【咲SS】照「将来の夢はお菓子の家に住むことです」 (23)

白糸台メンバーのSS、もれなく全員ぽんこつ疑惑あり。


夢見る少女じゃいられない? 夢見る少女でいいじゃない。


そんな作品になっています。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407558318

東京・白糸台高校


記者「それでは最後に、宮永選手の将来の夢を教えてもらえますか?」


照「将来の夢、ですか…」


照「今よりもっと強くなって、世界大会で金メダルを獲ることですね」


記者「おぉー、さすがですね! 宮永選手ならきっと実現できますよ」


照「そうなれるよう、もっと頑張って強くなります」


記者「はは、楽しみですね。それではこれで取材は終わりです、お疲れ様でした」


照「ありがとうございました」

チーム虎姫・部室


照「ただいまー」ガチャ


菫「おつかれ、今日は早かったな」


照「時間ないんで、って最初に言ってたからね」ガサガサ


菫「そっか…っておい! またそんなにお菓子買ってきたのか!?」


照「え? 今日はまだ少ないほう」


菫「うそつけ。 明らかに昨日より多いじゃないか!」


照「菫と一緒に食べようと思って…だめかな?」


菫「…ったく、それならそうと早く言えばいいものを…


照「はい、あげる」チョコ1個


菫「は?」


照「ん、菫の分。後は私の分」


菫「おい」

私の名前は宮永 照。


長野から東京に引っ越し、今は白糸台高校に通っている。


将来の夢は、お菓子の家に住むこと。そしてそれを食べること。


…なんて言えるわけがない。


唯一、私の夢を語った事があるのは妹の咲だけだった。


その時、咲に言われた一言は今でも鮮明に覚えている。


『お菓子の家に住みたいなんて、馬鹿なんじゃないかな?』


その一言にブチ切れた私は、長野の名門校のスカウトを断り、東京に引っ越した。


でもそれ以外にも、私が東京に行きたい理由があった。


東京には、長野に売っていないお菓子や、スイーツの有名店なんかがたくさんある。


東京に住めば、それが毎日食べられる…その思いが日に日に強くなっていった。


長野に住んでいたら、お菓子の家なんて夢のまた夢。


”おやきの家”が関の山だろう。
…私はおやきも好きだけど。

淡「テルー♪」タタタタッ


この子は大星 淡、わたしの後輩。


彼女は一年生ながらもチーム虎姫の大将を務めている。


淡は何時もあわあわしていて、見ているだけで癒される。


それに淡は大のお菓子好き!休みの日には二人でよくスイーツ店巡りをしている。


淡と二人でお菓子の話をしていると、思わず時間を忘れてしまう。


そんな淡に、今日は大事な話をしようと私は決めていた。


そう、私の将来の夢を話そうと…

チーム虎姫の部室


淡「テルー♪ 話ってなーに?」


照「今日は淡に大事な話がある」


淡「んー??」(イスに座り)


照「…淡は将来の夢とか、ある?」


淡「いきなりな質問だねー! 私はね、プロ雀士になって世界で活躍したいなーって」


照「なるほど、立派な夢だね」


淡「でしょー?! って、テルーの大事な話はなんなのー?」


照「…私の将来の夢について」


淡「テルーの将来の夢?」


照「約束してほしい。私が将来の夢を語った時、どうか正直な感想を聞かせてほしいんだ」


淡「うーん…わかった! 約束するよ!」


照「ありがとう。 それじゃあ、言うからね?」

照「私の将来の夢は…」


”お菓子の家に住むこと”


淡「えっ?」


淡「お菓子の家に住む…? テルーそれ本気で言ってるの?」


『お菓子の家に住みたいなんて、馬鹿なんじゃないかな?』


照「くっ…」


淡「テルー…」


淡「きゃはははは! テルー最高だよー! すっごい面白そう、それ!」


照「えっ…!」


淡「お菓子の家なんて、ナイスアイディアだね! すごくいいよー!」


照「あわ…あわわ…」ウルウル


淡「あっ! いーこと思いついた! ねぇねぇ、聞いてよテルー!」


照「あわ? あわわ?」


淡「テルーもプロになってさ! 二人でお金を稼ぐんだよ! そんでもって二人でお菓子の家を作ろうよ!」


照「…! あわわ!」


淡「テルーさっきから言葉になってないよ! しっかりして!」


照「あわ…ごめん」


淡「どうかな?! 一緒にお菓子の家を作って、そこで暮らすの!」


照「ありがとう…ありがとう! うん、一緒に夢を叶えよう!」


淡「テルー!」ダキッ


照「よかった…淡に言って本当によかった…」ナデナデ

照「淡、ちょっといいかな?」


わたしは大星 淡! この人は宮永 照、麻雀部の先輩!


先輩といっても、わたしは親しみを込めてテルーって呼んでるんだ。


テルーは麻雀強いし、いつも優しいし、おいしいお菓子をくれる!


わたしにとってテルーは、先輩であり、友達であり、本当のお姉ちゃんみたいな特別な存在。


テルーと初めて出会った時も、○ェルタースオリジナルくれたしね!


そんなテルーの将来の夢は、”お菓子の家に住むこと”なんだって!


テルーの将来の夢を聞いた時…すっごく髪の毛があわったし、鳥肌が立ったんだ!


やっぱりテルーは他の人間とはちがう! 最高にイカしてるでしょ!?


わたしはそのとき決めたんだ! 一生この人について行こう、ってね♪

チーム虎姫の部室


淡「それでね、お風呂はチョコレートにするのはどうかなー?」


照「淡、天才すぎ」


淡「でしょー! それでね、床を色違いのクッキーにしてモダンな感じを演出したい!」


照「ふふっ、その案もいただき」


淡「やっばい楽しいー! テルーのアイディアも聞かせてよ?」


照「うーん…壁には生クリームをたっぷり塗って、清潔感のある空間を目指したい」


淡「さっすがテルー! 今日もキレッキレやなー!」


照「ぷっ、なんで関西弁?」


淡「なんとなく!」


ガチャ


尭深「こんにちわ。二人とも早いですね」


淡「あっ、タカミー! ねぇねぇ見てよこれー!」トテテテッ


照「淡っ…! それはだめ!」


尭深「えっ? これは…”お菓子の家のせっけいず”?」


照「………」カタカタ


淡「あわ?」

淡「私たちの将来の夢なんだー!」


私の名前は渋谷 尭深といいます。白糸台の麻雀部員です。


この人たちは宮永先輩と、後輩の淡ちゃん。二人とも麻雀がすごく強いんです。


そんな二人が楽しそうに作っていたのは、”お菓子の家のせっけいず”。


夏の暑さにやられたのか、ずいぶんと暴走しているみたい…。


このままでは二人がお菓子な方向…おかしな方向に向かってしまいそうです。


緊張しますが、ここは私が二人の暴走を止めないと…。


渋谷 尭深…がんばります。

尭深「甘いものだけだと飽きると思います。塩気のあるお菓子もあると、バランスがとれるんじゃ…」


淡「わーお! タカミー天才!」


照「えっ…」


尭深「たとえば…大きな丸いおせんべいをテーブルにするとか」


淡「すっげーです! それすっげーですよタカミー!」


照「…おせんべいの味はどうするの?」


尭深「やはり定番の、お醤油味でしょうか…」


照「おぉ…ハーベストタイム!」


ガチャ


誠子「こんにちわー…ってなんだか盛り上がってますね!」


淡「あっ!セーコ! 今ねーみんなでねー!」トテテテ


照「あわわ! 亦野はまずい…」


誠子「ん? なんだこれ?」バッ


照(亦野はまずい…菫の次に常識人!あわわわ…)

淡「今みんなで”お菓子の家のせっけいず”を作ってるんだー!」


私の名前は亦野 誠子。白糸台のフィッシャーとは私のことだ。


宮永先輩と淡、それに尭深まで揃いも揃って、お菓子な…おかしな事を話しているなぁ。


チョコレートのお風呂?
クッキーのフローリング?
生クリームの壁?
おせんべいのテーブル?


なんてことだ…高校生にもなって、こんな事を話しているなんて。


甘い、甘すぎる…外国の変なお菓子よりも甘すぎる!


はぁ…ここは私がひと肌脱ぐしかないようだね。

誠子「麦チョコを庭に敷き詰めて、枯山水みたいな庭園を作るのはどうでしょうか?」


淡「あわわ! セーコの着眼点すっげーです!」


尭深「さすが…それなら、抹茶のチョコを芝生の代わりに使うのもいいかも…」


誠子「いいね!それ! 和と洋のコラボレーションみたいで」


照「あわわ…え?」


淡「テルーすごいよ! せっけいずがどんどん完成していくよー!」


照「…すごい!すごいよこれー!」


尭深「現実味を帯びてきた…」


誠子「そうだね! あとはこれをどこに建てるかだよね…」


ガチャ!


菫「何をしている! さっさと部活を始めるぞ!」


淡「あ…」
尭深「わ…」
誠子「わ…」
照「あわわ…!」

菫「さっさと支度をして対局室へ集合だ!」


淡「あわわわ…」カタカタ


菫「ん? なんだこの紙は…」


照「菫っ! それは…!」


菫「…お前たち、こんなものを作っていて部活に遅れたのか?」


照「菫…それは!」


菫「こんなものを揃いも揃って…」


淡「やめてよ!スミレ! それはみんなで考えた”せっけいず”なんだから!」


菫「うるさい! みんなで考えただと? お前ら…」


淡「ひっ…!」


菫「こんな面白そうなことをやるなら…私も誘え!」


淡・尭・誠「…は?」


照「えっ?」

私の名前は弘世 菫。 白糸台の麻雀部で部長を務めている。


今日はチームメンバーが時間になっても来ないから様子を見に行った。


そしたらどうした事か! 揃いも揃って”お菓子の家のせっけいず”なるものを作っていたんだ!


ふざけるな…! それならそうと、どうして私を誘わない!


”お菓子の家”とは、全女子の夢とも言えるものだろう。


そう、私だって女の子なんだから…

数日後・白糸台高校


記者「いよいよインターハイも来週に迫りましたが、今のお気持ちを一言お願いします」


菫「私達は常に高みを目指し、信頼できる仲間と日々切磋琢磨してまいりました」


菫「インターハイでもその力を存分に発揮し、必ず全国優勝を果たしてみせます」


記者「いやーさすがに白糸台! 今年も楽しみですね! それでは最後に宮永選手、一言お願いします」


菫「照、頼めるか?」


照「もちろん。 私たち、白糸台高校の目標は…」


照「お菓子の家に住むことです!」


カン!

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