霧切「孤独のグルメ」 (36)

※時系列は2終了後、苗木たちは未来機関所属
※キャラ崩壊注意
※その他いろいろおかしい部分があるけどそこはノリで


 ― 未来機関 ジャバウォック島支部 ―


朝日奈「よし、これで書類終わりっ!」

苗木「お疲れ様、朝日奈さん」

腐川「お、遅いわよ……もう7時になるじゃない」

朝日奈「たははー、ごめんごめん。あーもうお腹ぺこぺこだよ……」

苗木「ボクもお腹減ったなあ。忙しすぎて昼はまともに食べてないしね」

葉隠「よっしゃ、今日は十神っちのオゴリで飲みに行くべ!」

朝日奈「賛成! たまには葉隠もいい事言うじゃん!」

十神「……なぜ俺の奢りということになる」

葉隠「まあまあ、そこら辺は気にすんなって!」

苗木「あはは……」



霧切「………………」

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霧切(確かに今日の業務は忙しかった。昼は時間の空いた時にカ●リーメイトを食べたくらい)


霧切(それとスニッ●ーズ、一●満足、ク●ーム玄米ブラン、ウィ●ーインゼリー、ソ●ジョイ、キッ●カット、ブラック●ンダー、コ●ラのマーチ、ア●フォートくらいしか食べていない……)


霧切(……そんな事を考えていたら、なんだかお腹が)


霧切(減ったわ)



ポン……


ポン


ポン!

霧切「………………」

苗木「ねえ、霧切さんも一緒に飲みに……」

霧切「皆お疲れ様また明日」ガタッ

朝日奈「えっ、うん」

苗木「あ、あの、飲みに……」

スタスタ バタン

苗木「……行っちゃった」

霧切「…………」スタスタ

霧切(まずは店を探しましょう)

霧切(今日の私の腹具合は……そうね)

霧切(中華、って気分だわ)

霧切(多めの油と強い火力で炒めた香ばしい炒飯、回鍋肉、青椒肉絲……)

霧切(そして忘れてはいけない立役者、ラーメン。スープの絡んだ麺を一思いにすすりたい)

霧切(……うん、今日の夕飯、中華。決定)

              :
              :

 ― ジャバウォック島 5番目の島 屋台通り ―


日向「いらっしゃいませ」

ソニア「ラッシャセー! おひとり様ですか?」

霧切「ええ」

日向(あれ、こいつ確か苗木と一緒に居た……霧切、じゃなかったか?)

ソニア「ではこちらにどうぞ!」

霧切「…………」

ソニア「お冷とメニューです!」

霧切「どうも」

霧切(………………)


終里「まだか……俺の獲物はまだなのかよっ!」

九頭竜「メシくらい黙って待てよ……」

日向「悪いな、今作ってるからもうちょっと待っててくれ」


霧切(近代的な建築物に囲まれた屋台の集合所……ある種ミスマッチながらも懐かしさを感じさせる)

霧切(屋台特有の距離の近い喧騒がまた、昔ながらの店を思い起こさせるじゃない)

霧切(私も高校生の頃に戻った気分でガッツリと頂こうかしら)

霧切(今日の私は名探偵……見た目は大人、胃袋は若く飢えた高校生探偵、ね)

霧切(さて、それよりメニューをどう攻めるか……)

霧切(まずラーメンを注文する。これは決定事項)

霧切(しかし味は醤油、味噌、塩の三種類……こればかりは他のメニューとの兼ね合いで決めなければならない)

霧切(ご飯ものも捨てがたい。炒飯にするか、白米にするか……)

霧切(餃子や炒めものといった副菜に手を出せばさらに可能性は広がる)

霧切(……まずいわね。思ったより捜査が難航している)

霧切(このままでは事件が迷宮入りしてしまうわ……中華、侮りがたし)


日向(すごく険しい表情でメニュー見てる……)

ソニア(注文はまだでしょうか?)


霧切(……あら、ニラレバ炒め? なるほど、これはいいかもしれない)

霧切(そうなるとご飯ものは炒めものを生かす白米、そして他のメニューも……)

霧切(事件が一気に解決した。まるで現場から指紋付きの血まみれナイフが発見された様に……よし)

霧切「注文いいかしら」

ソニア「モチのロンです、承ります!」

霧切「醤油ラーメンと半ライス……いえライス並で。それとニラレバ炒めと餃子を」

日向(よく食べるな)

九頭竜(よく食うな)

ソニア「ラーメン、ライス並、ニラレバ炒め……あ、ニラレバ炒め定食とラーメンで頼んだ方がおトクですよ」

霧切「ではそのようにして頂戴」

ソニア「かしこまり! マスター、ラーメン一丁とニラ定一丁!」

日向「ラーメン屋でマスターって……まあいいけどさ。ラーメンとニラ定だな、分かった」

霧切「……ふう」

霧切(なかなか難解な事件だったわ。けれどたった一つの真実に辿りつけた……)

霧切(Q.E.D、証明終了よ)ニヤァ

九頭竜(なんで隣の客、したり顔してんだ)

終里「まだかよー、まだなのかよー……飢えて死んじまうぞ!」

九頭龍「んな威勢のいい死にかけがいる訳ねーだろ……」

霧切「………………」


 ピーッ ピーッ

アルターエゴ『麺が茹で上がった……と思うよ?』

日向(このタイマー機能、いまいち信用無いんだよな……)

日向「……よし。ソニア、運んでくれ」

ソニア「はいっ!」

ソニア「へいお待ちっ!」

霧切「!」ガタッ

九頭龍(うおっ)ビクッ

ソニア「味噌チャーシューメン二倍盛り、炒飯大盛り、餃子ダブルです!」

終里「来やがったな……喰らいつくしてやるっ!」

ソニア「こちらは九頭竜さんの塩ラーメン二倍盛りですね!」

九頭龍「おう」


霧切「…………」

霧切(隣の席だったわ)ストン

終里「うおおおおおっ!!」ガツガツ

九頭龍「うるせえな……」

霧切(ふふ……いい食べっぷりね。ラーメン屋に女性一人で入ってますけど何か?って感じの食べ方。同感よ)

終里「んもっ、がふんがんもんが?」モグモグ

九頭龍「食いながら喋んな!」

終里「んぐっ……。なあなあ、お前の塩ラーメンちょっとくれよ」

九頭龍「ったく……んなこったろーと思って二倍盛りにしたんだよ。食いたきゃ食え」

終里「よっしゃ! うおおおおおっ!!」

九頭龍「……頼むからオレの分は残せよ」

霧切(なるほど、二人なら違う味のラーメンを分け合える……そういうのもあるのね)

日向(分け合ってないよなアレ……)

霧切(それにしても味噌と塩……味噌はまだしも、王道の醤油ではなく塩を選んだあたり彼らは常連なのかしら)

終里「やっぱ塩もあっさりしててうんめーな! スープドロッドロの味噌が一番うめーんだけどよ!」

霧切(……味噌か塩にするべきだったかしら。いえ、初見の店なのだからこれでいい。自分を強く持つのよ、私)

終里「もぐっ……サンキューな、九頭龍!」

九頭龍「一応残したみてーだな。じゃあオレも食うか」

九頭龍「…………」





霧切「………………」(ガン見)

九頭龍(食い辛ぇ……)

ソニア「へいお待ちっ!」

霧切「!」

九頭龍「…………」

ソニア「ご注文の醤油ラーメンとニラレバ炒め定食です!」

霧切(……来たわね)



【ニラレバ炒め定食と醤油ラーメン】
中華料理、霧切響子セレクト
ラーメンだって飯の友!


※参考画像
http://imgur.com/Qk7xMwW.jpg
http://imgur.com/ORkJ9ac.jpg

霧切「いただきます」

霧切「…………ん」ズルルッー

霧切(そうそう。こういうのでいいのよ、こういうので)

霧切(あっさりとしたスープが麺によく絡む……これは日本のラーメンの味よね)

霧切(ラーメンって食べれば食べるほどお腹が減るのはどうしてなのかしら)

霧切(なのに充足感は蓄積されている……やはり私は中華を求めていたんだわ)

霧切(美味しい、うん、美味しい。……そろそろニラレバ炒めも)

霧切「…………」パクッ

霧切(美味い……。つく、スタミナつく、これはスタミナがつくわ)

霧切(レバー独特のクセに負けないしっかりした濃い味付け……ご飯が進む進む)

霧切(程よくシャキっとしたもやしとニラが舌を飽きさせない)

霧切(シャキシャキ、シャキシャキ。ずっと噛んでいたい)



ソニア(あのお客さん、とても美味しそうに食べてますね……お腹がペコちゃんになってしまいました)

霧切(しかし、ニラレバ炒めだけでご飯を食べてしまうのはもったいないわね)

霧切(麺とシナチクをごはんの上に乗せて……ラーメンライス)

霧切「…………」パクッ

霧切(うん、予想通り。予想通りすぎる。でも美味い)

霧切(次はスープに浸した海苔をご飯に乗せる)

霧切「…………」モグモグ

霧切(ラーメンはおかずにもなるのね……いえ、ご飯がラーメンをおかずにするのかしら)

霧切(ご飯って偉大。誰とでも仲良く出来るなんて。……)

霧切「………………」



ソニア(でも少し悲しそうな顔をされているのはどうしてでしょうか?)

霧切(……定食の汁物が中華スープではなく味噌汁なのも心憎い)

霧切(安心する味……飲めば何度でも日本に帰ってこれる。何度でも中華を新鮮に味わえる)

霧切(……あら、お新香を忘れていたわ。ごめんなさい)

霧切(小さいのに、口の中の濃い味をリフレッシュしてくれる……お新香の癖に生意気よ、ふふ)

霧切(よし、すっきりしたところでご飯を餃子で……)


霧切「………………」パクパクモグモグズルズル

九頭龍(すげえ勢いで食うな隣の奴……)



左右田「おーい日向、こっちに……あっ! 終里テメー、ここにいやがったな!」

終里「あん?」

日向「どうした左右田? ラーメン食いに来たのか?」

霧切「……?」ズルズル

ソニア「ラッシャセー! ……あら、左右田さんでしたか。アリアトッシター!」

左右田「なんでオレだと帰そうとするんですかソニアさん!?」

九頭龍「オイどうでもいいけどよ。終里になんか用があんじゃねーのか?」

左右田「ああ、そうだった! お前またオレのメカ壊しやがっただろ!?」

左右田「アレ最高傑作だったんだぞ! お前らの要望を全部、機能に取り付けたのに!」

日向「頼んでたアレ完成したのか。いやでも壊されたのか……」

終里「ああ、あの見かけ倒しのよわっちい奴のことか。へへっ、一撃で沈めてやったぜ!」

終里「もっとツエーのを作ってくれよな。全然手応えなかったぞ?」

左右田「冷蔵庫に手応え求めてんじゃねーよ!」

左右田「ああもう、コイツの要望聞いて強そうな見た目にするんじゃなかった!」

九頭龍「そりゃあな……普通の見た目でまた作り直しゃあいいじゃねえか」

ソニア「そうですよ。許してちょんまげなさい!」

左右田「そうは言ってもですねソニアさん! 材料費とか考えると洒落にならない金が……」

日向「おい、営業中だし他の客もいるんだからそこら辺にしとけよ」

霧切「…………」モグモグ

終里「悪かったよ……次の奴は手加減なしで相手してやるから!」

左右田「だーっ!! だからバトろうとすんなって言ってん……」

バン!

左右田「うおっ!?」

終里「ん?」

九頭龍「ああ?」



霧切「………………」

霧切「貴方……ちょっといいかしら」

左右田「……え、オレ?」

霧切「人の食べてる前であんなに怒鳴らなくたっていいじゃない」

左右田「へっ?」

霧切「今日はものすごくお腹が減っているはずなのに……見なさい」

霧切「これしか喉を通らなかった!」

カラッ

九頭龍(ほぼ完食してんじゃねーか!)

左右田「え、えっと?」

霧切「あなたは客の気持ちを全然まるで分かっていない」

霧切「モノを食べる時は誰にも邪魔されず自由で……なんというか、救われてなければいけないの」

霧切「独りで静かで豊かで……」

左右田「………………」



左右田「なに訳の分からない事言ってんだよ?」

霧切「…………」

霧切「…………」バッ ギュッ

左右田「ぎにゃああああああああああ!?」

ソニア「あ、あれは……アームロック!?」

終里「知ってんのかソニア!?」

ソニア「ゴローちゃんの必殺技です!」

終里「ゴロー……? 誰だソイツ! 食えんのか?」

左右田「話の流れ的に明らかに食いもんじゃねーだろ! いっ、があああああああ!!」

日向(頼むから店で暴れないでくれないかな……)


※アームロック参考画像
http://imgur.com/foOaRZQ.jpg

霧切「…………」ギリギリギリ

左右田「い、痛っいいいいい、折れるっ、ギブギブギブ!!」

ソニア「やめてください! それ以上いけません」

霧切「………………」

左右田「ソ、ソニアさぁん……!」



霧切「……ふん!」ゴキッ

左右田「何でッ!?」

左右田「」

日向「あー、伸びちゃったな……」

霧切「……ごめんなさい。迷惑かけたわね」

日向(本当にな)

霧切「お代はここに置いておくわ。……それとあなたの作ったニラレバ炒め、美味しかった」

日向「え? ああ、どうも」

霧切「……それじゃ」スタスタ

ソニア「アリアトッシター! またのお越しを!」

終里「世の中にはあんなツエー奴がまだいるんだな! わくわくしてきたぞ!」

九頭龍「……一体なんだったんだ、あいつ」

霧切「…………」スタスタ

霧切(さすがにやりすぎたかしら……いけないわね)


Prrrrr……


霧切(あら、電話……苗木君?)

ピッ

苗木『霧切さん今大丈夫? さっきは急いでるみたいだったけど……』

霧切「ええ。どうかしたの?」

苗木『今居酒屋で皆と飲んでてこれから二軒目に向かうんだけど、良かったら霧切さんも一緒にどうかなって』

霧切「……二軒目はどこに行くつもりなの」

苗木『ラーメンを食べに行こうかって皆言ってるんだけど、どう?』

霧切「………………」





霧切「ええ、ぜひご一緒させていただくわ」


終里

左右田にアームロックかけたかっただけ
ふらっとYASUHIROをやりたかった……けどネタが思いつかないので断念しました

※一応注意
未来機関ジャバウォック島支部なんて無いし日向はラーメン屋でもありません、
そして吾郎ちゃんはむやみにアームロックをかけるような人ではないのであしからず

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