貴音「湯布院でお仕事ですか?」P「ああ!」 (70)


続きものです。
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貴音も成人してるっていう設定で。りっちゃんもね。
前の話の繋がり上、3月が舞台です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408369782


3月半ば 午前10時 765プロ事務所


P「よし貴音、荷物は持ったな?」

貴音「はい。いつでも出られますよ、あなた様」

小鳥「タクシー呼びましたよ。あと10分ほどでこっちに向かうそうです」

P「ありがとうございます」

小鳥「でも羨ましいなあ~、湯布院で温泉ロケかあ」

春香「それに、プロデューサーさんと2人で何日もロケですよね?」

貴音「ふふっ。ですがお仕事ですから」


>>1は湯布院に行ったな(`・ω・´)


千早「今から飛行機で大分まで行くんですか?」

P「いや、今日は福岡市内で泊まり」

P「博多で列車に乗って、それから湯布院に行くっていう形で撮影するんだ」

真「へえ!列車の旅かあ!楽しそう!」

P「今回の旅番組もオトナの女性の一人旅っていうのがコンセプトだからな」

貴音「博多・・・らあめん・・・」ジュルリ

P「今のところ、貴音は湯布院よりも博多でラーメン食べることの方が楽しみみたいだけど」アハハ

貴音「なっ、あなた様、私は勿論湯布院での旅も楽しみにしております!」プクー

P「あははっ、分かってるって。悪い悪い」

貴音「むう・・・」


P「それよりも2日3日も俺も律子もいなくなっちゃうけど・・・大丈夫だよな?」

春香「任せてください!私たちだけでも頑張ります!」

P「よし、それは心強いな!」

春香「確かにちょっとは寂しいですけど・・・」ゴニョゴニョ

P「何か言ったか?」

春香「な、何でもないです!」

小鳥「あっ、タクシー来ましたよ!」

P「よし!貴音、行こうか!」

貴音「はいっ、あなた様」


P「それじゃあみんな、行ってきます!」

真「2人とも、お土産買って来てくださいよ!」

P「もちろん!楽しみにしててくれ!」

貴音「では皆さん、行ってまいります」

真春香千早小鳥「気をつけて~」フリフリ

ガチャ バタン

真「温泉かあ~、いいなー!」

千早「真、2人は仕事で行くのよ?」

真「分かってるよ~」

千早「でも確かにいいわね。たまには私もゆっくりしてみたいわ」

春香「お休みの日に日帰りで温泉に行きたいよね!」


小鳥「ホントね?私も何年も温泉に行ってないから、ゆっくり温泉入ってお酒飲んで・・・」

真「何だか小鳥さんが言ったら切実に聞こえる・・・」

小鳥「ちょっと、どうしてよー!?」

小鳥「でもいいなあ温泉・・・」

小鳥「それに湯布院で貴音ちゃん、プロデューサーさんと一緒のお部屋でお泊まりだし・・・」

真春香千早「・・・えっ」

真「そ、それどういうことですか小鳥さん!?」

春香「私も一緒のお部屋でお泊まりだなんて聞いてないですよ!?」

千早「お泊まり・・・デート・・・」カアァ

ワーワー ギャーギャー

_________

貴音「へくちっ」

P「大丈夫か?」

貴音「はい・・・誰かが噂でもしてるのでしょうか?」フキフキ


同時刻 札幌市アリーナ会場


律子「・・・」ソワソワ

あずさ「・・・」ソワソワ

伊織「アンタ達どうしてそんなに落ち着いてないのよ?」

伊織「会場の下見に来たくらいで、そんなに緊張しなくても・・・」

律子「ち、違うわよ伊織・・・」

あずさ「実は・・・」カクカクシカジカ

伊織「ふうん・・・」ポパピプペー

伊織「新堂、明日のライブが終わった後すぐにここから湯布院に行くわよ!最速のルートを今のうちに考えてて頂戴!」ピッ

亜美「うあ~!いおりんも落ち着いてよ~!」

亜美「って、亜美がこの中で一番マトモなキャラの位置づけってどういうことー!?」

_________
______
___


博多駅 14時


P「ん~っ!着いた着いた!」

P「空港から10分でターミナル駅があるっていうのは便利なだあ・・・」

P「ん?貴音?」

貴音「」フラフラ

P「貴音!?大丈夫か!?」

貴音「あ、あなたしゃま・・・丁度お昼時に飛ぶ飛行機だったのでどうしても空腹が・・・」

貴音「機内食も食べましたが、あれだけではおなかも膨れることなく・・・」グウゥゥ

P「」


P「ま、まあ貴音の念願の地、博多だ」

P「ホテルのチェックイン済ませたら夜まで自由に行動しよう」

貴音「!!・・・ということは・・・」

P「行きたいラーメンの店、雑誌で探して目星付けてただろ?」

貴音「あ、あなた様・・・」

P「それと・・・はいっ」スッ

貴音「これは?」

P「一応俺もネットとか使って美味そうなラーメン屋調べてたんだよ。参考になったら良いけど・・・」

貴音「あなたしゃま・・・私を照らす太陽のようなお方です・・・」ウルウル


P「よし、それじゃあそれぞれ行動するとしよう。貴音、19時までにホテルのフロントで集合な?」

貴音「はて?あなた様は私と共にらあめんを食べられないのですか?」

P「悪いが外せない用事があるんだ。だから申し訳ないが・・・」

貴音「・・・」ウルウル

P「・・・ま、まあ!なるべく早く帰るようにするから、1、2軒は一緒に食べるか!」

貴音「!!・・・はいっ!!」パアァ

P(かわいい)

P(社長が気を利かせて美味しい店を夜に予約してくれたけど・・・俺、食えるかなあ・・・)


P「それじゃあ行ってくる。しっかり博多を満喫するんだぞ?」

貴音「はい。あなた様はまた電車に?」

P「ああ。用のある所はここから離れててな」

貴音「なるほど・・・、ではあなた様、お気をつけて」ペコリ

P「ああ、行ってくるよ」

・・・

ピッ Prrrrr

P「もしもし?はい、Pです」

P「そうです、今から電車乗って行くので1時間半は・・・」

P「ありがとうございます!なるべく早く取りに行きますので!はい!」

ピッ

P「よしっ、行くか!」

_________
______
___


21時


貴音「ふう、真に美味でした」

P「ウップ・・・腹が破裂しそう・・・」

P「あれだけラーメン食べた後によくあれだけの料理をペロッと食えるな・・・」

貴音「ふふっ、美味なるものは別腹ですよ」

貴音「あなた様は今日はお酒を飲まれませんでしたね?」

P「あ、ああ・・・ビールの一杯でも飲もうとは思ってたけど、腹を膨らませるのを最小限に抑えておかないと料理が食べられそうになかったからな」

P「休肝日最近取って無かったっていうのもあるし、それに・・・いや、何でもない」

貴音「?」


P「明日は8時前には博多駅で撮影班と集合だからな?」

貴音「はい。ちなみに何時の列車に乗るのでしょうか?」

P「確か・・・9時半だな」

貴音「分かりました」

貴音「あなた様、今日は同じ部屋で共に過ごすのではないのですね?」

P「当り前だろ?大体、明日一緒の部屋で寝ることが止むを得ない事情なんだから・・・」

貴音「あなた様は私と同じ部屋で過ごすのが嫌なのですか?」ウルッ

P「い、いや!そうじゃなくて!その・・・貴音みたいな人と同じ部屋で過ごすっていうのはむしろ嬉しいくらい・・・って何言ってるんだよ、俺!」

貴音「ふふっ、冗談ですよ」クスッ

P「うがっ・・・やめてくれよ・・・」

貴音(しかし、嬉しく思われているのですね・・・)ポッ


P「と、とにかくホテルに戻ろう!」

貴音「はい」

貴音「!・・・あの店は!」

P「ん?屋台か?」

貴音「なるほど、昼に探した時に見つけられなかったのは屋台ゆえに夜の営業だったからですか・・・」

P「あの~、貴音さん?」

貴音「あなた様!」

P「はい!?」

貴音「行きましょう!あなた様も!」キラキラ

P「」

_________
______
___


翌朝


サツエイ5ビョウマエ-! 3,2,1!

貴音「おはようございます。今回の旅は私、四条貴音が案内人とさせていただきます」ペコリ

貴音「今回は湯布院の旅でございます。早速ですが湯布院まで、ここ博多より出発する『ゆふいんの森』号に乗ってまいります」

貴音「ではほぉむまで行きましょう」



P「うんうん、やっぱり貴音だと安心して見られるな」

P「前にあずささんの旅番組の付き添いした時とか大変だったな・・・」

P「東京駅で東海道線のホームに入って来る電車をパンして撮ってる間にいなくなって、気が付いたら新幹線のホームで手を振ってるあずささんが・・・」

P「ロケ中も何度もそういうことが起きて・・・中々大変だった、楽しかったけど」ウンウン


ブロロロ ガタン ガタンゴトン


貴音「ふむ、大豆あいすですか。どれ一口・・・んっ!」キラン

貴音「牛乳とは違い、さっぱりとしながらも旨みがあり・・・美味です」

貴音「しかし、列車に揺られながらゆっくりと窓の外の景色を見るというのは良きものです」

貴音「あれは菜の花・・・ふふっ、これだと湯布院まであっという間に感じるかもしれませんね?」

カーット! オーケー!

「ひとまず休憩でーす!由布院駅のホームに降り立つ所から撮影再開しまーす!」

P「貴音、ひとまずお疲れ様。どうだ?」

貴音「まだ旅も始めですが、つい番組であることを忘れてしまいそうです」

貴音「早く目的地の湯布院が楽しみですね」ニコッ


貴音「ところであなた様、席に座らないのですか?」ポンポン

P「ん?ああ、そうだな。折角番組の人が俺の席も取ってくれたしそうするか」

P「貴音、隣失礼するぞ」トスッ

貴音「はい」

貴音「隣に座られると少し恥ずかしいものですね・・・」カァ

P「そんなこと言うなよ、俺も恥ずかしくなるだろ・・・」




・・・

プシュー ユフイン、ユフインデス

貴音「ふふ、ここ湯布院まではあっという間でしたね」

貴音「車窓から見える由布岳が近づくにつれ胸が高まってきました」

貴音「駅舎もお洒落ですね、黒色で落ち着いています」

貴音「駅から出て街を散策してみましょう・・・丁度お昼時ですから、街も活気づいてるでしょう」


貴音「むっ、これはらすくですか?」

貴音「甘さも丁度よく・・・これは?」

貴音「なんと、柚子胡椒味のらすくですか!大変美味です!」



貴音「この時期は新蕎麦・・・蕎麦の旬を迎えています」

貴音「では一口・・・むっ、口に入れるや否や香りが・・・」

貴音「出来たらもう一杯・・・まだ撮影が続くから駄目、ですか・・・むぅ」

P(よく食べるなあ)



貴音「これがかの有名なろーるけぇきである『ぴぃろーる』です」

貴音「ふむ、くりーむはしつこさがなくさっぱりしています」

貴音「そしてすぽんじはしっとりと・・・」

貴音「このまま一本丸ごと食べられそうなほど、飽きの来ない味です」

P(湯布院の土産で連想するのって『Pロール』だもんなぁ)

P(うん、でも確かにPロール美味い)モグモグ

??『プロデューサーがPロールを食べる・・・ブフッ』

P(72を言ってるんだそしてお前はどこからきたんだ)


貴音「・・・」ズルズルズルズル

P(結局ここでもラーメンか・・・)

P(まあでも・・・)

貴音『あなた様、ここ湯布院のらぁめんを是非紹介したいのですが・・・』キラキラ

P(って、あれだけ目ぇ輝かされたら断りきれない・・・)

P(貴音の好物だし、特別に1軒だけ番組で使うようになりました)

貴音「所変われば味も変わるものですね。らぁめんとは真に不思議な食べ物です」

貴音「むっ!あちらの通りにらぁめん屋がありますね。そちらにも行きましょう!」

P「お、おい貴音!1軒だけって約束しただろ!」

P「すみません!あの娘止めてください!」


旅館 大浴場


チャプ

貴音「ふう、良い湯です・・・」

貴音「滑らかで柔らかなお湯は肌をすべすべにしてくれます」

貴音「先ほどの列車の窓から見えていた由布岳が目の前に広がるその姿は雄大ですね」



・・・

客室

貴音「なんと見事な会席でしょう・・・」キラキラ

貴音「季節の野菜に菜の花や蕨などの山菜も豊富ですね」

貴音「そうでした、折角のお風呂上がりですからびーるを一杯・・・」コクッ

貴音「ふう、なかなか良いものです」

貴音「早速こちらの料理も・・・では頂きます」


・・・

貴音「この湯布院という地は素晴らしい場所です」

貴音「皆さまも是非この地を訪れては如何でしょうか?」

貴音「ではごきげんよう。お休みなさいませ」ニコッ




カーット! OKデース! 

「これで撮影は終了でーす!お疲れ様でしたー!」

貴音「お疲れ様でした」ペコリ

「よーし映像の編集するぞー!」

P「お疲れ様でした!」ペコッ



P「貴音、お疲れ様」

貴音「いえ、私も実際に旅をしているようで非常に楽しむことが出来ました」

P「それなら良かったよ」

貴音「ところであなた様、今日宿泊する部屋はここですか?」

P「そうだぞ。ここの旅館のご厚意でこの部屋に泊めてもらうことになったんだ」



ガララッ 

女将「ごめん下さいませ」

女将「改めて、本日はようこそいらしました」ペコリ

P「いえいえ」

貴音「今夜はお世話になります」



P「すみません、今日は他に部屋は空いてませんか?」

女将「申し訳ございません、本日は満室で・・・何か御都合でもございますか?」

P「その・・・流石にアイドルとそのプロデューサーが同じ部屋に泊まるというのは、と思って・・・」

貴音「むぅ・・・あなた様は私と共に過ごすのが嫌なのですか?」

P「い、いや!そういうわけじゃないけど・・・」

女将「ふふ、仲もよろしいですし良いではないですか?」クスッ

P「ま、まあそうですが・・・」

女将「ご夕食はもうお持ちしてもよろしいですか?」

P「はい、是非・・・って貴音の分が」

女将「そう思いまして、お連れ様の分もご用意しております」

女将「よく食べられる方とお聞きしますので」

貴音「今でも十分食べられますよ、少し空腹感が・・・」グウゥ

P「さっき撮影で食べた会席、完食してたのにマジかよ・・・」

女将「それでしたらお料理お持ちいたします。先程とはメニューも変えてお出しいたしますので十分お楽しみいただけると」ニコッ

貴音「真ですか!」

P(マジか、さっきの胡麻豆腐すごく食べたかったんだけど)


・・・

女将「こちらが先付になります」

女将「お酒は如何なさいますか?」

P「あっ、そうだ。ちょっと待ってください」ガチャ

貴音「?」

P「これを持ちこんだのですが・・・」

女将「まあ・・・これは上等なお酒ですね!」

女将「猪口と保冷用の氷と器ご用意いたしますね?」

P「すみません、お手数かけてしまって」

女将「いえいえ♪」


貴音「あなた様、こちらのお酒は?」

P「遅れたけどこれは俺からの成人祝いだよ」

P「昨日貴音と別れて行動しただろ?その時に買いに行ったんだ」

貴音「そのために別行動を・・・」

P「そういうこと。最近、結構忙しくて貴音が成人してからもちゃんとお祝いしてなかったからさ。まあ居酒屋で律子や音無さんや社長と一緒に飲んだりは一応したけど」

P「改めてお祝いしようと思ってたんだ。折角だし良い酒を飲んで欲しくてな」

貴音「そうだったのですね」

貴音「銘柄は・・・『若乃寿』、ですか?」

P「ああ、久留米の酒蔵に行って買ってきたんだ。久留米市って広いんだな、意外と時間かかったよ」アハハ


貴音「それに、銘柄の横に『生々』と書いてありますがこれは?」

P「ん?ああ、えっとこれはな・・・ちょっとウンチクめいた話になるけど大丈夫か?」

貴音「構いませんよ。そのような知識は突然己の役に立つこともありますから」

P「俺からすれば今がその時ってことか」アハハ

P「えっと・・・日本酒を作る過程で酒を加熱して酒の中の酵母を殺菌するんだけど、その加熱殺菌は2度行うんだ。その2度の殺菌を行わなかった酒を『生々』って呼ぶんだ」

P「いわゆる『生々』の酒は酒本来の風味や旨味が残ってる。加熱してない分封を切ったら酒の味がすぐ変わってしまうから流通が少なくて希少なんだよ」

貴音「なるほど・・・勉強になりました」

ガララッ

女将「猪口をお持ちしました」

P「おっ、来た来た。早速注いで飲むとしよう」

貴音「そうですね」ニコッ


トクトク…

P「それじゃあ改めて貴音の成人を祝って、おめでとう」

貴音「ありがとうございます、あなた様」

貴音「では・・・」

P貴音「「乾杯」」チンッ

貴音「・・・」コクッ

貴音「!!・・・これは大変美味ですね」パアァ

P「気に入ってくれて何よりだよ。・・・んっ、うまい」

貴音「香りも豊潤で、味も素晴らしく・・・」

P「でもスッキリしてるんだよな」

貴音「これでしたら2人なら簡単に1本飲んでしまいそうですね?」

P「貴音、だからって飲みすぎないようにな?」

貴音「わかっております」クスッ


P「白和えと小さなミョウガの寿司か」

貴音「このお寿司、茗荷の香りが良くて美味です」

P「んっ、本当だ」

P「そういえばさっきの収録で胡麻豆腐食べてただろ?あれがすっごく旨そうでさ」

貴音「大変美味しい胡麻豆腐でした」フフン

P「あっ、こんにゃろ」

貴音「言ってくだされば、『あーん』としてあなた様に一口食べさせてあげましたが・・・」

P「ぶふっ!・・・た、貴音、早速酔ってるんじゃないか?」///


P「うん。白和えの塩梅も絶妙だし、酒とも合うな」

P「料理が美味いとつい酒も進んでしまうな」アハハ

貴音「あなた様、良ければお注ぎいたします」

P「あっ、悪いな・・・よくよく考えたら今を時めくアイドルにお酌をさせてしまうなんて・・・」トクトク

貴音「あなた様も罪な方です」

P「」

貴音「冗談ですよ」クスッ


P「刺身も美味いな」

貴音「ええ。しかしこれは鯵ですよね?海の魚をこのような湯布院の山奥で食べられるとは面妖な・・・」

P「確かに湯布院は山に囲まれた町だけど、意外と海沿いの大分市とか別府市と20kmも離れてないからな」

貴音「ふむ、そうでしたか」

P「それでもここまで運んでくるのにも結構時間はかかるだろうな。それなのにこんなに新鮮なのは確かに不思議だよ」

P「うん、酒との相性もばっちりだ」

貴音「ええ」ニコッ

貴音「このお酒は色々な料理に合いますね」

P「日本酒自体がいろんなのに合うからな。意外とチーズなんかも合うぞ?」

貴音「なんと!いつか試してみたいと思います」キラキラ

P「逆にビールと海鮮は相性良くないからな。ビールと数の子とかはもう・・・」

貴音「良くないのですか?」

P「試してみたら・・・わかる」アハハ


女将「こちら、お椀物になります」

P「ふむ、どれどれ・・・えっ」パカッ

P「これは・・・」

貴音「何のお吸い物でしょうか・・・」

P「何だかいい香りがするけど・・・!!」

P「まさか・・・パイ!?」

貴音「ぱいとはあの・・・」

P「ああ。魚・・・多分鯛のパイが入ったお吸い物だ」

貴音「め、面妖な・・・では一口・・・」ズズッ

貴音「!・・・これは!」

P「美味い!焼いたパイのバターの香りや旨みが吸い物のダシと喧嘩せず、むしろマッチしている!」

貴音「これは初体験の味です!」

P「そうだな!」

・・・

P「ふう、もう食べられない・・・」

貴音「私も今日はよく食べました・・・」

P「貴音はこの前に収録でたくさん食ったのもあるだろ?」

貴音「はうっ」ギクッ

P「しかし筍や山菜の天ぷらも美味かったな」

貴音「そうですね。それとその後の鶏鍋と雑炊も美味でした」

P「・・・結局酒も全部飲んでしまったな」

P「俺の持ってきた4合瓶と・・・メニューにあった『鷹来屋』の4合瓶も後で頼んで・・・」

貴音「あなた様の選ばれたお酒も大変美味しいものでしたからね」クスッ


貴音「ですがあのような上等な酒を私たち2人だけが飲むというのは、高木殿や小鳥嬢たちにいささか申し訳なくなりますね」

P「それは大丈夫。律子とあずささんも合わせて4人のお土産代りに昨日お酒を送ってるから」

貴音「では安心ですね」ニコッ

P「って貴音強いな。それだけ飲んでもケロッとしてるなんて」

貴音「そうですか?」ケロッ

P「普通の人はそれだけ飲んだら大抵かなり酔ってしまうんだが・・・」

P(今まで社長や律子たちと貴音を連れて飲みに行ったときは、一応泥酔しないように量をセーブさせてたけど・・・)

P(しかも成人なったばっかで今までアルコール入れたことなかったのに、それでこれだけ飲めるとは・・・有望?)

P(こりゃ、これから音無さんやあずささんからたくさんお呼ばれされるな・・・)


P「よし、そろそろ風呂に入ろうかな」

貴音「私もそういたします」

P「どうする?この部屋の風呂に入る?それとも大浴場に行く?」

貴音「それでは大浴場に行ってもよろしいですか?」

P「ああ、いいぞ。それじゃあ俺はこっちで入るよ」

貴音「分かりました」

貴音「それではあなた様、行ってきます」ニコ

P「行ってらっしゃい、貴音」


カポーン

P「・・・ふう」

P「ああ・・・本当にいい湯だな・・・」

P「全身から疲労という疲労が溶け出してるみたい・・・」

P「何よりお湯が凄いな・・・肌がすべすべしてるのが本当に分かるぞ、すごい・・・」

P「それに、この前の方でライトに照らされてる竹林とかもいいなあ」

P「あとこの手水鉢みたいなのから水が流れる音が・・・」チロチロ

P「癒される・・・」


ガタッ ガサゴソ

P「・・・ん?」

ガララッ

P「」

貴音「うふふ、来てしまいました・・・」

P「えっ、ちょっ、何で!?」

貴音「実は大浴場は10時までだったみたいで・・・少し遅かったみたいです」

P「な、なるほど・・・だからって俺が入ってる時に貴音も入って来なくても・・・」

貴音「こうして2人で入るというのも良いではありませんか」ニコッ

P「」

P「貴音・・・お前、もしかして酔ってるんじゃないのか?」

貴音「うふふっ、もしかしてそうかもしれませんね?」

貴音(お酒にも、この雰囲気にも・・・)


P「そうだ貴音、今はロケじゃないんだからマナー的にタオルを巻いて風呂は入れないぞ?」

貴音「確かにそうでしたね」

P「だから申し訳ないけど一旦部屋に戻って待った方g「それではタオルを外せばよろしいですね?」

P「」

貴音「では・・・」スルリ

P「うおっ!貴音!ちょっ!!」メソラシ

P「・・・」チラッ

貴音「・・・」クスッ

P「」

貴音「大丈夫です、ちゃんと水着を用意しておりましたので」

P「よ、良かった・・・プロデューサーとしての体裁を守れた・・・」


貴音「しかしあなた様、先程私のほうをちらりと見た気がしましたが・・・?」

P「いやっ・・・み、見てない・・・ぞ?」

貴音「・・・」ジーッ

P「・・・ごめんなさい、欲望には抗えなかったです」

P(どうして見ないことがあろうか。いや、見るはずである)

P「しかし何でよりによってスク水なんだ?」

貴音「これですか?小鳥嬢が『こういう時のために持って行きなさい』と言うので、それで持ってきました」

P「そうか、音無さんありがとうございます、最高です(相変わらずけしからん、帰ったら説教だな)」

貴音「本音と建前が逆転している気がしますが・・・」ジトー

P「う、うるさいな・・・」


貴音「それでは失礼しますね」チャプ

P「マジで入って来るのか・・・もういいや、どうにでもなれ・・・」

貴音「ふう・・・良い湯です・・・」

P「そうだ、気分悪くなったりしたらすぐ言えよ?酒飲んだ後に風呂入ると、後で回って来ることあるからな」

貴音「分かりました」

貴音「・・・倒れてみるのも一興かもしれませんね?」

P「そんなこと言ってたら助けないぞ」

貴音「いけずです・・・」


貴音「このような部屋に付いている露天風呂は風情がありますね」

貴音「大浴場の露天風呂とは少し違います」

P「そういうものなのか?」

貴音「ええ。こちらの方がゆっくりと時が流れているような気がします」

P「なるほど、確かに・・・こっちの方が静かだし落ち着いて入れるよな」

貴音「はい」

P「それなら1人でゆっくり入った方が良かったんじゃないか?」

貴音「むっ、あなた様は分かっておりませんね」

チャプ

貴音「・・・こういう中だからこそ、2人で入りたくなるのですよ?」

P「そう・・・なのか?」

貴音「そういうものです」ニコッ

・・・

微妙なタイミングだけど、ここで失礼します。
明日は朝から用があるので、再投下は夜になると思います。

>>3
記憶をもとに書こうと思っていると、
由布院行くことに決まった+福岡ローカルの朝の情報番組で湯布院特集をするという絶妙な出来事が発生しました。

リンク貼り間違えてるぞ

>>48
あっほんとだ、失礼しました。

小鳥あずさ「ドキッ!大人限定765プロ女子会~!」律子「い、イエーイ・・・」
小鳥あずさ「ドキッ!大人限定765プロ女子会~!」律子「い、イエーイ・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394095332/)
でした。これであってると思う。

もうすぐ再開します。


・・・

P(その後もゆっくりと二人で風呂に浸かった)

P(煩悩とのせめぎ合いが・・・)

P「・・・っていつの間にか布団が敷かれてるな」

貴音「私たちがお風呂に入っている間に敷いたのでしょう」

P「多分な」

P(しかし、2つの布団が見事にぴっちりくっつけられてる・・・いかんでしょ・・・)

貴音「ふぁ・・・」

P「眠い?」

貴音「は、はい・・・あくびを見られてしまいましたか、お恥ずかしい」カアァ

P「朝早かったもんな、ふぁあ・・・俺も眠くなったよ・・・」

貴音「それでは少しばかり早いですが寝ることとしましょうか」

P「ああ、そうしよう」


P「じゃあ電気消すぞー」パチッ

P「ちゃんと布団にくるまって寝ないと風邪引くからな?」

貴音「ええ、夜は冷え込みますからね」

貴音「・・・」

P「・・・」

貴音「あなた様」

P「どうした?」

貴音「今回のこの旅、ありがとうございました」


P「んー?・・・まあ旅というか一応仕事だけど」

貴音「ですが、非常にりふれっしゅできる仕事でした」

P「それは頑張ってこの仕事を入れた甲斐があったよ」アハハ

貴音「ここ湯布院へはいつか、仕事とは関係なく誰かと来たいものですね」

P「確かにプライベートで来たいよな」

貴音「!」

貴音「で、では、いつか2人で・・・というのはいかがですか?」ガバッ

P「・・・」

貴音「・・・あなた様?」

P「・・・zzz」スゥスゥ

貴音「・・・真にいけずなお方です」クスッ

貴音「お休みなさい、あなた様」

_________
______
___


貴音「・・・」パチッ

貴音(やはり夜中は冷え込むからでしょうか・・・少し催してまいりました)ブルッ

貴音「・・・」チラッ

P「zzz」

貴音(この方もよく眠っています)

貴音(時間は・・・ふむ、2時前といったところでしょうか)

貴音(といれは確か風呂場の隣でしたね)スッ

貴音(しかし眠気が・・・)

貴音「ふぁ・・・」


ジャー

貴音(・・・ふう)

貴音(それでは部屋へ・・・)

チロチロ・・・

貴音「!」ピクッ

貴音(な、何の音でしょうか・・・そ、外から音が・・・)

ピチョーン・・・ピチョーン・・・

貴音「!!」

貴音(2時・・・丑三つ時・・・)

貴音「!!!」ビクッ!

貴音(あ、あなたしゃまぁぁ・・・)ガタガタ


ガララ パタン

貴音「・・・」ブルブル

P「zzz」

貴音「・・・」ギュッ

P「んがっ・・・」

貴音「・・・」ブルブル

P「・・・zzz」スゥスゥ

貴音「・・・zzz」ギュウゥ

_________
______
___


P「・・・んっ」パチッ

P「朝か・・・外は薄明るくなってるし」

P「んん・・・何で体が動かないんだ?」モゾ

P「」

貴音「zzz」スゥスゥ

P「ちょっ、ちょっと待って」

P「お、俺の布団だよな?ってことは・・・貴音がこっちに?」

貴音「zzz」ギュウゥ

P(めっちゃ抱き締められてるから柔らかいモノが・・・)

P(あと寝顔かわいい)


貴音「・・・」ガサモゾ

P(あっ、起きそう)

貴音「・・・んんっ」パチッ

P「お、おはよう貴音」

貴音「おはようございます、あなた様」

貴音「ところで、どうしてあなた様の顔がこんなに近・・・」

貴音「」

P「あ、あはは・・・」


貴音「」カアァ

P「いやービックリしたよ。朝起きたら貴音がそばで寝てるんだもん」アハハ

貴音「夜中に起きて・・・といれへ・・・そして・・・」ブツブツ

貴音「」ボンッ

貴音「も、申しわけありません・・・とてもはしたないことを・・・」///

P「そ、それは全然良いんだけど」

P「でもどうして俺に抱きついてきたんだ?」

貴音「あなた様!そうです!夜中に風呂場で物の怪が!」

P「も、物の怪!?」

貴音「誰もいない風呂場からチロチロと音が・・・」

貴音「水辺には集まりやすいと申しますし・・・」ガタガタ

P「チロチロ、か」

P「ってそれただ単に風呂場にあった取水鉢の音じゃないか?」

貴音「なんと」

P「夜中で寝ぼけてて、勘違いしたんじゃないか?」

貴音「・・・そうなのかもしれませんね」カアァ


貴音「しかし、昨日から私は色々とはしたないことを・・・」///

P「ま、まあ、自覚してるんだったら良いんだけど・・・酔った勢いで男と一緒に風呂に入るとかは流石にまずいし、少しは飲む量を自重した方が良いかもしれないな」

P「俺も調子乗って飲ませちゃったのもあるけどな、ごめん貴音」

貴音「いえ、私も気をつけたいと思います・・・」

P「・・・気分転換に朝風呂に入るか!朝ご飯には少し時間もあるしな?」

貴音「ええ、そうですね」

P「俺は大浴場に行こうかな。貴音はどうする?」

貴音「私も大浴場に行こうかと思っています」

P「OK。それじゃあ準備していこうか」

貴音「はいっ」ニコッ

・・・


・・・

貴音「・・・ふう、ごちそう様です」

P「朝食も美味かったなぁ」

貴音「ええ。米や味噌も地物なのでしょうね、とても美味しいものでした」

P「これから東京に戻るってなったらやっぱり名残惜しいなあ・・・」

貴音「そうですね。ですが、ちゃんと東京へ戻らなければ皆に会えませんからね」ニコッ

P「それもそうだな。よしっ、荷物まとめて出よう」

貴音「はいっ♪」


貴音「ところであなた様、帰りは大分市内の方へ行かれるのですよね?」

P「ああ。そこから小倉まで特急に乗って、そこから新幹線だな」

貴音「!・・・な、ならば、中津に『宝来軒』という老舗のらぁめん屋がありまして!」ズイッ

P「中津か、確かに特急は全部止まるけど・・・」

貴音「あなた様・・・」ウルウル

P「・・・1杯だけだぞ?」

貴音「!!・・・はいっ!!」パアァ

_________
______
___


翌日 765プロ事務所


ガチャ

P「おはようございます!」

小鳥「おはようございます、プロデューサーさん!昨日まではお疲れ様でした!」

P「こっちこそ事務所を何日も開けてしまってすみません。ところでお酒届きました?」

小鳥「はいっ、昨日届いてたので早速飲んでみましたよ!すごく美味しいですね!」

あずさ「私も飲みましたよ~、とっても美味しかったです~!」ヒョコッ

律子「逆に飲み過ぎちゃいそうで危険でしたよ」アハハ

小鳥「社長も『あれは良い酒だ』って喜んでましたよ?」

P「気に入ってもらえてよかったです!」


ガチャ

「「「おはようございまーす!!!」」」

P「おっ、みんなおはよう!!」


ワイワイ

春香「アムッ・・・このラスク美味しいっ!」

雪歩「色んな味があるんですね?」

P「そうそう、どれかが柚子胡椒味で辛いから気を付け・・・」

響「辛っ!このラスク美味しいけど辛いぞ!だ、誰かお水~!」ジタバタ

やよい「す、すぐ持ってきます!」タタタ

真「響が早速・・・」アハハ


伊織「ところで貴音、プロデューサーには何もされなかったの?」

亜美「兄ちゃんにセクハラされたんじゃないの~?」

真美「いや~ん!」

律子「貴音の回答次第では・・・ね?」

P「あ、あのなあ・・・どんだけ俺は甲斐性なしに見られてるんだよ・・・」

貴音「特に何もされませんでしたよ」ニコッ

貴音「強いていえば・・・同衾、でしょうか」

P「」

律子「」

伊織「」

春香「」

雪歩「」

亜美真美「?」

小鳥「」ガタッ


律子「な、なななっ、ど、同衾!?」

伊織「なにが何もやってない、よ!!完全にアリアリじゃない!!」グワングワン

P「い、痛い!揺らすな!!」

貴音「はて、同衾とはただ単に同じ布団の中で2人が眠ることでは?」

P「確かにその意味だけど、それ以上に隠語としての意味が強いんだよ!!」

美希「そ、それでも貴音と同じ布団で一緒に寝たってことよね?ハニー、どういうことなの!?」グワングワン

P「ち、ちょっと落ち着け!!」

真美「ねえ千早お姉ちゃん、『どーきん』って何?」

千早「さあ・・・萩原さん、どういう意味なの?」

雪歩「ええっ、わ、私!?・・・あ、あのね・・・///」ゴニョゴニョ

真美千早「///」ボンッ


春香「ぷ、プロデューサーさん!ちゃんとした説明を!!」

あずさ「説明次第では・・・うふふ」ゴゴゴ

P「あ、あずささん、笑顔が怖い・・・」

貴音「しかし寒い夜の中、あなた様の温もりというのはとても心地良いものでした」

P「絶対同衾の意味分かってるよね!?ちょっと貴音!?」

貴音「うふふっ、どうでしょうか?」

P「ど、どうでしょうかって・・・ん?」ポンポン

春香「プロデューサーさん♪」

律子「連行!」

真「承知しました!」ガシッ

P「ちょっ!あんまりだあぁぁ!!」ズルズル

ギャーギャー ワーワー

_________


響「うう~、まだ舌がひりひりするぞ・・・」

やよい「響さん、お水です!」スッ

響「ありがとう!・・・プハッ」

響「うう~、やよいは優しいなあ!」ナデナデ

やよい「えへへ・・・」テレテレ



おわり


あざとお姫ちんもたまにはどうでしょうか。
お姫ちんと縁側か屋上で何も語らずお酒を飲みたいです。

作中に出てきた吸い物は、以前旅館に泊まった際本当に出てきた吸い物。
字で書くとゲテモノっぽいけど、開けた時の意外性と漂うパイの香り、出汁をすすると出汁に溶け込んだバターの香りが絶妙で、またパイ生地が出汁を程よく吸っていて真に美味で久々に強烈に記憶に残った料理でした。

由布院駅は降りるとホームに足湯があったり、冬場の金鱗湖は湯気が立ち込めて綺麗で、紹介しようとしたけど割愛したのもいっぱいです。
遊園地や陸上自衛隊の演習場もあって、色々と魅力的な場所です。是非一度足を運んでください。

そういえばあずささんとP、小鳥さんとPという組み合わせは書いてなかったので、今度はそれを書いてみようと思います。
今回お酒が少なかったな・・・今度は多めに入れるようにします。

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