リゼ「今日こそ決着を」千夜「つける時みたいね」シャロ「私のために争わないで!」 (35)

先日のスレ【ごちうさ】チノ「ココアさんにプレゼントをします」のサイドストーリーっぽいものです。
作者は同じですが、内容は大して被らず、ぴょんぴょん品質は保証しかねます。

前スレ:【ごちうさ】チノ「ココアさんにプレゼントをします」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407126088/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407245648

リゼ「共にいた時間こそ千夜には負けるが、シャロは私がいただく!」

シャロ「リゼ先輩!?」

千夜「高校でのシャロちゃんこそ知らないけれど……」

千夜「シャロちゃんはこれまでも、そしてこれからもずっと私のものよ。誰にも渡さないわ」

シャロ「千夜!?」

リゼ千夜(ゴゴゴゴゴゴ)

シャロ「ふ、二人ともやめてよ、こんな…」

リゼ千夜「シャロ(ちゃん)はちょっと黙ってて」

シャロ「ど、どうしてこんなことに……」

遡ること三十分前

シャロ「もー、あんこが降って来たせいでお店までべたべたよ」

シャロ「千夜、あんたもちゃんと掃除なさいよ」

千夜「ちょっと待って、今ココアちゃんとチノちゃんがすっごくいいとこなのよ」

シャロ「そっとしといてあげなさいよ……ほら、雑巾」

千夜「はーい」

シャロ「やっと片付いたわね…」

千夜(あ、シャロちゃんのほっぺにまだクリームが)

千夜(……チノちゃんの真似しちゃおうかしら)

千夜「ねえシャロちゃん」

シャロ「ん、なによ」

ちゅっ

シャロ「」

千夜「クリーム、ついてたわよ♪」

シャロ「な、な……///」

リゼ「何をしているんだ!」

シャロ「!? り、リゼしぇんぱい!?」

リゼ「千夜……お前がシャロと幼馴染なのは知っている」

リゼ「だ、だが今のは幼馴染だからとかそういう領域の行為ではないだろう!」

千夜「あら……良いじゃない。私はシャロちゃんのこと大好きなんだもの」クスクス

シャロ「え!?」

リゼ「なっ……わ、わた、私だってシャロのことは好きだ! 大好きだ!」

シャロ「リゼ先輩!?」

リゼ「前々からずっとシャロのことを想っていたんだ。でも、言い出す勇気が無かった」

リゼ「そう、私だってシャロのことは想っている。だからこそ千夜、今のお前の行動は黙認できない!」

千夜「あら、前々からなんて……私は身長が今の半分だった頃からシャロちゃん一筋よ」

千夜「体の隅々まで、知らないところなんてないわ」

シャロ「な、何言ってるのよ!!」

リゼ「なあ、シャロはどうなんだ」

シャロ「ふぇ! わ、私ですか…」

千夜「そうね、シャロちゃんはどっちのほうが好きなのかしら。リゼちゃんはただの憧れで、勿論私よね?」

リゼ「私を選んでくれ、シャロ」

シャロ「そ、そんな……そんなの決められるわけないでしょ!!」

千夜「そう……それなら、どっちの想いの方が強いか、シャロちゃんに見せてあげるわ」

リゼ「勝負、というわけか…面白い」

シャロ「どうしてそうなるのよー!!」

シャロ(そして現在に至る…と)

   (なんで私のために二人が争うのよ)

   (私にとっては二人とも大切な人よ?)

   (どちらか一人、なんてそんな…)

   (でも……いつかは選ばなきゃ、いけないのかな…?)

リゼ「勝負方式はどうする? 生き残ったほうの勝ちで良いか?」

千夜「それだといくらなんでもリゼちゃんが優位すぎるわ」

千夜「そうね、ラテアート対決なんてどうかしら。ラテアートを作って、シャロちゃんに評価してもらいましょう」

リゼ「それも私の得意分野だが…良いというならそれで勝負だ!」

千夜「じゃあ準備してくるわね。待っててねシャロちゃん」

リゼ「最高のラテアートで、シャロ……お、お前を私のものにしてみせるからな!!///」

シャロ「ちょっと、待っ」

シャロ「行っちゃった。仕事中なんですけど……」

シャロ「……」

シャロ「……あ、クレープお買い上げですか、ありがとうございますー」

リゼ「準備は良いか、千夜」

千夜「こっちの台詞よ。リゼちゃん。いつでもいいわよ、シャロちゃんが始めて」

シャロ「もう、しょうがないわね。ラテアート対決、はじめー(棒)」

リゼ「オラオラオラオラオラオラァ!」

リゼ(フッ、圧倒的スピード、そして経験の成す繊細な技術、千夜が勝てるわけ…)

千夜「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

リゼ(は、早い!?)

千夜(私だって、ラテアートの話を聞いた時からずっと研究と練習を重ねてきたのよ)

千夜(何より、リゼちゃんには私に絶対に勝てない『理由』があるっ!)

  (私の作っているのは抹茶のラテアート)

  (でも、リゼちゃんの作っているのはいつものコーヒーラテアート!)

  (ラテアート対決は見た目と共に味も重要になる……)

  (カフェインで酔うのを嫌うシャロちゃんなら、きっとコーヒーは選ばない!)

  (そうでなくとも、仕事中のシャロちゃんを酔わせるような人に、シャロちゃんは任せられないわ)

  (ちょっと卑怯だけれど……)

  (何が何でも、シャロちゃんは、渡したくないっ!)

リゼ「よし、できた! シャロ、見てくれ」

シャロ「こ、これは……私の顔! それも写真をプリントしたような出来栄え!」

リゼ「シャロのことを想いながら作っていたらこうなってしまってな/// 味も、悪くは無いと思う」

シャロ「自分の顔を飲むのもなんか複雑ですが……その前に先輩、私コーヒーは…」

リゼ「大丈夫だ。酔わないから飲んでみろ」

千夜「!?」

シャロ「ううん……先輩がそう言うなら……」ゴクゴク

リゼ「どうだ?」

シャロ「……! 本当だ。頭がふわふわしてきません!」

千夜(どういうことなの…)

リゼ「シャロはカフェインに弱いからな」

リゼ「それでも私のコーヒーを飲んでもらいたかったから、カフェインの少ないコーヒーを作ってみたんだ」

リゼ「口に合ったら嬉しいけど…//」

シャロ「せ、せんぱぁい…」

千夜(ま、まずいわ!)「シャロちゃん、次は私のを見て」

シャロ「こ……これは……千夜の顔(浮世絵風)!?」

千夜「タイトルは『私を食べて』///」

シャロ「こういう時こそオブラートに包んで欲しかったわ!」

千夜「極上のお抹茶よ。きっと美味しいと思うわ」

シャロ「ん……いただきます…」

千夜「ドキドキ」

シャロ「」

シャロ「」ポワーン

千夜「!?」

シャロ「あるぇ、普段は抹茶くらいにゃら…平気にゃのに…」

千夜「な、なんで酔ってるのシャロちゃん!」

リゼ「抹茶にもカフェインが含まれているから、かもな…」

千夜「えっ」

リゼ「シャロは紅茶もたまに飲むし、抹茶も平気ってことは、微量ならカフェインは平気なんだろう」

リゼ「ただ、今は私が僅かにカフェインの含まれたコーヒーを飲ませた後だし」

リゼ「普段より味の濃いものを作ったのなら、それだけカフェインも増えているだろう…と思う」

千夜「そ……そんな」

リゼ「勝負は終わりだ。後はシャロに決めてもらう。おいで、シャロ」

シャロ「リゼしぇんぱぁい…?」フラ~

千夜「…………(ギリッ」

千夜(結局、シャロちゃんを酔わせてしまったのは私の方……なんてこと…)

千夜(今の私には、シャロちゃんを呼ぶ権利すら…)

??「そこまでですよ~」

リゼ「お前は……」

千夜「青山さん? どうしてここに」

青山「シャロさんは貰っていきますね」ヒョイッ

シャロ「ほえぇ?」

千夜「えっ、お姫様…」

リゼ「抱っこ…?」

青山「ではっ♪」ズダダダダダ

千夜リゼ「「羨ましい!」」

リゼ「じゃない逃げた! 追うぞ千夜っ!」

千夜「ええ、リゼちゃん!」

千夜「って私全然走れないんだったわ……」ゼェゼェ

リゼ「千夜はそこで、私がシャロを助けるところを指をくわえて見てるといい!」

千夜「シャロちゃん……」

一年前~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シャロ「千夜~、聞いて聞いて~」

千夜「どうしたのシャロちゃん」

シャロ「高校でね、素敵な先輩に会ったのよ」

シャロ「最初は通り道にいた兎を追い払ってくれたんだけどね」

シャロ「うちの学校の中では珍しいお嬢様っぽく無い人で…優しくて、頼りになる、そんな人」

シャロ「仲良くなれたら良いなあ」

千夜「…………そう、良かったわね。きっと仲良くなれるわよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

リゼ「待て、シャロを離せ!」

青山「今のあなたたちに返すわけにはいきませ~ん♪」シュン

リゼ「なんて速さ……本当に小説家なのか…?」

千夜(あぁ…私のシャロちゃんが……遠くに)

千夜(そんなの嫌ッ!)ギリリッ

千夜「負けて……」

千夜「たまるもんですかああぁ!!」ズドドドド

リゼ「なっ」

青山「えっ」

バッ

シャロ「んぅ……千夜…?」

千夜「シャロちゃんは…シャロちゃんは……私の一番大切な…」ポロポロ

千夜「うっ」バタリ

リゼ「千夜! 大丈夫か!?」

青山「ま、まさかこんな無茶をされるなんて……けど、気絶しているだけのようですね」

リゼ「青山さん、なんでこんなことを……まさかあなたもシャロを!?」

青山「シャロさんは確かに好きです。ですがそうでなく、ちょっと見てられなかったので」

リゼ「?」


シャロ「なんで気づいたら店から離れて、千夜が私の上で寝てるのよ…」

千夜「ん……」

リゼ「目が覚めたか」

千夜「ここ……シャロちゃんの家…」

シャロ「そうよ。三人で運んできたんだから」

青山「私はあんこちゃんを連れてきただけですがー」

千夜「シャロちゃん……ごめんね、仕事中だったのに」

シャロ「それを言ったらまず勝負なんてするなって話になるわよ……それはもういいわ」

千夜「私…私、やっぱりシャロちゃんにはふさわしく」グスッ

シャロ「ちょっと待って」

千夜「?」

シャロ「私はね、そもそも二人に争ったりして欲しくないの!」

シャロ「確かに、私は二人のどちらかを今選ぶこともできないわよ」

シャロ「けど、私にとって、リゼ先輩は大切な憧れの先輩だし、千夜はかけがえのない幼馴染よ」

シャロ「私の言動一つで、二人のどちらかと疎遠になるなんて、そんなの嫌よ!」

千夜「シャロちゃん…」

リゼ「シャロ…」

青山「シャロさん…」


シャロ「……青山さんはなんでいるの?」

青山「酔った勢いでどちらかになびく…なんて、きっと誰も望んでいない結果だと思うんです」

青山「それに、遠くから見ていて、シャロさんは勝負そのものが不満なようでしたし」

青山「勝負そのものを流す為に、ちょっと強硬手段を」

リゼ千夜シャロ(((またストーカーしてたんだ…)))


シャロ「まぁ、とにかくそういうことだから」

シャロ「私と…そういう関係になりたいなら、……自分で言うのもなんだけど」

シャロ「私を無視して勝負なんてしないで」

シャロ「もっとちゃんと、好きにさせてよね///」

その後

千夜「ねえ、シャロちゃん、キスしていいかしら?」チュッ

シャロ「もうしてるじゃない!」

リゼ「ず、ずるいぞ千夜。私も…」チュッ

シャロ「り、リゼ先輩まで……」

シャロ「というか、三人で一緒に寝るとさすがにベッドが狭いんだけどぉ…」

リゼ「じゃあもっとくっつかないとな♪」

千夜「そうね、シャロちゃん♪」

シャロ「うう、さすがに暑い……」

シャロ(けど……もうしばらくは、このままで良いわよね…)

おしまい。

千夜とリゼが真剣にシャロを取り合うくらいでないと、千夜シャロはほぼ確定ルートだと思うのです。
どんどん最初の話と関係なくなっていきますが、最後(?)にマヤメグSSとか予定しています。

心ぴょんぴょんできたら幸いです。

なんか毎回短くって申し訳無いっス。いつか長いのも挑戦してみたいっス。

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