穂乃果「特殊細胞?」真姫「ええ、その名もB細胞」 (63)

穂乃果「そのB細胞が、ことりちゃんの中にあるっていうの?」

真姫「ええ」

ことり「キョウミブカイチュン」

真姫「ことりって、鳥類のわりにはずいぶん知能が高いと思わない?」

穂乃果「べつにふつうだと思うけどなぁ」

ことり「ソウチュン フツウチュン」

真姫「まぁいいわ。先にわかったことを言っておく」

真姫「このB細胞には、生物の脳組織を進化させる性質があるみたいなの」




先日ラ!板で立てたけど落ちたからこっちで書き直し

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408405886

穂乃果「脳組織を、進化……?」

真姫「そう、その恩恵を受けて、ことりは人間と同等の知能を得ているのよ」

ことり「ヘェー シラナカッタチュン」

真姫「もしこれを学会で発表したら、ノーベル賞は間違いないでしょうね」

穂乃果「やった! すごいや!」

ことり「ウレシイチュン!」

真姫「でも、私はそうするつもりは無い」

穂乃果「どうして?」

真姫「決まっているわ。兵器転用されるに決まってるからよ」

穂乃果「そんなに決まってるの!?」

ことり「キマリマクリチュン!」

真姫「当たり前よ。このB細胞を利用した生物兵器が戦争の道具にされるのは確定事項よ」

真姫「B細胞の特性が周知のものとなれば、各国はどうすると思う?」

穂乃果「え? う、う~ん……」

ことり「Bサイボウヲホシガルチュン!」

真姫「そう。B細胞を求めてことりを奪いに来るでしょうね」

穂乃果「ええーっ!」

ことり「コワイチュン!」

真姫「B細胞兵器はきっと強力なものになる。それを敵に回したくない。味方にしたい一心で、独占を狙うでしょうね」

穂乃果「そんな! ことりちゃんは戦争の道具なんかじゃないよ!」

ことり「ソウチュン! コトリハコトリチュン!」

真姫「世界はそう見てくれるほど優しくはないわ。ミリタリーバランスが崩れるほどの存在に、いったいどれほどの価値があるか……」

真姫「だからB細胞のことは公表しない。そうすることでことりの安全は保障されるから」

真姫「それに、友達を売って得た賞なんて、烙印にも等しいわ。こっちから願い下げよ」

ことり「マキチャン……アリガトウチュン」

穂乃果「さすが真姫ちゃん!」ダキー

ことり「マキチャン!」ダキー

真姫「ヴェッ!? ちょ、ちょっと離れなさいよー!」



???「…………」

???「アルファエイトからアルファリーダーへ。ポイントNの盗聴器から有力情報を得た。そちらに送信する」

???『アルファリーダー了解。痕跡を回収後、速やかに帰投されたし』

???「ラジャー。通信終わり」


???「ふふふ、やった……!」

???「あとはあの鳥さえ手に入れば、祖国は地球の頂点に立つことができる!」

???「そうとも! にっくきアメリカに一泡吹かせて、その肥満体を椅子から引きずり落としてやるんだ!」

???「あはははははははははははは!」

――翌日

ことり「ウミチャンオハヨウチュン」

海未「おはようございます、ことり。穂乃果はまた寝坊ですか?」

ことり「ミタイチュン」

穂乃果「――おーい2人ともー! 待ってー!」

ことり「ア、キタチュン」

穂乃果「ふぅ、おはよう、海未ちゃん、ことりちゃん」

海未「まったく、毎度のことながら呆れますね」

ことり「タマニハチャントオキタホウガイイチュン」

穂乃果「えー、ことりちゃんまでそんなこと言ってー!」

ことり「チュンチュン」バサバサ

海未「さ、行きますよ」

あの、B細胞って普通に存在する細胞なのですがそれは

真姫「あ、穂乃果」

穂乃果「あ、真姫ちゃんおっはよー!」

海未「おはようございます、真姫」

ことり「オハヨウチュン!」

真姫「おはよ……で、穂乃果」

穂乃果「ん? なぁに?」

真姫「昨日のこと、誰にも言ってないでしょうね?」ヒソヒソ

穂乃果「大丈夫。ことりちゃんを守るためだもん」ヒソヒソ

海未「2人とも、いったい何をコソコソと……」

穂乃果「あっ、へへ、ちょっと秘密の作戦会議をね」

海未「何か怪しいですね」

真姫「なんてことないわ。いつものバカな企みよ」

穂乃果「あっ、真姫ちゃんひどーい!」

海未「うーむ、どうも気になりますね」

ことり「ウミチャンウタグリブカイチュン」

>>8
G細胞だってゴジラとは別に普通のあるしいいだろ!

穂乃果「あっ、絵里ちゃんと亜里沙ちゃんだ! おーい!」

絵里「あら、おはよう」

亜里沙「おはようございます」

ことり「オハヨウチュン」バサバサ

絵里「ふふ、ことりは朝から元気ね」

亜里沙「そんなにはばたくと羽が抜けちゃいますよ」

ことり「ソ、ソレハコマルチュン」

海未「言ってるそばから1本落ちましたが」

ことり「チュンー!」

穂乃果「大丈夫、すぐに新しいのが生えてくるよ」


――――

???「こちらアルファエイト。目標の羽毛の採取に成功した」

???『アルファリーダー了解。現在状況が終了次第、研究部門に引き取りに行かせる』

???「了解。今後の目標へのアプローチは?」

???『情報を有しているのは我々だけだ。泳がせていいだろう』

???「ラジャー。通信終わり」

――数日後 夕刻

音乃木坂学院 アイドル研究部部室

にこ「さて、始まるわよ! ラブライブ総力特集番組が!」

穂乃果「この前の取材のヤツだね」

絵里「ラブライブ本戦出場が決まったらこれだものね」

海未「世の中のスクールアイドルブームを改めて実感しますね」

にこ「静かに! そろそろよ……!」

TV『ビーッ ビーッ』

にこ「へ?」

TV『申し訳ありませんが予定を変更し、緊急特別報道番組を放送いたします』

にこ「ハァ!? ふざけんじゃないわよ!」

ことり「イッタイドウイウコトチュン?」

希「見てみんことにはわからんなぁ」

TV『先程、ロシア東部マガダンにて大規模の爆発が起こり、同地点から巨大生物が出現しました』

穂乃果「ロシアに!?」

希「エリチ!」

絵里「だ、大丈夫。祖母の故郷はサンクトペテルブルクの方だから……」

TV『これにより国連は1986年に制定された特殊災害警戒体勢第3種を発令。周辺各国に注意を呼びかけました』

海未「巨大生物ということは、やはり怪獣の類なのでしょうか」

花陽「怪獣なんて……私たちが生まれる少し前からずっと出てなかったのに……」

真姫「96年の台場周辺壊滅以来ね」

凛「確かにこれはラブライブどころじゃないかもしれないにゃ……!」

TV『情報によると、巨大生物は翼竜に羽毛が生えたような外見で、大きさは推定80~100メートル』

TV『現在オホーツク海上空を南下中とのこと。日本へ上陸する可能性が十分ありますので、住民の方々は各自治体の指示に従い避難してください』

にこ「な、なんてことなの……!」

TV『……今、ロシア政府からの発表がありました。巨大生物は反米テロ組織の生物兵器である可能性が濃厚、とのことです』

穂乃果「ロシアってそんなにアメリカと仲悪かったっけ?」

海未「世界史で冷戦を習ったでしょう」

真姫「生物兵器……ロシア……」

絵里「……もしもし亜里沙? 今のニュース見た? ……ああ、そう。よかった」

ことり「マキチャン、ドウカシタチュン?」

真姫「ねぇエリー」

絵里「ん、どうしたの?」

真姫「ちょっと電話代わってくれる?」

亜里沙『ど、どうしたんですか真姫さん、いきなり……』

真姫「あなたね。B細胞の提供者は」

亜里沙『』プッ……ツー、ツー、ツー

真姫「……クロね」

絵里「ま、真姫、いったいどういうこと……?」

真姫「ここで話すには役者が足りないわ。悪いけど、エスコート願えるかしら?」

――絵里の自宅

絵里「ただいま・・・・・・亜里沙、いるわよね?」

亜里沙「…………」スッ

真姫「思ったよりすんなり話してくれそうね」

亜里沙「まさか……まさかこんなことになるなんて思わなかった……ごめんなさい、ごめんなさい……」

絵里「それで、いったいどういうことなの?」

亜里沙「ニュースの通り。あの怪獣は、反米組織の対米生物兵器なの」

絵里「そんな……そんなものにどうしてあなたが協力を……」

亜里沙「亜里沙はお姉ちゃんよりロシア生活が長かったでしょ? その時友達に誘われて……」

亜里沙「それでその組織は、前々からアメリカを圧倒する強力な兵器の開発に躍起になっていた」

亜里沙「そこで目を付けたのが……ゴジラ」

絵里「ゴジラですって!?」

亜里沙「G細胞を取り入れた生物が強力な怪獣になることは90年の植物怪獣の件で明らかになったよね」

絵里「え、ええ」

真姫「同時に、G細胞の制御が不可能ってこともね」

亜里沙「組織はベーリング海にあるアドノア島に住んでいるゴジラからG細胞を採取したはいいけど、このまま使えば植物怪獣の二の舞になると手を付けられなかった」

亜里沙「そこで見つけたのが、ことりさん」

亜里沙「小さな鳥なのに人間に匹敵する知能を持ったことりさんには、何か特別なものがあると思ってずっと手がかりを掴もうとしてた」

真姫「そしてうちでことりの研究を進めてることを知った」

亜里沙「はい。そして仕掛けた盗聴器からB細胞の存在を知って……」

真姫「この前の朝、ことりの羽を拾って目標達成、ってわけね」

亜里沙「はい……」

真姫「まぁ、仕掛けられたこっちの警戒心の薄さも問題ではあるけど、やっぱりそれはいけないことよ」

亜里沙「ごめんなさい……」

絵里「それで、そのB細胞って……」

真姫「ああ、エリーは知らなかったわね。ことりの体内にある、脳組織を異常進化させる特殊細胞のことよ」

亜里沙「G細胞にB細胞を加えれば高い知性を得て従属させられると判断した組織は、シミュレーションの成功を経て細胞合成を実行した」

亜里沙「素体になったのは、ゴジラの元の姿である恐竜の末裔で、B細胞との適合率が高かった、なんてことののない鳥」

亜里沙「あとは実験結果を待つだけだったんだけど、こんなことになっちゃって……」

真姫「結局G細胞は抑制できなかったわけね」

真姫「……亜里沙、自分のしたことが、あなたの組織がどんなに愚かで重大な事態を招いたか、わかってる?」

亜里沙「も、もちろんです! もうこんなことは絶対……!」

真姫「罪の意識があるなら、どうにかしてみましょう」

亜里沙「そんな、どうやって……」

真姫「情報提供よ、自衛隊に」

――自衛隊基地 特殊戦略作戦室 司令部

黒木「Gフォースが解散し、装備もすっかり縮小された今になって、まさか怪獣が現れるとは」

新城「出ちまったものは仕方ないでしょう。だからこうして交戦経験のある我々が招集されたんです」

佐藤「とはいえ20年近くのブランク。ちと厳しいものがあるな」

新城「弱気になるなよキヨ」

黒木「そうだ。我々はなんとしてでもあの鳥竜型怪獣による被害を食い止めねばならん」

佐藤「で、他のメンバーは?」

黒木「青木がスーパーX3改のメンテナンスに回っている」

黒木「そしてサイキックセンターの三枝さんは、アドノア島に向かった」

新城「……協力してもらうんですね、ジュニアに」

通信士「黒木特佐、十条駐屯地より入電。民間人が協力を申し出ているそうです」

黒木「どういった者だ?」

通信士「女子学生ですが、1人は怪獣を製造したテロ組織の協力者だった、と言っています」

黒木「なるほど、話だけでも聞いておけ。有力情報であればここに召喚する」

通信士「了解」

佐藤「ずいぶん突拍子もない話ですなぁ。学生が元テロリストだなんて」

黒木「怪獣が6年連続で出たような世の中だ。そういうこともあろう」

通信士「青木主任より黒木特佐へ。スーパーX3改、あと30分以内に出撃可能とのこと」

新城「よし、じゃあ俺たちは現場へ向かいます」

黒木「頼む」

――陸自 兵員輸送車車中

穂乃果「すんなり信じてくれてよかったね」

海未「しかしことりにそんな秘密があったとは……」

ことり「ヒミツッテワケジャナイチュン」

真姫「そういう特性があったってだけね」

凛「にしても、なんだか実感わかないにゃ」

花陽「亜里沙ちゃんがテロ組織の一員だったり、ことりちゃんの細胞から怪獣が生まれたりして、もう何がなんだか……」

絵里「こうなった以上、できるだけのことをしましょう」

亜里沙「それが、せめてもの償いになるなら」

通信士A「第2、第5師団所属の戦車隊並びにメーサー車隊は、沿岸部に展開中」

通信士B「スーパーX3改は福島市を通過。通信状態良好」


係官「黒木特佐、民間協力者をお連れしました」

黒木「ご苦労」

穂乃果「は、はじめまして」

黒木「スクールアイドルのμ'sの諸君だね。司令官の黒木だ。協力を感謝する」

黒木「それで、件の怪獣がG細胞と脳組織進化細胞から生まれたというのは本当なのか」

ことり「ホントチュン コトリノハネカラウマレタチュン」

黒木「……百聞は一見にしかず、ということか」

黒木「テロ組織の協力者だった、というのは」

亜里沙「あ、私です……」

黒木「詳しく聞かせてもらいたい」

亜里沙「あの怪獣は鳥とゴジラのキメラ、と言っていいでしょう」

亜里沙「細胞合成をしてキメラを誕生させた組織は、不正入手した放射性廃棄物を使って成長させるつもりだったみたいです」

黒木「その口ぶりからすると、君はあくまで下っ端だった、ということか」

亜里沙「はい。それで実験結果の報告待ちになっていた矢先にこの事態というわけで……」

黒木「なかなか厄介だな」

黒木「G細胞――オルガナイザーG1による超速自己再生」

黒木「B細胞とやらで得た高度な知性」

黒木「加えて鳥をベースにしたことによる飛行能力」

黒木「ガルーダが残っていればもう少しマシな対応ができたかもしれんな」

真姫「それで、自衛隊はどう対応するんです?」

黒木「君は?」

真姫「西木野真姫。あなたの主治医の娘ですよ、黒木特佐」

黒木「西木野総合病院の令嬢か」

真姫「私なら脳外科医の観点から対応策のアドバイスができるかもしれません」

黒木「……なるほど、戦力たりえるかもしれんな」

真姫「亜里沙、あの怪獣に使われたG細胞はアドノア島のゴジラから採取されたものなのよね」

亜里沙「はい、そうです」

黒木「なるほど、人への警戒心が薄いジュニアの性格を利用したのか」

健吉「つまり君が言いたいのは、あの怪獣にジュニアの温厚さが残っているかもしれない、ということだね?」

黒木「来てくれたか」

健吉「遅れて申し訳ありません」

真姫「彼は?」

黒木「96年度のゴジラ対策に協力してくれた山根健吉教授だ」

健吉「よろしく、μ'sの皆さん」

黒木「今回の作戦はこうだ」

黒木「先鋭を務めるスーパーX3改とメーサー攻撃機改が冷凍レーザーで対象の動きを鈍らせつつ沿岸部へ誘導」

黒木「陸上部隊との連携で対象を完全凍結させた後、誘導したジュニアと通常兵器で撃破、という算段だ」

真姫「もし対象が温厚なら反撃の可能性は低い」

健吉「かといって対象の攻撃能力が判明してない以上、状況変化の可能性も十分にある」

黒木「成否は50:50といったところだろう」

黒木「だが、ロシア軍が追跡している現状、攻撃の兆候は見られていない」

真姫「少しは希望に傾いてるみたいね」

通信士「特佐、三枝班より入電。ジュニアは既に事態を察知し、ベーリング海を南下中とのことです」

健吉「よし、流石はジュニアだ」

黒木「三枝班はそのままジュニアに随伴し、現場へ向かうよう伝えろ」

通信士「了解」

健吉「両者の移動速度を合わせると、網走沖200キロでぶつかりますね」

黒木「会敵予測まで2時間半。スーパーX3も十分間に合う」

ことり「チュン……」

穂乃果「ことりちゃん、どうかした?」

ことり「ナンダカオチツカナイチュン」

海未「同じ細胞を持った、いわば分身のようなものですからね。あまり気分のいいものではないでしょう」

ことり「ハヤクナントカシテホシイチュン」

――陸自 美幌駐屯地

新城「スーパーX3改、第1目標地点に到着」

佐藤「目標接近まで待機状態へ移行」

黒木『ご苦労』

新城「どうですか、諸々の動きは」

黒木『予定通りだ。このままだと1915時前後に対象とジュニアがぶつかる』

佐藤「俺たちはそれに合わせて再出撃、ってわけですか」

新城「あと100分ちょっと、ってとこだな」

黒木『そちらの様子はどうだ?』

佐藤「メーサー攻撃機の換装作業真っ最中です」

新城「しかしジュニアと会うのも久しぶりだな」

佐藤「最後に会ったのは8年前の常駐監視撤収の時か」

黒木『98年にゴジラの近縁種らしき怪獣がアメリカを襲撃してからしばらくは各国も警戒を強めていたが、それも治まってきた頃だな』

新城「ああ、ミサイルで殺せたっていうアレでしょう?」

佐藤「日本に現れていた怪獣もそのくらいのヤツらだったらどんなに楽だったか」

新城「定期観察の話だと、ジュニアももう先代と同じ100メートル級に成長してるらしいですね」

黒木『アドノア島周辺には不法投棄された核があったからな。それを吸収し尽くしたそうだ』

佐藤「震災の時もジュニアを連れてくればもっと早く事態が収拾してたかもしれませんね」

新城「コイツが活躍したのもあの時以来か」

黒木『それが本来の目的なんだがな。デストロイアの時は特性が上手く重なったというだけだ』

――網走沖200km海上
会敵予測時間

通信士「望遠カメラが目標を視認。先行攻撃隊も180秒後に到着予定」

露軍兵『こちらロシア空軍機。作戦展開状況は予定通りか』

通信士「こちら陸自G誘導班。作戦状況は良好。目標のエスコートを感謝する」

露軍兵『了解』

通信士「戦闘中はGの攻撃に注意されたし。現段階より、対象との過剰な接近は危険である」

露軍兵『忠告を感謝する。Gの動向については、随時の報告を願う』

通信士「了解した」

未希「――動く!」

 ピクリと顔を上げたジュニアの背ビレが光り出し、青白い熱線が海上の空を突き抜けた。

新城「あの光はジュニアの熱線か!?」

佐藤「まったく気が早いっての」

新城「着弾の爆発を確認。急行する。各機続け!」


未希「ジュニア……やっぱりG細胞同士が引き寄せ合っているのね」

黒木『ビオランテの時と同じか。やはりゴジラ化すれば闘争本能が表層化しやすいようだな』

通信士「目標顕在。ジュニアに対し針路変更」

黒木『単純な移動速度では振り切られる。交戦状態を保ったまま陸上部隊の射程圏まで誘導できるか?』

未希「相手の耐久力次第でしょうね」

通信士「ロシア空軍に通達。Gは攻撃態勢に移行した。警戒を厳にせよ」

新城「射程到達!」

佐藤「各機、攻撃開始!」

 スーパーX3改率いる航空部隊が一斉に冷凍レーザーを浴びせる。
 翼で身を覆ってそれを受けた敵怪獣。

新城「どうだ!?」

 対象をフライパスして旋回。再度接近する航空部隊。
 すると敵怪獣は翼を開き、バサバサを大きく羽ばたく。そこから抜け落ちるのは凍りついた羽毛。
 しかも、その羽毛は抜け落ちたそばから瞬時に生え変わっていく。

佐藤「野郎、なんて奴だ!」

 再びジュニアの熱線が直撃するも、焼け焦げた羽毛が瞬く間に生え変わって敵怪獣は無傷の姿を保っていた。

黒木「羽毛という名の防護膜で攻撃を受け、傷付くたびに生え変わらせる」

健吉「G細胞の超速再生を有効に使った能力だな……」

真姫「特佐、冷凍攻撃の活発化を指示してください」

真姫「体温が下がれば代謝が抑えられる。再生速度も落ちるはずです」

黒木「うむ。新城、佐藤、斉射ではなく波状攻撃に切り替えろ。奴の体温を下げるんだ」

新城『了解!』

佐藤『各機、隊列をC編成に移行しろ!』

健吉「流石は西木野の娘だね。こんな状況でも胆が据わっている」

真姫(にこちゃんの前でカッコ悪いところは見せられないでしょ)

ことり「ソワソワガトマラナイチュン」

穂乃果「ことりちゃん……」

海未「大丈夫です。きっと自衛隊の方たちがなんとかしてくれます」

花陽「そうだよ、きっと大丈夫だよ」

凛「そうにゃそうにゃ」

希「うーん……」

絵里「どうしたの希」

希「いやな、今後の展開がどうなるか占ってみたんやけど、これが出てしまったんよ」

 塔 正位置

絵里「ハラショー……」

健吉「そういえばあの怪獣、まだ名前がありませんね」

黒木「そうだな、このままでは呼称に手間がかかる」

健吉「さっきから考えていたんですが、バングというのはどうでしょう?」

黒木「バング?」

健吉「Bird Advanced by Nuclear and Godzilla」

健吉「核とゴジラによって進化した鳥、という意味です」

黒木「この際なんでもいい。それでいこう」

黒木「総員に通達。これより攻撃対象をバングと呼称する」


鳥竜合成怪獣 バング
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5278856.jpg
全長:90m
翼幅:170m
重量:18000t

 超低温レーザーを連続で浴びたバングがついに悲鳴を上げる。

佐藤「やったぜ功二! 効いてるみたいだ!」

新城「喜ぶのはまだ早いぜキヨ。アイツを氷漬けにしてジュニアに砕いてもらわなきゃあな」

 よろめきつつも針路を変えるバング。網走の方角だ。

佐藤「よぉし、攻撃を絶やすな! 追撃急げ!」

 メーサー攻撃機隊が追いかける。
 すると、急にバングは振り向いて大きく羽ばたき、翼から大量の羽根を飛ばしてきた。

新城「何ィッ!?」

 スーパーX3改は咄嗟の急上昇で難を逃れたが、前面にいた機体のほとんどがそのシャワーをモロに浴びて爆発四散する。

黒木「奴め、ふざけたマネを」

健吉「硬質化した羽根を散弾として使うとは……!」

佐藤『6機喪失! 残存戦力で波状攻撃を仕掛けるには足りませんぜ!』

黒木「網走まであと150キロ」

真姫「攻撃を緩めれば運動で代謝が上がる」

健吉「しかし攻撃機がアレを喰らえばイチコロだ。NT-1装甲のX3なら耐えられるだろうけど」

黒木「……沿岸の指揮車に繋げ」

通信士「はっ!」

真姫「どうするおつもりで?」

黒木「引きつけて動きを封じる」

黒木「こちら司令本部の黒木だ。応答せよ」

現場指揮官『はっ、こちら指揮車』

黒木「配置変更だ。40分以内に主力部隊を能取湖周囲に展開。指定のポイントにビッグアンカーを設置しろ」

現場指揮官『了解。ただちに』

黒木「スーパーX3、聞いたな。航空部隊の被害を最小限に抑えつつバングを能取湖に誘導しろ」

新城『なるほど、そういうことなら!』

佐藤『よっしゃ! 配置完了までの時間は稼ぎますぜ!』

新城『三枝くん、そっちも聞いたな? ジュニアのエスコートを頼む』

未希『ええ、任せて』

黒木「よし、迎撃配置第2令、展開開始」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月30日 (土) 01:09:23   ID: EQxOFRoT

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