穂乃果「タラシ神に取り憑かれた」 (52)


穂乃果「ぁー……今日も練習疲れた~」


穂乃果「ん? あれ、こんな本あったかな? えーと……」


穂乃果「『タラシ神と女神たち』……変な題名……。タラシ神ってなにかの神様かな?」


穂乃果「……少しだけ、読んでみよっかな」ペラッ


穂乃果「『昔々、あるところに1人の神様がいました。名前はタラシ神』」


穂乃果「ふんふむ、やっぱり神様だ。続きは……」


穂乃果「『タラシ神には友達がいませんでした。それどころか神たちに嫌われていました』」


穂乃果「なんか可哀想……」


穂乃果「『なぜ嫌われているのかと言うと……それは、彼がとても女性に好かれるからです』」


穂乃果「モテモテだったんだ、タラシ神」


穂乃果「『女性たちは彼に夢中で――』」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407458699


コンコン

穂乃果「はーい」


雪穂「あれ、お姉ちゃんまだ起きてたの?」


穂乃果「うん、少し本読んでた」


雪穂「へぇー、お姉ちゃんが本読むなんて珍しいね」


穂乃果「なんか気になる題名だったからさ」


雪穂「因みにどんな題名なの?」


穂乃果「はい」スッ


雪穂「えーと、『タラシ神と女神たち』……なんかすごい題名だね」


穂乃果「でしょ」


雪穂「確かに少し内容が気になる……」


穂乃果「読んでみる?」


雪穂「うーん……明日借りようかな」


穂乃果「わかった」


雪穂「ってもうこんな時間、私もう寝るね。おやすみ、お姉ちゃん」バタン


穂乃果「おやすみ」


穂乃果「ふあっ……私も寝よ」カチッ


穂乃果「おやすみなさい」



『……』

『……』ガタッ

『……』ガタガタガタ

『……』ピカッーーーーーーーー


ジリリリリリリリリッ カチッ

穂乃果「ふわあぁぁ……もう朝か」


穂乃果「まだ寝てたい……でも学校行かなきゃ」


穂乃果「あ、そういえば夏休みだった」


穂乃果「幸せ……おやすみなさい」


「穂乃果ッ! 起きなさい!!」


穂乃果「きゃっ」ドサッ


穂乃果「いった~い! なにするのさ海未ちゃん!」


海未「あなたが勝手に転げ落ちただけでしょうが」


穂乃果「もう! だからって耳元で叫ぶ必要ないじゃん!」


海未「そうしないとあなたは起きませんもの」ニッコリ


穂乃果「海未ちゃん、その笑顔なに……」


海未「おっと失礼、1日の始まりを感じ、つい笑みが」


穂乃果「それって起きた時に感じるものじゃないの? まあ、穂乃果は今だけど」


海未「それより、早く準備してください。集合時間まであと50分ほどしかありませんよ」


穂乃果「うん、わかった」クラッ


穂乃果「(あれ、身体が重い――)」ドサッ


穂乃果「いたたたた……あれ、なんだろうこれ、柔らかい……」モミモミモミ


海未「」プルプル


穂乃果「………あはは、海未ちゃん。これはね、不可抗力であって……」


海未「早くどきなさい!!///」ドンッ


穂乃果「うわっ」


海未「きゅ、急になぜ私の胸を触ったんですか!///」


穂乃果「いや、ホントに不可抗力で……」オロオロ


海未「言い訳はやめなさい! がっつり触りにいってたじゃないですか!」


穂乃果「ほ、ホントだって!」


海未「……私、初めてだったんですよ。胸、触られるの」


穂乃果「んーと……ごめん」


海未「……責任を取りなさい」ボソッ


穂乃果「えっ」


海未「責任を取りなさい!!」


穂乃果「えええええええぇっ!!? なんの!?」


海未「私をお嫁さんとして迎え入れなさい!!」


穂乃果「なんでそうなるのさ!?」


海未「父が言ってました、『初めてを捧げた人物と人生を歩みなさい』と」


穂乃果「だ・か・ら不可抗力って言ってるじゃん!!」


穂乃果「それに希ちゃんにわしわしされたことあるでしょ! それはどうなの!」


海未「実は私、わしわしされたことないんです」


穂乃果「そ、そうなの?」


海未「はい」


穂乃果「へ、へぇ~そんなんだ~……」


海未「それとも穂乃果は、私がお嫁さんというのは……嫌ですか?」


穂乃果「(! 海未ちゃんの上目遣い……かわいい……)」


穂乃果「(あれ、身体が勝手に動いて……)」


穂乃果「海未ちゃん」ギュッ


海未「!?」


穂乃果「」スッ


海未「穂乃果……」///


ガチャ

雪穂「お2人さーん、そろそろ学校に……ってなにしとんじゃボケえええええええええええぇ!!」ハイキーーック


穂乃果「ぐえっ」ドサッ


海未「穂乃果……? 穂乃果!」ユサユサ


穂乃果「海未ちゃん……μ'sのこと、頼んだ……よ」ガクッ


海未「ほのかああああああああああああああ」


雪穂「はい、カット!」


穂乃果「それじゃあ学校行ってくるね。行こ、海未ちゃん」ムクッ


海未「はい」


雪穂「お姉ちゃん、水筒1本で足りる?」


穂乃果「足りなくなったら買うよ」


海未「穂乃果、絶対に責任をとってもらいますからね!」


穂乃果「どうしてそうなるのさ――」バタン


雪穂「……」


雪穂「さて、私も学校説明会の準備に……」


雪穂「あれ、昨日の本……」


雪穂「開きっぱなしだ、途中なのかな」


雪穂「一応紙でも挟んでおこう」


穂乃果「今日もいい天気だね~」


海未「そうですね、練習日和です」


穂乃果「ん、あれは真姫ちゃん?」


海未「赤髪に軽いウェーブ、真姫ですね」


穂乃果「よし、少しイタズラしちゃおう」


海未「やめておいたほうがいいと思いますよ」


穂乃果「だいじょーぶ、後ろから驚かすだけだから」ソロリ


穂乃果「(真姫ちゃんどんな顔するんだろう……ふふっ)」


穂乃果「(それにしても今日は身体が重い。別に疲れてるとかじゃないんだけど)」


穂乃果「(真姫ちゃんまで5m、4m、3m、2m――)」


真姫「」テクテク


穂乃果「――真姫」ギュッ


真姫「ヴェェ!? ほ、穂乃果!?」


穂乃果「おはよう」ニコ


真姫「お、おはよう……じゃなくて! どうして抱きついてくるのよ!」///


穂乃果「さあ、なんででしょう?」


真姫「いいから答えなさいよ!」


穂乃果「真姫ちゃんこわぁい……ちょっとお仕置きが必要だね」


真姫「えっ」


穂乃果「」ハムッ


真姫「ひゃっ、ちょ、ちょっと耳! 耳だけは!」


穂乃果「」ハムハム


真姫「耳だけはダメぇ……」///


海未「ストーップ!!」グイッ


真姫「ハァ…ハァ…」///


海未「大丈夫ですか、真姫?」


真姫「な、なんとか……」


海未「穂乃果!!」


穂乃果「………」サー


海未「ほ、穂乃果……?」


穂乃果「(な、なんで私、あんなことを……)」ダラダラ


穂乃果「(なんか身体が勝手に動いて……)」


穂乃果「ご、ごめん真姫ちゃん。立てる?」スッ


真姫「………なさい」ボソッ


穂乃果「え、なに――」


真姫「責任を取りなさい!!」


穂乃果「ええっ!? 私が!?」


真姫「私を――お嫁さんにしなさい!!」


穂乃果「ヴェェェェェェ!?」


真姫「あんな醜態晒しちゃったんだから当然でしょ!」


海未「真姫、残念ながらそれは無理ですね」


真姫「は?」


海未「穂乃果のお嫁さんは……私ですから!!」バンッ


真姫「で、穂乃果。いつ式を挙げるの?」


海未「無視ですか!?」


真姫「なによ、今大事な話をしてるのよ。邪魔しないで」


海未「そんな話し合い無意味です」


真姫「はぁっ? なんでよ」


海未「穂乃果の嫁は私ですから」


真姫「穂乃果?」ギロッ


穂乃果「ひっ、な、なに?」


真姫「当然私を選ぶわよね?」


穂乃果「えっとぉ……」


海未「穂乃果、私はあなたを信じてます」ジーッ


穂乃果「(ダ、ダレカタスケテー!!)」


絵里「あら、穂乃果に海未、真姫じゃない」


穂乃果「え、絵里ちゃん!」


穂乃果「(グットタイミング! 絵里ちゃん助けてー!)」ヘルプミー


絵里「(……? 穂乃果……?)」


穂乃果「(ヘ・ル・プ・ミ・ー!)」


絵里「(あのサインは……わかったわ! 私に任せなさい!)」


絵里「穂乃果……」ポンポン


絵里「2人とも、幸せににするのよ」


絵里「(そしてエリチカはクールに去る)」スタスタスタ


穂乃果「(違う! 違うよ絵里ちゃん!)」


絵里「あら、穂乃果に海未、真姫じゃない」


穂乃果「え、絵里ちゃん!」


穂乃果「(グットタイミング! 絵里ちゃん助けてー!)」ヘルプミー


絵里「(……? 穂乃果……?)」


穂乃果「(ヘ・ル・プ・ミ・ー!)」


絵里「(あのサインは……わかったわ! 私に任せなさい!)」


絵里「穂乃果……」ポンポン


絵里「2人とも、幸せにするのよ」


絵里「(そしてエリチカはクールに去る)」スタスタスタ


穂乃果「(違う! 違うよ絵里ちゃん!)」


真姫「ねえ、穂乃果」ギュッ


穂乃果「! な、なあに?」


真姫「私と結婚したら、毎日洋菓子が食べ放題よ」


穂乃果「えっ?」


真姫「あなた、言ってたわよね、『もう和菓子は飽きたー!』って」


真姫「うちにくれば好きなだけ、ケーキを食べていいわよ」


穂乃果「け、ケーキ」ゴクリ


海未「なっ! 食べ物で引くなんて卑怯です!」


真姫「どうするの? 穂乃果」


穂乃果「……」


穂乃果「保留、かな」


真姫「ど、どうして……!?」


穂乃果「どうしてって言われても……私、まだ学生だし結婚とかは……」


真姫「そ、それなら結婚を前提で付き合いを……」


穂乃果「―――ねえ、真姫」


真姫「!」ドキッ


穂乃果「どうして私と結婚したいの?」


真姫「そ、それは……」


穂乃果「さっき醜態を晒したから? 周りに誰もいなかったよね? それに醜態ってほどでもないし」


穂乃果「ねえ、なんで?」


穂乃果「教えてよ、真姫」


真姫「……」モジモジ


真姫「ほ、穂乃果!! 前から私! 穂乃果のことが―――」


穂乃果「あー!!」


真姫「」ビクッ


穂乃果「もうこんな時間!? 学校に遅れちゃう!」


穂乃果「早く行かなきゃ! 真姫ちゃんぼうっとしてないで行くよ!」ギュッ


穂乃果「海未ちゃんも!」ギュッ


海未「は、はいっ」


真姫「(……わ、私、今)」カアアアア


―― 学校


穂乃果「……」スヤスヤ


ことり「(授業が始まってまだ5分なのに、穂乃果ちゃんもう寝てるよぉ)」


海未「穂乃果、起きなさい」ツンツン


穂乃果「……」スヤスヤ


海未「……」ジーッ


海未「(穂乃果の寝顔はよく見るのですが)」


海未「(こう、じっくり見るのは久しぶりですね)」ジーッ


海未「……」ツンツン


穂乃果「えへへ……海未ちゃん大好き」ボソッ


海未「!」ドキッ


穂乃果「……」スヤスヤ


海未「(ね、寝言ですか……)」ドキドキ


キーンコーンカーンコーン


海未「……はっ」


海未「(ほ、穂乃果を眺めていたらもう授業が……)」


穂乃果「ふわあぁぁ……授業終わったぁ?」


ことり「うんっ、ぐっすり眠ってたね」


穂乃果「昨日、少し遅く寝ちゃって……」エヘヘ


穂乃果「海未ちゃーん、ノート見せてー」


海未「……すみません、私もノートをとってなくて……」


穂乃果「海未ちゃんがノートをとってない? 珍しいね」


ことり「(海未ちゃんずっと穂乃果ちゃん見てたもんね)」


穂乃果「ことりちゃん、ノート見せて」


ことり「うん、いいよっ」


穂乃果「ありがとー!」ダキッ


穂乃果「……」クンクン


ことり「どうしたの?」


穂乃果「ことりちゃんってなんだか……いい匂い」


穂乃果「とっても落ち着くなぁ」ギューッ


ことり「ほ、穂乃果ちゃん……ここ教室だよぉ……」


穂乃果「気にしなーい気にしなーい」


海未「ほ、穂乃果っ」


穂乃果「なあに? 海未ちゃん」


海未「あ、あの……えっと」


穂乃果「そういえば、海未ちゃんの匂いを確認してなかったね」


海未「え?」


穂乃果「えいっ」ダキッ


穂乃果「……」クンクン


海未「ほ、穂乃果……!?」


穂乃果「あぁ……海未ちゃんもいい匂い」


海未「……」クンクン


穂乃果「? 海未ちゃん?」


海未「ほ、穂乃果もいい匂いです」///


穂乃果「そうかな? へへ、ありがとう」


ことり「(もう1度言っておくけど、ここ教室だよぉ……)」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月02日 (日) 02:15:06   ID: ogKZ2ZxD

続きがほちい

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom