特に理由のない暴力がライナーを襲う!!(21)

??「――さん……」

ユサユサ

ライナー「んぅ……クリスタ……結婚しよう……」ムニャムニャ

??「――ナーさん――イナーさん……」

ユサユサ

ライナー「んっ――んぅ……?なんだ……誰だ……ベル……トルト……エレン……アルミン……?」

??「ライナーさん……ライナーさん……僕です……」

ライナー「ん……誰だ……お前は……?」パチッ


暴力「暴力です」

ライナー「!?」バッ

ライナー「なっ……なっ……!?」ビクビク

暴力「怯えないでください、ライナーさん。落ち着いて……」

ライナー「なっ……ナニッスルンダッタッ?!」

暴力「違うんです。僕はお話がしたいんです。ライナーさん。だから、怯えないで……」

ライナー「オルァッスネッスァッ!!」バサッ

暴力「ライナーさん……」

ベルトルト「んぅ……ライナー……うるさい……」

暴力「!」

ライナー「!?(い、いかん!このままではベルトルトが被害を受けてしまうかもしれない!!
戦士として、仲間が傷付く時に布団に篭っていることなど出来ない!!」

ライナー「……外に出よう」

暴力「ライナーさん……!」

ライナー「ただし、歩くのはお前が前で俺が後ろだ。解かったな?少しでも、怪しい動きをしてみろ。
解かっているな?」

暴力「……はい」

~ 訓練場 ~

ライナー「よし、此処で止まれ」

暴力「はい……」

ライナー「これからお前の用件を聞く。条件は先ほどと同じだ。怪しい動きを見せた瞬間、
命は無いと思え」

暴力「解かっています。僕は、貴方にそれだけのことをしてきたって……僕が、貴方をそんな風にしてしまった」

ライナー「あぁそうだ。だから感傷に浸っている暇があったらさっさと用件を済ませてくれ。(震えが止まらない……此処から
早く逃げ出したい……というかそもそも暴力ってなんだ?こいつ……なんで文字に手足が生えているんだ?口は何処だ??)」

ライナー「……なんだこれ」

暴力「……」

ライナー「(そして何故黙る。かといって俺から何を言えば良いのか全く分からん。誰か……誰か助けてくれ……!)」

暴力「……出会いは」

ライナー「はひっ!?――んんっ!……あぁ、続けてくれ」

暴力「……僕らの出会いは、嘘予告でしたね……」


【 唐突にもらった“平手打ち”

ライナー「!?」

予想外の“肘”

特に理由のない暴力がライナーを襲う!! 】

ライナー「……そうだな」

暴力「でも気付いてましたか……?僕はずっと前から、貴方の傍に居たんですよ……」

ライナー「……対人、格闘か……」

暴力「始めエレンさんに投げられ、そして了承の間もなくアニさんに投げられ……」

ライナー「そうだな……しかしあれは訓練と、まぁ、自業自得のようなもので――」

暴力「……ミカサさん」

ライナー「あっ……!」

暴力「あれも……自業自得だったというのですか?ライナーさんの所為だったと、割り切ってくれるんですか?」

ライナー「それは……」

暴力「いいえ、優しいライナーさんの事……ミカサさんを理解し、貴方は許すでしょう……ですがもしも、それらが全て」

暴力「ぼ・く・の・せ・き・に・ん・だ・と・し・た・ら?」

ライナー「……ッ!!」

暴力「……怒らないんですか?」

ライナー「……」

暴力「殴らないんですか?僕を」

ライナー「……怒りに任せ、衝動的に振る舞うのは、戦士ではない」

ライナー「(つうかこんな得体のしれない奴殴れるか!何されるかわからんわ!固そうだし!)」

暴力「……ライナーさん……」

ポロッ

暴力「ごめんなさい……!」ポロポロ

ライナー「!!??!?!??!??!?」

ライナー「お、おい……!」

暴力「ごめんなさい……ごめんなさい……!」

ライナー「馬鹿、泣く奴があるか!お前を恨んでいないと言えば嘘になるが、そもそもだな……」

暴力「貴方は……優しい人ですね……本当に」

ライナー「いや……色々置いてきぼりなだけなんだが……」

暴力「僕は……最低でした。この期に及んでまだ貴方に縋ろうとした。
ライナーさん……聞いてください、ライナーさん。僕はね、貴方への罪を帳消しにしようとしたんです」

ライナー「……へぇ、そうなのか」

暴力「ふっ……怒らない。流石はライナーさんですね」

ライナー「ん、あぁ、そうかもな」

暴力「でも……ライナーさん……安心してください。貴方はもう――」


バタンッ

ライナー「――しっ、静かに――女子宿舎から誰か出て来た……あれは……!」

サシャ「イモ……パン……お肉……zzz」テクテク

ライナー「夢遊病か、あいつは!ちょっと待っててくれ、部屋に戻してくるから!」

ライナー「で、なんだっけ?」

暴力「ふっ……怒らない。流石は――」

ライナー「そこはもう聞いた。で、なんで俺は安心して良いんだ?」

暴力「……」

ライナー「早く言えよ」

暴力「ライナーさん……聞いてください……――僕は――











――もうすぐ……消えます。

ライナー「そうか」

暴力「はい……」

ライナー「……一応、理由は聞いて良いか?」

暴力「……疲れたんです、僕自身が……貴方を、襲う事に」

暴力「もう嫌なんです。貴方を、傷付けることが。それが存在意義だとしても……
だとしたら……僕は存在なんて……いらない。貴方を傷付ける僕なんて、いらないんです……」

暴力「だから最後に、もう良いんだってこと……伝えに来ました。そして、今までの事全て……赦されようと思っているわけじゃありません。
ただ、謝らなければ僕の気は済まなかった。だから……ごめんなさい。明日も早いでしょうに、こんなことに付き合せてしまって……」

暴力「本当に……今までごめんなさい……ライナーさん……」

ライナー「……」ボリボリ

ライナー「……決めたのか、お前は」

暴力「……はい」

ライナー「……そうか。強いな、お前は」

暴力「暴力ですから」

ライナー「俺には解からなくなったよ。自分というものが、それが、確かに俺自身だったはずなのに……
それが本当に、自分として生きることなのか、解からなくなってしまったよ……
戦士とは……俺とは……」

暴力「そんな……」

ライナー「俺は此処に来るべきではなかった。それでも俺が此処に居られたのは、
きっとお前が居たからなんだろうな。……お前が在ることで、
俺は罪滅ぼしをしている気分になって、対等でいるつもりだったのかもしれない……
それだけのことをしたからな、俺は……」

暴力「ライナーさん……」

ライナー「だがいよいよ、決断しなければならない時が来た……そういうことなのだろう、きっと」

暴力「……ライナーさん、僕は信じています。貴方なら、きっと、納得のいく未来にたどり着けると、
信じています、だから……その、頑張ってください」

ライナー「あぁ、お前もな。どっかで見掛けたら声掛けてくれよ」

暴力「……ねぇ、ライナーさん。消えたら僕らは本当に無くなるんでしょうか。それとも、
何処かに行くんでしょうかね」

ライナー「さあな。犯した行いで、決まるっていう話もあるが……実際はわからん」

暴力「……そうですか。そうですね。それじゃぁ……」

ライナー「あぁ、またな」

暴力「……!」


それから暴力は振り返ることなく、山の方へと姿を消した。

俺もまた部屋に戻り、布団に着いたのだが、目が覚めたときには、

昨晩の出来事が夢なのか現実なのか曖昧で、エレンたちにその話をすると、

あっという間に笑いの種にされた。

それから、あいつが消えたとは思えないほどに続く理不尽な暴力。

いよいよそれを戦士の宿命と諦めた。でもそれらを受けるたびに、

なんとなくあいつを思いだすようになった。

あれは夢だったのか。幻だったのか。

それからしばらく経って、サシャが食糧庫の夜這いについて、教官から罰を受けたのだった。

~終わり~

なんだよこれ……ギャグにしたいのかシリウスにしたいのかわけわからん……

素直にライナーが暴力に凌辱される話を書いとけば良かったです。

でも読んでくれた人はありがとうございいました。

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