もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part2 (910)




もし小泉さんが主人公だったら


ダンガンロンパ2




※注意



・これを読む前に、前スレを読んでおくことをお勧めします。


前スレ↓


もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917911/)




・これは、ス―パ―ダンガンロンパ2の二次創作です。


・小泉が主人公のIFの世界なので、島の構造や、キャラの性格が微妙に違ったりするかもしれません。


・最初の説明は結構丁寧になってますが、温かい目で見てください。


・本編で明かされなかった部分などに、個人のねつ造が含まれています。注意して下さい。


・最初からネタバレのオンパレ―ドです。本編をクリアしてからご覧ください。


・基本的に、(非)日常編はギャグ&ほのぼの、非日常編はシリアス展開となってます。


・なるべくキャラの待遇を、(本編も考慮したうえで)平等にしようとしてますが、
全然平等じゃねぇよ!!って思うかもしれません。まあ、ご了承ください。


・(主人公含め)キャラ崩壊があります。キャラのイメ―ジを壊したくない人はご注意ください。


・場合によっては、こんなの○○(キャラ名)じゃない!!ってなるかもしれません。ご注意ください。


・エログロは(基本的には)ないですが、女の子が拘束されて静感マッサ―ジされたり、
大泣きするまで罵倒され続けたりするのは日常茶飯事なので、覚悟してください。


・カップリング要素が存在するキャラが数組あります(半数程度)。そういうのが嫌いな人は要注意。


・事実無根な話があったり、トリックに矛盾があったりするかもしれません。


・他にも、『これ、おかしくね?』みたいなところがあるかもしれませんが、希望があれば大丈夫だよね!!


それでもダンガンロンパ2が好きだぜ!!という人は見てやってください。



実際に投稿するのは、8/3の18時くらいからです。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406974060






CHAPTER3 殺人鬼の存在証明と反証可能性 (非)日常編



十七日目



早朝



―レストラン―




豚神「む…。もういたのか、小泉。頭のケガはもう大丈夫なのか?」

小泉「ああ、うん、なんとか…。豚神も、今回は閉じこもったりしないんだね。」


豚神「ああ…。俺がふがいない態度をとっていると、下々の者にまで迷惑をかけてしまう…。」

豚神「こんなことは、わかりきっていたはずなんだがな…。」





小泉(豚神…。花村のこと、やっぱり気にしてるみたい。気のせいか、少しやせたような気がする。)




小泉「やっぱり強いね、豚神は。さすがは“超高校級の御曹司”ってところかな。」

小泉「アタシなんか赤音ちゃんのことで、ほとんど正気を失って…」

小泉「そのせいで、九頭龍たちを死なせちゃった…。」


豚神「確かに、あいつらの死を忘れるわけにはいかん。しかし、あまり1人で背負いこむなよ。
弱音をはきたかったら、いつでも俺のところに来い。その重荷を、俺にも分けるんだな。」


小泉「ホント、アタシも豚神くらい心の強い人間になりたいよ。
それだったら事件なんて起きなかっただろうし、これからも起きないようにできるだろうし。」


豚神「…」




弐大「応。お前さんら、早いのう。」


小泉「あ、弐大…。おはよう。アタシは、ちょっと眠れなかっただけよ…。」

弐大「ふむ…。睡眠不足か。ワシがアレをしてやろうか?不眠症も吹き飛ぶぞ!!」



小泉(アレってなんだろう。)




ソニア「そこで、田中さんのよ~しよ~しの精神が動物に届いたわけですね!!」

田中「ふん。俺様の手にかかれば、いかなる魔獣も手なずけてみせよう。」


小泉「あ、田中とソニアちゃん。2人はいつもこのくらいの時間にレストランに来ているの?」


ソニア「はい!!わたくしたちは、およそ6時45分程度にレストランに集まることにしているのです!!」

田中「何事も時間をおろそかにしてはいかん…。少なくとも、15分前には行動を起こさねばな。」




弐大「大体この面々が、7時前にレストランに集まるのう。」


ソニア「本当は後、辺古山さんもこの時間帯で来ていたのですが…。」


ソニア「…すみません、この話はしないほうがよかったですね…。」



小泉「…」





罪木「お、おはようございます…。」

西園寺「はぁ~あ。ゲロブタの声を朝一で聞くことになるなんて、今日は厄日だ~。」

罪木「ふ、ふぇ~~ん!!!すみませぇえええぇえん!!」


狛枝「やあ。新しい朝…。希望の朝だね!!」

小泉「…あの裁判の後でそこまで元気なのは、アンタくらいよ…。」



小泉(この辺が、7時ちょっと過ぎくらいにレストランに来るわね。)





七海「ねみぃ…。」

左右田「よう…。」

澪田「おはいただきますよう!!」


小泉「何今の?あいさつ?」


澪田「おはようといただきますを同時に言えるんす!!すごい汎用性だと思わないっすか!?」

小泉「いや…。もう9時だし、おはようの時間でもいただきますの時間でもないと思うけど…。」




豚神「ああ。飯の時間はもうとっくに過ぎているぞ。食い物の在庫もすっからかんだ。」

澪田「ええええ!?唯吹たちの朝ご飯、もう残ってないんすか!?」


豚神「ふん、貴様は俺に時間を与えすぎた。
2時間もあれば、このレストランにある食料などすぐに平らげられる。俺の手にかかればな。」


罪木「手というよりは、口とか胃袋の方がしっくりきますね…。」


澪田「ぐぎぎぎぎぎ…。これって、朝に弱い人間に対して横暴を働いているような気がするっす…。」

ソニア「澪田さん達も、早めにレストランに来てはどうですか?一緒に朝食を食べられますよ!!」






田中「…もっとも、花村の料理に比べれば、土砂のように酷い味だがな。」



小泉「…」




左右田「ああ…。うまかったよな。花村の飯。」



豚神「…」




左右田「あいつ、結構いい奴だったんだよ。オレの痛い話にも、結構ノッてくれてたしよ。」


左右田「下ネタとか妄想とかを入れて、気兼ねなく話せるようなさ…。」


左右田「オレが何か行動を起こしていたらさ、アイツはあんなことをしなかったのかなって、思っちまったりしてよ…。」





澪田「ちょ、ちょお、話が暗いっすよ!!もっと明るくした方がいいと唯吹は思うっす!!」

澪田「ほら、皆も言ってみるっすよ!!おはいただきますよう!!」



豚神「…おはいただきますよう。」



弐大「!?」

西園寺「!?」

澪田「!?」

小泉「言いだしっぺの唯吹ちゃんまで驚いてるよ…。」




左右田「…はは、でもまあなんか、元気が出て来たぜ!!」


小泉「うん。時間をかけてもいいから…。ゆっくり、立ち直っていこう。」





小泉(でも…。皆がもっと早く立ち直れるように、アタシに何かできることはないのかな?)





モノミ「みんな仲良くしてまちゅか?」


西園寺「うわっモノクマがなんか変装してるよ!!」

弐大「貴様…。どう言うつもりじゃ…?また何か企んどんか…?」


モノミ「モノクマと間違われるくらいに、あちしの存在が…。」


左右田「でも前回はポイ捨て禁止ってとこで出たじゃねぇか!!ぶどうジュ―スよりはだいぶ出番があったんじゃねぇか!?」


モノミ「他のみんなと比べて、少なすぎやしまちぇんか…?
前々回は名前だけで、前回は「」3つ分しか喋ってまちぇんよ…。」


七海「そんなことより、また新しい場所に行けるようになったの?」

モノミ「そんなことって…。」


左右田「よ―し、じゃあ行ってみっか!!船の部品はオレによこせよ!!」


モノミ「少しはあちしにかまってほしいでちゅ~!!」






小泉「泣き叫ぶモノミを放っとき、アタシたちは3番目の島に行った。」



モノミ「声に出てる!?」




―病院―




罪木「病気になったら任してくださ~い!!注射を何本も売ってあげます~!!」

小泉「漢字間違えてるよ。」




―ライブハウス―



澪田「やべ―っす!!テンションあがりすぎて同じことを2回言いそうっす!!」

澪田「やべ―っす!!テンションあがりすぎて同じことを2回言いそうっす!!」


澪田「はっ!!今、言っちゃった!?」

澪田「はっ!!今、言っちゃった!?」




小泉「でも前回、すでに唯吹ちゃんは1曲歌ったよね。じゃ、今回は出番なさそうだね。」

小泉「でも前回、すでに唯吹ちゃんは1曲歌ったよね。じゃ、今回は出番なさそうだね。」


澪田「真昼ちゃんも2回!?」

澪田「真昼ちゃんも2回!?」





―電気街―




                      RE:アクション
左右田「ど、どうしよう…。嬉し過ぎて、どう【リアクションを取っていいのか】わかんねぇ…。」



小泉「リアクション、ねぇ…。」

左右田「いや、それダンガンロンパ1だけだと思うぞ。」


小泉「このパソコン、なんか使えないのかな…。」

左右田「いや、大した情報はつかめねぇ。ただ、希望ヶ峰学園はすでにつぶれてるってことしかわかんなかったぜ。」

小泉「う~ん。ダンガンロンパ1をプレイしていれば、とっくにわかってることだよね。」


モノミ「左右田くんがボケにまわるなんて…。」




―モ―テルー




田中「ふ、ここなら何人でも収容可能だ…。」

小泉「ここには特に語ることはないな。」



田中「…」ウルウル





小泉(話し相手になって欲しいのか…。)




少し付き合った後、次は…





―映画館―




狛枝「はぁ…。」


小泉「どうしたの?」


狛枝「いやね、次の動機になると思ってみてみれば、つまらないものを見せられちゃったよ…。」



小泉「本編と同じことしか言えないなんて、ツマラナイ奴。」


狛枝「えっ」



モノクマステッカ―『ブスで生まれてきてすいませんでした!!』





―モ―テル―



豚神「ふむ…。全員の報告を聞いたが、大した情報はなかったみたいだな。」


ソニア「希望ヶ峰学園が廃校になっているなんて言われても、どうしようもないですしね…。」


西園寺「で、これからどうすんの?」


豚神「とりあえず今日のところは解散しよう。前回のこともあるから、なるべく単独行動は避けるように。」




七海「なら、しばらくはペアで行動する?」


左右田「そうだな。じゃあとりあえず、狛枝を監視する奴を決めねぇとな!!」

狛枝「ボ、ボクを?」


左右田「そりゃそうだろ!!お前みたいな異常者をほっとけねぇよ!!なるべく、力の強い奴が見ててくれよ!!」


弐大「なら、ワシに任せい!!」


左右田「よっしゃ!!これで狛枝と組まなくて済むぜ!!
グッズじゃあ余り者グル―プで狛枝と組まされたりして、地獄を味わってきたからな!!」


小泉「最初っからそれが目的か…。」




左右田「というわけでソニアさん。オレと一緒に…」



ソニア「田中さん、行きましょう!!」

田中「貴様には、ついてこられるかな…?俺様のスピ―ドにな…!!」



左右田「…」


小泉(結局とられてる…。浮かばれないな、こいつも。)




澪田「白夜ちゃん、かけっこするっす!!位置に着くっす!!」

豚神「ふ、きびきび動くのがやせている人間の使命だぞ…?」

澪田「ま、まさか、白夜ちゃんは動ける方のデブっすか!?」



左右田「アイツら、すっかり仲良くなりやがって…。」





左右田「ま、でも今残ってるのはもう女子だけだし、オレのモテモテライフはこれから始…」




西園寺「おねぇ!!おいしいグミを教えてあげる!!」

小泉「はいはい、ありがとね。」



七海「罪木さん、ゲ―ムに付き合ってよ。」

罪木「や、やったことはないけど、頑張ります!!」



左右田「…あれ?」←余り





今日はここまでです。




1です。今日は更新が遅くなると思います。

それでもおkという方は、21時くらいにこのスレを見てください。



十八日目



―レストラン―




七海「…ぶ―。」


小泉「千秋ちゃん?なにふてくされてんの?」


七海「昨日左右田くんがね、電気街で珍しいゲ―ムを見つけたらしくてね。
壊れていたから今日までに直すって言っていたの。」


小泉「それで?」


七海「今日左右田くんに聞いてみたら、ゲ―ムじゃなくてただのビデオデッキだったとか言い出したんだよ!!」


小泉「ゲ―ム機とビデオデッキはさすがに間違えないよね…。」




左右田「仕方ねぇだろ!!もともと七海たちのペアへ近づくためについた嘘なんだからよ!!」

小泉「ペアにすり寄る…?ああそうか。2人でペアを組んだら、必然的に1人余るのか。」

左右田「今頃気づいてんじゃねぇよ!!そしてすり寄るとか言うな!!」



小泉「でも、なんでわざわざ女子2人のペアに…。アンタ、実はかなりの勇者?」

左右田「むしろ男女のペアに突撃する方が勇気いるだろ。」

小泉「そう言われてみればそうね…。」

左右田「狛枝のいるペアは論外だしな。」


小泉「なんでアタシ達のペアは除外したの?」

左右田「言わなきゃわかんねぇのか?小泉と西園寺だぜ?」

小泉「なんか、かなり侮辱されているような…。」








七海「全員そろったかな?」

小泉「あれ…。そういえば、狛枝がいないよ。」


弐大「奴なら病院じゃあ!!」


小泉「え?なんで?」

弐大「そ、それは、ワシからは言えんのう…。」

罪木「安静にしていれば問題ありませんから、心配はないと思いますけど…。」





小泉(何があったんだ…。)





豚神「気になるのなら、実際に見に行けばどうだ?」

左右田「はぁ!?あんな奴のところに好き好んで行くやつなんているわけねぇだろ!!」


小泉「ん―、行ってみよっかな。」


左右田「はは―ん。さては惚れたな?」


小泉「病院にいる理由も気になるし、アイツを放っておくとロクなことにならないからね。」


田中「溢れんばかりの母性だな…。」

左右田「そういうのが、何人の男を勘違いさせるかがわかってねぇ…。」


西園寺「アンタって、話しかけられただけで『こいつオレのこと好きなんじゃね?』って思うやつだね―!!
生きてる価値ないよ―!!」




小泉「それに、アタシは決めたんだ…。見たくないものを、見ないままにしておくのは、やっぱりダメだ…。」


小泉「アタシは、アイツと面と向かって、立ち向かうと決めたんだ…。」




―病院―



狛枝「あれ、小泉さん。どうしたの?」

小泉「アンタの様子が気になってね…。」

狛枝「ボクみたいなクズの体調なんかを心配してくれるなんて、さすがは“」


小泉「その先を言ったら…。わかるよね?」

狛枝「ちょ、病人に暴力は振るっちゃダメだよ!!」




小泉「病人、ね…。」




小泉「アンタ、なにがあったの?なんで病院なんかで寝てるわけ?」



狛枝「ふふ、聞きたい?実はね…」




~回想~



弐大「ふむ。お前さん、よくよく見てみるとなかなかいい体をしとるのう。」

狛枝「いいからだ…?まさか、そっちの意味?ボクにはそんな趣味は…」


弐大「ふん。今日はちょっくら、トレ―ニングしてやる!!」

狛枝「“超高校級のマネ―ジャ―”のトレ―ニングを受けられるなんて、ボクはなんてツイてるんだ!!」






弐大「じゃあそのためにも、まずは服を脱ぐんじゃあ。」


狛枝「ふ、服を!?ま、まさかそれは、“希望”じゃなくて“希棒”なんじゃ…」

狛枝「ボクみたいな凡人には、少し遠慮したいというか…」


弐大「いいから任しとけい!!アレしてやるわい!!」



狛枝「ら、らめぇ~~~~~~!!!!」





狛枝「す、すごい…!!全身から、力が湧いてくる…!!」


弐大「ワシの秘伝のマッサ―ジじゃからのう!!これさえあれば、この島を100周するのも簡単じゃあ!!」


狛枝「すごいよ!!力が溢れすぎて、髪がもやしみたいに逆立っているよ!!」


弐大「いや、それは元からじゃあ。」


狛枝「いまなら、怒りさえあれば金髪にもなれるような気がするよ!!
いまなら、手のひらからかめ○め波が出せそうだよ!!」


狛枝「まさか、ボクの中にこんな希望が眠っているなんて!!
さすがは“超高校級のマネ―ジャ―”さんだね!!みんなに眠る希望を、見つけ出す能力なんて!!」


弐大「ふむ、いい感じじゃのう!!じゃあその調子で、トレ―ニングを始めるぞぉ!!」



狛枝「イエッサ―!!」




小泉(キャラ変わってない…?)




~BGM: CHA‐LA HEAD‐CHA‐LA~




弐大「砂浜を走るのも!!」


狛枝「遺跡前を走るのも!!」


弐大「マ―ケット前を走るのも!!」


狛枝「ビ―チハウス前を走るのも!!」


弐大「山を越えるのも!!谷を越えるのも!!」







狛枝「崖から飛び降りるのだって、へっちゃらだい!!」



弐大「いや、それはまずい…」



狛枝「アァ~~~~!!」ヒュ~ン



バシャ―ン!!



弐大「下が海で、助かったのう…。」





~回想終了~



狛枝「こんなのって、絶望的だよね…。」

小泉「いや、ただ馬鹿なだけでしょ。」


狛枝「でも、弐大クンのアレだけは希望に満ち溢れていたよ。小泉さんもやってもらったら?」




小泉「希望…。アンタの言う希望ってもんが、アタシにはさっぱりわからないんだけど。」

小泉「結局、アンタの言う“希望”ってなんなの?」


狛枝「あれぇ?何度も言ったと思うんだけど…。まぁ、ボクの乏しいボキャブラリ―じゃ、伝わらないか…。」


狛枝「じゃあ、小泉さんはどう思う?小泉さんは、希望ってなんだと思う?」


小泉「アタシが…?」


狛枝「キミならわかってくれるんじゃないかな。だって、ボクの話に1番耳を傾けてくれたもんね。
ボクがどうしようもないクズだってわかってなお、ボクにかまってくれるもんね。」


小泉「…」




小泉「アタシには希望なんて、よくわからないけど…」

小泉「アンタの言う希望ってのは、“絶対的な良いもの”みたいね…。」


狛枝「その通りだよ。そして、ボクはそんな素晴らしいものを育てるためなら、喜んで踏み台になれるんだ。」

狛枝「希望の種を育てるためなら…。ボクは喜んで死ねるよ。」


小泉「そんなものが、希望…?」


狛枝「あれ、どうしたの?汚らしいゴミでも見るような目をしてるよ?」

小泉「いや、掃き溜めの中をはいずるゴミ虫を見るような目だよ。」

狛枝「今、言い直す意味あったの!?」




小泉「やっぱりアンタは普通じゃない…!!そんなことで簡単に人を殺したり、簡単に人に殺されようとしたり…!!」


狛枝「あれれ、小泉さんにもわかってもらえないのかな?」

狛枝「残念だなぁ。ボクはキミには、親近感を抱いていたのになぁ…。」


小泉「親近感…!?アタシとアンタが、似てるっていうの!?」


狛枝「だって、ここに集められた超高校級のみんなたち…。
日向クンでさえ“超高校級”の名を持つ人の、ある種の独特なオ―ラをかもし出していたんだ…。」


小泉「パンツ被った人に、なんのオ―ラがあったっていうの…?」




狛枝「でも…。その中で唯一キミだけは、そのオ―ラを感じない…。前回の学級裁判でも言ったことだけどね。」


狛枝「そう。ボクと同じ、傍観者のにおいしかしないんだよね…。」


小泉「…なによ、それ。アタシはちゃんと、“超高校級の写真家”として希望ヶ峰学園に入学したのよ?」

小泉「他の人とどう違うっていうのよ。」


狛枝「さあ…?ボクは、ただボクの直感の通りに言葉を発しているだけだからね。
それとも、ボクの戯言で気を悪くさせちゃったかな?」


狛枝「でも、仕方ないんだ。キミからはどうしても、ボクと同じ平凡な人間のにおいがするんだよ…。」




小泉「それって、ただアタシの影が薄いってだけじゃ…」


狛枝「16人の中で、唯一といっていいほどの常識人だからね。」

狛枝「平凡過ぎるとキャラが薄くなって、2章ぐらいで死んでも特にみんなの心には残らないんだよね。」


小泉「辛辣な評価だ…。」




狛枝「やっぱりボクらは似てるよ。
だって小泉さんも、超高校級のみんなに、そのみんなのオ―ラに圧倒されている…。違うかな?」


小泉「…」


小泉「じゃあ、アンタが言ってた“絶対的な希望”っていうのは、なんなの?」

小泉「アンタがいつも言っている“希望”とは、何かが違うわけ?」


狛枝「学級裁判でもわかった通り、各々の持つ希望っていうのは限界があるんだ。
だって希望を体現するみんなでさえ、コロシアイが起こって死んじゃったりするんだ。」




小泉「コロシアイが起きるって…!!アンタが起こしたようなものでしょ!!」


小泉「そもそも、アンタが日向を殺さなければ赤音ちゃんだって死ななくて済んだ…!!
花村も、ペコちゃんも、人殺しなんて考えなかったかもしれない…!!」


狛枝「日向クンはボクが殺したんだっけ…?まあ、今はそんな話はどうだっていいじゃない。」


狛枝「だって、希望って言われるくらいなんだからさ。
ボクなんかが殺そうとしたくらいで本当に死んじゃうなんて、ボクが求めている“絶対的な希望”なんて言えるのかな?」


狛枝「だって、その“希望”は、“絶対”なんだよ?」


小泉「勝手なことばっかり言って…!!」




狛枝「そんなに怖い声出さないでよ。わかってるって。」

狛枝「確かにみんなはボクみたいなクズとは違って素晴らしい希望を秘めているけど、その各々は未発達なんだって。」


狛枝「だから、“種”なんだよ。」


狛枝「そして希望が絶望を踏み台にして、他の希望を踏み台にして洗練し合えば、
“絶対的な希望”という花を咲かせることができるはずなんだ!!」


小泉「結局言っていることは、初めから何も変わらないってことね…。それでも、理解に苦しむけど…。」


狛枝「ほら、実際に花を育てるときだって、不要な草や弱ってる草を取り除くでしょ?
その分、他の花が養分を多くとって、美しく実るんだよ。」


小泉「そんな理屈を、人間同士で適用させようっての!?そんなの、納得できるわけがないじゃない!!」




狛枝「まぁ結局のところ、別に納得してもらわなくてもいいんだ…。」

狛枝「だってこれは、ボクがキミたちに向ける一方的な愛だからさ。」

狛枝「たとえ一方通行な思いでも、ボクはキミたちへの、希望を育むための奉仕を止めるつもりはないよ…。」



狛枝「だって、ボクはそういう存在がいてほしいんだ!!どんな絶望にも屈しない、“絶対的な希望”…!!」

狛枝「ボクなんかの意思なんかじゃどうしようもないほどの…!!」

狛枝「世界の絶望という絶望を隅々まで浄化して、全世界をきらめかす、まるでファンタジ―のような存在がさ!!」

狛枝「それはきっと、ボクの“幸運”なんかじゃ消えてなくならないだろうしね!!」


小泉「…」




狛枝「でも、この思い、せめて小泉さんくらいには理解してほしかったな…。
なにせ、ボクと同じにおいを感じるからさ…。」


小泉「やっぱり、アンタの言っていることはおかしい…。」

狛枝「え?どうして?」


小泉「アンタは、アタシとアンタが似てるっていったよね…。」

小泉「でも、一昨日のことを忘れたの?アンタ、アタシが『“絶対的な希望”を体現するにふさわしい存在』って…」

小泉「この2つのことって、明らかに矛盾するような気がするんだけど?」


狛枝「矛盾って、どうして?」




小泉「アンタの言う“絶対的な希望”ってのは、まるで空想のようなものだけど…」


小泉「アンタは確か、自分をやけに卑下してたよね?
つまり、アンタと“絶対的な希望”には、大きな隔たりがあるんだよね?」


小泉「なら、アンタと似ているアタシが、そんな大それた存在になるとは思えないけど…」


狛枝「う~ん…。どうしてだろうね?確かに、おかしいかもね。」


狛枝「でも似ているからって、ボクはキミと同じだなんておこがましい考えは持たないよ。」

狛枝「キミはボクと、同じではなくて似ているからこそ何か惹かれるものを感じているのかもね…。」


狛枝「ボクの勘は、結構当たるんだよ…。だって、ボクは“超高校級の幸運”だからね。
ボクは、キミたちの希望と同様、ボクのこの才能を信じてるんだよ…。」


狛枝「だから、ボクはキミに期待してるよ…。」


狛枝「ふふ、どうしようかな。キミたちの踏み台になって死ぬのは構わないんだけど、
キミの希望を見てみたいっていう願望も、でき始めているんだよね…。」


狛枝「キミの中に眠る…ボクが心から愛している…キミの、“絶対的な希望”をね…。」


小泉「…」






小泉「買い被りすぎだよ。アタシは、そんな偉大な存在じゃない。」


小泉「だってアタシは、世界はおろか自分のことすら整理できてないし…。」


狛枝「自分のことって?」


小泉「アタシ…。トワイライトシンドロ―ム殺人事件が本当だったら…
九頭龍に、償わきゃいけないんじゃないかって思ってるんだ…。」




小泉「でもあの時、九頭龍と面と向かった時、どうしても償いの言葉が出なかった…。」


小泉「今になってそう思うのも、変かもしれないけどさ。」


小泉「そこをあやふやにしてたら、九頭龍やペコちゃんに顔向けできないし、
そこをモノクマに突かれて、また正気を失うかもしれない…。」


小泉「でもやっぱり、アタシはどうすればいいのかわからない…。」

小泉「そもそも償う必要があるのかもわからないし、その償う方法もわからない…。」

小泉「だって、償う相手がもういなくて…。」



小泉「ねぇ…狛枝。アタシ、どうすればいいの?」





狛枝「ふうん。別に償う必要なんてないんじゃない?」


小泉「え?」


狛枝「九頭龍クンとの件なんて、相手の逆恨みで片付けてしまえばいいじゃない。
ボクにはその償いっていうのが希望につながるとはどうにも思えないんだよね。」


狛枝「彼らもきっと喜んでいるよ。
小泉さんが希望の象徴としてより輝くための踏み台という形で、彼らの死が役に立っているわけだしさ。」


小泉「なによ、それ…。意味が分かんない。」




狛枝「人の死っていうのはね、そうやって割り切るものなんだよ?小泉さん、そういう経験もないのかな?」

狛枝「死んだ人のことをいつまでも嘆いても仕方ないよ。彼らはもう脱落したんだ。」

狛枝「ボクは死んだみんなより、今生きているみんなの役に立ちたいんだ!!」



小泉「はぁ…。アンタに相談したアタシが馬鹿だったわ…。」


狛枝「そもそもなんで、ボクに相談しようとしたのさ?」


小泉「あれ…なんでだろ。」


小泉「まぁ多分、アンタはこの中で1番物事を客観的に見れる奴だからよ。」

小泉「なんだかんだ言って、学級裁判では正しい結論にいち早く気付くし。」

小泉「それだけに、さっきの発言は期待外れかな。」


狛枝「ボクは、客観的な意見を述べたまでだよ。
だから小泉さんも、九頭龍クンとの件でそう考え込まなくてもいいんじゃないかな。」


小泉「アンタみたいに、楽観的に考えられたらいいんだけどね…。
アンタの意見は、大して参考にならないかな。」




狛枝「そう…。そんなに償いがしたいならさ…。」


狛枝「もし死んだのがキミで、生き残ったのが九頭龍クンだったら、九頭龍クンはどうしていたかな?」


小泉「九頭龍が…。よくわからないな。結局アイツとは、仲直りをすることもできなかったから…」


狛枝「彼は“超高校級の極道”だよ?彼が自分なりの償いをするとしたら、きっと切腹でもするんじゃないかな?」


小泉「アタシに腹を切れっての?」




狛枝「そうじゃないよ。自分にできることをするんだよ。」

狛枝「ほら、キミにはキミにしかできないことがあるでしょ?なにせ、キミは“超高校級のお」


小泉「そっか…。アタシは写真家で、みんなの笑顔を撮ることができる…。」

小泉「そもそもアタシにできることなんて、それくらいしかないし…」


小泉「だから、アタシの撮った写真でみんなを笑顔にして…。
九頭龍たちのことをずっと忘れなきゃいいんだね…!!アタシにできる償いなんて、元からそれだけだったんだ…。」




小泉「ありがとね、狛枝。アンタのおかげですっきりしたよ。」




狛枝「何か一人合点してる…。」



小泉「何か言った?」


狛枝「いや、なにも。」





十九日目




早朝




―レストラン―




小泉「…うん、これで良し!!」


豚神「ん?小泉か?」

小泉「うわっ!!急に話しかけないでよ…。」

豚神「貴様は今何をやっているんだ?」


豚神「それは…写真展、か…?」


小泉「…」




小泉「アタシ、考えたんだ…。どうすれば、死んでいったみんなを忘れないであげられるかを…。」


小泉「気付いてみたら、答えはすぐそばにあったんだね。こんな状況だから、忘れちゃってたんだ。
なんのための“超高校級の写真家”だよってね。」


豚神「なるほど…。だからレストランに、あいつらの写真をな…。」


小泉「日向も、赤音ちゃんも、九頭龍も、ペコちゃんも、花村も…。」


小泉「殺されかけた時もあったけど、やっぱりみんなは仲間だもん。
ひとりじゃない いっしょだよ って、犠牲になったみんなに伝えたくて…。」


小泉「これが今のアタシにできる、皆への最大の償いなんじゃないかって思うんだ…。」





小泉(まあ、狛枝に励まされたとは、口が裂けても言えないけど…。)





豚神「さ、さっきのって…」

小泉「え?」




田中「本編で、小泉写真展を5章の最後で調べてみろ!!」



小泉「何言ってんの…?」


田中「しかし、この写真展、少し地味すぎないか?」

小泉「え?」

田中「どうせなら、もっと派手にだな。例えば…」

小泉「って勝手にいじらないでよ!!」








―レストラン―




ソニア「…」

澪田「…」

左右田「これが小泉のセンスか…。」

小泉「いや…。違うんだけどな…。」


田中「ふふ、みんなが小泉の芸術的センスに驚きを隠せないようだな…。」




小泉「その推理はピ 田中「インフィニティ・アンリミテッド・フレイム!!」反論




小泉(ま、負けた…。)




西園寺「いくらおねぇのこととはいえ、さすがにこれは…」


罪木「包帯が巻かれているのは、私のためですか?」

田中「そのままだと危険だからな。力を封印しておいた。」


小泉(何の力よ…。)




七海「なんか黒い龍の絵が混じってるのは?」

田中「すべてを焼き焦がす漆黒の炎が噴き出しているのだ!!」


小泉(封印はどうした!!)




弐大「ここにかかっているヒマワリの種はなんじゃあ?」

小泉「どさくさに紛れて自分の物置にしてんじゃないわよ!!」


狛枝「小泉さんがキレたのは、これで何回目だっけ…?」




夕方ぐらい



―小泉のコテ―ジ―



澪田「おはようございまむ!!」



小泉「いや、今夕方…。そもそも、どうやって入ったの?鍵は?」

澪田「ぶっ壊しました!!」

小泉「困るよ、それ…。」



澪田「そんなことより、大変っす―!!ライブハウスで何かあるみたいっすよ―!!」

小泉「ライブハウス…。唯吹ちゃんが何かするの?」


澪田「そ、そんなわけないっすよ!!唯吹がリサイタルをするわけがないっすよ!!」

小泉「リサイタルするのか…。」


澪田「じゃ、他の人にも伝えてくるから!!」


小泉「元気だなぁ…。」




―ライブハウス―



左右田「楽しみだな!!なにせ、“超高校級の軽音部”のリサイタルだぜ!!」

罪木「いやな予感がするのは私だけですか…?」

小泉「いや、アタシもしてる…。」

西園寺「大丈夫?はい、グミあげる。」

小泉「あ、ありがと…。」





澪田『みんな!!今日は集まってくれてありがとうね!!精一杯歌うから、最後まで聞いてね!!』



澪田『まずは1曲目!!キミにも届け!!』







澪田『ボエ~~~~~!!』





弐大「ど、どこかのガキ大将か…。」


田中「なっ!?破壊神暗黒四天王が、ぐったりしてしまった!!呪いの力に耐えられん!!」


豚神「こんなことだろうとおも…。グッ…」


小泉「と、豚神!?気をしっかり持って!!」




豚神「zzz」


ソニア「寝たら死にますよ!!」


七海「雪山で遭難でもしたの?」





澪田『え―、では2曲目!!勢いで生んだはいいが、父親がわからない!!』





狛枝「えぇ!?まだ続くの?」


左右田「やべぇな…。まだ歌うつもりだぞ?」


弐大「大丈夫じゃあ。そろそろ事件が起きて、おじゃんになるはずじゃあ。」


罪木「でも今回は、オワコ…終里さんがいないから、やめるきっかけがないですよぉ!!」


豚神「何…だと…っ!?」



小泉「まずいっ、みんな耳を塞いで!!」






澪田『お~れ~はジャイア~ン!!ガ~キだいしょ~!!!!』





ソニア「タイトルと関係あるんですか!?」


田中「む、無念…。」バタッ


左右田「田中の霊圧が…消えた!?」


豚神「まずい…。このままでは死者が出る…!!」

罪木「学級裁判が始まっちゃいますよぉ~!!」


西園寺「え~、けっこういいセンスしてると思うけどな~!!」



小泉「と、とにかく、なんとかやめさせないと!!でも、唯吹ちゃんは歌わないと納得しないだろうし…!!」







七海「誰か1人だけ残したら?」

狛枝「残る1人は?」


左右田「狛枝だな。」


狛枝「えっ」


弐大「ワシも賛成じゃ。」

小泉「アタシも。」

日向『それに賛成だ!!』同意


西園寺「今のだれ!?」



豚神「リ―ダ―命令だ!!狛枝、何とかしろ!!」



狛枝「こんな絶望的な歌をこの後何時間も聞けって!?そりゃないよ!!」






澪田『じゃあ3曲目いくっすよ凪斗ちゃん!!』





狛枝「指名された!?」




小泉「じゃ、そういうことで。」

西園寺「まってよ小泉おねぇ!!」


罪木「後で介護が必要になったら、私に任せてくださいね。」

豚神「お前という犠牲…。無駄にはしないぞ。」


ソニア「田中さん!!しっかりしてください!!」


田中「ママ~、もう食べられないよ~」


ソニア「!?」




七海「これにて一件落着♪」


狛枝「してないよ!!」





今までの事件が、うそみたいに平和なム―ドだった…。



こんな生活が、いつまでも続けばいいと思った…。






でも、そんなにうまくいくわけがないって、わかってたはずなんだけど…。




だって、ここにはモノクマがいるんだから…。










狛枝「いや、今の状況がすでに絶ぼ…」




澪田『じゃあ、次は37曲目!!生還飛行!!』




狛枝「いつまで続けんの!?」





今日はここまでです。


そろそろ…





二十日目



―レストラン―



小泉「はぁ…。何か疲れたな。」


狛枝「いや、ボクのほうが100倍疲れたよ…。」ゲッソリ




小泉「結局昨日は、何時まであったの?」

狛枝「夜の3時まで、86曲聞かされたよ…。」

小泉「8時間…。」

左右田「拷問だな。」


狛枝「ひどいよ、小泉さん。ボクばっかりにこんな役目を押し付けて。」

小泉「あはは、ごめん…。」






狛枝「お詫びに、パンツくれ。」



小泉「は?」



田中「フハハハ!!!!小泉、俺様とバトろうぜ!!」

小泉「た、田中!?」


七海「ふむ…。どうやら2人とも、様子がおかしいようだな。」

罪木「あの…。七海さんって、そんな口調でしたっけ…?」




狛枝「うん。小泉さんの紐パン、被りやすい。」E:小泉のパンツ


小泉「ぎゃああああ!!どっから持ってきた!!?」

狛枝「小泉さんのコテ―ジから拝借したよ。」

西園寺「おねぇ、あんな派手な…」


七海「悪・即・惨・殺!!」モギトウ

狛枝「ぐわぁああああ!!」バタッ



弐大「何人かの様子がおかしいのう…。」

豚神「というよりも…何かに乗り移られているような…」




田中「なにもおかしくないぞ!!七海、バトろうぜ!!」

七海「できる限り仲間を切り捨てたくはなかったが…。仕方あるまい!!」



田中「勝負だ!!」

七海「ああ!!」





田中「将棋でな!!」

七海「王手!!」パチリ

田中「何っ!?」







小泉「結局おかしかったのは…。狛枝、田中、千秋ちゃんの3人か…。」


狛枝「ボクの戦利品(小泉のパンツ)が…」E:田中のパンツ

小泉「それ、なにもかぶってないのと一緒でしょ?」

弐大「いや、かぶっとるだろう?」

澪田「真昼ちゃん、大丈夫っすか?」

小泉「みんなには見えてんの!?」


西園寺「それ以前に、パンツを被っていることにはツッコまないんだね…。」




ソニア「この3人の様子…。亡くなられた3人に似てないですか?」


澪田「凪斗ちゃんは、創ちゃん。眼蛇夢ちゃんは、赤音ちゃん。千秋ちゃんは、ペコちゃんっすね!!」


豚神「しかし、どういうことだ…?なぜ、こんなわけのわからないことに…」





モノクマ「これが今回ボクが送る動機!!その名も“絶望病”で―す!!」



左右田「な、なんだよそれ…?」


モノクマ「後付け設定の変な病原体です。しかも空気感染するので、気を付けてください!!」


西園寺「後付けって言っちゃったよ…。」




罪木「しかも皆さん、すごい熱です。誰かが看ていないと危険かもしれません。」

弐大「しかし全員で固まったら、全滅するかもしれんぞ。」


豚神「なら、2つのチ―ムに分かれよう。看護する側と、そうでない側にな。
この病気の正体はいまいちわからんが…。これについて何か判明するまで、病院とモ―テルで過ごそう。」


左右田「2つのチ―ムの連絡も、直接の接触は避けてぇな…。」

左右田「よし、ここはオレに任せろ!!2つをつなぐ電話みたいなもんを用意するぜ!!」




ソニア「では、2つの組をどうやって分けましょう…。」

西園寺「わたしは絶対、看護なんて嫌だからね。」


豚神「病院組は…そうだな。俺と罪木、そして小泉。任せられるか?」


小泉「アタシも…?」

豚神「看護には罪木が1番適しているだろう。そして、雑用としてお前にも手伝ってもらいたい。」

小泉「うん…。わかった。」


罪木「わ、私、精一杯頑張ります!!」

左右田「じゃあ残りの5人は、モ―テルに避難すっか!!」




澪田「3人に任せるけど…。ホントに大丈夫っすかね?」

小泉「大丈夫よ。アタシは面倒見が悪い方じゃないし…」




七海「貴様に選ばせてやろう。
死んでから東京湾に沈むのがいいか、東京湾に沈んでから、死ぬのがいいか…。」E:黒龍丸


小泉「おぎょわぁああああああああああ!!!!!?」




ソニア「早速トラウマ直撃ですね…。」




―病院―



狛枝「ねぇ~パンツちょうだいよぉ~。」


小泉「こいつ日向の真似してるだけで、絶対日向のやってることと違う…。
日向は、自分からは要求しないって言ってたし…。」


狛枝「本心はいつもこうだったんだよ~。いくらパンツを懇願しても、嫌われるのは狛枝だし。」


小泉「嫌われることはわかってたんだ…。」




罪木「ダ、ダメですよ、狛枝さん!!ちゃんと寝てないと…」

狛枝「罪木さんのパンツがあったら、お守りにして眠れるのになぁ。」

罪木「わ、私のでよければ…」


小泉「蜜柑ちゃん、絶対ダメ!!」

七海「麻薬、ダメ!!絶対!!」




田中「何でもいいけど、バトろうぜ!!」

七海「七海組を敵に回したこと、あの世で後悔しろ。」

小泉「七海組!?」


七海「せい!!」ヒュオッ

田中「甘―い!!」ヒョイ


七海「さすがだな、その軽やかなステップ…。メカ弐大の攻撃も、そうやってかわしたのか!!」

田中「ふん、喋っている暇はあるのか?貴様の後ろをよく見るがいい。」

七海「何っ!?」

七海「!!」


破壊神暗黒四天王「チュ-チュ-!!」


七海「も、もふもふ…。」

七海「む、無念!!」バタッ


田中「ふっ、今回はボクの勝ちだね。」

小泉「ボク!?」




狛枝「おや、ここに干してある、黒いパンツ…。まさか七海さんの!!」

豚神「それは俺のだ。」

狛枝「ぎゃあ、ばっちい!!…でも、それがいい!!」

小泉「見境なし!?」


田中「しかしよぉ、ここの病院食、少な過ぎねぇか?もう全部食っちまったぞ。」

豚神「なにぃ、俺の分まで食われているじゃないか…!!あのハンバ―グ、うまそうだったのに…!!」

小泉「ま、まあまあ。落ち着いて、豚神。」




豚神「それはそうと、小泉に聞きたいことがある。」

小泉「な、何…?そんな真剣な顔して…」


豚神「小泉、お前は…」







豚神「チキンとビ―フ、どっち派だ?」




小泉(ツッコミが間に合わない…。誰か助けて…。)




罪木「病人たちは、なんとか寝かせることに成功しました。」

小泉「良く成功したなって感じね…。」

豚神「罪木のおかげだな。」

罪木「えへへ…。」



小泉(地面を転がりながら土下座されたら、誰でも従うよ…。)




豚神「明日になれば、左右田が連絡手段を持ってくるはずだ。
そうすれば、何か病原体についてわかるかもしれん。」


小泉「じゃあ、今日はもう寝ようか。」


モノクマ「ちなみに、病院で寝泊まりはできないからね。
まぁ3人の看護ということで、1人だけは許可しましょうか。」


罪木「じゃ、じゃあ、後は私に任せて、2人はコテ―ジに戻ってください。」


小泉「そう?悪いわね。」

豚神「この生活は、しばらく続きそうだ…。根気がいるぞ。そのためにも、十分に休養をとれ。」

小泉「うん…。」




―小泉のコテ―ジ―




小泉(大丈夫かなぁ…。アタシだって、もう感染しているかもしれないし…。)

小泉(そもそもモノクマはこの病気で、いったいどんな動機をでっちあげるつもりなの…?)




二十一日目


―病院―



豚神「よし、届いたぞ。」

小泉「テレビ電話かな?」


豚神「このランプが光っているということは…。あっちから連絡を要求しているということだ。」



小泉「ポチっとな。」


豚神「あっボクが押そうと」




左右田『おっ、つながったな。』


小泉「これって、こっちの声がそっちに聞こえてんの?」


澪田『真昼ちゃんの美声はちゃんと届いてるっすよ~!!』

左右田『ちなみにここは、ライブハウスだ。モ―テルからは電波が届かなかったからな。』


左右田『【それでも“超高校級のメカニック”かよ!!】って思った奴!!
ゲ―ムの展開から、チ―トすぎるものは造っちゃダメだったんだよ!!』


澪田『暗闇でも見えたりしてたら、蜜柑ちゃんが犯人ってすぐわかっちゃうからね~!!』


豚神「撮影を終えた罪木が、麻袋を取ってにやにやしている光景、か…。」

罪木「何の話をしてるんですかぁ!!?」




左右田『じゃ、今回はテストということで。毎日モノクマアナウンスの30分後に通信するぜ!!』


小泉「え、もう消していいの?」


澪田『まだつけたままにしておくっす!!』



澪田『これから唯吹が歌を歌うっす!!みんな聞いてね!!』


左右田『えっそんなの聞いてな』




ブツッ



小泉「左右田和一は犠牲になったのだ…。」

豚神「奴の墓なら、一級のものを建ててやろう。十神の名に懸けて!!」

小泉「『十神』って字、久々に見たよ…。」

罪木「ランプが点滅しまくってますけど…。」ピコンピコン




―田中の病室―




田中「行くぞ、破壊神暗黒四天王!!勝負だ!!」

破壊神暗黒四天王「チュ-チュ-!!」


小泉「戦いに飢えすぎて、ついに自分のハムスタ―と戦っちゃってる…。」





破壊神暗黒四天王「チュチュチュ~~~!!!!」

田中「しまっ…!!ぐわぁ~~!!!!」


小泉「負けてる!?」




田中「よし、では次は小泉と戦おう。」


小泉「え?アタシ?」


破壊神暗黒四天王「チュ―!!」

田中「ふはは、破壊神暗黒四天王も戦いたいと言っている!!」

田中「行くぞ!!」




小泉「はい、チャンP。ヒマワリの種。」

チャンP「チュ~!!」


田中「破壊神暗黒四天王が懐柔されてる!?」


小泉「みんな、行けぇ!!」

破壊神暗黒四天王「チュチュ~!!」


田中「寝返られた!?」

田中「ぎゃあ~~!!」



小泉 WIN!!



小泉「なんだこれ。」




―七海の病室―



七海「私は道具だ。」


豚神「急に何を言っている?」

七海「なにせ私は、本編ではただのAIだ。道具と言ってもさしつかえなかろう。」


罪木「なんでいつも本編のことを取り上げて考えるんですか…?」


豚神「『私は道具だ』とか言って…。九頭龍の道具か…。
いったい『どんな道具』だったのか、気になったのは俺だけじゃあるまい。」


罪木「それはもう、あんなことやこんなことのための道具ですよぉ。
ダ―ツの的や、メモ用紙の代わり…。ストレス解消のために、豚の物まねをさせてたんですね!!」


豚神「なんか貴様が可哀そうになってきたぞ…。」





小泉「…」




罪木「あれ、どうして隠れているんですか?小泉さん。」

小泉「だ、だって…。」


七海「罪木よ、そういってやるな。奴もいろいろ考えるところがあるのだろう。」


罪木「七海さん、優しいんですね。」

豚神「辺古山じゃないのか?」




小泉「この雰囲気なら、アタシがいても大丈夫かな…」



七海「あぁ!?」E:黒龍丸


小泉「ごめんなさいごめんなさいごめ」





豚神「前途多難だ…。」




―狛枝の病室―



狛枝「うう…。パンツ…。パンツ…。」


罪木「ま、まずいですぅ!!狛枝さんの容体が、とても悪いです!!死んでしまうかも…!!」


小泉「そ、そんなに悪いの!?」

豚神「くっ、俺にはどうしようもないな…。」


小泉「そんな…何かアタシにできることはないの!?」




狛枝「小泉さんのパンツさえあれば…」



小泉「確か狛枝はうそつき病だったね。」


豚神「それは本編だけだろう。」





狛枝「全世界はすべて、愛と情熱とパンツでできているのです!!」


罪木「容体が悪すぎて、わけのわからないことを言ってます!!」





小泉「逆に言うとパンツは、愛と情熱とは別物なんだね?」



狛枝「!!」


狛枝「も、盲点だった…。」ガクッ



罪木「きゃああああ!!狛枝さぁああん!!」


豚神「ついに、昏睡状態に陥ったか…。」


小泉「狛枝…。昏睡だなんて…。どうして、こんなことに…!?」




罪木「どちらかというと、小泉さんがとどめを刺したような気がしますけど…。」





罪木「とにかく私が狛枝さんを付きっ切りで看護しますから、みなさんはもうコテ―ジに帰ってください。」


豚神「小泉、行くぞ。」

小泉「え!?でも…」


豚神「俺達がいても邪魔になるだけだ。」

豚神「ここで、俺たちができることは何もない…!!」



小泉「…」




豚神「最後に、奴らの報告を聞くか…。」


左右田『そっちはどんな感じだ?』


小泉「あまりよくないの…。特に狛枝の容体が悪くて…。今晩が山場だって…。」


左右田『マジかよ…。あんな異常者でも、死ぬってなるとなぁ…。』




豚神「そちらはどうだ?何かつかめたか?」


左右田『それが全然でよ。西園寺なんかは、自分の部屋に閉じこもって出ようとしねぇしよ…。』


豚神「自分以外の全員が信じられないんだな…。」

小泉「アタシが日寄子ちゃんのところに残っていた方がよかったかも…。」


豚神「…すまんな。これは、完全に俺の采配ミスだ。」


小泉「え?そんなことないよ。豚神は皆の能力を把握したうえでこの采配をしたわけだし。」

小泉「多分アタシがモ―テルに残っていたら、それはそれで問題は発生していたはずだよ。」


豚神「そう言ってくれるとありがたい。とにかく、今日のところはもう寝よう。」

小泉「うん…。」




―小泉のコテ―ジ―


小泉(一向に事態が好転する気配が見えない…。)


小泉(狛枝、アンタ…。これだけ話をややこしくしてきたくせに、アッサリ死ぬわけ…?そ、そんなわけないよね…。)


小泉(とにかく明日も、3人の面倒を見てあげないと…)




小泉(いや、千秋ちゃんだけは絶対見たくない。)





二十二日目




―病院―




豚神「小泉、大丈夫か?昨日はよく眠れたのか?」


小泉「ああ…。問題ねぇ…。」




豚神「…」





小泉「ま、疑われんのは慣れてっからよ。」


小泉「オレが嘘ついてると思っていても、そんくらいじゃ指を詰めたりしねぇよ…。」




豚神「患者が1人増えたか…。」






今日はこれまで。






左右田『そっちの状態はどうだ?』


小泉「相変わらず進展はねぇな…。狛枝のヤロ―は峠を越えたらしいが…」


左右田『小泉は、何か超えてはいけないものを越えてしまったんじゃねぇか…?』


小泉「んだとこらぁ!!ぶっ殺すぞ!!」


澪田『冬彦ちゃんそっくりっす!!』





小泉「おひかえなすって!!これよりあげます言葉の後先…。間違えましたら御免なすって!!」

小泉「手前、姓は小泉、名は真昼と発します!!」


弐大『こりゃあ、重症じゃの…。』

ソニア『自分の名前は間違えていませんから、末期ではないようです。』


小泉「家業未熟のかけ出し者でございます!!」

小泉「以後、面体お見知りおきの上、よろしくお頼み申し上げます!!」


澪田『家業ってなんすかね?』

ソニア『写真じゃないですか?』

弐大『十分な代物だと思うがのう…。』

ソニア『でも、自分が納得していないなら、仕方ありませんよ。』

豚神「自分の狭い世界だけで人の笑顔を取っていていいのか、と悩んでいたものな。」



左右田『お前ら何の話をしてんだよ!!』






小泉「へっ。この眼帯も、箔がついたってもんだろ。」


左右田『眼帯なんてつけてね―だろ!!』




小泉「…」ゴソゴソ




弐大『小泉の奴、なにやっとるんじゃあ?』


豚神「いつも肩に下げているカメラの、ストラップベルトの部分で目のあたりを巻いているな。」




小泉「へっ、この眼帯も、箔がついたってもんだろ。」



左右田『言い直した!?』




澪田『ここで【ペコちゃんや冬彦ちゃんが死んだのはお前のせいだ!!】とか言ったら、切腹しそうっすね…。』

左右田『そう思うなら言うんじゃねぇ!!』


小泉「豚神、ちょっと腹切るもんねぇか?」

豚神「渡すと思うか?」









罪木「どうしましょう…。小泉さんの寝床はどこに…」

豚神「病室は1つ封鎖されていて、3つしかないからな。」

小泉「何言ってやがる。オレはコテ―ジで寝りゃあいいじゃねぇか。」

豚神「自分が病人だと自覚しろ!!」




罪木「なら、同じ部屋で2人を寝かせますか?」


豚神「誰と同室するんだ?」


罪木「狛枝さんはまだ危険な状態ですから、1人にしておいた方がいいでしょう。」


豚神「田中は…」

罪木「バトり始めたりしないですかね…。」


豚神「夜…。男女2人…。バトル…。」


罪木「ふ、不健全です!!保健委員として、そんなの認めません!!」

豚神「奴らはまだ高校生…。子供を育てる能力も、経済力もないからな…。」




小泉「何の話をしてんだてめぇら?」


豚神「中身はやっぱり九頭龍だな。知識がぼっちゃんだ。」

小泉「んだとこらぁ!!牛乳が飲めないからなんだ!!かりんとうが好きだからなんだ!!ガキ扱いすんじゃねぇ!!」


豚神「どんどん九頭龍っぽくなってきてるな…。」

罪木「自分の名前、ちゃんとわかっているんでしょうか…。」


小泉「小頭龍冬昼だ。」


豚神「さっきは間違ってなかったのに…。」

罪木「そのうち性別まで間違えそうですね…。」


豚神「そうなるとまずいな。夜のバトルが始まるかもしれん。やはり、さっさとアイツの病室に移すしか…」

罪木「でも…。大丈夫ですかね…。」


豚神「…」




―七海の病室―




七海「どうした、豚神、罪木。神妙な顔をしているが。」


罪木「その、ですね…」


豚神「ある人物を、貴様と相部屋にしてやりたいのだが…」





小泉「…」



七海「…」









豚神「…」





七海「…」E:黒龍丸


罪木「ひゃあ!?」




小泉「…」E:戦刃ナイフ


豚神「伝説の軍人だと!?」




七海「どりゃぁ―――!!」ブォン

小泉「そばかすつながりじゃあ―――!!」ヒュッ


罪木「ひえ~~~ん!!嫌な予感が的中して、2人が争いだしましたよぉ~~!!」


豚神「九頭龍と辺古山なら、うまくいくと思ったのだが…」

豚神「小泉と辺古山の部分がぶつかり合ってしまったようだ…。」


罪木「でも、ここ以外に小泉さんを寝かせられる場所はないし…」




七海「ふ、心地いいぞ。貴様の攻撃の1つ1つが、私に致命傷を与えようとする一撃必殺の技だ…。」

七海「やはり、戦いとはこうでなくてはな!!」


小泉「かあさんが戦場カメラマンをやってっからな…。
かあさんが戦場で撮ってきた写真の中に、オレによく似た女の子がいたぜ…。」


残姉『え?』


小泉「そいつの気持ちになって戦ってみれば、なんかこう戦いの神様みたいなものがオレのもとへ降臨したぜ!!」

小泉「はは、このまま夜まで戦えるぜオレはぁ――――!!」




豚神「なんか九頭龍ですらなくなってきてるぞ!?」


罪木「バトルマンガじゃあるまいし、
命がけの戦いに自分の身を浸す戦闘狂みたいな奴の理論なんて聞きたくないですよぉ!!」


豚神「ここに小泉を連れてきたのは、失敗だったな…。」

罪木「でも、このままだと、どっちかが死んじゃうかも…」

豚神「どうしようか…。」

罪木「どうしましょう…。」



豚神「…」


罪木「…」






豚神「放っとこう。」


罪木「それがいいですね。」





小泉「久々に見せてやるぜ…!!」


七海「なっ!?あの構え…!!」



小泉「伝説の…狼牙風ふ」










小泉「へへっ…。やるじゃねぇか…。」

七海「ふっ…。てめぇこそ…。」



罪木「なんか、“仲間になること前提の戦い”を終えた2人みたいなム―ドになってます…。」




七海「てめぇ…。名前は?」


小泉「小戦龍真むく彦だ…。」


豚神「1人分増えているぞ!?」


七海「私は、七海千秋だ…。」


罪木「七海さんは名前を間違えないんですね…。」




小泉「ふっ…。覚えておくぜ…。兄弟。」

七海「ふん///」


豚神「どちらかというと、姉妹だよな…。」

罪木「『ふん///』じゃないですよ。何ちょっといい感じにまとめているんですか。」




豚神「まぁ、とにかく2人を同じ場所で寝かせることに成功したみたいだ。今日はこのくらいでいいだろう。」




小泉「よし、千秋ちゃん。今日は朝までガ―ルズト―クだぞ♪」


豚神「寝ろよ!!」


七海「望むところだよ。むく真彦ちゃん♪」


罪木「名前間違ってますよ…。」



豚神「…」




二十三日目


―病院―



豚神「…」


豚神「まだモノクマアナウンスが流れていないのに、話し声が聞こえる…。」


小泉「でねっでねっ。その時にね、やって来たのがね…」

七海「キャ―こわ―い!!」

小泉「あひゃひゃひゃはや!!」

七海「何その笑い方!!」

小泉「ツキが上がるんだって!!」

七海「ホントかよ!!」




豚神「おい、お前ら。」


小泉「やばっ先生だ!!寝たふり寝たふり!!」

七海「いっけない、口紅テ―ブルに置いたままだ!!」


豚神「修学旅行か!!」


豚神「ったく…。お前ら一睡でもしたのか?」

七海「ふふん、起床時間まであと10分!!あとちょっとで徹夜が完成だ!!」

豚神「寝ろよお前ら…。」




小泉「ま、そろそろ起きよっかな。」


七海「また来てね~!!」




豚神「…」



小泉「…」




小泉「ったくよぉ、ガキとのじゃれ合いもつかれるぜ…。」



豚神「九頭龍に戻ってる!?」



小泉「そういやもうじきモノクマアナウンスが流れんだよな。じゃ、連絡のために受付に行くか。」


豚神「いや、お前は寝てろよ。」


豚神「おや、そういえば…。罪木が見えないな…。」






小泉「ん?おい、ランプが光ってんぞ?」



豚神「おかしいな。連絡の時間はまだのはずだが…。」


小泉「なにか、緊急事態かもしんねぇな。連絡を取ってみようぜ。」


豚神「ああ。」



ポチッ







小泉「!?」







そこに映っていたのは…




麻袋を被り、患者服を着ている者。

そして、布のようなもので簀巻きにされている、やはり麻袋を被った者。


その2人だった…。



薄暗くてよくわからないが、簀巻きの方はぐったりとしているようだ。



そして、患者服の方が手に持っているのは…







豚神「ナイフか…!?」

小泉「ヤロ―、なにしようとしてやがる…!?」




と思うと、患者服の方が簀巻きの方を引きずり、画面から見えなくなった…。




そして、その瞬間…!!






小泉「やめ…!!」





画面が真っ赤になり、それ以上何が起こっているのかは分からなくなった…。





豚神「うっ…。まさか、また始まったというのか…!?」


小泉「馬鹿野郎!!そんなことはさせねぇ!!まだ生きているかもしんねぇだろ!!」


小泉「とにかく、あのモニタ―があるのはライブハウスだったな!!行くぞ豚神!!」



ダダダッ




映像の中のモノクマ『オマエラ、グッモ―ニン!!朝です、7時になりました!!』



―ライブハウス―


バンッ




小泉「はぁっはぁっ。ひ、久々に本気で走ったぜ…。途中でカメラ…じゃなくて眼帯を落としちまったぜ…。」


豚神「!!」




そこにいたのは…



腹にナイフを生やし、ステ―ジの照明バトンに首を吊っている…





小泉「マ、マジかよ…!!」


豚神「またしても、止められなかったのか…!!」






簀巻きにされていて、よくわからないが…




麻袋からはみ出ている、あのところどころ途切れている髪の毛は…






献身的にみんなを看てくれていた、あの…





小泉「?」


小泉「死体発見アナウンスが流れねぇ…。」


豚神「そうか、俺たちは2人しかいないからか!!くそ、誰か探すぞ!!誰でもいい、動ける奴だ!!」


小泉「ちっ!!とりあえず、モ―テルへ行くぞ!!」



ダダッ!!





―モ―テル―



弐大「なんじゃあ、騒々しいのう。」


小泉「くそ、弐大だけか!!」


豚神「まあいい、ついてこい!!死体だ!!死体が発見された!!」


弐大「な、なんじゃとお!?」


小泉「説明は後だ!!とにかく行くぞ!!」




ダダァ~~~!!




―ライブハウス―


ガッ、ガッ




小泉「あれっ…。開かねぇぞ!?」


豚神「妙だな…。ここに俺たちが来たのは、ついさっきのはずだぞ…?」


弐大「ええい、細かいことはいい!!とにかくぶち破るぞ!!3人おれば余裕じゃわい!!」


小泉「ちょ、ちょっと待て…。さっきから走りっぱなしで、息が…」ハ-ハ-


弐大「写真家のくせに体力がないぞ!!アレしてやるから、そこによこたわるんじゃ!!」


豚神「そんなことをしている場合か!!とにかく、2人で体当たりだ!!」




弐大「おら―!!」ドンッ


豚神「おら―!!」ドンッ


弐大「おら―!!」ドンッ


豚神「おら―!!」ドンッ




小泉「どうでもいいがお前ら、まるで息があってないような気がすんぞ…。」


豚神「いや、実は俺もかなり疲れてて…」


弐大「ええい、どいつもこいつも!!お前ら全員、そこに横たわれ!!」




小泉「いや、もう大丈夫だ。行くぜ!!今度こそ体当たりだ!!」




小泉「おら―!!」ドンッ


弐大「おら―!!」ドンッ


豚神「おら―!!」ドンッ


小泉「おら―!?」ドンッ









10分後




小泉・豚神・弐大「「「おら―!!」」」←初めて息があった瞬間



バゴン!!



小泉「よし、開いたぞ!!」





豚神「うっ!?」



弐大「こ、こんなことが…」




小泉「そ、そんな…。嘘、だろ…っ!?」







増えている。





死体が、1つじゃなくなっている。








そしてそれは、アタシが1番見たくなかった死体かもしれない。








この島で、1番長く行動を共にした……



アタシを『小泉おねぇ』なんて呼んで、慕ってくれた…………







口は悪いけど、いつもアタシの味方でいてくれた……………………
















“超高校級の日本舞踊家”、『西園寺日寄子』が…ステ―ジの柱に、磔にされていた。







今日はここまで。



本編と同じ章で同じ被害者がいるって?誰のことです?





CHAPTER3 殺人鬼の存在証明と反証可能性 非日常編





ピンポンパンポン

映像の中のモノクマ『死体が発見されました!!一定の捜査時間の後、学級裁判を、開きます!!』





小泉「…!!」


弐大「ふ、2人もじゃとぉ!?どうしてこんなことを…!?」


豚神「いや…。最初にここに来た時には、西園寺なんていなかったはずだ…っ!!」




小泉「待てよ。もしかしたら…!!」


豚神「ああ、2人の体を調べる必要がある…!!」


弐大「ど、どうしてじゃあ!?」




豚神「死体発見アナウンスが1回しか流れていないからだ!!どちらか1人が生きてるかもしれない!!」



弐大「よし!!ワシのアレがあればどんな瀕死の状態でも治してやれるわい!!」







小泉(こんなことを祈るのは、不謹慎かもしれない…だけど…!!)






小泉(お願い、日寄子ちゃん、生きていて…!!)








しかし…2人の体を調べてみたが…







豚神「おかしい…。やはりどっちも死んでいるじゃないか…」



小泉「そんな…どうして!?」


小泉「なんで…なんでまたコロシアイが起きるの!?」


小泉「どうして…日寄子ちゃんが死なないといけないの…?」




弐大「…ん?小泉。お前さん、口調が元に…」




モノクマ「はいはい、無駄な努力お疲れ様。」


豚神「…モノクマか!?」


モノクマ「はい!!事件のあるところモノクマありですから!!
生きているかの確認なんて無駄だから、ボクがやって来たってわけ!!」




小泉「…ちょっと待ちなさいよ。」


モノクマ「おろろ?」


小泉「無駄…?無駄、だって…?」

小泉「日寄子ちゃんに生きていてほしいと思うことが、無駄だとでも言うの…!?」

小泉「そもそもアンタがいなければ、日寄子ちゃんは…!!」




小泉「う…うぁああああああああああああ!!!!!!」






アタシは無我夢中で、モノクマに飛びかかっ…!!






弐大「待て!!落ち着かんかい、小泉!!」




たと思ったら、弐大に止められた。なんとも皮肉な話かもしれない。





小泉「は、放して、コイツだけは、コイツだけは…!!」


弐大「モノクマへの暴力は校則違反じゃあ!!校則に違反すれば、殺されるかもしれんのじゃぞ!?」



小泉「放っといて!!日寄子ちゃんの…日寄子ちゃんの仇を取るんだぁ!!」


弐大「気持ちは痛いほどわかる!!じゃが、こらえろ!!
ここでモノクマに襲い掛かっても、お前さんが犬死するだけじゃあ!!」


豚神「そうだ小泉。お前の死など、西園寺は望んでいないはずだ…!!」



小泉「くっ…」




小泉「…うぅ……」



小泉「…」




モノクマ「うぷぷぷぷぷ。命拾いしたね、小泉さん。弐大クンに感謝しなよ?」

モノクマ「弐大クンが止めてなかったら、ボクに内蔵された爆弾で小泉さんは木っ端微塵だったんだからね?」


豚神「モノクマ、それよりもどういうことだ。2人とも死んでいるのに、なぜアナウンスが1回しか流れていないんだ…!?」


モノクマ「え―、細かいこと気にしないでよ!!
そもそも死体発見アナウンスは推理の為の物じゃないから、深入りはしないでほしいんだけどな!!」


弐大「噴っ…。都合が悪くなるとだんまりか…。胸糞悪いのう…!!」




豚神「言うつもりがないのなら、質問を変える。
あの絶望病とはなんだったんだ?どうして小泉は、絶望病から突然回復したんだ?」


モノクマ「うぷぷぷぷぷ…。多分、聞いても無駄だと思うよ。
あんなオワコンの病原体なんて、事件が起きちゃったら死滅しちゃうんだよ。」


豚神「…ちっ。確かに、聞いても無駄なようだ。それに、絶望病よりも重要な問題があるようだからな。」




モノクマ「そうですね。というわけで捜査のために、他のみんなもつれてきました!!」




左右田「なっ…!?」

ソニア「また、起きてしまったんですか…!?」

澪田「あば、あばあばあばあばあば…」





モノクマ「そして、例の3人も!!」




田中「何だとっ!?また、哀れな犠牲者が…!!」

狛枝「これまた絶望的だね。立て続けに2人も殺されるなんて…。」

七海「じゃあ…。また、始めないといけないんだね…。」


小泉「生き残りをかけた…捜査…。」




捜査開始




モノクマ「では、恒例になっていますが、まずは…」



モノクマ「“ザ・モノクマファイル[3]”!!」



小泉「3…。もう、3回も起こったのね…。」




モノクマファイル[3]

『被害者:西園寺日寄子。死因は鋭利なもので首を切られたことによる失血性のショック死。
ほぼ即死だった模様。それ以外に、服の乱れなどがみられる。』




モノクマ「じゃ、捜査の方、頑張ってね!!」



小泉「日寄子ちゃん…。アタシがついてあげていたら…」


小泉「…誰よ。誰が、日寄子ちゃんを殺したのよ…。」


小泉「…アタシは、絶対に許さない。日寄子ちゃんを殺した人間を、絶対に。」


小泉「アタシが絶対に、あぶり出してやる…。」




狛枝「うんうん。西園寺さんの死を踏み台にして、小泉さんがより大きく高みへと目指そうとしているね。
その姿は、やはり希望の象徴にふさわしいよ!!」


小泉「…今は、アンタの戯言にかまっている余裕はないの。それ以上無駄口を叩くと、許さないよ。」


狛枝「あれ…。これは予想以上だね。
小泉さん。西園寺さんの死に憤慨するのはいいけど、怒りで我を忘れるようじゃダメだよ。」


狛枝「そんなのじゃ、希望を見失っちゃうかもよ。」



小泉「…何が言いたいのよ。」




狛枝「今のキミはね、怒りのせいですこぶる単純なことにも気付けていないんだよ。」


七海「うん。狛枝くんの希望の話はともかく…。小泉さん、冷静になった方がいい。」


小泉「え…?」



七海「今回のモノクマファイル…。何か、足りなくないかな?」




小泉「あ…。ホントだ…!!これ、おかしいじゃない!!」

モノクマ「え?おかしいって何が?小泉さん、もしかしてまだ絶望病の後遺症が残ってるの?」


小泉「そうじゃなくて!!どうしてモノクマファイルに日寄子ちゃんの情報しかないの!?」


小泉「蜜柑ちゃんの情報はどうなったのよ!!」


モノクマ「うぷぷぷぷぷ…。今頃気づくなんて。小泉さんは、罪木さんが死んだことには何も感じていないのかな?」


小泉「っ…!!話を逸らさないでよ!!質問に答えて!!」


モノクマ「何言ってんの、小泉さん。モノクマファイルをボクが渡すのは、事件に関与している人のものだけだよ。」

小泉「はぁ!?それならやっぱり、蜜柑ちゃんのが…!!」




狛枝「小泉さん。悪いけど、モノクマとしゃべるのはそのくらいでいいよ。」

小泉「え!?」


狛枝「モノクマファイルが渡されない理由…。おそらく、“あるル―ル”が適用されているんだね。」

小泉「あるル―ル…?」

狛枝「ほら、電子生徒手帳の12項目を見てごらん。」




12.裁判に関する詳しいル―ルは、適宜説明します。




小泉「どういうこと?」


狛枝「つまり学級裁判のル―ルの中に、まだボクたちが知らない物があるんだよ。
“適宜”っていうのもあいまいだし、モノクマが説明する気もないなら、今のところ答えは出せないよ。」


狛枝「ル―ルとしてほのめかされたのは、“犯人が自明の場合死体発見アナウンスは流れない”という奴だけだろうね。」

七海「そのル―ルは、今回の裁判では重要になりそうだね。覚えておいた方がいいよ。」


小泉「…そうね。」




七海「小泉さん、だいぶ落ち着いた?西園寺さんの死の真相をつかむためにも、冷静さは必要だよ。
そして、私たちがどう行動するべきなのか、ちゃんと見極められるようにしよう。」


小泉「うん…ありがとう、千秋ちゃん。アタシ、目が覚めたよ。
我を忘れて、人殺しとしてしか皆を見られなくなっているアタシなんて、日寄子ちゃんにガッカリされちゃうよね…。」




狛枝「で、もういいのかな?じゃ、ボクは他の場所を調べるから、小泉さんは現場でも調べてきたら?」


小泉「…アンタに言われなくてもやるわよ。」




小泉「まずは、蜜柑ちゃんの死体から調べよう。」


小泉「もう3回目だからかな…。だいぶ慣れちゃったのかな…?死体を見ることに…」



小泉「でも、それを嘆いても仕方ない…。だってもう、検死をしてくれる蜜柑ちゃんは…」




小泉「蜜柑ちゃんは、ライブハウスの照明バトンに縄をひっかけて、首を吊っていた。」


豚神「おい、小泉。このロ―プをよく見ておけ。おそらく、重要な手がかりだからな。」

小泉「え?うん…。」



小泉「う~ん、良くわかんないな…。ロ―プなんて見ても、何も分かんないよ…。」

豚神「これだから素人は困る…。罪木の首の跡と、このロ―プのこすれ方…。」


七海「ほほう。こういうのは私に任せて。この跡はね、線条痕と言ってね。
絞殺か首吊り自殺なのか。はっきりわかっちゃうんだ。」




豚神「そして、この傷痕の場合…。絞殺ではないな…。」


小泉「絞殺じゃない…?」

七海「つまり…。彼女は間違いなく首を吊って死んだんだよ。」


小泉「じゃあ、蜜柑ちゃんは自殺だったの?
それなら犯人が自明ってことで、死体発見アナウンスが流れなかったのもうなずける…。」



七海「いや、それはまだわからないよ…。」


小泉「え…?」




七海「あと、ここには血の跡があるね…。犯人が拭き取ったのかな…。」


豚神「そういえば、あの映像はこのあたりで撮影されていたのか?
背景のカ―テンも黒いもので一致しているし、画面が赤くなった時に血がここに流れたというのも筋が通る…。」


七海「撮影?」




小泉「あ…。撮影ってのはね、アタシと豚神しか見てないんだけど…。」

小泉「ここで誰かが誰かをナイフで刺した場面を、誰かが撮影してたんだ。」


七海「じゃあ、このロウソクもそれに使われたのかな?」

七海「う~ん…。犯人はどうして撮影なんかをしたのかな?」


豚神「それは、捜査を続ければわかるだろう。」




小泉「うん…。でも、こんな黒いカ―テン、元からあったっけ?」

小泉「それに、なんでこんなものをかける必要があったのかな?」


七海「それは、まだわかんないね…。」



小泉「モニタ―とカメラは、壊されてないね…。ここにおいてある…。」

小泉「じゃ、やっぱり撮影場所はここなのかな?」


豚神「まぁ、間違いあるまい。」




七海「そして、罪木さんをぐるぐる巻きにしていたこれは…。壁紙かな?」


豚神「たしか映像で、簀巻きに使用されていた布のような物は…。これの裏側を使えば、一致するな…。」

小泉「じゃあ、映像の簀巻きの人物は蜜柑ちゃんだったのかな…。」

七海「ということは、罪木さんのお腹に刺さっているナイフは…」

小泉「たぶん撮影で画面に血が流れたときに、撮影していた犯人が…!!」




豚神「しかし、妙ではないか?」


小泉「え?」


豚神「出血が少なすぎる。これだけ深々と刺したら、もっと派手に血が流れているはずだ。」


七海「まぁ、とりあえず罪木さんはこれくらいかな。」




小泉「じゃあ、次は日寄子ちゃんだね…。」

小泉「日寄子ちゃん…。アタシが、ちゃんとついてあげていたら…。」

七海「そう言っても仕方ないよ…。とにかく、今は事件のことを考えよ?」



小泉「でも、おかしいよね…。どうして日寄子ちゃんはここにいるのかな?だって、ずっと閉じこもってたんでしょ?」


ソニア「も、もしかしたら、わたくしのせいかもしれません…。」

七海「ソニアさん。いったいどういうことかな?」


ソニア「西園寺さんは小泉さんがいなかったので、着付けがうまくできなかったみたいなんです…。」


ソニア「そこでわたくしは西園寺さんに、
『ライブハウスに全身を見られる鏡があるのでそれを使えばどうですか』と伝えたんです…。」





小泉「…やっぱりアタシが、モ―テルに残っていたら…。」






小泉(いや…。やめよう。“もし”とか“たら”の話なんて、考えるだけ虚しくなるだけだ…。)



小泉(今は、捜査に集中しよう。)




小泉「日寄子ちゃんが自分のカギを持っているのは本編と同じだけど…」


小泉「日寄子ちゃんはいつここにぐるぐる巻きにされたの?
蜜柑ちゃんを最初に発見してから、弐大とここに到着までの短時間で、こんなことできるのかな?」


ソニア「豚神さんの話によると、ライブハウスは密室にされていたのですよね?
それによって時間を稼いだのではないでしょうか?」


田中「しかし…密室の中で西園寺を磔にしたのなら、犯人はライブハウスにずっといたはずだ。
我らがここへ集まった時、ライブハウスの中に居た人間はいたのか?」


澪田「う~ん…。真昼ちゃん、白夜ちゃん、猫丸ちゃん以外にいた記憶がないっすよ!!」

小泉「アタシ達3人は同時にライブハウスに来たから…やっぱり、密室のトリックが分からないな…。」




弐大「こういうのはどうじゃ?
ライブハウスにずっと息をひそめておき、みんなが集まった時にひょっこり姿を現したとか…。」


左右田「有り得なくはなさそうだけどよ…。他に可能性はね―のか?」


豚神「壁紙を使えばどうだ?壁紙は、どうやら2枚あったみたいだな…。」

澪田「そうっす!!壁紙は最初っから2枚しかないっす!!ずっとライブハウスに入り浸ってた唯吹が断言するっす!!」

左右田「オレも澪田に付き合わされた時に、確認済みだ。」


小泉「でも、壁紙をどう使えばいいの?」

豚神「その説明は面倒だ。学級裁判まで待て。」

澪田「ぐぎぎぎぎ…。超気になるっすよ白夜ちゃん…。」


豚神「…俺が言いたいのは、ライブハウスにずっといなくても今回の犯行は可能だということだ。」

弐大「何じゃとお!?まさか、魔法でも使ったんか!?」

小泉「まさか、それはないでしょ…。」




田中「そしてこの2人は、見立て殺人のようだな。」

小泉「え?」

田中「映画館で上映されていただろう。モノミが首を吊り、磔になり、メカが破壊されたというやつだ。」

小泉「ん~、アタシ、見てなかったしな。」



七海「ちなみに、上映時間は2時間だよ。」

小泉「絶対見たくない。」




小泉「でも、完全に見立てるにはもう1人殺さないといけないんじゃないの…?」

ソニア「1人では2人までしか殺せないというル―ルがありますから、途中まで見立てたのではないでしょうか?」

豚神「結局、今の段階では推測の域を出ない。他の手がかりを探すぞ。」

小泉「うん…。」




小泉「そして倉庫だ。ここに鏡があったのね…。」



小泉(これを壊していたら、日寄子ちゃんは…?)




小泉「壁紙がしまってある…。あれ?」

狛枝「どうしたの?」


小泉「この壁紙…。2重に折りたたんだ跡がある。確か蜜柑ちゃんを巻いていた壁紙もそうだったよね…。」


狛枝「人を巻くには大きすぎるからね。
長方形だけど、長い方は天井届きそうなくらいで、短い方でも普通の人の身長の2倍くらいの長さがあるから…。」


狛枝「まず短い方を1回折らないと、人を巻くのは難しいんじゃないかな。」



小泉「そう考えるのが自然だけど…。何で2つともに折った跡がついているの…?」




狛枝「あと、ここに麻袋と患者服があるけど…。何かの証拠かな?」


小泉「これは…。撮影の時に使われていた服と、麻袋じゃないかな?
患者服は犯人しか着ていなかったし、今見つかっている麻袋は蜜柑ちゃんが被ってた1つだけだったし…。」


狛枝「そう…。じゃ、ここで調べることはこれくらいかな。」




小泉「ところで、これってポイ捨てに引っかからなかったのかな…。
ライブハウスに置いていたモニタ―もそうだけど…。」



モノクマ「それはですね。教師の権限がボクに移ったので、ポイ捨ての基準を緩くしてあげたんだよ!!」

モノクマ「重要な証拠を海にポイとか、程度のはなはだしいもの以外はポイ捨てに入らないことにしました!!」

モノクマ「だってせっかく事件が起きてくれたのに、ポイ捨てなんかで台無しにするのはもったいないじゃん!!」



小泉「クッ…。結局は、アンタの都合のいいようにできているのね…。」




小泉「最後に扉前か…。」


左右田「おい、いいものを見つけたぜ!!」

小泉「いいものって…?」



左右田「ドラムスティックだぜ!!これを使えば、中から鍵がかかっているようにすることができんじゃねぇか!?」

弐大「なるほどのう。だからあの扉は、簡単には開かんかったんか。」




小泉「やれやれ、九頭龍がいないから誰がそのかませ的な役目を負うかと思えば…」

小泉「まぁ、予想通り左右田あたりがそれを言い出すんじゃないかと思ったわ。」


左右田「なんかよくわかんねぇけど、すごく馬鹿にされてんな…?」


小泉「ほら、扉の隙間に接着剤が塗られている。これなら、外からでも密室を作ることは可能なのよ。」

左右田「チクショウ…。全部本編の七海の受け売りのくせに…。」


小泉「えっと、ライブハウスで調べることはこのくらいかな…。」




言弾:絶望病を獲得!!

言弾:撮影の内容を獲得!!

言弾:20分ほどの密室を獲得!!

言弾:1回しか鳴らない死体発見アナウンスを獲得!!

言弾:モノクマファイル[3]を獲得!!

言弾:死体発見アナウンスのル―ルを獲得!!

言弾:罪木の死体の状況を獲得!!

言弾:西園寺の死体の状況を獲得!!

言弾:照明バトンを獲得!!

言弾:ロ―プの状態を獲得!!

言弾:拭き取られた血痕を獲得!!

言弾:黒いカ―テンを獲得!!

言弾:モニタ―とカメラを獲得!!

言弾:両方に折り目がついている壁紙を獲得!!

言弾:ロウソクを獲得!!

言弾:ナイフを獲得!!

言弾:ソニアの西園寺に対する助言を獲得!!

言弾:見立て殺人を獲得!!

言弾:麻袋を獲得!!

言弾:患者服を獲得!!

言弾:接着剤を獲得!!

言弾:ドラムスティックを獲得!!




小泉の見取り図→ http://i.imgur.com/VRuC4BF.png




キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン

映像の中のモノクマ『え―そろそろ創めちゃっていいですよね?ではオマエラ、モノクマロックまで行ってください!!』





小泉「え?早い…。まだ、ライブハウスしか調べてないのに…。」




小泉「また始まるのか…。もう、3回目か…。」






小泉(“超高校級の保健委員”、罪木蜜柑…。いつもドジばかり踏んで、被害妄想の激しい子だったけど…)


小泉(保健委員として、アタシたちに精一杯協力してくれていた。)


小泉(日向の検死だってそうだし、昨日まで病気にかかったアタシたちを、献身的に看てくれていた…。)




小泉(そんな蜜柑ちゃんが…。どうして…)








小泉(“超高校級の日本舞踊家”、西園寺日寄子…。いつも毒舌で、排他的な性格をしていたけど…)




小泉(でも、アタシのことを1番慕ってくれていた。)




小泉(おいしいグミを教えてくれた。着付けができないって泣きついて、アタシを頼ってくれた…。)






小泉(それなのに…。アタシは日寄子ちゃんを、守ってあげられなかった…。
あの時、アタシがモ―テルに残りたいと言っていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに…。)






小泉(でも…だからこそ…。アタシは、2人の死の理由を知らなければいけない…。
どうして蜜柑ちゃんと日寄子ちゃんが、死ななきゃいけなかったのかを…)


小泉(それが蜜柑ちゃんと…日寄子ちゃんの死を弔うことになると信じて…。)





小泉(だって…そうとでも思わなきゃ…こんな現実、とてもじゃないけど受け入れられない…!!)




小泉(やるしかない…。泣いている場合じゃない…!!)







小泉「アタシたちの生き残りをかけた…3回目の、学級裁判!!」






というわけで捜査編終了。明日からは学級裁判です。


3章の裁判はちょっと短いかも。




CLASSROOM TRIALS 3




モノロ―グ



またしても起きてしまった連続殺人…。


その被害者は、献身的な介護をしてくれていた罪木蜜柑と、小泉の1番の友人である西園寺日寄子であった…。


西園寺を殺されて心底穏やかではない小泉だが、冷静さを失っては足元をすくわれかねないのが、学級裁判だ…。





コトダマ一覧




1.絶望病

『今回の動機。今までに犠牲になった人間の性格になってしまう病気。
今回の事件とどう関係しているのだろうか?』



2.撮影の内容

『【そこに映っていたのは…

麻袋を被り、患者服を着ている者。

そして、布のようなもので簀巻きにされている、やはり麻袋を被った者。

その2人だった…。

薄暗くてよくわからないが、簀巻きの方はぐったりとしているようだ。

そして、患者服の方はナイフを手に持っている…


と思うと、患者服の方が簀巻きの方を引きずり、画面から見えなくなった…。

そして、その瞬間…!!


画面が真っ赤になり、それ以上何が起こっているのかは分からなくなった…。】』



3.20分ほどの密室

『豚神と小泉が1度ライブハウスを離れ弐大を連れてきたとき、なぜかライブハウスの扉は開かなかった。
それをこじ開けるのに、3人がかりで20分かかった。
ライブハウスの中に人がいたとして、20分で何ができるのだろうか?』



4.1回しか鳴らない死体発見アナウンス

『罪木、西園寺の2人の犠牲者が出たにもかかわらず、死体発見アナウンスは1回しか流れなかった。理由は不明。』





5.モノクマファイル[3]

『【被害者:西園寺日寄子。死因は鋭利なもので首を切られたことによる、失血性のショック死。
ほぼ即死だった模様。それ以外に、服の乱れなどがみられる。】

今回のモノクマファイルは西園寺のファイルだけで、罪木のファイルは配られなかった。
モノクマが言うには、【事件と関与していない人間のファイルは渡されない】らしいが…。』



6.死体発見アナウンスのル―ル

『【犯人が自明の場合、死体発見アナウンスは流れない。】
今回の事件では、このル―ルが適用されているとみて間違いない。』



7.罪木の死体の状況
『麻袋を被り簀巻きになっている状態で、ライブハウスの照明バトンに首を吊っていた。
他にも、腹部にはナイフが突き刺さっていたが、その出血量は異常に少なかった。
撮影で画面が赤くなった際に、罪木にナイフが刺されたと推測するのが妥当か。』



8.西園寺の死体の状況

『ライブハウスの柱に磔にされていた。
罪木とは違い、麻袋も着けていないし、簀巻きにもされていない。』



9.照明バトン

『罪木を吊っていたもの。照明バトンを上下することは、パネル1つで簡単にできる。
操作パネルの位置はこれ→(http://i.imgur.com/uhHc0z6.png
昨日あげた図はパネルを書き忘れてるので、こっちを参照してください。』



10.ロ―プの状態

『豚神と七海いわく、ロ―プの状態と罪木の線条痕から推測するに、今回の罪木の死因は間違いなく【首吊り】らしい。』





11.拭き取られた血痕

『ライブハウスのステ―ジに残されていた血痕。
撮影で、画面が赤く染まった際に、ここに流されたものだと推測できる。』



12.両方に折り目がついている壁紙

『ライブハウスにあった壁紙。壁紙は2つしかないが、どちらにも折り目がついている。』



13.黒いカ―テン

『ライブハウスのステ―ジに、不自然に取り付けられていたカ―テン。
今のところ、取り付けられた理由は不明。』



14.モニタ―とカメラ

『ライブハウスに無傷で残っていたので、撮影場所はライブハウスで間違いなさそうだ。』



15.ロウソク

『撮影に使われたと思われる。明りなら照明バトンを使えばいいはずなのだが…』



16.ナイフ

『罪木の腹部に刺さっていたナイフ。ライブハウスに残っていた凶器は、恐らくこれだけ。』




17.ソニアの西園寺に対する助言

『西園寺がライブハウスに行った理由は、着付けを1人でするため。』



18.見立て殺人

『映画館でやっていたもの。1人目は首吊り、2人目は磔。
3人目のメカは、バラバラにされていた。今回の事件と、2人目までは一致している。』



19.麻袋

『撮影では簀巻きの人間と患者服の人間が被っていて、現場では罪木が被っていた。
現場の倉庫に、もう1つ麻袋が残っていた。』



20.患者服

『撮影で、ナイフを持っていた方が着ていたもの。これも倉庫に残されていた。』



21.接着剤

『恐らくこれでライブハウスの密室を作った。これを使えば外側からでも密室を作れる。』



22.ドラムスティック

『ライブハウスの中に落ちていた。これだと内側からしか密室を作れない。』




モノクマ「まずは、学級裁判の、簡単な説明から始めましょう!!」


モノクマ「学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます!!
正しいクロを指摘できれば、クロだけがオシオキ。」


モノクマ「だけどもし、間違った人物をクロとした場合は…。
クロ以外の全員がオシオキされ、みんなを欺いたクロだけが、この島から出る権利を与えられます!!」




狛枝「始めるのはいいんだけどさぁ~。ボクは事件の流れをちゃんと把握できてないんだよね~。
ほら、ずっと寝てたからさ。」


小泉「狛枝とかいう希望厨には教えたくないな。」

田中「しかし、俺様や七海も病院で寝ていたからな。どちらにせよ、事件のあらすじを説明願おうか。」

小泉「そっか…。じゃ、順を追って話すね。」


小泉「え―っと、7時ちょっと前にモニタ―のランプが光ってたんだ。
緊急事態かもしれないからさ、それをつけてみたんだよね。そしたら…」




狛枝「で~も~。今の話って、どこまで信用していいのかなぁ~?」


小泉「いや、まだ何も言ってないんだけど…」


狛枝「だって、映像を見たのも、ライブハウスに駆け付けたのも、小泉さん1人なんでしょ?それなら、いくらでも嘘を」


豚神「小泉1人ではない。俺と2人でだ。」


狛枝「あれ…違った…?こりゃ参ったね!!笑ってごまかすしかないみたいだね!!」



狛枝「あっはははははははは、あっははあははははははっは!!!!!!」




小泉「うるさいよ!!1章で覚醒したときのような声で笑わないでよ!!」

左右田「どちらかというと、5章でオレが吹っ飛んだ後の笑い声じゃねぇか?」

七海「どうでもいいから、おさらいの続きをしてよ。」




小泉「とにかく…。モニタ―を起動してみたら、誰かが誰かを刺した瞬間を映してて…。
いてもたってもいられなくなったアタシと豚神は、急いでライブハウスに行ったの。」


小泉「でも、間に合わなかった…。そこにはお腹にナイフを刺されて、照明バトンに吊るされた蜜柑ちゃんが…」


狛枝「ふ~ん。それで?」


小泉「アタシたちは2人しかいなかったから、死体発見アナウンスが流れなかったのよ。
だからモ―テルに行って、弐大を呼んできたの。」




豚神「そうすると、なぜか扉が閉まっていたのだ。最初に来た時にはすんなりと開いたのだが…」

弐大「おそらく、ここに犯人が何かを仕掛けたんじゃのう…。」

小泉「ま、それは置いておくとして、扉と10分ほど格闘してアタシたちは何とかライブハウスに入ることができた。」




ソニア「しかし、弐大さんと豚神さんもいたのですよね?普通に考えればもっと早くこじ開けられたのでは?」

弐大「2人の気合が足りんかったんじゃあ。」

小泉「ちょっと、人のせいにしないでよ。」

豚神「何が原因かというと、俺たち3人は全く息があってなかったことだな。」


澪田「個性的な2人に、1人地味な人が混じっていたからじゃないっすか?」

小泉「ガ-ン!!」

狛枝「こ、小泉さん、気をしっかり持って!!」




小泉「と、とりあえず…。グフッ、ライブハウスに入ることができたアタシたちは…。
クッ、またしても予想外なものを…。ゴハァ!!」(吐血)


田中「相当ショックだったのだな…。」


豚神「そう、そこにあったのは罪木の死体だけではない、西園寺の死体まであったのだ…!!」

弐大「そこで、死体発見アナウンスが流れたんだったの。」

小泉「それも、1回だけね…。」ハ-ハ-


狛枝「さすがは希望の象徴だね!!もう立ち直りかけているよ!!」




澪田「え~。どうして1回しか流れなかったんすか!?だって2人は確かに殺されてたっすよ!?」


小泉「それはよくわからない…。
けど、モノクマファイルが日寄子ちゃんのものしかないところを見ると、蜜柑ちゃんの死に何か秘密があるんだよ。」


左右田「モノクマのやることだから、ただの嫌がらせなんじゃねぇのか?」

七海「そういうわけにもいかないよ。前回だって、小泉さんを助けたことには裏があったでしょ?」

左右田「モノクマめ…。狛枝みたいにメンドくせ―ことしやがる…。」




豚神「そして、モノクマがやって来たあたりから小泉は突然、病気から快方に向かったのだったな。」

小泉「結局、あの絶望病ってなんだったのかな…。」



狛枝「それが事件の流れだね。ありがとう。よくわかったよ。」


狛枝「で~も~。今のはな 小泉「黙ってて」論破


七海「映像を見たのは2人いたみたいだから、その証言は一応信用できるかな…。」




小泉「今回も謎がいろいろあるみたいだけど…。どこから行こう?」


左右田「やっぱり、アリバイからじゃねぇか?」

小泉「アリバイ?いつの?」

左右田「ンなもん当然、7時あたりのだよ。だって殺人は7時ぐらいに起きたんだろ?」

弐大「6時50分から7時20分程度にアリバイがあれば、完璧じゃのう…。」




小泉「う~ん。アタシと豚神、弐大にはアリバイがあるよ。
だって、3人で一緒にいる間に日寄子ちゃんが殺されちゃったんだから…。」


ソニア「それなら、そのアリバイは完璧ですね…。」


狛枝「病院にいたボクと七海さんと、田中クンは除外でいいかな?」


豚神「まあ、問題なかろう。
たとえお前達が動けたとしても、俺たちがライブハウスに向かった時にはその3人は病院にいた。」




左右田「ちなみに、オレとソニアさんにはアリバイがあるからな。オレがずっと話しかけてたからな!!」

小泉「ずっと…?」


ソニア「しつこいので無視していたのですが…。
モ―テルの部屋に戻った後も、外から呼びかけられていたのです。」


小泉「やってることがスト―カ―じゃない!!」

左右田「スト―カ―じゃねぇ!!一途なだけだ!!」

弐大「それをスト―カ―と呼ぶんじゃあ…。」


田中「許せんな。俺様が健在なら、漆黒の炎をまといて左右田を闇に葬っていたのだが…」

ソニア「大丈夫です、田中さん!!わたくしは膝の軽い女じゃありませんから!!」

左右田「惜しい!!もう少し上です!!」




狛枝「でもソニアさんは、本編では田中クンと日向クンのどっちにも好意を見せてたよね。」

小泉「だから2股とか言われて、人気も落ちたんだったね…。」


澪田「それとは対照的に、ペコちゃんは創ちゃんを相手にしてもぶれずに冬彦ちゃんラブを貫くっすよね!!」

弐大「それでもやはり、人気が落ちてしまったんじゃがな…。」

ソニア「どっちにしろ絶望です…。6章での究極の選択よりもつらい選択です…。」


左右田「いい加減にしろお前ら!!話が脱線しすぎだ!!」




七海「とにかく、それならアリバイとして成立するかもね…。」


ソニア「ということは、今アリバイがないのは…」



怪しい人物を指名しろ


安価↓1




澪田「うげげ!!唯吹だけっすか!?」


左右田「へっ、今回はもう決まっちまったな。残念だぜ。オレの鋭い推理力を披露することができないなんてな!!」


澪田「大変っす―!!唯吹は自分の部屋で寄り目の練習をしていただけなのに、濡れ衣を着せられようとしてるっす―!!」




豚神「ふん、結論を出すのは早すぎる…。この事件の謎は、まだほとんど解けていないからな…。」

小泉「じゃ、がんばってね左右田。」

左右田「え!?ちょ、ちょっと待て…」

澪田「調子に乗るからっすよ―!!」





弐大「謎と言えば、やはり密室じゃないか?ライブハウスは、誰が密室にしたんじゃあ?」

七海「うん。それの答え次第でアリバイの意味も変わってくるよ。」

澪田「良くわかんないけど、とにかく唯吹の潔白を証明してほしいっす―!!」


ソニア「やはり気になるのは、ドラムスティックでしょうか…。」

七海「ドラムスティックの場合、内側からしか閉められないよ。」

澪田「え~っと…。その場合…」

田中「犯人はずっとライブハウスに息を潜ませていたことになるな。よって…」

狛枝「犯行は澪田さんにしかできない…。そうなっちゃうね。」

澪田「ギャ―!!それだけは勘弁してほしいっす!!」




左右田「しかし、可能性はそれだけじゃねぇ。確かあの扉には、接着剤がついていたはずだ。」

豚神「その場合、外からも密室を作ることが可能だ。」

弐大「ん?その場合、犯人は澪田以外の可能性があるんか?」


豚神「内側から閉めるメリットは、ライブハウスでの偽装工作の時間稼ぎ…。
そうなると犯人はアリバイのない澪田に絞られるが、外側からなら別の可能性が生まれる。」




ソニア「別の可能性ですか?」


豚神「7時の時点ですでに偽装工作を終えていて、誰かがまだ中にいると錯覚させることだ。」


澪田「さすが白夜ちゃんっす!!つまり、誰かが唯吹に罪を被せたんっす!!」


田中「しかし、豚神と小泉がライブハウスに行って戻るまでのおよそ10分…。
その間に、西園寺を殺し、磔にし、接着剤までつけたというのか?」


豚神「それを可能にする方法がある…。」




PHASE1 議論開始!!



言弾:(>>217>>218>>219>>220


19.麻袋

20.患者服

12.両方に折り目がついている壁紙

22.ドラムスティック





弐大「一連の犯行を可能にする方法とは、何じゃあ?」

田中「まさか、古より眠る[エジプト文明の呪いを駆使した]というのか…!!」

左右田「相変わらず、よくそうポンポン言葉が出るよな…。」


豚神「そもそも、【西園寺がずっと前から死んでいた】としようか。」

小泉「ずっと前…?それって、撮影の前からっていう意味?」

豚神「そして、[予め西園寺を柱に磔にしておき]、【壁紙で一回り大きい柱を作り】、西園寺の死体を隠しておいた。」


豚神「そして俺たちがライブハウスを離れた後、壁紙をはがして西園寺の死体を出現させる。
その後壁紙を片付け、扉に接着剤をつける…。これだけなら、[10分あれば十分だ]。」


澪田「すごいトリックっす!!異口同音っす!!」

弐大「もしかして、前代未聞と言いたいんか?」

澪田「ぶっひゃ―!!唯吹なんかが四字熟語なんか使うべきじゃないっすね―!!」

左右田「なるほどな…。じゃあ、やっぱり【密室は外から作られた】んだな!!」




小泉(う~ん…。やっぱり密室は外側から作られたのかな…?)


安価↓2



正解


両方に折り目がついている壁紙→ 【壁紙で一回り大きい柱を作り】



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!




豚神「何だと…?俺の言っているところに何か間違いがあるとでもいうのか…?」


小泉「あの壁紙は、本当に柱を覆うのに使われていたの…?」

豚神「そうでないという根拠があるのか?」


小泉「だって、あの壁紙は2枚しかないけど、そのどっちにも折り目がついていたんだよ?
その折り目を付けたのって、犯人しかいないよね。」


ソニア「それがどうかしたんですか?」




小泉「だって、おかしいよ。柱を覆うためなら、壁紙を折るなんて絶対やらないよ。
柱の形が歪になってアタシたちに気付かれたら、おしまいなんだよ?」



狛枝「なるほどね。つまり小泉さんは、こう言いたいわけだね。豚神クンの言ったショ―トカットは使われなかったと。」




狛枝「つまり、密室は内側から作られたと。」



澪田「えぇ!?そんな、嘘っすよね真昼ちゃん!!」


小泉「…」





小泉「でも、そうとしか考えられない…。」



澪田「え…!?」


ソニア「つ、つまり小泉さんは…澪田さんが犯人だと、そう言いたいわけですか!?」

小泉「え!?いや、そういうわけじゃ…」




七海「結論を出すのはまだ早いんじゃないかな。すべての謎を解き明かしてから結論を下しても、いいんじゃないかな?」


田中「では、議論をさらに発展させるぞ。あの密室は、偽装工作の時間を稼ぐために作られたのだな?」


狛枝「そして、みんなが現場に集まるのに乗じてひょっこり現れた…。うん、そう考えるのが普通かな。」




左右田「壁紙の両方に折り目があったのはなんでだ?そもそも、なんで密室を作ってまで時間を稼ぐ必要があったんだ?」


小泉「それを解明するには、アタシと豚神がみた映像について考えればいいんじゃないかな?」

弐大「しかし、それは豚神と小泉にしかわからんことじゃのう…。」

ソニア「やはり、2人に頼るしかないんですね…。」


澪田「…」




今日はこのくらいで終了です。

明日明後日は土日だから、多めに投下できるかも。



撮影の内容


『そこに映っていたのは…

麻袋を被り、患者服を着ている者。

そして、布のようなもので簀巻きにされている、やはり麻袋を被った者。

その2人だった…。

薄暗くてよくわからないが、簀巻きの方はぐったりとしているようだ。

そして、患者服の方はナイフを手に持っている…


と思うと、患者服の方が簀巻きの方を引きずり、画面から見えなくなった…。

そして、その瞬間…!!


画面が真っ赤になり、それ以上何が起こっているのかは分からなくなった…。』




狛枝「その撮影に使われた麻袋や患者服は、ライブハウスの倉庫にあったよ。」

田中「その2つから、犯人を割り出すことはできんのか?」

澪田「麻袋も患者服もロケットパンチマ―ケットにあるから、特定は不可能っす!!」

ソニア「それでは、その2つは大した証拠ではなさそうですね…。」

小泉「でも…。その2つと、モニタ―・カメラ・ロウソクが現場に残っていたということは、
やっぱり撮影現場はライブハウスで間違いなさそうだよ。」




七海「じゃ、次は壁紙だね。その映像では誰かが壁紙で巻かれていたらしく、現場でも罪木さんが巻かれていたけど…」

左右田「何か問題あんのか?その映像の奴が、罪木なんだろ?」

小泉「いや…。そうとは限らない…。」

左右田「へ?なんで?」

小泉「なぜなら…」





1.西園寺と罪木は体格が違う

2.簀巻きになっているのは左右田

3.壁紙は2つ折り目がついていた




安価↓1



正解


小泉「これで証明できる!!」解




小泉「壁紙は2つ使用されていたんだよ。そもそも壁紙を折る理由は、人をぐるぐる巻きにするため以外には考えづらい。
だから蜜柑ちゃんは、別の壁紙で巻かれていたのかも…」


弐大「ん?人を巻くことで、何の意味があるんじゃあ?」


狛枝「おそらく、映像の人の体格をわかりにくくしたんだね…。
患者服でもいいような気がするけど、着せるのも脱がせるのも時間がかかるからね。」


ソニア「ちょっと待ってください。なぜ、体格をわかりにくくしたんですか?」

小泉「それは…。1つしかない。」



1.映像の簀巻きが西園寺

2.映像の簀巻きが罪木

3.崩れたボディラインを隠すため




安価↓1



正解


小泉「そっか…!!」解



小泉「わざわざそうする目的は、映像の簀巻きの人間を誤認させることだよ。」

田中「確かに…。貴様らのような凡人なら、映像の簀巻きの人間が罪木だという安直な答えに飛びつきそうだからな…。」

左右田「えっ!?違うの!?」



小泉(“貴様らのような凡人”の代表者だ…。)


七海「でも、それも無理もないかもね。
だって映像の人も、現場での罪木さんも簀巻きになっていて、西園寺さんは簀巻きになんかなってなかったもんね。」




弐大「しかし、なんでそんなことをする必要があったんじゃあ?
簀巻きの人物が西園寺だろうと罪木だろうと、なんも変わらんじゃろう。」


澪田「犯人の意図がさっぱり読めないっすね。今回のクロって、殺人を楽しむ愉快犯なんすかね…?」


小泉「う~ん…。2人を別々の壁紙で巻いた謎は、映像の話をすべて終えたらわかる…と思うけど…」


ソニア「自信なさ気ですね…。」




豚神「では、次はナイフの話に移るぞ。」


田中「ナイフか…。現場では罪木に刺さっていたが、映像に映っていたのは西園寺だったのだろう?」


小泉「あれ…。おかしいな。撮影では間違いなく、画面が真っ赤に染まったはずだよ…。
そこで誰かをナイフで傷つけたのは間違いないはずだけど…」




澪田「見えないところに蜜柑ちゃんがいて、映像に映らないところで蜜柑ちゃんを傷つけたとかは?」

小泉「それって、カメラの近くで蜜柑ちゃんを傷つけることで、カメラに血をかけたってこと?」


豚神「それはおそらくない。なぜかというと、図を見てもらいたいが…」



小泉の見取り図→(http://i.imgur.com/uhHc0z6.png



豚神「ステ―ジの奥の方に罪木の首吊り死体があったのだ。」

豚神「しかし撮影の死角となるのは、むしろステ―ジの手前だ。」


ソニア「う~んと…。趣旨がよくわかりません。面目ありませんです。」

七海「じゃあ、そこをみんなで話し合ってみよっか。」





PHASE2 議論開始!!




言弾:(>>217>>218>>219>>220


13.黒いカ―テン

16.ナイフ

2.撮影の内容

3.20分ほどの密室





狛枝「今話し合っているのは罪木さんの体が、死角であるカメラの手前にあったかどうかだね。」


豚神「[罪木は照明バトンに首を吊っていた]のだ。」

豚神「撮影場所と思われる場所のど真ん中にいたのだから、【死角に潜り込めるはずがない。】」


ソニア「ふむふむ。でもそれは、[小泉さんと豚神さんが発見した時の話]ですよね?」

左右田「オレも賛成ですよソニアさん!!まだ可能性は残っているぜ!!」

弐大「どういうことじゃあ?」


左右田「つまりだ。
撮影の時はカメラの手前に罪木がいて、【撮影の後に罪木の体を移動させて、首を吊らせればいいんだよ】!!」


七海「う~ん。本当にそんなことができるのかな?」

田中「何か問題があるのか?」

七海「今日の朝の話を振り返ってみればどうかな?」


澪田「んっと。まずは【真昼ちゃんと白夜ちゃんが7時前に映像を見た】んすよね。」

小泉「それでアタシ達はライブハウスに向かったんだよ。」

狛枝「映像を見てからライブハウスに着くまでに、どのくらいかかったの?」

豚神「おそらく、【10分もかかっていない】だろうな。」


狛枝「うん。じゃあ結論は出たね。」

澪田「え?もうっすか?」




小泉(アタシ達が映像を見てからライブハウスに行くまでに…。
犯人がしないといけないことは、どれくらいあったのかな?)


安価↓2




不正解


豚神「今話し合っているのは、罪木の体がステ―ジの奥にあったかではない。」

狛枝「カメラの手前にあったかどうかを話しているんだよ。小泉さん、もう1回頭を整理してごらん。」


小泉(しまった。間違えたみたいだ。)


安価↓1



不正解

豚神「なんだその証拠は。意味がわからんぞ。」

小泉(しまった。間違えたみたいだ。)




かなり難易度が高かったみたいですね…。

ヒントは、言弾の記憶です。

安価↓2



みんな、豚神君を疑いすぎじゃないですか?


論破するのは左右田君です。言弾の記憶ができるのは【】内だけです。


安価↓1




正解


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!





小泉「残念だけど左右田、アンタの推理には無理がある。」


左右田「え?なんでだよ?」


小泉「映像を見てからライブハウスに行くまで、10分もかかってないんだよ?」


小泉「その間に犯人がライブハウスでやらないといけないことは蜜柑ちゃんを吊ることだけじゃないんだから、
そんな時間のかかることができるわけないよ。」


狛枝「罪木さんは結構体重もあるし…。ステ―ジ内で運ぶだけでも、結構時間を食いそうだよね。」




ソニア「ちょっと待ってください。それなら、犯人はどうやって罪木さんを吊ったのですか?
照明バトンは高くにありますし、とても10分やそこらでできるとは思えません。」


弐大「確かにのう。撮影の前に吊ったとしたら、映像に首吊り死体が映ってしまうわい。」

狛枝「あは。それも少し考えれば、わかるんじゃないかな。」

弐大「何か方法があるんか?」




狛枝「撮影前に予め罪木さんの首にロ―プを通しておき、そのロ―プを降ろしておいた照明バトンにくくる。
そして撮影が終わった後、照明バトンをあげるだけでいいんだよ。」


狛枝「照明バトンはパネル1つで動かせるから、1分もかからないよ。」


田中「なるほどな。
明りに照明を使わずにロウソクを使ったのは、照明バトンがおろされていることに気付かせないためか…。」


小泉「うん…。薄暗かったから、バトンが下りていることも、ロ―プが通っていることも、全然気づかなかった…。」




左右田「ちょっと待てよ。その話だど、罪木はすでに死んでたのか!?」

狛枝「その可能性もあるけど…。前回みたいに、薬で眠らせられていただけだったのかもね。」


弐大「なら、今の話には、矛盾はなさそうじゃの…。」



澪田「あれあれ?猫丸ちゃん、気づかないんすか?」

弐大「んぬっ!?」



澪田「あ~あ。そんなんじゃダメっすね~。自主練が足りてないんっすか?」


小泉「い、唯吹ちゃん…?」





PHASE3 議論開始!!



言弾:(>>217>>218>>219>>220


18.見立て殺人

13.黒いカ―テン

7.罪木の死体の状況





田中「じゃじゃ馬よ…。いったい何がおかしいというのだ…?」

澪田「え~!?眼蛇夢ちゃんも気づかないんすか!?テンション低いっすね―!!」

田中「なっ!?[俺様の邪眼の力が弱まっている]…!?」

左右田「んな話はどうでもいいんだよ!!さっさとおかしいところを言いやがれ!!」


澪田「たしか凪斗ちゃんの話だと、【撮影の時に蜜柑ちゃんはステ―ジで横たわってた】んすよね?」

豚神「そうなるな…。」

澪田「なら、撮影のとき、[蜜柑ちゃんの姿が映るはず]なんっすよ!!」

ソニア「そういえば、そうですね…。」

弐大「そうだったんか?小泉。」

小泉「いや…。映ってなかった…と思う。」


澪田「今までの議論と、事実が一致しないっす!!だから、[今までの推理には、どこか穴がある]っす!!」

左右田「どうなんだよ、小泉。」

小泉「ええっと…?」


七海「簡単だよ。何か罪木さんを隠すものがあれば…」


ソニア「隠すと言えば、やはり[壁紙]ですね!!」

左右田「いや、何か[幕状の物で隠した]んじゃねえのか?」

弐大「[画面から見切れていた]んじゃないかのう?」

田中「ふっ…。貴様らごときでは、到達できないのも無理はない…。」

田中「罪木の体は、[闇の力で隠されていた]のだ!!」

左右田「毎回思うが、おまえはよく、そんなことを恥ずかしげもなくいえるよな…。」




小泉(そっか。千秋ちゃんの言う通りだ。そしてそれに使われたのは、不自然に現場にあった…)


安価↓1




正解



小泉「その意見にフレームインね!!」同意


BREAK!!





小泉「唯吹ちゃん…。今までの推理に穴はない…。蜜柑ちゃんの体は、隠されていたのよ。」


澪田「隠されていたんっすか…?」


小泉「ライブハウスの撮影現場にあった、不自然な黒いカ―テン…。
恐らく、その後ろに蜜柑ちゃんの体を隠しておいたのよ。」


小泉「それなら、多少カ―テンがもりあがるかもしれないけど、あの薄暗い状態だったら気付けなくても無理はない…。」




弐大「ということは、撮影に罪木の体を使わず西園寺の体を使ったのは、
隠された罪木の体を撮影に使うことができなかったからじゃのう?」


狛枝「澪田さん、納得できたね。じゃ、話を戻そうか。」



狛枝「映像では誰かが刺されたみたいだけど、それは結局誰だったのかな?
さっきの話では、罪木さんではないんだよね。」




ソニア「じゃ、じゃあ、罪木さんにナイフが刺さっていたのはなんでですか!?」


狛枝「たぶん、ナイフで切られたのが罪木さんだと誤認させるためだね…。
バトンをあげる前に罪木さんにナイフを突き立てておけばいいだけだし、時間をさくようなことでもないよ。」


左右田「ちょっと待てよ…。その時にナイフを刺したんなら、罪木の死因はナイフによる刺殺ってことかよ!?」

澪田「うむうむ。それは間違いなさそうっすねぇ。」




七海「う~ん。それは違うんじゃない?」


澪田「違うんだ!?」


ソニア「どうして違うんですか?」


豚神「罪木は、ナイフで刺された割には、出血が少なかったのだ。」


弐大「それが何か問題なんか?」


豚神「死んで心臓が止まった場合、刺されても出血しなくなるらしい。これは、罪木が言っていたことだがな…。」


小泉「なるほどね…。出血がほとんどなかったのは、刺した前から死んでたからか…。」




中途半端かもしれないけど、今日はこのくらいで。


暇があれば明日も付き合ってください。




再開


狛枝「ま、ということで議論を再開させるよ。
結局映像でナイフによって切りつけられたのは、罪木さんじゃなかった…。」


左右田「ということは、実際にナイフで切りつけられたのは、西園寺だったんだな?」

小泉「うん…。多分…」




豚神「いや、それは違うぞ。」

小泉「え?」

澪田「どうしてっすか?」


豚神「思い出せ…。もし西園寺を切りつけたのなら、撮影場所に血だまりができるはずだ。」

弐大「何か問題あるんか?現場には、ちゃんと拭き取った跡があったぞ。」


小泉「あっ…!!」


ソニア「小泉さん、何かお気付きになられたのですか?」


小泉「うん…。撮影の後に拭き取るのは不可能みたいなんだよ。だって…」






1.血を拭き取るものがない

2.血を拭き取る時間がない

3.西園寺は血を流していない


安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解



小泉「あの時に日寄子ちゃんの首を切りつけたのなら、そこには大量の血が流れるはず…。
でも、それを拭き取った物は見つかってないんだよ。」


左右田「血を拭き取った後に、それを犯人が処分したんじゃねぇのか?」


小泉「それも無理なんだよ。ライブハウスは内側から密室にされていて、犯人はずっとライブハウスにいたはずだから、
ライブハウスの外に処分するのは不可能なのよ。」




七海「つまり…。ライブハウスの血を拭き取ったのは、撮影のずっと前だったんだね。」


弐大「ん?ということは、撮影の時に血痕も写っとったということか?」


狛枝「ロウソクの明かりだけで血痕に気付くのは、なかなか難しいんじゃないのかな?」


澪田「ん―と、要するに…。ナイフで切りつけられたのは、日寄子ちゃんでもないんすね…。」




田中「ふん、なんとも妙な話だ…。では、貴様らが見た赤の世界は何だったというのだ?」

小泉「蜜柑ちゃんでも、日寄子ちゃんの血でもないとしたら…」


豚神「おそらく、偽物の血だろうな。あれがケチャップだったとしても、俺たちは血と勘違いしただろうな…。」

ソニア「ケチャップなら、食べれば隠ぺい可能です!!」

左右田「食べたんだ…。」




狛枝「要約すると、犯人は撮影を終えた後、偽物の血を処分し、罪木さんに麻袋を被せた。」


狛枝「そして罪木さんにナイフを突き立て、照明バトンをあげて罪木さんを吊る。」


狛枝「最後に西園寺さんを倉庫あたりに隠して身をひそめていたんだね。うん、これなら10分要らないかな。」


ソニア「今までの話だと、西園寺さんもすでに殺されていたんですね…。」




小泉「そして、アタシと豚神が出て行った後に扉を接着剤とドラムスティックで閉めて、
その間に日寄子ちゃんを柱に磔にしたんだね…。」


弐大「20分あれば、なんとかできんこともないな…。」


ソニア「そして最後に、皆さんが集まるのに乗じて皆さんに合流したのですね。」

七海「あたかも、たった今ライブハウスにやって来たかのように振る舞ってね…。」


左右田「しかし、えげつねぇことする犯人だな…。
2人も殺した上に、死体にナイフを刺したり、死体を磔にしてもてあそんだり…」






田中「これで大まかな流れはつかめたな…。しかし結局、犯人はなぜこんなことをしたのだ?」


田中「ここまで時間に追われるようなトリックを使い、やりたかった事とは一体なんなのだ?」


ソニア「確かにそうですよね…。わざわざ密室にしてまで西園寺さんを磔にする意味も分かりませんし、
死んだ罪木さんにナイフを突き立てるのだって、わざわざする必要があるんですか…?」


弐大「それを言うなら、そもそもどうして撮影なんかしたんじゃあ?あんな、わざと証拠を残すようなマネを…」



小泉「それは…どうしても、アレがしたかったのかも…」


澪田「“アレ”…?アレってなんっすか?」



弐大「ワシのアレじゃ 小泉「黙ってて」論破





小泉(ひらめきそうだ…。何か…)





PHASE4 閃きアナグラム(改)開始!!




○た○○つじ○



安価↓1




正解


みたてさつじん



小泉「よし、わかった!!」





小泉「犯人がしたかったのは、見立て殺人じゃないかな?」


田中「み、見立て殺人だとぉ!?」





小泉「だって、時間をかける必要があるのかもわからない首吊り死体を作り上げて、
さらに密室にするなんてリスクを負ってまで日寄子ちゃんを磔にするなんて…」


小泉「こんなの、見立て殺人を成立させる以外に、意味があるとは思えない…。」


弐大「なるほどのう。見立て殺人を誇示するために、撮影なんかをしたんじゃのう?」

田中「なんというやつだ…!!破滅のエナジ―をひしひしと感じるぞ…!!」







左右田「しかしよぉ、それで小泉は何を言いたいんだよ?」



小泉「え?」






左右田「そんな残忍なこと、澪田にはできないって言いたいのか?」



小泉「えっと、それは…」








左右田「だってよ、今までいろいろ話し合ってきたけどよ。」




左右田「結局のところ、今までの犯行を行えたのって、澪田だけだろ?」




澪田「カビ―ン!!ぬ、濡れ衣っす!!これは何かの間違いっすよ!!」


ソニア「た、たしかに、澪田さんがあんな残忍なことをするとは、とても思えませんね…。」


澪田「そ、そうっすよ!!そもそも、唯吹には2人を殺すなんて動機はないんっすよ!!」





小泉(動機…。何か引っかかる…。)






PHASE5 議論開始!!



言弾:(>>217>>218>>219>>220


1.絶望病

4.1回しか鳴らない死体発見アナウンス

17.ソニアの西園寺に対する助言

14.モニタ―とカメラ







澪田「唯吹には、【2人を殺す動機なんてない】んっすよ!!」

ソニア「確かに…。澪田さんは、【2人と仲が悪かったわけでもない】ですし…。」

弐大「そいつに、あんなむごたらしいことができるとは思えんのう…。」

左右田「でもよ、そんな感情論じゃ間違った結論にたどり着いちまうんじゃねぇか?」

左右田「つ―かさ!!結局のところ、【澪田が犯人】なんだろ!!」

澪田「い、今の、[誰のマネ]っすか…?」


田中「[今までの推論に、どこか間違いがある]というのか…?」

豚神「澪田ではない他の人物にも、[一連の犯行が可能だった者がいる]のか…?」

七海「それか、[澪田さんではできなかったことがあった]かもしれないね。」



狛枝「まあ、ボクはみんなの出す結論なら、どんなものでも甘んじて受け入れるよ。
それが、【希望のためにだした答え】ならね…。」


ソニア「狛枝さん…?なにか不満でもあるんですか…?」





小泉(ここからは、ほとんど確信を持てないものばかり…。でも、思いつく限りは発言しておかなくちゃね…!!)



安価↓2





不正解




左右田「は?澪田以外の誰だよ?」

田中「ほかの人間には全員アリバイがあるぞ。」



小泉(しまった。間違えたみたいだ。)




コトダマの記憶は【】内だけです。そして今回は記憶は使いません。


安価↓1





わからん…
絶望病→【動機なんてない】かな



正解




【2人を殺す動機なんてない】←絶望病



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!





小泉「いや…。唯吹ちゃんに、動機がなかったとは言い切れない…。」


澪田「え…?」





小泉「むしろ今回の事件には、みんなに動機があるんじゃないかな…。」


澪田「な、なんでっすか!?唯吹が、自分のために他の人を殺すなんて思ってるんすか!?」

澪田「ひどいっす!!真昼ちゃんは、唯吹をそんな風に見てたんっすね!!」


小泉「い、いや…。そういうわけじゃないんだけど…」


狛枝「小泉さん。もっと自信を持っていいよ…。」

狛枝「だってキミは、自分自身の希望に従って前に進んでいるだけなんだから…。」



小泉「…」




小泉「今回の事件では…モノクマが、絶望病っていう動機を提示したよね…。」

弐大「そういえばそうじゃったのう。あれは結局、なんだったんじゃあ?」


小泉「絶望病…。今までに死んでいったみんなみたいになってしまう病気だったよね…。」



ソニア「そうです。田中さんは、終里さんに。狛枝さんは、日向さんに。
七海さんは、辺古山さんに。そして、小泉さんは、九頭龍さんに。…でしたね。」




左右田「あれ…。そういや1人、足りてねぇな…。」


小泉「うん…。花村は、誰も発症しているのを確認できてないんだよ…。」


田中「花村か…。奴は死んだ5人の中では、1番危険だったかもしれんな…。」

弐大「自分の母親の動機を与えられたままじゃったからのう…。」


豚神「しかし花村は、誰も発症しなかったろう?」

小泉「いや…。気付いてなかっただけかも…。」


狛枝「ふ~ん。小泉さんは、既に誰かが花村クンを発症していたと言いたいんだね。」

狛枝「それって誰かな?ま…聞くまでもないか…」




小泉(すでに絶望病にかかっていた、5人目の患者…。それは…)



怪しい人物を指名しろ


安価↓1





不正解


豚神「なぜ俺なんだ!!現実から目をそらすな!!」




小泉(お…怒られちゃった…。)


安価↓1





小泉「絶望病に、唯吹ちゃんがかかっていたとしたら、どう?」


澪田「えぇ!?唯吹がっすか!?そ、そんなわけないっすよ!!」


左右田「しかし、それならつじつまは合うな…。」

左右田「絶望病におかされて気が狂い、あんな愉快犯みたいなことをしたってことだもんな。」


澪田「ち、違うんっすよ~!!何かの間違いっすよ~!!」




小泉「ア、アタシだって…。こんなの信じたくないけど…でも、そうだとしか考えられないんだよ…。」


小泉「だ、だからさ、唯吹ちゃん。アタシの言ったことが間違いなら、何か言ってくれないかな?」

小泉「それでまちがいがあったら、この推論は破綻するからさ…。」


澪田「そ、そんなこと言われたって…」





澪田「うえ―ん!!そんなの、唯吹のようなおバカにはわかんないっすよ―!!」


ソニア「な、泣き出してしまいましたね…。」

弐大「やはり、どこかまちがってるんじゃないか…?こんな奴にあの犯行ができるとは、とても思えんぞ…。」






小泉(犯人は唯吹ちゃんじゃない…?まちがっているのは、むしろアタシのほう…?)






左右田「お、おい!!そんなんで惑わされてんじゃねぇよお前ら!!それが、そいつの手口なんだよ!!」



澪田「ひ、ひどいっす、ひどいっす…。ひっくひっく…」









豚神「…」





澪田「うう…」





小泉「…」



























澪田「うふふ。」




















澪田「あははははははははははははあはははあはははははぁははぁはあはははははは!!!!!」













澪田「あ―――――――――――っはっはっはっはっはっはぁあああ!!!!!!!!!」












小泉「…」











小泉「え?」












唐突に、高笑いを始める唯吹ちゃん……






悪意に染まりながら歓喜するその顔は………




今までの活発な彼女が発していた、純粋で屈託のない笑みなんかじゃなかった……………







彼女の声は……混沌と狂気がないまぜになった、奈落の底にまで響き渡るような……………………







今日はここまで。





澪田「ウッ…」










澪田「クックックックックックッ クックッフヒヒヒ フッフッフッ ホハハハフフフフヘハハハハフホホアハハハ ハハハハフフフ」


小泉「…!?」


澪田「フハハッ クックックッヒヒヒヒヒケケケケケ ノォホホノォホ ヘラヘラヘラヘラ アヘアヘアヘ」


小泉「どうしたの…!?」


豚神「ウヒヒヒ ウハハハハハハハハハ フハハハハハハハ」


花京院「ハハハ クックックックッ」


ソニア「プッ ウヒヒヒヒヒヒヒ!! ハハハハハハハハーッ!」

澪田犯人って決めつける左右田も怪しいし、何よりこのまま澪田がクロじゃ左右田は本当に変態ストーカーになってしまう…!



1です。今日は投下が遅れそうです。暇がある人は、9時くらいに来てください。

念のために言っておきますが、333は1の書き込みじゃないですよ。




再開



澪田「みんなすごいっすね~!!大正解っすよ!!そう。今までの犯行は、すべて唯吹がやったんっす!!」


弐大「は、はぁ!?」

左右田「な、なんだよコイツ…?いきなりキャラが変わってねぇか…?」

ソニア「キャラの崩壊は、2章で小泉さんもやってましたが…」

田中「これが奴の正体なのか…?」

左右田「そもそもこれ、絶望病が関係あんのか!?」




七海「ねぇ、澪田さん。正解っていうことは、今までの推理に間違いはないの?」

澪田「ま、大体はあってるっすね!!」


澪田「予め殺しておいた蜜柑ちゃんと日寄子ちゃんを、ライブハウスの中で簀巻きにしたのも唯吹っす!!」

澪田「そして撮影をして、ケチャップを画面にぶっかけたのも唯吹っす!!その証拠もあるっすから!!」





そういうと唯吹ちゃんは、懐からケチャップの殻(小さな袋だ)と、それを拭いたらしき紙を取り出した…。





澪田「しかし参ったっすね―!!せっかくのエンタ―テイメントだったのに、タネをほとんど明かされちゃったっす!!」


澪田「映像の簀巻きも日寄子ちゃんだってばれちゃうし。
画面が血に染まった時に、蜜柑ちゃんを刺し殺したように見せたかったんすけどね―!!」


小泉「エ、エンタ―テイメント…?なによ、それ…」




澪田「だって、おもしろいっしょ?」


澪田「何者かから連絡が来てると思って、モニタ―を見てみたら…」


澪田「なんとナイフを持った殺人鬼が、簀巻きの人を刺し殺しちゃった!!」

澪田「あわててライブハウスに行ったら、やっぱり蜜柑ちゃんが刺し殺されてたっす!!」

澪田「『誰か助けて~』って言って誰かを呼んでみたら、またしても誰かが殺されているじゃないっすか!!」

澪田「キャ―!!怖いっす!!このままどんどんみんなが殺されていくなんて…!!まるでバトルロワイヤルっすね!!」




澪田「それだけに残念っす。撮影の前から既に殺されてるってわかっちゃったら、怖さも半減っすね…。」

澪田「リアルタイムで殺されていくことに面白味があるのに。凪斗ちゃんの言うとおり、睡眠薬を使えばよかったっす。」



左右田「おいおいおいおい…。言ってることの意味がわかんねぇよ…。」

小泉「…それが、唯吹ちゃんの本性?今まで、ずっとアタシ達をだましてたの…?」

弐大「こ、これじゃあ、本当にただの愉快犯じゃないか!!」

ソニア「伝説の殺人鬼のキラキラちゃんでさえ、ドン引き間違いなしです!!」

狛枝「1章でのボクの豹変が、いい加減な感じで終わらされたからね…。テコ入れでもするつもりかな。」




田中「しかし…。愉快犯となれば、今までの犯行も納得できるな。」


田中「わざわざ自分に不利な映像を小泉と豚神に見せ、犯行の失敗のリスクを顧みずに見立て殺人を成立させた…。」


澪田「ふふん。失敗の可能性が大きいほど、エンタ―テイメントはやめられないっす!!」


澪田「日寄子ちゃんを柱にぐるぐる巻きにするのに思ったより手間取ったのは、肝が冷えたっすよ!!」

澪田「ライブハウスに来た3人の息が合っていたら、すぐに唯吹が犯人ってばれちゃってたっすね!!」


澪田「みんなが集まるときにこっそりみんなの輪にはいった時、誰にも気づかれなかったのも幸運っすね!!
凪斗ちゃんの幸運でも借りたんすかね!!」


小泉「ふ、ふざけないでよ!!
エンタ―テイメントだか何だか知らないけど、なんでそんな理由で日寄子ちゃんが殺されないといけないのよ…!!」





澪田「…真昼ちゃん、唯吹のことが憎いんすか?」



小泉「はぁ…!?」



澪田「そりゃそうっすよね…。真昼ちゃん、日寄子ちゃんと仲が良かったもんね…。」

澪田「それなのに、こんな殺人鬼のために日寄子ちゃんを失うなんて、許せないっすよね。」

澪田「悔しいよね…。やるせないよね…。そのわだかまりをどこかにぶつけないと、やってられないよね…。」








澪田「だから真昼ちゃん、唯吹を裁いてよ!!唯吹を殺すことで、その恨みを晴らしてよ!!」


澪田「親友を手にかけた憎き殺人鬼に、真昼ちゃん自身の手で報復してよ!!」



澪田「唯吹の壮絶で絶望的な死こそが、唯吹が皆に送る最期のエンタ―テイメントなんだから!!」





小泉「…!!」





左右田「うっせうっせ!!もうたくさんだ!!」


ソニア「そ、そうですね…。もう、これ以上話してもしょうがなさそうです…。」


田中「では、投票タイムに身を投じるとするか…。」


小泉「ええ…。お望み通り、早く処刑しちゃいましょう。こんな人殺し。」


小泉「日寄子ちゃんの、仇よ…。」


弐大「モノクマ、なにをやっとる!!投票タイムじゃあ!!」




モノクマ「議論の結果が出たようですね。それでは、行っちゃいましょう!!」



モノクマ「オマエラは、お手元のスイッチを押してください!!」







これが、真実。


日寄子ちゃんを殺した犯人は…


同情の余地どころか、人情のカケラもない様な殺人鬼だったんだ。





そんな彼女を殺したところで、日寄子ちゃんが帰ってくるはずなどないんだけど…



せめて、日寄子ちゃんの死によって空虚になった心を少しでも埋めるために、アタシは彼女に投票するんだ。








だからアタシは、『澪田』と書いてあるスイッチに、手を伸ばし…












豚神「待て、お前ら!!」






小泉「えっ!?」


左右田「あぁ!?」






モノクマ「あ~あ。このパタ―ン、前にもあったような気がするな…」





小泉「何で止めるのよ、豚神…。クロはもう決まったでしょ。」


弐大「あんな堂々と、犯行を自白しとるしのう…。」


小泉「まさか、くだらない情に流されているんじゃないでしょうね?相手は殺人鬼なのよ?」



豚神「くだらない、か…。」







豚神「くだらないとまでは言わないが、情に流されているのは貴様の方だ、小泉。」




小泉「え…?」



豚神「冷静になれ、小泉。この議論を真実に導けるのは、貴様だけなのだからな。」


小泉「真実…?それも、アタシだけって…?」





澪田「…」



田中「何か言いたげだな、狂乱の役者よ。」


澪田「白夜ちゃん…。どうしてっすか…?」



小泉(…?)




澪田「どうして邪魔するんすか!?唯吹が犯人に決まってるじゃないっすか!!」




小泉(唯吹ちゃん…。もしかして、動揺してる…?)





ソニア「どういうことですか…?もう、終わったんじゃなかったのですか?」

豚神「ふん…。今回の事件は、まだ片付いたわけじゃない。今までの澪田の発言には、おかしな部分があるからな。」


小泉「おかしな部分…?」


狛枝「あれ、小泉さん。まだ気づいてなかったの?」

小泉「え…?」


狛枝「キミは豚神クンからちゃんと聞いているはずだよ。おかしな部分があるっていう、明確な根拠をね。」

小泉「豚神に…?」


小泉「…!!」





小泉(そっか…。でも、それって…)



小泉(とりあえず、今やらないといけないことは…唯吹ちゃんに、カマをかけてみよう。)





小泉「ねぇ、唯吹ちゃん。」

澪田「どうしたんっすか?」

小泉「ひとつ、聞いていいかな。」

澪田「真昼ちゃんの頼みなら、いくらでも答えてあげるっすよ~!!」








小泉「本当に、あなたがクロなの?」



澪田「…」





澪田「そう思わない理由は、何っすか?」



小泉「じゃあ、お言葉に甘えてもうひとつ…」





PHASE6 議論開始!!



言弾:(>>217>>218>>219>>220


10.ロ―プの状態

18.見立て殺人

11.拭き取られた血痕




小泉「日寄子ちゃんと蜜柑ちゃんを殺したのは、唯吹ちゃんなんだよね。」

澪田「当然っす!!【どっちも、撮影前に殺しておいた】っす!!」


小泉「じゃあ、日寄子ちゃんはどうやって殺したの?」


澪田「決まってるじゃないっすか~。日寄子ちゃんの傷を見てないんっすか?
もちろん、【ナイフで首をかっ切った】んっすよ!!」


弐大「撮影現場に、【血を拭いた跡があった】のう。おそらく間違いはないじゃろう。」

澪田「あの血を蜜柑ちゃんの血と思わせようとしたんすけど、量が多すぎたんで断念したっす!!」

左右田「首を切るのと、腹を刺すのじゃ、出血量が違いそうだもんな…。」


小泉「それで、蜜柑ちゃんは?」

澪田「なにいってんっすか~、真昼ちゃん。当然唯吹が首をこう、ガッガッってやって、【しめ殺した】んっすよ!!」

ソニア「現場にあったロ―プでまずしめ殺しておき、そこで[見立て殺人を成立させるために吊るした]んですね…。」


田中「小泉よ、いったいどこに矛盾があるというのだ…?」

小泉「…」







小泉(やっぱり…。唯吹ちゃんは、“ある事実”を知らない…。)




安価↓2




正解



【しめ殺した】←ロ―プの状態



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!




小泉「やっぱり…。唯吹ちゃん、アナタは重大なミスを犯した…。」


澪田「え…?なんすか、それ?唯吹の言ったこと、何か間違ってたっすか?」




小泉「蜜柑ちゃんの首にあった線条痕を思い出してみて。その結果、絞殺だったんだっけ?首吊りだったんだっけ?」


豚神「あの線条痕からみて罪木の死因は、間違いなく首吊りだ。」


澪田「え…?」


七海「私も確認したから、豚神くんの発言に嘘はないよ。」




狛枝「そう、罪木さんの死因は首を吊ったことだったんだよ。」

狛枝「じゃあどうして澪田さんは、『自分が絞殺した』なんて言ったんだろうね?」


左右田「犯人であるはずの澪田が、自分で殺した罪木の死因を知らねぇってのは、明らかに不自然だもんな…。
一体、何が起きてんだよ…?」


小泉「これは恐らくなんだけど…。
唯吹ちゃんは、日寄子ちゃんの死体と同時に蜜柑ちゃんの死体を見たんじゃないかな…。」


左右田「ど、どういうことだよ?」




小泉「日寄子ちゃんは明らかに他殺だった。それと同時に蜜柑ちゃんが首を吊っているところを見たらどう考えるかな?」

小泉「素直に、蜜柑ちゃんが自殺したと思うかな?」


ソニア「いえ…罪木さんが自殺とは思いませんね。」

ソニア「2人の死体に関連性があると思って、罪木さんも殺されたと思います。」



狛枝「ま、そうだろうね。ただ罪木さんが首を吊っているところを見ただけなら、自殺だと思うはずだけど…。」

狛枝「罪木さんが他殺されたと勘違いしていたのは、他殺された死体を含む2人の死体を同時に見たせいなんだろうね。」




弐大「ちょ、ちょっと待たんかい!!」


小泉「どうしたの?」




弐大「その話はおかしいぞ!!まるで、澪田が犯人じゃないことを前提として話しとるようじゃぞ!?」






小泉「『まるで』でもなく…まさにそうだと言ってるのよ!!」



左右田「は、はぁ!?」


澪田「な、なにを言ってるんすか!?唯吹以外に犯人がいるわけがないっす!!」




小泉(やっぱり、いまの唯吹ちゃんは焦ってる…。投票されそうになった時ですら、すまし顔してたのに…)





澪田「真昼ちゃんは忘れたんっすか!?
あの撮影をできたのも、密室を作れたのも、日寄子ちゃんを柱に磔にできたのも、唯吹しかいないんっすよ!?」



田中「確かに…。小泉は、一連の犯行が澪田以外の人物に行われたと言いたいのか?」

小泉「いや…。今までの推理自体は、間違ってないと思うよ。」

左右田「じゃ、じゃあやっぱり犯人は澪田しかいねぇじゃねぇか!!」




小泉(いや…それは違う…。なぜなら…)






PHASE7 ロジカルダイブ開始!!





Q.1 午前7時以降の偽装工作をした人物は?

赤:澪田 青:罪木 黄:左右田



Q.2 その人物は、どういう状態だった?

赤:絶望病にかかっていた 青:正常だった 黄:死んでいた



Q.3 なぜ、その偽装工作をした?

赤:エンタ―テイメント 青:殺害時刻を7時より前と思わせる 黄:殺害時刻を7時以降と思わせる





安価↓2





惜しい。1つ違う。


今回は全部違う色なんです。



安価↓1





赤-青-黄



小泉「推理はつながったわ!!」



COMPLETE!!





小泉「7時以降の偽装工作をしたのは確かに唯吹ちゃんだったけど、
だからといって唯吹ちゃんが2人を殺したとは限らない…。」


ソニア「ど、どうしてですか!?」




豚神「たしか、撮影の前に既に2人は死んでいたのだったな。では、いつ死んだのだ?」


澪田「唯吹が殺したんっす!!そこに間違いはないんっすよ!!」


小泉「違う…。やっぱり、唯吹ちゃんがそんなことをするとは思えない…。」


澪田「真昼ちゃん、前に言ったことと矛盾してるっすよ!?」

澪田「唯吹が絶望病にかかっていたから動機は唯吹にもあるって…!!そういったのは、真昼ちゃんっすよ!?」



小泉「アタシも最初はそう思ってたんだけど…。どうも、違うみたい…。」


小泉「唯吹ちゃんは病気なんかじゃなくて、自分の意思で動いてるような気がするの…。」




弐大「う~む。しかし、そんな感情論でものを言ってもいいんかのう…?」


小泉「もちろん、それを裏付ける根拠だってある。
それは、そもそもなんであんな偽装工作をしたのかってところにあると思うんだ…。」


左右田「それってたしか、エンタ―テイメントとか何とか言ってたよな…。」


澪田「そ、そうなんっすよ!!あれは唯吹からみんなに送る、一世一代のメッセ―ジなんすよ!!」





小泉「違う…。真意はそこにはなかった…。」

田中「真意だと…?エンタ―テイメントの目的以外に、一体何があったというのだ?」



小泉「例えば、蜜柑ちゃんにナイフを突き立てたこと…。あれには、どういう意味があったんだと思う?」

左右田「そんなの、見立て殺人を成立させる為だろ?」


ソニア「いえ…。見立て殺人を成立させるには、首を吊らせるだけでいいはずです。
よく考えてみれば、わざわざナイフを突き立てる必要はありませんね。」


弐大「じゃあ、どういう意味があったんじゃあ?」


小泉「それは…」







1.血を流す演出をする

2.その場で罪木が死んだと思わせる

3.簀巻きが罪木からはがれないようにする



安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解



小泉「撮影中に蜜柑ちゃんがナイフで刺されたように見せかけることで、
撮影中に蜜柑ちゃんが殺されたと誤認させようとしたんだよ。」


左右田「ん~っと…。それに、どういう意味があるんだ?」


狛枝「撮影時にアリバイがある人間に疑いの目がいかないようにすることだよ。」




七海「ということは、澪田さんの真意も見えてきそうだね。」


ソニア「え…?それはいったいなんですか!?」


小泉「犯行が、リアルタイム…。つまり、午前7時以降に起きたと誤認させることだよ。」


弐大「な、なんじゃとぉ!?」




左右田「でも、おかしくないか?
午前7時より前だろうと後だろうと、澪田は他の奴に罪をなすりつけることはできねぇだろ?」



小泉「いや、犯行時刻の誤認による唯吹ちゃんの目的は、他人に罪をなすりつけることじゃない…。」



小泉「むしろその逆、7時より前に真犯人が犯した罪を、自分が被ることだよ…。」



ソニア「そ、それって、もしかして…」


小泉「そう、つまり唯吹ちゃんは…!!」




1.誰かをかばっている

2.真のクロ

3.気が狂っている



安価↓1





正解


小泉「これで証明できる!!」




小泉「唯吹ちゃんは、誰かをかばってるんだよ!!」



田中「何だと…!?」



澪田「な、何を言っているんっすか!?そんなわけがないっす!!
わざわざ他人の罪を被るなんて、そんなことをする人いるわけ…!!」



狛枝「しかし、澪田さんの希望も、なかなか素晴らしいよね!!
誰かをかばうことなんかのために、死体にナイフを刺したり、死体を磔にしてみたり…」


澪田「うっ…。」



狛枝「つまりかばわれた方は、それに見合うだけの希望を胸に抱いてるんだね!!」



澪田「ち、違うっす…。違うんっす…。」






左右田「じゃ、じゃあ、誰だよ?澪田は、誰をかばってるんだよ?」

七海「恐らく撮影によって、完璧なアリバイを確実に獲得できる人間だよ。」


狛枝「しかもそれって実は、1人だけなんだよね。」


小泉「…」



小泉(そうだ。そもそも、1人しかいないんだよ…。)



小泉(唯吹ちゃんがあんなむごたらしい偽装工作をしてまで…あんな愉快犯のようなひどい芝居をしてまで…
あんな汚れ仕事をかって出てまで、かばいたいと思うやつなんて…)




怪しい人物を指名しろ


安価↓1






小泉「豚神…。アンタしか、いないよね…。」




豚神「…」



  

今日はここまで。

みんながちゃんとついてこれてるかが不安だ。




1です。今日は投下できそうにないです。明日は投下できると思います。




1です。今日も投下が遅れそうです。やはり、9時くらいに来れる人は来てください。





再開



小泉「アンタしかいないよね、豚神…。」


豚神「…」




豚神「よく、わか」













澪田「けいおん大好きっす~!!」反論




澪田「いやぁ~。すごいっすね、真昼ちゃん!!真昼ちゃんの推理力に唯吹、感服したっすよ!!」

小泉「…」


澪田「でも、唯吹が誰かをかばうなんて…。ちょ―っと話を飛躍させすぎじゃあないっすか?」

澪田「唯吹は博愛の騎士でもなんでもないただの殺人鬼なんだから、そんなことするわけないっすよ!!」


小泉「唯吹ちゃん…。もう、やめにしようよ…。」

澪田「何を言ってるんすか?やめるも何も、唯吹は事実を言っているだけっす!!」




PHASE8 反論ショ―ダウン(VS澪田)開始!!



言刃:(>>217>>218>>219>>220


4.1回しか鳴らない死体発見アナウンス

7.罪木の死体の状況

20.患者服





澪田「実は昨日、【夜にライブハウスに行ってみた】ら、2人が倒れていたんすよ!!」


澪田「だから唯吹は【暇つぶし】に、あんな偽装工作をしてみたってわけっすよ!!」


澪田「どこぞやの御曹司が2章くらいでやっていたことと同じなんすよ!!」


澪田「つまり唯吹は誰かをかばったわけじゃなくて、自分自身の娯楽のためにやったんっす!!」


澪田「だから、【白夜ちゃんを犯人だと決めつける】のは、3流の探偵がやる事っすね!!」


澪田「33分で解決する探偵の足元にも及ばないなんて、哀しいと思うな!!」




発展!!




小泉「娯楽で偽装工作をした割には…やけに焦っているわね?」

小泉「ためしに、このまま投票タイムに行ってみよっか?結果はどうなるか、わかると思うけど…」

小泉「それでもまだ、暇つぶしだとかいうつもり?」





澪田「…【唯吹が誰かをかばっている】ことは認めるっす。」


澪田「でも、唯吹がかばったのは白夜ちゃんじゃないっすよ?あんな豚足をどうして唯吹がかばうんっすか?」


澪田「そもそも唯吹が男をかばうなら、絶世の美男子くらいであることが最低条件っすね!!」


澪田「白夜ちゃんは確かに元は凛々しそうだけど、やっぱりあと3倍はやせてくれないと守る価値はないっすね!!」


澪田「たっは―!!唯吹は何の話をしてるんっすかね!!」




発展!!


小泉「話を逸らさないでよ…!!唯吹ちゃんは、何が言いたいの!?」



澪田「真昼ちゃんの推理はいいところまではいってるけど、肝心のかばった相手を間違えているんすよ!!」


澪田「真昼ちゃんの言っていることは所詮感情論で、【決定的な証拠は1つもない】よ!!」


澪田「もう、【新しい手がかりもない】し…」


澪田「唯吹がかばった相手が白夜ちゃんだっていう根拠なんて、あるわけない!!」



安価↓1





正解



【新しい手がかりもない】←1回しか鳴らない死体発見アナウンス



小泉「その言葉…切らせてもらうよ!!」論破



BREAK!!





小泉「いや…。まだ解き切っていない謎があるはずだよ。」

田中「解き切っていない謎だと…?なんだそれは。」


小泉「1回しか鳴らなかった死体発見アナウンスだよ。」

ソニア「そういえばそうですね。今回は被害者が2人ですが、アナウンスは1回だけでしたね。」


左右田「でもよ、それが犯人を決める根拠になるのかよ?」

小泉「い、いや…。そこまでは、ちょっと…」

弐大「なんじゃあ、ただの勘かい…」





狛枝「でも、その勘が外れているとは言い切れないよ?」



ソニア「え?どういうことですか?」


狛枝「前回の裁判でもそうだったようにモノクマは、ル―ルに反しない程度にボク達に干渉しているんだ。」

弐大「その結果が、死体発見アナウンスを1回だけ流すという行為か…。」




左右田「でも、それがどう事件に関係するんだよ?」


七海「本来なら2回流すべきところを、1回しか流さない…。
それによって、事件がどう複雑になったかを考えればいいんじゃないかな?」


田中「逆に言えば、アナウンスを2度流していれば、簡単に真犯人に行きついていたということか?」


澪田「そ、そんなのあるわけないっす!!
そもそもアナウンスがどうとかいう問題が、誰かをかばう話に関係するはずないっすよ!!」




狛枝「ところがそうとは言い切れないんだよね…。
だって下手したら、この議論の結果次第で豚神クンが犯人だって確定しちゃうんだもん。」


澪田「え…!?」

左右田「マ、マジでか!?」

ソニア「まるで裏技ですね!!」

弐大「な、なんでじゃあ!?どこからそういう話が出てきたんじゃあ!?」


七海「その話をするためにも、裁判のル―ルをもう1度確認する必要がある…と、思うよ。」




左右田「裁判のル―ル…?取り立てて説明するようなものはねぇだろ。」


田中「ふん、これだから何の力も持たない人間は困る。思考を停止していては、鶏以下に機転が利かなくなるぞ。」


左右田「な、何だよそれ!!じゃあオメ―がなんか言ってみろよ!!」


田中「本来のル―ルに従えば、新たな骸を発見するたびに死体発見アナウンスが流れるはずだ…。」


左右田「あ~あ…何を言い出すかと思えば。思考回路がハムスタ―並みの珍解答だな。」





狛枝「いや、今の発言は極めて的を得ているんだ。」



左右田「え!?」

ソニア「さすがは田中さん!!」


左右田「…」



小泉(見ていて可哀そうになるな…。)




弐大「田中の発言が、どう重要になってくるんじゃあ?」

七海「まずは、電子生徒手帳の9項目を確認しよっか。」




9.3人以上の人間が死体を最初に発見すると、“死体発見アナウンス”が流れます。



ソニア「犠牲者の数だけアナウンスが流れるということは、前回の事件でも確認済みですよね。」

七海「そして、これが校則である以上、モノクマはこのル―ルを破れないはずなんだよ。」


弐大「ちょっと待たんかい。なら、モノクマはアナウンスを2回流さんといけんじゃろうが。
実際は、1回しか流れとらんのじゃぞ?」


左右田「じゃあ、モノクマがズルをしたってことか!?」

モノクマ「ボクはズルなんかしません!!あくまで、ル―ルに従って行動してます!!」


狛枝「つまり1回しか流れなかったことには、何か理由があるんだね。」

左右田「あ?なんだよそれ。」

小泉「それは…」




1.前に既に流れていた

2.1人生きていた

3.特別なル―ルが適用された


安価↓1




正解



小泉「そっか…!!」解



小泉「いままでモノクマが提示してきたコロシアイのル―ルのどこかに、モノクマがつけいる隙があったんだよ。」


ソニア「つけいる隙…ですか?」

弐大「何じゃいそりゃあ?」


七海「それを明らかにするためにも…。
コロシアイのル―ルと、今回の事件でモノクマが提示した証拠品の謎を整理してみよっか。」


左右田「そうだな。ソニアさんのためにも、オレが的を得た発言をしてやるぜ!!」




左右田「コロシアイのル―ル…。島から出られるのは、クロ1人だけ…。だったっけか?」

田中「それは誰でもわかっている…。」

左右田「ひでぇ!!」


田中「やはり気になるのは、“3人以上の人間が死体を発見したときにアナウンスが流れる”という条件だな…。」

左右田「は、はん!!それこそ、誰でも知ってるぜ!!」



狛枝「いや、いまの田中クンの発言は、とても重要だよ。」


左右田「え!?」

ソニア「さすがは田中さん!!」

左右田「なんでいつもこうなるんだ…。」

七海「そのうち左右田くんにもいいことある…と、思うよ。」

左右田「そこは断言してくれよ…。」




弐大「しかし、確かそれだけではないんだったのう。」



小泉「うん…。アナウンスは、“犯人が自明の場合、流れない”…。
今回、日寄子ちゃんか蜜柑ちゃんのどちらかがこのル―ルに当てはまったんだよ。」


七海「1回は流れたからね…。当てはまった人と、当てはまってない人がいるんだね。」


左右田「で、それだけだっけ?」



小泉「いや、もう1つ大事なル―ルがある…。」

ソニア「え?なんですか、それ?」


小泉「それは…」





PHASE9 閃きアナグラム(改)開始!!





○ノ○マ○ァ○○をわ○す条件



安価↓1




モノクマファイルをわたす条件


小泉「よし、わかった!!」




小泉「それは、モノクマファイルを渡す条件だよ。」

左右田「あれ、そういえば変だな?今回はなぜか、西園寺のファイルしかなかったな…。」




狛枝「たしか、事件に関与しない人間のファイルは渡されない…。だったっけ?」


モノクマ「はい、その通りです!!今回の事件に罪木さんは関係ありませんので!!」


弐大「その“関係しない”の程度がわからんのう…。
簀巻きにされたりナイフを刺されたりしたのに、関係ないのかのう?」


七海「多分、モノクマが都合よく事実を隠すための口実だよ。」




ソニア「しかし、なんのために罪木さんのモノクマファイルを渡さなかったのでしょう…?」

左右田「もちろん罪木の死体の状況に決定的な証拠があったからですよ、ソニアさん!!」


小泉「いや、違う…。」


左右田「違うの!?」

弐大「左右田の言うことは、たいてい間違うのう…。」


左右田「ち、違うわけねぇよ!!それ以外になんの理由があるってんだよ!!」

小泉「それを明ら」

狛枝「それを明らかにするためにも…さあ、議論を再開させようか!!」


小泉「なんで割って入ってまで…」






狛枝「ねぇモノクマ。ちょっと気になったんだけど、いいかな。」


モノクマ「きっと聖徳太子は、みら」


狛枝「コロシアイのル―ルにさ。『3人以上の人間が死体を発見したらアナウンスが流れる』ってのがあったよね。」

狛枝「あの“3人”って、犯人も含めるの?」


モノクマ「ああそれは…。ま、基本的には、そういうことになってるよね。」


狛枝「歯切れが悪いね。」


モノクマ「まったくもう。言い訳から」




小泉「ちょっと。この辺本編とまる被りだから、とっとと主旨だけを言ってよ。」


モノクマ「本編ではすでに死んでたくせに…。わかったよ、言えばいいんでしょ。」

モノクマ「今回は、犯人を含んでないよ。はい、終里。」


弐大「終里!?」



狛枝「なるほどね。これはおそらくとても重要なことだよ。覚えていた方がいいんじゃないかな。」


七海「じゃあ、今までのル―ルをまとめてみたよ。」




コロシアイのル―ル


1.3人以上死体を発見すると、アナウンスが流れる

2.犯人が自明の時、アナウンスは流れない

3.事件に関与しない人物のモノクマファイルは渡されない






モノクマの行動


1.アナウンスは1回しか流れなかった

2.モノクマファイルは西園寺の物しかなかった

3.今回は、犯人を含まない3人の人物が死体を目撃している






澪田「でも、こんなものをまとめたところで何にもならないっすよ。唯吹がかばったのは、和一ちゃんっす!!」

左右田「えぇ!?オレ!?」


七海「そんなことより、さっきまとめたものから真相を割り出そうよ。」

弐大「しかし、これに、手掛かりがあるとは思えんが…」




七海「いや、これには必ずヒントがあるよ。」


小泉「…千秋ちゃんは、もうそのヒントに気付いているの?」


七海「まあ、漠然とだけどね。そのヒントは、1回しか流れなかったアナウンス…。
一体、罪木さんと西園寺さんの『どっちに流されたものなのか?』っていうところにあると思う。」


ソニア「どちらに…ですか?」


左右田「ふん、こんどこそ間違えねぇぞ!!もちろんモノクマファイルを渡されていた、西園寺のためのアナウンスだ!!」




狛枝「はぁ…。なんていうんだろうね。」

狛枝「左右田クンならきっとそう言うだろうなって思っていたら、見事にその予感が的中したよ。」

狛枝「やっぱり左右田クンって、期待を裏切らないよね。」

七海「うん…。可哀左右田のニックネ―ムに恥じない位の空回りっぷりだよ。」


狛枝「もうわかるよね、左右田クン。見事に大不正解だよ。」


左右田「オ、オレっていっつも、損な役回り…」




左右田「なんでだよ!!あのアナウンスは、どう考えても西園寺のための物だろ!!」

左右田「罪木は事件に関与してなかったから、アナウンスが流れなかったんだよ!!」


小泉「う~ん…。それは違うと思うよ、左右田。」


左右田「こ、小泉まで、オレを陥れようってのか…?」

左右田「もう怒ったからな!!小泉にやった希望のカケラ、全部返してもらうからな!!」


小泉「い、いや、そこまで怒らなくても…」




田中「可哀左右田のことはともかく、議論を続けてもらおうか。」

左右田「オメ―まで可哀左右田とか言うんじゃねぇ!!」


小泉「アナウンスが流れない理由は『事件に関与しない』ではなく、『犯人が自明』だよね?」

小泉「たしかに蜜柑ちゃんは事件に関与しなかったけど、だからといって犯人が自明とは限らない…。」


ソニア「犯人が自明、ですか…。では小泉さんは、西園寺さんを殺した犯人が自明だと言いたいんですか?」

弐大「そもそも“自明”というのは、どういう基準で言っとるんじゃあ?」


小泉「これも恐らくだけど、日寄子ちゃんと蜜柑ちゃんの差を考えれば“自明”がどういう意味なのかが分かるはず…。」

田中「2人の犠牲者の差、か…。」




PHASE10 議論開始!!



言弾:(>>217>>218>>219>>220


5.モノクマファイル[3]

7.罪木の死体の状況

8.西園寺の死体の状況


田中「2人の哀れな犠牲者…。その差とは…」

田中「[他殺と自殺]だったか?」

ソニア「待ってください。そもそも罪木さんは、【本当に自殺だった】のですか?」

弐大「いや、その話は今は関係ないじゃろう。犯人が自明かどうかを話しとるんじゃからのう。」

弐大「う~む、差と言えば…」

弐大「[首を吊っていたことと、ナイフで殺されたこと]じゃったか?」

左右田「言ってることが大して変わってなくね?」

左右田「やっぱり自明っていうぐらいだから、【犯行現場を誰かに目撃された】んだろ!!」

澪田「な~に言ってんすか、和一ちゃん!!
そんなことがあったら、こんなに議論を重ねずとも[すぐに終わってた]はずじゃないっすか~!!」

左右田「そ、それもそうだな…。」

田中「また、伝説を1つ作り上げたか…。」

左右田「もう嫌!!」

弐大「女々しいぞ…。ちょっと失敗したぐらいで、なにめげとるんじゃい!!気合が足りん!!
アレしてやるから、そこに横たわらんかい!!」

狛枝「ア、[アレは最高だった]ね…!!」

左右田「こ、狛枝!?まさか、【2人はそういう関係】!?」

七海「でも、左右田くんの言うこともあながち間違いじゃないかもよ。」

ソニア「ええ!?残念です…。」

左右田「オレの方が、残念です…!!」

七海「目撃した人物によって、話は変わってくるかもよ…。」

狛枝「そしてその人物が、どっちをはっきりと見たかが問題だよ。」

澪田「どっち?どっちってなんすか?まさか凪斗ちゃん、ドッヂボ―ルがしたいんっすか!?」

澪田「凪斗ちゃん、無謀っすね―!!唯吹はね、ドッヂボ―ルに関しては【鬼のように強い】っすから!!
子供の時は、両チ―ムに引っ張りだこだったっす!!」

狛枝「まぁ、澪田さんとドッヂボ―ルをするのも楽しそうだけど、そのどっちじゃないんだ…。」

七海「どっちというのは、当然…」

狛枝「そう。[西園寺]さんか、[罪木さん]か、ということだよ。」

弐大「しかし前の話じゃあ、【同時に発見した】という話にならんかったか?」

狛枝「ただ、発見するだけじゃあダメなんだよ…。」

左右田「もっとオレにもわかるように、かみ砕いて言ってほしいぜ…。」

小泉(そう。2人のうち、殺されたと正しく認識されたのは、1人だけだった…。)

安価↓2



正解



【犯行現場を誰かに目撃された】→[西園寺]




小泉「その意見にフレ―ムインね!!」同意



BREAK!!




小泉「きっと日寄子ちゃんだけは、殺されたのを目撃されていたんだよ。」


左右田「えぇ!?誰に!?」


小泉「それは当然…」




怪しい人物を指名しろ


安価↓1




小泉「当然、唯吹ちゃんだよ!!」

澪田「い、唯吹っすか!?」


小泉「唯吹ちゃんは、真犯人が日寄子ちゃんを殺すところを見たんじゃないかな?
それなら、犯人は自明っていうのも納得できるよ。」


田中「なるほどな。つまり“犯人が自明”というのは、言い換えると…」



1.被害者が自殺

2.共犯者がいる

3.モノクマが殺した


安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解



小泉「そう、共犯者がいることだよ!!」

左右田「な、なるほどな…!!それなら確かに、“自明”って言えるかもしれねぇ。」


弐大「しかし…。ワシは“犯人は自明”と聞いた時、“被害者が自殺した”と想像したのじゃが…」

狛枝「恐らく、それはないんだよ。」

ソニア「どうしてですか?」

狛枝「ほら、前回の裁判でモノクマが言っていたことを思い出してごらん。」






~回想~


罪木「でも、犯人が自殺しているのなら、誰に投票すればいいのですか…?」

モノクマ「え~と、基本的に考え方は変わりません。
自殺者というのは、自分という大事な存在を殺した存在ですからね。」


~回想終了~




狛枝「この言葉を聞く限りでは、自殺した人とそうでない人で扱いを分けるようなル―ルがあるとは思えないんだよ。」

狛枝「自殺者に関して特別なル―ルを適用しちゃったら、そのル―ルに従って考え方を変えちゃうもんね。」


七海「だから、すでに事件の真相を知っている人がいるという意味で、
“犯人が自明”が“共犯者がいる”ということを示す、っていう案が最も有力なわけだけど…」


狛枝「どう、モノクマ。なにか間違いはある?」




モノクマ「あまりこういうことは言いたくないんだけどな…。ま、ばれちゃったから仕方ないか。」

モノクマ「そう、その通りです!!共犯者のシロがいる場合、アナウンスは流れません!!」

ソニア「な、なんと…!!おどろきの事実が発覚しましたね!!」


小泉「今のモノクマの発言からもわかると思うけど…」


小泉「唯吹ちゃんが『真犯人が日寄子ちゃんを殺した罪』を被ろうとしたことで、
“唯吹ちゃんが共犯者”だとモノクマに認定されたんだよ。」




小泉「でも唯吹ちゃんは、そこでミスを犯した…。」

澪田「…」


田中「問おう。そのミスとは、なんだ?」

小泉「蜜柑ちゃんをも、真犯人が殺したと勘違いしたことだよ。」

田中「何…!?そもそも、罪木は真犯人が殺したわけじゃなかったのか!?」


小泉「もし蜜柑ちゃんも犯人に殺されていたのなら、蜜柑ちゃんを殺した犯人の共犯者として唯吹ちゃんがいるんだから、
アナウンスは1度も流れないはずなんだよ…。」




ソニア「ちょ、ちょっと待ってください。
犯人が殺したわけでもないなら、罪木さんの死因は一体なんだったというのですか!?」


小泉「考えられる可能性は1つしかない…。蜜柑ちゃんは、自殺だったんだ…。」


弐大「や、やっぱり自殺だったんか!!確かにそれなら、『事件に関与していない』と言えるかもしれん…!!」




七海「じゃあ、いままでに出した結論をまとめてみるよ。」




七海「澪田さんという共犯者がいる西園寺さんの事件は、犯人が自明だったから、死体発見アナウンスが流れなかった。」

七海「でも事件に関与は当然しているから、モノクマファイルが渡された。」





七海「そして、罪木さんの死因は、自殺だった。
そのことを知らなかった澪田さんは、共犯者とは認定されなかったんだね。」

七海「自殺とはいえ犯人が自明とは言えないから、死体発見アナウンスが流れた…。」


七海「でも事件に関与していなかったから、モノクマファイルは渡されなかった…。」






キリがいいのでこのくらいで今日は終わりです。

話がごちゃごちゃしてるけど、みんなに理解してもらえているかが不安だな…。




あ。なんか勘違いしてた。的を射るが正しいですね。

左右田君を責めないでください。たぶん狛枝君も間違えてますから。



再開


狛枝「ありがとう。七海さんの説明はわかりやすくて助かるよ。それなら、重大な事実が浮き出されるね。」

七海「うん。モノクマの行動によって隠されていた真実がね…。」


澪田「そ、そんなのあるわけないっす!!言いがかりっす!!唯吹がかばったのは、凪斗ちゃんっす!!」

狛枝「ボクみたいなクズをかばってくれるなんて、澪田さんは、なんて優しいんだ!!」

左右田「お前が喋ると話がややこしくなるからやめろ!!」




田中「では、モノクマの真意とは一体なんだったのだ…。」

小泉「…今までの話を考慮すると、すぐにわかるはずだよ。」

澪田「そんなのあるわけないっす!!適当なことを言わないでほしいっすよ!!」


小泉「1回しかアナウンスを流さなかった理由は、流された対象を誤認させることじゃないかな?」


左右田「そうだよな。オレなんか、今回の議論を聞くまでは西園寺のアナウンスだってずっと思っていたもんな。」

ソニア「実際は罪木さんのアナウンスなのに、ですね。」


七海「まあ、無理もないかもね。モノクマはル―ルを漠然としか教えていなかったから、
モノクマファイルを渡された人のアナウンスだって勘違いするのは、仕方ないよ。」




弐大「しかし…。なぜわざわざ、アナウンスを流す対象を誤認させる必要があったんじゃあ?」

小泉「考えてみれば、モノクマが事実を隠したがったのも当然かもしれない…。」


小泉「だってアナウンスが蜜柑ちゃんのために流れたっていうのは、犯人につながる致命的な手がかりだからね!!」

弐大「な、なんじゃとお!?」



ソニア「西園寺さんと罪木さんでは、アナウンスの意味が違うというのですか?」

小泉「大違いだよ…。だって日寄子ちゃんの死体を発見したのは、アタシ、豚神、弐大の3人同時だったけど…」


小泉「蜜柑ちゃんの死体は、3人で発見する前にアタシと豚神の2人で見てたんだから!!」


左右田「ちょっと待てよ…。頭がこんがらがって来たぞ…。」




狛枝「あのね。死体発見アナウンスは、3人が発見したら流されるものなんだ。」


狛枝「そして今回は、犯人は含まれていない。
モノクマがフレキシブルに対応してまで隠そうとしたんだから、裁判の行方を握る重要な手がかりのはずだよ。」


左右田「要するに、何が言いたいんだ!?」

狛枝「あるぇ?気付いてもらえなかった?たしかに言ったはずなんだけど、決定的な手がかり。」


小泉「狛枝、アンタはちょっと黙ってて。」



狛枝「…」




小泉「蜜柑ちゃんの死体をアタシと豚神が見た時には、アナウンスが流れなかった…。これって、おかしいでしょ?」

弐大「うん?おかしくなかろう。2人でしか見ていないのなら…」


七海「おかしいよ…。だってその前に、澪田さんが罪木さんの死体を見ているはずだから。」



ソニア「そういわれてみれば…変ですね。既に3人が見ていたのに、アナウンスが流れていません。」


澪田「そ、そんなの、モノクマちゃんがうっかりしていただけっすよ!!」


モノクマ「ボクは、うっかりなんかしてないもんね!!
ちゃんといままでのル―ル通り、アナウンスを流すべきタイミングで流したもんね!!」



小泉「その謎は、もう解けているはずだよ…。それは…」




1.小泉・豚神・澪田の中に犯人がいる

2.罪木・西園寺の中に犯人がいる

3.弐大・左右田・ソニアの中に犯人がいる


安価↓1






正解


小泉「これで証明できる!!」解



小泉「アタシと豚神と唯吹ちゃんが蜜柑ちゃんの死体を発見しても死体発見アナウンスが流れなかったのは、
当然この3人の中の誰かが犯人だからだよ!!」


田中「なるほどな…。犯人以外では、2人しか目撃していなかったということか。」

弐大「そしてその後ワシが発見して、3人か…。」




ソニア「ということは、アナウンスが罪木さんの物だと最初からわかっていれば、
ここまでややこしい議論には発展しなかったというわけですね。」


狛枝「だからこそモノクマはアナウンスを1回しか流さないことで、議論をかく乱しようとしたんだよ。」


左右田「ちっ。そして、モノクマの思惑通りに騙されたのがオレってことかよ。」

左右田「モノクマのせいでソニアさんにカッコわり―とこ見せちまったじゃねぇか!!」




モノクマ「騙すなんてひどいなぁ。ボクはむしろ、シロ側の手助けをするために、
“犯人が自明の時にアナウンスは流れない”っていうル―ルを設けたのに…」


モノクマ「共犯者のシロがいた場合、完全犯罪が簡単にできちゃうからね!!ソ―スは本編の2章だよ!!」

モノクマ「だからボクはそれの対処法をつくろうって思ったのに。感謝どころか恨まれるなんて遺憾ですなぁ。」


小泉「よく言うわ。通常のル―ルの通りに2回アナウンスを流していたら、
蜜柑ちゃんのアナウンスが流れていたとすぐにわかったのに…」




澪田「あれあれ?ちょっと待つっすよ。」

小泉「え?」


澪田「その話だと、真昼ちゃんが犯人っていう可能性もあるっすよ?」

左右田「へ?」




澪田「あ~あ、ばれちゃったっすね!!実は唯吹がかばっていたのは、真昼ちゃんっす!!」

ソニア「た、確かに条件としては、豚神さんと小泉さんは同じ立場のような気がしますけど…」


小泉「いや…。アタシに犯行は不可能なのよ。」

田中「なぜだ…?」


小泉「アタシにはアリバイがあるの。それを証明してくれる人だっているよ。」




怪しい人物を指名しろ


安価↓1




小泉「千秋ちゃん。昨晩のアタシのアリバイを証明してくれるよね?」


七海「うん。私と小泉さんは、昨晩は徹夜で語り合ってたからね…。小泉さんに犯行は不可能だよ。」


弐大「証人がおるんなら、仕方ないのう。」




左右田「しかしお前ら、病気だったんじゃなかったのかよ?徹夜とか、明らかに体にワリ―だろ…。」


七海「細かいことは気にしちゃダメ…。だと思うよ。」

小泉「そんなのだと、モテないわよ♡」


左右田「急に気持ち悪い声出さないでくれよ…。」




田中「つまり、小泉には犯行が不可能だったのだな。」

田中「ということは、澪田がかばうことができたのは豚神だけ、ということか。」


小泉「どうなの、唯吹ちゃん…。まだ、反論はある?」

澪田「…」





澪田「それは、違うっすよ…。」



小泉「え?」



澪田「真昼ちゃんの推理は、間違っているっす…。」




小泉「…」


小泉「まだ、粘るんだね…。」





澪田「今の話だと、犯人は確かに唯吹か白夜ちゃんっすね。」


澪田「でも、だからって、本当に唯吹が共犯者で、白夜ちゃんが犯人なんすかね?」


ソニア「どういう意味ですか?」


澪田「その逆の可能性はあるんじゃないんすか?唯吹が真犯人で、白夜ちゃんが共犯者なんっす。」

小泉「そんなこと、あるはずが…!!」




澪田「実はね、唯吹は、白夜ちゃんにかばってもらってたんっす。」

澪田「だって、唯吹が投票されそうになった時に止めに入ったのは、白夜ちゃんだったっすよね?」

小泉「そ、それは…!!」


左右田「そ、そういえばそうだ。あの時豚神の野郎が止めに入らなかったら、間違いなく澪田に投票してたぞ。」


小泉「え…?」


ソニア「じゃあ豚神さんは、真犯人の澪田さんをかばい議論をかく乱して、自分に疑いを向けさせているのですか!?」


小泉「み、みんな…!?」


狛枝「はは。みんなだいぶ疑り深くなってるね。1回目も、2回目の学級裁判も、容疑者が転々としてたからね。」




狛枝「つまり、澪田さんはこう言いたいんだね?」


狛枝「澪田さんは西園寺さんを殺し、あえて愉快犯のような偽装工作をした。」


狛枝「常人ならば正気の沙汰とは思えない行為だから、何か裏があるとみんなは思うよね。
その“裏”っていうのが、“豚神クンをかばう”という行為。」


狛枝「そうみせかけて実はそんな裏はなくて、そういう裏があると思わせること自体が澪田さんの目的だと。」

狛枝「そう思わせることで現に今、澪田さんへの疑いの目は逸れかけているからね。」




澪田「え、えっと、そうっす!!日寄子ちゃんを殺した場面を、白夜ちゃんに見られていたんっす!!」

澪田「そして唯吹は白夜ちゃんに黙っててほしいとお願いしたっす!!」

澪田「そしたら今回の偽装工作をすればいいと助言をくれたっす!!これって間違いなく、白夜ちゃんが共犯者っすよ!!」


弐大「た、確かに、筋は通っとるかもしれん…。」

田中「どうなのだ、小泉…?」

小泉「え、ええっと…」



小泉(ダ、ダメだ…。わからない…!!こんなの、どうやって矛盾を見つければいいの…?)




澪田「ほら、やっぱり!!やっぱり唯吹が犯人っす!!」


狛枝「ま、澪田さんもこういってるし、投票タイムに行こっか。」


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

小泉「狛枝、アンタは気付いてんじゃないの!?この話のどこかに、矛盾があるって…!!」


狛枝「さてね…。澪田さんの希望は相当大きいみたいだから、手伝いたくなっちゃうよね…。」


小泉「うう…!!」



小泉(ダメだ…頼みの綱の狛枝も、味方はしてくれない…!!)




ソニア「ど、どうすれば…。わたくしには、どちらが犯人かがわかりません…!!」


左右田「や、やっぱり澪田が犯人なんじゃねぇのか?
あんなむごいことをした後だから、良心の呵責に耐えきれなくなったとかで、今になって自白したとか…」


弐大「うむう…。いっそのこと、ヤマ勘で行くか…。」





小泉(も、もう、どうしようもない…!!)






豚神「それは違う!!」



小泉「え…?」




豚神「小泉、お前になら見つけられるはずだ…。共犯者が澪田で、クロが俺だという証拠を…」



小泉「と、豚神…?」




豚神「思い出せ…。今回の共犯者は、クロを手助けするだけが条件だったか…?」


小泉「え…?」




豚神「違うだろ…。“ある事実を知らない”ことが条件だろ…!!」


小泉「…」





小泉「!!」



小泉「そうか…。」

澪田「な、なんっすか…?」


小泉「まず確認しておかないといけないのは、さっきのモノクマの発言ね。」


ソニア「先ほどのモノクマの発言とは…?」



狛枝「多分、これのことだよ。」




~回想~


モノクマ「あまりこういうことは言いたくないんだけどな…。ま、ばれちゃったから仕方ないか。」

モノクマ「そう、その通りです!!共犯者の“シロ”がいる場合、アナウンスは流れません!!」


~回想終了~




澪田「それがなんだって言うんすか!!いい加減にしてよ!!」


小泉「この発言によると、“共犯者がいる場合アナウンスは流れない”というル―ルにあてはまる“共犯者”というのは、
“シロ”だけで、“クロ”は当てはまらないんだよ。」


小泉「つまり、共犯者とクロは同一人物であり得ない。間違いないよね?モノクマ。」


モノクマ「その通りです。自分自身がクロの場合、他のクロの犯行を隠ぺいすることで自分にもメリットがあるからね!!」


モノクマ「それでは“犯人が自明”とは言えません!!
ル―ルに当てはまる“共犯者”とは、クロをかばっても何の得もないシロのみがなることが可能です!!」



小泉「そっか…。」



小泉「今のではっきりしたよ。やっぱり唯吹ちゃんは犯人じゃない。唯吹ちゃんは共犯者だよ。」


澪田「ど、どうしてっすか!?どこに、そんな根拠があるんっすか!?」


小泉「今回の共犯者は、日寄子ちゃんを殺したクロは知っている…。」

小泉「だけど、蜜柑ちゃんを殺したクロを知らない…。つまり、蜜柑ちゃんが自殺だったと知らない存在なんだ。」


田中「そういえばそうだったな…。」


田中「罪木が自分自身に破壊をもたらした事実を知りながら、それを証言していないシロがいれば、
死体発見アナウンスは1度も流れなかったのだな…。」





澪田「そ、それがなんだったっていうんすか!?そんなこと、何の関係もないっすよ!?」


小泉「じゃあもし、豚神が蜜柑ちゃんの自殺を最初っから知っていたとしたら?」


澪田「え…?」



小泉「豚神が蜜柑ちゃんの自殺を知っていたら、クロは豚神しかいない。」

澪田「な、なんでっすか!?」




小泉「豚神がシロなら、蜜柑ちゃんの自殺を隠ぺいしたことになる。」

小泉「それなら豚神は、蜜柑ちゃんの共犯者になる…。そうだとしたら、死体発見アナウンスは1度も流れないんだよ。」


小泉「でも、実際アナウンスは流れた…。
共犯者がいるにもかかわらず通常通りアナウンスが流れるのは、共犯者がル―ルに当てはまらない“クロ”だからだよ。」


小泉「だから、蜜柑ちゃんの自殺を豚神が知っていることを証明できれば、クロは豚神で決まりだよ!!」





澪田「な、なにを言ってんすか!!そもそも、首を吊っているのを見ただけで自殺だと断定できるわけないっす!!」




澪田「ひどいっすよ真昼ちゃん!!なんでそんなに言いがかりばっかりをつけてくるんすか!!」


澪田「唯吹が犯人なのはもう決まってるのに…!!」


澪田「真昼ちゃんなんか…真昼ちゃんなんか…」


澪田「真昼ちゃんのバカ―――――――――――――!!!!!」







小泉(豚神が蜜柑ちゃんの自殺を知っている証拠…。それは多分…)


小泉(それはおそらく、大抵の自殺者が残す、アレだ!!)





PHASE11 パニックト―クアクション(VS澪田)開始!!





「犯人は唯吹っす!!」


             「カ、カセットコンロォ!?」


  「練習しとけっ☆」


           「だめだこりゃ…」


 「こうやって寄り目になると、皆が二重になって見えるよ―!!」



 「ぐぎぎぎぎ…」



              「ズバリ意味不明っす!!」






「【首を吊っているところだけを見て自殺だと判断できる人間なんて、いるわけない!!】」









            【△】
            蜜柑


【□】遺書                  の【○】


             罪木
            【×】





安価↓1






罪木蜜柑の遺書



小泉「これで終わりよ!!」



BREAK!!






小泉「蜜柑ちゃんは、自殺だった…。そもそもなんで、蜜柑ちゃんは自殺したのかな…。」


澪田「そ、そんなの、わかるわけがないっす!!」




小泉「でも自殺者は、それをみんなに伝えたがるんじゃないかな…。」

田中「どういうことだ?」


小泉「つまり現場には、あってしかるべきものがなかった…。」

小泉「蜜柑ちゃんの、遺書だよ…!!」


弐大「い、遺書じゃとぉ!?罪木は、遺書を遺しとったというのか!?」

ソニア「そ、それって、根拠があるんですか!?」




小泉「根拠はないけど…恐らく、犯人が隠したんじゃないかな…。」




小泉「いや…。もしかしたら…」








小泉「今、持っているんじゃないの?豚神。」




澪田「い、言いがかりっす!!そんなものがあるわけがないっす!!」


豚神「…」




豚神「その通りだ、小泉…。」


澪田「え!?」




澪田「う、嘘っすよね…?そ、そんなもの、ないっすよね…?」


豚神「…」




そういうと豚神は、封筒らしきものを取り出した…。


表面には、『みなさんへ 罪木蜜柑より』と、書いてあった…。





澪田「ど…どうしてっすか…?」



澪田「どうしてそんなもの、出すんっすか!?蜜柑ちゃんの遺書だなんて…!!」


澪田「それを出さなかったら、白夜ちゃんが犯人だって言い切れなかったはずなのに…!!」






澪田「ずっと唯吹が、騙し通せたのに!!」




左右田「だ、騙し通すって…!!」


澪田「あっ…!!」



田中「ではやはり…。犯人の咎を自ら請け負う為に、残酷な独り舞台に立っていた役者は、澪田だったということか…。」


澪田「ち、違うっす…。唯吹が…」




小泉「もう、いいんだよ…。唯吹ちゃん、もう…」


小泉「こんなの、終わらせなきゃダメだ!!」



小泉「最後に事件を頭から振り返るから、それで終わりにしよう!!」




クライマックス推理開始!!



act.1


小泉「まず、今日の7時前に蜜柑ちゃんが、ライブハウスで首を吊って自殺したことが発端だった…。
この時蜜柑ちゃんが遺書を残したけど、クロに隠されてしまった。」


小泉「そしてその後、理由はわからないけど、クロがライブハウスで日寄子ちゃんを殺害した。
拭き取った血痕がステ―ジに残っていたからね。」


小泉「なぜライブハウスに日寄子ちゃんが来たかというと…。
ソニアちゃんの助言で、着付けを1人でやるためだったんだね。」


小泉「でも、事件はこれでは終わらなかった…。偽装工作が始まったのは、この後からだよ。」




act.2


小泉「ある人物が、蜜柑ちゃんの首吊り死体と日寄子ちゃんの殺害現場を同時に見てしまったんだよ。」

小泉「おそらく、偶然だったんだ。彼女は、ライブハウスに足しげく通っていたからね…。」

小泉「そして偶然だったからこそ、首吊り死体はクロが殺したものだと勘違いしたんだ…。」




act.3


小泉「クロの犯行を見た彼女は、クロの代わりに偽装工作を始めたんだよ。」

小泉「恐らく日寄子ちゃんの血を拭き取ったのも蜜柑ちゃんが自殺に使っただろう脚立を片付けたのも彼女だったんだ。」





act.4


小泉「そして彼女は撮影の準備を始めた。
ライブハウスにモニタ―とカメラがあるのを見て、今回の犯行を思い付いたんだよ。」


小泉「まず、患者服、麻袋、ナイフ、ロウソク、カ―テン、ケチャップなんかをマーケットから調達した。
ロ―プは蜜柑ちゃんが使っていたものがあったから、調達の必要はなかったのかな。」



小泉「撮影前に彼女がしたことはいくつかあるよ。」

小泉「まず、日寄子ちゃんと蜜柑ちゃんを壁紙で簀巻きにすること。」

小泉「そして、照明バトンを降ろして、簀巻きの状態の蜜柑ちゃんの死体を黒いカ―テンで隠すこと。」

小泉「最後に、日寄子ちゃんに麻袋を被せ、自分も被り、患者服を着ることだよ。」

小泉「多分、自分の服の上に患者服を着たんじゃないかな。素早く脱げるようにね。」



act.5


小泉「そして、映像を病院の人に見せた。病院で動ける人物はクロの人物しかいなかったはずだけど…。
他の人も見てくれることを期待したのかな。現にそうなったわけだし。」


小泉「映像を見せる時、ロウソクを使うことで映像の詳しい内容を把握できなくしておいたんだ。」

小泉「照明バトンがおりていることや、カーテンの裏に蜜柑ちゃんの死体があることを隠すために…」


小泉「そして、肝心の撮影の内容だけど…」






act.6


小泉「その映像の中で、簀巻きの人物をナイフで刺し殺したと見せかけたんだよ。」

小泉「このとき、簀巻きの人物は日寄子ちゃんだったんだけど…」

小泉「撮影の後蜜柑ちゃんにナイフを突きたてることで、映像の簀巻きの人物を蜜柑ちゃんと誤認させようとした。」


小泉「なぜなら時間の都合で、蜜柑ちゃんは最初からロ―プでバトンにくくられていて、
蜜柑ちゃんの体を撮影に使うことができなかったからだよ。」




小泉「しかし実際には、その簀巻きの人物をナイフで傷つけたわけじゃなかった。」


小泉「映像の最後で画面が真っ赤になったのは、
血で染まったわけじゃなく、彼女がケチャップか何かをかけただけだったんだ。」


小泉「薄暗かったから、それが偽物の血だってことにすら、気付かなかったよ…。」

小泉「ナイフで傷つける演出をしたのは、その場で蜜柑ちゃんが殺されたことを印象づけたかったからかな。」




act.7



小泉「撮影が終わった後、彼女は急いで次の偽装工作に取り掛かった。」

小泉「まずは蜜柑ちゃんに麻袋を被せ、ナイフを突き立てること。」


小泉「いくら死体とはいえ、ナイフを突き立てるなんて正気の沙汰とは思えないけど…。
それほどの覚悟が、彼女にはあったんだ…。」


小泉「その後は、偽物の血を処分するだけかな。」


小泉「補足すると、撮影に使ったナイフと、蜜柑ちゃんに突き立てたナイフは、同じものだね。」

小泉「彼女はずっとライブハウスにこもっていないといけないし、ナイフは現場には1本しかなかったからね。」




小泉「その後照明バトンをあげて、ナイフの刺さった蜜柑ちゃんを再び首吊りの状態にした。」


小泉「わざわざ首吊りにする必要があったのは、見立て殺人を成立させるためだね…。
そのほうが、狂気的な演出になるから…。」


小泉「あとは、日寄子ちゃんの死体とともに、倉庫あたりにでも隠れたのかな。
そのあと、患者服と麻袋を倉庫に放り、壁紙を元の場所にしまった。」


小泉「今思えば、壁紙の折り目もそうだけど、ここまであからさまに証拠を残したのは、
まさに自分が犯人だと、宣言するためだったのかも…」




act.8


小泉「そして彼女は、誰かが来るまで待った。
偽装工作にかかる時間を差し引けば、待っていた時間はそんなに長くなかったんじゃないかな。」


小泉「そしてアタシと豚神の2人で蜜柑ちゃんを発見した。」


小泉「この時、蜜柑ちゃんを目撃した人間は彼女を含めて3人いたんだけど、
クロがその中に混じっていたからアナウンスは流れなかった。」




小泉「アナウンスが流れなかったから、アタシたちは誰かを探しに行ったんだったね。」


小泉「もしアタシたちが最初から3人以上でライブハウスに行っていたら、
彼女がライブハウスに隠れていたことがばれていたけど…」


小泉「彼女にとっては、むしろその方が好都合だったのかもね…。」




act.9


小泉「アタシたちが出て行ったことを確認した彼女は、
時間を稼ぐために外からは接着剤、内からはドラムスティックで扉を封じ、密室を作った。」


小泉「そのあとは、日寄子ちゃんの死体を柱に磔にすることに時間を使ったんだね…。」



小泉「10分やそこらではできるとは思えないけど、アタシたちが扉を破壊するのに予想外に時間をかけたから、
なんとか偽装工作を時間内に終わらせることができたんだろうね。」


小泉「彼女にとっては、犯行が成功しようが、失敗しようが、さほど問題じゃなかったんだろうけど…」




act.10


小泉「そしてアタシたちは、弐大を連れて再びライブハウスに到着した。」


小泉「この時、死体発見アナウンスは1回しか流れなかった。
その理由は、彼女が、日寄子ちゃんを殺したクロの共犯者だからだよ。」


小泉「共犯者がいる場合、死体発見アナウンスは流れない…。これは、コロシアイのルールに最初からあったんだよ…。」

小泉「彼女が蜜柑ちゃんの共犯者とはならなかった理由は、蜜柑ちゃんの死の原因を知らなかったからだね…。」



act.11


小泉「そして、みんながライブハウスに集まるのに乗じて彼女はこっそりみんなに混じった。」


小泉「この後に、モノクマファイルは日寄子ちゃんのしか渡されなかったけど、
その理由は蜜柑ちゃんが事件とは関与していなかったからなんだ。」


小泉「蜜柑ちゃんは、今回のクロとは無関係に自殺をしてしまったから…。」




act.12


小泉「そして彼女の最後の偽装工作…。」

小泉「それは、学級裁判の途中で自分自身が異常者のようにふるまうこと。」

小泉「彼女は、最初から自分が疑われることがわかっていたんだ…。それこそが、彼女の目的だから…。」





小泉「一連の彼女の偽装工作…。」


小泉「狂気的な映像を見せたり、異常だと思われるような見立て殺人を成立させたり。」



小泉「エンタ―テイメントを披露するかのように人が次々死んでいく様を演出したり、
自分がまるで愉快犯であるかのように振る舞ったり…。その真意は、一体なんだったのか…」



小泉「それは、犯行が7時以降に起きたと錯覚させること。」


小泉「そして何より、自分が愉快犯だと見せかけることで、疑いの目を自分自身に向けさせることだった…。」


小泉「みんなを、真のクロから遠ざけるために…」


小泉「そして、そんなことをした彼女とは…!!」






小泉「澪田唯吹ちゃん…。もう、これで終わりよ!!」






COMPLETE!!






澪田「ち、ちがうんっす…ちがうんっす…唯吹が…唯吹が…」





澪田「うわああああああああん!!!!」




豚神「…」



田中「これで終わり、のようだな…」






VOTE

豚神 豚神 豚神

CLASSROOM TRIALS 3   DISMISSED




今日はこれで終了。

クライマックス推理長すぎ!!見るのめんどい!!という人は、読み飛ばして雰囲気だけを味わってください。



1です。今日は投下できそうにないです。


お詫びと言ってはなんですが、暇つぶしで書いた落書きを投下します。


小泉版クライマックス推理の最後の1ペ―ジです(クオリティに期待するのはNG。ペンタブで書いても1にはこれが限界)。



3章→(http://i.imgur.com/AoThAyN.png




1章と2章のは前スレの最後に投下されています。暇なら見てみてください。


そして、前スレを埋めてくれた方には盛大なる感謝!!





ちょいと遅れちゃいました。でもその分、多めに投下できると思います。

自分の汚い絵なんかを見てくれる人がいるなんて、なんかいいようのない喜びを感じますな。





モノクマ「え―、投票の結果ですが…」


モノクマ「なんと3連続で正解!!西園寺日寄子さんを殺したクロは、豚神白夜クンでしたぁあああ!!!」




狛枝「ま、こんなものか。じゃ、早く処刑を終わらせて、コテ―ジに帰ろうよ。」


小泉「ふざけないで…!!まだ、終われない…!!」


豚神「…」






小泉「豚神、どうしてよ!!どうして、日寄子ちゃんを殺したの!?」


豚神「…」




小泉「答えてよ!!」


豚神「…」




小泉「だって、おかしいじゃない…。みんなを死なせないように、あんなに頑張っていたのに…」


小泉「花村が人を殺さないように説得したり、赤音ちゃんの死で人一倍気を病むようなアンタが…」


小泉「花村が人を殺してしまった後もすぐに立ち直って、みんなを導いてくれた…!!」




小泉「そんな“強い”アンタが、どうして…!?」




豚神「“強い”、か…。確か2回目の学級裁判が終わった後も、俺にそういったな。」

小泉「え…?」




豚神「ボクはそもそも、そんなに強い人間じゃないんだ。ただ、そう振る舞っていただけだよ。」


ソニア「あら?豚神さん、一人称が変わってませんか?」

左右田「それどころか、口調も変わってんぞ…?」



豚神「“俺”という一人称は、本当のボクの物じゃない。“本物の十神白夜”の物だよ。」


田中「本物だと…?どういうことだ?」





詐欺師「ボクは“超高校級の詐欺師”。“超高校級の御曹司”、『十神白夜』のふりをしている、偽物だ。」



弐大「に、偽物じゃとぉ!?」

狛枝「ま、確かにボクらは本物の十神白夜を見たことがないからね。偽物だとしても、気づけるわけがないよね。」

狛枝「学園生活の記憶があったら別なんだろうけど。」


七海「…」




小泉「そ、そんなことを聞いてるんじゃない!!なんでアンタが、殺人を犯したかを聞いてるのよ!!」



詐欺師「ボクには生まれた時から、素性がない。戸籍はもちろん、名前もないんだ。」


詐欺師「わかるかい?何もないんだよ。自分が自分であることの証明が、何も…」


詐欺師「だからボクは、常に誰かの素性を借りて生きていかなければならないんだ。」

詐欺師「そうすることでしか、ボクは“存在”できないんだ。」




詐欺師「ボクがこの島で借りた名は、『十神白夜』…。“超高校級の御曹司”だった…。」


詐欺師「彼は十神家の特別な世襲制度の中で、過酷な条件に屈することなく跡継ぎの座を勝ち取った。」

詐欺師「ボクが見てきた人間の中で、最も確かな存在なんだ。」


詐欺師「だからボクはこの名に負けないように、みんなのリ―ダ―をかって出たんだよ。」



十神『へ?』←かませ



詐欺師「ボクが強く振る舞っていたのは、本気でキミたちを導きたかったからじゃない。」

詐欺師「本物の『十神白夜』になりきることで、自分の存在を確かにしたかった。」



詐欺師「ただ、それだけだったんだ…。」



澪田「そ、そんな…。そんなのって…」




小泉「ま、ますますわからない!!
自分の存在っていうやつが大事なら、それを確かにしたいのなら、人殺しをするなんておかしいよ!!」


小泉「言ってることとやってることがまるっきり逆じゃない!!」




詐欺師「一言でいうと、疲れたんだよ。」


小泉「は、はぁ!?」




詐欺師「ボクは『十神白夜』として、精一杯頑張った…。殺人が起きないように、必死に頑張った…。」

詐欺師「でも、ダメだった…!!3回目の殺人も、止めることができなかった…!!」


左右田「さ、3回目の殺人って、罪木の自殺のことか…?」


詐欺師「ボクは、あんなにみんなに気を配っていたつもりだったのに…」

詐欺師「罪木さんがあんなに思いつめていたことに、全く気付かなかった…。ボクには、無理だったんだ…!!」




七海「それってもしかして、罪木さんの遺書に関係してるの?」


詐欺師「見るかい?あまり、見て気持ちいいものじゃないよ…。」

弐大「こ、ここまで出し惜しみされて、見ないほうが気持ち悪いわい!!」

左右田「そ、そうだぜ!!オレらにも見る権利があるはずだ!!」


詐欺師「そっか…。はい、これだよ。」






そう言った彼が渡した罪木蜜柑の遺書を見てみると、そこにはただ一言だけ…





『私はゲロブタじゃない』





小泉「こ、これって…!!」

狛枝「西園寺さんが罪木さんを呼ぶときは、大抵この呼称だったよね。」

ソニア「でも、だからって、自殺するほどにまで思いつめていたなんて…!!」

左右田「人から見たらたいした問題じゃなくても、自分にとっては深刻な問題だった…。そういうことなのか…。」

小泉「うっ…!!」





小泉(じゃあ、蜜柑ちゃんが自殺したのは、アタシたちが気づかなかったのが原因…?)



小泉(いや、そもそも“気付かないふり”をしていただけじゃないの…?)



小泉(蜜柑ちゃんは、あんなことを言われても平気だったなんて、勝手に思い込んでいただけじゃないの…?)






詐欺師「ボクは気付いたんだ。ボクがいくら頑張ってもコロシアイは止められないって。」


詐欺師「ここには…“超高校級の御曹司”、『十神白夜』としての居場所なんて、最初っからなかったんだ。」





詐欺師「だからボクは、もっと楽に存在を確かにできる方法を見つけたんだ。」



小泉「え…?」




詐欺師「ボクは、“罪木蜜柑の死に憤慨できる殺人鬼”という存在となる事に決めたんだ。」


田中「どういうことだ…?」


詐欺師「ボクが夜に、罪木さんがいないことに気付き3の島をさがしていると、
ライブハウスで首を吊っている罪木さんを見つけた…。」


詐欺師「その時偶然に、西園寺さんがやって来たんだ…。」




~回想~



西園寺「え…?つ、罪木の奴、死んでるの…!?」

詐欺師「さ、西園寺…。この罪木の遺書、お前宛てじゃないのか…?」

西園寺「ど、どれだよ!!見せろよ豚足ちゃん!!」



西園寺「…!!」



詐欺師「さ、西園寺…?」

西園寺「ち、違うもん!!わ、私のせいじゃないもん!!」


西園寺「そもそもあんなことぐらいで、自殺なんてする罪木が悪いんだ!!」


詐欺師「お、落ち着け、さい…」






西園寺「だ、黙れ、近寄るなぁ!!」ブォン!!



詐欺師「な、ナイフ!?なぜそんなものを持っている!!危険だ!!よこせ!!」


西園寺「うるさいうるさいうるさい…。みんな、信じられない!!」ブンブン!!



詐欺師「い、いいから寄こせ!!俺を殺したら、お前は処刑されるんだぞ!?」ガシッ


西園寺「は、放せ!!虫唾が走るんだよ!!」


詐欺師「くそ、暴れるな!!」





ザシュッ




詐欺師「え…?」



西園寺「あ…あぐぁ…。」



西園寺「助けて…おね……」




バタッ





詐欺師「…」



詐欺師「そうか…。これが答えだ…。」



詐欺師「ボクは、人を殺すような最低な人間なんだ。『十神白夜』としての居場所なんてあるわけがない。」


詐欺師「ボクの居るべき場所は、元からこういうところだったんだね…。」


詐欺師「今まで、ずっと悩んでいたのが馬鹿みたいだよ…。」


詐欺師「こんなに簡単に、自分の存在を確かにすることができるんじゃないか…!!」




~回想終了~





詐欺師「ボクの犯行は澪田さんに目撃されていたから、今回の学級裁判はすぐに終わると思っていたんだけどね…。」




詐欺師「もちろん殺人なんて許されるものじゃない。」


詐欺師「でもその行為に…。なんでもいい、何か理由があれば、ボクの生きた証は残るんだ。」



左右田「その理由ってのが、罪木の仇討ってことか…?」




弐大「しかし…。存在証明のために人を殺すなんぞ、どう考えても間違えとるじゃろう!?」


詐欺師「正しいか正しくないかじゃないんだ、自分の存在証明の仕方は。」



詐欺師「ボクはただ、こういうやり方でしか自分の存在を確かにできない人間だったんだ。殺人鬼としてしか…」




小泉「で、でも、こんなのって…!!」



詐欺師「そうだな。ただの逃げだ。自己満足だ。」


詐欺師「でも、もう疲れたんだよ、ボクは…」





詐欺師「これでわかったでしょ?キミは、ずっとボクの詐欺に騙されていたんだ。」

詐欺師「ボクの正体は小泉さんの思っているような人間じゃないんだよ。」

詐欺師「小泉さんの思っているような強い人間なんて、どこにも存在しなかったんだよ。」

詐欺師「ボクは小泉さんよりも、ずっとずっと、弱い人間なんだ。」





小泉「…」







小泉(アタシは、勘違いしていたの…?豚神のことを、なにもわかっていなかったの…?それとも…)




小泉(考えることを放棄していただけなの?)




小泉(豚神は強い人間だって、勝手に決めつけて、彼が抱えている物なんて、考えようとしなかったんじゃないの…?)


小泉(蜜柑ちゃんのときのように…)






小泉(じゃあ、アタシはどうしていたらよかったっていうの…?)




小泉(…)







澪田「白夜ちゃん…やっぱり唯吹は納得いかないっすよ…。」



小泉「え…?」



澪田「さっきから存在、存在って…!!なんでそこまで無理に本当の自分なんか探す必要があったんすか!?」


澪田「だって、“今、皆とここにいる自分”こそが、すでに白夜ちゃん自身じゃなかったんっすか!?」



詐欺師「…」






澪田「たとえ白夜ちゃんが何もできなくても…十神白夜っていう人じゃなくても…!!」




澪田「唯吹は…いや、みんなだってきっとそう…!!」



澪田「白夜ちゃんを、今の白夜ちゃんのままで受け入れたに決まってる!!」






澪田「なのに!!なのに!!…どうして!?」



詐欺師「…」

詐欺師「ごめんね、澪田さん…。」



澪田「謝ってほしくなんかなかった…。謝って欲しくなんか…」






澪田「だから…白夜ちゃんには、生きていてほしかった…。」




澪田「それも…殺人鬼としてなんかじゃない。もっと普通で平凡な…」


澪田「日の当たる場所にいる人間として…」




澪田「だって、白夜ちゃんは…」




澪田「唯吹の大事な、バンドメンバ―だからね…。」








そう言って唯吹ちゃんは、目元を拭いながら、精一杯の笑顔ではにかんでみせた…。






そうか…唯吹ちゃんが今回の偽装工作をした理由は、ただ罪を被るためだけじゃなかったんだ。






自分自身が殺人鬼となる事で、殺人鬼としての豚神の居場所を奪って。



日寄子ちゃんを殺してしまった自分を殺人鬼だと決めつける豚神に…


学級裁判で豚神を殺人鬼として糾弾するであろうアタシ達に…




必死に反証を提示していたんだ。



日寄子ちゃんを殺した殺人鬼は自分だから、豚神は殺人鬼なんかじゃないって…








そうすることで豚神に、“豚神という人間”として存在してほしかったんだ。




高圧的で傲慢だけど、常にみんなのことに気を配って、アタシ達を導いてくれるリ―ダ―として…








詐欺師「…」



詐欺師「ごめんね、澪田さん。その場所は、ボクみたいな奴にはもったいなさすぎる…。」



詐欺師「だからボクの居るべき場所は、この、殺人鬼としての…」













モノクマ「え―っと、超高校級の詐欺師クンは、どうも罪木さんの敵討ちを心のよりどころにしているみたいだけど…」






モノクマ「じつはあの遺書、ボクが書いたものなんだよね―!!」




小泉「!!」







詐欺師「え…!?」


詐欺師「じゃ、じゃあなんで罪木さんは…!?」





澪田「びゃ、白夜、ちゃん…?」






モノクマ「さあ?よくわからないけど、少なくともいじめなんてありきたりな原因で自殺なんてしないでしょ!!」




詐欺師「そ、そんな…」



モノクマ「じゃ、もういいよね!!とっととオシオキを始めます!!」







詐欺師「ちょ、ちょっと待ってよ…。」



モノクマ「今回は、超高校級の詐欺師のために、スペシャルなオシオキを、用意させていただきましたぞ!!」



詐欺師「じゃあ、ボクは、なんのために、西園寺さんを…」






モノクマ「では参りましょう!!オシオキタ―――イム!!!!」



詐欺師「そ、そんな…。そんなそんな…!!」









詐欺師「う…うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」








処刑執行 超高校級の詐欺師 万華鏡に映る自分は本物か?






豚神は、首にロ―プをくくられた。


ロ―プの先には、大きなおもりがついている。




そして豚神は、海の中に投げこまれた。

おもりのせいで、豚神はどんどん沈んでいく…。




と思うと、豚神の周りに無数の鏡が、豚神が沈むスピ―ドにあわせるようにして、豚神と一緒に海底へもぐる…。



鏡はそれぞれ違う凹凸を持っているのか、その鏡たちに映る豚神の姿は、何種類もの人間のように見えた。






しかし沈んでいくにつれ、鏡は光を反射しなくなり、ひとつ、またひとつと鏡の中の豚神は消えていった…。





豚神がその様子を、どういう気持ちで見ているのかはわからない。



周りは海だから、涙さえもかき消してしまうだろうから…。








そしてついに、すべての鏡から豚神が消えて…




そのまま豚神は、深い、深い…







地獄の底に、消えていった…。







澪田「白夜ちゃん…。」





澪田「白夜ちゃぁあああああああああああん!!!!」



小泉「…」



澪田「うっうっ…。」


澪田「なんで…なんで…」


澪田「唯吹じゃ…唯吹じゃ…白夜ちゃんの存在を、確かにしてあげられなかったの…?」




小泉「…」







モノクマ「あ~あ。いつまでそんなことを言ってんすか?澪田さん。」




澪田「え…?」




モノクマ「人の心配をするより、自分の心配をしたらどう?」


モノクマ「だってキミは、みんなの仲間である罪木さんと西園寺さんの死体をもてあそび、
今回の議論を散々かき回し、あわよくばみんなを殺してやろうと目論んだ異常者なんですよ―!!!!」




澪田「そ、それは…」




ソニア「…」


弐大「…」


田中「…」


左右田「…」




澪田「み、みんな…?」



モノクマ「あらら、やっと気づいたの?澪田さん。ぴりぴりと感じる、みんなからの敵意の目に!!」




モノクマ「ま、当然ですよね!!こんな異常者なんて放っておくと危険ですから!!」


モノクマ「早いうちに殺しておかないと、こっちが殺されるかもしれないね!!」


モノクマ「じゃ、次の犠牲者も決まっちゃったかな!!」




澪田「うっ…!!」



澪田「み、みんな…。ゆ、許してほしいっす…。」


澪田「唯吹はみんなを犠牲にしたかったわけじゃなくて、ただ、ただ…!!」






小泉「わかってるよ。誰も唯吹ちゃんを責めたりなんかしない。」


澪田「え…?」



小泉「唯吹ちゃんは異常者なんかじゃない…!!」

小泉「それだけ、豚神のことを慮ってあげていたということだよ!!」



澪田「真昼ちゃん…!!」





小泉「アタシは誰も責めたりしない…!!唯吹ちゃんも、もちろん豚神だって…!!」


小泉「だって…。唯吹ちゃんも、他のみんなも、アタシたちの大事な仲間なんだから!!」





ソニア「!!…そう、ですよね…!!」


弐大「そうじゃいそうじゃい!!ワシだって、1回終里の奴をかばったことがあるけんのう!!
澪田を責めることなんてできやしないわい!!」


左右田「それにその理屈だと、狛枝なんかとっくに海の底だぜ!!」


田中「澪田よ。貴様の覚悟…。しかと見せてもらったぞ。どうだ?俺様の配下につかないか?」


澪田「み、みんな…!!」


七海「あ―、よかった。さすがはみんなだね。これほどの結束力があれば、この先もきっと大丈夫だよね。」


狛枝「ボクとしては、せっかくの新しい動機がなくなっちゃいそうで少し残念かな。」


小泉「アンタは黙ってて!!」





モノクマ「…」



小泉「なによ、モノクマ。何か言いたげね。」




モノクマ「本当にいいの?小泉さん。だって、親友を殺されたんでしょ?」


モノクマ「事件の初めは、西園寺さんを殺されてあんなに憤慨していたのに。」


モノクマ「しかも澪田さんは、まるで死人を冒涜するかのごとく、西園寺さんを磔にしたりしたんだよ?」



澪田「うっ…」



モノクマ「それに対する怒りって、そんな簡単に収まるものだったの?」



小泉「…」





小泉(確かに、そうね…。)



小泉(日寄子ちゃんに対する豚神や唯吹ちゃんの所業を、心の底から許せるなんて思えない。)




小泉(正直な話、唯吹ちゃんに復讐したいと思っている自分も、いないとは言い切れない。)







小泉(だけど…!!)





小泉「アタシは、日寄子ちゃんの死に対する怒りをなくしてしまったわけじゃない。」



小泉「むしろ、事件前よりも憤りを覚えているかもしれない。」




澪田「ま、真昼ちゃん…。じゃあ、やっぱり、唯吹を恨んで…」






小泉「ただ、日寄子ちゃんを殺されたからって、唯吹ちゃんに矛先を向けるのはお門違いだって気付いただけよ。」



澪田「え…?」






小泉「日寄子ちゃんを殺したのは唯吹ちゃんじゃない…!!」


小泉「もちろん、豚神でもない!!」




小泉「日寄子ちゃんを殺した真犯人は…」



小泉「アンタよ、モノクマ!!」



モノクマ「…」





ソニア「そうです!!そもそもモノクマさんがこんな島に閉じ込めたり、絶望病などでわたくしたちを煽ったりしなければ、
豚神さんは手を汚さずに済みました!!」


左右田「そ―だ!!オレ達の敵はオレたち同士じゃねぇ!!
最初っから、オレ達をこんなところに閉じ込めた黒幕だけなんだよ!!」


田中「ふん。敵を見誤ってはならん。我らが戦わねばならん相手は、永劫不変なのだ。」


弐大「安心せい、澪田。誰もお前さんを責めやしない。もっと、胸を張るんじゃあ。」



澪田「みんな…。こんな唯吹でも…受け入れて、くれるんすか…?」

澪田「みんなに、ひどい迷惑をかけちゃったのに…」

澪田「みんなだけじゃなくて、日寄子ちゃんや、蜜柑ちゃんにも…」




七海「うん。少なくとも、皆は澪田さんを認めるみたいだよ。」

七海「だから後は自分自身で、今日の自分を振りかって、反省して、踏ん切りをつければいいんじゃないかな?」




小泉「はは。千秋ちゃん、良いこと言うね。アタシも、それでいいと思うな。」






モノクマ「まったくもう…。みんなはいつもこうだね。」



モノクマ「みんなで傷のなめあいをして、現実から目をそらして…」



モノクマ「しかたない。また、新しい動機を考えなくちゃね…。」



左右田「けっ!!一生出てくんじゃねぇ!!もう、お前の思い通りにはならないぜ!!」



モノクマ「ショボ-ン」









弐大「さてと…。学級裁判も終わったことだし…」


弐大「今日は全員で、パ~っと行こうじゃないか!!」



左右田「えぇ!?不謹慎じゃないか!?」


ソニア「でも、このまましんみりしていても仕方ありません。」

ソニア「そんなことをしているよりは、楽しく明るくしている方がよいに決まってます!!」


田中「ふふふ、手を貸すぞ…。この狂乱の魔術師、田中眼蛇夢が宴を彩るのだ、ありがたく思え…。」

田中「そして、貴様らの血をささげよ!!」


小泉「なんで血をささげんのよ…。」





七海「澪田さんも来るよね?」


澪田「い、いいんっすか?」



小泉「もちろんだよ。全員っていうのは、唯吹ちゃんも入ってるんだから。」






小泉「あと、アンタもだよ、狛枝。」



狛枝「え、ボクが?でも、ボクみたいなクズがみんなの輪に入るなんておこがましいよ…。」



小泉「そんなことないよ。ね、みんな。」


左右田「え~、狛枝もくんの?」

弐大「うむぅ…。」

田中「異質な邪気を感じるぞ…!!」



小泉「…あれ?」

七海「まだまだ、時間がかかりそうだね…。」

狛枝「(´・ω・`)」








澪田「ねぇ、真昼ちゃん…。」


小泉「ん?どうしたの?」


澪田「白夜ちゃんにとって、唯吹は何だったんすかね…。」

小泉「…」


澪田「あってもなくても、大して変わらないようなものだったんすかね…?」

澪田「だから、唯吹じゃ白夜ちゃんの存在を確かにできなかったんすか…?」



小泉「…」




小泉「そんなことない。きっと豚神にとっては、唯吹ちゃんが眩し過ぎたんだ。」

澪田「え…?」


小泉「豚神は、アタシたちが想像もできないような厳しい環境で生きて来たんだと思う…。」


小泉「だから豚神は…自分の居る場所は、それに見合った薄暗い場所なんだって決めつけていたんじゃないかな…。」




小泉「だからこそ、唯吹ちゃんの存在に戸惑ったんじゃないかな。」

小泉「唯吹ちゃんのように、明るくて、一点のけがれもないような存在に…」

小泉「本当に自分が、こんなに明るい場所にいてもいいのかって…」





澪田「…」



澪田「唯吹は、そんなにきれいじゃないっす…。」

澪田「心の中には白夜ちゃんと同じように、薄暗い闇を持っていたんっすよ…。」



小泉「え?」


澪田「だからこそ、もう、失いたくなかった…。」







~回想~




―ライブハウス前―



澪田「今日もみんなのために、こっそりと歌の練習をするっす~!!」





唯吹はね、3の島が解放されてから日課になりつつあった、夜のライブハウス通いに行ったんすよ。そしたら…






―ライブハウス―



澪田「え…?」


詐欺師「…」






驚いたっすよ。




そこで、蜜柑ちゃんが首を吊っていて、日寄子ちゃんが血の中に倒れていたんだから。




そしてそこには、茫然自失って感じの白夜ちゃんが佇んでいたんっす…。





澪田「な、何をやってるんすか、白夜ちゃん…?」



詐欺師「…」


詐欺師「見られちゃったね…。」



澪田「ま、まさか、2人とも、白夜ちゃんが…!?」


詐欺師「…」


澪田「も、もしかして、唯吹も殺そうと思ってるんすか…?」





詐欺師「これで学級裁判も、簡単に終われそうだね。」

詐欺師「澪田さん、学級裁判でボクが犯人だと言ってくれ。」

詐欺師「学級裁判なんていう、くだらないことに時間を割かずに済むから…」




澪田「ど…どうして…」


澪田「どうしてこんなことをしたんすか!?」




詐欺師「こんなことを言って、わかってくれるのかな…?」


澪田「え…?」




詐欺師「どのような方法でもいいから、自分の存在を確かにしたかった。」


詐欺師「ボクが確かにここで生きて、存在していたことの、証明がほしかったんだ…。」




澪田「で、でもでも!!そんなことをしたら、処刑されるんっすよ!?証明も何もないじゃないっすか!!」



詐欺師「ボクが死んでも、ボクが生きていた証は残る。」

詐欺師「だって、人間の存在というのは、精神的な問題だから…。」






澪田「そんな…。殺人を犯さないと、その証を残せないなんて…」



澪田「そんなの納得できないっす!!」




詐欺師「澪田さん…。キミは、みんなと生き残って…。コロシアイなんて、もう2度と起こさせないで…」



澪田「ど、どこに行くんすか!?まだ、話は終わってないっすよ!?」





詐欺師「あいつらを…。病人たちを、放っておけない…。最期まで、看ていてやらないと…」




澪田「白夜ちゃん…。」









澪田「…」


澪田「やっぱり、納得できないっす…。」



澪田「…」



澪田「だから、白夜ちゃんの殺人鬼としての居場所なんて、ぶっ壊してやるっす…。」


澪田「白夜ちゃんには、もっとまっとうで、普通で、楽しい場所がお似合いっす…!!」


澪田「だから白夜ちゃんは、唯吹のバンドメンバ―として、生き残って…」





澪田「こんなの、唯吹の勝手なエゴかもしれないけど…」


澪田「もうこれ以上、さみしい思いをするのは、嫌っす…!!」





澪田「…」




澪田「蜜柑ちゃん、日寄子ちゃん、ごめんね…。」




澪田「さあ、始まるよ…。」






澪田「澪田唯吹、一世一代のワンマンショ―の、開幕だ!!」





~回想終了~




澪田「唯吹は音楽性の違いでグル―プから脱退して、1人になったっす。」


澪田「こんなのはバンドマンの宿命なんっすけど、1人でいたのはやっぱりつらかったんっす…。」


小泉「…」



澪田「だから、これ以上は、失いたくなかった!!」

澪田「もう自分の手から、こぼれ落ちていかないようにしたかった!!」



澪田「ひどい話っすよね…。自分の都合で、みんなを陥れるようなことをして…」

澪田「みんなにはもう1度、ちゃんと謝らないといけないっすね…。」

澪田「あと、日寄子ちゃんや、蜜柑ちゃんにも…」





澪田「唯吹がこんなのだって知っていたら…。白夜ちゃんは唯吹のこと、どう思ったんすかね…。」


澪田「やっぱり、幻滅してたっすかね…?」


小泉「…」



小泉「そんなことはないはずだよ。豚神は、唯吹ちゃんをさげすんだりするわけがない。」


澪田「どうしてそう言えるんっすか…?そんなの、何の根拠もないっす…。」





小泉「今日の豚神の行動を思い出せば、きっとわかるよ。」


小泉「だって豚神は、あの撮影は唯吹ちゃんが撮っている物だって最初から知ってたはずだから。」


小泉「唯吹ちゃんの闇にも、きっと気づいてた。」


小泉「それでも、豚神は唯吹ちゃんのことを考えていたはずだよ。」



澪田「え…?」





小泉「アタシと2人でライブハウスに行った時、ライブハウスの中を調べようとせずに外に出て行ったのは、
中にいる唯吹ちゃんに疑いの目がいかないようにするためだろうし…」


小泉「扉をこじ開けようとしたときになかなか成功させようとしなかったのは、
唯吹ちゃんが、中で何をやっているかを大まかに想定できていたからじゃないの?」


小泉「学級裁判で『扉は外から閉められた』と言い出したのは、唯吹ちゃんを守るためだろうし、
唯吹ちゃんが投票されそうになった時に割って入ったのも、唯吹ちゃんに生きていてほしかったからじゃないかな…。」


小泉「それに、蜜柑ちゃんの遺書を唯吹ちゃんに見せなかったのは、
蜜柑ちゃんのことで唯吹ちゃんが罪の意識を感じないようにしたかったからだと思う。」






小泉「だから…。唯吹ちゃんは豚神のことを大事に思っていたけど、
豚神もやっぱり唯吹ちゃんのことを慮っていたんだよ…。」


澪田「そ、そうだったんすか…。唯吹は、白夜ちゃんのことを何にもわかってなかったんすね…。」





澪田「白夜ちゃん…。」



澪田「…」







小泉(やっぱり…。納得して、心を落ち着かせるには、まだまだ時間がかかりそうね…。)



小泉(でも、大丈夫だよね…。)





小泉(だって今のアタシたちは、楽しいことも、おもしろいことも…)


小泉(つらいことも、苦しいことも、悲しいことも…分かち合うことができるんだから…!!)





小泉(だからもう、これ以上の犠牲者は、絶対に…!!)














モノクマ「…」





モノクマ「うぷぷぷぷ…。」






モノクマ「小泉さん…。ボクが本当に隠している事実には気付けなかったね…。」













CHAPTER 3 殺人鬼の存在証明と反証可能性   END

生き残り   8人
☨ヒナタ 狛枝 ☨トガミ 田中 左右田 ☨ハナムラ 弐大 ☨クズリュウ
☨オワリ 七海 ソニア ☨サイオンジ 小泉 ☨ツミキ 澪田 ☨ペコヤマ

TO BE CONTINUED….







今日はここまで。明日からは4章に突入です!!



まさか、3章の完結まで行くことができるとは…。

読者がいなかったら、1章くらいでやめようと思っていたのに…。




これも、このスレをいつも読んでくれている読者様のおかげです!!

よろしければ、これからも付き合ってください!!






CHAPTER4 超高校級の魔術師、最期の大花火!! (非)日常編



二十四日目



早朝




―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」





小泉(昨晩は、あんまり眠れなかったな…。)



小泉(無理もないか。あんなことがあった直後だ。いろいろ考えを巡らせちゃった。)



小泉(蜜柑ちゃん。日寄子ちゃん。豚神。3人も犠牲になっちゃって…)






小泉(昨日のアタシは、本当に正しい選択をできただろうか?)



小泉(唯吹ちゃんを許すことは、本当に正解だったのか?)



小泉(日寄子ちゃんのことを本当に想うのなら、唯吹ちゃんに闇討ち位はしたほうがよかったのかもしれない。)




小泉(でないと…)


小泉(理不尽に殺された日寄子ちゃんは、守ってあげられなかったアタシを、許してくれないのかも、しれない…。)



小泉(でも…。この異常な事態の連続の中で、常に正解ばかりを選べるほど…アタシは、人生を経験していない。)





小泉(そんなことを考えていたら、いつの間にか日が昇っている。)





小泉「眠れないし…。レストランにでも行こうかな…。」




―レストラン―



ガサッ




小泉「ん?なんか音が聞こえたような…」


小泉「あれ?写真展に、見たことのない花束が添えられている…。昨日までは、こんなものなかったよね?」




ガタンッ



小泉「ん?厨房の方から、何かが落ちる音が…」




そう思ったアタシが、厨房の中をのぞいてみると…





澪田「げげっ…。ばれちゃったっす。」


小泉「唯吹ちゃん…?どうして隠れてるの?」

澪田「い、いやぁ~。真昼ちゃんが見えたんで、かくれんぼでもしようかと…」



小泉「…もしかして、写真展に花を添えたのって…」

澪田「あ…。えっと…」



小泉(もしかして…自分が花を添えたことは知られたくなかったのかな?)



小泉「なんで、隠す必要があるの…?」


澪田「…」





澪田「唯吹には、こんなことをする資格なんてないんす。」



澪田「だって、蜜柑ちゃんや日寄子ちゃんにあんなことをしておいて…」

澪田「今さらどうして供え物なんてする権利があるんすか?」



小泉「でも、皆は唯吹ちゃんを許して…」



澪田「皆は優しいから。でも、当の被害者の2人はそうとは限らないんす。」

澪田「たとえ真昼ちゃんが唯吹を許してくれたって、日寄子ちゃんは唯吹を許してくれないと思う。」

澪田「相手はもう、話すこともできないから…」



澪田「だから唯吹は、人知れず2人に謝り続けることしかできないんすよ。」

澪田「永遠に許してもらえないって、わかっていても…」




小泉「…そんなこと、ない。日寄子ちゃんも蜜柑ちゃんも、きっと唯吹ちゃんを…」









『…さない。』



小泉「…え?」




『赦さ…ない。』



小泉「な、何…?」




澪田「え?どうしたんすか、真昼ちゃん?」

小泉「あ、いや、なにも…」



澪田「と、とにかく、今ここで見たことは誰にも言わないでほしいっす!!」

澪田「唯吹はさっさとコテ―ジに帰って、いつも通りの時間にまた来るっすから!!」


小泉「あ、うん…。大丈夫。アタシは、口が堅い方だし。安心して、いつも通りに振る舞って。」

澪田「さすがは真昼ちゃん!!恩に着るっす!!」

小泉「はは、またね…。」








小泉「…」



小泉(何…さっきの。誰の…声なの?)


小泉(いや…確かにアタシは聞いたことがあるはずだ。アイツの声を。)



小泉(でも…誰だか、思い出せない。)





7時くらい


―レストラン―



ソニア「おはようございます!!」

弐大「いつも早いのう!!」

小泉「5時起きの弐大には敵わないけど…」




小泉「さて。ここにもまた、写真を貼っていかないと…」


ソニア「え。このような状態でも、写真を撮るのはやめないのですか?」


小泉「うん…。だってこれは、みんながここで確かに生きていたっていう証だから…。」

小泉「この生活の中じゃ、こんな当たり前のことでも忘れてしまいそうでしょ?」


小泉「写真はうそをつかない…。そこにあった真実を映し出す…。」


小泉「だから、みんなのことを忘れそうになっても、きっと思い出させてくれる。」

小泉「16人の仲間がいたことを、再確認させてくれるはずだよ。」




小泉「アタシは写真家だから…。死んでいった皆にできることなんて、これくらいしかないし…」

小泉「皆はずっとアタシたちの仲間だよって、言ってあげることくらいしか…」


小泉「だから、アタシはどんな状況でも写真を撮ることを止めない。」

小泉「だって、それが写真家としての使命だもの。」




田中「ふむ…。このような極限状態でもなお正気を失わずに、己の役目を全うしようとするとは…」

田中「さすがは、我が田中キングダムの優秀な准将だな。」



小泉(准将?言ってる意味がわかんない。前回は一等兵とか言ってなかった?)




弐大「さすがは小泉じゃのう!!ワシみたいな無精者でも、この写真を見ると笑みがこぼれてしまいそうじゃわい!!」

ソニア「これで、人殺しなんて考えないようになればいいのですけど…」

田中「話はそんなに簡単ではなさそうだ…。」




澪田「おはようございまむ!!」

左右田「だり~。」

狛枝「やぁ。」

七海「ねみぃ~。」



小泉「これで全員か…。」




小泉(8人…。もう、最初の半分になったのか…。)


小泉(リ―ダ―だった豚神も失うし…。この先、みんなで一致団結できるのかな…?)




澪田「みんな!!唯吹は昨日のことで謝罪をしたいっす!!」

左右田「えぇ?別にいいんじゃねぇの?」

澪田「でも、それじゃ唯吹の気が収まらないっす!!お詫びに、唯吹の歌を披露するっす!!」



左右田「じゃ、狛枝。任せたぜ。」

狛枝「あの絶望をもう1度!?ボクが絶望堕ちしてしまうよ!!」



弐大「希望厨の狛枝が本編で絶望堕ちしたのは、もしかしてこれが原因だったんじゃないかのう。」

七海「いや。狛枝くんは自分が絶望になることで、希望の礎になろうとしたんだんじゃないかな?」

七海「だから、その推理は間違ってるんじゃないかな。」

田中「わからんぞ…。カムクラの記憶によると、狛枝は江ノ島のことが大好きか大嫌いかもわからなくなっている…。」

田中「結局奴は、希望を見失いかけていたのかもしれん。」


狛枝「何の話をしてんの…?」




モノミ「みんな、やりまちたぁ~!!」


ソニア「あら。ついに3章では、まったく出番がなかったモノミさんですね。」

モノミ「そ、それは言わないで~!!」


七海「まあ、3章は澪田さんの独擅場だったからね…。」

弐大「ワシや田中なんか、ほとんど質問とかしかしてなかったしのう!!」

田中「途中から、『なるほどな』や『問おう』などばかり言っていたような気がするぞ…。」




小泉「で、モノミ。言いたいことはそれだけ?じゃ、もう出てってくれない?」

モノミ「まだ何も言ってないでちゅよ!?」



モノミ「実は、4番目の島にも行けるようになりまちた!!みんな、4番目の島に行って、こんどこそ仲良く…」

左右田「行かねぇよ。メンドくせ―。」

モノミ「ほえ?」




左右田「どうせ行ったとしても、またコロシアイが起きるだけだろ。」

弐大「脱出の方法も見つかったためしはないし、記憶の手がかりも、なんもなかったからのう。」



小泉(トワイライトシンドロ―ム殺人事件以外はね…。)



ソニア「そうですよね…。むしろ、新しい島に行くほど新しい動機が生まれるような気がします。」

澪田「ということは、モノミちゃんが唯吹たちを扇動して、コロシアイをさせているんっすか!?」

田中「やはり、モノミはモノクマの手先か…。」


モノミ「そ、そんな!!あちしはただ、みんなに仲良く…」




モノクマ「まったくもう、モノミはグズだなあ!!」

モノクマ「そんなのじゃ、みんなを言いくるめられるわけがないじゃん!!おにいちゃんがお手本を見してあげるから!!」

モノミ「ちょっと!!まるで仲間みたいに言わないで!!」


モノクマ「4番目の島には、オマエラの欲しがるものを多数用意してます!!」




モノクマ「例えば、船の部品だったり…」

左右田「え!?」


モノクマ「例えば、未来機関のことだったり…」

狛枝「…」


モノクマ「例えば、オマエラの希望ヶ峰学園のプロフィ―ルだったり…」

小泉「いや、それは日向しか釣れないでしょ。」

狛枝「わからないよ。だってひょっとしたら、裏切り者がわかるかもしれない…。」


小泉「あ、そっか。ちあ…。ゲフンゲフン、裏切り者のプロフィ―ルが、希望ヶ峰学園にあるはずがないもんね。」

七海「“ちあ”って…」




モノクマ「例えば、暗黒の剣だったり…」

田中「んん!?」

小泉「んなわけのわからんものに釣られるな!!」


モノクマ「例えば、“超高校級の王女”の、盗撮写真だったり…」

左右田「マジで!?」

弐大「反応しすぎじゃい…。」


ソニア「そ、そんな…。嘘ですよね、小泉さん!?」

小泉「アタシが撮ったことになってる!?」




モノクマ「例えば、“超高校級の写真家”自身の盗撮写真だったり…」

小泉「ぎゃあああああああああ!!なんでそんなものがあるのよぉおおおおおを!?」


狛枝「ふふ、どんな気持ち?」

狛枝「普段は撮る側の自分が、意に反して撮られる側にまわるなんて、ねぇ今どんな気持ち!?」

小泉「その下衆顔をやめろ!!」


モノクマ「例えば、ストラディバリウスだったり…」

澪田「マジっすか!?1回本物が見たいっす!!」

弐大「あれはヴァイオリンじゃろう?軽音楽部のお前さんには関係ないじゃろう。」

澪田「素晴らしい音を聞くとね、こう、インスピレ―ションが働いて、100曲ぐらい一気に思いつけちゃうんっすよ!!」


七海「まず、誰がそのヴァイオリンを弾くの?あれ、物によっては値段が10億を超えるんだよ?」

狛枝「10億のプレッシャ―をものともしないのが、超高校級のみんなだよ!!」




モノクマ「ま、とにかく趣向をこらしたイベントが盛りだくさん!!こりゃあ、行くっきゃないっしょ!!じゃね!!」


モノミ「え~と…。あちしも、やることがあるので!!」








狛枝「どっちも行っちゃったね…。みんな、どうしよっか。」




左右田「やっぱり、行くしかねぇだろ!!」

左右田「ソニ…じゃなくて船の部品があるんなら、ここから脱出できっかもしれねぇしよ!!」


澪田「唯吹も行くッす!!ジャンルとか関係なく、あれは音楽やってたら誰でも憧れるんっす!!」


田中「暗黒の剣…。我が力にも劣ることのない剣なのだろうな…!!」

ソニア「すごいです田中さん!!うしろから、黒い謎のオ―ラが出てます!!」

小泉「それ、ソニアちゃんにしか見えてないよ…。」


七海「未来機関のことも、なにかわかるかもしれないしね…。」

狛枝「そういっておけば、自分は裏切り者じゃないアピールができるとでも?」

七海「!?」


弐大「ワシの為の物がないが…。まぁ、みんなが行くならワシも行こうかのう…。」




狛枝「そう。ボクも行ってみようと思うよ。だって、裏切り者がわかるかもしれないからね。」


小泉「で、でも、これって明らかに、罠だよね…。」


狛枝「でも、前を向いて頑張らないと何も始まらないよ。」

狛枝「ここで何もしてなかったら、黒幕に太刀打ちできない。」

狛枝「そもそも、ボクらが戦うべき相手すら、わからないんじゃないかな。」


小泉「う~ん…。みんなが行くなら、アタシも行くしかないな。」




小泉(アタシの盗撮写真を真っ先に見つけて、処分しないと…)




狛枝「1度撮ったものは消さないんじゃなかったの?」

小泉「他人が撮ったのは、消すのも可なの!!」




そういうわけで、第4の島にみんなはむかった…。


―お化け屋敷―



モノミ「ここはあちしの家でちゅ!!生徒をいれるなんて、淫らな行為はできまちぇん!!」

小泉「本編は日向に言ったんだっけ…。女子を入れるのもいけないの?」

モノミ「百合展開はさけまちぇんと!!」

小泉「その考えがすでに淫らだよ!!」







澪田「こんなところにあったっす~!!伝説の楽器っす~!!」


小泉「い、唯吹ちゃん。そんなのを持って平気なの?だって、10億でしょ?もし落としたりなんかしたら…」


澪田「何言ってんっすか~!!あんまり唯吹をなめないでほしいっす!!楽器を落とすなんて、あるわけが…」





澪田「あっ」ツルッ




小泉「はぁ――!!」←ダイビング・キャッチ




弐大「海の上を跳ねるイルカのよう…。華麗なフォ―ムじゃったのう…。」



小泉「き、気を付けてね…。」←ボロボロ

澪田「ご、ごめんっす…。」




澪田「じゃ、さっそく1曲弾くっすよ!!」


小泉「え?弾けるの?ヴァイオリンとギタ―は全くの別ものでしょ?」

弐大「ギタ―とベ―スも別もんじゃぞ、小泉。」

小泉「え?そうなの?違いがわかんないわ…。」



澪田「どうでもいいから、いっくよ―!!」


小泉「いやな予感…!!」

弐大「前回はジャイアンだったけん、今度はしずちゃんじゃの!!」


小泉「に、逃げ…」







ギィィイイイイイイイイイイイイイイイイイ





―ドッキリハウス―



狛枝「みんながこれに乗れば、プロフィ―ルがもらえるらしいよ。」


狛枝「…小泉さん?なにかを悟ったような顔をしてるよ?」


小泉「うん…。あれも、ある種の芸術なんだね!!」

小泉「低い音が出しやすいとか、そんなのどうでもよかったんだ!!」


七海「なにがあなたをそうさせるのか…。」

狛枝「まぁとにかく、ここは後回しにした方がいいね。」








ソニア「…」


小泉「どうしたの?ソニアちゃん。」

ソニア「わたくしは、暗黒の剣というものを探していたのですが…」

小泉「ん…?ここになんか書いてある。」





暗黒の剣 ご自由にお取りください。―――→つまようじ




小泉「田中はこんなものが欲しかったのか…。」

ソニア「でも、食べ物が歯に挟まった時に使えます!!」

小泉「名前は派手なのに、用途は地味ね…。」




―ネズミ―城―



モノクマ「ネズミは怖い!!」

モノミ「ネズミは嫌でちゅ!!耳をかじられるでちゅ!!」


小泉「グレ―ゾ―ンのネタだ…。ネズミ―城も、ネズミ嫌いのタヌキも…」

モノクマ「ボクはクマだよ!!」


小泉「とにかく、ここにはモノクマやモノミが入れないんだね…。」







左右田「これはオレのだぞ!!田中!!」

田中「馬鹿言え、それはこの中で最高の物ではないか!!貴様には、これで十分だ!!」

左右田「ふざけんな!!そんなんただ寝巻を着てるだけじゃねぇか!!」

左右田「このだらしない格好で、服を乱れさせながら眠っている色っぽい写真こそが至高なのだ!!」


田中「仕方ない…。高貴なものにはふさわしくない、脇の草原を刈りとっているこのシ―ンはくれてやる!!」

左右田「オレにそんな性癖はねぇ!!」

左右田「ちくしょう、女子には、少なくともソニアさんには、脇毛なんて生えないって思ってたのに…」


田中「フハハハ!!
そんな幻想にいつまでもとらわれている貴様には、ソニアの盗撮写真など1つも所有する資格などないわ!!」


左右田「う、うっせうっせ!!王女様に夢を持つことの何がいけねぇんだ!!」




小泉「あ、あいつら何の話を…。まさか…!!」


小泉「ちょっとアンタら、そんなことをして、ソニアちゃんが可哀そうだと…」





田中「じゃあ、この条件ならどうだ?」

田中「我らの足元に落ちている写真をすべて貴様にやろう。そのかわり、至高の一枚を俺様に譲れ!!」



小泉「足元?」







そこに落ちている数枚の写真には全部、アタシのよく知っている、赤髪の女の子が…







小泉「…」




左右田「なめてんのかてめぇ!!そんなゴミ、ソニアさんの写真の前では無価値だっつうの!!」


小泉(ゴミ扱い!?)



田中「くっ、反論の余地がない…!!」


小泉(少しは反論してよ!!)





左右田「田中、どうやらオレらは、どうしても相容れねぇようだな。」


左右田「ならどうだ?いっそのこと、ケリは拳にゆだねねぇか?」



田中「ふん。ちょうど俺様も、そう考えていたところだ…。」


田中「貴様にその勇気があるのなら、ついてこい…。一瞬で塵にしてやろう…!!」


左右田「はん、望むところだぜ!!」




そういって、2人は去っていった…。






アタシの存在に全く気付かず。






小泉「…」






小泉(結論から言うと、アタシの写真の処分は滞りなく終わった。)


小泉(でも、なんでだろう。なんか、もやもやする…。)




小泉(うん、誰も見たがらなくて好都合だよ!!誰にも見られずに、簡単に処分できたんだし!!泣いてなんかないよ!!)






左右田「そばかすは!!!!」


田中「いらねぇええええええ!!!!」





小泉「…そんな大声で、公言しなくても…。」←そばかす





―ジェットコ―スター―



狛枝「全員そろった?これに乗れば、未来機関について、なにかくれるんだって。」


田中「そ、そうか…。」ボロッ

左右田「」←すでに意識がない



小泉「結局、どっちが勝ったの?」





田中「左右田と“生き死にをかけた戦い”をしている途中に…」


小泉「そんなことのために生き死にをかけた戦いを!?」



田中「うっかり写真を海に落としてしまった…。」


小泉「馬鹿というか、自業自得というか、ざまぁみろっていうか…」





澪田「どうでもいいっすけど、これの弦が全部ぶつ切れちゃったっす。」

小泉「10億がぁ!?アタシの決死のダイブも無意味!?」

弐大「まあ、所持者がモノクマなら別にいいじゃろう。」

小泉「いいんだ…。」



ソニア「このつまようじ、使えますね。ほら、組み立てれば家の模型ができました!!」

小泉「ずっと遊んでたの!?」




モノクマ「え―と。じゃ、みなさんはジェットコ―スタ―に乗ってください!!」


ソニア「これはいったいなんなのですか?どこへ向かうのですか?」

田中「貴様はジェットコ―スタ―に乗ったことはないのか?」

田中「かくいう俺様も、幼少の時に1度乗っただけだが…」


左右田「こ、この流れは、ソニアさん非処女疑惑の流れ…。何としてでもとめなければ!!」




七海「ジェットコ―スタ―か…。乗ったことないから、楽しみかも…」

左右田「ぜんぜん楽しみじゃねぇよ!!オレ、乗り物酔いがひで―んだから!!」


澪田「え~、和一ちゃん、乗ってみなよ!!楽しいっすよ!!」

左右田「ジェットコ―スタ―が好きなやつはみんなそういうんだよ!!」

左右田「オレは知ってんだからな!!まったく面白くないってな!!」

小泉「たしかに、アタシも苦手かな…。」


小泉(もっとこう、メリ―ゴ―ランドとか、動きが緩やかなものにして欲しいよ…。)




狛枝「でも、乗らないとヒントがもらえないよ。」

左右田「うっせうっせ!!オレはのらねぇからな!!」

狛枝「しかたない。弐大クン、頼むよ。」

弐大「任せときい!!」

左右田「やめてくれぇ――――!!」




嫌がる左右田を弐大に任せて、ジェットコ―スタ―に乗った。


正直アタシも、ジェットコ―スタ―は好きじゃないんだけど…




小泉「意外と楽しいかも…!!」

澪田「ひゃっほ――い!!唯吹は今、風になってるっすよ―!!!」

田中「し、しずまれ、俺様の心臓よ…!!」

左右田「」←2回目の気絶

弐大「メカでないワシですら、ねじが何本も外れそうな勢いじゃわい!!」

ソニア「これがジャパニ―ズ乗り物なんですね!!楽しいです!!」







澪田「ひゃっほ―い!!もっかい乗りたいっす―!!」

ソニア「よ―し!!みなさん、澪田さんに続きましょう!!」

左右田「もう勘弁してぇ~!!」



狛枝「そんなことより、例の物を渡してよ。」

モノクマ「はいはい、ほれ。」


小泉「こ、これ、表紙に『未来』って書いてある…!!」

七海「やっぱり、未来機関に関するものだね…。」




狛枝「内容をまとめると…」

狛枝「過去にも希望ヶ峰学園でコロシアイがあったみたいだ。その生き残りに、十神クンもいたみたいだよ。」

田中「確か、あの詐欺師がなりすましていた人物だったな…。」


小泉「十神っていう人のほかにも、5人生き残っているんだね。」

狛枝「特にこの苗木っていう人…。ふふ、なぜか惹かれるものを感じるよ。」

小泉「中の人つながりじゃない?」

狛枝「何の話?」




弐大「ん?この、大神と言う女…。どこぞやで特訓に付き合ったことがあるような…」



狛枝「彼女は“超高校級の格闘家”だね。」

狛枝「モノクマと命を賭けて戦って、最終的には4回目の事件で仲間達のために自殺したみたいだよ。」


田中「ふん…。モノクマと殺しあうとは…。死合うべき敵を見極めているな。」

ソニア「そうですね!!これは、わたくしたちがこれからどうするべきかの参考になるのではないでしょうか!?」

左右田「ええ!?モノクマに暴力をふるったら校則違反だろ!?」


七海「違うよ、そういう意味じゃない。」


七海「私たちが争うべき敵は自分たちではなくて、あくまでモノクマだけなんだってことを、
忘れないようにしようってことだよ。」


弐大「大神という奴が、自分を犠牲にしてまで仲間に説いたことか…。」

弐大「ワシらも負け取られんのう!!今こそ全員が結束するときじゃあ!!」



小泉「はは、みんな頼もしいね…。」




小泉「…」





小泉(4回目の事件で自己犠牲、か…。)


小泉(なぜか、引っかかるな…。)




澪田「で、でも…。これが分かったところで、本当に黒幕と立ち向かえるんすかね…?」


狛枝「やっぱり本命は、みんなのプロフィ―ルかな。裏切り者が誰かわかるかもね。」




というわけで、モノクマの罠にかかり、ドッキリハウスの中に閉じ込められた。



小泉「『というわけで』って何!?」





―ストロベリ―ハウス 3階―



狛枝「罠だとは分かってたけど、まさかここまで直球で来るとはね…。」


モノクマ「え―と。オマエラは、コロシアイを始めるまでこのドッキリハウスから抜けられません!!」





小泉「こ、これって、生徒に直接危害を加えないっていうル―ルに明らかに抵触してない?」

澪田「本編でも、疑問だったっすけどね!!」

七海「でも、現実になっている以上、それを嘆いても仕方ない…。」


弐大「とりあえず探索して、なんとか脱出できんかを確認じゃ!!」

狛枝「それがみんなの希望だね…!!」




七海「じゃ、またグル―プを決めないと。単独行動は危険だからね。」


左右田「裏切り者として怪しい、狛枝とは一緒にいたくねぇ!!」

弐大「う~む、確かに狛枝は少しのう…。」


澪田「じゃ、2人は同じグル―プっすね!!」

弐大「そうじゃのう!!じゃあ左右田よ、行くとするか!!」

左右田「えぇ!?むさい男と!?オレは、ソニアさんと…いやぁああああ!!」



小泉「永久に報われそうにないわね…。」

狛枝「ソニアさんは相変わらず、田中クンと行っちゃうしね。」




澪田「唯吹は…。千秋ちゃん、一緒に行くッす!!」

七海「うん、いいよ。」





小泉「唯吹ちゃん…。いつもは、アイツと…」


小泉「かくいうアタシも、ずっと日寄子ちゃんと組んでたんだけどな…」





小泉「あれ?今残ってるのって…」





狛枝「じゃ、小泉さん。行こうか…。」



小泉「みんなに押し付けられた…。」




今日はここまで。



1です。今日の投下は遅れそう。9時くらいに投下します。

もしかしたら安価(選択肢)をとるかもしれないので、できれば参加してほしいなぁ~…。




―ストロベリ―ハウス 3階―



狛枝「3階にはなにもなさそうだね。ただ、公園とヒマワリ畑があるだけだ。」

小泉「田中が喜びそうね…。」

狛枝「じゃ、2階を調べてみよっか。」

小泉「うん…。」




―ストロベリ―ハウス 2階―



狛枝「防音の効果がある豪華な客室が2つ。それ以外が3つだね。」

小泉「あと、ラウンジがある。気になるのは…。時計と、電話機と、誰かの肖像画だけね。」

狛枝「最後は1階だね。」




―ストロベリ―ハウス 1階―



小泉「ファイナルデッドル―ム…?なにこれ?」

モノクマ「え―、ここに入った者には命がけのゲームをしてもらいます!!」

モノクマ「生き残った者には、極上の凶器が眠るオクタゴンに入ることが可能です!!」

小泉「極上の凶器…?そんな物のために、命なんか賭けるわけがないでしょ!!」

モノクマ「そう?ま、参加はいつでも可能だから、気が向いたらやってきてね。」



狛枝「よかった。トイレはちゃんとあるみたいだ。」

小泉「でも1階には、時計がないみたい。」

狛枝「今のところ、時計は2階のラウンジにしかないかな。」

小泉「あれ?エレベ―タ―がある。2階にも3階にも、扉なんかなかったよね?」

狛枝「今のところは何も言えないかな。じゃ、ストロベリ―タワ―でも調べよっか。」




―ストロベリ―タワー―



小泉「入口の扉は、スイッチを押したら開くタイプか…。」


小泉「中には、マスカットの書かれた扉があるだけ…。この先が、出口なのかな?」

狛枝「話はそう簡単じゃないと思うけどね…。」



ガチャガチャガチャ!!



小泉「鍵がかかってるのかな…。アタシなんかの力じゃ、びくともしない…。」

狛枝「伝説の軍人に憑依したら?」

小泉「何の話?」


狛枝「ドアノブが壊れるのもまずいし、とりあえずみんなと合流しよっか。」




―ストロベリ―ハウス1階 連絡エレベ―タ―前―



モノクマ「じゃあ次は、マスカットハウスに行ってみましょうか!!」

ソニア「マスカット?ストロベリ―以外にも、建物があるのですか?」

モノクマ「その通り!!そのための連絡エレベ―タ―ですから!!」




―連絡エレベ―ター―







左右田「まったく動いている音がしねぇな…。相当高度な技術力を要するぞ…。」

田中「モノクマを操っている者は、いったい何者なのだ…?」




―マスカットハウス 1階―



モノクマ「マスカットハウスは、ファイナルデッドル―ムがない代わりに、3階に資料室があります!!頑張ってね!!」


澪田「しかし、お腹すいたっすね~。そろそろご飯にしたいんっすが…」

モノクマ「え―と、そのことなんですが…」



モノクマ「食料は、コロシアイが起きるまで与えられません!!」


田中「何っ!?」


モノクマ「つまり、餓死する前にコロシアイを起こせということです!!」




澪田「こ、これは参ったっすね…。どうするっすか…?」


小泉「アタシはモノモノヤシ―ンのアイテムで、食料になりそうなものを少し持ってるけど…」


ソニア「なら1度、全員の食料を確認しませんか?」

田中「俺様は一向に構わんが…」


左右田「オレなんか、好みの水しか持ってねぇぞ…?」

澪田「ビ―チハウスの冷蔵庫にあった奴っすね!!」

狛枝「ボクは、希望の乾パンだけだよ。」

弐大「ワシは結構、パン類と肉類を持っているが…」

七海「ゲ―ムって、食べられるかな…。」








小泉「一応全員のを確認したけど…」

狛枝「8人もいたら、節約しても3日くらいしかもたなそうだね。」

左右田「しょ、食料なしじゃあ、そのあと2,3日で死んじまうんじゃないか!?」

田中「トイレに行けば、水だけは確保できるが…」

七海「もって1週間、だね…。」


澪田「ど、どうするんすか!?このままじゃ、みんな揃って餓死しちゃうっす!!」

狛枝「大丈夫。その時は、ボクを殺して食料にしてくれればいいから。」

澪田「そんな残酷なこと、できるわけがないっすよ~!!」

狛枝「澪田さん、3章でやったことを忘れたの?」


小泉「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。そもそも狛枝を殺したら、モノクマの思うつぼじゃない…!!」

ソニア「ど、どうしましょう、どうしましょう…。」




弐大「ええい、取り乱しても仕方がない!!」

弐大「とりあえず冷静になり、マスカットハウスを探索することが先決じゃ!!」

左右田「そうだな…。何か脱出の手がかりがあるかもしれねぇ。」


七海「じゃ、さっきの組み合わせでいいね。もう1回、探索しよう。」

左右田「いや、今度こそソニアさんと…」



小泉「もう田中といったよ。」

左右田「…」



小泉(可哀左右田…。)








小泉「え―っと、1階には特に何もないかな。」

狛枝「じゃ、2階を調べようか。」




―マスカットハウス 2階―



田中「フハハハハ!!やったぞ!!」

ソニア「すごいです!!田中さん!!」

小泉「どうしたの?」


田中「見つけたぞ…。船の部品とやらをな!!」

小泉「船の部品って、そのおもちゃ?」

モノクマ「本物の船の部品なんて、一言も言ってないもんね―!!」

小泉「ま、それは本編でも一緒か…。」



狛枝「2階も、ストロベリ―ハウスの2階と変わりはないね…。」

小泉「この電話で、ストロベリ―ハウスのやつと連絡できるんじゃない?」

狛枝「おそらく、そうだろうね。」

小泉「じゃ、次は3階か…。」




―マスカットハウス 3階―



小泉「資料室があるけど…」

狛枝「モノクマについて熱く語ってるだけだね。」

小泉「じゃあここも、これ以上調べる必要はなさそうね。じゃ、みんなのところに行こっか。」




狛枝「え~。ちょっと待ってよ、小泉さん。なんかさっきから、行動が事務的じゃない?」

狛枝「もっとこう、砕けた雰囲気で行こうよ。」


小泉「こんな状況で…。しかも相手がアンタなのに、のんきにおしゃべりなんてできるわけがないでしょ…。」

狛枝「こんな状況だからこそ、雰囲気を和ませるべきだと思うけど…」

小泉「相手がアンタなのが問題なのよ…。どうせアンタは新しい動機ができて、内心喜んでいるんじゃないの?」




狛枝「これはだいぶ、嫌われちゃってるみたいだね…。」

狛枝「ボクは動機が欲しいわけじゃないんだ。あくまで、希望の礎になるための絶望が必要だと言っているだけだよ。」


狛枝「小泉さん達の希望がさらに洗練されるというのなら、誰も犠牲にならずにドッキリハウスから脱出、
っていう結末でもボクは文句は言わないつもりだよ?」


小泉「だから、アンタの希望っていう概念の価値基準がいまだに分かんないのよ…。
前回の学級裁判は、結構おとなしかったみたいだけど…」


狛枝「まぁ前回は、澪田さんの豚神クンを生き残したいという希望と、
豚神クンの澪田さんを助けたいという希望のどっちが大きいか悩んでいるうちに終わっちゃったからね…。」


小泉「希望、希望って…。何度も聞かされるこっちの身にもなってよ…。」




狛枝「あ~あ。ついに小泉さんにまで軽蔑の目で見られるようになっちゃった。」

狛枝「この不運も、これからやってくる幸運の前兆かな?」


小泉「幸運…。そういえば、アンタは“超高校級の幸運”だったわね…。」


小泉「1回目の事件でのくじの時もそうだけど…。
アンタは希望と同様に、その“幸運”っていうのにも、特別な感情を抱いているみたいね…。」


狛枝「当然さ。だってボクの幸運こそが、希望を探す出発点だからね。」

小泉「え?」




狛枝「ボクの幸運はね、ゴミクズのような才能なんだ。一言でいうと、欠陥だらけなんだよ。」

狛枝「だって、自分にやってくる幸運を、自分で選ぶことができないからね。」

狛枝「しかもね。幸運は、それに見合った不運を体験していないとやってこないんだよ。」


小泉「どういうこと…?」


狛枝「なに、別に大したことじゃないんだけどね。じゃあ、少し例を出そうか。」




狛枝「ボクがまだ子供のころ、両親と海外旅行に行ったことがあってね。飛行機に乗ってたんだ。」

狛枝「で、その飛行機がテロリストか何かにハイジャックされたんだよね。」


狛枝「んで、なすすべなく怯えていると、なんと隕石が降ってきてね。」

狛枝「その犯人にぶち当たったんだよ。助かった。これって、幸運だよね。」


狛枝「しかし、それだけじゃない。その隕石が勢い余ってボクの両親にまでぶち当たったんだよ。」

狛枝「おかげで、ボクは両親を一気に失ったんだよ。」


小泉「なに、その話…?ほ、本当なの…?」

小泉「本当だとしたら、どうして、息をするかのように話せるの…?」


狛枝「…?まあとにかく、それってとても不運だよね。」

狛枝「犯人から助かるという幸運のために、両親を失うという不運を体験しないといけないんだ。」


狛枝「まぁ、そのあとボクには莫大の遺産が転がり込んできたんだけど。」

狛枝「不運の後には、やっぱり幸運がやってくるんだよ。」




狛枝「他にもまだまだあるけど、聞きたい?」


小泉「聞きたくなんかない…。そんな胸糞悪い話…!!」

小泉「そもそもそんな話が本当だなんて、言い切れないよ!!」



狛枝「そっか…。でも、小泉さんも見たでしょ?ボクの“幸運”の片鱗をさ。」

小泉「え…?」

狛枝「ボクの話は信じられなくても、小泉さん自身が見た事実なら、信じられるでしょ?ほら、アレだよ。」

小泉「アレ…。それって…」




1.1回目の裁判

2.弐大のアレ

3.コロシアイ修学旅行自体



安価↓1





小泉「もしかして、1回目の裁判のことを言ってるの…?」


狛枝「そ。ボクは日向クンを殺そうとして、日向クンを刺したよね。」


小泉「…」




狛枝「そうやって、ボクはみんなの礎になって死のうと思っていたんだけどね…。」

狛枝「ボクの“幸運”という才能が、それを許してはくれなかった…。」


狛枝「本来は日向クンを殺して、ボクが死ぬはずだったのに、奇跡的にボクは日向クンを殺さずに済んだんだよ。」

狛枝「だからボクは、死なずに済んだ。これが、幸運。」


狛枝「でもそのせいで、終里さんが代わりに日向クンを殺してしまうことになった。」

狛枝「そしてボクみたいなクズではなくて、希望の象徴とうたわれる終里さんを死なせてしまったんだよ。」

狛枝「ボクの大好きな希望が、こんな理不尽な死に方をするなんて…。これが、不運。」




狛枝「分かったでしょ?ボクの幸運はね、非常に使い勝手が悪いんだよ。」

狛枝「しかもね、ボクの不運のせいで死ぬのはボクじゃない。ボクの周りの人間なんだ。」


小泉「そ、そんなのって…。あんまりだよ…!!」


狛枝「ま、そうだよね。」

狛枝「ボクなんかのせいで、キミたちのような大きな希望を持つ人間が死んでしまうなんて、最悪だよ…。」


小泉「そうじゃない…。そういう意味じゃ、ない…。」


狛枝「え?じゃあどういう意味なの?」

小泉「…」




小泉(コイツの言うことが本当なら…)




小泉(狛枝は、子供のころから“幸運”だったんでしょ?)




小泉(だとしたらコイツは、物心ついた時から自分の大事な人間を失ってきたんでしょ?)


小泉(何人もの人間が死んでいくのを目の当たりにしてきたんでしょ?)


小泉(抗いたくても、抗えなかったんでしょ?残酷な運命に、なすすべなく身をゆだねてきたんでしょ?)



小泉(しかも、自分が死ぬことも許されないなんて…。こんなの本当に、生き地獄じゃない…!!)




狛枝「もしかして、ボクに同情してくれているの?」

狛枝「いやぁ、喋ってみるもんだね。実は、その辺の小説から引用してきた話なんだけど。」



小泉「…」




小泉「同情したわけじゃない。」

小泉「アンタがどれだけ凄惨な過去を持っていたとしても、アンタが日向を殺したことは、絶対に許さないから。」


狛枝「そっか…。残念。」




狛枝「ま、とにかくわかったでしょ?ボクは“超高校級の幸運”であるとともに、“超高校級の不運”でもあるんだ。」


狛枝「あ。言っとくけどボクはこの才能を毛嫌いなんかしてないからね。」

狛枝「むしろこの才能のおかげで、ボクは“希望”という物の本質に迫ることができたんだから。」


狛枝「だからかな。ボクの近くに長いこと居ながら、しぶとく生きている小泉さんに惹かれるのは…」

狛枝「2回目の事件でも、紙一重で死から免れたし。」


小泉「いや、あれは主人公補正…」




狛枝「小泉さんが死なないのはきっと、小泉さんが希望に満ち溢れているからだよ!!」

狛枝「小泉さんが希望に満ち溢れているからこそ、死という運命なんかを寄せ付けない!!」

狛枝「ボクの才能の“幸運”なんてものともしない!!」


狛枝「やっぱり希望って、そういう物じゃないかな。」

狛枝「ボクが今まで経験してきた不運や絶望なんかを、ことごとく払拭するような…!!」

狛枝「ボクの“超高校級の幸運”なんてものじゃ左右されない…。ボクの才能なんかじゃ消えてなくなったりしない…!!」


狛枝「だから、ボクはそういう希望が存在できることを証明してほしい!!」

狛枝「ボクみたいな奴がどんなことをしても、毅然として絶望を駆逐するような、“絶対的な希望”…!!」


狛枝「なんてすばらしくて美しいんだ!!まるでファンタジーのような概念だよ!!」

狛枝「だってボクがどんな状況に陥っても、きっとボクを救ってくれるんだから!!」


狛枝「そんな“絶対的な希望”が存在してくれたなら、ボクは死んでも構わない…。」

狛枝「だって、それの存在だけで、ボクにとっての救いだからね…」



狛枝「ふふふ…。いったいその希望は、どこに眠っているのかな…。やっぱり、小泉さんにかな…!!」





小泉「…」



小泉「希望、希望…。アンタがどうしてそこまで希望を盲信するのか、少しだけわかったような気がする…。」


小泉「でも…」

狛枝「どうしたの?」



小泉「あのさ。聞いてもいい?」

狛枝「小泉さんになら、何をされても甘んじて受け入れるよ…。」


小泉「アンタの言う“絶対的な希望”って、そんなに非現実的なものなの?」

狛枝「う~ん。やっぱり存在することは極めて困難かな。だからこそ、生み出す価値もあるんだけど。」




小泉「本当は、もっと身近にあるものじゃないの?」

狛枝「…どういうこと?」

小泉「アンタが求めている者って、もしかして…」





1.死なない人

2.友達

3.愛人



安価↓1





小泉「愛人じゃないの?」


狛枝「愛人…?どこからそういう話に…?」



狛枝「ま、まさか小泉さん、ボクをてごめにしようと…!?」

狛枝「ボクに野獣のごとく襲い掛かって…!?」



小泉「…ちょっと。その、胸のあたりで手を交差させながら身を守るポ―ズをやめてよ。」


小泉「アンタにやられると、なぜか無性に腹が立つ。」



安価↓1






小泉「友達じゃないの?」


狛枝「…ははっ。ダメだよ、ボクに友達なんて。」

狛枝「どうせ、ボクの幸運ですぐに死んじゃう。」


小泉「…」





小泉(ダメだ…。今の狛枝には、こんなのじゃあ足りない…。)





安価↓1




小泉「アンタのそばにいつまでもいてくれる、“もう1人”じゃないの?」


狛枝「…」





小泉「だってその人は、いままでアンタの目の前にいた人たちとは違って…」

小泉「あなたのそばにいても、絶対に死んでいったりしないんでしょ?」


小泉「アンタがその人を殺そうと思っても、絶対に殺せないんでしょ?」

小泉「アンタが“超高校級の幸運”だとしても絶対に、平気な顔をしてアンタに微笑みかけることができるんでしょ…?」


小泉「それが、“絶対”なんでしょ…?」

小泉「それが、アンタにとっての、“希望”じゃないの…?」



狛枝「…」




狛枝「どうかな。ボクの中の希望か…。考えたこともなかったよ。」


狛枝「でも、小泉さんの言ったことは多分違うと思うよ。」

狛枝「だって、そんな簡単にたどり着ける答えが正解だなんて、到底思えないよ。」


狛枝「ま、いっか。じゃ、みんなのところに行こうよ。」



小泉「…」





小泉「狛枝。」


狛枝「…何?」



小泉「一応、これだけは言っておくけど…」




小泉「アタシは、アンタの“幸運”なんかで、死んだりなんかしないからね。」


狛枝「…そう。」





モノミ「…」



モノミ「入り込む隙がなかったでちゅ…。」





今日はこのくらいで終わりかな…?キリもいいし。





―マスカットタワー―



弐大「マスカットタワ―…。こっちには、イチゴのマ―クの扉があるのう。」


七海「向こうは、ストロベリ―ハウスにつながっているのかな?」


七海「マスカットタワ―で電子生徒手帳を置いて、ストロベリ―タワ―に入ってみたら、
ちゃんと電子生徒手帳が残ってたからね。」


左右田「つまりマスカットタワ―とストロベリ―タワ―は、同じものなんだな?」




ソニア「ところで、マスカットタワ―に誰かがいる時に、ストロベリ―タワ―に入ろうとしたら、どうなるのでしょう?」


モノクマ「では、お答えしましょう!!」


モノクマ「基本的に、動いている者がタワ―内に存在する場合、
センサ―が反応し、もう片方のタワ―の入り口はスイッチを押しても開きません!!」




田中「しかし、今回はメカ弐大は存在しないぞ…。極上の凶器を使えないのではないか…?」


小泉「な、何の話…?」



モノクマ「ご安心ください!!人が入っていたとしても、睡眠状態ならセンサ―には反応しません!!」


澪田「それなら、心配ないっすね―!!」

小泉「すでにトリックがわかってんじゃないでしょうね…?」




狛枝「しかし困ったね。全部探索したと思うけど、結局脱出の手がかりはないね。」


弐大「まぁ、今日のところは仕方ないわい!!」

弐大「ワシの腹時計によるとそろそろ午後10時ぐらいじゃから、今日は寝て、明日策を練るんじゃ!!」


澪田「しかしそれなら、部屋割りを決めないといけないっす!!」

七海「じゃあ…。男子4人、女子4人で、ストロベリ―とマスカットに分かれようよ。」




左右田「ちょっと待て。オレは狛枝と同じところで寝るなんて嫌だからな。」


狛枝「あれ…。左右田クンには、だいぶ嫌われちゃったみたいだね…。」

左右田「当たりめ―だろ!!こいつは異常者だし、裏切り者の可能性が1番たけ―からな!!」


小泉「はぁ…。こんなことでいちいちもめるのも時間の無駄だし、女子の方に狛枝を足して、5人と3人に分けようか。」

左右田「よし、任せたぜ!!」




小泉(危険人物を女子に丸投げして、恥ずかしくないのかな…。)






左右田「しまった!!これじゃ狛枝がハ―レムじゃねぇか!!狛枝の代わりに、オレが行けば…」






ソニア「いやです。」


澪田「却下。」


七海「ごめんね…。」


小泉「出直して来な。」




左右田「そこまで拒絶しなくても…。狛枝よりも扱いが酷いってどういうことだよ…。」





田中「では、部屋割りを決めるぞ…。」


左右田「仕方ねぇ…。」

弐大「行くぞ…。」



田中・左右田・弐大「ジャンケンポン!!」



田中「ふ、勝利したぞ…。」←豪華

弐大「にしし、こんな物かのう。」←豪華

左右田「こんなのってアリかよ…。オレだけ、普通の客室かよ…」←普通




小泉「じゃ、アタシたちはどうしよっか…。」

澪田「ま、じゃんけんでいいっすよ!!」

狛枝「あ、ボクは粗末な部屋でいいよ。どうせ拾われた身だしね…。」

七海「じゃあ、後4人でじゃんけんしよっか…。」








七海「勝っちゃった…と思うよ。」←豪華

ソニア「みなさん、すみませんね…。」←豪華

澪田「ま、こんなもんっすかね!!」←普通

小泉「アタシって、ジャンケン弱かったっけ…。」←粗末




左右田「まずいな…。粗末な部屋だけは、鍵がかかんねぇみたいだ。」


田中「何!?では、狛枝が小泉の部屋に入れてしまうぞ!?」

狛枝「むしろ、逆があるかも…。」


ソニア「よ、夜這いなんて、不潔です!!」




弐大「仕方ないのう。じゃあ代わりに小泉は、ワシの豪華な客室を使うんじゃあ。」


小泉「え?でも、それはちょっと弐大に悪いような気がするなぁ…。」

澪田「それじゃあ猫丸ちゃんは、粗末な客室に泊まるんすか?やっぱり真昼ちゃんが襲うことが可能っすよ!!」

弐大「心配いらんわい!!ワシは粗末な客室で十分満足じゃし、小泉程度なら返り討ちにしてくれるわい!!」

小泉「そもそも、襲ったりしないって…。」




最終的な部屋割り




ストロベリ―ハウス


豪華 田中 小泉

普通 左右田

粗末 弐大




マスカットハウス


豪華 七海 ソニア

普通 澪田

粗末 狛枝




―ストロベリ―ハウス 豪華な客室―



小泉「豪華な客室か…。完全防音らしいけど…」

小泉「あれ?よくみたら、こんなところに時計がある。」

小泉「豪華な客室だけには時計が置いてあるのかな…?固定されていて、持ち運びはできなさそうだけど…」


小泉「でも、どうしよう…。餓死するまでに人を殺せだなんて…。そんなの、できるわけがないよ…。」





二十五日目




モノクマ「こら―!!起きなさ―い!!」



小泉「あと5分~。」

モノクマ「小泉さんらしからぬことを言ってないで、起きなさい!!」


小泉「えっと…。まだ6時じゃない。前々日の徹夜が響いて、まだ眠いのよ。寝かせてよ…。」




モノクマ「じゃあ、伝言だけ!!7時30分から、マスカットタワ―に集まってください!!ご褒美をあげます!!」

モノクマ「これは強制参加ですよ!!毎日7時30分に、マスカットタワ―!!わかったね!!」



小泉「集まらなかったら、どうなるの?」

モノクマ「罰として、小泉さんの紐パンをマスカットタワ―に展示します!!」

小泉「行かないわけにはいかない!!」




7時20分くらい


―マスカットタワー―


弐大「おう、はやいのう。」

ソニア「10分前行動は基本です!!」

田中「ふん。俺様は、念を押して15分前に行動をとるがな…。」



小泉(どうやら、ここの4人は時間を守る部類なんだな。)




左右田「はぁ…。何でこんなことを…」

澪田「ご褒美ってなんすかね?」

狛枝「ま、どうせモノクマのやることだから、ロクなことじゃないね。」

七海「ねみぃ~。」



小泉「今が2分前くらいなのかな。そのうち誰かが遅刻するんじゃないの?」

モノクマ「その時は、その人のパンツが展示されます!!」


澪田「でもそれじゃあ、2回目以降の遅刻はペナルティがないっすよ?」

モノクマ「じゃあ、2回目以降は他の衣服を1枚ずつ没収しますか。」

弐大「寒さで体力を奪うためか…。これは、とりあえず従った方がよさそうじゃのう…。」


左右田「それって絶好の好機じゃん!!七海、遅刻して!!」

田中「弐大とは異なる考えを持つ者もいるが…」




七海「で、ご褒美ってなんなのかな?」



モノクマ「モノクマ太極拳です!!」




モノクマ「地球の重力を最大限に利用し、自己を無意識の緊張から解き放つべし!!」




小泉「これで、餓死までの時間を縮めようってことか…。う…腹に来る…。」




小泉(でもパンツの展示は嫌だ!!)





弐大「むう!?田中の様子がおかしいぞ!?」



小泉「え?」






田中「コォオオオオオオ…」ヒュンヒュン




左右田「ハムスタ―たちが田中を中心として、軌道に乗って回ってやがる!!」

左右田「まるで太陽を中心に回る太陽系を見ているようだ!!」


澪田「しかもちょっと浮いてないっすか!?」



田中「ふふふ…。俺様のもとに降臨したぞ…!!森羅万象を司る神々の祝福が…!!」

田中「今の俺様には、重力などまるで無価値!!」


ソニア「で、出ました!!空中座禅!!」

小泉「浮いてる!?」



七海「田中くんの下に、魔法陣のようなものが浮かび上がってる…。」

狛枝「す、すごいよ…!!田中クンから、希望が溢れてる…!!」

左右田「これが、モノクマ太極拳を極めた者の貫録か…。」

モノクマ「いや、違うんだけど…」








―マスカットハウス 1階―



小泉「やっぱり、脱出はできそうもない…。どうしよう。ファイナルデッドル―ムはまだ調べてないけど…」


小泉「モノクマ太極拳でお腹がかなり減るし…これじゃあ、食料も大してもたないかも…」




小泉「でも、問題はそれだけじゃない…。」




ソニア「こ、怖いです…。このまま餓死するのを待つしかないのですか…?」

ソニア「それとも、誰かに殺されるのですか…?」


澪田「あ。それと、食料の分け前は平等になってるんすか?」

ソニア「各々が最初に持っていた食料にばらつきがあるのに、平等に分けるのですか…?」

左右田「もしかしたら自分を殺そうとしているかもしれない奴に分けねぇといけねぇのかよ…?」



小泉「み、みんな、落ち着いて…。」




小泉(みんなの心が、どんどん侵されていっている…。)


小泉(空腹でいつ死ぬかわからない恐怖で、みんな疑心暗鬼になっているのかな…。)




田中「仙人モ―ドだ!!このような薄い壁など破壊してくれる!!」


田中「はぁ~~~!!!!」←なんか波動的な



ドグォ~ン!!




田中「ダメか…。1m位しかめり込まないな…。」

弐大「1mもめり込んだのか!?」


田中「次は風穴を開けてやる!!持ってくれよ!!界○拳3倍だぁああああ!!!!」




小泉「あいつらみたいに、緊張感のない奴らもいるけど。」




狛枝「こういう時こそ、平常心は必要だと思うけど…」

狛枝「さすがの皆も参っちゃってるのかな?」


小泉「やっぱり、落ち着くためのきっかけがいるんだ…。」

七海「なら、小泉さんの出番だね。」




小泉「アタシの写真で、みんなが落ち着けられればいいんだけど…。どこに張っておこうかな?」


七海「やっぱりモノクマ太極拳もあるし、マスカットハウスの1階にしたら?」

小泉「うん…。」








小泉「あれ、田中。食べないの?」

田中「ふん…。俺様にはまだ余裕がある。その分、他の奴らに分けるがいい。」

小泉「で、でも、昨日の朝から何も食べてないでしょ?無理してたら…」






田中「今、最も危険な問題は、食料ではない。」



小泉「え…?」


田中「明日にもなれば、それが顕著に表れるだろう。小泉も、それに飲まれぬようにしろ。」

小泉「う、うん…。」




―ストロベリ―ハウス 豪華な客室―



小泉「…」





小泉(これだけ節約しても、食料は後2日くらいで底を尽きる…。お腹すいたな…。)


小泉(どうなるの…?このまま、餓死するしかないの…?)




今日はこれで終了。




二十六日目



―ストロベリ―ハウス 豪華な客室―



小泉「あ。今、もう7時20分じゃない…。もう行かないと、遅刻だ…。」

小泉「お腹がすくと、いつもの時刻に起きることも叶わない…。」

小泉「あたま、かゆいな…。お風呂には2日間、入れてないのか…。」


西園寺『臭い仲間だね!!』


小泉「!?」




―マスカットタワー―



小泉「あれ?あそこに色彩豊かなトランクスが…」


左右田「滑り込みセ―フか!?」

小泉「アウト―。」








弐大「うおおおお!!なんか、来たぞぉ!!」

澪田「こ、今度は猫丸ちゃんっす!!手のひらと手のひらの間に、なにやら“氣”のようなものが…!!」

小泉「“氣”って何?」


狛枝「自分を極限状態に置くことで、自分の中に眠っていた希望を覚醒させることに成功したんだね…!!素晴らしいよ!!」



弐大「いける…!!この氣を、1点に集まるようにイメ―ジし…」

弐大「膨大なエナジ―を小さな球状に凝縮することに成功したぞ!!」


田中「弐大の手のひらの上に、球状の嵐が存在するかのようだな…!!」

澪田「これがあの有名な、『螺旋○』っすね!!」


七海「モノクマ太極拳って結局なんなの?」




弐大「これで壁をぶち破れるぞぉおおおお!!!!」



ズドォオオオオオン…




弐大「ダメじゃあ…。4m位しか壁を消し去ることはできなんだ…。」


左右田「消し去ったの!?」

小泉「どんだけここの壁厚いの…?」




―マスカットハウス ラウンジ―



小泉「モノクマ太極拳って…。予想以上に体力を削られる…。」

小泉「ど、どうしよう…。お腹すいた…。」


小泉「食べたい…。ご飯、食べたい…。」


小泉「ダ、ダメ…。そ、そんなことを考えると…」






ソニア「もう、限界です!!」



小泉「え…?」


ソニア「わたくしはもう限界です!!お腹すきました!!おふろにも入りたいです!!」

澪田「ソ、ソニアちゃん!?」



ソニア「お腹いっぱい食べたいです!!澪田さん、あなたの分もくださいよ!!」

澪田「えぇ!?唯吹だってお腹ペコペコっすよ!?」


辺古山『え?』





ソニア「お黙りなさい一般庶民!!わたくしを誰と心得る!!」

澪田「い、いくらソニアちゃんが王女だからって、こればっかりは譲れないっす!!」


左右田「ソニアさん!!オレの飲み物でよければ!!」(飲みかけ)

ソニア「絶対嫌です!!」

左右田「(´;ω;`)」




ソニア「大体、最初に何も持っていなかった澪田さんに食料を分け与える筋合いなんてありません!!」

澪田「ひ、酷いっす!!唯吹が死んでもいいんすか!?」

ソニア「罪木さんや西園寺さんにあんな残酷なことをした異常な澪田さんなんか、どうなってもいいです!!」

澪田「そ、そんな…」




小泉「ちょ、ちょっとソニアちゃん!!言い過ぎだよ!!2人とも、落ち着いて!!」



ソニア「小泉さんもわたくしに文句があるのですか?」



小泉「え…?」


ソニア「なら、わたくしにも考えがあります…。」

小泉「ちょ、ちょっと、ソニアちゃん!?どこに行くの!?」


澪田「うぅ…。なんでソニアちゃんは、唯吹を差別するんっすか…?」

小泉「ち、違うよ。ソニアちゃんはお腹がすいて、少し不安定になってるだけ…。」

小泉「そう、きっとそう…」




左右田「あれ?下からなんか、音が聞こえるな…。なんか、じだんだを踏んでいるような…」


小泉「じだんだ…?」



小泉「まさか…!!」





―マスカットハウス 1階―




ソニア「こんなもの!!こんなもの!!」


小泉「あ…あ……」





そこでソニアちゃんがしていたことは…



アタシの写真をびりびりに破いて、何回も何回も踏んづけて…





小泉「や、やめてよ…。」


小泉「やめてよソニアちゃん!!!!」



小泉「酷いよ…。なんで…なんでこんなことをするの…?」


ソニア「邪魔しないでください!!こんなもの、全部破棄です!!」

小泉「やめて!!これ以上、アタシの写真を…!!」






そう言って、固まって動きそうにない足を何とか動かして、


ソニアちゃんの足元にある写真の残骸をどうにかしてかき集めようと、アタシは身をかがめた。


すると…




ソニア「無礼にも許可なくわたくしの目の前に現れるなんて…!!」


ソニア「邪魔立てするなら、容赦しませんよ!!」



ゲシッ



小泉「うっ…!!」








かがんだことであらわになっていたアタシの背中に、鈍い痛みが降ってくる。


ソニアちゃんの足が、アタシの上に勢いよく落ちてきたんだ。



踏まれた部分から、じわりじわりと痛みが体全身に伝わっていく…。





その痛みから避けようとする本能が働いたのか、アタシは自然と体を丸めて、その場にうずくまった。





小泉「う、うぐぅ…!!」


ソニア「はぁっ、はぁっ…。」

ソニア「大体、こんな写真を撮って遊んでいる余裕があるなら、脱出の手ががりをさっさと見つけるのです!!」

ソニア「このっ!!このっ!!」



小泉「…!!…!!」




何回も何回も、激痛が背中にリロ―ドされる。


ソニアちゃんの靴がヒ―ルなのも相まってか、容赦なく蹴られると、骨にまで響く位の痛みで…




それは、普段の温厚なソニアちゃんからは想像もできないほどの“敵意”だった。


今までのアタシ達の絆を丸ごと足蹴にしてしまうんじゃないかと思うくらい、ソニアちゃんは本気だった。


本気でアタシを痛めつけていた。





声を出そうとしても出せなくて、それでも絞り出した声は、自分でも情けなくなるくらいに頼りないものだった。







小泉「痛い、痛いよ、ソニアちゃん…」





狛枝「まったく…。うるさいから何かと思えば…」


狛枝「ソニアさんが、地面にうずくまっている小泉さんを踏みつけているところか。2人はそんな関係だったのか…。」






「貴様ら、何をやっている!!」





と思うと、どこからか誰かの声が聞こえてくる。



それと同時にピタリ、と激痛が収まる。


やっとソニアちゃんは、我に返ってくれたのか…?





ソニア「た、田中さん…。」


田中「何の騒ぎかと思えば…。食料の取り合いなどで仲間割れをするなど、愚の骨頂だ!!」

田中「腹が減ったのなら、俺様の分をやる。それで今回の件は水に流せ。」



ソニア「た、田中さん…!!さすがは田中さんです!!」



小泉「ちょ、ちょっと…。なんでソニアちゃんが全部取るのよ…。」


ソニア「あなたは信用なりません!!わたくしは自分の部屋に戻らせていただきます!!」





そう言ってソニアちゃんは去っていった…。




小泉「…」


田中「行ってしまったか…。」


田中「小泉、立てるか?」




小泉「ぐすっ。ぐすっ。」


小泉「おかしいよ…。ソニアちゃんは、あんなのじゃなかったはずなのに…」

小泉「つい昨日まで、アタシの写真を見て、笑顔になってくれていたじゃない…。」


田中「…」

田中「食料があることが、仇となったか…。」


田中「餓死という物が目前まで迫ってきている恐怖で、食料の奪い合いが始まるとは予測していた…。」

田中「今日でこれならば食料が尽きるだろう明日は、それこそ殺し合いの勢いで食料を奪い合うことになるやもしれん。」




田中「しかし、ソニアの奴を責めないでやってくれ…。」

田中「貴様もわかっているだろう。本来のソニアは、あのような卑劣な者ではないと…」


小泉「分かっているよ、そんなこと…。」

小泉「でも…」



小泉「王女として、どんなことにも動じずにしていたあのソニアちゃんが…」

小泉「あんな状態になるなんて、信じられないよ…。」





田中「むしろ、いままで心が壊れずにいられたのが奇跡だったのかもしれん。」

小泉「え…?」



田中「前に奴が話してくれたのだが…。奴は自分の国にいたとき、誘拐されたことが3回はあるようなのだ。」


田中「奴はそんな時でも王女として気丈に振る舞ってきたらしい。」

田中「王女の自分が怯えていれば民衆も混乱に陥ると言ってな。」


田中「奴はかつてから、ずっとそうやって生きてきたのだろう。」

田中「どんなことがあっても、必死にやせ我慢をしてきたのだろう。」



田中「しかしここにきて、限界が来てしまったのだな…。唐突に緊張の糸がとけたようにして…」



小泉「…」






小泉(そうか…。ソニアちゃんがああなる可能性なんて、ずっと前から眠っていたんだ…。)



小泉(ソニアちゃんはアタシが思うほどには強くない。強く見えていたのは、ただ強がっているだけだったって…)



小泉(アタシはそういう奴を既に1回見ていて、知っていたはずなのに…)







田中「その写真、どうするのだ?集めるのなら、手を貸すぞ…。」


小泉「いいよ、こんなの…。どうせ誰も笑顔にできないよ、こんなんじゃ…」


田中「気をしっかり持て…!!貴様がそのような状態でどうする…!?」





小泉「だって!!こんな状況、どうしようもないよ!!」



小泉「脱出の手がかりは何も見つからないし、食料もすぐに尽きるし、みんなの結束はあっさり破綻するし…!!」




小泉「ああ、そうか…。」



小泉「誰かを殺せば…!!」



田中「馬鹿なことを考えるな…。それに…」






田中「どちらにしろ、明日で終わりだ…。」



小泉「え…?」



田中「何も心配はいらん。明日になれば、このくだらない脱出ゲ―ムも終わる…。」


小泉「田中…?」


田中「貴様は、自分を見失うな。写真を撮り続けるのが貴様の使命なのだろう?」




小泉「…」




小泉「ありがとう…。田中のおかげで、目が覚めたよ。」


田中「ふ、あまり手間をかけさせるな。貴様は我が田中キングダムの優秀な少将なのだからな…。」




小泉(准将からワンランク上がってない?)






狛枝「…」




狛枝「ふふふ。」










―ストロベリ―ハウス 1階―




小泉(…)


小泉(お腹減ったな…。)





小泉「ファイナルデッドル―ム…。もしかしてこの先に、脱出の手がかりが…?」


七海「ないよ。」

小泉「え…?」


七海「その先には、人を殺すための凶器しかない。そんなものを求めていないでしょ?」

小泉「千秋ちゃん…。」




七海「小泉さん。ソニアさんと何かあったんだよね?」

小泉「…」



七海「私ね、みんなの結束をもう1度取り戻そうと思ってね。」

七海「今から全員をマスカットタワ―に集めて、パ―ティをしようと思ってるんだ。」

七海「食事は出ないけれど…。みんなで話し合うだけでも、違ってくるんじゃないかな…。」

小泉「うん…。そうだね。」




小泉(今は食料より、みんなの心が入れ違いになっていることの方が問題かな…。)


小泉(なら、このパ―ティには参加した方がいいか…。)




小泉「わかった。アタシも参加するよ。」

七海「良かった…。」




小泉「そういえば、他のみんなはどうなの?」


七海「狛枝くんには断られちゃったな…。」

小泉「どうせ、『ボクみたいなクズがそんなものに参加したら、パ―ティが台無しだよ』とか言い出したんでしょ?」

七海「大体そんな感じ。」




七海「あとね…。ソニアさんが、自分の部屋から出てこようとしないんだよ…。」


小泉「ソニアちゃん…。」


七海「田中くんが説得してくれるみたいなんだけど…」

七海「ソニアさんが参加しないなら、田中くんは彼女を放っておけないから、田中くんも参加しないみたい…。」


小泉「そっか…。様子だけ、見てみようかな…。」




―マスカットハウス 2階―




田中「ふう…。」

小泉「あれ?ソニアちゃんの部屋から、田中が出てきた…。」


左右田「ま、まさか、2人であんなことやこんなことを…!?」

弐大「そうやって2人は大人になるんじゃい!!」

左右田「オレを置いてかないでぇえええ!!」




小泉「どうなの、田中。」

田中「どうしても、他の奴らを信用できんようだ…。顔を会わせるのも嫌らしいな。」



小泉(それにしては、田中だけは信用されてんのね。)



小泉「そっか…。残念。ソニアちゃんと仲直りしたかったのにな。」

田中「まあ、このような状況だ。それも仕方ないのかもしれん。」


田中「だが、その心配も杞憂だ。明日になれば、いつものソニアが戻ってくる。」

小泉「…」


田中「俺様はもう少し、ソニアを説得してみよう。貴様らはもうパ―ティを始めていろ。」

小泉「うん、任せたよ。」




―マスカットタワー―




澪田「うう、寒いっすね、ここ。床もかたいし。どうしてラウンジでやらないんっすか?」


七海「今は5人しかいないけど、当初の予定は8人だったし…。ラウンジじゃあ、狭すぎると思ってね…。」


澪田「それもそうっすね!!眼蛇夢ちゃんとソニアちゃんも来るかもしれないっすからね!!」

弐大「まあ、せっかく集まったんじゃから、今日は語り合うぞ!!」


左右田「しかしよ、時間とかは気にしなくていいのか?」

弐大「心配はいらん!!ワシの体内時計は大体は信用していいからの!!ちなみに今は9時じゃ!!」




小泉(その体内時計も、食料がなくなったらうまく機能しなくなるだろうな…。)


小泉(い、いけない。こんな、後ろ向きに考えちゃ…!!)




アタシたちはこんな状況ながらも、なんとか和やかな雰囲気を維持することに成功した…と思うけど…。


なにせ5人しかいないし、肝心のソニアちゃんとは話せなかったな…。





小泉「そろそろ、寝よっか。」

七海「うん…。ねみぃ~。」

澪田「唯吹はそんなに眠くないっすけどね~。」

左右田「夜型なんじゃねぇの?」

弐大「そういう生活リズムはよくないぞお!!」

澪田「ギャア!!こんなところで唯吹の弱点があらわに!?」





―ストロベリ―ハウス 豪華な客室―




小泉「今は…」

小泉「11時…。2時間しか話し合ってなかったのか…。もっと話していたような気がするけど…」




小泉(おそらく、明日で食料が尽きる…。)

小泉(明日が、正念場だ…。)


小泉(田中は言っていたな…。明日、食料の奪い合いが激化するって…)


小泉(さっきのパ―ティで、みんながそんなことをしようと思わなければいいけど…)




小泉(大丈夫だよね…。みんな、仲間…だもんね…。)





二十七日目



小泉「ん…。」

小泉「今は…。6時40分…。モノクマ太極拳はまだだけど、なんか目がさえちゃったな…。もう、起きようかな。」



ガチャ




左右田「あ、小泉!!お前、どうして今まで出てこなかったんだよ!?」


小泉「え?」


弐大「さっきから、ずっとラウンジの時計が鳴っとったんじゃあ。」





田中「静寂を打ち破りし悪魔の叫び…。」

田中「それを食い止める方法も、今の今まで解明されなかった…。」


田中「しかし、ついに!!破壊神暗黒四天王が一角“侵略する黒龍”チャンPが、
時計の裏の取り外し可のふたを見つけることに成功したのだ!!」チュ-チュ-!!


弐大「まさか、あんな小さいところにスイッチがあるとはのう…。」


小泉「そうなの?騒音が鳴り響いていたなんて、全然気づかなかった…。」





小泉(まあいいか。ちょっと、トイレに…)




―ストロベリ―ハウス 1階―



………



小泉(ふぅ…。すっきりした。)



小泉「ん?」

小泉「田中、どうしたの?」


田中「小泉か…。マスカットハウスに行こうと思ったのだが…」

小泉「マスカットハウス?ソニアちゃんに会いに行くの?」


田中「…。それはともかく、連絡エレベ―タ―のボタンが壊れているのだ。」

田中「これでは、マスカットハウスに行くことができんな…。」




小泉「本当だ…。でもこれって、壊れた物というよりも、明らかに“壊された”物だよね?」


小泉「だって、スイッチの押す部分が引っ張り出されて、中の部品が飛び出てるし…」


田中「おかしいのはそれだけではない。ストロベリ―タワ―へのスイッチも壊されている…。」




小泉「いやな予感…!!もしかして、また…!?」



田中「ストロベリ―ハウスの4人は全員の無事を確認できたが…」



小泉「どうにかして、マスカットハウスと連絡を取る方法はないかな…?」


田中「もしかしたら、ファイナルデッドル―ムに何かあるかと思ったが…。見ての通りだ…。」



小泉「え?」




そう言われて、ファイナルデッドル―ムをみると…



木の板でバッテンを描くようにして、ファイナルデッドル―ムの扉が封鎖されていた…。






小泉「木の板…?こんなの、ドッキリハウスにあったっけ…?」



田中「分からんが…。とにかく小泉は、ラウンジの電話でマスカットハウスに連絡を取れないかを確かめてくれ。」

田中「あと、左右田を呼んでくれ。」



小泉「田中は何をするの?」

田中「この木の板をはがせないかを、確かめる。」


小泉「はがすって…。もしかして、ファイナルデッドル―ムをプレイするつもり!?」

田中「…」

田中「もしもの時のためだ…。」


小泉「田中…。」




小泉(でも、そんな言い合いをしている場合じゃない…!!今は、向こうの安否の確認のほうが重要だ!!)





―ストロベリ―ハウス ラウンジ―




小泉「この電話か…。」



プルルルルルルル…





澪田『もしもしっす!!』



小泉「唯吹ちゃんは無事か…。」




澪田『どうしたんすか?』




小泉「説明は後でいいかな?今すぐ、マスカットハウスの全員の安否を確認してくれない?」



澪田『なにかただならぬことがあったんすね…。わかったっす!!またかけなおすんで、待っておくっす!!』



小泉「…」




小泉(みんな、無事でいて…!!)





プルルルルルル…




小泉「唯吹ちゃん!!どうだった?」


澪田『う~ん…。顔を見れたのは、凪斗ちゃんだけっすね…。千秋ちゃんもソニアちゃんも、返答がないっす…。』


小泉「ど、どうして、返事をしないんだろう…?」



澪田『インタ―ホンの音すら聞こえないほど、熟睡してるんじゃないっすか?
さっきの地響きにも、まったく反応しなかったっすから!!』



小泉「地響き…?」




澪田『まあ、そろそろモノクマ太極拳の準備をしないといけないっす!!とりあえず今は、このくらいで!!』


小泉「え?ちょっとま…」



ガチャ ツ-ツ-





小泉「切れちゃった…。」


小泉「今が…7時くらいか…。」



小泉「どうしよう…。このままじゃ、モノクマ太極拳にも行けないし…」


小泉「パンツを展示…。いやそんなことより、また、起きたかもしれない…。」






小泉「どうしよう、どうしよう…!?」









そして、なすすべなく手をこまねいている間に、時間は流れ…











ピンポンパンポン

映像の中のモノクマ『死体が発見されました!!一定の捜査時間の後、学級裁判を、開きます!!』








小泉「…」





小泉「そんな…」



小泉「また、始まるの…?」






今日はこれで終了。


捜査はちょっと長いので、たぶん2日くらいかかります。


で、残りレス数では間違いなく学級裁判は終わらないので、100レスくらい残るかもしれませんが、

4章の学級裁判は3スレ目からということになると思います。






今日も投下が遅れそう。9時くらいに覗いてください。




CHAPTER4 超高校級の魔術師、最期の大花火!! 非日常編






―マスカットタワー―




狛枝「…」







粉砕死体。





ボク達が見た物は…






腕はひしゃげ、体はあらぬ方向に曲がり…



頭部は、まるでスイカ割りをした後のスイカのように、中身をすべてぶちまけた…












“超高校級の王女”、『ソニア ネヴァ―マインド』の、変わり果てた姿だった…。







澪田「う…う…」


澪田「お、おえぇぇえぇ…」




狛枝「3章ではあんなことをした澪田さんでも、さすがに難易度が高かったね。ゲ―ムだったら絶対に出せないよ。」

七海「4章のトリックは死体がメカ弐大くんじゃないと、死体がグロテスクすぎて見せられません。」




澪田「な、なんで、2人は平気なんす…ゲボァアッ!!」



狛枝「いけないね。澪田さんをここから出さないと。トラウマになっちゃう。」

七海「もうなってるんじゃないかな…。」




モノクマ「じゃあ事件が起こったことだし、食料を解禁いたします!!」



モノクマ「あんパンと牛乳~!!」




狛枝「なんかこう、もっといいものないの?」

モノクマ「じゃあ、トムヤムクンでも食べる?」

狛枝「いやなことを思い出しちゃったじゃないか…。」



モノクマ「じゃ、お決まりになってきましたが…」


モノクマ「“ザ・モノクマファイル[4]”!!」




モノクマファイル[4]

『被害者:ソニア ネヴァ―マインド。致命傷は、頭部の傷。
頭部に強烈な衝撃を与えられている。頭部以外にも、体中を損傷している。』





狛枝「相変わらず、大した証拠はない…。死亡推定時刻が書かれていないだけか。」


七海「う~ん…。それにしても、ストロベリーハウスにいる人たちはどうしたのかな?」

七海「モノクマ太極拳があるから、みんな来ないといけないはずだけど…」


狛枝「パンツが展示されないということは、殺人が起きたからモノクマ太極拳はお終いってことかな?」

モノクマ「その通り!!全員が遅刻するとは思ってなかったけど、事件が発生したのでチャラにしちゃいます!!」

七海「全員が遅刻したんだね…。」



狛枝「ま、ここからは、ボクは1人で捜査させてもらうよ。」




捜査開始



狛枝「まずは…。巨大なハンマ―が落ちている。これが凶器なのかな?」

狛枝「血痕がついてるけど…。ハンマ―付近の血痕とソニアさんの死体とは、結構離れているね。」

狛枝「ま、犯人の偽装と考えるのが普通かな。」


狛枝「あと、柱が倒れてるよ…。柱にも血痕が付いているけど。柱の付け根が焦げている。」




狛枝「最後は、ソニアさんの死体かな…。」

狛枝「これはひどい。頭なんかは原形をとどめてないね。」



狛枝「しかし問題はそれだけじゃない。ソニアさんはワイヤ―で縛られている。」

狛枝「ワイヤ―の先は輪っかになっているけどどういう意味なのかな?まあ、本編をやっていればわかることか…。」




狛枝「あとは…。ソニアさん、何か証拠を持ってないかな?」




ゴソゴソ…



狛枝「あった。なになに、どうやらこれは手紙のようだね。」




手紙『脱出の手がかりをつかんだ。4時にマスカットタワ―に来てくれ。 田中』





狛枝「例によって例のごとく、呼び寄せる手紙か…。」

狛枝「普通に考えて、田中クンとは別人が書いたと考えるのが自然だけど…」




狛枝「それにしてもソニアさんはあれだけ他人を警戒していたのに、こんな手紙ひとつでホイホイやってくるなんて…」

狛枝「意外と抜けてたんだね。」


狛枝「さて…。ここはこのくらいかな。」








言弾:モノクマ太極拳(7時30分開始)を獲得!!

言弾:全員遅刻を獲得!!

言弾:モノクマファイル[4]を獲得!!

言弾:ソニアの死体の状況を獲得!!

言弾:血の付いたハンマ―を獲得!!

言弾:現場の血痕を獲得!!

言弾:柱と焦げた跡を獲得!!

言弾:ワイヤ―を獲得!!

言弾:手紙(4時集合)を獲得!!






狛枝「次は…」


狛枝「澪田さん。」

澪田「唯吹に何か用っすか?唯吹には、捜査なんてできそうにないっすが…」


狛枝「3章での閃きはどこに行ったの?」




狛枝「まあそれはいいとして、澪田さんは6時過ぎくらいの地響きは聞こえた?」


澪田「それはもう、ばっちりっす!!確か大きな地響きの前に、1回爆発音が聞こえたはずっす!!」

狛枝「爆発音…?」


澪田「地響きよりはだいぶ小さかったみたいっすが、唯吹の耳はごまかされないっすよ!!」

澪田「まずは小さな爆発音、その後に大きな地響きっす!!」


狛枝「さすがは“超高校級の軽音楽部”さんだね。ボクには全く分からなかったよ。」

澪田「いや~。おだてても何も出ないっすよ~!!」




澪田「あと、大体の時間も把握してあるっす!!爆発音はたしか6時15分くらいっす!!」

狛枝「何でそんなに正確にわかるの?澪田さんが泊まっていた普通の客室には時計はないよね?」


澪田「唯吹は今日、5時くらいに目がさめちゃったんで、5時からはずっとラウンジでぶらぶらしてたんっす!!」

澪田「凪斗ちゃんと千秋ちゃんといっしょに、7時20分にマスカットタワ―に行くまでずっとっす!!」

澪田「ラウンジには時計があるっすからね!!」




狛枝「その間、音以外に何かなかった?」


澪田「そういえば…。7時くらいに、真昼ちゃんから電話がきたっす。」

狛枝「ふ~ん。内容は?」

澪田「みんなの安否を確認してほしいって…」

狛枝「向こうでも何かあったのかな?一向にこっちにくる気配がないし…」



狛枝「ま、聞きたいのはそれくらいかな。ありがとね。」

澪田「お役にたててよかったっす~!!」

澪田「でも、議論をかき回さないでよ!!」

狛枝「澪田さんがそれを言うの?」





言弾:爆発音(6時15分)を獲得!!

言弾:地響き(6時15分)を獲得!!

言弾:澪田のアリバイ(5時~7時20分)を獲得!!





狛枝「さてと…。次は、連絡エレベ―タ―を…と思ったら、スイッチが壊されている。」


狛枝「向こうの皆も来ないということは、どっちのスイッチも壊されているのかな?」

狛枝「そもそも片方が壊れていたら、もう片方には行けないのかな…?」


モノクマ「お答えしましょう!!このスイッチは、あくまで呼ぶこと専用です!!」

モノクマ「スイッチを押し、エレベ―タ―を呼んだ後にスイッチを壊しても、1回だけ別の建物に行くことが可能です!!」


狛枝「なるほどね。じゃあ、やっぱりどっちも壊されてるんだ。」



狛枝「しかし困ったね。これじゃあ向こうには行けないし、
連絡エレベ―タ―がストロベリ―とマスカットのどちらで止まっているかもわからないのか…。」




言弾:壊されている連絡エレベ―タ―のスイッチを獲得!!

言弾:どちらかにある連絡エレベ―タ―を獲得!!





狛枝「さて、ここで現場の図をおさらいしておこう。」




狛枝の図→(http://i.imgur.com/bE68Kwx.png




狛枝「えっと…。次は2階かな。」






―マスカットハウス 2階―



狛枝「今は…。7時50分くらいか…。」


狛枝「それよりもストロベリ―ハウスの人に、頼んでおかないとね。」




プルルルル





小泉『…もしもし。』


狛枝「やあ、小泉さん。よかった。出てくれたのが小泉さんで…」


小泉『…』


狛枝「あ、モノクマファイルはもう渡されたの?じゃあ誰が殺されたかは、もうわかってるよね?」


小泉『…用件だけ言ってよ。』


狛枝「つれないなぁ。じゃ、手短に言うけど。ストロベリ―ハウスの時計を全部調べて。どれかが狂っていないか。」

狛枝「ちゃんとラウンジのと、2つの豪華な客室の時計の、3つだよ。」



小泉『…』





ガチャ



狛枝「返事もせずに切っちゃった。ちゃんとやってくれるか心配だなぁ。」

狛枝「ま、小泉さんならやってくれるよね。」




狛枝「さてと…。じゃあ…」




狛枝「まずは七海さんの部屋…。」

狛枝「目立つものは、ゲ―ム機くらいか…。時計も、ラウンジのと変わらないや。」


狛枝「次はソニアさん…。おや?」

狛枝「ソニアさんの時計だけ、今が9時になっている…。他のとは、1時間ずれてるね。」



狛枝「ボクの部屋には、希望の乾パンが一切れ残るだけだし…」


狛枝「最後は澪田さんの部屋…。と思ったけど、特に目立ったものはないか…。」




言弾:マスカットハウスの人間の持ち物を獲得!!

言弾:ソニアのずれた時計(1時間進んでいる)を獲得!!




狛枝「最後に、昨日開いたらしいパ―ティについて七海さんに聞いてみよう。」


狛枝「七海さん、昨日のパ―ティは誰が参加したの?」

七海「狛枝くん、田中くん、ソニアさん以外の全員だよ。」


狛枝「田中クンも参加しなかったの?」

七海「うん。ソニアさんを説得するって言って、そのまま来なかったんだよ。」




狛枝「でもソニアさんは、疑心暗鬼になっていたんでしょ?」

狛枝「田中クンはソニアさんの部屋にも入れないだろうから、説得も何もないと思うけど…」


七海「いや…。田中くんは例外だったみたい。」

七海「ソニアさんは、田中くんにだけは心を許していたみたいだよ。田中くんだけは部屋に入れていたよ。」


狛枝「そ、そうやって、2人は大人の」

七海「そういうのは、もう弐大くんが言ってたよ。」




狛枝「で、そのパ―ティは何時から何時まで行われたの?」


七海「始めたあたりは、9時くらい…。終わったのは、11時くらいかな…。」

狛枝「うん、それくらいわかればいいかな。」




言弾:パ―ティの参加者(9時~11時)を獲得!!

言弾:ソニアの例外を獲得!!




狛枝「さてと…。3階を調べたけど、何の証拠もなかったな…。」

狛枝「じゃ、後は小泉さんの返事を待つか…。」




若干早いけど、今日はこれで終了です。




―ストロベリ―ハウス 1階―



モノクマファイル[4]




『被害者:ソニア ネヴァ―マインド。致命傷は、頭部の傷。
頭部に強烈な衝撃を与えられている。頭部以外にも、体中を損傷している。』




小泉「…」


小泉「ソニアちゃん…。」





左右田「う、嘘だ…!!こんなの、嘘だ…!!」


左右田「うあああああああ!!ソニアさん!!ソニアさぁあああああああああああああああん!!!!!!」



田中「…」


弐大「またしても、止められんかったか…。」




左右田「チクショウ…。ゆ、許さねぇ…。今回の犯人だけは、絶対に…!!」



左右田「オレが、突き止めてやる…!!」





小泉(左右田…無理もないか…。だって、あんなにソニアちゃんを慕っていたんだから…)




小泉(なんでこうなっちゃうの?)


小泉(だってソニアちゃんとは、まだ仲直りもできてないんだよ?)


小泉(ソニアちゃんは、いまだにアタシに敵意を向けたまま、死んでいったんだよ?)





小泉「どうしていたら、止められたのよ…。」





田中「そう言っていても仕方あるまい…。とにかくまた、捜査を開始しなければな…。」




左右田「はっ。あんだけソニアさんのそばにいながら、守れなかった奴に言われたくね―よ。」


田中「…」





弐大「お、お前さんら、よさんか!!こんな場面でいがみ合ったって仕方なかろう…。」


弐大「とにかく、手分けして捜査をするぞ!!」


田中「1階、2階、3階、そしてファイナルデッドル―ム…。4人でそれぞれ役割を分担しようではないか。」


左右田「スイッチを直せるのは、恐らくオレだけだな…。じゃ、オレが1階を捜査するぜ。」


田中「左右田の役割は決定として…。問題は、ファイナルデッドル―ムを誰が攻略するかだが…」

弐大「うむぅ。こんな大仕事を、女にやらせるわけにはいかんから…」





小泉「いや、アタシがやるよ。」



田中「何だとっ!?」

弐大「小泉、何を言っとるんじゃあ!?」



田中「何かの責任感だけで言っているなら、やめておけ…。ソニアが死んだのは、貴様のせいではないのだぞ…?」



小泉「そんな理由じゃない…。」





小泉「アンタらは全員信用ならないのよ。」


左右田「はぁ!?」



小泉「だってそうでしょ!?ストロベリ―タワ―の扉も連絡エレベ―タ―の扉も壊されていたんだから、
ファイナルデッドル―ムを封鎖できるのなんてこのストロベリ―ハウスにいたアンタらだけだよ!?」


弐大「どさくさに紛れて、自分を抜いておらんか?」


小泉「アンタらの中に犯人がいるかもしれないんだから、アンタらに任せられるわけがないでしょ!!」

小泉「だから、ファイナルデッドル―ムはアタシが調べる!!」


左右田「そうは言ってもよぉ…。」




田中「どちらにせよ、その話は後だ。この木の板を剥がさんことには、ファイナルデッドル―ムには入れんからな。」

田中「まずは1階から3階までを調べあげ、木の板をはがす方法を考えるぞ。」


弐大「そういうことじゃ、小泉。ここは左右田に任せて、ワシ、田中とお前さんの3人で2階・3階を調べるぞ。」



小泉「…」





捜査開始



―ストロベリ―ハウス 2階―




田中「俺様は、3階を調べよう。弐大と小泉は、2階を調べてくれ。」

弐大「ああ、任しとけい。」


小泉「…」




プルルルルルル



弐大「ん、電話じゃのう…。」

小泉「アタシが出るよ…。唯吹ちゃんかもしれないし…。」


ガチャ




小泉「…もしもし。」


狛枝『やあ、小泉さん。よかった。出てくれたのが小泉さんで…』


小泉「…」




小泉(狛枝か…。出なきゃよかった…。)




狛枝『あ、モノクマファイルはもう渡されたの?じゃあ誰が殺されたかは、もうわかってるよね?』





小泉(相変わらず…。どうして平気でいられるの?)


小泉(だって狛枝なんかは、ソニアちゃんの死体を直で見たんでしょ…?)


小泉(どうして、そんなに機械的に、無機質に、捜査ができるのよ…。)



小泉(嫌悪感だけがつのっていく…。早く切りたい…。)




小泉「…用件だけ言ってよ。」


狛枝『つれないなぁ。じゃ、手短に言うけど。ストロベリ―ハウスの時計を全部調べて。どれかが狂っていないか。』

狛枝『ちゃんとラウンジのと、2つの豪華な客室の時計の、3つだよ。』



小泉「…」




ガチャ



弐大「どうだったんじゃあ?」

小泉「狛枝から…。狂っている時計がないかを探せって…」




弐大「時計か…。確かに、今回の事件は時間が重要そうじゃのう…。」

小泉「どうしてそう思うの?」

弐大「なんとなくそう思うだけなんじゃが…」



弐大「ワシは今日も、いつも通り起きたつもりだったんじゃが。」

弐大「時計を確認すると、4時だったんじゃ。1時間早く起きてしもうた…。」

弐大「ワシの時間感覚もずれ始めとるんなら、他の皆ならなおさらじゃろう。」

弐大「そこに、犯人のつけいる隙があるかもしれんじゃろう?」


小泉「ふ―ん…。何かの手がかりになるかな…?」





言弾:弐大の証言(4時起床)を獲得!!




弐大「じゃあとりあえず、片っ端から調べてみようかのう!!」






小泉「弐大の部屋には、肉類の残りだけか…。」

弐大「左右田の部屋は、ペットボトルの空だけじゃの…。」


弐大「じゃあ、ワシは小泉の部屋を調べる。小泉は田中の部屋を調べてくれ。」



小泉(アタシの部屋をアタシが調べてもしょうがないからね…。)




―ストロベリ―ハウス 豪華な客室―



小泉「田中の部屋…。見た目はあんまり変わってないけど…」


小泉「8時15分くらい…。ラウンジのと大して変わってないな…。」


小泉「ん…?ベッドの下に何かある…。」

小泉「ま、まさか、そういう本じゃ…」



小泉(息子のベッドの下を探るお母さんの気持ちってこんなのなのかな…?)




小泉「…!!」



そこにあったのは…。見たこともないような、凶器の山だった…。




小泉「うそ…!?田中…!?」

小泉「どうして、こんなものがたくさん…!?」


小泉「こんなものは、ドッキリハウスのどこになかった…。」

小泉「じゃあ、これらは、ファイナルデッドル―ムにしかなかったはず…!!」



小泉「…考えても仕方ない。とにかく、このことをみんなに知らせよう。」

小泉「これがあれば、ファイナルデッドル―ムの扉も開けるかもしれないし…」




―ストロベリ―ハウス 2階―



弐大「小泉の部屋には、目立ったものはなかったのう。時計は、8時15分あたりをさしとったが…」


弐大「ん!?小泉、そのまがまがしい凶器たちはなんだ!?」

小泉「田中の部屋にあったのよ…。」


弐大「田中…。もしや、犯人は…」

小泉「まだそう決まったわけじゃない…」

小泉「田中がファイナルデッドル―ムをプレイしたことは間違いなさそうだけど。」



弐大「そうか…。じゃあとりあえず、左右田のところへ行こうかのう!!」

小泉「あ。そのまえに、狛枝に連絡しとかないと…」




プルルルルル



狛枝『遅かったね。待ちくたびれたよ。で、どうだったの?』


小泉「全部同じ時間をさしてたわ…。ラウンジのは、今は8時20分くらい…。」


狛枝『ふ~ん。じゃ、やっぱり狂っているのはソニアさんのだけだね。』


小泉「ソニアちゃんのが狂っていた…?」


狛枝『そうだよ。ソニアさんのだけ、1時間進んでた。』


小泉「そう…。」





言弾:ストロベリ―ハウスの人間の持ち物を獲得!!

言弾:田中の凶器を獲得!!

言弾:6つの時計を獲得!!




―ストロベリ―ハウス 1階―



小泉「どう?左右田。」


左右田「ダメだな…。
連絡エレベ―タ―の部品もストロベリ―タワ―の扉の部品も、いくらか持ち去られていたり壊されていたりしてやがる。」


左右田「部品がないんじゃあ、直しようがねぇ…。」

小泉「どうにかならないの?」

弐大「今回は、ワシがメカじゃなかったからのう…。部品の供給源がないから、無理なんじゃないかのう。」

小泉「また本編の話か…。」


左右田「くそっ…。今回の犯人、ふざけたヤロ―だな…!!2つの建物を分断しやがるとは…!!」





言弾:壊されたストロベリ―タワ―のスイッチを獲得!!

言弾:封鎖されたファイナルデッドル―ムを獲得!!

言弾:持ち去られた部品を獲得!!




左右田「ん!?そういや、その凶器、どうしたんだよ!?」

小泉「田中の部屋にあったのよ。」

左右田「あ、アイツ…!!まさか、アイツがソニアさんを…!!」

小泉「ちょ、ちょっと待って、左右田。まだ、田中が犯人と決まったわけじゃ…」


左右田「いや…やっぱり田中は1番怪しいぞ!!」

小泉「え?どうしてそう言えるの?」


左右田「お前も言っていただろ?ファイナルデッドル―ムを封鎖できるのは、ストロベリ―ハウスにいた4人だけってな。」

左右田「その中で、田中だけがおかしな行動をとっているんだよ!!」


小泉「おかしな行動?」




左右田「あ~…。これを話すには、オレと弐大が、2人で話し合っていたところから始めねぇといけねぇな…。」


小泉「そうなの?弐大。」

弐大「ああ、そういえば言っとらんかったのう…。」


弐大「ワシは4時に起きたんで、しばらくは自分の部屋でじっとしとったんじゃが…。」

弐大「4時30分ごろかのう。外に誰かの気配がしたから出てみると、左右田がおったんじゃあ。」

左右田「ああ。腹が減ってあんまり眠れなかったからよ…。ラウンジに出たんだよ。」

左右田「んで、自分らの食料を少しずつ出しあいながら、時計が鳴った時までずっとだべってたってわけよ!!」


弐大「男の友情じゃの!!」

左右田「気持ちわりぃこといわねぇでくれよ…。」

左右田「まぁ、あんな状況だったからな。いい雰囲気を維持するのも大事だと思ってよ。」




小泉「それで、田中のおかしな行動と何か関係するの?」

左右田「ああ。時計が鳴った時の田中の行動が不審なんだよ!!」

小泉「そういやさ、時計が鳴ったのっていつぐらいのこと?」

左右田「あれ?いつだっけ?」

弐大「確か、6時30分くらいじゃなかったかのう?」

小泉「アタシが起きたのが、6時40分くらいだったから…。間違いはなさそうね…。」



左右田「それで小泉以外の、オレ、弐大、田中が集まったんだよな…。」

小泉「それが何かおかしいの?」


弐大「そういやあ田中の部屋は、小泉と同様に豪華な客室だったのう…。」

弐大「完全防音のはずじゃから、田中が部屋にいたら、聞こえんはずじゃが…」


左右田「つまり、アイツは部屋の外にいたんだよ!!外で、ソニアさんを…!!」

小泉「う~ん。要するに本編と同じってことね。」

左右田「それ言っちゃおしまいでしょう!!」




小泉「ソニアちゃんの死亡推定時刻がわからないけど、
左右田と弐大が4時30分あたりからずっと一緒だったのなら、怪しくはないのかな…?」



左右田「いや、ずっと一緒だったわけじゃないよな、弐大。」

小泉「え?」

弐大「ああ、あの時のことを言っとるんかぁ?」

小泉「あの時…?」



弐大「実はのう。ワシは6時くらいに腹を壊して、20分ほどトイレで格闘しとったんじゃあ!!」


小泉「…」


左右田「20分くらいはオレたちは単独行動してたわけだが…。20分で殺すなんて、無理だよな…?」




小泉(一応覚えておいた方がいいか…。)





言弾:弐大と左右田のアリバイ(4時30分~7時30分)を獲得!!

言弾:目覚まし時計(6時30分)を獲得!!

言弾:集まった3人を獲得!!

言弾:空白の20分(6時~6時20分)を獲得!!





田中「貴様ら、ここにいたのか…。3階には何もなかったぞ…。」

左右田「…」

田中「どうした?」


左右田「はっ。学級裁判で明らかにしてやんよ。」

左右田「お前の犯行をな…!!」


田中「…」

田中「そうか、俺様の部屋の凶器を見たのだな…。」

小泉「うん…。」




小泉「でも、田中が犯人だと本当に疑っているわけじゃない。」

小泉「それはやっぱり、ファイナルデッドル―ムをクリアしないとわからないからね…。」

田中「あそこには入らん方がいいぞ…。本当に死ぬかもしれん…。」


小泉「でも、誰かがやるしかない。」

小泉「事件の真相に迫るためにはね…!!」




弐大「木の板は、なんとか剥がせたぞ…。」

弐大「しかし、本当に小泉が行く気か?田中は確かに怪しいが、ワシか左右田が行くべきじゃないんか?」

左右田「オ、オレ!?」


小泉「アンタらも、容疑が晴れたわけじゃないからね…。」




小泉「それに、左右田なんかは明らかにびびってんでしょ…。」

小泉「そんな奴に、命を賭けさせるのはかわいそうよ。プレイする覚悟がある人間がやるべきだと思うよ…。」



弐大「か、覚悟か…。小泉…。お前さん、今すんごい漢らしいぞ?」

左右田「いや、むしろ無償の愛を感じるぞ…!!これが、“超高校級のおか”」




バタン




左右田「あ、行っちゃった…。なんか怒ってなかった?」


弐大「『口は災いの元』じゃぞ、左右田。」


田中「貴様もだ、弐大。」




―ファイナルデッドル―ム―



モノミ「あ、小泉さんでちゅか。」

小泉「なんでモノミがいるの…?」

モノミ「アナウンスが流れたので、ここかと思ったら出られなくなったでちゅ。」

小泉「本編と同じか…。」




小泉(ここの脱出ゲ―ム…。本編で普通にやってたら、全部狛枝のヒントでクリアしちゃうんだよね…。)

小泉(最後の暗号なんて、さっぱりわからなかったし。ま、いっか。)








小泉「さて、これで全部クリアしたみたいだけど…」

モノミ「なんか銃が出てきまちたよ!?」

小泉「もしかして、命がけのゲ―ムって…」

モノミ「そういえば、こんな手紙が落ちてたでちゅ!!」




モノクマの手紙『謎解きが終わったら、“命がけのル―レット”をクリアせよ!!』

モノクマの手紙『難易度は自分で設定できます!!』

モノクマの手紙『難易度に応じて、特典が用意されています!!』





小泉「やっぱり…。ロシアンル―レットをしないと、クリアとは言えないってことね…。」



小泉(つまりアタシは…。6分の1の確率で…)



モノミ「小泉さん!!こんなのやるなんて危険すぎまちゅ!!他の脱出方法を探すでちゅ!!」


小泉「…」





小泉「そんなのがあるとは思えない…。」



モノミ「ほえっ!?」



小泉「どっちみち、これをクリアしないとここから出られないわけだし…」

小泉「ソニアちゃんの死の原因を突き止めることもできない…!!」



小泉「やってやる…!!やってやろうじゃないの…!!」


モノミ「こ、小泉さん!?ダメでちゅって!!」





震える手を何とか動かし、リボルバ―式の銃を手に取り、銃口をこめかみに当てた…。




小泉(神様…!!)







カチッ






小泉「…」



小泉「たす、かったの…?」





モノミ「こ、小泉さん、無事でちたか。こんな危険なもの…!!」

モノミ「モノクマめ、なんてことをさせるんでちゅか!!」




モノクマ「いや~。ボクもここまで危険なことをさせる気はなかったんだけどね~!!」


モノミ「ほぇ?」


小泉「ど、どういうこと…?本来は、ロシアンル―レットなんかやらなくてよかったの?」




モノクマ「いやいや、ロシアンル―レットは必ずやらなくちゃならないんだけどさ…」





モノクマ「小泉さん、リボルバ―の中身を確認せずにやるんだもの!!」



小泉「え…?」



モノクマ「百聞は一見にしかず!!ちょっと中身を見てごらん!!」


小泉「…」




小泉「え…」




1つじゃなかった…。


そこに入っていたのは…




5つの弾だった…。



小泉「あ、あはは…。」




あまりの恐怖で、なぜか笑い声が出てしまった。


腰が抜けて、膝をついてしまった…。




モノクマ「ちゃんと手紙に書いてあったでしょ?難易度を設定しろって!!」

モノクマ「プレイの前に、弾を何発抜くかを決めておくのが普通でしょ!! 」

モノクマ「6発入ってなくてよかったですね!!ボクの配慮のおかげですね!!」



モノミ「じゃあさっきのは、6分の5の確率で発砲していたということでちゅか!?」

モノクマ「ま、いいじゃん。過ぎたことだし!!じゃ、小泉さんには特典をあげるよ!!」




モノクマ「最高難易度でクリアしましたので、未来機関のファイルと、みんなのプロフィ―ルを進呈いたします!!」


小泉「こ、腰が抜けて、まだ動けない…。」


モノクマ「まったくもう…。じゃあ2つともここに置いとくから、あとはじっくり鑑賞していてください!!」




モノクマ「あと、モノミはまだファイナルデッドル―ムをクリアしてないので、とっとと来いや!!」

モノミ「キャア~!!せっかく回ってきたあちしの出番が―!!」



小泉「問題はそこなの…?」








小泉(だいぶ落ち着いたかな…。)


小泉(2つのファイル…。確かに気になるけど…)



小泉(今は、学級裁判のほうが大事かな…。)





―オクタゴン―



小泉「うっ…。さすがはモノクマが用意しただけはあるわね…。凶器のオンパレ―ドじゃない…。」



小泉「銃にグレネ―ド…。チェ―ンソ―やハンマ―…。あ、ワイヤ―や木の板もあるんだ。」

小泉「槍に剣に、斧にナイフに…。頭がおかしくなりそう…。」


小泉「気になるのは爆弾かな…。“ものすごい衝撃”っていうくらいだから、これくらいの威力がないと…」

小泉「でも、時限式の物はないみたいね。」




小泉「冷蔵庫…。なにがあるのかな…?」


小泉「血のりなんかがある…。他には、よくわからない毒薬と…」


狛枝『オンリ―フォ―ポイズニング!!毒殺専用だよ!!』

小泉「!?」


小泉「下剤に、胃薬に、風邪薬に…。殺虫剤まであるじゃない。」


小泉「ん?この殺虫剤、原料名に気体Sって書いてある。」




小泉「最も注目すべきは、やっぱり睡眠薬かな…。」

小泉「ここには1種類の睡眠薬しかないみたいだけど。これって、一体どのくらい眠っているものなのかな?」


モノクマ「それでは答えましょう!!」

小泉「え?」



モノクマ「ここにある睡眠薬は、個人差もありますが大体1時間くらい眠らせるのが限界です!!」

小泉「1時間、ね…。」




小泉「そして、不自然にポツンとある小窓…。アタシはカメラを持っているから、写しとこう。」

小泉「小窓からの内容は、本編と同じね。なんか高いところにあって、タワ―の先がない…。」



小泉「あれ、なんか地面に扉がある。」




―マスカットハウス 3階―



小泉「ここは…。モノクマ資料館…?アタシは、ストロベリ―ハウスの1階にいたはずなのに…」

小泉「いままで頭に思い浮かべていた建物の構造を、考え直さないといけないのかも…」


モノクマ「あと、1度ファイナルデッドル―ムをクリアしたら、ここを何度でも行き来可能です!!」

小泉「なるほどね…。」


小泉「クロは間違いなく、ファイナルデッドル―ムをクリアしている。」

小泉「田中もクリアしていたはずだけど、もしかしたら他にクリアした人もいたのかもしれない…。」




言弾:凶器たちを獲得!!

言弾:爆弾を獲得!!

言弾:血のりを獲得!!

言弾:さまざまな薬品を獲得!!

言弾:1時間眠る睡眠薬を獲得!!

言弾:窓からの光景を獲得!!

言弾:秘密の抜け道を獲得!!




狛枝「あれ?なんで小泉さんがここにいるの?」

小泉「あ、狛枝…。」




狛枝「ま、細かいことはいっか。小泉さんもストロベリ―ハウスを捜査したんでしょ?じゃあ、情報を共有しようよ。」

小泉「…そうね。」









ピンポンパンポン


映像の中のモノクマ『え―と、終わりましたか!?じゃあこのくらいで学級裁判、始めちゃいますか!!』

映像の中のモノクマ『それぞれ、ラウンジに向かってください!!』




小泉「ラウンジに…?」

狛枝「モノクマのことだから、裁判場につながる秘密の抜け穴でも用意してるんでしょ。」

小泉「そっか…。」




―マスカットハウス 2階―



澪田「あれれ?どうして真昼ちゃんがここにいるんすか?」

小泉「その話は、学級裁判でね…。」

七海「…」




小泉(これで、4度目の裁判…。)





小泉(“超高校級の王女”、『ソニア ネヴァ―マインド』…。)


小泉(王女というだけあって、高貴で、気品があって…。でも、少し茶目っ気があって…)


小泉(どんな状況でも、取り乱すことのないような人だった。)



小泉(昨日から、人が変わったように疑心暗鬼に駆られていたけれど…)

小泉(本来はみんなを和ませる、太陽のような存在のはずだった…。)





小泉(だからソニアちゃんとは、仲直りをしたかったのに…)




小泉(アタシとソニアちゃんは仲間だよって言いながら…)



小泉(もう1度、2人で笑いあいたかったのに…)




小泉「でも、ソニアちゃんのためにできることが、なにもないわけじゃない…。」

小泉「まだ、アタシにもしてあげられることがあるはず…」


小泉「そう…ソニアちゃんが死ななきゃいけなかった理由を、つきとめること…。」




小泉「始まる…また、始まる…」






小泉「4回目の、学級裁判!!」





というわけで、捜査編終了です。


残りレス数が100くらいしか残ってないので、今までの裁判を考えると全く足りません。


よって、これから3スレ目をたててきます。


で、100レス近くを埋めるのは不可能と思われるので、html依頼も今日中にしようと思います。


html依頼ってのはまだしたことがないので、またいろいろと手間取ると思いますが、まあ温かい目で見てください。



たてました。もし小泉さんが主人公だったらのパ―ト3です。



もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408702032/)



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 21:02:23   ID: nWprhZCY

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