【新世紀】寿限無【エヴァ落語】(45)

ざーんこーくなてーんしのように
しょーおねーんよしんわーになーれー

ヘロォ 婆無空変亭アスカよ

あんた達、自分の名前は大切にしてる?

あんたらみたいな凡人でも生まれた時に親が色んな願いを込めて

付けてくれた名前なんだからしっかり大切にしなきゃ罰が当たるわよ

って言ってもこの小さい島国だけで6000万人も人が住んでるんだから

その親の思いもありがた迷惑みたいな名前もあるのよね

時は江戸の中期、大平の世の中(ベンベンッ

舞台は下町のしみったれた長屋(ベンベンッ

此処にこれまたしみったれた夫婦がいたのんだけど

ある時この二人にめでたく子供が生まれたそうよ

夫シンジ「綾波っ、赤ちゃん大きくなった?」

嫁波レイ「そう…夫婦になっても下では呼んでくれないのね…あと赤ちゃんは生まれて7日目よ」

シンジ「ふーん、初七日だね」

レイ「碇君何を言っているの?多分御七夜のことでしょうけど」

シンジ「そうか、なら名前を付けないとね…どんな名前がいいかな?」

レイ「そうね、初めて生まれた男の子だから強そうな名前がいいわ」

シンジ「そうだね、生きていこうと思えばどこだって天国になるって意味を込めて」

シンジ「騎士(ナイト)って名前はどうかな」

レイ「よく、いけしゃあしゃあと母親のセリフが使えたわね、それに騎士はどこからやってきたの?」

レイ「お願い…真面目に考えて」

シンジ「うーん難しいよ、あとで後悔しそうだから…迷っちゃうよ」

レイ「それならお寺の御坊様につけてもらったらどうかしら」

シンジ「お坊さん?うーん…」

レイ「どうしたの?」

シンジ「お坊さんって人が亡くなると儲かるんだよね?そういう人に名前付けてもしもの事があったら…」

レイ「そうでもないわよ、昔から凶が吉に帰るというわ、それにお寺の方なんだから」

レイ「おめでたい言葉もたくさん知っているはずよ」

シンジ「そうだね、じゃあちょっとお寺まで行ってきて名前を付けてきてもらうよ」

シンジ「ごめんくださーい」

カヲル住職「お経はいいねえ、リリンが生み出した文化の極みだよ」

シンジ「すいませーん、誰もいないんですかー?」

カヲル「やあどうしたんだい?」

シンジ「どうも御住職様、実はお願いがあって今日はお伺いしたんです」

カヲル「なんだい?僕にできることならなんでもやるよ」

シンジ「実は子供が生まれましてね、男の子なんですが」

カヲル「男の子か…おめでたいね」ニヤッ

シンジ「それで名前を付けてもらいたいと思いましてね」

カヲル「僕が名づけ親か、それはありがたいね」

カヲル「それでどんな名前がいいんだい?」

シンジ「なんていうか、おめでたい…長生きするような名前がいいですかね」

カヲル「長生きか…ならこれはどうだい?鶴は千年というし鶴之助、鶴太郎?」

シンジ「ああ~鶴は千年…千年で死んじゃうのか」

カヲル「うーん不満かい?なら亀は万年というし亀太郎はどうだい?」

シンジ「亀太郎…一万年かあ、もっと長生きできるような名前ってありませんか?ずーっと死なないような」

カヲル「それは無理なんだ…リリンは生まれたその瞬間からデストルドーを自ら放ち死に向かって歩んでいるんだから」

シンジ「そこをなんとかできませんか?」

カヲル「そんなすがるような目で見ないでくれないかい?我慢が利かなくなっちゃうよ…そうだ」

カヲル「今思い出したんだけど無量寿経という経文の中に寿限無という言葉があるがどうだい?」

シンジ「なんだか強そうですね!どんな意味があるんですか?」

カヲル「寿限り無しと書いて寿限無、おめでたい名前だよ」

シンジ「成程、いい名前ですね!まだ何かありますか?」

カヲル「五劫の擦り切れなんてのもあるよ」

シンジ「擦り切れってなんか縁起悪そうですね」

カヲル「そうでもないよ、五劫…一劫っていうのはね三千年に一度だけ天女が地上におりて」

カヲル「岩を一度だけ羽衣で擦るんだ、その岩が擦り切れてなくなる事を一劫っていうんだ」

カヲル「これが五つだから五劫果てしがないって事さ」

シンジ「凄いや!なんだか頭が良くなったみたい、まだありませんか?」

カヲル「海砂利水魚なんてどうだい」

シンジ「なんですか?それ?」

カヲル「海の砂利とそこに住む魚、数えきれないって事だよ」

シンジ「へえ確かに数えられないもんな、まだありますか」

カヲル「水行末雲来末風来末なんてのはどうかな?」

シンジ「胃薬ですか?」

カヲル「ははっ違うよ、水の行く末、雲の行く末、風の行く末…果てが無いって事さ」

シンジ「まだありますか?」

カヲル「生きるために必要な食う寝る処に住む処は?」

シンジ「そうでした、忘れてました、まだありますか?」

カヲル「藪ら柑子って樹木はおめでたいと思うよ」

シンジ「ありがとうございます、他には?」

カヲル「昔パイポって国があったんだよ、そこにシューリンガンとグーリンダイという王と妃が居て」

カヲル「その間に生まれたポンポコピーとポンポコナーという二人の姫が長生きをしたそうだよ」

シンジ「へへ、ポンポコポンポコ言ってかわいいですね、まだ何かありますか?」

カヲル「長く久しい命とかいて長久命なんて素敵じゃないかな?」

シンジ「そうですね、まだあったりしますか?」

カヲル「シンプルに長く助ける、長助なんてのもいいよ」

シンジ「シンプルが一番ですもんね、他には何かありますか」

カヲル「ごめんよ、シンジ君…もう僕は無理だよ」

シンジ「うーん綾波とも話し合いたいんで家で決めてよろしいでしょうか?」

カヲル「勿論だよ、全部覚えられたかい?」

シンジ「えーっと多分…」

カヲル「君は嘘がヘタだね、はい全部この巻物に書いてるから」

シンジ「あ、ありがとうございます、それじゃあさようなら」

レイ「おかえりなさい、名前…付けてもらった?」

シンジ「ただいま、うんいっぱいつけてもらったよ」

レイ「いっぱい?」

シンジ「実はかくかくしかじかで…」

レイ「そう、いっぱいつけてもらってよかったわね」

レイ「碇君、このじゅげむって何?呪文かなにか?」

シンジ「えーと呪文じゃなくて…めでたいんだ」

レイ「どうめでたいの?」

シンジ「どうってその…じゅって字がげむるからめでたいんだって」

レイ「そう、宗教は難しいわね」

レイ「五劫の擦り切れ…擦り切れって…縁起悪そう」

シンジ「僕もそう思ったんだけど、それが一番めでたいんだよ」

レイ「どうして?」

シンジ「えーっとなんていうのかな~?五劫でしょ?だからその~三千年に一度何だ!めでたいでしょ」

レイ「ごめんなさい、こんな時どんな顔すればいいかわからないわ」

シンジ「ごめん、なんかとりあえず…笑ってて」

レイ「ほかにも色々書いてるけどコレ全部名前なの?」

シンジ「そうなんだよ、好きな奴を選んでよ」

レイ「私…わからないわ」

シンジ「僕だってわからないよ…あ!そうだこれ全部つけるってのはどうかな?」

レイ「長すぎるわ碇君」

シンジ「でも何かを捨てて何かを残すって嫌なんだ、もうそうしようよ」

というわけでこのバカ夫婦は子供になっが~~~~~~~~い名前を付けたのよ

名前ってのは憶えやすいのが一番いいのよねえ

リツコ「ほーらゲンちゃんいないいない…ばあ」

ゲンちゃん「きゃっきゃ」

普通なら子供もこんな風に笑うんだけどあのバカ夫婦の子供は

シンジ「ほーらじゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけちゃんいないいない…ばあ」

なんて言ってるうちに赤ん坊がいなくなってんのよ

だからもう近所に住んでる人もえらい迷惑で

ミサト婆さん「おじゃましまーす」

シンジ「ああ、葛城屋のお婆さんどうしたんですか?」

ミサト「ごめんねえ、あのお子さんに名前付けたんですってね」

ミサト「あたしもナオコ婆さんに聞かされたんですけど、この年だからなかなか覚えられなくて」

ミサト「覚えたら挨拶に行こうと思ってたんだけどちょっち時間かかっちゃってね」

シンジ「そうですね名前を付けて一年経ちましたしね」

ミサト「そうなのよ、悪いとは思ってしょうがないから紙に書いてきちゃったわー」

ミサト「うちで練習してきたんだけど間違ってないか不安なの」

ミサト「今から読むから間違ってたら教えてちょうだい」

ミサト「へーこの子が…かわいい顔してるわね」

ミサト「ん~ゴホン、え~じゅげむじゅげむごこうのあ~すりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにえっと~すむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがん…のぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぺーじゃねえや

ぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけさん…このたびはご愁傷さm」

シンジ「し、死んでないですよ」

でもこの名前のおかげか病気も怪我もせず大きくなったのよねー

で何の因果か鬼に連れ去られそうになったお姫様を偶然助けちゃったのよね

鬼青葉「ちっくしょーなんて強いんだ…名前を名乗りやがれ」

じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけ「碇じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけだ!」

青葉「えっとあ…うん、絶対に忘れないからなー」

じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけ「多分覚えてないなアイツ」

マリ姫「おありがとうございます旅のお方、待ってーせめてお名前を教えて下さーい」

じゅげむじゅじゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけ「碇じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけです」

マリ「えっとあ…うん、このご恩は一生忘れません」

じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの

ちょうきゅうめいのちょうすけ「名前はすぐ忘れるだろうなあ」

と思ってたんだけど2月後にその姫が迎えにきてビックリ

そのまま結婚して町人だったコイツは大出世しちゃったの

それからがもう大変

コイツが大出世しちゃったからこの家に男の子が生まれたらみんなコイツと同じ

長ったらしい名前を付けられるようになっちゃったの

時は流れて2015年 セカンドインパクト後の荒廃した世界(ベンベンッ

舞台は人類の最終防衛線 ジオフロント(ベンベンッ

リツコ「汎用ヒト型兵器エヴァンゲリオンよ」

ゲンドウ「久しぶりだなじゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ 

くうねるところにすむところやぶらこうじのやぶこうじ

ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーの」

マヤ「第3使徒がターミナルドグマ最深部に侵入しました!!」

日向「ヘブンズドアが開きます!」

という訳で簡単にサードインパクトを許して人類は滅亡しました

おあとがよろしいみたいね

アスカ「ふー疲れたー」

マリ「師匠!タオルとコーラをどうぞ!」

アスカ「んっご苦労、どうホモaホモb格の違いが分かった」

シンジ「ホモなんかじゃないよ!まあ確かに上手だったと思うけどその…」

アスカ「なによ?なんか文句あるっていうの私の完璧な演目に!」

カヲル「ちょっと話しを曲げすぎじゃないのかな?」

シンジ「そうなんだよね、なんていうか最後のオチがきつすぎないかな?」

アスカ「なーに言ってんのよ!寿限無って話は話家によってオチが変わるんだからこれぐらいでいいのよ」

カヲル「あと君が気に入ってたあの『ベンベンッ』という音はなんだったんだい?」

アスカ「あれは…なんか盛り上がっていいかな~と思って…」

シンジ「僕もなんか違和感あったなあ、あんなの見た事無いよ」

アスカ「あんたバカぁ?笑点でオレンジの着物がよく床を叩いてるじゃない」

アスカ「それとも笑点も見てないっていうの?」

マリ「あ~姫~多分勘違いしてるにゃ」

ミサト「あれは落語じゃないのよ~」

アスカ「はあ?何言ってんのよミサト!落語家がやってるんだから落語でしょ?」

ミサト「確かにあれは落語家さんがやってるけど大喜利っていって落語とは違うのよ」

アスカ「落語家なのに落語やらないなんてあの爺さん達なんなのよ」

レイ「碇君と夫婦役ができてなんだか…ポカポカした」

シンジ「あ、綾波…」

アスカ「こらっ!そこ、まだ私の話しが…」

マリ「ハイハイ、邪魔しない邪魔しないっと」

アスカ「コネメガネ!裏切る気?」

マリ「若人の恋路を邪魔しちゃダメにゃ~退散退散」

アスカ「離せー!!」

カヲル「君が幸せなら僕も嬉しいよ…葛城さん次回予告お願いします」

ミサト「はいはい、ちょっち待ってね~、シンジク~ン、レイ~しっかりやるのよ~」

レイ「ハイ」

シンジ「ちょっと!ミサトさんまで…二人きりにしないでください」

レイ「嫌なの…?」

シンジ「い、嫌じゃないけど…」

レイ「そう」

ミサト『夜は腹が減る だがそれはすべての始まりにすぎなかった』

ミサト『そば屋台を追うシンジ アスカの策略はそば屋を困らせてしまう』

ミサト『次回 時そば この次もサービスサービスゥ』

リツコ「今回は気合い入ってるわね」

ミサト「でしょーえへへ」

とりあえず完



>>41
読んでくれてありがとうやでー
暇やったら悪かった所・良くなかった所・改善できそうな所教えてやー

あと次マリかレイどっちに話させるかきめれてないんじゃけど希望あったら言ってな

第3弾きてたー
おつおつ^^ このシリーズ好きやで

マリで

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