男「鳩が横たわってる…」 (61)

男「あれ?あそこに横たわってるのって…鳩…だよな?」

男「真っ白で綺麗だけどぐったりしてる」

男「どれどれ…よっと…」

鳩「クルッ…ポッ…」

男「まだ息がある。病院連れて行かなきゃ」ダッダッダッ

動物病院

医者「これでもう大丈夫かと思います。2、3日こちらで預かり野生に返しますので安心してください」

男「よかった…先生ありがとうございます」

医者「いえいえ。鳩をわざわざ連れてきてくれるなんて優しいんですね」

男「そんな…よしてくださいよ。こんな綺麗な鳩が横たわってるの見過ごすなんてできませんよ」

男「それじゃあ先生…よろしくお願いします」ペコリ


女「………。」

男「さてと…帰って飯作るか」

男「その前に買い物だよな」

女「あ…あのっ…」

男「え?は、はい。なんでしょう?」

女「えっと…えと…その…」

男(なんだろこの人。すげーかわいいけどなんか不思議なカンジがする)

女「さ、、さっき!!鳩抱えて走ってるのみえて…」

女「それで…あとつけちゃったんです。ご、ごめんなさいっ」

男「プッ…あははっ」

男「見られちゃってたんですね」

男「変でしょ?こんな茶髪の赤々した奴が鳩抱えて走ってるって」

女「そ…そんなことないです!!ありません!」

男(ビクッ)

女「あ、、えと…その…ありがとうございます!失礼します」ペコリ

男「え!?ちょっとまっ……」

男「なんだったんだろ…」

男「ま、いっか。俺みたいな変わり者もいるんだし、あんな子もいて当然か」ヒラヒラ…

男(ん?羽…?上に鳥でも飛んでたのかな)

男(さっきの鳩みたいな真っ白で綺麗な羽だなぁ…)

男「きっと抱えてたときのだろ」

男「さ、飯!飯!」

女「ハァハァ…ッ…」

女「あは…ははっ!」

女「よかったぁ。やっぱり優しい人だったんだ」

女「変な女の子って思われなかったかなぁ…?」

女「名前…聞いてればよかったなぁ…」

女(……よしっ!)

男「ふぅ~買った買った。やっぱり金曜日は大盛りカレーだよな」

男「ちゃちゃっと作って腹いっぱい食べよう」ガチャリ

男「ただいまー!」

男「って…誰もいるわけないか。返事あったら怖いっつーの」

男「さてとっ……作りますか!」

女(あ!帰ってきた…)

女(でもどうしよう…あのままの姿で出て行くわけにはいかないし…)

女(う~ん。。困ったなぁ)

女「女は鳩胸!!って言うもんね。」

女「勇気をだして……」ソーッ

ピンポーン

男「ん?誰だろ…」

男「はーい!」ガチャリ

男「えええ!?君はさっきの…」

女「えへへ…こ、こんにちはっ!」

男「こ、こんにちは。あれ?なんで俺ん家知ってるの?」

女「え…えとですねぇ…そ、そのぉ…」

女「き、近所に最近越してきて!!さっき!姿が見えたんで!!」

女「な…名前も聞いてなかったし、お友達も…その、、越して来たばかりでいなくて…」

女「な…なのでですねっ…」モジモジ

男「ハァ…見掛けたからインターホン押したと?」

男「俺より変わってるね、きみ」

女「え…か、変わってるですか…?」

女「それって“変な子”って意味ですか…?」ウルウル

男「だーっ!ごめん!そんなつまりじゃなくて」

男「へんてこで面白い子だなって…」

女「面白い…ですか…?」

男「そうそう」

男「面白くて素敵な子だなぁってこと」

男(そんな潤んだ瞳で見つめられたらなにも言えないってば)

女「そ…その面白いって…鳩が踊るみたいなコトですか…?」

男「え…?う、うん、まぁ鳩が踊ってたらそりゃ面白いんじゃないかな」

女「ほんとですか!?」パァッ

女「う、嬉しいです!変な子嬉しいです!」

男(あはは…こりゃ本当に変な子だな)

男「…こんなとこじゃなんだから、家入る?」

女「い、いいんですか!?」

女「やったぁ!」

男「何にもない家だけどね。どーぞ」

女「はい!失礼します!」

男「失礼しますってのもなんか変だぞ」

男「普通、お邪魔します、だぞ?」

女「あ、えと…お、お邪魔します…」

男「はい、どーぞ。」

男(ん…?また羽が落ちてる…)

男(今日はなにかと羽に縁がある日だな)

(この女、喘ぎ声のリズムがどこかで聞いたことあるんだよな・・・)
あん あん ああん
あん あん ああん
あん あん ああん
く~ く~ ぽぽ~
く~ く~ ぽぽ~

ハト、お前だったのか
             おしまい

女「キャーーーッ」

男「えー!どうした!」

女「あ、、あの…火の上にあるモノから黄色いモノが出てきてます…」

男「あ!いっけね…」

男「カレー吹きこぼしちゃった」

男(にしても、黄色モノ…か)

女「カレー…そう!カレーです!」

女「カレーが吹きこぼれてたんですよ!びっくりしちゃった…」

女(カレーって言うんだ。このドロドロしたのって…)

女(これって料理…してるんだよね…?きっと)

女(美味しいのかな…)


ぐぅぅ…

女「ん…///」

女「い…いまのは!なんでもないんですよ!!喉が鳴ったのです!!」

男「お腹減ってるんでしょ?」

男「食べてく?」

>>20
もう少しだけ付き合ってたもれ
いまのとこ終わり見えないけどw

女「…///」カァァァ

女「は、はいです…お腹減ってるのです…」

女「朝からずっと捜してたからなにも食べてなくって」

男「探してた?なにか無くしたの?」

女「あ!いいえ…そういうわけじゃなくって…その…」

男(なにか言いにくいことなのかな)

男(そりゃ言えないことの1つや2つあるもんだよね)

男(そうだよ…言えないこと…)

女「あ…あの…」

男「あぁ、ごめん。ぼーっとしてたね」

男「無くしたモノ見つかるといいね。ご飯食べたら一緒探す?」

女「い、いいえ。もう見つかりましたので」

男「そっか。それならよかった」

男「そういやまだ名前聞いてなかったね」

男「俺、男って言うんだ」

女「男さん…私、女って言います」

男「女さん…」

男「かわいい素敵な名前だね」

男「お父さんかお母さんがつけてくれたの?」

女「す…素敵だなんて…」

女「いえ、父の顔も母の顔もみたことなくて」

女「唯一の家族と呼べるのは妹くらいでした」

男「そうなんだ…うちもさ、気が付いたときには両親はいなくて祖父母に育てられたんだ」

男「そんな祖父母も亡くなっちゃったんだけどね」

男「俺も家族と呼べるのは妹くらいだったんだけど…」

女「妹さん…いらっしゃるのですか?」

男「ううん、正確には“いた”かな」

女「え…?」

男「そんなことよりお腹減ってるんでしょ?ご飯食べよっか」

女「は…はい。」

男「女さんの妹さんは?どんな子なの?」

女「白くて明るくてとてもかわいい妹なんです」

女「あ、自慢の鳩胸は私よりおっきいんですよ!」

男(鳩胸…ああ、胸のことか…)

男(クスッ…鳩胸か。面白いな)

男(いい子…なんだろな。女さん)

女「男さん?」ジーッ

男「ごめんごめん。またぼーっとしてたね」

男「ね?俺も変でしょ」

男「変わり者なんだよ、俺って」

女「そ、そんなことないです!!」

女「男さんは…とても優しくて素敵な人です!!」

女「そりゃ見た目は少し怖いかもしれませんが…」

女「男さんは妹を助けてくれました!!」

女「だ、だから優しくて素敵でかっこいい人なんです…!!」

男「え…?」

男「いま何って言ったの…?」

女「お、男さんは…」

女「優しくて素敵で…か、かっこいい人だって言いました…!///」

男「あ、えっと…そこじゃなくてさ」

男「妹さんを俺が助けた…?」

見にくくないですか?(´・ω・`)

一服したらまた書かせてもらいます

見やすくて面白いよ

>>30
やる気湧いてきた
ありがとう

さ、書く

女「あっ…」

女「その、、えと…」

女「な…なんでもありません!」

女(あちゃ…なんてこと言ってしまったんだろう…わたし…)

女「あ、、あの!ごめんなさい」

女「やっぱり帰りますっ」ガタッ

男「待って!!」

女「っ!?」

男「女さん待って…」

女「ごめんなさい…」

男「座って。いいから話してよ」ガシッ

女「………。」

女「手を離してください」

男「あっ、ごめん」

暫くレス出来んけど完結してくれよ

女「3日後…」ボソッ

男「え?」

女「3日後、あの鳩を見つけた場所で待ってます」

女「今日はごめんなさいっ」ペコリ

男「女さん待って…!」

見てるぞーーー

男「なんか…悪いこと聞いちゃったかな」

男「妹さんを助けた…俺が?」

男「きっと気のせいだよな」フワッ

男(また…羽…?)

男「まさか……」

あ!とり消えてた
すみせんせん

>>33>>35
ありがとう
がんばるお

女「あぁ…もう!」

女「私のバカ…」ポカッ

女「いっつも肝心なときにこうなっちゃうんだから」

女「変な子って言うより…」

女「人間で言うならドジな子ってカンジなんじゃないかな…私」

女「3日後…男さん来てくれるかなぁ」

女(大丈夫だよね。妹を助けてくれた人だもん)

女(見た目が怖くったって…人間だったって…)

女「男さんは優しいもんっ…」

男(あれからしばらく考えてたけど)

男(やっぱりそういうことなんだよね)

男「女さん…可愛かったなぁ…」

男「っと…いけね。もうこんな時間か」

男「不思議なことってあるんだな。世の中ってさ」

男「女さんの妹の名前もおまえといっしょだってさ」

男「おまえに…会えたりしないのかな。なぁ、妹」

男(3日後…行ってみるか。)

──────
─────
────
───

男「さてっと…時間聞いてなかったけどあの日の時間でいいよな、きっと」

男「戸締まりオッケー。火元オッケー。」

男「さ!行きますか」

男「行ってきます」

医者「もう元気いっぱいだね。これなら大丈夫だろう」

医者「あの青年に感謝しなきゃだぞ」

鳩「クルックルッポー」

医者「そうかそうか。わかってるんだな」

医者「元気でな。」

鳩「クルッポー!」バサッバサッ

医者「本当に綺麗な白鳩だな…」

女「そろそろ…かな?」

女妹「おねーちゃんっ!」

女「妹ちゃん!もう!心配したじゃない!」

女「だからあれほど1人で遊びに行ったらダメだって言ってたでしょ!」

女「ほんとにもう…よかったぁ…」

女妹「えへへっ…お姉ちゃんごめんね」

女妹「お姉ちゃんお誕生日だったでしょ?」

女妹「だからほら!これ…」

女「わぁ…綺麗なガラス玉…」

女「プレゼントくれるために…?」

女妹「うんっ!そーなの!」

女妹「いつもお姉ちゃん私のために頑張ってくれてるから…」

女妹「なにかあげたくって」

女「妹ちゃん…ありがとう。でも、今度から絶対遠くに1人で行っちゃだめだよ?わかった?」

女妹「はーい。ごめんね、お姉ちゃん」

女「よしよし。それならこれでこのお話はおしまいっと!」

女「あ!あのね…妹ちゃん…今日ね会ってほしい“人”がいるの」

女妹「“人”…?人って…お姉ちゃんまさか…」

男「おーい!女さん」

女妹「…っ!?」

男「待たせてごめんね。」

女「ううん、平気です。」

男「この子が…女さんの妹さん…?」

男「妹ちゃんだっけ?こんにちは」

女妹「…………。」

女「こーら。女妹ちゃん、こんにちはしなさい」

女妹「……こんにちは。」

男「こんにちは。ほんとに白くて可愛い子だね」

女妹「~~~~っ///」

女妹「お姉ちゃんっ!!」

女「あはは。ごめんね。女妹ちゃんが入院してる間にお話してたの」

女「男さん、この子が男さんが助けてくださった女妹です。」

男「…女さん?あの…助けたもなにも全く身に覚えがないんだよ」

男「あ!女妹ちゃんごめんね。嫌な言い方して」

男「でも、女さん…ほんとわからないんだ」

女「そう…でしょうね。見た目は人間ですもの」

女「これ、なにかわかりますか?」

男「羽…ですよね。真っ白くて綺麗な。こないだの鳩の羽みたいだ」

女「そうなんです。男さんが助けてくれたのが女妹だったんです」

女「信じてくれるなんて思ってるわけではないですが…」

女「それでもお礼を言わなきゃって思って…」

男「そんな…そんなことありえないですよ」

男「女さんは女さんで、女妹ちゃんは女妹ちゃんでしょ?」

男「まさか鳩だなんて」

女「そのまさかなんです」

女「話したとおり私達には両親はいません」

女「ずっと2人で生きてきたので、あの日捜しても捜しても見つからなくて途方にくれてました」

女「木の上から男さんが女妹を抱えて走ってるのが見えたので後を追ってみたんです」

女「そしたら病院に連れて行かれて内心ヒヤヒヤでした」

男「…………。」

女「病院の小窓から覗いていると懸命に治療を施してくださる先生と男さんが見えたので安心して外で待っていられました」

女「ほんとうに…ほんとうにありがとうございました。」

男「やめてください」

女「………?」

男「俺はそんな優しい人間じゃない」

男「たとえ女さんと妹さんがそうだとしてもです」

男「俺は…決してそんなに褒められたりお礼を言われるような人間じゃない」

女「そんなっ…」

男「あの日は!!」

男「あの日は、妹の命日だったんです。」

男「墓参りの帰りにふと見掛けただけで、弱りきってる妹さんを病院に抱えこんだのはほんとたまたまでしかないんです。」

女「……それでもですよ。」

男「え…?」

女「あなたが病院へ抱え込んで行ってくれたのは紛れもない事実なんです」

女「それだけで十分じゃないですか。」

男「女さん…」

女「たとえあなた自身がどう思っていようとも、あなたは優しくて素敵でかっこいい人なんです。」

女「だから…だからそんなこと言わないでください」

女「ほんとうに感謝してるのですから。」

男「ううっ……。」

女妹「お姉ちゃん…そろそろ…」

女「そうだね。もう行かなきゃ…」

男「行くってどこにですか…?」

女妹「お姉ちゃん!!」

女「男さん…ごめんなさい。もう行かないと…」

男「待って!!女さん待ってください!!」

男「また…会えますよね?」

男「ほら、、カレーだってまだ食べてないんですから!!」

男「今度また作りますから。女妹ちゃんと一緒に食べにきてくださいよ」

女「クスッ。そうですね。食べてなかったですもんね」

女「いつか…いつかきっとまた会えます。」

女「だからその日まであなたは優しくて素敵な人だと言うことを忘れないでください」

女「そんな男さんが…」

女「そんな男さんがわたしは大好きですっ。」

男「女さんっ…まっ…!」

──バサッ─

男「女さん…?」

男「女さんっー!!」

女妹「おねーちゃん?言わなくてよかったの…?」

女「言わない方がいいことだってあるんだよ」

女「目に見えるモノだけが真実じゃない」

女「心の中に残るモノ…見えるモノだってたくさんあるんだから。」

女「ねえ?そうでしょ。男さん」

終わり

ごめんなさい。タバコから先々変な流れになったw
お盆だから思い付きで書いちまったのです。
女さんの口調が前後半で変わってるのしっかり表したかったんだけど無理でした。ごめんなさい

とにかく!!
おまえらは見かけだけじゃなくて本当に優しくて素敵なやつもいるんだよな!!

お付き合いありがとうでした。

鳩山さんの画像嬉しかったぞい!
ふふっ(笑)ってなった

乙ー面白かったよー

>>57
ありがとー。SSよく読むけど書ける人すごいよね
初めてこんなの書いたけど無理ぽ
ほんと読んでくれてありがとう

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom