にこ「希はテンパってる時がかわいい」 (42)

にこ「希、今日は練習来れるの? 最近バイト忙しいみたいだったけど」

希「今日からは大丈夫やで。だからこうして1番乗りに……ってにこっちが最初かぁ」

にこ「そうよ」

希「……明日は土曜日やんな?」

にこ「そうね」

希「にこっち暇?」

にこ「あんたのために空けてあるわ」

希「わーい! にこっち愛してる!」

にこ「はいはい」

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希「にこっちの愛が冷めた……」

にこ「冷えるのは部室だけで十分よ」

希「そう? あんまり冷房効いてない気がするけど……」

にこ「今日は窓開けた方が涼しいんじゃないかしら」

希「んー……おお!」

にこ「これなら洗濯物もすぐ乾きそうね」

希「飛んでいきそう」

にこ「……確かに」

希「こんないい天気やったら……ふわぁ、眠くなってきた」

にこ「寝るんじゃないわよ?」

希「にこっちがおんぶして連れてってくれるはず」

にこ「物理的に無理よ」

希「あはは」

にこ「ほら、ぐーっと伸びでもしてみたら?」

希「わかったー……」

にこ「寝てる寝てる」

希「うーん……練習やしちゃんと……んー!」

にこ「希、シャツ出てる」

希「ちょっとくらい許してー」

にこ「おへそ見えてる」

希「もうちょっと……ぐぐぐ」



バツンッ



にこ「……え?」

希「……」

にこ「希、服から割れたフックみたいなの出てきたけど……まさか……」

希「……どうしよ」

にこ「……」

希「ブラ壊れた」

にこ「……やっぱり」

にこ「何? またちっちゃいのにしたの?」

希「ま、またって何?」

にこ「いや、前もちっちゃくなったとか言ってたから」

希「だ、だって高くなる……じゃなくて! 違うって!」

にこ「また大きくなったの」

希「……はい」

にこ「……」

希「にこっち嬉しそうな顔……」

にこ「いや、顔真っ赤にして可愛いと思って」

希「セクハラ!」

希「うぅ、どうしよ……久しぶりに練習やのに」

にこ「あんた練習出る気?」

希「だ、だって……」

にこ「そんな野に放たれた猛獣をほっとくわけにはいかないわ」

希「……そうやけど」

にこ「ほら、まだ使ってないマフラータオル、使う?」

希「ん……手伝って」

にこ「やだ」

希「に、にこっちぃ……」

にこ「嘘よ。ほんとかわいいわね」

希「むー!」

にこ「ほら、部室鍵閉めるわよ。そっちはカーテン閉めて」

希「わかった」

にこ「……」

希「こっち閉めたよー……ってにこっち! ドア全開やん!」

にこ「ごめんごめん」

希「ぐぬぬぬ」

にこ「上着脱いで」

希「い、いつもはわしわししてる側にされるなんて……」

にこ「いや、そこまでするつもりないけど」

希「……ほんと?」

にこ「ええ、あんたの上目遣いに誓って」

希「に、にこっち。こっち見たら……」

にこ「見るも何も、前で止めるしかないでしょ。後ろでまとめたら背中が出っ張るじゃない」

希「……」

にこ「前で結ぶのだけはやってあげるから、ちゃんと目を閉じとくわ」

希「覗いたら怒るで?」

にこ「わかってるわよ。私は覗きなんてしないわ」

希「なんで?」

にこ「希が本当に嫌がることはしないの」

希「……ちょっと嫌なことはするんや」

にこ「わかってるじゃない」

希「うう……はずかしい」

にこ「見えてないからわかんない」

希「ほんと? ほんとに?」

にこ「ええ、希のフロントホックなんか見えてない」

希「に、にこっち! 見えてるやん!」

にこ「見えてないわよ。だってホック前から落ちてきたじゃない」

希「にこっちのいじわるー!」

にこ「早くしないとみんな来ちゃうわよ」

希「タオル……こうかな?」

にこ「どう? 大丈夫?」

希「んー……お、いけた! にこっち結んで」

にこ「……」

希「にこっち?」

にこ「いや、予想以上にイケないことをしてる気分で……」

希「……ウチはもう気にしてないから早く」

にこ「このくらい?」

希「もうちょっときつめ」

にこ「こうかしら」

希「んっ、それ!」

にこ「よーし、じゃあ結ぶわよ」

希「……」

にこ「どうしたのよ急に黙って」

希「……恥ずかしい」

にこ「安心しなさい。かわいいわよ」

希「……おお、結構なんとかなる」

にこ「よかったわね。長いの買っといて」

希「にこっち、もしかして用意してた?」

にこ「あー……その理由もちょっとあった」

希「あったん!?」

にこ「いや、希に冗談として見せようと機会をうかがってたんだけど、まさか実際に使う羽目になるとは」

希「ありがとうにこっち……ってあれ? ウチの服は?」

にこ「ちょっと写真撮らせて」

希「にこっち!」

にこ「はいはい、返すからそんなに怒らないでよ」

希「……よし、服着ても違和感ない」

にこ「よし、こっちもばっちりよ」

希「あ、まだ携帯構えてたん? 今なら写真撮っても……」

にこ「これ動画だから」

希「に、にこっち……ぅあっ」

にこ「フフフ、こんな時のために結び目を緩くしておいたわ」

希「うううう……動けない」

にこ「でも自分で結べるでしょ?」

希「あ……もうにこっち、何でそんなにいじわるするん?」

にこ「その顔が見たかっただけよ。他に理由はないわ」

希「今日はお休みするってみんなに連絡する」

にこ「じゃあ私も一緒にお休みするわ」

希「え? 何で?」

にこ「帰宅途中に外れたらどうするの?」

希「あ、そっか……ごめんにこっち」

にこ「いいのよ。恋人の危機だもの」

希「にこっち、何でうれしそうなん?」

にこ「あんたテンパってるとかわいいのよ」

希「ふーんだ、にこっちのブラが壊れても助けてあげません」

にこ「私はなくてもバレない自信があるわ」

希「じ、自虐や……!」

にこ「フン、私をあまり舐めてもらっちゃ困るわ」

希「にこっち不憫……」

にこ「なんかむかつく。服引っぺがすわよ」

希「ええっ!?」

にこ「……でもやっぱり、上から水でもかけた方が色っぽくなるわね」

希「ちょ、にこっち本気の顔やん!?」

にこ「じょーだんよーじょーだん」

希「棒読みが怖い……」

にこ「ほら、行くわよ」

希「え、ちょっと待ってにこっち」

にこ「どうしたの」

希「……これ、歩くたびにズレる」

にこ「……」

希「どうしよ……」

にこ「……」

希「もー! 本気で困ってるんよー!?」

にこ「かわいいかわいい」

希「ごめんなさいやろー!」

にこ「あ、素で間違えたわ」

希「愛されてる気がしない……ぐすん」

にこ「いや、愛してないわけないでしょ?」

希「え?」

にこ「あんたが困ってたらすぐに助けるし、泣いたら慰めてあげる」

希「に、にこっち……」

にこ「そりゃあちょっとは意地悪するけど、それは大目に見てくれない? 希がかわいいからやっちゃうのよ」

希「にこっち……それウチの胸見ながら言う?」

にこ「泣いたら慰めてあげる」

希「え?」

にこ「まあ泣かせるの大体私なんだけどね」

希「はっ……」

にこ「涙目の希は素敵よ。自信持って」

希「持ちたくないーっ!」

にこ「じゃあ行くわよ」

希「わ、わかった……」

にこ「ほら、希。セーター貸してあげる」

希「あ、それウチの? この前なくしたと思ってたんやけど」

にこ「間違えて私のかばんに突っ込んでたのよ。この前あんたの家に行ったとき」

希「えー、それなら早く言ってくれればいいのに」

にこ「なんか面白そうになりそうだったから。持っててよかったわね」

希「そんな予想はしてほしくなかったなぁ……」






にこ「……」

希「ぶ、無事に着いた……」

にこ「何もなかったわね……」

希「なんで残念そうなん!?」

にこ「いや、なんかもっと私を頼ってくれるようなイベントとか……」

希「あ、そっか。にこっちは頼ってほしくて……」

にこ「起こせばよかった」

希「マッチポンプやん……」

にこ「せっかく希の家に来たんだし、ちょっと休憩させてくれない?」

希「うん、いいよ」

にこ「希、ちょっとそこに立って」

希「え? ここ? ていうかにこっち、そんな玄関でしゃがんでなくても上がってくれれば……」

にこ「水色」

希「水色?」

にこ「パンツ」

希「なっ!? ち、違うよ! 今日は……」

にこ「何色?」

希「しろ……って誘導尋問やん!」

希「もうにこっちにはお茶出さないまんまにしとこ」

にこ「えー、暑くて死にそう」

希「ウチにいたずらばっかりしてるから」

にこ「今なら家だしそれ、外してもいいわよね」

希「麦茶でいい?」

にこ「ぐぬぬ」

希「悔しそうにしても麦茶しか出ません」

にこ「ねえ希」

希「なに?」

にこ「怒ってる?」

希「ううん、いつものことやもん」

にこ「じゃあ……次のステップに進む?」

希「それは遠慮します」

にこ「えー、なんで」

希「怖いもん。にこっち怖いもん」

にこ「ちょっと希の危機が増えるだけよ」

希「それがいややもん」

にこ「私は嬉しいわ」

希「はぁ……何でウチ、にこっちなんか好きになったんやろ」

にこ「それは決まってるでしょ」

希「んー?」

にこ「私がわけもわからず希を好きになったみたいに、希もきっとわけもわからず好きになったのよ」

希「ええー。ちょっと理由くらい欲しかったかなぁ」

にこ「隣にいて居心地良いんだから仕方ないでしょ?」

希「まあそうやね」

にこ「どう? 惚れ直した?」

希「ちょっとだけ」

にこ「じゃあご褒美ちょうだい」

希「ウチができる範囲でなら」

にこ「そのタオル、洗わずに返して。家宝にするから」

希「にこっち嫌い」

にこ「本当は好きなくせに」

希「もー……そういうとこ嫌い」

にこ「えへへ。じゃあちょうだい」

希「当初の目的を忘れてない……!」

にこ「しょーがないわねー……パンツでもいいわ」

希「むしろレベル上がってる気がするんはウチだけ?」

にこ「あ、そうだ! 壊れたブラならいいでしょ? 使わないし」

希「あげません」

にこ「……まあ将来もらうわけだし、いいか」

希「ぜーったいあげません!」

にこ「土曜日パンツなしと、今タオルくれるの、どっちがいい?」

希「ぜーったい両方嫌やーっ!」

にこ「その顔良いわね。もう1枚」






     おわり


やべぇ、やべぇよ……
今までで一番書きやすかったぞ……(; ・`д・´)

次はことえりやー
まだまだ終わらんぞー
ことり「絵里ちゃん見て見てまた手錠だよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407246880/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月06日 (水) 00:49:59   ID: 3w87BL2g

にこまきの時に春夏秋冬が来ることを期待♪

2 :  SS好きの774さん   2014年08月06日 (水) 09:25:20   ID: fr1rbvON

こういうゆるーいラブラブほんとすき

3 :  SS好きの774さん   2014年08月06日 (水) 12:04:18   ID: pAusQmyH

糞ss製造機かな?

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