オーキド「ここに3つの札束があるじゃろ?」 (133)

オーキド「レッド、これをお前にやる。一束200万、全部で600万円じゃ。」

グリーン「あっ!レッドだけずりーよ!じいさん!」

オーキド「まー、心配するなグリーン。お前にも同じだけやろう。」

オーキドは足下のブリーフケースからさらに600万円を出し、机の上に置いた。

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オーキド「ただし!当然だが条件がある!」

グリーン「そんなあ!そりゃあないぜ!」

オーキド「お前たちに頼みたいことがある!」

オーキド「レッド!お前にはトキワシティへ行ってもらう!」

オーキド「そこにある『フレンドリィショップ』という雑貨屋に入って、店員に『キズぐすりとスマイル2つ』と言え。」

オーキド「店員がワシへの荷物を渡してくれるはずだ。それを持って帰ってきてくれ。」

オーキド「念のためにこいつを持っていけ。」
オーキドはブリーフケースから大きめの巾着袋を取り出し、レッドに渡した。
レッドは袋の中を覗いた。

レッドはコルト1911をもらった!
レッドはハンドガンの弾を30発もらった!
レッドはサプレッサーをもらった!

オーキド「セーフティを外せばすぐにでも撃てるぞ。」

レッドはうなずき、それをジャージの内ポケットに忍ばせた。

オーキド「グリーン!お前にはモーターボートを用意した!研究所の南の水辺だ。

オーキド「それでグレン島へ行け!そこにある屋敷に、カツラという男がいる。そいつにオ
     ーキドの孫だと名のれ。」

グリーン「それで?」

オーキド「あとはカツラが指示を出す!それに従ってくれ。」

オーキド「600万円は終わってからだ!さあ行け!くれぐれもしくじってはならぬ!」
オーキドは二人を交互に見ながら言った。

グリーン「よっしゃー!じいさん!俺様に任せとけ!」
グリーンはそう言うと、颯爽と研究所を去っていった。

オーキド「分かっているとは思うが、町を出ると野生のポケモンに出くわすかもしれん。油断するな。」

レッド「ああ」
レッドも早足で研究所を出た。

いよいよだ。
初の任務にレッドの胸は高まる。
オーキドのもとで訓練を始めたのは、レッドがまだ4歳の時であった。
日々相当な量の筋力トレーニングを行い、身を隠し、気配を消す方法、
敵の目を欺く様々な作戦。さらにはポケモンの倒し方から、皮の剥ぎ方、調理の仕方まで学び、
あらゆる重火器の使い方を教え込まれた。

まだ10歳のレッドだが、身長は173cm、体重は80km。彼の肉体と頭脳は大人のそれよりもはるかに優れていた。

マサラタウンを出て、1番道路を歩く。
こんな所で危険なポケモンが出ることは滅多に無い。彼にはオーキドが銃を用意した理由が分からなかった。

何事も無くトキワに到着。フレンドリィショップを探し出し、荷物を受け取る。
なんだ、簡単じゃないか。

しかしショップを出て歩き出したレッドは、すぐに異常を察知した。

レッド(尾行されている…?)

彼が入る前にショップの前で立ち話をしていた2人組が、ついてきているように思えるのだ。
どんな些細なことでも見逃さないよう、レッドは鍛えられたのだ。

彼は何事も無かったかのように歩き続け、マサラとは反対方向へ向かった。やはり彼らはついてきた。

試しに靴ひもを結ぶふりをすると、彼らも一定の距離で立ち止まった。レッドが歩き出すと、彼らも歩き出す。

下手な尾行だ。レッドは思った。
自分が子供だから、油断しているのだろう。

オーキドに連絡する必要があるが、まず奴らへの対処が先決だ。
レッドはそのまま北へ向かい、トキワの森に差し掛かった。

この森は天然の迷路である。危険なポケモンも多い。
奥へ進めば奴らも自分を見失い、あきらめるだろう。

森へ入り、辺りが暗くなる。
レッドは茂みの多いところをずんずん進んでいく。
すでに人が立ち入ることの無い場所に来たが、彼はためらうことなく、不規則に曲がりながら進んでいく。
そして茂みに身を伏せた。
しばらく待ったが、あの2人組が来る気配は無い。

10分ほど息をひそめたが、どうやらあきらめたようだ。

彼は茂みを出て、スマートフォンで地図を開いた。
とりあえずニビシティへ行こう。彼は再び歩き出す。

5分ほど歩いたところで、彼は立ち止まった。

レッド(これは…血のにおい…?)

素早くコルト1911を取り出し、辺りを見回す。
においの元はすぐに見つかった。

少年が仰向けに倒れていた。隣に虫取り網が落ちている。

彼の腹は大きく引き裂かれており、あばら骨が飛び出し、腸の一部と夥しい量の血液が溢れ出ている。
衣服は全てちぎられたらしく、素っ裸だ。
下半身を見ると、ペニスと睾丸は根こそぎ噛みちぎられたようで、管のような何かが飛び出している。
犯人は明らかだ。

レッド(ピカチュウがいるのか…!)

ピカチュウはかなり危険なポケモンである。
奴らは群れで行動し。獲物を見つけると素早く接近し、電撃で麻痺させる。
そして弱ったところを一気に襲い、[ピーーー]。

ピカチュウは栄養の豊富な内蔵のみを食べる。
腹を裂かれた死体のほとんどはピカチュウによるものだ。

そして奴らの大好物は脳だ。しかし今回は頭蓋骨までは割れなかったらしく、
少年の顔は原型をとどめないものの、頭部は残っている。

ピカチュウはトキワの森に生息してはいるが、数は少ないらしく
目撃情報もほぼ無かった。

体重ミスった…許してね

相手がピカチュウとなると、多少の用心が必要となる。
レッドはコルト1911を構えて、慎重に進むことにした。

だいぶニビシティに近づき、レッドは一息ついた。
が、突如茂みから黒い影が二つ、飛び出して来たのだ。
レッドは驚くべき反射神経で後ろに飛び退き、コルト1911が火を噴いた。

ガアン!!

しかしそれはキャタピーであった。
顔面の左半分を吹き飛ばされたキャタピーは声を上げることもなく、息絶えた。

レッドはキャタピーごときに反応したことに腹を立て、
もう一匹を思いっきり蹴飛ばした。キャタピーは奇麗な弧を描いて飛び、茂みの中に消えた。

キャタピーはグロテスクではあるが、比較的無害なポケモンである。

発砲音が思いの他響き渡り、レッドは舌打ちをした。
サプレッサーをつけておこう。

しかしニビシティへ着くまでに、再びポケモンに出くわすことはなかった。

到着した頃にはすでに日が暮れ、レッドも空腹であったため、彼はファストフード店に入った。
安物のしけたハンバーガーを食べていると、店内のテレビが臨時ニュースを告げた。

「国際的な麻薬組織のリーダーとして、オーキド・ステファノビッチ氏が逮捕されました。」

「オーキド容疑者は24年もの間、麻薬組織『ブラックウォーター』のボスとして、国際的な事件に
多く関わってきたと見られています。同容疑者は数年前から『オーキド博士』と名乗り、
地方に建てた研究所に潜伏していたということです。」

「彼の逮捕時の様子や、逮捕までの経緯については、後ほどお伝えします。」

レッドは青ざめた。
オーキドが単なるポケモン博士とは思っていなかったが、まさか『ブラックウォーター』のボスだったとは。
おそらく、レッドが渡された荷物も、中身は麻薬だろう。

マサラに帰ることはできない。
先ほどの尾行といい、子分にあたる自分の存在は気づかれているかもしれない。

グリーンのことも気になるが、もし捕まっているとしたら、連絡を試みるのは危険だ。

レッドはそそくさと店を後にすると、すぐにニビを出た。
追われる身となった以上、一つの場所に留まるのはリスクが高い。

彼はお月見山付近で野宿をすることにした。
慣れた手つきで火をおこし、テントを張る。

撃ち落としたポッポを丸焼きにしていると、近くから妙な音が聞こえてきた。
ポケモンの鳴き声のようだが、様子がおかしい。

銃を構えて音の方へ向かうと、茂みに黄色い何かが見えた。
ピカチュウだ!
レッドは素早く始末しようと近づいた。

するとピカチュウの横たわった全身が見え、それが血だらけで、重傷を負っているのが分かった。
肩から胸にかけて切り裂かれたらしく、骨が見えている

レッドはさらに接近したが、ピカチュウは息も絶え絶えで起き上がることはできなさそうだ。

レッドは屈んで、傷を調べてみた。傷は肩から斜めに、奇麗に切られている。
付近にこれほど鋭い爪を持ったポケモンはいない。ナイフか何かで切られたものだろう。
血はまだ流れ出ており、ついさっき切られたものだと思われる。

よくある物語だと、ここで情けをかけ、傷の手当をするのだろう。
そして主人公のピンチをピカチュウが救うという筋書きだ。

しかし同情など知らずに育った、しかもサディスティックな面も持つレッドに、
そんな馬鹿げた考えは浮かばぬ。

レッドはピカチュウの尻尾を掴み、焚き火の近くへと引きずっていった。
ピカチュウは群れで行動するため、付近に他の個体がいる可能性があるからだ。
ピカチュウは基本、火を嫌う。

レッドは焚き火の隣にある岩の上にピカチュウを横たえた。

レッド「さあて、暇つぶしだ。」
レッドは手術用の手袋をつけた。なぜそんなものを持っているのか。

彼は手頃な大きさの小枝を拾い、ピカチュウの傷に差し込んだ。

ピカチュウ「ピ…」

レッド「イマイチだな」

するとレッドは、傷の両側を掴み、ふんぬ!と力任せに開いた。

ピカチュウ「ごぶらぴああああああああ!!!」

ばり!という音とともにものすごい量の血が吹き出し、
胸まであった傷は、股間にまで達した。真っ赤に染まったあばら骨と内蔵があらわになる。

すでにピカチュウは虫の息だ。

レッド「なんだ、これからが本番なのに…」
レッドは舌打ちをすると、すごいキズぐすりを取り出し、傷に噴射した。

傷はみるみる治っていき、ピカチュウも息を吹き返した。

ピカチュウ「ぴい…かー」

レッド(そろそろかな)
レッドはキズぐすりの噴射をやめた。
ピカチュウは回復したが、まだ動ける程にではない。

レッドはピカチュウがオスであることに気がついた。ピカチュウは2本足で歩けるため、
ペニスは比較的小さい。形はコラッタといった普通のネズミのものとほぼ同じだ。

まだ幼いレッドには性的な興味は無い。彼はピカチュウの睾丸を力任せに殴った。

ピカチュウ「んびがあ!!」
ピカチュウは叫び声をあげ、のたうちまわった。
レッドはピカチュウを押さえつけながらナイフを取り出し、
睾丸を切り取ってみることにした。
根元付近に刃をあて…

その時だ
突然レッドの正面に見える茂みの中から人が現れた。しかも4人。

レッドは驚いた。今まで何の気配も無かったからだ。
そのうちの1人が声をあげた。

「動かないで!こっちには銃があるわよ!」

見ると、話しているのはくねくねした妙な男だ。
その手にはMP5がある。

「あたしは秘密警察のタケシ!あなた、オーキドの子分でしょう?」

レッドは黙っていた。

タケシ「あたし達があの店をマークしないと思った?
あなたが受け取った荷物のなかに発信器があるの。それが位置情報を教えてくれたのよ。」

そうか、オーキドの逮捕は時間の問題だったようだ。
すでに包囲網は狭まっていたのだ。

タケシ「さあ、おとなしく捕まっちゃってね?」

タケシと部下3人は一歩近づいてきた。

タケシ「ナイフを捨てなさい」

レッドはナイフを横に放り投げた。

タケシ「いいわよお。」
タケシはくねくねした。

「でもあなた、まだ子供じゃないの…18ぐらいかしら?」

レッド「10歳だ」

タケシ「ふえ?」

いまだ!
次の瞬間、レッドは驚くべき怪力でピカチュウを投げつけ、素早く岩の陰に隠れた!

タケシ「きゃあん!」
4人は一斉に発砲し、空中のピカチュウは蜂の巣にされた。
しかしそのショックで、タケシにぶつかりながらピカチュウは体中の電気を放出。
雷が落ちたような音とともに電気の大爆発をおこした。

「いやあああああああん!」
「ほおおおおおおおおお!」

タケシと、その隣にいた部下1人がまともに電撃を浴びて吹っ飛ぶ。

「あねご!」「大丈夫でごわすか!」
後ろにいたもう2人が、感電しながらもあわてて銃を構える。

しかし立ち上がったレッドの手にはすでにコルト1911があった

ボスッ!
ボスッ!

2人は頭から血を噴き出させながら倒れた。

タケシ「いや…なんてことなの…びりびりするわあ…」
タケシは動けない。

レッドはゆっくりと近づき、倒れていたもう1人の部下を撃ち殺した。

レッド「あっさりやられたな、タケシさんよ。」

タケシ「あなた…一体…」

レッド「オーキドのじいさんはどこにいる?」

タケシ「知らない…」

レッドはコルト1911を構え、タケシの頭に狙いをつけた。

レッド「それじゃあ、仕方ない」

タケシ「ま、ま、待って…!オーキドちゃんは…ヤマブキの…秘密警察本部に…」

レッド「それからどうなる?」

タケシ「国際法廷で…裁かれるわ。死罪は…免れない…でしょうね…」

レッド「そうか、分かった。」
レッドは再び銃を構えた。

タケシ「いや!待って!お願い!…あたしは生かしておいた方がいいわ…!」

レッド「なぜ?」

タケシ「あたし人質に…しない?」
タケシは猫なで声でうったえた。

レッドはしばし考えた。

レッド「なるほど。俺がオーキドを助けに行くなら、お前は役に立つかもしれん。」

レッドは微笑んだ。
タケシの表情が明るくなる。

タケシ「じゃあ…殺さないでおいてくれるの…?」

レッドは急に真顔に戻り、言った。

レッド「いや、[ピーーー]のだ」

ボスッ!

彼はタケシの頭に一発ぶち込んだ。
タケシはすぐに動かなくなる。

レッド「だって気持ち悪いんだもん。」

しまった、放送禁止用語だった!

ちょっと用事があるので中断します。
需要があるのか怪しいですが、しばらくしたら再開できると思います。

>40 ありがとうございます

ID変わりましたが、>>1です


レッドはポッポの丸焼きを骨まで食べ尽くすと、お月見山に入った。

奥へ奥へと進むと、少し開けた場所に出た。何やらポケモンがいる。

レッドは岩の陰に隠れながら接近した。

ピッピだ。

レッドは驚いた。ピッピは珍しいポケモンで、実物を捕まえた者はいない。

レッドはジリジリと距離を詰める。
ピッピは気がつく様子は無い。

その時レッドは妙な石が落ちているのに気付いた。深い紫色の石だ。
レッドは石を拾いあげた。

じつはこの石、月の石という非常に貴重な石なのである。その価値、ひとつ数万円で取引されることもあr
レッド「こうだああああああ!!」

レッドはすごい勢いで石を投げた。
石は一直線にピッピへ向かい、眉間にクリーンヒット。
ピッピは銃で撃たれたかのように仰け反って倒れ、
石は粉々になった。

レッドは気絶したピッピに駆け寄って、
その場で解体を始めた。
ピッピは肉付きがよく、脂ものっている。
食糧としては申し分なかった。

その後、レッドは石で出来た奇妙なポケモンを
地面に叩きつけてかち割り、
モグラのような黄色いポケモンを三枚おろしにして
難なくお月見山を抜けた。

30分ほど歩けばハナダだが、レッドは再び野宿をすることにした。
レッドは道から外れ、林の奥深くへ入った。
先ほどはタケシに邪魔をされたが、ここなら大丈夫だろう。

テントを張って中に入る。
落ち着いたところで、彼は昔のことを追憶した。

途切れ途切れで申し訳ないです。

彼が4歳の時、両親と住んだいたフスベシティは
ロケット団という狂気の強盗集団の襲撃を受けた。
両親はその時レッドを隠した後犠牲になった。
幸いレッドは見つかることなく助かったのだ。

彼は施設に預けられたが、そんな彼を救ったのがオーキドであった。

オーキドに連れられてレッドはマサラへ行き、
1人の女性に引き取られた。
彼女は本当の母親のようにレッドを育ててくれた。
マサラは故郷だ。

オーキドは厳しい男だったが、とても頭がよく様々なことを教えてくれた。
レッドは学校へ行かなかったが、とても賢くなった。

グリーンは面白いヤツで、今では唯一無二の親友。

すべてオーキドのおかげだ。

レッドはオーキドを助けたいと思ったが、方法が無い。
彼は感情的にはならなかった。

不思議なのは、これほど鍛え上げた自分を、
なぜ運び屋なんかに使ったのかということだ。
何か真意があるのかもしれない。

そのことはとりあえず後にして、
レッドは荷物を整理することにした。

GPS着きの箱はすでに捨てた。
中には発信器しか入っていなかったからだ。

レッドは、タケシの死体からいただいたバッグを調べた。

レッドはMP5を手に入れた!
レッドはSMGの弾を100発手に入れた!
レッドは3万円を手に入れた!

レッド「誰だ?これ」

レッドはシバの写真を手に入れた!

レッド「何かバッジのような物があるな」

レッドはグレーバッジを手に入れた!

レッドはグレーバッジを投げ捨てた!

レッド「こんなものか」

レッドはタケシバッグを投げ捨てた!

レッドがテントでうとうとしていると、
突然スマートフォンが鳴り出した。

レッド(誰だ!?)

着信を見ると、なんとグリーンからであった。

「よーレッド!元気そうじゃないか!」

レッド「グリーン!どうして電話を?
俺が捕まってたらどうするんだ!」

「へへっ、ニュース見てないんだろ。オーキドの子分2人がマサラから逃走中って
言ってるぜ。それでお前が無事だと
分かったんだ。」

レッド「そうか」

さすがはグリーン。声からも余裕がうかがえる。

レッド「そういえばカツラはどうなった?」

「抵抗して射殺されたよ。俺は屋敷の裏口から逃げたんだ。」

その後レッドはグリーンと戦略を練り、
二日後にヤマブキシティの近くで落ち合うことにした。

すいません、またID変わります

レッドはグリーンからの情報で、自分の写真が公開されていることを知った。
フレンドリィショップを出たとこで隠し撮りされたらしい。
幸い顔ははっきりとは映ってないらしいので、変装すればいいだろう。

ハナダに向かって歩き出すと、林の中に人影を見つけた。
目を凝らすと、その男は18歳ぐらいで、全身を緑色の服で覆っているようだ。
いわゆるキャンプボーイだ。

キャンプボーイは大きな穴を覗いている。アーボの巣だ。

レッドは足音を殺して近づく。

銃を取り出し、キャンプボーイの首筋に突き立てる。

レッド「動くな」

キャンプボーイ「あひ…!」

レッド「俺の格好を見てみろ…誰か分かるな?」

キャンプボーイ「あ…あ…お…オーキドの…」

レッド「そうだ。この拳銃が偽物だと思うか?」

キャンプボーイ「ひっ…!」

レッド「服を脱げ」

キャンプボーイは震えながら服を脱ぎ、パンツ一丁になった。

レッド「一歩下がれ」

彼は言う通りに下がった。

レッド「もう一歩だ。」

キャンプボーイ「え…」
彼は後ろを見た。アーボの巣に迫っているのだ。

レッド「下がれ!」

キャンプボーイ「ひっ!はいっ!」

レッド「もう一歩だ!」

キャンプボーイは巣の淵まで来てしまった。
レッドは静かに言った。

レッド「もう一歩だ」

キャンプボーイ「や、やめて!落ちる!落ちちゃう!」

キャンプボーイはアーボの恐ろしさを知っていた。
巣に近づくだけなら安全だが、その巣に刺激をあたえr
レッド「こうだああああああああああ!!」

レッドはキャンプボーイの腹を力任せに蹴った。

キャンプボーイ「ほわあああああああ!!!!!」

彼は大声をあげて落ちた。そしてシャーッ!という危険な音。

キャンプボーイ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

何かが大量にうごめく音がした。

アーボは牙に毒を持つ。
一匹の毒では大したことはないが、このように集団で噛まれると終わりだ。
大量の毒が流れ込むと、まず体中が燃えるように熱くなる。
そして血液が沸騰し始めるのだ。
沸騰して出た蒸気は血管を膨張させ、最後には
全身の血管が破裂する。

レッドは走って巣から離れた。奪った服を着る。
そして何事もなかったかのようにハナダへ向かった。

ハナダシティに到着すると、入り口で秘密警察と思われる数人が
監視していた。しかし人通りは多く、検問はしていない。

レッドは近づきながら、その数人の中に巨大な女がいるのに気がついた。
身長が190ほどあろうか。なぜかビキニ姿で、ものすごい筋肉である。
その目は獣の目だった。

すごい殺気を感じながら、レッドは女の前を通過した。
これほど恐ろしい女は見たことが無い。
女の腹には十字形の大きな傷があり、それが腹筋の盛り上りでギザギザになっている。
ビキニはよく見ると、夥しい量のドクロが刺繍されていた。
そして彼女には左腕が無かった。

レッドは何とか通過することに成功した。

レッドは思い出した。
ここには顔見知りある日系人の男がいるのだ。
オーキドの仕事と関わっていたそうだが、今考えてみると
きっと麻薬のバイヤーだろう。

確か名前は フアン・ハビエル・雅喜 とかだった。

レッドはその男を探し始めたが、案外すぐ見つかった。
町の案内図に、「マサキ研究所」という建物が書いてあったのだ。

>>1よ、メール欄にsaga だ。

sagaは名前じゃなくてE-mailの中に入れるよ

彼はその建物へ行った。わりと小さめではあるが、壁には
ポケモンの研究についての様々な張り紙が張ってある。

「世界初!イーブイの人工授精に成功!」
「『ブラッキーの生殖行動について』の論文が第22回ヤマブキ学会賞を受賞!」
「世界初!ブースターの精液から万能細胞の手がかりを発見!」

危ない男だ。レッドは思った。

研究所の扉には「現在立ち入り禁止」という札がかかっていたが、
レッドは構わず蹴破り、中に入った。

>>72 ありがとうございます。初めてなもので///

そこでレッドは衝撃的な光景を目にした。

マサキはピッピと合体していたのだ。性的な意味で。

マサキ「ななななんやお前!入るなゆーたやろ!!」

マサキは裸のまま大慌てでピッピから飛び退いた。
ピッピはぐったりしている。

>>70>>71でした
お恥ずかしい…

レッドは表情を変えずに近づき、帽子を取った。

レッド「レッドです。オーキド博士の弟子の。」

マサキは立ち上がり、裸のまましばらくレッドを見つめた。

マサキ「おお!そうや!思い出したわ!久しぶりやなあ!」
彼の顔がパッと明るくなった。

マサキ「ニュース見たでえ!あんさんよう逃げ切ったなあ!」

レッドは不思議に思った。前に会った時は、こんな妙な訛りはなかったはずだ。

マサキ「ま、座りーな。飲み物持って来るで。」

レッド「ありがとうございます」
マサキはピッピを蹴飛ばし、裸のまま奥にある台所へ向かった。

見ている方がいましたら、ありがとうございます。

研究所は随分と片付いていた。檻がいくつか見えたが、
いずれもなかは空っぽだ。

ミックスオレを持ってきたマサキにレッドは訪ねた。

レッド「マサキさん、どうして方言を話すんですか?」
マサキは笑った

マサキ「あかん、癖になってしもた。訛ってると信用されやすいんやで。」
そして真剣な顔になって言った。

マサキ「実を言うと研究所を離れようと思っている。
オーキドさんが捕まったとなると、俺も安全とは言えないからな。」

道理で研究所が片付いているワケだ。

マサキ「研究用のポケモンは全部知り合いに譲った。今までの研究は水の泡さ。」
彼はニヒリスティックに笑った。

レッド「あのピッピは?」
レッドは床にのびているそれを指差した。

マサキ「昨日拾ってきたんだ。ムラムラしてね。」

レッド「マサキさんに獣姦の趣味があるとは知りませんでした。」

マサキ「へっへっへ なかなかいいぞ。お前には分からんだろうが。」

レッド「それで、今すぐここを出るつもりですか?」

マサキ「まだ準備が済んでいない。しかし2人で出るのはやめよう。別行動だ。」

レッド「そうですね。」
マサキは裸のまま立ち上がった。

マサキ「オーキドさんには恩がある。
なにか必要なものがあったら言ってくれ。」

レッドは少し考えて、金が不足していると言った。
マサキは戸棚から無造作に札束を出し、レッドに渡した。

マサキ「もう行くのか?」

レッド「ええ。約束があるもので。ありがとうございました。」

マサキ「これからどうするつもりだ?」

レッド「まだ未定です。」

マサキ「そうか…。」
マサキは裸のまま、レッドを見送った。

次の日、レッドはクチバシティにいた。
ヤマブキへの道が封鎖されていたのだ。
なにやら、豪華客船でパーティが開かれるらしく、街は賑わっている。

出口を探してさまよっていると、遠くから女の太い叫び声が聞こえた。

「イ″ヤアアアア!ロケット団よオオオオオオ!!」

ロケット団だと!?レッドは耳を疑った。
この地方でで活動しているとは知らなかったのだ。

すると どけ! と叫びながら、黒ずくめの一団が人ごみをかき分け、
港へ向かって行くのが見えた。

野次馬を避けながら向かうと、奴らはでかい船の前にいた。

男「ぎょはははははは!楽しそうなパーティだぎょはははは!」
男は高笑いした。

男「さぞかしぎょははは!金持ちが集まってぎょははは!いるのだろぎょっは!」
何を言っているのかわからない。

男「皆の衆!宝飾品やら何やらタップリいただくぞぎょはは!!!」

ロケット団一同「RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!」

かけ声とともに、数人がナイフを出して船に入ろうとした。
その時

「ストオオップ!!そうはネバー!させないヨ!」

野次馬を含め、全員が声のした方を見た。
軍人のような格好をした大男が立っていた。
金髪でいかつい顔をしており、なぜかポケモンを抱えている。

レッドはそれをピカチュウだと思ったが、よく見ると非常に珍しいポケモン、
ライチュウであった。

ライチュウ「らい?」
ライチュウはキョロキョロしている。

「マチス少佐だ…!」
「少佐が来てくれた!」
そんな声が聞こえた。

マチス「HAHAHA!Rocket団!Partyをねらってオソウとは…ヒキョウなguysデスネー。」

男「なにい!?なんだお前?」
男はマチスを睨みつけた。

マチス「Meはマチス・アームストロング少佐。15年、戦場にイマシター。」
マチスはロケット団に近づいて行く。

マチス「You!すぐにここからget away!さもなくば…」
マチスはライチュウを抱え上げた。

ライチュウ「らい?」

男「お前…ポケモン使いか…?」
男は後ずさりする。
今やロケット団全員がマチスを注視している。

マチス「No…それはない。ポケモンなど…!」

マチスはくわっと目を見開いた。

マチス「ダア!!!」

次の瞬間、ライチュウの体が派手に裂けた。
なんとこのマチス、両腕の力だけでライチュウをまっぷたつにしたのだ!
肛門から首の下まで、骨までもが見事にまっぷたつだ。

ライチュウ「」
裂け目からありとあらゆる内蔵が、血とともに
バケツをひっくり返したようにあふれ出す。
地面には内蔵の山ができた。
ライチュウは目を見開いたまま絶命した。

一瞬、群衆は静まり返った。
ロケット団を含む全員が固まっていた。

マチスはライチュウの死体を放り投げ、鬼の形相で叫んだ。

マチス「貴様らもこうなりてえか!!!!」

次の瞬間、悲鳴の波が起こった。
子供は泣き叫び、
女は卒倒し、
男は反吐を吐いた。

ロケット団は子ガーディのような鳴き声をあげ、船の中に逃げ込んだ。

マチス「うるあああああああああ!!」
マチスは叫び声をあげながら船へと押し入った。
中から悲鳴が聞こえ、それによって群衆のパニックも高まる
クチバシティは阿鼻叫喚の渦と化したのであった。

しばらくの間レッドはぼんやりと突っ立っていたが、気絶したロケット団員が
取り残されているのに気づいた。
彼が見に行くと。驚きの早さで立ち直った野次馬たちがその周りに集まりだした。
レッドは皆の野次馬根性に舌を巻いた。

のびている団員をどうするかで野次馬が話し合い始めた。
レッドはどうしても気になることがあり、隣に立っていた
初老の男に尋ねた。

レッド「あの…団員が言ってた『ポケモン使い』って何ですか?」

初老の男はそれには応えず、静かに前へ出た。
ロケット団員の隣まで歩み出たため、群衆は男に視線を浴びせ、
場は再び静まり返った。
男は仕立ての良いスーツを着ていた。

「あれは…大好きクラブの会長だ!」
「ポケモン大好きクラブ?あのカルト集団のこと?」
そんな声が聞こえた。

会長は黙ったまま、スーツのポケットから球状の何かを取り出した。

皆が不思議そうにその球を眺めた。

会長は球を高々と持ち上げると、地面に投げつける。
ポン!と大きな音がしたかと思うと、なんと次の瞬間、
そこにポケモンが現れたではないか。

レッドは含めた野次馬は、驚いて数歩下がった。

ポニータだ!いや、違う!もっとでかい!ギャロップだ!
ギャロップがあんなに小さい球に入っていたのは理解できないが、
レッドはその美しさに目を奪われた。

車のような大きさに
細くて繊細な脚、力強い腿。
純白に輝く尾、形のよい尻。
流れるようなたてがみに小さな顔。
燃え盛る炎がより美しさを際立たせる。

皆がこのポケモンに見とれていた。

突如会長はレッドに向き直り、言った。

会長「ポケモン使いとは」

会長はくわっと目を見開いた。

会長「わしのことじゃあああああああああ!!!!」

その叫び声と同時にギャロップは両前足を高く上げ、
ロケット団員の顔面めがけて振り下ろした。

ぐわしゃ

嫌な音がして、団員の頭が破裂した。
内容物が飛び散る。

それを見た野次馬たちは再びパニックに陥った。レッド以外の全員がギャロップから逃げ出す。

会長「いくぞおおおおおおお!!!」
彼は華麗にギャロップの燃え盛る炎に飛び乗り、
手綱をとった。
ギャロップは一声いななくと、見事なジャンプで船の甲板に着地した。

ギャロップは口から火を吹いて甲板は
炎に包まれた。

会長「けはははははははは!!」

大惨事である。

レッドはいい加減にクチバから出ることにした。
ヤマブキへの道はまだ封鎖されていたので、仕方なくシオンタウンへ向かう。

グリーンとの待ち合わせ場所は、ヤマブキシティの東にある。
シオンタウンから行けば、ヤマブキに入らず辿り着くことができるのだ、

ところがその途中、馬鹿でかいポケモンが道を塞いでいた。
レッドはそのポケモンについては知らなかったが、
いびきを立てて仰向けで寝ているため、襲ってくる心配はなさそうだ。

シオンへ行くにはそこを通り抜けねばならない。

レッドはそのポケモンの腹によじ登り、
簡単に乗り越えてしまった。

レッド「ふん。こいつが起きるのを待つなど、馬鹿がすることだ。」

そこから北へ向かい、レッドはシオンタウンに到着した。
すでに空は暗くなっている。

その町には一際目立つ、大きな塔があった。
ポケモンタワーというらしい。近づいてみると、
入り口付近に老婆が立っていた。

老婆「お兄さんや、ここに入ってはいけないよ。幽霊が出るんだよ。」

レッド「幽霊だと?馬鹿げたことを。」

老婆「どうしても入るなら止めないけどねえ。
今まで何人も行方不明になっているんだ。この中で。」

そう言われると入りたくなる。
どうせ幽霊など作り話だろう。
レッドは扉を開けて中に入った。

中は薄暗く気味が悪い。
するとどこからか声が聞こえた。

タチサレ…タチサレ…

レッドは扉を開けて外に出た。
老婆は消えていた。


そうだ。こんな所で時間を無駄にしてはいけない。早くグリーンに合わねば。

レッドにはただ一つ弱点があった。
彼は心霊現象といっものに滅法弱いのだ。

レッドはシオンを出てヤマブキへと向かった。
しかし待ち合わせは翌日だ。
彼は野宿をすることにした。

手頃場所を求めて林の中を探し回っていると、遠くに明かりが見えた。
誰かが野宿をしているらしい。

レッドは警戒しながら近づいた。
小さめのテントがあったが、そこには誰もいなかった。

「何かお探しかな?」

突如、背後から声がした。
驚いて振り向くと、グリーンが立っていた。

レッド「お前か…驚かせやがって。俺が銃を構えていたら、お前、死んでるぞ。」

グリーンは笑った。

グリーン「いやに早いじゃないか。待ち合わせは明日だぜ?」

レッド「時間が余ってね。それにお前もだろ。」

2人は再会を喜び、それまでの経緯を互いに語った。

グリーン「俺の写真は無いみたいでね、変装は必要なかったんだ。」

レッド「随分楽じゃないか。」

グリーン「名前は知られているがね。お前はだいぶ苦労したろ?」

レッド「ああ、大変だったよ。」

レッドはグリーンのものと隣り合うようにテントを立てた。

グリーンはラジオを取り出し、音楽をかけた。

グリーン「やっぱ音楽はいいねえ、落ち着くぜ。」

気楽な奴だ。

しばらくして音楽は終わり、ニュースへと切り替わった。

「ニュースです。先ほどもお伝えしました通り、
数日前に逮捕されたオーキド・ステファノビッチ容疑者が暗殺されました。」

レッド「!」

グリーン「な、なんだとお!?」

「オーキド容疑者は今日午後、秘密警察によって護送されていたところ、
何者かに狙撃されたということです。」

「狙撃されたのは護送車が走っている最中で、相当な腕の持った人物による
犯行だと見られています。」

「なお、秘密警察はすぐに付近を捜索しましたが、手がかりはないとの…」

グリーン「くそおおお!」
グリーンはラジオをきった。

グリーン「何故だ!どうしてだあっ!」

レッドは黙っていた。

グリーンは地面を何度も殴り、しばらくの間地面を睨んでいた。

やがて落ち着いたらしく、顔を上げた。

グリーン「口封じ…ってことか…?」

レッド「…そうかもな。」

グリーン「くっ…俺たちは…どうすれば…」

朝になった。

レッドはほとんど眠れなかった。
あまりに突然のニュース。
どうすればいいのか分からない。

グリーン「レッド…俺はあきらめるよ。じいさんを撃った犯人探しても、
あまり意味が無いと思うんだ。」

レッド「じゃあ、どうするんだ?」

グリーン「俺…ポケモンに興味があってさ、珍しいポケモンを見てみたいんだ。」
彼は遠くをみる目つきになった。

グリーン「ここからずっと北へいった所、シンオウってとこには色々な
ポケモンがいるらしいんだ。そこに行ってみたい。」


グリーン「お前も来るか?」

レッドにはそんな趣味は無い。遠い所へ行く気力も無かった。

レッド「いや、やめておく。おれは犯人を追うよ。正直、
他にやることが無いんだ。」

グリーン「そうか…。まっ!お互い頑張ろう!じゃあな!」

グリーンは手を振りながら、さっさと林の奥へと消えていった。

どこまでもドライなやつだ。

レッドはジョウト地方へ行くことにした。
ここでは警察の警戒が厳しく、動きづらいのだ。

レッドは一週間かけてトキワへと戻り、カントーを脱出した。

道なりにずんずん進んで行くと、デブが1人立っているのを見つけた。

レッドが近づくと、デブは彼を見て口を開いた。

デブ「君は今!!」

レッド「うるせえ!!」

レッドは一喝した。
デブは口を閉じた。

レッドはすでにジョウトへ差し掛かっていた。

犯人は見つからないかもしれない。

そんな考えを振り払い、レッドは進んだ。
ワカバタウンがどんどん近づいてくる。

そして長い旅が始まった。


つづく…

終わりが見えないので、この辺りで切ろうと思います。
続きを書くかは…微妙です。

見て下さった方々、ありがとうございました。

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