【学校の怪談×夢幻紳士】「あなたは?」「素敵なお兄様と呼んでくれないか」 (20)

アニメ 学校の怪談と夢幻紳士のマイナーなクロスSSです。

キャラ崩壊あり、まったり更新、時間軸が進んでいます。初心者丸出し注意です。

夏だから書きたくなった、それだけですのでゆっくり行きます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407684775



皆さんは妖怪やお化けの存在を信じますか?

私はあの旧校舎でさつきちゃん達に出会い、色々な不思議な事を経験してきました。

少し覚えていない所もありますが…

体が弱く、入院しがちの私にとってさつきちゃん達は大事なお友達です。



それから一年、私は中学校に進学しました。


-教室-

ザワ ザワ

女生徒A・B「「桃子さんおはよう!」」

桃子「おはようございます。」

女生徒B「聞いたよ!また告白されたんだってね。で、どうしたの!?」

桃子「ええ、お断りさせて頂きました。」

女生徒A「えぇ~もったいない。イケメンって聞いたけど。」

女生徒B「しかも3年生って!桃子さん大人ぽいもんね~」


キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン


女生徒A「あっ!予鈴!桃子さん、また後でね~」


桃子「ええ、また後で。」


中学校に進学して3ヵ月、学校の方に慣れてきた頃色々な方々に告白を受けるようになりました。

でも、あまりそういう事に興味が無い私は全てお断りしてきました。


そしてもう一つ、佳耶子さんと会って、さつきちゃん達とお化け騒ぎがあってから
私の霊感も少しづつ強くなってきているような気がしていましたが

どちらも、あまり気にはしていませんでした。

そう、あの出会いがあるまでは…


その日の放課後、下駄箱の蓋をあけると


桃子「あら?お手紙?しかも、2通も…」

桃子「えっと2通とも放課後屋上に、ですか。ですが一つの手紙はすごく達筆な文字で書かかれてますわ。」


屋上への階段をあがり、大きなドアを開け屋上へ入っていった。
狭い空間から屋上への解放感、本来感じるはずの気持ちよさは微塵もなく
これから、お断りする事への罪悪感が渦巻いた。

告白は平凡なものでした。知らない相手からの一方的な好意に対してお断りする事しかできず
申し訳ない気持ちで気持ちも沈んでいきました。


夕暮れ時、逢魔時、こんな気持ちになるのは時間と夕日のせいかもしれません。

彼が出ていった後、夕日が屋上を照らし私の影が一つ。

必要以上に大きく出来た影を見ながら溜息をついて…


「やあ、どうしたんだい?恋ヶ窪 桃子くん」


ふと、声をかけられ周囲を見回したが誰もいない。
すると私の影の横にもう一つ、大きな帽子をかぶったような影が並んでいた。

桃子「もしかして、お手紙の方ですか?」


「ああ、素敵なお兄様と呼んでくれないか」


夕暮れ時、逢魔時、夕日、赤く染まった屋上に二つの黒い影
本来ないはずの気配、そして‥‥黒い天使がそこにいました。

本日はここまでです。さすがにマイナーすぎるので、今後はsage進行かもしれません。

>>1です。sageありがとうございます。
本日分投下です。

やっぱり毎日質の良いSSを投下している人は化け物ですね。


桃子「素敵な、お兄様ですか?」

予期せぬ言葉にキョトンとした表情を浮かべる私に、その「お兄様」はニヤリと笑って頷いた。

桃子「それで、お兄様はどのようなご用件でしょうか?お手紙を頂きましたけど。」


ツンとつくタバコの香り。
いつの間にか取り出していた煙草をふかしながらお兄様は

「実は人に頼まれていてね。桃子くんの事をよろしく、と。」

桃子「えっ?どなたからですか?お父様やお母様ですか?」

そんな事を頼む様な方が思いつかず指を頬に当て、考えていると

「佳耶子さんです。彼女に頼まれました。」


桃子「佳耶子さんですか!?ですが佳耶子さんはすでにお亡くなりに…」

予想だにしていない名前に驚いていると

「佳耶子さんはご家族の次にあなたを心配していました。病院でお会いしたのですがお体の事、そして貴方の霊感の事。」

「君たちが過ごしたあのお化け騒ぎ、巻き込んでしまった事を後悔していると同時にさつき達を守ってくれた事に
感謝していたようですよ。」


桃子「いえ、そんな事…そのお化け騒ぎで仲良くなれたので感謝したいくらいです。」

そう、入院しがちだった私にとってあの出会いはとても大切なもの。


桃子「それで、佳耶子さんは私の体の事を心配して下さっているのですか?」

「いいえ、あなたの霊感の事です。最初は特に気にする程ではなかったのですが…

紫煙を夕日に染められた空へ吐き出し

「お化け騒ぎ、その中で佳耶子さんを感じませんでしたか?」

桃子「はい、確かに佳耶子さんに助けて頂いたりお話した様な気も…」


そう、霊感。あのお化け騒ぎ以降日に日に強くなっていくのを感じていました。
元々そういう感覚はもっていたので、あまり気にしていなかったのですが…


「本来貴方が持つ力は成長と共に失われていくはずでしたが、お化け騒ぎ、そして貴方への佳耶子さんの干渉によって強くなっていったようです。」

「今回僕が頼まれた事は貴方の「力」を鎮めること、そして元に戻すことです。」


桃子「ですが、「力」を持っていたとしてもソレが見えるだけであまり問題無いように思いますが…」

「それは違います。「力」は持つだけでなくコントロールが必要です。元々持っていた物であれば自然と
 身に付くのですがイレギュラーの場合は「力」の大きさに関係なく飲み込まれる恐れがあります。」

そういうものなのでしょうか?でも佳耶子さんも心配してくれていますし…

桃子「そうですか。わかりました、ではおねがいします。」

私は目を瞑り体を差し出すような体制をとった。黒い天使へ躰を捧げる様に…
近づいてくる天使の気配、その手が触れるか触れないかの所で息を飲む。
お父様以外の男性に躰を触られるのは初めてかもしれない… そんな事を思っていると

「実はすぐに、というわけにはいかないのです。」 と声がかかった。


話によると抑える事と鎮め元に戻す事は違うらしく、すぐには無理だそうです。

少しづつやっていくとの事で、今日は挨拶だけの様でした。

桃子「はい、それではよろしくお願いします。」

深く頭を下げている彼女と同じように、夕日が沈んでいく。
もう夕暮れ時は終わりのようだった。


桃子「あの、申し訳ないのですがお兄様のお名前を教えてください。せっかくですので。」


「ああ、そうだったな。僕の名は夢幻… 夢幻魔実也だ」


桃子「夢幻… 魔実也さんですか。それでは改めてよろしくお願いします、魔実也さん」

魔実也「ああ、暗くならない内にお帰り。」

そう促され扉の方へ歩いている途中振り返り、「あの、お帰りはどちらへ?」と問いかける。

夕暮れ時、逢魔時ももう終り。暗くなった屋上には人の気配はなく私だけが存在していた。
しかしツンつく煙草の香りだけは、そこにいた事に自己主張をしている様だった。


暗くならない内に帰ろう。夜の次は朝が来る。
今日の不思議な出会いが夢の中ではない事を祈って。

本日はここまでです。

お兄様の口調はやっぱり難しいですね。

最近知ったのですが、学校の怪談のキャラデザは某病院エロゲの方だったんスね。
道理でエロイわけだ。(失礼)

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