新田美波「避暑地でプロデューサーさんと」 (26)


美波「あら……そろそろ見えてきたんじゃないですか?」

美波「ほら。あの森の向こう……」

美波「良い景色……あそこで、プロデューサーさんと……」

美波「ふふっ。楽しいオフになればいいですね」

美波「せっかくの避暑地ですから、思う存分遊んじゃいましょう?」

美波「今年は家族に置いて行かれた分、プロデューサーさんに頑張ってもらいますね♪」

美波「さあさあ。あと少しですよ、プロデューサーさん?」


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美波「あ、涼しい……夏なのに、こんなに日差しが柔らかいんですね」

美波「それに空気も美味しいし。ここなら良い時間が過ごせそう……」

美波「私達が泊まるペンションはあそこですね。荷物置きに行かないと」

美波「ほらPさん、早く早くっ」

美波「急がないと、ただでさえPさんといると時間が早く過ぎちゃうのに……」

美波「きっと神様がイタズラしてるんです。美波を独占できちゃう、Pさんに……ね?」

美波「なんて。冗談ですよ、ふふっ」


美波「PさんPさん……部屋から見える景色、とっても綺麗ですよ」

美波「自然が広がってて……近くに他の施設もあるみたい」

美波「まだ夕方まで時間もあるし、ちょっと外に出てみませんか?」

美波「着いたばかりですけど……少しでもPさんと……」

美波「夏、満喫したいんです♪」


美波「へえ……意外と広いみたいです、この避暑地」

美波「案内によると、こっちに果樹園があるとか」

美波「あ、そこに休憩所がありますね。ここで、今後の計画練っちゃいましょうか?」

美波「ふう。ぶどうで日陰になってるんですね、ここ」

美波「Pさんは好きな果物とか、ありますか?」

美波「私はぶどうなんて好きですよ。丸くて甘くて、美味しいので♪」

美波「Pさんは……そうですね、アイドルソムリエ、かな?」

美波「あれ、違うんですか……?」

美波「じゃあ……美波ソムリエ、認定しちゃおうかな?」

美波「そのためには、もっと美波のこと知ってもらわないと、いけませんね♪」


美波「んー、それにしても空が青くて清々しいですね……」

美波「こんな日は、身体を動かしたくなっちゃいます」

美波「え、疲れないのかって?」

美波「ふふっ、大丈夫ですよ。明日も楽しむための体力は、ちゃんと残します」

美波「もし心配でしたら、私のそばにいても構いませんよ?」

美波「Pさんに一日中、付いていてもらえば、私も楽しいですし……」

美波「あ、あれ……冗談だったんですけど……いえ、構いませんよ?」

美波「Pさんと夏の思い出……作っちゃいますよ?」

美波「そうと決まったら、早速……案内図片手に、れっつごーです!」


美波「避暑地にはいろんな施設が揃っているんですよ!」

美波「せっかくですしプロデューサーさん、ご一緒にテニスなどいかがですか?」

美波「大丈夫です、ちゃんと手加減してあげますね!」

美波「さあ、テニスコートはあっちですよ」

美波「こんなこともあろうかと、あの服を持って来てよかったです」

美波「え、準備がいい? それはもちろん、Pさんとのオフですから……ね?」


美波「私、Pさんと一度、何かスポーツをしてみたかったんです」

美波「プロデュースだけじゃなく、テニスの腕前もお手並み拝見、ですね」

美波「トスはPさんに……私からでいいんですか?」

美波「ふふ、エース取っちゃいます」

美波「……ところで、スーツでされるんですか?」


美波「じゃあいきますよー……それっ」

美波「あ、それ返しちゃうんですかっ」

美波「自信あったんですけど……えいっ」

美波「Pさんは運動は不得意じゃ、ないんですか?」

美波「このままじゃいつまでもお互い0点かも……はいっ」

美波「あ、ちなみに0点はラブっていうんですよ」

美波「それと、このままふたりとも0点だと……」

美波「え、ええっ!? ら、ラブラブじゃなくてっ……ああっ!?」

美波「うう、Pさんずるいです! なんてコト言うんですか!」

美波「た、確かにラブラブに見えるかもしれませんけど、私達……ごにょごにょ」

美波「……って、違います! そういうことじゃなくて!」

美波「も、もう怒りました! 本気でいきますからね!」


美波「はぁ、はぁ……どうですか、これが美波の実力です!」

美波「Pさんも中々のお手前でしたね……はぁ、はぁ……」

美波「ふぅ……ちょっと休憩しましょうか。汗もかいちゃいましたし」

美波「Pさんがずるいコトするので、パーフェクトゲームになりませんでした……ぷんぷん、ですっ」

美波「なーんて。怒ってませんよ。ただ、これだけじゃラブラブには程遠いですし!」

美波「テニスだけじゃ満足できませんよ? こんなに運動できて、ちょっと興奮してきちゃいました!」

美波「最近お仕事ばかりでしたから、体を動かすのも楽しいですね!」

美波「近くにゴルフコースもあるんですって! これも楽しそうです!」

美波「もちろんPさんも……ですよね!」


美波「まずは、パー5のホールからいきますよ?」

美波「今度は油断しません。私から打ちます!」

美波「池を迂回するU字のコースですから……V字に攻めれば……やっ!」

美波「ふふ、どうですか? これでも一度250ヤードを記録したこともあるんですよ?」

美波「Pさんは……OBしちゃわないように気をつけないと、ね?」

美波「きゃっ、いきなり風が……!」

美波「あ、Pさんってば! こっち見ちゃだめです!」

美波「今日アンダースコート履き忘れてて……!」

美波「私を見てないで、早く打ってくださいっ……!」

美波「って、そっち森ですー!?」


美波「なんとかグリーンまで来られましたね……」

美波「ここまで来たら、Pさんに負けるつもりはありませんよ?」

美波「Pさんはこれで入ってもボギー確定ですからね♪」

美波「これで負けたら、Pさんの言うことなんでも聞いちゃいます♪」

美波「でも私は、これでバーディ貰っちゃいます……」

美波「……え? 負けたらメイド服で一日ご奉仕……?」

美波「そ、そんなのありえません! だって私がこれで入れれば……!」

美波「あ……外れました……」

美波「……も……もう一度!」

美波「Pさんのために……め、メイド服なんて……!」

美波「そんなの、私が打ち破って見せます!」


美波「……Pさんはボギーです」

美波「……」

美波「……私ですか?」

美波「クアドラプルボギーですね……」

美波「……」

美波「ち、ちがっ! Pさんが悪いんです!」

美波「外すたびに、ご奉仕、ご奉仕、って囁いてくるから……!」

美波「うう……分かりました。次のライブはメイド服……え、今夜?」

美波「撮影会は構いませんけど……Pさんとふたりきりの……うふふっ」

美波「あ、でも衣装は……あ、あるんですか!?」

美波「準備がいいってどころじゃないような気がします!?」

美波「……じゃあ、撮影会は夜のお楽しみにして……次は何しましょうか♪」


美波「アーチェリーにカートレース場……」

美波「ここは何でもできちゃいますね! 乗馬もありますよ!」

美波「どれにしましょう……ってPさん?」

美波「もう疲れちゃったんですか? 私と激しい運動したから?」

美波「まだテニスとゴルフだけですよ? もっともっと、美波のこと楽しませてほしいです……」

美波「あ、でも……夜もあるんでしたね。そっちの体力も残しておかないと」

美波「だって、Pさんとの撮影会ですから……いつもの撮影より、ドキドキしちゃいます♪」

美波「美波の可愛いところ、いっぱい見つけてほしいな……」


美波「さてと、今日はこのくらいにして、そろそろ宿に戻りましょうか?」

美波「明日からも、思いっきり遊べちゃいますからね」

美波「Pさんも、付き合ってくれてありがとうございました」

美波「私、なんだか、Pさんと家族になれてる気がするんです……♪」

美波「いつもは、家族と避暑地でこんな風に過ごしていますから……」

美波「だから、今回はPさんがこうやって連れてきてくれて、嬉しかったんですよ」


美波「できれば、一生の思い出にしたいです……Pさんも、そうだと嬉しいですね……」

美波「そのためには……」

美波「明日から施設巡りしましょう?」

美波「まずアーチェリーを体験してみたいです! その後は一緒にカートに!」

美波「次に乗馬もするとして……あ、アスレチックパークもあるみたいですよ!」

美波「バドミントンとか卓球ができる体育館があるって、さっき看板にありましたよね!」

美波「あと、近くに海水浴場もあるらしいですから……当然、Pさんも泳ぎますよね?」

美波「ああ……明日から楽しみです!」

美波「あれ、Pさん? どうしてそんなぐったり……もしかして暑さにやられちゃったんですか?」

美波「やっぱりスーツは……明日もたくさん汗かきますから、スポーツウェア借ります……?」

美波「って、Pさーん!? なんで逃げるんですかー!」

美波「もう! 逃げたら撮影会も無しですよ! それでもいいんですかーっ?」

美波「あ……いえ、そこで立ち止まられても困るというか……」

美波「ほんとうに、Pさんはしょうがない人です……ふふっ」

おしまい

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