キョン「分子世界?」古泉「ええ」(11)

キョン「何を言ってる?」

あいつが突然言ってきた単語に対して俺の切り返しは正しいはずだ。

けれども古泉はくったくのないスマイルでこう返しやがった。

古泉「前に、超能力を見せると言いませんでしたか?」

いや、それじゃ答えになってねぇよ。

そもそも、その話はだいぶ前だろうが

古泉「ともかく、付いてきてください」

キョン「まさか、ハルヒ関連じゃないだろうな?」

古泉「そのまさかですよ、あなたも薄々分かってるでしょう?」

まぁ、そりゃそうだ。古泉が俺に話かけてくるのはだいたいハルヒ関連だしな。

にしても、なんでもう一回“超能力”がらみなんだ?

古泉「...閉鎖空間の状況が変わりました」

古泉「種類が変わった、のほうが正しいか」

...相変わらずお前の説明は分かりにくい。

いや、その前に、だ。

キョン「閉鎖空間になんで俺を連れて行く必要がある?」

古泉「あなたにも知っていてほしいのですよ。」

キョン「本当にそれだけか?他に企んでいることはないのか?」

古泉「はい、今のところは」

なんだ、その“今のところは”って。

キョン「やっぱりなんか企んでるじゃねーか」

キョン「まぁいいさ、どうせそうしないと帰れないだろ?」

古泉「まぁ、そうなんですよ」

一応説明しておこう。俺はキョン、普通の高校生だ。

まぁこれまでハルヒ関連で大変だったのはお前らも知ってるだろ?

そして、これから新しい面倒事に巻き込まれるのさ。

ったく、やれやれだな。

『涼宮ハルヒの望み』

古泉「ところで、あなたはパラレルワールドをご存知でしょうか」

キョン「平行な別世界ってやつか?」

古泉「ええ、そのようなものです」

キョン「それが今回の件に関連してるのか」

古泉「それに、ついては後のお楽しみです。おや、ついたようですね」

車は、いつしかの交差点で停まっていた。

古泉「では行きましょうか。おや、今回のものは“深度”が浅いですね」

いきなりなんか言い出したぞこいつ

古泉「ああ、目は閉じなくても結構ですよ」

キョン「はぁ?前は閉じた」

ろ、といい終える前に視界が歪んだ。

ああ、またこのパターンかよ...!そう呟いて俺の意識はブラックアウトした。

そうして、俺が目を覚ますと

辺りは人がごったがえしていた。

キョン「おい古泉、ちゃんと仕事しろ。どこが閉鎖空間だ、閉鎖空間のへの字もないぞ」

そうして古泉はやれやれと肩を上げ、『すいません、失敗しました』とは言わず、

古泉「いえ、ここです。ここは“元”閉鎖空間、我々は今分子世界と呼んでいますがね。」

替わりにこんなこと言いやがった。

キョン「...訳が分からん」

古泉「ここで立ち話もなんです。少し移動しましょう」

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移動中に古泉が説明した事をまとめると

ここは、突然閉鎖空間に代わり出現し
俺達の世界と少し異なる世界、らしい。

キョン「また話がややこしくなってきやがったな」

古泉「口では説明しづらいんですよ、ですからここに連れてきた次第です」

キョン「別に俺に知らせなくていいだろ」

古泉「いいえ、知っておいてほしいのです、涼宮さんの“鍵”として。そして」

古泉「我々の希望として、ね」

今こいつなんていいやがった。
俺が希望だと?んなバカな。

古泉「おや、疑っているようですね」

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