店員「魔王を倒しにいくバイトの時給が5000円らしいのだ」(33)

~とあるコンビニ~

テーレッテッテーレッテー♪テーレッテッテッテー♪

店員「しゃっせ~」ガサゴソ

??「お前がこのコンビーニエンスストアの店員か?」ギロッ

店員「え?…あ、はい…そすけど…」(何かこええ…)

??「とりあえず、この紙を見ておけ」バンッ!!

??「……それでは帰る」スタスタ

テーレッテッテーレッテー♪テーレッテッテッテー♪

店員「え・・・?」

バイト娘「……店員さん?」

店員「おお、、バイト娘ちゃん、、」

バイト娘「今の人って?」

店員「さ、さあね?変わった人なのかなぁ?」アセアセ

バイト娘「この紙は?」ペラッ

店員「あ、その変な人が置いてったやつだよ…」アー

書いてもよろしいか・・・?

バイト娘「ん~・・・」

バイト娘「ん!?」

店員「ん、んん?どれどれ?」ズイッ

バイト娘「近すぎです。気持ち悪い」

店員「・・・」

バイト娘「これ、バイトのチラシみたいなんですけど、時給5000円みたいです」

店員「え?」

バイト娘「どう思います?」

店員「なんというか、アヤシ過ぎる気がする」

バイト娘「ですよね~」

バイト娘「・・・」

バイト娘「・・・バイト変えよっかな~なんて」

店員「ええっ!?」

バイト娘「だってこれ、ゲームのデバッガーの募集みたいですよ?」

店員「それバイト?」

バイト娘「はい」ピラッ

店員「あ、ありがと・・・」

店員「・・・あなたにもできる簡単なバイトか」

店員「魔王を倒すまでがバイトで、魔王倒したら特別報酬って」

バイト娘「ゲームのデバッガーなら、私ゲーム好きですし、いいかなって」

店員「本当だ。それっぽいこと書いてある」

バイト娘「ちょっと店長に聞いてきます!」

店員「え!?それって辞めること?」

バイト娘「そうですけど」

店員「あ、うん・・・」

>>3です
まだ大雑把なんで遅漏だけど許して

店長「・・・」カチャカチャ

バイト娘「あのー店長」

店長「ん?どうした」

バイト娘「その、今月いっぱいでバイト辞めさせてもらえませんか?」

店長「ほう、急な話だな」

店長「今月いっぱいといえば後3日だが・・・余程急な事情があるのだな」

バイト娘「・・・あ!でもそういう訳じゃないんですけど」

店長「ふむ、まぁいい目星はついた」

店長「後ろに店員も居るから、大方二人揃って寿退社ということだろう」

バイト娘「は?」

店員「えっ」

バイト娘「な、なんで店員さんがここに居るんですか!」

店員「い、いや、ちょっと気になって・・・」

店長「ほう。そこまで狼狽えるところを見るに、私には知られたくなかった・・・と」

店長「私への配慮など不要なのに。少々歳を重ねてはいるがまだ運命を信じて止まないぞ」

バイト娘「店長が独身だと初めて知ったんですけど・・・」

バイト娘「そ、それはともかく、別に店員さんとどうこうで辞める訳じゃないです!」

店員「そ、そうなんですよ!店長!」

バイト娘「私こんなへなちょこな人よりいい人知ってますもん」

店員「そ、それは言い過ぎ・・・」

店長「ん・・・そうか。私の思い過ごしだったか。すまなかったな」

店長「確かに店員は接客に関してはへなちょこだ。否定できない」

店員「店長!」

店長「しかしこれでは話が振り出しに戻ってしまうな」

店長「結局二人して辞めようとしている理由がわからないのだが」

バイト娘(あ・・・まだ少し勘違いしてる・・・)

店員「自分は辞めないですから!」

店長「じゃあその手の紙はなんだ?辞表ではないのか?」

店員「辞表じゃなくって・・・」ピラッ

店長「ん・・・?」

店長「なるほど、鞍替えしたいということか」

バイト娘「はい・・・」

店長「おい、便乗させて貰えないだろうか?」

バイト娘「え!?」

店員「な、何言ってるんですか!」

店長「時給5000円だぞ?素晴らしい!」

店長「ぶっちゃけてしまうと、この店長という職は安月給の分際で色々負担が多くてな」

店長「割に合わんと思っていた所だ」

店員「でも店長が辞めるとなるとこの店・・・」

店長「オーナーに話をつければどうにかなるさ」

店長「だって私は特別だからな」

店員「特別・・・?」

バイト娘「ですか?」

店長「私は働かせるより働きたいんだよ。あと婚活の軍資金も欲しい」

店員「婚活ってお金かかるんですか・・・」

店長「ん?キミが養ってくれるなら私は一向に構わないが?」

店員「店長冷静に!話に脈絡がなくなってきてます!」

店長「おっ・・・と、すまない。キミをもらおうなどとは迂闊だったな」

店員「いや・・・何だかそれはそれで複雑・・・」

店長「まぁしかし採用されれば二週間後には新しい仕事だ」

店長「キミとは一年程の付き合いだったが、これからはすぐに配属されるだろう新店長の元でよくやることだ」

店員「え、えぇ・・・」

店長「バイト娘は辞める手続きをしておこう。採用されるといいな」

バイト娘「はい!」

店長「うん、よし。ではこの話はここまでとして・・・」

店長「店番は誰がしているんだ?」

店員・バイト娘「「あっ・・・」」



客「ふ、ふえぇ・・・店員さんどこぉ・・・?」

~二週間後~

メガネ「・・・ここだな。私の今回の働き口は」

メガネ「小汚いビルの3階。日当たりは最悪。人が居るのかも怪しいくらいだが・・・」

女「あ、店長~!」パタパタ

メガネ「ん、バイト娘か。久しいな」

女「こちらこそです!受かってよかったぁ~」

メガネ「私もいい道連れが出来たと安心しているよ」

メガネ「なぜなら、仕事の内容は殆どわかっていない。チラシに載っていた情報も大概嘘っぱちだ」

メガネ「おまけに時給5000円。怪しさ満点じゃないか」

女「え・・・?そうだったんですか・・・?」

男「えっ、ホントですかそれ・・・」

女「うわっ!」

メガネ「なんだ店員か。あいも変わらず存在感の薄い男だ」

女「び、びっくりしたー・・・」

男「そこまで驚かれるのは心外なんだけど・・・」

男「と、というか、これ来るとこ間違えたかな・・・」

メガネ「バイトの場所はここだが?」

男「い、いや、そういうわけじゃなくってですね」

男「そういう事聞くと、何というか後悔が、ちょっと・・・」

女「私も・・・」

メガネ「相変わらず仲のいい奴らだな。バイト辞めても会ってたりしていたのか?」

男「や、辞めて以来で久しぶりですよ!会うの!」

女「ありえませんから!」

男「あっ、うん・・・そうだよね。ありえないよね・・・」

メガネ「ま、ビビる気持ちはわからなくもない。バックレるなら今のうちだぞ」

男「バックレる・・・」チラッ

女「いや、私見られても困るよ」

男「ごめんなさい」

女「私、店長が居るなら大丈夫だと思うんで」

女「店長がバックレるなら私もバックレます!」

男「どういう理屈なんだろう」

メガネ「そうか。店員はどうだ?」

男「・・・一人で帰るのもアレなので」

メガネ「素直じゃない奴だな。バイト娘と居たいといえばいいのに」

男「あの、そういう話振られる度に自分痛い思いするんで止めて・・・」

コンコンッ

メガネ「・・・」

女「・・・」

男「・・・」

ガチャ

グラサン「ん?主らどちらさん?」

男(・・・すごくヤのつく人みたいなルックスだ)

女(アロハシャツに下駄だ。よくわかんないけどこの人にピッタリな気がする・・・)

メガネ「こんにちは。私達は仕事の召集を受けてここに来たのですが」

グラサン「おーおうおう。入り入り」カランカラン

三人「「「失礼しまーす」」」

グラサン「ん、ほれじゃ早速やってもらおうかね」

男「えっ・・・?説明は・・・」

グラサン「いらんやろ。いらん。言わんでもわかるがな」

グラサン「デバッガーがどんな仕事するかくらい知っとるやろ。われはワイハ行く準備で忙しいんや」

女「あ、ハワイに行くんですか」

グラサン「おう。久々の休みやからな」

グラサン「ほんだらそこの紙読んでやっとけや」

メガネ「わかりました」

グラサン「あーあー、うん、そういやぁな、そこのメガネ」

メガネ「はい、何でしょうか?」

グラサン「聞いとるで」

メガネ「・・・」

グラサン「ま、期待しとるわ」

グラサン「あああいかん飛行機遅れちゃう」カランカラン

バタン

メガネ「・・・」

女「あー、行っちゃった・・・」

男「店長」

メガネ「・・・ん?」

男「これって引き受けちゃって・・・大丈夫ですか?」

メガネ「この紙見てみないことには何ともな。とりあえず内容を確認するか」

女「これどういうことなんだろ」

男「プレイしながらバランスやバグ等の修正・・・?」

メガネ「そのまんまの意味だろう」

メガネ「実体験型のゲームか・・・すごい技術だな」

男「あ、あのおっちゃんが作ったみたいですよ」

女「始める時はそこのドラム缶みたいなのに入ればいいのかな」

メガネ「そうだな。入るか?」

男「い、いや・・・もうここまできたなら入っちゃいますけど」

メガネ「そうか、ではお前達が先に入れ。私が入った後に同じ所に入るかもしれないからな」

女「あはは!店長冗談きついですよお~」

男「あはは・・・何だか冗談抜きで胃が痛くなってきた・・・」

メガネ「あ、そうそう。入る前にストーリーの確認は要るか?」

女「おねがいしますー」

男「ざっくりでいいので」

メガネ「そうかそうか。まぁなんか奪われたお宝を取り返す的なアレだ。いくぞー」ガチャ

女「はーい」ガチャ

バタン

男「・・・」

男「えっ、今のが確認・・・?」

メガネ『ん、これが起動画面か』ポチポチ

男「ちょ、ちょっとまってくださいよ!」ガチャ バタン

メガネ『あん?なんだ、今入ったのか』

男『確認があんなに短いとは思わなくて・・・』

メガネ『君がざっくりって言ったじゃないか』

男『い、いえ、思いの外大胆に切ったなと・・・』

メガネ『まあな。婚活もこれくらい大胆でないとやっていけないからな』ポチポチ

男『・・・大変、なんですね・・・』

メガネ『後もう少しでコード入力が終わるからな!バイト娘!』ポチポチ

女『デバッグモードの起動コードですよね!待ってますー』

男『・・・なんかすみません』

メガネ『何か言いましたか?』ポチポチ

男『独り言です』

メガネ『そうか・・・っと。入力完了』

メガネ『起動だ!』ポチッ


――デバッグモード、起動――

パアアァッ



?「こんにちはー!」フワッ

メガネ「んん?」

女「あ、店長!」

男「あれ・・・?小部屋にいたのに・・・」

メガネ「おお、皆いるようだな」

?「こんにちはー!!」フワフワ

メガネ「起動はできたな。ということは・・・ん?」

女「どうしたんですか?」

メガネ「デバッグモード用の操作パネルがあるとか紙に書いてあったんだが・・・」キョロキョロ

男「そ、それなら、あたり一面真っ青な部屋だから、あったらすぐに見つかると・・・」キョロキョロ

?「こんにちはー!!!」フワフワ

メガネ「やかましいな君は!」

ガッシ

メガネ「探し物をしている時に大声を」

?「音量はレベル3に設定されました!!!」

メガネ「は?」

女「ひゃ!?」

?「なお!!音量の変更はこちらの操作パネルのオプションから変更できますので!!!」

?「このパネルのオプションの欄をひらいtむぐもぐ」モガモガ

メガネ「店員、音量レベルを1にしてくれ」

男「はいはい」

ポチポチ ピッ

?「もご・・・ぷはっ」

?「けほっ、こほっ。音量レベルが1に設定されました~」

女「耳がまだキンキンする・・・」

メガネ「おい・・・何だ今のは」

?「ご質問ですか?」

メガネ「今のは何だと言っている」

?「初期設定です。本来ならばチュートリアルをプレイしていく中で自動調節されるのですけど」

?「デバッグモードですので告知をさせていただきました」

?「他にも、音声受信設定等あるので、その度に告知させていただきます~」

女「ちなみに音量は何レベルまで?」

?「レベル10が最高です」

メガネ「鼓膜がやぶけるぞ・・・」

メガネ「そしてこういう所まで見て回らなければいけないのか・・・面倒だな」

男「仕事ですから・・・」

メガネ「わかっている。では次の設定にいこうか」

?「はい、それでは~・・・」

?「これにて設定は完了となります~」

女「ふー・・・」

男「なんだか疲れた・・・」

メガネ「なるほど。これだけ七面倒くさいからバイトを雇うわけだな」

?「では、先ほど職選択が終わりましたので、初期装備を支給いたします」

?「魔法使い様にはこれを」

女「はいはーい」

?「弓使い様にはこれを」

男「あ、どうも」

?「クリエイター様にはこれを」

メガネ「・・・おい」

?「何かご質問ですか?」

メガネ「私の職選択欄にはクリエイターしかなかったぞ」

女「えっ、6種類くらいありましたよ?」

男「あと・・・クリエイターは無かったような・・・?」

?「デバッグモードでは親機に入った方は自動的にクリエイターという職に設定されるんです」

メガネ「聞いてないぞ!あのグラサンめ・・・」

?「支給されたパソコンからは、音声データの書き換えなどが行えますので」

?「不備があれば、修正や報告などを行ってくださ~い」

?「デバッグモード内でやってもらう事もわかりますので、是非ご一読を!」

メガネ「面倒そうだな」

メガネ「不備の発見あたりは君達にやってもらおうか。任せたぞ」

女「はい!」

?「それでは、チュートリアルへご案内しま~す」



パアアァ・・・

パアアァ・・・



男「ん・・・?」

メガネ「なんだ、綺麗な森だな」

女「へえー、なんだか癒されますねー・・・」

メガネ「よし、それじゃあやることの確認でも」

タッタッタッタッ

??「ん!?おい、おまえら!別の隊の奴らか!?」

メガネ「別の隊・・・?」

男「ど、どちらさま・・・?」

??「だークソっ!戦えるみてぇだからこっちこいや!」ガッシ

男「えっ、ちょっ!」

??「一刻を争うんだよ!走れ!」グイグイ

男「うわわわ!て、店長ーー・・・」

タッタッタッタッ・・・


メガネ「・・・」

女「・・・」

メガネ「・・・あー、なんだ、ストーリー的にはついていかなければいけないようだな」

メガネ「マップによると、この先には世界樹があるらしいが・・・」

女「行ってみます?」

メガネ「そうだな。店員が拉致されたままなのもアレだからな」

メガネ「私達は不具合が無いか確認しつつゆっくり行こうか」

女「そうですね!」

[世界樹:内部]

??「ハァ・・・ハァ・・・クソっ・・・!奴ら全然見当たらねぇっ・・・!」

男「っく・・・ちょっとまって・・・」

男「あなた・・・いったい誰なんですか・・・」

??「あ゙?俺はクリスタル守衛隊隊長だ!」

隊長「んなこたいいからさっさと賊を追うぞ!」ダッ

男「だ、だからちょっとまってくだs」

サッ グサッ

隊長「うぐっ!?!?」

男「!?」

ドサッ

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