穂乃果「勝つ!」 (54)

だって~可能性感じたんだ


そうだ…ススメ!


後悔したくない目の前に

僕らの道がある~♪



れっつごー! どぅーん!



穂乃果「うおおおおお!」ダッ!



海未「!?」

ことり「穂乃果ちゃん!?」



キキィィィィィィ……ドゴッ!

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穂乃果「……ん」パチッ

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「あれ…ことりちゃん? ここは……病院?」キョロキョロ

ことり「車に轢かれてさっきまで生死の境を彷徨ってたんだよ。でも…よかったよぉ…穂乃果ちゃんが無事で…」ポロポロ

穂乃果「ことりちゃん…」

海未「まったく、何で急に車道に飛び出したりしたんですか」

穂乃果「あ、海未ちゃん」

海未「幸いかすり傷だけで済んだからよかったものの、下手すればあの世行きだったんですよ?」

穂乃果「うーん…何だろう、私にもよく分からないんだ」

海未「まぁいいでしょう。その様子ならもう大丈夫そうですから、早めにPVを撮り直してしまいましょう」

だって~可能性感じたんだ


そうだ…ススメ!



穂乃果「……」



ブオーン…ブオオオオオオオオオン



穂乃果(私はさっきアレに負けたんだね…)

穂乃果(あんな…鉄の塊に…)ギリッ



後悔したくない目の前に~



穂乃果(私は……私は……)




僕らの道がある~




穂乃果「……うおおおおおおおおおおおおおおお!」ダッ




キキー! グシャッ!



海未「ほ、穂乃果ぁぁぁぁぁぁ!?」

ことり「穂乃果ちゃあああああああん!」

海未「あなたは何がしたいんですか!?」

穂乃果「えへへ…ごめんごめん」

ことり「鼻血で済んだからいいものの…とっても危なかったんだよ!?」

穂乃果「なんでなんだろうね…何故か車道に飛び出したくなっちゃって」

海未「とにかくしばらく一人で頭を冷やすことです! あほのか!」バチーン

穂乃果「あぶっ!」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ことりちゃん…」

バチーン!

穂乃果「ぶふっ!」

ことり「頑張ってね!」

穂乃果「う、うん。何を?……何で今叩いたの?」

穂乃果「…はぁ、病室に一人って退屈だなぁ」

穂乃果「……」

穂乃果「あの時…車道を走る車にどうしても勝ちたくなった」

穂乃果「身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなって…心臓がとんでもないスピードでビートを刻んで…」

穂乃果「そうだ…あの時私は━━」




穂乃果「車に……勝ちたいって思ったんだ」

真姫「何それ、イミワカンナイ」

穂乃果「!? び、ビックリしたぁ…あなたは?」

真姫「この病院の経営者の娘。将来継ぐことになってるから今のうちに手伝い兼勉強してるのよ」

真姫「ほら、鼻血拭くわよ」

穂乃果「あ…」タラー…

真姫「これでよし」グイッ

穂乃果「あ、ありがと」

真姫「じゃあね。馬鹿なこと言ってないでおとなしく寝てなさいよ」

穂乃果「あ…ま、待って!」

真姫「なによ?」

穂乃果「あなた、名前は?」

真姫「…西木野真姫だけど」

穂乃果「じゃあ…真姫ちゃん! 私、高坂穂乃果、よろしくね!」

真姫「ちょ…いきなり名前呼びとかやめなさいよ」

穂乃果「いいじゃんいいじゃん! これからお世話になりそうだし」

真姫「はぁ?」

穂乃果「私、決めたんだ」


穂乃果「絶対に車に勝ってみせるって!」




真姫「…バッカみたい。ていうかバカね。大バカよあなた」

真姫「やるなら勝手にしなさい。うちの病院が儲かるだけだと思うけどね」プイッ


穂乃果「あっ、また同じ場所で勝負挑むから、良かったら見に来てね、真姫ちゃん!」


真姫「……」スタスタ


━━


穂乃果「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


グチャッ


ホノカー! ハノケチェン!



真姫「……」



━━



穂乃果「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



メコッ


ホノカー ホノカチャン


真姫「……」



━━


穂乃果「うおー」



ガシャーン


ア…マタ マタダネ



真姫「……」ギュッ…




━━そして

穂乃果「あ、真姫ちゃん」

真姫「……」ハァ…

穂乃果「? どしたの?」

真姫「別に」

穂乃果「暇なら一緒に話そうよー。最近ことりちゃんも海未ちゃんもお見舞いに来てくれないんだよー」

真姫「…ねぇ、穂乃果」

穂乃果「ん? なに?」

真姫「何でそんなに車に勝ちたいの? 誰から褒められる訳でも、何かが手に入るわけでもないでしょう?」

穂乃果「んー…何で、かぁ。考えたこともなかったなぁ」

穂乃果「やりたいからやってみたってだけかな。私、思ったことそのまま行動に移すタイプだからさ」エヘヘ

真姫「…そう」

真姫「でも、どうしようもないことってあると私は思うわよ」

穂乃果「どうしようもないこと?」

真姫「ええ。人間は車より硬くない。これはもう決まってしまっていることでしょ?」

穂乃果「そうかなぁ…最近私そうでもない気がしてきたけど」

真姫「気のせいよ。とにかくね、動かしようのないことは必ずこの世にはある。…生まれた時から自分の進む道が決められていたりとかね」

穂乃果「?」

真姫「車が人間より強いことだって決まってるのよ、穂乃果。無駄な時間を費やすより、早く諦めた方があなたのためよ」

穂乃果「真姫ちゃん……」

穂乃果「……じゃあ、私が真姫ちゃんに見せてあげるよ」

真姫「え?」



穂乃果「人間その気になれば、何だって出来るんだってことをね」

今日はここまで

何でこんなスレたてたんだろう

ガシャーン!



キキーッ!



ドゴッ!



絵里「ねぇ希。最近道路が騒がしいと思わない?」

希「そうやねぇ、交通事故が増えてるんやろうなぁ」

絵里「まったく、学校が廃校になるかもしれないって時に…」スクッ

希「? どこ行くん?」

絵里「生徒会長としてこのまま見過ごす訳にはいかないわ。交通指導を徹底して、少しでも事故を減らさないと」

希「今から行くん? 行動早いなぁ」

絵里「当然よ。やれることは今すぐにやらないと」

絵里「横断歩道は手を上げて渡るのよー、お姉さんとの約束よ?」


ハーイ!


絵里「うん、よろしい。赤信号はー?」


トマレー!


絵里「青信号はー?」


ススメ→!


絵里「よしよし、気をつけて帰るのよー」

オネエチャン、イッショニカエロー!

絵里「ええ? 私は用事があるから…」

エー ヤダー カエローヨー

絵里「ちょ、ちょっと、引っ張らないで。分かった、分かったから」



希(ちっちゃい子らにモテモテやな、エリチ)



ブオオオオオオン…



希「おっ、車が…」



穂乃果「よっしゃあぁぁあああああああ!」ダッ!



希「!?」

希「だ、誰か飛び出した!? 危なーい!」



キキキキキキキ!



希「よ、良かった…運転手の人がハンドルきってかわし……え、エリチ!! 危ない!!」



絵里(! 車がこっちに…でも私が避けたら子供達が……!)

絵里「……!」ギュッ




ガシャァァァァァン!



希「えりちいぃいいいいいいい!」




絵里「…………」

絵里「……あれ?」パチッ







穂乃果「……ふぅ」

穂乃果「危ない所でしたね」ニコッ

真姫「…………うそ」

ことり「ほ、本当に殺った…」

海未「ええ…とても信じられませんが…」




車「…」ボロッ…

運転手「…」グッタリ…



海未「あのスクラップ状態の車を見れば信じざるをえませんね」



希「エリチ! 大丈夫!?」

絵里「え、ええ…」

穂乃果「やれやれ、50台目にしてようやくとはね」コキコキ

絵里「あ、あなたいったい…?」

穂乃果「…私は高坂穂乃果」




穂乃果「ただの女子高生ですよ」ニッ

絵里「…!///」ドキーン!

希(なんやこの子…)

絵里「……///」ドキドキ

希(そしてエリチはどうしてしまったんや…)



穂乃果「ふぅ~…」スタスタ

真姫「ほ、穂乃果…」

穂乃果「ふふ、見てたでしょ真姫ちゃん?」

穂乃果「人間に出来ないことなんてないんだよ。真姫ちゃんが何を背負っているかは知らないけど…」

穂乃果「諦めちゃダメなんだよ」

真姫「……!」

真姫(諦めちゃ、ダメ……)

真姫「……穂乃果」

真姫「…………ありがとう」ニコッ

絵里「か、かっこいい…///」クラクラ

希「いやいやいやいやいや」




海未「とにかくこれでようやく曲のPVが撮れそうですね」

ことり「予定より随分遅れちゃったね」

真姫「曲?」

穂乃果「あ、言い忘れてたけど私達スクールアイドルやってるんだよ」

真姫「スクールアイドル…」

真姫「……ねぇ、穂乃果。私も仲間に入れてくれない?」

真姫「私、まだ諦めたくないの! 自分の音楽を!」

絵里「あ、私も! 私も入る!!」ハイハイハイ!

希「え、エリチ!?」

ことり「ふふ、一気にメンバーが増えたね」

海未「これで一気に六人ですね」

希「待てや!!!」

穂乃果「よーし、さっそくPV撮ろー!」

ピッ……ピッ……ピッ……




運転手「……」




ココア「うわぁ~ん! パパー!!」ビエエエエ!

ココロ「グスッ……なんで、何で……」ポロポロ…

コタロー「?」

にこ「……」

にこ「ココロ、ココアとコタローとよろしくね」ザッ

ココロ「お、お姉様…?」

にこ「警察の人が犯人は音ノ木坂の制服を着た化け物と言っていた……私が探し出して…」

にこ「仇を打ってやるわ!」

にこ「犯人は現場に戻るって何かで聞いたことがある…まずは…」



れっつごー、どぅーん!



にこ「ん?」



穂乃果「おおぉぉぉぉ!」


グシャ!


ことり「…はい、カット! いい絵が撮れたよ穂乃果ちゃん!」

海未「インパクトはバッチリですね」

絵里「かっこいい、カッコイイわ穂乃果さん!」ヒューヒュー!

真姫「生徒会長から許可も貰ったし、心置きなく道路に飛び出せるわね」

希「エリチを…エリチを返せー!」

にこ「い、いた…! 間違いなくあいつね…」

にこ「…」シャキン…



穂乃果「…そろそろ車も飽きてきたなぁ」

真姫「なによ、まだ上を目指すわけ?」

絵里「ハングリー精神溢れる穂乃果さんハラショー!」

海未「次はなんですか? 電車にでも勝つんですか?」

ことり「あはは、海未ちゃんったら」


アハハハハハハ


希「おかしい……この子ら絶対におかしい…」



にこ「……うわぁぁぁぁあああああ!」ダダッ

希「!! にこっち!?」

にこ「パパの仇ー!!」

穂乃果「!!」



ドスッ!

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