キャンバスと長い髪(14)

先輩、また絵を描いてるんですか?

「うん、なんか閃いたから」

これは……なんですか?

「なんだろうね?」

書いてる先輩も分からないんじゃ、ボクには一生分からないかもしれませんね

「んー……何を描いているんだったっけ……」

飲み物、ここに置いておきますね

「うーん……」

あれ、これってこの前の絵ですよね?

「うん、そうだよ」

こんなに蛍光色が強い絵でしたっけ

「なんか気に入らなかったから、変えてみた」

「だけどなーんかまだ引っかかるんだよねぇ」

ボクは前の方が好きだったかもしれません

「ふーん、そんなもんかなー」

あ、灰皿どうぞ

「ん、ありがと」

「――であるから、―――となって」

……

「おい……おい!」

ん?何

「教師に睨まれてんぞ、シャキッとしとけ」

あー……うん

「お前、最近ずっとそんな調子だな……なんかあったか?」

んー……

(しばらく家を留守にするから、留守番頼むわ)

「あ……」

「そんなに私の授業はつまらないか?ん?」

「あちゃー……」

「……うーん」

先輩、やっぱりここにいたんですね

「ありゃ?今日はもう授業終わりだっけか」

つまらないので、抜け出しちゃいました

「悪い子だなぁ」

はい、悪い子です

「少し、休憩しようかな」

どうぞ、飲み物です

そういえばあの日も、こんな夕焼けでしたね

「そうだったっけ?」

はい、今でも覚えてますよ。あの日の先輩は、すごく綺麗で……

「ほい、キミも喉乾いてるだろ?」

……いただきます

「さーて、再開するかな」

「……さむっ」

そろそろ戻りましょうか、先輩

「はい、マフラー。一緒に巻こうよ」

……はい、ありがとうございます

「帰りに肉まんでも食べようかなー。ピザまんもいいなぁ」

ボクはどっちでもいいですよ

「両方買って半分ずつ食べよっか」

そうですね、そうしましょう

「んー……なんか違うんだよなー」

これは……ヌード、ですか

「写真とかだと、やっぱリアリティーがなぁ……そうだ」

な、なんでこちらを見ているんですか……?

「脱いで」

え……ボ、ボクがですか?

「うん、体付きがいいから描きやすそう」

……布とかは

「ダメ」

うぅ……

こうして自分の裸体が描かれてるとなんだか妙な気分です

「……」

先輩?どうしたんですか?

「……触っていい?」

え!?

「……」

……

「……ダメ?」

……ぅ……ど、どうぞっ

あ、せんぱ……あれって

「あんただろ?あいつをどこそこ連れまわしてるのは!」

先輩と……あいつ、なんでここに

「キミ、あの子の何?」

「ただの幼馴染ですけど」

「ふーん……羨ましいなぁ。あの子と幼馴染かぁ」

先輩……

「あ、おかえりー」

「お前、やっぱりここに……」

「おい、帰るぞ!」

ちょ、ちょっと待って……!

「あ、少しだけ待ってもらっていいかな」

「……どうぞ」

「ありがと、優しいねキミ」

「なっ……」

なんですか?先輩

「この絵、完成したんだ」

あ……

「ブッ!?」

わー!わー!先輩、その絵しまってくださいっ!

「??」

「キミには言っとかなきゃーと思ってたんだけど……外国行くことにしたんだ」

……そう、ですか

「というわけでキミ」

「は、はいっ!?」

「この子、よろしく頼むよ」

「……言われなくても」

「この部屋はキミに貸しといてあげるー。でも、ラブホみたいには使わないでね?」

つ、使いませんよっ!

「それじゃーねー」

それ、そこに移動して

「おう、こっちか」

これで、大分片付いたかな

「この部屋も随分と様変わりしたな」

先輩が出て行って、大分経ったからね

「勝手に移動してよかったのか?」

勝手にじゃないから、平気

「と言うと……おっと!?」

え……?キャッ!?


「ハロー青少年達、家主のお帰りだ……って」

「……あ」

……あ

「ラブホの用に使うなと言ってなかったかい?」

ち、違いますよっ!

暇潰しに書いたがダメだな

ここってhtml依頼とか必要なんだっけ

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