門矢士「高機動幻想の世界か……」 (63)


士「ここが新しい世界か」

ゴブリン「キシャー」ダッダッダッ!

士「なんだこの化け物!? いきなり斧投げてきやがった」

ヒトウバン「タスケテー ワタシヲタオシテー」

士「それに空飛ぶ生首だと!? この世界は一体どうなってやがる」

ヒトウバン「アァッー」ヒュンッ!

士「てめぇ! 俺の首もお仲間にする気かよ!?」ブゥオンッ

士「変身!」

【KAMEN RIDE】カメンライド

【MASKED RIDER DECADE】ディケーイド

士「行くぜ」



――世界の破壊者、ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る。

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瀬戸内「新たな反応を確認。識別は……驚いたな。来瀬だ」

のぞみ「よかった~。それって生きてたってことだよね?」

瀬戸内「さてな。この目で見てみないことにはなんとも言えないな」

天行「瀬戸内くん。あまり余計なことは言わないようにお願いします」

愛「で、どうするのだ? 天行」

天行「戦闘は継続します。戦車兵及びスカウトは来瀬くんを確認した際は直ちに報告をよろしくお願いします」

速瀬「了解!」

壬生菜「了解です!」


ディケイド「こいつら! 倒しても倒してもキリがないぜ」

【ATTACK RIDE】アタックライド

【DECADE BLAST】ブラスト!

ズダダダダ!

ゴブリン「キシャー!」ドカーン

ヒトウバン「グワァァー」ドカーン

瀬戸内「来瀬、ゴブリンを撃破」

瀬戸内「続いてヒトウバンを撃破!」

ディケイド「あ? 誰だ! 近くにいるのか?」

瀬戸内「通信が回復した? だがコイツ、来瀬じゃないぞ」

のぞみ「ええっ!?」

ディケイド「くるせ? 残念だが人違いだぜ」


瀬戸内「天行司令。来瀬の信号を出してる奴は来瀬じゃない。どうやら人間らしいが」

天行「人間だからって味方であるとは断言できませんね」

のぞみ「倒しちゃうの?」

天行「大丈夫ですよ。戦闘は中止、彼を拘束後撤退して話を聞きましょう」

愛「いや、その心配はない!」

速瀬「芝浦! ホントにあの作戦やる気なの!? 無茶だって!」

愛「無茶なものか! この状況でもできぬようなら使い物には到底ならん作戦だぞ」

速瀬「ああ、もう! どうなっても知らないからね!」


士「なにをゴチャゴチャいってるんだ?」

瀬戸内「芝浦から送られてきたデータだとそこにいるのは危険だぞ。早く離れろ」

士「逃げろったって。どうしろっていうんだよ!」

のぞみ「西に走って!」

士「好き勝手言いやがる!」ダッ

愛「走れ! 速瀬よ!」

速瀬「お母さん! 命を粗末にしてごめんなさぁいッ!」

速瀬が叫ぶと同時に三番機がダッシュ

ミノタウロス「グモオオオオォォ」

士「邪魔だ!」

速瀬「このまま走ったらあの中型にぶつかっちゃうよ!?」

愛「構わぬ。あやつは我らの障害とはならぬ」


士「デカブツが。コイツを喰らえ」ブォンッ

【FINAL ATTACKRIDE】ファイナルアタックライド

【MASKED RIDER DECADE】ディディディディケイド!

士「ハアアアッ!」

ミノタウロス「グモアアアアアアッ」ドガーン

瀬戸内「来瀬、ミノタウロスを……撃破」

速瀬「芝浦! 今度は来瀬先輩……じゃない人がぁっ!」

愛「速瀬よ! 翔べ! 前方跳躍!」

速瀬「いきなり無茶言わないでよ!」

愛「翔べねばあの中型幻獣もろとも我らの機体もスクラップだ」

速瀬「ああもうっ!」


ディケイド「あん? なんだあれは……巨大ロボット?」

瀬戸内「人型戦車だ。そんなに珍しいもんじゃないだろ?」

ディケイド「戦車だぁ? というか馴れ馴れしく話しかけてくんな」

瀬戸内「俺も野郎と話すなんて仕事以外では御免被りたいな。上司の命令でお前が危険なやつかどうか」

ディケイド「またか、俺はこの世界をどうこうする気はないぜ?」

瀬戸内「芝浦的な話の噛みあわなさだな。戦闘が終わった暁にはいいお友達になれそうだな」

ディケイド「生憎友達ごっこは苦手でね」


のぞみ「司令! 三番機が敵陣の真ん中に!」

天行「何をやっているんですか彼らは……特攻なんてしてる状況じゃないでしょうに」

速瀬「芝浦! 着いたよ!」

愛「【CAMISSJL】コマンド入力は終わった!」

速瀬「遅くないかなぁ!」

愛「な! 私の能力にケチを付けるのか!」

速瀬「芝浦!」

愛「よし! 通った! ばら撒けぇっ!」

三番機、ミサイルを射出。三番機を中心に円を描くように一面が火の海と化す

ミノタウロス「グァァォゥ!」ズガーン

ゴブリン「ギエエエエエエェ」ズドーン

ゴブリン「ギエエエエエエェ」ズドーン

ゴブリン「ギエエエエエエェ」ズドーン

ゴブリンリーダー「ギエイォォォウ!」ズドーン

キメラ「」ズドーン

ヒトウバン「アアアアァァー」ズガーン

キメラ「」ズドーン


瀬戸内「三番機、累計八体を撃墜。その上無傷です」

のぞみ「やったあ~」

天行「はい、見事な戦果です」

瀬戸内「敵、撤退していきます」

天行「掃討戦は友軍に任せましょう。それより件の彼を指揮車まで呼びましょうか」

瀬戸内「よろしいのですか?」

天行「構いません。彼は幻獣の敵だということは十分にわかりました」

瀬戸内「おい、聞いてのとおりだ。案内は三番機に着いてくれば大丈夫だろう」

士「はいはい、人使いの荒い奴らだ。三番機ってのは、あの一際でっけぇロボットか」


士「おい! お前らもう少しゆっくり歩けないのか、歩幅が大きすぎんだよ」

速瀬「言いたい放題だなあ」

愛「不自然だ。さっきのウォードレスは何処にいったというのだ」

速瀬「破棄したんじゃない? ミノタウロスに飛び蹴り食らわせるなんて無茶したら絶対どっか壊れちゃうよ」

愛「ふむ。目立った損傷は見受けられなかったのだが」

速瀬「それより、あの人なんで来瀬先輩の信号を出してるんだろうね?」

愛「わからん。だが、なにか嫌な予感がする」

速瀬「芝浦にも不安な気持ちとかあるんだ」

愛「ばっ、馬鹿を言うな! 我らは最強なのだぞ!」

速瀬「ふーん」

愛「なんだその馬鹿にしたような目は! この登場席を貴様の棺桶にしてやってもいいのだぞ!」ダンッ

速瀬「芝浦! やめてっ! 頭踏まないでぇっ!」

士「聞けよ! おい!」

瀬戸内「うるさいねぇ! そんなギャギャア喚くんじゃないよ!」

のぞみ「ムカムカしてるの?」

鳴滝「ディケイド……この世界にも滅びをもたらすというのか」

天行「なんです今の声は?」

士「気にするな」

速瀬「滅び……か。穏やかじゃないな」

愛「心配するな。我らがいる限りそんなことは絶対に起こらぬ。絶対にな――」


トォゥーン ガシャン!

to be continued……


次回、仮面ライダーディケイド!

「すっげー! 変身ヒーローってことかよ!」


   「認めぬ、貴様のようなものがヒーローなどであるものか!」


「僕は狩場、整備士をやっているんだ」


   「なるほど、だいたいわかった」


「本間先生にね、この間怒られたんだ…。この間、射撃でわざと外したろうって」


   「ようこそ、最低で、最悪の戦車小隊へ。歓迎する」

次回『3月6日』
――全てを破壊し、全てを繋げ!

これまでの仮面ライダーディケイド!

「ここが新しい世界か」

   「新たな反応を確認。識別は……驚いたな。来瀬だ」

「くるせ? 残念だが人違いだぜ」

   「速瀬よ! 翔べ! 前方跳躍!」

「あん? なんだあれは……巨大ロボット?」

   「はい、見事な戦果です」

――会議室

天行「彼、門矢士戦士のシフトは来瀬くんのスカウトを引き継ぐという形になりました」

春「信用できるの?」

天行「あなた方に彼を全面的に信用しろとまでは言いません。ですが、彼はもう我ら5121小隊の仲間です」

愛「書類上は……な」

天行「芝浦さん? なにかご不満ですか?」

愛「いや、特に異論はない。あやつは来瀬より強いだろうからな。いいスカウトとなるだろう」

壬生菜「芝浦さん! 来瀬さんを悪く言うつもりですか!」

愛「単純な比較だ」

壬生菜「その考え方、言い方。全部気に入りません!」

春(門矢士の取り調べをしたのは天行だけ……一体何を吹きこまれたというの、天行)

林「トーコさん。大丈夫?」

トーコ「私はこんな所で立ち止まってるわけには行きまセン。ミルヒのことは悲しいでスガ、きっとまたどこかで会えマス」

狩場「トーコさん。余り無茶しちゃダメだよ」

天行「今日はここで解散という形を取ります。皆さん、学校に遅れないように」

――町外れ

士「ったく……ここが俺の家か。あの野郎深夜になるまで長々と話しやがって」ガチャ

栄次郎「はいはい、いらっしゃーい」

ユウスケ「あれ? 士じゃん! いつの間に出かけてたんだ?」

夏海「全く気が付きませんでした」

士「確かに、家だ」

ユウスケ「それよりもう外行ってきたんだろ? ここはなんの世界なんだよ」

士「あまり良い所じゃなさそうだぞ。なんてったって戦争中の世界だからな」

ユウスケ「龍騎みたいな世界か?」

士「そんな簡単に済めばいいけどな。それじゃあ俺はまた出かける。明日の六時までには帰る」

夏海「そんな時間に帰ってきても誰も鍵開けてあげませんからね」

栄次郎「私が開けてあげるよ。六時だったら全然起きちゃってるからねぇ」

夏海「おじいちゃん! 士くんを甘やかしちゃダメですよ」

ユウスケ「それより士、何処いってくるんだ? その格好は? 学校の制服か?」

士「国のために戦ってくる。この世界での俺の役割は……学兵だ!」ビシッ

夏海「学……兵?」



――世界の破壊者、ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る。

――尚敬校校門

滝口「お~い! お前が噂の新入りだろ?」

士「なんだ、用事か?」

滝口「色々困ってると思ったからこの俺が案内とかしてやろうと思ったんだ!」

士「ふーん、心遣いには感謝するが俺の旅にガイドはいらない」

滝口「なっ、先輩の心遣いを無下にするってのか!」

士「お前、戦士だろ? なら俺と同じランクだ。先輩も後輩もあるか」

滝口「わかってねぇ、ホントわかってねぇよ。お前」フフン

士「何が言いたい?」

滝口「同じ地位でも先任の兵士の方が偉いんだぞ!」ドヤ

椎木「よかったねぇー、滝口。ようやく見下せる相手ができて」

士「何だこのチビ! いきなり現れやがったぞ」

椎木「チビじゃない! 僕は椎木、この小隊の整備士なんだぞ! 階級だってそこのゴーグルより偉いんだから!」

士「なるほど、お前俺が入る前はこの小隊の底辺だったのか」

滝口「て、ててて底辺じゃない! 戦士なら他にもいたぞ!」

椎木「あの人は小隊付き戦士だからわざと昇進しないの。昇進できないお前とは雲泥の差だね」

滝口「て、ってっめぇー!」

士「そして、滝口。俺はすぐに出世する。何故なら、俺のケリはミノタウロスをも砕くからだ。俺さえいれば人型戦車など不要だ」

滝口「な、なんですとー!?」

椎木「はは、嘘に決まってるじゃん。この人来瀬先輩より貧弱な体してるのにどうやってキックで中型幻獣を[ピーーー]っていうんだよ」

士「おい! 瀬戸内!」

のぞみ「よばれてるよ?」

瀬戸内「知らん……関わりたくない」


士「瀬戸内! お前が証人だろ、俺の撃墜記録の!」

瀬戸内「ハァー、そうだ! 確かにそこの馬鹿は素手でミノタウロスを撃破した」

滝口「ま、マジかよ」

士「いい機会だから俺の派閥に入れてやろうか? 仲間は嫌いだが手下や部下はいくらでも欲しい」

滝口「バ、馬鹿にするなぁ! 俺だって! 俺だってなぁ!」タッタッタッ

士「はっはっは、中々からかいがいのあるやつだ」

椎木「君よく見ると結構かっこいい顔してるね。僕が付き合ったげようか?」

士「面白い冗談だな。生憎故郷に恋人がいるんだ、間に合っている」

椎木「マジで!?」

士「さぁてな」

――1組教室

本間「お前ら! 昨日は授業途中で敵襲が来ちまったからな、俺の話も途中で終わっちまったわけだ」

士「あの教師、おかしくないか?」

瀬戸内「ちったぁ黙ってるってことができねぇのかお前さんは。ったく、来瀬とは大違いだな」

本間「瀬戸内ィ! そんなに俺の話が退屈か!」

瀬戸内「いえ! 持病のひとりごとです!」

士「はっはっは、お前中々危ないやつだな」

瀬戸内(おぼえてろよ~)

本間「最後に、一言言わせてもらう」

本間「ようこそ、最低で、最悪の戦車小隊へ。歓迎する」

本間「死ぬなよ、生き残れ」

士「なるほど、だいたいわかった」

――昼休み

瀬戸内「と、いうわけでさ。俺と一緒に昼でも」

士「おい瀬戸内。金貸してくれ」

瀬戸内「あん? なんで俺が」

壬生菜「あの、林さんに呼ばれたので失礼しますね」

瀬戸内「えっ! ちょっと!」

瀬戸内(おのれ~)

天行「門矢くん。昼ごはんの前に2組に行ってください。整備班長が用事だそうです」

士「ああ」

滝口「おい! 司令に対してなんだよその口の聞き方は!」

天行「いいのです!」

滝口「でも~」

天行「それより滝口くん、二番機にはいつ乗れそうですか?」

滝口「うげぇっ……。まだ、軽い頭痛と腹痛が続いてます……不調です」

天行「わかりました。もう少し待ちましょう、よく休んでください」

士(あいつ……)

――2組

士「邪魔するぜ」ガラガラ

春「来たわね、私は春。春真琴よ、この小隊の整備主任をしているの」

士「他の連中と違って少しは礼儀がなってるらしいな。俺は門矢士、旅人だ」

春「あら、話しに聞くよりは礼儀正しいのね」

士「人によるだけだ」

春「何? 誘ってるの?」

士「俺に釣られてみるか?」

春「いえ、今はそんな状況じゃないわ」

士「ふむ……」

春「あなたのウォードレスについて聞きたいの」

士「ウォードレス……ああ、なるほどな」

春「なんでも一瞬で装着できる上にかなりの性能を持っているとか」

士「データを取りたいのか?」

春「そうね、協力してもらえるかしら」

士「遠慮してもらおうか、コイツを弄くり回されるのは御免被りたい」

春「そう、残念だわ」

士「ああ、失礼するぜ」

春「本当に、ね!」

若光「だああああああっ!」ドンッ

士「ぐああっ!?」

タックルを受ける士

若光「悪く思うなよ! 春さんからの願いだからな。俺はスカウトの若光康輝戦士、お前の同僚にして小隊付き戦士だ!」

士「噂の小隊付き戦士か。いいぜ、タックルのお礼、百倍にして返してやる」ブォン

狩場「ダメだ!」

士「あん?」

狩場「変身したら思う壺だ!」

春「狩場くん! 面白いことをするのね!」

若光「貴様ぁっ!」

狩場「小隊付き戦士は下半身が動かない人間にも攻撃するんですか!」

若光「減らず口をっ!」

狩場「天行さんから彼を連れてくるように言われました。文句はないですよね?」

春「上司へのこの仕打ち。高く付くわよ」

狩場「僕は天行さんに言われて動いただけです」

春「利口ね。行きなさい」

――プレハブ校舎前

狩場「危ないところだったね。でも助かったよ、僕は階段を登り降りできないんだ」

士「事前に行ってくれれば滝口あたりに手伝わせたものを」

狩場「声掛けた所であの滝口くんが手伝ってくれるかなぁ?」

士「どういうことだ?」

狩場「ごめん、気にしないで」

士「ああ。それにしても、どうやら敵は幻獣ってやつだけじゃないらしいな」

狩場「そうはいったって彼らの敵も幻獣なんだ。うまくやっていくしか無い」

士「まるで自分は違うみたいな言い方するんだな」

狩場「そう、聞こえたかい? でも僕も幻獣は人類の敵だと思っている」

士「ほう」

狩場「僕は狩場、整備士をやっているんだ」

士「整備主任は直属の上司ってわけか」

狩場「関係ないよ。僕は、春さんのやり方、好きじゃない」

士「誰が効いてるかわからないぞ?」

狩場「構いませんよ。誰がこれ以上、僕を不幸にできるっていうんですか……」

士「で、俺は天行のところに行けばいいのか?」

狩場「あれは僕の方便。じゃあ、僕はそろそろ行くよ。長い間離れてると佐藤がうるさいんだ」キュルキュルキュル

士(あいつ、なんで変身のことを知っていたんだ?)

滝口「おーい! いたいたっ!」

士「なんだ、また弄られに来たのか?」

滝口「ちげーよ! お前、金無いとか言ってただろ? これ、やる」

士はやきそばパンを手に入れた

士「ほう、褒めて使わすぜ」

滝口「それやめろ、俺は普通にお前との親交を深めにきたんだ」

士「ほー。まぁいい、頂くぜ」モグモグ

赤木「親交を深めるだって?」

滝口「赤木か。なんか文句でもあるのかよ」

赤木「いや、小隊のお荷物が随分面白いことを言うなと思ってさ」

滝口「テメーだって無職だろうが!」

赤木「僕は千翼長だぞ? 何もしなくても生きていけるんだよ」

士「どれくらい偉いんだ?」

赤木「よくぞ聞いてくれた。ざっと君の3つ分は上かな。どうだい?」

士「頑張ってるんだな」

赤木「僕のママンはちょっと軍に顔が利くんだ。よってその息子である僕の発言力は……かなり高い」

滝口「しょせん七光りじゃねぇか。実力じゃない」

赤木「実力も七光りも無い君に比べたら随分マシなんじゃないかな。門矢、わかっただろう?」

士「何がだ?」

赤木「どっちに着いたほうが君のためになるかってことさ。僕のもとに着いてくれた暁には十翼長のポストを明日の朝会までに用意するよ?」

士「俺は誰のもとにもつかない。滝口は俺の部下だ」

滝口「だから俺のほうが先輩じゃん!」

士「それに……コイツには二番機とやらがある。そうすればコイツを無職と呼ぶものは誰もいなくなるよな?」

滝口「え……?」

赤木「ククク……はーっははっはー!」

士「何が面白い?」

赤木「それ本気で言ってるのかい? 滝口は戦車兵にはなれない! なんてったって彼が戦車に載ってる姿を見たものは誰も居ないしね」

滝口「くぅっ……」

士「なぁるほど」

赤木「ま、すぐに現実を知ることになるよ。僕のもとに下る気になったらいつでも言ってくれたまえ」

滝口「一人に……してくれ」

士「勝手に何処へでも行けばいいだろ?」

滝口「なんだよそれ!? なんかねぇのかよ! さんざん先輩ぶったんだぞ。失望したとか! 思ってんだろ!」

士「いや、別に」

滝口「へ?」

士「俺は他人の力なんかアテにしちゃいない。俺一人でも、この世界の敵を破壊してやるさ」

滝口「わけわかんねぇよ!」ダッ

――放課後

士「学兵って言ってもやることは学生とそんなに変わらないのか、にしても滝口のやつサボりやがったな」

士「まぁ俺には関係ない。適当にブラつくか」

天行「門矢くん。ちょっといいですか?」

士「ああ、言え」

天行「契約上、君はこの時間に何をしてもらっても構いません。ですが、くれぐれも他の人の邪魔にならないよう」

士「ああ、学校の外に出てれば問題はないだろう?」


速瀬「あの二人、何を話してたんだろ?」

愛「さてな。私は訓練に出るぞ」

愛(あいつは本当に父の話していた世界の破壊者なのか? 昨日聞いたあの声も奴が世界を破壊すると言っていた)

速瀬「あれ? テントで機体の整備じゃないの?」

愛(いずれにせよ、確かめねば私の気が済まぬ!)

愛「今日は気が変わった。三番機のことは任せたぞ」タッタッタッ

速瀬「う、うん。変なの」

佐藤「そういや速瀬、さっきセンセがめっちゃ怖い顔で速瀬のこと睨んどったで、なんかしたんか?」

速瀬「本間先生にね、この間怒られたんだ…。この間、射撃でわざと外したろうって」

佐藤「なんでそんなことしたんや?」

速瀬「僕が撃ったら犬に当たっちゃうところだったんだよ」

佐藤「ほーん、ま、テキトーに謝ればええんちゃう。ほな、あたしは仕事行くわ」

速瀬「僕が、謝らなくちゃいけないのか」ボソッ

――味のれん

士「小腹がすいたな、なにか食うか」

栄次郎「らっしゃい!」

士「!? なんだってじいさんがこんなところに?」

栄次郎「ここの親父さんとは知り合いでねぇ、ちょっと店番を頼まれたんだよ」

士「まぁいいや、アップルパイをくれ」

栄次郎「士くんは、先払いで頼むよ」

士「つけといてくれ」

栄次郎「構わないけど、ちゃんと払わないならこの店で皿洗いをやらせるからね」

士「わーってるよ」

栄次郎「はい、お待ち」

士「なかなか美味そうじゃないか」

士「ふぅ、食ったなぁ」

栄次郎「どうだい? 学校の方は?」

士「まぁまぁだ。それより、あのゲーム、勝手に遊んでいいのか?」

栄次郎「ああ、いいんじゃないかな」

士「精霊、機動弾か……」

――尚敬校校門

士「なかなか面白かったな」

士の技能が変化 狙撃1→3

愛「見つけたぞ! ディケイド!」

士「あん? 昨日ロボットに乗ってた女か?」

愛「貴様、龍を倒した後は世界を滅ぼすらしいな」

士「また言いがかりか……」

愛「認めぬ、貴様のようなものがヒーローなどであるものか!」

士「ヒーロー? 俺はどちらかと言えば破壊者だ」

愛「わけのわからぬことを!」シュッ

士「ぐあっ! いい右もってるじゃないか!」シュン!

愛「当たらぬな! 昨日の姿になったらどうだ?」

士「馬鹿にしやがって!」シュッ!

愛「喰らわぬわっ!」バキッ

士「てめぇ……挑発に乗ってやるよ!」ブォン!

愛「ようやくその気になったか!」

士「変身!」

【KAMEN RIDE】カメンライド

【MASKED RIDER DECADE】ディケーイド

ディケイド「行くぜ!」

――物陰

石井「あれは……?」

滝口「何見てんだ? ってあいつ!」

石井「禍々しいものを感じる……わ」

滝口「カッコイイ! なんだよあれ!」

石井「門矢が、あの姿になった……の」

滝口「すっげー! 変身ヒーローってことかよ!」


愛「貴様にこの世界は破壊させぬ!」

ディケイド「何を勘違いしてるかしらんが、通りすがらせてもらうぜ」ブォンッ!

【KAMEN RIDE】カメンライド

【MASKED RIDER FAIZ】ファーイズ

Dファイズ「覚悟はいいか?」

愛「姿が……変わった?」

トォゥーン ガシャン!

to be continued……

次回、仮面ライダーディケイド!

「貴様! 何故戦わぬ!」

   「201v1、201v1。全兵員は現時点をもって作業を放棄、可能な限り速やかに教室に集合せよ」

「……そろそろ、生き方を変えようかな」

   「何故、俺を助けた?」

「チクショー! なんで俺はこんな時だってのに!」

   「ディケイドを量産できればこの戦況はひっくり返るわ」

「だいたい分かった。幻獣を300体倒せばいいんだろ?」

次回『3月7日』
――全てを破壊し、全てを繋げ!

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