真姫「名探偵まきちゃん!!」 (38)


──羽を失った天使は地に墜とされ、一人嘆いていた

見上げた空の高さに絶望し、涙は風に拐われる

一体、どれだけの時をただ佇んで過ごしていただろう


やがて、自分が天使だったことも忘れ……




いつもと同じ日常。穏やかな日常

しかし、魔の手は音も無くすぐ傍まで忍び寄っていた


ある日の放課後、スクールアイドルμ'sの皆はいつも通り屋上で練習に励んでいる

いや、正確にいえば8人だ。その日、西木野真姫は体調が優れないと言って途中で切り上げ屋上を後にしていた


やがて日が暮れ、練習を終えた8人は部室へと戻る


ガチャ……


矢澤にこは手荷物の中から鍵を取り出し、扉を開ける


矢澤「え……?」


部室の中の光景を目にした皆、信じられないと言わんばかりに目を丸くした

それもその筈、皆の視界に入ってきたのは倒れている西木野真姫だったからだ


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※安価で謎を解き明かす本格的ミステリーです!!

・真姫ちゃんになりきったつもりになって謎を解き明かしてください!!

・どうしようもなく矛盾した展開になった場合はそこで終了です!!


にこ「真姫ちゃん! 真姫ちゃんっ!」

真姫「」

にこ「し、死んでる……」

絵里「嘘、でしょ……?」

ことり「ど、どうして!? 何で!?」

花陽「ぴゃあああぁぁぁぁっ…!!」

穂乃果「うわぁぁぁぁぁ!!!! 真姫ちゃぁぁぁぁん!!!!」

凛「にゃあああああああんっ!!!!」


皆、仲間の突然の死に泣き叫ぶことしか出来ない……が、そんな中


希「……っ」

海未「の、希……?」

絵里「何してるの……? 希……」


東條希は唇を噛み締め、真姫の遺体をじっと観察していた


希「……間違いない。真姫ちゃんの死因は、>>8死や!!」

(俺くんとの)腹上死


希「死因は、腹上死や!!」

海未「腹上死!? まさかっ…」

絵里「適当なこと言わないでよっ!!」

希「いや…、これにはちゃんとした根拠があるんよ」

にこ「何よ!? その根拠って!!」

希「真姫ちゃんの遺体の付近にあるやろ…?」

凛「付近……あっ! 白くて変な液体が散乱してるにゃ!!」

海未「だ、男性の……精液……」

希「それが動かぬ証拠……真姫ちゃんは練習を抜けて恋人とここで性行為をして……その時、興奮しすぎたんか知らんけど多分そのせいで…」

花陽「そ、そんなぁ…っ」

絵里「……警察に電話しましょう」




通報を聞き付けた警察が到着し、事件は希の推測通り恋人との性行渉の最中に起きた不幸な事故として片付けられた



真姫『あれ……? 私、何で……? よく思い出せないけど…』


フワフワとした感覚。今まで感じたことないくらい、身体が軽い


真姫『私、何してたんだっけ……』


凛「今日も良い天気だにゃー! ねー? かよちーん」

花陽「そうだねぇ!」

真姫『あ、凛! 花陽!」

凛「早く早くー! かよちん! 練習に遅れちゃうにゃー!」

花陽「ま、待ってよぉ!」

真姫『ちょ、ちょっと! 無視しないで!」


花陽の肩を掴もうと伸ばした腕は


真姫『えっ……?』


不思議なことに透り抜けた


真姫『な、何で!?』



誰に話しかけようと反応してくれない。モノを掴もうと触れてみても触れない


真姫『これって……何?』


その後、色々と試みても大した成果はなく真姫は途方にくれていた

気が付くとここに足を運んでいた。屋上

皆、いつもの通り練習に励んでいる。本当なら私もあの中にいる筈なのに……

泣きそうになる顔を隠すように俯く。私を見てくれる人なんて誰もいないのに……






真姫『ん……、んん……ふぁ……』


いつの間に眠ってしまったのだろう。顔を上げると丁度練習を終えた皆が屋上から出ていくところだった

私もそれについていく



ガチャ……


部室の扉を開けた矢澤にこは悲鳴を上げた

後ろに続く皆もそれに応えるかの如く同じく叫び声をあげる


「きゃああああああああ!!」

真姫『な、何!? 何かあったの!?』


真姫も身を乗り出し、中の様子を確認する


真姫『え……?』


視界に飛び込んできたのはうつ伏せのまま微動だにしない>>20の姿だった

絵里


真姫の視界に飛び込んできたのはうつ伏せのまま微動だにしない絢瀬絵里の姿だった


真姫『エリーっ!?』

絵里「」

海未「え、絵里……嘘ですよね……?」

穂乃果「絵里ちゃんっ! 絵里ちゃんっ! しっかりしてよーっ!!」

希「穂乃果ちゃん……エリチはもう無理や…」

花陽「ひぐっ…うわああんっ…!!」

ことり「真姫ちゃんに続いて絵里ちゃんまでっ……こんなの何かの間違いだよっ!!」

真姫『え……? 私に続いてって、どういうこと……?』

凛「真姫ちゃんが死んじゃってからまだ一週間も経ってないのにっ…、凛達……呪われてるのかなぁ…」

希「スピリチュアルやね…」

真姫『死んだ……? 私が……?』


真姫『そう、なんだ……だから……』

希「よいしょ…よいしょっ…」
ゴソゴソ

真姫『…?』

海未「希…、貴女という人はまた…」

希「……エリチの死因は、>>25みたいやね」

凛「希ちゃんは死因調べるの大好きだよねー」

萌え死


希「エリチの死因は萌え死や!!」

凛「あーなるほどー」

海未「何なんですか? それは」

希「えー? 海未ちゃん知らんのー?」

凛「おっくれてるにゃー!」

海未「す、すみません……流行には疎くて…」

凛「いーい? 萌え死っていうのは」


希「凛ちゃん…」

凛「希ちゃんっ…」

希「凛ちゃんっ…!」

凛「希ちゃんっ…!!」

希、凛「「ひしっ!!」」
ギュッ

希、凛「「はぅぅぅ~~っ!!」」
バタッ


凛「とまぁこんな感じで」

希「胸がキュンキュンしちゃうとショック死してしまうのだー!」

海未「は、はぁ……」

真姫『萌え死……恐ろしいわ……。そういえば私の死因は何だったのかしら?』


ことり「ねぇ…、それっておかしくないかなぁ?」

希「ん? 死因は間違ってないと思うけど」

ことり「萌え死しちゃったってことは、絵里ちゃんは誰かとここにいたってことだよね…?」

凛「そういうことになるにゃ! 絵里ちゃんをキュインキュインさせた人が犯人だよねー」

海未「私もおかしいと思います」

花陽「な、何が…?」

ことり「だって、ことりたちがここに入った時って…」

にこ「そ、そうよ!! カギがかかってたわ!!」

穂乃果「えぇーー!! ってことはてことは絵里ちゃんは一人でキュンキュンしちゃったったことー!?」

希「そうなるね」

凛「でも一人で萌え死にするなんて相当イマジネーション能力が必要だにゃー」

ことり「一人でなんて無理だよっ!」

にこ「でもここは密室だったのよ! それ以外考えられないじゃない!」


真姫『確かに一人で萌え死するのは難しい……けどニコちゃんの言う通り、この部室にはカギがかかっていたわけだし…』

絵里「」

真姫『エリー……こんな綺麗な顔してるのに、死んじゃったのね……』

真姫『あれ……? これ何かしら……?』


真姫は絵里の遺体の近くに>>30が落ちているのを発見した

ちぶあいぶ


真姫『これは……ちぶあいぶ……?』

真姫『あぁ…、男の人のオナニーグッズね。でもどうしてこんなものをエリーが…?』


真姫『ま、まさか…!!』

絵里「」

真姫『エリーは純潔を守る為に、自分のモノの代わりにこれを使って……こんな玩具相手にイキまくる恋人にキュンキュンしちゃったったわけね!』

真姫『てことは犯人は……あれ? 恋人……? 私にも恋人が…いて、少し前にここで……』


絵里の萌え死の真相を暴いた真姫は自分の身に降りかかったこと全てを思い出した


真姫『そうだ……私もここでっ……』


真姫『私、幸せだったんだ……幸せすぎて、キュンキュンしちゃって…』


真姫『……ふふっ、まったく……馬鹿みたい……貴方のせいよ。今これを見てる…私の声を聞いてるそこの貴方』


真姫『貴方が私のこと…、すごくドキドキさせてくるから……私、貴方の愛に殺されちゃったのよ』

真姫『ちゃんと責任取りなさいよね! え? どうやって責任取ればいいかですって? そんなの決まってるじゃない』


真姫『これからも、ずっとずっと応援してよねっ……私のこと…』


真姫『えっ…そ、そんな恥ずかしいこと……わ、わかったわよ! 言えばいいんでしょ! 言えばっ…』

真姫『…だ、大好き……あ、貴方のことが死んじゃうくらい大好きなのっ!!』

真姫『もうっ…バカバカっ!! 約束破ったら承知しないわよ? じゃあね、ばいばい』

終わりですけど何か?
お疲れ様でしたー

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