洋榎「楽しかったな」久「うん」 (29)


久×洋榎です

短いです

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久「インハイも終わっちゃったか…」

洋榎「インハイ優勝校の部長が、こんなとこでなにしとんねん」

久「あら、愛宕さん」

久「ちょっとねー。感傷に浸りたくなったのよ」

洋榎「ほぉー。…あ、30円足りひん」チラッ

久「あらら。まあ、30円と言わずジュースぐらい奢るわよ」

洋榎「さすが清澄はん!」

久「ほら、いいから早く選んで」

洋榎「ほな、おおきにー」




洋榎「んで、なにそんな浮かない顔しとんねん」

久「別にねー。ただ終わっちゃったなーって」

洋榎「せやなー」

久「夢、みてるみたいよ」

洋榎「へ?」

久「なんかまだ、信じられなくってね」

洋榎「優勝したことがか」

久「全部よ、全部」


久「もちろん、優勝するつもりではいたわ」

久「それでも、後輩が入ってくれたことも、全国に行けたことも、優勝できたことも」

久「全部、夢みたいなことだったから」

洋榎「あぁ、清澄の3年は竹井だけだったな」

久「そうよー。1年のときは廃部寸前だったわ」

久「…なーんて思い出してたんだけど、そんなに浮かない顔になっちゃってたかしら?」

洋榎「せやせや、そんな感傷に浸ってないで、どーんと喜べばいいんや!」

洋榎「全部夢やない、現実や竹井!」

久「あはは、そうよね!」


洋榎「それにしても、ほんまに楽しかったなー」

久「ええ、ほんとに楽しかった」

洋榎「うちな、竹井と打ったときが1番楽しかったわ」

久「えっ?」

洋榎「うちも色々大会出たけどな」

洋榎「まだ、こんな愉快な打ち方するやつがおるとは驚きや。やっぱりわからへんな麻雀は」

久「ふふっ。愉快ねえ」


洋榎「ま、2回戦はがっかりするとこやったけどな!」

久「あっはは…。でも、立ち直ったのはあなたのおかげなのよ」

洋榎「えっ?」

久「楽しそうに打ってるあなたをみて、大事なこと思い出せたから」

久「うんうん、私もあなたと打ってるときが1番楽しかったわ」

洋榎「せやろーさすがやろー」

久「ふふっ」

洋榎「へへっ」


洋榎「なあ竹井、認めるわ」

久「なにを?」

洋榎「実力。うちと五分て認めるわ!」

久「……」

久「あはは、私の悪待ちに嵌まらないくせになに言ってんだか」

洋榎「うちが嵌まるわけないやろ。でもな、うちにはあんな麻雀は打てへん…って」

洋榎「ちょっ!?待て、泣いとるんか自分!?」


久「えっ…?あーほんとだ」

久「全く、優勝決まったときでさえ、泣かなかったのに…」

久(あなたに認められことが、こんなに嬉しいなんてね…)フフッ

洋榎「お、おい、泣くか笑うかどっちかにせーや」

久「いいじゃない…嬉し涙なんてこんなものよきっと」

洋榎「……」

ギュッ

久「っ!!」

洋榎「我慢しないでええ」

洋榎「うちにはなにも見えてへん、見てへん」


久「…ちょっとだけ肩借りるわね」

洋榎「…意地っ張りやな」

久「うん」

洋榎「楽しかったな」

久「うん」

洋榎「優勝おめでとう」

久「うん」

洋榎「3年間、よう頑張ったな」ポンポン

久「…うん」ギュウウ

洋榎(静かに泣くところが竹井らしいな)フッ


久「ありがとう、もう大丈夫」

洋榎「おう」

洋榎「…可愛ええな自分」

久「う、うるさいそこ!」

洋榎「おまえのやないやろ!」


洋榎「なあ竹井」

久「んー」

洋榎「好きや」

久「え?」

洋榎「へ?」

久「……」

洋榎「……あ」


久「いまなんて」

洋榎「う、うち、もう戻らなっ!」

久「ちょっと待ちなさい」ガシッ

洋榎「離してや!うちは帰るんや!!」

久「それは無理なお願いだわ」

洋榎「おまえなあ!」


久「ねえ、もう1回言ってよ、洋榎」

洋榎「なっ!?名前呼びて!」

久「早く言わないと、私から言うわよ」スッ

洋榎「はあっ!?」

久「洋榎、私ね、洋榎のことが」キリッ

洋榎「待て!わかった!うちが言うから!」

久「あらそう?」

洋榎「…さっきの可愛いさはどこ行ったんや」

久「んー?」ニヤニヤ

洋榎「あーもう言うで!」


洋榎「竹井!」

久「久で良いわよ、洋榎」

洋榎「?っ!」

洋榎「…久には勝てへんな」

久「…それはお互い様よ」

洋榎「久、うち、久のことが好きや」

洋榎「たったインハイだけの関係なんてのは嫌なんや。久ともっと楽しみたいねん。麻雀も、麻雀以外もたくさん…」

ギュッ

洋榎「っ!?」


久「私も、洋榎がインハイだけの関係なんて嫌だわ」

久「私もあなたが好きよ、洋榎」

洋榎「…最後まで言わせてやもう」

久「ふふっ、ごめんごめん」

洋榎「うちと付き合うてくれ、久」

久「はい、よろしくお願いします」


洋榎「ううっ…ぐすっ」

久「あら、泣いてるの」

洋榎「うぅっ…うるじゃいじょご」

久「はいはい」ナデナデ

洋榎「うっうぐわあああ」

久「ちょ、ちょっと泣きすぎよ」

洋榎「これがっ、これがうちの、嬉し涙やあああっ」


久「うんうん、嬉しい嬉しい」

洋榎「…ばかに、しとるやろ」ヒクッ

久「してないしてない」

久「ふふっ。さっきまでの格好良さはどこに行ったのよ」

洋榎「そんなん知らんわ」

久「ね、そろそろ顔みせてよ」

洋榎「なんやねんもう」

チュッ


洋榎「え、は、…え?」

久「どう?泣き止んだでしょ」ニコッ

洋榎「あ、あぁあ…」プシュー

ブチョー ドコデスカー !
シュショー ! シュショー !

久「呼ばれてるけど、どうする?」

洋榎「そんなん…もうちょっとや!」ギュッ



カン!


終わりです
久洋はもっと増えていいと思うの

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