勇者「魔王使い?」 少女「はい」(492)

<酒場>

勇者「すまないが仲間がほしいんだ」

店主「おう、いるぞ!ウチは美味い酒から頼れる仲間までなんでも揃っているぜ!」

店主「で、希望の仲間はどんなやつだい?」

勇者「そうだな…まず魔法を使えるやt」

店主「あー駄目駄目!ウチの酒場に揃っている仲間は全員脳味噌筋肉の戦士しかいないよ!」

勇者「ふむ、困ったな。この先強力な魔物が出るから回復魔法か強い攻撃魔法が使える仲間がほしいんだが」

店主「夜の回復魔法が使えるやつは何人かいるぞ。全員男だけど」

勇者「嫌な予感しかしないんだが」

店主「んーとちょっとリスト見直したら魔法使えるやつがいるかもしんねえから少し待ってくれねえか


勇者「そうする。あ、ビールひとつくれ」

店主「あいよ!」

店主「……」パラパラ

勇者「ビールうめえ」

店主「……」ペラペラ

勇者「あ、ソーセージひとつくれ」

店主「あいよー」ペラペラ

勇者「リスト見ながらソーセージ焼いてるよこの人」

店主「いや、すまんな!やっぱり魔法使えるやつなんて1人もいなかったわ!」

勇者「そうか…仕方ないがひとつ前の町の酒場に戻ってみるか」

店主「戻る前にビールもう一杯どうだい?」

勇者「いただく」

勇者「……美味いな」

店主「ウチの自慢のひとつだからな!」

少女「……たのもー」がちゃ

店主「ん?どうした嬢ちゃんここに来るにゃまだ早くないか?」

少女「…ここに雇われに来た」

店主「ビアガールは間に合ってるぞ」

少女「違う」

勇者「ビール美味い」

少女「雇われたいのは仲間の方」

店主「仲間って…とても戦えそうに見えないんだが」

少女「私、こう見えても魔法が使えるの」

勇者「!?」

店主「魔法が使える?…丁度いいなおい嬢ちゃん。ちょっと隣にいる男に雇われてくれないか?」

勇者「おい」

少女「わかった」

勇者「おい」

店主「なんだよ!お前さんが希望している魔法が使えるやつじゃねえか!」

勇者「いやもうちょっと経歴とか調べたりしないのか?犯罪人かもしれないし…」

店主「ん?ウチはどんなやつでも拒まずに雇う方針なんだが問題あるか?」

勇者(入る場所間違えたか?)

少女「攻撃魔法は単独用から雑魚散らしまで回復補助なんでも出来るわ」

店主「ほら!こいつもそう言ってるんだし雇ってやれよ」

勇者「いや、こうなんでも使えるって言うやつは大概嘘ついてるもの…」

少女「うう…」ウルウル

勇者「!?」

店主「あーあ、泣かした、泣かした」

勇者「いや、違う!俺は…」

「ママーこの人女の人いじめてるよー」
「こらっ!見てはいけません!あの男見たいになっちゃうわよ!」

勇者「おい誰だ今の」

店主「まあとりあえず雇ってみなよ駄目だったら解雇すればいいんだし」

少女「うう…」クスン、クスン

勇者「ええい、仕方が無い!店主こいつ雇うぞ!」

店主「毎度ー。10Gになるぜ」

勇者「…やけに安いな」

店主「そりゃ俺は仲介してるだけだからな。こいつに払う料金は交渉で決めな」

店主「交渉するなら向こうの部屋かわ空いてるぜ」

勇者「ああ、使わせてもらう。おい、こっちに来てくれ」

少女「わかった、しっかり話し合いましょう」キリッ

勇者「立ち直りが早いな」

少女「あれは嘘泣き」

勇者「!?」

<小部屋>

勇者「嘘泣きした理由をどうぞ」

少女「涙は女の武器」

勇者「…まあいい、でさっき言ってた攻撃、回復、補助全部使えるのは本当だよな?」

少女「ごめん、それも嘘」

勇者「」

勇者「おい、いくらなんでもそれはないんじゃないか?」

少女「性格に言うと私『は』魔法が使えない。これは本当」

勇者「私は、ねぇ…。じゃあだれが使えるって言うんだ?」

少女「これ」ドサッ

勇者「本?ということは召喚術の類でも使うのか?」

少女「そう」

勇者「なるほど、召喚したやつが魔法を使えるってわけか」

少女「そう、だからあなたの魔法が使えるという条件は満たしているはず。だから…」

勇者「…論外だ。お前は雇わないよ」

少女「どうしてかしら?」

勇者「そりゃ簡単だ。こんな本ぐらいで召喚出来るものじゃ力不足になるからだ」

勇者「そりゃここら辺の魔物じゃお前の本で召喚出来るやつでもなんとかなるだろう。だけど俺が向かう所は魔王城だ」

勇者「そこら編は実際に行ってないからわからんがおそらくここの何倍の力を持つ魔物がゴロゴロいるはずだ」

勇者「で、そこら編でも戦力になるやつはゴーレムぐらいだ。だけどそのゴーレムを召喚するには魔法陣やら色々用意が必要になる。というかゴーレム召喚出来るやつなんて国王の親衛隊ぐらいしかいない」

少女「…詳しいのね」

勇者「これでも色々学んだからな。歴代魔王の詳細もそらで言えらあ」

少女「…フッ」

勇者「何がおかしい?」

少女「私が召喚出来るものは強いわよ。ゴーレムなんかよりよっぽどね」

勇者「ほう…じゃあ見せてもらおうかそのゴーレムよりすごいものを」

少女「いいわよ。ここじゃ狭いから場所を変えていいかしら?」

勇者「ああ、いいぞ。」

<草原>

勇者「よし、じゃあ見せてもらおうか」

少女「いいわよ。せいぜい腰を抜かさないことね」

勇者「言ってろ」

少女「……」ボソボソ

少女「……」ボソボソ

勇者(聞き耳を立ててるが全く聞いた事がない呪文だな)

少女「…出なさい」

ドォン!

勇者(爆発した?一体どういうものが出てくるのか…)

魔王「ハーッハッハッ!久しぶりのシャバだぜ!」

勇者「おい、ちょっとまて」

少女「何?」

勇者「何こいつ」

少女「魔王。確か3、4代前の」

勇者「そうじゃない!なんで魔王が、しかも歴代で最も人を殺したやばい魔王じゃないか!」

魔王「ハーッハッハッ!肉ゥ!人肉はどこダ……ここかァ!!」

勇者「うわ、こっち向かって来た!」

魔王「肉、肉、肉ゥ!」ダダダッ

勇者「くそっ、やるしかないか!」

魔王「肉ゥゥゥッ!」

勇者「ええい、南無三!」

ズバッ

魔王「ヌワーーーッ!!バカなッ!この魔王がこんな奴にィィィ!」

勇者「あれ、弱いぞこいつ?」

勇者「…ああそうかこれって魔王によく似た奴を召喚するものだったのか」

少女「違う、これが魔王の素の実力」

勇者「嘘だろ?文献じゃ三方向にある国をほぼ同時に壊滅させた魔王って書いてあったんだが」

少女「それ、その魔王の兄の事」

勇者「……は?」

少女「魔王自体はちょっと強い魔物レベル。だけどその上の三人の兄がとんでもなく強い」

少女「けど凄く仲が悪くって同士討ちしてどさくさに魔王になった」

勇者「じゃあさっき言った壊滅させたってのは…」

少女「兄達が他の兄を殺しに行ったせい。どうやら頭は良くなかったらしい」

勇者「」

魔王改め最弱魔王「クソッタレェェェ!」

少女「うるさい」ドゴォ

最弱魔王「」

勇者「なるほど、どういう訳か本物の魔王を呼べるという事か」

勇者「しかし魔王は呼べても魔法が使えないなら意味が無い……」

少女「…全員だ」

勇者「は?」

少女「私はほぼ全ての魔王を召喚出来る」

勇者「」

最弱魔王「」

勇者「ちなみにほぼ全てとは…」

少女「召喚した瞬間世界が滅ぶ魔王が何体かいる」

勇者「シャレにならん」

少女「ちなみにやられてもちゃんと戻せばまた使える」

キュイーン

最弱魔王「」スポン

勇者「もう言葉も出ない」

勇者「…そうだ!全ての魔王を出せるのなら今の魔王を呼び出して…」

少女「無理。生きてる魔王は呼び出せない。というか呼び出した魔王は本物じゃない」

勇者「どういうことだ?」

少女「簡単に言えばよく似た分身みたいなもの」

勇者「わかるけどわからん」

少女「所で魔王城とか魔王とか言ってるけどあなた…」

勇者「…ああそうだ。俺は魔王城にいる魔王を倒すために国から頼まれた勇…」

少女「魔王オタクの観光客ね」

勇者「おい」

少女「だってさっき出した魔王を見ただけで詳しそうに言ってたじゃない。全然違ったけど」

勇者「違う!俺は勇者!魔王を倒すのが目的の人!」

少女「勇者?…ああケモナーでロリコンな変態野郎のことね。そう聞いてる」

勇者「おいそれ言ったやつ表出ろ」

少女「いいけど…」ペラペラ

勇者「表出せるのか…って言ったの魔王かよ!」

今日は終わり。
また明日以降。

少女「…出てきて」

ドカン!

勇者「呼び出す度に爆発するのなんとかならないのか?」

少女「無理」

魔王「…我を呼んだのは貴様か?」

ゴゴゴゴ…

勇者(…つっ。砂煙が濃くてよく見えないが凄まじい魔力を感じる)

少女「そう、私が呼んだ」

魔王「ほう…それならばわかっているだろうな?まずは贄をよこせ。よこさねばお前の命はないと思え」

勇者「…おい、贄ってどういう」

少女「静かにして」

少女「少し待って。贄を用意する…」

魔王「いや、待てんな。我を呼ぶときにはすぐにを出さんとなあ。何度も呼び出しているからわからんとは言わせんぞ?」

少女「……」

魔王「仕方が無い。今回の贄はこの男にするか」

勇者「…!」

魔王「まあ抵抗しても構わん。無駄に終わるだろうがな」

勇者「…ちいっ!今日は本当に着いてないな!」

シュバッ

魔王「お、なかなかの剣捌き。だが…」

タタッ

勇者(…一瞬で懐に詰め寄られただと!?)

魔王「ま、我に大きく劣るがな」

魔王「では…頂くとするか」

勇者(あ、これは死んだな)

魔王「目をつぶったほうがいいぞ?自分の身体が喰われてゆくのを見たければ別だが」

勇者(…それは見たくないな)

魔王「うむ、目を閉じてるなでは…


勇者(ああ、こんなところで死ぬとは…未練がありすぎるな)

ゴソゴソ

勇者(思えばあの少女怪しすぎたなあ。とっと切ってればよかったか…)

ゴソゴソ

勇者(死んだ後はどうなるんだろうなあ。死んだお袋に会えるのかなあ…)

ゴソゴソ

勇者(…やけに遅いな?一体何をやって)

パァン!

勇者(!?)

ちょっと中断。
11時半頃に再開予定。

勇者「何だ何だ?一体何が起きているんだ?」

魔王「もう目を開けてもいいですよ…ププッ」

勇者「……」

魔王「はい、テッテレー☆」つ看板

勇者「…『ドッキリ大成功!』?」

勇者「おい!一体どういうことだ!?全く理解できないんだが?」

魔王「何って?そりゃドッキリですよ!ドッキリ!いきなり誕生日の人にパーティに誘うアレですよ!」

勇者「お前それドッキリじゃなくてサプライズパーティだから!というかお前のは殺意むき出しで全然ドッキリじゃない!」

魔王「はい少女ちゃん、ハイターッチ」パチーン

少女「いえーい」パチーン

勇者「聞けよ!というか少女もグルなのかよ!」

魔王「まあそんな事は置いとくとしまして」

勇者「俺としては置いていけないんだがまあいい。というか変装を解いてくれ。さっきから違和感が凄まじい」

魔王「あら、わかったんですか?」

勇者「ドッキリ成功したあとから男声と女声が混じった用な声に変わってるからな」

魔王「あら、これはうっかり。わかっているならさっさと解きましょう」

ポンッ

勇者「狐耳か…ということは極東の魔女か」

狐魔王「あら、なかなか詳しいことで。もう千年くらい前の話だというのに」

少女「極東の魔女?」

狐魔王「昔の話ですよ。昔の。まあ黒歴史に片足突っ込んでいるような話ですが」

勇者「ああ、俺が話したらジタバタしたくなるような黒歴史か?」

狐魔王「ええ、恥ずかしすぎてあなたを引き裂くほどジタバタしたくなりますね」

勇者「ああそうですか」

勇者「いろいろありすぎて本題を忘れる所だった。勇者がケモナーでロリコンとかいう間違った知識をこの多分罪もない少女に教えた理由を詳しく教えてもらおうか」

少女「多分ってなによ」

狐魔王「えっ、なんですか?私そんな事言った覚えはないんですが。ただ…」

勇者「ただ?」

狐魔王「私の夫の勇者様の話をしただけですよ」

勇者「」

勇者「おい」

狐魔王「なんですか?」

勇者「お前確かその勇者に殺されてなかったか?文献ではそう書いてあったんだが…」

狐魔王「んな千年も前の話なんて信じるほうがおかしくありませんか?」

勇者「うっ…確かに」

狐魔王「まあ確かに魔王としての私は確かに勇者に殺されましたが」

勇者「それとお前と勇者が夫婦になった事とどう結びつくんだ?」

狐魔王「それは一週間も殺し合ってればいつのまにかその…意識しちゃうとか…そういうのとか…その…///」

少女「……///」

勇者「なぜそこで殺し合うの楽しいとかじゃなくてLOVEな感情に発展するんだよ」

狐魔王「えっ、勇者様も同じこと思ってましたよ」

少女「両想いとか…甘すぎる///」

勇者「もう千年前がそういう恋愛が当たり前何だって思ってきた」

狐魔王「で、最終的には勝ったほうの土地で結婚式をあげようということになって…私が負けてめでたくゴールインしたんですよ!」

勇者「人対魔物の最終決戦に何新婚さんみたいなことをやっているんだよ」

勇者「所で寿命の問題は…」

狐魔王「私自身が短命の呪い受けてどうにかしました。私が勝ってれば逆だったかもしれないですけどねー。うふふ」

勇者「続けて、どうぞ(もうどうでもいいや)」

狐魔王「で、結婚してからはもう人生薔薇色でまあ…いろいろと激しく…激しく…ふふふふふ///」

少女「何故耳を塞ぐ」

勇者「いや、もう嫌な予感しかしなくてな」

狐魔王「もう勇者様ったらベッドの上でも凄くて何度も何度も交わったりしたんですよ!ええ!でその時たまには趣向を変えてみようと幼児体型に変わったらもうそれが大ハマりで!ええ!それから…」

少女「全く聞こえないんだか」

勇者「子供にはまだ早い。というかどうやってケモナーとかロリコンとか知ったんだお前」

少女「町に行ったとき知った。何かかっこいいから使ってる」

勇者「あれ?もしかして褒められていたのか?」

狐魔王【※以下アレな話のため省略】

今日はここまで。
また明日以降

勇者「あそこの猥談している色ボケ魔王はほっとくとしてお前の待遇を決めるとするか」

少女「雇うの?」

勇者「ああ、こんだけ強い奴を呼べるんだ。雇わせてもらうよ」

少女「やった」ぐっ

勇者(まあ、ほおっておくと危険だしな。うっかり世界を滅ぼす魔王呼ばれたらシャレにならんし、それに…)

狐魔王「それで【※検閲】で【※検閲】して【※検閲】なことや【※検閲】ことまで…」

勇者(あんなアレな話する奴の近くにいるんだ。色々と常識を教えてやらないといけない)

勇者(というかケモナーやロリコンがかっこいいとか言ってる時点で…なあ)

少女「?」

少女「雇用費はどうしよう?」

勇者「お前の好きな値段を言え。払えるようなものだったらそのまま払う」

少女「おお、太っ腹。ちょっと考えてもいい?」

勇者「どうぞどうぞ」

少女「うーん」

勇者「……」

少女「うーーん」

勇者「……」

少女「ううーーん」

狐魔王「それでそれで…」

勇者「いつまで話す気だこの色ボケ魔王」

狐魔王「はっ!私は言ったい…」

勇者「我を忘れるほど夢中だったのかい」

少女「決まった」

勇者「そうか、幾らだ?」

少女「腰を抜かさないことね」

勇者(そんな高いのかね。まあ7桁までなら街で勇者って名乗れば銀行から借りれるが)

少女「三食昼寝つき!そして食後にはデザートを!」

勇者「安いなおい」

狐魔王「何が安いもんですか!この子普段は洞窟の茸とか食べてるんですよ!三食なんて夢のまた夢…」

勇者「お金の稼ぎかた教えてやれよ」

狐魔王「そんな子供にお水なんて行かせられるわけないじゃないですか!」

勇者「なんでお水での稼ぎかた知ってんだよ。一応魔王だろ、お前」

勇者「ん?ということはお前働いたことがないのか?」

少女「……」

少女「働くって何?どういう意味なの?」

勇者「それ以前の問題だった」

少女「酒場に来たのは道端でそういう話を聞いたから。普段は洞窟で暮らしてる」

勇者「んな野生児みたいな生活の割には服が綺麗なんだが」

少女「狐魔王がくれた」

狐魔王「手縫いの自信作ですよ!結婚して見につけた裁縫スキルが役にたちました!」ドヤ

勇者「すげー家庭的な魔王。当時の勇者も大喜びだな」

狐魔王「そうですね!服をプレゼントしたその日の夜なんかは…」

勇者「いちいち夜の話に持っていかないと死ぬのか、お前は」

今日は終わり
また明日以降

勇者「あの魔王にはもう帰ってもらえこれ以上茶々入れられたら困る」

少女「わかった」

狐魔王「で!で!この後私と勇者さまは…あ~れ~」

シュウウン…

勇者「 お前が呼び出す魔王っていつもああなのか?」

少女「色々と自由」

勇者「どんな風に自由なんだよ。色々と怖いぞそれ」

勇者「それでお前の要求は…」

少女「三食デザート付き、三食デザート付き」

勇者「2度も言うな。ちゃんとやるからさ」

勇者「で、だ。雇う前に幾つか質問があるがいいか?」

少女「ごはん、茸以外のごはん…」

勇者「おい、自分の世界に入るな、戻ってこい」

勇者「質問するぞ、いいな」

少女「うん」

勇者「まずは一つ。さっき言っていた洞窟暮らしって言うのはいつからなんだ?」

少女「わかんない。気がつけばそこにいた」

勇者「その本を持ったのは?」

少女「同じくらい」

勇者「これわかるか?」つ2+3

少女「ご。大丈夫、計算は魔王に教えてもらったから」

勇者「それはなりより」

勇者「それじゃあ、最後の質問だ」

少女「それ終わったら何か食べよう」

勇者「ああ、さっきの酒場で何か食べさせてやる。…お前魔王をどう思ってる?」

少女「魔王って誰のこと?」


勇者「誰でも。あ、嘘とかつかないでくれよ。嘘着いたら雇うの辞めるからな」

少女「んー。楽しいよ」

勇者「楽しい?」

少女「魔王ってたくさんいるから色んな話聞けるし。たまにはやばいのが来たりするけど」

勇者「なんか変なことされたりとかは?」

少女「気がついたときはなんか見つめ合うことが多い魔王が一人いたけどすぐ出てこなくなった」

勇者「ふうん…」

勇者(洗脳の類をやった魔王が1人いるのかね変態の類かもしれないが)

勇者(まあ、下手に本を取り上げたら魔王に殺される可能性があるしかと言って国に渡したら実験動物にさせられかねんしここは普通に雇うとするか)

勇者「よし、わかった雇わせてもらうよ」

少女「本当に!?」

勇者「ああ、本当さ。嘘は言わんよ」

勇者「じゃあ早速、酒場に行こうか。好きなもん奢るぜ」

少女「あ、ちょっと待って」

勇者「ん?どうした?」

少女「……」ブツブツ

勇者「…なんで魔王を召喚しようとしてるの、君?」

少女「いや、他の魔王が人間の食べるものを食べたいって言ってるから呼び出そうかと…」


勇者「まてまてまて」

勇者「今行くとこはどこ?」

少女「酒場」

勇者「そう酒場。酒場には人が沢山います」

少女「うん」

勇者「で、そんなとこに魔王がやって来たらどう思う?」

狐魔王「はい!私の美貌に酔いしれると思います!」

勇者「違う!というか食べたいとかいったのお前かよ」

狐魔王「油揚げを所望します!」

店主「油揚げ?まあこれでいいか!」ドン

狐魔王「油揚げじゃなくて唐揚げじゃないですか!油揚げ舐めてんのか!」

勇者「ああこいつ変装できるのな」

少女「町に……行く時……よく……この魔王に……連れて……もらってる」モグモグ

勇者「ちゃんと飲み込んでから喋れ」

今日は終わり。
また明日以降。

勇者「よし飯も食べたしとっとと次の町に行きますかね」

狐魔王「ちょっと待って下さい…ちょっと食べ過ぎて…」

勇者「知るか!とっとと元に戻れよ」

少女「はい魔王」

シュウウン…

勇者「あの魔王店主が引くぐらい食べやがって…」

少女「美味いものには目がないとか言ってだから。後メシマズ」

勇者「メシマズって…言ったいどんぐらいなんだ?」

少女「洞窟の茸焼いたら爆発した」

勇者「どういうことだよ。メシマズというレベルじゃねえよそれ」

少女「ちょっと魔法で焼こうとしたら洞窟が崩れるほどの爆発になったんだとか」

勇者(夫の勇者の命が心配になってきた。いやもう死んでるんはずだけど)

少女「…で、何処に向かうの?」

勇者「北の方にある町。ちょうどこっちと魔王の領土の境目にある街だな」

少女「魔王の領土?」

勇者「知らないのか?だったら歩きながら教えてやるよ」

少女「できればわかりやすく教えて」

勇者「あいよ。まあ、簡単に言うとこっちの国で取れる鉄資源が枯渇し始めたからちょっと探しに行くぞーってことになって運よく見つけたのが今で言う魔王の領土辺りって訳だ」

勇者「まあ、当時はそんな領土とかなくてただ魔物がわんさかいる所だったから安全に鉄を持ち帰るように大量に駆除しながら奥に奥に進んでいった」

勇者「で、途中で会話ができる魔物とかも出会った。そいつらは労働力として人より圧倒的に使えるから無理矢理集めて鉄を運び出す奴隷にした」

少女「…魔王見たいな強い奴が人をやっつけたりしなかったの?」

勇者「いたらしいんだがいかんせん装備に差があり過ぎたらしい」

少女「装備の差?」

勇者「武器の良さとかもあるが一番は魔法の差だな」

少女「魔法?」

勇者「魔法を使える魔物…魔族とかは下手な人の魔法使いよりも魔力が高い。下手すりゃ素人の魔族でも一流の人の魔法使いより高いってこともある」

勇者「けど魔族の使う魔法は古過ぎた。同じ火力の魔法を出すには魔族は人の倍以上の時間をかけてようやくうてる。そして半分の確率で失敗して自分の四肢が吹き飛んでしまうような魔法を使っていた」

勇者「一方人の方はより長距離からうてる魔法や広範囲を薙ぎ払う魔法を沢山使えるようにした。安全性もこっちが上のな」

少女「もう少しわかりやすく教えて」

勇者「魔族はMP高いけど使えるのはメラ。人はMP低いけどメラゾーマが使える」

少女「なるほどわかった」

勇者「ちなみに人が魔法を上手く使えるようになったのは戦争で魔法を使うようになったからというのもあるがまあそこは詳しく話さなくていいか」

勇者「で、まあそういうこともあって最終的に人は大半の魔物が駆除や奴隷にして鉄とか手に入れてウハウハになりました。…というのが500年位前の話」

少女「魔王とかはどうしたの?」

勇者「当時は魔王というのは軍隊だすか勇者見たいな規格外のやつじゃないと倒せない奴らのことを指す言葉だからなあ。あ、最初に出したあの魔王はまだ鉄が不足する前の時代に現れた魔王だ。当時は切り裂き事件とかで話題になってたらしい」

少女「まあ、実は四人兄弟だったのは知らなかった見たいだけど」

勇者「まだ情報を伝達しにくい時代だったからなあ…全裸で走る変態がどういうわけか史上最強の魔王が現れた事になっていることもあったしな」

少女「何それ。一体どういう事なの」

勇者「話を戻すか。…魔物達も100年くらいまで人の奴隷扱いに甘んじてたがとある才能を持った魔物が現れて状況が変わった」

少女「才能?」

勇者「人…じゃない魔物をひとまとめにする才能。いわゆる王様になれる魔物が現れたのさ」

勇者「で、その魔王は人の使っている魔法を盗んで、それを他の魔物に使えるように教えてクーデターを起こした」

勇者「魔族の魔力で人の魔法を使うんだからたまったもんじゃない。人はあっという間に負けて追い出された。で、その追い出された所を魔王の領土にした。それが3~200年位前の話」

勇者「んでそのままグタグタと戦争とか起こったり勇者が魔王やっつけたりしたけど特に領土が増えたり減ったりせず今の時代に至る…っていう話さ」

少女「鉄資源はどうしたの?枯渇したの?」

勇者「100年前に海の果ての別大陸見つけてそこにある国から輸入しているとか。まあ、あんまり効率が良くないらしいけど」

眠いのでまた明日以降書きます

勇者「あとこれ誰にも言っても多分信じてもらえないぞ」

少女「どうして?」

勇者「そりゃいろいろと国に不満が溜まっている奴も多いからな。その不満を魔王とか魔物に向かわしているのさ。情報操作して魔王が鉄資源を独占してるーと思わせたりな」

少女「どうしてそんな話知ってるの?」

勇者「ん、まあいろいろあるのさ勇者って奴は」

少女「答えになってない」

勇者「あ、そろそろここで野宿の準備するかー(棒)」

少女(流した…)

<夜>

少女「……zzz」

勇者「あっという間に寝ちまった。
歩き疲れたのかねえ」グビグビ

魔王「そうですね、あの子は余り外の世界を知りません。おそらく見るもの全てが珍しく見えてるのですね」

勇者「へえ、そうなのか。それにしても酒が美味い」グビグビ

勇者「……」

勇者「」ブーッ

魔王「汚いですよ?」

勇者「おまっ、なんだ?魔王か?魔王なんだな?一体いつの間に呼ばれたんだお前は?」

魔王「まあまあ落ち着いて下さい。それに自分から勝手に出てからので呼ばれて無いですよ」

勇者「はあ?」

魔王「別にあの子に呼ばれなくてもいつでも出れるんですよね。私だけはね」

勇者「…」カチャ

魔王「ああ、剣に手を掛けないでください。私なんて出ても何も出来ないので」

勇者「勝手に出てきている時点で何も出来ないとか笑わせる」

勇者「…でなんで出てきたんだ?」

魔王「ええ、ちょっと少女の顔を見に」カチャ

勇者「ちょっとまて。何を持った今」

魔王「いえいえ、ちょっとこの子のスリーサイズを……」

勇者「おい、まて。本当にまて」

魔王「ちょっとなんですか!我が子の成長を逐一知るのは親の務めでしょうが!胸とか!特に胸とか!」

勇者「とんだ変態じゃないか。魔王って狐といいといいこんなのばっかか」

魔王「ええい、どけっ!胸を測らせろーっ!」ダダタッ

狐魔王「オラァッ!!」ゲシッ

魔王「ウボァー!!」

勇者「おい、今女が出していけないような声が聞こえてきた…」

狐魔王「あ!?」

勇者「なんでもありません」

狐魔王「この変態こう見えても一番少女ちゃんが懐いていたんですよ。おまけに…ていっ」ゲシッ

魔王「むねぇっ!?」

狐魔王「この人元勇者だったとか」

勇者「恥晒しにもほどがあるぞ」

今日は終わり。
また明日以降。

勇魔王「何が恥晒しだ!魔王倒していろいろやってたら突然国から刺客送られてやむなく魔王になった可哀想な男なんだぞ!」

勇者「いろいろ、とはなんだ?」

勇魔王「道迷って女湯突っ込んだり、女性とぶつかって胸揉んだりしてた」

勇者「たんなるtoLOVEるじゃねぇか」

狐魔王「むしろ本当に魔王倒したのか気になりますね。単なる妄言壁有りの変態かもしれません」

勇者「むしろんな事で刺客送られてくるのがおかしい。おい、本当に

勇者「むしろそんな事で刺客送られてくるのがおかしい。おい、本当に何をやった?国家転覆でも考えたのか?」

勇魔王「そんな事やらんわ!俺は味方強化魔法特化で戦闘力なんて0に近いわ!殺された時も四天王分身させて強化魔法かけ続けてたわ!」

勇者「すごい方向に規格外な奴だなお前」

勇魔王「そんなことはどうでもいい!少女のスリー…オッパイ揉んで帰らせて貰うぜ!」

狐魔王「……」

ザンッ

勇魔王「ぐああああーっ!」

勇者「ま、魔王だいーん(棒)。というか目に光消えてるんだけどお前」

狐魔王「魔王時代でもこれ程人を見下した事ないですよ私」

勇者「魔王なのか人なのかわからない奴だけとな」

勇者「で、なんでお前出てきているんだ?確か自分から出てこれるのはあの変態だけのはずだか。…まあ嘘八百かもしれんが」

狐魔王「あの下半身で物考えているような奴がそんなこと出来るのだったら魔王なら誰でも勝手に出て来れますよ」

勇者「ですよねー。というかでれるのらな不味いんじゃないか?最弱魔王見たいに外で暴れたい魔王だっているんじゃないか?」

狐魔王「いいえ、それは無いですね。少女ちゃんから離れると強制的に本に戻されるので。殺そうとしてもやっぱり戻されますね」

勇者「また妙な仕掛けだな…そんな魔法見たこともないぞ」

狐魔王「私でもそんな細かい魔法扱えませんね。というか私の場合はまず魔法が暴発しても平気な体にするのに時間を費やしていたので」

勇者「ああ、確か1000年前の魔法なんで人じゃ奇特な自殺やりたい奴にしか進められないもんだしなあ」

狐魔王「ああ、そういえばひとつ聞きたい事があるんですが」

勇者「なんだ?」

狐魔王「あなたは魔王についてどう思ってますか?」

勇者「…どっちの?」

狐魔王「どっちも、今の魔王と私過去の魔王のね」

勇者「んー。悪さしてるのならともかく今は何もしてないから特に何も?あ、今の魔王に関してはこっちに鉄送ってくれれば嬉しいんだけと」

狐魔王「やけに落ち着いてますね。私の勇者様だって私の悪行に憤慨してこっちに来たのに。あっ、でも殴りあっているうちに」

勇者「惚気に走るならもう寝るぞ」

狐魔王「うう、少女ちゃん以外の人で始めて話せるからつい…。他の魔王なんて結婚?何それな連中ばかりで…」

勇者「ああそう」

狐魔王「…話を戻しましょう。正直言ってあなたの考えはかなり珍しいですね。他の時代の勇者なんて大概は家族殺した魔王が憎いだの、世界を救うために!とか私怨や善意でやっているのにあなたはそういうのはないんですか?」

勇者「ないな。人を殺した魔物が出たら状況次第で殺したり捕獲したりまちまちだし。世界を救うために魔王殺しに行くなんて鼻で笑っちまうね」

狐魔王「変わってますねー」

勇者「殴り愛して魔王と結婚した勇者には負けますわ」

狐魔王「喧嘩なら買いますよ?」

勇者「まあ、俺は別に魔王殺しに魔王城に行ってる訳じゃないし。当たれば儲けもん的なかんじで国王に魔王に交渉しに行ってこいって言われただけだしな」

狐魔王「1人で、ですか?もしかして自殺してこいを曲解してこんなことしている訳じゃないですよね?」

勇者「そんな命令きたら魔王の方に寝返るわ。そりゃ最初は仲間もいたが壊滅したからここまで1人で来たわ」

狐魔王「そのまま逃げればよかったのに。おかしい人ですね」

勇者「そりゃ逃げられれば逃げてたさ。けど逃げると俺はあと一年で死ぬ」

狐魔王「えっ」

今日はおしまい。また明日以降。
急に乙が増えて驚いた。

狐魔王「…どういうことですか?」

勇者「そりゃ国の魔王使いのエリートが2年で死ぬ呪いかけたからさ」

狐魔王「いやそうじゃなくて。勇者にそんな呪いかけるなんていろいろおかしくないですか?」

勇者「そりゃ俺敗残兵だもの」

狐魔王「敗残兵で勇者名乗ってるんですか?」

勇者「そうだよ。というか俺負けた国の勇者だったんだから名乗ってもおかしくはないと思うぜ?」

狐魔王「勇者を戦争に使うなんて…時代は変わりましたね」

勇者「急に婆臭くなったなお前」

狐魔王「燃やされたいんですか?」

勇者「冗談だよ、冗談」

勇者「まあ、お前の旦那のような正義漢の勇者とは程遠いけどな。負けた国で勇者名乗ってた頃は魔物より人の方を多く殺し出たからな」

勇者「戦場で文字通り一騎当千したり単騎で敵国の村や町に忍び込んで皆殺しにしたりしたなな。子供や女も両手の指じゃ足りないほど殺した」

狐魔王「勇…者?」

勇者「いやいやあの国では確かに勇者だったぜ?出たら確実に勝って領土もバンバン奪っていったからめちゃめちゃ裕福になったしな」

狐魔王「魔王とかその辺はどうだったんですか?」

勇者「静観。俺がいた国が負けた途端に襲ってきて今のところ境界線で睨み合ってる」

狐魔王「で、負けた理由は?」

勇者「戦っていたところにも勇者がいてそいつとガチで戦って負けた。確か12、3歳ぐらいの奴だったな。あ、その頃俺20歳ぐらいな」

狐魔王「負けた後は?皆殺しもやってよくギロチン行きになりませんでしたね」

勇者「さっきも言ったが本当にその後すぐ魔王の軍勢が襲い掛かってきたからな。俺ともうひとりを除いた捕虜も最前線に向かったとか。俺は独房で寝てたが」

狐魔王「のんきな物ですね」

勇者「そりゃ脱獄することも出来たがそんなことしても行くとこないし」

勇者「そんで暫くしたら国王にこのままじやラチあかないから魔王殺すなり降伏させるなりしてこい。ただしお前何するかわからんから人殺したり逃げたら死ぬ呪いかけるからって言われて選りすぐりの仲間と一緒に魔王退治に向かった…ったという訳さ」

狐魔王「しかし女子供も殺すとは…。良心が痛んだりしないんですか?」

勇者「ねえよ。あったらとっくに自殺するなりしてらあ」

狐魔王「…もしかして少女ちゃんに手をかけたりとかは」

勇者「呪いで死ぬしそもそも俺はどうしようない時以外は殺さない様にしてるから」

狐魔王「女子供も皆殺しにしたのによく言いますね」

勇者「そりゃ国王の命令だ。無視したらブチ切れて何するかわからん。よそじゃ暴虐王とか言われてたし」

狐魔王「だからって子供を殺すなんて…」

勇者「結婚以降のお前ならともかく魔王時代のお前も似たようなことやってたじゃねえか。城の中の人間皆燃やしてそこを魔王城にしたのは有名だぜ?」

狐魔王「あーあー、きこえないー」

勇者「ま、人間だろうが魔物だろうが誰しも人に話したくない秘密があるもんさ。余り気にせずにいこうや」

狐魔王「…そうですね」

勇者「あ、後少女に今言ったこと話すなよ」

狐魔王「もちろんですよ。少女ちゃんは出来るだけそういう話から遠ざけたいですから」

勇者「やけに肩を持つな。自分の子供を思い出すとかか?お前子沢山なような気がするし」

狐魔王「残念。呪いの副作用で持ってかれたんで出来たくても出来ませんでしたし」

勇者「…すまない、謝る」

狐魔王「いえいえ、私も勇者様も合意のうえでやったので」

狐魔王「で、どうしましょうこれから。どこまで間雇っていただけるのでしょうか?」

勇者「出来れば魔王倒すまで。ぶっちゃけ戦力的にお前ら以上に強いやつなんて勇者以外いないし」

狐魔王「いいですよ。ただし条件をふたつ程」

勇者「内容次第だな。旦那蘇らせろとかは無理だからな」

狐魔王「そんなこと頼みませんよ。…まずひとつ。少女ちゃんに戦いに巻き込むのは最小限にすること。…ふたつめは少女ちゃんの親を殺したやつを見つけること」

勇者「親……?もしかして俺が殺してたとかじゃないよな?」

狐魔王「殺された場所は魔王領なので多分違いますよ」

勇者「ひとつめはともかく、ふたつめは状況次第だな。情報ゼロ闇雲に探すのなら無理だからな。俺一年で死ぬし」

狐魔王「最悪、魔王倒してからでいいですよ」

勇者「よし、じゃ魔王倒して、少女を殺したやつを見つけ…なんで殺されたことしってるんだ?少女は記憶が無いとか言ってたけど」

狐魔王「親が殺されたときに少女ちゃんも致命傷受けたんですよ。私が治癒魔法を使ってなんとかしましたが副作用で記憶が飛んでるんですよ」

勇者「ちょっと話が重くないですかねえ」

狐魔王「貴方が言えることですか」

今日は終わり。また明日以降。
ちなみに狐魔王が持ってかれたのは子供産むのに必要なアレです。

<朝>

勇者「あたーらしーいあーさがきたっと。ほら起きろ出発するぞ」

少女「……」スヤスヤ

勇者「おら起きろ」ユサユサ

少女「……」スヤスヤ

勇者「駄目だこりゃとんだ寝坊助だなこいつ。朝飯も作らなきゃならんというのに…」

少女「あさめし…!」ガバッ

勇者「飯って言ったら起きたぞこいつ」

少女「うまうま」モグモグ

勇者「そりゃよかったな。あー眠い」

少女「寝不足?」

勇者「夜、色々あったんだよ」

勇者(変態魔王が出てくる度に本に戻してたからな)

少女「…おかわり」モグモグ

勇者「ねえよ。目的地で調達する予定だからな」

少女「そんな…」

勇者「飯食いたきゃぱっぱと片付けて目的地に行くぞ」

<村>

勇者(道中の魔物は俺だけでもなんとかなるな。出てもウサギレベルだし)

少女「ごはん、ごはん」

勇者「慌てんな。というかまだ3時間もたってねえじゃないか。もう少し待て」

少女「えー」

<村長の家>

勇者「…というわけでこれだけの期間停めていただきたいんですが」

村長「うーん、まあ食料も買うみたいだしこれぐらいならいいじゃろ」

少女「勇者の名前使わないの?名乗るだけでなんでも無料、もしくは格安になるって聞いてるけど」ヒソヒソ

勇者「こんな村で言ってみろ。ほぼ全ての住民から無料でやってくれって色々言われるんだぞ」ヒソヒソ

少女「…経験済み?」

勇者「予定より3日も遅れて出発する羽目になった」

村長「ああ、お前さんみたところ腕がたちそうじゃのう。ちと頼まれごとをしてくれんかのお」

勇者「いいですよ、ただし自分はこの腕で食ってるのでそれ相応の報酬を貰わないと動きませんよ?」

村長「そりゃそうじゃな。だが話だけでも聞いてくれんかのお」

勇者「そうですね。状況次第でやるやらないを決めましょうか」

少女「…なんでそんな丁寧な言葉使っているの?」ヒソヒソ

勇者「こっちの方が都合がいいんだよ。育ちが良さそうに見えるからな」ヒソヒソ

勇者「村にやってくる魔物を退治ですか。狼とかですかね?」

村長「そうじゃ、最近頻繁に畑に狼がやってくるんじゃ、なんとかならんなのお」

勇者「それぐらいなら2500ぐらいが相場ですね。払えますか?」

村長「少しまけてもらえんかの?」

勇者「2300」

村長「2000」

勇者「2150」

村長「…わかった2150で払おう。その代わり確実に仕留めるんじゃぞ」

勇者「毎度あり」

少女「まるで商人の会話みたい」

勇者「そうか?商人だったらもっとぼったり詐称したりするぞ」

少女「…それも経験済み?」

勇者「エスクカリパーを7000で買っちまった」

村長「それじゃ話はこれぐらいにしてうちの2階の空き部屋があるから自由に使いなさい」

勇者「ありがとうごさいます。…ところで」

女の子「……」ジー

勇者「あそこの柱の影で覗き混んでいるのは誰ですか?」

女の子「……!」サッ

村長「孫じゃよ。うちの馬鹿息子と馬鹿嫁が半年ぐらい前に失踪してのお。わしが面倒を見ておる」

勇者「そうですか」

少女「…ばあ!」

女の子「…!!?」ガシャーン

勇者「おい?いきなり何をやってる?」

少女「いや、かくれんぼと思って」

勇者「…どうもすません」

村長「いいんじゃよ。ここにはこいつ以外子供もおらんしちょうどいい遊び相手になるじゃろ。ところでなんでそんな子供と一緒に旅をしてるんじゃ?」

勇者「いや、この子有名な魔法使いの弟子で見聞を広めるために旅をしてるんです。自分はその護衛で」

村長「なんと!その年で魔法を使えるとはすごいもんじゃのう…」

勇者(本当の事言ってもしょうがないしな。嘘ついても構わんだろ)

<村長の家:二階>

勇者「じゃ、早速狼探しに言ってくるから留守番してろ」

少女「私も行かなくてもいいの?」

勇者「狼ぐらいなら一人で十分だ。それに…」

女の子「……」ジー

勇者「彼女がお前と話したいみたいだしな」

少女「そう、じゃ連れてくる」

女の子「……!?!?」ズルルル

勇者「引きずるのはやめてあげろ」

少女「……」

女の子「……」

少女「…」

女の子「…」

少女(どうやって話しかけよう…。私同年代の子と喋ったことない)

女の子「…あの」

少女「…ふぁ、はい?」

女の子「私、孫っていうの。あなたの名前は?」

少女「……?」

孫「名前、教えてくれない?」

少女「あ……。わ、わたひ、しょうしょ、じゃない少女、です。はい」

少女(かんだ…死にたい)

孫「少女ね。よろしく少女ちゃん」

少女「あ、う、うん」

孫「ねえ、さっき聞いたんだけど魔法使いって本当?」

少女「うん…そう」

少女(魔法じゃなくて魔王使いだけど)

孫「もしよかったらでいいんだけど私に魔法見せてくれない?」

少女「え?」

孫「駄目なの?」

少女「い、いや駄目じゃないけど」

孫「じゃあ見せて!私魔法っていうの1度見て見たかったの!」

今日は終わり。また明日以降。

少女「…出てきて」

ボンッ

狐魔王「呼ばれて出てきてじゃじゃじゃじゃーんっと。どうしたんですか少女ちゃん?おや?その子は?」

孫「わあ…綺麗」

少女「村の人。村長の孫」

狐魔王「…少女ちゃん。勝手に人前で召喚しちゃいけないでしょ?昔そう教えたじゃないですか」

少女「うっ…。けどこの子が見たいって言ったから…」

孫「だめだったんですか?すみません私が見たいって言ったから…」

狐魔王「いえいえ、まあ今回ばかりは許してあげましょう。けど、次はないですよ?」

少女「はい」

孫「けどすごいよ少女ちゃん!こんな召喚魔法見たことないよ!」

少女「そ、そうかな…?」

狐魔王「これが召喚魔法だってわかる程度には詳しいんですね。どこで知ったんですか?」

狐魔王(まあ正確には召喚魔法じゃないんですけど)

孫「私のお母さんが魔法使いだったんです」

狐魔王「へえ…こんなへんぴな所にも魔法使いがいるんですね。私の時代じゃ都市のなかのごく一部の物好きしかいなかったというのに」

孫「私の時代?」

狐魔王「あ、いえこちらの話です」

少女(お母さんか…私もいたのかな)

孫「どうしたの?」

少女「な、なんでもにゃっ」ガチッ

孫「なんかすごい音したよ?」

少女「舌噛んだ…」

狐魔王「おや、珍しい。普段はこんな噛んだりしないのに」

勇者魔王「少女が怪我をしたと聞いて!」ガタッ

狐魔王「オラァ!」ドガッ

勇者魔王「カメェェェッー!」スポン

孫「今本から誰か出てきたような気が…」

狐魔王「気のせいです。気のせいです」

孫「あっ、はい」

少女「だって、私同じ歳の人と話したことない…」

狐魔王「いつも通りでいいんですよ。落ちついて自分が話したことを話せばいいんですよ」

少女「そうなの?」

孫「そうだよ。いや、私も久しぶりに同じような歳の子だったから気になって柱の影で覗いてて少女ちゃんに驚かされたけど」

少女「ごめんなさい」

孫「いいよ。それよりもう少しお話しない?」

少女「……うん!」

狐魔王(仲良く話せる同い年の子ができてよかったわ。記憶が飛んでから私達ぐらいしか話し相手がいなかったから)

勇者「成る程ここが狼が出てきた所ですね」

農民「んだんだ。ここらへんから狼が出てきておらの畑を荒らしたんだあ」

勇者(おかしいな…季節的に畑を襲うほど食べ物がなくなることはないはずだ)

農民「最近なんか遠くからうめき声が聞こえてくるしおらおっかねえだよ」

農民「これも村長の息子夫婦がやったんじゃねえかなあ」

勇者「夫婦?」

農民「んだ。村長の息子さんは冒険者だったんだか村に戻って来たら嫁さんもらってきたとか言い出したかんだあ。その時村中大騒ぎしたんだったなあ」

農民「けどその嫁さんなんか変な帽子かぶって変な事ぶつぶつ言ったと思ったら突然炎が飛びでたりおかしいやつだったもんだからおらたち反対したんだけど村長の一声で結婚することになったんだあ」

勇者「魔法って言葉、知ってます?」

農民「まほお?なんたべそれ?」

勇者(村レベルだと魔法とか知らないやつ多いからなあ。冒険者が頻繁に泊まるならともかく基本は町や都市の為に作物作るような所が大半だし)

農民「夫婦も半年前からいなくなるしこれはきっとあの嫁さんがなんかしているんだべ」

勇者「……」

オオオオォォォォ…

農民「ひいっ?またうめき声が!今月で3回目だべ」

勇者(魔物だな…それもここら辺では滅多に出ない類ものか)

農民「こりゃ絶対あの嫁さんのせいたべ!きっとおら達を呪い殺す気なんたべ!くわばらくわばら……」

勇者(こりゃ2150じゃ安過ぎたか…?)

少女「えっ、お母さんの魔法を見たことないの?」

孫「うん。この村に嫁ぐとき絶対に魔法を使わないって約束したから。私も最初は呪われた子だ!って言われれて…」

少女「そんな…ひどい」

孫「ううんそんな事言った人をおじいちゃんが叱ってくれたから今は言う人はいないよ」

狐魔王「魔法を知らない人がよくそんな事言いますよね。ひどい時は追い出す事もあるとか」

少女「……」

少女「半年くらい前にいなくなったっていうのは」

孫「お母さんお父さんと一緒にいなくなることが多いから。きっと道に迷ってるんだよ。多分」

孫「そういえば少女ちゃんの家族は?」

少女「あ…えっと、その」

孫「?」

狐魔王「貴方のご夫婦と同じくいなくなることが多いんです。なのでお父さんの命令で私が少女ちゃんの面倒を見てるんですよ」

孫「そうなんだ。もしかしたらお母さんやお父さんに会えるかもね」

少女「うん」

少女「…ありがとう」ヒソヒソ

狐魔王「どういたしまして」ヒソヒソ

今日は終わり。また明日以降。

乙が多すぎて一瞬多重投稿してるのかと思ったわ

勇者「おう、帰ってきたぞ」

少女「おかえり」

孫「あ、どうも」

勇者「お、お孫さんと仲良くお喋りか」

少女「そう」

勇者「そうか。で、なんでお前がいるんだ?」

狐魔王「いちゃいけないんですか?あ、村長さん緑茶おかわり」

村長「あいよ。たんと飲みなさい。それにしても若い頃の婆さん以上に美しいのお」

狐魔王「やだ、村長さん冗談がお上手で」

勇者「なんか疎外感を感じる」

村長「で、どうだったんじゃ?」

勇者「ああ、確かに狼がいた形跡がいましたが気になることが」

村長「なんじゃ?」

勇者「狼が畑を襲うには季節的におかしいということ。そして時折遠くからうめき声が聞こえること。うめき声のことは知ってますよね」

村長「確かに農民が言っとたのお。ここらへんまで聞こえてこないが」

勇者「それ恐らく魔物です。ここにいるのが不自然なぐらいの強さを持っているぐらいのね」

村長「なんじゃと?」

勇者「あの人のようなうめき声は前に聞いたことがあります。サイクロプスですね」

村長「さ、サイクロプスじゃと!?」

村長「…ってなんじゃそら?」

狐魔王「一つ目が特徴の魔物ですよ。村長さん」

少女「狼みたいな普通の魔物と違って捨てらてた赤ん坊の怨念が具現化した魔物だって」

孫「魔物が多い所に発生しやすいけど稀に人里近くに現れることがあるんだって」

勇者「君ら仲良いね」

勇者「まあとにかく狼ならともかくサイクロプスまで倒すとなると3倍の金が必要なんですよ」

村長「そ、そんな金はないぞ!さっきの金もかなり痛い出費じゃったんだぞ」

勇者「じゃあしかたありません。なにか代わりのものを。できれば金にすぐ換金できるものを」

村長「そんなものもないわい!」

少女「それじゃあ、なにか食べ物を。美味しいものを希望する」

村長「お、それなら余るほどあるぞ!」

狐魔王「それならいっそ宴会開いたらどうですか?」

少女「宴会って何?」

孫「沢山の人と一緒に美味しもの食べることだよ」

少女「それ賛成」

狐魔王「私もさんせーい」

村長「あ、わしも賛成じゃ」

狐魔王「じゃ、それで異論は無いですか?」

村長、少女「意義なーし」

勇者「勝手に話を進めるな」

狐魔王「だって仕方無いじゃ無いですか。合法的にお金が手に入る方法がもうないんですから。それに少女ちゃんもこんなに楽しみにしてるんですから」

少女「宴会、宴会」

勇者「…あーわかったよそれでいいよ、もう」

少女「やった」

勇者「ちなみに合法的じゃないお金の手に入れ方とかあるのか?」

狐魔王「そりゃ、ここの村一帯を私の炎で焼いて…」

勇者「オーケイ、もうそれ以上言わなくていい」

ちょっと早いが今日はここまで。
また明日以降

<森の中>

勇者「ここら辺は村の住人でも寄り付かない場所らしいな」

狐魔王「狼もあっさり全滅できましたし後はサイクロプスを探すだけですね」

少女「まるで誰かに説明するかの様な喋りかただよね」

狐魔王「あまりそういう突っ込みはしないほうがいいですよ」

勇者「何話しているだお前ら」


オオオオォォォォ!!!!

勇者「おお、でかい声。こりゃ近くにいるな。少女、俺かこいつから離れるなよ」

少女「わかった」

サイクロプス「オオオオォ…」

狐魔王「何度見ても醜悪な見た目ですね。早速私が…」

勇者「まてまて、お前の魔法じゃ山火事起きそうじゃねえか。俺がやる」

狐魔王「接近戦ですら私に圧倒されてたじゃ無いですか。本当に大丈夫なんですか?」

勇者「うるせえな、あの時は動揺してただけだ。それより少女を少し離れた所に移動させとけ。ちょっと子供には見せられねえからな」

狐魔王「死んでも骨は広いませんよ。少女ちゃん行きましよう」

勇者「死んだらこいつ葬ってくれよ。まあありえないと思うがな」

勇者「さてサイクロプスねえ…今まで一度も倒してないがまあ、魔物図鑑で見たことあるし何とかなるだろ」

勇者「さてと…金のために飯のためにお前には死んで貰おうか」ダダッ

サイクロプス「オ?オオオオオ!」

狐魔王「はあ…」

少女「どうしたの?」

狐魔王「いえ、少し呆れてるんですよ」

少女「…どうして?」

狐魔王「だって初めてあったときに勇者が振るった剣なんて私の勇者様と比べてへっぽこもいい所なんですよ?ちょっとした腕きき程度です」


狐魔王「勇者と名乗っているものの1000年前と違って自分で名乗れるみたいですしきっと口先だけでなんとかしてきた傭兵かなにかですよきっと。私達を離したのも逃げるための時間を作るためなんでしょう」

狐魔王「はあ…。何か勇者様と似たような何かを感じたんですが、私も死んで色々鈍ったんですかねえ」

少女「…私は違うと思うけど」

狐魔王「そうですか?」

少女「道中で何度か魔物と出会ったけどそのときの勇者の戦いは狐魔王がドッキリ仕掛けたときと比べて何か違った」

狐魔王「何かって、何ですか?」

少女「何か…気とか、そういう的なやつ?正直言って勘」

狐魔王「勘って…。おっとそろそろ勇者も逃げた頃でしょう。ちょっと千里眼使って状況の確認を…」

狐魔王「………」

狐魔王「驚き桃の木山椒の木ですね」

少女「?」

サイクロプス「ア…ア、ア」

勇者「やっぱり魔物図鑑は信用しすぎるのもアレだな。こいつの肉かたすぎだわ」

サイクロプス「ア、ウアア」

勇者「四肢ぶった切って目も潰したっていうのにまだ生きてやがる」

サイクロプス「マ、マ…」

勇者「ああ、そういえば捨て子の怨念の具現化した魔物だったな」

勇者「まあ、なんだ。生まれ変われるのらな幸せな家庭に産まれてこいよ、な」ブゥン

ザシュ

サイクロプス「」

今日は終わり。
月曜から色々あるので投稿は土曜の夜以降になりそうです。

勇者「ふう…」

狐魔王「何がふう、ですか。汗一つかいてないじゃないですか」

勇者「そりゃ血まみれで汗とかわからないからな。少女はどうした?」

狐魔王「そんな姿見せたらショック受けるに決まっているじゃないですか。物陰で待たせてます」

勇者「それじゃ討伐した証拠も持ったし戻りたいがその前にちょっと探索をしないとな」

狐魔王「探索?そんなするような所あるんですか?」

勇者「あるんだよ。そこにある岩壁にな」

狐魔王「ひび割れた所なんてないんですから爆弾投げても入口はできたりしませんよ?」

勇者「んな物騒なことしねえよ。触れればわかるぞ。ほら」

狐魔王「触れればって…それっ」

スカッ

狐魔王「あら、すり抜けました。なんですか、これ?」

勇者「魔法だよ。隠蔽用の特殊な魔法だ」

狐魔王「へえーそんな魔法とかあるんですね。長生きしてみるもんですね」

勇者「お前死んだはずだろ」

狐魔王「で、その隠蔽用の魔法がどうしたんですか?」

勇者「それ使った奴がいるってことだろ?今から中に入って色々調べる。そして金目のものをいただく」

狐魔王「あんた本当に勇者ですか。泥棒と変わりないじゃないですか」

勇者「人家に忍び込むならともかくこんな洞窟だ。落し物拾ったことですむ」

狐魔王「落し物で済ませないでくださいよ。私の勇者様なんて大金の落し物拾ってその持ち主探し当てるのにひと月かかったんですよ。私を倒しに行く途中のことらしいですけど」

勇者「それはそれでおかしい」

勇者「まあ金目の物目当てでもあるがこんなことしているんだから後ろめたい事やっている奴がいる可能性が高い。最低でも何やってたか調べる必要がある」

狐魔王「最初からそれを言えばいいのに。わかりました少女ちゃんの所にいるんで終わったらよんでください」

勇者「おう、じゃ行ってくる」ダダダッ

狐魔王「…全くこんな金にがめつい勇者初めて見ましたよ。交渉も慣れた手つきですしサイクロプス倒してなければ詐欺師と疑ってましたね」

勇者「ただいまー」

狐魔王「早すぎじゃないですか?」

勇者「いや、ちょっと死体が転がっててな。お前もちょっときてもらえないか?」

狐魔王「えっ?」

今日は終わり。また明日以降

<洞窟内>

狐魔王「うわあ…これ本当に人の死体ですか?なんかもう色々潰れて原型とどめて無いじゃないですか」

勇者「恐らくあのサイクロプスがやったやつだな。というかよくここに入ったな。結構狭いぞここ」

狐魔王「成長する前は2m程度の大きさですよ。一回子供サイクロプス見たんで間違いありません」

勇者「マジか?そんな話図鑑や文献にも書いてなかったぞ?」

狐魔王「そりゃ魔王ですもの色々な魔物も沢山見ましたし。確かそのサイクロプスの子供散歩がてら人里に降りていろいろやってたんですよ。話聞きます?」

勇者「嫌な予感しかしないからやめとく」

勇者「みたところ魔法の研究していた所みたいだな。あちこち魔法薬の瓶やら研究ノートが転がってらあ。あと死体は二つか」

狐魔王「……」

勇者「どうしたんだ?」

狐魔王「いえ村長のお孫さんの両親が魔法使いだって言ってましたのでもしかしたら…」

勇者「ん?ああ確か農民もそんな事言ってたっけ」

狐魔王「もしかしたらそのお孫さんの両親かもしれませんしもう少し調べて見ませんか?」

勇者「調べるっていいが、もしその孫の両親だったらどうするんの?」

狐魔王「そりゃ残念ですがお孫さんにご報告を…」

勇者「報告してねえ。で、その後は?」

狐魔王「へっ?」

勇者「報告したその後だよ。なにかするのか?」

狐魔王「ええっと…その後は特に何も。そのままここを去りますね多分」

勇者「…はあ」

狐魔王「あれ?私何かおかしい事言ってましたか?」

勇者「いや、別におかしい事を言ってりわけじゃないぞ。むしろ当たり前の事だと思うぞ」

狐魔王「そうですか。私の勇者様がそういうことをちゃんと教えてくださったんですよ。あっ、その後ベッドでも激しい勉強会を…」

勇者「そこで色ボケに走んなよ」

勇者「話を戻すぞ。今回は本当に両親でも教えないほうがいい。むしろここの物を消した方がいい」

狐魔王「どうしてですか?」

勇者「サイクロプス周辺にこんなものがあったら絶対そこでサイクロプスを呼んだって思われちまうし村の住民も嫁さんを怖がってた節があるからな。こいつらが本当に孫の両親とかだったら多分村八分がおきるんじゃないか?」

狐魔王「村八分って村長のお孫さんですよ?そんなのあり得るんですか?」

勇者「人の思い込みって凄いんだぜ?魔法使っただけで魔女狩りやるような田舎だってあるしな」

狐魔王「そんなのあるんですか?」

勇者「そりゃあの暴虐王の命令で向かった村だからな。魔女狩りの混乱にまぎれて住民皆殺しにした所だし」

狐魔王「さらっと恐ろしいこと言いましたね」

勇者「まあ、こういうのはほっとくに限るんだが今回は後味悪くなりそうだしここ全部燃やすなり入口崩すなりして証拠隠滅したぽうがいいだろ」

狐魔王「あの…」

勇者「今度はなんだよ?」

狐魔王「いえ、ちょっと死体の手に握られた紙があったんですけど…これ遺書みたいですね。なんか孫宛の手紙なんですけど」

勇者「マジで?」

狐魔王「マジです。これは持ち帰ってお孫さんに教えたほうが…」

勇者「ダメだ、燃やせ。こういう中途半端に証拠残すとあと後大変なことになるんだ」

狐魔王「でも、これ血まみれで必死に書かれているんですよ。それを燃やすなんて…私は出来ません」

勇者「できないとかじゃなくてやらなきゃいけないんだよ。下手にこんなもん残したらその孫が晒し首になるかもしれないんだぞ」

狐魔王「ですが…」

少女「あ、帰ってきた。おかえり」

狐魔王「ええ、帰りましたよ。少女ちゃん」

勇者「おう、ちょっと時間がかかったけどまあどうにかなったぜ」

少女「…どうしたの狐魔王?なんか落ち込んでる感じがするけど」

狐魔王「へっ?いや、なんでもないですよ」

少女「よく考えたら時間かかりすぎてるし…本当になにもなかったの?」

勇者「あの魔物を処分するのに時間がかかったんだよ。な、狐魔王」

狐魔王「そうですね。だからななにもないし大丈夫ですよ。少女ちゃん」

少女「……」

今日は終わり。また明日以降

勇者「…というわけで私達は狼の群れとサイクロプスを倒しました。サイクロプスここに現れた理由は不明ですが恐らく運悪く現れたのでしょう」

村長「そうか、よくやったのう。よし、今夜は宴会じゃ!」

「やったぜ!」「今夜はのむぞー!」「もうあのうめき声を二度ときかずにすむんだべ!」

孫「ねえ、少女ちゃん。宴会の準備をしない?」

少女「うん。どうやるの?」

孫「まずはあそこにテーブルを並べようか。行きましょ」

少女「わかった。…狐魔王は?」

狐魔王「私は大丈夫ですのであんまり離れないようにして下さいね」

少女「うん。じゃあ行ってくる」

狐魔王「はあ…」

勇者「お前の気持ちはわからないでもないけどため息をつくな。せっかくの宴会だぞ?」

狐魔王「わかっているんですが…やっぱり魔王だったころと違いますね。随分人と同じ考えになってるような気がします」

勇者「だったらいいんじゃね?あの世にいる勇者も喜んではずさ」

狐魔王「そうですかね。けど私は疲れたんでちょっと戻るとします。少女ちゃんに伝えてくださいね」

勇者「おいおいまてよ。お前は俺らの仲間の一人だって伝えているんだ突然いなくなったら怪しむだろ。それに…」

狐魔王「それに?」

勇者「嫌な事があったら酒を飲んで忘れちまえ。少しは楽になるぞ」

狐魔王「そうなんですか?私は酒を飲んだことないので」

勇者「そうなのか?よしじゃあこの俺が酒の味を教えてやる」

狐魔王「えー。なんか勇者に教えられるなんて凄い屈辱です」

勇者「言ってろ」

<夜>
村長「宴じゃあああああ!!!」
「「「ヒャッハー!!」」」

少女「これ…なんて…いう…食べ物…なの?」モグモグ
孫「ちゃんと飲み込んでから喋ろうよ」

勇者「どんだけ食いしん坊なんだあいつ」

狐魔王「ちょっとなんですかこの黄色いの!なんか泡出ているですけど!!」

勇者「お前はお前でビール見たこと無いのか…。そのまま飲んじまえ」

狐魔王「……んっ」ゴクゴク

勇者「おお、いい飲みっぷり」

狐魔王「…ぷはぁ。癖になる味ですね!もっとないんですか?」

農民「こっちにあんど。ついでに飲み比べでもするべ」
狐魔王「飲み比べ?」

農民「これ飲んで先にぶっ倒れたら負けだんべ。やるか?」
狐魔王「ええやりましょう!こんな美味しいものいくらでも飲めるもんですよ!」

農民「いったべ?こう見てもおんら村一番の酒豪なんだべ」
狐魔王「かかってこい!って言うもんですよ!」

勇者「おい一気飲みはやめ…勝手に始めやがった」

狐魔王「おかわり!」

農民「」

「農民がやられたー!」「すげえ強いぞこいつ!」

狐魔王「おらあ、つぎい!つぎ挑戦する人はいないんですかあ!?」

勇者「酔いすぎだろ。そろそろやめた方がいい」

狐魔王「誰ですかあ?あ!次の挑戦者ですかあ?いいでしょう、かかってこんかい!」

勇者「おいこいつやばい。前後不覚だぞ」

「おい、そこの!とっとと勝負はじめんかい!」「はやくしろお!どうなっても知らんぞお!」

勇者「こいつらもか誰かシラフなやつよんでこい」

狐魔王「男ならあ、拳一つでぇ勝負せんかい!」

勇者「飲み比べだよな?殴り合いとかじゃないよな?」

勇者「巻き込まれた…」ゴクゴク

狐魔王「おおかわかわりい!」

勇者(まあこんな酔っ払ってるんだ10分でぶっ倒れるだろ)


<1時間後>

狐魔王「まだまだもってこぉーい!樽!樽でだぁ!」

勇者「ザルすぎんだろ!!!」

<2時間後>

狐魔王「ですからあ、酷いんですよお?私の母親なんてぇ30(×10)前まで処女だったから焦ってそこら編のインキュバス襲って直撃弾もらって産まれたのが私なんですよぉ?」

勇者「まwwwじwwwでwwwありえねえwwwだから色ボケすんのかお前www」

「www」「www」「www」

村長「王様ゲームする人この指とーまれw」

狐魔王「あ、私やりますw」

勇者「俺もwww俺もwww」

少女「…何これ?」

孫「あんまり見ない方がいいよ。宴会始まると皆いつもこうなるの」

今日は終わり。また明日以降
お酒の飲み過ぎには気をつけましょう。

孫「そういえば少女ちゃんって有名な魔法使いの弟子なんだよね。一体どういう人なの?」

少女(本当は嘘なのに…。どうやって答えようかしら)

少女「えーと、狐耳がついてて時折人肉ダァとか叫んで魔法実験で失敗してウボァーっていう人」

孫「なにそれ、怖い」

少女「とにかく色々変な人」

孫「へえ…」

少女(なんとか誤魔化せた…?)

孫「けど少女があんな魔法を使えるんだから凄い魔法使いなんだろうなあ」

孫「変人だけど」

孫「あはは、まあ私のお母さんもよくいなくって変なものを持ってきたりしているから私のお母さんも変人かも」

少女「今日はいないの?」

孫「うんもう半年もいないけど前も一年間ぐらいいなくなったりしたからね」

少女「そうなの」

孫「帰ってきたらよくお母さんに魔法を教えてもらったりしてるんだ。ほら、こんなふうに…」

ヒュウウウウ…

農民「あーっ!突然の突風でおらのかつらがーっ!」

勇者「ズwwwラwww」

孫「ほらこんなふうに。普段は怪しまれるから皆が酔っ払ってる時しか使わないけどね」

少女「凄いね」

孫「えへへ」

孫「私ね、将来都市にある魔法使いの学校に行って魔法を学んで魔法使いになるのが夢なの」

少女「あなたのお母さんみたいに…?」

孫「そう。それでそこで学んだことを活かしてこの村を魔法で暮らしやすくしたいの。光の魔法を使って明かりにしたりとかね。あと…」

少女「あと?」

孫「お母さんがここでも堂々と魔法を使えるようにしたい。皆私はともかくお母さんのこと気味悪がってたし」

少女「お母さん思いだね」

少女「そうかな?お母さん都市の実験途中の物とかすててお父さんと駆け落ちしたらしいからいつかそれを完成させたいといつも言ってたから」

少女「そう…叶うといいねその願い」

孫「うん!できれば大人になる前に都市に行きたいなあとか思ってるの。そしていい歳になったらこの村に戻っていろいろする。それが当面の目標かな」

少女「じゃあ私、この旅が終わる前に魔法をより使えるようにする。そして貴方の手伝いとかしたい」

孫「えっ、いいの?」

少女「いいよ。友達だしね」

孫「じゃあ約束だよ。私も頑張るから少女ちゃんも頑張ってね!」

少女「うん。あなたも魔法学校に入れるように頑張って」

孫「うん!」

勇者「王様だーれだ?俺だっwじゃあ、3番!トップレスになりやがれっ!あ、女だったら農民のヅラで胸隠してもいいぞw」

狐魔王「私ですかあ?いいでしょう!脱ぎます!」スポーン

「「「おおーーっ!」」」

少女「…あと大人になってもお酒飲み過ぎないようにしよう」

孫「そうだね」

今日はここまで。また明日以降。
王様ゲームといえは某aa安価スレを思い出す

<翌日>

狐魔王「頭が……」ズキズキ

勇者「初めてなのにそんなに飲むからだ…うえっ、気持ち悪りい」

狐魔王「うう、昨日の記憶がほとんどありません」

勇者「俺もだ。なんでお前トップレスになってたんだ?」

狐魔王「私が聞きたいですよお!なんだか一日しかたってないのに一週間ぐらいたっているような気もしますし…」

勇者「それは多分気のせいだ」

<道中>

少女「…本当に大丈夫?」

勇者「ああ、大丈夫。大丈夫。おえっ」

少女「……」

勇者「心配すんなここら辺は魔物も弱いから今のままでも余裕でやれる」

少女「もう少し孫とおしゃべりしたかったのに…」

勇者「ああ?なんかいったか?」

少女「なんでもない」

少女「あの…」

勇者「なんだ?できれば手短に頼む…おえっ」

少女「魔法のことどのぐらい知ってる?」

勇者「魔法か。一応ある程度知ってるがそれがどうした?」

少女「私、もっと魔法を使えるようになりたいんだ。だから魔法のこと教えてくれない?」

勇者「……」

少女「だめ?」

勇者「いや、駄目じゃない。一応考えとく」

少女「やった」

勇者「……」

<夜>

少女「zzz…」

勇者「そろそろ呼びだすか。やり方がわからないが…おーい狐魔王でてこーい」

ボンッ

狐魔王「はい…どうも…出てきましたが…なにか?」

勇者「出てきちゃったよ。酒は大丈夫か?」

狐魔王「いえ…他の魔王に酔い覚ましとついでに記憶戻しの魔法かけてもらったんですが…はあ、死にたい」

勇者「黒歴史か。酔い覚ましだけにしとくんだったな」

狐魔王「ええ全く。所で何で呼び出したんですか?」

勇者「実はな…」

狐魔王「なるほど魔法を教えて欲しいと。わかりました私が知ってる魔法を全て少女ちゃんに伝授して」

勇者「お前の時代の魔法は自爆しちまうだろうが。体の硬さが人外でもなきゃ死んじまうわ」

狐魔王「そうでした。それじゃあどうして呼び出したんですか?」

勇者「そりゃお前らを呼び出せるこの本だよ。一体どんな仕組みで出てくるのか知りたい」

狐魔王「出てくるって言ったって私は声が聞こえたらとりあえず出てくるだけなんですが」

勇者「声?本の中でも聞こえるのか?」

狐魔王「ええ。と言っても聞こえるだけで私達はいつでも呼ばれなくても出て来れますけどね」

勇者「危なくないか?未だに世界征服目指してる魔王が出てきたら大変なことになるじゃないか?」

狐魔王「大丈夫です勝手に出てきたら他の魔王にリンチされるというローカルルールがありますし。それに魔王という重圧から解放されたせいか世界征服したいとか思っている人なんでいません。皆好き勝手過ごしていますよ。例えば夫自慢とか」

勇者「お前以外に夫持ちの魔王いんのかよ」

狐魔王「ええ。そしていつの間にか夜の話に…うへへ」

勇者「もうこいつダメかもしれない」

今日は終わり。また明日以降

勇者「とにかくお前達は特に世界征服とか野望を持ってないって事でいいんだな?」

狐魔王「はい、そうですよ」

勇者「…ぶっちゃけるがこれ少女必要じゃなくね?別に俺が使ってなんとも無いような気がするんだが。声かけたら出てこれるんだろ」

狐魔王「前にも聞いたかもしれませんが少女ちゃんからある程度離れちゃうと本に戻されるんですよ。そういう契約らしいんで」

勇者「だったら契約先を俺に変更すればいいじゃねえか。今の魔法じゃ簡単にできるぞ」

狐魔王「いやあ、元々別の人に契約されてたんですが少女ちゃんに無理矢理契約先を変更したもんで少しでも弄れば何が起こるがわからないらしいんですよね」

勇者「なんだそれ。元の契約者って誰なんだ?」

狐魔王「少女ちゃんのお父さんですよ。二人とも襲われて死ぬ手前らしくなんとか契約先を移してその後…ってわけみたいです」

勇者「…らしい、とかみたいとかまるで他人事みたいだな。先にそのお父さんの方を回復すれば二人とも助かったんじゃないか?」

狐魔王「他人事というか…どうやら契約した人によって呼びやすい魔王とかがあるみたいですね。あと私達が勝手に出て行きやすいかどうかとか。私のときは少女ちゃんに呼ばれやすかったんですがお父さんの方はさっぱりなうえに勝手に出てくるのすら難しかったので」

勇者「…簡単に言うならメガテンで悪魔は仲間にできるが天使は仲間に出来ないという感じか?」

狐魔王「メッタメタですね。いやそれで大体あっているんですが」

勇者「しかし聞けば聞くほどわけが分からないな。こんな魔法呪いの類含めても全く聞いたことがないな」

狐魔王「私達も同じく。まあ何人か調べようとしてる魔王がいるらしいんですが」

勇者「うーん。こいつがどんな魔法なのか分からないと少女に魔法なんて教えられないぜ?」

狐魔王「あら、どうしてですか?」

勇者「人もある程度使える魔法がきまっているんだよ。下手に相性が悪いと身体が爆発四散しちまう」

狐魔王「なにそれ、怖い」

勇者「まあ、基礎ぐらいなら爆発する危険はないからそこを教えて行くかね」

狐魔王「もし使える魔法がわかったら?」

勇者「そっちを特化して覚えさせる。最悪魔王がいなくても自衛ぐらいできてもらわないとあとあと困る。魔物もだんだん強くなるし戦いから避けるということも難しくなるかもしれないしな」

狐魔王「あら、以外と少女ちゃんについて考えているんですね」

勇者「俺が見た中でぶっちぎり最高な戦力を呼べる子だからな、死なれたら困る。というか死なれたらお前に骨まで消し炭にされそうだし」

狐魔王「私の考えていることを読めるなんて…あなた超能力者ですか?」

勇者「おい」

狐魔王「冗談ですよ」

今日は終わり。また明日以降

体の調子がわるい。

かゆ
うま

<朝>

勇者「これより魔法の練習を行う!いいか?貴様らは魔法についてはヒヨッコ以下だ!これからこの俺がお前をヒヨッコにしてやる!ありがたく思え!」

少女「いえす。さー」

勇者「声が小さい!もう一度!」

少女「いえす!さー!」

勇者「まだ小さいぞ!お前それでも金…」

狐魔王「これ以上少女ちゃんに変なこというとどうなるかわかってますよね?…燃やすぞ。この○○野郎」

勇者「サーセン」

勇者「冗談はこれぐらいにしてとっとと練習に入るか。始めだから基礎中の基礎をやるぞ」

少女「いえす。さー」

勇者「それはもういいって」

少女「わかった。で、どんな練習なの?」

勇者「まず深呼吸します」

少女「」スウゥゥゥゥ

勇者「吐きます」

少女「」ハアァァァ

勇者「終わり」

少女「もう終わり!?」

勇者「基礎だもの。あとはそれを何度も繰り返してどんな魔法を出したいのか考えながらやればいい」

少女「うー。なんだか騙されたような」

勇者「千里の道も一歩からだ。まあ頑張れ」

少女「……」スウゥゥゥ

狐魔王「あの、これって効果あるんですか?」

勇者「ある。昔よりましだが間違えたら何があるかわからないからな。まずは落ちついて魔法を出せるようにする」

少女「」ハアァァァ

狐魔王「なんか凄いうさんくさいんですが」

短いが今日は終わり。
また明日以降に

勇者魔王「いやいや、私も最初はこればっかりやらされたもんですよ」

勇者「おう、いつの間に出やがった変態」

狐魔王「また燃やされたいんですか変態」

勇者魔王「失礼な。普段の私はこんなに落ち着いているのですよ」

勇者「取り繕っても少女の胸触りかけたことには変わらないぞ変態」

勇者魔王「なっ、あんな可愛い子ですよ?触らなければ男としてどうかしてますよ!」

勇者「俺ロリコンじゃないんで」

狐魔王「もう本のなかから出さない方がいいですね。こいつ」

勇者魔王「くっ、ここには同志はいないというのか!」

狐魔王「少しこいつ本の中で説教してきますのであとはよろしくお願いします」

勇者「おう、ウンとやっちまえ」

勇者魔王「まて!せめて胸を触らせてから…うわあああああ!」

シュウウウウウン…

少女「うるさかったけどどうしたの?」

勇者「なんでもない。お前はそのままやっとけ」

少女「わかった」スウゥゥ

本「ちょそれはシャレにならんからやめ…ギャアアアア!!」

勇者「平和だな」

少女「あとどれぐらいやればいいの?」

勇者「心が落ち着くまで」

少女「もう落ち着いてる」

勇者「そう?じゃ次のステップに移ろうか」

少女「次はちゃんとしたもの?」

勇者「ああ。この紙に書いた呪文を言って手から光的な何かが出たらOK。但しあわてずゆっくりと呪文を言え」

少女「わかった」

勇者「じゃ初トライ行ってみようか」

少女『ーーーー!!』ブツブツ

シーン

少女「…おかしい。本から魔王を出すような感じで言ったのに」

勇者「まあ、最初はそんなもんだ。じゃ光ったなら教えてくれ。俺はあっちで昼寝している」

勇者(しかしなあ俺が子供に何か教えたりすることになるとはな。元いた国の頃だったら考えられんな)

ザッザッ
ザッザッ

勇者「…で、わざわざこっちに来て何の用だ?お前」

「おや、気づいていましたか?」

勇者「魔法使って気配すら消してたみたいだが俺達が村からでたときからつけてたのは気づいていたんだよ」

「いや、あのサイクロプスを倒しに向かったときからつけてましたが」

勇者「……」

「……」

勇者「騙されたな!今のはフェイクだ!」

「気づかなかったって言えばいいのに」

勇者「うるせえ!とにかく顔をみせやがれ!」

「あーはいはい。今みせますよ」ガサッ

勇者「…まさかこんな所で四天王の一人と出会うとかマジついてねえ。自分の住処にこもっていろよ」

「私一ヶ所に留まるのは嫌いなので自分の翼で飛び回っています」

勇者「で、本当に何の用だ?四天王の一人カラス。」

カラス「出来れば漆黒の渡り鳥と言って欲しいものです」

勇者「そんなもんで呼んだら鳥肌がたつわ」

今日は終わり
また夜以降

勇者「もしかして一年前に殺した他の四天王の敵をとりにきたわけじゃないよな?」

カラス「まさか。ただ私もサイクロプスを討伐しにいっただけですよ」

勇者「人の領土に踏み込んでわざわざ同族殺しとはごくろうなことで」

カラス「まあいろいろな理由がありますので。それにあなたがまた魔王様に向かっているという情報得ましてね」

勇者「…だから俺は耳がいい奴は嫌いなんだよ。何処で知ったんだ?」

カラス「ちょっと前にあった酒場の店主に聞きました」

勇者「あの野郎。あそこの飯がマズかったら戻ってしばいてるところだったな」

カラス「あそこの手羽先は絶品でしたね」

カラス「あなたに聞きたいことは一つ。魔王様のとこに向って何がやりたいのですか?」

勇者「交渉だ。私のいる国と仲良くしませんかーってな」

カラス「決裂したら?」

勇者「国王に魔王の首送るだけさ」

カラス「仮に私がやめろといったらどうします?」

勇者「やめたら呪いで死んじまう。やめる訳ないだろ?」

カラス「おや、呪いですか」

勇者「国王からの素敵なメッセージさ。ギロチンに首を入れる代わりに魔王の所に行ってこいってな」

カラス「あなたが魔王様に会わなければならない理由はわかりましたが残念ながら魔王様は人との交渉を望んでいません。それに…」

チャキッ

カラス「魔王様の命令で自分に仇なすものは消せと言われましたので。どうかお覚悟を」

勇者「やっぱこうなるのね。最初から襲って来ればいいのに」

カラス「一応単なる旅行だったかもしれなかったので確認を取りたかっただけです」

勇者「真面目なこって」

少女『ーーーー!』ブツブツ

シーン

少女「ダメだわ。なんどやっても光らない」

ボンッ

狐魔王「呼ばれてないけどじゃじゃじゃじゃーんっと。少女ちゃん魔法の成果はどうですか?」

少女「全くダメ。何が悪いのかわからない。狐魔王はわかる?」

狐魔王「いや私はまず暴発しても平気なように体を鍛えるのが基本でしたので参考になりませんよ?所で勇者はどうしたんですか?」

少女「昼寝してる。出来たら来いって」

狐魔王「寝てるって…せめて姿が見える所で昼寝しろってんだ」

少女「やっぱり言い方が違うのかな?」

狐魔王「他の魔王を呼んだらどうです?参考になるかもしれませんよ?」

少女「それは盲点だった。早速呼び出してみる」

ボンッ

「おや、久しぶりに呼ばれましたね。…狐魔王はなに魔法の発射態勢に移っているんですか?」

狐魔王「勇者魔法が現れたら即発射してました」

今日は終わり。
また明日以降

カラス「おやおや、どうやら貴方の攻撃は当たらないようですね」

勇者「そりゃ空からチクチク遠距離攻撃されたらこっちはお手上げだわ」

カラス「卑怯とでも言いますか?」

勇者「いや全然。こっちも対空攻撃を持っているしな…おらっ!」ブゥン

カラス「単なる石投げ、っと!…とんでもない速さで投げて来ましたね」

勇者「へっ、これでも勇者界のベーブルースと呼ばれてたんだぜ」

カラス「その人野手じゃないですか」

カラス「確かに下手な高さにいると石をぶつけられそうですね。まあそれより高く飛べばいいのですが」バサッ

勇者「ちっ」

カラス「さあ、私の必殺技をくらいなさい」

勇者「おう、来やがれこの野郎」

カラス「…突撃ーっ!」ゴウッ

勇者「ぐわっ!…ってただの体当たりじゃねえか!」バキッ

カラス「ぐっ!まさか唯の体当たりとは言えカウンターを入れられるとは!」

勇者「お前さっき必殺技って言ってたじゃねえか」

カラス「そんなこと言いましたっけ?」

勇者「ここで鳥頭を発揮すんな」

カラス「ふっ、今度こそ必殺技で止めを刺したほうがいいみたいですね」

勇者(雰囲気が変わった。今度こそくるか?)

カラス「くらいなさい!エターナル…」

ガサガサ

狐魔王「ニャーン!殺伐としたこの場所にかわいい狐様が!」

勇者「空気よめよ。せめて普通に出て来い」

狐魔王「あんなドンパチ音で気づかない訳ないでしょ。で、敵なんですかこの人?」

勇者「そう。しかも四天王」

カラス「まさか救援が入るとは。貴方いったい誰…っ!!」

勇者「どうした?急に驚いたような顔して」

カラス「な、ななななななんんんんでででででもももももななななないいいい」

勇者「おい、すげー緊張してるぞ」

狐魔王「そうですね。うーん、何処かで見たような…」

カラス「急用を思い出した!決着はまた今度だ!」

バサッ、バサッ…

勇者「あ、逃げた」

狐魔王「うーん、何処で見たんでしょうか?」

〈上空〉

カラス「いやーまさかあの狐魔王が生きていたとは…こりゃ大ニュースですね!1000年前に解散した狐っ子FCを復活させなければなりませんね!これは会員ナンバー01の龍王に伝えなければ!魔王様の手伝いなんかしてる場合じゃねえ!」


~~~~~~~

狐魔王「ああ!思い出しました!私が魔王をやってた時にいつも前に出てきて『狐ーっ!俺を焼き鳥にしてくれーっコンコンーッ!』っで言ってた人ですね」

勇者「何やってんだあのカラス」

今日終わり。また明日以降。

お久しぶりです

少女「なんか凄い音が聞こえたけど寝言なの?」

勇者「そういうことにしといて」

「おや、初めて見る顔ですね」

勇者「そりゃ、今日初めて会うからな。というか目が見えてないけどわかるのか?」

盲目魔王「目で見えなくても見える物があるのですよ。例えば魔力とかね」

勇者「流石。国を3つ潰した魔王はいうことが違わあ」

盲目魔王「昔の話ですよ。ほんの600年ぐらいのね」

狐魔王「ジジ臭く聞こえますよ?」

勇者「今お前が言うなとか思っているぜ、こいつ。

勇者「前が見えねえ」

狐魔王「盲目さん。今少女ちゃんと何をやってるんですか?」

盲目魔王「ええ、今から使える魔法を確かめる所なんです」
勇者「目見えないのに大丈夫か?」

盲目魔王「私は匂いでどの魔法が使えるのかわかるのですよ。少女さんさっき言った呪文を唱えて下さい」
少女「分かった。ーーーーっ。」ブツブツ

盲目魔王「さて、どんな魔法が使えるのでしょうか」スンスン

少女「…………」ブツブツ
盲目魔王「…………」スンスン

少女「…………」ブツブツ
盲目魔王「…………」クンカクンカ

少女「…唱え終わったけどどう?」
盲目魔王「…エクセレントッッッ!!素晴らしい匂いですよ!」

勇者「ねえ、どっちの意味なの?答えようによってはお狐様がキレるよ?」
盲目魔王「ああもちろん彼女の汗の匂い…」

ドゴォ

盲目魔王「 」

勇者「お狐様お狐様。どうして出てくる魔王がみんな変態なの?」
狐魔王「魔王という重役を解かれたからはっちゃけてるんじゃないですか?ぺっ」

盲目魔王「ぐふっ、汗の匂いもですがちゃんと使える魔法もわかりましたよ」

勇者「だったら余計なことに言わなければいいのに」

少女「私の汗ってそんないい匂いなの?」

狐魔王「いいですか?あのアホのいうことは無視しなさい」

盲目魔王「素晴らしいと言っていいでしょう。彼女はほぼ全ての魔法が使えます」

少女「やった」

勇者「けど基礎魔法の練習させたけどだめだったぞ。どういうことだ?」

盲目魔王「それは簡単な理由ですね。私達を召喚出来るこの本に魔力を常時持って行かれてます。恐らくというか絶対無理やり契約の内容を変更した所為でしょう」

狐魔王「やっぱりですか…どうりで少女ちゃんのお父さんの時と比べて動き易いと思ったわけです」

少女「?」

今日は終わり。また明日以降

〈夜〉

少女「zzz」

勇者「えー、少女も寝たことなんで今後の計画を皆さんで考えたいと思います」

狐魔王「おーっ」

盲目魔王「いいですね」

本「ちょっとまて!俺も参加させろ!」バタバタ

勇者「悪いな勇者魔王。この会議3人までなんだ」

狐魔王「まあ少女ちゃんの魔力の都合で2人までしか出てこれないんですよね」

勇者「本当でたらめな魔法だよなこれ」

盲目魔王「まあ強力な召喚魔法な分他の魔法が使えないぐらい魔力が持ってかれてますけどね」

勇者「そうなんだよな。自衛ができないのが最大のネックなんだよな」

狐魔王「あら私じゃ守れないとでも?」

勇者「乱闘中に気配消した奴に狙われたらやばいんだよ。それで護衛してた奴が殺された事もあったからな」

盲目魔王「私が魔王だった時もそういうの使ってましたね。やけに狐を推す変な奴でしたが」

勇者「お前が言うな。この匂いフェチ」

狐魔王「今後少女ちゃんの匂い嗅いだらしなさい程度に焼きますよ?」

盲目魔王「大丈夫です。魔法で匂いをこの袋の中に保管しているので」


ボオオッ!

盲目魔王「ああっ!大切な匂い袋が!」

勇者「アツッ!おい隣にいるんだからもうちょっと火力抑えろ!」

勇者「まあ、そういう殺し屋が襲ってくる前に魔王城につきたい。次の町で補給したらマッハで行く」

狐魔王「空飛んだらとうですか?早いですよ」

勇者「それやった奴が対空砲火食らって死んだ。陸路じゃねえと無理だ」

盲目魔王「なるほど、で次の町ってどこなんですか?」

勇者「魔王領に唯一ある町だ。乾いた土地で作物も育たちにくいそうだ」

狐魔王「そこで本当に補給できますかね?」

勇者「最短で魔王城に突っ込むにはそこしかないんだよ」

〈魔王領の町〉

「いやー、今日も豊作だべな!」「これでみんな腹一杯食べられるなあ!」

狐魔王「なるほど1000年も経つとこんな緑が生い茂っても乾いた土地と言うんですね」

勇者「んなわけあるか。2年前の情報だったとはいえそんな劇的に変わるとは思えん。何か裏があるな」

少女「ごはん、ごはん」

勇者「うん、朝ごはん食べたばかりだろ我慢しなさい」

少女「むー」

今日は終わり。また明日以降

〈町長の家〉

勇者「…というわけでこれだけのお金で食料とか用意してもらえませんでしょうか」

町長「あいよ、お安い御用さ」

少女「本当人前だと丁寧ね」ヒソヒソ

勇者「うるせえ飯減らすぞ。…所でこの町は痩せた土地しかないと聞いたのですが」


町長「確かに。一年前までは貴方の言った通りでした。それが緑生い茂る土地に変わったのはある人のおかげなのです」

勇者「ある人?」

町長「その人はいくつかの呪文を唱えるとそこには青々とした草原が目一杯に!」

少女「おお」

勇者「……」

町長「この町に蔓延っていた流行り病もたちまち直したりまるで神のようなお人です」

勇者「その人はいったいどこに?」

町長「この町の北の果てにある屋敷に住んでおります。もっとも実験とか何やらでお会いにはなりませんが」

〈屋敷〉

狐魔王「大きいですねー。勇者様と住んだとこよりもずっと」

少女「そうだね」

勇者「なーんかきな臭いな。人避けの魔法をかけていやがる。中を見せたくないようだな」

盲目魔王「臭いますね。いやあの屋敷的な意味ですよ?」

勇者「こういうのは構わずにとっとと先に行くのが優先だ。宿に戻って早朝に出るぞ」

狐魔王「そうですね。少女ちゃん。美味しい物食べに行きましょうか」

勇者「その金俺が出すんだろうが」

〈深夜〉

少女「…zzz」

勇者「……」

狐魔王「どうしたんですか?寝られないのですか」

勇者「冗談はよせ。お前もわかってるだろ?」

狐魔王「そうですね。何か嫌な雰囲気を感じますね」

勇者「お前は少女を守っとけ。俺がちょっと調べてくる」

狐魔王「あの屋敷ですか?まあ確かに私達じゃ少女ちゃんと離れられないから貴方が適任でしょうが」

勇者「まあこんな修羅場何度も潜ってきたんだ今回も大丈夫だ」

狐魔王「ここに戻って来たら上手いお酒を奢ってやりますよ?」

勇者「フラグを建てるのをやめろ」

勇者「さーてと、意気揚々と宿から出たのは良いが…こりゃ酷え。人が食われてらあ」

町長「アア…」

勇者「なんということでしょう。昼元気だった町長が夜になると人を食らうゾンビにジョブチェンジしました」

町長「なんということだ…なんということだ」

勇者「ん?ソンビってあんな流暢に喋れたっけ?」

町長「ん!誰かいるのか?」

勇者「ドウモチョウチョウ=サン。ゾンビスレイヤーデス」

町長「それはギャグで行っているのか?」

勇者「あら」

勇者「…で、何で人を食っていたんだ?人食文化があるとは聞いてないんだが」

町長「し、知らない、知らないんだ!いや正確にはどうしてそんなことをしたのかがわからないんだ」

勇者「ん?どういうことだ」

町長「夜突然激痛が走ったんだ。まるで頭の中に手を突っ込まれたような。次はどうしようもない飢餓感を。私は空腹に耐えきれずにその人を…うええっ」

勇者「ああ、すまん。嫌なことを思い出させたな」

町長「私は、私はどうしてこんなことを…」


勇者「あー。俺ちょっと調べものがあるんで失礼」

〈屋敷〉

勇者(外を見回ったがやっぱり町長みたい奴ばかりだったな。中には俺を食おうとした奴もな)

「あら、誰?勝手に私の屋敷に入って来るのは」

勇者「まあ、そういう人を操る魔法を使える奴は一人しか知らないんだが。…やっぱりお前か」

「あら、久しぶり。いつぶりかしら?」

勇者「お前は全く変わってないよな。なあ、魔法使い?」

魔法使い「そうね。一億と二千年前ぶりかしら?いや、私にとっては明日のことかしら?」

勇者「あのせっかくカッコつけたんでなんか反応してください。お願いします」

今日は終わり。また明日以降

魔法使い「ああ、違った。正確には半年と17日4時間ぶりだったわね」

勇者「ここまで正確に覚えていると返答に困る」

魔法使い「いいじゃない別に。所でどうしてここにやってきたの?もしかして壊滅した時貴方をほっといて逃げたこと恨んでるの?」

勇者「あれはマジで切れた…いやそうじゃない。あの町の住民をゾンビもどきにしたのはお前だよな」

魔法使い「そうね。錬金術の真似事やって草原作ったら褒め称えられたし、実験もしたかったから流行り病直すついでにちょっと細工をしただけ」

勇者「相変わらず色々とためらいがないなお前」

魔法使い「性分よ。やっぱり死んだ人をゾンビにするより色々と便利だわ。わざわざ墓掘り起こさすにすむし」

魔法使い「ところでさ。貴方いっぺん死んで見ない?ちょっと強い兵士作りたいのよ」

勇者「自殺願望でもなきゃYesというと思ってんのかお前は。本当昔から頭のネジが飛んでるな」

魔法使い「…私はフランケンシュタインじゃないわよ?」

勇者「違う、そうじゃない」

魔法使い「まあ、貴方が断るのは大体分かってたし…サクッと殺してその後改造しましょうかしら」

ゴゴゴゴ…

勇者「地面が盛り上がって…!」

「ウガアアアアアアアア!!!!!」

勇者「前に殺したサイクロプスよりでかいな」

魔法使い「かわいいでしょ?この町に来る前に色々なモノをくっつけてできた奴なの」

勇者「どう考えてもスプラッタホラーの登場人物です。本当にありがとうございました」

また夜以降に

「ああぁああああぁあ!!」ブゥン

勇者「体がでかい分攻撃範囲もでかいな…まあけどその分鈍いわな。これなら懐に潜ってそのまま叩っ斬る!」

ガキィン

勇者「げっ、剣が弾かれた!」

「ぐおおおおおっ!」ドシーン

勇者「回避を…うわっ!くそっかすった!」

魔法使い「あら、調子が悪いみたいね」

勇者「うっせ!というかお前何か細工したんだろ!」

魔法使い「あら、もうわかったの?貴方を見たときに早速デパフかけたのよ」

勇者「いつの間に?」

魔法使い「貴方は周りからは剣術だけしか能がないと思われていたみたいだけど本当は違う、でしょ?」

勇者「いったいいつ気づいたんだ?」

魔法使い「魔法が専門だしあの暴虐王の国から一緒だったじゃない?気づかないと思って?」

勇者「せやな」

魔法使い「まあ普通の強化魔法の数倍の効果を短時間で短い詠唱でやるなんて驚いたけどね。少しでも間違えたら体弾け飛ぶわよ?」

勇者「間違えたなければ大丈夫だろ?そういやお前みたいに間違えて服だけ吹っ飛んだよな」

魔法使い「体が破裂させる魔法使おうかしら?」

勇者「やめてください死んでしまいます」

魔法使い「殺すって言ったでしょうに」

魔法使い「まああんまり体をバラバラにすると後が面倒だからそんなことはしないけど。どうせ強化魔法を抜いた勇者何ておにぎりから海苔と米を抜いたようなものだし」

勇者「俺いなくなってるじゃないですかーやだー」

ブォン

勇者「うおっ!こりゃ冗談を言う暇もないなこりゃ」


魔法使い「ほらもう一杯一杯じゃない」

「ガアアアアアアッ!!」ブォン

勇者「グヘッ!まずい、モロにくらっ…」

「アアアアァアアァアア!」グワッ

勇者「あ、やべ潰され…」

グシャッ

魔法使い「やりすぎたわね…恐らく潰れたしゾンビにできなさそうね」

ズバッ

「アアアアァ!?」

魔法使い「足を切られた!?そんな馬鹿な?」

?「ふっふっ、いつからあの勇者に仲間がいないと思ったんだ?」

魔法使い「あら?どちら様かしら?」

?「名乗る名前はない。ただ一つ言うとすれば…」

勇者魔王「そのスレンダーな胸を触らして下さい!お願いします!(その綺麗な太ももを触らして下さい!お願いします!)」

勇者「台無しだな、おい」

狐魔法「せめて()の中ぐらい真面目に言いなさいよ」

勇者「嫌、腐っても魔王ってことか。おれが使っている強化魔法の何倍も強いな」

狐魔王「それをドブに捨ててるぐらい残念な変態ですけどね」

魔法使い「まさかこんな規格外な人がいるなんてね。というか私の傑作をいつの間にかバラバラにされているし」

「ワガショウガイハクイバッカ!」

勇者「で、どうやってきたんだお前ら」

狐魔王「少女ちゃんを担いできたんですよ。流石にゾンビが扉ぶち抜いたんで移動せざるを得なかったですし」

勇者「おう、そうか。所でなんか周りの景色が真っ赤になってるんだけどどったの?」


狐魔王「……」

勇者魔王「悪いがもう住民がもう戻らないほどゾンビになっちまったから町の全体を燃やした。外に出るとどうなるかわからないからな」

勇者「…そうか」

魔法使い「あらやっぱりダメだったのね。次はゾンビになりすぎないように調整しなくちゃ」

勇者「悪いが魔法使い詰みだ。大人しく…おっと、人殺したら俺が死ぬんだった」

狐魔王「大丈夫ですよ。私が骨の一片も残さずに燃やすので。少女ちゃんもしばらく寝てるようにしてるのでどんな事をしても今は大丈夫なので」

魔法使い「あらそれは怖い。これは三十六計逃げるにしか…」

ザンッ

魔法使い「…っ!」

勇者「なんだ?急に魔法使いの体が真っ二つに切れたぞ!」

狐魔王「私まだ何もしてませんよ」

今日は終わり。また夜以降に。

「…急に村が燃えていて驚いたがなるほど、お前の都合のいい実験場所に変えていたのか魔法使いよ」

勇者「…あんたの知り合いか?」

「私の城に突然やってきて村をよくすると言ってきたのだ。実際よくなったので監視を解いたのだが…己の欲に動くとは人間はやはり愚かだ」

勇者「おいおい、そういうのは差別発言っていうんたぜ?」

「……」ギロッ

狐魔王「あの、知り合いですか?」

勇者「まさか。俺の最終目標さ」

魔王「それで何か用か?なければ殺すしあればそれを聞いてから殺す」

勇者「嫌な二択だな。おい」

勇者「待てよ国王の親書を持ってきたんだよ。内容は仲良くしようぜだとよ」

魔王「くだらん…大体お前ら人間がこの土地を奪ったのだ。それの反省が見られん限り和睦は受け入れん」

勇者「反省の仕方はどんなのがいいのか?」

魔王「お前の国の全国民の首を差し出せば許してやらんことを考えてやらんでもない」

勇者魔王「すげえ、犠牲と利益が釣り合ってねえ」

魔王「さて話を聞いたから殺すとするか…と言いたいとこだがたまたまとはいえ魔法使いを足止めしたのだ。一回だけ見逃そう」

勇者「悪いが和睦を受け入れるかお前が死ななきゃ俺は呪いで死んでしまうんでね。和睦したほうがお互い損をしないで済むだろ?」

魔王「ほう…ちっぽけな人の癖に言いよる。だったら私を殺すしかないな」

勇者「ここで今やるのか?」

魔王「いや私の城でやったほうがいい。お前が死ぬ姿を国民に見せて絶望させてやろう」

狐魔王「何故か魔王になると城での決戦をやりたくなりますよね」ヒソヒソ

勇者魔王「あるある。俺も魔王になったら城で待ち構えるのが義務って思うほどだもんな」ヒソヒソ

勇者「今あるあるトークするのやめろ。真面目に話してるんだから」

早いが終わり。また明日以降

勇者「しかし始めて魔王を見たが凄まじい殺気を放ってたな。少女が寝ててよかった」

勇者魔王「俺なんてあの少しの会話の中時間が遅く感じたわ。具体的には3カ月ぐらい」

狐魔王「あら怖気づいたんですか?魔王なのに」

勇者魔王「いや、魔王の胸見たら時間が光のように過ぎ去って…」

バキッ

勇者魔王「 」

勇者「お前、大物だわ」

勇者「…で、いつまで寝てるんだ?魔法使い」

魔法「……」
使い「……」

魔法「あら、なんで死んだふりがわかったのかしら」ムクリ

勇者魔王「うわあああああああ!しやべったああああ!」

勇者「お前と何年付き合ったと思っているんだ。それぐらいじゃ死なんとわかってる」

狐魔王「いや、普通死んでますって」

魔法「まあ、流石にバラバラにされてる時間が長すぎてもうすぐ死んじゃうんだけど。見てよこの下半身」

使い「 」グッタリ

狐魔王「あ、よく見ると肉が腐りかけてる」

勇者魔王「今俺のSAN値やばい」

勇者「もっと楽に死なせてやろうか?」

魔法「いやよ。このまま死ぬのもなかなかいいものよ」

魔法「あ、死ぬ前に一ついいかしら」

勇者「なんだ?」

魔法「私が魔王城に進に…謁見した時なんだけど色々ときな臭い匂いがしたわ」

勇者「なんか怪しいって訳か」

魔法「まあ私の勘なんだけど多分魔王を倒しただけじゃ駄目だと思うわよ」

勇者魔王「つまり魔王を倒さずにベッドに連れ込んで…」

狐魔王「アギラオ」
魔法「ばよえーん」

勇者魔王「ぎゃああああ!?」

勇者「今日の勇者魔王、炎に焼かれて無事死亡」

魔法「まあ、一度貴方から逃げた私だからそんなこと信じてもらえないでしょうね」

勇者「いや、信じるぞ。お前の勘はよく当たる。それに…」

魔法「それに?」

勇者「暴虐王の頃からの古い付き合いだ。今更そんなことぐらいじゃ怒ったりはしない」

魔法「でもさっきキレたとか言ったじゃない」

勇者「キレると怒るは俺にとっては別な事だから」

魔法「屁理屈ね」

勇者「うるせえ」

狐魔王(なんか勇者様を思い出しますね…)

魔法「…っつ。どうやら天国に行く時間がきたようね」

勇者「嘘つけ地獄行きに決まってらあ」

魔法「ふふ、そうかもね。だったら貴方が死んだ時私に会いに来なさいよ?」

勇者「それは無理だな俺は魔王を倒して英雄になるんだ。罪なんか相殺よ相殺」

魔法「そう。……だったら……私は……地獄……で……見て……」

魔法「……」

勇者「死んだか」

使い「バイバーイ」

3人「!?」

今日は終わり。また明日以降に。

<魔王城>

魔王「カラス、カラスは入るか?」

カラス「…ここに」

魔王「カラスよ。ここに勇者がやってくることになった。勿論我が勝つことが決まっているがただ殺すだけではつまらん。だから…」

カラス「人間の国にここの映像を見せて落胆させようということなのですね。分かりました、手配します」

魔王「うむ。お前は先代魔王が死んでからやってきた新参だかよくやっておる。褒めてつかわす」

カラス「有り難き幸せです」

魔王「我は少し休む。それまでに準備は終わらせておけ」

カラス「はっ」

カラス(狐様の姿を録画するために用意してたんだが…仕方ない網膜に焼き付けよう)

側近「…カラス殿」

カラス「ん?どうしたんだ側近殿。何か用事か?」

側近「いえ。最近貴方が多数の魔物と集まっていることを知っています」

カラス(なっ?ファンクラブの集会がばれただと?)

側近「魔王様はああおっしゃっていましたが貴方以外の四天王を倒した奴だとわかっています。ですのでもしもの時の為にその魔物達を近くに待機させてください」

カラス(いやその魔物戦闘力皆無なんだけど)

カラス「余り役には立ちそうにはないがわかった。待機させておこう」

側近「ええありがとうございます。やはり同族なだけあって貴方とは気があいそうだ」

カラス「…!もしやお前は!」

側近「ええ隠してたんですが僕も貴方と同じようなものなんですよ」

カラス(まさか…まさか!)

カラス(側近殿もわたしとは別のお狐様FCを作っていたというのか!)

カラス「…やはりかお前とは気があいそうだと思った」

側近「ええ、私も」

今日はおわり。また明日以降。

少女「ん…。あれ?」

勇者「ああ起きたか」

狐魔王「起きさせたというのが正しいんですけどね」

少女「私ベッドで寝てたんじゃ?」

勇者「俺らがあの町にやって来た事が魔王にバレて襲って来たもんだからアラホラサッサと逃げたんだよ」

少女「本当に?」

勇者「ああ、本当だ」

勇者「で、少女。お前に一つ聞きたいことがあるんだが」

少女「何?」

勇者「ここで雇用を打ち切りたいんだが切ってもいいか?」

狐魔王「!?」

狐魔王「ちょっと待ってください。なんでそんな急に…」

勇者「いやさ、魔王と対峙して始めてわかったんだよね。ああ殺されるかもしれないって」

勇者「少女よ。俺は昔命令だったら女子供でも手にかけるような外道なんだぜ?知ってたか?」

少女「……」フルフル

勇者「けどそんな外道でもなわざわざお前みたいなガキを死地に連れて行く様なことはしたくない。命令でもないならなおさらな」

少女「……」

狐魔王「…で、少女ちゃんをおさらばして貴方はどうするんですか?」

勇者「そりゃとっととここから逃げて何処か静かな所で余生を過ごすさ。少なく持っても半年は生きられる。名声よりも恨みの声の方が多い俺にとっちゃ随分恵まれた話さ」

勇者「ああ、そうなったら少女も人の生活に入れる様に手配はする。一応そういうコネはまだ残っているからな」

勇者「こんな素晴らしいアフターサービスもあるんだ。少女、俺からオサラバしようや」

少女「……」

少女「嫌だ」

勇者「そんな!?そんなことを言わずに…」

少女「嫌」

勇者「そんな!?そんなことを…」

少女「魔王を倒せば貴方は生きれるんでしょ?だったら私も協力する」

勇者「…おいおい。まだ年端もいかねえようなガキが何言ってるんだ?」

少女「…私、少し記憶が戻ったの」

狐魔王「少女ちゃん!それは本当ですか?」

少女「お父さんが死んだ時だけだけど。その時私は何も出来なかった。けど今は違う。狐魔王も勇者魔王もいる。貴方と一緒に戦える」

少女「私は…他の人が死ぬのをもう見たくない」

勇者「お前が死ぬかもしれないんだぞ。それをわかって言ってんのか」

少女「私はやらないで後悔するよりやってから後悔した方がいいと思っている」

狐魔王「大丈夫です。私がどんなことになろうとも守りますから」

勇者「……」

勇者「全くよ。ガキのワガママに付き合うのも楽じゃないんだぜ?」

少女「…!」

勇者「こいよ。そんで一緒に魔王倒そうぜ」

少女「…うん!」

勇者魔王「この野郎…俺が三年かけて上げた少女の好感度を一瞬で上回りやがって!何をしたんだ言ってみろ!」

勇者「はい、死んだ!シリアス死んだよ今
!」

狐魔王「むしろ今まで黙ってていたのが奇跡と言っていいでしょう」

今日は終わり。また明日以降に

〈魔王城〉

魔王「きたか、勇者よ」

勇者「ああ、きてやったぞ」

魔王「ふむ、前にも見た奴もいるがそこの小娘はなんだ?観客でも連れてきたのか?」

少女「……」

勇者「まさか。こいつは俺たちの最終兵器さ」

魔王「なるほど….なら殺しても問題ないのだな?」

勇者「殺せるのならな、まああんたじゃできそうにないがな」

魔王「ふん、口だけではなんとでも言える物だ」

側近「魔王様。準備が出来ました」

魔王「ん、そうか。勇者よ、お前が死ぬまでの経過他の人共にも見せようと思ってな」

勇者「おお、天井に城下町が映ってやがる」

魔王「さあ、お前が死ぬ所を国民共に見せて絶望させてやる」

勇者「やって見やがれクソ野郎。勝つのは俺だ」

勇者「狐魔王は少女の護衛。勇者魔王はこっちにバフかけたら盲目魔王と変われ」

狐魔王「アイサー」

勇者魔王「いやバフかけんのはいいが前衛はどうすんだ?盲目魔王も魔法メインの後衛だぞ?」

勇者「何、こんな奴1人で大丈夫だ。別に俺だけで倒してしまっても構わんのだろう?」

狐魔王「ブラグ、ブラグ!」

勇者「冗談だ。というか魔王の能力がわからん以上少女を固めていないと殺されて積む可能性がある。あと少女」

少女「…何?」

勇者「怖かったり、俺が死んだら逃げろ」

少女「私は逃げないし貴方も死んでほしくない」

勇者「言うと思ったわ。それじゃ魔王退治の始まりだ」

魔王「何かの相談も終わったようだな。なら死んで貰おう」

ゴオオオオオオッ!

勇者「開幕避けきれない極太レーザーが飛んできた件」

狐魔王「ご心配なく!私がなんとかします!」

ドガアアアアアン!

勇者魔王「おお、相殺した!」

狐魔王「全盛期だったら一方的に打ち消したんですけどね。それよりバフを早く!」

勇者魔王「そうだった、おらよっ」

勇者「…RPGで全能力を1ターンであげるようなことを平然と出来るお前ってすごいチートだよな」

勇者魔王「それ以外が死んでるけどな!それじゃ俺はチェンジするけど絶対負けんなよ!」

勇者「おうよ」

今日は終わり。また明日以降に

盲目魔王「さて、状況は勇者魔王から聞いています。少女の護衛と援護は任せてください」

勇者「よし任せた!」ダッ

魔王「ほう…単騎で我に挑むとは愚かな」

勇者「おらっ!」バッ

魔王「砂で目潰しとは…くだらん。我に効くとでも」

勇者「悪いが目潰しが目的ではないんでな!」ビュン

魔王「投げた砂よりも早く走っただと!?」

勇者「くらえ!魔王!」ブンッ

勇者「…やっぱそれぐらいじゃやられんか」

狐魔王「あっ!勇者の剣が折られてます!」

魔王「当たり前だ。貴様ら人間を倒すためにどれだけの研鑽を積み重ねたと思っている」

勇者「知るかそんなこと。どれだけ鍛えても魔王は勇者に倒される運命なんだよ。歴史書にそう記されてんだろ」

魔王「だったら私がその運命をひっくり返そう。そして人間共は皆殺しにしてやる…!」ゴゴゴゴ…

勇者「…ああ、こりゃやべえな」

狐魔王「これはまずいですね…私が援護に向かわないと」

少女「…だめだと思う」

狐魔王「どうしてですか少女ちゃん?」

少女「何か良くないことが起こりそうな気がする。勘だけど」

盲目魔王「少女のいう通りかもしれません。側近以外にも周りに怪しい気配を感じます。恐らく囲まれたのでしょう」

狐魔王「…後詰めか、それとも保険かという訳ですね」

盲目魔王「どちらにせよ下手に動くとそいつらが動くかもしれません。救援に行くのは悪手になる可能性が高いです」

狐魔王「一体どうすれば…」

盲目魔王「これはあれしかありませんね。ちょっと本に戻るんでその間なんとか守ってください」

狐魔王「えっ。せめて何やるか言って…」

少女「あっ、戻っちゃった」

勇者(やっぱり素手だと不利か…!)

魔王「どうした、やはりそんなものか」

勇者「うるせえ寝てただけだ」

魔王「なら止めをさそう。生憎戦闘の余波で映像が送れなくなったのは残念だがバラバラになった貴様らを空からふらせば嫌でも分かろう」

勇者「せめて火葬してくださいお願いします」

魔王「黙れ!貴様らが父上のやったことに比べればどんなに安いことか!」ダッ

勇者「ちっ、いきなり来やがって!で、どんなことやったんだ?」

魔王「父上は偉大な魔王だった。どんな魔物でも従えるまさに王にふさわしかった!」

勇者(ちっ、怒りに任せてどんどん攻めてきてるな!)

魔王「父上は人に殺された。それは仕方がない。父上もそう言っていたからな」

魔王「だかお前ら人間共はよりによって和平交渉中に父上を殺し、あまつさえ晒し首にし体は人間共の憂さ晴らし用のおもちゃにした!更には我の一族も…」

勇者「…おいちょっと待て」

魔王「なんだ?今更命乞いか?」

勇者「和平交渉?一体どこがいつの間にやったんだ?」

魔王「東の国がやったことだ。ほんのすこし前に滅んだらしいが。滅んだのは至極当然の事だ」

勇者(東の国って俺のいた暴虐王のところじゃねえか!一体いつの間に?)

勇者(それに前の魔王を倒したのは俺に呪いをかけたあの国の勇者のはずだ。一体どういう事だ?)

側近「魔王様そのような事をこんな人間に話さなくても…早く倒すべきかと」

魔王「そうだなとっとと殺すか」

勇者(とりあえず今生き残らないと!そんな事考える暇はないか)

今日は終わり。また明日以降

しばらくは早朝辺りに書き込む事になりそうだ



ドガッ

勇者「ぐっ…」

魔王「やはりこんなものか。あの少女が足を引っ張っていたな。あの狐と一緒に戦えば勝機はあったかもしれないな」

勇者『ーーーーーーっ!』ブンッ

魔王「おっと最後の抵抗か。どうやら無駄に終わったようだな」

勇者「俺の負けか…頼むから少女は助けてくれないか?」

魔王「どうせ人間共は皆殺しにするのだ。今殺してもどうせ後で死ぬ」

少女「…本当にそう思ってるの?」

勇者「…!おい少女コッチに近づくな!殺されるぞ!」

魔王「…ほう、何故そう思ったのだ?言ってみろ」

少女「貴方が子供の頃の願いが人と魔物の共存だって知っている」

魔王「デタラメだな。気でも狂ったか?」

少女「貴方のお父さんも嘆いているんじゃない?」

魔王「…貴様父上を愚弄するか!唯では殺さん。痛めつけてから殺してやる!」

少女「貴方はお父さんが生きていた頃はなんとか和解の道がないか模索していたはず。なんで人を殺すことに変えたの?」

魔王「…!貴様何を言っている!何故そんなデタラメな事を言うのだ!私は初めから人間共を殺す事しか考えていない!」

勇者「様子が変わった…?」

側近「……」スッ

狐魔王「何をするかわかりませんがさせませんよ」

少女「魔王。昔の貴方を思い出して。そんな事は絶対にしなかったはず」

魔王「黙れ!大体なぜそんなデタラメ信じなければならないのか!証拠はあるのか?」

少女「証拠?それなら…」

ボンッ

先代魔王「……」

魔王「なっ…?」

少女「貴方のお父さんに聞いたに決まっているじゃない」

魔王「父上?本当に父上なのか?…いや、違う!父はもう死んだのだ!こいつは偽物に決まって…」

先代魔王「…この馬鹿娘があああああ!」

ミシミシビシッ!

魔王「ひっ!」

勇者「叫んだだけで床にヒビが入りやがったぞおい」

少女「もう大丈夫なの?」

勇者「ああ大丈夫た。それより助けてありがとうな」

少女「ありがと帰ったら美味しい御飯食べさせてね」

勇者「こんな時でも飯か」

今日は終わり。また明日以降

先代魔王「いいか娘よ。確かに私が魔王になったときは人をここから追い出す為に人間と争いを続けたのだ」

先代魔王「だがここが魔物の領土になってから私は人との共存を目指そうとしたのだ」

勇者「まあ、鉄資源しかないからなここ。食料とかどっかで輸入しないとまた魔物が暴れだすかもしれないとか思ったんだろ?」

先代魔王「その通りだ。まず私は東の国との交渉に力を入れたのだ」

狐魔王「暴虐王と呼ばれたところなんですよ。よく交渉が出来ると思いましたね」

先代魔王「元々

先代魔王「いいか娘よ。確かに私が魔王になったときは人をここから追い出す為に人間と争いを続けたのだ」

先代魔王「だがここが魔物の領土になってから私は人との共存を目指そうとしたのだ」

勇者「まあ、鉄資源しかないからなここ。食料とかどっかで輸入しないとまた魔物が暴れだすかもしれないとか思ったんだろ?」

先代魔王「その通りだ。まず私は東の国との交渉に力を入れたのだ」

狐魔王「暴虐王と呼ばれたところなんですよ。よく交渉が出来ると思いましたね」

先代魔王「元々私達を奴隷のように扱ったのは南の国の方だ。上手くいっても他の者達が納得いかんだろう」

少女「南の国?」

勇者「俺に呪いをかけた所の国」

勇者「で、あんたを殺したのは誰だ?東の国はないことはわかっているが。その国で二番目に偉かったからな俺が魔王の暗殺なんて物騒なことが俺の耳に入らない訳がない」

先代魔王「ふむ、そいつは案外近くにいるかもな?」

狐魔王「それは一体…?」

先代魔王「どうやったかは知らんが私の娘をたぶらかしたことは許さんぞ。なあ側近。いや…」


先代魔王「先代勇者よ」


側近「……」

先代勇者「ああ、やっぱりばれてしまいましたか」

勇者「先代勇者か…南の国から魔王を倒しに行ったが行方不明になった奴か」

先代勇者「それで間違いないですよ。もっともわざと行方不明になるように情報操作をしたんですが」

魔王「まさか仇が私の近くにいたとは…くそっ!」

先代勇者「楽しかったですよ。貴方を操って南の国と戦争を始めさしたのは」

勇者「お前、南の国の勇者だろうがなんで自分の国を攻めさせたんだ?いやそれより先代魔王が倒されたのは40年も前だ。お前どう見ても20代にしか見えん。どういうことだ?」

先代勇者「まあその前に私の正体を明かしましょうか」

バサッ

少女「白い翼…?」

先代勇者「ええ、実は私、天使なんですよ」

狐魔王「天使ですか確か大昔の私達のご先祖様だと聞いています。もっとも別の世界から来たとか言われてましたが」

勇者「お前の大昔は人にとってとんでもなく昔なんだろうな。…でその天使様が何しに来たんだ?東京にICBMでも打ち込もうとしてんのか?」

先代勇者「いや、そんな事しませんよ。ここに来たのは単なる休暇ですよ」

勇者「休暇だったら南国でも言ってバカンスに行ってこいよ。こっちを巻き込むなよバカ」

先代勇者「いやー最近退屈していたので。ちょっとしたお遊びですよ。いわゆるロールプレイですよ」

勇者「だったらなんで勇者のロールプレイをやめたんだ?」

先代勇者「いや私も普通に魔王を倒しに行ったんですよ。東の国と同盟組まれる前に倒してこいってね。で、あっさりと倒した」

魔王「嘘つくな!父上がお前如きにあっさりと倒されるもんか!相打ちされてたおされたんだそうに決まってる!」

勇者「父親思いだな」

先代魔王「妻が先に逝ってしまったからな。その分愛情を込めて育てたのだ」

先代勇者「で魔王を倒した私はある物を見つけたんですよ。いま少女が持ったあの本をね」

狐魔王「…!」

先代勇者「まあ正確にはそのありかが書かれた奴なんですがね」

狐魔王「そして、そこの人を皆殺しにしたっていうんですか?」

先代勇者「ああ、あの少女はあの時の。丁度いい。その本をください。楽に死なせてあげますよ」

ボウッ!

先代勇者「いきなり攻撃は失礼じゃないんですか?」

狐魔王「黙れ…!」

少女「貴方は…私のお父さんを殺したの?」

先代勇者「ええ、殺しましたよ?貴方がいなければ私があの本を頂いたんですがね」

少女「…っ」

勇者「よし、お前は殺す。悪いが一切遠慮しない。4人で一気に仕留めてやる」

魔王「ああ…そうだな。私も仇だ。地獄に落としてやろう」

先代魔王「流石にあの本を貴様に持たせるとなにが起こるかわからん。倒させてもらう」

狐魔王「骨すら残さないように燃やしましょう」

先代勇者「いや流石に4対1だと私も厳しい…奥の手使いますか」スッ

勇者「…!あの本は!」

先代勇者「別にあの本しかないとは言ってないんでね!」

ボンッ!

勇者「一体何が出てきてくるんだ?」

先代勇者「ちょっと面白い物ですよ」

「……」

勇者「こいつは魔王…なのか?」

狐魔王「勇者……様?」

夫勇者「ああ、狐魔王。久しぶりだな」

狐魔王「勇者様!こんなとこで出会うとは…」テクテク

夫勇者「…だめだ!近づいちゃいけない!」

狐魔王「…えっ?」

先代魔王「ふむ…何が細工をしたな?」

先代勇者「そうです!ご名答!私が命令すればどんなことでもやってくれるようにしたのです!今は近づくたら自動的に切るようにしていますけどね」

狐魔王「貴様ああああああああっ!!!」

勇者「落ち着け狐魔王。まずは先代勇者を倒すだけに集中するんだ」

先代勇者「…できますかねぇ?これを見ても!」

ボンッ!

勇者「…うわあ」

先代魔王「…これは」

先代勇者「貴方達は2体までしか出せないみたいですね。こっちは何体でも勇者をよびたせるんですよ」

今日は終わり。また明日以降。

勇者と魔王の表記が時々入れ替わりそうです

勇者「ひい、ふう、みい。…パッとみても30人程度いるな」

狐魔王「幾ら何でもこれは…」

先代勇者「まあ、今はまだコレでは戦いませんよ。先に伏せておいた兵と戦ってもらいますよ」

先代魔王「先に私達を消耗させてから戦わせるのか。いい性格をしてるな」

先代勇者「死にかけの奴を圧倒的な力で潰すっていうのは愉しいですよ。さあ、カラスよ!兵を出すのです!」

カラス「え、いいの?…おーい、出てきていいぞ」

バンッ!

勇者「やるしかないか…!」

「うおーっ!」「生狐様!生お狐様だーっ!」「狐ーっ!俺を燃やしてくれーッ!」

勇者「 」
狐魔王「 」
先代魔王「 」
先代勇者「 」

先代勇者「…おい」

カラス「はい?」

先代勇者「なんだこれは?」

カラス「お狐様ファンクラブ」

先代勇者「お前が集めていたのは兵隊じゃないのか!?」

カラス「え、お前もお狐様ファンクラブ作ってたんじゃないの?」

先代勇者「えっ」

カラス「えっ」

先代勇者「お前の背中の翼はなんだ!色は違うが俺と同じ天使のはずだろうが!」

カラス 「……………………………………………………………………………………………………………………………………………あっ」

勇者「今俺天使だったの思い出したって顔ってしてんな」

狐魔王「ちょっと!なんかすごい集まってきてるんですけど」

先代魔王「ゾンビもスライムも皆黄色いはっぴきてるのはなかなか面白いな」

夫勇者「なんだこれは!やめろ!僕の妻に近づくんじゃない!…くそっ近づくと勝手に切ってしまうから近づけない!」

カラス「何!お狐様の夫がいるだと!?おいお前ら帰るぞ!1000年前の惨劇が繰り返されるぞ!」

勇者「お前ら1000年前に何やったんだ」

カラス「夜の営み中にやってきたバカのせいでファン会員が半数に減ったんだ。…おいお前ら急げ!間に合わなくなってもしらんぞー!」

ザッザッザッ…

狐魔王「下手な軍隊よりも統率取れてますね」

カラス「ファンクラブ規則その一!お狐様に迷惑かけた奴は切腹!」

勇者「こえーよそのファンクラブ。いやだからこんなに統率が取れてんのか?」

先代勇者「ちっ、予定が狂ってしまったか。だが、私が有利なことに変わりはない。この質も量も勝っている勇者共で一気に潰してやる!」

魔王「果たしてそれはどうかな!」

ボンッ!

先代勇者「なっ、あっちもさらに魔王を召喚しただと?一体を何をしたんだ?」

魔王「何あの少女の持っている本に少し細工をしただけだ。流石に契約を移すことは無理だったが私の魔力を少女に渡すように契約を変更したのだ」

先代勇者「なっ!たかが魔物風情が契約を変更しただと?私がそれを変えるのに半年は費やしたのに!」

魔王「ふん、私を誰だと思っているのだ。私は父上が遺してくれた書物をほぼ全て読んでいるのだ。そう、これも父上のおかげでな!」

魔王「……」チラッ

勇者「おい、褒めて欲しいらしいぞ」

先代魔王「む、ああ。良くやったな娘よ」

魔王「………!」パアア

勇者「なんか味方になったら可愛くなったぞこの魔王」

勇者「まあとにかく戦力は互角になったな」

魔王「私は戦えんぞ。下手にダメージ受けて魔力を途切れさせたら大変なことになる」

カラス「何、それならば私が変わりに戦いましょう正直あの天使(笑)よりも仕えていたこちらの方が居心地がいいですからね」

勇者「今さら取り繕ってもお前のドルオタは皆に露見してるからな。さて先代勇者覚悟はいいな?今からお前をぶっ殺しに…」

ダッ

最弱魔王「ヒャッハージンニクダァー!」

勇者「ああ、いたなあこいつ」

炎勇者「なんだ奇襲か!だったら迎撃だ!ファイヤー!」ボウッ

最弱魔王「ギャアアアアアア!」

先代魔王「…早速一人減ったな」

勇者「あいつは元から期待してないからセーフ」

先代勇者「ちっ…」ダッ

狐魔王「あっ、あいつ逃げますよ!」

勇者「くそっ、追いかけたいが素手だと返り討ちにされかねん」

鍛治魔王「だったらこれを…わしが昔作ったものじゃが」

勇者「おお、いいのか?」

鍛治魔王「わしはあまり戦えん。それにいい武器はやはり他の者に使ってもらったほうがええ」

勇者「そうか、ありがとうな」

先代魔王「勇者よ。私達は乱戦に持ち込む。その間にあいつを追いかけて仕留めろ。他の者では離れすぎると手も足も出なくなる」

勇者「よし任された!勇者魔王お前もこい!強化魔法で一気に追いかける!」

勇者魔王「ああ、あの勇者の風上にも置けないやつはきにいらねえ。倒しにいこうぜ!」

狐魔王「ブーメラン、ブーメラン」

盲目魔王「私達が先に仕掛けます。その隙に追いかけてください」

勇者「ああ、わかった」

盲目魔王「では早速。はあああああああ!」

勇者「凄い魔力だ。こりゃとんでもない魔法を出す気だな」

盲目魔王「くらえ!ファイナル…」

鍛治魔王「トールハンマー!」

ドガアアアアアン

盲目魔王「 」

勇者「ギガブレイク並の技出す魔王が戦えないだってさ」

勇者魔王「戦えないってなんだだっけ」

今日は終わり。また明日以降。

戦えない(弱いとは言ってない)

勇者「よし、上手く抜け出したな」

勇者魔王「後は強化魔法をかけて追いつく…ん?」

勇者「まあ、追いかけられた時用の対策もしているよな」

「……」

「……」

勇者「仕方ない。倒してとっとと先に進むぞ」

勇者魔王「あばばばばば」ブルブルブル

勇者「おいどうした勇者魔王。急に震え出して」

「勇者様ーーーっ!」ダキッ

勇者魔王「ぐわっ!」

勇者「なんだ?勇者魔王にいきなり抱きつきやがったぞ」

病勇者「ああ、勇者様もう二度と会うことはないと思っていましたのに!まさかこんな所にいるとは!これはまさに奇跡です!さあ、結婚しましょう!」

勇者「え、何?知り合い?」

勇者魔王「俺が勇者の時のパーティだった人…やめろ!ズボンを降ろそうとするんじゃない!」

勇者「なんだよこんな愛してるやつがいるのに他のやつにスケベやってんだよ。もげろ」

勇者魔王「お前はまだこいつの恐ろしさをわかってないんだよ…」

病勇者「あ、そうだ勇者様私プレゼントがありますの」

勇者「プレゼントもあんのか裏山」

「もげろ」

病勇者「はい勇者様」

勇者魔王「…えーとノートはまだわかるよ。うん。けどその骨っぽい物はなんだ?」

病勇者「私の骨です。肋骨あたりですかね」

勇者魔王「えっ」

病勇者「私達ずっと離れ離れだったので…これでもう一度離れても私と一緒ですよ♡」

勇者(あかん)

(あかん)

勇者魔王「あ、ああ。ありがとう(震え声)でこのノートは?」

病勇者「なんだと思います?開いてみて下さい」

勇者魔王「…うん当時のライバルや国王の名前が書かれているね。なんか後ろあたりのページが血がべったり付いてるんだけど」

病勇者「それ貴方のことを侮辱したリストですの。3年かかりましたが全員の首を切り落とす事に成功しましたの」

勇者「わあ、愛が重い(白目)」

勇者魔王「だろ?(吐血)」

勇者魔王「そうだこいつの骨で起源弾を作ろう」

勇者「おい、錯乱すんな。ちっ、こりゃ一人で行かないと無理か」

「おっと。それは無理だね。ここを守れって命令受けてるから私達を倒さないと動かないといけないよ」

勇者「やっぱりか…お前の名前は?」

空気勇者「空気の扱いに定評がある空気勇者だよー。特技は相手の窒息させることかな」

勇者「何それ怖え」

勇者「おい、病魔王…じゃない勇者。こいつ置いていくから通っていいか?」

勇者魔王「はあ?」

病勇者「喜んで♡」

勇者魔王「 」

病勇者「さあ勇者様結婚を。そして初夜を迎えましょう」

勇者魔王「ちょ、お前。やめろ!まじやめろって!」

空気勇者「だめだよー。そんなことしちゃー」

勇者魔王「おお、救援が!言ってもっと言ってやって!」

空気勇者「こんな固い床でいたしたら後々体が痛くなるよ?あそこに高級ベッドを用意したからそっちでしなよー」

勇者魔王「お前空気読めよおおおお!」

病勇者「まあ、なんて空気が読める人。それじゃ勇者様あそこで朝まで…♡」

勇者魔王「ヤメローッ!シニタクナーイ!」


勇者「尊い犠牲だった」

勇者「さて一人減った。後はお前だけだな」

空気勇者「そうだねー。じゃ、戦おうか」

勇者「そうだな」

空気勇者「……」

勇者「よし、いくぜ!」ダッ

空気勇者「うわー。やられたー」

勇者「!?」

空気勇者「くそー。まさかあんな方法で私ゆ攻撃させずにたおすとはー。不覚ーっ」

勇者「……」

空気勇者「これでは1番奥の部屋で魔力を回復している天使(笑)が守れないじゃないかー。くそーっ」

勇者「……!」

空気勇者「けど天使(笑)を守っているのは1番強い勇者だから安心できるかもねー。ガクッ」バタン

勇者「……」

空気勇者「……」b

勇者「いや本当に空気読めてるな。お前」

空気勇者「照れるなー」バッ

勇者「やられてるなら起きるなよ」

空気勇者「そうだったー。グハッ」バタッ

今日は終わり。まだ明日以降。

今日は誤字が多かった。これも天使(笑)のせいなんだ!(大嘘)

勇者「天使(笑)はいるか!コラァ!」ドンッ

先代勇者「なっ!あいつらを倒したっていうのか!?」

勇者「ああ、やっつけた(という事になった)」

先代勇者「ちっ、使えん奴らだ。おいわかっているだろうな?」

「はいはい、あいつを殺せでしょ。わかってる、わかってる」

勇者「さて、お前が最後の勇者か。確か1番強いって聞いているが」

「まあ強いのかわからないけど出てきた勇者のなかで1番の古株だって事は確かな」

勇者「へっ、ロートルか。どれぐらい古いんだ?」

「まあ、歴史上1番最初の勇者って事かな?僕の冒険が書かれた本見た事ある?」

勇者「ああ、あいつか。俺もガキんとき読んでたぜ。楽しい冒険小説だった」

初代勇者「1000年以上先の勇者にも読まれてるなんて光栄だなあ」

勇者「いや驚いたぜ。小説では男だったのに。本人は女だったとは」

初代勇者「そっちの方が書きやすかったらしいよ。実際一人旅だから男装してたし」


勇者「じゃヒロインとのベッドシーンは実は男だったのか?」

初代勇者「いやヒロインは作り話しさ。一緒に旅をした女の子はいない」

勇者「そうか。それは残念……ん?女?」

初代勇者「いやー、流石に男と寝て出来たら一大事だからね。代わりに女の子と寝ているうちに目覚めちゃった」

先代勇者「おい、何を話している!とっとと殺せ!」

初代勇者「わかってるよ。けど約束は守ってよね?かわいいおにゃのこの天使を沢山もってきてよ」

先代勇者「ああ、わかってる」

勇者「俺の子供のときのワクワクを返せ」

初代勇者「無駄話はここまでにしてやろうか。僕が君を殺すか。君が僕を倒すか。どっちだろうね?」

勇者「そりゃ後者の方に決まってんだろ!オラァ!」ブンッ

初代勇者「……てやっ!」シュッ

ガキイイン…

勇者「やるじゃん」

初代勇者「タイマンには自信があるからね」

勇者「じゃあ、これはどうだ?『ーーーーーーっ!』」ビュン

初代勇者『ーーーーーーぁあ!』ジャキン

ギイィィィン…

勇者「おいおい、まじかよ。俺のオリジナル魔法の短時間超強化魔法が防がれるとは」

初代勇者「僕も驚いた。1000年たってもこんな博打魔法を使いこなす人がいるなんて。あれ誰にも教えてないんだよ?」

キン!カンッ!ガン!ガギィィン!

勇者「ちっ!」

初代勇者「……やるね」

勇者(くそっ力では勝ってるが技で負けてる!武器を落とさないようにするので精一杯だ!このまま長期戦に移るとまずい)
初代勇者(うーん。やっぱり力技でごり押しされるとまずいなあ。長期戦だとなお不利だ)

勇者(これは、アレで仕留めるしかないな)
初代勇者(ここは、アレかなあ)

勇者「……行くぞ!初代勇者!」
初代勇者「……来い!勇者!」

勇者「うおおおおおおおっ!」ダダダダッ
初代勇者「てやあああああっ!」タタタタッ

勇者「くらえっ!」
初代勇者「はああああっ!」

勇者「あっ、手が滑って剣が!」
初代勇者「あっ、剣が弾かれた!」

ザクッ!グサッ!

先代勇者「ギャアアアアアア!」

勇者「やったぜ」

先代勇者「な、何しているんだ初代勇者!貴様はこの俺を守らないといけないんだろうが!」

初代勇者「いやーたまたま剣に弾かれて君に当たるとは。驚いた、驚いた」

先代勇者「嘘をつくな!てめえわざとだろうが!この俺にわざとやったんだろ!」

初代勇者「…あのさあ。あんた僕達が命令に逆らえないからかしないけど態度が気にくわないんだよね。だからこんなことになるんだよ。君、あっちじゃ友達いないんじゃないの?」

先代勇者「黙れええ!たかが人間風情が天使に逆らうんじゃね……」

グシャッ

初代勇者「ああ、悪いね。僕達こいつに『直接的な』危害は加えられないんだよね」

勇者「なに、どっちにしろ黙らせる予定だった。まあとにかくこいつを持ってきて乱戦やってるあいつらを止めるとするか」ズルズル

初代勇者「そうだね」

今日は終わり。また明日以降。

次回最終回!!…………かもね。

筋肉勇者「どっせええええい!」

耐久魔王「な、なんだと!?」

実況勇者「おおーっと!ここで筋肉勇者。耐久魔王の攻撃をかわして掴んで……そのまま垂直式DDTだあーーっ!!」

解説魔王「いいですね。耐久魔王はさっきの連続攻撃でスタミナがへっています。畳み掛けるなら今ですよ」

商人勇者「えー。ただいまをもちまして賭けを締め切りました」

料理人魔王「ゲーハッハッ!今日はどんな食べ物でも無料だ!沢山食べるがいいわ!」

勇者「すいません。いつの間にプロレスの興行に変わったのか誰か教えてください」

初代勇者「あらら、一体いつの間に」ツンツン

空気勇者「なんで頬をつんつんするだよー?」

勇者一同「……」

魔王一同「……」

勇者「…お前ら本当に勇者と魔王なのか?魔王城でプロレスおっ始めるなんて初めて聞いたわ」

初代勇者「そうだよ。ましてや婚活する場所でもないんだよ。そこんとこわかってる君達?」

空気勇者「まさかー。魔王と婚活するなんて天地がひっくり返ってもありえないよー」

夫勇者「ゴフッ」

狐魔王「誰かーっ!!勇者様が!勇者様が血を吐いたんです!」

勇者「君らわざと言ってるよね」

勇者「まあとにかくこの天使(笑)もとっ捕まえたんだが…そういやなんであんたら勇者達はこんなにやる気がないんだ?こいつも勇者達の意識奪って傀儡にすりゃよかったのに」

炎勇者「いや一回そんなことをやったみたいなんだが」

槍勇者「全員木偶の坊の様になってうんともすんとも言わなくなって」

扇動勇者「わしがそいつらを扇動させて天使(笑)を襲わせてから使ってないな」

先代勇者「し、仕方ないだろ!わざわざ人間に合わせた洗脳魔法などわざわざ使わなければならないのだ!?手間がかかりすぎる!」

勇者「そんなんだからお前は負けたんだよ」

初代勇者「こっちは仲が良さそうで羨ましいね。少女ちゃん」

少女「うん……みんなが優しく……してくれたかしね」モグモグ

空気勇者「食べながら喋っちゃいけないんだよー?」

勇者「で、少女よ。こいつをどうする?俺はお前のやりたいことを優先しよう」

先代魔王「まあ、どちらにせよこいつは処刑せねばなんが。……娘よちょっとどいてくれんか?胡座の上で座られると動きにくいんだが」

魔王「やだ」

勇者「大人しく家族サービスしとけ。で、少女。改めてどうする?殺せといえば殺すが」チャキッ

先代勇者「ひいぃ!」

少女「……」

少女「…別にどうもしないよ?確かにお父さんはこいつに殺されたんだけど。だからと言って殺してもお父さんは帰ってこないし。私は2度と会わなければそれでいい」

狐魔王「少女ちゃん…」

先代勇者「ふん、やはり天使だから許されたのだな。少女よ。死後は私のハーレムに加えてやる」

少女「…やっぱり変更。軽く袋叩きにして」

ほぼ全員「「「「OK!」」」

先代勇者「な、なぜだああああ!」

勇者「天使のぽんこつっぷりが止まらないな」

先代勇者「 」

勇者「よし後は。このボロ雑巾を国王に届けるだけだな」

少女「……届けたら?」

勇者「その後か…まあのんびり余生を過ごすっていうのもいいよな。少女よ。お前も一緒に来るか?」

少女「……うん!」

狐魔王「ようやく終わりが…あれ?勇者魔王一体どこにいたんですか?」

勇者魔王「察してくれ」ゲッソリ

病勇者「……♡」ツヤツヤ

勇者「よし、帰るまでが魔王退治だ。死なない程度にゆっくりと帰って……」

ブチッ


少女「……何?この音?」

勇者「…ガハッ!」

狐魔王「勇者さん?血を吐いてますよ!一体どうしたんですか!

勇者(そんなこと俺が知りたい!…くそっ、まともに喋れん)

「そいつは俺が答えようか」

魔王「……ん?さっきまで見てなかったが誰だ貴様は?」

先代勇者「くそが!全て見てやがったのか!国王!」

勇者(!!)

国王「おうおう。言ってくれるじゃないか先代勇者。…いや、弟よ」

狐魔王「なっ?弟?ということは…」

国王「そうでーす!私も天使だったんだよ!」

先代勇者「クソ兄貴が!いっつも私を下に見やがって!」

国王「だって事実じゃん。たかがこんなに人数の人を従えることすら出来ないなんてお里が知れる…おっと、俺と同郷たったんだ」

狐魔王「はあっ!」ボオオッ!

スカッ

狐魔王「かわされた!?」

国王「おいおい、いきなり酷いじゃないのよ。言っとくが今いるのは幻影だからな?攻撃なんてきかないよーんっと」

狐魔王「ちっ!飄々として!」

少女「…勇者に一体どんな事をしたの?」

国王「おっこんなちっこい子がこんな本を…まあいいやそんな事は。まあ簡単に言うと握り潰したのよ。心臓を」

少女「心臓?」

国王「ああ、まだ外科手術が発展してないからわからないか。そこ潰すと人って確実に死ぬのよ。わかる?」

魔王「貴様!国の勇者を殺したのか?一体なんのために!」

国王「邪魔だから」

魔王「はあ!?」

国王「だってよお、普通軍隊すら一人で叩き潰すイレギュラーなんて平和になってさあ、内政の時間だ!って言う時にいるか?って話だ。国民は怯えて最悪国相手に脅しとるって事も考えられるじゃん?だから殺した」

初代勇者「僕たちはどうなんだい?消される対象なのかな?」

国王「いや、契約者から離れる事が出来ない奴らは管理出来るからいいんだ。こいつみたいなどこに潜伏するかわからん奴は役目を終えたらはいさよならー(この世から)が一番さね」

少女「けど!それでも!殺すことはないじゃない!勇者は…勇者は余生を過ごすって言ってたじゃない!酷いよ。そんなこと…」

国王「いいや、こいつは死ぬ事も望んでいたんだぜ?なあ、勇者?」

勇者『ああ、そうだな。なんでわかったんだ?』

勇者魔王「喋った!?」

国王「俺の力で喋らせてんの。まあそれを切ったら死ぬんだけどな」

国王「知った理由?ほれあの人殺したら死ぬ呪い。あれ本当はお前の監視のための呪いなのよ。おいたやらかしたらこう握っとなやってたな。魔法使いはあっちゅう間に解呪したけどな」

勇者『そういうことか…』

少女「なんで!?なんで死ぬ事を望んでいるの!?」

勇者『…俺はな、ガキや女も殺した男だ。生きて欲しいというよりも死んで欲しいという奴が多いんだよ。だいたい俺も少女が成長したらひっそりと分かれてそのまま死ぬ予定だったしな』

少女「なんで?なんでそんな事を言うのよ!」

勇者『俺は東の国の勇者なんだぜ?で、そこの国が滅んだんだ。俺は死んだも同然だ』

国王「国に忠義を持っている奴だからな。呪いかけるフリしなければそのまま牢獄で死んでただろうな」

勇者『国王よ。俺はお前の計画通りに死んでいくんだ。何か褒美くれや、こら』

国王「うわー。国王を脅すなんて極悪人なんだー」

狐魔王「……」ギロッ

国王「おっと、冗談言える状態じゃないな。わかってる。少女と魔王の保護だな。約束しよう」

勇者『わかっているじゃないか』

国王「空気は読めるよ。あえて読まない事もあるが」

国王「じゃ、詳しい話は俺の国でな。なあに時間はかかるが魔物を差別しない国を作ってみせるさ」

魔王「おい、なんで私も保護する様にしたんだ言ってみろ!」

勇者『……なんでだろうな。俺もよくわかんないんだ。強いて言うなら殺した子供に似ていたぐらいかな…?』

魔王「……」

勇者『少女を守ってくれよ。な?』

魔王「…善処しよう」

少女「死んじゃいやだよ……勇者。また大切な人が死ぬのは嫌だ」

勇者『仕方ないんだよ。実際東の国の勇者だって言う事は隠してないと他のところじゃ殺されても文句は言えん。そんな事をしたんだ。俺は』

少女「死ぬのは怖くないの?」

勇者『怖くはないな。ただ…お前の成長が見れんのは惜しい…かな。ガハッ!』

少女「勇者!」

勇者『ああそろそろお別れだな。さよならだ。少女』

少女「さよならじゃない。…また会おうって言って」

勇者『…また……会おう……な』

少女「……」

勇者「……」

少女「うう……」

勇者(ああ、もう喋るのもきついや)

勇者(…死ぬ時は眠る様な感じって本で書いて言ってたが嘘じゃねえか。めちゃくちゃ痛え)

勇者(ああ……どんどん意識が遠くに)

勇者(………………)




勇者(………………)




ドンッ

今日は終わり。また明日以降。


もうちょっとだけ続くんじゃ

勇者「痛え。なんだ?頭に何か衝撃が……」

ザバアアアン……

勇者「おい、どこだここ?なんか川みたいな所で小舟に乗せられてる」

「ああ、目が覚めたんか」

勇者「……誰だお前?今俺が武器を持ってたら叩っ斬る所だったは」

舟守「んな怖い事言うなや。それに今俺に危害を加えたら地獄行き確定やで。あ、俺の名前は舟守、よろしくな」

勇者「お、おう。って地獄行きって言う事はもしかしてこの川って……」

舟守「おそらくお前が思っている通りここは三途の川や。ここは所謂死後の世界ということやな」

勇者「……まさか本当に死後の世界があるなんてな今まで行ったことがあるっていう奴は酒で酔ってるか薬でアッパラパーになってる奴だけだっていうのにな」

舟守「孫悟空じゃあるまいし死んで記憶持ったまま生き返る訳あるか」

勇者「そうだな。所で今から行く所はもしかして閻魔大王の所か?」

舟守「大当たり。まあ最近じゃ木端な善行や犯罪犯した程度じゃ機械的に振り分けられるだけだがお前みたいな判断つかん奴は閻魔大王様が判決を下すって訳や」

勇者「ちなみに天国と地獄の違いはなんだ?」

舟守「知りたいんか?知って後悔しても知らんで?」

勇者「俺は知らないでする後悔の方が嫌だからな」

舟守「ふーん。まあいいや。言っても別に給料下がり訳じゃないし。教えるか」

勇者「お前給料貰ってたのか」

舟守「一応こっちの世界じゃ国家公務員と同じ扱いやで」

勇者「へえ」

舟守「んで、天国と地獄の違いっていうのはな……おっともう着いてしもた。残念、今から話そうと思ったのに」

勇者「絵本で見たのと違うな。死んだ人の行列が出来てないな」

舟守「最近部下が有能になって閻魔大王が出張るのは少なくなったんや。というかそんなに行列が出来ると閻魔大王が過労死せてまう。1日何人死んでると思ってんのや」

閻魔大王「おお、お前が勇者か!待っておったぞ!何せ久しぶりの仕事だからな!えーと釈は何処に置いたっけ……」

勇者「なんかすんげーフレンドリーな閻魔大王だな」

「まあ、前に働いたのは100年も前だ。仕方ないことだ」

勇者「また新キャラか。どちら様で?」

鬼娘「地獄を管理している鬼娘だ。お前がこっちに行くときになったら覚悟しておけ」

勇者「おお、怖い。ということは天国を管理している奴もいんのか?」

鬼娘「ああ、閻魔大王様が仕事のときはやって来るんだが……さては遅刻だな。全くこの仕事をなんだと思っているんだ」

勇者「閻魔大王といいなんか緩いなここ」

「ああ、悪いわね。ちょっと用事が立て込んでて」

鬼娘「何をしているのだ全く!どうせ、天国の人になんかやっていたのだろう?」

「いやねえ、ちょっとイタズラをしただけ……ってあら?」

勇者「いや、体が二分割になっても喋ってたから人じゃないなとなんとなく思ってたんだが……」

魔法使い「あら、お久しぶり。実は私天使なの」

勇者「こんな天使で大丈夫か?」

鬼娘「大丈夫だ問題ない……と思う」

短いか今日は終わり。また明日以降。

風邪のせいでしばらく投下量は少なめになりそう

閻魔大王「さて、それでは勇者が天国行きか地獄行きか決める裁判的なアレをやろうか」

勇者「おい、アレって言ってるが本当にそれでいいのか」

鬼娘「私はお前が生前やった悪業を全て知っている。覚悟するんだな」

魔法使い「逆に私はあなたがやった善行を知っているわよ。大丈夫私が天国に連れて行ってあげるわ」

勇者「すいません。チェンジで」

魔法使い「何よ。昔の仲間でしょ?そんなに信じられないの?」

勇者「信じてるからチェンジって言ってるんだよ」

鬼娘「まず私が。こいつは生前人を1000人殺している。兵士じゃなくて町の民だけでだ。これはどう考えても地獄行きは免れないだろうな」

魔法使い「けどそれって暴虐王の命令でやった事よ。それに東の国は彼のおかげで裕福になったのよ」

鬼娘「それは他国の領土を無理やりとっていったからだろ?おそらく裕福になった人より血を流した人の方が多いだろうな」

魔法使い「いや、人が死んだからってなによ。あんなのここに来るやつら以外どうだっていい存在じゃない。天使の間じゃ人間の首を飾るのが流行りなの。知らないの?」

勇者「何処の蛮族だよお前。というか本当に天使なのか?」

鬼娘「なんと酷いことを……。そいつらだって私たちとなにも変わらない存在だろ!」

勇者「すいません。天使と鬼の立場がひっくり返ってる気がします」

閻魔大王「天使は天国の人間の監視が主な仕事なんだが天国に行くやつらってなにも悪いことしないから…」

勇者「天使の暇つぶしで首飾られる人も散々だなあ」

鬼娘「大体仕事の量がおかしいんだ!なんだ!天使は週6日休みでこっちは休みが月4日なんだぞ!」

魔法使い「あなた達の仕事が遅いからじゃないの?」

鬼娘「だったらこっちの仕事をやってみなよ!」

魔法使い「いやよ。面倒くさい」

勇者「酷い職業差別を見た」

閻魔大王「儂も若い頃は三年間は不眠で働かせられたからのお」

勇者「人間に生まれて良かった」

鬼娘「私だってなあ。休みが欲しいんだよお……」グスッ

勇者「俺の裁判からこいつの愚痴聴き場に変わってんだけど」

閻魔大王「まあそういう愚痴吐きを兼ねてるからなあ。ここ」

勇者「はあ?」

閻魔大王「まあここに来る奴って大抵はどっちでも行けるような絶妙なバランスの善行と悪業やったのが来るからのお。ぶっちゃけ地獄行きも天国行きもお前次第じゃ」

勇者「…なんだそれ」

鬼娘「休みをよこせーっ!」

魔法使い「労基に駆け込みなさいよ。あるかどうかわからないけど」

魔法使い「はあ、勇者あなた地獄に行ったら?地獄行きが決まったらこの子褒賞が貰えるみたいだし」

勇者「えー。流石に地獄に行くのはないだろ。血の池地獄やら針地獄は流石にきついと思うぜ」

閻魔大王「そんなものないぞ」

勇者「えっ」

閻魔大王「あるのは労働の義務だけじゃ。強制的働かせられる時間があるがそれ以外は自由じゃ。天国にはそれがないが」

魔法使い「代わりに天国達におもちゃされるかもしれないけどね」

勇者「すいません。天国と地獄の名前が逆についてます」

魔法使い「なによ失礼ね。私はたまにゾンビにしてリアルスリラーごっこをやるだけなのに」

勇者「お前や先代勇者と国王が色々アレなのも納得したわ」

閻魔大王「で、お前はどっちに行きたいんじゃ?働かされる地獄と天使様が見てる天国」

勇者「地獄で(即答)」

魔法使い「えー。なんでよ。ちょっとこっちに来なさいよ」

勇者「地獄で(即答二回目)」

鬼娘「本当か?週に5日働くんだぞ?それでもいいのか」

勇者「生前と比べたら楽じゃねえか。こっちは休みは年4日だし」

魔法使い「辞めさせられたと思ったらどう足掻いても死ぬ仕事に就かされたしね」

閻魔大王「それでいいのか?」

勇者「二言はない」

閻魔大王「よろしい。えー、勇者よ。お前は公正(笑)な裁判的なアレなもと地獄行きとする。それでよろしいか?」

勇者「OK」

閻魔大王「よしそれでは地獄行きの準備を……すまん少し電話が」


勇者「所々俺らより文化が進んでいるのが垣間見えるな。所で電話ってなんだ?」

閻魔大王「……え、ああ。そうですか。いやー。はい、わかりました。そうします」

勇者「なんか一人芝居見てるみたいだな。電話という奴は」

閻魔大王「ああ、勇者よ。地獄行きの前に行かなくてはならない所が出来たようだ」

ドンッ

勇者「突然扉が降ってきたな」

閻魔大王「とりあえず入りなさい。入ればわかる」

勇者「なんだがわからないが入ればいいんだな?おっしゃ」ガチャッ

カッ


勇者「うおっ!なんだ!?開けたとたんに光が出て……吸い込まれる!ぐわっ!」

ガチャッ

閻魔大王「頑張るんじゃぞー」

魔法使い「扉閉まったのに聞こえるはずじゃない」

閻魔大王「それもそうか」

ボンッ!

勇者「ゲホッ。酷え煙だ。こんなの初めて……じゃねえな。前にもあったような」

「な……出て…………なん……………」

「もし………て」

勇者「何か声が。どっかで聞いたような……」

「ほら!………………くる………………」

「嘘………………夢………」

勇者「煙が薄まって……だんだん顔が見えてきたな。あっ、あの耳は」

狐魔王「お久しぶりですお元気にしてましたか?」

勇者「ああ、やっぱりお前か。あの特徴的な耳はお前しかいないな」

勇者「周りを見渡して理解した。俺はあの先代勇者が持ってた本から呼び出された。あってるか?」

狐魔王「そうです。それであっていますよ。少女ちゃんが何回もやってみたんですが一度も出なかったんですけどね」

勇者「へえ。所でその少女は?一体どこにいるんだ?」

狐魔王「今私の隣にいる人ですよ」

勇者「……おいおい、これが少女?嘘つけ。もっと背が低くて色々と小さかっただろ。今目の前にいるのって少女じゃなくて女だろ」

「まあ、仕方ないかな?私も結構変わったし。時も結構経ってるしね」

狐魔王「少女ちゃんアレやれば一発ですよ」

「えっ!?けど昼の分のご飯全部食べたんだけど…」

狐魔王「違います。腹ペコキャラを見せるんじゃなくてアレですよアレ」

勇者「漫才するなら帰るぞ」

「待って!今やるから」スッ

勇者「……ああ、その本は」

『………………』ブツブツ


勇者「その呪文は」

ボンッ

勇者「間違いない。やっぱりお前は」

勇者魔王「おい病勇者。流石に昨日ぶりなんだから勘弁しろ。俺が持たない」

勇者「昨夜はおたのしみでしたね」

勇者魔王「はあっ!?勇者?お前死んだんじゃ!?」

勇者「お前と同類になっちまっただけだよ。……全く前見た時より見違え過ぎじゃないか?なあ、少女」

「…………」

少女「うん」

少女「…………」ソワソワ

勇者「ただいま。と言っておこうか。死ぬ時にまた会おうって言ったしな」

少女「うん、お帰り」

狐魔王「所で勇者さん今少女ちゃんどんな仕事をしてると思いますか?」

勇者「いきなりなんだ?あれか。お水か?」

少女「違う。私はそんなことはしない」ゲシッ

勇者「いきなり蹴るなよ」

「ああ少女ちゃん。次の勉強のことなんだけど……あら?どっかで見たような顔が」

勇者「お前が勘違いじゃなければ村のサイクロプス退治の時に出会ってるはずだが。あんたはあんまり顔立ちとか変わってないみたいで」

孫「ああ、この人が少女ちゃんの初恋の?」

少女「なっ、ち、違う!あれは酒で酔ってたから……」


勇者魔王「なんだと?」ガタッ

狐魔王「オラッ!」ゲシッ

勇者魔王「 」

勇者「まるで成長していない…!

勇者「魔法関係の教師ね」

孫「私の村の人たちに魔法を教えた後は他の村に教えて回っているんです。一部の魔法が農耕に役に立つ事最近分かったので役に立つと思って」

勇者「あの国王はどうしてんだ?」

狐魔王「自分の弟をギロチンした後は普通ですね。魔物との異文化交流も少しずつ進んでいるんで」

勇者「やるじゃん。まあウチの国を潰したんだ。それぐらいやって貰わなければ困る」

少女「その異文化交流で私が役に立ってるの」

勇者「どんなだ?」

少女「演劇。下は子供が喜ぶ冒険活劇から上は大人がみる悲劇まで。魔王達も手伝ってもらってるの」

狐魔王「魔王が書いた脚本で勇者魔王と病勇者が主演の演劇が人気ですかね」

少女「私はちょっとドロドロして苦手だけど」

勇者「生きろ!勇者魔王!色んな意味で!」

勇者魔王「もう諦めたよ。色んな意味で」

勇者「……まあ、色々あったがこれで一応長い魔王退治も終わったわけか」

狐魔王「んなもんもう何年も前に終わってますが」

勇者「違います。俺が帰ってくるまでが魔王退治なんです」

少女「勇者はどうするの?引きこもりたいなら呼ばないようにするけど」

勇者「ん?そうだな…取り敢えず悠々自適にのんびりするか。魔法教えたり演劇やったりとかな」

狐魔王「つまり少女ちゃんの手伝い?」

勇者「ま、そうともいう。今はあの本の契約したやつの言うことを聞くことにするわ」

少女「三回回って私の為に料理作って」

勇者「いきなりとんでもない命令が来た件」

少女「冗談。……けどご飯は作って。久しぶりに貴方のご飯が食べたい」

勇者「あー。はいはい。ちょっと何かないか見てきていいか?」

狐魔王「まるで私と勇者様みたいな関係ですねー」

勇者魔王「お前料理できないもんな」

少女「……勇者」

勇者「え?朝飯も作れ?」

少女「違う。…あのね勇者」

勇者「どうした?」

少女「……私との魔王退治への旅はどうだったの?」

勇者「なんで今そんなこと聞くんだ?」

少女「気分」

勇者「気分なら仕方ないな。……そうだな。まあ、悪くはなかったな」

少女「……そう」

少女「……」


勇者「おいどうした。急に黙って」

少女「孫が言ってた話なんだけど」

勇者「あの初恋が俺だったって奴?」

少女「そうそれ。それなんだけど……」

勇者「まさかその初恋のせいで貴方以外興味がないんです!とか言うんじゃないだろうな?」

少女「……」

勇者「おい。まさか」

少女「つ、月が綺麗ですねっ!?」

勇者「もう少し上手い話題そらししろよ」

少女「仕方ないじゃない!仕事的に男と遊ぶ余裕がないんだもの!」

勇者「だからってお前死んで生き返ってくるかもわからん相手を待っとく必要はないだろうな。最悪行き遅れて魔王になってたかもしれないだろ?」

少女「今は今!」

勇者「ああそうかい。だったらいいぜ。付き合おうや」

少女「……えっ」

勇者「え、じゃねえよ。俺一応お前に首根っこ捕まってるんだぜ?俺に拒否権はないもんだぜ」

少女「…あなたは?貴方は私のこと好き?」

勇者「さあ?どうなんでしょうか?答えは神のみぞ知る」

少女「焦らさないでよ」

勇者「まあ世界は平和になって俺も生き返ってきたんだ。そういうことも含めてゆっくり分かりあおうぜ?」

少女「う……うん」

とある女性の活躍

彼女が南の国にいつやってきたのはよく分かっていないし当時の国王と知り合いだった理由もよくわかってない。ただ今日まで伝わっている数々の有名な演劇に彼女の名前が載っていることだけは確かだ。


彼女は当時では貴重な召喚魔法を使える人物でありそれを使った演劇は連日空いた席がないほどの賑わいを持ったという。

演劇を引退した彼女はとある男と結婚した。この男も当時人気だった役者である以外よく分かっていない。ただその男には色々な噂があった。

曰く何年たっても年を取らず突然本に消えたり逆に本から出てきたという………



〈終わり〉

終わり。取り敢えずあとがき的な奴は明日書こうと思う

改めて読み返すと誤字多すぎワロタ

後書き

元々魔法じゃなくて魔王呼び足したら面白くね?という感じでほぼノリで書いたもの。ノリでよく9ヶ月(実質半年程度)続いたものだ。

ほぼ頭の中のプロットを頼りに下書き無しで書いてたので誤字が多かった。だが私は謝らない。

終始軽いノリだったがたまに重いネタを入れてバランスをとったと思う。

今後としてはこいつの前日譚と続編のプロットが一応出来てるのでそれを投下する予定。

前日譚は勇者が魔王退治に行き始めたあたりの頃を書く。まあオチは本編見ればわかると思う。

続編は主人公交代して魔王退治に行く。今作では歴代魔王を呼ぶチートだったが今度は別方向のチートでやらかすと思う。

前日譚→続編の順に投下予定。

それでは前日譚の

勇者「お前も勇者なのか?」少女「うん!」

かもしくは続編の

モヒカン「ヒヤッハー!魔王は消毒だー!」

か他の作品ででお会いしましょう。
読んで頂きありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom