エルフ「注文の品?」少年「あれ?」(29)

~エルフの森・深部~

そこに棺おけのような大きな鉄箱を背負った少年が一人、単身で森の中をザクザクと進んでいた

少年「行けども行けどもヤブ藪やぶ…こんな森の奥だなんて聞いてないぞ。…くそ爺の言うことなんて聞くんじゃなかった…」

謎の声『トマレ…』

少年「いい加減疲れたよー、つーか1時間も黙々と進んでたオレ偉くね!?偉いよね!!あーやだ!もー帰りたい!」

謎の声『止まれ…』

少年「ってかなんで約束の場所に誰もいないんだよ!お昼に森の入り口で会う約束の筈だろ!何でいない場合はオレが直接届けに行く用になってんだよ!!」

少年は懐から2枚のメモを取り出した

爺のメモ1:【昼までに森の入り口に行け届けに行け。もし誰もいなかったら、地図通り進んで頼まれ物を届けに行って来いし】

爺のメモ2(地図):【入り口から入って真っ直ぐ進んで出てきた大樹を左、2個目の岩を右に曲がって真っ直ぐ進み…】

少年「って、こんなんで分かるかー!大体ここでかい木と岩ばっかじゃん!それなのにこの注釈がいかにも親切心出してやってる風ってのがまた腹立たしい!!」

謎の声『止まれって…』

少年「ハァ…」(止めよう…独り言を言って憂さを晴らしてもお腹が減るだけだ…)

謎の声『止まれって言ってるだろー!!』弓を射る

【木の上からの攻撃】

少年「!?うぉっ」

【少年はかわした】

謎の声『ハァ…ハァッ…どれだけこっちが呼びかけたと思ってるんだ!耳腐ってんのかそこの人間ー!』

少年「な、なにをー!誰だ!いきなり矢を放ちやがって!頭おかしいんじゃねぇのっ!」

謎の声『呼びかけましたー!でも無視したのはそっちでしょうが!』

少年「無視してませんー!こっちに呼びかけの意思がそもそも伝わってないならそれは伝達したことにはなっていませんーバーカ、バーカ!」

謎の声『こ、このクソガキっ!!』ガサッ

謎の声「よっ!と」
【木の上から女エルフが現れた】

女エルフ「私はこれでもキミの為に警告してあげてるのよ!」

少年「…」

女エルフ「?…何よ?」

少年「うわー!インプだー!」

女エルフ「おまっ!誰がインプだ!どこを!どう見たら!インプに見えるのよ!」

少年「え?…だって耳とがってるし」

女エルフ「キミは耳とんがってりゃインプに見えるんかい、私はエルフよ!エ・ル・フ!!」

少年「……あっ、本当だ良く見りゃ尻尾もないね」

女エルフ「分かった?」

少年「うん!それにインプがこんなに綺麗な訳ないか!」

女エルフ「…案外見所あるじゃない。それで?子供が一人でこんなところまで何の用?」

少年「あー、そっか。姉ちゃんエルフなんっしょ? 注文のお品届けにあがりましたー」

女エルフ「?注文の品?」

少年「あれ、知らない?、エルフのなんとかって人から爺ちゃんに武器作成の依頼のあったからその商品を届

けに来た、じゃない、来たんですけど…」

女エルフ「…配達の為にここまで来たの?」

少年「?そうだけど」

女エルフ「…キミよくここまで無事に来れたわねー」

少年「?」

女エルフ「今私たちはこの森を侵略しに来たインプと交戦中なのよ、森にはインプが放った魔物なんかもいて危ないのよ?」

少年「へーそうなんだ。あ、だから武器の注文があったのかな?」

女エルフ「うーん、本当は森の入り口まで一緒に帰ってあげたところなんだけど、武器の件は私は聞いてないし…困ったなー」

女エルフ「このままって訳にもいかないし、でも掟で許可のない者を勝手に入れちゃいけないことになってるし…」

少年「良いよ、ここで待ってるよ」

女エルフ「だからこの辺は危ないんだって、全く…困ったわね…」

少年「…!」

少年「姉ちゃん」

女エルフ「ん? …!」

少年「どうやら困ってる暇はないみたいだね…」

【魔物むれが現れた】
食人植物a「キュィィ!」
食人植物b「キュィィ!」
オーク「グッヘッヘ」

少年「あれは…?」

女エルフ「オークと、それにインプが使役してる食人植物ね…。キミは下がってて」

少年「いや、オレは別に…」

女エルフ「人間とはいえ子供なんだから…キミぐらい守ってみせるよ」

少年「いや、だから!」

女エルフ「オークよ!下っ端ごときに私の言葉が理解できる知識があるとは思いませんが!一応勧告します!

」弓を構える

少年(人の話聞かないタイプか…)


女エルフ「この森は我等がエルフが守護する聖地となります、今すぐ引き返せば命まではとりません!即刻立ち去りなさい!」

オーク「グッフッフ!」

女エルフ「…その反応、逃走の意思無しとみなしますよ?」

オーク「グフフ♪」

女エルフ(…なんだ? オークがあんな余裕を見せるなんて…?)

【食人植物aの先制攻撃!地中から根が女エルフの足を絡めとる】

女エルフ「っ! しまった!!」


オーク「ブフフー♪」

女エルフ「くっ! こんなもの!」 エルフは弓から短刀に装備を切り替え根っこを切りにかかった

食人植物a「キュゥゥゥ!!」
【食人植物aの全触手による攻撃!】

女エルフ(!! このタイミングじゃ迎撃できなっ)

少年「はっ!」
【少年の迎撃!食人植物の全ての触手を切り落とした】

少年「…へー、土の中から攻撃してくる魔物もいるのか、勉強になったよ」

女エルフ(えっ!?)

少年「…でも悪いけどこのssは全年齢対象なんだ、ダラダラ引き伸ばすのも好きじゃないし」(っていうか戦闘シーンなんて書けない)

少年「だから、さっさと倒させてもらう!」少年は剣を構えた


オーク「フゴォォォオ!!」
【オークの攻撃!】

少年「なんのっ!」
【少年は攻撃をかわした】

オーク「フゴォ!フゴォ!!」
【オークの連続攻撃!】

少年「へへっ!遅い遅い!!」
【少年は鮮やかな身のこなしで攻撃を全てかわした】

女エルフ(あの子供、オークの攻撃を全て見切ってる…、ん!?)

食人植物a「ギュワァァアァ!!」
食人植物b「クワァァァァ!」
【食人植物a・bの溶解液】

女エルフ「危ないっ!!」


少年「? うひぃっ!?」
【少年は間一髪溶解液をかわして距離をとった】

少年「うひー、あっぶねーあっぶねー。ありゃ食らったら一発でおしまいだ」

女エルフ(…こうなったら私の魔法で!)

少年「…やっぱうかうかできないな、よし!今度はこっちの番だぜ!」

オーク「フガー!!」
【オークは力を溜めた一撃を振り押した】

少年「うりゃりゃりゃりゃりゃーっ!!!」
【少年は乱れ切りを放った】



少年「…ふぅ(汗)」

オーク「ぐぶぶ」

少年「ちょっとだけど、オレの方が速かったみたいだな」

オーク「ぶぶぶぶひー!」オークの体が3分割され倒れた

食人植物b「キュイィィッ!」
【食人植物bは触手を伸ばそうとしてる】

女エルフ「!?危ないッ!」
【女エルフは呪文の詠唱に入った】

少年「大丈夫だよ」

食人植物a・b「「キュ・イッ?」」食人植物はそれぞれバラバラになった

少年「オークといっしょにこいつらも倒しといたから」


女エルフ「へ?」
【魔法”雷の矢”の詠唱が失敗】
【失敗した魔法が少年を襲った】

少年「え?ギャアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

女エルフ「あ、ごめん。失敗したの当たっちゃった…」

少年「なんで、やねん…」(黒コゲ)
【少年は倒れた】

~女エルフは戦いに勝利した~


女エルフ「あー!ご、ごめんキミ!大丈夫!?」

少年「~~~@」(目を回している)

女エルフ「キャーッ!ど、どうしよう!」

女エルフ隊長「どうかしたのか」
【女エルフ隊長が現れた】

女エルフ「あ、隊長!」

女エルフ隊長「…私がちょっといない間に一体何があったんだこれは」

女エルフ「ふぇぇぇ~隊長!大変なんですよー!子供がやってきたと思ったらモンスターが襲ってきて私が危
ないって子供に魔法を~」

女エルフ隊長「なるほどわからん。…ん?この子供は…」


続くっ! ...zzz


以下表記を一部変更します

女エルフ→エルフ
女エルフ隊長→エルフ隊長


~エルフの集落~


少年「……ん」

エルフ隊長「お、気がついたか」

少年「…ここは?」

エルフ隊長「ここは私の家だ、先ほどは部下がすまなかったな」

少年「部下?」

エルフ「あははー…ご、ごめんね~?」

少年「…あぁ」


エルフ隊長「君と会う約束をしていたのは私でね、今回は私の客人ということで村に招かせてもらったよ」

少年「じゃあお姉さんが?」

エルフ隊長「あぁ。 武器の買い付けを君のおじい様にお願いしたものだ」

少年「……」

エルフ隊長「…? 何だ? 私の顔に何かついているかね?」

少年「あ、いえ!何でもないないんです。ただ…」

エルフ隊長「?」

少年「す、すごく綺麗な人だなぁって…」


エルフ隊長「そうか? 私はごく一般的な顔つきだと思っているのだが。 …容姿は気にした事がないので良く分からん」

エルフ「ほらほら~、だからいつも言ってるじゃないですかー。隊長は美人なんだからもうちょっと格好にも気を使えば良いのにー」

エルフ「それにしてもキミもおませさんだねー、私に続いて隊長まで口説こうとしてるんだから♪」

少年「あ、ちょい綺麗な姉ちゃん」

エルフ「んなっ!」

【少年の中でエルフのランクが”美人”から”ちょい綺麗”にダウンした】


エルフ「なによー!さっきは綺麗って言ってたじゃないー!」ムキー!

エルフ隊長「あーうるさい。お前がいると落ち着いて話ができないから出て行ってろ」

エルフ「えー、でもー、久しぶりのお客様ですしー」

エルフ隊長「…ほぅ?」

エルフ「…あ、私まだ警戒任務の途中だったんだー、そうだそうだー、というわけで失礼しますねー」タッタッタ

エルフ隊長「まったく騒がしい奴だ。…すまなかったな、あれでも優秀な奴なんだが…」

少年「いえ気にしてませんので」


エルフ隊長「しかしキミも無茶をするな、森の中に勝手に入ってくるとは。落ち合う時間まで待てなかったのか?」

少年「? 時間になっても誰も来なかった場合はこちらに向かうように指示されていたので来たんですけど…」

エルフ隊長「私は昼過ぎの刻にきちんと約束の場所にいたが?」

少年「え? 約束は昼の刻と聞いていましたけど?」

エルフ隊長「え?」

少年「え?」

エルフ隊長「…まぁ、なんにせよ無事に会えて良かったよ」

少年「あぁ…、はい。それもそうでね」

少年(あのクソ爺!全然話がちげーじゃねーか!ボケェェェェェ!!!)


エルフ隊長「それで約束の品は?」

少年「あ、はい。 えっと……」キョロキョロ

エルフ隊長「あぁ、大きな鉄箱ならそこだよ」

少年「どうも」

【少年は鉄箱の錠を外して鉄箱を開けた】

エルフ隊長(…しかし私とエルフの二人がかりでも持てなかったこんな重い鉄箱を背負って来るとは、一体はこの少年は…)

※なお鉄箱はエルフ隊長の転移魔法にて運び込んでおります


少年「えっと注文はレイピアが20に、ロングソード10…それから注文書通りに仕立てた鎧が1つですね」

エルフ隊長「ほぅ、凄い…というか面白いな。何だこの箱は」

少年「この箱の外と中で大きさの概念を変える魔法が施されているんです。 入れれば入れるほど中の物が小さくなっていくのでほぼ何でも入るらしいですよ? …よっと」武器を取り出す

エルフ隊長「…ふむ、美しい刀身だ…刀自体に不思議な魔力も篭っているし…、注文どおり秘銀鋼(ミスリル)製で間違いないみたいだな…」

少年「はい、ご注文頂通り武具全てがミスリル仕立てです」鎧を取り出す

エルフ隊長「…剣もそうだが…鎧も信じられないぐらい軽いな」

少年「ウチのは加工するときに特殊な方法でやってるんで、でも軽くても強度はそのまま!鋼鉄以上ですよ」


エルフ隊長「私の鎧が破損してしまったので急ぎついでに…と思い発注したのだが、これは素晴らしい…」

エルフ隊長「ここまでの鎧を仕立てて頂けるのであれば、もっと大量に頼むべきだったかな?」

少年「ありがとうございます、でもウチは工場が小さいんで多分これ以上の注文があったら正直手が足りないんで断ってたかもしれないですよ」

エルフ隊長「フフ、そうか…それは残念だ」

少年「お気にいって頂けましたでしょうか?」

エルフ隊長「いや、正直満足以上の出来だよ、やはり君のおじい様の腕は流石だ。…ちょっと待ってくれ、こちらも品物をお渡ししよう。取りに行って来る」テクテクテク


少年「…ふぅ」

少年(これで受け渡し無事終わりそうだな…、それにしても綺麗なお姉さんだ…)

少年(…都では綺麗なエルフの売買なんかもしてるらしいけど…そういうのは何か嫌だなぁ…)

少年(それにしても爺ちゃんは何考えてんだ…時間を間違えるなんてミス今までしたことないのになぁ)


エルフ隊長「すまない、お待たせした」

少年「あ、いえ」


エルフ隊長「よし、っと…。それではこれがこちらで交換用に用意した品、薪木50本に、湧き水2樽分だ。見てもらえるかな?」

少年「はい……うん、うん。 良し、確かに受け取り致しました」

エルフ隊長「それからこれは個人的な礼だが…」

少年「?」

エルフ隊長「予想以上の品だったこともあるが、君には迷惑もかけてしまったからね、これを」

少年「これは?」


エルフ隊長「これはエルフに伝わる秘薬だ、飲めば病魔への耐性もあるが何より外傷の回復力に優れている。致命傷でなければほぼどんな傷でも癒すことができるだろう」

エルフ隊長「あまり多くあるものではないので貴重な品、なのだと思うのだが」

少年「えっ!?そんな貴重な物頂けませんよ」

エルフ隊長「良いんだ、秘薬と言ってもまた作れる物だしな」

エルフ隊長「それに君は私のことを綺麗だと言ってくれたからな、人間とは言え異性にそんなこと言われたのは久しぶりだ。感謝の気持ちだとも思ってくれ」

少年「あ、いえ! そんな、オレ! じゃなかった、僕は、その、思ったままのことを言っただけでして」(照れ)

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