翼「プロデューサーさん……わたし、もう我慢できないよぉ」【ミリマスSS】 (148)

翼「クーラーつけようよ~」

昴「あ゛ーつ゛ーい゛ー」

翼「……だめぇ?」

P「よし、翼が言うなら仕方ないな」

このみ「小鳥さんからダメって言われてるでしょ」

昴「いや、でもホント暑いって」

翼「うぅ……汗でベトベト……」

P「よし、じゃああっちで俺とお着替えしよ」スパーン

このみ「ダメに決まってるでしょ!」

昴「あー、でも脱げるもんなら脱ぎたいよ、ホント」

P「ぬごうぜー、俺のことは気にせずぬごうぜー」

昴「バカ」

P「ご褒美です」

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P「っ!……気付いたぞ……俺は気付いた!」

このみ「また変なこと?」

P「いや、クーラーを使わず涼しさが手に入るすばらしい方法を思い付いた」

昴「マジかよ!」

翼「プロデューサーさん、さっすがー♪」

このみ「……嫌な予感しかしないのは私だけなの?」

P「そうと決まればあそこで溶けてる数人にも声を掛けて……あとは亜利沙らへんも呼んどくか」

P「はい、番号」

翼「いちっ」

昴「にー」

このみ「さん」

百合子「よん」

まつり「ご、なのです」

美奈子「ろくっ!」

P「うん、まあちょっと少ないけどまあいっか」

百合子「……で、集めて何をするんですか?」

P「これだ」

翼「これ……」

まつり「水鉄砲なのです?」

P「そう、水鉄砲だ」

このみ「あー、それを撃ち合って涼しくなろうっていう遊び?」

P「いや、これは真剣勝負……仕事だ」

美奈子「え?遊びじゃないんですか?」

P「三分で企画をまとめた」

百合子「……仕事が早すぎませんか?」

P「じゃあルール説明、いくぞー」

翼「はーい」

P「フィールドはシアター内全域」

昴「いきなりスケールがでかすぎないか?」

P「知らん」

百合子「適当ですねぇ……」

P「全員にこのターゲットを付けてもらう。このターゲットが破れたら負け、終了」

まつり「つまり、そのターゲットを水鉄砲で撃ち抜けばいいのです、ね?」

P「そ、最後の一人になるまで続ける」

このみ「で、優勝者には何かあるの?」

P「そうだなぁ……じゃあ、俺がなんでも言うことを聞く、とかでどうだ?んー、これじゃあ誰もやる気にならないか」

ガタッ

美奈子「さあ、早く始めましょう!」

P「ちなみに、全員にはこれを着用してもらう」

百合子「なんですか?……えっ」

昴「……いくらシアター内でもさ、水着はちょっと……」

P「そっかー、でも、これを着ないと戦えないし、昴は戦わずして負けちゃうのかぁ、残念だなー」

昴「……わかったよ、着てやるよ!着て正々堂々と勝ってやる!」

P(チョロい)

このみ「……これ、リタイアは」

P「してもいいですけど、映像に残りますよ」

このみ「うわっ……」

P「あ、ちなみにこの水鉄砲結構威力あるからな、試しに撃ってみるぞー」

まつり「室内で撃っていいのです?」

ガチャ

桃子「お兄ちゃん、今そこで亜利沙さんが呼んで……」ビシュッ

P「あ」

育「桃子ちゃん」

環「ももこ?」

~~

桃子「正座」

P「ごめんなさい」

P「育は危険だ、こっちで解説をしよう」

育「かいせつ?わかった!」

桃子「桃子は?」

P「はい、水鉄砲」

桃子「……」ビシュッ

P「目は!目は卑怯だ!」

環「くふふー、負けないぞ!」

P「談合、同盟は大いに結構!水鉄砲は色んな所に隠してあるから、何丁でも装備するといい!」

このみ「無駄な所凝ってるわねぇ……」

P「水の補給は補給ポイントで行うこと!それでは各自、解散!」

翼「ラジャー♪」

美奈子「わっほーい♪」

育「わたしは?」

P「ここで皆が準備できるのを待っとこうな」

P「えー、ここからは企画者の私、Pと」

育「じっきょう?の中谷育と」

亜利沙「カメラマン兼解説の松田亜利沙の三人でお送りします!」

P「いやー、衆人環境の中での水鉄砲バトル、心踊るものがありますね」

亜利沙「そうですねぇ、亜利沙も今からワクワクが止まりません♪」

育「プロデューサーさん、わたしはなにするの?」

P「ここで好きなことを話せばいいんだよ」

亜利沙「何故か育ちゃんまで水着
を着せられてることは言わないでおきますね♪」

P「言ってる言ってる」

画像先輩はまだか

亜利沙「ちなみに、今シアターに来ているお客さんにこの事は?」

P「放送で伝えました、あとモニターでカメラの映像を流します」

亜利沙「なるほど、お客さんも巻き込んじゃうんですね」

P「まあ、折角来てくれてるんですし」

育「プロデューサーさん、どうしてけいごなの?」

P「これ、DVDになるから」

育「えっ、そうなの?」

P「えー、というわけで全員の準備ができたみたいですね」

亜利沙「戦いの女神は誰に微笑むんでしょうか!」

昴「環、ここは一緒に戦おうぜ」

環「うんっ、二人で一人、だぞ!」

~~~~~

このみ「ま、大人のセクシーさで優勝を奪い取るのもやぶさかじゃないわね」

~~~~~

桃子「まつりさん、頑張ろうね」

まつり「姫は絶対負けないのです」

~~~~~

百合子「風の精霊よ、私に力を!」

~~~~~

翼「よーし、頑張っちゃおーっと♪」

~~~~~

美奈子「これで優勝すればプロデューサーさんと……わっほーい!」

~~~~~

P「さあ、それでは第一回『ドキッアイドルだらけの水鉄砲バトル!~ポロリは編集によりカットします~』が始まります!」

3

2

1

『スタート!』

亜利沙「最初の段階で同盟を組んでいるのは環ちゃん、昴ちゃんの二人と桃子ちゃん、まつりちゃんの二人みたいですね♪」

P「昴と環は機動力を活かして行くつもりでしょうね。桃子とまつりは……どうなんでしょう」

育「桃子ちゃん、がんばれ!」

  ~~  

百合子「この場所に来るまでに四個怪しい箱がありました……きっとあそこに水鉄砲が隠してあるんでしょう」

 ~~ 

P「百合子が躊躇わずに水鉄砲の隠し場所に向かっていく……分かっているんでしょうか」

亜利沙「きっと行くときに何個か確認していたんでしょう」

P「頭が回ってますねぇ」

亜利沙「こういったゲームもやりこんでるんでしょうか」

P「さて、選手の中では24歳ともっとも年長の馬場このみ選手は」

  ~~  

このみ「ここなら周りからの死角になるわね……今回だけは私の小ささを徹底的に有効活用するわよ」

  ~~  

P「お店とお店の間の狭いスペースに隠れてますね……」

亜利沙「さすが143cmの上から75-55-79、この中では桃子ちゃんに次いで二番目に小柄ですからね」

育「プロデューサーさん、ここ、あついね」

P「じゃあクーラーつけるか」

ピッ

亜利沙「えっ、いいんですか?」

亜利沙「おや、銃撃戦が始まったみたいですよ?」

P「お、誰が戦って……」

  ~~  

昴「へへーん、オレたちについてこれるかな!」

環「ふふーん!」

翼「えっ、ちょぅ、うわぁっ!」

  ~~  

P「おー、すっごい揺れてますねぇ、どことはいいませんが」

亜利沙「そうですねぇ、凄いですねぇ、どこがとはいいませんけど」

育「ふたりとも、どうしたの?」

P「んー、しかし翼は防戦に徹してますねぇ」

亜利沙「昴ちゃんと環ちゃんはこのシアターでも運動能力が高い二人ですしねぇ」

P「……あ、今度真&海美vs昴&環でやらせてみよう」

亜利沙「第二弾をお楽しみに♪」

翼「もうっ、えいっ!」

ビシュッ

昴「そんな苦し紛れの一発、当たんないぜ!さあ環、一気に撃ち込んでフィニッシュだ!」

環「うんっ!」

  ~~  

亜利沙「二人が攻めてきましたねぇ」

P「これは流石に翼も……」

  ~~  

翼「ま、まだまだ!」

昴「えっ、ちょっ、マジ!」

環「全然当たんないんだぞ!」

  ~~  

P「もうずっとこれを見ていたい」

亜利沙「昴ちゃんたちにはずっと攻撃し続けてもらいたいですね」

育「つばささん、がんばってー!」

P「しかし、水着には当たってますけど、ターゲットは上手く回避してますねぇ」

亜利沙「凄いですねぇ……あれ、多分直感で動いてます」

P「この動画だけでも売れるんじゃないでしょうか」

亜利沙「この映像を映している特設モニター前も大盛り上がりですね」

昴「くっ、でもそろそろ体力が尽きて……」

カシャ

環「すばる、もう撃てないよ!」

昴「くっ……一回退くぞ!」

タッタッ

翼「ふぅ、危なかった~……これで逃げられた、のかな?」

  ~~  

P「よく避けきれましたねぇ」

亜利沙「翼ちゃんは持ってますからねぇ」

P「しかしここで水がなくなってしまった昴、環ペア」

亜利沙「ここから一番近い給水ポイントは……あー、まだ遠いですねぇ」

P「それに二人は給水ポイントの場所を知りませんからね」

亜利沙「攻勢から一転、大ピンチですねぇ」

P「さて、じゃあ美奈子にカメラを向けてみましょうか」

亜利沙「そうですねぇ」

  ~~  

美奈子「さあ、どこからでも!……そこ!」

ロコ「ふぁぅっ!」

  ~~  

亜利沙「イベントに何の関わりの無いロコちゃんに当てちゃいましたね」

P「まあいくらシアター内とはいえあんなところで壁にグラフィティアートを描いているロコが悪いですね」

  ~~  

ロコ「トゥーバッドですミナコさん!」

美奈子「ごめんねロコちゃん!実はかくかくしかじかで……」

ロコ「なるほど……じゃあロコはもっとセーフティなプレイスに移動します」

美奈子「うん、気をつけてね」

  ~~  

P「うーん、ロコ参加フラグが立っていたのに……上手くいかないものですねぇ、松田さん」

亜利沙「ロコちゃんは服を着たままがいいんです」

P「同意です」

育「あれ、ロコさん、そっちは……」

P「そういえば百合子は二本目の水鉄砲を手に入れられたんでしょうか」

亜利沙「ちょっと確認してみましょう」

  ~~  

百合子「質より量!勝てば良かろうなのだぁっ!」

ガシャッガシャッ

百合子「私は今から、無慈悲なる風の戦士に……」

  ~~  

育「いちにーさんしー……ゆりこさん、5本持ってるよ」

亜利沙「ボックスNo2.4.8.11.14が開けられていますね……百合子ちゃんの周囲のボックス4つが全て開けられちゃってます」

P「あれ、てことは他にも水鉄砲を手に入れた人がいるわけですね」

亜利沙「そうみたいですねぇ……他のカメラで見てみましょうか」

きょうはここまで。続きはまた明日に

ピコーンピコーン

亜利沙「ふむぅ……カメラの切り替えは待った方がいいですねぇ」

P「おや、何かあるんですか」

亜利沙「百合子ちゃんの所に昴ちゃん、環ちゃんの二人が接近中です♪」

  ~~  

百合子「この戦場で最も大事なものは情報……情報を支配するものが勝利を……っ!」

タッタッ

百合子「足音……一般人か、それとも……とりあえず隠れて様子を見ないと」

百合子「水鉄砲も用意をして……うん、普通の形のでいいや」

ガシャッ

百合子「今始まる、私の伝説!」

亜利沙「こう、所々痛いというか」

P「これが終わったら百合子に見せてあげようと思います」

亜利沙「その時はぜひ亜利沙も呼んでください」

P「ええ、ぜひぜひ」

亜利沙「ところで、百合子ちゃんが一つだけ形の違う水鉄砲を持ってるみたいですけど」

P「あ、そうですね」

  ~~  

昴「そういえばプロデューサー、給水ポイントがあるみたいなこと言ってたな」

環「このままだと、環たち負けちゃうぞ……」

百合子(昴さんに……環ちゃん?給水地点を目指しているということは……水切れ?)

  ~~  

P「箱の中には、四種類の水鉄砲のどれかが入っているんです」

亜利沙「というと?」

P「まずはNo1からNo7までの箱に入っている普通の水鉄砲です。これは全員の初期装備と同じものですね。ごくごく一般的なものです」

  ~~  

昴「……でも、給水ポイントって、どこだ?」

環「うーん……」

百合子「立ち止まって、そのまま持っている銃を落としてください」

昴「っ!」

  ~~  

P「No8からNo10、これは射程が短い代わりに一気に何発も撃てる散弾銃タイプです。その代わり、一回の給水で一発しか撃てません」

亜利沙「百合子ちゃんが一つだけ変わった形の水鉄砲を持ってますけど、それですか?」

P「そうですね、あの形です」

  ~~  

昴(オレたちの銃はどっちも水切れ)

昴(……百合子の銃はオレたちに向けている一個と、足下に三個)

昴(……どうにかしてあの銃を手に入れられれば、まだ勝機はあるかもしれない、けど)

百合子「手を上に挙げてください」

環「すばる……環たち、ここで負けちゃうの?」

昴「まだ……どこかに隙があるばず」

  ~~  

P「No11からNo13、これは一回の給水で一回しか撃てない代わりに、射程が普通の水鉄砲の数倍あります」

亜利沙「さしずめ、ライフルタイプ、ですか?」

P「そうですね、特定の状態では大きな効果があるでしょう」

亜利沙「そして、残りの二つは?」

  ~~  

昴「オレたち、ここで撃たれて終わりなのか?」

百合子「そうですねぇ……」

昴「例えば、協力するとか、そういうのは?」

百合子「……うーん」



百合子「──現実は、非情なんです♪」



  ~~  

P「No14、No15の二つの水鉄砲。一見普通の水鉄砲と同じに見えますが──」

百合子「さあ、チェックメイトです、昴さん、環ちゃん」

百合子「……いい夢を」

P「水が撃てない」





【Chapter1】
   『各々の戦略』





カシャカシャ

百合子「……あれ?」

  ~~  

昴「……い、今だ!」

環「うん!」

百合子「あっ」

ガシャ
ガシャ

昴「二対一になった」

百合子「…………あの、協力しませんか?」

  ~~  

P「百合子、持ってるなぁ……色んな意味で」

育「ゆりこさん……運がわるすぎ……」

P「亜利沙……じゃなかった、松田さん、どう思いますか?」

亜利沙「自分優位の立場から一転大ピンチ、この表情がいいですねぇ」

P「それは同意します」

亜利沙「『現実は非情』とか『いい夢を』と言っておいてこれですからね♪」

P「もう流石百合子としか言いようがないですね」

育「プロデューサーさん、なんだかえがおがこわいよ?」

  ~~  

百合子「あの、はい、本当にすいませんでした……というわけで協力させてください」

昴「まあ、仲間が多いのはいいかもしれないけど……さっき撃たれかけた所だし……」

百合子「お願いします!今持っている情報とか全部教えますから!」

昴「うーん、環、どうする?」

環「うぅ……ゆりこ、怖いんだぞ……」

百合子「あぁ……信用されてない……」

昴「でも、情報なんかは欲しいしな……」

百合子「わ、分かりました!じゃあ、私の持っている水鉄砲も全部渡しますから」

昴「まあ、それなら百合子は攻撃できないし……あれ、でもそしたら百合子っている意味あるのか?」

百合子「なら、私がこのチームのブレインになります!」

環「すばる……どうするの?」

昴「確かに、百合子はゲームとか得意だし、戦略を立ててくれるのは心強い……かも」

百合子「ということは……」

昴「オッケー、協力しよう」

百合子「ありがとうございます!」

  ~~  

亜利沙「ふむぅ……なんだか面白くなってきましたね」

P「百合子が同盟に入ったことで、戦略に幅が出ますし、何より持っている水鉄砲の数が一気に増えましたからね」

亜利沙「これで、単純な戦力は昴ちゃんたち三人組が一番ですねぇ」

P「百合子が自爆する可能性は多分にありますが」

亜利沙「それじゃあ、まつりちゃんたちの動向も見てみましょう♪」

P「一番予想できない二人ですからね」

  ~~  

桃子「まつりさん、本当にこんな所でのんびりしてていいの?」

まつり「ヒーローが戦うときには、自ずからそれにふさわしい舞台が出来るのです、ね?」

桃子「……まつりさんの言ってること、桃子全然わかんない」

桃子「水鉄砲とか集めなくていいの?それに、どこに何があるとか、誰がどこにいるとか知らないと何もできないよ?」

まつり「情報なんて、自分で動かなくとも勝手にやってくるのです」

『まつり様、七尾さんが永吉・大神ペアについたとの報告が』

まつり「ご苦労なのです♪まつり姫が誉めてあげましょう♪」

『はっ、有難き幸せに御座います』

まつり「と、周りの人に頼めば、情報なんて簡単に手に入るのです」

桃子「えっと、あの……まつり、さん?」

まつり「それに桃子ちゃんは、環ちゃんに一対一で勝つ自信はあるのです?」

桃子「……ムリ、かも」

まつり「闇雲に動いても無駄なのです」

ガシャッ

まつり「……まだ、動くには早すぎるのです、ね?」

  ~~  

P「うーむこのラスボス感」

亜利沙「お客さんをいいように使ってますねぇ……それに、お客さんも満更じゃなさそうな感じです」

P「そりゃあ、アイドルのイベントに間接的とはいえ自分も参加できるんですから喜んでやるでしょう」

亜利沙「それに、まつりちゃんに使われるなら本望だってファンの人もいるでしょうしねぇ……もちろん亜利沙も」

P「まあ、この話は色々変な方向に行きそうなので、ひとまず止めておきましょうか」

育「まつりさん……こわいよぉ……」

P「……ところで、水着に紅茶って物凄く違和感ありません?」

亜利沙「確かに」

P「……しかし、水着で足を組まれるとスタイルのよさが引き立ちますねぇ」

亜利沙「なんでしょうこの色気……ありさメモに記録しておかないと」

翼「そっかぁ……さっきみたいに二人で来ちゃうかもしれないのか~」

翼「こういうのって、隠れた方がいいのかな?……いや、そういうのは伊吹翼らしくないっ!全力でいくぞ~っ!」

  ~~  

P「そうですね、翼には今後も全力で避けてもらいたいですね」

亜利沙「そうですね……ところで」

P「どうしました?松田さん」

亜利沙「ターゲットと言っていますが、どういうものなんですか?」

P「そうですね、解説しておきましょう……育ー、出番だぞー」

育「はーい♪」

P「まず、これがターゲット」

亜利沙「腕時計に金魚すくいのポイがついたような形ですね」

P「ええ、まさにその通りです」

亜利沙「この、ポイの部分を撃ち抜かれたら負け、とそういうことですか」

P「そういうことですね」

亜利沙「で、どこに着けるんですか?」

P「はい。育、腕出して」

育「こう?」

カシャッ

P「……と、腕か足かに装着します」

亜利沙「なるほど、水着だから隠しようもないですね」

P「そうですね」

育「これでわたしのでばん、終わり?」

P「ゆっくりしてていいぞ」

  ~~  

このみ「場所を間違えたわね……人が来ないわ」

このみ「もうちょっと良さげな場所に、隠れながら移動しようかしら」

このみ「出来れば、一人くらい仲間が欲しいものだけど……」

  ~~  

タッタッタッタッ

このみ「誰かしら」

美奈子「まだ、ロコちゃんに会ってから誰にも会ってないなぁ……」

このみ「……美奈子ちゃん……そうね」

美奈子「うーん、そろそろ戦ってみたくもあるし、でも負けちゃうのはいやだし」

このみ「美奈子ちゃん!」

美奈子「はっ、はい!……このみさんですか」

ガシャッ

このみ「待って、戦う気は無いわ」

美奈子「……え?」

このみ「美奈子ちゃん、簡潔に言うわ。……私と手を組まないかしら?」

美奈子「…………」

  ~~  

とりあえずこれだけ。

これから話に関わるキャラ募集
今まで出てきたキャラ(ロコは除く)以外のシアター・ASの誰かで
↓1~5

誕生日だしうみみで

  ~~  

ロコ「まったく……ミナコに続いてツバサまでロコをジェノサイドしようとするんですから」

海美「あれ、ロコちゃんどしたの?」

瑞希「濡れていますが……そういうアートなのでしょうか」

ロコ「違います!いまここはベリーデンジャラスなんです!」

海美「え?」

ロコ「実は……」






【Chapter2】
   『乱入者』






海美「なるほど、そんなおもしろいことをやってたなんて……早速プロデューサーの所に」

瑞希「れっつごー、です」

ロコ「あぁ……こうしてまた劇場がデンジャラスになってしまうんですね……」

海美「というわけでプロデューサー、混ぜて!」

P「ん、はい、水着とターゲットと水鉄砲」

亜利沙「軽っ……いや、ずいぶん軽いですねぇ」

P「人数はちょっとくらい多い方が面白いですから」

瑞希「どうして二人は敬語なのでしょうか」

P「気にするな」

>>58
高坂海美(16) Da
http://i.imgur.com/HXH1Skm.jpg
http://i.imgur.com/kfDq08a.jpg

真壁瑞希(17) Da
http://i.imgur.com/E3YKmfV.jpg
http://i.imgur.com/jajdRfx.jpg

P「ざっと今の戦況を……いや、教えると面白くないな」

P「とりあえず、現在の参加者は昴・環・百合子にまつり・桃子・翼と、美奈子・このみ・杏奈の9人だ」

海美「その九人を倒しちゃえばいいんだね?よーっし、ぱぱっとやっちゃうよ!」

P「……まあ、まだまだ増えるかもしれないけどな」

瑞希「どういうことでしょうか」

P「乱入するのはお前らだけじゃないかもしれないってこと」

  ~~  

杏奈「……」

昴「っていうゲームをしてる」

杏奈「えっと……興味は、ある……けど」

百合子「もし杏奈ちゃんがゲームに参加したとしたら、私たちに協力してくれる?」

杏奈「……うん、いいよ」

昴「……で、百合子は杏奈に何をして欲しいんだ?」

百合子「プロデューサーさんに、聞いて欲しいことがあるんです」

  ~~  

杏奈「これで……杏奈も、参加者?」

P「9人目、イレギュラーな乱入者だな」

杏奈「……あの、プロデューサー、さん」

P「どした?」

杏奈「これからも……人、増えるの?」

P「うーん、参加したいって言ってきたら全員受け入れるつもりではいるけど」

杏奈「……そう、分かった」

  ~~  

杏奈「……だって」

百合子「よし……これで」

昴「誰でも参加できる、って分かったら何かあるのか?」

百合子「私たちの仲間になってくれる人を乱入者としてひきこめば、私たちのグループの戦闘員が一気に増加します」

環「?」

百合子「質より量、人海戦術」

杏奈「……レベルをあげて、物理で……殴る?」

百合子「どんな相手だって、圧倒的数の差でもってすれば負けるはずはないんです」

昴「んー、じゃあ何だ、とりあえず、劇場にいるゲームに参加してないアイドルを探せってこと?」

百合子「そうですね、味方は多ければ多いほどいいです」

  ~~  

美奈子「ところで、これからどうするんですか?」

このみ「そうねぇ、私たちを除いて残り6人でしょ?で、最初から一緒にいたのが昴ちゃん、環ちゃんの二人と桃子ちゃん、まつりちゃんの二人でしょ?……できれば、早いうちに百合子ちゃんと翼ちゃんを仲間に入れておきたいのよ」

美奈子「なるほど、そうですね」

このみ「とりあえず、どちらかを仲間にするところから始めようと思って」

  ~~  

『まつり様、三人が新たにゲームに参加致しました』

桃子「まつりさん、どうするの?」

まつり「放っておけばよいのです、姫には桃子ちゃんがいるのですし」

桃子「……え?」

まつり「そんなに焦らずとも、相手の方からやってくるのです、ね?」

ザッ

まつり「ほら」

桃子「ま、まつりさん!」

海美「やっほー♪」

桃子「海美さん……に、瑞希さんまで」

瑞希「『とりあえずまつりんとやりたいっ』と、高坂さんが」

まつり「どうしてまつりがここにいるって分かったのです?」

瑞希「お客さんに聞きました」

まつり「……ふむ、なるほど……これは強敵なのです」

桃子「二対二、だけど……どうするの?」

まつり「……桃子ちゃんは逃げるのです」ボソッ

桃子「……え?」

まつり「ここで二人とも倒れるよりは、一人でも生き残った方がいいのです」

海美「ねーねー、早くやろうよ♪」

まつり「……いつでもかかってくるのです、返り討ちにしてやるのです、ね」

桃子「まつりさん……だったら桃子が身代わりになるから」

まつり「心配ないのです、桃子ちゃん」ポンポン

桃子「んっ、頭……」

ガシャ

まつり「桃子ちゃんの水鉄砲、ちょっとだけ借りていくのです……かわりに、さっき拾ったこの水鉄砲は渡しておくのです」

海美「お、二刀流?楽しくなってきたね♪」

瑞希「ミズキの真の力、解放、するぞ。……がしゃり」

まつり「さあ、桃子ちゃんは逃げるのです」

桃子「まつりさん……やっぱり桃子も戦う─」

まつり「早く!」

桃子「……分かった、まつりさん……無事でね」

まつり「まつりは姫なのですから、当然なのです、ね?」

タッタッ

まつり「……これで、この戦いを見る人はいなくなったのです」ボソッ

瑞希「高坂さん、周防さんが逃げましたが」

海美「うーん、なんだかこっちの方が面白そうだし♪」

瑞希「わかりました」

まつり「……さぁ、始めるのです」

瑞希「負けません。がんばる、ぞ」

まつり「ふぅ、紅茶のお代わりを頼む時間は……無いのですね」

  ~~  

亜利沙「なんですかこれ」

P「死亡フラグ乱立ですね……あ、戦闘始まりました」

  ~~  

まつり「一人でも二人でも戦いかたは同じなのです!」

瑞希「高坂さん、回り込みましょう。挟撃します」

ビシュッ
ビシュッ

まつり「そんなヘタな戦略がまつりに通用すると思ったのです?……全部避けきってやるのです」

海美「あれ、まつりん撃たないの?撃たないと負けちゃうよ?」

まつり「姫の考えは誰にも理解できないのです」

まつり「挟撃される前に……」ボソッ

タッタッ

海美「あ、狭い道に行っちゃう」

瑞希「追いましょう。私たちの優位は変わりません」

タッタッタッタッ

  ~~  

亜利沙「あぁぁ……小道に入っちゃいました……」

P「それならカメラを切り替えて……」

亜利沙「違うんです……あの道はちょうどカメラを仕掛けていないところでして」

P「どういうことですか?」

亜利沙「カメラ、足りなくなっちゃいまして」

P「……ということは、ひたすら待つしかない、ということですか」

亜利沙「そっ……その間に他のアイドルちゃんたちの様子を見てみましょう!」

  ~~  

美奈子「それで、どうすればいいんですか?」

このみ「そうねぇ、警戒すべきは昴ちゃん、環ちゃんとまつりちゃんね」

美奈子「みんな体力もありますからね……あ、でも、昴ちゃんとは戦ってみたいかな」

このみ「まぁ、追々その機会もあると思うわ」

美奈子「そうですよね♪」

このみ「あとはまつりちゃんだけど……」

タッタッ

美奈子「!」

このみ「敵かもしれないわね……さっき言った通りにお願い」

美奈子「分かりました!」

このみ「私は隠れて……」

美奈子(私が前線で戦って、敵が隙を見せた瞬間隠れていたこのみさんがターゲットを撃ち抜く……)

美奈子(……わっほーい!楽しくなってきた♪)

タッタッ……タッ

桃子「……美奈子さん?」

美奈子「……桃子ちゃん」

ビシュッ……ビシュッ

桃子「待って、美奈子さん!」

このみ「桃子ちゃんはまつりちゃんと一緒にいたはず……きっとまつりちゃんも近くにいるわ!」

桃子「っ……このみさんも……どこ?」

美奈子「桃子ちゃん、脅威にはならなそうですけど……」

このみ「相手はまつりちゃんよ、どんな策を使ってくるか分からないわ……桃子ちゃん相手でも全力でいくわよ」

桃子「違うの!」

美奈子「……何が?」

桃子「……まつりさんは……負けた、はず」

このみ「……それ、本当?」

ガシャン

桃子「桃子、戦う気はないよ……ここで撃たれてもいい」

美奈子「銃を落とした……このみさん、桃子ちゃんの話、聞きましょう」

このみ「……もしかしたら罠かもしれないわよ?これで油断した隙にまつりちゃんがズドン、とか」

桃子「違う!桃子は見てないけど……きっと……まつりさんはもう……」

このみ「……分かったわ、話を聞きましょう」

桃子「……ってなって」

美奈子「えっと、つまり、まつりさんが桃子ちゃんをかばって犠牲になったってこと?」

このみ「本当に負けたかどうかは分かってないわよ」

桃子「でも、二対一だよ?それに海美さんだし……」

このみ「たしかにそうだけど……正直なところまつりちゃんの実力ってわからないのよねぇ」

美奈子「確かに」

このみ「……まあ、そもそも乱入があるとか知らなかったわよ」

桃子「今は、杏奈さんと海美さん、瑞希さんが乱入してるみたい」

このみ「で、百合子ちゃんは昴ちゃんの仲間になっちゃったの」

桃子「うん」

美奈子「さすが昴ちゃん……」

桃子「……で、このみさん、お願いがあるの」

桃子「瑞希さんと海美さんを倒して欲しいの……桃子のかわりに」

このみ「……倒せるかしら」

美奈子「優勝するには倒さないといけないですけど」

このみ「とりあえず、さっきの方法でやっていくのが吉かしら」

美奈子「とりあえず桃子ちゃん、一緒に戦おうよ」

桃子「……わかった」

桃子「でも、桃子がいても足手まといになるだけじゃない?」

このみ「大丈夫よ、桃子ちゃんと同じくらいの私がいるんだから……小さくない!」

桃子「なんで一人でボケツッコミしてるの?……うん、じゃあ、これからよろしく」

  ~~  

P「で、三人とも所在は」

亜利沙「ぴったりカメラのないところを通ってますねぇ……どこにいるのかまったく追えません」

育「すぅ……すぅ……」

P「寝てんだけど」

亜利沙「水着で寝てる……むふふぅ……」

  ~~  

翼「えーっと……」

未来「おっはよーっ!……あれ、翼どうして水着なの?」

星梨花「あ、知ってます!『くーるびず』って言うんですよね♪」

静香「……違うと思うわよ」

翼「あのね、プロデューサーさんが……」

翼「……ってことがあって」

未来「へぇ~」

静香「ダメよ」

星梨花「そんなことをやってたんですね♪」

静香「ダメよ」

未来「えへへ、私も─」

静香「ダメって言ってるでしょ」

翼「私も、未来はいいかなーって」

未来「えー!?翼ヒドいよーっ」

翼「だって絶対転んで自爆するでしょ?」

静香「……私も、翼に同意せざるをえないわね」

星梨花「わたし、参加して─」

静香「ダーメ、すぐ負けちゃって終わるのがオチよ」

>>82
春日未来(14) Vo
http://i.imgur.com/oV3VZc4.jpg
http://i.imgur.com/WvUCwu9.jpg

最上静香(14) Vo
http://i.imgur.com/jrr3RvS.jpg
http://i.imgur.com/UUjXjj8.jpg

箱崎星梨花(13) Vo
http://i.imgur.com/P3U4Yho.jpg
http://i.imgur.com/q44D2qr.jpg

未来「でも静香ちゃん、優勝したらプロデューサーさんから
ご褒美だよ?なんでもいいって」

静香「ご褒美、と言われても」

未来「うどん食べ放題でもいいんだよ?」

静香「……それは、心惹かれるけど……やっぱりダメよ」

未来「えーっ、静香ちゃんの頑固ー!」

静香「だって、これって結局私がサポートに回る流れでしょ」

翼「多分そうなっちゃうよねぇ」

星梨花「そうなんですか?」

静香「そうよ」

静香「……そもそも未来、水着は恥ずかしいんでしょ?これって水着じゃないと参加できないのよ」

未来「あれ、そんなこと言ってた?」

翼「言ったよ~」

未来「うぅ……じゃあ諦めるしかないよぉ」

星梨花「あ、私は水着でも」

静香「はいはい、そうね……じゃあ、翼、頑張って」

翼「ありがと~、じゃーねー、静香」

  ~~  

P「水着!未来の水着!星梨花の水着!なんでだよ!」

亜利沙「いくら静香ちゃんでも、そんなことは許されません!」

育「……ふぇ?」

P「あ、ごめんごめん、起こしちゃったか?」

育「わたし、ねてた?」

P「あ、まだまだ寝てていいぞ」

育「ほんと?……おやすみぃ……」

ガチャ

静香「呼びました?」

P「参加しようぜ」

静香「いやです」

亜利沙「参加しましょう」

星梨花「やります!」

静香「させない!」

P「えー、なんでよー」

静香「なんだかんだで三人とも参加させるつもりですよね」

P「そ、そんなこと……ないよ」

静香「目を見て言えますか」

P「のヮの」

未来「私、水着は……ちょっと」

P「んー……じゃあいいや、ここでグダグダしよう」

未来「ぐだぐだ?」

P「ここにモニターあるじゃん」

静香「そうですね」

P「それ見ながらああだこうだ言うだけの簡単なお仕事です」

未来「ああだこうだ?」

P「で、一気にモニター前が狭くなった」

亜利沙「二人が五人に増えましたからねぇ」

未来「あっ、翼ちゃんが映ってる!」

静香「このカメラ、どうしたんですか?」

亜利沙「亜利沙の持っているカメラを全部設置しちゃいましたぁ」

星梨花「全部、ですか?」

亜利沙「でも、それでも劇場全部をカバーするのは無理でした……むむぅ」

P「いや、十分だろ」

P「んー、じゃあまた実況に入りますか」

亜利沙「そうですね♪」

静香「……なんで敬語になるんですか」

P「え、だってこれ後々DVDで発売されるし」

未来「え?」

P「というわけで松田さん、桃子が美奈子の仲間になりましたが」

亜利沙「ふむ、正直なところ戦力とはいいがたいですねぇ」

P「まあ、確かに他の娘たちと比べると劣る部分があるのは否定できませんね……比べる対象が間違っている気もしますが」

静香「他に誰がいるんですか?」

P「ざっと昴、環、美奈子と海美」

静香「あぁ……そうですね」

  ~~  

昴「……ロコしかいなかった」

百合子「……乱入者については、諦めた方がいいですね」

環「ところで、この水鉄砲どうするんだ?」

杏奈「二人の……水切れ……」

昴「百合子、補給所ってどこだっけ」

百合子「えーっと……ここから少し行ったところです」

昴「じゃ、とりあえずそこを目指すか?」

百合子「それじゃあ、昴さんと環ちゃんはもう一本ずつ、この水鉄砲を持っていてください」

昴「お、サンキュ」

百合子「杏奈ちゃんはこの形が違うのを」

杏奈「……百合子さん、は?」

百合子「私はこの二本ですね」

昴「あれ、でもそれって、一本は撃ち終わったオレだし、もう一本はあの撃てないヤツだよな」

百合子「二本とも撃てないことを知っているのは、ここにいる四人だけです」

環「でも、危ないぞ?」

百合子「この水鉄砲が撃てないことを知らない人は、私が水鉄砲を二本持っていることを警戒しないといけません……つまり、持っているだけでも影響は与えられるのです」

環「うぅ……よくわかんないぞ」

百合子「それに、私が使える水鉄砲を持っていても無用の長物ですから」

昴「……わかった、ありがとな」

百合子「いえいえ」

百合子「できれば、水鉄砲も集めておきたいところですけど」

タッタッタッタッ

  ~~  

桃子「あっ、そうだ……このみさん、これ」

このみ「……あら、いいの?」

桃子「うん、ちょうど三本拾えたし、桃子はこんなに使えないから」

美奈子「二刀流のガンマン……わっほーい!」

  ~~  

海美「あ、環もいるんだっけ?あーっ、楽しみ!」

瑞希「そうですか。……少し、ドキドキ、です」

  ~~  




【幕間】
   『商売繁盛』


P「現場の最上さん」

静香『はい……って、どうして私がこんなことをしないといけないんですか』

P「まあまあ、いいからいいから」

静香『まったく……私は今、劇場内特設モニター前に来ています』

P「凄い盛り上がりですねぇ」

ワーワー

静香『…………』

P「最上さん、どうしました?」

静香『いえ、なんだか嫌な予感がして』

ひなた「220円のおつりだよぉ、これ持って待っててねぇ」

千鶴「これ、72番のお客様の分が出来上がりましたわ!」

亜美「ラジャー!」

真美「いってくるねーっ!」

美希「あふぅ……このおにぎり、食べちゃダメなの?」

雪歩「あっ、それはお客さんに……」

P「……ねぇ、あいつら何してんの?」

静香『……私に聞かないでもらえますか?』

プルルルル……プルルルル
ガチャ

P「はいもしもし……小鳥さん、どうしました?」

P「いやー、それほどでも……あ、小鳥さん、いま劇場にいるなら、ちょっとやって欲しいことがあってですね」

P「実は、アイドルの娘たちが勝手にお店を出しはじめてまして……早く撤収させないと」

P「……えっ、その必要はない?」

P「……いや、はい、わかりました」

ガチャ

静香『どうしたんですか』

P「気にするな」

ワーワー

静香『……あそこにも人だかりが』

P「……嫌な予感しかしないな」

麗花「昴ちゃんが2.6倍、海美ちゃんが2.8倍です♪」

奈緒「早く買わんと締め切るで!」

麗花「大穴の百合子ちゃんが59倍、桃子ちゃんは74倍です♪これは買うしかないですよね?」

朋花「さ~、子豚ちゃんたち、当てれば大チャンスですよ~」

P「…………事務所潰す気か!」

プルルルル……プルルルル

P「あの、小鳥さん、至急特設モニター前にお願いします」

P「何故だかギャンブルを始めた奴等がいて、すいませんが処理をお 願い…………は?全部私が指示した?これもですか?」

P「いや、わかってますよね?違法ですよ?……違法じゃない?いや、そんなわけ」

P「許可はとった?どこから…………国?国から許可が降りるんですか!?……いや、もういいです、勝手にしてください」

ガチャ

静香『プロデューサーさん、私は』

P「見てみぬふりして帰ってこい……きてください」

静香『……わかりました、それでは、現場から最上静香でした』

スタスタ

静香「ふぅ、どうして私がこんなことを」

ガサッ

静香「…………誰?」

ビシュッ

静香「きゃっ!……私は参加してないわよ!」

静香「……まったく、誰だったのかしら……戻ったらプロデューサーさんに聞いてみましょう」

静香「……あれ、誰かしら…………ロコさん?」

ビクゥッ

ロコ「これで五回目!どうせロコはまたウォーターガンにエイムされてしまうんです!」

静香「えっと、そんなつもりは……」

ロコ「もうイヤです!ロコはただ一人静かにアートをクリエイトしたいだけなんです!ロコはこのゲームにはジョインしていないのでネグレクトするのがベターだと思います!」

タッタッタ

静香「あ、事務所なら安全で……行ってしまいましたか」

「……ちゃん、静香ちゃん」

静香「なに、また巻き添えを……杏奈?」

カクカクシカジカ
カマタマカマタマ

静香「……つまり、私に、この企画に参加して仲間になれってことね」

杏奈「……うん」

静香「仲間なら、もう十分いるように見えるけど」

百合子「これだけじゃあ不十分なんです!ただでさえ敵にはまつりさん、美奈子さん、翼さんがいるのに……」

静香「……あ、まつりさんは今生死不明です」

昴「……は?まつりが?」

静香「海美ちゃんと瑞希ちゃんと路地裏に消えてから、どのカメラにも映っていないですから」

環「うみみ!うみみもいるの?」

昴「その二人も結構アレだよなぁ……」

百合子「……静香さん、今起こっていることを全部教えてください」

静香「……参加しなくていいなら」

杏奈「……うん」

百合子「つまり、このみさんと美奈子ちゃんと桃子ちゃんの一組と」

昴「瑞希と海美の一組」

杏奈「……翼さん、ぼっち……なんだ、ね」

静香「そういう言い方はよくないと思うわよ」

百合子「完全に三つ巴ですか……」

環「たまき、うみみとたたかいたい!」

昴「うーん、まあ、このままだと戦うことになりそうだし」

百合子「生き残るのが先決ですね」

静香「まあ、私が知っているのはその程度ね」

杏奈「……ありがと」

昴「役に立った……のか?百合子、オレにはよく分かんないけど」

百合子「十分です!ありがとうございます」

静香「そうかしら……それじゃあ、私は事務所に帰りましょうか」

スタスタ

静香「環の撃ったのが当たったのかな……まあ、いいや」

  ~~  

昴「色々分かったみたいだけど」

百合子「そうですね、とりあえず人数的にはここが一番多いことが分かったのはいいですね」

杏奈「数の……暴力?」

百合子「それと、まつりさんがいなくなったことです」

昴「まつりも負けちゃうんだよなぁ」

百合子「正直、桃子ちゃんだけなら恐れるに足る相手ではありません……強いて言えば私レベルですから」

昴「百合子レベルかぁ、桃子が聞いたら怒るかな」

百合子「もうっ、茶化さないでください!」

翼「ふんふふんふふ~ん……水鉄砲ばっかり集まっちゃった……みんな、どこ~?」

  ~~  

P「すげえ、五本も持ってる」

亜利沙「……正直、邪魔そうですねぇ」

  ~~  

翼「う~ん……もったいないけど、置いてっちゃおっかな」

翼「えっと……ここに二本隠しとこっと」

ゴソゴソ

翼「う~、誰かいないかな~……」

タッタッ

  ~~  

P「……一人だけ見当違いな所にいますからね」

亜利沙「運の悪さを疑うレベルに他の娘たちのいる場所から離れてますねぇ」

P「他の三組は、わりかし近いところに固まってますからねぇ」

星梨花「えへへ、アイス美味しいです♪」

未来「プロデューサーさんっ、あーん♪」

P「あーん♪」

亜利沙「…………」

  ~~  

美奈子「まつりさんと桃子ちゃんがいたのって、ここ?」

桃子「うん」

このみ「……来てみたけど、特に何も無いわねぇ」

  ~~  

昴「結局誰にも会わなかったな」

百合子「普通に給水できましたね」

杏奈「……これで……安心」

環「……でも、なんだか退屈だぞ」

昴「そうだな、そろそろ暴れてみたいよな……これも使ってみたいし」

百合子「昴さん、その水鉄砲は最後の手段ですからね?」

昴「分かってるって」

  ~~  

桃子「……このみさん、聞こえた?」

このみ「……そうね、昴ちゃんの声」

美奈子「戦っちゃいますか?」

このみ「というより、戦わないと生き残れないわね」

桃子「声、近付いてくるね」

このみ「……待ち伏せするわよ」

  ~~  

昴「……もう残ってるのはオレたちだけだったりしてな」

百合子「そしたらどうします?この四人で戦いますか?」

環「うぅ……そんなのイヤだぞ……」

ビシュッ

杏奈「……えっ」

百合子「後ろからです!」

昴「ちょっ……タンマ!」

美奈子「わっほーい!待たないよっ!」

百合子「美奈子さん……厄介ですね」

ビシュッ
ビシュッ

杏奈「……百合子さん……援護射撃……きてる」

百合子「そう言えば仲間がいましたね……このみさんに桃子ちゃん!」

昴「おっ、おい、百合子、どうするんだよ!」

環「うぅ、このままじゃ負けちゃうぞ……」

百合子「数はこっちが優位です!とりあえずこのみさんと桃子さんの水鉄砲の射程から抜け出しましょう!」

美奈子「えへへ、そんな小細工効かないよ!」

  ~~  

P「今までにない大規模戦闘になりましたね」

亜利沙「パラダイスですねぇ」

P「そうですねぇ……揺れないのは揺れないので」

亜利沙「慎ましい魅力を感じますねぇ」






【Chapter3】
 『敵襲』




百合子「風の精霊ジン、水の精霊ウンディーネ!私に力を!」

杏奈「……メシアタイム……」

昴「一気に押し込むぞ!」

美奈子「っ……このままじゃ負けちゃうかも……」

このみ「マズいわ……水鉄砲が届かない」

桃子「美奈子さん……あっ」

このみ「桃子ちゃん、どうしたの?」

桃子「……まつりさんからもらった水鉄砲」

昴「さあ、フィニッシュだ!」

環「くふふー、わかったぞ!」

杏奈「……!?」ゾワッ

百合子「杏奈ちゃん?」

杏奈「みんな!緊急回避して!」

昴「えっ!?」

ビシュッ

このみ「……背後ががらあきよ」

百合子「杏奈ちゃん?……杏奈……ちゃん?」

昴「杏奈っ!」

杏奈「ごめんね…………みんな……」パタッ

百合子「ロングレンジから……昴さん!環ちゃん!ここは一時退却です!」

昴「くっ……」

美奈子「このまま押しきっちゃうよ!」

このみ「後追いは止めておきなさい!」

タッタッタッ

  ~~  

翼「うーん、走り回ってるのも疲れたかも~……ちょっと休もっと」

翼「ふ~……いま、誰が残ってるんだろ」

ガシャッ

翼「きゃっ!……私、疲れてて……ダメぇ~?」

ビシュッ

翼「うぅ……分かったよ~……」

  ~~  

このみ「えっと……杏奈ちゃん?」

杏奈「…………」

美奈子「もう、死んだフリしなくても……」

杏奈「……杏奈……撃たれちゃった、から」

桃子「別に、撃たれたからって倒れなくていいと思うんだけど」

杏奈「…………リアリティ?」

このみ「……そう?」

  ~~  

昴「ところでさ」

百合子「はい」

環「どうしたんだ?」

昴「なんで水鉄砲で撃たれただけなのに杏奈は倒れたんだ?」

百合子「あれ、普通は、撃たれたらとりあえず倒れますよね?」

昴「えっ」

百合子「えっ」

  ~~  

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