八幡「朝起きたら喰種になってた…。」 (215)

初投稿

稚拙な文章
若干シリアス
書き溜め無し
安価無し

そんな感じです。
下から始まり~

----------------------------

いつも通りの朝だった。
目覚ましに起こされ、洗面所で鏡を見ると随分と目が死んでいた。顔を洗うと、幾分か目の穢れが取れるが、死んでいることには変わりない。何気にすごくない?
歯を磨いていると、小町が起きてきて、眠そうにこちらを見てきた。可愛い。顔を洗う横顔を眺めていると、おもむろに目がキモいと言われた。うっとおしい。
両親共々、既に仕事に出ており、小町が朝飯を作る間に、俺は新聞を読む。

小町「おっまたせー」

今日の朝飯は食パンにサラダ、目玉焼きにウインナーと、申し分無い品揃えだ。

八幡「ずっと小町が居てくれたら、俺は嫁がなくても良さそうだな。」

小町「ふっふっふ…今のは小町的にポイント高いです。でも、早く妹離れしないとイケナイ一線を越えてしまうかもしれないよ?」

八幡「いや、千葉の兄妹でも現実で手を出そうと思わないだろ。」

小町「まぁ、もし手を出したらお父さんが凄いしねー」

八幡(あの親父も早く娘離れしろよ。息子離れは異常な早さだったのに…悲しくなんてないやい!)

朝の楽しみである小町との会話の中、パンに噛り付く。そこで、小さな違和感を感じた。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407248329

八幡(なんだ?)

口に入れた時は小さな違和感だった。しかし咀嚼する事で、味を理解する事で違和感は吐き気に変化した。

八幡「ぅ…!!?」

吐きでそうになるものを手で抑え、急ぎ食卓を離れトイレへ向かう。
後ろで小町の心配そうな声が聞こえたが、口の中のものを吐き出したい一心で便座を開ける、そして、

八幡「ぅ、っおぅぇぇえ!」

朝一から嘔吐した。

結局、その後は朝食を食べる気にはなれず、登校する事となった。
最初は小町のいたずらを疑ったが、心配そうな顔で背中をさすってくれる妹が、吐き気をもよおすような朝飯を用意するとは思えなかった。

小町「ほ…本当に大丈夫?学校休まなくてもいいの?」

自転車の後ろで、小町が心配そうに尋ねてくる。

八幡「大丈夫だよ。いや…でもせっかく口実と証人がいるんだからありかもな。というかありだ。引き返そう。」

小町「も…もうっ!そこはしっかり、ゴミぃちゃんなんだから!そんな返しが出来る元気があるなら、駄目です。」プイッ

八幡(ぐっ…拗ね方が可愛い。あざとさが無い分、ときめいてしまう。これがギャップ萌えか)

気分は悪いが、ここで表に出してしまう訳にはいかない。朝一番から自分の用意した食事に手を付けた兄が嘔吐した上、学校を休むと言ったら、看病すると言いかねない。それはそれで嬉しいが、近く、受験を控えた妹に気苦労を増やすわけにもいかないので、お兄ちゃんは頑張るよ。

小町を学校に送り届け、高校へ向かう。
幾分か食パンを口にしてからの気持ち悪い感覚はマシになっていた。

八幡(なんだったんだろうか…風邪か?)

しかし、体には朝の件以外に異常は無く、少々腹が減っている程度である。
一月も中旬、変なウイルスに感染していなければいいが…

ふと、携帯にメールが届く。ぼっちは携帯の振動に敏感である。ソースは俺。
八幡(差出人は小町か)

小町:お兄ちゃん!調子が悪くなったら連絡する事!(

寝ます。
話進めたいけど、早く書こうとすると難しい…
後sageの使い方良くわからんが合ってるのかな?

sag"e"いれてるとスレが一覧で上に来ない
sag"a"いれてると禁止ワードが自動で違う言葉に変換されるのを防止してくれる

投稿時はsagaだけだとスレが上がってくるから更新したのがわかりやすいかも

マックスコーヒーも飲めなくなるな

>>6 途中で切れてた。

小町:お兄ちゃん!調子が悪くなったら連絡する事!∧( 'Θ' )∧
格好付けて倒れたりなんてしたら、許しさないんだからね。(♯`∧´)
ぁ…いまの小町てきに(ry

八幡(おかんかよ…さすが母の血を継いでるだけある。それに比べ、うちの母さんは俺に対して本当にばあさんの血流れてるの?ってくらい冷たい。あれ?なんか何処かおかしい気がする。泣きそう。)

>>8
丁寧にありがとうございます。投稿時はsagaだけ付けます。

>>10,11,12
maxコーヒーを飲める事が救いみたいな流れ作ろうかと思ってたけど、blackしか駄目なんかな…まぁそんときは飲んでても許して

<教室>

朝の喧騒の中、頬杖をつきながら教室内を見渡す。
テンションが上がらない。いや…いつも通りなんだけど、朝あんな事があったんで、気が滅入っていると言うと正しいのだろう。
八幡(今日は誰とも関わりたくねぇな…)
まぁ、元々放っておいても、朝から俺に話しかける奴など…

???「やっはろー」

どうやら居たようだ。しかもこんな馬鹿みたいな挨拶する奴はおそらく由比ヶ浜だろう。

八幡「ぁん?…はっ!」

声のした方へ向くと天使がいた。

戸塚「あ…あれ、機嫌悪かった?なんかごめんね八幡。」

あはは…と弱々しくはにかむ戸塚。可愛い。というかいかん、戸塚に罵声はおろか、謝罪までさせてしまった。

八幡「いや、違うんだ。怒ってないぞ、由比ヶ浜かと思ったら戸塚で、天使かと思ったら可愛くて…つまりあれだ!結婚しよう。」キリッ

はっ!弁解しようとしたら、本音がポロポロと。

戸塚「あはは、何言ってるのさ。やっぱり八幡は面白いなぁ。でも、唯ちゃんにもあんな態度は駄目だよ。」

原作だって移植手術で喰種になったってのに朝起きたらってのは無理矢理すぎんじゃねーの

結衣、な

>>19
原因はあるけど、進行遅くて出てくるの遅くなるかも…


俺の告白は軽くスルーされてしまった。最近戸塚のスルースキルが上がって来た気がする。

八幡「由比ヶ浜と戸塚とじゃあ、突発的な対応が変わっちまうよ。」

戸塚「唯ちゃんと仲良いもんね。でも、女の子には優しくしないと、モテないぞー。って僕が言っても説得力無いよね。葉山君とかが言ったら説得力あるんだろうけど…。」

なぜ、ここまでの会話で俺と由比ヶ浜の仲がいい事になるんだろうか。

八幡「いや、表社会のことは知らんが、裏では戸塚はモテモテだぞ。」

ちなみに裏ってのは俺とか材木座とかぼち社会の事である。材木座と同類とか落ち込むなぁ…

戸塚「表?裏?よく分からないけど、ありがとう。お世辞でも嬉しいよ。」

八幡(お世辞じゃないんだよなぁ…)

戸塚「でも、よかったよ。なんだか朝から気分が悪いように見えたんだけど、元気そうで。」えへへ

何この生き物…お嫁さんにしたい。可愛い。朝から俺、叶わぬ恋しすぎじゃない?少女漫画なの?

戸塚は由比ヶ浜さん呼びだよ

>>24
すみませんでしたぁぁ!


そんなこんなで、昼休み。

八幡(朝は戸塚のおかげで元気出たな。いや、本当にいい気分だ)

葉山「やぁ、元気そうだね。」

自販機に向かっている途中、葉山に出会った。

八幡「それは過去の俺だ。今、この瞬間の俺のテンションは加速装置付きで低下中だ。」

葉山「ははっ。それはすまないな。お詫びに何か奢るよ。」

相変わらず爽やかオーラ全開な野郎だ。しかし、朝の嘔吐から口は濯いだが、喉が渇いて仕方なかったので、遠慮無くmaxコーヒーを奢ってもらった。

八幡「礼は言わんぞ。」

葉山「いいよ、それより君と話がしたくてね。」

八幡「奉仕部関連か?」

葉山「いや、違うよ。…喰種って知ってるかい?」

>>27
続々と現れる原作をちゃんと読んでいない証。本当にすみません…


八幡(喰種か…)

八幡「一般常識だしな。人喰う化け物だろ?」

葉山「まぁ…その通りだ。」

八幡「活発にその…行為に至るのは東京にいるやつらで、それ以外の地域にはいるのか、いないのか。いない事無いと思うが。で?」

葉山「…君の言うとおり、昨日ここの付近でも出たらしいんだよ、喰種が。」

八幡「なっ!?」

葉山「知らないか、まぁ無理もない。噂の話だからね。ただ友人として耳に入れておいて欲しいと思ってね。」

さっきはあんな事を言ったが、喰種なんて、夢のような話だと思っていた。
所詮は噂だろうが、もしかしたら、ということもある。

葉山「それじゃあ、帰り道とか気を付けろよ。」

言いながら葉山は教室に戻って行く。
なんて気分にしてくれたんだ、あいつ…MAXコーヒーを飲みながら、憂鬱な気分のまま、教室に戻った。気分のせいか、いつもより、珈琲を美味しく感じなかった。

マッ缶ってすごい甘いのね…こりゃ成分的に、喰種だと飲めないだろうけど、目をつむっていただきたい。下から本文。


さっきの葉山の言葉が頭から離れない。
八幡(喰種なんて、俺の人生とはねじれの位置に存在するもんだろ…そんなんが近所に出るとか、怖すぎワロエナイ。)

※作者の偏見により、東京以外の地域では喰種による事件とか少ない設定です。

八幡(まぁ、知らんよりマシか。知らなくてもよかったけど。どうせ帰り道とかステルスしてるし。ただ小町が心配だな、迎えに行ってやるか?)

と考えている間に教室に着き、腹が減っていた事を思い出す。
そそくさと昼飯のあんパンを持ってトイレに向かう。

八幡(便所飯とか久しぶりだな。)

朝の一件があったので、何かあっても対応出来るよう、昼飯はトイレで摂る事にした。
ここのトイレは比較的綺麗なので、視覚的にはそこまで問題は無い。衛生的には、まぁ、目を瞑ろう。

朝のようになりませんように、と祈りながらかぶり付いた。…もぐ…

八幡(ぁ…これやばい。味がどうこうとかじゃなくて食感と舌触りだけで吐き気がぁ!…でも!)

今こそMAXコーヒーの出番だ。口の中身を無理やり流し込み、コーヒーで舌に残る感触を揉み消した。

八幡「はぁはぁ…」

一口食うだけですごい疲れた。こりゃ残りはお持ち帰りだな。しかし、こんな調子が続くとなると、明日には病院に…い?

八幡「ぅっ、おぅぇぇえ!」

突如、吐き気が込み上げ、便器に嘔吐した。

八幡「はぁ…はぁ…」

こりゃまじで病院だな…。

とりあえず、午後のチャイムが鳴るまでトイレに篭っていた。

そして、教室に戻る前に、鏡で顔色を確認し、目が死んでいる事以外はいつも通りだったので、口をゆすいで、教室へ向かった。
八幡(戸塚や由比ヶ浜に気付かれないようにしないとな。)
戸塚には勿論を心配かけたくないし、由比ヶ浜もバカだが優しい子だ。要らぬ迷惑をかけたくない。
八幡(自意識過剰かもしらんな)

教室に戻り次第机に突っ伏して、午後の授業は大半寝て過ごた。そして、気が付いたら放課後になっていた。

ここからPC


ささっと帰って、明日もこんな調子だったら、小町送った後で病院行こう。
そう考えて、帰り支度をして教室を出る。

由比ヶ浜「ちょっ、ヒッキー」

教室からうるさいのが出てくる。

八幡「なんすか」

嫌そうな顔で振り向くと、由比ヶ浜は視線を落として言う。

由比ヶ浜「えと、その、部活行くんでしょ?一緒いこーよ。」

いえ、ささっと帰るつもりだったんですが…

八幡(でも確かに何も言わずに帰るのも悪いか)

やや上を見上げ、少し考えてから由比ヶ浜に向き直ると、目が合った。
駄目かな?って首を傾げる動作には、硬派な俺もドキッとしてしまう。可愛い。

八幡「…さっさと行くぞ。」

目を合わせていられず、振り返って部室を向かう。

八幡(女子って追い込み漁とか上手そうだよな。そして俺は追い込まれる魚役とか上手い気がする。
…それって何の役に立つのん…)

後ろから「待ってよー」と声がして、トテトテ着いて来る足音がする。
由比ヶ浜が俺に追いつき、並んで歩き始める。なんかいい匂いするし、近くないですかね?
心を無にしようとしたが至らず、途中から早歩きになった。

東京喰種のキャラ出んの?
既存キャラが実は喰種とかはなんかいやだな。

予言するわ

このssは完結しない

八幡(なんか無駄に疲れたな…)
早歩きで部室へ向かう途中、何故か由比ヶ浜に追い抜かれ、大人げも無く俺の早歩きは競歩へと加速した。
由比ヶ浜より少し先に部室に着いた俺は、「マッテヨヒッキー」という声も聞かずに、ドアを開ける。

ドアの向こうでは雪ノ下がいつもの通り、本を読んでいた。
何度見ても飽きないその風景は、一枚絵にして額にかざりたいと思うほど様になっていて、
なんというか、ただ綺麗だった。
横髪をかきあげながら、こちらを向く素振りは可憐な花を想像させ、

雪ノ下「あら、比企谷くん、こんにちは。ノックも挨拶も無しとは、教育がなっていない…
いえ、ごめんなさい。希望を持たずして生まれた養殖魚のような目をしたあなたに、
礼儀作法を求めるのはおかしな話だったわね。忘れて頂戴。」

その可憐な花は勢いよくトゲを伸ばし、近寄り難い薔薇へと進化?した。

八幡「こらこら、目だけで人を判断するんじゃありませんよ。それに養殖魚の事悪く言うなよ、
危険な海に出る事無く、温室で育つ事の出来る勝ち組だぞ。」

なんと羨ましい。俺も養われたい。

雪ノ下「…ごめんなさい。目以外で、あなたを言い表せる例が思い浮かばないの。
ところで、この世で一番汚いものって何かしら。」

八幡「おい、何故そこでその質問が出て(ry 由比ヶ浜「やっはろー!ゆきのん!」

雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん。空調が勿体無いから、さっさと中に入りなさい。」

八幡「」由比ヶ浜「はーい。」

トトト、っと由比ヶ浜は雪ノ下の隣、定位置へと向かう。

八幡「ぁーっと、俺は…」

由比ヶ浜「もうさっさと中に入ってよ、寒いじゃん!」

八幡(ちょっ、ナチュラルに手を引くな。ドキドキしちゃうだろ。)

由比ヶ浜に手を引かれ、部室に連れ込まれ、そのまま定位置に着いてしまう。

八幡(まぁ、今は気分も悪く無いし、とりあえずこのままでいいか…)

八幡(なんか無駄に疲れたな…)
早歩きで部室へ向かう途中、何故か由比ヶ浜に追い抜かれ、大人げも無く俺の早歩きは競歩へと加速した。
由比ヶ浜より少し先に部室に着いた俺は、「マッテヨヒッキー」という声も聞かずに、ドアを開ける。

ドアの向こうでは雪ノ下がいつもの通り、本を読んでいた。
何度見ても飽きないその風景は、一枚絵にして額にかざりたいと思うほど様になっていて、
なんというか、ただ綺麗だった。
横髪をかきあげながら、こちらを向く素振りは可憐な花を想像させ、

雪ノ下「あら、比企谷くん、こんにちは。ノックも挨拶も無しとは、教育がなっていない…
いえ、ごめんなさい。希望を持たずして生まれた養殖魚のような目をしたあなたに、
礼儀作法を求めるのはおかしな話だったわね。忘れて頂戴。」

その可憐な花は勢いよくトゲを伸ばし、近寄り難い薔薇へと進化?した。

八幡「こらこら、目だけで人を判断するんじゃありませんよ。それに養殖魚の事悪く言うなよ、
危険な海に出る事無く、温室で育つ事の出来る勝ち組だぞ。」

なんと羨ましい。俺も養われたい。

雪ノ下「…ごめんなさい。目以外で、あなたを言い表せる例が思い浮かばないの。
ところで、この世で一番汚いものって何かしら。」

八幡「おい、何故そこでその質問が出て(ry 由比ヶ浜「やっはろー!ゆきのん!」

雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん。空調が勿体無いから、さっさと中に入りなさい。」

八幡「」由比ヶ浜「はーい。」

トトト、っと由比ヶ浜は雪ノ下の隣、定位置へと向かう。

八幡「ぁーっと、俺は…」

由比ヶ浜「もうさっさと中に入ってよ、寒いじゃん!」

八幡(ちょっ、ナチュラルに手を引くな。ドキドキしちゃうだろ。)

由比ヶ浜に手を引かれ、部室に連れ込まれ、そのまま定位置に着いてしまう。

八幡(まぁ、今は気分も悪く無いし、とりあえずこのままでいいか…)

>>36
終盤で絡ませられたらと思っていますが、基本バトルは無い予定なので…がっつりやるなら番外編になります。

>>40
流れはなんとなく出来てるけど持ってくのが大変で…頑張るよ

今日も依頼は材木座からのメールだけで、適当な回答をしつつ、
いつもの通り、由比ヶ浜と雪ノ下の談笑(というか由比ヶ浜劇場)、を適当に聞いていた。

由比ヶ浜「~でね。あ、そうだ。っはい、これ、ゆきのん!」

雪ノ下「これは…クッキー、なのかしら?」

おお、形も揃っている、まごう事無きクッキーだ。

由比ヶ浜「み、見たら分かるじゃん!先週食べたのが美味しかったから、つい…」

あれ、先週何かしたっけ?って俺呼ばれてないだけじゃーん。テヘ
…こいつら本当に仲良いよなー。

雪ノ下「いえ、ごめんなさい…その、形はとても綺麗に出来てると思うわ。」

由比ヶ浜「本当に!?やったー。」

確かに、大した進化だ。これはすごい。でも問題は…

雪ノ下「…」

由比ヶ浜「…?」

雪ノ下「えーと、これはここで食べないと駄目かしら?」

由比ヶ浜「ぇ、そりゃあ…そ、だよね。前にもやっちゃったし。あはは。学習しないなぁ。」

雪ノ下「ぁ、いえ、そういうわけではなくて。」オロオロ

八幡(本当に漁師なんじゃね?ってくらい追い込み漁が上手い奴だ。
しかも狙ってじゃないところが、小町とか一色とかと違ってやりずらいよな。)

由比ヶ浜「ヒッキーの分も用意したけど…無駄になっちゃうね。」

八幡(っ、!?ナンデ!?ナンデオレノモアルノナンデ!?)

急に名前が出てビビル俺。しかし、このタイミングで食い物関係とは、ついてないな俺も、不幸だ…

八幡「その…今日はだな気(ry 由比ヶ浜「変な空気にしちゃったね!無し無し。忘れよー。」ハハハ…

明らかに笑顔に元気の無い由比ヶ浜を見て、俺は決意した。

八幡「…雪ノ下、紅茶を入れてくれるか?」

雪ノ下「ぇ、ええ、分かったわ。」 由比ヶ浜「ヒッキー?」

八幡「由比ヶ浜、腹減ったから、そのクッキーくれないか?」

八幡「ぅっ!ぅおぇぇぇ!」

少し部室から離れたトイレで由比ヶ浜のクッキーを食べたみたが、やはり味など分からず吐き出してしまった。

八幡(畜生…格好つけたはいいものの、どうしよう。紅茶で流し込んで、って考えたけど
そんな食い方じゃ意味ないだろ。やっぱ今日の俺の状況説明して…)

考えながら部室に戻る。

由比ヶ浜「ぁ、お帰りー。」

雪ノ下「お帰りなさい。案外普通だったわよ、由比ヶ浜さんのクッキー。」

するとあっさり解決していた。

雪ノ下「ちゃんと味見していたのならそう言えば良いのに…」

由比ヶ浜「だってー。」

せっかく真剣に考えていたのに、なんて奴らだ…
まず、こんなに腹減ってるのに、なんで全部まずく感じるんだ。おかしいだろ?
あれ?でもなんか美味そうな匂いがする。なんだろうか。

由比ヶ浜「ヒッキー?」

八幡「!」

近い近い!うわっ可愛い!ってか美味そう!

八幡「ゆ・・・雪ノ下は?」

由比ヶ浜「なんかねー…

あれ、変だったぞ今、これおかしいぞ。視界が、考えが。遅くて、
腹へって。近いよ、由比ヶ浜。いいニオイするし、首筋にこのまま…

由比ヶ浜「ひ、ヒッキー??」

雪ノ下「戻ったわ。」

八幡「っ!?」

あれ、俺今何考えてた?ってかなんだろう。
怖い、何か怖い。

雪ノ下「っ!比企谷くん遂に犯罪に…」

八幡「うわああああ!」

雪ノ下の言った事は全く耳に届かず、逃げ出すように雪ノ下の横をすり抜け、廊下に出る。

八幡(考えれない、ひとまず、落ち着ける場所に!)

---------------------------------

雪ノ下「由比ヶ浜さん!大丈夫!?」

由比ヶ浜「…うん。びっくりしたけど、平気だよ。」

雪ノ下「…ごめんなさい、少し、比企谷くんを信用しすぎてたようね。」

由比ヶ浜「ううん、今日のヒッキーなんか朝から変だったし、多分、何か事情があるんだと思う」

雪ノ下「…そうだといいわね。」

雪ノ下(すれ違い様のあの目は…見間違い?でも…)

寝ます。中途半端でごめんなさい。
続きは明日朝から書ければ。

とりあえず、冷静になるため、人気の少なそうな階のトイレに駆け込んだ。
個室に入ろうと歩を進める途中、ふと、鏡に目をやると、足が止まった。

八幡「なんだよ…これ。」

右眼はいつもよりも生気が無いように見えたが、かろうじて「人の眼」をしているだろう。
問題は左眼だ。
瞳は赤く、強膜は真っ黒に変色していた。
その姿は明らかに異様で、まるで、人間では無いようだった。

八幡(人じゃない…か)

こんな目を誰かに見られる訳にはいかないので、とぼとぼと個室に入る。
そして、さっきの部室での出来事を振り返る。

考えたくは無いが、あの時確かに俺は、由比ヶ浜にある感情を抱いた。いや、あの時だけじゃない。空腹な今だから理解出来るが、朝から関わり合いを持ったほぼ全ての人間に対し、俺はその感情を抱いていた。

八幡(自分の妹や同級生見て、美味そう、だなんて…常識的に考えて思わないよな)

現にそんな事、今まで考えたことは無かった。

しかし、ここまでの情報があればどれだけ馬鹿でも分かる。逆にここまで気が付かないとは、とも思うが…
俺は自分が喰種になった事を理解した。

応援してるぞ
完結してくれよ

結構前にvipで同じようなタイトルのスレ立てた?

すいません、昨日、忙しくて上げられなかったので今から続き。

数分の間、トイレの個室の中で項垂れていた。自分の状況を理解したからといって、全く安心出来る心境ではなかったからだ。
部室での由比ヶ浜の件やこれからの事を考えると、どうしても憂鬱になる。

八幡(どうすんだよ…まじで。)

項垂れてていると、携帯が震えた。
のっそりとした動作で確認すると、差出人は由比ヶ浜だった。

由比ヶ浜:さっきは変な感じになっちゃって、ごめんね(>人<;)
私その、恥ずかしくて、むしろ…えと、とにかく!明日からもいつも通りよろしくね。
それでね。今日はもう遅いし、ゆきのんも帰るって言ってるから、私も帰るよ。また明日!
pv.ヒッキーの鞄は平塚先生に預けました!( ̄^ ̄)ゞ

…相変わらず由比ヶ浜はいい奴だ。あいつが謝る必要性なんて全く無いだろ。

八幡(気にしないでって言っても、無理だ。お前は知らないだろうが、あの時、俺はお前を…)

俺はもう二度とあの空間を壊したくないと思っていた。由比ヶ浜もそう思っているからこそ、このメールを出してくれたのだろう。しかし、もう無理だ。俺はもう今までの俺では無くなってしまった。俺がもう、あの空間に居るわけには、いかない。


どれくらい時間が経っただろう、携帯を見るとまだ由比ヶ浜のメールから20分しか経っていなかった。時間がとても遅く感じる。恐怖や焦燥といった感情の高ぶりは既に消え、しかし、何も好転はしていない。

八幡(一先ず、学校からは出るか…)

外に人気がない事を確認し、立ち上がると、消えていたトイレの電気が点き、少し驚く。

片手で左目を隠しながら、コソコソと個室を出て恐る恐る鏡を覗くと、眼が元に戻っていた。何が引き金になるのかは分からないが、常時、あんな眼になっている訳ではな無い事が分かり、少し安心した。

八幡(姿形は本当に人間なんだな。このまま、体質も元に戻りました。ってならねぇかな。)

希望的観測だろうか。しかし、こうなったのも突然の事だ。治るのも突然かもしれない。何を考えても答えは出そうに無いが、考える事をやめる事は出来なかった。

誰とも会うこと無く、駐輪場にたどり着き、自分の自転車の鍵を外す。由比ヶ浜の連絡で、平塚先生が鞄を預かってくれている事は分かっていたが、今日は誰とも顔を合わせたくなかった。

自転車に乗り、校門へ向かいながら、先ほどから、何かが頭に引っかかっている事を考える。…自分が喰人になったのは、本当に突然のことだっただろうか。

八幡(何か変な感覚だ…元々こんな体では無かった事は確信出来るが、何かが足りないというか…)

???「比企谷くん!」
八幡「へひッ!」


校門を出たところで、声をかけられ、思わず変な声が出てしまった。

???「あら、ごめんなさい、驚かせるつもりは無かったの。」
???「けれどあなた、待っていても、中々出て来ないくせに、ささっと帰ってしまいそうだったから。」

帰ったはずの雪ノ下がそこに居た。

八幡「お…お前、なんで?帰ったんじゃ…ってか待ってたって、俺をか?」

雪ノ下「ッ…待、っていた訳では無くて、たまたま校門を通りかかったら、
あなたが居ただけよ。勘違いも甚だしいわね。」

えぇ、勘違いだったのか、今の。
まぁ今の俺なら無理もないが…。

八幡「そ、うか。すまんな…。」

雪ノ下「…」

八幡「…」

えーと、なんだこの空気。

八幡「その、部室での事は…」

雪ノ下「その件はもういいわ。由比ヶ浜さんからも聞いているし。」

ぅ…まぁそりゃ、そうか。

雪ノ下「そう、だから、あなたに一つ、言うべき事があるの。」

八幡「?」


校門を出たところで、声をかけられ、思わず変な声が出てしまった。

???「あら、ごめんなさい、驚かせるつもりは無かったの。」
???「けれどあなた、待っていても、中々出て来ないくせに、ささっと帰ってしまいそうだったから。」

帰ったはずの雪ノ下がそこに居た。

八幡「お…お前、なんで?帰ったんじゃ…ってか待ってたって、俺をか?」

雪ノ下「ッ…待、っていた訳では無くて、たまたま校門を通りかかったら、
あなたが居ただけよ。勘違いも甚だしいわね。」

えぇ、勘違いだったのか、今の。
まぁ今の俺なら無理もないが…。

八幡「そ、うか。すまんな…。」

雪ノ下「…」

八幡「…」

えーと、なんだこの空気。

八幡「その、部室での事は…」

雪ノ下「その件はもういいわ。由比ヶ浜さんからも聞いているし。」

ぅ…まぁそりゃ、そうか。

雪ノ下「そう、だから、あなたに一つ、言うべき事があるの。」

八幡「?」

連投かよ。これだからSSLは┐(´д`)┌

罵倒されるのだろうかと、一瞬考えた。そりゃあんな事したら雪ノ下が何も言わない訳が無い。
ただ、そんな事のために、わざわざ残っているだろうか。嫌な予感がした。
そして、こういう時の嫌な予感は、なかなか外れてくれない。

雪ノ下「本当は今日中がいいのだけれど、今のあなたは疲れているようだし、明日でも構わないわ。
…あなたの事情を、平塚先生に話しなさい。」

八幡「!?」

雪ノ下「それだけよ、じゃあ。また明日。」

振り返り、歩き去る雪ノ下に、何も聞くことが出来なかった。雪ノ下が見えなくなるまで、
固まっていた思考は、鈍いままだが、どうにか動き出した。

八幡(あの言葉は…つまり雪ノ下は分かっているのか?俺が…喰種だってことを。
でも、なんであいつが?今日一日、俺は確かに異常だったが、雪ノ下の前で何をした?
しかも何故、平塚先生の名前が出るんだ?)

雪ノ下の意味深な言葉は、それこそ言葉の通り全く分からなかった。
ただ、雪ノ下は、そして多分、平塚先生も、俺の知らない何かを知っている、という事だけは、今日の俺にも理解出来た。

酉つけろ

>>51 \宣/<ありがとう!そしてありがとう!

>>57 最初に書いた通り、初投稿です。

>>63 連投すいません。慣れないと・・・

いっぱい書いてたと思ってたけど、3レス分しか無いとは。
書き溜めは終わりだけど、まだ書きます。

---比企谷家---

考えたくない事や、考えても仕方ないって事はいっぱいある。だいたいがそんなもんだろう。
そして、思考ってのは、時々誰かに操られているんじゃないかってくらい自由が利かなくなる。

八幡(由比ヶ浜に襲い掛かって、人が美味そうに見えた事に気が付いて、
自分が化け物になってる事が分かって、雪ノ下は意味深な事言ってきて…)

腹から、「グーーーッ」と間の抜けた音がする。

八幡(この空腹が原因かもな。)

とにかく、家に帰って直ぐに自分の部屋に篭り、
帰り道から進展の無い思考を続けていた。

八幡(生産性の無い人間だなぁ。いや、それは元々だし、今はもう人でも無いのか。)

元々がそんな人間だったせいか、比企谷家では元々、食卓に兄がいなくても、
食事は開始する。さらには終了までする。とどめには、何故か自分の分が無くなっている
という怪奇現象まで発生する。そのせいで、中学の頃、家出をしたのに見つけられず、
最後には大喧嘩に発展し、

母「いや、門限守らないのが悪いでしょ。」

と切り捨てられた。愛が欲しい。というか俺の分食べた奴は無罪なのかと、
その時、反論する力が残っていなかった自分が恨めしいのん。

なんだか、空腹で大分思考が適当になって来ている気がする。
それと、部屋上がる際に嗅いだ晩飯の匂いが鼻に着いて離れない。少し前までは、
この匂いが、美味そう!って奴だったんだが、今はただの異臭に感じていた。

座っていたベッドに大の字に倒れ、もう疲れた、寝ようと思い、もぞもぞと奇怪な動きで、
布団を被っていく。

小町「おにいちゃーーーん。愛する妹がご飯持ってきましたよーーー。」バンッ

おぉ、妹よ…お前の優しさは、俺を駄目にする。(いろんな意味で)
布団に包まりながら、そんな憎めない妹に対応する。

小町「およよ、布団に包まって、何して・・・って、お楽しみ中でしたか、ご・・・ごめんなさい!」アセアセ

八幡「ば・・・馬鹿、おにいちゃんは小町の起きてる間に、そんなやましい事しませんよ!」

布団を脱ぎ捨て、やましい事なんか無いですよアピールをする。

小町「うぅ・・・聞きたくない事聞いちゃった。今度からちゃんとノックするよぅ…」

八幡「あたりまえだ!思春期なめんなよ!」

八幡(ってやばい・・・腹が・・・)

八幡「というわけで俺は寝る。」

奉仕部での事が頭を過ぎり、小町と料理の匂いから逃げ出すため、
再度布団に包まろうとする。が、器用にも小町が晩飯を乗せたお盆を片手に持ち、
もう片方の手で布団を掴む。

小町「こらこら、おにいちゃん。何の為に来たと思ってんの。」

八幡「ありがとよ。でも生憎な、さっきサイゼで友達を飯食ったんだよ。」グーーー

と、狙ってたの?と言いたくなるタイミングで、腹が鳴る。

小町「…ぐえっへっへ、そんな事言って、お腹の方は正直だよ!」ビシッ

…俺のお腹、まぢ正直者。

小町「友達なんて嘘ついて、おにいちゃんは悪い子だよ!大人しく食べなさい!」グイグイ

お盆を部屋の机に置き全力で布団を引き剥がせようとする。

八幡(ちょって、おま、)

八幡「おい、やめ、」

小町「逃げようたって、そうは問屋が・・・」

八幡「いい加減にしろ!」

>>65 ごめんなさい、付けました。
↓続き


小町「ッ!?」

やっちまった・・・とは思わなかった。この時の俺は既に、空腹と、
…ご馳走を前に、正気では無かったのだと思う。

八幡「…たくねえ」

小町「ぇ?」

八幡「食いたくねえって言ったんだよ、そんなまずいもん。そんなもんより…」

小町の手を引き、入れ替わるようにベッドに押し倒す。

小町「ッ」

八幡「もっとさ、もっとあるだろ?」

八幡(いいイ良い好い匂いだ、こんなの美味そうな、
もんが、がたくさん、いるなん、すごい。)

八幡「もっと…もっと!」

八幡(首筋か、な?最初は。で、も肩も、コリコリし、て美味そ、うだなあ。)

「おれにぉしえてくれ。」

肩を押さえ、口を大きく開き、感謝した。

八幡(いただきます♪)

ふと、目が合った。

そいつを俺は知っていた。

大分昔から知っていた。

強くて、弱くて、優しくて、

自慢の…

そいつが泣きそうな顔してんだ。

こんな風に、泣きそうな顔してんのに、

下唇噛んでまで、おい、血出てるじゃねーか、

痛いだろ。なのになんで、

なんでこいつは俺の眼を真っ直ぐ、見て、泣きそうに、笑って、

何してんだ俺、俺何やってんだ!小町!

ああああああああああああああああああああああ

八幡「ぅぁぁあ!」ガブッ

小町「ッ!?」

八幡(やっちまった!早く、離さねえ…とぉォォ?)

食い込んだ歯に滴り、舌に水滴が触れた。瞬間、意識が飛んでしまいそうになる。
すべてを使い果たしたマラソンの後、水分が限りなく減った体内に取り込まれた水分のように、
全身に行き渡った。
その味は子供の頃、確かに何度か経験した事のある、おそらく血液だった。
とはいっても、昔はこんな甘美なものでは無かった。
何とも言えない、ただただ、まずいものだった気がする。
それが今は・・・

八幡(や、ばい、離れ、られない、それに・・・これは・・・)

次に舌に触れたのは、舌触りが良く、ぶよぶよとした感触の、肉だ。

八幡(ぁ・・・ぁああああ)

駄目だという意思はあった。のだが、どうしてもそれを食べたい!
顎の力を抑えきれず、ついには・・・噛み切ってしまった。

八幡「ぃぅぁああぅぅ!」

小町「ぁ・・・ぁ・・・いや・・・」

初めての食感、だったが、間違いなく!今まで食べてきた何よりも美味!そして、幸福感!
噛む事で膨らむ味、滴る最高のスパイス(血液)と最高の香り、そして、惜しみながらも、すべてを飲み込む。
体験した事の無い初めての感覚に、今度こそ意識が飛び、瞳が上がっていく・・・

小町「おにいちゃん!」

八幡「うぁぁ!」

八幡(小町!?)

そうだ、ようやくまともな思考が出来そうだ。早く・・・もっと食べないと…

八幡(いや!違うだろ傷!・・・早く、手当てしない、と)

八幡「小町!怪我は!」

と、何故だろう、小町に外傷が見当たらない、でも、何故か泣いている。

小町「ぅ・・・ぅ・・・おに、いちゃ、ん」

小町は泣きながら、俺の右腕を掴んでいるようだったが、
俺が正気に戻った事を悟ると急にベッドから降りて、俺のタンスを漁り始める。

八幡(なん・・・だ?)

ふと、自分の右腕に目をやると、

なんか手首の少し上に、でかい半円の穴が開いていた。

八幡「…うわあああああ!っていぃぃl?」

急に痛みが込み上げて来る。何が起きたか全く分からない。
血がすごい勢いで滴っていて、勿体無いので、穴の部分を咥えようとする。

小町「駄目ッ!」

八幡「ッはい!・・・?」

小町が俺の右手にハンカチを1枚巻きつけ、2枚巻きつけ、
もうとりあえず、巻けるだけ巻いている。そんな作業をぼけーと眺める、俺。
多分自分は、自分の腕を食べたんだろうと、思いながら、痛みで泣きそうになる。

八幡(まじ、よくやった・・・俺)

と・・・部屋の入り口から、思いもよらぬ声がかかった。

父「なにか、声が聞こえたが?」

やばい。

喰種の肉は不味いですよ

父絡ませたはいいけど、そんなキャラか分からん…。


八幡「いや、そのダンスの練習をしていてですね。」

父「入るぞ」

聞く気無いんですけど、まあ俺も、イミワカンナイ事言ってるしな。
でも、どどど、どうしよう。
ベッドの血、涙目の妹、大量のハンカチ(これは別にいいか)、
そして、俺の腐った眼(デフォルト)。だけじゃ無く、多分今の右眼は…

小町「駄目!」

八幡(小町・・・)

父「どうしてだ?」

小町「お父さん、ただの兄弟喧嘩で口出しされたくないよ。」

父「…下の階まで聞こえてきたが、ただの兄弟喧嘩なのか?」

小町「久しぶりでだったから、ちょっと本気だしちゃって。」

八幡(僕がやられた体なんですか、そうですか。)

父「本当か?」

小町「本当だよ。ね、おにいちゃん。」

八幡「ぉ・・・おう、ぼこぼこにされた。」

まあ、大怪我したのは本当ですし、加害者も自分ですが。

父「…そうか。分かった。…八幡!」

八幡「ひゃい!」

父「明日から、食事が要らん時はちゃんと連絡を入れろ。また大泣きされてはからな。」

八幡「…分かりましたよ」ポリポリ

父「それと、小町も、嫌な事があったら、ちゃんと親を頼るんだぞ。」

小町「分かったよ。」

父「次、でかい音がしたら、母さんと来るからな。」

八幡「き、気を付けます。」

父が階段を下りる音がして、ようやく一息付ける。いや右手は痛いけど。

小町「危なかったねー。」

八幡「本当な。というか、その小町。」

いろいろあって忘れてたけど、さっきの俺の事説明しないと・・・

八幡「すまなかった。怖い思いさせた、どう言えばいいか分からんが、本当に、ごめん。」

>>80 一応、カネキ君と同じ半喰種設定です。

続き書いてたけどいい感じにならんので寝ます。
また明日あげます。

遅くなりましたー。続き投下します。


小町「あ・・・おにいちゃん。眼。」

八幡「ん?」

小町「元に戻ってる。あっちの方が格好好いのに。」ブー

八幡「…あのなぁ。こっちは真剣に、」小町「」ビクッ

八幡(あ…やっちまった。)

小町「えと、いや、違うの。さっきのおにいちゃん、怖かった、から、ふざけたい訳じゃないんだけど…。」

八幡「いや…すまん。」

八幡(ってか、謝ったって、何の意味も無いよな。考えろ、今、どうすべきかを。)

小町は俺に食われそうになりながら、泣きながらも、悲鳴を上げなかった。
しかも、それどころか、襲った相手の傷の心配して、父親にばれそうになったのも、かばってくれた。
謝罪も感謝も言葉なんかじゃ、出来ない。

八幡「小町・・・こんな事をしておいて、ずうずうしいとは思うんだが。

小町「っ、な…何?」

八幡(怯えさせちまってる。無理も無いか、ついさっき俺は、こいつを食おうとしたんだから。)

兄貴として、最悪だな。それでも、俺は続ける。

八幡「俺の話を聞いてくれないか。その…お前に襲い掛かった理由とか、今日一日の事とか。」

小町「…え?」

八幡「なんというかな。今日一日いろいろとあり過ぎて、もう俺、思考的にも精神的にも限界なんだ。
恥ずかしい話なんだが、お前に聞いてもらって、楽になりたい。」

本当に恥ずかしい話だ。妹に自分の悩みを聞いてもらって、楽になりたいだなんて。
今までも、奉仕部関連でいろいろとアドバイスもらったりしてるけれど、
今回の件は、妹に対して相談するのは、重過ぎる。

八幡「お前が嫌だったら、いいんだ。もう、こんな事起きないように、お前に近づかない。」

小町「…おにいちゃんは…同じ事が起きたら、どうするの?」

八幡「どういうことだ?」

質問の意味がよく分からない。小町が間をおいて続ける。

小町「おにいちゃんは、小町がもし、逆の立場だったら、どうするの?
すごい驚くような事が起きて、原因は小町で、それで、助けてって言ったら、どうするの?」

八幡「…そんなの、起きてみないと分からない」

間違いなく小町を助ける。と思ったが、言葉は出来なかった。
もし小町が俺を食べようとしてきたりしたら、「助ける」って思っていても、
死を目の前にして、小町のように、相手を助けるような対応が俺に出来るかなんて、分からない。

俺の答えに小町は、涙で目尻の赤くなった顔で、薄く微笑みながら答えた。

小町「嘘だよ。絶対に助けてくれる。おにいちゃんは誰も信用しないから、自分も信用出来ないから、
そう答えるんだよ。」

八幡「ッ!…そんなこと、分からないだろ。」

年上の女性が浮かべるような、包み込むような、優しい表情をされ、少し動揺してしまった。

小町「分かるよ。現に小町はそうだったし、それに…おにいちゃんの事よく知ってるもん。」

八幡「…お前の知ってる兄ちゃんは、急に妹に襲い掛かるのか?そう簡単に人を信用するなよ。」

八幡(ってつい思った事を!何俺は偉そうに言ってるんだ!)

しかし、小町に言う通り、俺は人を損得勘定や能力評価抜きで、信用なんて出来ない。
人は変わるし、簡単に裏切る。信用をすればするほど、大きな傷を負う。
今日の出来事を振り返れば分かるが、自分自身など特に信用出来ない。

小町「それは確かに、小町にも分からない事だったよ。でも、最後には他人を傷つけず、
自分が傷付いた。そして、それはやっぱり小町の知ってるおにいちゃんだった。」ニコッ

そんな微笑み方誰から教わったんだよ。ドキッとするだろうがよ。
直視したら、駄目だまた変な事考えちまう。

小町「だから・・・ね。小町からもお願い。全部、話して。」

目を逸らそうとしたが、真剣な表情でそう言われ、目を逸らすわけにはいかなくなる。

小町「それとも、まだ何か理由が必要なの?」

八幡「いや、すま…ありがとうな、小町。お前が妹で、本当によかった。」

そう答えると、何故か小町にベッドに突き飛ばされた。

小町「お…おにいちゃんのくせに、優しい目でそんな事言うの禁止!げ、減点!たらし!」

八幡「おま、でかい声だすなって、お父さん来ちゃうから!お母さん連れて来ちゃうから!」

ベッドに倒れた衝撃も多分一階に届いてる。人がお礼言ってんのに、何故怒るんだ。

小町「う、ごめん。ついつい。」

八幡「いや、まあ、これ以上事態をややこしくさせたくないし、さっさと話すか。
どこから話すかだが…簡潔に言うとだ。俺、喰種になったらしい。」

それから朝起きた出来事を順々に話していった。

人が美味そうに見えるようになった事。
普通の食い物をまずく感じ、食べたら気分が悪くなり、吐き出してしまう事。
そして、奉仕部で由比ヶ浜を食べそうになった事と、
雪ノ下に明日、平塚先生に相談しろと言われた事。

八幡「奉仕部での一件の後に、鏡見たら眼が変になってて、そこで自分が喰種だって確信したな。
…とまあ、大体はそんなところで、今に至るって感じだな。」

聞いただけでは、信じられない話だ。喰種なんて、普通に生きていれば、関わる事なんて無いだろうし。
ましてや、自分の兄が急に、などと。…実体験が無ければ、笑われるところだっただろう。
小町は、俺の話に真剣に耳を向けてくれた。そして、

小町「なるほど、なるほど。」

何やら、顎に手をやり、うんうんと頷いている。

小町「ちなみに、それはいつからなの?今朝?」

八幡「当たり前…だ?」

当たり前だろう、そんな事、間違えようが無い。と思った。
しかし、何か違和感を感じた。こんな事が今日もあったような、と思考をめぐらす。
そう、雪ノ下と会う前、校門を出る前に、こう考えた。

八幡「本当に急だったか?何かが足りない?」

思った事を、そのまま口に出す。

小町「急って、その、体の変化の事?もしかして、いつからか覚えてないの?」

八幡(覚えて・・・いない?)

その言葉を聞いて、閃く。
そう、足りていない記憶がある。つまり覚えていない。

八幡「おいおい…なんで気が付かなかったんだ?ここ三日くらいの記憶が…思い出せない。」

自分で言って、驚いた。前に車に轢かれた時も、多少の記憶は飛んだが、
こんな丸々記憶が抜けているのは、初めてだった。

小町「それって、…いつからか分からないって事?いや、でも先週の金曜日は一緒に朝ごはん食べたよ!
…でも、それから今日まで、一緒に食べてないかも…」

八幡(そうか、先週の金曜、つまり三日前までは、俺はまだ人間だったって事か)

そして、土日を挟んで今日は月曜、先週の金曜~日曜までの三日間で、俺は喰種になった事になる。
どうやってなったのか、原因は分からないが、これは大きな進展だ。

八幡「この三日の俺の行動を追えば、何かが分かるかもしれない…!」

今日はここまで、ようやく八幡の行動方針を決める事が出来ました。

こっからは探偵パートっぽくなるやも。
なんとなく決めてますが、誰か絡ませてってのがあったら、参考にします。

質問何だけど俺がいるの他キャラを喰種として出す予定はあるの?
なければ出さなくていいんだけど

面白いぞ
完結してくれ!

続き。


八幡「小町、ここ三日間俺が何してたか、分かるか?」

この年でこんな質問をする事になるとは、なんか悲しい。
しかし、今は、そんな事言ってられないか。

小町「うーん。金曜は夜遅くに帰ってきたかな。大体9時頃?でも、小町に事前に連絡は入れてたから、
その日は何事もなーく、寝ちゃったし、おにいちゃんが自分の部屋で何してたかまでは分かんないや。」

ジト目で見られ、今度は目を逸らす。さっきの話覚えてたか…
やましい事なんかしてないやい!いや、覚えてないんだけども。

八幡「なんか変な事はなかったか?なんか死にそうな面してなかった?」

小町「いつも通りの顔して帰ってきたし、分かんない。」

いつも通りって事は、目は死んでいて、一日の疲れを体現したような面してたって事か。
そりゃよく分からねえな。分からんが、何かはしてたんだろう。
9時って言うと、一人遊びでは無さそうだし、これは奉仕部の奴らに聞いてみるとしよう。

小町「で、土日はどっちも朝早く出かけちゃった。小町の相手してくれなかったから、よく覚えてる。」

ムーっと唸る小町。相変わらず憂い奴よ。

小町「それで土曜はまた9時頃、日曜は、もう小町寝てたから、11時以降かな、帰ってきたのは。」

三日連続で九時以降帰りとかマジカ・・・まるで俺じゃない奴の話みたいだな。
つっても、ここ一年は俺もそれなりに楽しい時間は過ごしてきたから、
そこまで以外でも無い、のか?

八幡「そうか…ありがとな。」

小町「何か思い出せそう?」

八幡「いや、全くピンと来ないな。」

本当、肝心なところで役に立たない頭だ。
でも、抜け落ちた記憶の思い出し方とか分からないし。

小町「メールとか何か残ってないのかな?」

八幡「…そんなやり取り、俺がしていると思うか?」

小町「そんなの見てみないと、分かんないじゃん!」

しぶしぶ携帯を取り出してメールを確認すると、三日前から、
なんと20件のメールを受信していた。

八幡(全部既読になってるから気が付かなかったけど…)

八幡「まじか、20件も受信してるぞ。」

小町「おぉ、これは興味深いですなあ。」

一つ一つ、差出人と時間、題名を確認する。

(金)

16:15 from.材木座 題名 [ふむぅ…]

18:05 from.城廻先輩 題名 [今日はありがとう]

18:05 from.城廻先輩 題名 [Re:Re:今日はありがとう]

19:18 from.unknown 題名[やっはろー]

19:30 from.unknown 題名[Re:やっはろー]

19:30 from.unknown 題名[Re:Re:Re:やっはろー]

21:11 from.由比ヶ浜 題名 [明日の確認!]

21:42 from.由比ヶ浜 題名 [Re:Re:明日の確認!]

(土)

7:20 from.由比ヶ浜 題名 [起きてる?]

7:31 from.由比ヶ浜 題名 [Re:Re:起きてる?]

7:40 from.由比ヶ浜 題名 [Re:Re:Re:Re:起きてる?]

17:19 from.大天使†戸塚† 題名[来週暇ですか?]

17:22 from.大天使†戸塚† 題名[Re:Re:来週暇ですか?]

(日)

5:30 from.平塚先生 題名[拝啓、比企谷君。本日は御日柄も良く、ぽかぽかと暖かい日となっています。
そこで、一つご提案があります。以下本文にてご説明します。]

5:40 from.平塚先生 題名[先ほどのメールについてなのですが。]

5:45 from.平塚先生 題名[気が付いていますよね?]

5:55 from.平塚先生 題名[今、そちらに向かっています。]

6:01 from.平塚先生 題名[Re:Re:今、そちらに向かっています。]

6:05 from.平塚先生 題名[朝から失礼を致しました。]

16:15 from.材木座 題名 [Re:ふむぅ…]

何コレ、材木座に始まり材木座に終わってるんですけど…
すごい見直したく無いなあ。

小町「ふーん。とりあえず気になるのは、これだね。」

小町は差出人がunknownとなっているメールを指差す。
確かに気にはなるが、なんだか嫌な予感がする。
開いて中身を確認すると、どうやら、というかやっぱり陽乃さんだった。

小町「陽乃さんかぁ、どうして登録してないの?」

八幡「知らんが、多分登録したく無かったんじゃないかな…」

このメールが来たとき俺は、なんでメアド知ってるのこの人…と思っただろう。
もちろん、交換した覚えは無い。

八幡(内容を見る限り、一通目で、暇か聞かれて、無視してたら、二通目で催促され、
それに返信した結果、最後には駅に行くって事になったのか。)

メールの内容から自分の行動を割り出すなんて、初めての経験だったが、
言葉よりは簡単そうだ。元々、俺が、業務連絡みたいなメールが得意だし、あまり無駄が無いように思える。
高校生としてどうなのかは知らんが…。

小町「それと、知らない人の名前もあるね…」ジー

小町がおそらく俺を睨みながら、城廻先輩の名前を指して言う。

八幡「この人は…あれだ、マッチョでガチムチな元生徒会長だ。」

何故か嘘をついてしまう。なんか、今は小町の機嫌を損ねたく無い。
いや、別にめぐり先輩が可愛いゆるふわ系ほんわか女子だと言った所で、小町が不機嫌になる理由は無いと思うが、
そこはフィーリングだ。

小町「ふーん、まあいいか。あんまり人のメール覗くのもあれだし、小町お風呂入ってくるね。」

八幡「へーい。」

八幡(その間にメールの内容、まとめとくか…)

ノートを取り出し、それぞれのメールの内容から、その日の行動とその時間にかかわりそうな部分を抜き出し、
後で小町に見せられるようにメモし始める。

----------------------------
(金)

~17:50 生徒会手伝い(めぐり先輩+一色?)

~??? 何かの用事(陽乃さん)

21:00 帰宅。

(土)

9:00 ~ ??? ララポ(雪ノ下+由比ヶ浜)

19:00 ~ ??? ゲーセン?(戸塚)

21:00 帰宅

(日)

8:00 ~ ??? ラーメン?(平塚先生)

16:15 ~ ??? 会っただけ?(材木座)

23:00以降 帰宅
----------------------------

八幡(まあ、こんなもんかな。)

メールの内容からでは予定の時間しか分からないため、実質の時間には、ずれがあるかもしれないが、
今分かりうるのは、この程度だろう。
そして、これを見る限り、怪しいのは陽乃さんと材木座だろうか。

八幡(陽乃さんは用事の内容を明らかにしていなかったし、[会えば分かる]とだけ書いていたからな…
すげえ怪しいんだけど、この予定を見る限り、それ以降に食事をしていないとは思えないんだよなあ。)

現に、由比ヶ浜達とは今日の会話から共にクッキーを食べたようだし、日曜にも平塚先生にラーメンに連れ出されている。
それに、今日の感じからして、もし金曜に[何か]があったと考えても、それ以降を乗り切れたとは正直思えない。

八幡(そして、メールを見る限り、最後に接触したのは材木座だ。)

あいつからのメールには、こう書いてあった。

材木座:えーと、金曜にメール出したよね…届いてます?
その、今後ろに居るので、よければ振り向いてもらえません?

本文だけ見るとすげえ怖かった。
これを受け取ったのがどこだったかはよく分からんが、こんなの見たら振り向かずに、逃げ出す自信がある。
なので、ノートのメモにも詳しい内容は書けなかった。そして何より、記憶の無い最後の日に、最後に、
接触したであろう人物だ。こいつが犯人だなんて、キャラ的に勤まらないだろうとも思うが、
急に人間が喰種になるような事態を前に、人柄がどうのだとか、常識的な事を言ってはいられない。

八幡(とりあえず、明日、材木座とコンタクトを取ってみるか。もし何か知っていても、ぼろを出すかは分からんが。)

今日はここまで、明日は帰省中の新幹線で書きます。

>>94 あんま答えたくは無かった質問なんですが、多いので。申し訳ありませんが、出す予定です。

>>95 すげぇありがたいっす。頑張ります。

もうちょっとだけ。小町視点。

[風呂場]

小町(それにしても本当にびっくりしたなあ。)

兄らしくも無く、急に怒鳴ったと思ったら、押し倒されて、顔見たら真っ黒な眼してて、

小町(怖くて叫びそうになっちゃったけど、あんな事がもしお父さんやお母さん、他の人に知られたら…)

おそらく、兄は社会的に死んでしまっていただろう。
父や母がそうするという訳では無いが、ばれてしまっては、いずれ家に兄の居場所は無くなってしまう。

小町(あの時はそこまで気が回ってたか分からないけど、誰かに知られちゃ駄目ってだけ思ってたなあ。)

叫びを抑えるために噛み締めていた下唇がお湯に浸かり、少し痛む。

小町(でも、結局はやっぱり優しいおにいちゃんだった!いつもみたいに自分を傷つけたのは、良い事じゃないけど。
私を守ってくれた!)キャー

当時の事を思い出し、嬉しくなってしまう。
しばらくは喜びの余韻に浸っていたが、こんな事では、兄を助けられない。
しばし考え、今日届いた、雪乃さんからのメールを思い出す。

雪ノ下:今日から、小町さんの兄に不用意に近づかない方がいいわ。
詳しくは言えないし、こんなメールで信用は出来ないと思うのだけれど、
いたずらやその…小町さんが考えそうな嫉妬のようなものでは無いの。だから、気を付けて。

このメールの事は兄に伝えてはいない。正確には、メールの内容を確かめるため、
兄に問い詰めようと部屋に向かったのだが、その前にさきほどの一件が起きてしまった。

小町(おにいちゃんの話を聞く限りだと、雪乃さんには喰種のような素振りは見せていないはずだよね。
それとも、気が付いていないどこかで見られていた?その可能性があるなら、結衣さんとの一件。
そして、一度で喰種だと確信するのは、眼とか?)

話では結衣さんに襲い掛かりそうになった時、部室の前にいた雪乃さんに止めてもらったと言っていた。
じゃあ、そのあたりでもし眼を見られていたら、気が付いてしまう…のかな?

小町(そりゃ、詳しい人が見たら、喰種だーってなるんだろうけど、雪乃さん学生だし。
でも私やおにいちゃんへの対応を見る限り、確信してるっぽいし。しかも、
そのお姉さんまで意味深な行動してるとは、怪しい…兄弟ぐるみで何かやってないよね?)

雪乃さんや陽乃さんに失礼だなんて思わなかった。それは優先度の問題だ。
今の私にとって、兄を助ける、兄の役に立つ事以外はどうでもよかった。
これは、元々なのか、助けを求めてもらった事による、一時的な感情なのかは分からなかった。

兄は優しい。だからこそ、人を疑い、その結果がどっちだとしても、
疑った事を悔やむか、裏切られた事を悲しむ。
だから、私は、その役割に就く。兄から情報を受け取り、誰かを疑う。

小町「おにいちゃんは、私が助ける!」

私は強く、そう決心した。

小町マジ天使

9:00 ~ ??? ララポ(雪ノ下+由比ヶ浜) が
9:00 ~ ??? ラブホ(雪ノ下+由比ヶ浜) に見えた

>>109
俺も見えた

この小町かなりシスコンだな
近親相姦しそう

(俺もラブホに見えたなんて言えない・・・)

続き投下

その後、風呂上がりの小町がタオル一枚で登場したりしたが、実妹に、やらしい感情を抱くはずも無く(ただ、食欲は抱いてしまったが、空腹も少しましになったため、意識も飛ばず)、軽くあしらった。

八幡(あんな事あったのに、よくもまぁ俺に近付けるよなぁ。もし、俺が逆の立場だったら絶対…いや、どうするだろうな)

小町は、俺の反応に少しムッとしていたが、いつも通りの俺が見れて、ホッとしているようだった。

ノートの内容を小町に見せると、やはり陽乃さんと材木座が怪しいと答え、それに加え、雪ノ下とこいつの知らないめぐり先輩もグレーだと答えた。

八幡「雪ノ下は、確かに意味深な事言ってたし、確かに何か知ってるよな。
でも、めぐり先輩を疑うのは、どうなんだ?」

生徒会の手伝いは、一色を生徒会長にしてから、何度かしているし、接触した時間も特に問題は無さそうだが。

小町「小町はこの城廻さん?の事よく知らないけど、生徒会の手伝いが終わってから、陽乃さんのメールが来るまで一時間も空きがあるんだよ。
その間に家に帰って来ないって事は、何かしてたんだと思う。その何かに城廻さんが関係してるんじゃないかな、思ったの。」

めぐり先輩のメールで18:00頃に生徒会の手伝いが終わった事は確かだ。
そして、現状行動が確定している中で、この空白の一時間は、確かに気になる。

八幡「お前の言うとおりだな…しかし、冴えてるな小町。俺は気がつかなかった。」

小町「まぁ、それを言ってしまえば、空白の時間なんて、たくさんありすぎるから、何でも無いかもしれないけど。
それと、疑うって言っても、ここにいる人達が直接おにいちゃんの件に関連してる、とはさすがに思ってないよ。」

人差し指を顎に当て、目を逸らしながら言う。

小町「一個人にどうにか出来る事じゃないと思うし。
だから、私が気にしてるのは、おにいちゃんの行動のうち、空白の部分の情報だよ。
知り合いの人と行動していない時間が一番怪しいと思うからね。」

そうは言うが、俺は気付いてしまう。

八幡(こいつ、今どっかで嘘つきやがったな。)

嘘を付く素振りというのは、自分で気が付かぬ所で出てしまうものだ。
こいつとの付き合いは長い、昔から、真剣な話をしている時に目を逸らすのは、嘘を付くか自分に落ち度がある時だ。

八幡(しかも、今の話が本当なら、誰々が怪しい、なんて言葉使わないだろ。)

だとすれば、おそらく小町が嘘を吐いたのは、[ここにいる人たちが直接~]と言っていた部分。つまり、小町はその時言っていた言葉とは裏腹に、[俺の知り合いが、俺の喰種化に関係している]、と考えているということになる。

八幡「まぁそりゃそうだわな。とりあえず明日はここに書いたの人らにいろいろ聞いてみるよ。」

何故小町が嘘を吐くのかは分からなかったが、それを今問い詰めても、答えてはくれないだろう。

八幡(嘘吐いてるってのも、推測に過ぎないしな。)

そう考え、小町の言葉の違和感には気が付いていない振りをして、話を進める。

小町「そだね。分かった事とかあったら、教えてね。小町は少ない脳を超回転させて、お手伝いします。」

八幡「いや、今日だけですごい役に立ってくれたよ。これからも…って待て、そうだ。お前受験生じゃん!」

朝はそういう意識があったのに、もう今まで忘れているとは、私の記憶力…やばすぎっ!

小町「むー…思い出してしまった。でも、こんな事あったら受験勉強なんかに集中出来ないよ~。」

八幡(何ということだ、もし、俺のせいで小町が…)

小町「俺のせいで小町が受験に落ちたら…とか考えてるんでしょ。」

八幡「はっ!読心術か。いつの間にそんな技を…」

小町「何度も言ってるけど、この事は小町にとっても重要な事なの!もちろん受験なんかよりも。」

八幡「小町…」

小町「それに、今日の事が無くても、いずれご飯とか食べなかったら、気付いてたと思うし。
だから、申し訳無いとか思うより先に、明日っから一緒に頑張って、さっさと現状の対応と原因の判明に勤める事!
それが今、おにちゃんに出来る、最大限の努力だよ。」

八幡「…妹にここまで教えてもらうとは。いや、情けないとかじゃ無いな。ここは感謝すべきとこだ。本当にありが…」

小町「わーわー!素直に感謝するの禁止ー!馬鹿!努力なんてしたくねぇーって言いなよ。あなたはごみぃちゃんでしょーが!」

顔を真っ赤にして慌てる小町。さっきまでの冷静な態度はどこへ行ったのか。

八幡「…そうだったな。えーと、今日は…もういいぞ小町。また明日、俺を助けてくれ。」

小町「まぁ…よろしい。そうだね、もう眠いし、また明日だね。」

おやすみ!と言い残して、小町はささっと部屋から出て行った。

今日は一旦、ここまで。

>>108 >>112
自分が小町好きなのバレバレですね。ただ小町の感情は恋愛では無く、元々の兄妹関係が強まったイメージで書いてます。

>>109 >>110 >>114
すみません。原作だと平仮名だったかな?ヒッキー的にはラブホのが大事件かもしれませんね。…さすがにそんな事ないか。

ラブホの方が大事件じゃない奴なんているんか……リア充か

グール化とラブホだったらグール化のが大事件だろ

比企谷さんなら異世界行ったり異能が目覚めたり喰種になったりなんて日常だろ

材木座氏も日常茶飯事かもな

実家帰ってて、全然更新出来ませんでした。申し訳ない。結構書き溜めたので、投下してきます。


火曜日

昨日は小町と別れた後、もうする事無かったし、疲れも溜まっていたので、すぐ寝てしまった。
そして朝、眠い体を起こして、向かった洗面所で、ある事に気が付く。

八幡(昨日の小町との会話中はあまり気にならなくて、おかしいと思ったが…)

先日、穴が空いていまった右腕が完治していた。
多分、喰種の特性だろう、こんな治癒能力持ってなかったし。異常な力だが、これで、学校の奴らから無駄な注目をうけずに済みそうだ。

八幡(もしかして寿命とかも伸びてんのかな?やだなー、小町より長生きしたくないんですが。)

傷が治った事を小町に報告すると、喜んで飛び付いて来た。本当に学習しない奴だ。それとも、俺を人に慣れさせるために、わざとこういう行動を取っているのだろうか。…後者は自惚れですね。

小町「これからは小町も朝ご飯我慢するよ。」

朝の食卓、いつも通り両親の出かけた後に、小町が訳の分からん事を言い始めた。
軽くチョップを加え、痛ーいと呻いている妹に言う。

八幡「ダイエットかしらんが、育ち盛りかつ受験を控えた女の子が、そんな無駄な事すんな。」

多分、ダイエットとかでは無く、俺に気を使っているんだろう。
しかし、小町が飯食わんからといって、俺の腹は膨れないし、もしダイエットだとしても、俺は認めない。抜くなら大量に食ってる晩飯を抜け。
何か言い返そうとする小町に対し、俺は追撃する。

八幡「小町が飯食ってるとこ見てんの、結構好きだしな。」

すげぇ美味そうに飯食うしなこいつ。
小町はキョトンとした後、一度俯き、苦い表情を浮かべて、

小町「うぅ、昨日からおにいちゃんが小町攻略ルートに入ったんじゃないかってくらい甘いよ。どうすればいいの?」

八幡「どうもこうも、俺は昔からお前に甘々だぞ。そして、いつお前から甘えて来ても受け止める覚悟がある。一人の兄として。」

小町「雪乃さん、結衣さん、だんだん兄のシスコンが無視出来ないレベルになってきました。助けて下さい。っと」

携帯片手に魔法の呪文を唱える妹。

八幡「いや、それやばいって、おにいちゃん社会的に死んじゃうから。もっと控えめなシスコンに戻るから許して下さい。」

小町「よろしい。…のかな?」

八幡「それ以下にはなれんので、譲歩して下さい。」

小町「まぁいっか。しかし、小町としては、妹以外の愛し方を覚えて欲しいです。」

八幡「大丈夫、戸塚の事愛してるから、本当に。」

いや、本当に。

小町「…お父さん、お母さん。兄の間違った愛を、完全に否定出来ない小町を許して下さい。」

一度戸塚見て、話したらそうなっちゃうよなぁ。それと、どうでもいいが、はよ飯を食え、はよ。

朝食後、小町を学校に送り届け、今日の予定を頭で組み立てながら、登校していると、
見覚えのある、真っ黒のリムジンが、俺の真横でゆっくりと徐行し始めた。

陽乃「やっはろー、比企谷君♪」

八幡「…はようございます。」

窓が開き、中から綺麗さと可愛さを兼ね備えたお姉さんが顔出した。
姉の方だったか…朝一からテンションが極限まで下がってしまった。

陽乃「もう、君くらいだよ?お姉さんに声掛けられて、そんな嫌そうな表情するのは。」

陽乃さんは頬をぷくーっと膨らましてケチ付けてくる。お姉さん可愛いなおい。
ただ、会いたくない人に会ったら、嫌な表情もするさ、人間だもの。この人本当に苦手だし。
俺の行動履歴を知るために、会わなくちゃいけなかったんですが。こんなに早く会えちゃうとは。嫌だなぁ。

陽乃「それとも、何か嫌なことでもあった?」

八幡「!」

普通なら、別に気にならない言葉だ。心配してても、嫌味でも、言う事だろう。
しかし、今の、喰種の俺には、含みのある言葉のような気がしてならなかった。敏感になりすぎてるんだろうか。

八幡「…心当たりでもあるんですか?」

陽乃「無いから聞いてるんだよ。雪乃ちゃんに比企谷くんの事聞いても、何も答えてくれないし。ただ…」

八幡「?」

陽乃「なんか昨日ね、比企谷くんの名前を出したら、様子が変だったの。でも、直接聞いてもどうせ教えてくれないから、本人に訪ねに来たわけ。」

なるほど、つまり俺に会いに来た理由は、うちの雪乃ちゃんに何をしたんだ?あん?って問い詰めるためか。
この人もやっぱシスコンだよな、俺とはタイプ違うけど。

八幡「…あいつとはいつも通りですよ。一方的な暴言を巧みに受け止める、言葉の投球練習みたいな事してます。」

陽乃「へぇー。そっか、分かったよ。」

話してくれないなら自分で調べるし、って後に続いてそう。この人って絶対嘘通じないよね。
しかし、俺が喰種になって、雪ノ下に気付かれたっぽいですねー。なんて話せないし。話して、弱味握られたら、死ぬまで有効活用されそうだし。

陽乃「…」

八幡「…」

どうしよう…金曜の事聞きたいけど、気まずいし、どう聞けばいいか分からん。もう後回しにして逃げ出すのもありじゃね?

陽乃「そういえば。」

八幡「!」

吃驚した。どう逃げ出そうか考えてる所で声掛けないで下さい、狙ってやってるの?
ってか女の人にこんなビクビクしてる俺なんなん?この人だからしゃーないけど、喰種になっても変わんないなぁ。

陽乃「先週は楽しかったねー。比企谷くんと二人であんなことするとは思わなかったよ。」ポッ

ぇ、なんでこの人顔赤らめてるのん?俺ってば、お姉さんと何したの?

八幡「それって、金曜の事ですよね?ちなみに何したんでしたっけ?」

質問すると、陽乃さんは俺の顔に手を伸ばして来た。綺麗な手をしていらっしゃる。

陽乃「それを女性に言わせるとは、比企谷くん、いや八幡もまだまだだね。」キュッ

分からん。金曜何したのかも、途中でなんで名前呼びになったのかも、何故今頬をつねられているのかも。
指柔らけー。なんか幸せだ、俺ってMなのかもしれん。

陽乃「浮かれた顔してるねー。私に頬つねられて、幸せそうにしてたって、雪乃ちゃんに報告しちゃうぞー」

陽乃さんは、俺の頬をつねっていた指を離し、意地の悪い表情をして、問い掛ける。
頬から手が離れた事で、ハッと現実に戻り、

八幡「べ、別にいいですよ。間違いなく今幸せを感じてましたから。」

そう答えると、陽乃さんはキョトンとした表情を浮かべた。

陽乃「…ふーん。ま、元気そうで良かったよ。もう学校着いちゃうし、またね、比企谷くん。」

そう言い残して、リムジンは加速し、あっさりと視界から消えて行った。

八幡(結局何したか全然分からんかったが、何か楽しかったからよしとしよう。陽乃さんと会ってこんな気分で、バイバイ出来たの初めてな気がするしな。)

進展は無かったが、初めはこんな感じでも仕方ないだろう。急に、記憶喪失したから、何してたか教えてー、なんて由比ヶ浜ほどのお馬鹿さんにならないと言えん。変な気使わせたり、弱味握られたら嫌だし。
それに、金曜は何かあったとしても早すぎる。そこまで重要な事はしていない、はず。
陽乃さんの言い方は男の子的にすんごい気になるが、特に何もしてなくても、ああいう風に、無駄に誇張しそうだし。

八幡(また次会った時に詳しく聞いてみるか。)

???「おはよう、比企谷くん。」

駐輪場に自転車を置き、校舎に向かおう、という所で、後ろから声を掛けられた。この声は、

八幡「よう、雪ノ下。お前の特技はいつから待ち伏せになったんだ?」

俺は振り向きながら、挨拶がてら嫌味をぶつけてやる。

雪ノ下「あら、ちゃんと挨拶出来るようになったのね。偉いじゃない。少し、言葉が足りない気がするのだけれど。
それと、待ち伏せなんてしていないわ。偶然、あなたを見つけてしまったものだから、知人として、声をかけておかないと、と思っただけよ。」

早口でまくし立てよってからに、チャリ通でも無いのに、駐輪場でうろうろしてる奴いる?

八幡「なるほど、お前のお散歩ルートに駐輪場が入ってたのは意外だが、納得しよう。」

雪ノ下「言い返したいところなのだけれど、これ以上、有限な時間をあなたとの会話で無駄にしたくないから、端的に聞くわ。
昨日、もしくは今朝、姉さんと会わなかった?」

今回はここまで。
更新ペースはお盆明けたんで、毎日に戻せると思います。まだ見てくれる人おるかな…

>>122 >>123
僕はラブホ行けるなら喰種にでも、何にでもなります!(決意)

>>124
材木座は本当に八幡の事好きですね。誰得。

>>137

連投すみません。
>>124 さんじゃなくて >>125 さんでした。

応援してるので書ききってください

週末八幡は陽乃さんとイケナイ遊びでもしたのかな?
次の更新も期待してます。

はるのんとリゼさんて似てる気がする

期待

続き投下

なんなのこの人、職業:俺のストーカー、とかなの?

八幡「…どうしてそう思うんだ?」

雪ノ下「昨日の事なのだけれど、姉さんの様子が変だったのよ。」

姉妹で同じ事言ってやがる…。何なの君たち、腹の中の探り合いが趣味なの?ライアーゲームでもやってるの?

雪ノ下「…」

八幡「…え?それだけ?」

雪ノ下「…いえ、これ以上言うと、あなた、つけあがりそうだから、あまり言いたく無いの。」

さいですか…まぁさっきの陽乃さんとの会話で、言いたく無い事ってのはなんとなく分かる。
昨日の奉仕部の件もあるし、まじで、言いたくないんだろうなぁ。

雪ノ下「けれど、質問をする側として、情報を提供しないのは、あなたが相手でも、無礼になるわね。
その、いつも、姉さんに、電話であなたの事を聞かれるのだけれど、昨日はなんというのかしら、食い付きが甘かったというか。
名前が出ただけで、話題が終了してしまったの。」

八幡「それはおかしな事なのか?」

雪ノ下「おかしいわよ。いつもなら、何を話したのかとか、何度顔合わせたのとか、一緒に帰ったのかとか、無駄な質問ばかりしてくるのよ。」

あの人、完全に僕の事、悪い虫だと思ってません?雪ノ下に手を出せるほど、僕は度胸にパラメータ振っていませんよ。
というか、無さ過ぎて、度胸という概念が行方不明になるまである。
…喰種化してから、感情が抑えられず、度胸があるやつっぽい行動はしてるが。

雪ノ下「いつも、あなたの事ばかり。そのせいで…。」

八幡「?」

雪ノ下「と、とにかく、昨日の姉さんは変だったのよ。電話中はホッとしていたのだけれど、よくよく考えると、姉さんがあんな反応を聞き逃すはずが無いと思って、尋ねてみた、という事よ。」

頬を赤らめ、目を逸らして、早口で説明する雪ノ下。
やはり、慌てている時のこいつは、どこか子供っぽくて可愛らしい。普段の冷静な部分とのギャップに感動すら覚える。

八幡「なるほど、名推理だな。奉仕部改め、探偵部とかやった方が、世のためになるんじゃねーの?」

冷やかしを言うと、ギロリと睨まれる。やはり、こちらの方が雪ノ下らしいと思う。

八幡「えー、と、確かに今朝、ってかさっき、登校中に陽乃さんに声掛けられたよ。何の用かは、お察しの通りだ。」

というか、互いの事気にしすぎだろ。姉妹ってこんななの?俺は妹がいれば、十分だわ。

雪ノ下「そうね。姉さんは比企谷君の事を目にかけているようだし。口実さえあれば、会いに行こうとするわよね…」

ん?なんか、思考のベクトルが変な方向向いてません?

八幡「いや、あの人はお前の…」雪ノ下「それで、何を聞かれて、何を答えたのかしら?」

いや、まず俺の話を聞いてくれよ。みんな食い気味に喋りすぎじゃないすか?

八幡「…雪乃ちゃんになにかした?って聞かれたから、何もしてない、って答えただけだ。」

雪ノ下「…」

珍しく雪ノ下がキョトンとした顔をしている。最近女子の間で流行ってんのかな。

八幡「雪ノ下?」

雪ノ下「へ?今、何をどうして、誰の名を?」

なんでこいつ慌ててんの?誰の名を?って言ったか…もしかして。

八幡「雪乃…ちゃん?」

雪ノ下「!」

顔を赤くして、少し小さくなる雪ノ下。あれ?こいつこんなに可愛かったっけ?

雪ノ下「し、下の、名前で、呼ばないで、もらえるかしら。その…異性から…」

俯きながら、段々声の小さくなる雪ノ下。その姿からは、普段の、力強く冷徹なオーラは微塵も感じられず、小屋の隅に蹲るウサギのようだった。

八幡(やばい…可愛い。名前で呼ばれるの嫌がるのか、こいつ。なんだか変な趣向に目覚めそうだ。
もっと、もっと虐めたい。)

八幡「ゆき…」キーンコーン

と、もう一度名前を呼ぼうとしたところで朝のチャイムが鳴り響いた。
そして、俺はハッと目が覚めたように顔をあげ、後悔し始める。

八幡(な、にやってんだ俺!あからさまに嫌がってんだろ、これ。と、とにかく。)

八幡「すまん!雪ノ下!なんか気が動転してて、その、なんて言うかお前が、か…」

自分を抱きかかえるようにして、俯いていた雪ノ下が、顔を上げ、上目遣いでこちらを見てきた。

雪ノ下「?」

こいつのこんな顔、反則だろ。と思った。弱々しい仕草と赤みがかった頬、そして、上目遣いまでされたら…やばい、食欲が湧く自分が本当に信じられない。

八幡「かあさんが飼ってた、ウサギにそっくりだったから、つい虐めたくなったんだ。その、すまん。」

ほら、言い訳が意味の分からん事になった。いつウサギ飼ったんだよ、母さん…。

雪ノ下「そう…本当にあなたって人は…いえ、取り乱してしまって、ごめんなさい。」

また、悪くもない女の子に謝らせてしまった。胸糞悪い、いっそ罵倒してくれたら、どれだけ気が楽になるだろうか。

八幡「いや、お前が謝る事じゃない。なんというか、昨日から変なんだよ。
…お前は、気が付いてるかもしれんが。」

雪ノ下「…早く、平塚先生に会いなさい。私は落ち着いてから、教室に戻るから。」

雪ノ下は少しは平静を取り戻したように見えた。俺ももう少し残ろうかと思ったが、あんな事をした俺と居ても、気分が悪くなるだけだろうと思い、一人教室へと向かった。

寝落ちしてました。本日はここまで。

>>139 >>140 >>142
ありがとう。頑張ります。

>>141
お姉さんキャラですからね。はるのんもヒッキーも高槻作品読んでそう。

続き投下

教員「…それと本日、平塚先生は外出されている。帰りは夕方になるらしい、以上だ。」

朝礼が終わり、教室が喧騒に包まれ始める。そんな中、とことこと由比ヶ浜が俺の席に近付いて来た。

由比ヶ浜「えと、おはよ。」

八幡「おう。」

なんか元気が無いように見える。昨日の事を気にしているのだろう。

八幡「昨日は、悪かった。その、ずっと気分が悪くて、ぼうっとしてたというか。…言い訳にしか聞こえんと思うが。」

由比ヶ浜「いや!全然気にしてないし。むしろ今日は大丈夫なの?そんな顔色良く無さそうだけど。」

そう見えるのか、昨日よりはましな気がするが、朝から人と接し過ぎたせいかもしれんな。

八幡「昨日よりは多少ましだ、目を見りゃ分かるだろ?」

由比ヶ浜「いや、いつも通りだからよく分かんないし…あ、鞄、取りに行ったんだね。」

八幡「あぁ、さっき職員室にな。」

雪ノ下と別れた後、職員室に行くと平塚先生は外出中だった。別の教員から、夕方まで帰らないという話を聞き、昨日、由比ヶ浜が預けてくれた鞄を受け取った。

八幡(平塚先生とは夕方以降に接触するとして、とりあえず近い奴から話聞いて行くか。)

八幡「鞄、ありがとな。
そういや、由比ヶ浜、先週俺と、ららぽ行ったよな?何したんだつけ?」

由比ヶ浜「えへへ、気にしないで、
って、えぇ!ヒッキー忘れるの早すぎ!もう、ゆきのんに報告決定だよ!
…っていうか、ここで言うの?」

途中から顔を近付けて、小声で話す由比ヶ浜、近い近い、なんで皆こんな無防備なの。俺のガードが硬すぎなの?

八幡「え、何?ここじゃ言えないような事しちゃったの?俺。」

由比ヶ浜「そそ、そんなわけないじゃん!ただ、ヒッキー、あんまりクラスでそういう話するの好きじゃ無いと思ってたから。」

しまった。俺がというより、由比ヶ浜が俺みたいな、カースト最下位と休日に出掛けたって事は、あまり大っぴらにしたくない。

由比ヶ浜「ふえ!?」

八幡「すまん、この事はまたメールで聞くから、そこで教えてくれ。」

由比ヶ浜の耳元に顔を近付け、囁くように伝える。

由比ヶ浜「うぅ、うん。わゎ、分かりました!じゃ、じゃあまた放課後!」

由比ヶ浜は逃げ出した▼
また間違えてしまった。昨日から、長年のぼっち生活で培ってきた、人と適切な距離置くことの出来る才、が発動しない。
喰種の影響で感情をコントロールしにくいのが原因だろうか。この才能が発動しないと、今みたいに無駄に傷付いてしまうので、辛い。
とにかく、今はクラスの視線が痛いので睡眠に逃げよう。

寝続けて昼休み。ようやく自由に行動が出来る。
まずは材木座からあたって…

戸塚「やっはろー、八幡。」

八幡「やっはろー、戸塚。今日もお前に会えた事で、この世界に存在する意味が理解出来たよ。」

行くわけが無い、そんな時間あるなら、戸塚のために学校のテニスコートを手入れしに行こう。
ヒッキーキモい!という声が聞こえた気がしたが、気にしない。

戸塚「相変わらず、八幡は簡単に難しい話をするね、尊敬しちゃうなぁ。」

感心したような顔をしながら、俺の席を通り過ぎて行く戸塚。テニス部で昼練でもするのだろうか、そのまま教室の外へ向かって行く。あぁ、俺のオアシスが…

戸塚「そうだ。先週は楽しかったね!また来週も遊ぶの楽しみにしてるよ、八幡!」

飛びっきりの笑顔で手を振り、教室を出て行く戸塚。その後、数秒の間、俺は口を開いたまま、時が止まったかのように、ピクリとも動くことが出来なかった。

時を同じくして、昼休み、俺は今、材木座の教室の入り口に立っている。正確には、またも、時が止まったかのように立ち尽くしていた。
原因は教室の端で昼食を摂る二人の女子生徒の机の横で、正座をしている、材木座にあった。

八幡(何やってんだ…あいつ。)

今日はここまで、グダグダしすぎぃ、話のペース上げないと…

まあVIPでもあるまいし、そんなペースとか気にせんでも

遅くなったー続き投下

最初は女子達の罰ゲームかとも思ったが、
材木座は、正座しながらも、凛々しい表情を浮かべ、オロオロとした雰囲気を全く出して居らず、
二人の女子生徒 - 赤みがかったショートの活発そうな子と、
黒髪ショートボブに眼鏡をかけた大人しそうな子 - も、楽しそうに談笑していた。
いじめとかそういう類では無いのだろうか。

状況が理解出来ず、身動きが取れずにいると、ふいに立ち上がった材木座と目が合った。
材木座は口元を緩めると、赤髪に声を掛け、俺の方を指差しながら、少し会話をした後、
こちらに向かって来た。ってか人の事指差すなよ。しかも女子の前で。

材木座「やーやー、八幡ではないか!我が城を前で、鈍い眼光を光らせている曲者に、すぐ気が付かぬとは、
我もまだまだだな。して、我に何か用か?」

八幡「その通りなんだが…なんかテンション高いなお前。いつもだと、昼は死んだように寝てんのに。」

材木座「けぷこん、けぷこん。そうだな、少々話したい事もあるし。自販機に向かいながら、語らおうではないか。」

こいつの言う通りにするのは癪だったが、俺らみたいなのが、
教室の前で屯するのもよろしくないので、仕方なく従う事にした。

歩きながら、聞いてもないのに、材木座があの女子生徒達の事を、話し始めた。
要約すると、ゲーセンで絡まれていた所を赤髪に助けられたらしく、
それ以来、付き従っているらしい。
普通逆じゃね?と思ったが、材木座という生き物は、弱肉強食の最下位に位置するため、
理解するのは容易だった。

八幡「それにしても正直驚いたぞ、材木座とクラスの女子との会話が成立する所を、
この人生で見る事になるなんてな。」

本当に以外だ、人類が宇宙人がコンタクトを取る方が早いと思っていた。

材木座「ぬっふっふ。我の力では無い。全ては我が君子!赤髪女子殿のおかげよ。
あの物怖じせぬ態度と、暴漢に立ち向かう勇気は正に英傑!
そ、それに我とも分け隔て無く接してくれる、懐の深さ!我の君子とするに相応しいお方よ。」

なるほど、なんとなく折本と似た空気を感じるな。てか名前知らないの?

八幡「もしかしてお前、惚れてんのか?」

材木座「そそそ、そんな訳なかろうが!…我が、など、おこがましいにも程がある…」

八幡「いや、悪いな。そうか、お前の奉仕部の依頼メールに載ってる小説の内容が、どうにも厨二病路線から、
学園ラブコメ路線に変わってきている気がしていたが、それが原因だったか。」

材木座「ぐふぉ!…確かにその通りだ。そう!その事を無二の親友である八幡に相談しようと、
先日から直接メールを出しているというのに、貴様という奴は!なんで無視するんですかぁー!」泣

八幡「いや、すまん。最近は忙しくてだな…」

材木座「くそう!何故貴様ばかり!日曜も出会い頭におなごと夜の街へと消えて行くし!
うおー、我も、青春がしたいぞー!」

八幡(ん?)

八幡「おい、材木座。お前やっぱ、日曜に俺と会ってるのか。そこで俺が何したって?」

材木座「うおぅ!びっくりした。そんなに食い付くとは…よほど、やましい記憶なのだな。ちぃ!」

先ほど、自分の女子エピソードを話す時に、輝いていた材木座の表情を既に消えていた。
今は、口をへの字に曲げ、眉をひそめ、どうやったのか眼鏡まで曇らせて、妬ましそうな表情を浮かべている。

材木座「先ほど言った通り、我が一人寂しく聖地(ゲーセン)からの帰路に着いていたところ、
同じく寂しそうな背中をした同士を見つけたのだ。だから我は、事前にメールを送り、そして、
メールに気が付いたところを後ろから驚かす。という、粋な計らいを実行に移そうと、八幡!
貴様の後ろを忍び足で追跡していたのだよ!」

八幡(完全にストーカーじゃねえか。ってか、あのメールはそういう事だったのか、
やる事なす事、いちいち気持ち悪いなあ。それとも、こいつがやるから駄目なのか?)

材木座は、辿り着いた自販機でジュースを買いながら続ける。

材木座「すると!急に路地裏から女性の声が聞こえ、貴様が路地に入って行くではないか!
慌てて覗くと、奥へと走る八幡と、その手を引く華奢な影が!あれはいったい何だったのだ。
もしやして…二人は夜の街に消え…その後、チュンチュンのような事になってはいないだろうなあああ!」

八幡「お、落ち着け、材木座。」アセアセ

八幡(これは明らかに有益な情報だ。話を聞きだすために、こいつには少し詳しく話してみるか。)

八幡「その、だな、実は俺、先週の金曜から日曜までの三日間の記憶が丸っきり無いんだ。」

材木座「…ぇ?そうなの?」

怒りの形相から一変、目を丸くしてそう答える材木座。
素が出てんぞ、相変わらずアドリブに弱い奴だ。

八幡「唐突すぎるよな…まあ、別に信じなくてもいい。ただ、日曜にお前が見た俺の情報を、教えて欲しいんだ。」

今日はここまで、オリキャラの理由は追々。本筋にはあんま絡みません。

>>158
気にしなくていいですかね?自分で見てて、グダッてんなって思ったんで。
まあ、見てくれてる人に飽きられないように頑張ります。

昨日更新出来なかったので、書き溜めてた分。

材木座「ふむぅ。確かに、にわかには信じれん話だが…なぁに、我が記憶が必要というのなら、理由など要らぬ!存分に盗むがいい!」

八幡「お、おう。ありがとな。」

材木座「はっはっは。礼も要らぬ、我らは、その、と、と、友達じゃん?」

頬を赤らめ、そっぽを向きながら呟く材木座。誰得すぎる。海老名さんでも反応しないだろこれ…。

材木座「しかしだな、我が見たのは、先ほど話した内容でほぼ全てなのだが、他に何を話せばいいのだ?」

八幡「その俺の手を引いていた、女子の事について教えて欲しい。」

材木座「ガッテン承知!なんでも聞いてくれ!」

頼もしい返事だな、期待が高まる。

八幡「顔はどんなだった?お前も知っている奴か?」

材木座「分からぬ!後ろ姿しか見えなかったからな。」

八幡「そりゃ仕方ないな。
それなら、格好は?学生服とか、職種を限定出来たりする服装じゃなかったか?」

材木座「どうだったか、シャツを着ていたような…うぬぅ、コスプレなら簡単に記憶に留められるのだが。」

八幡「そ、そうか、…じゃあ、髪型は?後ろ姿でも少しくらい分かっただろ。」

材木座「長かったような、短かったような。ぐむむ…思い出せん。」

八幡「えーと、背格好、体型は?なんか特徴とか。」

材木座「華奢であったな!あれはおなごであろう。それ以外は…分からん。」

八幡「…俺の事なんて呼んでた?」

材木座「それが、分からぬのだ。八幡は名を呼ばれて、路地へ向かったのかもしれんが、我の耳には届かなかったな。」

つまり…何も分からんかった。

八幡「結局何も分かんねぇじゃねぇか!」

材木座「ぐふぉ!いや、だって急な事だったし、一度見ただけでそんな…ねぇ。」

八幡「じゃあ、あんな自信満々な面すんなよ…。」

俺は肩を落とし、溜息を吐いた。期待がでかかった分、残念具合も大きい。ここらへんしっかり残念なのは、材木座らしいっちゃらしいが。

材木座「うぬぅ…すまぬ。」ショボン

八幡「全くだ。あんま自信無いなら期待させないでくれ。」

と、言いきったところで、横を歩いていたはずの材木座がいない事に気が付いた。
振り返ると、壁にもたれ掛かり、しゃがみ込んで、うじうじしている巨体がいた。
もう一度溜息を吐き、少し離れた材木座に聞こえるように言う。

八幡「…まぁ、その女の人の事は分からなかったが、日曜の情報は大きいかったよ。ありがとうな。」

俺の一言で、雲間から光が差したかのように笑顔になる材木座。事実、進展はあったしな。
そして、勢いよく立ち上がり、機敏な動きで俺の横に着き、腕を組みながら「そうであろう、そうであろう。」と呟いている。
うっとおしい奴だなぁ。


考えをまとめながら歩いていると、材木座の教室に辿り着いた。

八幡(今のところ、これ以上材木座に聞くことは無いかな。)

八幡「そいじゃ、材木座。いろいろ、さんきゅーな。」

材木座「礼には及ばんよ!こちらからはいつも相談を受けてもらっているしな。」

奉仕部のメールの事か、適当に返した事しか無いが。

八幡「それもそうだな。
ってお前、ブラックコーヒーなんて飲むの?」

なんとなく、材木座の持っている缶に目がいった。おいおい、ブラックとか大人かよ。

材木座「いや、これは君子に頼まれていたものだ。我のはこれ。」

逆の手に持っていたコーラをかかげて言う。おいおい、コーラとか、デブかよ。ってかデブだった…お前の場合はカロリーゼロにしとけ。まじで。

八幡「なるほど。パシリか。」

材木座「そ、そのような低俗な雑務では断じて無い!これは崇高な任務であからして、っておい、待て!断じて違うぞ!はちまーん!」

長くなりそうだったので、ささっと自分の教室へと向かう。

八幡(あいつは、本当にいつもと変わらないな。)

いい事なのかは知らんが、なんだか少し安心した。

ちゃんと毎日更新出来ないー、申し訳無い。続き投下。

[放課後]

八幡(腹の減り具合、ちょっとは治まったな。)

昼に一応、飯を食おうとはしたが、結局吐き出してしまった。
午後の授業は腹が減りすぎて、寝る事も出来ずに机に突っ伏して、空腹に耐えていた。
その甲斐もあったのか知らんが、今は気にならない程度まで回復してきた。

八幡(不安定すぎるな、とりあえず今日はさっさと平塚先生に会って、帰るか。
ほいで、また自分喰って…でも、あれ痛いんだよなあ。でも、他の人食うわけにはいかんし、
ってか今の俺、完全に自給自足?すげえ、働かなくてもいいじゃん。
いや、でも、もう少し自分に優しい生き方したい…)

葉山「ヒキタニ君、ちょっといいかな?」

俺が帰りの支度を整え立ち上がると、葉山が話しかけてきた。

八幡「いやだ。」

葉山「そうか。…じゃあ、昨日話した事の続き、って言えば、興味を持ってくれるかな?」

昨日の話といえば、ここらで出た喰種とやらの事だろう。
そう思い、少し表情を固くする。

葉山「ここで話せる内容じゃないから・・・屋上で待ってるよ。」

言い残して教室を出て行く葉山。教室の後ろでは発狂する海老名さんを、三浦が治めていた。

正直、屋上には行きたくない。ささっと帰りたいし、喰種の話も、無理をしてまで知りたい情報では無い。
ただ、気になるのは、[葉山はなぜ、俺が喰種の情報に興味を持つ]と思ったのか、という事。
自分が喰種だと理解した今、昨日の事を考えると、喰種出現の話を唐突にしてきた事も、
何か意味があるんじゃないかと思う。

八幡(行くか、屋上。考えてても分からんし、本人に直接聞いた方が早いだろう。)

そして屋上。

葉山「来てくれたか。」

八幡「渋々な。正直、来たかなかったよ。」

葉山「そうかい。じゃあ早速本題だ。昨日話した喰種の話は覚えているよね?」

八幡「さすがに一日前に聞いた話を忘れるほど鳥頭じゃねーよ。」

別名、由比ヶ浜頭。…さすがのあいつも一日前の事くらい覚えてるか。

葉山「その喰種が出現したのは、先週の日曜日だと言う事も伝えていたと思う。」

八幡「そう…だな。」

数秒前にあんな事言っといて、若干忘れていた。恥ずかしすぎるだろ。
そして、嫌な繋がりに気が付き、苦い表情になる。日曜日、材木座に聞いた俺の行動、喰種の出現。

葉山「詳しい時刻は分からないし、本当かどうかも、分からないけどね。」

八幡「そこまでは昨日聞いた話と同じだろ。続きなんじゃねーのか?」

葉山「君を、目撃した人がいるんだ。先日、喰種が出たって言われてる街中でね。」

八幡「!?。誰、だ?その目撃者ってのは。」

材木座だろうか?それとも一緒に居たっていう女だろうか?

八幡(いや、待テ、今、重要、なのは、そこか?)

葉山「その質問、君らしく無いな。目撃者については、答えるつもりは無いけど、とりあえず、この情報は本当のようだね。」

八幡(何だこいつは、何が目的で俺にこの話をするんだ?落ち着け、ここで慌てるのはおかしい。
別に俺は何かした訳じゃ…って記憶無いんじゃ分からないか。やばい、テンパって来タ。そんな事より、腹減ったな。)

葉山「何か知っているんだね?それなら俺に教えてくれないか。力になり・・んだ。
もし君が・・事・・関わっ・・・なら。・・・。」

葉山が何を言っているのか聞き取れない。何故だろう、ここで、何かを考えなくちゃいけない気がする。
何だったっけ。


葉山「・・谷君?」

八幡(ちゃん、と聞こえ、ない考えが、まとまら、ない前も、こんな感、じで美味、そうな肉、を、逃がしたんだ!)

八幡「があああああああうああああ」

葉山「ぅっ!」

地面を蹴って、勢いよく、葉山に跳び付く。葉山にはしゃがんで避けたられたが、すれ違い様に肩の肉を少し食いちぎった。

八幡(肩の肉肩の肉美味ウマ。)

葉山「っ痛、くそ!」

八幡「うまああああああい!もっト!モットォ」

やっぱ人の肉だ!無理して変なもん喰って吐くよりも!断然いいに決まっている!
何よりもこの幸せを知っていながら、食事を行わない事は、生に対する冒涜だろう。

葉山「…また、・・・たのか俺は。」

ふと、飯が座った。逃げないのだろうか。それならば、

八幡「喰わせろおおおおお。」

もう一度跳びかかる。

八幡(まず、腹から喰ウ!そして全部喰ウ!残さんゾ、ぉ?ォ?あれ?飯が離れてク?)

飛び掛ったはずが、どんどん飯が離れていく。

???「相変わらず。」

違った。遠ざかっているのは俺のほうだ。何かが腹に刺さり、その勢いでふき飛ばされている。

八幡(痛い!腹が冷たい!何か刺さってる!)

八幡「ぃぃぃいいたぃぃいぃ!」

???「躾がなっていないわね。比企谷君。」

屋上の金網にぶち当たり、宙を浮いていた身体が地面に着き、嗚咽がこぼれる。

八幡「ふぐぅう・・・ぇ。」

顔を上げ、声がした方を向くと、そいつが屋上の入り口に立っていた。

八幡「ゆきの、した?」

この一年間、幾度となく見た、その姿。ただ、何かに違和感があった。
疑問符になった理由はそこだろう。何かはよく分からなかったが、ただ、綺麗だと思った事は覚えている。

雪ノ下「とりあえず」

そして、声と共に、遠くにいたはずの雪ノ下が急に目の前に現れ、

「一眠りなさい。」

俺の意識は無くなった。

何が起こってんのか、美味く説明出来ない。また昼過ぎに更新します。

喰種って同じ喰種相手にも食欲湧くんだっけ?
湧かないなら人間かそうじゃないか判別はできないのか

続き-

[保健室]

目を覚ますと、なんか見た事のある天井が目に入った。寝起きのぼうっとした感覚で状況を判断する。
どうやら、保健室のベッドの上のようだ。

平塚「おぉ、目が覚めたか。」

起き上がり、声のした方を向くと、ベッド横のパイプ椅子に座っている平塚先生と目が合う。

平塚「気分がどうだ?」

八幡「…気分、ですか。なんだか、体が重いような。」

八幡(というか、なんで保健室で寝てるん・・・)

屋上での出来事が頭に再生され、思考が活性化する。

八幡「そうだ!葉山は!あいつは!無事ですか!」

八幡(またやっちまった、くそ!)

平塚「落ち着け。葉山なら隣のベッドで寝ている。傷も深くないし、手当ても済んでいる。」

八幡「そう・・・ですか。」

平塚先生を挟んで、隣のベッドで寝ている葉山を見て、少し安堵する。

ほっとするのと同時に、ドッと腹の痛みが押し寄せて来た。

八幡「ッ痛。」

平塚「大丈夫か?怪我の具合で言えば、君の方が重症なんだ。安静にしたまえ。」

大きく痛みを感じるのは、右の脇腹だった。包帯が巻かれていて、どんな状況かは見えないが、
昨日、右手に喰った後に感じた、空洞のような感覚がする。これは重症だな…いや今の俺にとっては違う、のか?
それ以外には、後頭部がやけに痛い。

雪ノ下「先生。今の彼にとって、その程度の怪我は掠り傷、心配するようなものではありませんよ。」

また声がした。発生源を辿ると、ベッドから少し離れたパイプ椅子に、雪ノ下が座り、本を読んでいた。

平塚「雪ノ下。本当に、今の比企谷は、喰種…なのか?」

雪ノ下読んでいた本を閉じ、立ち上がりながら答える。

雪ノ下「ほぼ、間違いないでしょう。眼球の変色を二度、確認しています。」

二人の会話を聞いて、改めて自分が喰種である事を理解する。
自分の中にあった、もしかしたら…、という考えも、消え、少し暗い感情が、表情に出てしまう

平塚「そう、か。」

雪ノ下「ただし、二回とも確認できたのは、片眼のみでした。」

それを聞き、屋上での事を再度思い出す。

八幡(眼…そうだ、あの時、俺は雪ノ下を見た。そして、うろ覚えだが、こいつの眼は両目とも、)

雪ノ下「さて、比企谷君。起きたばかりで悪いのだけれど、あなたの事情、詳しく話して欲しいのだけれど、
大丈夫かしら?」

問いかけられ、思考を中断し、どう答えるべきかを考える。
全て話していいのだろうか。もしかして、殺されたり、軟禁されたりするんじゃ…
直ぐに答えられず、逡巡していると、優しい声音で平塚先生が言う。

平塚「安心しろ、私達はお前の味方だ。こちらの事から話したいが、物事には順序がある。
君の事を、君自身から聞かなければ、私も立場上、素性を明かす訳にはいかないんだ。」

そう言われても、なお疑ってしまう。彼女達は付き合いが長いといっても、まだ一年程度。
裏切らない保障は、無い。彼女達を信じる事の出来ない、自分の存在が、本当に嫌いだ。

雪ノ下「私は、喰種、よ。もう分かっていると思うのだけれど。そして平塚先生は、人間。
だけれど、喰種の生徒のカウンセラーのような事をしているの。」

唐突に雪ノ下が説明した事で、場に戸惑いが生まれる。

平塚「…雪ノ下。」

八幡(平塚先生が喰種のカウンセラー?いや、それよりも、雪ノ下が、喰種…)

なんとなく分かってはいたが、そうではない、と否定して欲しかった自分がいる。
勝手に憧れを持ち、勝手に失望し、それを何度繰り返せば、俺は理解するのだろうか。

雪ノ下「ごめんなさい、先生。でもこの人は決して、人の内側なんてものを、信用はしないのだと思います。
信頼するのは、機械のように、情報だけ。ひとまず、彼が喰種、そこを理解した上で、
話す事のデメリットを消してあげない限り、状況は変化しません。」

事実だ。全て本当の事。なのに、胸が締め付けられる。おそらく、傷の痛みでは無いだろう。
それを聞いた平塚先生が、片手で頭を支えながら言う。

平塚「…君達は、奉仕部に入って変わった、と思っていたが…いや、今話すべき事では無いな。
しかし、確かに、話をしてもらう側として、必要な情報は先に提供すべきだな。
そう、何から話すべきか…とりあえず、先ほど雪ノ下が言った。私が生徒のカウンセラーをやっている、という事から話そう。」

多分、今の俺の目は相当濁っているだろう。そんな目を平塚先生に向け、話に耳を傾ける。

平塚「まあ、カウンセラーというよりは、喰種である生徒に対する対応や雑務だな。
内容については、喰種であると思しき生徒を発見した場合に、調査を行い、ある程度の情報が得られたら、
こちらの素性を明かし、生徒及び保護者の状況を理解した上で、適切な処置を行う。というものだ。」

処置という言葉を聞き、少し背筋に悪寒が走った。

八幡「…処置、っていうのは、具体的にどんなもの、なんですか?」

平塚「いや、別にその生徒をどうこうする訳じゃないぞ。ただ、現状に誤りがあった場合には、
そこを修正したりだな…」

雪ノ下「具体的には、殺処分や喰種管理局への通報等では無く、食料の調達ルートの提示や、
専門の学校への編入の推奨等ね。まあ、問題のある生徒の場合、少し強行手段を取るのだけれど。」

具体性を得ない先生の説明に、雪ノ下が割り込む。
しかし、聞いただけでは、よく分からない。強行手段に関しては、分かりたくもない。

雪ノ下「説明が必要のようね。
まず、食料ルートの確保について、これは語弊を招きやすいのだけれど、別に、
[人の狩場]を教えたりする訳ではなくて、裏ルートで人の…肉を購入するための手段を教授するという事よ。
大抵の喰種家庭の場合、既にそういう筋を持っているものなのだけれど。」

雪ノ下は、さも当たり間のように、淡々と言葉を並べる。ただ、表情は少し暗い気がする。

平塚「…随分と具体的に話すんだな。」

雪ノ下「失礼ながら、先生に話し方では、この人が納得してくれると思えないので。」

平塚「そうか、いや、そうだな。ここからは私が話そう。
専門の学校への編入についてだが、これは対応する全ての喰種生徒に推奨している。
表では普通の私立学校だが、全国から喰種の生徒を集めている学校があるんだ。…あまり治安はよくないらしいが、
そこなら、普段の行動に気兼ねする事無く生活できるからな。」

校名を聞くと本当に聞いた事の無い所だった。というか千葉じゃないし。

すごい中途半端だけど、一旦ここまで、また深夜に更新出来るかも。

>>184
原作には特に人と喰種を見極められている描写は無いと思います。
こいつの肉は不味そう、とかは思うのかも知れませんが。

八幡「肉うめえ!!!」

雪乃「そう、それは良かった。けどそれ、由比ヶ浜さんだったのよ?」

八幡「……え?」

八幡「肉うめえ!!!」

雪乃「そう、それは良かった。けどそれ、由比ヶ浜さんだったのよ?」

八幡「……え?」

続き

平塚「そして、それらの提案を跳ね除け、問題のある家庭と指定された者は、…通報し、身柄を拘束する。」

話ながら、先生は悲しそうな表情を浮かべる。

雪ノ下「まぁ、ここまでの説明した上で、提案を跳ね除ける輩なんて、どこか頭のネジが外れているとしか、思えないのだけれど。」

平塚「…以前、君達の入学する、少し前か、一人だけ居てな。あの時は、協力的な生徒、職員、総出で取り押さえたんだ。
表沙汰にはならなかったんだが、あれは大変だった…」

八幡(入学前にそんな事あったなんてな。もし、表沙汰になってたら…いや、待てよ。)

八幡「ちょっと待って下さい。先生達の行為、…喰種に協力して情報を隠匿するって事は、法律で禁止されているはずじゃ。」

平塚「そのとおり、犯罪さ。しかし、地方では割と喰種に対する理解が強いんだ。だから、教員の中にも、
私の素性を知る者は結構居る。…喰種であるなし関係無しにね。」

八幡(って事は、教師の中にも、喰種いんのか。結構、近場に居るものなんだな。)

平塚「さあて、ここまで話したんだ。そろそろ私達の事を信用してくれたんじゃないか?」

雪ノ下「そうね。ここまで聞いておいて、ただで帰れるとは、思ってもないでしょう?」

質問がいつの間にか脅迫に変わっていた。話の流れでは、俺を信用させる情報教えてくれるんじゃなかったっけ?
しかし、ここまでの話を聞く限り、嘘にしては出来過ぎている。と思う。
そして、嘘で無いなら、彼女達は味方ということになる。

八幡「そうですね。このまま何も話さないで、連行されるのはごめんだし。
そいじゃ、先週の事から話すか。あんま信じてもらえないと思うんすけど…」

先週からの出来事をつらつらと話し始める。
金曜から3日間の記憶が無い事。
昨日の奉仕部の件とそこで、自分の異変に気が付いた事。
小町の件。今日の陽野さん、材木座から得た情報。
そして、葉山の件。

八幡「そんなとこですね。」

雪ノ下「そう。つまり、葉山君以外には危害を加えてはいないのね。」

八幡「手は出しそうになったけどな。…まあ、葉山の件は見られてる仕方ないけど、
それ以外のところも少しは疑えよ。」

平塚「嘘にしては、無意味な部分が多い気がするな。…人が急に喰種に、というのは聞いた事がないが、」

八幡(やっぱ普通じゃないんだな。)

平塚「しかし、ここ一年の比企谷を思い返す限り、喰種らしい素振りは無かった。」

雪ノ下「つまり彼の言う事は本当。のように、聞こえますね。」

平塚「ここで疑っていても、埒が明かない。とりあえず、比企谷、これを受け取ってくれ。」

白い正方形の固体が大量に入った瓶と、…小さな袋包みを渡される。

八幡「これは…」

平塚「君達の食料だ。包みの方が無理なら、固形物の方を飲料物に溶かして摂取してくれ。」

包みの中身や固形物の材料は聞かなくても察しがついた。

平塚「話によると、君は随分と腹が減りやすいようだ。ここ2日で4回も意識が暴走するというのは、なかなか無い。
だから、元人間という君には大変だと思うが…」

八幡(大変…か。)

俺は包みを広げて、中身を確認する。平塚先生が何か言っているようだが、気にせず、中に入っていた肉を見つめる。

八幡(美味そうだ。スーパーで並んでいる肉なんかよりも、断然。匂いのせいだろうか。)

そして、肉をゆっくりと口元に近づけ、噛り付く。…美味い。
咀嚼するペースは最初こそ、ゆっくりだったが、だんだんと早くなり、自分でも歯止めが利かなくなる。
最後は口の中で噛み切る前に飲み込んでしまい、少し喉に詰まった。

平塚「ぉ…おい、大丈夫、か?」

八幡「はぁ…、ありがとう、ございます。先生。」

平塚「へ?あぁ、食事の事か。」

気分が高揚している、自分の眼が変色している事が分かる。

八幡「喰う事に躊躇い、なんてありませんよ、生きるためだ。ただ、それだけじゃない、」

なんだろうか、もしかしてまた、意識が混濁しているのかと思ったが、すぐ、違う事に気が付いた。

八幡「美味しいんですよ、人の肉が。他は、全部、不味い、のに。」

そう、俺は悲しいんだ。こんな化け物になってしまった事が。
事実をしっかりと突きつけられて、肉食ったら美味くて、それで自分の中でも本当になって。
弱音を、誰かに聞いて欲しい。そして、優しい言葉を掛けて欲しいんだろう。

八幡「それで、まだ喰いたいって、そう、考えてる自分が、信じられなくて。
こんな化け物に、なっちまってんだって。そう思うと…。」

俯きながら、吐き捨てるように小さく零す。時間の流れがとても遅く感じる。

八幡(あぁ、みっともねえ。大の高校生が女性二人の前で何してんだ。
早く冗談だって言わないと…)

雪ノ下「そうね、私達は化け物よ。」

冷たい声音で、そう言われ、ゆっくりと顔を上げ、雪ノ下の方を向く。
彼女は、俺と目を合わせて続ける。

雪ノ下「喰種は人間にとって生を脅かす、異端であり、忌まわしい種。」

自分達を否定しているはずなのに、その眼は堂々と力強く、全く引け目を感じさせない。

雪ノ下「過程はどうあれ、あなたもそうなってしまったのだから、自分がどういう存在なのか認めなさい。

問題は、理解した上で、どう生きるのか、という事よ。」

感情の高ぶりで、思考は安定していなかったはずなのに、こいつの言葉は一言一句、はっきりと脳に届けられた。
人であろうが、喰種であろうが変わることの無く、自分を持つ。これが雪ノ下雪乃。やはりすごい奴だ。

優しい言葉では無かったが、当たり前のような、雪ノ下の言葉は、俺の心に深く響いた。

八幡(どう生きるか、か…。)

平塚「その通りだな。…比企谷。」

雪ノ下の言葉を受け、今度は平塚先生と向き合う。

平塚「人だって人を殺すよ。それも目的も無くね。
そうなれば、最たる問題は種では無く、その中身なんだ。」

なあに、実際に目の前にして見れば、何の事は無い。」

子供のような笑顔を浮かべて、平塚先生は言う。

平塚「君達は、人間だよ。」

また明日-

八幡「んほおおおおおおおおおお」

雪乃「……比企谷くん、気持ち悪いからやめてくれない?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月07日 (木) 14:14:28   ID: SFszNZke

絶対に完結しない感じがプンプンする

2 :  SS好きの774さん   2014年09月03日 (水) 00:32:15   ID: fqsaoCKm

そんなこと言うなよ。思ってもいっちゃいけないことがあるだろ?おばあちゃんに教わらなかったのか?

3 :  SS好きの774さん   2014年09月14日 (日) 21:17:08   ID: tWjQJ20_

期待期待

4 :  SS好きの774さん   2014年09月22日 (月) 01:36:16   ID: hyP_RfNe

とっとと白くなって戦えよ

5 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 11:33:54   ID: jYL3wGhB

ヤモrじゃなくて拷問が趣味のトカゲとか良くねww

6 :  SS好きの774さん   2015年02月09日 (月) 17:05:56   ID: IxUyhFiX

うんうん!
やっぱり終わらなかったね!

7 :  SS好きの774さん   2016年08月09日 (火) 07:38:14   ID: FiRxlNh2

ある程度SS読み重ねているとああ、こいつはエタるなってわかるよな

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