グリP「茜を黙らせる方法をみつけた」(36)

~事務所~

茜「えへへ、ねぇねぇプロちゃん!」

グリp「………」カタカタ

茜「プロちゃんプロちゃーん!」

グリp「……どうした茜」

茜「やっほー!」ワサワサ

グリp「………」

茜「えへへへ」

グリp「(うぜぇ!)」

グリp「いま仕事中だから、じゃれ合いはあとでな」

茜「最近は大忙しだねプロちゃん」

グリp「おかげさまで、ウチのアイドルたちも少しずつ世間に浸透してきたみたいだからな」

茜「じゃあプロちゃんがいそがしいのは茜ちゃんのおかげなんだね!グリマスを世間に広めたのは茜ちゃんだし、茜ちゃんがいるかぎり、この事務所もプロちゃんの将来も安泰だよ!さっすが茜ちゃーん!」

グリp「この調子だと今日は残業だな……」カタカタ

茜「プロちゃん、いま茜ちゃんを褒めるチャンスだったよ!かわいい茜ちゃんの前だからって気を抜いちゃダメだぞーっ」

グリp「あ、ありがとな、茜。いつも俺の仕事を増やしてくれて……」

茜「どういたしまして!ご褒美はいつものプリンでいいよ」

グリp「(イカン、ぜんぜん仕事が進まない!)」

茜「今日はいい天気だねプロちゃーん」コシコシコシ

グリp「どうした、頭の先をなすりつけて」

茜「野暮なこと聞かないでプロちゃん、なでなでに決まってるじゃない!今日のなでなではまだでしょー」

グリp「いそがしいから、じゃれるのはあとって言ったよな」

茜「ちっちっちっ。なでなではじゃれ合いじゃないよプロちゃん。それは茜ちゃんとプロちゃんの固い約束。そして愛と絆をたしかめる必要不可欠な行為、いわば義務なのです」

グリp「きょうはマジでいそがしいから、そういうの勘弁して……」

茜「義務を放棄するの?プロちゃん。どうして?どして?どうしてよ?茜ちゃんショックだよ、茜ちゃんの担当プロデューサーがこんなに薄情な人間だったなんてっ。あわわ前代未聞の大事件だー!このままだと茜ちゃんとプロちゃんの間に修復のしようがない亀裂が走っちゃうよー、プロちゃんそれでいいの?」

グリp「分かった分かった分かったなでる、いまなでるから!」ナデナデ

茜「きゃー、かわいい茜ちゃんの頭をなでられてプロちゃんは幸せものだね!」

グリp「そうだなー(くっそ、こんなことしてる場合じゃ……)」

グリp「(劇場がテントだったころ、新米の俺はとにかくアイドルに気に入られようと必死だった)」ナデナデ

茜「えへ、えへへ。プロちゃんって本当に茜ちゃんのことが大好きだよね!」

グリp「(結果的にアイドルたちに気に入られることには成功した。しかし)」ナデナデ

茜「なでてもらったし、褒めてもらったし。これからプリンも買ってきてもらうし、あとはあとは、プロちゃんになにをしてもらおうかなー」キャッキャッ

グリp「(懐かれるにも程がある。このままでは俺の身が持たん!)」

茜「あ、プロちゃん。あとは映画かりてきてよ」

グリp「映画?」

茜「うん、ちょうど事務所に大きなテレビがあるし」

グリp「(ばかやろう、このあと残業あるのに、そんなヒマあるわけねぇだろ……)」

茜「借りてくる映画はプロちゃんにお任せしちゃうよ。ねえプロちゃんはどんな映画が好きなの?わくわく」

グリp「映画か……あんまり見るほうでもないけど」

茜「あ、ヤラシーのは除外ですよ除外。茜ちゃんデリカシーにうるさいので」

グリp「じゃあ、無難にsfかな」

茜「あー、プロちゃんsf好きそうな顔してるね。いかにもってカンジ」

グリp「(この憎たらしい口からデリカシーか……)」

茜「あのねあのね茜ちゃんムショーに映画が見たくなってきました。なのでプロちゃんは茜ちゃんがレッスンから戻ってくるまでに、映画とプリンを準備しておいて下さーい!」

グリp「断る」

茜「プロちゃんひっどーい!茜ちゃんスネてレッスンさぼっちゃうぞ!」

グリp「(おお、うざいうざい)」

茜「んー、どうしようかプロちゃん?」

グリp「わかりました、一走りしてまいりますお姫様」

茜「うむ、わかればよろしいのだよ」ケラケラ

グリp「だからしっかり練習してこいよ」

茜「がってん承知だよプロちゃん。茜ちゃんにかかればレッスンなんて朝飯前~」

グリp「ちゃんと夕飯時までしごかれてこい」

茜「はいはーい、プロちゃんいってきまーす!」ガチャッ

グリp「……よし、行ったか」

『デリカシーにうるさいので』

グリp「変哲のないウザいセリフだが、なぜか胸の奥に引っかかる」カタカタ

『ヤラシーのは除外ですよ除外』

グリp「なにか、すごい意味のありそうな。でもやっぱり普通のウザいセリフ……」カタカタ

グリp「やばいな、そろそろ姫様のプリンと映画を準備しなくては」

グリp「…………」

グリp「んー、なにが引っかかるんだろ」

グリp「ただいま」ガチャ

茜「プロちゃんギリギリあうとー!残念でした!カンペキな茜ちゃんはカンペキにレッスンを終わらせて帰っていました!」

グリp「悪いな、プリン選びに時間がかかっちまった」

茜「もー仕方ないなー。そんな大事な理由があったんだね!」

グリp「(プリン選びに時間なんてかかるわけねーだろ。ましてやお前の食うプリンなんかに)」

茜「あとは映画のレンタル袋!プロちゃんはワガママなんでも聞いてくれるね。あいかわらずプロちゃんは茜ちゃんが好きなんだね、キャー!」

グリp「さて、仕事の続きをしよう」

茜「えープロちゃん、せっかく借りてきたんだから一緒に見ようよー」

グリp「一緒に見たい気持ちは山々だが、茜。それは絶対にムリなんだよ。仕事がしこたま残っているんでね」

茜「仕事と茜ちゃん、どっちが大切なの?!」

グリp「どっちも仕事だから大切」

茜「じゃあいいや、茜ちゃんプロちゃんがお仕事終わるまで待ってるよ」

グリp「だったらもう帰れよ、あした学校は?」

茜「ふふーん、次のライブまで教頭から正式なお休みをもらったよん。大人気の茜ちゃんはハードスケジュールだからね」

グリp「じゃあ駅前のホテル一部屋入れとこうか」

茜「だからいいってばー、プロちゃん早く仕事しなよ」

グリp「(誰のせいでこんなに苦悩していると……)」

茜「そういえばプロちゃん、今朝ネコのカップルを見たんだよ。なかよく二匹で歩いていてね、茜ちゃん写メったから見てよプロちゃん」

グリp「(くそっ、壊滅的だ……)」

グリp「(他のアイドルと絡ませるか。いや、もう夕飯で誰も残ってない……)」

茜「ほらほら、これが写メ。茜ちゃんの予想だと前を歩いているのがオスでうしろがメスだね。夫婦なのかな、春だねープロちゃん」

グリp「たしかに猫は春に発情するって言うよな」

茜「……え?」

グリp「ただ発情するのはメスのほうなんだよ。オスはそれを察知してやる気になるんだ」

茜「や、やる気?」

グリp「オスの性器にはトゲがついていて、トゲの痛みでメスの排卵を誘発させるんだよな」

茜「せいっ、……プロちゃん、く、詳しいね」

グリp「実家で飼っているんだよ、猫」

茜「………………ふぅん」

グリp「(あれ、静かになった?!)」

グリp「(よく分からんがチャンスだ、このスキに仕事に集中……)」

茜「ぷ、プロちゃん、茜ちゃんお腹すいたんだけど」

グリp「食ってこなかったのかよ!」

茜「プロちゃんと一緒に食べようかと思って」

グリp「えー、プリンついでにコンビニで弁当買っちゃったよ。悪いな、茜。その辺で適当に食ってこいよ」

茜「じゃあいいや。たしか給湯室にカップ麺がいくつか」

グリp「おい、成長期なんだからちゃんと食えよ。ただでさえレッスンで消耗してんだから」

茜「冷蔵庫に卵あるから、それ落とすよ。これで栄養面はカンペキだね」

グリp「ぜんぜんカンペキじゃねえよばかやろう。その慢心が二十年後に自分へと襲いかかるんだぞ」

茜「えー、じゃあプロちゃんのコンビニ弁当を」

グリp「コンビニの弁当もダメ!保存料と防腐剤のオンパレードだから!」

茜「なんでなんで!プロちゃん、ソレ食べるんでしょ?!」

グリp「俺はおっさんだからいいんだよ」

茜「おっさんっていうか、言ってることがおせっかいのおばさん臭いよプロちゃんー!」

グリp「………」ガタッ

茜「おもむろに立ち上がってどうしたのプロちゃん」

グリp「卵とご飯あるから、オムライス作ってくる」

茜「え?」

グリp「どうせ今日はもう事務所から出ないんだろ」

茜「きゃー!プロちゃんの手料理だー、茜ちゃん男の人の料理初めてだよ!」

グリp「味は期待できないからな」

茜「じゃあ、茜ちゃんその間にシャワー浴びてきちゃいます」

グリp「まだ浴びてなかったのかよ!」

茜「このカンジ、なんかプロちゃんと同棲してるみたいー!」

茜「んー、シャワー上がりのプリンは格別ですね」

グリp「さきに俺の料理を食えよ!甘いものはあと!」

茜「いやー、シャワーのあとのプリンは茜ちゃんの習慣でして、えへへへ」

グリp「さすがに風呂あがりは癖っ毛も落ちるんだな」

茜「え?」

グリp「頭のサイドの毛だよ。いつもセットみたいにハネてるだろ」

茜「い、いけないんだよプロちゃん。乙女のお風呂上がり姿をジロジロ見たら」

グリp「いや、髪型しか見てないから。べつに胸を隠さなくていいから、見てないから。」

茜「…………ふーん」

グリp「(あれ、また静かになった?)」

茜「じゃあ、いただきまーす」モグモグ

グリp「いちおう聞いとくよ。うまい?」

茜「普通だね、マズいともウマいとも言えないかな」

グリp「まあ、即席料理だしな」

茜「でも嬉しいよ、プロちゃんが茜ちゃんのために作ってくれた料理だから!」

グリp「おお、そうか」

茜「でもプリンのほうがおいしい」パクッ

グリp「おお、そうかそうか」

とりあえずここまで。
続きは夜までにがんばります(ノ゚∀゚)ノ

ゲリpに見えたぜ…

この前「お腹痛いp」っていわれたのはそういう意味だったのかw
続き失礼します。( ・∀・)ノ

ああ、ageてしもうた。

茜「プロちゃんもおべんとー食べちゃいなよ。ついでに映画も消化しよー!ほらほらプロちゃん、めずらしく茜ちゃんのとなりが空いてますよ、ポンポンポン」

グリp「(正直ストレスであんまり腹が減ってない。……しかしここで食っとかないと確実に倒れるよな俺)

茜「プロちゃんいらっしゃ~い、どうかな?どうかな?茜ちゃんのソファは気持ちいいかな?!」

グリp「(飯のときもうるさいんだよな、コイツ……)」

茜「オムライスと言えば、たんぽぽオムライスだよねプロちゃん。包丁を入れると卵が左右に落ちるやつ。茜ちゃんあれ食べたいな~。プロちゃん作れるようになってよ」

グリp「それこそ洋食店行ったほうが早ええよ」

茜「茜ちゃんのプロちゃんなら作れるよ、作れるようになってよ、作ってよー。なんていうかさ、こういう風に事務所でのんびり食べたいみたいなさー、あるじゃん!」

グリp「あーはいはいそのうちね」

茜「卵にはさ、牛乳を入れるといいらしいよ。ふわふわになるって!」

グリp「牛乳って言ったらさ、人の母乳って右乳と左乳では味が違うらしいぞ」

茜「ブッ!」

グリp「うわ汚っ」

茜「き、汚いのはプロちゃんだよ!食事中になんてこと言うの?!」

グリp「すまん、食後に言うべきだったな」

茜「しょ、食後でもダメ!」

グリp「そうか」

茜「…………うん」

グリp「(また静かになった)」

茜「モグモグ……」

グリp「(こいつまさか)」

茜「……映画みよ」

グリp「(下ネタに弱い、とか……)」

茜「うわっ、血みどろのパッケージ!」ガサゴソ

グリp「(お、やっと気づいたか……)」

茜「ホラー映画って、プロちゃんないわー」

グリp「ジャンルは俺に任せるって言ってたじゃん」

茜「いやでもホラーってないよプロちゃん」

グリp「(これで茜が俺をビデオ屋までパシらせることがなくなれば……)」

茜「ご飯中にコレはきっついなー」

グリp「ごちそうさま」

茜「えっ早っ!プロちゃん食べるの早っ!」

グリp「仕事が押してるからな。あとは10秒チャージを飲んで復活」

茜「ガツガツガツガツ」

グリp「お、おい茜!よく噛んで食べろ!」

茜「ごちそうさま!」

グリp「早食いすんな!胃に悪いし肥満にもつながるんだぞ!」

茜「だってだってだってプロちゃんが勝手に食べ終わるんだもん!」

グリp「張り合う必要ねえんだよ、茜は茜でゆっくり食ってりゃいいの!」

茜「はいはーい、プロちゃんごちそうさまでした」

グリp「っく……。ひとまず続きの仕事を」テクテク

茜「茜ちゃんはっしーん!」テクテク

グリp「なんで俺のデスクまでついてくるんだよ!」

茜「いやだって、もう夜も更けてきたしプロちゃんが寂しいかと」

グリp「(もう、どうしよう本当にこの娘マジで)」

茜「プロちゃんプロちゃん、ホラー映画はいつ見るの?」

グリp「少なくとも仕事が一段落してからだな」

茜「ふぅーんしょうがないなー、待ってあげるよプロちゃん。茜ちゃんは心がすっごく広いから」

グリp「(分かっていたが、やっぱり事務所に泊まるのかコイツ)」

茜「そういえば茜ちゃんたち以外に、事務所にだーれもいないねプロちゃん」

グリp「(ベッド代わりになるソファは一個しかないんだよな。茜に譲ってやらんと)」

茜「人気のない真っ暗な事務所!この状況でホラーっていうのもオツかもねー、まあ茜ちゃんはホラー映画ごときなんでもないけど。茜ちゃん怖いものあんまりありませんし」

グリp「(あー、ダメだ。やかまc→)」

茜「えへへ、このあとプロちゃんとホラー映画ー」

グリp「映画といったらディズニー」

グリp「ディズニーにはドナルドダックってキャラがいるよな」

茜「うん、茜ちゃん知ってるよ」

グリp「ドナルドのマンガはフィンランドで発禁されているのは知っているか?」

茜「ええ、国民的キャラクターなのにどうしてどうして!?」

グリp「パンツを履いていなかったから」

茜「あう?!」

グリp「パンツを履いていなかったからだ」

茜「い、1回いえば分かるよ!」

グリp「茜もフィンランドの番組に出たかったら、ちゃんとパンツ履けよ」

茜「ななななに言ってるのプロちゃん!」

グリp「茜、ちゃんとパンツ履いてるか?」ジロッ

茜「ぷ、プロちゃんどこみてるの?!」

グリp「いまは履いてるかなーっと思って」

茜「え、え、見たら分かるの?」

グリp「分かるわけないじゃん」

茜「…………」

グリp「履いてないのか?」

茜「履いてます!」

グリp「何色のパンツ?」

茜「は、はわわわ」

グリp「茜16歳だもんな、そろそろ下着のバリエーションも増えてくるだろ」

茜「せ、セクハラだよプロちゃん!アイドルのプロデュースしてるくせに、そういう最低なこと聞いちゃうんだプロちゃんは!」

グリp「茜はピンク色の服いっぱい持ってるよな、下着もピンク色なのか?」

茜「うううううぅぅぅー!」

グリp「もちろんデザインは上下セットだよな」

茜「…………くぅ」カァー

グリp「(俺も悪いが、コイツも免疫なさすぎだろ)」

茜「…………うぅ」

グリp「(下世話だが、これくらいの話題も躱せないんじゃこの先ツラいぞ茜……)」

グリp「(よし、茜の沈黙のおかげで仕事が少しずつ片付いてる)」カタカタ

茜「こ、こんど茜ちゃん動物園でロケがあるよね。プロちゃんは好きな動物はいるの?」

グリp「(ムッ……むりやり話題を変えてきおった)」

茜「茜ちゃんはシマウマが好きだよ。一度でいいからシマウマに乗馬して草原を駆けてみたいな!」

グリp「(しかし悲しきかな。動物シリーズは下ネタの宝庫だぞ)」

茜「ねえねえプロちゃ――」

グリp「ペンギン」

茜「ぺ、ペンギンさん?」

グリp「ペンギンがセックスで絶頂できるのは1年に1回だけらしいぞ、悲しいな」

茜「ひっ」

グリp「いっぽうチンパンジーの平均射精時間は3秒だ。これも早漏すぎて悲しい」

茜「あわわわわ」

グリp「ところでカメって自分の頭よりペニスのほうが大きいんだぜ」

茜「ひいいいい!」

グリp「ミツバチは1日で20回、ライオンは1日で50回も交尾するようだ。絶倫にもほどがあるな」

茜「い、いやあああー!」

グリp「(まあ、ざっとこんなもんよ)」

茜「…………」

グリp「(赤面して、うつむいている)」

茜「……プロちゃん、なんか今日ヘンタイ」

グリp「…………」

茜「ほ、ホラー映画見てくる。先に見ちゃうからね、茜ちゃん」

グリp「あ、ああ(悪いな茜、埋め合わせはそのうちするから。でもいまだけは静かでいてくれ!)」

―午前2時半―

グリp(ふぅー、頑張った俺)

グリp(でもぜんっぜん終わってねえ)

グリp(仕方ないよな、無理ゲーだこれ)

グリp(あした土下座して先輩に手伝ってもらおう)

グリp(もう限界だ、俺は仮眠をとらせてもらう)

グリp(睡眠睡眠睡眠睡眠睡眠不足フォーフォー)

グリp(ソファー、ソファー、パラダイス~)

グリp「よう茜!映画はもう終わったか?!」ガシッ

茜「うひゃあああああああああああああああ!!」

グリp「うわっびっくりした」

茜「なななななんだプロちゃんか、びっくりしたのは茜ちゃんだよまったくぅー!」

tv「ヌヴォアー!」

茜「うひいいいいいいいいいいい!」

グリp「お前、さっき怖いものはないって……」

茜「あんまりないよ!あんまりないけど、たまたまコレは怖かったみたいです!たまたま!ほんとうコレ偶然!」

グリp「じゃあ俺は横のちっさいソファー使うから。いま茜がすわってる大型ソファは茜のベッドにしろよ」

茜「えへへ、プロちゃん。なになに、なんでもう寝るみたいなこといってるの?」

グリp「もう寝るけど」

茜「それはあんまりだよプロちゃん!せめて映画が終わるまでは起きて茜ちゃんの頭なでていてよ、ほらほらプロちゃんこっちきて、いますぐ!」

グリp「オーケー、とりあえず映画を見るのを止めたらどうだ」

茜「だめだよプロちゃん、もう少しで主人公がゾンビを殲滅させられそうなんだよ。ここで止めたら茜ちゃんがゾンビに襲われちゃうよ!プロちゃんは茜ちゃんがゾンビに襲われてもいいの?!いいわけないよね!茜ちゃんも嫌だよゾンビに襲われるのは!」

グリp「(クソッ、拒否してもやかましいだけだ、ここは従っておくか……)」

茜「あ、左手は茜ちゃんに添えて!添えるだけでいいから!」

グリp「(だめだ、身体が重っ……)」

ドカッ

茜「プロちゃん、お、重い」

グリp「茜、すまん。……もう眠くて」

tv「オヴォヴォー!」

茜「キャー!キャー!」

グリp「くっ、コイツ俺の耳元で」

茜「いやー!茜ちゃん殺されちゃうー!」

グリp「とりあえず、茜が潰れるまえに俺が下に」

クルッ

茜「ところでプロちゃんシャワー浴びた?」

グリp「浴びてない」

茜「ダメだよプロちゃん、ソファーにニオイついちゃうって」

グリp「明日ファブリーズやっとく」

グリp「(ソファの上に寝そべる俺、さらに俺の上に寝そべる茜)」

茜「ふぅ、ふぅ、ゾンビ、ゾンビ……」

グリp「(くっそ、茜の吐息が胸元に)」

茜「ぞぞぞぞゾンビー!ゾンビ後ろ!気づいて!」

グリp「茜がうるさいときは、下ネタ……。だめだ、もう思考がまともに働かない」

茜「こわいこわいこわい!どうしようプロちゃんこわい!」

グリp「あ、茜……」

茜「プロちゃん?」

グリp「茜は頭で感じるのか?」

茜「は、はい?!」

グリp「人によっては頭部が弱いんだよ。たとえば美容師に洗髪してもらうだけでも絶頂してしまう子もいるって」

茜「きゅ、急になに?ええ?!」

グリp「茜の頭もそういうものなのかなって」サワッ

茜「う、あん!」

グリp「…………茜」

茜「ち、違うよプロちゃん!プロちゃんが変なこと言うから、茜ちゃんよけいに意識しちゃって!」

グリp「意識すると、感じるんだ」

茜「ぷ、プロちゃん気持ち悪いよ!」

グリp「茜の髪乾いて、癖っ毛が復活してる」

茜「い、いまちょっと、触らないで!」ガタッ

グリp「離れるなよ茜、ゾンビに襲われるぞ」

茜「ぷ、プロちゃんがおかしい!」

グリp「ぎゅーっと」

茜「う、うわー」

グリp「ちょうどいい、布団代わり」

茜「ぷ、プロちゃんニオイが付いちゃうって!ああ、なんかいろいろ当たってるよプロちゃん!やばいやばいって!」

グリp「あとはやかましくなければなあ、気持ちいい抱きまくらなんだけど……」

茜「あ、茜ちゃんが抱きまくらだって?!カワイイ茜ちゃんに向かってそんなこと言っちゃうの?!」

グリp「…………ああ」

茜「ああって、なに?」

グリp「よく見たら茜ってカワイイな」

茜「え?!」

グリp「やっぱりアイドルなんだな、茜って」

茜「ひ、ひどい言い草だー!」

グリp「それにしても、さっきから下ネタ連発してるのに静かにならないな。おかしいな……」

茜「え、下ネタ?」

グリp「茜は母乳だのパンツだの言われただけで赤面して黙りこんじゃうくせに」

茜「ああああ!やっぱりワザとだったんだねプロちゃん!絶対変だと思ったよ!うわあああ茜ちゃんのことをからかってたの?!それにしても犯罪だよ大罪だよ逮捕だよプロちゃん、オトナが高校生相手にそういう話するのは!」

グリp「からかってたんじゃねーよ。こっちは真面目に……ああ眠い」

茜「マジメ?!なにがマジメなの?!どこかマジメなのねえねえ!」

グリp「(ああ、茜を黙らせる方法。ダメだ疲労困憊で意識朦朧)」

グリp「(コレはもう、直接口を塞ぐしか……)」

チュッ

茜「んんんん?!」

グリp「…………」

茜「…………」

グリp「やっと、静かになった」ガクッ

茜「…………カァーッ」

グリp「グーグー……」

茜「ね、寝てる?」ドキドキ

グリp「グー…………」

茜「マジメ、に、キス。そ、それがプロちゃんの答えなんだね」

グリp「くー……」

茜「ままま、まずは両親に挨拶。結納を済ませて式場を予約。洋式がいいな、茜ちゃんは純白のウェディングドレスにしよう。事務所の仲間をみんな招待して、ハネムーンはグアムに行きたい。だ、だいじょうぶ最近茜ちゃんけっこう稼いでるしプロちゃんも貯金ありそうだし。ああ、でもマイホームと教育費はちゃんと確保しておかないと。さすが茜ちゃん、計画的っ。子供は何人つくろう、い、いまのキスで茜ちゃん妊娠しちゃったかな。ペットは小型犬が無難。パピヨンとかチワワとか。車種はよく分からないからプロちゃんにお任せして、ざっとこんなもんかな。様式美の一家族だけど、立派な理想形だね。大変だー、たんぽぽオムライスは茜ちゃんが作れるようになっておかないと。お風呂にする?ご飯にする?それとも『あ・か・ね・ちゃ・ん♪』えへへへへ。プロちゃんと茜ちゃんならきっと幸せな家庭を築けるね。ふつつかものだけど、よろしくねプロちゃん」

グリp「う、うぅ、茜、うるさい……」


おわりです。ありがとうございました!



このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom