裸の王妃さま (61)

とあるお城の一室


王妃「んっ…王様ぁっ!」

王「あぁ…王妃、愛しているぞ!…っ!」

……

チュンチュン



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王「…なぁ、王妃よ」

王妃「はい?」

王「俺たちは昨夜…その…なんだ…夫婦の営みをしたんだよな?」

王妃「えっ?えぇ…改めて口にすると恥ずかしいですが…王様はとても逞しくて…」ポッ

王「あ…あぁ…王妃もとても可愛かったんだが…」

王「結婚してから何度かしてるのに…なんで王妃は服を着たままなんだ?」

王妃「えっ?」

王「え?」

王妃「裸に…ならないとダメですか?」

王「そりゃ…裸になってするのが一般的じゃ…」

王妃「そ、そんな…恥ずかしいですっ!」ダダダッ
王「あっ!?行っちゃった…」

執務室

王「大臣よ」

大臣「何です?」

王「王妃の服を脱がしたい…」

大臣「……おーい、近衛兵よ。王様は御乱心だ!押し込めておけ!」

王「まて、おれはしょうきだ」

大臣「なおヤバイですね。この国も終わりか…」

王「だから真面目な話なんだって…
王妃がさぁ、俺の前で脱いでくれないんだよ」

大臣「はぁ…ご結婚されてからけっこう経ちますよね?夜の生活とか全然無いのですか?」

王「いや、シテることはシテるんだが…」




大臣「…?」

王「回想シーン入ると思った?残念、説明だけです」

大臣「別にいいですよ。王様のベッドシーンとか見たくないですし…」

大臣「で、やることはやってるのに、服を着たままなんですか?」

王「うん、結果的に着衣プレイ」

大臣「プレイゆーなや…」

王「王妃ってば、ベッドの上なのにカッチリ着込んでてさ…
ドレスの下には着けてないみたいだけど…王妃が騎乗位で俺のを突っ込んで終わり…かな」

大臣「それは…ちょっとさびしいですな…
王妃様は普段は、おやさしく美しい方でいらっしゃるのに…」

王「そうそう…『政略結婚でも王様のもとに嫁げてよかった』って抱きついてきてくれるのになぁ…
なぜか肌は許してくれないっていうか…」

大臣「一線は越えてるのに『肌を許さない』って変な表現ですね」

王「まぁな」

王「というわけで、王妃を裸にしたい」

大臣「えー」

王「手っ取り早いのは力ずくでひん剥いて…」


王妃「王様…こちらにいらっしゃいましたか…」

王「お、王妃…」

王妃「侍女たちに教えてもらってお菓子を作りました。執務の合間にお召し上がりください。お口にあうといいんですけど…」

王「あ、あぁ、頂くとしよう。なに、王妃が作ったものなら美味しいさ」

王妃「ところで…大臣殿と何のご相談ですか?」

王「!?」

大臣「王妃さま…実は…」

大臣「実は、王様が王妃様の、は…」

王「おおっと!手が滑って執務につかっている羽ペンを投げてしまったぁ」

サク!

大臣「ぎゃあっ!」

王妃「あっ、大臣殿のお尻に羽ペンが刺さって…大丈夫でしょうか?」

王「いやぁ、ごめんごめん大臣。でも一番ダメージの少ない部分でよかった。頭に当たったら臨時代走だったよ」

王妃「? ところで私の、は?がどうしましたか?」

王「いやぁ、王妃の歯が虫歯になってないか気になってな…
甘いもの食べ過ぎちゃダメだぞ…なーんて」ハハハ

王妃「ハッ…」

王「?」

王妃「王様、ご立派です。国民が一生懸命働いているのに、上に立つ私達が甘味を貪っていていいのか…と、そう諭してくださるのですね!」

王「え?」

王妃「しかも押し付けるのではなく、私の健康(歯)をさりげなく気遣うなんて…
私、目が覚めました!今の私に必要なのは、お菓子作りではありませんでしたね。
私、王様に相応しい王妃になって見せます!見ていてくださいね!」ニッコリ

王「お、おう…」

王妃「では失礼いたします」

王「行ってしまった、まぁ何とかごまかせたか」


大臣「王妃様…やはりお美しいだけでなくご立派な方だ」

王「いいだろう?俺の嫁なんだぜ」

大臣「そんな女性を力ずくで裸にしようとする人が、この国の王様なんて…」

王「まるで人を性犯罪者みたいに言うなよ。って、確かに王妃を怖がらせるのはよくないな」

大臣「歴史書に記されたらとんだ暴君ですな」

王「あーもう!なし、なし!この作戦は無しだ!」

別の日

王「おい、大臣、見ろ!」

大臣「何です?」

王「この本だよ!『はだかの王様』…」

大臣「あぁ、その本ですか…
確か、有名だけど半裸の画家が全国を旅して、最後に宮廷画家になったうえ王位を簒奪する話でしたっけ?」

王「そりゃ『はだかの大将』だ…
って、それにしたって前半しかあってないじゃないか!何だよ、後半の下剋上!?」

大臣「冗談ですよ。皆が空気読んで国の象徴である王様の威厳を保ってるのに、空気を読まないガキがすべてを台なしにする話ですよね。
ああいう何も考えない子供が国家の未来を暗くするんですよ…」

王「違うよ!何、その社会風刺みたいな話は!?」

王「そうじゃなくてだな…王妃に“馬鹿には見えない服”をプレゼントするんだ。それを俺の前でだけ着てもらえば…」

大臣「そう上手くいきますかねぇ…」

王(よし、さっそく今夜にでも作戦開始だ。
他の奴らに王妃の裸を見せるわけにはいかないからな…ふたりきりの時がいい)

王妃 私室

王「王妃よ、いいかな?」

王妃「あら王様?どうなさいました?」

王「実はな、今日は君にプレゼントがある…」

王妃「まぁ!とても嬉しいです!いったい何かしら…」

王「いやー、素敵な服が手に入ってな…是非王妃に着てもらいたくて…」

王妃「わぁ、嬉しい!
王様からの愛のプレゼントだ、って侍女達に自慢しちゃおうかしら。えへ…」

王「い、いやまて。私以外には見せないでほしい!」

王妃「へ?」

王「あ…いや…美しく着飾った王妃を見て、よからぬことを考える輩がいるかもしれないからな…」

王妃「………?」


王妃「はっ!?…もしかして、王様…まさか…」ジーッ

王「」ギクッ

王妃「王様ッ」

王「はいぃぃ」

王妃「つまり、皆の前では華美な衣装は控え、質素を旨とせよ、ということですね。」

王「えっ?」

王妃「確かに上に立つ者には威厳は必要かもしれませんが、不必要に豪奢な装束は反感をかいますものね」

王「えっ?あっ…いやぁ……」

王「そ、そうなんだ。わかってくれるかい?王妃よ…」

王妃「王様は民の心をよく存じていらっしゃるのですね。王様は私の自慢の旦那様ですっ!」

王「は、はは…照れるなぁ…
では、改めて王妃への贈り物を…」パカッ

王妃「え?(空っぽ?)」

王「ふふふ、見てくれ、素晴らしいだろう?」
(ふふ、本当は空っぽなんだけど、まるで実在するように見せなきゃ)

王妃「…?」

王「おや、どうしたんだい?それは愚か者には見えない布で作られているんだが、王妃ならみえるだろう?」

王妃「え…」

王「さぁ!着てみてくれないか?王妃にはとても似合うと思うんだ」

王妃「王様…」

王「ん?」

王妃「残念ですが、私にはこの服を着ることはできません。」

王「な、何を言うんだ。王妃が愚か者なわけないだろう。この服だって見えているはずだ…」

王妃「いいえ…見るどころか…」

スカッ スカッ

王妃「ほら、王様はこの服を持つことができますが…私は触れることすらできません」

王妃「こんな愚か者の私が妃では、王様もご満足されないかもしれませんが…」

王「いや、そんなことは…」

王妃「どうか私のことをお捨てにならないでください…
私には…王様しかいないのです…」ウワメヅカイ

王「王妃…」キュン

そして執務室


王「いやー王妃は可愛いなぁ」

大臣「…で、見えない服作戦は上手くいったのですか?」

王「あっ……!」



王妃「王様…それでは上から失礼します…」

王「あぁ…」(また、服を着たままなんだよなぁ)





王妃「はぁ…はぁ…王様…素敵でした…」

王「う、うん、良かったよ、王妃。ところで、かなり体がほてっているみたいだけど、服…脱がないの?」

王妃「ごめん…なさい…王様にお見せできる体ではないのです…」

王「そんな…」

別の日

王「うーん…何故王妃は頑なに裸になるのを拒むのか…」

大臣「もしかしたら…」

王「ん」

大臣「王妃様は実は男だったとか…」

王「そんなわけないだろう…着たままとはいえ、セックスまでしてるんだぞ」

大臣「ちゃんと王妃様の女性の部分まで確かめましたかな?」

王「いや…いつもは王妃のスカートで隠れちまうから…」

大臣「…」

王「ばかやろう!そんなことあるわけねーだろ!二度とそんな妄言を口にするな!!」

大臣「…ははっ」

浴場

王「くっ…こうなったら…王妃が裸になるところを覗いてやる。たしかこの時間にいつも入浴していたはず…」

王「周りに侍女が見張っているが、浴室には王妃一人だな…」

王「こんなこともあろうかと、脱衣場所の天井裏に秘密の抜け穴を作っておいてよかった…
ここから覗き放題なんだよなぁ、デュフフ…」

王(おっ…いい具合に脱衣室に王妃が入ってきた…)

王(しっかし…じぶんの妻を覗くとは、俺相当変態だな)


王妃「……」シュルシュル

王(おぉ!脱ぎ始め…ん?)

王妃「……」ピタ

王(?)

王妃「王様…そこにいらっしゃるんでしょう?」

王(なっ…!?)

王妃「くすっ…そんなところで覗き見までして…
そこまでして私を求めてもらえるの、嬉しいです」


王妃「でも…」


王妃「きっと私のこの体を見たら……嫌われてしまいます…」

王妃「私は、王様に嫌われるのは…何よりも恐ろしいんです…」

王「そんな…」

王妃「ごめんなさい…失礼します」スタスタ

侍女「あれっ?王妃様?お風呂は…?」

王妃「ごめんなさい、ちょっと気分が悪くなって…入浴は控えます」

侍女「ええっ…大変!?」



王「王妃…」

執務室

王「うーむ…あれ以降、王妃はさらにガードが固くなってしまった…」

大臣「覗きが発覚しても、まだ慕ってくださるならいいじゃないですか…
子作りだって出来ないわけじゃないでしょう?」

王「お前…そんな…“産む機械”みたいな言い方…」

大臣「王様の立場ではお世継ぎを作るのも必要なことですよ」

王「しかしなー」

大臣「ところで…肝心の王妃様はどうされたんです?」

王「ん?気分転換でもしてもらおうと思って、侍女たちと城外へ出かけることを許可したから…街で買い物でもしているだろうな」

バタン!!

侍女「申し上げます!!」

大臣「な、なんだ?何事だ!」

侍女「王妃様が…お忍びで買い物をされていた王妃様がぁ…」

王「何だ!どうした?王妃に何があったっ!?」

侍女「と、突然、店を襲った反乱分子に…人質に取られて…」

王「!?」

大臣「は、反乱分子だと?王妃様が人質?」

侍女「申し訳ございませんー。王妃様は、他の人達や私達を安全に逃がすために御みずから人質になるってぇ…ひっく、ぐすっ」

王「……わかった」

大臣「王様…」

王「大臣…この国に大きな反乱組織が存在、活動しているという話は聞かないよな?」

大臣「は、はい…王様は正直言って変人と思われてますけど、国民の不満は少なく、治安は良い傾向のはずです!」

王「侍女、奴らを何故反乱分子だと判断した?」

侍女「あいつら…自分で『世の中を変えるのは自分達だから軍資金を用意する。俺達はこの国に反乱を起こす』って…」

大臣「むぅ…それでは宣戦布告ではないか!そんな奴らの手に王妃様が…」

王「落ち着け!一国に反乱を起こすやつらが軍資金集めから派手に動くか?」

侍女「え?」

王「ただの少人数の強盗だ!」

ダダダッ

大臣「ちょっ!?王様?」

たてこもり現場

兵士「犯人グループは小規模だが、人質をとっている。迂闊には手を出せん…」

民「そんな…あそこには私達を助けてくれた女性が捕まってるんだ。我々の代わりに人質になって…なんとか助けてあげてください!」

兵士「そうしたいのは山々だが…未だ突入班が到着しない…それまで犯人達を刺激しないように…」

「問題ない…」

兵士「え…?」

たてこもり現場 内部

強盗「へっへっへ…有りもしない反乱分子のテロリストのふりをしたら、周りの兵士も慎重になりやがって…」

子分「でも必要以上に追っ手がかかりませんかね?」

強盗「心配すんな…俺たちゃ本当に国家と戦うわけじゃねぇ…反乱分子の隠れ家も犯行声明もダミーだ。
もらうもんもらったら世間に隠れておとなしくしてりゃいい」

子分「なるほど…」

強盗「もらうもんといやぁ…人質の女からも貰えるもんがありそうだなぁ」

王妃「……」

強盗「人質の命を保証する代わりに逃走経路を確保させてもらうつもりだが…人質の貞操までは保証する約束はしてねぇからなぁ!!」

ビリビリビリィッ

王妃「ひっ…!」

強盗「さぁーて、その身体で楽しませてもらお……ん?」

王妃「……」

強盗「なんだこりゃあ!?この女、体が火傷の痕だらけじゃねえか!」

王妃「……」

強盗「チッ!こんなんじゃ萎えちまう。ったく、美人だから楽しみにしてたのに、こんな体じゃあな。
寄ってくる男もいねえだろ、はっはっはっ…」

王妃「くっ…うっ…」ジワ
強盗「まあ、その“醜い体”のおかげで貞操は守れるってわけだ、ガハハ…」



「言いたいことはそれだけか?」



強盗「ハ……?」

王妃「!?」

子分「な、なんだてめぇ!」


王「そこの女性に貞操を捧げてもらった者だ」


子分「はぁ?そ、外の仲間は…」

王「全員斬り殺した…」

子分「なっ…ぐはぁっ…」ドサッ

王「あとはお前だけだ…」

強盗「う…」

強盗「ひっ…」

王「お前達の罪は強盗でも国家転覆でもない…」

王「俺の妻に危害を加えたことだぁっ!!」

Royal Straight Flush

王「ウェェーーィ!!」

強盗「えっ?何でその技……ぎゃあああっ」

王「王妃っ、大丈夫かっ…?」

王妃「…はい。服を破られた以外…何も…されませんでしたから…」

王「あ…ああ…そうだ、まずはこのコートを羽織って…」

王妃「…はい。ありがとう…ございます…」

城 王妃私室

王妃「……知られちゃいましたね」

王「…」

王妃「これが私の体の秘密です…」

王「火傷の…」

王妃「小さい頃火事に巻き込まれて…服で隠れる範囲だから…ずっと黙っていて…
こんな体じゃあ、王様に満足していただけないだろうから、ベッドの上でも服を着たままで…」

王「そうか…」

王妃「王様に…嫌われたくなくて……
でも…こんな醜い体をした女…嫌ですよね…
服を着たままでも、抱きたくないですよね……」

王「いや…抱きたい」

王妃「……王様は優しいですね。でも…そんなお情けは不要です…こんな体をした女を抱いても楽しくな……むぅ!?」

ムチュウゥー

王「…ぷはっ、今の王妃には口でいってもわからないだろうから……」

王「体でわからせてやる!!」

王妃「えっ?」





王妃「あ…あっ…王様っ!激しいですっ!」





王妃「んああっ!そんなっ…また…」





王妃「う、嘘ぉ…まだ、こんなにぃ…」





王妃「むりぃ…も、もうむりれすぅ…おかしくなるぅ…」





王「……ふぅ」

王妃「……ぜぇ…はぁっ…はぁ…はぁ…
お、おうさまの…けだものぉ…」グッタリ

事後

王「さ、これでわかったろ?俺がどれだけ王妃のことを抱きたいかって」

王妃「……王様は本当に私の予想を上回りますね。
愛があれば…なんて空想の出来事かと思っていましたが、文字通り体で示していただけるなんて…」

王「あっ、ああ」
(そこまで高尚なつもりではなかったが、王妃を愛してるのは事実だし、いいか…)

王「さて…王妃の裸も拝めたことだし…これからも改めて、夫婦としてよろしく頼む」

王妃「はいっ、こちらこそよろしくお願いします、王様!」

後日

王(こうして…王妃が夫である俺の前でも肌をさらさない、ということはなくなった)

王(しかし、王妃の裸を見たことで少しだけ気になることができた…)

王(だが、ささいなことだ。俺は王妃を愛している…大事なのはそれだけだ)

王(だから、このことは地面に穴でも掘ってこっそり叫んでおこう…)

サクサク

王「すーっ……」



王「王妃の下の毛はモッサリ剛毛ぅー!かわいい顔してモッジャモジャー!」



王「……ふぅ、あとは埋めておこう」

ザッザッ

その後、王様と王妃様は仲睦まじく暮らしました。

子宝も恵まれ、国はますます発展し、二人は幸せに過ごしました。

王妃様の火傷の痕のことは、王様だけが知る秘密であり、余人の耳には入りませんでした。

ただ、地元に伝わる伝承では王妃様の陰毛が濃かったという火傷の痕とは全く関係のない話が残っているそうです。

不思議ですね。

終わり

はだかの王様のつもりが王様の耳はろばの耳になってしまった

セクシャルな話題が多くてすみません

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