本格推理安価SS・名探偵ほむらの事件簿【消えたチーズケーキの謎】 (63)

◇PM7:00 巴マミの家

マミ「大変よみんな! デザートに買ったチーズケーキが無くなっているわ!」

さやか「な、なんだってー!!」

まどか「ええ!? チーズケーキが……?!」

ほむら「無くなってしまったというの? いったいどうして……」

杏子「おい、どういうことだよマミ!」

なぎさ「モグモグ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407492195

杏子「ちゃんと良く探したのか?」

マミ「勿論よ! 冷蔵庫の中も、お台所周りも、全部探したわ!」

ほむら「それなのに見つからない……と、なればつまり」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「これは魔法少女の犯行ね」

さやか「な、なんだってー!!」

なぎさ「モグモグ!」

杏子「どーいうことだよほむら! まさかアタシ達のなかに犯人がいるっていうのか!?」

なぎさ「モグモグ……」

ほむら「その可能性が高いわね」

まどか「そんな……」

マミ「……貴方の考えを聞かせてもらえるかしら、暁美さん」

ほむら「良いわよ。でもまずは状況を整理しましょう」

マミ「ええ、わかったわ」

ほむら「私達は今日、巴さんに誘われて集まったわ」

まどか「待ち合わせ場所は駅前で……」

ほむら「時刻はPM1:00ちょうど、だったわね」

マミ「それから皆で映画と、ショッピングと楽しんで……」

杏子「んで、マミがメシを作ってくれるって言うからマミんちに集まったと」

さやか「チーズケーキはその途中で買ったんだよね」

なぎさ「モグ」

ほむら「チーズケーキは家に着いてからすぐに巴さんが冷蔵庫にしまったわよね?」

マミ「ええ、間違いないわ」

杏子「それはアタシも保証するよ、しまうとこ見てたし」

ほむら「その時はPM6:00前くらいだったかしら?」

さやか「んー、たぶんそんくらいだよ」

ほむら「PM6:00から巴さんが調理を開始し、実際に夕飯を食べ始めたのはPM6:30」

なぎさ「モグモグ」

ほむら「そして食事を終えたPM7:00現在、チーズケーキは姿を消している」

杏子「つまり、どういうことだよ?」

まどか「PM6:00からたった一時間くらいのあいだにチーズケーキは盗まれちゃったってこと?」

ほむら「ええそうね。それもリビングにいる私達魔法少女たちの目を盗んで……よ」

マミ「そんな真似が出来るのは、普通の人間なんかじゃないってことね……」

さやか「なるほど、そりゃたしかに魔法少女を疑うわけだ」

杏子「言っとくけどアタシじゃねーからな!」

さやか「アンタねぇ……ムキになって否定するほうが怪しいわよ」

なぎさ「モグモグ!」

マミ「暁美さんの考えは分かったわ、でもこれからどうするつもり?」

さやか「そーだよ、このままじゃお互い疑心暗鬼になっちゃうじゃんか」

なぎさ「モグモグ! モグ! モグモグモグ!」

ほむら「そうね、それは嫌よね……だから事実関係ははっきりさせるとしましょう」

ほむら「まずは……」



1.お互いのアリバイをはっきりさせる

2.ケーキがどこへいったかはっきりさせる

3.なぎさの口の中身がチーズケーキであることをはっきりさせる

安価下

ほむら「ところで百江なぎさ、貴女がさっきから口にしているものは何?」

なぎさ「もぐもぐ」(チーズケーキなのです)

ほむら「なるほど」

マミ「暁美さん……? まさかなぎさを疑ってるの?」

さやか「ちょっとほむら! 証拠もないのに決め付けは良くないよ!」

ほむら「ごめんなさい、少し気になっただけよ」

ほむら(百江なぎさの口にはチーズケーキが入っているのね)

ほむら(でもこれは犯人の手がかりにはならなそうだわ)

ほむら「いったいチーズケーキは何処へ消えたのかしら……」

まどか「えっと、ほむらちゃん。何か気になることとかないかな」

まどか「それを一つずつ潰していけばきっと真実にたどり着けると思うの」

ほむら「……ありがとうまどか、的確なアドバイスだわ」

まどか「えへへ」

ほむら「さて、それじゃあ……」



1.お互いのアリバイをはっきりさせる

2.ケーキがどこへいったかはっきりさせる

3.なぎさが食べているチーズケーキの入手経路をはっきりさせる

安価下

ほむら「まずはお互いのアリバイをはっきりさせましょう」

ほむら「みんなの食事中の動きを確認するわよ」

マミ「わかったわ。じゃあまずは私ね」

マミ「私はPM6:00から料理が終わるまでずっと台所にいたわ」

マミ「料理が終わって、皆で食事をしている間も何度かお茶を淹れに台所に戻っているわね」

まどか「私とほむらちゃんはマミさんのお手伝いをしてたから……」

まどか「何度も席から離れたりしてたよね」

ほむら「そうね……正直なところ細かなところは記憶していないわ」

杏子「アタシとさやかは料理中もずっとリビングにいたな」

さやか「そーだね、テレビ観てグダグダしてたわ」

さやか「あ、なんなら観てた番組の内容も答えようか? ええと確か────」

さやか「って内容だったよ」

ほむら「……番組表とも一致しているわね」

杏子「アタシらは晩御飯を食べてるときも離席はしなかったね」

なぎさ「モグモグ」

ほむら「なるほど……と、なると」

マミ「手がかりはあった?」

ほむら「分かったのはさやかと杏子には犯行が不可能、ということだけだわ」

杏子「……疑いが晴れたのは嬉しいけどさ」

さやか「よっしゃ、って喜んで良いのか、微妙なとこね」

ほむら「これだけの情報ではまだ犯人を絞り込めないわね……」

なぎさ「モグモグ」

まどか「うーん……」

まどか「ね、今の話で何か気になるところはなかった?」

ほむら「え? そうね……」



1.料理の最中のこと

2.さやかの観ていた番組の視聴率

3.なぎさは何故モグモグしているのか

安価下

ほむら「百江なぎさは何故モグモグしているのかしら」

なぎさ「モグッチ?」

まどか「もう、それはさっき聞いたよほむらちゃん」

まどか「なぎさちゃんはチーズケーキを食べてるからモグモグしてるんだよ」

ほむら「そ、そうだったわね。ごめんなさい」

杏子「おいおいしっかりしてくれよ」

なぎさ「モグリン」

ほむら(しまったわ、みんなの印象が悪くなったみたい)

ほむら「ええと、そうね、それじゃあ……」

さやか「ところでさ、あたし気になってたんだけど」

ほむら「えっ?」

さやか「マミさん達が料理してたとき、って冷蔵庫を空けたよね?」

さやか「そんときにケーキってあったの?」

ほむら「あっ……!」

マミ「そういえば……! あったわ、間違いなくあった!」

まどか「じゃあ、ケーキがなくなったのは……」

ほむら「料理を終えたPM6:30から、PM7:00の間ってことね……」

杏子「おお! すごい手がかりじゃんか、やるなさやか!」

さやか「へへーん、あたしってば冴えてますなぁ!」

ほむら「…………そうね」

ほむら「犯行時刻が絞り込めたのは大きな進歩だわ」

まどか「うん、そうだね!」

ほむら「さて、お次は……」

なぎさ「ムグムグ」



1.晩御飯の感想を聞く

2.ケーキがどこへいったか皆の予想を聞く

3.なぎさが食べているチーズケーキの種類を聞く

一旦休憩。

ほむら「ここは少し目線を変えてみましょう」

マミ「と、いうと?」

ほむら「犯人が誰か、ではなくてチーズケーキの行方を考えてみるの」

さやか「ああ、物的証拠を見つけ出す、ってわけね!」

杏子「でもチーズケーキが何処へ行ったかなんて想像もつかねーよ」

ほむら「そうかしら? よく考えてみて?」

ほむら「私達の手荷物はせいぜいハンドバック程度のもの……チーズケーキを隠す余裕はない」

まどか「ケーキはホールで買ったもんね」

ほむら「それに物はナマモノよ巴さんの家の中……」

ほむら「たとえばタンスとかに隠すなんてこともないでしょう」

杏子「そーだな、んなことしたら台無しになっちまう」

ほむら「と、なれば。やはりここは、条理を覆す魔法の力を疑うべきよ」

マミ「一理あるわね……」

ほむら「まあ一応手荷物検査と家捜しはあとでしましょう」

ほむら「でもまずは魔法という観点からチーズケーキの行方を考えてみましょう」

ほむら「みんなの得意な魔法はなんだったかしら?」

杏子「アタシは幻惑魔法だったけど……今は使えないよ」

ほむら(幻惑魔法……いくらでも応用が効きそうね……でも使えないなら無理かしら)

マミ「私はリボンの魔法ね」

ほむら(リボン……使い方によってはあるいは……?)

さやか「あたしは治癒魔法だね」

まどか「私は弓矢だよ」

なぎさ「ズモモグ」(なぎさはお口を大きくしてケーキを丸飲み出来るのです)

ほむら(この子たちの魔法はケーキを隠すのには向いていないわね)

さやか「で、あんたの魔法は? ……まあ聞かなくても知ってるけど」

ほむら「……私の魔法は、時間停止と収納の魔法よ」

マミ「…………」

杏子「なあ……この中だと一番怪しいのって」

まどか「きょ、杏子ちゃん」

ほむら「良いわまどか、分かっているから」

ほむら「能力で言えば、私が一番犯行に向いている」

ほむら「だからこそ証明してみせるわ。犯人を見つけ出して、私が犯人じゃないことを」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら(そうは言ったものの、難しいわね……)

ほむら(現状の手がかりだけでは、まだ犯人を特定することは出来ない)

ほむら(このままじゃ私が犯人扱いされてしまうのは間違いない……)

ほむら(…………)

ほむら(……いえ、待って? さっきの発言のなかに何かヒントが……)

ほむら(そうか、そうだわ!)

ほむら(犯人はきっとチーズケーキを……!)



1.幻惑魔法で隠した

2.リボンで隠した

3.食べた

安価下

ほむら「犯人はチーズケーキを隠したのではなく、既に食べてしまったのだとしたら?」

杏子「なっ……!?」

さやか「なんだってー!!」

ほむら「それなら家の中や手荷物に隠す必要もないし、何よりケーキを美味しくいただけるわ」

まどか「そんな……!」

マミ「でも納得のいく理屈だわ」

なぎさ「モグタン」

ほむら「……でも、さすがの犯人も晩御飯の後にすぐチーズケーキを食べ尽くすのは難しかったのでしょうね」

ほむら「だから犯人は今でも口のなかにチーズケーキが残っており、話すことが出来ないでいる……」

なぎさ「モグ!? モグプウ!」

マミ「……ま、まさか、犯人は……!」

ほむら「そう、犯人はこの場で一度も口を開いていない……」

ほむら「キュゥべえ! 貴方よ!」

QB「……!!!!」

QB「やれやれ、何を言い出すんだいキミは」

QB「僕が犯人なわけないだろう?」

マミ「そうよね……ちょっと考えにくいかも」

さやか「それに平気で喋ってるし、口の中にチーズケーキがあるって感じじゃないよ」

なぎさ「モグモグ……モグプウ」

ほむら(くっ……慌てて飲み込んだというわけね、キュゥべえ)

ほむら(でもここで引き下がるわけにはいかないわ)

ほむら(基本的にヤツは嘘をつかない。そこを利用してボロを出すまで追求しましょう!)

ほむら「キュゥべえ、貴方が犯人じゃないというのなら私の質問にも答えられるわよね?」

QB「確約は出来ないけれど善処するよ」

ほむら「なら貴方は……」

ほむらの質問 >>37

好きな食べ物

ほむら「貴方の好きな食べ物は?」

QB「特別好きなものはこれと言ってないよ」

QB「僕はあまり食事を必要としないからね」

QB「強いて言うならマミが作ってくれたものなら何でも好きかな」

QB「マミは料理上手だからね。きっと良いお嫁さんになるよ」

マミ「も、もうっ、キュゥべえったら……」

さやか「おーおー、キュゥべえさんはタラシですなー」

まどか「ふふ、天然でああいうこと言っちゃうんだもんねー」

ほむら(く、無意味に良い雰囲気になってしまったわ)

なぎさ「……モグモグ、ごくん」

なぎさ「ふう、美味しかったのです!」

杏子「やっぱキュゥべえが犯人って感じじゃないよな」

まどか「うん、そうだね……」

さやか「犯人扱いしたのは良くないよほむら」

マミ「暁美さん、キュゥべえに謝って?」

ほむら「く……」

ほむら(どうしましょう、キュゥべえが犯人だという私の推理は間違っていたの……?)



キュゥべえへの追及を……

1.続ける

2.続けない

安価下

ほむら(いいえ、私の推理は間違っていないはずだわ)

ほむら(まだ諦めるには早い。まだ聞いていないことがあるはず……)

ほむら「……もう一つだけ聞かせてもらってもいいかしら?」

QB「なんだい?」

ほむら「そうね、ええと……」



1.キュゥべえの能力について

2.キュゥべえのアリバイについて

3.キュゥべえの考える犯人像について

安価下

ほむら「貴方は……誰が犯人だと思ってるの?」

QB「百江なぎさに決まってるだろ馬鹿か君は」

ほむら「!?」

なぎさ「?!」

マミ「なぎさちゃんが……」

まどか「犯人……!?」

さやか「な、なんだってー!?」

杏子「そんな、まさか……!?」

ほむら「ど、どうしてそう思うの?!」

QB「さっきまで思い切りチーズケーキを食べてたじゃないか」

ほむら「そういえば……!!」

マミ「で、でもあれが私たちの買ったチーズケーキだなんて証拠はないわ!」

QB「じゃあどこでチーズケーキを手に入れたんだい」

QB「別の買い置きでもあったのかい」

マミ「そ、それは……」

杏子「ま、待てよ! でもホールのチーズケーキを1人で食べるなんてありえないじゃんか!」

QB「自分で言ってたじゃないか、魔法を使えば丸のみ出来るって」

杏子「そうか……! 言われてみればそうだな!」

QB「それにアリバイもないし、ずっとモグモグしてたし」

QB「何よりチーズは彼女の大好物じゃないか、真っ先に疑うべきだろう」

なぎさ「ち、違うのです、なぎさは犯人なんかじゃないのです!」

なぎさ「レアチーズケーキをホールで丸のみして美味しかったけど犯人じゃないのです!」

なぎさ「誰よりも先に食事を終えて冷蔵庫に向かってケーキを盗みだしたけど犯人じゃないのです!」

なぎさ「そもそも買い物の段階でデザートをチーズケーキにしようって言ったのもなぎさで最初から独り占めしようとしていたけど犯人はなぎさじゃないのです!」

マミ「……なぎさちゃん」

杏子「おまえ……」

ほむら「ほら、なぎさもこう言っているわ。彼女は犯人なんかじゃないわ」

まどか「そうだね、なぎさちゃんが犯人とは思えないよ」

さやか「なぎさちゃんを疑うなんてありえないわ」

マミ「だめよキュゥべえ、小さい子を虐めちゃ」

QB「そうだねごめんよなぎさ。僕がどうかしていたよ」

なぎさ「わかってくれれば良いのです」

杏子「でもそうなると犯人は誰なのか分からないままだな……」

ほむら「……いえ、待って。もしかすると……」

まどか「どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「……そうか! 分かったわ、真犯人が!」

ほむら「チーズケーキを盗んだ犯人、それは……!」

>>50

QB

ほむら「キュゥべえ! 貴方よ!」

QB「……!!」

マミ「キュゥべえが……」

まどか「犯人……!?」

さやか「な、なんだってー!?」

杏子「そんな、まさか……!?」

ほむら「良く考えれば貴方って壁抜け出来るし何体も居るからチーズケーキを隠れて食べつくすことも可能だわ!」

ほむら「だから貴方が犯人なのだわ!」

QB「くっ……よくぞ見やったね暁美ほむら、僕の完敗だよ」

QB「そうさ、チーズケーキを食べた犯人は僕さ」

マミ「でもどうして? どうしてキュゥべえがこんな犯行を……」

QB「レアチーズケーキの色合いが僕に似てるなあって前から思って居てね」

QB「どうしても一度食べてみたかったんだ……」

QB「でも僕の身体じゃチーズケーキを買いに行くことも出来ない」

QB「だから……」

さやか「盗み食いしたってわけね」

杏子「馬鹿野郎、盗みなんて最低なことなんだぞ!」

QB「そうだね、僕は最低の罪を犯した……」

QB「どんな罰でも受けるよ。さあ君達の好きにするといい」

ほむら「……そうね。それなら罰を与えるとしましょう」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「今度からはちゃんと『食べさせてください』って正直に言うこと。それが貴方への罰よ」

QB「……!」

QB「うん……わかったよ。もう盗み食いなんてしないよ」

まどか「ほむらちゃん……ふふ、やっぱりほむらちゃんは優しいね!」

こうして事件は幕を下ろしたのです。

名探偵ほむらの推理により、無事に犯人は見つかったのです。

今度はベイクドチーズケーキをホールで食べたいのです。

おしまい。

くー疲れましたこれにて完結です!
本格推理モノは初めてだったのですがいかがだったでしょうか!
皆さんに少しでも推理を楽しんでもらえたなら幸いです!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom