モバP「蜘蛛の糸に絡められて」 (34)



モバマスのSSです。以下の内容を予めご了承ください。

①キャラクターのイメージを損なう可能性があります
②一部過激な描写があります


拙い作品ですが、最後までお付き合いいただければ幸いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407602612



渋谷凛「昨日、奈緒の家で古いアニメ見たんだけど、ヒロインが猟奇的だった」

モバP「へえ」

凛「ああいう作品を作っている人は女の子の気持ちが分かってるのかな」

モバP「どうだろう。スタッフによるんじゃないかな」

凛「主人公のことが好きな女の子が二人いて、いろいろあって、最後に片方が主人公の首を切り落とすの」

モバP「穏やかじゃないな」

凛「それもあるんだけどさ、普通、恋する女の子はあんなに頭悪くないよ。殺人罪で捕まっちゃうし、家族にも迷惑かかるし」

モバP「まあ、アニメの話だから」

凛「うん。ただね、プロデューサー」

モバP「ん?」

凛「恋する女の子は誰よりも、冷静で頭を使ってるの。どうやったら振り向いて貰えるか、どうやったらモノにできるか」

モバP「それは怖いな」

凛「だから、プロデューサーも気を付けてね」

モバP「はいはい、仕事だぞ」

凛「うん、行ってくるね」

モバP「後で迎えに来るから」

凛「……次は誰のとこ?」

モバP「まゆのとこ」

凛「ふーん、行ってらっしゃい」

モバP「ああ、また後で」



モバP(まゆはっと、居た。へえ、漫画読むとこ始めてみた)

モバP「……正直驚いた。まゆも漫画読むんだ」

佐久間まゆ「うふっ、まゆだって漫画くらい読みますよ」

モバP「知らない面もまだあるんだなぁ」

まゆ「これからどんどん知って行ってくださいねぇ」

モバP「なんて作品?」

まゆ「『未来日記』です。奈緒ちゃんに借りました」

モバP「最近のか、知らないな」

まゆ「貸してもらって悪いんですけどぉ、あんまりまゆの好みじゃないんですよね」

モバP「へえ、奈緒の選択で外れは珍しいな」

まゆ「まゆはこんな酷いこと好きなヒトにしませんよぉ」

モバP(どんなストーリーだ?)

まゆ「奈緒ちゃんとは最近、よく話すんですよ」

モバP「意外だな」

まゆ「うふふふ、奈緒ちゃんは照れ屋さんですから」

モバP「分かりやすいけど」

まゆ「…こんな警告しなくても、まゆはこんなことしませんよぉ。大丈夫、大丈夫。もう少し」



モバP「ん?」

まゆ「Pさんのこと考えてました」

モバP「そっか」

まゆ「…Pさん」

モバP「ん?」

まゆ「社長さんを一週間見ていません」

モバP「出張で大阪に行ってるよ」

まゆ「…事務所に売却のお話があったってホントですか」

モバP「…あったけど、社長が断ったよ」

モバP(なんで、まゆがそれを知ってるんだ)

まゆ「そうですかぁ。なら、いいです」

モバP「まゆ」

まゆ「は~い」

モバP「心配しなくても、僕は別に誰かのプロデュースを辞めるつもりはないから」

まゆ「大丈夫ですよ。まゆはPさんのことを信じてますから」

モバP「ほら、事務所に着いたから、着替えてきなさい」

まゆ「はい、Pさん」

モバP(社長か?誰が言ったんだろう。まあ、取消になったし、社長も会社の株は一部信頼できる人に預けるって言っていたが、確認は必要か)

モバP(三船さんとの打ち合わせの後、ちひろさんに確認しよう)


三船美優「この衣装少し露出が多くないでしょうか」

モバP「そうですか。この前のアニマルパークと同じデザイナーの作品なのですが」

美優「こういうのは少し苦手で」

モバP「……そうですか。すいません。配慮が足りず」

モバP(少し肌を晒すことに抵抗があるのか。以前よりもかなり辛そうに見える)

美優「…すいません」

モバP「何かありましたか」

美優「…あの、引き抜きのオファーがあったという話は本当でしょうか?」

モバP「事実ですが、社長が断りました」

美優「そうですか」

モバP「誰から聞きましたその話」

美優「社長さんが電話で話しているのを、私とまゆちゃんが聞いてしまって」

モバP「なるほど。のプロダクションを買いたい、無理なら、僕をトレーナーとして引き抜きたいという話がありました。ですが、全部断っていますのでご安心ください」

美優「社長さんが最近いらっしゃらないのは、その関係でしょうか」

モバP「ええ、そうです」

美優「…私は、プロデューサーさん以外の方にお願いしたくはありません」

モバP「それは……、その、ありがとうございます。プロデューサーとして最高に嬉しい言葉です」

美優「ですので、この衣装が私に似合うとプロデューサーさんがお考えなら着ます」

モバP「僕は似合っていると思います。プロデューサーとしてだけでなく、1人の男として、その衣装を着た三船さんは魅力的だと思います」

美優「でしたら、喜んで」

モバP「ありがとうございます」

美優「あ、プロデューサーさん」

モバP「はい?」



美優「キーケースをお借りしてもいいですか?」

モバP「いいですけど、どうかしましたか?」

モバP(一応、自宅の鍵も入っているが、三船さんなら大丈夫か)

美優「車から出る時にロゴが取れそうになっているのが気になったので」

モバP「え?ああ、本当だ」

美優「直してみますのでお帰りになるまでお借りしてもいいですか?」

モバP「いいんですか?わざわざ、すいません」

モバP(ホント、良い人だよな)



神谷奈緒「あ、Pさん」

モバP「おはよう」

奈緒「おはよう。なあ、今日、ちひろさんと話した?」

モバP「今日はまだ会ってないけど、どうかした?」

奈緒「さっき、社長から電話があったからPさんが来たら待っておくように行ってくれってさ」

モバP「分かった。ありがとう。ちひろさんは?」

奈緒「銀行。15分くらいで戻るってさ」

モバP「了解。先に書類置いてくるよ」

奈緒「あー、Pさん」

モバP「ん?」

奈緒「Pさんは、もう完璧に詰んでるし、皆本気だから」

モバP「はい?」

奈緒「な、何でもない!でも、私はちゃんと言ったからな!私もほ、本気だからな!」ダッ

モバP「…なんだ今のは」


加蓮「ホント、なんだろうね」

モバP「居たのか」

加蓮「さっきから居たよ」

モバP「悪い。気が付かなかった」

加蓮「別にいいけど、奈緒ったら、ウズウズしちゃって」

モバP「そうなのか?」

加蓮「そっ、奈緒はピュアだから」

モバP「加蓮も割とピュアだと思うけど」

加蓮「そう?」

モバP「個人的には」

加蓮「なら、いいや。Pさんがちゃんとそう思ってくれるなら」

モバP「どういう意味だ?」

加蓮「別にぃ」

モバP「加蓮?」

加蓮「あのさ、責めるなら私にしてね。奈緒を巻き込んだのは私だから」

モバP「詳しく話してくれ。それだけだと分からない」

加蓮「あと2時間待って」

モバP「長いな。その時間帯だと凛を迎えに行かないといけない」

加蓮「凛も一緒でお願い」

モバP「分かった。大事な話なんだな」

加蓮「うん」

モバP「今、聞かなくて大丈夫か」

加蓮「どっちにしろ分かっちゃうから」

モバP「…そうか。なら、加蓮を信じて待つよ」

加蓮「…っ、Pさん。ごめん」

モバP「本当に今聞かなくていいのか」

加蓮「頭下げて」

モバP「これでいいか?」

加蓮「うん、捕まえた」ギュッ

モバP「捕まったな」





加蓮「アリガト、Pさん」

モバP「また後で話そう」

加蓮「ねえ、Pさん。凛は何か言ってた?」

モバP「ああ、恋する乙女は冷静で頭を使うんだとさ」

加蓮「ああ、なるほど、さすがだね」

モバP「なあ、どっか出かけるか。ファーストフォードでも食べに」

加蓮「ううん。平気だからPさんは仕事してて」

モバP「分かった」

加蓮「あ、Pさん。あのね」

モバP「うん」

加蓮「私、スケジュール通り行動するの得意なんだ。ってた?」

モバP「ああ、知ってるよ。レッスンにも、仕事にも、学校の宿題も一回も提出しなかったことがないのもちゃんと知ってるよ」

加蓮「うん。それだけ。じゃあ、また後で」

モバP(社長に連絡しよう。何か嫌な予感がする)


千川ちひろ「おはようございます」

モバP「あ、ちひろさん。先程社長から電話があったとか」

ちひろ「ええ、会議室行きましょうか」

モバP「はい」

ちひろ「プロデューサーさん、最近かなりスカウトをされていますね」

モバP「ええ、それは確かにそうですが」

ちひろ「しばらく控えてもらえませんか」

モバP「…社長から何か」

ちひろ「率直に申し上げますと、社長が代わると思います」

モバP「…それは本当ですか」

ちひろ「ほぼ、確実です」

モバP「確かに社長は引退を考えていました。ですが、あまりに突然過ぎます!」

ちひろ「理由はあります」

モバP「なんですか」


ちひろ「お金です」

モバP「その話は終わったはずです」

ちひろ「2倍です」

モバP「…幾らなんでも高過ぎます。確かにうちのアイドルは逸材が多い。ですが、その価格はあまりにも、それにこの前の相手が出せる額じゃありません」

ちひろ「相手は違いますよ」

モバP「どこですか?」

ちひろ「まだ、お教えできません」

モバP「ちひろさん!」

ちひろ「今日中に分かります。私から言えるのはそれだけです」

モバP「ちひろさん。1つだけ教えてください」

ちひろ「なんでしょう?」

モバP「今回の件でうちのアイドルが危険に晒される可能性はありますか?」

ちひろ「危険について、もう少し具体的にお願いします」




モバP「まだ十分に成果が出ていないアイドルがいるのは事実です。僕がスカウトした以上、僕は責任を持って彼女たちが最高のステージに立てるよう、支えていきたいと思っています」

ちひろ「ええ」

モバP「社長はその方針を支持してくれています。もし、新しい経営者が来たら、今の方針を続けることはできるでしょうか。唐突にアイドルの人数を削減する可能性はありますか。現時点で判断は難しいと思いますが、ちひろさんのご意見を参考までにお伺いできれば」

ちひろ「Pさん次第だと思いますよ」

モバP「どういうことですか」

ちひろ「Pさん。最後にお休みを取ったのはいつですか」

モバP「先週末は凛の撮影に同行したので、二週間前です」

ちひろ「では、アイドルと合わなかった日はありますか?」

モバP「…記憶している限り、この1年程ありません」

ちひろ「加蓮ちゃんが体調を崩した時、覚えていますか」

モバP「もちろんです」

ちひろ「わざわざ、有名な大学病院で治療が受けられるよう、モバPさん相当走り回ったらしいですね。再発していた場合、迅速な治療が受けられるように」

モバP「…何故、それをちひろさんが」



ちひろ「加蓮ちゃんのご両親から伺いましたよ。加蓮ちゃんも知っています」

モバP「僕は僕にできることをしただけです」

ちひろ「まあ、そうですね。大変でしたでしょう。あれだけの金額を工面するのは」

モバP「……それは、加蓮にだけは」

ちひろ「言いませんよ。まあ、本人もある程度気が付いてましたけどね」

モバP「…っ!」

ちひろ「あと凛ちゃんの学費の件もありますよね」

モバP「あなたは一体どこまで!」

ちひろ「全部ですかね」

モバP「凛については、僕は何もしていません。ただ、凛が大学にいけるようにご両親と相談して積立式で一部凛の出演料等を積み立てているだけです」

ちひろ「お店の経営が危ない時にずいぶんと腕のいいコンサルタントを紹介したとか。それも無料で」

モバP「大学のゼミの同期です。相談に乗ってもらいました」


ちひろ「ええ、外資系の有名コンサルを。奈緒ちゃんのご両親が勤務されている会社が少し危ない時にも、何故かその人が引き受けていましたね」

モバP「アイツが何か言ったんですか」

ちひろ「いいえ、ご友人は何も」

モバP「…どこで知ったか知りませんけど、彼はもう国内にいませんよ。数か月前に米国の本社に行きました」

ちひろ「そうでしたね」

モバP「何が言いたいんですか」

ちひろ「あまり、アイドルを甘く見ない方がいいですよ」

モバP「そんなつもりはありません」



ちひろ「絶対に人前で素肌を晒さない」

モバP「職場でわざわざそんなことしませんよ」

ちひろ「では、左腕を見せてください」

モバP「…お断りします」

ちひろ「何故ですか」

モバP「特に見せる理由がないからですよ」

ちひろ「その傷跡を隠すためですよね」

モバP「…情報源は社長ですね」

ちひろ「三船さんを狙っていた悪質なファン。何故か通り魔として逮捕されていましたね」

モバP「ええ、僕が帰宅している途中に襲ってきたんですよ。左腕を刺されましたが日常生活には問題ありません。それが何か」

ちひろ「三船さんが視線を感じると言いだしてから、ご引越しされたそうですね」

モバP「たまたま時期が重なっただけです。アイドルの寮に近い方が送迎がしやすいので」

ちひろ「その帰宅中たまたま刺されたと、前日に三船さんのプロデューサーとしてメディアで報じられたその帰りに」


モバP「…偶然ですよ。それにアイドルはこのことを知りませんから」

ちひろ「ええ、そうですね。数日はご家庭の事情でお休みとなっていましたから」

モバP「三船さんにアイドルを辞めて欲しくなかった。ただ、それだけの自己満足です」

ちひろ「…ええ、そうですね」

モバP「ちひろさんは何が言いたいんですか?」

ちひろ「大体みんな気が付いてるってことですよ。この業界でアイドルに夢を魅せる為にPさんがどれだけ体を張っているか。うちの社長が同性愛者であることも含めて」

モバP「…社長が話したんですか」

ちひろ「さあ、どうでしょう?」



ちひろ「私はぜーんぶ知ってますよ。それだけです。見てましたから」

ちひろ「あと、三船さんもちゃんと気が付いてましたよ。いつも自分のイベントがある度に変な人が来ていることも、その人が通り魔として逮捕されたことも。ニュースで顔出てましたし、被害者の男性がPさんと同じ年齢と報道されてましたから。それに、女性はね、男性よりも危機管理能力が総じて高いんですよ」

モバP「一度も言ってくれませんでした。もし、気が付いていたなら相談してくれれば、他にもできたことがあったのに」

ちひろ「身を挺してアイドルを守る。プロデューサーの鏡ですね」

モバP「ただの自己満足ですよ」

ちひろ「あなたの身勝手な自己満足でも感謝する人は感謝するんですよ」

モバP「見返りは求めていません」

ちひろ「ええ、愚かにも。アプローチされたでしょう。アイドルに何度か」

モバP「無いと言えば、嘘になります。ですが、応じたことは一度もありません。自分の立場は理解しています」

ちひろ「クソみたいに真面目ですね。まあ、それが取り柄なのかもしれませんが」





ちひろ「まあ、私にも利のある話でしたので、プロデューサーさんを完璧にモノにすることにしました」

モバP「なんの話ですか?」

ちひろ「計画するのに半年かかりました。その後は全員で完璧に遂行しました。長かったなぁ。みーんな本気ですよ」

モバP「計画?」

ちひろ「仕事中は必ず誰かが傍に、休日は誰かしらの同行か、誰かのリフレッシュにつきあう。夜はインターネットの出会い系や婚活サイトを利用しないよう、誰かしら私的な相談事をメールしていました」

モバP「は?」

ちひろ「食事もまゆちゃんや三船さんからの差仕入が中心。美味しかったでしょう。とても家庭的で」

モバP「外食も結構していますよ」

ちひろ「ええ、でも、思い出してください。加蓮ちゃんとファーストフードに行くか、凛ちゃんと奈緒ちゃんの送迎の帰りに一緒に食事に行っていますよね。一人で外食したことなんてありましたか」

モバP「…ないですね」



ちひろ「休日も一人で過ごしたこともないですね」

モバP「ありません」

ちひろ「さて、一番のご友人は仕事で海外。日本に戻る目途は無い。ご実家は県外。女性関係はアイドルと私以外は無し。事業会社の閉鎖的な風土に嫌気が差し、プロデューサーに転職」

モバP「それが何か?」

ちひろ「今の仕事は生きがいですよね?アイドルが大切だからこそ、そこまでできるんですよね」

モバP「そう自分では思っています」

ちひろ「今のアイドルたちはプロデューサーさんをとても信頼しています。プロデューサーさんが辞めてしまったらアイドルを辞める程度には、まゆちゃんとか、三船さんとか」

モバP「それは、なんとも言えません」

ちひろ「本当に?あの二人ですよ」

モバP「…辞めるかもしれません」


ちひろ「ああ、経営陣が変わると、人気の無いアイドルも最悪の場合、事務所で居場所を無くしてしまうかもしれません」

モバP「そんなことは僕がさせません!」

ちひろ「うふふ、本当にできますか?絶対と言えますか?陰で枕営業とかこの業界では有り得ない話ではないですよ」

モバP「あなたはさっきから何を!いい加減にしてください!」

ちひろ「ああ、すいません。あまりに長く待たされたので、少し意地悪をしてしまいました。何の心配もいりません。プロデューサーさんは今まで通り頑張れますよ。アイドルもみんな一緒です」

モバP「…社長に何をしたんですか?」

ちひろ「そういう真面目で察しの良い所は大好きですよ」

モバP「ふざけないでください」

ちひろ「別に私に売ってもらっただけですよ。この事務所を」

モバP「え?」

ちひろ「今頃、海外でバカンスじゃないですか。まあ、来年あたり税金関連が明るみに出ますからそれまでのお話ですけど」

モバP「え?え?」

ちひろ「改めまして、社長の千川ちひろです。本日就任致しました」

ちひろ「これからも引き続きよろしくお願い致しますね」



ちひろ「ただ、少しだけ整理があるので、その間はスカウトを控えてくださいね」

モバP「僕がアイドルを引き連れて他のプロダクションに移ることもできますよ」

ちひろ「無理ですよ。絶対に。だって、ここにプロデューサーさんの実印が押してある書類がありますから、アイドルの引き抜きは行わないって」

モバP「僕の実印なんて事務所にあるはずが……まさか、キーケース!?いえ、そもそもそんな書類法的に無効です!」

ちひろ「そうですね。でもね、シンデレラガールの凛ちゃんを含めて誰もプロデューサーさんに付いていきませんよ」

モバP「……」

ちひろ「だって、プロデューサーとアイドルの恋愛関係を許す事務所なんてここ以外に有り得ませんから。抜けようとしてみても良いですよ。大事なアイドルがどうなるかはご想像にお任せしますが」

モバP「あの子たちがそんなことをするはずがない!それにそんなこと常識的に受け入れるはずが」

ちひろ「馬鹿ですか。私がたった一人でこんなことができるとでも?」



ちひろ「言ったでしょう。全員本気だって」

モバP「あなたは悪魔だ」

ちひろ「酷いです。発案したのは私ですらないのに。我慢させ過ぎたプロデューサーさんも悪いのに。詰みです。それに温かくて心地よかったでしょうアイドルと過ごす日々は。手放したくないでしょう」

モバP「できない。今更、そんなこと僕には」

ちひろ「大丈夫。私がプロデューサーさんを助けてあげます。もっと、アイドルと信頼関係を築いてください。外のことは気にしないでください。どんなスキャンダルからも私が守ってあげますから」

モバP「う、あ、や、辞めれば。まだ」

ちひろ「本当に?私が何もしないと思いますか?あの子たちが大事ですよね」

モバP「ぐっ」

ちひろ「これじゃあ、私だけ悪役じゃないですか。全く、皆さん早く入ってきてください」




凛「ただいま、プロデューサー」

加蓮「ちひろさん。後で話があるから」

奈緒「…Pさん。ごめん」

まゆ「まゆだけじゃないのは、辛いですけど、Pさんと一緒なら我慢できます」

美優「ごめんなさい。でも、やっぱり、私はPさんがいないと駄目なので」

ちひろ「事務所は本日、立ち入り禁止ですので、後はご自由に」

モバP「待て、皆待ってくれ」

ちひろ(撮影準備もできてますから、もう完全に詰んでますね。使う予定は一切ないですけど。シンデレラじゃなくて詰ンデレラ。なーんてね)

ちひろ(恋する乙女は誰よりも賢いんですよ。いい勉強になりましたねプロデューサーさん)

ちひろ(それでは、ごきげんよう)


バタンッ



作品は以上になります。

お目汚し失礼致しました

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