこつけてんのかは知らないけどさ。」

小泉「“1人で生きてきた”?そんなの、本気で思ってるわけ?」


狛枝「えぇ?ボクの過去を否定するつもり?」

狛枝「でも小泉さんは、ボクの過去を見たことなんてないよね?なのにどうして、否定できるのさ?」


小泉「確かにアンタの過去が本当かどうかなんて、アタシにはわかんないけど…」





小泉「少なくともこの島にやってきてからは、アンタは1人では生きてないでしょ!?」

小泉「この島で、16人で生きてきたんでしょ!?」


狛枝「そうでもないでしょ。」

狛枝「だってこの生活が始まって10日ほどで死人が出たし、初めっからボクは嫌われ者だったみたいだしね。」


狛枝「“超高校級の幸運”なんてゴミみたいな才能しかないボクが、みんなとひとくくりにされていいわけがないよ。」

狛枝「“キミ達15人で”共同生活を始めたっていうほうが正しいんじゃない?」


小泉「…」




小泉「あ―も―!!ちょっと来なさい!!」


狛枝「えぇ!?どこに連れて行くのさ!?」

小泉「いいから!!」




―軍事施設―



小泉「あれ?なんか、勝手に足が震える…。」

狛枝「ミニ小泉さんの時のトラウマのせいじゃない?」


狛枝「いやそんなことより、こんな危険な場所にボクと来ちゃダメだよ。だって…」

小泉「何言ってんの。アタシのお母さんなんかはね、こういうところで…」




ゲシッ



小泉「ん?今、アタシ何かを蹴った?」



ピピッ



小泉「あれ?なに、この音。」


狛枝「小泉さん…。それ、爆弾…」






ドゴ―ン!!




小泉「あ~」




狛枝「小泉さんが飛んだ。」

狛枝「ま、腐川さんしかり左右田クンしかり、5章で吹っ飛ぶ人はなんか無傷で生きてるから大丈夫でしょ。」


小泉「ぜ、全然大丈夫じゃないって…」ヨロッ…

狛枝「やっぱり無事だ。」




狛枝「まったく…。小泉さん、ボクの言ったことを忘れたの?ボクの近くにいる人は不運になるって。」

狛枝「特にこんな危険だらけのところに来ちゃったのなら、さっきみたいな危険な目に遭って当然だよ。」

狛枝「一緒に行くのなら、もっと安全な場所がいいんじゃない?なんでこんな危険なところに来ようとしたのさ?」




小泉「逆よ。危険だからこそ、ここに来ないといけなかったのよ…。」

狛枝「え…?どういうことかな?」



小泉「アンタと一緒に危険な場所にいても、アタシは死なないってことを証明しないといけなかったからよ…!!」

狛枝「…」




小泉「アンタが今まで見てきた人たちがどうだったかは知らないけど…」


小泉「少なくともアタシは、アンタといても死んだりしない。」



小泉「“幸運”なんかで消えていったりなんかしない!!」





小泉「だから…“1人で生きる”なんて…」



小泉「そんな哀しいこと、言わないでよ…。」




狛枝「…ははっ、やっぱり小泉さんはすごいなぁ。」


狛枝「ボクがどうしようもないクズだってわかっていてなお、ここまでかまってくれるのは小泉さんだけだよ。」


狛枝「小泉さんが持つその世話焼きスキルは、“超高校級の母”って呼べるほどじゃないかな?」



小泉「もう、またそうやってアタシをからかうの?」

狛枝「はは、今のは純粋な称賛だよ。」




狛枝「ボク、小泉さんに興味が出てきちゃった。ねぇ、嫌じゃなかったら何か話してくれない?」

小泉「え…?」



狛枝「ほら、今まではボクについて語ることばっかりだったでしょ?」

狛枝「たまには小泉さんの話も聞かせてほしいなぁ。ほら、小泉さんの過去をもっと聞かせてよ。」



小泉「…」





小泉「そうね。実は、アンタに言いたかったことがあるのよ…。」

狛枝「え?」



小泉「アンタを探してたのはね、これを相談したかったからなの。」

小泉「これは他の人には相談できない。だってね、すごく暗い話だから…。」


狛枝「暗い話?それって、小泉さんの過去と関係あるの?」




小泉「うん…。アタシ、失った記憶の一部を思い出したんだ。」

小泉「“トワイライトシンドロ―ム殺人事件”の真相を…」


狛枝「“トワイライトシンドロ―ム殺人事件”…。」

狛枝「九頭龍クンの妹とサトウっていう人が死んだ話だっけ?」

狛枝「あの話がそこまで深刻になるの?」






小泉「思い出したくなかった…。」


小泉「だってその真実は、身の毛のよだつような物で…」


小泉「ひどくなまなましくて、ひどく残酷で…」




小泉「ック…」





狛枝「小泉さん…?もしかして泣いてるの?話す前からその調子で、大丈夫なの?」


小泉「っ!!な、泣いてない!!」



小泉「…でも、アンタならわかってくれるんじゃないかって思うの。」

小泉「凄惨な過去を持ったアンタなら…」




今日はここまで。


明日から小泉の過去編に突入するのですが、>>1のねつ造のオンパレ―ドです。


しかも過去編とは名ばかりで、小泉さんが酷い目にばかり遭います。


おまけにかなり長いので、そういうのに免疫がない人は5日後くらいにこのスレを覗いてください。




今日は投下できないかも。できたら9時くらいに投下します。




~回想~ (苗字しかわかってない人の名前 サトウ→E子 九頭龍の妹→妹)




―希望ヶ峰学園 体育館裏―



小泉「…」




妹「ふふ、約束通り、1人で来ましたね…。」

取り巻き「クスクスクス…」



小泉「…約束は守ったんだから、お父さんや日寄子ちゃんたちには手出ししないでよ?」

妹「はいはい、わかってますって。標的は、先輩1人だけですから…。」




アタシは今日、中学時代の写真部の後輩である妹ちゃんに呼び出されていた。


妹ちゃんは最近アタシを目の敵にして、アタシに嫌がらせをするようになっていた。


相手は九頭龍組っていう後ろ盾を持っているから、無闇な抵抗も、誰かに相談もできない。



妹ちゃんは後ろ盾があることをいいことに、今日みたいに気分でアタシを呼び出しては、


アタシを使って“暇つぶし”をするようなっていたのだ…。




小泉「で?用件は何?言っておくけど、何されようとアタシはアンタなんかに屈しないからね。」


妹「ふ~ん?さすがは小泉先輩!!こんな状況でもそんな態度をとれるなんて!!」

妹「“強気な小泉さん”の通り名は伊達じゃないね!!」


妹「あれあれ?でも…」





妹「足が震えてますよ?」



小泉「…!!ア、アタシのことはいいでしょ!?は、早く用件だけ言ってよ!!」


妹「そんなに焦らなくったっていいじゃないですか~。」

妹「ほら、時間はた―っぷりあるからね…。ほれ、ほれ。」


小泉「ひっ…」



そう言って、必死に震えを止めようと努力しているアタシの足を、屈託もなく指でツン、ツンとつついてくる。




小泉「や、やめてよ…。」



努力の甲斐もなく、足の震えは増幅する一方だった。


今回こそは妹ちゃんに一泡吹かせてやろうと思ってたのに、その行為だけでアタシの強がりはすぐに破綻してしまった…。



それも当然かもしれない。だって彼女は、人の心をつかむ能力にたける“超高校級の妹”なんだから。


アタシの行動も思考回路も、すべて見透かされているんだ。



結局、話の流れの主導権をあっさりと相手に取られてしまったというわけだ…。





妹「さてと、今日は何して遊ぼうかな?これだけ人数がいれば、なんでもできそうだよね…。」

小泉「…」




気付けばアタシは、妹ちゃんと取り巻きに四方を取り囲まれて、自然と体育館の壁に背中を預けている状態になっていた。




妹「じゃあ今日は、小泉先輩がいつも持っているカメラで遊んでみよっか!!」

妹「ほら、小泉先輩。ちょっとそれ、貸してくださいよ。」


小泉「…ふざけないでよ。カメラは写真家の命だよ?なんでアンタなんかに…」





妹「…は?何?口ごたえ?」


小泉「えっ…」




妹ちゃんの顔は、今までの無邪気な子供のような表情を一変させて、見るからに不機嫌そうなそれに変わっていく…。




妹「あ~あ…。先輩、そんな態度をとっていていいんですかぁ~?」

妹「私がちょっと九頭龍組に頼めば、1人のダメ親父の人生くらいすぐに無茶苦茶にできるんですよ~?」


小泉「あっ…えっと、その…」



そう言って妹ちゃんは、携帯電話を取り出す。




妹「さてと、九頭龍組に連絡しておかないとね。小泉先輩のダメ親父にキツいお灸をすえてほしいって…」


小泉「ま、待って!!それはやめて!!カ、カメラの1台くらいなら渡すから!!」




妹「…最初っからそう言っとけや、ボケが。」


小泉「っ…」





どすの利いた声でそう吐き捨てる妹ちゃんに、恐怖を隠せない。


アタシはあわてて肩から下げているカメラを、妹ちゃんに差し出した。





妹「ふんふ~ん♪」



さっきの不機嫌な顔からまたコロっと表情を変えて、ピッピッと楽しそうにカメラのデ―タを覗き込んでいる…。




小泉「カメラなんか奪って…。何をするつもり?」

小泉「たとえそのカメラを壊したところで、アタシが写真家をやめるわけじゃないんだからね?」


妹「…さすがは“超高校級の写真家”。絶妙な写真がそろってるじゃない…。」

小泉「な、何が言いたいのよ…?」




妹「でも、先輩自身の写真はないみたいですねぇ?」


小泉「あ、当たり前でしょ。自分で自分は撮れないんだから…。」

小泉「カメラの中身を見終わったら、さっさと返してよ…?」


妹「ははっ、そんなに警戒しなくていいじゃないですかぁ!!」

妹「ただ、私は先輩の写真を撮ってあげようと思ってるだけなんですから!!」


小泉「…!!」




表裏のなさそうな笑顔で、ファインダ―に収めたら間違いなく映えるだろう笑顔で、妹ちゃんはそう言った。



アタシの写真を撮ってくれる。


それが例えば親友とか、恋人とか、家族とかだったなら、恥ずかしさに照れ笑いながらもうれしいことに違いなかった。




でも、アタシの目の前にいるのは…


妹ちゃんは、くすくす笑っている。


あまりにも明るすぎるその笑顔は、アタシにとってはどうしようもなく不気味だった…。




気付けばアタシは、自己防衛本能かなにかに駆り立てられたのか、


自分自身の体を両腕で抱くようにしながら必死に身をすくませていた。



言うなれば、凶悪な肉食動物を目の前にして、自分の死を悟りつつもそれを受け入れられない小動物ってところか…。




小泉「い、いい…撮らなくていい…!!」

小泉「カ、カメラの中身は見たんでしょ?もう満足したなら、早く返してくれる…?」


妹「いやいや…。だって先輩、意外にいい体しているじゃないですか…。」


妹「胸だってそんなに大きくないけど形は整っていそうで、
ただおっきいだけの奴よりはよっぽどエロくて、男を誘いやすそうですよぉ?」


妹「ボディラインも貧相と見せかけて、案外均整がとれていて…」


小泉「や、やめてよ…。そういう話、アタシ苦手なの…。」


妹「そんな体をしておいて、撮るだけに徹するのなんて、もったいないなぁ…。」

小泉「や、やめてってば!!」




妹「ふふ…。これを機に、そっちの業界で立派な“女優”になれるかもしれないね…。」

妹「他人の中身を見ることだけに躍起になってた生意気な写真家が、今度は自分が自分のすべてを他人に見せるなんて!!」

妹「なにこれ、すごく興奮するね!!」


小泉「い、いい加減にしてよ!!そんなのダメに決まってんでしょ!!」





妹「なんで?」



小泉「な、なんでって…!!だ、だって、そんなのがお父さんに知られでもしたら…」

小泉「そ、それに、アンタだってただじゃ済まないでしょ!?警察沙汰になっちゃうよ!?」



妹「…はっ、バカじゃないの?九頭龍組さえあれば、私が先輩に何をしたところでもみ消せんのよ!!」

小泉「っ…!!」




妹「おい、お前ら。ちょっとこいつをおさえつけていろ。私が脱がすから。」

小泉「!!や、やめて!!お願いだから!!」



アタシの必死の懇願もむなしく、妹ちゃんの取り巻き達がアタシに詰め寄ってくる。





小泉「いやっ!!いやぁあああああぁああああ!!!!!!」




アタシの体を守っていた両腕はいとも簡単に引きはがされて、アタシは取り巻き達に羽交い絞めにされた。


必死に抵抗するけど、恐怖で体は動かないし、相手は複数いるから、敵うはずがなかった。





妹「さてと…。覚悟はいいですか?小泉先輩?」

小泉「あっ、ダ、ダメ…!!」



妹ちゃんはアタシの胸元に手を伸ばしてきて、制服のネクタイをシュルッとほどいて、


アタシの制服のボタンを襟元から丁寧にはずしていって…





小泉「待って!!待ってよ妹ちゃん!!目的は何!?アタシは何をしたらいい!?」


小泉「な、何をしたらやめてくれる…?お、お金を払えばいいの…?」




アタシは唯一動く口から、妹ちゃんが思いとどまってくれる何かが出てきてくれることを祈りながら、


あてずっぽうに妹ちゃんに呼び掛ける。




相手の良心に訴えるように、涙目になりながら…





妹「…そんなの、わかってんでしょ?」






小泉「え…?」


そう言うと、妹ちゃんは手を止めた…。





妹「近々、大規模なフォトコンテストがあるでしょ?」


小泉(フォトコンテスト…?)




小泉「…!!そ、そっか!!それに参加しなければいいんだね!?」

小泉「わかった、今回アタシは参加を辞退するから…」




妹「違うよ…。」



小泉「え…?」





妹「そのコンテストで、最低の写真を応募してよ。」


小泉「ど、どういうこと…?」




妹「先輩みたいな大した才能のない人間が、“超高校級の写真家”だなんて私は認めない。」

妹「きっと評価する連中の頭が湧いてんのよ。だからそいつらの目を覚ましてやらないとね。」



妹「先輩が“超高校級の写真家”であるまじき写真を応募すれば、希望ヶ峰学園のお偉いさん達もわかると思うんだよ。

妹「『小泉真昼』を“超高校級の写真家”として希望ヶ峰学園に招き入れたのは何かの間違いだったってね。」


妹「早急に小泉先輩を、退学処分にするべきだってね。」



小泉「妹ちゃん…。」




薄々気づいていた。


妹ちゃんが、アタシを目の敵にする理由。



アタシが希望ヶ峰学園に入学する前…。


それも、まだ中学生だった頃。



初めて出会った時は、今とは違って妹ちゃんはアタシに親しく接してくれていた。



あの頃は写真家としての腕なんかを考えずに、ただ楽しく写真を撮っていただけだから…


アタシと妹ちゃんは何の衝突もなく、仲良くすることができていたんだ。




でも、アタシが賞を1つ、また1つと受賞していくにしたがって、妹ちゃんはアタシを距離を置くようになっていった。


アタシは写真家としての名声よりも写真を撮ること自体の方が好きだったから、


妹ちゃんがよそよそしくなった理由に全く気付いてあげられなかった。




それも、妹ちゃんが“超高校級の妹”として希望ヶ峰学園に入学して、アタシに嫌がらせをしてくるまでは…




アタシには、妹ちゃんに嫉妬させるつもりなんてなかった。




妹ちゃんの腕は並みの写真家に比べれてみれば抜群に優れていたし、


アタシに劣るところなんて審査員の微妙な好き嫌いに埋もれるくらいに小さいもののはずで…



そもそも、アタシは妹ちゃんと自分の腕を比べあいたいと思ったことなんてなかった。




自分たちが撮った写真を見せ合って笑いあうだけで、アタシは満足だったんだから…



自分の写真家としての腕が誰かの心をむしばむなんて、考えたこともなかったから…





小泉「ま、待ってよ妹ちゃん…。そんなことをしたところで、妹ちゃん自身が虚しくなるだけだよ…?」


小泉「ア、アタシは確かに写真家としての腕を認められてここに入学したわけだけど…」

小泉「妹ちゃんの撮る写真がアタシの写真より劣っているなんて、アタシは思わないよ?」


小泉「妹ちゃんのは妹ちゃんので、ちゃんといいところが…」





妹「うるさいんだよ!!アンタに写真が用意できないんだったら、私が用意してあげよっか!?」




そう言うと妹ちゃんは、アタシの服をつかんでいた手に力を入れる。





小泉「…!!わかった!!わかったから!!ちゃ、ちゃんと言われたとおりにするから…」



妹「…今日のところは、このくらいにしてあげる。」


妹「だけどもし、ちゃんと約束を守らなかったら…」

妹「アンタの酷い写真を撮って、親父さんに送りつけてやるから。」




それだけ言い残すと、妹ちゃんとその取り巻きはどこかへ去っていった…。




小泉「…」

小泉「どうしよう…。」

小泉「いい加減な気持ちで写真を撮ったことなんてないから、最低な写真なんてどう撮っていいのかわかんないよ…。」



小泉「そうだ…。風景画を撮ろう。そもそもアタシは人物画以外はそこまで得意じゃないんだから。」

小泉「風景画あたりを適当な気持ちで撮ってみれば、きっと“最低の写真”が完成するはずだ…。」



小泉「…」




小泉「アタシ、頑張ったよ。」

小泉「ちゃんと、泣くのを我慢した。」




小泉「だからこれからも、誰にも打ち明けずにきっと我慢できる。」


小泉「きっと…」






小泉「でも…だからこそ…」


小泉「今だけは、泣いてもいいよね…?」






小泉「うっうっ…ううぅううぅうううう………」






今日はこれまで。




今日からは、6時か9時に投下すると思ってください。(9時にも投下しなかったら、1日休みということです。)




数日後


トワイライトシンドロ―ム殺人事件 1日目


―希望ヶ峰学園―




小泉「…」


澪田「おやおや?真昼ちゃん!!元気ないっすよ?唯吹の歌で元気出すっすか?」

小泉「あ、いや…。大丈夫、ちょっとボ―っとしてただけだから…。」




西園寺「そう?何か悩み事でもあるの?おねぇ?」

小泉「え…。」


小泉「…そんなことないよ。なんか心配かけてごめんね…」


罪木「で、でもぉ、何かあったら私たちに相談してくださいねぇ…。」

西園寺「ってこら!!それわたしが言おうとしてたのに!!」

罪木「ふぇえ!!す、すみませぇええん!!!!」


E子「…」




西園寺「あ!!そうだ!!元気のない小泉おねぇに、いい知らせがあるよ!!」

小泉「え?」


澪田「いい知らせって、去年より5cm背が伸びたって話っすか?」

西園寺「ってそれはわたしのことだろうが!!」

罪木「高校生なのに、こんなに伸びるなんて過去に例がないくらいですよぉ!!十分喜ばしいですって!!」

E子「このままいけば半年くらいで、この中で1番のグラマ―になるかもね。」

澪田「まさか!!1番のペタンコむすめは、相変わらず日寄子ちゃんっすよ!!」

西園寺「わ、わたしのことはいいんだよ!!」




小泉「えっと、日寄子ちゃん。知らせって何かな?」

西園寺「ほら、この前の写真のコンテストの結果が送られてきてたよ!!」

小泉「あ…。」



小泉(あの後に、何も考えずに撮った風景の写真を応募したやつか…。)




小泉「いつの間に送られてたんだろう?全然気づかなかったな…。」

西園寺「この希望ヶ峰学園に送られてきた時に、『わたしは小泉おねぇの友人だ』って言ったら渡してくれたんだぁ~!!」


澪田「真昼ちゃんのために、わざわざ日寄子ちゃんが持ってきてあげたんすか!?」

西園寺「だって…。こういうのって、写真家としての小泉おねぇにとっては大事な物でしょ?」

西園寺「1番の友人としては、いち早くチェックしとかないとね!!」




罪木「すごく仲がいいんですね。うらやましいです…。」

E子「アンタはおどおどしすぎなの。だから距離を置かれがちなのよ。」

澪田「かて―こと言いっこなしっすよ!!唯吹は蜜柑ちゃんと、ディ―プキスもできるっすから!!」

E子「いや、それはそれでまずいでしょ…。」


西園寺「おいお前ら!!勝手に話をそらしてんじゃねえよ!!せっかくわたしが小泉おねぇを元気づけようと思ってんのに!!」

小泉「はは、そうだったね。わざわざ書類を持ってきてくれたんでしょ?ありがとね。」





小泉「で?ちゃんと思ったとおりに落選してた?」


西園寺「え?落選?」

小泉「え?」




罪木「写真のことはあまり詳しくはないですけど…。落選って、いい意味じゃありませんよね?」

澪田「も~真昼ちゃ~ん!!寝ぼけてちゃダメっすよ!!せっかく日寄子ちゃんが励ましてくれてるのに!!」

小泉「あっ…。」



小泉(しまった。妹ちゃんとの件は皆には内緒にしてるんだった。)

小泉(アタシが意図的に落選しようとしているなんて、皆が知ってるはずがないよね…。)



小泉(あれ?じゃあ、“いい知らせ”って…?)





小泉「…」



西園寺「どうしたの?小泉おねぇ。なんか、顔が青いような気がするけど。」

小泉「えっ!?」


罪木「だ、大丈夫ですか?体調が悪いようなら、私が見てあげますよ?」

小泉「あ、いや…。平気。」




小泉(…いけない。みんなを巻き込むわけにはいかない。みんなに気付かれちゃいけない。)


小泉(足の感覚がなくなりかけてて、顔がこわばっていることに気付かれちゃ、ダメ…)




E子「…」

澪田「おっ、結果ってこの封筒っすか?唯吹に見せるっす!!」

西園寺「あ!!勝手に見んなよ!!」

罪木「西園寺さんも勝手に見たような…」




澪田「うぉおおお!!真昼ちゃんすげぇっす!!」

澪田「10000人以上が応募するコンテストのグランプリ!!“最優秀賞”じゃないっすかぁ!!」



小泉「…え?」




西園寺「そりゃ当然でしょ!!だって、小泉おねぇは“超高校級の写真家”だもん!!」


罪木「確か今回はあまり得意じゃない風景画だって言ってましたけど…」

罪木「得意分野でなくても1番だなんて、少し怖いくらいですね…。」


小泉「あ…あ…」



澪田「こりゃあ、全国の写真家に嫉妬されちゃいますなぁ!!」

小泉「!!」




小泉「い…い…」




小泉「いやぁあああああぁあああああああああああああ!!!!!!」




E子「!!」

西園寺「え?え!?」




こんなことをしている場合じゃない。


はやく、はやく寄宿舎に戻って、自分の個室に閉じこもらないと。




個室は自分のカギでしか入れないから、絶対に安全のはず…。




ドンッ



「って…。」



誰かとぶつかったような気がしたけど、この際気にしていられない。




「ちっ…ぶつかっておいて、詫びもなしかよ。女じゃなかったら、指を詰めてるとこだぜ…。」


西園寺「なんだ、ちびっこギャングか。」




九頭龍「その呼び名はやめろっつってんだろ!!」





九頭龍「あと小泉の奴、何かを落とした…」



西園寺「あ、悪いけどアンタに付き合ってる場合じゃないんだ!!小泉おねぇを追っかけないと!!」

澪田「い、唯吹がなんか悪いこといっちゃったんすかね…?」

罪木「と、とりあえず皆で行きましょう!!」

E子「…」




九頭龍「…なんだってんだよ。そろそろ授業も始まりそうだってのに。」

九頭龍「まぁ、授業をまじめに受ける極道ってのもどうかと思うが…ん?」


九頭龍「写真のコンテストの結果か。確か、アイツもこれに応募したって言ってたな…。」

九頭龍「“超高校級の妹”なんて言われながら、写真にも興味があるもんな、アイツ。」


九頭龍「へぇ…。小泉の奴、グランプリか。グランプリってなんだ?下から3番目くらいか?」

九頭龍「“超高校級の写真家”でさえ調子のわりぃ時があんだからって、ちょっとアイツを励ましてくっか。」


九頭龍「小泉の奴が落とした鍵も、気になるしな…。」




―寄宿舎 小泉の部屋―



ガチャ



小泉「あ、鍵開いてる。」

小泉「今日、鍵をかけ忘れてたのか…。」

小泉「いや、そんなことはどうでもいい。早く避難しないと…!!」




カチャ…



小泉「はあ…はあ…」

小泉「これで、大丈夫…。ピッキング防止加工も施されているらしいし…」



小泉「はぁ、はぁ…」




ドンドンドンッ!!!



小泉「!?」

小泉「嘘…!?もう、来た…!?」


小泉「いや、待て。落ち着け。」

小泉「普通に考えて、こんなタイミングで妹ちゃんがやってくるはずがない。」


小泉「アタシはあの4人を置いてここに来たんだ。」

小泉「アタシを心配してくれた4人がここに来た、っていうのが自然だ。」


小泉「でも、アタシは外に出るわけにはいかない。4人には悪いけど、無視させてもらおう。」




ピンポ―ン ピンポ―ン ピンポ―ン…



小泉「お願い、早く諦めて…。」

小泉「何の関係もない4人が妹ちゃんを鉢合わせになったりしたらアタシ、皆と合わせる顔がなくなっちゃう…。」








小泉「…ドアと叩く音も、インタ―ホンの音もなくなった…。もう、諦めてくれたのかな。」

小泉「部屋は完全防音だから、外の様子はさっぱりわからないけど…」


小泉「…」




どれくらい経っただろう。


30分くらいは経っただろうか。


4時間くらいは経っただろうか。



いや、2日は経っているかもしれない。


もしかしたら、1分も経っていないかもしれない。




小泉「はぁ、はぁ、はぁ…」



小泉「信じない、信じない…」


小泉「アタシの日常が、これで終わりだなんて、信じない…。」




トン、トン…



小泉「!?」

小泉「な、何…!?空耳…?」




トン、トン…




空耳なんかじゃない。


誰かが確かに、アタシの部屋をノックする音が聞こえた。




しかも、このリズム…。


あの時に、震えるアタシの足をツンツンつついた、あのリズムと重なってないか…?




小泉「ひっ!!ひぃいいいい!!!!」




アタシはベットに飛び込んで、急いで布団にくるまった。


くるまった布団の中で、お腹をつつかれたダンゴムシのように身をまるませて、頭を抱えて、目を閉じて祈った。




外にいるのは妹ちゃんじゃありませんように。

外にいるのは妹ちゃんじゃありませんように。


外にいるのは妹ちゃんじゃありませんように…




そうだ。アタシが結果を知ってから、多分まだ1時間くらいしか経っていないんだ。


それなのにもう妹ちゃんがアタシの結果を知っているなんて、あるはずがない。




そう、誰かが知らせてでもいない限り…





カチャ…



小泉(えっ!?)



小泉(う、嘘…。今、鍵が開く音が聞こえたような…)


小泉(そ、そんなはずはない!!だ、だってこの部屋の鍵は、アタシがちゃんと持って…)





小泉(あれ…)





小泉(ない。)


小泉(ない。)




小泉(アタシの部屋の鍵が…ない。)



小泉(もしかして…落とした?いつ?)


小泉(落としそうなタイミングって…)




小泉(あ…)





小泉(ああぁあああああああぁあああああああああ…………)





キィ…



小泉(ドアが開く音なんて聞こえない。)


小泉(きっと空耳だよ…)



小泉(誰か、そうだと言ってよ…)









うん、認めるよ。


布団の外側に誰かがいる。


それだけは認める。


でも多分、日寄子ちゃん辺りがアタシの鍵に気付いて、届けに来てくれたんだ。


だから、きっと妹ちゃんはいない。




いや、たとえ妹ちゃんがいたとしても、多分アタシには気付いてない。


だって今、アタシは布団にくるまってるんだから。


アタシがこんなに必死に身を縮ませているんだから、


アタシの体が多少震えていたところで、見つかるはずがない。


ああ、外から見たら布団だけが妙に震えているのがちょっとだけ不思議かもしれないけど。




そう、アタシは今誰にも見えていないんだ。


ここには今、いないんだ。


今、アタシはこの世界のどこにも存在していないんだ。



そうだよね、神様。


お願い神様、そういうことにしておいてよ…




ガバッ


小泉「…!!」




と思うと、急に自分の上が軽くなった。


もしかして、アタシの上にかかっていた布団がなくなっちゃったのかもしれない。



まずい。もっともっと体を小さくして、自分の存在を消しておかないと。


ひょっとしたら、アタシがここにいることがばれてしまうかもしれない。



ギュッギュッとアタシは、自分が出せる最大の力で自分の体をまるませてみせる。


ばれない。ばれない。ばれたとしても、そこにいるのはきっと妹ちゃんじゃない…。




そう思いながら、チラッと自分の上方を見てみると…





妹「…」



小泉「あ…あぁああぁああああ………」





妹「…先輩って、風景画も得意だったんですね。知りませんでしたよ…。」

小泉「違う…違うの…。こ、こんなつもりじゃなかったの…」

妹「…」


小泉「ア、アタシはちゃんと、言われた通りにしたつもりだったの…。」




小泉「あまり得意じゃない風景画を応募することで、妹ちゃんの思い通りになると思って…」

妹「へぇ…。私が撮った写真は、先輩がふざけながら撮った写真に劣ると。」

小泉「!!ち、違う!!違うの!!」


小泉「そ、そうよ、アタシの写真を審査した奴がいけないのよ!!」

小泉「多分審査した奴がろくな審美感もない奴で、アタシの肩書だけで写真を審査したからこうなっちゃったのよ!!」




小泉「だ、だから、今回だけは見逃して…!!つ、次は、次はちゃんとするから!!」

小泉「次はよく考えて、ちゃんと落選できるような写真を撮るから!!」


妹「あの時は、周りは女だけだったけど…今回はちゃ~んと、活きのいい男どもを連れて来ましたから。」

妹「思う存分、いい写真が撮れますよ…。」


小泉「あっ、待って!!」

小泉「やだ、やだ、やめてぇえええええ!!!!」




アタシはベットから転がり落ちて、重力による体への鈍い痛みになんて目もくれず、


地面を這うようにして必死に逃げようと試みる。




よくよく考えてみたら、狭い個室の中で逃げ場なんてあるわけがないことなどすぐにわかるんだけど…


今のアタシは、部屋の四隅に向かえばこの状況から逃げ切れるなんて本気で思っていたんだろう。




四隅に到達したら、壁と壁のつなぎ目に頭を押し付けながら身を縮めて頭を抱えて目を閉じて…



さっきと同じだ。


さっきと同じだから気付いた。これじゃあ、助からない。


すぐ背後に、妹ちゃんの気配を感じた。





妹「こっちを向け。」


小泉「っ…」




逆らってもいいことはなさそうなので、恐る恐る体をひっくり返してみた。


今度は壁のつなぎ目にもたれかかり、足は伸びきって、そのまま震えて動かなかった。


妹ちゃんの取り巻き達は、ドアの辺りにかたまっている。


アタシがいくらあがこうと、逃げられないことは明白だった。



妹ちゃんはアタシを見降ろしていた。



その目は、怒りか哀しみか…アタシにはわからない。




小泉「妹ちゃん…。アタシ、妹ちゃんには悪いことをしたと思ってる…。」


小泉「中学生のころとか、妹ちゃんの気持ちも知らないで、アタシの写真を見せびらかしたりもしちゃったよね…。」


小泉「アタシ、人間としてまだまだ未熟だったの。」


小泉「妹ちゃんが傷ついていることに、気付いてあげられなかった。」


小泉「でも、今は多分あの頃よりはわかってあげられていると思う。」




小泉「だ、だからもう、こんなこと、やめてよ…。」






妹「…それだけ?」



小泉「え…?」


妹「言うことは、それだけなの?」

小泉「え…えっと…」


小泉「ご、ごめんなさい。ゆ、許してほしいです…。」




妹「…甘い。」


妹「甘い甘い甘い!!そんなのじゃ、全然足りないよ!!」

小泉「い、妹ちゃん…。じゃ、じゃあ、どうしたらいいの…?」



妹「アンタにも、極道ってもんを教えてあげる。」

妹「本当に謝意を表するつもりがある奴なら、アンタほど頭は高くないんだよ!!」


小泉「ズ…?わ、わからないよ。ア、アタシにもわかるように言ってよ…。」




妹「じゃあわかるように言ってあげる!!土下座しろっていってんのよ!!」

妹「アンタの存在自体が罪のようなものなんだから!!」

妹「“この世に存在してすみません”って、全身全霊をかけて私に土下座しなさいよ!!」


小泉「っ…。わかった…わかったよ…」





下半身が寝ている状態の体を、なんとか起こそうとする。


普段なら大した力はいらないはずなんだけど…


今のアタシには常に全速力でフルマラソンを完走するくらいの力が必要な気がした。



でも、妹ちゃんを待たせるとまた妹ちゃんを怒らせちゃいそうだったから、


妹ちゃんから見たらのろまだったろうけど、アタシにとっては最速で、ひざまずく体勢をとった。



そして、手のひらとおでこを地面につけて…




小泉「ごめんなさい…。そ、存在して、ごめんなさい…。」




妹「…ふんっ。」

小泉「…!?」



小泉「っあああああああああぁああああ!!!!!!?」




と思ったら突然、地面につけていた手に(正確に言うと指に)激痛が走る。


理由はすぐにわかった。妹ちゃんがアタシの指の辺りを踏んづけているんだ。




小泉「痛い、痛いぃいいいいい!!!!!」




叫べば叫ぶほどおもしろくなってきているのか、足をグリグリッと動かしてアタシの指に酷い傷を与えようとしてくる。


このままじゃあ、本当に指が動かなくなるかもしれない。


指が動かなければ、写真を撮ることもできなくなってしまうかも…!!





小泉「い、妹ちゃん!!ゆ、指だけは、指だけはやめて!!ほ、他の所は踏んづけていいから!!」


妹「…ふうん。人間としてのプライドよりも、才能の方が大事なんだ。」




妹「なんで?なんでアンタは、才能なんて持ってんの?」


妹「なんでアンタが“超高校級の写真家”なの?」


妹「なんでアンタが“超高校級の写真家”としてこの世に存在しているの?」




小泉「才能って…。い、妹ちゃんだって、ちゃんと持っているでしょ?」

小泉「えっと、ほら、“超高校級の妹”…だっけ?」

小泉「よくはわからないけど、ちゃんとした才能なんでしょ?」



妹「…それって、皮肉のつもり?冗談にしては、笑えないね。」

小泉「え…?」




妹「私らの“極道”だとか“妹”だとかっていう“家系”の生徒はね。」

妹「自分自身にちゃんとした才能があって希望ヶ峰学園に入るわけじゃないんだ。」

小泉「ど、どういうこと…?」


妹「正確に言うと、希望ヶ峰学園が私を入学させた理由は、私自身に興味があるからじゃないってこと。」




妹「私らのように人の上に立つ存在が、世界にどういう影響を与えているのか。」

妹「どのように世界を動かしているのか。」

妹「家系同士がどう均衡を保っているか。」

妹「私らと関係を持った人間は、そうでない人間とどう違ってくるのか。」


妹「そういうのを研究するために、私らはスカウトされんのよ。」




小泉「え、えっと、聞くだけなら、アタシの才能なんかよりずっと各上の才能のような気がするんだけど…」


妹「人の話を聞いてた?要するに“家系”はね、才能がなくても希望ヶ峰学園に入れるの。」

妹「もちろん“家系”の生徒でありながら様々な才能であふれている、十神白夜のような人もいるけど…」




妹「アンタにわかる?自分になぜ才能があるのかに疑問を持つことすらしない。」


妹「なぜ才能を持っているのが自分なのかを不思議に思ったことさえない。」


妹「なぜ自分に備わっているのかを理解していない才能にすがりつく生き方を選んで。」


妹「才能がない人間にはそんな生き方を選びたくても選べないってわかっていながら!!」



妹「見たくもないのに無理やりその生き方を見せつけてくるようなアンタに…!!」






妹「わかるの!?アンタのような人間の裏で、有名無実な才能をレッテルとして貼られ…!!」


妹「有能な連中の中で自分の無能さをかみしめながら生きていくしかない人間の苦痛が!!」



小泉「ちょ、ちょっと待ってよ…。妹ちゃんの才能は、有名無実なんかじゃないよ…。」

小泉「だ、だってほら、この希望ヶ峰学園での経験を通して九頭龍組を継げれば、妹ちゃんには才能があったって…」




妹「…私は組を継がない。私の兄貴が継ぐから。」


妹「そうしたらね、私はただの人間に成り下がるの。」


妹「“超高校級の妹”なんて、希望ヶ峰学園が勝手に言っているだけ。」


妹「結局私はこの世界に何人もいる、“その他大勢”に過ぎない。」




妹「だから欲しかったのよ!!私にも空っぽの才能なんかじゃなくて、自分の生き方を確かにしてくれるような才能が!!」




妹「なのにアンタが、“超高校級の写真家”なんて才能を持っているせいで…」


妹「“超高校級の写真家”の才能を持っているのが、なぜかアンタのせいで…!!」




妹「アンタさえ!!アンタさえいなければ!!きっとその才能は、私のところに来ていたはずなのに!!」


妹「きっと天が、私にその才能を与えてくれていたはずなのに!!」





妹「きっと私が“超高校級の写真家”と呼ばれるようになっていたはずなのに!!」



小泉「い、妹ちゃん…」




妹ちゃんの言っていることが、ようやく分かった。




妹ちゃんの写真家としての腕は、決して悪くない。


むしろアタシが見てきた写真家の中で、妹ちゃんの実力だけが大きく抜きんでていると感じるほどだ。


だから、妹ちゃんの言い分は至極まっとうなのだ。



高校生でありながら写真家としてトップクラスの才能を持つ妹ちゃんは、


“超高校級の写真家”として希望ヶ峰学園に入学していたとしても、何もおかしくなかったんだ。





“超高校級の妹”というレッテルを貼られなければ。


アタシが、存在しなかったなら…





そうか。アタシが妹ちゃんにここまで嫌われちゃったのは、アタシのせいなんだ。


アタシが、“超高校級の写真家”なんて才能を持って生まれてきてしまったから…




妹「…ああ、腹が立ってきた。ねぇ、先輩。」

小泉「な、なに…?」



妹「よくよく考えてみたら先輩は、写真なんてとられても逆に興奮するような変態さんでしたよね。」

妹「なら、先輩の恥ずかしい写真を撮ったとしても罰にはなりませんよね。」


小泉「…えっ?じゃ、じゃあ、もうやめてくれるの?」

妹「代わりに、これを預けておきます。」

小泉「…?」




そう言って、妹ちゃんがアタシにポイッと投げてきたのは…




小泉「な、なに、この刃物…?」

妹「“脇差”っていうの。極道もんがけじめをつける時に、指を詰めるために使う道具。」


小泉「指を詰め…えっ…!?」




妹「明日までに、指を1本詰めてきて。」

小泉「えっ!?えっ!?」


妹「ああ、詰めるってのは、切り落とすって意味よ。」

小泉「ま、待って妹ちゃん!!そ、そんなことしたら、写真、撮れなく…」




妹「明日、例の場所で待ってますから。その時、もし指が10本あったら…」



妹「今度は私自身の手で、1本1本丁寧に切り落としてあげますから。」

小泉「…!!」


妹「さようなら、小泉先輩。明日、楽しみにしてますよ。」






小泉「妹ちゃん…もう、昔みたいな仲には、戻れないの…?」



妹「…」





小泉「出会ったばかりの時なんかは、もっとアタシ達、仲良かったじゃない…。」

小泉「写真家同士、何も考えずに笑いあえたじゃない…。」


小泉「どこでずれたの?どこからアタシたちは、すれ違ってしまったの?」

小泉「アタシ達は写真を撮ることが好きな、仲間同士のはずなのに…。」


小泉「ア、アタシは戻りたい…。妹ちゃんとまた、一緒に笑いあいたい。」



小泉「こ、こんなのはアタシの勝手な願望かもしれないけど…」

小泉「い、妹ちゃんさえ良ければ、今からでも…」





妹「戻れるわけがないでしょ。」


小泉「っ…!!」




妹「アンタに“超高校級の写真家”っていう才能がまとわりついている限り…」


妹「アンタと私の確執は、絶対になくならないんだから。」







小泉「行っちゃった…。どうしよう。指を詰めるなんて、絶対に無理だよ…。」


小泉「痛っ…妹ちゃんに踏まれた指が、痛い…。」

小泉「はれていたりひびが入っていたりするかもしれないから、保健室に行かないと…」




―保健室―



小泉「よかった。誰もいない。」

小泉「蜜柑ちゃんに出会ったら心配かけちゃうから、誰もいない間に治療しておこう。」






E子「…真昼?」


小泉「えっ!?」



E子「なんでこんなところに…ってどうしたの、その手の傷!?ま、まさか…!!」

小泉「あっ。こ、これは…」


小泉「そ、そう、階段から落ちちゃって…」

小泉「はは、蜜柑ちゃんみたいなドジふんじゃったよ。」



E子「…そんなわけないでしょ。」

E子「写真家で、自分の手をけがしないように常に気を配っていたアンタが、そんなことするはずがないでしょ。」


小泉「えっと、その…」




E子「真昼!!隠してることがあるんでしょ!?ちゃんと私にも打ち明けてよ!!」

E子「私たち、親友でしょ!?きっと、アンタの力になれるから!!」



小泉「…階段から、転げ落ちたの…。」


小泉「お願い…信じて……」




E子「…とにかく、その傷はけっこう深刻そうだから、アンタじゃ治療できないよ。」

E子「今から蜜柑を呼んでくるから、ここでじっとしててよ?」

小泉「…うん、わかった。」


E子「勝手にふらふら歩きまわるんじゃないよ!!わかったね!!」


タッタッタ…




小泉「…」

小泉「ごめん、E子…。アタシ、皆を巻き込めない。だって、全部アタシのせいだから…。」


小泉「指を詰めるなんてできないけど、明日、妹ちゃんになんとか許してもらおう。」

小泉「妹ちゃんだって根はいい人のはずだから、アタシが何度も呼びかければ、きっと心を開いてくれるはず…。」




E子「…もう、我慢できない。妹の奴、九頭龍組があるからって好き放題して…!!」



E子「放課後にでも、アイツと決着をつけてやる!!」




放課後



―希望ヶ峰学園 校舎 1階―



澪田「全員そろったっすか?」

罪木「いえ、私たちを呼んだ張本人のE子さんだけが来てないです。」

西園寺「自分で呼んどいて遅れるなんて、万死に値するよ!!」

小泉「はいはい、そんなこと言わないの。ほら、写真撮るから。」



パシャッ



西園寺「ちょっと―!!罪木なんかと撮らないでよ!!友達だと思われるじゃん!!」

罪木「ふぇえええ!?友達じゃないですかぁ!!」

小泉「うんうん、良く撮れてる。」




罪木「小泉さん、手はもう大丈夫ですか?」

小泉「ああ、うん…。まだちょっと痛むけど、平気だよ。」


澪田「真昼ちゃんったら―!!」

澪田「突然部屋に閉じこもったと思ったら、今度は階段から転げ落ちただなんて、唯吹びっくらこいちまったっすよ!!」

澪田「唯吹たちに、あんまり心配かけさせるもんじゃないっすよ!?」


小泉「あはは、ごめん…。」




ガシャ―ン




罪木「!?」

西園寺「なに、今の音?」

澪田「行ってみるっす!!」


小泉「…」





小泉「E子…?」





―音楽室前―


E子「…」

罪木「あ、E子さん。こんなところにいたんですね。」


澪田「ま、今はそんなことより、不審な音が気になるっす!!こっから音が聞こえたっす!!」

西園寺「でも、鍵がかかってて開かないよ?」

小泉「ちょっとアタシ、職員室から鍵を取ってくる。」




―音楽室―



西園寺「うっ…!!」

小泉「…!!」





音楽室に入ったアタシ達が見た物は…


頭から血を流して、壁にもたれかかっている…




今日の朝に会ったばかりだった。


今日の朝まで、アタシに嫌がらせをし続けていた。


九頭龍組の権力を盾に、アタシの前ではいつでも尊大に振る舞っていた。





中学時代には、屈託なくアタシに笑いかけてくれていた。


いつかきっとアタシを許して、もう一度アタシに微笑んでくれる人だと信じていた…










そんな妹ちゃんが…


そこで、力なくうなだれていた。





罪木「し、死んでる…!!」

澪田「や、やばいっすよ、これ!!は、早く逃げるっすよ~!!」

西園寺「あ、澪田おねぇ、ずるい!!わたしが1番に逃げるもん!!小泉おねぇも早く!!」



E子「…そうね、第一発見者ってだけで疑われるんだもん。早くここから立ち去るのが賢明だって。」

小泉「…」



小泉(E子…なにか、様子がおかしい…。死体を目の前にして、妙に冷静で…)


小泉(…)




―音楽室の隣の教室―




小泉「…?どうして花瓶が割れてるの…?」

小泉「…」


小泉「もしかして…」




小泉(これは…あの子にとっては不都合な物よね。処分した方がいいのかな…。)


小泉(で、でもそれって、犯罪の片棒を担ぐことになるのかも…)

小泉(ど、どうしよう…。)



小泉(そ、そうだ!!写真に撮っておけば、処分したからといって手伝ったことにはならないよね。)


小泉(だって取り調べの時に写真を見せれば、真実は割り出されるんだし…。)




小泉(…)





小泉(E子ちゃん…。どうして、アタシに相談してくれなかったの?)


小泉(こんな事態にまで発展させちゃって…。他に、方法はなかったの…?)


小泉(アタシがE子ちゃんに詮索されても黙っていた時、E子ちゃんはこんな気持ちだったの?)



小泉(アタシは、自分のことは自分で解決したかっただけなのに…)


小泉(いつかきっと、妹ちゃんを仲直りしてみせるって、思っていたのに…)





トワイライトシンドロ―ム殺人事件 3日目



―希望ヶ峰学園 校庭―




E子「真昼~。呼び出したりして、なんの話?まさか、愛の告白じゃないよね?」

小泉「E子ちゃん…。この写真なんだけど…」

E子「こ、これは…」



小泉「これって、アナタにとって不都合な物なんでしょ…?」

E子「な、なによ、ゆする気…?」




小泉「そ、そうじゃなくて…。E子ちゃん、アタシにこんな大事なこと隠さないでよ。」

小泉「アタシはただ、どうしてこんなことをしたのかを聞きたいだけで…」


E子「…どうしてって!?」

小泉「え?」



E子「アンタが相談してくれなかったからでしょ!?」

小泉「ア、アタシが…?」





E子「アンタ、あの時保健室で自分がどんな顔をしていたかを知ってる!?」

E子「次の瞬間には壊れてしまいそうなほど、弱りきっていたよ!?」

E子「妹の奴に散々苦しめられて、追い詰められて…!!」


小泉「そ、そんなこと、ないよ。アタシこう見えて、打たれ強いから…」


E子「…アンタはそうやって、なんでもかんでも1人で抱え込んじゃうような人間だから。」

E子「自分の限界にも全然気づいていなかったんだよ。」

E子「私が殺していなかったら今頃アンタ、間違いなくアイツに廃人にされてたよ…?」


小泉「じゃ、じゃあE子ちゃんは、アタシのせいであんなことを…?」




小泉「で、でも、何も殺さなくても…アタシだって、必死に仲直りしようとしてたんだよ?」

E子「…相変わらず、女子にはとことん甘いんだから。あんな奴に話し合いが通じるとでも思ってたの?」


E子「私だって、最初は殺す気なんてなかったよ。嫌がらせをやめろって言っただけ。」

E子「でもアイツ、反省するどころか今度は私も標的にするって…!! 」


E子「だからやるしかなかったんだよ!!悪いのはみんなアイツの方なのよ!!」



E子「こんな写真、捨てちゃえ!!」

小泉「あ、待って…。」


小泉「…」

小泉「ど、どうしよう…。後を追って、写真を拾った方がいいのかな…?」




―ゴミ捨て場―


E子「…」キョロキョロ


ポイッ









九頭龍「…?確か、あいつはサトウって言ったな。事件の日、妹と一緒にいたって噂の…」


九頭龍「ん?この写真…。そうか、そういうことか…!!」


九頭龍「しかし…“写真”、か。もしかすると…」

九頭龍「問い詰めねぇといけねぇのは、別にいるのかもな…!!」


九頭龍「事の次第じゃあ…絶対に許さねぇぞ!!」









小泉「あれ…。写真がない…。もう、焼かれちゃったのかな…?」

小泉「…」



小泉「や、やっぱり…E子ちゃんの犯行を隠ぺいすることが、正しい選択だった…のかな?」


小泉「だって、E子ちゃんは親友だし…」

小泉「E子ちゃんがあんなことをしちゃったのは、どうやらアタシのせいらしいし…」

小泉「E子ちゃんだけが悪いわけじゃない…よね…?」



小泉「それに…。嫌がらせがなくなって、内心喜んでしまっている自分もいる。」



小泉「…あんまり深く考えるのはやめよう。考えすぎると、怖くなっちゃいそうだし…」



小泉「と、とにかく、いつも通り…。いつも通りに過ごせばいいんだ…。」

小泉「そしたら、いつも通りの日常が帰ってくるはずだ…。」




放課後


―希望ヶ峰学園―



小泉「…」

小泉「もやもやする…。気持ちが浮かない…。」



小泉「だ、誰かに打ち明けようかな…。」

小泉「アタシにどこか間違っているところがあれば、指摘してもらえるかもしれないし…。」


小泉「こ、こういっちゃあなんだけど、妹ちゃんはもういないんだから。」

小泉「打ち明けたところで、みんなに迷惑がかかるとは思えないし…。」



小泉「あ、前方に見えるのは、唯吹ちゃんに日寄子ちゃんに蜜柑ちゃん…。」

小泉「相談に乗ってくれるかもしれないし、アタシも混ぜてもらおう。」



小泉「お~い、みんな…」




ガバッ




小泉(え…?)






何が起こったのかわからなかった。






ただ、アタシの声がかき消されて…



そのまま、意識が遠のいていったことしか…





今日はここまで。小泉のE子に対する呼称が不安定なのはご愛嬌で。


もしかしたら、このスレ内で過去編が終わらないかも。






―???―



小泉「…」


小泉「あ…れ…」

小泉「寝てたのかな、アタシ…。」



小泉「…?」


小泉「ここ、どこ…?」

小泉「真っ暗…。今、夜なの…?」


小泉「あ、あれ…?体が、動かない…。」

小泉「ね、寝ちがえたのかな…?」




違和感。愚鈍なアタシがそれに気付いたのは、目覚めてから数秒たってからだった。




小泉「夜…?」

小泉「違う、これは…」


小泉「目隠し…?」



小泉「体が動かないのは、寝ぼけていて体がしびれている…っていうわけじゃなさそうだ…。」

小泉「そもそも、椅子に座りながら眠っていた覚えなんかないし…」


小泉「座っている?アタシ、椅子に座ってるの?」

小泉「違う…。椅子に座っているんじゃなくて…」


小泉「座らされている…?」




そこまで考えて、初めて気づいた。


アタシは…




拘束されている。




目隠しをされていてよくわからないけど…

体の部位をところどころ椅子に固定されているようだ。



椅子の肘掛けに両手を。

両足も、まるで椅子に縫い付けられているみたいで…

前屈みになろうとすると、肩の高さで板のようなものにぶつかるので、腰を曲げることもできない。



縄なんかも使われていないとなるとこの椅子は、“人を拘束するため”だけに造られた椅子なんだということがわかる。




小泉「何よ、これっ!!もうっ、動いてよ!!」

小泉「このっ!!こ、このっ!!」



椅子の中で必死に暴れてみるけど、拘束が解ける気配は一切ない。


むしろ、自力ではこの拘束から抜け出せないという事実と…

何者かの思惑によって自分が尋常ではない状況に置かれていることを、再確認させられるだけだった。




小泉「はぁっ、はぁっ…」

小泉「な、なに…?なにこれ…!?な、何が起こってるの…!?」




ドクン…ドクン…


何も聞こえない中で、鼓動の音だけがアタシの耳にへばりついていた。

心臓の音ってこんなに気になるものだったっけ…?


おかしい。おかしい…。



今までに経験したことのない“謎”…。

それが“恐怖”に変わり、心臓がそれを血液と一緒に送り出して、全身に蔓延させてしまった。

そんなイメ―ジ。



今アタシに流れている血は、本当にアタシの血なのか?

全身の血がドロドロとした水飴にでも変わってしまったんじゃないか…?





……


小泉(…?人の気配がする…。)




小泉「あ、あの…。そこに誰かいるんですか…?」

「…小泉真昼。ようやく目を覚ましたようだな。」

小泉「…ん?その声、もしかして…」




小泉「九頭龍!?アンタ、九頭龍でしょ!?」


九頭龍「…」




小泉「た、助かった…。ここにいるのが知り合いで良かったよ。と言っても、ここがどこかもわかんないんだけど。」

小泉「気付いたら、こんな状態になっててさ。面倒かもしれないけど、この拘束を解いてくれない?」



九頭龍「…は?」



小泉「え?ど、どうしたの?」

九頭龍「テメ―、今自分が置かれた状況を理解してんのか?」



小泉(…?)


小泉(あれ…?なんか、変じゃない?この口調、全然友好的とは思えない…。)




九頭龍「拘束を解いたら、テメ―に逃げられちまうじゃね―か。」

小泉「え?えっと…。な、何を言ってるの?」

小泉「ふ、ふざけた冗談はやめて。」


九頭龍「ふざける?」

九頭龍「いや、大真面目なんだが。」


小泉「ま、真面目って…?」

小泉「ま、まさか、これって…!!」


九頭龍「ああ。テメ―を拘束したのはオレだ。」

小泉「ひっ…!?」




背筋が凍りついた、とでも言えばいいのか。

今までのアタシがどれだけ楽観的だったかをあきれるといいのか、後悔すればいいのか…。


文字通り、開いた口がふさがらない。


そしてその分、自分の呼吸音が大きくなったような気がした。


結局アタシは、鼓動と呼吸が織りなす二重奏なんていう、だれも興味のないものを特等席で聞かざるを得なかった…。




小泉「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」



小泉(バカかアタシは…)

小泉(“こんな状況”になったのなら、それを起こした“元凶”がいるに決まっているじゃないか。)

小泉(そして、このタイミングで登場する人物なんて…)



小泉(声の反射から考えて、ここは室内。それもかなり狭い密室。多分窓もない。ここは地下…?)


小泉(そ、そんなところに九頭龍が味方として現れるなんて、あるわけがないじゃないか。)

小泉(少し考えればわかることじゃないか…。バカ、バカ、なんで気付かなかったのよ…!!)




小泉「な、何のつもりよ…?」


小泉「ア、アンタ、目的は知らないけど…!!こんなところに連れてきて…!!」

小泉「こ、こんなことをしていいと思ってるの!?」

小泉「は、犯罪よ!!う、訴えてやるから…!!」


小泉「は、早く解放してよ!!ア、アタシ、帰ってやらなきゃいけないことがあるし…」

小泉「い、今なら通報しないことも考えてあげるから。」

小泉「ね?それでいいでしょ?この件は、無かったことにしてあげ…」


小泉「いっ!?」




ガシッ、と急に髪の毛をつかまれた。

そしてそのまま、顔面が上に向くように強引に力を入れられる。

いつものアタシならデリカシ―云々を説いてやるところだが、今はそんな状況じゃない。




小泉「い、痛い…!!な、何すんの…」


小泉「ひ…!!」




と思うと、頭が上を向いたことであらわになった喉に、何かをあてがわれた。

こ、これって…も、もしかして、ナイフ…?


あ、相手に少しでも力を入れられたら…!!




小泉「あ…ぁあ……」


九頭龍「自分の立場を理解できたか?」

九頭龍「今テメ―の目の前にいるのは、国内最大の暴力団の頭となる人間、“超高校級の極道”なんだ。」

九頭龍「長生きしたかったら、わめくんじゃねぇ…。」

小泉「はぁはぁはぁ…」




小泉「ご、ごめ、ごめんな、さい…。ごめんなさい…。」

小泉「あ、謝るから…それ、しまって…。」




…スッ。ようやく、相手はナイフをしまってくれたようだ。




小泉「はぁ…はぁ…」

九頭龍「…それで、“何のつもり”の答えだが。お前には、もうわかってんだろ?」

小泉「え…?」


九頭龍「妹の件、と言えば分るのか?」

小泉「妹ちゃん…?」

小泉「!!」




小泉(コ、コイツが言っているのって、E子ちゃんが起こした事件のことよね…?)

小泉(じゃあまさかコイツは、殺された妹ちゃんの報復で…!?)


小泉(ち、違う違う!!そんなわけがない…!!)

小泉(だ、だって妹ちゃんを殺したのはアタシじゃない。)

小泉(報復されるとしたら、E子ちゃんでしょ?)


小泉(じゃ、じゃあ、なんでコイツはアタシを…?)




九頭龍「表情が変わったな…。やはり、何か知っているな?」

九頭龍「“超高校級の妹”が何者かに殺された事件…。知っていることをすべて吐け。」

小泉「…!!」



小泉(そ、そうか…。コイツは、あの事件の真相を割り出そうとして…)

小泉(嫌がらせをされていたという動機があるっていう理由で、運悪くアタシが容疑者として浮上してしまったんだ…!!)


小泉(じゃあ解放してもらうには、アタシが犯人じゃないことをわかってもらうしかない。)

小泉(でも…ど、どうやって…?)


小泉(だってそれって、E子ちゃんを見捨てるってことだよね…?)

小泉(それにE子ちゃんが犯人だと言い張るにはアタシが少なからず事件に関わっていることを説明しないといけない。)

小泉(そうしたら、花瓶の話になるかも…)

小泉(そ、そうなったら、アタシが花瓶を処分したことがばれてしまうかもしれない…)


小泉(この状況で『共犯者です』なんて言ってしまったら、な、何をされるか…!!)




小泉「し、知らない…。」


小泉「知らない、知らない!!ア、アタシ何も知らないから!!」

小泉「殺人がどうとか、そ、そんなの一般市民のアタシが知ってるはずがないでしょ…!?」


小泉「ア、アタシは誰も殺してなんかない。ほ、他をあたってよ。」

小泉「だからもう、拘束を解いてよ…。」


九頭龍「…」


小泉「はぁ…はぁ…」



九頭龍「…」



小泉(む、無言…?な、なんで何もしゃべらないの…!?)






九頭龍「ちっ」



小泉「…!?」


九頭龍「軽率な発言をした自分を恨むんだな。」

小泉「え…?」


カチッ



小泉「!?」


小泉「うあぁああぁああああぁああああぁああぁああああああああぁあああああ!!!!!!!!」



突然、全身に激痛が走った。わかったのはそれだけ。

残りの思考は、すべてどこかへ吹っ飛んでしまった。

誰かがアタシの頭を開いて、脳みそをぐちゃぐちゃにかき混ぜているんじゃないかと思うほどの痛みだった。





小泉「いぎ、ひぎぃいいぃいいいいいぃいいいいいいぃいいいいぃいいいい!!!!!!!!!!」





アタシが座っている椅子から流れる“何か”が激痛の原因ということだけはわかったので、

必死に椅子から抜け出そうとするけど、体を滑稽にうねらせることしかできなかった。





小泉「あああああ…うぁああぁああ………」



叫ぶ気力もなくなり始めた時…。やっと激痛が収まった…。




小泉「かっ…。はぁ、はぁ、んっ……」

小泉「は、はぁ、はぁ、はぁ………」



小泉(な、何が起きたの?相手は何をしてきたの?な、なんでこんなことをしたの…?)



九頭龍「…次はこんなものじゃ済まねぇぞ。早いうちに、吐いた方がいいぜ。」

小泉「…!?」



小泉(こ、“こんなもの”…?今までに味わったことのないような…)

小泉(この世の終わりのような苦痛だったのに、“こんなもの”だって…?)

小泉(う、嘘でしょ…?これ以上に、何があるっていうの…?)




小泉(まだアタシは勘違いしていた。)

小泉(そもそもなんで相手が拘束なんてしたのか、少し考えてみればわかるじゃないか。)



小泉(事件の全容を吐かせること。)

小泉(どんな…どんな酷い手を使ってでも…!!)


小泉(あ、相手は極道なんだ。)

小泉(矮小なアタシの頭じゃ考えもつかないような残酷な方法を、この先にいくつもいくつも用意しているんだ…!!)


小泉(そんな相手に、知らぬ存ぜぬが通るわけがない!!)

小泉(は、はやく、はやくはやく、白状しないと…!!)




小泉「わ、わかった…。アタシの知ってる情報は、全部提供する…。」


小泉「だ、だからもう、さっきみたいに…」

小泉「で、電流を流すのは、やめて…」




九頭龍「…よく考えて、1つ1つ言葉を選んで発言をしろ。」

九頭龍「返答の次第じゃあ…」

九頭龍「命の保証はしねぇぞ。」


小泉「…!!」



小泉(コ、コイツ、本気だ…!!)

小泉(アタシの態度が少しでも気に食わなかったら、その場で躊躇なくアタシを…!!)

小泉(クラスメイトだからとか、そういう情はコイツには一切ないんだ…!!)


小泉(だから、相手の気分を損ねないように…)

小泉(慎重に、慎重に答えないと…。)


九頭龍「身長、だと…!?」




小泉「ひゅう…ひゅう……」


小泉「い…妹さんを殺した犯人は、アタシじゃないの。」

小泉「E子…。サトウさん、サトウさんが妹さんを殺したの!!」



九頭龍「…で?」


小泉「え…?えっと、えっと…」



九頭龍「ゴミ捨て場に落ちていた花瓶の写真は、事件にどう関係しているんだ?」

小泉「…!!」





小泉(E子ちゃんが捨てた写真がなかったのは、九頭龍が拾っていたからなのか…!!)


小泉(まずい。もし花瓶の件で、九頭龍の逆鱗に触れたら…!!)


小泉(へ、変なこと考えちゃダメ!!早くアタシの無実を証明して、解放してもらおう!!)




小泉「た、多分だけど…」

小泉「サトウさんは、花瓶を割る音をガラスが割れた音だと誤認させることで、アリバイを作った…。」


小泉「だ、だから、割れた花瓶が証拠になるんだけど…」

小泉「花瓶は…しょ、処分されて…」


九頭龍「誰が処分した?」

小泉「ひっ…!!しょ、処分したのは…」


小泉「ア…アタ、アタ、アタシ…です……。」



九頭龍「…………」





小泉「あっ!!で、でも、証拠隠滅とか、そんな理由じゃないの!!」

小泉「だってその証拠にアタシ、ちゃんと花瓶の写真を撮っていたでしょ?」

小泉「ちょ、調査を受ける時のために、用意していて…」



小泉「よ、要するに、妹さんを殺したのはアタシじゃないの!!」

小泉「だ、だから、報復するべき相手はアタシじゃないんだよ…!!」

小泉「そ、そうでしょ?そう思うでしょ?」




九頭龍「…で?言うべきことはそれだけか?」

小泉「え…?そ、そうだけど…。も、もう、何もおかしいところはないでしょ…?」




九頭龍「……」


小泉(ま、また、無言に…?)




小泉「な、なにか、言ってよ…。足りないところがあるなら、補うから…。」




小泉「こ、怖いよ…。今の九頭龍、すごく、怖い…。」



小泉「も、もっと優しく扱ってくれたって、良いとお、思うんだけど、な……」




九頭龍「………」


小泉「はぁ…はぁ……」




小泉(も、もう耐えられない…!!)




小泉「もういいでしょ…?アタシが知っていることはこれで全部…!!」

小泉「これ以上アタシを怖がらせても、なにも出てこない。」

小泉「何の情報も聞き出せないのよ…!!」

小泉「だ、誰にも言わない!!このことは、誰にも言わないから!!通報なんてしないから…」


小泉「だ、だから、もう、酷いことしないで…。」

小泉「もう、この拘束を解いて…。」

小泉「もう、アタシを解放して…。」




小泉「アタシを、元の日常に帰して…。」


九頭龍「日常、だと…?」

小泉「えっ…!?」




小泉(な、なに…?ア、アタシ、何かおかしいこと言った…?)




九頭龍「はぁ…。おめでたい奴だ。まだ、自分が日常に帰れるなんて夢を持っていやがる。」

小泉「え…?え…?」




ドクッ…ドクッ…。



鼓動のリズムが変わった。


心臓が、誰かに握られているような感覚。

心臓が正常に機能することを、直接何かが阻害しているような…。



鼓動の音があまりに不安定で、いつこの虚弱な演奏が終焉を迎えてもおかしくないような気がする…。





小泉(き、聞き間違いだよね。今、変なことは何も言ってないよね…。)

小泉(だ、だから、いつもの通りに動いて…。)



ドクッ…ドクッドクッ…ドクッ……



小泉(お、お願い、言うこと聞いて…!!)




九頭龍「いまだに勘違いをしているようだから、この際はっきりさせとく。」

小泉「はっ、はっ、はっ、はっ……」


九頭龍「残念だが、お前が日の光を浴びることは、2度とない。」

小泉「な、なに、言ってるの…?」

小泉「い、意味が分からない。な、何かの冗談だよね…?」



小泉「か、帰れるんだよね!?」

小泉「アタシ、帰れるんだよねっ!?」

小泉「昨日までアタシがいたところに…!!」



九頭龍「お前は…ここで死ぬ。」

小泉「しぬ…?」



小泉「『死ぬ』!?」

小泉「し、『死ぬ』って、何…?」





今まで感じたことのない感覚だ…。

全身から汗が噴き出して、前髪がべっとりと額に張り付くので、かゆくて仕方ない。


じっとりと、全身に絡みついている物は何…?

汗?

違う、そんな物理的な問題じゃない。



例えるなら…獲物に巻きついて、じわり、じわりと体力を奪っていく蛇のような…




小泉「ま、待ってよ…。し、死ぬってそんな…」


小泉「も、もしかして…」

小泉「く、口封じ、とか…?」

小泉「ま、待って、ホントに待って…。絶対に口外しない。このことは、アタシの心の奥だけにしまっておくから…」



九頭龍「そんな問題じゃねぇんだよ。」

小泉「え…?」



九頭龍「自分自身の所業を振り返れば、すぐにわかんだろ?」

小泉「ア、アタシの所業って…?」



小泉「だ、だって、妹さんを殺したのはアタシじゃないんだよ!?」

小泉「じ、実際、事件でアタシが関わったところなんてほとんどないじゃない!!」


九頭龍「諦めろ。テメ―は“敵”にまわす相手を間違えたんだ。」

小泉「て、敵…!?ア、アタシが…!?」




九頭龍「そうだ…。九頭龍組3万人が認めた。」



九頭龍「お前、『小泉真昼』を“敵”だとな!!」

九頭龍「九頭龍組が総力をかけて抹消すべき存在だとな!!」




小泉「ちょ、ちょっと待ってよ!!な、なな、なんでアタシが…!!」

小泉「なんでアタシみたいな一般市民が、国内最大の指定暴力団に目をつけられないといけないの!?」




小泉「お、おお、おか、おかしいって…」

小泉「こ、こんなの嘘だよ…。」


小泉「し、信じない、アタシ、信じないから……」





小泉「も、もう1度考え直してよ…。」

小泉「く、九頭龍組みたいな大きな組織が、たかが1人の写真家を仕留める必要なんてないんだってば!!」


小泉「だから、だから…。」

小泉「もう、帰らせて…!!」



九頭龍「帰る…。テメ―だけが、日常に帰るのか…?」

小泉「え…?」


九頭龍「オレは、もう帰れねぇんだぞ…。」

九頭龍「アイツがオレのそばにいた、あの日常に!!」

小泉「だ、だから、だから…!!それは、ア、アタシのせいじゃ…」



極道「見せてやる…。テメ―が2度と、日常に帰れない証拠をな!!」

小泉「!?…!!?」



小泉(見せる…?ってことは…。)

小泉(目隠しを、外してくれるの…?)




目隠しをそっと外された。


そうしたら、再びアタシの目に光が戻ってくる。


そう思ったけど…




小泉「な、なによ、これ…。」




多分アタシの顔は、どんどん青ざめていっているのだろう。

暗黒なんかよりも、もっともっと絶望的な現実がそこにあったからだ。




予測通り部屋には窓はない。前方に扉が1つあるだけ。広さも予想と大体一致した。


一致しないのは、裸電球1つで照らされている薄明かりの中の光景だ。


床や壁に、尋常ではない量の血がまき散らされている。1人や2人の血じゃない。

ここで、何人も、何人も…!!


臭いに気付かなかったのは、染みついてから何年もたっているからか。

ただ、恐怖で頭が働かなかったからなのか…。


他にも部屋には何かあったようだけど、直視できなかった。

とげとげしいあれらは多分、人を痛めつけるためだけに作られた器具だろうから…。




見るんじゃなかった。

ずっと目をつむっていたままのほう、幸せだった。

いまさら目をつむったところで、脳裏に焼き付いた凄惨な光景を消し去ることなんて不可能なんだ。




小泉(もう、嫌だ…。)



ギュウッ、とまぶたを閉じる。


強く、強く…。



どんなことがあっても、絶対に開かないように…


もう2度と、あの現実を受け入れないように…





九頭龍「目を開けろ。」



小泉「…!!や、やめて…。な、何も見たくない…!!」





九頭龍「開けろ。」


小泉「ひぃ…!!」






これ以上逆らうと、何されるかわからない。

そろ…そろ…と、目を開いていく。



するとそこには…

アタシを見下ろす、九頭龍の姿があった。

兄妹なだけあって、九頭龍には妹ちゃんの面影がある。




小泉「はぁ…はぁ……」





でも、その表情には余裕を感じなかった。

むしろ、ものすごく思いつめているような顔だ。



それは…無抵抗の女の子を拷問している愉快犯の眼とは、とても思えない。



九頭龍の眼は、憂いに満ちている。

アタシと同様、己の身に降りかかる理不尽に嘆いているような…


もしかしたら、眼には涙を溜めているのかもしれない。




小泉「何でアンタはそんなに、アタシが憎いの…?」

小泉「そんな顔をしてまで、どうしてアタシをいじめないといけないの…?」


九頭龍「…妹が殺されたんだ。なら、オレが仇を討ってやるしかねぇだろ。」

九頭龍「オレと道連れにしてでもな!!」


小泉「だ、だから、なんでアタシなの?アタシは、何も悪くないじゃない…!!」




九頭龍「本当にそうか?」

小泉「え?」




九頭龍「サトウがオレの妹を殺した原因を作ったのはお前じゃないって、本当に言えるか?」

九頭龍「サトウの動機は恐らく、テメ―への嫌がらせをとめるためだったんだろ?」


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ!!嫌がらせを受けていたアタシは被害者でしょ!?」

小泉「被害を受けていたことが罪になるなんて、おかしいよ!!」

小泉「こ、こんなのただの逆恨みじゃない!!」



九頭龍「オレには、テメ―がどの程度の嫌がらせを受けていたかはわかんねぇけどよ。」

九頭龍「オレにいつも優しくて、甘えるようにじゃれついてきていたアイツが…」

九頭龍「何のためらいもなくそんなことをできるとは思えねぇんだよ。」


九頭龍「きっとオレの知らないうちに、罪の意識をため込んでたんだ…。」






九頭龍「だからあの日アイツは、テメ―になんとか許してもらおうとしていたのに…!!」



小泉「え…?」





九頭龍「お前が許してやらなかったんだろ!?」

九頭龍「アイツの言い分に何の耳も貸さずに2人がかりで妹を、怒りに任せて殺したんだろ!?」



小泉「ちょ、ちょっと待って…。妹ちゃんがアタシに謝るって、なんの話…?」

小泉「だ、だってアタシは、妹さんが殺された日にも相変わらず嫌がらせを受けていたよ…?」


小泉「そ、それに、2人がかりって何…?」

小泉「ア、アタシは、殺人自体には関与してなくて…」




九頭龍「妹が死んだあの日。オレが昼飯を食っていた時だったか。」

九頭龍「妹がオレに打ち明けてくれた…。」


九頭龍「自分はずっと、小泉に嫌がらせをしてきたって。」

九頭龍「本当は仲直りしたいけど、素直になれないって。」

九頭龍「和解できる口実を探しても、今までの自分の所業を小泉が許してくれるわけがねぇって…。」




九頭龍「だ、だからオレは言っちまったんだ!!小泉の奴なら、きっと許してやるだろうって!!」

九頭龍「九頭龍組なんかに頼らないで、1人だけで小泉のところに行って…!!」

九頭龍「小泉が許してくれるまで、土下座なり切腹なりして詫びを入れてくりゃあいいって、言っちまったんだ!!」



九頭龍「オ、オレがあんなことを言わなければ、アイツは殺されなかったはずなんだ!!」

九頭龍「常に何人か侍らしている状況なら、テメ―らなんかに殺されるわけがなかった!!」

九頭龍「オレがテメ―の本性に気付いていれば…!!」



小泉「本性って、そ、そんな…」




九頭龍「だからオレは!!」

九頭龍「テメ―を殺さないと、理不尽に殺されたアイツに顔向けできねぇんだよ!!」



小泉「待って!!待って!!多分九頭龍は勘違いしてるよ!!」

小泉「妹さんを殺したのは、完全にE子ちゃんの独断なの!!」


小泉「え、えっと、九頭龍の言ったことが本当なら…」

小泉「多分、妹ちゃんはアタシに謝りに来る前に、E子ちゃんに呼び出されて…」

小泉「それで、アタシの知らないところで妹さんは殺されてしまって…」




九頭龍「それじゃあつじつまが合わねぇんだよ。」

九頭龍「サトウの犯行をあらかじめ知ってでもない限り、花瓶の処分なんてできねぇんだよ。」

小泉「な、なんで!?」



九頭龍「花瓶があったのは犯行現場の隣だ。」

九頭龍「突然死体を見た奴がふつう、隣の部屋なんかを覗こうとするか?」

九頭龍「覗いて花瓶を見つけたところで、それが本当に重要な証拠になるなんてわかるか?」

九頭龍「わかるとしたら、そいつは“超高校級の探偵”くらいだろうな。」


小泉「そ、それは…虫の知らせみたいなものだってば…。」

小泉「音楽室の前でおどおどしていたE子を見たら…」

小泉「E子が凶行に走っていたって…。心のどこかで気付いてしまったというか…」




九頭龍「真相はこうだ。詫びを入れに来た妹を2人がかりで追いつめたてめぇは、サトウに妹を殺させた。」


九頭龍「その後アリバイを手に入れる為の偽装工作をサトウにさせて、その時の証拠である花瓶をお前が処分したんだ。」


九頭龍「お前が花瓶を処分して写真を撮っておいた理由は…」

九頭龍「妹を殺した本人のサトウをゆするためと、犯行がばれた時にサトウだけをしょっぴかせるつもりだったからだ。」


九頭龍「狡猾な女だな。仲間を売ることを前提とした、計画的な殺人を練るなんてよ。」

九頭龍「妹に非があったのかが、心底疑わしいぜ。妹には一部の非もなかったんじゃないか…?」

九頭龍「本当は嫌がらせなんて嘘で、全部テメ―が悪いんじゃねぇかって思えるくらいだ…!!」




小泉「ち、違う!!誤解だってば!!」

小泉「ア、アタシはそんなに計算上手じゃないし、できるなら妹ちゃんと仲直りしたいって思ってたんだよ!?」


小泉「写真を残したのだって、九頭龍が思っているような理由じゃなくて、妹さんのことを思ってなの!!」

小泉「真相にたどり着くための大事な証拠品だから、ちゃ、ちゃんと残しておかなきゃいけないって思って…」




九頭龍「まだ認めねぇのか…往生際が悪いと、死に様が余計に惨たらしくなるだけだぜ…?」


小泉「ひっ…」



九頭龍「まぁいいか。認めようが認めまいが、お前を殺すってのは決定事項だからな。」


小泉「そ、そんな…。そんなぁ………」




九頭龍「覚悟しろ。ただじゃ死なせねぇぞ。」



九頭龍「これからじっくりと時間をかけて、いたぶって、なぶって、苦しめて、辱めて…!!」

小泉「ひぃ、ひぃ…!!ダ、ダメだって…や、やり過ぎだって…!!い、怒りを鎮めて…!!」



九頭龍「切り刻んで、すり潰して、ミンチにして、その血をオレの妹の墓に添えてやる…!!」





小泉(ダ、ダメだ…。“怒っている”なんてレベルじゃない…!!)

小泉(コイツは最初っからアタシの話なんてどうでもよくて、アタシを惨殺するためだけにここへ連れて来たんだ…!!)




小泉(こ、殺される…!!に、逃げなきゃ…。逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ…!!!!)



ギチ…ギチ…



小泉(い、痛い…。この拘束、全然解けない。)

小泉(むしろ、徒に体を傷つけるだけだ…。)




小泉(に、逃げられない…!!ど、どうすれば…。どうすれば、どうすれば……)




九頭龍「…」


小泉「…!!」






九頭龍「………………………………………………………………」





ゴクッ、と固唾をのむ。




そこで見た、九頭龍の眼は…


瞳が底のない深海のようで、光が全然差し込んでなくて…その中を螺旋(らせん)のように怨念が渦巻いている…。


そんな印象だった。



水面に浮かぶ虫の死骸を見ているような目なのに、その視線をアタシから一瞬も逸らすことはなくて…





その眼差しだけで、十分な凶器だった。



こ、これ以上その眼光を浴びたら、し、死…!!




小泉「や、やめて…!!」

小泉「そ、そんな目で、アタシを見ないで…!!」


小泉「怖いよ、怖いよぉ…!!!!」

小泉「た、助けて…助けてぇ…!!」


小泉「お父さん、お父さぁあああぁああああああああん!!!!!!」



小泉「ひぐっ、えぐっ……」


九頭龍「…何でテメ―が泣くんだよ。泣きたいのはこっちだ。」




小泉「ぐすっ、ぐしゅ………」



小泉「もう赦して…。アタシが悪かったから…。」

小泉「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…」



九頭龍「…テメ―、ふざけてんのか?」

小泉「え…?」





九頭龍「テメ―はアイツの謝罪を一切聞かずに殺したくせに…」


九頭龍「なんでオレがテメ―の謝罪を聞き入れなきゃなんね―んだよ…?」




小泉「だ、だからそれは、誤解だって…」


小泉「お願い、アタシの話を聞いて…」

小泉「き、聞くだけでいい。聞くだけでいいから。」

小泉「アタシをどうするかについて、アタシの話を考慮に入れなくてもいい。」


小泉「だ、だから…」





小泉「も、もう1度冷静に話し合おう…?ね?ね?そうしよ?」

小泉「は、話せばわかる。話せばわかるからぁ…!!」



九頭龍「ヤクザを手玉にとろうとした自分の考えの浅はかさを恨め。」



九頭龍「オレの妹が味わった苦痛と…」


九頭龍「妹を失って…ぽっかりと空いちまったオレの心の虚脱感…」



九頭龍「怒り…哀しみ…憎しみ…!!」


九頭龍「そのすべてをテメ―にぶつけて…」





九頭龍「オレが、お前を裁く。」





小泉「ひっ……」


小泉「……ひぃいぃいいぃい…………」




九頭龍「さて…死ぬ覚悟はできたか?」


九頭龍「じゃあ…始めるぞ。」


九頭龍「いや…」




九頭龍「終わらせる、か。」




小泉「あ…ま、待って…。こ、来ないで……」


小泉「いや!!いやぁ!!いやぁあああああああぁあああああああああああああああ!!!!!」






なんでこんなことになっちゃったんだろう。




妹ちゃんの気持ちをうまくつかんであげられなくて、そのせいでアタシと妹ちゃんがすれ違っちゃって…


挙句の果てにはE子ちゃんに余計な心配かけちゃって、殺人なんて犯させちゃって…。





アタシがもっと妹ちゃんやE子ちゃんの気持ちを理解していたら、こんなことにはならなかった。



E子ちゃんのことを想っていれば、殺人を犯す前に止めることができただろう。


妹ちゃんのことを想っていれば、花瓶を処分なんてしなかっただろう。



全部、アタシの力不足のせいで…




この力不足こそが、アタシの罪だったんだ。





そしてアタシの罪を裁くのが…


目の前で、ナイフを持った手を大きく振りかぶっている…!!





小泉「いやだ、いやだぁああああ!!!!」


小泉「もう赦して、もう赦してぇええええええぇえええええ!!!!!!」




泣き叫ぶアタシの懇願なんて恐らく耳にも入ってないだろうコイツはそのまま、勢いよくナイフを振り下ろして…!!





小泉「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」






…!!




小泉「…?」






刺される瞬間に閉じていたまぶたを、恐る恐る開いてみる。


すると目の前に、寸止めされたナイフがあった。






九頭龍「…と、やりたいところなんだがな。」




小泉「何よ…。」


小泉「アタシをいじめて…」

小泉「グス、怖がらせて…」


小泉「何の意味があるっていうのよ…。」





九頭龍「お前を助けてやろう。」




小泉「な、なんでアンタは、そんな酷いことばっかり…」







小泉「…え?」




小泉「い、今、なんて言ったの!?」

九頭龍「お前を助けてやると言ったんだ。」



小泉「ほ、本当!?う、嘘じゃないよね!?嘘じゃないよね!?」

小泉「ア、アタシを陥れようとか、そんなのじゃないよね!?」

九頭龍「あぁ。テメ―とは違って、嘘なんてつかねぇよ…。」


小泉「あ、ああ…。ありがとう、ありがとう、九頭龍…!!!!」




小泉(やった、やった…!!)

小泉(帰れる、帰れる…!!アタシ、生きて帰れるんだ…!!)

小泉(昨日まで、当たり前のように流れていた、あの日常に…!!)





どうして急に助けようと思ったのか…

なんて疑問は、全く思い浮かばなかった。


その喜びだけで、頭がいっぱいだった。



思えば、どうしてアタシはこんなに楽観的だったのかな…?


だって、これで終わり、なんて思っていたから。




むしろこれからが本当の始まりだってことなんか予測もできなかったし、しようとも思わなかったから。




『日常の終わり』の、始まりだって…






九頭龍「ただし…。交換条件がある…。」


小泉「し、死ぬ以外なら、なんでも…」








九頭龍「サトウを殺せ。」






小泉「…」


小泉「え…!?」






九頭龍「サトウを殺したら、てめぇを日常に帰してやる。」

小泉「ま、待って…!!こ、殺すなんて…そ、そそ、そんなの…!!」


九頭龍「安心しろ。九頭龍組がもみ消してやる。」

九頭龍「だから、よく聞け。1度しか言わねぇぞ。」



九頭龍「明日の4時から7時あたりにかけて、九頭龍組が圧力をかける。」

九頭龍「それによって希望ヶ峰学園の1-Bあたりに誰も来ないようにしてやる。」

九頭龍「そこに金属バットを用意してやるから、サトウを呼び出しバットで殴り殺せ。」

九頭龍「殴り殺したら、写真に撮っておくんだぞ。」


九頭龍「で、九頭龍組がてめぇのアリバイを偽装してやるから…」

九頭龍「サトウが殺されても真相は闇の中、ということだ…。」



九頭龍「ちょうどいいだろ?サトウは人を殺しているんだ。殺される覚悟くらいはあるはずだぞ…。」




小泉「ちょ、ちょっと待って…。」

小泉「で、できない…。ア、アタシにはできないよ…。」

小泉「だ、だって、ア、アタシは人なんか殺したことはないし、E子はアタシの親友で…」




九頭龍「期日は明日まで…。明後日、サトウが本当に死んだかを確認する。」

九頭龍「死んでいれば『“超高校級の妹”殺し』の件は、とりあえず不問にしておいてやる。」


九頭龍「ただ…。もし、生きていたら…」



小泉「…!!」





九頭龍「今日、テメ―の体にしみこませてやった恐怖なんか比にもならないほど…!!」


九頭龍「過酷で凄惨で、執拗で無慈悲な拷問が待っているということを覚えておけ…!!」




小泉「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…!!」





九頭龍「今日はこれで帰してやる。明後日、楽しみにしてるぞ…。」



小泉(ぐっ…。)





そう言うと、またなにかをかがされ、気を失った…。




―???―




小泉(…)




小泉「ここ、どこ…?」

小泉「河原…?なんで、こんなところに…」


小泉「あ…!!」

小泉「こ、拘束されてない!!ア、アタシ、自由だ!!」



小泉「そ、そうだ!!もしかしたら今までのって、全部夢…」




ズキ…



小泉「痛っ…」



小泉(なんか、手首が痛い…?)



あわてて手首を確認してみると…




小泉「!!」



小泉(て、手首にあざが…!!)


小泉(これって…拘束の、痕……)



小泉(やっぱり…夢じゃなかった…。)




小泉(じゃあ、E子ちゃんを殺せと言うのも…)

小泉(殺さなかった場合のアイツらの行動も…!!)



小泉(どうしよう…。どうしようどうしようどうしよう…!!)





小泉(どうして…こんなことに…)






トワイライトシンドロ―ム殺人事件 4日目



―希望ヶ峰学園 1―B付近―




E子「はぁ~あ。弓道って、着替えがめんどうなんだよね~。」


小泉「…」


E子「…?誰かいるの?」




小泉「…」



E子「気のせいか…。」





小泉(後ろを取った…。あ、後は、バットを振り下ろすだけ…!!)




小泉「…!!…!!」




小泉(手、手が震えて…。は、早くしないと、E子ちゃんが外に出ちゃう!!)


小泉(そ、そしたら、誰かに見つかっちゃう…!!)





E子「いっけない、忘れも…」




E子「え!?」


小泉「あっ…!!」



E子「ま、真昼…!?バ、バットなんか持って、何してるの…!?」


小泉「…」




小泉「ご、ごめん、E子ちゃん…。」

小泉「ア、アタシ、死にたくないの…。」


E子「や、やめてよ、真昼…!!わ、私たち、親友でしょ…!?」


小泉「ア、アンタが悪いのよ…!!か、勝手に、人殺しなんてするから…!!」


E子「ま、待って…!!こ、腰が抜けて、動けな…」





小泉「う…うぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」




ゴシャッ




小泉「はぁっはぁっはぁっ…」




カラン…



小泉「あ、後は、写真を撮るだけ…。」



パシャッ…




小泉「はぁっはぁっはぁっ…」


小泉「E子ちゃん…。」





小泉「ゆ、許して…。」


E子『許さない。』





小泉「許して。」


E子『許さない。』






小泉「許して、許して…。」


E子『許さない。』






小泉「許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許して許」






E子『絶対に許さない。』





E子『これが…あなたの罪よ。』







小泉「もう…許してよぉおおおおおおおおおおおおおおおぉおぉおおおおおぉおおおお!!!!!!」




これで過去編終了。

これから、4スレ目のリンクを張りますので、書き込みは控えてください。

貼り終えたら、スレを埋めてくれるとうれしいです。



もし小泉さんが主人公だったら パ―ト4です。↓


もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410084963/)


パート4は、明日からスタ―トです。



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