男「ドニー・ボーガンを殺してもらいたい」 (75)

地球暦2256年 地球 NewYork 妨街路

男「ええい、まだか、まだなのかあの男は!」

男「約束を時間をもう五分も過ぎているぞ!時間に厳格な男と聞いていたが、他人に対して
厳格というだけで自分に対しては甘いのか!」

護衛「ジャミトフ閣下、あの男に頼らなくては駄目な事態であります!落ち着いて対応を!」

男「分かっておるわバスク大佐!」

護衛「ああ・・・・・!」

ゴルゴ「・・・・・用件を聞こうか・・・・・」



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男「い、いったいいつのまにきたんだねゴルゴ、いやミスター・デューク・東郷!」

ゴルゴ「この場所を会見場所に指定したのは俺だ・・・・どこから俺が現れても不思議ではないだろう?」

男「し、しかしなぜ遅れてきたのだね!」

ゴルゴ「俺は武器を持った優秀な特殊部隊の精鋭の護衛がいる場所にのこのこひとりで現れるほど自身家ではない・・・・」

ゴルゴ「特に相手が宇宙連邦国防軍空間騎兵(宇宙海兵)隊先陣敵地浸透偵察部隊スペースリコーンの
バスク・オム大佐ともなればな・・・・」

男「それは失礼した、バスク大佐、下がってくれたまえ!」

護衛「しかし、ジャミトフ閣下、万が一が合っては・・・」

男「この男の実力を君も知っているだろう、敵対したらまず君の実力も高いが死は避けられん!
リスクが遇おうと一対一であったほうが安全性は高い!」

護衛「了解しました・・・・言っておくが俺もプロだ、閣下に手を出そうとしたら全て殺す・・・・・
裏切りもののスケベ野郎が閣下を洗脳しようと麻酔ガスを武装にした工作員を送り込んだり、
なじみの料理店に薬物を飲ませて浚おうとしたり、閣下の側近を洗脳しようとして今俺の気は荒い!」


護衛「覚えておくことだ・・・・」





ゴルゴ「それで話を進ませてもらおう・・・・」

男「うむ、わしの名前はジャミトフ・ハイマン・・・・・宇宙連邦地球本星防衛艦隊
司令官をやっておるものだ。最も君はその程度調べているだろうが・・・・」

ゴルゴ「それだけでなくパックス・ジアース(地球覇権主義・地球の平和・地球の栄光)を唱える
ネオ・テラーズの最高トップだろう・・・・」


男「なぜそれを知っておるのだ!」

ゴルゴ「俺はさっきも言ったが自信家じゃない・・・・依頼人が俺を裏切らないかどうか事前に徹底的に
精査する・・・・そして俺の情報網はあんたがネオ・テラーズの最高トップだということを分かるほど優れているということだ・・・」

ゴルゴ「言っておくが俺は依頼人が依頼のルールを守る限り、どのようなリスクのある依頼であろうと依頼人の
オーダーどおりに完遂する・・・・依頼人の身分も明かすことはない・・・・・だが!」


ゴルゴ「依頼人が俺にうそをつくことは許さない・・・・・・もしあんたが俺に対してうそ隠し立てをするうえで
依頼を行うというならこの件は断らせてもらう・・・・」

男「待ってくれ、待ってほしいミスターデューク東郷!」




男「たしかにわしがうそをついたことは謝る・・・・・だが、これからはうそはつかない!
だからわしの話を聞いてほしい!」

ゴルゴ「いいだろう・・・・」

男「我々ネオ・テラーズは元々地球の復権を願うために作り出されたものだ・・・・今では
公式ではともかく非公式にはわしに最高実権が移ったがその運動を始めたウィリアム・アーレー・モーラー
大将をはじめとする4老によって作り出された組織だ。その目的は地球の復権!」

男「地球が人類発祥の地だ!この母なる緑豊かな自然の惑星の地によって人類は生まれ、何百万年
もすごしてきた!
それだというのに人類発祥の地に対する敬意を忘れ、元はといえば宇宙移民者にすぎない植民地人どもが
我々地球に対しての反旗を翻えした!
地球の植民者に過ぎない彼らをわれわれ地球が支配するのは当然だ、そのためには奴ら宇宙植民者を
地球の再支配化におかねばならない!ニューソーラルというヤン・ウェンリーなどという
歴史馬鹿を指導者に置いた穏健派層のいう平和路線など持ってのほか!」

男「地球が人類を全体的に統治するために、崇高な理想を体現するために作り出されたのが
ネオ・テラーズだ!」




ゴルゴ「俺に演説を聞かせるつもりか!俺にとっては地球が宇宙の支配者であろうがなかろうが、
どうでもいいことだ・・・・」

男「す、すまん。つい癖でな・・・・申し訳ない・・・・そ、そこで殺してほしいのはこの男だ・・・・」

ゴルゴ「・・・・ゆっくりだ、ゆっくりとだせ・・・・」

男「ああ!」

護衛「き、貴様閣下に銃を・・・・」

男「落ち着け、彼が用心深いというだけだ!大丈夫だ、バスク大佐!」

男「殺してほしいのは、宇宙都市国家群ディ・エルデの議長ドニー・ボーガンだ・・・・この
男を殺してもらいたい・・・・理由は・・・・」

ゴルゴ「その男が裏切り者だからか・・・・?あんたらの元で要人に対する洗脳を行っていた
非公式の心理戦闘に主眼を置いた特殊部隊の長だったな・・・・・」

男「その通りだ、お見それしたミスターデューク東郷!この男は我々ネオ・テラーズの
心理戦闘特殊部隊の指揮官だ。具体的には我々宇宙連邦に加盟する国家の要人に対しては基本的には
その国家がどちらにせよ自前の要人移動の船を用意するあるいは宇宙連邦非加盟国に対しては別だが、
宇宙連邦指定の要人警護船舶を行う。
その船を彼らで固めることで要人警護船舶にこちらの息のかかった洗脳部隊を置き、洗脳するのが
彼らの手法だ。」

男「最もそれだけでなく、敵地に潜入しての洗脳を行わせることを前提にしていたこともあり、
全員がアメリカ方面軍のグリーンベレーや軍情報部で訓練をつみ、潜入破壊工作員兼諜報員
としての能力も身につけさせているがね・・・・」

ゴルゴ「その男があんたがたに対し反旗を翻した・・・・ディ・エルデの建国はネオ・テラーズの得になる
ことではない・・・・・フリーハンドを与えて暴走してしまったということだな・・・・・」





男「見事な洞察だ、ゴルゴ13・・・・・・その通りに彼ら洗脳部隊はその任務の性質上フリーハンドを
与えられているし、閉鎖された船舶内部での活動を主体にしていたこともあり中央の目が届きにくい・・・・
それが原因か、元々忠誠心が低かったのかドニー・ボーガンを頂点に置き組織への忠誠心のない部隊に
彼らは変貌して言った!」

男「特殊部隊というのはその性質上秘匿されなければならない・・・・・しかし、秘匿を前提にした部隊だというのに
ドニー・ボーガンは軍需物資の横流しやら麻薬の売買という目立つ行為にさえ手を出し始め何とか圧力をかけ
短期で釈放されたが、つかまるというへまさえやった・・・・・
そして現代においても21世紀や20世紀から人間の脳に対する研究はBMI(ブレインマシンインターフェイス)や記憶の読み取り、
脳科学的見地から研究が進められた結果人間の人格というものは基本的に脳内の電磁波の活動で成り立っており、
それらを外部から機器を使って介入するということで人格を改ざんすることが可能になったが、
まだ脳活動の全てが明らかになったわけではなく電磁波的な洗脳手法と薬物や暴力による洗脳のミックスが基本的な
洗脳方式だ!」

男「しかし、女性要人に対しては彼らはセックスを洗脳手段として使っておる。勿論セックスも
洗脳を行ううえで男女ともに有効だが、楽しみのためでなく純粋に洗脳手段としてならまだしも彼らは
楽しみのためにセックスを行うようになった・・・・強靭な意志力にハガネのような精神力に
石の上で三年を行くような忍耐力を持つことが必要な特殊部隊員としての基礎を
能力はともかく失ったわけだ・・・・ただのレベルの高いだけの民兵やテロリストのくずどもだ!

男「ネオ・テラーズへの忠誠心など子のころにはなかったのだろう・・・・ネオ・テラーズのための
洗脳すべきところを自分自身を通してネオ・テラーズの命令を聞くようにしたのだからな!」


ゴルゴ「なぜその時点で殺さなかったのだ・・・・幾ら特殊な洗脳部隊といえど
完全に身辺警護の行き届いた要人を狙うのは至難の業のはずだ・・・・
組織全体がのっとられたわけでもないのだから、ほかの部隊を使って排除することもできた
はずだ・・・・」

男「幾ら我々ネオ・テラーズといえどもひとつの部隊単位を抹消するのは至難の業だよ・・・勤務中に
殺そうとすれば基地内であるためほかの無関係な基地警護部隊とも応戦しなくてはならないし、
仮に事故死に見せかけ一人ずつ殺していくにせよ同じ部隊の人間が次から次に短時間で殺されて
いっては怪しまれてしまうし、最悪ばれるだけだ・・・・・それに彼らの洗脳技術は一流でね、
忠誠心なくとも利用価値さえあれば徹底的に使うまでというのが消せない一番の理由だ・・・・」

男「毒くらば皿までという危害だったが彼らのどくはわしの想像以上だったらしい・・・・・ディ・エルデ
建国は元はといえばコーデリアという地球になびかない国家の首脳を洗脳し、かつ有益な新軍事技術の
確保を行おうと潜入させたところを個人的な欲望のために太陽系全域制圧か国家の要人になって
贅沢暮らしをしたいがために洗脳した要人を使って自分を重要ポストにすえさせ我々に
戦いを挑んでしまいおった・・・・」






男「裏切り者の排除、それに奴は戦争を有利に進めるためかわしにたいしてバスクが防いでいるが
洗脳を施そうとしておる!安全確保のためにも奴を殺してもらいたい!そして奴の狂った
ドニー・ボーガンによる太陽系帝国などという狂った独裁国家の出現を阻止してくれ、
ミスターデューク東郷!」

ゴルゴ「依頼を受けるかどうかは俺のルールに沿っているかで決める、思想は関係ない。まず聞かせてもらうが、
なぜ俺でなくてはならないのだ?ドニー・ボーガンを殺す程度、あんたなら潜入破壊工作部隊を
多数動かせるはずだ・・・・・・
部隊単位の抹消ではなく個人の暗殺・・・・」

ゴルゴ「幾ら警戒を固め太陽系内の奥地にあるきわめて離れた要害堅固な要塞宇宙都市に
篭っているとはいえ、俺をわざわざ使わなくともそれを実行する程度たやすいはずだ・・・・」

男「その点についてだが、ドニー・ボーガンは元々軍人であるからか権力の座を手にした後も
こっけいなことに現場での活動をこだわっているらしい・・・最も所詮は特殊部隊で訓練をつんだ
活動した特殊部隊士官といえども歩兵戦闘部隊に過ぎない、大規模な歩兵や戦闘機、戦車や宇宙空間
での艦隊戦闘に対する指揮は不慣れだ・・・・・」

男「完全に能力が士官教育を受けている異常ないわけではないが、それでも能力的には素人に怪我は得た程度に過ぎん!
独裁者にはよくあることだが、自分が専門でないことに手を傲慢に自分が何者よりも優れた存在という
思い込みから出すという典型的な愚かな行為だ・・・・内政に専念していればいいものを分不相応に
火星にいるネオ・テラーズから分派したクシャナ軍と交戦し敗退し負傷している。」

男「クシャナ軍が勝利を収めたのは火星の砂漠に対しての砂漠戦闘に特化した兵器を大量配備し、
地の利と砂漠環境をたくみに活かした戦術、それらを活かした電撃戦闘、火星制圧の過程で民間人に対しての
分地統治を施し補給体制を十分に整えていたとこと、そしてこれが大きい理由だが
ネオ・テラーズが過去に虐殺・弾圧を行った地域の生き残りであるため結束間が以上に強いという点だ。」

男「ドニー・ボーガンは火星制圧を目指しクシャナ軍に挑んだがこれらの理由とボーガンが大軍を
動かす上で不慣れなこともあり敗退し、その際にクシャナ軍のベアトリス・クシャナとキラ・クシャナから
拷問を拘束された際に受けている・・・」



男「ドニー・ボーガンはなんとかステルス性に特化した宇宙艦艇(艦艇とは軍用船舶をさす つまり宇宙戦闘艦のこと)による奪還部隊による奇襲で脱出することに成功している・・・そのときに死ぬかクシャナ軍の拷問で死ぬか、処刑されていればいいものを・・・・ ボーガンは過去に数年前自分を逮捕した女性軍人二名に対する洗脳命令が
下った際に洗脳目的ではない過剰なまでの自分用の性処理人形とでもいうべき洗脳を二名に下している・・・・」

ゴルゴ「つまりその男はベアトリスとキラの二人に接触し、復讐を施す可能性が高い・・・だがそこまでターゲットの移動先が分かっていながら俺にやらせる意味は何だ?」

男「今現在クシャナ軍は我々から分派した勢力だが、今の目下の重要な敵国はディ・エルデだ!総力戦を行ううえで足元がしっかりしていなければ意味はない。だからニュー・ソーラルとも我々は手を組み行動している・・・・・
強大な敵に対する戦力の分散は愚の骨頂・・・兵力を強敵に対し集中投入することで意味がある・・・・
ボーガンに対しては我々が兵力を集中投入しても負けたが、あれは我々両者の指揮系統が対立していたこともあり
事前に指揮のすりあわせができなかったからだ・・・・確かに強力な特殊合金による機動兵器は厄介だが
物量はこちらが上回っていた・・・・こちらが普通に戦っていればかっていたところを指揮命令系統のすりあわせさえ
できて入ればまけはしなかったはずだ・・・・
ボーガンの奴が指揮をとったが奴よりもアリシアという奴の指揮で奴自身のよけいなおせっかいで負けかけていたからな・・・艦隊に対して宇宙要塞による援護射撃も痛かった・・・・・」

男「我々は今現在兵に対する訓練増強と物量増強を行いディ・エルデにたいして対応しているところだ・・・・前回の鉄を踏まえ要塞攻略兵器と対抗可能な航空戦力の開発も進めている!国力はこちらが磨り減ったとしても大きい、まず負けはしないだろう今度はな・・・・そのためには火星の反乱鎮圧に兵を裂くのは非効率だ、そのため火星の中立国家リブラで
休戦条約がクシャナぐんと結ばれることになっている・・・」








男「ドニー・ボーガンはリブラ側を買収し、交渉に出向くベアトリスとキラを送迎する
砂漠船の乗組員に成りすましかつ自分の手勢で固めている・・・・・・おそらくそこで
復讐するきだろう!だが、そこまで分かっているが中立国の船に対して強制的に臨検するわけにもいかん!
それにだ、下手に我々が介入しバレバレ条約がご破算になりかねない・・・・」

ゴルゴ「俺なら平気ということは・・・・」

男「そういうわけではない・・・・」

ゴルゴ「・・・いっておくが俺の排除を覚悟するなら容赦はしない・・・・」

男「そんなことをするわけがないだろう、ミスターデューク東郷!とにかく我々には手を出すことはできないし、
かといって放置し奴に火星の支配者が洗脳され火星を奴の支配化におくわけにはいかん!
それを止めたいが前に言った理由と奴が顔認証でも分からないような整形手術を施し、奴が誰に成りすましているか分からん!」

男「皆殺しにするわけにはいかず、かといって唯一の手段たる暗殺が我々にはできない!だが、あなたならできるはずだ!
あなたの奇跡の腕を使ってあの男を殺してほしい・・・・」


ゴルゴ「・・・・ひきうけよう・・・・スイス銀行の口座に入金を頼む・・・・・代金は米ドルで1億ドルだ・・・・・」

男「おお!動いていくれるのですか、ゴルゴ13!早速振り込みましょう!」

ゴルゴ「早速だが、協力してほしいことがある・・・・脱出用と潜入用に大気圏内外離脱可能な軍用のステルス船一隻、
砂漠船が到達するエリアの警戒情報・・・・そして・・・・」

男「そして?」

ゴルゴ「ドニー・ボーガンに対するあらゆる経歴だ・・・癖、交友関係、家族関係、軍歴をはじめとするあらゆる経歴、
かかわった作戦に身につけている技能、これが一番重要だがボーガンの移った映像資料だ・・・・」

男「分かりました。直ちに情報部に命令して提出させます・・・」

ゴルゴ「俺のホテルのこの部屋にあんたが他の諜報員を一人資料を届けさせにきてくれ・・・・・」


ボーイ?「お届けのものを届けにあがりました・・・・・・」

ボーイ?「失礼させていただきます・・・・」

ゴルゴ「動くな!」

ボーイ?「ジャミトフ閣下から、あ、あなたの御用命の資料を届けに参ったものです・・・・」

ゴルゴ「命取りになりかねない、不用意な発言をするな・・・・その団ボールの中身が例の資料だな?
あけてもらおう・・・・」

ボーイ?「ば、爆発物の類などは仕掛けて・・・・・・」

ゴルゴ「俺が信用している人間は世界に数人だ・・・・・・そして今回の依頼人は俺が
信用しない依頼人に含まれる・・・・・・」

ボーイ?「わ、わかりました・・・・(想像以上だ、ゴルゴ13!)」


ゴルゴ「問題はない様だな・・・・もういい出て行ってくれ・・・・」

ボーイ?「いえ、ジャミトフ閣下から情報分析を手伝うよう言われていますので・・・・」

ゴルゴ「必要ない・・・・・」

ボーイ?「私も命令できています!命令には従わなければなりません!それにドニー・ボーガンというジャミトフ閣下の
命を狙う不届きな裏切り者の男を殺すてつだを少しでもいいからしたいんです!」

ゴルゴ「・・・・・・いいだろう、ただし分析は俺が行う・・・俺が必要とする資料を俺の言葉に応じて出してもらおう・・・・」

ボーイ?(す、すごい・・・・あれからもう7、8時間もたっているというのに集中力が一切減退していない・・・・)

ボーイ?(食事を一切取らずに数時間も同じ姿勢でいながら集中力を保つなんて超人だ・・・・スナイパーには
長期間の待機が求められるとは家ここまでの待機を強いられて平然としている奴なんて俺は知らない・・・)

ゴルゴ「画像資料を見せてくれ!」

ボーイ?「あ、はい・・・」

ゴルゴ「・・・・・・」ジロリ

ボーイ?(ドニー・ボーガンの様子を観察している・・・・・癖や骨格、筋肉のつき方まで観察しているのか!)

ゴルゴ「・・・もういい・・・・帰ってくれ・・・・・」

ボーイ?「あ、あの現在の整形技術は一応DNAや骨格さえも部分的に変えることが可能です・・・・・・幾らボーガンを
観察したからといってボーガンをそれで見つけられるんでしょうか?」

ゴルゴ「お前が心配することではない・・・・・・」

ボーイ?「ひぃっ失礼します!」

ゴルゴ(火星の環境は基本的に今現在は全土が砂の海になっている・・・だが大気組成成分や
重力等はテラフォーミングや元からの性質により変わらない・・・・・)

ゴルゴ(火星環境について再現した擬似的環境や砂漠での狙撃を練習してさえおけば環境が同じである以上は、
狙撃について特別な条件は必要としないはず・・・・・)

ゴルゴ(砂塵に対する対策をM-16に施す必要はあるが、やはり問題はドニー・ボーガンをどう見つけるかか・・・・・)

パイロット「これより火星軌道から火星に降下します・・・・効果ポイントはクシャナ軍要人
二名が砂漠船に乗り込む際の両軍の警護体制とあなたの銃(M-16)の射程を考慮し警護体制外で
ありながら射撃可能な岩肌となります・・・・・」

パイロット「それとひとつ言っておきますがこの艦はステルスシップですし、可能な限りクシャナ軍その他の
レーダー制空権を迂回するルートを取っています。通信封鎖やレーダー封鎖も同時に行っていますが、
急な任務であるため本来ステルス性を活かした奇襲を行う宇宙潜水艦やステルス性プラス機動性による
戦術行動をとる宇宙水雷艇に比べれば本船はステルス性や機動性の劣る強襲揚陸艦です・・・・」

パイロット「万一見つかり要撃機のスクランブルや対宇宙防衛システムの衛星軌道上まで到達可能な
兵器で応戦されてしまえば身の安全は保障できないということを覚悟してください!」

ゴルゴ「俺はたとえどのような状況下であろうとも常に生存にベストな選択肢を取る・・・・・だが、このような
仕事をしている以上は死ぬ覚悟もできている。構わずやってくれ・・・・」

パイロット「了解。大気圏突入10秒前!」

パイロット「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1。ナウ!」

パイロット「大気圏突入!」

パイロット「大気圏上部を突破、火星大気圏内に突入しました!」

パイロット「目標地点まで低空降下し、むかいます!」

パイロット「む、これは・・・・・レーダー電波を確認!敵のレーダー防空圏内に引っかかりました!」

ゴルゴ「・・・・探知されてはいないか!?」

パイロット「問題ありません・・・・ベアトリス軍は基本宇宙戦力より地上戦力主体ですからね・・・」

パイロット「そのため衛星軌道上まで砲撃可能な対宇宙砲台を大量配備することで宇宙艦艇の大気圏突入を防ぐ体制をとっています。もちろん火星全土をカバーするのは不可能ですが、ベアトリス軍は事前にフライトプランのない
未確認機には軍事政権の常で即時に砲撃で撃墜すると明言していますし、人間の判断よりも
未確認機を捉えた時点でコンピューターが即座に致死的手段をとるよう設定していますからレーダー連動砲撃が
ナノセカンド単位で行われます!」

パイロット「そのため砲撃されていないという状況のため探知されていないと断言できます。それに迂回ルートを
即座にとりましたし、問題ないかと・・・」


ゴルゴ「そうか・・・・・・細心の注意を払いつついつものように狙撃ポイントに後は向かってくれ・・・・」

パイロット「了解!」

パイロット「目標の狙撃ポイントが見えてきました!あの岩棚の上に垂直着陸します!」

ゴルゴ「たしかあの岩棚がベアトリス軍とターゲットのいる偽装リブラ軍の警戒態勢外にある唯一の狙撃可能ポイントだったな・・・・」

パイロット「はい、そうです・・・・陸上戦闘艦やベアトリス軍の陸戦型機動兵器にはいずれも高性能レーダーが取り付けられています・・・・対物を前提にしたレーダーユニットとはいえ昔と違って今のレーダーユニットなら対人目標でも
とらえることが可能です。また歩兵部隊も警護に随伴しています。」

パイロット「敵のレーダーや目視で確認できない距離で、かつ見通しのいいところとなるととここしかありません
でした。ただそのため2kmも距離をとることになりますが・・・・・」

ゴルゴ「俺の腕を疑っているのか?」

パイロット「いえそういうわけではありませんが・・・・」

ゴルゴ「お前はお前の仕事に専念していればいい・・・・俺は俺の仕事をやる、それに口を挟むな・・・・」

パイロット「はい!」

ゴルゴ「俺は外でターゲットが現れるまで待機する・・・・お前はここで即座に機体を動かせるよう待っていろ・・・・」

パイロット「仕事に口を挟むつもりはありません。ただ私もジャミトフ閣下の理想に身をささげたものです。ドニー・ボーガンは確実にしとめてもらわないと困ります。あなたの腕を疑うわけではありませんが、ターゲットが現れるまで
後五時間です。それまでの間狙撃銃を構えながら待機姿勢をとってしまえば筋肉の硬直や集中力の欠如で
狙撃できないということはないでしょうか?」

ゴルゴ「問題ない・・・・ターゲットは必ずしとめる・・・・」

パイロット「おいおいもう一時間にもなるぞ・・・・」

ゴルゴ「・・・・・・・」

パイロット「それなのに身じろぎのひとつさえしない、呼吸してるか疑わしいぐらいだ・・・・・
ナマケモノ以上だな。あそこまで待機を強いられたらどんなスナイパーだって集中力が欠如
しちまいやがるのにあのレベルでやれるなんて・・・・・」

パイロット「しかも顔には砂塵対策に特化した特殊なサングラスつき・・・この時期の火星は別に
砂嵐や砂塵が激しく風で舞い落ちる時期じゃないはずだが砂塵で目をやられないようにか・・・・
M-16も砂塵対策を施していやがる・・・・これが超一流のプロなのか・・・」

パイロット「なんて男だ・・・・ゴルゴ13!」

ゴルゴ「・・・・・・来たか・・・・・」

砂漠船

機動兵器

ゴルゴ「軍閥とはいえ警護で機動兵器を4個小隊レベルで配置し、歩兵部隊が一個中隊弱とは明らかに過剰だ・・・・
俺の潜入がばれターゲットがわからずに警戒しているのか・・・・それともドニー・ボーガン
に対してベアトリス軍も情報をつかんでいるのか・・・・」

ゴルゴ「用心は必要だが狙撃ポイントがもれているならおそらくここに機動兵器を向かわせるはず・・・・・
ということは潜入がばれている可能性もあるが舞部隊が送られていない以上ミッション達成は可能か・・・・・」

キラ「お母様、リブラの船にはドニー・ボーガンがいる可能性があります。確かにネオ・テラーズとの
和平交渉は長期戦闘になれば、確かにディエルデとの戦いで打撃を受けたとはいえ宇宙連邦の
国力を考えれば依然強大なためこちらが貿易上の拠点といっても不利なため必要でしょう。」

キラ「ですが、あの屑が復習のために何らかの手段を講じているだろう船に乗る必要はあるのでしょうか?
また日を改めてや別の移動手段をこちらが用意するといったり、お母様が乗らずとも影武者をつかい
お母様が別ルートから向かうという手段もあるはずです・・・」

ベアトリス「甘いなキラ・・・・国家の外交儀礼を無視知るということはその国の信義にかかわること!
軍事独裁政権と批判されていようが、国家で外交を行う以上は国家間でも信用が必要だ・・・・・
それを無視してしまえばますます立場的に悪くなりかねないし、下手をしたら此度の休戦条約締結がご破算になりかねん!」

ベアトリス「毒食らわば皿まで・・・・・・ボーガンという色狂いがいるならば成敗してやればいいことよ!それにだ
キラ、お前が私を守ってくれるだろう?」

キラ「はい、私が命に代えても守ります・・・・」

ドニー「ククク、ついにこのときがきたかあ!ベアトリスにキラクシャナ!」

ドニー「お前らから受けたあの仕打ちは100倍にして返してやる!」

ドニー「お前らの俺の精液を機器としてなめ取るようなメス豚肉便器に調教してやるよ!」」

ドニー「ベアトリス・クシャナ閣下ですね、私があなたのリブラまでの護衛を行うリブラ軍大佐セリオ・アダモ
です。道中の安全を保障させていただきます(なんてなあ、とっても楽しい調教プランを考えているんだよ!)」

ドニー「快適な船内生活をおすごせるよう配慮させていただきます。」

ベアトリス「うむ、よろしく頼む(事前情報を得る限りこの男がドニー・ボーガンだろうな?私は貴様の
セックス奴隷になどなる気はないぞ・・・)

ゴルゴ(・・・・・)

ゴルゴ(あの男がドニー・ボーガンだな・・・・・やつの部下も上司に暴行を働かれたとあって
多少の憎しみを抱いているが、どちらかといえば性欲のおこぼれに預かるとい意志が強いな・・・・)

ゴルゴ(あの男・・・・・やつからは性的な手段などという下劣な手段といえどまがまがしいまでの憎悪を感じ取れる・・・それに骨格やDNAまで変えられる整形手術といえど限界はある・・・・・骨格のつき方は事前に見た
映像資料にあるドニー・ボーガンのものと変わった部分があるが共通点がすくなからずある・・・・)

ゴルゴ(それに歩き方やそのほかの立ち居振る舞いの癖がやつと一致する・・・・・やつがボーガンか・・・・)

ゴルゴ(風速・・・湿度由・・・・)

ゴルゴ(気温も問題ない・・・・視界良好・・・・・)

ゴルゴ(・・・・・・・)バン

ドニー「それでですが・・・・・・」バタン

リブラ乗組員「ボー、ボーガンさまああああ・・・・」

リブラ乗組員2「ばかやめろ、狙撃だふせろぉぉぉ!」

キラ「お母様少しご無礼を!」突き倒す!そして覆いかぶさる!」

ベアトリス(狙撃か・・・・あの男がドニー・ボーガンのはず・・・・やつは下種な男だ、
性的な手段を女性に対しては復讐に多用する・・・・)

ベアトリス(狙撃による暗殺というまともな復讐をやつが選択するとは思えないし、
まさかいくらなんでも狙撃にしくじって上司を[ピーーー]はずがない・・・)

ベアトリス(おそらく狙撃で殺されたというならあの男がボーガン・・・・
なるほど、ボーガンはネオ・テラーズの裏切り者・・・・)

ベアトリス(ネオ・テラーズにとって裏切り者は殺したいはずだし、やつを消せばディエルデの
攻略も楽になる・・・・だから殺したということか・・・)

ベアトリス(それ以前に口走っているしな)

機動兵器パイロット「キラさまとベアトリスさまをお守りしろ~~周囲を固めろ~~」

機動兵器パイロット「歩兵は索敵しろ敵を~~」

歩兵「だ、だめです、どこにも見当たりません!」

歩兵2「周囲一帯は狙撃を行うには不適切な環境ばかりです。長距離攻撃としか・・・・」

機動兵器パイロット「そんな距離からヘッドショットを一撃だと・・・・ジーザス!」

キラ「大丈夫です、10分たっても二射はありません!おそらく撤退したものと思われます・・・・」

ベアトリス「ご苦労だ、キラ(最もボーガンが狙いなのだから、それ以外はころすきはないのは当然だが)」

リブラ乗組員「貴様!貴様がボーガ・・・・艦長を殺したんだろう!この魔女め!」

ベアトリス「魔女だと?私の嫌いな私の通称だな・・・・・」

ベアトリス「私に彼を殺して何の得があるというのだ!」

ベアトリス「リブラは中立国家!そこに在籍する軍人を暗殺してしまえば国際的批判が舞い落ちるは必定!」

ベアトリス「これから外交交渉をしにいく外交交渉開催国の人間を殺すものがいると思うか?そもそもこちらが
ころすきならば、こちら側にいる兵力を使って行うに決まっている!誰が暗殺して殺すものか!」

リブラ乗組員2「申し訳ありません。当艦の乗組員が艦長を殺された心理的な同様からして
失礼しました。お許しください!」

リブラ乗組員2「謎の狙撃手による攻撃が行われた以上、当艦の安全も保障できません。
それで異例の措置でありますが、本国とも協議した上で延期をお願いしたいと存じます!」

ベアトリス「こちら側から申し出ようとしていたことだ、ところでお願いがあるがそちらの
艦の内部を査察願いたい。」

リブラ乗組員2「こちらは中立国船です、査察は・・・・・(クソ査察されたらこちらの
正体がわかって逮捕されちまう!)」

ベアトリス「先ほどドニー・ボーガンという言葉をそちらの乗組員が口走っていた。国際犯罪者
として指定されるディエルデ議長の名前だ。奴は前に特殊部隊にいたそうでな、
こちらとも多少因縁があるしもしやとは思うが復讐のためにボーガンとその部下が乗組員に
成り下がっている可能性もある。」

ベアトリス「中立国船への査察はきが引けるが、国際犯罪者とその手下なら話は別だ・・・・
問題がないなら査察しても構わないだろう?」

リブラ乗組員2「問題がないからこそ査察は拒否させていただきます!」

ベアトリス「そうか・・・・総員レッドアローだ!」

ベアトリス「艦を強行制圧しろ!」

リブラ乗組員「このアマがああああ!」

キラ「お母様に手を出すものは許さない!」

リブラ乗組員「ぐぎゃあああああ!」頚動脈かききり!

リブラ乗組員2「ひぃぃぃ!」

キラ「死ね、頭の中がマンコ以外のこと考えられない低脳兵士が!」

リブラ乗組員「ぎゃああ!」心臓ぐさ!

リブラ砲撃手「砲撃しろ!」

ダンダンダン!

リブラ砲撃手「くそ!あっちの船からの砲撃と機動兵器で全砲がつぶされた!これじゃ撃てねえ!くそくそくそ!」

リブラ機関長「機関部に着弾!機関火災発生、損害大!航行不可能!」

歩兵2「突入開始!事前情報にあるとおり、あちらがドニーボーガンの船ならば麻酔ガスなどによる攻撃が予想される!
防毒マスク装着後、突入開始!」

歩兵「全員装着終了しました!」

歩兵2「突入開始!」

歩兵「ドアは閉鎖されてます!ハッキングしますか?」

歩兵2「いや、荒っぽいのでいく・・・・離れろ!」C4設置

バンバンバン

歩兵2「艦内に突入する!敵は指揮官喪失と奇襲で混乱しているはずだ!10人一組の5分隊に
小隊を分け、艦内要所を制圧する!」

歩兵2「Go!Go!Go!敵は手向かうならクソまみれの死体にしてやれ!クシャナ軍の恐ろしさを
奴らが先祖代々に伝えるほど食らわせてやれ!なお、この後は会話を抑えハンドサインでいく!」

歩兵「敵兵確認!グレネード!」

リブラ警護兵だったもの「」プラーン

ゴルゴ「飛び立ってくれ・・・・・」


パイロット「はい」

パイロット(しかし、どうやってボーガンを認識したんだ・・・そこが謎だな・・・・)

数日後

護衛「ジャミトフ閣下、火星でゴルゴ13が殺した男の件について続報が入りました。」

男「バスク大佐、ゴルゴ13が火星で男を殺したのは事実だ、だが彼を疑うわけではないが
その男がドニーボーガンかどうかが重要なんだ。実際にボーガンだったのかね?」

護衛「はい、あの男はボーガンでした。クシャナ軍が捕らえた捕虜に対する尋問や買収してリブラ側が渡した
船の内部記録やボーガンの手記からあの男がボーガンであるといえるという情報が火星にいるエージェントから
もたらされました。」

護衛「これが決めてですが、ボーガンと思わしき男についてクシャナ軍は体をナノレベルで分析しました。
遺伝子操作でDNAさえもごまかせますが、明確な遺伝子操作に対する痕跡とまた死亡した脳細胞から
記憶抽出術で記憶を読み取ったそうですがそれからもボーガンと実証できます。」




護衛「勿論可能性としてはボーガンと思い込まされている影武者の可能性もありますが、
ボーガン自身は洗脳のプロとして過去にリエリビショップとナオミエヴァンズという
復讐対象に自ら洗脳を施すという行動を見せています。」

護衛「この過去の行動と情報部からの報告をあわせると本人と見ていいでしょう。」

男「よくやってくれた、これで我々ネオ・テラーズを裏切った地球に対する恩義を忘れた
くずが地獄に逝ったか、喜ばしいことだ・・・・・」

男「裏切り者の始末だけでなく二重の意味でな。ボーガンを失った今ディエルデを今こそ
叩くべきときが来た!」

男「しかし、分からんな?ボーガンはやはり骨格や遺伝子、顔に至るのみならずそれらの部分も含めて整形していたのだろう?」

男「それだというのにゴルゴ13は、一体どうやってドニー・ボーガンを見分けたのだろうか・・・」

護衛「それについては私から考えをお聞かせさせていただきます。」

護衛「プロの画家などは、画家という職業は絵を書くという性質上優れた観察眼を持っていると聞きます。
人物画を書くことを専門にしている画家は、服の上からでも相手の骨格や筋肉のつき方を把握することが可能だそうです。」

護衛「我々軍人や格闘家という存在は流石に骨格や筋肉のつき方を人目で見抜くということはできませんが、
相手側のみのこなしや足捌きから相手が戦闘訓練や何らかの格闘技をみにつけているかどうかを察知することも可能です。」

護衛「ゴルゴ13自身は異常な動体視力を備えていると聞きます。ボーガンの動きを記録したビデオを穴が開くほど
みていたそうです。おそらくこれが事態の解明を行えるヒントたりえます閣下。」




護衛「幾ら骨格や筋肉に至るまで変化させることが可能といっても多少変化前の要素が残ります。
また、足の歩き方などの動きにも癖が残るはずです。」

護衛「ゴルゴ13はその類まれな動体視力を元に、ボーガンの整形前と変わりない筋肉や骨格、さらに
整形しても変わりようのない足運びから推測してボーガンを見抜いたと思われます。」

男「そのようなことが果たして可能なのかね?いや、ゴルゴ13だからこそできたのだろうが
聞きしに勝るモンスターだ・・・・・・・彼と敵対するのはさけたほうがいいな。」

護衛「しゃくですが、私も一対一では勝てないでしょう。部隊を率いれば可能かもしれませんが・・・・・」

男「まあいい。それよりだ、ディエルデ攻略について話を進めたい。ドニー・ボーガンを失った以上、
ディ・エルデ攻略はやりやすいからな。」

男「ボーガンについていえば、ただの道化だ。能力について無能ではなく優秀であり、よくもわるくも
カリスマやある程度は部下からは慕われる人徳を持っているが、優秀な能力でありながら
無謀な行動をとって散っていた歴史の中の類似した者たちの一人に過ぎん。」

男「だが、それでもやつは優秀だ。ディエルデという国家はコーデリアを中心にした国家の連合体。
国家連合や連邦という制度の国であるといえば聞こえはいいが何年や何百年もかけてまとまった
国ではなく新興の国。国家は基本的に自国の権益を考える、まだまだ対立はあるし国家建国に
外交努力や利権をちらつかせてもいるがコーデリアの武力も大きい。」

男「内部ではそれ相応の不満がくすぶっているはずだ。それをもたせたのは・・・」

護衛「良くも悪くもドニー・ボーガンという男ですな。それが消えた今ディエルデ
は統一した作戦はしにくい。攻め落とすにはチャンスですな。」

男「こちらも対立した二つの勢力をかね合わせているが、リメンバーコーデリア
を叫びにディエルデとの戦いでコーデリアを主力にした宇宙艦隊決戦での
敗北から国民も復讐戦を狙っている。我々テラーズとニューソラルも
ディエルデ脅威での一時的な対立解消で今は開戦時と比べてまとまりつつあるし、
民意も後押しを受けている以上はこちらが団結力では勝る。」

男「ボーガンを失った今は絶好の戦機。攻めるまでの期間が長引けば、奴らも建て直ししやすい。
戦力を結集し、電撃戦で奴らを制圧する。ボーガンがいなくなっても女傑のアリシアがいれば厄介だが、
奴は今はいろ狂い。セックスにはまってセックスをえさにせんかぎりまともな指揮はせんし、
事前に作戦を立てる能力は落ちている。それにコーデリアのボーガンに協力した
腐ったネオ・テラーズの奴と同じ裏切り者主体の国家上層部の慰み者で無能扱いしているからな、
一定の能力を認めたボーガンと異なり奴らはアリシアをかつようせんだろう。」

男「今せめてディエルデを壊滅させねばならん。」







護衛「ディエルデ攻略についての報告とのことですが、ジャミトフ閣下には私よりも説明を
しやすい人物を用意してあります。入りたまえ。」

プシュっ

男2「失礼させてもらいますよ、ジャミトフ提督。」

男「ヤン・ウェンリー提督か・・・・・・・思えば奇妙なものだ、
ネオテラーズの代表とニューソーラルの代表が出会うのだからな。」

男2「私としては完全に共同歩調に納得したわけじゃありません。
地球至上主義という特定の天体こそ絶対という思想からともすれば独裁や虐殺に走りかねない
思想を肯定したわけではありません。」

男2ただそれでも我々ニューソーラルの理念からしても太陽系宇宙の平和を乱しかねない
ディエルデを制圧する上でそちらとの協力は必須ですし、それに私は軍隊は
政治に従うべき、シビリアンコントロールによって統御されるべきって信念を持ってますからね。」

男「これをきにネオ・テラーズとニューソーラルの共同歩調を一時的にではなく、
永続的にし段階的に軍閥の争いを収束させるということか?」





男2「ええ、双方に話し合いを持つという機会が行われるならお互いの争いを
止める上での絶好の機会ともいえるでしょう。共同歩調をとれば一時的に連帯感も
生じてくる」

男「だが、私は永続的な共同歩調やシビリアンコントロールの元に戻す気はないかもしれないが、
それはどうする気だ?」

男2「トップであれど無制限に権力行使できるわけじゃないでしょう。こちらにもいえますが、
そちらのあなたにごする幹部を全員でなくとも大多数こちらの考えに同調させれば
トップの意思を無視した行動をできる。」

男「私の前でそのようなことを言っているがいいのか?大胆不敵といえるが、バスク大佐を
使って殺すこともできるのだが。君の格闘技術や射撃技術の成績は極めて悪い。」

男2「指揮官に戦闘能力は必要ありませんし、指揮官が銃を持って戦う状況は負けですよ。前線に
最高指揮官でもある国家元首が出張って作戦指揮を執る国家体制なら別になりますが。
それはともかくころしはしないでしょう。私をしなせたらせっかくの両軍閥統合ができない。」

男2「それをするほどあなたはぐしょうじゃないはずだ。もしそれを行うぐしょうであると見誤ったら、
反撃できる能力なんて持ってませんし目をつぶって潔く死を受け入れますよ。」








護衛「そこの知れない奴だな。能力は優秀で前線指揮をとり不利な状況で戦っていたこともあるから
ただの臆病者ではないとは思っていたが、自分の歩兵戦闘技術が低い中はるかに技量の高い
俺と対面して物怖じしない発言をするとはまさしく閣下の言うとおり大胆不敵だ。」

護衛「その通り、閣下は殺すという命令はしないだろう。それをしたらこちらに利がないし、
そのような命令を出す無能なら俺は従わない。ネオテラーズ内の別派閥に属しているだろう。
まあ貴様を殺してシェーンコップのローゼンリッター連隊と戦うというのも悪くはないが。」

護衛「貴様の養子のユリアンとやらも戦う上で面白そうだ。」

男2「軍人は戦うのが責務、戦いに喜びを感じて当然という思考かな?無駄な戦いをできれば
しないという僕とは相容れなさそうだ、ユリアンには気をつけるよう逝っておかないと。
ストーカーのごついサングラス男にねらわれっているってさ。」

男「バスク大佐、抑えろ。最もその程度ではおこらないだろうが念のためだ。
さてヤン提督。ディエルデ攻略について話したいが、その前に君の言うネオ・テラーズ
とニュー・ソーラルの統合、軍閥の政争ではなく政府による管理下について非公式な
私の本心を言わせてもらおう。」



男「バスク大佐、君もかねがね感づいているだろうが私は地球至上主義者といっても君とは
理念が異なる。そのためこの後君が私を殺してもうらまないし、私とは別の派閥に行っても
うらまない。ただディエルデとの戦いが終わるまで待ってほしい。」

男「結論から言わせてもらうが、私は私の目的さえ達成できるのであれば両勢力の統合を
受け入れてもいいと思っている。」

男2「意外ですね、地球至上主義者のあなたなら宇宙連邦に属するコロニーの自治権拡大を求める
我々との統合や政府による管理に不満を感じてもおかしくないと思っていましたが・・・・・」

男「・・・宇宙に進出した今では地球に価値がないという考えもはこびっているし、絶対的な
正義というものがないのだとしたら私の考えも正しくないかもしれません。
だが、私は地球至上主義を唱えるのは地球による絶対的なほか勢力の支配や優位が目的でも
ほかの勢力に圧政を敷こうというのは出ない。地球が絶対的な力を持つことで争いをなくし、
地球環境を保全するためだ。」

男「私は地球で生まれ育った。地球の環境はすばらしい。所詮は太陽系内での進出しただけの人類だから、
外宇宙にはもしかしたら地球と同じような環境もあるかもしれん。だが、今現在そのような
太陽系外惑星は確認されていないしテラフォーミング技術を持っても地球に匹敵する環境は作り出せておらん。」






男「私は私の故郷たる地球を守りたい。すばらしい環境を保全したい。火星の例を見れば明らかだが、
火星は元々砂漠だがテラフォーミングによって地球環境を手にしようとしていたが大量破壊兵器によって
砂漠に逆戻りだ。私は地球環境の保全のために地球を絶対的な支配者にしたいだけだ。
君はそれを軍事独裁というかも知れないが。」


男「私は、宇宙植民者の利権をそれさえ果たせれば認めるつもりはある。だから君との提案はまもとに
検討させ受け入れるかもしれん。勿論相互の主張をすり合わせることができんかもしれんし、
一時的にまとまってもまたなるかもしれない。だが、地球環境保全を望む私としては裏面で部隊がぶつかり合うという
事態は避けたい、君の提案は願ってもないことだ。」

男2「永遠ならざる平和、一時的な平和を環境保全のためならうけいれるということですか。
一時的とはいえ平和はこちらとしては願ってもいないことです、ディエルデ攻略が終わった後に
話し合いの場を設けるとしましょうか。」

男「そうだな、それがいいだろう。」

護衛「・・・・・・私としては納得できかねないところもありますが、地球側の優位性やある程度の
利権が認められならば閣下のもとで行動させていただきます。ただし、閣下の言ったとおりのことをじっこうするやもしれません」



男「さてと、それでは目下の脅威たるディエルデについて対策を話し合おう。コーデリア宙域での会戦で
壊滅した兵力の再建の進捗具合について聞きたい。ビンソン計画についてだ。」

護衛「ティアンム提督の管轄化で軍の地上および宇宙の軍事工廠、民間企業についても総力を上げさせ
失った艦艇を穴埋めできることが可能なだけの兵力を再度供出することはできています。
宇宙空間においてある工廠の能力をフルに発揮した形ですな。スペースコロニーはそれ自体を
工廠に転用すればそれ自体の巨大さとあいまって工廠としては申し分がないですし、小惑星
要塞はその小惑星に埋蔵された資源を元に資源を運ばなくても簡単に資源を手に入れ
製造に資源を回せるという利点がありますから。」

護衛「ただ人的資源については予備役を回し、再度民間からの報復を望む世論を利用することで徴兵していますが
予備役兵士はともかく即席の若年兵の錬度は不安があります。実戦を経験すれば強いといいますが、
実戦経験以前に普段から訓練をどれだけ積ませられるかが兵士の能力については問題がかなりあります。
強力な兵器は量産できても人は早々簡単にはてに入れませんから。」





男2「とはいっても、敵のディエルデは人口宇宙都市の連合体。確かに宇宙都市でも
それ相応の人口をまかなうことは不可能ではないが、惑星に比べればパイは異なる。
敵が勝利を収めこちらが打撃を受けたといっても、国力にこちらが勝る以上
相手側の出血も相応というべきだ。」

男「戦争は物量で決まる。その背景の国力で決まる。たとえパイロットの錬度が多少なり
未熟であろうが圧倒的物量を元に補給を整え攻勢を仕掛ければ、勝利は決まる。
戦場の鉄則のようなものだ。兵士の錬度が未熟でもソヴィエトは錬度に勝るドイツ
に物量で競り勝っている。最も巨大な国力と物量を持つ大国が負けた例もあるから
100パーセント当てにはならんがな。」

男2「といっても艦隊の内容は実質的に以前と同等といっても、兵士の錬度の低さを
割り引いても実質的には2、3割増し程度戦力比は増すでしょう。ビンソン計画で
生み出された艦艇は全艦前回の機動兵器に負けた過去から対空火力を徹底的に
増強し、機動兵器の装甲の頑強さからジェネレーターにしても動力源を
ある程度以上強化し以前に比べれば艦艇の機動兵器に対する対応能力は
かなりあがっています。」

男2「それに今回は防衛に対し必要な戦力を除いて我々の要する惑星や
スペースコロニー、各宇宙都市、宇宙要塞からも艦艇を合流させ
艦隊を編成します。これらは新造ではありませんから限界はありますが、改修を受け同様に
対空火力を増強させています。前回の機動兵器に対する対空火力の不十分さを考えると
対空火力の充実させている以上はある程度上になると思われます。」










男「ディエルデの機動兵器は奴らのもつ金属によって耐久性はかなり高いが、
対空火力を濃密に艦隊で浴びせれば倒せない道理はないな。」

護衛「幾ら機動兵器といえども艦艇に対してサイズは小さい。機動兵器は機動性を生かして
接近してこそです。長距離攻撃可能なタイプを敵が開発していたりするもや知れませんが、
敵の機動兵器は機動性による接近戦闘を得意としておりますからその方針に反する兵器を
開発するのは難しいでしょうし、仮に開発できてもそれを運用する作戦の構築をしなければなりませんし
運用するには数も必要です。やはり機動兵器による接近戦闘というスタイルは変わってない以上、
ねこそぎ艦隊火力で打ち落としてやればいいだけです。」

男2「バスク大佐のいうとおりだけでなく、機動兵器を搭載している敵艦艇を打ち落とすことも有益になるはずです。」

男「機動兵器を運用している母艦を叩いてしまえば機動兵器は帰れない。母艦を叩けば早々母艦機能のない艦に
機動兵器は着艦できないし、ほかの母艦に回すにせよ限界はある。宇宙の真空状態で母艦を叩けば立ち往生し、
戦意を喪失する以外はないな。幾ら機動兵器内部に酸素大気の循環システムはあるといっても長期間活動能力に劣る
機動兵器では母艦を失う羽目になれば、エネルギーがつき窒息するだけだ。」

男2「逆に自暴自棄になるものもいるかもしれませんが、自暴自棄になれば組織的に戦えず負けるだけです。
空母に該当する艦艇以外にも搭載能力を備えている艦艇はいますが、空母能力とその他の艦艇の能力を両立させるのは難しい。
優先的に空母を叩くよう言明しておけば、機動兵器を無力化する上で効果はあるでしょう。」

護衛「それに発進する前に叩けば海の藻屑だ。」







男2「それに機動兵器といっても結局は宇宙戦闘機とは機軸が異なるだけの航空兵力です。
前回は充分な航空戦力を回さないのも敗因ですが、今回は違う。」

男「ディエルデ側と同じコンセプトの艦艇になってしまうが元々大型戦闘艦艇である戦艦の中で
新造中のものを急遽改造した改戦艦級空母、従来のニミッツに赤城、新造のグアンタナモ級に
ペガサス級軽空母か。合計すれば13隻の空母をいっせいに集中しようというのだからな、
ディエルデには同情するよ。」

男2「確かにそうですが、戦争である以上犠牲を出すのがいやだとしても敵は叩き潰す必要があります。
要塞攻略用の兵器の使用はできればやりたくありませんが・・・・・」

男「私とてディエルデの中心地たるコーデリアには使いたくないが人口宇宙都市であるとともに
要塞化されていてはな。艦艇による攻略を行うのもいいが、一気に吹き飛ばすのが損害を出さないという
点では中々のものだ。ディエルデの艦隊を殲滅し抵抗能力をなくした後に行う降伏勧告に相手が
うなずくのを期待するしかないな。」

男「それにのらなければ宇宙都市ごとふきとばすだけだ。できれば無傷で手に入れたいものだ。
こちら側の工廠を吹き飛ばしたあと作ればいいだけでも希少資源の加工設備を整えた宇宙都市
を手に入れられるのは安上がりだ。」

男2「やはり見解の相違はあるようで・・・・」

護衛「まあ宇宙都市を吹き飛ばす是非はともかく、空母に搭載する航空戦力について説明させていただきます。」





護衛「敵側の機動兵器に対抗するためこちら側も航空戦力に既存の宇宙戦闘機を
残しつつ、新規開発した敵側と同様の機動兵器を搭載し戦力としています。総数は約250機になります。」

護衛「機動兵器の性能についてですが、機動兵器の利点はなんと言っても機動性です。そして敵と同等の
機動性を発揮することが可能と開発側は述べています。勿論理論だけでは現実にそれを発揮できるかが
問題ですが、テストパイロットによる極秘のテストを行っており敵と同様の条件での艦隊戦闘を再現し
やらせてみましたが、敵と遜色ない機動性を発揮することが可能と実証されています。
ジェネレーター出力への余裕から推力はこちらが上でしょう。ただ敵に対し大型でありその分敵に比して
被弾しやすいという欠点もあります。」

男「装甲と火力についてはどうなっている。敵側の装甲はきわめて強力だ。こちら側の装甲はもろければ敵に対し振り出し、火力的に対抗できなければ意味はないだろう。」

護衛「敵の装甲をできればこちらも再現したかったのですが、天王星にある特殊資源を基にした
装甲であるため、人為的な環境化でその資源を生成し加工を施すことで再現はできましたが
やはり特殊資源の生成の困難さから量産性がなく一部の機体にしか搭載できません。それ以外の
機体は敵に対して装甲的に見れば劣った装甲です。」

護衛「ですが、それは敵の装甲と比べればの話で見劣りはするものの戦線維持を行ううえで
問題のないレベルです。目を通しましたが、装甲は強化チタニウムと超硬質セラミックの
複合装甲でそれを何層化にも渡って張り巡らし、相応の防御能力を誇ります。
装甲を多層式にすることで第一の装甲に届くまでの間熱伝導技術を利用し、装甲から熱を外部に逃がすことによって
高エネルギー兵器や爆発を主体としたミサイルの防御力を高めています。」

護衛「火力についてですが技術班は苦労したそうですが、艦艇の砲撃に耐えられる装甲強度に対抗するだけの
携行型ビームライフルを量産し装備させています。敵の機動兵器は装甲強度と機動性に物を言わせ艦隊の
迎撃の難しい懐に突っ込み構造上の弱点を集団でついて破壊させると火力は高くありません。
それに対してこちらは対艦攻撃用の爆撃機の対艦ビーム砲に部分的に匹敵するものであり、具体的には至近距離では
戦艦のバイタルパートを破壊することが可能です。機動兵器同士の戦いになっても、まず負けないでしょう。」




男「戦艦の中で最も装甲の分厚いバイタルパートを貫けるとはすさまじいな。」

男2「バイタルパート・・・・戦艦の中で指揮中枢となるべき場所や弾薬庫などの重要区画が
集中している箇所。重要区画であるため戦艦の中でも装甲が極めて厚い。確かにすさまじいの一言に尽きます。
とはいえ、新兵器にのみ頼った作戦というのは指揮官としてはどうかと思いますが。」

男「確かに新兵器に頼るというのは危険なことだ。だが、新兵器を量産し体系的に運用するならば
従来の戦略や戦術に基づく作戦を新兵器にも適用することはできる。完全に頼りっぱなしというのはともかく、
これだけで従来の作戦が意味を成さないわけではないだろう。新兵器でも従来の作戦と組み合わせて運用するのが
まともな指揮官だ。」

護衛「新兵器については新型の空母に集中配備します。新兵器のみならず通常の宇宙戦闘機を
多数配備するため新兵器頼みということはないでしょう。」





護衛「新兵器に頼るという危険性をご懸念されているようですが、その心配はないと思われます。
後はディエルデ攻略作戦たるオペレーションラグナロクさえ発動すればディエルデは平らげられるでしょう。」

男「オペレーションラグナロク・・・・・宇宙空間に存在する各拠点から再建艦隊と改修艦隊からなる
第一機動艦隊を小惑星要塞イゼルローンに集結。」

男2「イゼルローンへの艦隊終結と時期を同じくし、地球上で再建された艦隊が月基地に結集しこれを第二機動艦隊とする。
第二機動艦隊は先行し、小惑星帯で第一機動艦隊と合流。これにより二個艦隊からなる一個のディエルデ討伐軍を編成。」


男「ディエルデと前回の戦いの反省から要塞宙域で戦わない。天王星のディエルデ、正確にはコーデリア
から離れたところを布陣。そのままディエルデに対する航路封鎖を行う。」

男2「航路封鎖により敵側を経済的に麻痺させ、こちらが接近しないためそれにより敵側が出撃させてきた
敵主力艦隊を艦隊戦力と機動兵器および宇宙戦闘機からなる航空戦力で打破。」

男「敵主力を倒し次第前進。ディエルデの首都たるコーデリア宇宙都市を要塞砲の射程を逃れる形で
包囲。包囲後に置いた後降伏勧告を発令。」

男2「降伏勧告に応じない場合はソーラーシステムでコーデリアを撃破。それ以外のディエルデ構成国に降伏国を呼びかけ、
けいせん能力を喪失あるいは弱まっているものの従わないものに対して各個撃破を艦隊で行いディエルデを撃破。」

男「そしてそのご天王星領域を我々の支配下の行く。」

男2「最もディエルデがうまく誘いに乗ってくるかという心配もありますが、やはり問題はないでしょう。」

男「宇宙都市である以上資源を外部に依存しなければならないところはある。航路封鎖はディエルデにとっては痛手だ。
天王星の各衛星から資源をとるなり、宇宙都市であるため長期間の外部との接触なしで閉鎖空間で生きていけるよう
設定されているから無理をすれば何十年にもわたって引きこもることは可能だろう。だが、こちらの誘いにのらず
戦力を整えるとしても元々国力に差があるんだ。悠長にやっていればますます国力に開きが出ると
心理的に圧迫されるだろう。それを考えるとでてくるだろうな。」

男2「宇宙都市という特性上隔壁に穴が開いたら真空に吸い出され、宇宙放射線の猛威にさらされるという
ことに宇宙都市はなります。冷静な対応を取れるものはいるでしょうが、一般市民はそれに対する不安から
航路封鎖を取っている艦隊を叩き潰す以上暴動さえ引き起こして求めるかもしれません。市民が冷静な行動を取れても
航路封鎖され国力に開きがでると予測され、航路封鎖によって現実に数十年先ではなく数ヶ月以内に経済的に打撃をこうむることに
なります。前述のこと加えて市民や経済影響もあると出る可能性は高いでしょう。」

男「それで駄目なら航空機による徹底的なゲリラ的空襲でおびき出すまでだ。それで出てこないならできればソーラーシステムで
艦隊と要塞を焼き払いたいが射程と展開規模を考えると艦隊を倒しこちら側が制宙権を握った状態でないとコーデリアを
艦隊や都市ごと倒すことはできん。システム展開中に艦隊に襲われたら厄介だ。その場合は艦隊を前進させ
要塞火砲の援護を受ける中艦隊を打破し、後にソーラーシステムで攻撃するというますます
厄介な事態になる。」

男2「艦隊が出てくるよう揺さぶりをかけましょう。ディエルデは元々一枚岩でありませんから
それも艦隊を出せる理由になりますが、コーデリアのディエルデ上部にいる議員に働きかけましょう。」

男「彼らは現在の腐敗化した政治指導者層に怒りを抱いている。宇宙連邦に占領させるといっても
占領後虐殺などをしないよう明言すれば、こちら側の占領したで腐敗政治家層を一掃し、
その元で繁栄ができるのであるならばこちら側の作戦を行うよう呼びかけするように
働きかければできるかも知れん。バスク大佐。」

護衛「はい。ディエルデに潜入させてあるボーガンを初めとする旧ネオテラーズ勢力もしらない
情報部員に接触政治工作を行わせます。」







男「後は指揮官の人選だが、ジャン・リュック・ピカード提督とマクファティ・ティアンム
提督の二つで問題はないだろう。」

男2「前回の敗因の一つは指揮官同士がネオ・テラーズとニューソラレルの対立を
引きずっていたのも原因です。彼らはともにあなたがティアンム提督を穏健派であるため
対立しないだろうと押したように、穏健派に属し指揮官として優秀であるため
大局的視点から争いを避けることが可能な能力をもっています。問題はないでしょう。
それにこの前の指揮官はどっちも派閥対立以前に無能者でしたからね。」

男「すまんな。フレンダリーリミッターという男を指揮官として押し付けて。
まさか敵相手との戦いで不利になり、対立していたニューソーラルのせいだといって
見方を無差別攻撃するような奴だとは思わなかった。」

男2「過ぎたことは忘れましょう。上層部は可能な限り穏健派でかため対立はなくしましたが、
それでも個々で見れば対立を忘れらないものもかなりいます。特に上部と異なり下層部は。
私からもいっておきますが、そちらからもネオ・テラーズに暴走しないよう呼びかけをお願いします。」

男「ああ、私の誇りにもかけて確約しよう。自分の部下の暴走を抑えられないなど指揮官としては
最悪の屈辱だ。あの屈辱は忘れられんよ。だが、それでも暴走するものもいるかもしれん。
戦略レベルでの考えがあっており、暴走があっても負けはしないことを祈ろう。」

男2「戦略さえあっていれば多少の暴走あれど勝てますからね。ですが、これに負けてしまえば
ディエルデが侵攻してくることはないでしょうが短期決戦と違って長期戦等になりますから
是がひもこちらの戦略が間違っておらず勝つことを祈りましょう。」

護衛「ディエルデにたいする占領統治は宇宙海兵隊の名誉にかけて約束しましょう。」


時に宇宙暦46年 12月16日 一人の男によって作り出されたいびつな国家ディエルデが生み出した騒乱。

それはやはり一人の男の活躍によって新たな局面を迎え入れようとしていた。新しく再建された
宇宙連邦宇宙軍艦隊とディエルデ側とのあらたら戦闘、戦争である。

宇宙暦46年 12月16日 小惑星基地イゼルローン要塞  月軌道

それに終結した宇宙艦隊戦力は一路天王星宙域にあるディエルデを目指す 新たな動乱が起きようとしていたが、
その結末は個々とはまた別の話。

これにて終わり さていろんなアニメやドラマからゴルゴと関係ない広範にはいろいろとオリジナルもあるけど
どの作品から出されたか分かるかな さてと保存を頼まないと

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