ミニチュアガーデン (26)

オリジナルの話なんだけど、ここってそういうの嫌われる傾向にありますか?

二次創作か男女ばっかりなので気になってます
名前つけたのは駄目でしょうか

駄目ならさっさとHTML化依頼出します
駄目じゃなかったら早速投下します

内容は箱庭に閉じ込められた人間の話です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408258980

いいから書け
話はそれからだ

>>2
じゃあまず書いた分だけ投下する




―――information―――


・無作為に選ばれた1000人の人間を、無人島に閉じ込めます。

・この無人島は、1000人の人間が暮らすのに不自由しないだけの広さがあり、四季が存在します。

・無人島には、山や川、湖、多様や植物が存在しますが、当然資源には限りがあります。たとえば、山に火を放てば山火事が起こり、全焼すれば緑の恵みは失われます。

・無人島には動物も多数存在し、なかには凶暴な種や猛毒を持つ種も存在します。また、これらも同様に有限です。

・無人島からの脱出は不可能です。海には航海者を狙う凶暴な生き物が潜んでおり、船やイカダは丸呑みにされてしまいます。





目が覚めたら、そこはどこかの山の中だった。

風邪に揺らされる木ノ葉の音、森のなかで響く鳥の声。空を埋め尽くすほどの木々の隙間から漏れる光を見ると、おそらく今は日が昇っている時間帯。

地面に横たわる豪田武人にわかるのはそれだけだった。

周囲には青々と茂る木々があるだけで、民家もなければ人もいない。動物の姿も見えない。

武人は、気がついたら、全く知らない山の中に放り出されていたのだった。

そして、武人にはこうなった過程が想像もできない。

たとえばハイキングやキャンプに出かけた覚えはなかったし、自宅の周囲にもこんな自然はなかった。

それだけ、武人にとって全く奇想天外の出来事だった。

武人はしばし呆然として、やがて腰を上げて立ち上がる。

もし隣に見知った誰かがいれば、大げさに驚いてみせたり、互いに意見を交換しあうことができただろう。

そうすることで、現状についてなにか把握できることがあったかもしれない。

しかし、武人は一人だった。武人は、今になってようやく一人での登山が危険だということの意味を悟った。

とにかく、日が沈む前に山を降りるべきだ。そうすれば、きっと誰かがいるはずだ。どうするか判断するのはそれからにしよう。

現状について知り得る手段を持たない武人に選べる選択肢はそれだけだった。

そうときまれば、武人はすぐに行動に移す。だが、いざ歩き始めようと思い立って、武人ははじめて自分の格好に気がついた。

上は長袖のトレーナーで、下はブルーのジーンズ。いつもの彼の部屋着だ。それはいい。問題は、素足で靴を履いていないという点だった。

都会育ちの武人には山についての知識があまりない。だが、それでも山には危険な動物がいるかもしれないという危機感は持ち合わせている。

はるか昔、武人が小学生だったとき、遠足で半ズボンが危険だと教えられたことがあった。

山には虫、さらには毒ヘビがいる可能性があるため、遠足の日は長ズボンの着用が義務付けられていたのだ。

まだ夏の暑さの残る秋頃だったため、当時の自分は暑い暑いと嫌がっていたなと思い出す。

幸い、武人のジーンズは踵までの丈ががあった。問題は靴がないことだが、今の武人には解決のしようがない問題だ。

山を降りる以外には方法はない。武人はそう判断すると、森のなかを高さが低い方へ下り始めた。

地面は水分を含んだ土だ。ひんやりとした心地よさが武人の足に伝わる。と同時に、ちくりとした痛みが走った。

「いつっ…!」

どうやらゴツゴツとした小石を踏んでしまったらしい。

武人は足を上げてケガの具合が大したことが無いことを確認すると、一度深呼吸をする。

落ち着け、落ち着け。

彼は心のなかで呪文のように唱え、今度は慎重に足場を選びながら、時々は木につかまりながら傾斜を下り始めた。

地面には固い土と柔らかい土がある。武人は固い土では足を傷つけないように、柔らかい土では滑って転ばないように気をつけながら歩いた。

足は真っ黒に汚れたが、一種の興奮状態にある彼は特に気にしなかった。

それから1時間ほど武人は歩き続けた。呼吸が上がり、トレーナーとジーンズの内側は部分的に汗で張り付き始めていた。

身体を鍛えている武人にとって、肉体的な疲労は大したことはない。だが、精神面には少し堪えるものがあった。

森の景色というものは、少しも変わらないのだ。

もちろん、全く変化しない景色などはありえない。が、木や植物に詳しくない武人には、精神状態も相まって、周り全部が同じに見えていた。

まるで迷路にはまったかのように、同じ所をグルグル回っているような錯覚にとらわれる。

少し休憩しよう。武人は大きく深呼吸し、一番近くにあった巨大な杉の木の根本に腰を下ろした。

尻の汗が接着剤のようにジーンズをピタリと貼り付ける。トレーナーの袖で額の汗を拭き取ると、武人は全身から湯気が出ていることに気がついた。

遅れて、喉の渇きを感じるが、武人は手ぶらだ。水分を補給しようにも持ち合わせがない。

やっぱり早く下山しないと危険だ、と思いながらも、迷宮に迷い込んだような現状を考えるとそれも怪しく思えて仕方がない。

本当に自分は人里へ迎えているのだろうか……。もしかしたら、やっぱり同じ所をグルグル回っているだけなのではないか……。

そう考えて、武人は両手でビシビシと頬を叩く。弱気は素足以上に危険だと思い直す。

武人は喉の乾きをぐっと堪えながら、立ち上がって再び歩き始めた。

コツをつかみ始めたのか、挙動はスムーズになっていた。杉の木の幹には、汗の跡がくっきりと残っていた。

   *

西田守は、大樹の下で倒れこむようにして座っていた。

全身は水でもかぶったようにずぶ濡れだが、これは汗のせいではない。川に飛び込んだ際に濡れたのだ。

突然山で目覚めて、その時はずいぶん気が動転したものだが、あれから1時間以上が経過し、守の頭もずいぶん冷静になっていた。

だからこそ、今はラッキーだと守は思う。もし森でさまよっていた時のままこの場所にたどり着けていなかったら自分は死んでいただろうと思った。

それだけのどが渇いていた。

守は生まれて初めて神に感謝し、喉を潤した後は川のそばの樹の下で身体を休めていた。

最初はわけのわからない状況にイライラしたものだが、川のせせらぎを聞いているうちにずいぶん気が楽になった。

足を冷やすことで、ずいぶん疲労もとれてきている。

だが、冷静になった頭でも、今何が起きているのかについては検討もつかなかった。

17年間の人生を振り返ってみても、こんな出来事は一度も経験した試しがない。いやだれでもそうだろうと守は思う。

とにかく、すべきことは、下山の他にない。

守は最後に両手で川の水をすくって、口の中に流し込んだ。もう喉は全然乾いていなかったが、一応身体に水を入れておいたほうがいいだろう。

守はパーカーの袖口で口を拭うと、立ち上がって歩き始めた。と、そこへ――――

「み、水!!」

突如として茂みから飛び出した影に、守は吃驚して後ろに飛び退いた。

遅れて耳に人の声が入ってきて、影の正体が人間だとわかる。

男は守に気づいた様子もなく、川に入ってはジャバジャバとさっき自分がしたように水を飲み始めた。

人だ!!人がいる!!

守の顔に笑顔が戻った瞬間だった。

男が顔を上げ、思い出したように荒い呼吸をはじめたところで、守は声をかけた。

「あの!すみません!」

男は守の声に一瞬ビクッとし、こちらを振り向いて目を丸くした笑顔を作った。

「助かった!すまんが道を教えてくれ!」

男は川の浅瀬を軽快に走ってくる。

どうやら彼は守を下山ルートを知る人間だと判断したらしい。守だって同じだった。だが、状況を把握できたのは男の言葉を聞いた守だけだった。

「いや、実はその、俺もなんです」



守と武人(男の名前)は、互いの話に終始驚いていた。

状況が酷似しすぎていたのだ。

もしも今日の出来事を家族に話しても、きっと誰も信じないだろう。だが、同じ境遇だったからこそ、二人は互いの話をすんなり受け入れることが出来た。

武人は、守と同じ高校3年生であるらしく、この山に見覚えがないという。

更におどろくべきことに、武人の住まいは名古屋にあるらしいのだが、守は東京に住んでいる。

守はてっきりこの山は都内のどこかだと思い込んでいたのだが、それすらも怪しくなってきた。

一体ここはどこで、なぜ自分たちがここにいるのか。

二人が抱えていた謎は、意見を交換することで逆に深まってしまった。

とにかく山を降りようということになり、二人は今森を川沿いに歩いている。

景色の変化がない森のなかで、唯一下にだけ進んでいく川は、二人にとってこれ以上ない指針だ。森のなかで彷徨うという懸念はほとんど解消されていた。

傾斜が徐々に緩やかになってきたため、どうやらなんとか麓に近づいているらしかった。

「なぁ、もしかしたら俺たちの他にもこんな状況にある人がいるんじゃないかな」

片手に持った小枝で先の地面を探りながら、守がつぶやく。頭であれこれと考えているうちに思いついたことだった。

「確かにそうかもしれん。普通に考えたらありえない話だが、こうも状況が重なるとそう思えてくる」

同意されると、それがいよいよアタリだと思えてくる。

だが、実際にそうなるのは怖いというのが守の本音だ。おそらく、武人も同じように思っているだろう。

次に誰かと出会うなら現地の人であってほしい。もしそうなるなら、例えここが沖縄でも、北海道でも、外国でもいいとさえ思った。

でも、きっとそうはならない。

おそらくそろそろ誰かと出会う。そいつが男なのか女なのか、いくつなのかはわからない。

でもその誰かは、俺たちを見つけて助かった!なんて事を言うに違いないのだ。

守はそう思った。

理屈で断定することは出来ないが、守にはそうとしか思えなかった。

「おい、どうした」

気づくと、前から武人の野太い声がした。どうやら守は足を止めていたらしい。武人が血相を変えて走ってくる。

「いや、悪い。なんでもない」

守は慌てて両手を振って、武人の懸念を払う。どうやら武人の方もかなり疲れているらしかった。

とりあえずここまで書いたオリジナルおkならこの先も頑張って書きます


   *

「……やっぱ圏外か。おい、おめーさんの方はどうなんだい」

クソっと吐き捨てるように言い、五十嵐轍(イガラシテツ)は自分から10mほど離れた場所で膝を抱えている女に振り返る。

彼女は轍の射殺すような視線にビクつき、パッと顔を背ける。轍はその態度にあからさまにイライラした。

彼女は長い髪をおさげにした、大学生くらいの女だった。

彼女は場所に不似合いな、サーモンピンクのおしゃれなカーディガンと白いブラウスを着ている。

轍は、もうじき40になる自分とは全く接点のない人種の扱いに未だ慣れないでいた。

「あなたのが……駄目だったんなら…わ、わたしのも無駄だと……思いますけど…」

気が弱そうな割に、女は負けじと言い返してくる。顔はこわばったままだった。

「チッ。会社によって電波状況が違うだろうが。少しは頭を使え」

轍の睨みとドスの効いた迫力ある声に、今度こそ女は目尻に涙をためた。

あーしまった、と轍は頭を抱える。つい、イライラすると口調が粗暴になってしまう。

轍は震える手で携帯を触り始めた女を横目に見ながら、ふぅと息を吐いた。

「あー、その、なんだ。おめーさん名前は」

「……あのう、やっぱり圏外でした」

「………ああそう」

とにかく携帯は使えねえな、と彼女にも聞こえるようにつぶやき、轍は再びため息をつく。

やっぱり普通の若い女は苦手だと思った。

轍が関わる若い女といえば、組の人間か遊女くらいのもので、カタギの、それも学生の女と話すことなんてありえない。

女は、轍の視線から身を守るためか、いまだに通じもしない携帯を触り続けていた。

それでも彼女が轍から離れていかないのは、この奇妙すぎる状況が原因だろう。

自分にビビりまくりの女と意見を交換するのには苦労したが、双方の話を鑑みて、轍はこの状況が普通でないことを理解していた。

気がついたら見ず知らずの土地にいたという、そんな人間が二人もいる事実。

なら、と轍は考える。ならば、そんな人間が自分たちの他にいたとしても、何ら不思議ではない。

とにかく情報が足りない。

轍はとにかく人を探すことが先決だと判断した。そうすれば、きっとなにかわかることがある。

「おい!」

「ひゃいっ!?」

「おめーさん、名前はなんてんだ」

「あ、相澤です。……|相澤裕香《あいざわゆうか》」

「そうか。俺は轍。五十嵐轍だ」

二人はそれっきり言葉もかわさず、相澤が轍についていく形で移動を開始した。

二人がいる場所は砂浜だった。

砂浜といっても、横には広いが後ろはすぐ森だ。前には当然海があり窮屈な感じがする。

先に目を覚ました相澤の話によると、砂浜には自分たち二人が寝ていた他には誰もいなかったらしく、おかしなことに、船やいかだの類も停泊していなかったそうだ。

轍はとにかくここを一周すべきだと考えた。

丸腰で森に入るのは危険だと思ったし、ここがもし島なのだとすれば、どこかに必ず船があるはずだとも思った。

もちろん、自分たちを島に置き去りにして逃げたという可能性もあった。

だがそれではそもそも誰がという疑惑が残るし、すでにいっぱいいっぱいの轍としては、それだけは考えたくなかった。

しばらく歩くと、前方の森を挟んだ向かい側から、一本の煙が上がっているのが見えた。二人は同時に足を止め、即座に顔を見合わせる。

終始顔を曇らせていた相澤が、一瞬だけ表情を明るくして、またプイッとそっぽを向いてしまう。

轍はなんともいえない気持ちで煙を眺めてた。

人がいることはほぼ確実だ。だから、人に会うという目的はひとまず達成されたといってい。

だが、煙を上げるという行動の意味を思うと、轍は素直に喜ぶことが出来ないのだった。

また次回

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