幼馴染「男君が浮気してるみたい」(167)

幼馴染「ねえ、土曜日のデートどこに行く? 私は久しぶりにーー」

男「悪い! その日は急な用事が入って駄目になったんだ。本当にすまん!」

幼馴染「そうなんだ……急用じゃ仕方ないよね。分かった……」

男「必ず穴埋めするからさ。悪いな」

幼馴染「うん。それじゃあまた来週ね」

男「おう、またな」

以下幼馴染→幼

幼「これで今月に入って2度目のドタキャン。電話の回数も減ったしメールも数えるほど」

幼「そりゃ、家が向かいだから頻繁に電話することもないけど……」

幼「これって幼友はどう思う?」

幼友「うーん、それだけで浮気って判断するのは早すぎるんじゃないかなあ」

幼友「ドタキャンは許せないけど、どうしても外せない用事ってあるし」

幼「だけど……デートが延期延期で、一緒に出かけるの1ヶ月ぶりだったのに」

幼友「気持ちは分かるよ。でも、もうちょっと信じてあげてもいいんじゃないかな」

幼友「幼稚園からの幼馴染って言っても、付き合いだしたのはまだたった3ヶ月前じゃん」

幼友「いきなり自分だけを見てってわけにはいかないよ」

幼「うん……」

幼「やっぱり、キスとか避けちゃうから悪いのかな?」

幼友「でもそれは、恋人としての時間を積み上げてから進みたいって思ってるからでしょ」

幼友「そのことを男は知った上で告ったんだから、焦らなくていいと思うけどなあ」

幼「……私、信じていいんだよね?」

幼友「幼馴染で恋人を信じられないなら、他の誰を信じるって言うのさ」

幼「う、うん。そうだね」

幼友「心配なら、そう思ってることを伝えればいいよ。電話でもメールでもさ」

幼「そうね……そうしてみる。ありがと、話を聞いてくれて」

幼友「あはは、親友の悩みはあたしの悩みも同然だよ。気にしない気にしない」

幼「という話の後、思ってることをそのままメールしました」

幼「返事はなく、徐々に避けられるようになり、1ヶ月が過ぎました」

幼「これはいったいどういうことですか、兄さん!!」ウルウル

従兄「知らんがな」

幼「うわあああああああん!!!」ビエエー

従兄「やめろ馬鹿、大声で泣くな!」

従兄「この前も大家に、女子高生が出入りしてるって睨まれたばっかなんだぞ!!」ガバッ

幼「もごもごもご!!!」ポロポロ

従兄「大声出したらガムテープで口ふさぐからな。いいか、大声出すなよ?」

幼「ふごふご」コクコク

従兄「はあ。押さえつけてごめん」

幼「うう……私の何が悪かったの……?」シクシク

従兄「それはおまえ……」

幼「兄さんには分かるの?」シクシク

従兄「付き合ってる彼女が、いつまで経ってもキスもさせてくれないってのは……」

幼「だって、女は軽く見られたら終わりだってお母さんが!」

従兄「ああ、うん。それも正しいよなあ」

幼「もうどうしたらいいか分からなくて……うわああああああん!!!」ビエエエー

従兄「叫ぶな!!」

幼「もごもご」ガムテープ

従兄「兄さん話があります……なんて言って来たから、ヤバイとは思ったんだよなあ」

従兄「おまえ昔から、何か面倒な相談があると敬語で話しかけてくるからさ」

幼「もご」コクコク

従兄「でも浮気なあ。男君とはあんまり会ってないからよく覚えてないけど」

従兄「おまえ美人だろ。おっぱいもでかくスタイルもいい。そんな彼女がいて浮気するかあ?」

幼「もごごー///」クネクネ

従兄「その格好のまま照れんな。つーか……」

従兄「……ガムテで猿轡された女子高生が部屋にいる。誰かに見られたら通報もんだな」

幼「もご!」キュピーン

従兄「いいこと思いついた、みたいな顔すんな」ゴチン

幼「ふぎゅぎゅ……いひゃい」ベリベリ

従兄「ほら、ココア用意したから飲め。落ち着くぞ」

幼「ありがと……ん、美味しい。兄さんのココア大好き」

従兄「はいよ。で、おまえはどうしたいんだ?」

幼「どうって……」

従兄「浮気を問い詰め真実を知りたいのか、そうじゃないのか」

幼「……知りたい。けど……」

従兄「知るのも怖い?」

幼「うん……」

従兄「浮気してなかったら何も問題ないわけだ。じゃあ浮気してたら?」

幼「……」ウルウル

従兄「それでも付き合い続けるのか、きっぱり別れるのか。どっち?」

幼「……分かんないよ……」

従兄「浮気の進み具合にもよるだろうけどな。ぶっちゃけ、肉体関係ありの浮気はきついぞ」

従兄「自分以外の誰かを触った手や唇で、自分に触れるわけだから。気持ち悪いったらもう」

幼「……兄さんにも経験があるの?」

従兄「4股食らった」

幼「うわあ……兄さんかわいそう」ホロリ

従兄「哀れみはいらん!!」

幼「やっぱり浮気なのかな?」

従兄「どうかな。それだけじゃ断言はできない。単純におまえが鬱陶しいとか飽きたとか」

幼「ふぇ……」ジワリ

従兄「泣くな、やめてくれ!!」

幼「わ、私……男君のこと好きなのに……」ポロポロ

従兄「一応まだ、おまえに隠してサプライズを用意してるという線も無いわけじゃない」

従兄「自分がどうしたいのかよく考えるんだな」

幼「うん……」

従兄「家まで送るから、それ飲んだら帰る準備しろよ」

幼「え、今日は帰らないよ?」

従兄「は?」

幼「お父さんもお母さんも家にいないもの。兄さんのところに泊まりなさいって」

従兄「はあ!? 何も聞いてないぞ!?」

幼「言ってないからね」

従兄「言えよ! なんで隠すの!?」

幼「忘れてた。てへぺろ」キャピッ

従兄「……」ゴチン

幼「痛いよう」シクシク

従兄「着替えもないのにどうするんだ……」

幼「兄さんのパジャマ借りるから大丈夫。ご飯は私が作るね」

従兄「はあ。もう好きにしてくれ」

幼「浮気かどうか……ちゃんと確かめたほうがいいよね?」

従兄「自分がどうしたいのか決めてからな」

幼「うん……。ありがとう、兄さんに話したら少し気分が楽になった」

従兄「力になれて何よりです、姫さま」

幼「うむ。苦しゅうない。うわ、冷蔵庫ビールばっかり。買い物行かなきゃ」

従兄「行ってら」

幼「兄さんも行くの!」グイグイ

従兄「分かったよ」

幼「車があると楽チンでいいね」

従兄「運転するのはメンドイけどな。おい、ケーキは買わないぞ」

幼「み、見てただけだしっ。美味しそうとか思ってないし!」

従兄「はいはい」

幼「このお店、男君と一緒に来たなあ……」ジワッ

従兄「ここで大泣きだけは勘弁してくれよ……」

幼「あのカフェも、あのレストランも、あのフードコートも……」エグエグ

従兄「俺が白い目で見られるから嗚咽もやめてください」スタスタ

幼「あっ、えっ? 兄さん隠れて!!」ドゴッ

従兄「ほげぁ!?」ズデン

従兄「ふごごご、鳩尾に拳が……」フラフラ

幼「静かにしてっ! 男君と知らない女の人が……」コソコソ

従兄「うう。あれが幼の向かいに住んでる男君? あんなイケメンだったっけ」

幼「兄さんが最後に会ったの、確か中学1年のときでしょ」

従兄「まな板だった幼がエベレストになるんだ、坊主もイケメンになるか。時間ってすげえ」

幼「あの女の人、誰だろ。やっぱり、う、浮気なの!?」

従兄「飯食ってるだけだろ。それなら俺の部屋にいるおまえなんか真っ黒じゃないか」

幼「親戚だからノーカンだもん」

従兄「周りはそう見ないと思うけどなあ」

幼「男君、楽しそう……最近は私を見ても困った顔しかしないのに……」

従兄「んー……相手の顔が見えないな。知り合いにあんな長い髪の子はいないのか?」

幼「男君の周りにいる女子で、あれくらいの髪って私だけだと思う」

幼「私の知らない交友関係だと分からないけど」

従兄「ほどほどに胸があって全体的にスレンダー。スタイルいいなあの子」

幼「ど、どうせ私はデブよ……」

従兄「泣くなって。大丈夫、幼はむっちりしてるがデブじゃない。おっぱいでかいし」

幼「兄さんそれしか言わないから信用できない。おっぱいと結婚すればいいのに」ムスー

従兄「できるものならぜひ」

幼「……電話してみる」

従兄(さっきは泣きそうだったのに、変に行動力あるなこいつ)

幼「……」プルループルルー

従兄「……画面を見て、誰から着信なのか確認して、出ずに戻す、と」

幼「……」プチッ

従兄「……」

幼「……兄さん、泣いてもいいですか?」ウルウル

従兄「駄目」

幼「うぇ……」ジワッ

従兄「ここでは駄目だあああああー!!」ガシッ、ダダダッ

幼「うぇええええええん!!!」ビエエー

ザワザワ ユウカイ? ザワザワ

従兄「警備員に捕まってめっちゃ怒られた……」ガックリ

幼「ひっく、ぐすっ」シクシク

従兄「はあ。もう帰ろう。プリン買ってやるから泣き止め」

幼「焼きプリンじゃなきゃ、やだ、ひっく」グスグス

従兄「分かったよ。ほら車乗って」

幼「男君が、好きだって言ってくれて、嬉しかったの……」ポロポロ

従兄「うん」

幼「私も、大好きなのに……」ポロポロ

従兄「うん」

幼「なんで私じゃ駄目なの……?」ポロポロ

従兄「……」

従兄「プリン三つも食って、さんざん泣いて、電池切れたみたいに寝やがった」

幼「zzz」

従兄「晩飯作ってくれるんじゃなかったのか? おーい、寝るならベッド使え」ユサユサ

幼「んぅ……zzz」タユタユ

従兄「……無防備に寝ちゃって。仕方ないな。軽くおっぱい揉んどこう」モミモミッ

幼「ん……zzz」モゾモゾ

従兄「うむ」モミモミモミ

幼「zzz」

従兄「………………」モミモミキュッキュプニプニタユン

従兄「ふぅ」マンゾク

幼(このままじゃ駄目だよね……男君とちゃんと話さないと)トボトボ

幼友「おいーっす」

幼「あ、幼友。おいす……」

幼友「まーた元気ない」

幼「そ、そうかな」

幼友「今日、帰りにカラオケでも行こっか。叫べば少しは気も紛れるかも」

幼「うん……そうだね。ありがと」

幼友「気にすんなってー」ペシペシ

ー休み時間、廊下ー

幼(教材のある日に日直なんて運が悪いなあ。男子は見当たらないし)ヨイショヨイショ

男「んじゃまた後でなー」

幼「ひゃっ」

男「おっと、ごめ……」

幼「あ……」

男「お……」

幼「……」

男「……」

男「そ、それじゃ……」ソソクサ

幼「お、男君っ!」

男「っ……」

幼「あの、昼休みに話したいことがあるの……少しでいいから会えないかな」

男「……」

幼「中庭の、いつもお弁当食べてたベンチにいるから……」

男「……」

幼「待ってるから……」

―昼休み―

幼「男君いない……」キョロキョロ

幼「来てくれる……よね……?」ポツン

幼(幼稚園からずっと同じ学校に通って、子供のころからいつも一緒にいて……)

幼(初めて作ったお弁当、美味しいって言ってくれて嬉しかったなあ)

幼(彼氏彼女になって初めてのデートも、すごく楽しかった)

幼(これからもずっと一緒にいようって約束してくれたのに……)

幼(私がつまんない女だから嫌いになっちゃったのかな……)ウルウル

男「……幼」

幼「あっ……お、男君来てくれたんだっ」グシグシ

幼「あの、その……よ、良かったら一緒にお弁当食べない?」

男「ああ……」ストン

幼(前みたいにすぐ横には座ってくれないんだね……)

男「……話、なんだけどさ……」

幼「う、うん。最近、男君ずっと私のこと避けてるから……何か悪いことしたかなって……」

男「いや……幼は悪くないよ」

幼「だったら」

男「ごめん」

幼「……や、やだな、なんで謝るの? あ、あはは、変な男君」

男「ごめん……」

幼「やめてよ……あ、謝るのやめて……」

男「……ごめん……」

幼「やめてっ!!」

男「俺、幼のことは好きだ。でも、幼馴染としてなのか女としてか分からなかった」

幼「……」

男「女として好きなんだと思ったから告白した。けどだんだん自信がなくなってきて」

幼「……」ウルウル

男「そんなとき、色々相談に乗ってくれる子がいてさ」

男「気がついたらその子のことばかり考えてた」

男「だから……ごめん……」

幼「……お、男君は……その人のことが、好き……なの?」

男「ああ……」

幼「そ、その人は男君のこと……」

男「彼女も同じように思ってくれてる。ごめん……幼とはもう付き合えない」

幼「っ……」

幼「あ、相手はどんな人なの?」

男「いい子だよ。落ち着いたら必ず紹介する。別れても、幼馴染なことは変わらないよな?」

幼「……私にはもう、勝ち目……ない……?」

男「ごめん……」

幼「……た、たった3ヶ月ほどだけど、その間は私、確かに男君の彼女だった……よね……?」

男「ああ」

幼「じゃあ……私の初恋は、ちゃんと花が咲いたんだね。実らなかっただけで……」

男「幼……」

幼「話してくれて良かった……何も分からないままなの、つらかったから……」

男「ごめん……」

幼「男君の彼女になれて、好きだと言ってくれて本当に嬉しかった」

男「幼?」

幼「短い間だったけど、今までありがとう」ペコリ

男「……幼、俺は……」

幼「せっかくのお昼休みに呼び出したりしてごめんね」エヘヘ

男「……いや……」

幼「私、教室に戻るね。それから……さよなら」タタタッ

男「……」

男「幼…………ごめんな……」

幼「……」タタタタッ

幼「……」タタッ、トボトボ、ピタッ

幼「ふ、うぇ……」ポロポロ

幼「ぐすっ……男君の嘘つき……ずっと一緒って、言ったのに……」ポロポロポロ

幼「嘘つきぃ……」ポロポロポロ

―カラオケ―

幼友「大勢誘おうかと思ったんだけどね。あんまり聞かれたくないかと思って」

幼「ん……」

幼友「あたしだけでごめんね」

幼「そんな。ありがとう、幼友がいてくれて良かった」

幼友「でもよく泣かずに話せたね。頑張った。偉かったよ」ナデナデ

幼「うぅ……」グスグス

幼友「泣きたいならあたしの胸で泣くがいいさ! 幼より薄いけどちゃんとあるよ!」

幼「ぷっ、あははは」

幼友「笑わないでよー。幼みたいなおっきい胸って憧れてるんだから」プンプン

幼「あはは、ごめんごめん。私は幼友みたいなスタイルが良かったな」

幼「すらっとしてて、とっても綺麗。モデルさんみたい」

幼友「あたしは幼みたいなボインちゃんが良かった。うまくいかないねえ」

幼「ねー」

幼友「半分よこせ、おりゃー!!」モミミン

幼「ひゃああー、やめてえー」ジタバタ

ヨイデハナイカヨイデハナイカ オヤメクダサイオダイカンサマー

アハハハ キャーキャー ワイワイ

幼「あー楽しかった。ありがとね、幼友」

幼友「お礼はいいから、その極上おっぱい揉ませろー」ワキワキ

幼「それはもう終わりっ!」

幼友「あはは。でもホント、いつでも呼んでね。幼のためならすぐ駆けつけるから」

幼「うん、頼りにしてる。あれれ、雨だ。いつの間に」

幼友「あちゃー、傘持ってないや。あたしは商店街通って帰れるから濡れないけど」

幼「んー……近所に親戚がいるから、そこで傘借りるよ」

幼友「大丈夫?」

幼「平気平気。ちょっと歩けばすぐだから」

幼友「風邪ひかないようにね」

幼「うん。今日はありがと。またね」バイバイ

ザーザーバシャバシャ

幼「思ったより本格的に降ってきたなあ……。びしょびしょだよ」

幼「ちょっと雨宿りしてから兄さんとこ行こう」

―――

通行人男「もっとこっち寄れよ、濡れちゃうだろ」

通行人女「う、うん。でも……」

通行人男「いいこと思いついた。これなら濡れないぞ!」ダキッ

通行人女「きゃっ! う、うん……濡れないね///」

―――

幼(相合傘で、男の人が女の人の肩を……私もあんなことあったなあ……)

幼(私たちは手を繋ぐだけで、やっぱり濡れちゃったけど……)

幼(恥ずかしくて、でも嬉しくて……)

幼「……」

幼「雨ちっとも止まないし、もう行こう……」トボトボ

ピンポーン

従兄「はいよー、どちらさまー?」ガチャ

幼「……」ズブヌレ

従兄「おおう!? 何やってんだおまえ」

幼「兄さん……少しだけ雨宿りさせてください……」ポタポタ

従兄「お、おう。とりあえず中に……」

幼「それから……ちょっとだけ、泣いていいですか?」ギュッ

従兄「ファッ!?」

従兄「とりあえず風呂に放り込んだけど。びっくりしたー。何事かと思ったよ」

従兄「しかも危うく息子が反応するところだった。危ない危ない」フゥ

幼「あの、兄さん……急にお邪魔してごめんなさい……」

従兄「んあ!? ああ気にするなっておま、その格好は!?」

幼「変かな? 下がぶかぶかだったから、シャツだけでいいかなって。これ大きいし」

従兄「……ま、まあ一応は隠れてるな」

従兄(キングサイズのシャツ1枚て、どこの風俗嬢だ。ありがとうございます!)

従兄「ほれココア。風邪ひくと困るから毛布も被っとけ」

幼「ありがとう。ふう……美味しい」

従兄「叔母さんに連絡して、ここにいるって伝えるからな?」

幼「うん……ごめんね」

従兄「いいって」プルルー

従兄「あ、叔母さん俺です。どもども。幼の奴またうちに来てて。後で送りますんで……」

従兄「え? いや構いませんけど、一応こいつも女の子だし……いやいや、そうじゃなくて」

幼「?」

従兄「はあ。分かりました。はい、じゃあ明日また連絡します。はい。それじゃあ」ピッ

幼「どうしたの?」

従兄「叔母さん、これからママ友とお食事なんだってさ」

従兄「飲むし帰り遅くなるから、今日はおまえを預かってくれって」

幼「なんと……娘がずぶ濡れで泣いてるのに。はっ、まま、まさかお母さんも浮気!?」

従兄「なぜそうなる。後で叔父さんも合流するらしいぞ」

幼「つまり私だけ仲間はずれ? ひどい!」

従兄「さっさと帰らず寄り道するからだろ」

幼「くっ」

従兄「で。今日は何があった?」

従兄「なるほど。よくその場で泣かなかったな。偉いぞ」

幼「幼友と遊んだ帰り、急に寂しくなっちゃって……」

従兄「しばらくは気持ちの切り替え難しいだろうな。今は頑張るしかない」

幼「うん……でも、悲しかったら泣いてもいいよね?」

従兄「いいけど、ここで大泣きはやめてくれ。変な噂が広がると困る」

幼「兄さんが困るだけなら構わない」

従兄「構わなくないの!」

幼「くちゅんっ」

従兄「なに今の。くしゃみ? 寒いのか?」

幼「ちょっと。そうだ、兄さん足を伸ばして」

従兄「こう?」

幼「うん。で、私がここに座る」

従兄「ちょ!? なな、何をやってるんですか幼さん!?」

幼「昔、お父さんに叱られて泣いてるとき、兄さんがこうして抱っこしてくれたでしょ」

従兄「いつのことだ。覚えてないぞ」

幼「私が小学生のとき。1年生だったかな。すごく安心したから」

従兄「あのなあ。今はもう子供じゃないんだから」

幼「分かってるけど、お願い。少しだけこうしてて」

従兄「……はあ。少しだけだからな」

幼「うん……ごめんね。他にわがまま言える人いないから……」

従兄「そうだな」ナデナデ

幼「……」ギュッ

従兄(あーもう、なんで女の子っていい匂いするんだろうなあ。柔らかいしさ)

従兄(いくら妹みたいなものでも実際の妹じゃないし、女子高生ってだけでティンとくるのに)

従兄(叔父さんに甘えるの恥ずかしいから俺のとこ来るんだろうけど)

従兄(ぶっちゃけ拷問に近いっすよこれ。すでに息子はボッキンキンだ)

従兄(こちとら彼女いない歴も長いんだ……寝たら匂いかいでおっぱい揉んだろ)

幼(家が近くてしょっちゅう会ってたから、本当の兄さんみたいに思って育ってきたけど)

幼(普通はやっぱり兄妹でこんな風に甘えたりしないよね?)

幼(でも兄さんの前だと子供でいられるし、すごく安心する……)

幼(香水とか石鹸の匂いじゃなくて、別にいい匂いだとも思わないけど)

幼(なんで兄さんの匂いは落ち着くのかな……不思議……)

幼「zzz」

従兄「寝てしまいやがりました。動けないだろこれじゃ。おーい、1人で寝ろー」ユサユサ

幼「んぅ……」モゾモゾ、ギュー

従兄「ますますしがみついてきた。しょうがないなあ」ピラッ

従兄(うむ、見事な谷間。たわわに実ってますな。絶景でござる)

従兄「腹減ったら起こすからなー」

幼「ん……zzz」

従兄(ふひょう、髪の毛いい匂い。深呼吸しとこう)スーハー

従兄(待てよ、こいつノーブラだったな。ということは……)フニッ

従兄(おぅふ、小さな蕾の感触が手のひらに!!)ヒャッハー

従兄(ふっ……変態? 鬼畜? だから何)フニフニ

従兄「服も乾いたし、送ってくから途中で昼飯でも食うか」

幼「うん。でも休みの日に制服で出歩くのって変な感じ」

従兄「俺はそのうち援交疑惑で捕まるんじゃないかと不安だ」

幼「大丈夫、そのときは脅迫されてって説明するから」

従兄「実刑確定だな」

幼「やったね!」

従兄「わーい、なわけあるか」ゴチン

幼「痛いよう」

従兄「そこらのファミレスでいいか?」

幼「どこでもいいよ。奢りだしいっぱい食べるぞー自棄食いするぞー」

従兄「俺の財布も自棄を起こしそうだ」

ブロロロー

従兄「ほい到着。ああビール飲みたい」

幼「車だから駄目。それにまだお昼だよ。こんな時間から飲んでたら駄目人間になっちゃう」

従兄「休みの日は駄目人間で構わないって爺ちゃんが言ってた」

幼「私は聞いたことないから却下……あれ?」

従兄「どした?」

幼「幼友だ。お昼なのかな? 声かけて一緒に……え?」

従兄「……男君がいますね」

幼「……え……なんで……?」

従兄「……幼、ここはやめて別のとこ行こう。今すぐ行こう。な?」

幼「……なんで腕を組むの? なんで男君、楽しそうなの? なんで幼友も笑顔なの?」

幼「幼友はすらっとしたモデル体型で、あのとき背中しか見えなかった女の人と……」

幼「癖毛だからあまり髪を伸ばせないけど、長いのが好きでウィッグ持ってるって……」

従兄「もう見るな、行こう。ほら」

幼「嘘……違うよね? なんでそんな……恋人みたいに……やだ、やめてよ……」

幼「やめて……歩きながらキスなんて、まるっきり恋人じゃない……」

幼「あ、あはは……これは夢? 幻を見てるの?」

従兄「くそっ、別のとこ来ればよかった。幼、車に戻るぞ」グイッ

幼「男君が相談してたのは幼友で……私はいつも幼友に相談してて……」

幼「男君もそれを知ってて……私に黙って幼友と男君は……」ガクガク

幼「うっ……」

従兄「幼!?」

幼「う、え、おぇぇぇええ!!」ビシャビシャ

従兄「おい幼、しっかりしろ!」

幼「兄さん……私……私っ……」フラッ、パタリ

従兄「っ!!」

幼「ん……あれ? ファミレスにいたはずなのに……」

従兄「はい、ええ。ある程度事情を知ってる俺のほうが、そうです。はい」

幼「兄さん……? あ……そっか、私……男君と幼友を見て……」ポロッ

従兄「はい、また連絡します。それじゃあ」ピッ

幼「……兄さん……」ポロポロ

従兄「あ、ごめん起こしちゃったか?」

幼「ううん……」

従兄「ホットレモン。甘くしたから」

幼「ありがとう」

幼「……兄さん、私ね……幼友に相談してたの」

従兄「うん」

幼「まさか男君が好きになったのが幼友だなんて、思いもしなかった」

従兄「そうだな」

幼「2人とも、なんで教えてくれなかったのかなあ……」

従兄「……」

幼「相談に乗って、元気付けようとしておいて……本当は私のこと笑ってたの?」

従兄「幼……」

幼「ふ、2人で、私を……ひっく、笑ってたの……?」ポロポロ

従兄「……」ギュッ

幼「男君のことも、幼友のことも、信じてたのに……」

幼「隠さず話してくれたほうが、まだ良かった」

幼「目の前で見せつけられたほうが、まだマシだったよ……!」ポロポロ

従兄「……ごめんな。俺があのファミレスを選んだせいで……」

幼「兄さんも、私のこと笑ってた……?」ポロポロ

従兄「馬鹿な、笑ったりしないよ」

幼「落ち込んだり、好かれようと必死になる私は、滑稽だった!?」バシャッ

従兄「あちちっ」

幼「!? ご、ごめんなさい! ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」

従兄「あ、ああ大丈夫。平気だから」

幼「ごめんなさい……嫌いにならないで……ごめんなさい……」ポロポロ

従兄「ならないよ。気にしなくていい」

幼「……私、独りぼっちになっちゃった……」ポロポロ

従兄「そんな風に考えるな。学校の中までは行けないけど、俺はいるだろ?」

幼「……兄さん……」

従兄「好きなだけ泣いていい。泣き止むまでここにいるから」

幼「ふぇ……うぇぇぇん」ポロポロポロ

まさかのイケメン君が救い主に。dqn君でも。

>>67
続き待ってるんだから、自分の早く書けよおおおおおー!!!!

男「……」キョロキョロ

男「なあ、幼……幼馴染って来てる?」

生徒「今週ずっと休んでるな。インフルエンザって聞いたぜ。何か用あんの?」

男「あ、いや。いないならいいんだ。それじゃ」

生徒「んー」

男「……」スタスタ

幼友「おっす」

男「あ、おう」

幼友「幼、ずっと休んでるみたいね。大丈夫かな」

男「携帯にかけても出ないし、おばさんも問題ないとしか言わなくてさ」

幼友「別れた彼女でも、やっぱ心配になる?」

男「そりゃ、幼馴染なのは変わらないからな。気になるよ」

幼友「そうだね。お見舞い行こっか」

男「……俺たち2人でか?」

幼友「バレちゃうから駄目か」

男「まあ、いずれ話さなきゃいけないとは分かってるけどな」

幼友「そうだね。もう少し幼が落ち着いたら、2人できちんと話そう」

男「この気持ちを本気で話せば、幼ならきっと分かってくれるさ」

幼友「うん。やっぱり応援してもらいたいもんね。大事な友達だし」

男「あいつを傷つけた分まで、俺たちは幸せにならないとな」

幼友「ええ。私たちを引き合わせてくれた幼に、それが1番の恩返しになるわ」

―放課後―

男「今からファミレスに寄るか? 一旦、帰ってからのほうがいいかな」

幼友「このままじゃ駄目なの?」

男「駄目じゃないが……その、ウィッグ付けた幼友がな、えーっと、なんだ///」

幼友「へえー、そんなに気に入ってくれたんだ。しょうがないなあもう///」

男「ははっ、イメージが変わってすごく……あ」

幼友「どうしたの?」

従兄「やっ。俺のこと覚えてる?」

男「……幼の従兄さん……ですよね?」

従兄「いやあ、久しぶり。前に会ったのは男君が中1のときだから、もう6年になるのか」

男「お久しぶりです。従兄さんは、ええと……23でしたっけ?」

従兄「そ。今年で24歳になる。珈琲店のマスター目指して修行中」

男「そうなんですか。ちゃんと夢があって、それに向かえるってすごいです」

従兄「ありがとう。それにしても背が伸びて、イケメンになったなあ。前は坊主だったのに」

男「あはは。野球部でしたから。それで、今日は何か用が? 幼は休んでますけど」

従兄「幼はいいんだ。ちょっと話がしたくてね。隣にいるのが幼友さんでしょ?」

幼友「あ、はい。初めまして」ペコリ

従兄「こちらこそ」

男「それなら、これからファミレス寄ろうって話してたんですが、従兄さんもどうです?」

従兄「いや、ここでいいよ。すぐ終わるから。コーヒー代払ってやる気にもなれないし」

男「え?」

従兄「幼には黙って来たんで、見つかると怒られるしね。世間話はここまでにしとくわ」

男「あ、はい……」

従兄「なあ、人の気持ちを踏みにじって付き合うって、そんなに楽しい?」

男「なっ!」

幼友「!?」

従兄「別にさ、男君が誰を好きになろうと、それは自由だと思う」

従兄「でもケジメって必要だよね。結婚や婚約ほどではなくても、恋人も一種の契約だろ」

従兄「俺はキミだけ、私はあなただけっていう。それを守れない奴は人間のクズだ」

男「……」

幼友「……」

従兄「と、俺は思ってる。違う意見はあって当然だろうけどね」

従兄「本来なら俺が口を出す問題じゃないんだが、どうしても会って話しておきたくてさ」

従兄「どうせ、幼の分まで自分たちは幸せになるとか、ラリったこと思ってるんだろうし」

男「……それは……」

従兄「図星か。幼がどんな思いをしたかも知らずに、よく言えたもんだ」

従兄「まあ、それが分からないのが、若いってことなのかもしれないなあ」

従兄「きちんと幼と別れてから2人が付き合ってたなら、俺は何も言わなかった」

従兄「けど、ほんのわずかでも関係の重なってた時期があるだろ。それが許せない」

男「……お、俺は……」

従兄「言い訳はいらない。男君が何を言おうが、それはもう変えようのない事実だ」

男「……」

従兄「この先、これから男君がどう生きようとそれは男君の自由だし、俺には関係ない」

従兄「ただこれだけは忘れるな。自分は恋人を裏切ったことがある人間だ、ということを」

従兄「今後は、恋人を裏切ることのない生き方ができるといいね」

男「っ……」

幼友「さっきから何なんですか!? あたしたちのこと何も知らないくせに好き放題言って!」

従兄「本当はキミのこともボロクソに罵ってやりたいけど?」

幼友「はあ!?」

従兄「キミがどういう人間かよく知らないしね。言いたいことがあるなら、幼が言うだろ」

幼友「あたしと幼は親友です!」

従兄「うんうん、そうだね。運命の彼を連れてきた便利な親友だね」

幼友「なっ」

従兄「はあー。言いたいこと言ってスッキリした。今日はゆっくり酒が飲めそうだ」

男「……」

幼友「な、なんなのよ……」

従兄「でも幼にバレたら説教かな。あ、そうそう。俺から会いに来ることは2度とないから」

従兄「好きなだけ抱き合うなりネチョネチョするなり、どうぞご自由に」

従兄「それじゃあね。さよなら」フリフリ

男「……」

幼友「……」

―――

幼(二週間ぶりの学校だ……大丈夫だと思ったけど、緊張するなあ)ドキドキ

幼「……お、おはよー」カラカラ

モブ1「あっ、幼ちゃん! 便秘もういいの?」

幼「便秘!?」

モブ1「あれ違ったっけ? 間違えちゃったかな、ごめんね。てへぺろー」

幼「い、いいけど……」

しまった、幼が休んでる間に葛藤する場面、まるっと全部スルーしちゃった。

幼が実はクラスメイトたちの人気者だったり、委員長が幼の家に届け物したり、
母ちゃんに悩みを打ち明けたり男への気持ちを捨てる場面があった。
でも今から貼り直すのメンドイので、そのまま何事もなかったかのように進めます。

モブ2「休んでた間のノートいるでしょ。幼のお弁当1回と交換しない?」

幼「お、お弁当と?」

モブ3「幼ちゃんの弁当美味いしね。あたしも交換したげるよ!」

モブ4「ずるーい、じゃあたしもー」

モブ5「せ、拙者は使い終わった箸で……」

モブ1「お弁当ほしい、ノートあるよ!」

モブ2「あんた字汚くて読めないから駄目」

モブ1「差別だ!!」

委員長「はいはい、病み上がりの幼さんを取り囲まないの。ノートは私が用意します」

モブ2「職権乱用!!」

モブ1「鬼、悪魔、委員長!!」

幼「ふふっ」

モブ6「やあ、幼馴染さん。久しぶりに会えましたね。あなたがいない間、僕の心は隙間風g」

幼「ああ、うん。はい」

モブ5「相変わらずきもい奴でござる」

モブ4「ござるー!!」

>>84
おいいいいいいいいいいい、そこ重要な場面じゃないかよおおおおおおおおおおお!?

少なくとも葛藤と、男への恋心捨てる場面はちゃんと書かなきゃダメだろおおおおおお!?

>>87
んじゃダイジェスト版で

幼「ああそっか、私が本当に欲しかったのは、男君じゃなかったのかも……」

みたいな

モブ6「くっ……そ、それでも僕h」

モブ2「あんた香水臭くて邪魔だからあっち行って」ドンッ

モブ6「ああんっ」

モブ5「ところでお弁当の件なのでござるが」

モブ3「やっぱ公平にくじ引きでよくね?」

ワイワイギャーギャー

幼「……このクラスで良かった///」ボソッ

モブ1「聞こえました」

モブ5「聞こえたでござる」

委員長「私がいるクラスで良かったって///」

モブ2「言ってねえよ黙ってろこのレズ」

委員長「なんですってハゲ!!」

モブ6「!? は、ははは、ハゲてへんわ!」

モブズ「……」

モブ6「あ……」

幼「あははっ」

―廊下―

幼(変な噂になってたらどうしようと思ったけど、良かった……)トコトコ

幼友「あっ……」

幼「え? あっ……」

幼友「……ひ、久しぶり。幼」

幼「う、うん」

幼友「具合大丈夫? インフルエンザって聞いたけど」

幼「……兄さんが来たんだってね」

幼友「……」

幼「ごめんね。出しゃばるなって叱っておいたから」

幼友「幼、あのね……」

幼「こんなことになるなら、いっそ幼友と会わなかったほうがって思ったりもした」

幼友「!!」

幼「でもね、幼友と一緒にいた時間は、本当に楽しかったから」

幼「その時間のすべてが嘘だったとは思いたくないの。兄さんは甘いって怒ってたけど」

幼友「幼……」

幼「これまで友達でいてくれてありがとう。ばいばい、幼友。元気でね」

幼友「……あたし……」

幼「じゃあね」

幼友「……」

ピンポーン

従兄「はいはい……うわまた来た」

幼「閉めるなっ」バッ

従兄「なんの嫌がらせだ、昨日も来ただろ! 帰れよっ」グググッ

幼「お父さんは出張で、お母さんは叔母さんのところへ遊びに行きました」ググッ

幼「なので今日も兄さんのところへ泊まるよう言われてます!!」グイグイ

従兄「おまえのせいで、周りから女子高生風のデリヘル趣味だと思われてんだぞ!」ググッ

幼「失礼な。私は本物の女子高生です!!」グイグイグイ

従兄「ち、力強いなおまえ!」グググ

幼「おらぁ!!」バァン!!

従兄「ちくしょう負けた……」

幼「幼友ともさよならしてきました」ウルウル

従兄「お、おう(また敬語なんだよなあ……)」

幼「責めたかったけど我慢しました。褒めてください。でないと泣きます」ズビビッ

従兄「お、おお。ええと……よく頑張ったねえ(棒)」

幼「うわあああああん!!!」ビエエエーン

従兄「やっぱ泣くんかい……」

幼「ん……やっぱり兄さんのココアが1番美味しい」コクコク

従兄「そりゃどうも。とりあえず膝の間から離れようか」

幼「私ね、今でも男君のこと好き」

従兄「俺の話、聞いてる?」

幼「幼友のことも好き。でも同時に憎いの。これって変かな?」

従兄「まあ……裏切られて憎いのは、好きだったからこそだろ。嫌いなら嫌いのままだし」

幼「学校休んでる間にね、色々考えたの。男君のどこが好きだったんだろう、とか」

従兄「そっかー」

幼「兄さんと一緒にいるとね、安心する」

幼「男君と少しだけ雰囲気が似てるからかなって思ってた」

従兄「似てるか? 俺あんな背も高くないしイケメンでもないぞ」

幼「だから少しだけだって。でも逆だったんだよね」

従兄「逆?」

幼「兄さんと少しだけ似てるから、男君のことが好きだったんだなって」

従兄「へえー……?」

幼「前の恋を忘れるには、やっぱり新しい恋だと思うの。女は上書き保存って言うしね」

従兄「あ、ああ……?」

幼「むう。全部言わせる気なのね。分かったわよ///」

従兄「……な、何が?」

幼「私、兄さんのことが好き。兄としてじゃなくて、1人の男の人として好き」

幼「だから……これから、よろしくね///」

従兄(返事も聞かずによろしくしよった)

従兄「ま、待て待て。俺とおまえは従兄妹だぞ」

幼「日本では従兄妹同士でも結婚できるんだよ。知らないの?」

従兄「知ってるけど!」

幼「私じゃ駄目……? ねえ、お兄ちゃん……」ウルウル

従兄「あふぅ!!」バキューン

幼「お願いお兄ちゃん……」ウルウル

従兄「ぐはぁ!!」ズキューン

幼「あはは、叔母さんの言った通りだ。兄さんちょろい///」

従兄「ひ、卑怯者め……!」

従兄「ん? 叔母さんって……おま、もしかしてお袋に!?」

幼「うん、もう話した。お母さんにも。2人とも喜んで応援してくれたよ」

従兄「なん……だと……」

幼「お父さんはムスッとしてたけど、反対はしなかったな。だから私、今日も来たのよ」

従兄「妹同然の従妹に告られたと思ったら、すでに外堀は埋まっていた……」

幼「催眠術だとか超スピードじゃないからね」

従兄「いや、でも、えー……」

幼「私のこと嫌いなの? それとも、もう好きな人がいる?」

従兄「いや、嫌いじゃないし、そんな出会いもないけど……」

幼「じゃあどうして?」

従兄「うーん……戸惑ってるんだ。別におまえが悪いなんて思ってないよ?」

従兄「美人だし、料理も上手だし、いい匂いだし、おっぱいもふかふか柔らかくて……」

幼「ちょっと待って。なんで柔らかいって知ってるの?」

従兄「……じょ、常識で考えて固いおっぱいはないからな!」

幼「抱きついたとき当たってるけど、そういうニュアンスじゃなかったよね?」

従兄「こ、ココアのお代わりいる?」

幼「答えて」

従兄「…………ね、寝てるときに……」

幼「!?! 兄さんのエッチ!!」ペシン

従兄「いてっ。いや、その……な?」

幼「な?じゃないでしょ! 意識がない間に触るなんて……兄さんのほうが卑怯じゃない」

従兄「卑怯ではない。そこに山があるから登るんだ」キリッ

幼「……はあ。でも私もいっぱい迷惑かけたから、今までのは不問にする」

従兄「さすが幼! 天使、女神!」

幼「その代わり、エッチなことは当分なしね。ちゃんと恋人として段階を踏んでから……」

従兄「それは嫌」

幼「へっ?」

従兄「付き合うなら本気だから。キスもするし、おっぱいも触るし、ペロペロもする」

幼「ぺ、ペロペロ!?」

従兄「もちろん幼にもペロペロしてもらう」

幼「私がするの!? 何を!?」

従兄「おまえなあ。それだけ外堀埋めておいて、今さら駆け引きできると思ってるのか?」

幼「か、駆け引きじゃないもん。私はただ、何回目のデートでとか、海の見える公園で、とか」

従兄「あ、この子って実は夢見る乙女系だったんだね。半分おとぎの国の人なんだ」

幼「違うっ!」

従兄「なら夢見がちな幼に、大人のキスを教えてあげよう。うひひ」

幼「えっ?」

従兄「こっち向いて」クルッ

幼「ふわわ?」ストン

従兄「いくよ」

幼「えっ、えっ? んんっ!?」チュー

幼(あ、え、ええ!? 兄さんの顔が目の前いっぱいに!! わわ、唇が……!)

ニュル、チュプッ

幼(ひゃああああ、ぬるぬるしたのが入ってきた!!)

幼「んむぅっ、ふぅ、んうっ」ピチャピチャ、ジュルル

幼(口の中を動き回ってる……でも気持ち悪くない。むしろ……)ポワワ

幼(力が抜けて、頭の中が真っ白に……)グテー

従兄「ぷはっ……どう?」

幼「あぅぅ……///」デレーン

従兄「自分に免疫がないの、無意識で気づいてたんだな。それで壁を高くしてたんだ」

幼「ふぇ……?」

従兄「結果的に良かったのかな。男君と深い関係だったら、まともじゃいられなかったかも」

幼「うん……」ポワワーン

従兄「ちょろいのはどっちだ……」

幼「……はっ!?」

従兄「お、意識が戻った」

幼「こ、これは兄しゃんだかりゃ!!」

従兄(噛み噛みだ……)

幼「ファーストキスなんだから、ちゃんと責任取ってよね///」

従兄「いや……おまえ、もうお袋に話したんだろ。お袋も乗り気だったんだろ」

従兄「なら、俺に逃げ道あると思うか? お袋がどんな人か知ってるだろ……」

幼「柔道3段、剣道4段、空手3段の元ヤン。イノシシの頭を素手で砕いたという噂が」

従兄「包丁でまな板を貫ける化け物だ。おまえがお袋に話した時点で、俺はもう詰んでる……」

幼「……やったね、作戦勝ち!」

従兄「勝手に俺の人生決めやがって」ゴチン

幼「痛いよう」

幼「えと……ごめんなさい。兄さんが嫌なら、私……」シュン

従兄「嫌じゃないって。いつの間にか罠に落ちてて戸惑ってるだけ」

幼「う……」

従兄「従兄妹同士ってことで、悪く言う奴もいるかもしれないぞ」

幼「う、うん。でも兄さんと一緒にいると落ち着くし、安心するから」

従兄「休みが不定期で日曜や休日も関係ないし、先も自営業だから不安定だ」

幼「大丈夫。私が合わせるし、苦しかったらお仕事も探す」

従兄「幼みたいな泣き虫のへなちょこ内弁慶が、外で働けるか?」

幼「……自信ない。三食昼寝付きオヤツ食べ放題の主婦なら自信ある」

従兄「そんな自信いらない……」

幼「自分でも子供だっていうのは分かってる。兄さんに甘えっぱなしだし」

従兄「うむ」

幼「ちょっとは否定してほしかったけど……実際そうだもんね」

幼「兄さんには苦労をかけると思う。でも私も兄さんを支えられるよう頑張るから」

幼「だから、どうかこれからも一緒にいてください」

従兄「そうやってお願いするところは子供だな」

幼「むう。じゃあどうすればいいの?」

従兄「付き合って、いずれ結婚をとまで考えるなら、お互い対等でないと」

従兄「気に入らなければ怒る、楽しかったら笑う。喧嘩できない関係は長続きしないよ」

幼「……依存しちゃ駄目ってこと?」

従兄「ま、そうだな」

幼「なら、何でも自分でしなきゃ駄目?」

従兄「頼るのと依存するのは違うぞ。足りないところを補い合えるようになろうねってこと」

幼「ふむふむ……例えば、ベッドからすぐ落ちる兄さんのために、私が壁になるとか?」

従兄「あるいは、おっぱいを揉みたい俺のために、幼が差し出すとか」

幼「エッチなのはいけないと思いま、んむっ!?」ブチュー

幼「んう、んんー」ニュププ、ピチャ、ジュルリ

幼「はふぅ……///」ヘナヘナ

従兄「……面白いな、こいつ」

幼(夏が終わって、秋が来て……)

幼(兄さんはああ言ったけど、私がしょっちゅう泊り込んでも、一線は越えなかった)

幼(私が拒否したから最後までは進んでない。でもおっぱいはいっぱい触る///)

モブ1「ねえねえ、匂いでその人が好きかどうか分かるって本当?」

モブ2「何それどゆこと?」

モブ1「なんかね、好きな人の匂いはいい匂いに感じるんだって」

モブ3「えー? 男ってみんな臭いじゃん」

モブ1「じゃあモブ3は好きな人がいないってことだよ」

モブ3「いるし。彼氏いるし」

モブ2「彼氏だけど好きじゃないんだな。このアバズレ!」

モブ3「ひでえ!」

モブ6「僕は幼馴染さんの匂いを至上の麗しさに感じm」

幼「ああうん。はい」

モブ5「モブ6はきもいでござる。ハゲでござるし」

モブ4(どうしよう、このデブの匂い嫌いじゃない。なんてこった!!)

モブ6「ハゲではない、僕は額が広いだけだ!」

モブ1「幼ちゃんもそういうのある?」

幼「んー……いい匂いとは思わないけど、安心するとか、落ち着くなあっていうのなら」

モブ2「おー。その人のこと好きなんだね」

幼「……///」

モブ3「うひょー、赤くなった」

モブ5「くっ! 最後の砦、幼馴染氏がとうとうビッチ道へ!!」

モブ1「好きな人に一途ならビッチじゃないもんね。ねー幼ちゃん」

幼「……/////////」

モブ5「三倍赤いだと……」

モブ4(やべえ、このデブの匂い落ち着く。こんなデブオタのくせにいいい)ジタバタ

委員長(この子、頭抱えてもがいてるけど、どうしたんだろう……)

モブ6「ふっ……さすが幼馴染さん。僕の使う香水の良さをあなたh」

幼「あ、はい」

モブ1「ハゲ本当きもい。黙らないと毟るよ?」

モブ6「やめろ!!」

幼「ねえ兄さん私ね、大学やめて専門学校に行くことにした」

従兄「んあ? そうなの?」

幼「調理師学校で免許取るの。兄さんがいつか自分のお店を持ったとき、私が軽食を出すとか」

幼「そうじゃなくても、ちゃんとお料理の勉強したかったし」

従兄「大学でも調理師の勉強はできるよ?」

幼「でも卒業に順調でも4年かかるでしょ。専門なら2年だもの」

従兄「それがどうかした?」

幼「成人して、卒業できたら結婚しようって、兄さんが言ったんじゃない」

幼「だから1日でも早く卒業できて、資格も取れる専門学校にしたの///」

従兄「それは短絡的すぎだろ。叔父さんたちとも相談してからだな」

幼「お父さんもお母さんも、いいって言ってくれたし!」

従兄「……またしてもすでに堀は埋めておったか……強かになりやがって」

幼「それより早く着替えて初詣行こうよ。今日はうちで叔父さんたちと宴会だよ」

従兄「あの酔っ払いたち大変なんだよなあ……俺、参加拒否していい?」

幼「兄さんが来てくれないって、叔母さんに泣いてすがりつく」

従兄「そして俺は八つ裂きにされる。見える、未来が見えるぞ。今すぐ準備します!」

幼「あはは、慌てなくていいからねー」

従兄「うおー、人がいっぱいだ」

幼「迷子にならないよう手を繋がなきゃ」ギュッ

従兄「それは腕を組むって言うんだよ」

幼「手も繋いでるもの///」

従兄「幼は寒がりでいっぱい着込んでるから、感触が分からない……」

幼「こんなとこでもそれ……あっ」

従兄「ん?」

幼「男君がちらっと見えた」

従兄「地元の奴はほとんどこの神社だからなあ」

幼「……」

従兄「どうした? やっぱまだ未練あるか」

幼「あ、ううん違うの。何も感じなかった。上書き保存って本当だったんだなって」

幼「それはそれで、なんだか寂しいことのような気が……」

従兄「別名保存でいつまでも引きずるよりは、いいんじゃないか?」

幼「兄さんは覚えてる? 4股の人とか」

従兄「トラウマをえぐるのはやめろ……!!」グヌヌ

幼「でも嫉妬しちゃうな。私じゃない人が、隣にいたんだっていうのは」

従兄「おまえも男君が隣にいただろ」

幼「初彼と初デート以外は、初めては全部兄さんのものだよ。こ、これからもそうだし///」

従兄「幼はときどき妙に大胆になるなあ」

従兄「一昨日は幼の家で、昨日はうち。連続で朝まで宴会とか、あの人たちおかしい」ヘトヘト

幼「楽しそうでいいじゃない。去年は兄さんいなくて、お父さん寂しそうだったもの」

従兄「就職活動してたし……というか、なぜ当たり前のように一緒に帰ってくる?」

幼「両家の親公認なんだから、いいの///」

従兄「いいけどさ……」

幼「……兄さん、もう寝た?」

従兄「目は閉じてるけど、まだ起きてる。どした、眠れないのか?」

幼「私ね……年が明けるまでは、兄さんに襲われても噛みついて抵抗しようと思ってた」

従兄「なんと」

幼「私なりのケジメだったの。一線だけは越えないっていうのが」

幼「変な、馬鹿みたいなケジメだとは思うけど……」

従兄「馬鹿だとは思わないけど、なんでとは思うな」

幼「男君と付き合ってた年だから……」

従兄「ああ、なるほど。うん、変だな」

幼「分かってるってば」

幼「勝手に決めたことを、今まで黙っててごめんなさい」

従兄「最初に言ってくれれば、俺も大人しくしてたのになあ」

幼「うう……」

従兄「店は明後日からなんだ。明日はまだお休み」

幼「うん、知ってる。それが?」

従兄「今日は夜更かしでも平気ってこと」

幼「……き、昨日も一昨日も、あんまり寝てないよね? 疲れてるでしょ」

従兄「幼は知らないのかな。男は、疲れてるときほど逆に一部は元気だったりするんだよ」

幼「う、嘘だあ」

従兄「本当」ギュー

幼「あわわ、お尻になんか当たってる……///」

従兄「幼の言い分だと、年が明けたからもう問題ないわけだ」

幼「問題っていうか、その、心の準備というか」

従兄「今まで内緒にされてた分を全部返そうかなー」モミモミ

幼「んっ……乱暴なのは怖いから嫌……」ピクンッ

従兄「優しくなら、何してもいい?」ユサユサ、クニッ

幼「ひぅっ……な、何でもって?」

従兄「色々」ペロリ

幼「あんっ! み、耳舐めちゃ駄目!」ゾクゾク

従兄「怖いことと痛いのは無しなら?」

幼「それなら……頑張る……///」

幼「あの、でも、本当に初めてだから、怖いから……」

従兄「できるだけ優しくするけど、うまくしてあげられなかったらごめんな」ナデナデ

幼「うん……///」

―――
――



――
―――

チュンチュン、アサチュン

幼「ん……眩し……」

幼「あっ……は、裸だっ///」モゾモゾ

従兄「んー……」

幼「兄さんも裸……夢じゃなかったんだ……///」

幼「まだお腹の中に兄さんがいるみたい……」

従兄「んぅー……もう朝ぁ?」

幼「うん。でも、もうちょっと寝てたいな」

従兄「いいよー……zzz」

幼「えへへ」ギュッ

幼(痛かったけど優しくしてくれたし、いっぱいキスもしてくれた)

幼(しない人も多いって聞いたけど、避妊もちゃんとしてくれた)

幼(初めての人が兄さんで良かった。そして……)

幼「兄さんが最初で最後の人だからね」チュッ

従兄「ん……おっぱ……ぃ……」モミモミ

幼「……寝てても触るなんて……逆にすごいのかも」

幼「よいしょ。お触りタイムは終わり。腕枕して?」

従兄「zzz」ギュー

幼「ふごご、苦しい!」ジタバタ

ダメだもう眠い、寝る
見てくれてる人ありがとう

委員長「とうとう卒業ですね、幼さん」

幼「うん。この1年ありがとう。委員長のおかげでまとまりのある楽しいクラスだったと思う」

委員長「いえ……」

幼「どうしたの? せっかくの卒業式なんだから、笑って卒業しようよ」

モブ2「そいつ、幼と離れ離れになるのが悲しいんだってさ」

委員長「同じ大学に進むつもりだったのに、幼さんは専門学校に行くだなんて!」ドババ

モブ3「うわあ、滝みたいに泣いてる」

委員長「せめて最後に思い出をください」(;>3<)ムチュチュー

幼「ひゃあああ!?」ジタバタ

委員長「1回でいいからああああー!」

モブ2「落ち着けよレズ」

モブ5「ふっ……卒業でござるか。今は何もかもが懐かしいでござる……」

モブ4「最後まできもいデブね……あ、あんた大学行くんでしょ」

モブ5「モブ4氏も同じ大学だと聞きましたぞ」

モブ4「そ、そうなのよね。あんたみたいなデブと一緒なんて、運がないわー」

モブ5「大学は勉学に励む神聖な地。ビッチ道を邁進せぬよう気をつけるでござるよ」

モブ4「ビッチじゃない! まだしょ……」

モブ5「しょ?」

モブ4「しょ、しょ……昇竜拳!!!」ドガァ

モブ5「ぐはぁ!? や、やるでござるな……」バタリ

モブ6「ああ幼馴染さん、どうか泣かないでください。卒業は終わりではなくすたーt」

幼「ああうん、はい」

モブ6「僕たちの人生はここから混じり溶け合ってk」

モブ1「卒業記念に髪むしらせてー!」グイー

モブ6「ぎゃあああーやめろおおおー!!」

モブ3「記念写真撮ろうよ」

モブ2「幼の隣いただきっ」

モブ5「では拙者が中央に……」

モブ4「あんた後ろ! デブしか写らなくなるでしょ!」

ワイワイギャーギャー

男「騒がしいクラスがあると思ったら、幼のところか……」

幼友「幼ってあんな風に友達を作れる子だったのね。知らなかったな」

男「……帰ろう」

幼友「そうね……」

―――
――


―成人式―

男「高校の同窓会だとクラス関係なしに手紙がきたが。大きな会場押さえたもんだな」

同級生「ん? おお、もしかして男か? 久しぶりだな!」

男「あ、ああ。久しぶり(誰だっけ……)

同級生「幼馴染さん来てるんだぜ。もう会ったか?」

男「!! い、いや……さっき来たばっかだから」

同級生「元クラスメイトに囲まれてて輪に入れないんだが、見てこいよ」

同級生「前から美人だったけど、さらにレベルアップしてすげー綺麗になってたぞ」

同級生「あんな彼女がいたら幸せだろうなあ。はあー」

男「……」

モブ1「うお!? うっすらハゲがつるつるハゲに進化してる!!」

モブ6「実家の寺を継ぐので、あえて剃っているのです。断じてハゲではありません」キリッ

モブ2「鏡の代わりになるんじゃね?」

モブ1「絵描こうよ、ペン持ってきたし」

モブ6「よせ!!」

男「……騒がしい一角がある。あそこか……」

幼「モブ4ちゃんとモブ5君、付き合ってるの!?」

モブ4「ま、まあね。こんなヘンテコデブ、他の子じゃ面倒見れないだろうし///」

モブ5「そんなことないお。僕は無害なデブだお」

幼「え、なんか口調が変わってる」

モブ4「また変なのに影響されたみたいでさあ……」

男「……」

男(少し髪が短くなってるけど確かに幼だ。こうして顔を見るのは2年ぶりか……)

男(本当に綺麗になってるな……もっと幼かった気がするのに)

男(パーティドレスっていうのか? 大人びてよく似合ってる)

男(……あんなに美人だったのか……)

委員長「幼さん会いたかった!!!」(;>3<)ムチュチュチュー

幼「ほわああああ!!?」

モブ2「あははは、来た来た」

男(なんか声をかけられないな。誰が誰かも覚えてないし……)

男(俺、こんなにも友達がいなかったのか?)

男(隅でカクテルでも飲もう)

―――

幼「ふう。レモンハートオレンジくださいっ」

バーテン「少々お待ちください(レベルたけー。ナンパできないかな。ん?)」

バーテン「お待たせしました(駄目だやめとこう。成功しても面倒事になる)」

幼「ありがとう」ニコ

幼(ええと……二次会は出ないから、やっぱり帰りはタクシーのほうが楽かな)

男「……幼」

幼「ほえ? あっ……男君、久しぶり! 居たなら声かけてくれればいいのに」

男「あ、ああ。囲まれてたから話しかけられなくてな」

幼「あはは、みんな騒ぎすぎだよね」

男(子供っぽさが抜けて、本当に綺麗になった……)

男(あのとき幼の手を離さなければ、今も俺たちは……)

幼「ねえ、幼友は来てないの? 電話番号変えたみたいで繋がらなくて」

男「あ、あいつは……自分の地元で出るんじゃないか?」

幼「そっか、幼友は少し離れてたもんね。会いたかったなあ」

幼「話したいことたくさんあったのに。残念」ショボン

男「幼は……その、どうしてるんだ?」

幼「んー、普通だよ。学校行って、帰ったらご飯作ったり掃除に洗濯」

男「前とあまり変わらないな」

幼「あはは、行動そのものはあんまり変化してないね」

幼「男君のほうは? 大学楽しい?」

男「あ、ああ」

幼「幼友とはうまくいってる?」

男「……ずいぶん前に、別れた……」

幼「え!?」

男「別々の大学に進んだからな。お互いサークルや授業でなかなか会えなくて」

男「だんだん距離が開いて……」

幼「そうだったの……」シュン

男「色々考えたよ。何が悪かったのか、どうすれば良かったのか」

男「もしかしたら最初から間違いだったのか、とかな」

幼「そんなこと言わないでよ。あのころの私がかわいそうじゃない」

男「傷つけたよな。幼のこと考えない日はなかったよ」

男「幼友もだと思う。結局俺たちは、罪悪感みたいなものに負けたのかもな」

幼「……」

男「時間はもう戻らない。終わったことは変えられない。でも、償いはできると思うんだ」

幼「う、うん、そうだね?(幼友のことかな?)」

男「やり直すチャンスをくれないか?」

幼「んん? 幼友と会って話せたら、できるかもしれないね?」

男「いや……違う。幼とやり直すチャンスがほしい」

幼「へ?」

男「もう2度と傷つけたりしない。悲しませない。だからもう1度俺と……!」

幼「えーっと……もしかして知らない?」

男「……何をだ?」

幼「私、もう結婚してるの」スッ

男「!!?!(左手の薬指に指輪が……)」

幼「高校卒業してすぐ籍だけ入れたの。お父さんたちが早いほうがいいって悪乗りして」

幼「式はまだやってないんだけどね。専門学校卒業したらするつもり」

男「あ……」

幼「子供はまだ。でも時期的にもう大丈夫だからと話してる///」

幼「今からなら妊娠しても、お腹大きくなるころには卒業してるしね///」

男「う……」

幼「この前、おばさんと家の前で会ったときに話したんだけど、聞いてなかった?」

男「お……俺、最近帰ってなくて……今日も久しぶりだったから……」

幼「そうなんだ。ときどき連絡したほうがいいよ。家族は大事にしなきゃ」

男「あ、ああ……」

幼「本当は専門を出てから籍を入れるつもりだったんだけどね」

幼「どっちの両親も酔うと大変なのよね。早すぎると反論したんだけど」

幼「私たちも、どうせ結果は同じだし、早くてもまあいいかってなっちゃった///」

男「……」

幼「悩み事があるなら、幼馴染として相談に乗るくらいはできるよ」

男「お、俺は……俺は……それでも構わない」

幼「ふえ?」

男「今度こそ幸せにする、誓ってもいい。これまでのことも詮索しない」

男「だから幼、俺のそばに……」

幼「男君、自分が何を言ってるか分かってる?」

男「あのころの俺が間違ってた。だが、過去は変えられなくても未来は違う」

男「もう1度やり直して、今度こそ2人で幸せになろう」

幼「だから私、結婚してるんだってば」

男「そんなことは関係ない。何があろうと俺が必ず守るから」

幼「慰謝料の支払い」

男「え?」

幼「裁判記録、社会的制裁、家族や親族と離縁、周囲からの嘲笑」

男「何を……」

幼「ひとつの家庭を壊す代わりに手に入るものがそれ。不倫って割に合わないよね」

男「……」

幼「不倫する人の気持ちなんて分かりたくもないし、不倫に誘う人も信じられない」

幼「男君、変わっちゃったね。それとも昔からそうで、私が気づいてなかっただけ?」

男「幼……」

幼「私、今とても幸せ。この幸せを手放して、他を求めようなんて思えない」

幼「この上にもっと幸せを積み上げたいとは思ってるけど///」

男「……」

幼「委員長が睨んでるから、そろそろ行かないと」

男「あ、ああ…………」

幼「それじゃあね……」

―数年後―

男(はあ……1ヶ月ぶりの休みだというのに、どこにも行くところがないな)

男(実家に顔を出したはいいが、結婚がどうだのばかり言われるし)

男(大学から何人かと付き合ったが、いつもうまくいかない)

男(ようやくこれと思える女が見つかったと思えば、金目当てなだけだった)

男(確かに一流商社に入って同期の奴らより出世も早い……)

男(年齢平均に比べて年収も多い。だが、それだけだ)

男(休みもなくひたすら働くだけで、帰っても誰かが迎えてくれるわけでもない)

男(俺、なんで働いてるんだろうな……)

幼『え、貧乏? んー……どこまで貧乏かによるかなあ。借金生活は困るよね』

男『年収200万とかは? ワープアってやつ。あれで生活できるのかな』

幼『それだけあれば十分じゃない? 食費を切り詰めても頑張ればご飯の質は保てるし』

幼『遊びに行くのもお弁当持って公園とか、楽しいよ?』

男『外食もできないじゃん』

幼『コンビニのおにぎりでいいよ。鮭おにぎり美味しいよね、あれお気に入り』

男『欲のない奴だなあ』

幼『子供が生まれてとか考えると難しいんだろうけどね』

幼『でも、お金はとっても大事だけど、すべてじゃないと思うんだ』

幼『お金持ちだけど笑顔のない生活より、私は貧乏でも笑顔のある生活のほうがいいなあ』

男「笑顔のある生活、か」

男「そういや、心の底から笑ったのは、いつが最後だったっけ……」

幼女「ママ、このお花かわいいよ! じーじとばーばにおみあげしよ、おみあげー!」

男「ん? 幼稚園くらいか……俺も結婚してれば、子供の1人はいたのかなあ」

幼女「ママ早く早くー!!」ピョンピョン

男「っ!!! 子供のころの幼かと思った。そんなわけないが、よく似てるな……」

ママ「はいはい、ちょっと待ってね。ママお腹大きいんだから、急いで歩けないの」

幼女「転んだらあぶないから、手つないであげるね」ニコニコ

幼女「ねえママ、おとーといつ生まれるの?」

ママ「そうねえ、再来月くらいかな。早く会いたいね」

幼女「うん! パパもおねーちゃんも同じこと言ってた!」

ママ「弟が生まれたら、ご飯の準備とか手伝ってね」ニコニコ

幼女「みんなで一緒にがんばりゅー!」ピョンピョン

ママ「飛び跳ねたら危ないから普通に歩いて。もうすぐじーじとばーばのお家だから」

幼女「はーい」

男「…………」

男「道路で区切られた向こう側とこっち。あのとき……」

男「あのときもっと考えてから行動してたら、今も俺が隣を歩いていたのかな……」

男「俺の隣で、あんな風に笑顔を見せてくれてたんだろうか……」

男「……初めて作ってくれた弁当、美味かったな……」

男「……」

男「あれから誰を見ても幼と比較し粗探しばかり」

男「俺は何をしたくて幼と別れたんだろう……」

男「高校のときに戻りたい……」トボトボ

木枯らしピュゥー


終わり

途中で幼友の存在を忘れてたのに気づいた。
わりと痛い目に合ってるのを考えてたんだが、
挟む場所がなく長くなりそうなので気分転換にオナったら、幼友どうでもよくなった。
さよなら幼友、放置でバイバイ。


乱文、読んでくれてどうもありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月07日 (日) 19:00:16   ID: l3vCb7Ti

ツマンネ。

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