提督「君が私の秘書艦ですか」電「電です、どうかよろしくお願いします」 (3)

端正な顔だった、年のころは二十代半ばといったところか。優男というには少し目が鋭く、かと言って

修羅のような男でもなかった、恐らく酸いも甘いも噛み分けた顔つきとでもいうのだろうか。

電は彼の整った顔立ちに惹かれるよりもまず気になったことがあった。

「その目は・・・・」

彼は左目が義眼だったのだ、およそ大多数の人間が気付かなかったことを電はあっさりと看破した

「よく気が付いたね、昔の喧嘩の代償だよ、高くついたけどね」

からからと笑う彼に対して電は不十分な返答だと見抜いていた。

目を失うほどの争いは、艦娘のみと思っていたため、驚きを隠せないでいた。

「気が向いたら話すよ、結構暗い話だから折を見てね」

電はそれ以上何も聞けなかった。



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