男「狩りに行く」(19)


男「駄目?」

父「駄目だ、お前は学問だけやっていればいい」

男「むむむ…」スタスタ


自作ssです


僕の名前は男。
僕はある小さな島で育った。

僕達の民族は狩りをしたり学問を学んだりと色々なことをして暮らしている。


男「今日も駄目だった…」


この島の決まりは、親の職業に子供は必ず就かなければならないことだ。
これは僕の父…いや、族長が決めたことだ。
僕はその決まりが気に入らない。


友「男~!!」タッタッ

男「………」スタスタ

友「おいおい無視すんな」ポン


男「友か…」

友「元気無いね。…まさか、族長にまたお願いしたの?」

男「うん…駄目だったけどな」

友「男もしつこいね~。あのお堅い族長だよ?」

男「わかってるよ…」


友「というか、お堅い以前に島の決まりだもんね…」

男「そうなんだよな…」

友「もうすぐ僕達は十歳になるんだし、狩人は諦めた方が…」

男「良いよな…お前の親は狩人で…」スタスタ

友「あ、男!!」


島の決まり…。
子供は十歳から十五歳までの期間は、それぞれの分野を学ばなければならない。
勉学者、狩人、漁師…色々ある。

僕は勉強は嫌いだ。


疲れるし、教科書は厚いし、何よりも自由が無い。
広い草原で走り回っている方が楽しいし自由があると思う。

そして、自然と触れ合いたい。


男「ただいま」

母「おかえりなさい」

弟、妹「兄ちゃんおかえり~」タッタッ

男「ただいま。いい子にしてたか?」

弟、妹「うん」

男「そうかそうか 」ナデナデ

母「男…ちょっと良いかしら?」

男「…うん」


母「勉強もしないで何処に行っていたの?」

男「父さんの所だよ」

母「あなた…まさか、また狩りに行きたいなんて言っていないでしょうね」

男「…っ」ピクッ

母「あなたは学業を学ぶ族長の子なの。何故言うことが聞けないの!?」

男「わかってるよ…」

母「なら今すぐ勉強をしなさい」

男「わかってるけどさ!!」イラッ

男「僕は狩人になりたいんだよ!!」ダッ

母「男!!待ちなさい」


夕方 海岸

男「くそっ!!」

僕は海岸で嘆いていた。

男「決まりなんて…なければ良いのに…」

男「父さんなんて…居なければ…」

「ならば父親を殺すが良い」

男「!?」


いつの間にか隣に毛皮を羽織った男が立っていた。

男「あ、あんたは誰だ!?」

毛皮男「名前なんて無い…」

毛皮男「ただ…」スッ

毛皮の男は懐から刀を出した。

男「!?」ビクッ

毛皮男「君の度胸を試したい」


男「自分の父親を殺せる訳ないだろう!?」

毛皮男「ではこのまま大人しく五年間も学問を学びたいのか?」

男「……くっ」

毛皮男「自分の未来を切り開くのは自分自信だ」ザッザッ…

男「自分の…未来…」

毛皮男「親に縛られる必要は無い。君次第なのだから」ガシャッ

男「僕次第…」

毛皮男「…今夜、君の父親をこの海岸に連れてくるんだ。そこで父親を殺すのだ」

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