【グリマス】グリP「焼肉に行こうか」志保「!」 (28)

-事務所-

P「……むぅ」

志保「……」

P「ちょっと聞いてよ北沢さん」

志保「……どうしたんですか?」

P「飯もろくに食わずに仕事ばっかりしてたら、この前の健康診断で異常値に引っかかった。『痩せすぎ』だと」

志保「何やってるんですか……体壊さないようにって、いつもあれだけ私たちにはうるさく言うくせに」

P「いや、自分のことになるとどうも……医者曰く『もっと肉食え肉!』ということだそうだ」

志保「ちゃんと食べてください。あなたがいないと困ることだってあるんですから、倒れられても困ります」

P「そうだなぁ……ここ最近食い無精だった気もするし……何か精のつくような……うん、そうだ」

志保「……」

P「焼肉に行こうか」

志保「!」ガタッ

P「?」

志保「んっんん……い、いいんじゃにゃいですか? 男のヒトならしっかりお肉食べないと」

P「何テンパってんだよ。もしかして志保も焼肉の気分だった?」

志保「別に……そういうのじゃありませんけど! お腹はまぁまぁ空いてますけど! たまたま今スマホで偶然ネットクーポン見つけましたけど!」

P「お、おう……タイミング良いな。じゃあ、今日は焼肉食べに行こうか」

志保「仕方ありませんね。プロデューサーさんが行きたいなら付き合ってあげます」

P「……」

――その日の夜

のり子「焼肉と聞いて!!」バン!

雪歩「飛んできました!!」ギン!

千鶴「肉と言えばわたくしの右に出る者はいませんわ!」ドン!

志保「……」

P「いや、テキトーに呼びかけたらこの三人から3秒で返信がきてな……」

志保「まぁ、のり子さんと雪歩さんはわかりますけど……千鶴さんも?」

千鶴「そりゃあ、わたくしの実家はせ……せ、セレブですから!」

P「セレブだから肉には詳しいそうだ。食べ放題だからセレブの口には合わないかもしれないけど」

千鶴「いくら食べてもよろしいんですのよ! 最高ですわ!」

のり子「千鶴ちゃん発言が貧乏くさいよ」

P「まぁ、とりあえず行こうか」

志保「(……二人きりじゃ、ないか……まぁそうよね)」

-焼肉屋『炭焼M@ster』-

\ヨウコソ! イラッシャイマセ!/

雪歩「あぁ……お肉の脂の焼ける匂いですぅ~」

のり子「焼肉は食べる前からテンション上がるのがいいよねぇ♪」

千鶴「(ソワソワ)」

P「みんな、店員さんにばれない程度の変装はしときなよ。志保は髪括っておきなさい」

志保「わかってますよ、それくらい」キュッ

店員「――本日はご来店いただきありがとうございます! 当店のオーダー方法はご存知でしょうか?」

P「はい。食べ放題コースを五人分お願いします。みんな飲み物も頼んでいいよ」

のり子「じゃあ……ウーロン茶!」

雪歩「あ、私もお願いしますぅ」

千鶴「で、ではわたくしもそれで……」

志保「……私はお水でいいです」

店員「それでは最初のご注文をお伺いします!」

のり子「イエーイ! んじゃあまずはカルb」
雪歩「タン塩とホルモンの盛り合わせを」

千鶴「ロース! ロースが欲しいです!」

のり子「えー雪歩カルビー!」

雪歩「脂の多いカルビは後半から行かないと、ほかのお肉の味が鈍っちゃいますぅ!」

P「志保は?」

志保「……とりあえずみんなの頼んだものでいいです」

P「そっか。じゃああと、キムチの盛り合わせ。と、ご飯を……」

雪歩「私はお肉だけで味わいたいので……」

のり子・千鶴「大盛りで!」

P「大二つと、普通サイズを二つ」

店員「かしこまりました!」

のり子「まだかなまだかな~♪」

千鶴「すごい……お肉以外にもこんなにいろんなものがあるんですのね……」

P「最近の焼肉屋は肉以外で勝負してるとこが多いからなぁ」

雪歩「お肉の品質を落として、カレーとかデザートとかでお客を寄せようとするのは、焼肉屋としてはどうかと思いますけど……」

志保「……」スッスッ

P「ここは食べ放題としては割高だけど、お肉がしっかり美味しいから大丈夫だよ」

のり子「あ、志保ちゃんのスマホカバー猫の顔になってる。かわいい~」

志保「……そうですか」

雪歩「そういえば志保ちゃんってあんまりこういう場所でたくさん食べるイメージがないけど……焼肉好きなのかな?」

志保「ま、まぁ……それなりには」

千鶴「あら、ご存じありませんの? この子結構食い意地が張ってますのよ。この前もわたくしが差し入れたセレブコロッケを二つも……」

志保「あ、あれは別に! 美味しかったから弟にも持って帰ってあげただけです!」

雪歩・のり子「(優しいお姉ちゃんだなぁ……)」

店員「お待たせいたしました! タン塩とホルモン盛り合わせ、ロース云々でございます!」

のり子「あざーす! ひひひ、焼いてくぞぉ~」

千鶴「い、いきなりこんなに頼んでもよかったんですの?」

雪歩「千鶴さん、食べ放題ですよ?」

千鶴「あっ、そ、そうでしたわねオホホ……」

P「では焼いていきますか」

ジュウウウ……

雪歩「あぁ……いい音ですねぇ……♪」

志保「……」スッスッ

P「志保、食べるときはしまっときなさい」

志保「わ、わかってます」

のり子「もうひっくり返していいよね?」ピロ

雪歩「あ、まだ焼き色が甘いですよぉ!」

のり子「タン塩だしいいじゃーん」

千鶴「食中毒になっても知りませんわよ」

P「それだけは勘弁してくれよ。お、キムチ美味しい」バリバリ

千鶴「仕事終わりにお肉を食べると、エネルギーを補給できる気がしますわ」

のり子「わかるわー。特に思いっきりライブした後の打ち上げん時は最高だね」

雪歩「みんなで食べると気分も嬉しくなりますぅ」

P「焼肉ってすごいよな。最後まで肉たっぷりだもん」

志保「……」ジー

のり子「ん……ホルモンってどれくらい焼けばいいのかわかんないよね」

雪歩「基本的に普通のお肉と同じだよ。火の通りが遅いからちょっと焼き色がつくまで時間がかかるけど」

千鶴「ホルモンは栄養たっぷりですのよ。肉の中でも低カロリーでビタミンも豊富。精をつけたいならホルモンが一番……」

P「詳しいなぁ。流石は肉屋」

千鶴「オホホホ……って違いますわ! 我が家はセ・レ・ブですから高級食材であるお肉に精通しているのであって」

P「はい、志保」ヒョイ

志保「あ……ど、どうも」

のり子「よーし。追加行いくよ! すいませーん!」

店員「ハイ! お伺いいたします!」

のり子「上カルビと、このこだわり極厚カルビっていうの!」

雪歩「あ、あと上ハラミくださいぃ」

千鶴「ロース! ロースをくださいませ!」

P「志保はなんか言うか?」

志保「えっとじゃあ……サン、サン……サンチュ」

店員「あ、サニーレタスですね」

志保「あ……はい、そう、それです……///」

P「俺は……えーと……」

志保「……?」

P「今日は歩きだし……いや……うーん」

志保「……すみません、この人に生ビールを一つ」

P「え」

店員「かしこまりました! 少々お待ちくださいませ!」

P「……別によかったのに」

志保「いいんじゃないですか、こういう時くらい。子供組だっていませんし」

P「んー……じゃあまぁ、ありがたく」

志保「お金を出すのはプロデューサーさんですけど」クス

のり子「……よくわかったね志保ちゃん」

雪歩「プ、プロデューサーはお酒好きだったんですか?」

P「うんまぁ……食事の嗜み程度だけどね」

千鶴「志保はプロデューサーのことをよく見ていますのね」

志保「べ、別にそういうのじゃありませんから! この人、最初からチラチラお酒のメニュー見てたし……」

のり子「やっぱ見てるじゃん」

志保「!」

オマタセシマシター

P「んぐんぐ……っあー! いい。やっぱ最高だ」

志保「そんなに美味しいものなんですか? ビール」

P「人にもよるかな。ご飯と一緒に飲む人は少ないけど、妙に食事と合うんだよ」

ジュウウウ……

雪歩「カルビは脂の落とし加減が重要ですぅ」ジー

のり子「雪歩がいると自動的に最高のお肉が食べられるからいいね~」ヒョイパク

千鶴「くず肉でないお肉がこんなに食べられるなんて……うめ、うめ」モグモグ

志保「……。はい、どうぞ千鶴さん」ヒョイ

千鶴「あ、あらありがとう……野菜で包みましたの?」

志保「はい」

のり子「お、いいねそれ! 志保ちゃんアタシにも作ってよ」

志保「いいですよ」

雪歩「……」ジュウウウ……

P「(すごい集中してる……)」

雪歩「……はい、焼けたよ志保ちゃん!」

志保「あ、ありがとうございます……あの、雪歩さんちゃんと食べてるんですか?」

雪歩「へ?」

P「さっきから焼いてばっかりだぞ。雪歩も食べなよ」

のり子「ほい、カルビあーん」

雪歩「あむん……お、おいひいでふゅ」

千鶴「雪歩は本気になると目線が一直線ですわね」

のり子「こういうところは尊敬するよ」

雪歩「わ、私だってのり子ちゃんみたいにいろんなことに前向きになれる人、尊敬するよ」

のり子「え、そう? 照れるなぁ」

千鶴「ダンスが得意なのは素直にうらやましいですわ。わたくしなんていつも……」

P「……」ニコニコ

志保「……はい、プロデューサーさんも。野菜も食べなきゃだめですよ」

P「ん? あぁ、ありがとう」

のり子「そういえば志保ちゃんってあんまり事務所ではしゃべらないよね。アタシの気のせい?」モグモグ

志保「……特にしゃべる必要がないときはしゃべらないだけですけど」

雪歩「でもレッスンの時はものすごく集中してるよね」

千鶴「終わった後も頑固なくらい一人で徹底的に練習してますもの。この前なんて夜遅くまで居座りすぎてトレーナーに怒られていましたわ」

のり子「はぇ~……なんで千鶴がそんなこと知ってんの?」

千鶴「へ?」

志保「その日は千鶴さんも隠れて自主トレしてたらしいんです。別の部屋で」

千鶴「し、志保! そのことは言わない約束だと!」

志保「千鶴さんが先に言うからですっ」

雪歩「……二人とも努力家なんだねぇ。尊敬しますぅ」

志保「……雪歩さんだって人のこと言えないでしょう。オフのはずなのにスタジオでも見かけるし」

雪歩「な、なぜそれを……」

のり子「……なんかアタシももっと頑張らなきゃいけない気がしてきた。もっと肉食べて元気つけよう! すいませーん!」

のり子「ところで志保ちゃんがあまりしゃべらないって話だけど」

千鶴「(蒸し返すんですのね……)」

志保「……いけませんか?」

P「……」

のり子「いやぁ。普段会話しないからこそだけど、プロデューサーとは割とよく話すみたいだし、意外とみんなのことよく見てくれてるんだなぁと思って」

志保「……それが、何か?」

のり子「何ってことはないけど……LINEのIDとか教えてよ。結構話したら楽しそう」

雪歩「わ、私も…よく考えたら…志保ちゃんの連絡先知らないなぁ……なんて」

千鶴「そういえばわたくしも電話番号しか知りませんわね。前に一緒にロケに行ったとき教えてもらった時の」

志保「……」

P「いいんじゃないか? 仕事でも細かい連絡とか気軽にできる方が都合がいいだろう」

志保「……まぁ、そうですね」

のり子「んじゃフリフリしよ! フリフリ!」

千鶴「な、なんですのそれは?」

のり子「えー知らないの? フリフリってのはこうスマホを振ってだね……」

のり子「オッケー、やってやって」

志保「じゃあ……」フリフリ

雪歩「……」

志保「あれ?」フリフリフリ

千鶴「……」

志保「んっ……おかしいな、んっ」フリフリフリフリ

P「貸してみ。ほれ、画面もとに戻ってる」

志保「あっ……コホン、じ、じゃあ」フリ

のり子「お、来た来た。あー猫の画像にしてるんだ? 可愛い!」

志保「でしょう」フフン

雪歩「(可愛い……)」

千鶴「(なんですのこの可愛い生物……)」

志保「……あの」

雪歩「あ、じゃ次は私もお願いしますぅ」

千鶴「私はそIDはそちらの……」

志保「精肉店の看板アイコン……」

千鶴「ご、ゴホン! 近所の肉屋ですわ! 近所の!」

P「志保」ヒョイ

志保「あ、どうも」

のり子「プロデューサーって普段から志保ちゃんには世話焼いてんの? なんか息合ってて自然だね」

志保「っ……この人がいつも勝手に余計な世話を焼くんです。私は何も頼んでません」

P「んー。志保は一人でなんでもするからな。俺はその手助けをしてるだけ」

雪歩「志保ちゃん営業も一人で行くの?」

志保「……私は一人で大丈夫ですけど、プロデューサーさんが」

P「流石に中学生を一人放り出すわけにはいかんよ」

千鶴「仕事の相手によってはナめられることもありますものね」

P「そういう大人の仕事だけバックアップするのが俺の役目。基本的には俺のサポートなんて要らないくらい賢い子だよ、志保は」

志保「こっ……もう、そういうこと言わなくていいですから!」

雪歩「(ホントは『子ども扱いしないで』って言いたいんだろうなぁ……)」

のり子「やー食った食った」

P「志保もたくさん食べたか?」

志保「はい」

店員「――失礼いたします! ラストオーダー10分前となっておりますが!」

のり子「お、ちょうどいいね。デザート行きますか!」

雪歩「白玉あんみつ!」

千鶴「」ビクッ

雪歩「白玉あんみつですぅ!」

店員「は、はい!」

P「わかったわかった子供かお前は……んじゃ俺はバニラアイスのチョコかかったやつ」

志保「……私もそれで」

千鶴「ではわたくしはセレブらしく、この季節のフルーツパフェを」

のり子「それセレブなの?」

千鶴「え? ちがいますの?」

P「……」

――アリガトウゴザイマシター! マタノゴライテン オマチシテマース!

P「うー、いかん。いくらなんでも食いすぎだ」

雪歩「満足ですぅ」ポンポン

のり子「やー、焼肉最高。ってかプロデューサーそんなに食べてないじゃん」

P「普段あんまり食べてないからいきなり詰め込むときつくてな……うー、苦しい」

志保「プロデューサーさん、食細すぎ……もっと普段から食べてください」

P「そうだな……毎日、二階堂精肉店でコロッケ買うか……」

千鶴「お待ちしており……違う違う! あれはウチのではなく」

P「とりあえずアレだ……君たち4人、明日からレッスン増やしとくから」

雪歩「ひえ!?」

のり子「うそぉん!?」

P「当たり前だろ、あんだけ食べたんだから……食べた分は消費しないとな」

志保「まぁ、当然ですけど」

千鶴「明日からしばらく自転車で通勤しましょうかしら……」

P「あはは……じゃ、みんなまた明日な。あっちの駅まで志保送ってくから」

のり子「そっか。志保ちゃん逆方向だったね。ごちそうさまプロデューサー!」

雪歩「ありがとうございましたぁ!」

千鶴「ごきげんようお二人とも! オーホホホゲッホゲホ!」

P「お腹いっぱいだなぁ……これで次の健康診断は『正常』になるといいが」

志保「そんなに早く元に戻るわけないでしょ。そもそも……働きすぎです。事務所でもほとんど休んでるの見ないし」

P「仕事が多いと、どうも……」

志保「……心配かけないでくださいよ」

P「なに、心配してくれるのかい」

志保「私がじゃなくて……みんな少しは頼りにしてるんですから」

P「そうかな。だといいね」

志保「……お弁当」

P「ん?」

志保「いえ、あの……ま、毎朝弟のお弁当作ってますから……余りものでよかったら、持ってきてあげてもいいですよ?」

P「へぇ。志保が作ってるの?」

志保「母が作ったものをお弁当箱に詰めるだけですけど……一応ちょっとは手伝ってます」

P「弟くんはいいなあ。毎日弁当が食べられるのはうらやましい」

志保「……で、要るんですか? 要らないんですか?」

P「そうだな……じゃあその気になってくれた時でいいから、お願いしますぅ」

志保「……雪歩さんのマネですか? 気持ち悪いです」

P「そんなこと言うなよ……」

P「焼肉、美味しかった?」

志保「はい」

P「そうかそうか」

志保「もう……なんだかお父さんみたい」

P「んじゃ志保は俺の娘か。よくできた子だ」

志保「本当にそうだったら、もう少し可愛げのある娘だったかもしれないですね」

P「今でも可愛げはあるよ」

志保「お世辞は結構です。……じゃあ、もうここで大丈夫です。今日はごちそうさまでした」

P「今度は弟くんも連れて行くかい?」

志保「ふふ、せがまれたら……お願いするかもしれません」

P「その時はお姉ちゃんの志保が見れるんだな。楽しみにしとこう」

志保「しなくていいです! ……じゃ、また」

P「はい、お休み。気をつけてな」

-電車内-

――ガタンゴトン ガタンゴトン

P「…………」

ピコン
[shiho_kitazawaがスタンプを送信しました]

P「? ……黒猫のスタンプだ」

P「(どっちかっていうと志保は犬タイプなんだけどな……普段はツンツンしてるくせに)」



ピコン

志保「!」

志保「……」

志保「……犬のスタンプ可愛い」
 
                         おしり

おしまい。
上位北沢さん欲しいけどダメだったよ

SS専用板があるんですか
今度そっちでも書いてみます

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