モバP・麗奈「イタズラ大成功!!」 (98)


モバP「……麗奈ぁ!ちょっと来いっ!!!」

麗奈「あ?何よ」

モバP「ちひろさんのハンコの中身だけ『千川』から『江頭』に変えたの、お前だろ!!!」

麗奈「あっはっは!そうそう!大成功ー!!押した?ねぇ何か大事な書類に押した!?」

モバP「麗奈ぁ!お前という奴は…!」

ちひろ「あの、Pさん、私別に怒ってないですから、そう怒鳴らずに…」


モバP「お前は、イタズラというものを分かってないっ!!!」

ちひろ「は?」

麗奈「え?」



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モバP「良いか!イタズラというのは地道な計算により、相手に身体的、精神的、社会的、経済的に『笑える程度の』ダメージを与える事だ!!!」

麗奈「ふん、何言ってんのいきなり…」

モバP「聞きなさい、ハンコは大人にとって身分を表す大事な物だ」

麗奈「へいへーい」

モバP「…もし今ちひろさんがハンコを押した書類が!!俺との婚姻届だったらどうする!!?」

ちひろ「何を言ってるんですかあなたは!?」

モバP「俺は『江頭ちひろ』って人と結婚する事になるんだぞ!!誰だよ!!!」

麗奈「知らないわよ!ていうかその例にアンタが出てくる必要あるわけ!?」


モバP「まぁ冗談は置いといてだな。どうせイタズラするなら、間違って押しちゃった書類もダミーにするくらいの事はしなさい。仕事に支障が出る」

麗奈「嫌よ。そんなメンド臭いこと」

モバP「はぁ……お前はつくづくイタズラという物を分かってないな…」

麗奈「何ですって……?」

モバP「イタズラの極意は、『相手に悟られず』『その現場を大いに笑い』『ちゃんと許してもらう』ことだ」

ちひろ「結構酷い事言ってますよそれ」

モバP「俺がイタズラの手本という物を見せてやろう……」

麗奈「へぇ、やってみなさいよ」


モバP「…麗奈、お前はさっきトイレに行ったな」

麗奈「ん?行ったけど……それが?」

モバP「ココにテープレコーダー付きの盗聴受信機がある…」スッ

麗奈「………えっ…」

モバP「お前の左のポケットに……何か入ってるのがわかるか…?」

麗奈「えっ、嘘っ!そんな!」バッ

モバP「片手サイズの……細長い直方体の……!」



麗奈「……ポイフルが入ってたわ。フルーツオレ味の」

モバP「あぁ。ポイフルを入れておいた。期間限定の」


麗奈「ちょっと!ビックリさせないでよ!!」モグモグ

モバP「良いか。コレがイタズラという物だ」

麗奈「意味分かんない!」

モバP「出来る限り相手への実害は少なく、されど驚きは大きく。コレを考え、極めるのがイタズラの醍醐味さ。お前は何も分かっちゃいない」

麗奈「………っ」

モバP「ちなみにこれはライブイベント用のトランシーバーだ。レコーダー機能なんてのはもちろん付いてない」フリフリ

麗奈「…なら、教えなさいよ」

モバP「何だって?」

麗奈「アンタと言うイタズラってやつ!私に教えなさい!」

モバP「断る!」

麗奈「はぁ!?」

モバP「俺が教えてしまったら、それは俺のイタズラだ。せいぜい自分で学ぶんだな。アドバイスぐらいはしてやる」

麗奈「……分かったわ!見てなさい!絶対アンタに認めさせてやるんだから!!」

モバP「ふん、やってみろ」

麗奈「イタズラの天才は、この麗奈サマよーっ!」ダダダダ


モバP「……ふっ」

ちひろ「ふっじゃないですよプロデューサーさん。何でイタズラ増進させるような事言ってるんですか」

モバP「若い頃を…思い出しましてね…」

ちひろ「実害の少ないイタズラですか……良く分かんないですね…」

モバP「色々やりましたよ。友人を電車の金網に積んだり、バス停を毎日数センチずつ自分の家に近付けたり」

ちひろ「実害出まくってますよソレ!!!!」

モバP「金網って狭いから自分の力じゃ降りられないんですよwwwwwwwww」

ちひろ「知りませんよそんな事!!!」


~~~

麗奈「う~ん……」

ちひろ「随分唸ってますね」

モバP「悩めば悩むだけ良いイタズラが出来ますよ」

ちひろ「なんですかそれ」

みく「Pチャン!お仕事行こっ!」

モバP「お?おうおう。行こうか」

みく「麗奈チャン!またね!」

麗奈「え?あぁ、行ってらっしゃい………うーん…」


みく「……あれ?あら?あー!」ゴソゴソ

モバP「どうかしたか?」

みく「事務所に手帳忘れちゃったにゃー!」

モバP「必要なモンなのか?引き返す?」

みく「帰りにも事務所に寄るから別に良いにゃ!」



麗奈「……ん?」

麗奈「何これ、手帳?」

麗奈「猫の表紙ね……あ、みくのスケジュール帳か」

麗奈「……!」ピコーン

麗奈「ちひろ!ビニールテープ貸して!」

ちひろ「え?セロハンテープならそこに…」

麗奈「セロハンテープじゃ駄目よ!透明のガムテープサイズじゃないと!!」

ちひろ「はぁ………?」


モバP「ただいま帰りましたー」

みく「ただいまにゃ~ん♪」

ちひろ「ご機嫌ですね」

モバP「えぇ、先方からの評判が良くて、来週別の撮影の仕事が入ったんです」

みく「早速手帳に書いちゃ……ぉおおお!!?」

モバP「どうしたみく!?もの凄い声だぞ!?」

みく「うわぁぁぁん!Pチャァン!!これぇ!!」スッ

モバP「何だこれ!?表紙の猫に……眉毛!?」

みく「酷いよぉ……油性ペンだよこれ…」

モバP「…麗奈ぁ!!!」

麗奈「あーーーっはっはっふぇっごほっ!げふっ!」


モバP「お前!昨日俺が言った事なんにも理解してないな!!」

麗奈「ふっふっふ!よく見てからものを言うのね!」

モバP「何だと……?」

みく「……あれ、Pちゃん、これ……」

モバP「あれ、なんか貼ってある……?」

麗奈「引っかかったわね!」パシッ

モバP「おっ?」

麗奈「そう!透明なカバーの上に更にテープを貼ったのよ!端が見えない様にするのに苦労したわ!」ベリッ

麗奈「眉毛を描いたのはこのテープの方だけ!中は綺麗なまんまよ!あーっはっは!!!」

みく「にゃ、にゃんだぁ……もう麗奈チャン!ビックリさせないで欲しいにゃあ!」

麗奈「ふふん……で、どうよ」

モバP「ん?」

麗奈「今日のアタシのイタズラは」


モバP「ん~……60点って所かなぁ」

麗奈「微妙ね…」

みく「え!?Pチャンもグルだったの!?」

モバP「いや今日の事は知らないよ。俺がイタズラの師匠としてアドバイスをだな」

麗奈「誰が師匠よ!!それで!点数の内訳はどうなってる訳!?」


モバP「実害の面では俺の言った事をちゃんとこなしてる。偉いぞ」ナデナデ

麗奈「なっ!ば!イタズラしてんのに褒めてんじゃないわよ馬鹿!」ペシッ

モバP「だが安全性を考慮した所為で、オリジナリティが無くなった」

麗奈「オリジナリティ?」

モバP「あぁ。もっとこう、麗奈にしか出来ないようなイタズラが見たいな俺は」

ちひろ「とうとうイタズラ見たいって言っちゃったよこの人」


麗奈「オリジナリティ。オリジナリティね、分かった。また今度、見てなさい」スタスタ

みく「麗奈チャン意外と素直だにゃあ」

モバP「あぁ。アイツ根は努力家だからな。良い悪戯師になるよ」

みく「なに悪戯師って。Pチャンもそうなの?」

モバP「あぁ。友人のパンツを全部パステルカラーのブリーフに摩り替えたり、廊下で社長とすれ違う時にお互い同じ方向に避けようとして『あっ、あっ』ってなるのを2分くらい続けたりしたぞ」

みく「何やってんのお前!?」


モバP「かな子、ちょっと来なさいな」

かな子「はい?なんですかプロデューサー」

モバP「女の子にこんな事言うの嫌なんだけどね。お前、このプロフィール通りの数値保ってる?」

かな子「うっ……」

モバP「……トレーナーさんからな、これから一週間のカロリー計算してこいって言われてんぞ」ピラッ

かな子「うぅ……っ」

モバP「まぁ俺個人の意見としてはかな子ぐらいふくよかな方が抱きしめたりする時に」

ちひろ「何を言うとるんやお前は!?」スパーンッ

モバP「…とにかくだ。また一週間後にそれ提出してくれ。やり方分かるよな?」

かな子「はい…」トボトボ


麗奈「………ふむ」


~~~

かな子「あの、プロデューサーさん」

モバP「ん?あぁ、今日だったか。はいご苦労さん」

かな子「はい。どうぞ」ペラッ

麗奈「ふん。受け取りなさい」ピラッ

かな子「あれ?麗奈ちゃん?」

モバP「ん?麗奈、これは?」

麗奈「何って、見て分からない?一週間のカロリー計算よ」

モバP「…いや、お前には書けと言ってないんだが」

麗奈「誰が私の書くのよ。それはかな子のよ」

モバP「何でお前がかな子のカロリー計算してんだよ。しかも数字ちょくちょく違うし」

麗奈「……実値よ。味見やつまみ食い、飲み物まで全部含めてのね」

かな子「」ビクッ


モバP「なるほど…お前なかなか面白い事するな」

かな子「れ、麗奈ちゃん!まさか最近よく一緒におやつとか食べに誘ってくれたのって……!」

麗奈「あーはっはっは!その通りよ!貴女の食生活、とくと見させてもらったわ!」

かな子「そんなぁ!」

麗奈「ちなみに晩御飯まではチェック出来なかったから、夜の適正カロリー摂取量をそのまま引用したわ……成人男性用の」

かな子「さすがにそんなには食べてないよっ!!!」

モバP「ふむ。わかった。この両方をトレーナーさんに提出しておこう」

かな子「晩御飯の欄だけは私の方が正しいんですプロデューサー!信じて下さい!」


モバP「実値ねぇ…意外性と羞恥性特化のイタズラ…なおかつ実用性もアリって所か」

麗奈「ふん、妥当な評価ね」

モバP「うわビックリした。まだいたのかお前」

麗奈「ついでにもう一つイタズラを仕掛けてやったわ」

モバP「ほう?言ってみろ」

麗奈「かな子と毎日おやつを食べる事によって……私もちょっぴり!太ってやったわ!」

モバP「…それで?」

麗奈「え、それでって…」

モバP「まぁ麗奈ぐらいはまだ身長も伸び盛りだからなー。いっぱい食べていっぱいイタズラするんだぞ~」ナデナデ

麗奈「ふん!何よつまんないわね!!」ペシッ

モバP「何怒ってんだよ」

麗奈「また明日っ!」

ちひろ(麗奈ちゃん、プロデューサー好みのふくよかな体型目指して……ってそれは考え過ぎですかね)


麗奈「ふんふーん」

チーン ガララ

光「…おっ!麗奈!」

麗奈「なんでアンタはいっつも地下から現れんのよ。車持ってる訳じゃないのに」

光「地下駐車場ってなんかワクワクするだろ!ショッカーとか出てきそうじゃないか!」

麗奈「気持ちはわかるけどね。暗くて広いし」ピッ

ゴゥン…ゴゥン…

光「このエレベーターも格好いいよな!」

麗奈「そう?殺風景じゃない?床とか汚いし………あっ、そうだっ」ピコーン

光「…麗奈、また何か悪い事思い付いただろ」

麗奈「ふふん、悪戯ってのは悪い戯びって書くけど、必ずしも悪い事とは限らないのよ」チーン

光「なんだそれ…?」


麗奈「比奈!沙紀!」

比奈「ん?」

沙紀「どうしたんすか?」

麗奈「実はね……ゴニョゴニョゴニョ……」

沙紀「へぇ……面白そうな事考えてるね」

比奈「でもそんな事したら、またプロデューサーに怒られるんじゃないッスか?」

麗奈「責任は私が取るわ!」

比奈「……ふふ、そーいうことなら」

沙紀「アタシは手伝うっすよ」

比奈「沙紀ちゃんがいるなら、アタシいらない気もするんでスけどね」

沙紀「いやいや、アタシ、パース?とか遠近感とかを描くのはサッパリ駄目なんで……道具の準備とかもあるし、明日決行ってコトで良いっすか?」

麗奈「もちろんよ!」


モバP「……」カタカタ

麗奈「(沙紀、例の物は?)」

沙紀「(持ってきましたけど…プロデューサーがいるんじゃ出来ないっすよ)」

麗奈「(その辺は抜かりないわ)」

比奈「?」

♪メデメデメデ!メ!メメメメーデー!

モバP「お?……はいもしもし。どうした?」

比奈「あの着信音。もしかしなくても杏ちゃんッスね」

モバP「一人で帰れるだろ……あぁ?一歩も動けないぃ?……あ~……分かった分かった。どっか涼しいトコで待ってろ」

麗奈「駄々こねてアイツを呼び出すようにお願いしてあるわ」

沙紀「Pさん、なんだかんだ杏ちゃんに甘いっすからね。さ、行きましょうか!」 ガチャガチャ

麗奈「あーっはっはっは!!!」

ちひろ「……?」


沙紀「こういうのもまた新鮮で、楽しいっすねー」ヌリヌリ

比奈「あれ、沙紀ちゃんその色ちょっと暗すぎじゃないッスか?」

沙紀「わざとっす。光が直撃する所なんで」

比奈「あぁ、なるほど。いらない口出しだったッスね」

沙紀「いえいえ。でもまさかこんなに上手く描けるモンだとは思わなかったっすよー」

麗奈「ふっふっふ。Pのやつ、早く帰って来ないかなぁ…♪」

比奈「…その言い方、まるで恋する乙女ッスね」

麗奈「はぁ!?何を言い出すよのいきなり!!」

比奈「うぇっへっへ。ツンデレ恋愛フラグ~」スタスタ

麗奈「ちょ!待ちなさいよ!!」

沙紀「まだ終わってないんだから1人にしないで下さいよ~」


モバP「ほら、着いたぞ~」

杏「わーい。ありがとプロデューサー」

杏(麗奈ったらプロデューサーを呼び出せだなんて、一体何企んでんだろ?まぁ杏が楽出来るならそれで無問題なんだけど)

モバP「エレベーターまでくらい自分で歩け」

杏「はぁい」テテテ


チーン ガララ

モバP「……っ!!?何だこりゃあ!?」

杏「ん?なになにどしたの」スッ

モバP「待て行くな杏!危ない!!」

杏「へ?」



モバP「エレベーターに、でっかい穴が空いてる!!」



杏「……」


モバP「ちょっと古いとは思ってたけど、こんなに床が抜けるとはな……」

杏「…あのさ、プロデューサー」

モバP「杏!底が見えないぞ!近寄るな!!」

杏「………」ヒョイッ

モバP「うわぁぁぁぁあ!!!杏ーーーっ!!!」

杏「…コレ、絵だよ」

モバP「………え?」


杏「大体さ、ここ地下1階だよ?なのに底無しの穴が空いてるって、それはもう重機でも持ってこなきゃ無理な話じゃん」

モバP「………あぁ、そうだな」

杏「……」

モバP「……」

杏「…乗らないの?」

モバP「………麗奈ぁっ!!!!!」ダッ

杏「あ!逃げた!」


モバP「麗奈ぁ!!!」ダダダ

麗奈「あれ!?何で階段で上がってくるのよ!つまんないわね!」

モバP「畜生、テレビでよく見掛けるあのトリックアートが、まさかウチの事務所にまで…」

麗奈「スゴイでしょ!比奈と沙紀に描かせたのよ!」

沙紀「あ!それ言っちゃうんすか!?」

比奈「まぁどうせバレる運命でしたし、良いッスけどね」

モバP「人を使う事まで覚えやがって……」


チーン ガララ

杏「プロデューサー……もしかして高いとこ苦手なの?」

麗奈「!へぇ~……」ニヤ

モバP「そ、そんな事は無いぞーっ?っていうか麗奈お前!最近ちょっと様子見てたら調子乗りやがって!こんなもん!苦情が一つでも来たら即座に塗り直してもらうからな!!」

麗奈「苦情が来たら、ね」

沙紀「えぇ~?せっかく書いたのに~」

麗奈「比奈&沙紀作って書いとけば誰も文句だなんて無粋な事しないわよ」

比奈「&麗奈ちゃんが抜けてるッスよ~」

モバP「く…っ!ウチの子が良い子ばっかりなのを利用するつもりか!この悪人め!」

杏「矛盾してるよね」


麗奈「あらそれなら、Pが苦情を出せば?高いところにいるみたいで怖いからぁ、皆が頑張って描いた絵を消して欲しい~ってね」

モバP「ちくしょーっ!」ダッ

比奈「逃げたっ!」

沙紀「プロデューサーがあんなに慌てるなんて珍しいっすね。麗奈ちゃんありがとうっす、良いもん見られました」

麗奈「ふっふっふ」



麗奈(でもまだ、最高のイタズラとは言えないわよね…そもそも二番煎じだし)


ゴゥン…ゴゥン…

琴歌「最初は驚いてしまいましたけど、慣れると楽しい床ですわね、プロデューサーさん♪」

モバP「…そうだねー」

琴歌「それにしてもプロデューサーさん、どうしてさっきから壁に張り付く様に立ってるのですか?」

モバP「気にしないでくれ……」

~~~


モバP「…なんか俺もイタズラしたいなぁ…」カタカタ

ちひろ「社会人のセリフとは思えませんね」カタカタ

モバP「ちゃんとTPOは弁えますよ」カチカチッ

ちひろ「イタズラをするのに適した状況なんて思いつきません」カタカタ

モバP「えぇ~?」


ガチャ

麗奈「おはよう」ガサガサ

モバP「おう麗奈……なんだその荷物は?」

麗奈「765プロの畑部ちゃんが入院したそうね」

モバP「え?そうなの?怪我?」

麗奈「嘘よ」

モバP「…こら麗奈、そういう冗談は向こうのアイドルに失礼だと思うぞ」

麗奈「安心しなさい。畑部なんてアイドルいないから」

モバP「!」

麗奈「給湯室借りるわよ」

モバP「……」

ちひろ「まんまとしてやられましたね」

モバP「何故だろう。あんなに下らない冗談なのに、すごくイラッとしてる自分がいる」

ちひろ「麗奈ちゃん、隙あらば新しいイタズラを仕掛けてくる様になりましたね」

モバP「俺はとんでもない怪物を作ってしまったのかもしれない……」

ちひろ「麗奈ちゃんはサイボーグか何かですか」


麗奈「ふぅ、危ない。あやうくバレる所だったわね。何とか誤魔化せたけど」ガサガサ


周子「あれ?麗奈ちゃん何してんの?」

麗奈「!周子!!」ガサッ

周子「あっ!何か隠した!大人しく見せなさ~い」ジリジリ

麗奈「…まぁ周子なら大丈夫か。はい、コレよ。扱いには気をつけなさい」

周子「ん~?何これイチゴ?違うか。ちっちゃいパプリカ?」

麗奈「ジップロック開けてみなさい。そしたら良く分かるから」

周子「え?何それ。袋透明やから十分見えてるんだけど」ピッ

麗奈「ほらほらもっと顔近付けて」

周子「ん~?」


周子「……んっ!!?」


周子「わぁぁぁ!!痛ぁぁぁぁ!!!!何やコレぇ!!?」ペシッ

麗奈「あーっはっはっは!!ってちょっと!流し台に落とさないでよ!!」

周子「麗奈ちゃん催涙スプレーでも掛けた?あ、涙止まんない」ポロポロ

麗奈「半分正解ってトコね。はいティッシュ」


周子「で、それ何?」

麗奈「チョコレートセブンポットよ。唐辛子。催涙スプレーの原料にもなってるらしいわ」

周子「あー唐辛子かー」

麗奈「世界で…今は3番目?だったかしら……とにかく辛い唐辛子よ。辛さのギネスに載ってる唐辛子より辛いんですって」

周子「…あー、それ知ってる。何かギネスに申請する権利がどうので載れないんだったね。ナイトスクープで見た」

麗奈「ナイトスクープ?」

周子「えっ……麗奈ちゃん知らない?」

麗奈「さぁ…テレビ?」

周子「うん……」

麗奈「なんでテレビ番組知らないだけでそんなショック受けてんのよ。ちょっと申し訳なくなってきたじゃない」

周子「だって……ねぇ?」

麗奈「だから知らないって」


モバP「しゅーこー?大丈夫かー?普段からは考えられないような叫び声が聞こえたけど」ガチャ

麗奈「あ!入ってきちゃ駄目!!」

モバP「麗奈お前、周子に何かしたのか」

周子「シューコちゃん涙が止まらな~い」

モバP「なんだと!何やらかしたんだ麗奈!」

周子「冗談だってPさん。女の子の時間なんだから入ってくんなー」

モバP「えぇ~?給湯室で?」

麗奈「そうそう。あ!アンタ、お昼ご飯は!?」

モバP「持ってきてねぇよそんなモン。後でコンビニ行くけど」

麗奈「駄目!お腹空かせて待ってなさい!!」

モバP「えぇ~?なになに?」ニヤニヤ

周子「何か嬉しそうだねPさん」

麗奈「ほら周子も出てって。ゴーグル一つしか無いんだから」

モバP「ゴーグル!!?お前何作る気だ!!」

周子「良いから良いから~♪」

モバP「ちょ!待ておまっ!」バタン


麗奈「ふぅ、さて、やるわよ」


麗奈「唐辛子 パスタっと」ポチポチ

麗奈「………」

麗奈「唐辛子 激辛 パスタ。えいっ」ポチポチ

麗奈「…………」

麗奈「何よ!美味しそうな料理しか出てこないじゃない!!」

麗奈「まぁレシピサイトに不味いレシピ載せる訳ないか……」

麗奈「取り敢えずやってみましょう。セブンポット使うんだから何やっても辛くなるでしょ多分」


~~~


モバP「んっふっふ~♪」カタカタ

ちひろ「どうしんですか気持ち悪い笑い方して」

モバP「麗奈がねぇ~?俺のお昼ご飯作ってくれるって言うんですよぉ~」ニヨニヨ

ちひろ「うっ……わぁ……」

モバP「んふふふ~」

ちひろ「…っていうかプロデューサーさん。そんな顔緩めきってる場合ですか?絶対何か裏がありますよ」

モバP「どうせ激辛とかそういうオチですよ~」

周子「これにはもう流石と言うしかないかなー」

モバP「あ、当たってる?」

ちひろ「周子ちゃんそれ先に教えちゃって良いんですか?」

周子「だってシューコちゃんまで追い出されたしー。おめめまだシパシパするしー」

モバP「ふむ…じゃあ一つ、仕返しに体をはったイタズラをしてしんぜようか」

周子「へぇ~?」


麗奈「ふっふっふ……出来た…出来たわ……っ!」

麗奈「立ち登る湯気を吸っただけでむせそうね……鼻痛い……」

麗奈「普通に渡しても面白く無いわね……作戦コード『純情麗奈チャン』発動しようかしら」

麗奈「うん。それで行こう」


モバP「(ビデオ、合図するまでバレんなよ)」

周子「(任せてー♪)」●REC


ガチャ

麗奈「おっ待たせ~☆」キャピルーン

ちひろ「ぶふっ」

周子「……っ……っ」

モバP(何だコイツ!カメラ回ってる時に限ってキャラなんか作りやがって!!いじられキャラの才能が溢れ過ぎて床ビショビショだよ!!)

モバP「お!おー!パスタかー!」

麗奈「ペペロンチーノよ!頑張って作ったんだから、味わって食べなさい!!」ニッコニッコ

ちひろ(なんかもう可哀想です!!)

周子「おー何だか食欲をそそる匂いだねー(棒)」

麗奈「熱々を召し上がれ~♪」

モバP「わーい!いっただきまーす」パシッ


モバP「へぇ~。凄いなー一人で作ったのか~」パクッ

麗奈(食べた!!!)

麗奈「あんなのレシピ見たら誰でも作れるわよ~」ニコッ

モバP「いやーそれでも凄いよー」モグモグ

麗奈(……あら?)

麗奈「ど、どう?お味は……」

モバP「最っ高に美味しいよ!!もうちょっと辛くても美味しかっただろうけどな!!」ニコッ

麗奈(えぇぇぇぇえ!?!?)


麗奈「へ、へ~……?アタシとしてはー、ちょっと辛すぎかなーって思ってたんだけどー」

モバP「そんな事ないさ!」モグモグ

麗奈「………」

モバP「ウマいウマい」モグモグ

麗奈「……あぁぁもう!!そんな訳無いでしょ!!!!??チョコレートセブンポットよ!!?ちょっと前まで世界一位とってた唐辛子入れてんのよ!!!!?」

モバP「へーっ!そうなんだー」パクパク

麗奈「だから何で!そんな普通に食べられんのよ!!!!」

モバP「うぅ~ん、何でだろうなぁ……」


モバP「…きっと、麗奈の想いが詰まってるからだろうなっ」ニコッ

麗奈「うわぁぁぁぁぁあ!!!そういうのやめて!!!マジで!!!!」


麗奈「舌イカれてんじゃないの!?私の想いなんてアンタをヒーヒー言わせたい以外に無かったわよ!!!」

モバP「はっはっは。それは残念だったな麗奈。どうやら俺のラヴの前には、お前のイタズラ等叶わぬ存在だったのだ」モグモグ

麗奈「そんな……」

モバP「お前の行為からイタズラを抜いてしまえば!お前は『日頃お世話になってるプロデューサーに手料理を振舞う健気なアイドル』みたいな感じになってしまうぞ!!!」パクパク

麗奈「いやぁ!やめてよ!!」

モバP「ふっふっふ。トドメを刺してやろう麗奈よ。後ろを振り返ってみろ」

麗奈「え……………?」クル

周子「いぇーい」●REC

麗奈「……ぃいやぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


麗奈「いやぁぁ!!わぁぁぁぁあ!!!いやぁぁぁぁぁ!!!!」

モバP「…『熱々を召し上がれ~♪』」

麗奈「がァァァァァ!!!!」ボスッ

モバP「オッフ!……麗奈……」

麗奈「な、な、何よ……」ワナワナ

モバP「……ご馳走様っ☆ 」

麗奈「うわぁぁぁぁぁぁぁぉお覚えてろぉぉぉぉ!!!!!」ダダダダ ガチャ!!

バタン!!!


ちひろ「逃げ出しましたね……悪役みたいなセリフを吐いて」

モバP「フゥ……………」

周子「ちょっとは懲りたんじゃないかなーん?」

モバP「………シューコチャン」

周子「はぁい?」

モバP「……みっ!水!水をくれ!!」ブワッ

周子「待っててね~ん」タタッ

モバP「ああああっ!はぁぁぁ!!辛かったぁはぁあぁんっ!!痛かったぁぁぁ!!」ガクガク

ちひろ「アレを何ともない顔で食べきるなんて、ホントどうかしてますよ」


周子「結構離れてるアタシまで凄い辛い臭いしたもん」

モバP「み、水だ!水をくれ!」バタバタ

ちひろ「力石徹みたいになってますよ。減量中の」

周子「ホントよくやったよー。あんな涼しい顔して」

モバP「麗奈のイタズラにィイイイイイ!まんまとハマるのが嫌だったのでハァァァァン!!!」ゴキュゴキュ

ちひろ「具体的に名前を出すのがはばかられる某政治家みたいになってますよ。会見中の」


モバP「……まっ、いちごパスタ程の破壊力じゃ無かったですけどね」

ちひろ「それはさすがにしばかれますよ」

麗奈「…」ジーッ

モバP「……」カタカタ

麗奈「………」ジーッ

モバP「…………なに?」

麗奈「何でも無いわよ」

モバP「待っててもボロなんか出さないぞ。もう遅いから帰れ」

麗奈「別にそんなんじゃないし!」

モバP「俺かーえろ。あ、ラーメン食べたくなってきたな」

麗奈「例え思っても口に出すの反則じゃない?ラーメン欲って感染するのよ」

モバP「一緒に行くか?」

麗奈「うん!」


モバP「こんな夜に油っこいモン食べたらお肌が……って、麗奈にはあんまり心配いらないか。おデコ綺麗だなーお前」スッ

麗奈「触んないで!」ペチンッ

モバP「いーじゃん減るモンじゃ無いんだし……あれ?」

麗奈「ん?」


友紀「zzz……」

モバP「…おい友紀!事務所で飲むなって言ってんだろ!!」

友紀「だってさぁ~…キャッツが9点差で……ムニャムニャ」

モバP「あぁ!寝るな!ほら帰んぞ!!」

友紀「zzz……」


麗奈「キャッツが良い成績に残す度にコレよね」

モバP「コイツ負けても泣きながら飲んでるっつーの。ホントどうにかならんかね」

麗奈「!」ピコーン

モバP「お、なんか思い付いた顔だな。手伝うぜ」ニヤ

麗奈「ふっふっふ。アンタの仕事は後よ。あっち行ってなさい」ニヤ

モバP「ほう。一体何をするつもりなんだ?」

麗奈「後でのお楽しみよ。ほら向こうで美味しいラーメン屋さん調べてなさい。あと赤ペン貸して」

モバP「イタズラ御用達、滲まずしっかり書けて、しかもすぐ落ちる水性ペンを貸してやろう」

麗奈「良いモン持ってんのね」

モバP「ふっふっふ」

麗奈「ふっふっふっふ……」


~~~

麗奈「(良い?手筈通りにね)」

モバP「(ダメ、俺もう笑いそう)」プルプル

麗奈「(我慢しなさい。ほら起こして)」

友紀「zzz……」

モバP「スゥ………」


モバP「お、おい友紀!友紀ってば!!」

友紀「ふぇ……っ?」


モバP「意識はあるみたいだな!麗奈!早く救急車を!!」

麗奈「い、いまやってるわよ!!」

友紀「えっ?えっ?」

モバP「友紀、大丈夫か?俺の事が分かるか!?」

友紀「え、うん。どうしたのプロデューサー?」

モバP「どうしたのじゃねぇよ!自分の身体見てみろ!!」

友紀「ん?………え?」


友紀「な!なんじゃこの赤い点々はぁぁぁ!!?」


友紀「えっ!?何コレ!えっ!!?」

モバP「落ち着け!!麗奈!アルコールってこんな症状出ることあるのか!!?」

麗奈「そんなの知らないわよぉ!」

友紀「えっ?これどうしたら良いの!?」

モバP「救急車呼んだから!!友紀、顔色悪いぞ!?気分悪くないか!?顔色すごく悪いぞ!!」

友紀「そ、そういえば何だかフラフラするような……」

麗奈「大変!!動いちゃ駄目よ!!」

友紀「え、でもコレ普通にビールの……」

モバP「救急車まだかよ!?畜生!!」

友紀「あ、あの」

モバP「ちょっと表まで見てくる!!」ダッ

麗奈「待ってよ!!!友紀、動いちゃ駄目よ!横になっててね!」ダッ

友紀「え、ちょっと」

バタン


モバP「……wwwwww」

麗奈「ぷふっ………っ…ふっ……!」プルプル

モバP「すっげぇ慌ててたな」

麗奈「ちょっと様子見ましょう。タネ明かし用のプラカードは?」

モバP「『ドッキリ』と『大成功!』と『テッテレー』の三種類あるけど」

麗奈「なんでそんなにいっぱいあるのよwww」

『………』

モバP「待って待って。ユッキ何か言ってる」

麗奈「なんでドア閉めちゃったのよ!中見えないじゃない!」

モバP「閉めたのお前だろ。良いから良いから」


友紀『プロデューサー……麗奈ちゃーん……』

友紀『うぅ……まだかな……』

友紀『何この点々……水疱瘡?は一昨年なったしなー…』

友紀『あれ?一昨年ははしかだったかな………?』

友紀『っていうか水疱瘡って大人になってからかかるとマズいんだっけ………』

友紀『死んじゃう…………?』ウルッ

バーン!!!!

友紀「え……?」

麗奈「テッテレー!」
モバP「ドッキリでしたー!」

友紀「は?」

友紀「……………は?」


友紀「え、いや、これ」

モバP「麗奈、濡れタオルだ」

麗奈「はいはい」フキフキ

友紀「!?」

麗奈「あ、ホント。すぐ取れるわねこのペン」

友紀「ペン!!?」

モバP「はっはっは!!引っかかったなユッキ!!!いつも事務所でビール飲んでた罰だ!!!」

友紀「えっ!じゃあ救急車は!?水疱瘡は!?」

麗奈「そんなの嘘に決まっ……水疱瘡?」

友紀「はぁー…よ、よかったー…」ヘニャ

モバP「これに懲りたらもう事務所で酒飲まない事だな。よし、帰るかー」

麗奈「どうせ友紀も女子寮まで送らなきゃ駄目なんだし、ラーメンはまた今度ね」

モバP「お?良いのか?」

麗奈「うん」

モバP「やけに素直だな。アレか?純情麗奈ちゃん発動してんのか?」

麗奈「してないわよ!忘れろって言ったでしょ!!」ゲシッ

友紀(私もラーメン屋さんに連れてってくれれば解決ー!……って、やめとこうかな。麗奈ちゃん二人っきりで行きたいだろうし)


~~~

TV『さて最終回!一点差のキャッツはここでひっくり返せるか!?』

友紀「………」

ライラ「これはキンチョーの一瞬でございますー」

モバP「……」カタカタ

麗奈「……」ウズウズ

モバP「……よし!終わった!」ッターン

麗奈「!」

カキーンッ

TV『打ったー!ショートの頭上を超えてボールが……』

友紀「やたーーー!!!」

ライラ「すごーい」パチパチ

麗奈「ほら!早く行くわよ!」

モバP「分かったって。じゃーなー二人ともー。お疲れさん」

友紀「また明日ねプロデューサー!」

ライラ「あれ、ユキさん、今日は『ぷはー』はしないのでございますか?」

友紀「えっ?あぁ、まぁね……」


モバP「ふっふっふ」
麗奈「あーっはっはっは!!」


モバP「はい、はい。はぁ………会場でのマナー?あぁ、なるほど……」

麗奈「………」ソロソロ

モバP「はい。分かりました。出演アイドルにも良く伝えておきます。はい、失礼します」

麗奈「……」スッ

モバP「ふーむ…麗奈ー?」クルッ

麗奈「えっ?」

モバP「うぉ!?何でお前真後ろにいるんだ!?」

麗奈「あー、いや、何でも無いけど……」

モバP「絶対嘘だろ。なんかしたな?」キョロキョロ

麗奈「………」

モバP「…あ、分かった。計算機が変わってる」

麗奈「何の事かしら」


モバP「すげぇな。元のとソックリだ」

麗奈「……ふん。バレてしまってはしょうがないわね」

モバP「コレ何?押したら爆発でもすんの?」

麗奈「試してみなさいよ。面白いわよ」

モバP「ふーん?……100引く50は?」ピッピッ

計算機『65』

モバP「……ぷっ」

麗奈「………ふふ」

モバP「……1足す1は」ピッピッ

計算機『72』

モバP「なんだよコレ!」

麗奈「『絶対に間違える計算機』よ。デパートで見付けて思わず買っちゃった」

モバP「面白いけど事務所に置くのやめて貰えないかな!?死活問題なんだよ!」

麗奈「使う時には教えようと思ってたわ」

モバP「ホントかよ…?」

麗奈「うん、それあげる。じゃあね」

モバP「あーあー、待て待て。お前に用事があるんだった」


麗奈「何?私イタズラ仕掛けるのに忙しいんだけど」

モバP「なんかもう仕事のようにイタズラしてんな……そうじゃなくてだな、明日のコンサートライブ」

麗奈「あぁ、そういえば明日ね」

モバP「そういえば、ってお前なぁ……後でリハーサルあるんだぞ」

麗奈「分かってるわよ。それで何?」

モバP「なんかね、今回の会場、観客が座席の裏側の隙間にチケット詰めたり、落書き残したりする事が多いんだって」

麗奈「ふん。下らない事するわね。悪戯師の風上にも置けないわ」

モバP「いや悪戯師を名乗る客はあんまりいないだろうけど…」


麗奈「それで?」

モバP「あぁ、明日のライブ中に注意喚起でもしてくれって事じゃないか?」

麗奈「はぁぁ?嫌よ。そんなアホな事をしない大多数の観客(ぐみん)からしたら、気を悪くするだけじゃない」

モバP「うーん、それもそうだよなぁ」

Pの携帯『~♪』

モバP「……?麗奈、鳴ってるぞ」

麗奈「………アタシのじゃ無いわ」ニヤニヤ

モバP「えっ?あ!俺か!でもこんな曲に設定した覚え無いんだけど……これ何のイントロだっけ?」

携帯『俺の所為でー♪(俺の所為でー♪)
俺の所為でー♪(俺の所為でー♪)』

モバP「!?」




携帯『甲子園にー♪行けなかったー♪』



麗奈「wwwwwwwww」

モバP「おまっ!勝手に設定曲変えたのか!?あ!電話切れたじゃねぇか!」

麗奈「今のは友紀からの着信音ねwwwwww」

モバP「今のはって事は他のも変えたのか!?」

麗奈「じゃあねー♪」

モバP「あっ!こらテメェ!」


凛「……」ペラッ

奈緒「あれ、加蓮は?」

凛「ん?トイレじゃない?」

奈緒「え?まだ入ってたのか?長くない?」

凛「……そういう事もあるでしょ」

<アッハハハハ!!!

凛「!?」

奈緒「!?」


奈緒「トイレの方から笑い声が聞こえたけど」

凛「加蓮の声だったね」

ガチャ

加蓮「ちょっと!誰よコレ!!!」

凛「ん?」

麗奈「……」ニヤニヤ

奈緒「あ、麗奈ちゃん」

加蓮「見てこれ」ポイッ

凛「えっ?ちょっと、石鹸?雑誌の上に乗せないでよ」


加蓮「大丈夫、絶対に泡つかないから」

奈緒「んー?」


加蓮「これ、トップコート塗ってあるのよ」

凛「トップコート?マニキュアの?」

麗奈「その通りよ」

加蓮「あ、やっぱり麗奈だったんだー。もうやめてよほんと。ふふっ、5分ぐらいずっと擦ってたのに全く泡出てこなかったのよ」

奈緒「ははっ、すごいなーこれ」

凛「………」

加蓮「ん?どうしたの凛。雑誌のこと怒ってる?」

凛「いや、それは良いんだけどさ…」


凛「つまり加蓮は、石鹸で手を洗わずにトイレから出てきたって事だよね」

加蓮「」

麗奈「そうね。あんまり他の場所に触らないでね」

加蓮「洗おうとはしたよ!その石鹸がこんなんなってたから仕方なく出てきたんでしょ!?」

奈緒「あー……」スッ

加蓮「ちょっと離れるのやめてよ!!麗奈!新しい石鹸は!?」

麗奈「アタシ他のイタズラの様子見てこなきゃ」

加蓮「ちょっと!アフターケア疎かにしちゃ駄目だよ!っていうか何個も同時進行してんの!?」

凛「加蓮…手ぇ洗いなよ」

加蓮「じゃあ石鹸をちょうだいよぉぉぉ!!!うわぁぁぁぁん!!!」ダッ


「石鹸をちょうだいよぉぉぉ!!!」


モバP「加蓮か……一体何をやってるんだアイツは」

蘭子「うわぁん!プロデューサーさぁん!!」

モバP「!?どうした蘭子!?キャラを作ろうともしてないぞ!?」

蘭子「これ!!酷いですぅ!!!」

モバP「?スケッチブック?……あ」ペラペラ

蘭子「誰かが全ページにコメント付けてるんですぅぅ!!!わぁぁぁあん!!!恥ずかしいいいい!!!!」


モバP「『可愛い!』『上手いね!』……っ、これは……っ」プルプル

蘭子「笑わないでください!!」バッ

モバP「お、おぅ、悪い」

蘭子「如何なる悪魔の微笑……(一体誰がこんな事を)」

モバP「あ、戻った」

蘭子「え?」

モバP「口調。さっきまで普通に喋ってたじゃん」

蘭子「え、あ、あ……」


蘭子「忘却の深淵へぇ!!(わ、忘れて下さいィィ!!!)」ダッ

モバP「一体何がしたかったんだあの子は」


麗奈「…あ!蘭子は!?」

モバP「もう逃げちゃったよ。ていうかお前、今日はっちゃけ過ぎ」ピンッ

麗奈「いだっ!」

モバP「他に何を仕掛けたか言ってみろ。デコピンの回数を減らしてやっても良いぞ」

麗奈「うーん……全部成功しちゃったわよ。アンタの着信音以外は」

モバP「あ、そうだ着信音。他に誰のを変えたんだ?」

麗奈「えーとね、まゆの……」

携帯『♪~』

モバP「!」ビクッ

携帯『佐久間まゆ』♪

麗奈「…もの凄いタイミングね」


モバP「…それで、この曲は?さっきのとは違うっぽいけど…」


携帯『好きなぁ~男の名前ぇ~♪』


麗奈「ぶっ」プルプル



携帯『腕にぃーコンパスの針でぇ~♪書いたぁ~♪』



モバP「お前マジでふざけんなよ!!ふざけんなよ!!!」

麗奈「は、早く出てあげなさいよ」プルプル

モバP「まず面影ラッキーホールってチョイスがおかしいだろ!!誰が分かるんだよ!!!」ピッ

まゆ『あっ、Pさぁん』

モバP「もしもし、まゆ?撮影終わった?」

まゆ『はぁい。麗奈ちゃんのリハーサルなら同行するので、途中で拾いに来て貰えますかぁ?』

モバP「あぁ。迎えに行くから待ってろ」

まゆ『はぁい。お願いしますねぇ』ピッ

モバP「…麗奈、まゆがロケ終わったって。行こうか」

麗奈「はーい」


モバP「まゆー、お待たせー」

まゆ「はぁい。お迎えありがとうございます」

モバP「乗って」

まゆ「はぁい。あ、麗奈ちゃんおはようございます」

麗奈「ん」

まゆ「明日のライブ、頑張って下さいねぇ」

麗奈「勿論よ……」

まゆ「…?何か考え事してますぅ?」

麗奈「んー……」


麗奈「まゆ、今日アンタは、ただの付き添いとして来るのよね?」

まゆ「はい。まゆはプロデューサーさんのいる所ならどこへでも着いて行きますよぉ♪」

麗奈「ちょっと…頼みたい事があるんだけど」


~~~

スタッフ「…はい。大体の流れは今日の通りでOKです。最後に、MC時の注意喚起の話なんですけどね…」

麗奈「あぁ、その事なんだけど……Pは今いないわよね?」

スタッフ「?そういえばさっきからいませんね?呼びましょうか?」

麗奈「駄目駄目!呼ばないで!」

スタッフ「えっ?何でですか?」

麗奈「……イタズラの極意。『相手に悟られないこと』よ」

スタッフ「はぁ……?」


~~~

モバP「お疲れ、麗奈。打ち合わせの最後の方、出られなくてゴメンな」

まゆ「ごめんなさぁい。まゆが迷っちゃった所為で…」

モバP「突然電話が来た時はビックリしたよー」

モバP(しかも着信音アレのまんまだったし)

麗奈「気にしてないわよ。帰りましょう」

モバP「あぁ。車持ってくるよ」タッ


麗奈「……ありがとまゆ。凄く助かったわ」

まゆ「はぁい。何をするつもりか分かんないですけど、明日頑張って下さいねぇ」

麗奈「勿論よ!」


モバP「………ふー。おーわりっと。麗奈ー、晩メシ食いに行かね?」

麗奈「ふん。明日のコンサートが終わったらどっか連れていきなさい。今日はまゆとラーメン食べに行きなさいよ」

モバP「え~?まゆにラーメン食べさせる訳にはいかないだろー」

まゆ「まゆはプロデューサーさんとならどこでも良いですよぉ?」

モバP「そう?じゃーな麗奈。明日遅れんなよ」

麗奈「ふん、そっちこそ」

バタン


麗奈「………」ガサガサ

麗奈「正面席が70…後部席が3ブロックに分かれてて……あぁもう、計算機計算機……」

夏樹「…あれ、麗奈じゃん。まだ残ってんの?」

麗奈「あら、夏樹」

夏樹「座席表…あぁ、明日麗奈のライブだっけ」

麗奈「そうよ」ドサッ

夏樹「…?何それ」

麗奈「……ちょっとね」シャシャシャッ ペラッ シャシャシャッ

夏樹「…まさか、今から『ソレ』全部やんの?何枚あるんだよ」

麗奈「計算機に書いてある」シャシャッ

夏樹「うおっ…すげぇなぁ…なんか手伝おうか?」

麗奈「いや、『コレ』は私がやらないと意味無いじゃない」シャシャシャッ

夏樹「あー。そりゃそうか」

麗奈「……あ!夏樹!明日、頼みたい事があるんだけど!!」

夏樹「ん?なに?」


麗奈「よいしょ……っと」

夏樹「よう!麗奈!」

麗奈「おはよう」

美世「おっはよー麗奈ちゃん!」

麗奈「あれ?美世も?」

夏樹「昨日の『アレ』全部と麗奈を乗せようと思ったら、もう一台アシがあった方が良いなと思って」

麗奈「そう……悪いわね。こんな朝早くから」

美世「いーよいーよ!早朝のドライブとか楽しいし!」

夏樹「お前があんなに頑張ってんの見せられたら、コッチもその背中押したくもなるよ。ほら乗って」ドルルルル

美世「その段ボールは私のに乗せよっかー!」

麗奈「お願いするわ」


~~~

美世「コッチは全部出来たよー?」

夏樹「まだ何個か余ってるんだけど、麗奈ー?」

麗奈「ありがとね、こんなことまで手伝ってもらって」

夏樹「コレ一人でやるつもりだったのかよ…」

麗奈「だって…イタズラに人巻き込むなって言われたし…」

夏樹「ふふっ、ロックだな麗奈。こんなイタズラなら大歓迎だよ」ナデナデ

美世「あれ?私も結構余ったんだけど…」

麗奈「段ボールにもまだいっぱいあるわ…おかしいわね」

夏樹「…やべ、時間ねぇぞ」

美世「えっ!」

夏樹「Pが出勤する前に事務所に戻るんだよな!早く行くぞ!」

麗奈「わわっ」


ドルルルル…
夏樹「ふぅ、何とか間に合った…」

美世「あ!プロデューサーの車だ!」

夏樹「やべ!」

美世「階段の方に向かったら、丁度ハチ合わせしちゃうよ!」

麗奈「…エレベーター!エレベーターに乗りましょう!」

夏樹「エレベーターこそ見付かったらバレるじゃん!」

麗奈「大丈夫!アイツ一人だと絶対にエレベーター使わないから!」

夏樹「そうなのか?」

麗奈「あんまり床の絵気に入ってないのよ」

美世「えーっ?アレすごい恰好いいのにー」


ガチャ
モバP「おっはよー」

美世「やーやープロデューサー」

夏樹「よっ」

モバP「あれ、お前ら早いな」

夏樹「あー…美世とドライブしてたら近くまで来たからさ」

美世「そーそー」

モバP「ふぅん……麗奈は?」

麗奈「いるわよ。ちゃんと」

モバP「おう、おはよう。朝メシ食った?」

麗奈「食べてない」

モバP「んじゃ途中でコンビニ行くか。もう出発すんぞ」

美世「早いんだねー」

モバP「じゃ、今日1日いねぇから、後よろしくな」

夏樹「おー。麗奈!頑張れよ!」

麗奈「……ふふっ。任せなさい」


~~~

モバP「麗奈、あのー客席への注意喚起、お前は嫌がってたけどさ…」

麗奈「あぁ、アレね。やるわよ」

モバP「お、おぉ、そうか!」

麗奈「とびっきりのを用意してあるから、楽しみにしてなさい」

モバP「ほーぅ?」

麗奈「…じゃ、また後でね」

モバP「おう。ぶっ飛んでこい」スッ

麗奈「ふんっ!目ん玉かっぽじってよく見ておくのね」スッ

パンッ

~~~

♪~~~

ワァァァァァ……

麗奈『ふっふっふ……中々の歓声ね……』

モバP「……」

麗奈『次で最後の曲だけど……その前にちょっと、話があるわ』


麗奈『コンサートの、自分の席にサインや落書きを残したり、チケットを挟み込んだりする人間がいるそうね。スタッフから聞いたわ』

モバP「……」

麗奈『……でも、アタシからは注意なんて真似するつもりは無い!ハッ!そんなのは私の仕事じゃないわ!』

モバP「!?」

麗奈『そして同じく!サインなんかも客がする仕事じゃない!それはこの麗奈サマの役目よ!!!』



麗奈『今日アタシはこの会場に!あるイタズラを仕掛けたわ!』

モバP「なに……っ!?」

麗奈『全員!今立ってる自分の席の下を見てみなさい!!』

モバP「す、スタッフさん!こんなの聞いてないんですけど!」

スタッフ「はっはっは。実は僕たちも何をやるかは知らなかったんですよ」

モバP「なんだって!?」

麗奈『愚民共!!アンタ達がチケットを挟み込む前に!!全席に今日のパンフレットを引っつけてやったわ!!サイン入りのね!』

モバP「全席って……いつの間にそんな事…!?」

麗奈『あなた達が思い出を刻む場所はこの会場じゃない!!大人しくそのパンフレットを持って帰って、精々大事にする事ね!あーっはっはっは!!!!』

ワァァァァァ!!!!
レイナサマー!!!!!

~~~


スタッフ「お疲れ様でーす」



モバP「麗奈ぁ!」

麗奈「ふん、見た?」

モバP「おう。全部見させてもらったよ!」

麗奈「どうかしら?ビックリした?」

モバP「麗奈…お前というやつは……」



モバP「最高だよ!!全く、いつの間にあんなモン用意しやがった!!!」

麗奈「ふん。続きはラーメン屋で話してあげるわ。帰りましょう」

モバP「お、おう!」


ブロロロロ……

モバP「しっかしすげーなー。全席分のサインかー……俺もそのパンフレット欲しかったなー」

麗奈「事務所に余ってるわよ……150枚くらい」

モバP「多すぎだろ!?何でそんなに作っちゃったんだ!?」

麗奈「計算機がね…嘘を教えてきたのよ……」

モバP「…はは!それ、自業自得じゃねぇか!!」

麗奈「ふん。全くだわ。とても大成功とは言いがたいわね」

モバP「いやいや、そんな事はねぇよ!あんなにシビれるイタズラは久しぶりに見た!」

麗奈「そう?」

モバP「あぁ!」


麗奈「…じゃあさ、アンタにイタズラの極意を聞いてから、自分で納得するまで絶対に言わないって決めてた言葉があるんだけど」

モバP「ほう……あ、そういえば、最近聞かなかったな。イタズラの回数とレパートリーはもの凄い増えたのに」

麗奈「だから、今、一緒に言ってくれる?」

モバP「え?俺も?」

麗奈「勿論よ。アンタがいなかったら、このイタズラは成立しない所か、誕生もしなかった」

モバP「……そっか。じゃあ」



麗奈「いくわよ?せーの!」





~end~

お疲れ様ッス。
あんまり麗奈サマっぽく無かったですね。ゴメンなさい
あとお昼に立ってたSSのネタ被りましたね。ゴメンなさい




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