ケンシロウ「進撃の巨人、だと…………?」(72)

ヒュウウゥ……


ケンシロウ「……うっ」

ケンシロウ「…………………ここは一体」

ケンシロウ「ここは……、何処なんだ……」

ケンシロウ「……………………ぅ」ドサッ…


ミカサ「……………………?」

ケンシロウ「………み、水……」

ミカサ「……………」

ケンシロウ「水をくれないか…………?」

ケンシロウ「……………………ぅ」ドサッ…


ミカサ「……………………?」

ケンシロウ「………み、水……」

ミカサ「……………」

ケンシロウ「水をくれないか…………?」

ミカサ「……エレン」


エレン「…………ミカサか」

ミカサ「……日が暮れるまでに帰らないと」

エレン「…………ああ」




エレン「…………それと」


ケンシロウ「………」


エレン「……………それ、なに?

ミカサ「さっき拾った」

エレン「拾うなよ!?」


ミカサ「……エレン、何か元気だね」

エレン「えっ、そうか」

ミカサ「いい夢でも見たの?」

エレン「………かもな」

エレン「そんじゃ、帰るとするか!」

ミカサ「うん」

エレン「おい、そっち持てよ」グイッ

ミカサ「うん」グイ

ミカサ「……結構重いね」ズルズル…

エレン「いや、お前が運んで来たんだろ!?」ズルズル…

――――――



ケンシロウ「……む」


ケンシロウ「……ここは?」ムクリ

ミカサ「あ、目が覚めた」

エレン「母さん、あの人目が覚めたってよっ」

ケンシロウ「……ここは?」

エレン「あ、俺んち。結構大変だったんだぜ?アンタを運んでくるの」

ケンシロウ「……そうか、すまない」

エレン「でもさ、何であんなところで行き倒れてたのさ?あ、俺、エレン!よろしくな!!」


ミカサ「……えっと、あなたは……?」


ケンシロウ「……俺か?俺の名はケンシロウ……」

カルラ「こーら、何やってんのアンタは」ゴツンッ


エレン「いって~…、何するんだよ母さん!!」

カルラ「全く、怪我人に対して!!」

ケンシロウ「…………いや、構わない」

エレン「だろ!」フフン!

カンカンカンカン!


ミカサ「あっ、あの音は」

エレン「調査兵団が帰って来たんだ!!」


エレン「よし、行こうぜミカサ!」ダッ!

ミカサ「あ、待って……」タタタッ…

カルラ「あ!こら、エレン!!」

ケンシロウ「………いい子だな」

カルラ「そう?あたしは年がら年中手を焼きっぱなしだけどね」フフッ


ケンシロウ「……ところで、調査兵団というのは……」

カルラ「ああ、あれね」


カルラ「壁の外で巨人の事を調べたりしてるらしいんだけど、ね」

ケンシロウ「……そうか」スクッ

カルラ「あ、ちょっと!」

ケンシロウ「……すぐに戻る」バタンッ

カルラ「……たくっ」ポリポリ

―――――――――

エレン「おい、こっちこいよっ」

ミカサ「うん」



ザワザワザワザワ…

「英雄の御帰還だぜ…」

「今回も酷いな……」

「ああ…、あんなに怪我人が沢山……」

「おい、見ろよあれ……」

「あれは確か、ブラウンの……」

ブラウン母「息子は……、息子はどうなったんですか……?」

キース「……ブラウンは」

ブラウン「……………っ」

ブラウン母「ああ、ブラウン!!」

ブラウン母「ああ、ブラウン……。よく生きて……」

ブラウン「………うっ」




ブラウン「うわああぁぁぁぁあああっ!!!!!!!!!!」

ブラウン「青い悪魔が青い悪魔があああああっ!!!!」

ブラウン母「お、落ち着いてブラウン!!母さんはここよ!!」

ブラウン「ああぁぁぁぁあああっ!!!!!!」


エレン「おい、青い悪魔ってなんだ?」

ミカサ「……さあ?」

ハンネス「よお、お前らも来てたのか」

エレン「よお、じゃねえよ!大丈夫なのかよ持ち場離れたりして!!」

ハンネス「大丈夫大丈夫。この百年そんな事があったか?」

エレン「たくっ」

ミカサ「ねえ、ところで青い悪魔って…」

ハンネス「さあな。人によっちゃあ青い魔獣だとか天使だとか」

ミカサ「魔神?巨人じゃなくて」

ハンネス「ああ、まちまちだけどな」

ケンシロウ「……ここにいたのか」ザッ…

エレン「あ、ケンシロウさんっ」

ハンネス「ん?アンタは」

エレン「ケンシロウさん」


ミカサ「わたしとエレンとで拾ってきた」

ハンネス「」

ハンネス「お前ね、犬や猫の子じゃないんだから



ドンッ!



カランカラン…


エレン「な、何だ!?」ダッ!


エレン「おい、アルミン!」

アルミン「……あ、エレン……」




アルミン「…………あれを」

エレン「……巨人!?」

ハンネス「お、おい……、あの壁は50メートルだぞ!?」

オオオオォォォ……

エレン「巨人って精々15メートルくらいじゃなかったかよ!?」

ハンネス「動くぞ!?」

ググッ……



ドォンッ!!


エレン「ッ~~~~!!」


アルミン「あああ……」

エレン「どうした!!?」


アルミン「壁に穴が……」



ハンネス「壁に穴が開けられた、だと………!?」

キャアアアアアアアッ!!

ワアアアアアッ!!


ハンネス「い、いかん!!俺はみんなの避難誘導をする!!お前らも一刻も早く逃げろ、分かったな!!」


アルミン「は、はい!」


エレン「……!!」ダッ!


ハンネス「お、おい!?」

アルミン「どこ行くのエレン!!」


エレン「……壁の破片が飛んでいった先に家が!?」


ミカサ「!?」

ハンネス「エレン!!ミカサ!!?」



アルミン「……もう、ダメだよこの街は」

アルミン「この街は無数の巨人によって占拠される!!」



ケンシロウ「……ふむ」コキン

エレン「……とっくに逃げたに決まってる」ハァハァ…

エレン「家に当たってるはずがない……」ハァハァ…

エレン「そこの角を曲がればいつもの……」ハァハァ…


エレン「くそっ!!」

カランカラン…

エレン「母さん!!」

エレン「ミカサ、瓦礫をどけるぞ!!母さんを探すんだ!!」

ミカサ「うんっ」


ガラガラ…

エレン「……!!いた!母さん!!」



カルラ「……う、エレンかい?」

エレン「ミカサ、そっちを持て!!この柱を退かすぞ!!」

ミカサ「うん!!」ググッ…


カルラ「何してるの!?早くミカサを連れて逃げなさい!!」

エレン「早く逃げたいよ!!だから早く出てくれよ!!」



カルラ「……母さんの足は瓦礫に潰されてる。出られても走れない……わかるでしょ……?」

エレン「俺が担いで逃げるよ!!」


ズシン!!

エレン「!?」

ズシン…


ズシン…


ミカサ「巨人が……」


エレン「急げミカサ!!」ググッ…

ミカサ「うん……」ググッ…
ズシン…

ズシン……

ミカサ「巨人がこっちに……!!」

エレン「い、急げ!!」

カルラ「………!!」


ハンネス「うおおおおっ!!」ダッ!

エレン「!?」

カルラ「ハンネスさん!?」


カルラ「お願い!!二人連れて逃げて!!」


ハンネス「……………くっ!!」ダキッ!!

エレン「!!?」

ミカサ「!!」

カルラ「………ありがとう」



ズシン…


ズシン……


カルラ「……あ」


メリメリ……

カルラ「……行かないで」

バキッ

エレン「おい!」バキッ!!


ハンネス「っ!」

エレン「何余計な事してんだよ!?もう少しで母さんを助けー―――


ミカサ「………あ」


バリバリ……

エレン「……母さん?」



巨人「にぃぃぃぃい……」
カルラ「う……、やぁぁぁ……」グググッ…



巨人「にたっ」


エレン「母さん……?」


エレン「かあさー――――――――――――

ザッ…



「……おい」


ザッ…、ザッ…


「そこのウスノロ……」


ザッ…


「何をしているんだ……?」コキッ…

ミカサ「あ……」

エレン「ケンシロウ、さん……?」


ケンシロウ「…………」ヒュウウウゥ……


カルラ「……ダメ」

カルラ「来ちゃだめよ、ケンシロウさん……」

ケンシロウ「……………」ザッ… ザッ…

カルラ「逃げて…




、逃げてよ、ケーンッッッッッ」

ケンシロウ「……おい、そこの外道」

巨人「?」

ケンシロウ「………貴様には死すら生ぬるい」

巨人「…………」ブンッ!!


ドゴオオオォ!!!!!







ミカサ「きょ、巨人の足が………」

エレン「け、ケンシロウさん!?」

カランカラン…

エレン「け、ケンシロウさん!?」ダッ

ミカサ「……………ゴクッ」タタッ

エレン「け、ケンシロウさんが一撃で死んで……

ガラッ


ケンシロウ「ふう~~……」カランカラン…

ミカサ「!!?」

エレン「け、ケンシロウさんが生きて……」

ケンシロウ「……そんな軽い攻撃、北斗神拳の前では無意味だ」コキッ

巨人「………」

エレン「………」ゴクッ


ケンシロウ「……どうした?」

ケンシロウ「……本気でかかってこい」クイッ

巨人「!!?」メキッ

カルラ「うっ……」ググッ…

巨人「ウォォォア!!!!!」

エレン「!!?か、母さん!!?」

ハンネス「野郎!!カルラさんを握った手で!!」

エレン「や、やめー―――
ゴオンッ!!

グオオッ!!


エレン「母さん!!ケンシロウさん!!?」


ケンシロウ「……北斗、五指烈弾!!!」



ぶしゅあっ!


巨人「!!?」ウォォォア!!?

ケンシロウ「……指の付け根に闘気を送って間接ごと破壊した。貴様はもう、手を握る事すら出来はしまい」

巨人「ウォォォ!!!!」

カルラ「うっ……」


エレン「母さん……?母さん!!」ギュッ

カルラ「……エレン」ギュッ

ミカサ「………」ギュッ

カルラ「ミカサ……」ギュッ

ケンシロウ「……おい、みんなを連れて下がっていろ」

ハンネス「お、おう。………アンタは?」

ケンシロウ「……三秒でカタをつける」ザッ!!

ケンシロウ「ほああ……」シュウウ…

ケンシロウ「あたっ!!」バンッ!!

巨人「!!?」

ハンネス「ば、馬鹿な!?装置もなしであんなに高く!!」


ケンシロウ「死ね




北斗残悔拳!!!!!!」ピィリィー―――ッ

ミカサ「………え?」

エレン「……何ともない」


カルラ「そんな……」

ハンネス「ゴクッ……」


巨人「?」

ケンシロウ「……秘孔・頭維を突いた、貴様の頭はあと三秒で、


ボンッ、だ」

巨人「?」

巨人「!!!?」ボコボコボコ


巨人「」グイーン…


巨人「アギャパァ」



ボンッ!!


ビチビチビチビチ…

ケンシロウ「……さて」


ケンシロウ「後は頼む」

ハンネス「あ、ああ……。アンタは?」


ケンシロウ「……掃除をしてくる



外道共の、な」


その日、進入した巨人達はわずか半日で駆逐されたという。

―――――――――


エレン「……本当にいっちゃうの?」

ケンシロウ「……ああ。俺にも帰りを待つ仲間がいる」

ミカサ「……そう」

ケンシロウ「……ああ」

ハンネス「……俺達としちゃ、どこにも行かんで欲しいんだがな」

エレン「うん…、ケンシロウさんのおかげでこの辺りの巨人も一層出来たし巨人を倒す事が出来るって分かった。なのに……」グスッ…

ケンシロウ「………泣くな」ポンッ

エレン「泣いてねーよ、別に!!」グスッ…

ミカサ「……寂しくなるね」

ケンシロウ「……そうか」ポンッ…

カルラ「さあさあ、いつまでも湿っぽい顔してない!!送り出す時は笑顔で送り出してあげな!!」

エレン「ああ!!」グシッ!!

エレン「じゃあ、またな!ケンシロウさん!!」

ケンシロウ「……ああ」



ケンシロウ「また、な」



ミカサ「……そう言えば、あの時の青い悪魔って……」

エレン「……決まってんだろ?」

エレン「あの青い服を身にまとった



ケンシロウさんによ!!」




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