穂乃果「んんんん？」

穂乃果「やっぱりよくわかんないよー、もっと噛み砕いて教えてー、ペディグリー」

希「あまえる犬やなー、お腹ワシワシするで」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ

穂乃果「ふわっ、ちょっと、くすぐったいってわわわわ」

希「あまえんぼさんにはこうだ！こうだ！こうだ！」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ

穂乃果「わわわわ！わわわっわんっんんんっ……ンッ」ﾊｰｯﾊｰｯ

希「ワシワシマックスやでーーー！」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ

穂乃果「んわぁーーーっ！」


希「つまりな？海未ちゃんとエリチをな？背中合わせで縛るんや」ﾜｼﾜｼ

穂乃果「ふぇっ？……んっ、なんっ、で？そんなこと、するのっ？」

希「そんでな？ちょーっと高いところから落とすんよ」ﾜｼﾜｼ

穂乃果「そんっ、なっ、事したら危ないっ、……よォっ」ﾊﾌｰﾊﾌｰ

希「仮にの話やん。ほんとに落としたら流石に怪我してしまうし、そんなことせんよ」ﾅﾃﾞﾘﾅﾃﾞﾘ

穂乃果「でもそんなことしてどうするの？」ﾌｩ

希「どうしてやと思うー？」

穂乃果「んぇぇ、縛って落とすのと海未ちゃんと絵里ちゃんの関係性が全然わかんないよ」

穂乃果「最近妙にポンコツ気味な二人を懲らしめるの？」

希「違う違う、ポンコツなエリチはアレはあれで可愛いんやで？海未ちゃんもおんなじや」

希「えっとな」ｶﾞｻｺﾞｿ

希「……地面に、これを置いておくんよ」ﾊﾟﾗﾘ

穂乃果「これは、タペストリー？」

希「そう！これは恋愛モノ映画のタペストリー！あっついキスシーンを抜き出した蕩けそうな逸品なんよ！」

希「そしてこっちは和製ホラーのポスター！肌真っ白の幽霊の子供がガッツリ写っててこれだけで十分怖いなぁ」

穂乃果「確かに怖い」

希「これをな？地面に並べておいて、その上に縛ったうみえりを落とすんよ」

穂乃果「ふむふむ？」

希「知っての通り海未ちゃんは破廉恥な事避けるやろ？」

希「やからこんなタペストリーが目の前にあったら絶対そっぽ向くんや」

穂乃果「はしたないです！って言って後ろむいちゃいそうだね」

希「対してエリチは怖いの苦手なんよ」

希「やから、お化けのポスターなんか見たらすぐさまそっぽ向こうとしそうやん？」

穂乃果「うんうん、そんなかんじするよ」

希「ほら、考えてみ？」

穂乃果「うん？」

希「背中合わせで縛られたうみえりが、落下していく最中にな、ふと下を見るとさっきのポスターたちや……」

穂乃果「うんうん」

希「偶然海未ちゃんが下になって落ちとった。海の目には濃厚なキスシーン」

穂乃果「はしたないよ！」

希「その時海未に電撃奔る！思わずキスシーンから身体をそむけ半回転や！」

穂乃果「ぐるっと回ったよ！？」

希「すると背中合わせのエリチがしたになるやんな？」

穂乃果「落ちてる最中だから半べそだよ絵里ちゃん！」

希「あぁ、泣いてるエリチも可愛いで……。でもそれもつかの間、可愛いエリチに追い打ちや！」

穂乃果「幽霊ポスターだ！絵里ちゃん顔面蒼白だよっ！」

希「どうしても上を向きたいエリチは必死の思いで体を捻って半回転や！すると海未ちゃんがまた下になる」

穂乃果「どうしようまた破廉恥な濃厚豚骨ディープキスだよ！」

穂乃果「困ったよ！このままだとそっぽ向き続けて海未ちゃんと絵里ちゃんがぐるぐるしちゃうよ！」

希「そう」

希「怖いものからは目を背けずには居られないエリチと」

希「破廉恥なものからは思わず目を逸らしてしまう海未ちゃんとが背中合わせで縛られてると」

穂乃果「うみえりぐるぐるしちゃうんだ……」

希「そうなんよ。最終的にぐるぐるぐるぐる」

穂乃果「うみりぐるぐる……」

希「そう、うみえりぐるぐるしながら落ちていく間に減速していってな」

希「最終的に空中で止まってしまうんやで！」

穂乃果「えええーー！？」

希「地面に落ちることもなく、空中で止まったままずーーーっとぐるぐるし続けるんや」

穂乃果「うみえりぐるぐる？」ｳﾄｳﾄ

希「そ、うみえりぐるぐるやでっ」

穂乃果「うううー、すごすぎる、世界の真実を知ってしまった……アカシックレコードに吸い込まれる……ぐるぐる」ｳﾄｳﾄ

希「これで永久機関のかんせいやな？」

穂乃果「うみえり……ぐるぐる……えいきゅ…………」ｳﾄｳﾄ

希「ふふ、眠くなったようやね、かわええなぁ」

穂乃果「うみ……え…………きゅ」ｳﾄｳﾄ


穂乃果「すーー…………ぴーー…………」ｽﾔｧｧ

希「ふふっ、おやすみなさい、穂乃果ちゃん」ﾅﾃﾞﾘﾅﾃﾞﾘ


穂乃果「すぴーーー…………りちゅぅ………………あるーーー………………」ﾑﾆｬｧ





おしまい


参考
バター猫のパラドックス - Wikipedia http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%8C%AB%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

おまけ


海未「ちょっと、穂乃果？これは一体どういう事なんです？」

絵里「なんで私達縛られてるのかしら？」

海未「穂乃果、また何か良からぬことでも考えているのではないですか？」

穂乃果「大丈夫大丈夫！ここからおちるとうみえりでぐるぐるだから！」

海未「はい？穂乃果？いくら机の上程度の高さとはいえこんな縛られた状態では受け身もろくに取れません」

絵里「そうよ！それに一人ならまだしも二人を縛った状態で落ちたら確実に怪我するわ！」

穂乃果「絵里ちゃんも海未ちゃんもなんで穂乃果の言う事聞いてくれないのー？ケチー」

海未「ケチもなにもないです！ライブも近いのですよ！怪我をしたら一大事です！」

絵里「いいから早く縄を解きなさい、いい加減私もおこーチカよ！？」

穂乃果「穂乃果、希ちゃんに聞いたもん！ここからおちるとうみえりでぐるぐるだからって！」

海未「な、何を言っているのです？」

絵里「意味がわからないわ」

穂乃果「穂乃果も良くわかんないけど！ぐるぐるするんだよ！ものは試しって言葉あるでしょ！だーかーらー」

穂乃果「ファイトだよ！」どんっ

海未「なっ！？」

絵里「ハッ」

うみえり「ハラショーーー！！！」ﾋｭｰｰﾝ

乙
ほのわんのぞかわいいな！難しい話して子供を寝かしつけたって感じがする

うみえり「イヤーーーー！すごい落ちるすごい落ちてる！！」

海未「にゅうおわーーーーー！！！」

海未「いやー！キスシーンやだ！キスシーン怖いいっ！濃厚なとろとろキスシーン怖いいい！！！」

海未「んんんんんんいいいやァァァッ！！！」ｸﾞﾙﾝｯｯ


絵里「はっ！」ｸﾙﾝ

絵里「チカァァアアアア！！」

絵里「ひーーー！幽霊ぃぃいぃいぃいいッッッ！！！ぃぃぃやあやあやあいやぁだあぁぁぁ（号泣）」

絵里「びぇぇええっっ」ｸﾞﾙﾝｯｯｯ


海未「なやぁぁなぁぁぁ！！！」ｸﾙﾝ

海未「また濃厚なでろっでろんキスシーンやだあっ、怖いです怖いです破廉恥ですぅぅぅ！！！」ｸﾞﾙﾝｯ

絵里「びぇぇぇ！！！」

絵里「ひーいいぃいいいーー！」ｸﾞﾙﾝｯｯ

うみえり「ハラショーーー！！！」ｸﾞﾙﾝｯｸﾞﾙﾝｯｸﾞﾙﾝｯ


穂乃果「うひゃー、すごいホントに回ってるよー、うみえりでぐるぐるだよ……」

穂乃果「………あれ？」



うみえり「ひえーーーー！！！！」ｸﾞﾙﾝｯｯｯｸﾞﾙﾝｯｯｯｸﾞﾙﾝｯｯｯｸﾞﾙﾝｯｯｯ

うみえり「いやぁぁぁ！！こわいいやだ怖い破廉恥チカチカいやぁぁっっ！！」ｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝ



穂乃果「なんか……」



うみえり「やだやだやだやだ！！！！どろどろ濃厚幽霊ディープキスこわい！！！！」ｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝ



穂乃果「ちょっと……」



うみえり「ニャーーーー！ハラハラハラハラハラハラハラハラハラハラハラ！！！！！！」ｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝ



穂乃果「あの…………」



うみえり「ハラハラショーーーーーー！！！！！！！！！」ｼｭｰｰｰｰｰｰﾝｯｯ



穂乃果「えっ！！！」




「」ｼｰﾝ




穂乃果「えっ…………」

穂乃果「あっあれ？」

穂乃果「どうしちゃったんだろ」

穂乃果「おっ、おかしいな」

穂乃果「え、絵里ちゃん？」








ｼｰﾝ








穂乃果「うみちゃーーん？」









ｼｰﾝ









穂乃果「消えちゃった…………」

穂乃果「消えちゃったよ」

穂乃果「海未ちゃんが…………、絵里ちゃんが…………」



穂乃果「居ないよ」ｳﾙ





穂乃果「居なくなっちゃった……」ｸﾞｽｯ

穂乃果「ほっ、穂乃果は……」

穂乃果「希ちゃんから聞いて」

穂乃果「うみえりが、……おちたら、そっぽ向いて」

穂乃果「それから、…………ぐるぐるで、ずっとで」

穂乃果「えいきゅー、きかん、で」

穂乃果「…………たしかめたくて」

穂乃果「それで、穂乃果……」

穂乃果「穂乃果が……」

穂乃果「ほっ、穂乃果が…………っ」

穂乃果「穂乃果が絵里ちゃんたちを……」ｸﾞｽｯ

穂乃果「穂乃果がっ、絵里ちゃんたちをぉっ………………！！」











――――消しちゃったの？

――――――――――

穂乃果「いゃああああ！！！！」ｶﾞﾊﾞｯ




希「うわっ、びっくりしたー」

希「どうしたん？穂乃果ちゃん？起きちゃったん？」ﾆｯｺﾘ

穂乃果「あっ、あれ？」

穂乃果「どうして私……」

希「おはよう穂乃果ちゃん」

穂乃果「あっうん、おはよう希ちゃん」

穂乃果「……っじゃないよ！」

穂乃果「なんで穂乃果、希ちゃんに膝枕されてるの！？」

希「あれぇー？覚えてないん？」

希「穂乃果ちゃんから甘えてきたんやでー？」

希「ウチはそれをひろーい心で受け入れただけや♪」

穂乃果「そ、そうだっけ？」

希「そうよ」

希「一番乗りやと思って部室に行ったらな、寝ぼけた穂乃果ちゃんがおったんよ」

希「生徒会長さんはお疲れやねー」ﾅﾃﾞﾘﾅﾃﾞﾘ

希「それから流れで膝枕になった感じかな」

穂乃果「そう言えば、今日はここでサボ……もとい疲れて寝ちゃってた気がしてきたようなしてこないような」

希「サボりて聞こえとるで？そういうんは程々にな、生徒の代表なんやからね」

穂乃果「はぁーーい、すいません」

希「んん？…………なんや。穂乃果ちゃん涙でとるやん、どないしたん？」

穂乃果「えっ？あれ？……」ｺﾞｼｺﾞｼ

希「ほら、拭いてあげるからじっとしてな」

穂乃果「……うん」

穂乃果「ねぇ、絵里ちゃんと海未ちゃんは…？」

希「エリチと海未ちゃん？」

希「今日も元気やったよ？今は練習中」

希「穂乃果ちゃんがあんまりぐっすり寝てるもんだから、起こさず練習始めたんやで」

希「なんだかんだ言って穂乃果ちゃんには甘いやんなーあの二人？」ｸｽｸｽ

穂乃果「うぅーー」

穂乃果「でも良かった、元気なんだね」

希「怖い夢でも見たん？」

穂乃果「そんな感じ……」

希「なんだかんだ言って結構寝てたなぁ」

希「ウチはじっくり穂乃果ちゃんの寝顔堪能させてもらったからええけど、そろそろ部活おわるんと違う？」

穂乃果「あー……はは、ホントだ。そんな時間だね」


ﾁｭﾝﾁｭﾝﾁｶﾁｶｳﾐﾐﾝﾆｬﾝﾆｬﾝﾊﾟﾅﾊﾅｳﾞｪｳﾞｪｳﾞｪｳﾞｪﾆｺﾆｺﾆｰ


希「ほら、噂をすればみんな帰ってきたよ」

希「元気だし？ほーらにっこり笑って？」ｸﾞﾆｸﾞﾆ

穂乃果「ぅえぅえぅえ」ｸﾞﾆﾗﾚｸﾞﾆﾗﾚ

希「ふふっ、顔がほぐれたな、その方が断然かわええよ」ﾆｯｺﾘ

穂乃果「……ありがと希ちゃん」ﾆｯｺﾘ

希「さっきのは内緒にしといたげる♪」ﾁｭｯ

穂乃果「わわわんっ！？」





ガララッ

うみえり「あら穂乃果、起きてたのね」


おまけおしまい

>>10
だいたいこういう感じのイメージでした

のんたんは母
でものんたんのアイデンティティでもあるまとまりのない関西弁を再現するのが地味に手間でした
あと多分ほの字はアニメだともっと元気なんだと思いますが、私はどうしても大人しくさせてしまう癖があるみたいです

>>18
最後のセリフ
ほのえり「」
だとおかしいですね

絵里「あら、穂乃果」

海未「起きていたのですか」

などに脳内補完していただければと思います

ここまで読んでいただき本当に有難うございました