モバP「いいこと?」杏「うん」 (40)

ガチャッ

ちひろ「ただいま帰りましたー」

モバP(以下P)「お疲れ様です」

ちひろ「いやー外は暑――この部屋寒っ!?」

P「毛布いります?」

ちひろ「Pさんはもう羽織ってますね…。って、冷房効かせすぎなんじゃないですか? 温度上げましょうよ…あれ? リモコンがない」

P「リモコンならここに」

ちひろ「なんだ、じゃあ上げてください」

P「えー」

ちひろ「えーって、どうしてですか?」

P「…実はですね、ちひろさん。先日、凄いこと聞いちゃいまして」

ちひろ「…はぁ。何ですか?」

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P「なんとですね…クーラーによってキンキンに冷えた部屋で毛布に包まるのが、とても気持ちいいんですよ!!」

ちひろ「…は?」

P「いやー一度試してみたら、もう虜になっちゃいましてー」

ちひろ「プロデューサーさん!!!」

P「は、はい!?」

ちひろ「上げてください。もしくは切ってください」

P「ど、どうしてですか!? あ、ちひろさんもやってみれば分かりま――」

ちひろ「料金が嵩む! 環境に悪い! とにかく無駄すぎます! さあ、早く!」

P「…でもー」

ちひろ「もう! どうしたんですかプロデューサーさん! あなた、前までこんなんじゃなかったですよね?」

P「だから、もうこのクーラー毛布セットの虜になっちゃったんですよ!」

ちひろ「ならば引き剥がすまでです!」

P「うわぁあ」

杏「ちょっと待って、ちひろさん!」

ちひろ「え!? 今、杏ちゃんの声が…どこから!?」

杏「ここだよ」ヒョコッ

ちひろ「プロデューサーさんの毛布の中!?」

P「あったかい」

ちひろ「ど、どうして杏ちゃん、そんなところにいるの?」

P「そんなところ…」

ちひろ「あー落ち込まないでください! 別にプロデューサーさんの膝の上が悪いとか、そんなこと言ってるわけじゃないですよ!」

P「そんな…」

ちひろ「あーもう! わかりました! 今度、私にも貸してください、その膝!」

P「え?」

ちひろ「いいですよね?」

P「え、ま、まぁ。…ん? ということは、俺の膝の上は『そんなところ』なんかじゃない…? やったー!」

ちひろ「…もうっ」

杏「いや、ここは杏の特等席だから。譲んないよ」

ちひろ「それで、杏ちゃん。どうしてそこに?」

杏「うーん、まあ毛布の節約かな? ほら、使いすぎると洗濯する量が増えて環境にも悪いし」

ちひろ「じゃあクーラーをどうにかすればいいじゃない!」

杏「いや、それとこれとはまた別問題だよ」

ちひろ「どういうこと…」

P「いやでも、ホントこれ気持ちいいんですよ。今なんて杏のぬくもりが伝わってきて、もう最高ですよ。実家の犬を抱っこしてる感覚です」

杏「杏は犬なの?」

P「いや、そんなことはないぞ。可愛いうちのアイドルだ」

杏「杏はプロデューサーにとって、ただのアイドル?」

P「いや、可愛い一人の女の子だ」

杏「…へへっ」

ちひろ「もっと温度下げましょうかねぇ!!」

P「そもそもこれ、杏に教えてもらったんですよ」

ちひろ「あーやっぱり」

杏「杏は疲れてるから、充電が必要なんだよー。だからこうやって、快適な空間で幸せ気分になってるんだー」

P「まあ杏が、今後の仕事を頑張ってくれるなら安いもんかと」

ちひろ「でも、プロデューサーさんの欲もありますよね?」

P「…はい。あります」

ちひろ「……」

ちひろ「わかりました。では、こうしましょう。一度、私もそれを体感してみます。それで、これが実際にヒーリング効果があるなら、よしとしましょう」

P「お、さすがです、ちひろさん」

ちひろ「では、プロデューサーさん。私もその毛布の中に入れてください」

P「え?」

杏「……」

ちひろ「あ、杏ちゃんと条件を一緒にしないと、わからないじゃないですかっ」

P「あー、そうかもしれませんね。――では」バサッ

ちひろ「っ!」

ちひろ(……あー、何この感じ。今まで冷気に触れて冷えていた身体が徐々に暖かくなっていく。それも、ゆっくり、ゆっくりと…。…気持ちいい。これは、あれに似ているのかな? 冬場のこたつ。これは…病みつきになりますね! それも、あぁプロデューサーさんの温もりが! あぁ!)

P(ちひろさんの表情がゆるくなっていく……ん?)

杏「……」ギュッ

P「どうした?」

杏「…頭出してたら冷えた。撫でて温めてよ」

P「へ? …お、おう」ナデナデ

杏「…~♪」

ちひろ(今度また、してもらお♪)

P(やべっ……眠たく……zZZ)

この後、この状態のままで寝てしまった三人は、帰ってきた大人組に叱られたとさ。

おわり

~翌日~

P「~♪」ピッピッ

P「…よっし」バサッ

P「あぁ~。やばい、本気ではまってしまった。中毒かな、こりゃ」ヌクヌク

P(おっと。でも仕事はしなくちゃな。資料の整理などをっと…)

P「うわぁっ!? 足に何か触れた!?」

乃々「………」

P「あ、なんだ乃々か。って、俺の机の下になんでいるんだよ」

乃々「あの…プロデューサーさん…寒いんですけど…」ブルブル

P「えっ。そんな震えるほど下げてないけどなぁ」

乃々「…なんですかこれ…真夏なのにここだけ冬なんですけど……」ブルブル

P「あー、わかった。机の下だからだ。よく実家の犬が涼しいところ求めて机の下に行くの思い出したわ」

乃々「…いや…そんなことより…温度上げて欲しいんですけど……」ブルブル

P「いやそこから出れば?」

P「あっ、そうだ乃々。毛布いるか? 最高だぞ」

乃々「あ…欲しいです…」

P「よーし、ちょっと待ってろ。持ってきてやるから」

乃々「………その必要は…ないです…」ヒョコッ

P「お、おい。乃々も俺の毛布の中に入ってくるのかよ」

乃々(は、恥ずかしいんですけど……でも、昨日の見て…羨ましかった…)

P「うわっ!? 乃々の体冷たいな!?」

乃々「あっ…すみません…」

P「いや、これはこれでなかなか」ギュッ

乃々「っ!」

乃々(この状況だけでも…恥ずかしいのに…そのうえ抱きついてくるとか……むーりぃー…)

P「…あれ? 乃々、体がどんどん暖かくなってるぞ。ってかあつっ! 乃々! 顔真っ赤だぞ!?」

乃々(なんですかこれ…いぢめですか…恥ずかしすぎるんですけど……)

乃々(…でも、離れたくはないんですけど……)

乃々「…続けてほしいんですけど…」

P「え? あ、あぁ」ギューッ

乃々(これ…最高なんですけど…)

また虜が増えましたとさ。

おわり

ありす「ただいま帰りました…寒っ」ブルッ

P「あ、おかえり。ありす」

ありす「……」キョロキョロ

ありす「はいっ! ただいまです、Pさん!」

P(満面の笑みだな)

P「レッスンお疲れー」ナデナデ

ありす「えへへ…」

ありす「ところでPさん。どうしてこの部屋はこんなに寒いんですか?」

P「クーラーガンガンだからだよ」

ありす「えっ…それっていいんですか? 私が調べた限りでは、電力を作る際に発生する CO2 が原因で、オゾン層が破壊され、地球温暖化が進んでしまいす。その電力を最も多く消費するのが、エアコンらしいですよ? 」

P「ありすは偉いなぁ!」ナデナデ

ありす「えへへ…」

P「…まぁあれだ。いろいろ事情があって、特別にいいんだよ」

ありす「? よくわかりませんが、Pさんの言う事は正しいですよねっ」

P「もちろんだ!」

ありす「ところで、どうしてわざわざクーラー付けて毛布を羽織っているんですか? 非効率じゃないですか?」

P「…ふふふ。ありす、どうやら君はまだ知らないらしい。この素晴らしさを!」

乃々「…本当にこれは…素晴らしいんですけど…もうもりくぼは…」

ありす「なっ!? どうして乃々さんが、Pさんと同じ毛布に…!? それも、Pさんの膝の上に!」

P「乃々も合わせてさらにサイコー」ギュッ

乃々「あっ……」

ありす「Pさん。乃々さんが苦しそうです。すぐに離れてください」

乃々「いや…あたしは幸せですけど…」

ありす「っ!」

P「そうだ、ありすもするか?」

ありす「えっ、はいっ! します!」

ありす(えへへ…私もPさんと一緒にあたたまろう…)

P「はい、これ」

ありす「…へ? これは…?」

P「いやー、さっき取りに行っといてよかったよ。洗濯済みの綺麗な毛布だ。これでありすも、レッツエンジョイ!」

ありす「……いいえ、いりません」

P「えっ。……そっか。残念」

ありす「Pさん。私、冷え性なんです。ですから、一人より二人と毛布に包まりたいです。ですから」

P「あー、なるほど。…よっしゃ、休憩入るか。乃々、ソファいくぞ。ありすも」

乃々「抱っこして…ほしいんですけど…」

P「どうした乃々ー今日はやけに甘えるなー」ヒョイッ

乃々(こんなチャンス…滅多にありませんから…)

P「……ふぅ」ドサッ

P「よし、来い、ありす」

ありす「はいっ!」

P「よっと」バサッ

P「ほら、あったかいだろー」

ありす「はい…あたたかいです」スリスリ

乃々「ポカポカ…なんですけど…」

P「アハハー俺もだー!」

ありす「……Pさん」

P「ん? なんだ?」

ありす「これの魅力はわかりました…ですが、環境に悪いことには変わりません。…ですから」

ありす「冬になったら、覚悟してくださいっ!」

P「ん? …お、おう」

P(どういう意味だろ……あ~、しかし眠くなるなこの状態。…やべっ…眠く…)

ガチャッ

早苗「ただいまー!」

P「あ、お疲れなさい早苗…さ…ん…」

早苗「……P君? なにしてるのかな?」

P「……ぼくカンガルー! 子供達を守ってるんだルー!」

早苗「ふーん……シメる♪」

P「待ってください早苗さん今はダメです二人とも寝ちゃってるからぁぁ!」

早苗「……そうだね。やめとこっか」

P「ホッ…」

早苗「じゃあ、今晩、クーラーガンガンつけてる居酒屋知ってるから、そこの個室で飲もうよ」

P「えっ」

早苗「私もP君と毛布に包まって、カンガルー♪ ってね。 …ねえ、P君。本当のカンガルーみたいに、自分の子供を守っちゃう?」

P「……えっ」

早苗「楽しみだねー♪」

P「…………えっ」

おわり

なんか早苗さんがアレになっちゃったゴメン

依頼出してきます

>>26 修正

早苗「ただいまー!」

P「あ、お疲れなさい早苗…さ…ん…」

早苗「……P君? なにしてるのかな?」

P「……ぼくカンガルー! 子供達を守ってるんだルー!」

早苗「ふーん……シメる♪」

P「待ってください早苗さん今はダメです二人とも寝ちゃってるからぁぁ!」

早苗「……そうだね。やめとこっか」

P「ホッ…」

早苗「じゃあ、今晩、クーラーガンガンつけてる居酒屋知ってるから、そこの個室で飲もうよ」

P「えっ」

早苗「あたしもP君と毛布に包まって、カンガルー♪ ってね。 …ねえ、P君。本当のカンガルーみたいに、自分の子供を守っちゃう?」

P「……えっ」

早苗「今晩、楽しみだねー♪」

P「…………えっ」

おわり

きの子は外出中でして…
(気が向けば)今度書きます

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