シャーリー「エイラをからかったら大事になった」 (58)

街 ショップ

シャーリー「これで全部か?」

ルッキーニ「うん! あとは好きなの買っていい!?」

シャーリー「一つだけな。自腹なら二つでも三つでも文句ないけど」

ルッキーニ「にゃはー! ありがと!」

エイラ「うーん……こっちがいいかな……それとも……これか……」

シャーリー「何してるんだ? もう買出しリストのは全部揃ってるぞ」

エイラ「サーニャのお土産を選んでるんだ。ちょっと黙っててくれ」

シャーリー「はいはい。相変わらず仲いいなぁ」

エイラ「やっぱりどっちのマグカップもいいなぁ。両方買うか」

シャーリー「二つ目からは自腹だぞ。持ってきてるのか?」

エイラ「え? ……基地に戻ったらすぐに返す」

シャーリー「わかったよ。じゃ、こうするか。硬貨が左右どちらの手にあるか当てられたら立て替えてやるよ」

エイラ「私がそういうの得意なのを知っていてやるのか? 意味ないと思うけどな」

シャーリー「それはやってからのお楽しみだ。ふふん」

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シャーリー「それじゃいくぞ。コインは今、左手にあるだろ?」

エイラ「あるな」

シャーリー「で、両手を握りこぶしにする」

エイラ「うん」

シャーリー「さぁ、どっちだ?」

エイラ「は?」

シャーリー「どうした? 当てる自信がないか?」

エイラ「いや。左手だろ?」

シャーリー「本当に?」

エイラ「……一応、魔法で予知してみるか」ピコンッ

シャーリー「……」

エイラ「違う!! 右手だ!! コインは右手にある!! 今、わかった!!」

シャーリー「残念。左手にコインはある」

エイラ「え……」

シャーリー「まぁ、当てられなかったけど立て替えてはあげるよ。それもカゴにいれろ」

エイラ「……」

シャーリー「おーい、ルッキーニー。まだかー?」

ルッキーニ「シャーリー!! このお菓子、全部いい!?」

シャーリー「お菓子は三つまでだ」

ルッキーニ「えー!?」

シャーリー「あんまり買うと少佐と中佐に怒られるからな」

ルッキーニ「ぶぅー」

エイラ「シャーリー」

シャーリー「どうした?」

エイラ「もう一回頼む」

シャーリー「コイン当てか? 立て替えるって」

エイラ「頼む」

シャーリー「いいけど。……はい。どっちだ」

エイラ「……左だ!」

シャーリー「残念。右でした」

エイラ「……」

シャーリー「そろそろいくぞー」

ルッキーニ「あーん!! きめられなーい!! シャーリー!! 全部たべたいー!!」

シャーリー「……分かったよ。半分は私が買ったことにしたら怒られないだろ」

ルッキーニ「シャーリー、すきー」ギュゥゥ

シャーリー「さ、早いとこ帰らないとな」

ルッキーニ「あい!」

エイラ「シャーリー!!」

シャーリー「なんだよ?」

エイラ「もう一回!! もう一回頼む!!」

シャーリー「基地に戻ったらな」

エイラ「約束だぞ!!」

シャーリー「ああ」

ルッキーニ「なんのこと? あたしもしゅるー」

シャーリー「ルッキーニには前に見せただろ?」

車内

シャーリー「ふんふーん。あー。この直線で飛ばしたい」

エイラ「ルッキーニ、ちょっと」

ルッキーニ「にゃに?」

エイラ「コイン当てゲームしよう」

ルッキーニ「いいよ。さぁ、こい!」

エイラ「いや、私が当てる側だ」

ルッキーニ「そうなの? わかったー」

エイラ「……」

ルッキーニ「はい! どっちの手にコインはあるでしょう?」

エイラ「みぎだ!」

ルッキーニ「正解! って、エイラ、魔法使ってるじゃん。はんそくぅ」

エイラ「ふぅー……よかったぁ……」

ルッキーニ「なにが?」

エイラ「い、いや。なんでもない」

501基地

美緒「臨時補給ご苦労だったな」

シャーリー「いえ。こんな任務ならいつでも大歓迎なんで」

ミーナ「それにしても随分とリストにはない雑品が多いようだけれど……」

ルッキーニ「……」

シャーリー「私とルッキーニの分です」

ミーナ「ルッキーニ少尉?」

ルッキーニ「……」

ミーナ「……」

美緒「ミーナ。シャーリーとルッキーニは雑用任務を自ら買って出てくれたんだ。これぐらいはいいだろう」

ミーナ「もう」

ルッキーニ「お、おこられるかとおもっちゃった……」

シャーリー「そんなことないって言っただろ?」

エイラ「シャーリー! 基地についたぞ!! やってくれ!!」

シャーリー「そうだったな。……はい。どっちだ?」

エイラ「……み、いや、左だ」

シャーリー「残念。右だ」

エイラ「……」

美緒「さてとルッキーニとエイラでこの荷物を運んでくれるか」

ルッキーニ「りょうかい!」

ミーナ「シャーリーさんはこれからブリーフィングルームで定例会議よ」

シャーリー「えー?」

ミーナ「階級を中尉に戻すなら参加しなくてもいいですけど?」

シャーリー「はぁーい」

ミーナ「よろしい。さ、行きましょう」

ルッキーニ「エイラー、半分もってー」

エイラ「……」

ルッキーニ「エイラってばぁ」

エイラ「悪い……ちょっと部屋に戻る……それはまかせた……」

ルッキーニ「にゃんでー!?」

廊下

芳佳「その会議、私たちは参加しなくていいんですか?」

バルクホルン「必要ない。大尉以上の士官だけで十分だからな」

芳佳「そうなんですか」

リーネ「きっと重要な軍からの通達とかもあるし、私たちに知られると困ることもあると思うよ」

芳佳「なるほど」

バルクホルン「そういうことだな」

芳佳「でも、ハルトマンさんやペリーヌさんが参加できないって不思議ですね。階級だけで仲間はずれにされちゃうなんて可哀相です」

バルクホルン「いや、ペリーヌもハルトマンも以前はシャーリーと共に参加していた。だが、シャーリーが大尉になったのを機に今の態勢になっただけだ」

リーネ「上層部からの通達の全てを大勢に教えることもないですからね」

バルクホルン「信用していないというわけではないが、一応な。では、またあとでな」

芳佳「はい! ……リーネちゃん、軍人って大変なんだね」

リーネ「芳佳ちゃんももう軍人だから……」

エイラ「……」フラフラ

芳佳「あ、エイラさんだ。どうしたんだろう……元気ないような……」

エイラ「はぁ……」

リーネ「エイラさん、なにかありましたか?」

エイラ「ん……? なんだ、宮藤とリーネか……」

芳佳「シャーリーさんと買出しに行ってたんですよね?」

リーネ「あ! 車酔いですね。芳佳ちゃん、魔法で治療してあげて」

芳佳「エイラさんって乗り物に弱かったんですか? 少し意外です」

リーネ「ううん……シャーリーさんの運転はちょっと……」

芳佳「どういうこと?」

リーネ「あ、えっと……」

エイラ「……乗り物酔いじゃないんだ」

芳佳「だったら……」

エイラ「魔法が……魔法力が……」

リーネ「魔法力?」

エイラ「私の魔法力が……弱まってる……みたいなんだ……」

芳佳「え……」

リーネ「ど、どうしてそんなことが分かるんですか?」

芳佳「エイラさんは一昨日だってかっこよく飛んでたじゃないですか。それにこの前なんか殆ど1人でネウロイもやっつけちゃったし」

エイラ「私の予知は外れたことがなかったんだ。なのに……今日……外した……」

リーネ「偶然ですよ、きっと」

エイラ「偶然は3回も続かない!!」

リーネ「エイラさん……」

エイラ「それに確実に予知できるから使えるんだ。9割当たるからじゃダメに決まってるだろ」

芳佳「9割でも凄いですよ!?」

エイラ「わかってないな、宮藤。完璧じゃないといけないんだ」

芳佳「そんなことないですよ」

エイラ「あるんだ!!!」

芳佳「……!」

エイラ「確実だから私は今まで僚機を守ってこれたんだ……だから……」

芳佳「で、でも……」

エイラ「もう放っておいてくれ!!」ダダダッ

ブリーフィングルーム

シャーリー「よっと」サッ

ミーナ「……」

シャーリー「ほっ」パッ

ミーナ「……シャ、シャーリーさん?」

シャーリー「はい?」

ミーナ「空間移動の魔法も使えたの?」

シャーリー「いえ。そんなことできるならとっくにしてますよ」

ミーナ「で、でも……さっきからコインが手から現れては消えているけれど……」

シャーリー「ああ、これですか?」パッ

ミーナ「おぉ……」

美緒「……器用だな、シャーリー。瞬時にコインを指の間に挟むとは」

シャーリー「流石、少佐。分かります? 実は両手にコインがあるんですよ」

美緒「ふっ。魔眼の力を使えばそれぐらは分かる」キリッ

シャーリー「そうですか」

ミーナ「なるほど。相手に手のひらを見せる瞬間にコインを手の中で移動させているのね」

シャーリー「指の間を移動させるのはコインを使った手品では基本中の基本ですから」

美緒「そのような特技があったのは知らなかったな。リベリオンで流行っているのか?」

シャーリー「別にそんなことはないですけど。まぁ趣味で。ルッキーニも喜んでくれるし」

美緒「そうか。納得した」

ミーナ「ほかには何かできないの?」

シャーリー「中佐って手品に興味あるんですか?」

ミーナ「え? いけないかしら?」

シャーリー「そんなことはないですけど」

美緒「娯楽の少ない場所だからな。シャーリーのような芸は貴重だ」

シャーリー「あはは。それはどうも」

ミーナ「私もできるようになったらみんな喜んでくれるかしら」

美緒「皆を喜ばせたいのか? ならば、定期的にコンサートでも開いてくれ」

ミーナ「歌うだけじゃ、芸がないでしょ?」

美緒「末恐ろしいな。あの歌声だけでは満足できないのか。はっはっはっは」

バルクホルン「すまない。少し遅れたか」

美緒「いや。時間丁度だ」

シャーリー「で、こうして」

ミーナ「んー……難しいわ……」

バルクホルン「何をしているんだ?」

ミーナ「あ、トゥルーデ」

シャーリー「実は――」

ミーナ「ダメです」ギュッ

シャーリー「むぐぅ……!?」

バルクホルン「どうした、ミーナ?」

ミーナ「秘密です、バルクホルン大尉。さ、会議を始めましょうか。色々と伝えておきたいこともあります」

バルクホルン「あ、ああ……」

美緒「はっはっはっは」

バルクホルン「……おい、リベリアン。なにがあったんだ?」

シャーリー「内緒だ。殺されたくないしな」

食堂

ルッキーニ「よっこい……しょー!!」ドサッ

ルッキーニ「あー……つかれたぁ……」

エーリカ「買出しご苦労さま、ルッキーニぃ」

ペリーヌ「あら。お帰りなさい」

ルッキーニ「あにゃぁー。ただいまぁ」

エーリカ「随分疲れてるねぇ。なんかあったの?」

ルッキーニ「買ってきたやつ全部あたし1人で運んだんだよぉ」

ペリーヌ「シャーリーさんとエイラさんが一緒ではありませんでしたの?」

ルッキーニ「シャーリーは中佐たちとかいぎぃ。エイラはどっかいっちゃったの」

ペリーヌ「それでルッキーニさんお一人で? それは大変でしたわね」

ルッキーニ「シャーリーはいいけど、エイラがひどい!」

エーリカ「ルッキーニかシャーリーがエイラを怒らせたんじゃないの?」

ペリーヌ「……ありえそうですわ」

ルッキーニ「そんなことしてないぃ!」

エーリカ「人は無自覚に相手を傷つけるものだからね……」キリッ

ペリーヌ「中尉がそういうと説得力がありますわね」

エーリカ「私がいうとなんでも含蓄があるように聞こえちゃうからね」

ペリーヌ「ええ。バルクホルン大尉の心中をお察ししますわ」

ルッキーニ「ぺりーにゅぅ、なんか飲み物ぉー」

ペリーヌ「勝手にどうぞ。わたくしはルッキーニさんの召使いではありません」

ルッキーニ「そんなこといって、いいのー?」

ペリーヌ「な、なにがですの?」

ルッキーニ「二人して食堂に来たってことはこれが目当てなんでしょー? にひぃ」

ペリーヌ「ぐっ……!?」

エーリカ「あれ? ペリーヌもお菓子頼んでたの?」

ペリーヌ「ち、違います!! 最近、出来のいい菓子があるとリーネさんがいっていたので、少佐と一緒に味見をしようと思っただけですわ!」

エーリカ「よーし! とりあえずお菓子パーティーだー!!」

ルッキーニ「さんせーい!!!」

ペリーヌ「ちょ、ちょっと!! わたくしのお菓子は別にしてください!!」

エーリカ「これもいけるね、うん」

ルッキーニ「ペリーヌ、紅茶まだぁ?」

ペリーヌ「すぐに淹れられるわけありませんでしょう。もう少しお待ちなさい。紅茶というのは淹れ方が僅かでも違えば味が大幅に――」

エーリカ「どーでもいいよね?」

ルッキーニ「うん。興味ない」

ペリーヌ「どうしてわたくしがこの味の違いもわからないような人たちに紅茶を用意しなければなりませんの!」

芳佳「……あれ、みなさん」

リーネ「な、なにしてるんですか?」

ルッキーニ「お菓子パーティーだよぉ」

エーリカ「一緒に食べる?」

ペリーヌ「カップが足りませんわね……えーと……」

芳佳「いえ……今はそんな気分になれません……」

エーリカ「なんふぁあっふぁ?」モグモグ

ルッキーニ「よふぃふぁ」モグモグ

ペリーヌ「話せることならここで話しておいたほうがいいですわよ。機の逃すと話せなくなることもありますから」

ペリーヌ「……なんですって?」

エーリカ「エイラがそう言ってたの?」

リーネ「はい。魔法力が弱まっているってはっきりと自覚しているみたいでした」

ルッキーニ「にゃんで? 昨日まで普通だったじゃん」

芳佳「私もそう思ったんだけど」

ペリーヌ「それはいつ頃から自覚しているとか言っていましたの?」

リーネ「それが今日予知を外したって……」

エーリカ「外れたんだ。それは自覚できないほうがおかしいね」

ペリーヌ「いつ、どこで、どのような状況で外れたんですの?」

リーネ「そこまでは聞けませんでした。すみません」

エーリカ「今日って朝からルッキーニとシャーリーとエイラの三人は買出しに行ってたから、そのときじゃない?」

ペリーヌ「ルッキーニさん。何か心当たりは?」

ルッキーニ「うーん……。そういえばぁ、帰りの車の中でエイラが急にコイン当てゲームしようっていってきた」

芳佳「それで!?」

ルッキーニ「そのときエイラが魔法つかってどっちの手にコインがあるか当てたけど」

エーリカ「なら、そのときまでは魔法はきちんと機能していたわけだ」

ペリーヌ「その後、エイラさんが魔法を使ったということは?」

ルッキーニ「シャーリーとコイン当てゲームしてたけど」

リーネ「そのときは!?」

ルッキーニ「……外れてた」

芳佳「そ、そんな……!!」

エーリカ「エイラはずっと前から自分の魔法が正常に働いていないことに感づいていたのかも」

ペリーヌ「違和感があったということですか」

エーリカ「うん。で、コイン当てゲームで確信しちゃったんじゃない?」

ルッキーニ「……」

リーネ「そんな……エイラさんが……まさか……」

ペリーヌ「お、おかしいですわ。魔法力が衰えるのは20歳辺りからと言われていますし」

エーリカ「個人差があることも知られてるけどね。ピークが過ぎるのが早い人もいれば、生涯魔法力が衰えない人もいる。だよね、宮藤?」

芳佳「は、はい」

ペリーヌ「せ、戦闘に支障が出始めているほどでもないでしょう? 慌てるようなことはなにもありませんわね」

エーリカ「そこは本人次第じゃない?」

芳佳「エイラさんは完璧に予知ができないと意味がないって……」

ペリーヌ「どうして?」

エーリカ「予知は100%当たるから戦闘でも役に立つ。99%じゃ信じることができなくなるのもわかるよ」

ペリーヌ「何を言っていますの。この世に絶対なんてありませんわ」

エーリカ「違う。エイラにはあったんだ」

ペリーヌ「え……」

エーリカ「外れない力を使い僚機を守ってきたエイラにとって、予知が外れることは何より怖いと思うよ。もしかしたらサーニャを殺してしまうかもしれないとか考えるだろうし」

ペリーヌ「それは……」

リーネ「もしかしてエイラさん、もう飛べないってことは……」

芳佳「そんなことないよ。普通に飛べてたし」

リーネ「ううん。実際に飛ぶことはできても、エイラさん本人が飛ぶのを怖がったらきっと……」

芳佳「そ、そっか……」

エーリカ「ま、他人事じゃないよね」

ルッキーニ「あのときのエイラ……まだ使えるって思ってたのかな……だとしたらあたしがもっと褒めてれば……」

サーニャの部屋

サーニャ「すぅ……すぅ……」

エイラ「サーニャ……」

サーニャ「……ん? エイラ? おはよう」

エイラ「サーニャ……ごめん……」

サーニャ「どうしたの?」

エイラ「もう……私はサーニャを守ることができないみたいだ……」

サーニャ「どうして?」

エイラ「サーニャ……サーニャ……」

サーニャ「ふわぁぁ」

エイラ「ごめん!!! もう私のことは忘れてくれ!!!」ダダダッ

サーニャ「エイラ?」

サーニャ「……」

サーニャ「ズボン……ズボン……」ゴソゴソ

サーニャ「あ、あった」

廊下

サーニャ「エイラー。エイラー」

サーニャ「いない……。部屋にもいなかったし……どこにいったのかしら……」

サーニャ「食堂……かしら……」

サーニャ「エイラー?」

芳佳「あ、サーニャちゃん」

サーニャ「芳佳ちゃん。おはよう」

エーリカ「丁度いいじゃん。サーニャんにもきこうよ」

サーニャ「なんですか?」

ペリーヌ「サーニャさん。貴女、わたくしたちに隠していることはありませんか?」

サーニャ「な、ないです……」

ペリーヌ「ほ、ん、と、う、で、す、の?」

サーニャ「うぅ……ごめんなさい……たまに寝坊して訓練を始めるのが遅れるときが……」

ペリーヌ「それではありません」

リーネ「ペリーヌさん!! そんなに迫ったらダメですよ!! サーニャちゃんが困ってます!!」

サーニャ「エイラの魔法力が……?」

芳佳「そんな話、聞いてないかな?」

サーニャ「ううん。一度も。仮にそうでも私にだけは言わないと思う」

エーリカ「それもそうだねぇ」

サーニャ「私に告白するとしたら……きっと最後……あっ……」

ルッキーニ「なんかあるの!?」

ペリーヌ「お、教えなさい!!! ほら!!」

サーニャ「つい先ほど、エイラが……もうサーニャを守ることはできないって……私のことは忘れてほしいって……」

ルッキーニ「エイラ……」

サーニャ「意味がわからなかったので、エイラのことを探していたんですけど……」

エーリカ「部屋には?」

サーニャ「いません」

エーリカ「探そうか」

ペリーヌ「そ、そうですわね!! いきますわよ!! 宮藤さん、リーネさん、ルッキーニさん!!」

芳佳「りょ、了解!!」

ブリーフィングルーム

ミーナ「以上。終了します」

美緒「ご苦労だったな」

バルクホルン「これも大尉として当然の務めだ。労われるほうが恐縮する」

シャーリー「大尉になるんじゃなかったぁ。こういうのぜーんぶペリーヌが真剣に聞いてくれるから楽だったのに」

バルクホルン「あのな……」

美緒「ならば中尉に戻るか? 私としても不真面目な者を見るよりかは、真面目なウィッチを眺めているほうが気分もいい」

シャーリー「いえ。なんでもないです」

美緒「うむ」

バルクホルン「上に立つ者の自覚が足りないな、リベリアン」

シャーリー「そーだなぁー」

バルクホルン「こいつは……。ところで、シャーリー? ミーナに何を教えていたんだ?」

シャーリー「言わないって言ってんだろ」

ミーナ「うふふ。行きましょうか、美緒?」

美緒「シャーリーにあの続きを教えてもらわなくてもいいのか?」

ミーナ「あとは練習するだけだから、書類整理をしながら練習するわ」

美緒「それは是非とも隣で観賞したい光景だな。はっはっは」

バルクホルン「いいから教えろ。ミーナとこそこそなにをしていたんだ」

シャーリー「本人に聞けよ」

バルクホルン「私に死ねと言っているのか、それは?」

エイラ「……」ダダダッ

ミーナ「今のはエイラさんよね。あんなに慌てて、どこに行くのかしら」

美緒「どこに行くもなにもあの方向だとハンガーだろう」

バルクホルン「この時間にか? 訓練の予定時間でもないはずだ」

シャーリー「ユニットの調整でもしたくなったんじゃないか?」

美緒「ありえなくもないが走っていくほどのことか」

ミーナ「自主トレーニングをしにくような様子でもなかったし……」

美緒「私が様子を見に行く。お前たちは戻っていいぞ」

ミーナ「美緒、任せていいのね?」

美緒「こういうのは指揮官の務めだ」

滑走路

エイラ「これまでなのか……私……」

エイラ「もう……サーニャ……いや……501と一緒に飛べないのか……」

エイラ「はやいだろ……はやすぎるって……こんなの……」

美緒「エイラ」

エイラ「しょ、少佐!?」

美緒「自主訓練なら付き合うぞ」

エイラ「ち、違うんだ……なにも……ないって……」

美緒「……」

エイラ「なんだよ……?」

美緒「私はお前に何をしてやることができる?」

エイラ「しょ、しょうさ……」

美緒「お前のためならば、なんでもしてやろう。無論、命を投げ出すことであろうとも躊躇いはない。はっはっはっは」

エイラ「うっ……ぐすっ……しょうさぁ……」

美緒「ど、どうした?」

美緒「落ち着いたか?」

エイラ「ごめんな。かっこ悪いところみせて」

美緒「誰にでも弱気になることはある。エイラにとってそれが今だっただけの話だ」

エイラ「ありがとう」

美緒「それで何がお前を追い詰めたんだ?」

エイラ「……予知が外れたんだ」

美緒「何?」

エイラ「魔法つかったのに、外れたんだ。これって魔法力が弱くなってるってことだよな?」

美緒「……」

エイラ「この魔法があるから私は空を飛べてきたし、何度も何度も僚機を助けてきた。でも、それができなくなったんだ」

美緒「シールドは?」

エイラ「え?」

美緒「魔法力の低下が始まればまずシールドの弱化する。固有の魔法に影響が出るなど聞いたことがない。出るとしたら末期だ」

エイラ「わかんないけど……そういうことじゃないのか……?」

美緒「エイラ。そこに立て。試したいことがある」

廊下

ミーナ「大丈夫かしら。少し心配ね」

バルクホルン「少佐なら何も案ずることはないはずだ。それよりもシャーリー。ミーナと何をしていたんだ?」

シャーリー「お前、もう少しさりげなく聞けないのかよ。その流れで口を滑らすバカはいないぞ」

バルクホルン「ちっ……」

ミーナ「あらあら」

芳佳「ミーナたいちょー!!!! バルクホルンさぁぁん!!! シャーリーさぁぁん!!!」

バルクホルン「何事だ、宮藤」

芳佳「はぁ……はぁ……エ、エイラさんを見ませんでしたか!?」

バルクホルン「エイラ?」

ミーナ「エイラさんなら5分ほど前にハンガーのほうへ向かったみたいだけど?」

芳佳「わ、わかりました!! みんなにも知らせないと!!」

シャーリー「まてまて。エイラに何かあったのか?」

芳佳「……みなさんは知っていましたか? エイラさんの魔法力が低下しているって」

ミーナ「え……?」

バルクホルン「初耳だ。ミーナ、シャーリー?」

ミーナ「そんな報告は受けていないし、受けていれば定例会議で貴方たちに報告しているわ」

バルクホルン「それもそうだな」

芳佳「ですよね……。エイラさんも誰にも言ってなかったみたいですし」

シャーリー「今日、分かったのか?」

芳佳「はい。私とリーネちゃんがエイラさん本人から聞きました」

バルクホルン「いつ頃から始まっていたんだ?」

芳佳「それはわかりません。でも、エイラさんは今日確信したんじゃないかってハルトマンさんが言っていました」

ミーナ「今日、確信するような出来事があったのね?」

芳佳「はい。それはルッキーニちゃんがいってたコイン当てゲームなんだと思います」

シャーリー「あ……」

バルクホルン「何か知っているのか?」

シャーリー「よし。エイラを探すか、宮藤」

芳佳「もちろんです!! いきましょう!!」

バルクホルン「待て、リベリアン。もしやミーナとの隠しごとにも繋がるのか、それは?」

宿舎

ペリーヌ「エイラさん!!!」ガチャ!!!

ペリーヌ「ここにもいませんの……」

ルッキーニ「ペリーヌー!!! ペリーヌー!!!」

ペリーヌ「見つかりましたのね!?」

ルッキーニ「ううん。ペリーヌは?」

ペリーヌ「紛らわしいですから大騒ぎしながら駆け寄ってこないでくださいな!!!」

ルッキーニ「うじゅ……ごめん……」

ペリーヌ「わたくしはもう一度、食堂のほうを探します。ルッキーニさんは向こう。よろしいですわね?」

ルッキーニ「あい……」

ペリーヌ「まったく……!」

ルッキーニ「ペリーヌこわいぃ……」

リーネ「どこにもいないね……」

サーニャ「うん。エイラ……おかしなこと考えてないよね……」

エーリカ「屋内じゃないのかもね。外にもいってみようか」

ルッキーニ「外っていっても、外に出ちゃってたら探しようがないじゃん」

エーリカ「心配ごとも増えちゃうしね」

サーニャ「どうしよう……私、あのとき寝ぼけていたから……。あれがエイラを救う最後のチャンスだったら……私……」

リーネ「サーニャちゃん、大丈夫! サーニャちゃんを悲しませるようなことをエイラさんがするわけないよ!!」

サーニャ「うん……」

ルッキーニ「滑走路で走ってないかなぁー?」

エーリカ「それなら楽だよねぇ」

リーネ「あ、あのぉ。外にも探しにいくならミーナ中佐から許可ももらわないと」

エーリカ「……その必要はないみたい」

リーネ「え? でも、勝手に基地の外には……」

ルッキーニ「あにゃー!? エイラと少佐だー!!」

サーニャ「ど、どこ!? ルッキーニちゃん!!!」

ルッキーニ「あそこ!! あそこぉ!!!」

サーニャ「あれは……!!」

エーリカ「どうみても少佐がエイラを拳銃で撃とうとしてるね」

滑走路

エイラ「ま、待ってくれ!! 絶対に無理だ!!!」

美緒「お前は先日までネウロイと戦えていた。本当に魔法力が低下しているにしても銃弾を防げないほど急激に弱化することはない」

エイラ「そ、そうじゃないんだ!!」

美緒「私が信じられないのか?」

エイラ「ちがうって!! 少佐は知ってるだろ! 私、実戦でシールド使ったことないんだ!!」

美緒「む……」

エイラ「だから、上手く使えるかわからないし、上手く扱える自信もないんだ……」

美緒「だが、やるしかない」

エイラ「シールドを使わないから、どれぐらい魔法力が低下しているのか気づかなかったんだ。今はもうシールドなんて絶対にはれないと思う」

美緒「……」

エイラ「もう末期なんだよ。私はみんなとは飛べないんだ……」

美緒「こっちにこい」グイッ

エイラ「な、なんだ? どこいくんだ?」

美緒「黙ってついてこい」

格納庫

美緒「ユニットを装着しろ」

エイラ「なんでだ?」

美緒「私と共に飛ぶぞ」

エイラ「……やめてくれ。もういいんだ。こんな状態で飛ぶ気もなれないし。サーニャのことは頼むな」

美緒「……さん」

エイラ「え?」

美緒「絶対に許さん!」

エイラ「うぇ!?」ビクッ

美緒「私よりも先に諦めるなど、認めない!」

エイラ「少佐……」

美緒「お前は私を見上げるのか? 私が落ちるところを空ではなく地上で見る気か?」

エイラ「でも、どうしようもないだろ」

美緒「私よりも先に墜ちるな。私はお前たちが自由に空を飛ぶ姿を地上で茶でも飲みながら眺めるつもりだからな。……だから、ユニットをつけろ」

エイラ「……了解」

エイラ「……」ブゥゥゥン

美緒「エンジンはどうだ?」

エイラ「安定してる。いつも通りだ」

美緒「よし。飛ぶぞ」

エイラ「……」

美緒「どうした?」

エイラ「やっぱり……」

美緒「空に行けば気分も晴れる」

エイラ「本当か?」

美緒「空はいいぞ。誰にも見られることがないからな」

エイラ「は? なんだよ、それ」

美緒「笑うときも文句をいうときも嘆くときも空がいい。空では誰も見ていないからな。はっはっはっは」

エイラ「そうなのか?」

美緒「まだすっきりできていないだろう。そういうときは大声を出せ。馬鹿馬鹿しく思うかもしれんが、悪くないぞ」

エイラ「わかった。やってみる」

廊下

ペリーヌ「エイラさーん!! どこですのー!? いい加減、でてきたらどうですのー!?」

ペリーヌ「……もう。他人に迷惑をかけるのだけは一級品なんだから」

ルッキーニ「ペリーヌ……?」

ペリーヌ「ルッキーニさん? エイラさんは見つかりまして?」

ルッキーニ「……」

ペリーヌ「そう。本当、どこにいるのかしら」

ルッキーニ「エイラ、滑走路にいるよ。さっき見た」

ペリーヌ「それを先にいいなさい!!!」

ルッキーニ「ひぎゃ!? だって、さっきペリーヌに怒られたからぁ!!」

ペリーヌ「貴女の場合、逆なの!! 見つけたら騒ぎなさい!!!」

ルッキーニ「ひぃ……」

ペリーヌ「滑走路ですわね!!! 行きますわよ!!!」

ルッキーニ「まってよぉ!!」

ペリーヌ「ほら、はやく!!」

バルクホルン「お前はバカなのか!? ああ、バカなのだろうな!!!」

シャーリー「だ、だから反省してるって」

バルクホルン「そんなことをすればそのあとにエイラがどう考え、どのような行動をとるかぐらい想像がつくだろう!? ええ!?」

シャーリー「……」

芳佳「バ、バルクホルンさん!! シャーリーさんをあまり苛めないでください!! 悪気はなかったんですから!!」

バルクホルン「ウィッチとして魔法力の衰えというのは最も恐ろしいものだ!! 同じウィッチなら分かるだろう!!!」

シャーリー「ちょっとからかっただけなんだって……」

バルクホルン「年下の者をからかう必要性がどこにあるんだ!!! そもそも何故その場で種明かしをしなかったんだ!?」

シャーリー「手品のタネをすぐにバラすやつなんて見たことあるか?」

バルクホルン「お前は手品師なのか!!! どうなんだ!!! 答えてみろ!!! お前はどこに所属するウィッチだ!!!」

シャーリー「ストライクウィッチーズのシャーロットです」

バルクホルン「そうだ!!! ならばその場でタネを明かせ!!! そういうところが上官として大尉としての自覚がないと言っているんだ!!!」

シャーリー「みやふじぃ……たすけてくれ……」

芳佳「私を盾にしないでくださいよぉ」

ミーナ「そんなことよりも早くエイラさんを追いかけたほうがいいとおもうのだけれど」

バルクホルン「そうだな。シャーリーにはエイラの前で深く謝罪をさせてやる。覚悟しておけ」

シャーリー「お前に怒られて初めて泣きそうなんだけど」

バルクホルン「貴様が泣いたところで同情の余地など塵ほども生まれない!!!」

シャーリー「ひでぇ……」

芳佳「バルクホルンさん、言いすぎです!!」

バルクホルン「しかし!!」

ミーナ「トゥルーデ。もういいでしょ」

バルクホルン「……エイラを追うぞ」

芳佳「は、はい!!」

リーネ「よしかちゃーん!!!」

芳佳「リーネちゃん、どうしたの!?」

リーネ「た、大変なの!! エイラさんがさ、坂本少佐に銃をつきつけられていて……それで……ハルトマンさんとサーニャちゃんが……!!」

芳佳「えぇぇ!?」

ミーナ「どうしてそんなことに?」

リーネ「わ、わかりません!! でも早くいかないとダメだと思うんです!!!」

滑走路

サーニャ「エイラー!! どこー!?」

エーリカ「おかしいな。どこにもいない」

サーニャ「も、もしかして……未来予知もできないウィッチは必要ないから銃殺刑に……」

エーリカ「ないって」

サーニャ「エイラ……ごめん……ごめんね……私があのとき……暢気に欠伸なんてしたから……エイラを傷つけて……」

エーリカ「サーにゃん。思い詰めてもいいことないって」ナデナデ

サーニャ「わたしの……わたしのせいで……エイラが……」

エーリカ「エイラのやつ。見つけたらゲンコツだ」

サーニャ「うぅぅ……えいらぁ……」

エーリカ「泣かない、泣かない。少佐が近くに居たんだし、エイラも一緒にはずだから。ね?」

サーニャ「ぐすっ……」

エーリカ「ホーント、どこにいったのか……」

サーニャ「……ハルトマンさん、何か聞こえませんか?」

エーリカ「え? んー? 空から何か聞こえるね」

サーニャ「でも、なんて言ってるのかまでは……」

エーリカ「エイラかな? ユニットを確認してみようか」

サーニャ「はい」

芳佳「サーニャちゃぁぁん!!!」

サーニャ「芳佳ちゃん!」

バルクホルン「ハルトマン!!」

エーリカ「お。みんな一緒?」

シャーリー「よぉ」

バルクホルン「挨拶をしている場合ではない!!! エイラと少佐はどうした!?」

ミーナ「姿はないようだけれど」

エーリカ「それがよくわからなくてさ。もしかしたら空にいるかもしれないから、ユニットを見てみようと思って。いつものところにユニットが無ければ空にいるはずだし」

バルクホルン「空だと?」

リーネ「何か聞こえますね」

サーニャ「誰かが何かを叫んでいると思うけど、よく聞き取れなくて」

シャーリー「私に任せろ。伊達に耳は長くないからね」ピコンッ

上空

エイラ「サーニャー!!! だいすきだー!!!! サーニャー!!! あいしてるー!!!」

美緒「はっはっはっはっは。いいぞ、エイラ。その調子だ」

エイラ「はぁ……はぁ……」

美緒「サーニャに対するお前の気持ちはよくわかった。だが、それだけか?」

エイラ「少佐。私はもうウィッチではいられないんだし、こんなことをしても気分が晴れるわけないんだ……」

美緒「……見ていろ。空ではこうするんだ」

エイラ「え……」

美緒「すぅー……」

美緒「私はぁ!!!! 最後までぇ!!!!! 11人で戦いたい!!!!!」

エイラ「なぁ……!?」

美緒「いつまでもウィッチでいたい!!!! もっと空を飛びたい!!!!」

美緒「エイラとロッテを組み、空を翔けたい!!!! 私は!!! 501が大好きだー!!! はっはっはっは!!!」

エイラ「やめてくれぇ。なんかこっちが恥ずかしくなってきた……」

美緒「恥ずかしくなどない!!! 空では誰も見ていないし聞いてもいない!!! お前以外はな!!! はっはっはっは!!」

エイラ「いや、でも……」

美緒「お前も言ってみろ。自分の気持ちを声に出すと、吹っ切れるときもある」

エイラ「……」

美緒「少なくとも私はこうして何度も乗り越えてきた」

エイラ「いつもこんなことしてたのか?」

美緒「弱気になったときはな」

エイラ「そうなのか」

美緒「お前はまだ戦える。その証拠にユニットは一切調子を崩していない。自信を持て」

エイラ「……了解」

美緒「さぁ、エイラ。想いをぶちまけろ」

エイラ「弱気は治るんだな? 絶対だな?」

美緒「私を信じろ」

エイラ「よし……」

エイラ「すぅー……」

美緒「はっはっはっは」

滑走路

シャーリー「……」

芳佳「シャーリーさん、何が聞こえるんですか?」

サーニャ「エイラはなんていっているんですか?」

リーネ「シャーリーさん、教えてください」

シャーリー「言ってもいいのか……。いや、ダメだろうな」

バルクホルン「おい。エイラと少佐の声は拾えたのか?」

シャーリー「ああ。間違いなく上にいるのは少佐とエイラだよ」

エーリカ「二人はなんだって?」

シャーリー「いやぁ……」

芳佳「おしえてくださいよぉ」

サーニャ「エイラのことおしえてください」

ミーナ「シャーリーさん、言いにくいことなら無理に言わなくてもいいけれど、エイラさんと坂本少佐の状態は伝えてほしいわ」

シャーリー「えーと……状態っていわれても……」

ペリーヌ「みなさん!! エイラさんと少佐はどこに!?」タタタッ

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