提督「暁の水平線に~、勝利を刻むわよぉ!」(738)

朝潮「司令官!建造はいかがいたしますか?」

提督「そうね~、資材はたくさんあるから、戦艦を狙ってみてちょうだい。ヨロシクね」

朝潮「かしこまりました!」

初春「御前さま、演習の誘いが来ておりまするぞ」

提督「あら~、じゃあ受けてげる♪じゃあ初春、川内、古鷹、筑摩、翔鳳、飛鷹、あなたの達にお任せ。期待してるわ」

初春「了解じゃあ!」

暁「し、司令官!目にゴミがっ...!」グシグシ

提督「まぁ大変!暁、擦っちゃだめよ!ちょっとドックにいくわ。叢雲、ちょっとの間お願いねっ!」

叢雲「はいはい...」

叢雲「はぁ...、折角有能な提督なのに...」

叢雲「どうしてオカマなのよっ!」

提督「ふぅ、大したことなくて良かったわ~」

暁「ありがとう!司令官!わたし、いつか司令官みたいな素敵なレ...大人になるわ!」

提督「うふふ、嬉しいわ~♪じゃ、気をつけてお戻り」


提督「お待たせ~」ガチャ

叢雲「別に待ってなんかないわよ」カリカリ

提督「あらつれない。アタシ達のなかじゃな~い?」ソワソワ

叢雲「下らない事ぬかしてないで、早く席に戻るっ!」

提督「は~い...」

提督「あら?いつのまに麦茶なんて...」

叢雲「...」カリカリ

提督「うふふ、優しいのね♪」

叢雲「なんの事かしら?」フフン

お察しの通り、誤字が目立ちますが、のんびりやっていきます。

ー執務室ー

コンコン

提督「どうぞ~」

朝潮「失礼します!」

朝潮「司令官、新たに艦娘を建造しました。お通ししますか?」

提督「えぇ、通して。さ~て、誰がいらっしゃったのかしら~♪」

「...入ります」ガチャ

長門「戦艦、長門だ。宜しくお願いする」

提督「まぁ...」

朝潮「し、司令官...いかがでしょうか」

提督「い...」

提督「いや~ん!上出来上出来、大当りよぉ~♪朝潮グッジョブ!」ナデナデ

朝潮「!は、はい!お役に立てて光栄です!」///

キャッキャッ!

長門「...」

長門「...」

叢雲「あら、新人?あんたもついてないわね。大丈夫?」

長門「あ、あぁ、少し目眩がしたが、大丈夫だ...」

提督「うふ、うふふ、良い身体してるわぁ~。触ってもいい?」

長門「...」チラッ

叢雲「はぁ、あんた、酸素魚雷ぶちこむわよ?」ガコン

提督「じょ、冗談よ~、おほほほほ」オズオズ

長門「...提督は、殿方で間違いなく?」

叢雲「まぁ、一応わね...」

提督「あ、セクハラとか気にしてる?大丈夫!アタシは男にしか興味ないから~♪」

長門「...」チラッ

叢雲「まぁ、頑張りなさい」

ココン
初春「演習から戻ったぞよ」

川内「つかれたー!提督!補給ちょーだい!」

古鷹「頑張りました...大破しちゃったけど...」

筑摩「早く利根姉さんに会いたいです」ムスッ

翔鳳「...」

飛鷹「ま、こんなところかしらね」

提督「A判定、うん、良いところね。お疲れさま。補給の準備は出来てるわ」クイッ

提督「ん?」

翔鳳「...提督、私、MVPとりました...、だから、その...」

提督「あぁ、待ってね。んっ、んん...おほん」

提督「...良くやってくれた、翔鳳。今日は君が一番だよ」バリトン

翔鳳「~~~っ!///♪はいっ!私、嬉しいっ!」キラキラ

提督「あなたも好きね~」

初春「ぎゃっぷ萌え、じゃな」

提督「アタシの柄じゃないわぁ」

ー浴場ー

提督「あ~ん、生き返るわ~」

提督「ちょっと早めのお風呂も、悪くないわね...ふぅ」

提督「ここの効能は良いわぁ♪なんてったって、美肌効果!」パシャ

如月「そう!見てよ見てよ、この輝く肌♪」スベェ

荒潮「うふふふふ~、好きよぉ♪」ツヤァ

提督「まったくよぉ~」ハァン

提督「...」

提督「...ん?」

提督「きゃっ!?ちょ、あんたたち!なんで一緒に浸かってるのよ!」

如月「いいじゃない、なんならお背中流しますわ♪」ウインク

提督「あんた達にはドックがあるじゃない!あっち行きなさいよ!」

荒潮「荒潮は~、司令官さんと一緒にお風呂入りたかったの~」ウデクミ

提督「ちょ、やめなさ...あら、スベスベなお肌、若いっていいわぁ...」グヌヌ

ガララ

扶桑「はぁ、空はあんなに青いのに...」トボトボ

扶桑「...ふぅ」チャポン

提督「...」
如月「...」
荒潮「...」

扶桑「...あ、こんにちは、提督。良い湯ですね」

提督「こんにちは...って、あんた達は羞恥心は無いわけ~!?」

扶桑「そうですよね...私なんか、魅力の欠片も無いものね...」

提督「そ、そんなことじゃなくてね?ほら、アタシ一応おと」

如月「あきらめないで!」

荒潮「扶桑さんには大人の魅力があるじゃな~い」

扶桑「そう、かしら...?」/

如月「そうですわよね、司令官?」

提督「え?えー...えぇ」

扶桑「やっぱり...私はただの不幸戦艦なのね。はぁ...空はあんなに青いのに...」

提督「でも、青い空に浮かぶ雲のようじゃない?綺麗よ」ハダシロイシ

扶桑「そんなこと...//でも、雲はいつか消える...儚いわ...。あぁ、良い天気...」

提督「なによ、そんなに自信がもてないわけ?ダイナマイトなナイスバテェーな癖に!このこの!」

扶桑「あっ、うっ、そんなに、触られると...弾薬庫が...っ」///

如月「嫌がってるみたいだけど」

荒潮「顔も胸元も真っ赤っか~」

ガラッ

山城「姉様、まだお上がりに...!ふ、扶桑姉様!...と、お姐様」///

提督「あら山城、丁度良いわ。手伝いなさ~い」

山城「喜んで」ザッパザッパ

如月「...上がろっか」

荒潮「えぇ」

ー食堂ー

提督「今日も1日お疲れさまでした~。では皆、手を合わせて~!」

いただきまーす!
ンー

提督「おい」

艦娘「」ビクッ

提督「この鎮守府に、挨拶が出来ない娘なんて、いないわよね?」

艦娘「イエス!アドミラル!」

提督「そうよね~。聞き違いかもしれないし。皆!ごめんなさいね!いただきましょう!さぁ!食べて食べて~♪」

艦娘「ほっ...」

加古「...あっぶねー、寝ぼけてた...!」バクバク

古鷹「もう、加古ったら」

叢雲「あんた、いい加減にしなさいよね。こっちまでとばっちりだわ」

長門「あの気迫...できるな」

提督「そうそう、加古はあとで執務室ね~」ニコリ

加古「...終わった」ツー

ー執務室ー

提督「ふぅ、加古ったらしょうがない娘よね~」コキコキ

提督「...よぉし、明日のために少し進めますか」

コンコンコン

提督「どうぞ~」

叢雲「叢雲よ。まだ起きてるのね」カツカツ

提督「あなたこそ。こんな時間にどうしたの?」

叢雲「少し、やり残した事があったの。気にしないで」カリカリ

提督「あらあら♪素直に言えば良いのに♪」カリカリ

叢雲「うっさいわね」

ココン

提督「はぁい、...初春!」

初春「当たりじゃあ。ようわかったのぉ?」ヒョコ

提督「ま~ね。どうしたの?」

初春「なに、御前さまの部屋が明るかったゆえ、ちいと寄ってみたのじゃ」

初春「こんな遅くに執務かえ?妾も手伝おうぞ」

提督「や~ん!嬉しい~♪」

初春「ふふん。おや叢雲、そなたも手伝いかや?」

叢雲「別に...」カリカリ

初春「おやおや、ほほほ」

叢雲「...はぁ、手伝うんなら早くやりなさい」

提督「ありがとね、叢雲、初春。でも無理はしないでね?明日も早いわ」

初春「心得ておる。だが、それは御前さまも然り」

叢雲「...あんたこそ、早く寝なさいよ」

提督「うふふ♪じゃ、3人でちゃちゃっとやっちゃいますか」

ー執務室ー

ピカッ ドオーーゴゴゴゴゴゴ...

提督「あらやだ、凄い雨と雷ね」

時雨「流石にいい雨、とは言えないね」

提督「そうね~。涼しくはなるけど、作戦に支障がでるわ~」

時雨「そんなこともあろうかと、遠征部隊には待機をしてもらってるよ」

提督「あら、さすが時雨くん、気がきくわ~。ありがと♪」

時雨「えへへ、褒めて貰えるなら、たまには土砂降りも悪くないね」クス

カッ ドゴオオオオ...!

時雨「ひゃあ...!」ビクッ

提督「おっと、大丈夫?」グッ

時雨「あ、ありがとう。うー、恥ずかしいなぁ」テレ

提督(あ~ん!この表情、男の子だったらもっとかわいいんだろうな~!)

ー執務室ー

提督「おほん、え~、落ち着いて聞いてちょうだい。鎮守府近海に、潜水艦がでたわ」

子曰「潜水艦!?嫌いキライ!」

提督「まぁ、そうなっちゃう?」

日向「そうなるな」

提督「どういう魂胆かはわからないけど、向こうから攻めてくる気配は感じないわ~」

那珂「あんなお化けみたいなのと握手は出来ないよね!那珂ちゃん、オフいただきまーっす!」

飛鷹「あなたまだ元気でしょ...。真面目になりなさいよ」

提督「とまぁ、各艦に集まってもらったのも、お察しの通りなんだけど」

日向「ふむ」

飛鷹「わかってはいたわ」

那珂 子曰「うわああああん!」

提督「上からのお達しによれば、少数尖鋭が好ましいそうよ」

飛鷹「尖鋭、ねぇ...?」

那珂「厄日だぁー!」

子曰「子曰だよぅ!」

提督「...あんた達」ポン

那珂「ひゃい!」

子曰「はひっ!」

提督「アタシはね、あんた達を信頼して選んだの。そりゃ、生死をかけた戦場に、大切な家族を送り出すのは...胸が痛いわ」

日向「...」

提督「でも、アタシ達は大切なモノを守るために戦うの」ナデナデ

那珂「...」
子曰「...」

提督「安心して。今回はアタシもその場で指揮をとるわ。沈む時は一緒よ。ねっ」ニコ

那珂「そ、そん」

子曰「そんなこと...、そんなことさせないよ!」

那珂「...提督、ありがとうございます。私、目が覚めました!頑張ります!」

日向「ほう」

飛鷹「やれば出来るじゃない」

提督「当然よ♪」

提督「頃合いね。じゃ、改めて作戦説明するわ。よく聞いて」

一同「はい!」

提督「はい、じゃあまずは~、これを装備して」ガシャン

三式爆雷投射機
三式水中探信儀
瑞雲
天山
彩雲

飛鷹「なにこれ...」

日向「よくこれだけ揃えたものだ」

提督「対潜装備は叢雲が、艦載機は翔鳳が」

提督「1日でやってくれたわ♪」ペロ

那珂「すっごーい...」

子曰「どうやって使うのかな?」

提督「それはね、那珂と子曰が装備するだけでいいのっ」バチコン

提督「飛鷹と日向はちょっと頑張ってもらうけど、上手くやってね」バチコン

日向「いいだろう。航空戦艦の見せ場だな」

飛鷹「私がしっかりしなくちゃね!」

提督「うふふ♪頼もしいわぁ」

ー鎮守府近海ー

提督「それじゃ、指揮をとるわ。準備はいいかしら?」

子曰「いつでも出撃できるよ!」

那珂「那珂ちゃん!本気モードっ!」

日向「いくか」

飛鷹「さぁ出撃よ!」

提督「...さっさと終わらせてやりましょうか」ビカー
ーー砲雷撃戦、開始!ーー

日向「行け、瑞雲」ブーン

飛鷹「お願いね、彩雲!」ヴーン

那珂「敵潜水艦発見!」ポーン

子曰「機雷、投射!」カシャカシャ

潜水艦ヨ級「きゃー...」バアボー!
ーー終了!ーー

提督「やったわ~!完全勝利よ!お疲れ様。この海域の平和は守られたわっ!さぁ、鎮守府へ帰投しましょう!」

那珂「...あれっ、終わり?那珂ちゃんの見せ場はっ!?」

ー浴場ー

ガラララ...

カラン ザバー カコン

チャプン...

提督「あ゛うぅ~...しみるわ~」

子曰「うわぁ、おじさん臭いよ?」

提督「きゃっ!?なんであんたっ、ドックどうしたのよドックは!」

子曰「だって損傷なかったしー」パシャパシャ

提督「だからって...ねぇ」

ガララ...
那珂「提督...は、入るね」///

提督「な、那珂、ちゃん...!」

那珂「お、おお、お背中...」フルフル

那珂「やっぱりムリだよぉ~!!」タタタ

子曰「もー、せっかく提督とお風呂入ってるのに」

提督「アタシはちょっと安心したわ...」

ー執務室ー

ドタドタドタ ドンドン!

「すまぬ!入れてくれないか!?」

提督「あらあら、お入りなさい」

利根「助かる!」ササッ

提督「どうしたのよ、血相かえて」

利根「筑摩が...筑摩が...!」

トントン

筑摩「筑摩です。利根姉さん見せませんでしたか?」

利根「ひぃ!」

提督「騒がしいわね~」

利根「しぃー!しぃーじゃぞ?」コソコソ

提督「...」

筑摩「見てなかったのなら、いいのですが」ムスッ

提督「...利根、出てらっしゃい」

利根「っ!...うぅ...」コソッ

筑摩「そんなところにいたのね」ニコッ

筑摩「ほら、戻りましょう?」

利根「...ヤじゃ」ギュ

筑摩「ほら早く!」

提督「待ちなさぁい」

筑摩「...なんでしょうか。忙しいんですけど」ムスス

提督「あら、大切なお姉さんをビビらすのが忙しいなんて、大した悪趣味ね~」

筑摩「提督には、関係のないことよ」

提督「関係はあるわ~。艦のいざこざは、アタシのいざこざよ」ナデ

利根「提督...」

提督「で、利根~?筑摩がご機嫌斜めなのは、何でなのかしら~?」

利根「ち、筑摩が怒るのじゃ!」

筑摩「あれは姉さんがっ...!」ジワッ

提督「あら...、状況が変わったわ」

利根「だって筑摩が一人だけっ、アイスを...」

筑摩「あれは...!」

提督「はいはい、ケンカはここまで」

提督「筑摩、それを一人で食べようとか思った?」

筑摩「お、思ってません!...取っておいて、姉さんをビックリさせようとして...」

提督「そうよね。あんた、顔はむくれてるけど、そんな娘じゃないものね」フフッ

筑摩「...むくれてません」ムスッ

利根「そ、そうであったのか...わが輩はてっきり...」

提督「も~利根ったらん」ガシッ

利根「ひっ!」キリキリ

提督「...この始末はあんたが着けなさい」ボソッ カサッ

利根「うひゃ~!ごめんなさ~い!!」

筑摩「提督...離してあげてください。私はもう、大丈夫ですから」

利根「筑摩...すまなかったのじゃ...」

筑摩「もういいのよ」ニコッ

提督「ん。これで落着ね♪良かった良かった!」

利根「提督...ご迷惑おかけしたのじゃ」ペコー

筑摩「すみませんでした...」ペコ

提督「いいのよ~。はい!アタシは忙しいから戻った戻った!」

提督「あ、それと。利根~」

利根「ひゃ!な、なんじゃ?」オソルオソル

提督「上手く使いなさいね」ツンツン

利根「んー?...こ、これは!」

ー廊下ー
スタスタ...
利根「...ち、筑摩!」

筑摩「なぁに?」

利根「こ、これで、食べに行かんか?」アイスチケット

筑摩「...!まぁ!」

利根「その、わが輩の奢りじゃ!」
エッヘン

筑摩「提督の、じゃなくて?」

利根「うっ!そ、そうじゃな...」ウググ

筑摩「もう。姉さんったら」ウフフ

ードア越しー
提督「よしよし...上手くいったみたいね♪」

ーバルコニーー
ミャー ミャー

提督「う~ん...潮風が優しい~...」

「あ、やっと見つけたわ!」

提督「ん~?」

暁「司令官!ごきげんようです!」トトト

提督「あら、暁、ご機嫌よう。アタシに何かご用意?」

暁「なのです。お時間空いてる?」

提督「空いてるわ。偉いわね、ちゃんとマナーを弁えてる」ナデナデ

暁「えへへ...あ!あ、頭なでなでしないで!」///

提督「あ~ん、いけずっ」

暁「そんなことより!司令官に聞きたい事があるのです!」

提督「なにかしら?何でも聞いてみなさ~い?」

暁「んー、あのね、司令官って、好きな人とか...いる?」

提督「...」

提督「な、なんですって?」

暁「司令官の、好きな人!なのです」

提督「え、え~...と、い、いない、かな?」

暁「そっか...」シュン

提「あー、その、質問の訳を聞いてもいいかしら?」

暁「えぇ、いいわ」

暁「あのね、軽巡のお姉さんのお話で、どんな人が好きなのかって話題になったの」

暁「なのにみんなったら、わたしを子供扱いして!相手にしてくれなかったわ!」プン!

提督「それでアタシってね」

暁「なのです!大人な司令官に聞いたほうが一番って思ったの!」

提督「...」

暁「っ!っ!」キラキラ

提督「ま、まぁ、あれよ。好きな人なんて、みんなそれぞれ違うわ」

暁「...?」

提督「...そ、そうよ!暁の好みはどんなタイプなの?」

暁「えっ、わたしの?」

提督「そうそう!背が高くて~、イケメンで~、お金持ちで~とか?」

暁「...」

暁「そ、そうね!背が高くて、かっこよくて、お金...はよくわからないけど、優しい人がいいわね!」

提督「わかるわ~!ガッチリしてるのもいいけど~、少し華奢で、かわいい感じのも捨てがたいわぁ~♪」

暁「...わ、わかるわっ!」アセアセ

提督(あら、いけない)

提督「つまり、暁は好きな人探し中なわけね~?」

暁「え!あ、...うん」///

提督「大丈夫よ。暁ならきっとイイ人が見つかるわ~♪」

暁「当然よ!一人前のレディんだからっ!」エッヘン

提督「うふふ、そのいきよ♪アタシからは、こんなところかしら」

暁「あ、そうね!司令官、聞いてくれてどうもありがとう!」

提督「いいのよ~♪」ナデナデ

暁「えへへへ...、って!なでなでしないでってばっ!」

ー暁型の部屋ー

暁「うーん。背が高くて、かっこよくて、優しい人...」ボヤー

ーーーー
暁「うーん!うーん!取れないぃ!」ノビー

『...はい暁、お探しものはこれかな?』スッ

暁「あ、ありがとう」///
ーーーー
暁「...アリね」///
ーーーー
暁「はあっ、はあっ、あうっ...!」ズシャア

暁「うっ、いたたた...」

『大丈夫かい暁!つかまって』グイッ

暁「だ、大丈夫よっ、子供扱いしないで!」

『君をほっとけないよ』オヒメサマダッコ

『...』///
ーーーー

暁「やーーん!」///ゴロゴロ

響「暁、少しうるさいよ」

ーある日ー

響「ごめん暁、これの次の資料知らない?」

暁「知ってるわ!ちょっと待っててね」

ー資料室ー

暁「えーと、これねっ!よっ!ほっ!」ピョンピョン

暁「う~っ!」ノビー

「...これかしら?」ヒョイ

暁「!?」

提督「ごめんなさいね、アタシが上に置いたせいだわ。はい」

暁「あ、ありがと...」

提督「頑張ってね♪」ヒラヒラ

暁「...」フリフリ

暁「...」

ーある日ー

響「鎮守府に猫が侵入したよ」

暁「なんですって!?わたしが捕まえるわっ!」

ー廊下ー

暁「猫ー。ねこちゃーん、でておいでー」キョロキョロ

暁「もー、どこにいるのかしら」

猫 ニャーン

暁「はっ!いたわっ!」

暁「ちちちち、おいでっ、にゃーん!」グッパ グッパ

猫 プイッ

暁「!」

猫 トトト

暁「あ、まちなさーい!」

猫 ニャーン

暁「このー!」タタタタッ

ー倉庫前ー

暁「追いつめたわ!」

猫 ニャオン

暁「つかまえ...っ!」グネッ

暁「あぐっ!?」ズシャア

暁「う、あぅ...!あ、足が...!」

猫 ブルニャン トトト

暁「猫っ!...いっ!」ズルッ

暁「もう!」

暁「はぁ、はぁ、はぁ...」

暁「...」ジンジン

シーン

暁「...」グスッ

暁「...っ...っ」ポロポロ

「...あかつきっ!」

暁「えっ...?」ウルウル

「大丈夫!?立てる?」

暁「うぐっ...!猫が...」ポロポロ

「猫は捕まえたわ。探してくれたのね...」

「ほら~泣かないの。一人前のレディなんでしょ?」ナデナデ

暁「...っ」スンスン

「これで、涙を拭きなさい」ハンカチ

暁「...」グシグシ

暁「ありがとう...」

暁「司令官」グシュッ

提督「どういたしまして♪」

暁「いっ...」ズキズキ

提督「いけない!足を挫いたのね?」

暁「だ、大丈夫よ、痛くないわ...」

提督「嘘おっしゃい」

暁「...」グスッ

提督「ほら、つかまって」

暁「え?」

提督「医務室へ行くわ」グイッ

暁「わわ」ギュッ

提督「動いちゃダメよ?」ニコッ

暁「...」オヒメサマダッコ

暁「は...はい」///

提督「...」カツカツ

暁「...」

暁(...司令官の鼓動)

暁(...)チラッ

提督「...」カツカツ

暁(...司令官の息)

トクン...

暁(...!)

暁(そっか...)

暁(この人、なのね)

暁(...)

暁「...うふふ」///

提督「どうしたの?痛む?」

暁「!そ、そう」

暁「...胸が少し、ね」ギュッ

提督「捻挫みたいだけど、妖精さんの包帯のおかげですぐ治りそうね」

暁「えぇ」ヒョッコヒョッコ

提督「無茶しちゃって~」

提督「ちょっとあんた?ちゃんと猫の管理しなさいよね。うちのこが大変な目にあったのだから」ビカー

エラー娘「さ、サーセンす!」ペコー!

猫 ニャーン

暁「いいの司令官、気にしてないわ!」

提督「暁がいいのなら、別に~


暁「それに、大切なことに、気がついたわ...」チラッ

提督「あら、なにかしら?」

暁「...」プイッ///

エラー娘「お、なんか熱いっすね!」

提督「調子にのらないの」ペン

暁「司令官」

提督「な~に?」

暁「大好き、です」ヒソッ

ー執務室ー

提督「...」ボヤー

叢雲「どうしたの?だらしない顔して」

提督「...ねぇ叢雲」

叢雲「あによ?」

提督「アタシは、ノーマルよね?」

叢雲「...」

叢雲「少なくとも、マトモじゃないわね」ハァ

提督「なんてことかしらぁ~!」

叢雲「ら、らしくないわね。大丈夫?」

提督「だめ。アタシ、ちょっと休むわね」フゥ...

叢雲「仕方ないわね、お大事」

『これから数日間、提督と暁の様子がおかしいと、変な噂が出回ったのは、また別なお話』

ー執務室前ー

長門「...」

長門「...」ノック...

長門「...」イヤチョットマテ

長門「...」デナオソウカ...

長門「...」イヤシカシ...

長門「...」ウーン

長門「...」ウロウロ

提督「...」

提督「...」トントン

長門「!...むっ」クルッ ブスッ

提督「うふふ、隙ありよ♪」

長門「う、あ、うぅ...」オドオド

提督「どうしたの、アタシに用があるんでしょ?ほら入んなさい」ガチャ

長門「し、失礼する...」

ー執務室ー

長門「...」ソワソワ

提督「で?ここに何のご用意?報告?」

長門「...い、いや」

提督「...」

長門「...」ドウシタモノカ...

提督「もう、ほ~ら」

長門「...!」

提督「言ってみなさいよ。意地悪なんてしないわ?」

長門「...ん」ウ、ウム

長門「...」ソノ、ワタシハ

提督「待った」

長門「?」ナンダ?

提督「その目で語るのやめなさい。ちゃんとそのお口で話すの。いい?」

長門「わ、わかった。すまない...」

長門「い、以前私が、初めて提督と出会った時なのだが...」

提督「あの日?いや~、も~舞い上がっちゃってて」

長門「...」キイテホシイノダガ...

提督「あ、ごめんなさいね~」

提督「で、どうしたの?」

長門「その時の提督の言葉...」

提督「なんだったかしら?」

長門「...いい体をしていると」

提督「あちゃー!そこを気にしちゃった?そうよね、アタシは生物学上は男だし?別に変な目で見てたわけじゃないのよ!その時一応フォローとしてオカマアピールしたんだけど~」

長門「ち、違うんだ...」

長門「私が、艦娘として生まれ変わり、こういった姿になった訳だが...」

提督「えぇ」

長門「わ、私は...その」

長門「男のような体つき、ガタイ
をしているのだろうかっ?」

提督「...」

提督「え?えぇ~…」

長門「...!」ワタシハ シンケンダ!

提督「そ、そうね、私から言わせてもらえば~」

提督「あなたは正真正銘の女性よ」

長門「そ、そうだろうか...」フイッ

長門「戦うだけのこの体に、女性的な部分があるのだろうか...」

提督「確かに背は高めで、引き締まった体はしてるけど...胸とかお尻とか?とても健康的だと思うわ!大丈夫、長門はちゃんと女の子よっ」

長門「...」テイトク...

提督「なにも悩む事なんてないわ~」

提督「アタシが見込んだボディなんだから、あんたの、ほら、あれ、ビック7?の称号と一緒に自慢してやりなさい♪」

長門「...」

長門「そ、そうか」ジーン

長門「提督は、素敵な方だ」

提督「そうかしら?何よ急に~」

長門「仲間の顔を見ればわかる。誰もがあなたを信頼している」

提督「うふふ」

長門「こうして提督と会話をしたのは初めてだったし、妙な先入観もあったが...もう、なくなってしまったよ」ニコ

提督(あら、かわいい)

提督「それはよかったわ~♪」

長門「その、話しを聞いてくれたお詫びといったら何だが...」ヨカッタラ

提督「あ~ん、気にしなくてもいいのに~」

長門「ついてきてくれないか?」

提督「え~、なにかしら?」ワクワク

ー浴場ー
カポーン

提督「...」ワシャワシャ

長門「...」ゴシゴシ

提督「お詫びって、お風呂~?」

長門「こ、ここの艦娘に聞いたのだが...提督は風呂が好きだと...」セッセ

提督「間違っちゃいないけど...いつの間に混浴になったのかしら?」ア ソコイイワァ

長門「それはそうと、提督」ココカ?

提督「ん~?う!」ソウソウ~

長門「提督も、案外良い身体をなさっているな...」

提督「あ~、訓練時代の名残よぉ~。もう二度とやりたくないわ...」

長門「流石だ...」

長門「...」

長門「...」イマナラ...

長門「...」スコシダケ...

長門「」ペタリ

提督「うひゅう!?なぁに?素手なの?」

長門「いや!その、つい...」カタカッタ

提督「こんな貧相な体じゃ、面白くないわよ~」

長門「そ、そんなことない!」

長門「とても、男らしい体格だと...私は思う」///

提督「え~、あまり嬉しくないわぁ。こんなんよ?」ムキッ

長門「!」ナント

長門「これは」///

提督「太くて恥ずかしいわぁ」

長門「...」ジー

提督「なにかしら?」ザバー

長門「触らせて...欲しい」

提督「ん~、ちょっとだけよ~ん?」ムキッ

長門「わあっ!」キュッ

長門「すごいすごい!」グッグッ

提督「大きな子どもね...」ウフフ

長門「も、もっと他の筋肉を、触らせて欲しい」キラキラ

提督「え?こ、これ以上はさすがに...」

長門「...」ダメカ?

提督「...好きになさい」

長門「!」
コレガ 8ツノ フッキンカ!
ク,クスグッタイワ

ココハ ドンナダ?
アトオシマイ!

モウスコシダケ!
マ,マチナサイ ナガト...アッ,アー!

ー執務室ー

カチ...コチ...カチ...コチ...

提督「...」カリカリカリ

カチ...コチ...カチ...コチ...

提督「...」ペラッ ペラッ

カチ...コチ...カチ...ボーン ボーン ボーン

提督「ふぅ~、こんなところ、ね~」コキッ コキッ

トントントン

提督「は~い」

ガチャ

最上「やぁ提督!最上だよ!」ヒョコッ

提督「!」ガタッ

提督「や~~~ん♪もがみきゅ~~ん☆」クネクネ

最上「いちごうまるまる、差し入れを持ってきたんだけど...ありゃ、忙しかったかな?」

提督「あらうれし~!大丈夫、今一段落したの!ささささ、こっちにおいでなさ~い♪」

最上「おじゃましま~す!」バタン

最上「みてみて、面白いものが手にはいったよ」コバコ

提督「え~、なにかしら♪」

最上「ふふーん、これさっ」パカッ

提督「あら、大福ね!アタシはこし餡が好きよ~」

最上「違うんだなー」

最上「まぁ、おひとつどうぞ!」

提督「そぉ?ん、よく冷えてるわぁ。いただきま~す」パクッ

提督「っ!ん~~~!」

最上「しーっ!」ピッ

提督「んん!」

最上「これは、僕たち二人だけ、だよ?」

提督「んん、んん!」コクコク

最上「どう?アイスの入った大福。面白いでしょ」

提督「んんん!」コク

最上「よかった!」ニコッ

提督「ん~!んんっん~」

最上「あっ!苦しかった?ごめんね!」パッ

提督「あん、もう少しそのままで良かったのに...」

最上「あはは!提督は相変わらずだね」

提督「あら、誉め言葉かしら?」ツヤツヤ

提督「とっても美味しかったわ~!」

提督「どうもありがとう♪」

最上「どういたしまして!」

提督「んー...、ところで最上くん、これ、ホントにアタシが食べて良かったのかしら?」

最上「え?あ、なんのこと?」キョトン

提督「...」

最上「...あ、あはは...うーん、すごいなぁ。わかっちゃった?」

提督「ま~、オカマのカンってやつ?」ウフフ

最上「なんだか、うー、恥ずかしいなぁ...」シュン

提督「落ち込まないで。ほら、気休めにしかならないかも知れないけど、話してみなさいよっ」バチコン

最上「...うぅ」モジモジ

最上「あー...ほら?」

最上「僕ってどうしてこー、ぶつかりやすいんだろうね!」

提督「...」

最上「また、ね。熊野とぶつかっちゃってさ」

最上「...当たり所が悪かったみたいで、それで今回はちょっと...ケンカになって...」

提督「...」

最上「ははっ、僕が、悪いのにね。ばかだよっ、...ほんと、しょぅがないょ...」ポロッ

提督「...それで、お詫びにってね」

最上「でも...っ、あいてに、してもら、えなっ、くって...」グスッ

提督「よしよし」ワシワシ

最上「くぅっ...」グシュッ

ーーーー
最上「はぁ...僕ってダメダメだなぁ」

提督「そんなことないわ~。アタシは好きよ?最上きゅんの衝突癖♪」

最上「むぅ...提督のイジワル」プクッ

提督「...うっふ」

最上「んー?」

提督「...んん、ごめんなさい、なんでもないわ」

最上「あー、どうしよう...。おっくうだなぁ...」

提督「まぁ、がんばりなさい」ポン

最上「............うん、がんばる」

最上「提督、ありがとう。聞いてくれて」

提督「いいのいいの~。なんぼのものよ♪」

最上「じゃ、またね」ガチャ バタン

提督「...」

提督「ふぅ、どうしましょかね」

提督「ん~」

提督「書類が一段落して、ちょうど休憩でもいれようかなと思ったら、最上きゅんがお菓子を持ってきてカモネギ状態!」

提督「でもどこか落ち着かない雰囲気の最上きゅんを、アタシの直感で見破り、なんか深刻になっちゃって、泣いてる最上きゅんがかわいくて...」

提督「ひとまず泣き止んだ最上きゅんが、改めて事を果たすべくドアへと向かうその姿はさながら、息子の背中を見送る父親の気持ちだったわ。...息子いないけど。...どちらかといえば母親でもいいかなって」

提督「...」

提督「...」ソワソワ

提督「...」

提督「...心配だわ」

ー熊野の部屋前ー

最上「...」

最上「...」スゥ ハァ

最上「...」

最上「...」スゥ- ハァー

最上「...」

最上「...っ」ジワッ

「...どなた?」

最上「ひゃ!?わわっ、あ、あの、ぼ、ぼく、もがみ!...です」

「...」

ガチャ

熊野「...」

最上「...熊野」

最上「ど、どうか、聞いてほしいんだ」

熊野「...」

最上「さっきは本当に、ごめんなさい!」

最上「怪我や故障をしたんだったら、僕の部品だって使ってもかまわないから!」

熊野「...っ」

最上「ぶつかっておいて、何もしないなんて...できないから、せめ、て...」

熊野「最上さん...」

最上「熊野...」

熊野「わたくしこそ、あんなに怒ってしまって、大人気なかったですわ...」

熊野「どうか、許してくださる...?」

最上「熊野...!」パァ

熊野「それに、最上さんの衝突癖は、今に始まった事ではございませんし♪」

最上「あう、それは、その...」

熊野「うふふ。最上さんかわいいですわ」

熊野「どうです?わたくしの部屋にあがっていかれますか?お茶をいれますから」

最上「いいの?」

熊野「当然ですわっ」

最上「う、うわーーん!」ダキッ

熊野「きゃっ、もう...」ナデナデ

ーーーー

提督「な~んだ」

提督「ちゃんと仲直りできたじゃない...」

提督「心配するまでもなかったわね~」

加古「いてて...、あ、提督じゃん、なにやってんの?」

提督「あら加古、別に?なんでもないわ。それよりなぁに?そのでっかいタンコブ」

加古「あー、これ?さっき歩いてたら最上とぶつかっちゃってさぁ。なんだか元気かなったから、ちょっと心配で...って」

提督「また、最上きゅんったら...」

提督「でも、へ~♪」ニヤニヤ

加古「な、なんだよその顔!」

提督「うふふ、あんたも良いところあるじゃな~い♪」

提督「せっかくだしそのタンコブ、アタシが処置してあげるわ~♪」ワキワキ

加古「い、いいよ!ドック行けば治るし!」

提督「はいはい。医務室はあっちよ~」グイグイ

加古「だから!ちょっ!あっ、力強い!ぐえっ!まって、まって~!」ズルズル

ー後日ー

最上「うわぁ!遅刻遅刻~!」タタタッ

最上「よっ、栗田ターン!」グルッ

最上「なんちゃって...わうっ!?」ドン!

提督「きゃっ!?」ギュッ

最上「...!」ギュー

提督「おっとっと!」ストン

提督「びっくりしたぁ!もぅ、最上くん?廊下は走っちゃだめ、よ?」メッ!

最上「...」ギュ

提督「あら、大丈夫?キツく受けとめ過ぎたかしら...」パッ

最上「だだ、大丈夫...」

提督「そう?良かったわ」

提督「今から遠征でしょ?みんな待ってるから、早く、ぶつからずに行きなさいねっ」ヒラヒラ

最上「う、うんっ」バイバイ

最上「ぶ...ぶつかりっぱなしじゃなくて、受けとめてくれたの...提督が初めて、だょ...」///

ー執務室ー

提督「」いいの?

ー備品庫ー

提督「あらやだ、あれも、これも無くなっちゃったの?」ガサガサ

提督「う~ん、どうしましょ」

朝潮「...はぁっ、はあっ、司令官!雑用なら私にお任せください!」ササッ

提督「わぁびっくり!」

朝潮「も、申し訳ありません...!」ペコッ

提督「いいのいいの!も~ん、朝潮は気はがきくわ~ん♪」

朝潮「ありがとうございます!では、ご命令を!」キリッ

提督「待って、これはあなただけじゃ、ちょっと大変かもね」

朝潮「わ、私では不足でしょうか...」シュン

提督「そんなこと無いわ。そんな顔しないで」ナデ

朝潮「...」クリ

提督「あと、雑用じゃないわ。お使いよ♪」

提督「よし決めた。朝潮、ちょっと付き合いなさい」

朝潮「は、はい!なんなりと!」

ー執務室ー

提督「叢雲、少し鎮守府をあけるわ。代理をお願い出来るかしら?」

叢雲「そう、わかったわ。珍しいわね、あんたが出掛けるなんて」

提督「あれが切れちゃって~」クネクネ

叢雲「もうなくなったの?使いすぎよ。もっと節約しなさい」

提督「そー...も、いかないかな?うふっ♪」

叢雲「どれを使ったって同じよ」

提督「違うったら!なんなら叢雲の分だって買ってあげるのに...ホントにいらないの?」

叢雲「...しつこいわね」キッ

提督「あん、いけずっ。じゃあ行って来るわね」フリフリ

叢雲「ん」

バタン

朝潮「...」ピシッ

提督「お待たせ。ではむかいましょ」

朝潮「はいっ!」

提督「...」カツカツ

朝潮「...」トットッ

提督「...」カツカツ

朝潮「...」トットッ

提督「朝潮?」

朝潮「はいっ!なんでしょうか!」

提督「そんな後ろを歩かないで、隣においでなさいよ」

朝潮「いえ、私はいかなる時でも、司令官をお守りするため、この距離が最適なのです!」

提督「あら頼もしい♪...でもいいのに~アタシは大丈夫よ」

朝潮「いえっ、司令官の背中は私が守ります!」ビシッ

提督「そ~お?...じゃあ、お願いね」

朝潮「はいっ!」キラッ

ー街ー

ガヤガヤガヤ

提督「今日は、ずいぶんと混んでるわね~」

提督「朝潮~、ついてきてる?」

朝潮「は、はいっ!こちらに!」

提督「気をつけてね。今から行くところは、ちょっと分かりにくいところだから」

朝潮「わ、わかりましたっ...!」ガツッ

朝潮「うあっ!」グラッ

朝潮「す、すみません!」

ガヤガヤガヤ...ザクザクザクザク...

朝潮「...はっ」

朝潮「...」キョロキョロ

朝潮「...っ」

朝潮「...し、司令官」

ガシッ グイッ

朝潮「っ...!」パシッ

男「おおう...、お嬢ちゃん、威勢がいいねぇ」

朝潮「す、すみません、つい正当防衛をしてしまいましたっ」ペコッ

男「いいんだ」

男「ところでお嬢ちゃん、誰かを探しているのかな?」

朝潮「!...はい」

男「その人、俺がさっき見たヤツだと思うんだよ、うん」

朝潮「本当ですかっ!?」

男「あ、あぁ、こんな人ごみの中じゃなんだ、こっちの空いてる道へ行こうじゃないか」

朝潮「あ、ありがとうございます!」

男「おう...」

男「...」

男「...くくくっ」

ー裏路地ー

男「...」ノシノシ

朝潮「...」トットッ

朝潮「...あの」

男「...」ノシノシ

朝潮「...」トットッ

男「...」ザッ

朝潮「...?」

男「お嬢ちゃん...」ハァ ハァ

朝潮「はい?なんですか?」

男「はぁ、はぁっ...!」







男「パンツ...何色?」

朝潮「えっ、今日はうすみど...」

「すと~っぷ」ポン

朝潮「!」パシッ

「ん~、いい反応ね、朝潮」バシッ

男「だ、誰だっ!?」

朝潮「はっ!...も!申し訳ありませんっ!」

朝潮「司令官!」ペコー!

男「...えぇ?」

提督「捜したわぁ~」

男「...」

朝潮「すみませんでした!私が愚鈍なばかりに、お手数を!」

提督「まぁ、それは置いといて、この人はだぁれ?」

朝潮「はい、私が司令官とはぐれた際に、司令官を見たと...それでここまで連れてきていただきました」

提督「...ほう」

男「あ、お、お嬢ちゃんの言うとおりだ!俺はまだ何も!」

提督「まだって、なんだい?」カッ

男「っ!ぐ、うおおおお!」ババッ

朝潮「っ!?」ガバッ

男「ひはははっ!こいつがどうなっても」

朝潮「やあっ!」グルッ

男「ぐえあ!?!」ビターン

提督「朝潮、良く覚えときなさい」

朝潮「...!」ゾクッ

提督「知らない人には」サワッ

男「おうっ」ビクッ

提督「ついてっちゃダメ、よ」グリッ

ー小道ー
提督「...」カツカツ

朝潮「...」トツトツ

提督「朝潮」

朝潮「は、はいっ」

提督「こっち寄りなさい」

朝潮「...」ススッ

提督「はい」ヒダリテ

朝潮「...」

朝潮「あ、あの、司令官」オロ

提督「握りなさい」

朝潮「...」ギュッ

提督「これでもう、はぐれないわよっ♪」バチコン

朝潮「!」パア

朝潮「はいっ!お心遣い、ありがとうございます!」

提督「...」カツカツ

朝潮「...」トットッ

提督「...」カツカツ

朝潮「...」ニギニギ

提督「...」

朝潮「...」ニギニギ

提督「...」チラッ

朝潮「...♪」ニギニギ

提督「...」ウフフ

ー雑貨店ー
ジャカジャカジャカ!

提督「ついたわ。さて、アタシは目当てを買いにいくけど、朝潮はどうする?一人で見て回る?」

朝潮「私もついて行きます」ニギニギ

提督「そう、ならこっちよ」

朝潮「はい」

ーーー
提督「これこれ!このシャンプーとトリートメントがないとダメなのよ~♪はい、カゴに入れてちょうだい」ガサガサ

朝潮「はいっ。す、すごい種類ですね」ニギッ

提督「だからこそ、自分に合う物が見つかるのよっ」

提督「そうだわっ!せっかくだから、朝潮のも選んであげるわ!」

朝潮「そんな...!私になんてもったいない...」ニギニギ

提督「遠慮しなくていいわ~♪ちょっと髪を触るわね」パッ

朝潮「あっ...」

提督「素敵な黒髪ねぇ」サラッ

朝潮「...」

提督「細めだけど、コシがあって、若いっていいわ~」キュッ

朝潮「...っ」

提督「あ、ごめんなさいね」ナデナデ

朝潮「いぇ、大丈夫です」

提督「そうねぇ、この髪質と、少女に似合う香りとしては...これかしらねっ」カサッ

朝潮「ありがとうございます!大切に使わせていただきます!」

提督「うふふ、今晩試してみなさい♪」

朝潮「はいっ!」

朝潮「...」スッ

提督「じゃ、お会計行きましょうか」クルッ

朝潮「...!」スカッ

朝潮「...はい」シュン

提督「ちょっと~」リンリン

店主「あぁーい、あら、いらっしゃい♪」ヌッ

朝潮「!」ビクッ

提督「また来たわっ♪アンタのとこの品揃え、さすがだわ~ん」

店主「そりゃもーあたしたちの為のお店のだものっ♪」

キャッキャ グフフ

朝潮「...」

朝潮「...」ソー

朝潮「...っ」ギュッ

提督「あ、ごめんなさい、夢中になってたわ」ギュ

朝潮「いえっ、大丈夫です!」ニギニギ

店主「へー、この娘がその?」

提督「そうよ。朝潮」

朝潮「は、はいっ!朝潮型駆逐艦のネームシップ、朝潮です!」ビシッ

店主「あらん、ハキハキしてて、いい娘じゃない」

店主「あたしは店主よ。そこの提督さんとは昔、海兵仲間だったのー♪」

提督「こんな筋肉達磨だけど、アタシの親友なのよ♪」

店主「あー、うれしい事いうじゃなーい?」

キャッキャグフフ

朝潮「...」ニギッ

店主「ぐふふふっ、あー、おかしー...あら、ごめんなさいね、長くなっちゃった」

提督「いっけない!叢雲に怒られちゃう!」

店主「あなたも大変ね」

提督「平和と、この娘たちのためだもの」

朝潮「はいっ!」ニギニギ

店主「それにしても朝潮ちゃん?アンタに良くなついてるわねー」

店主「手をずっとにぎにぎしてて、可愛いわぁ」

提督「慕われることは良いことよ」

朝潮「はい!お慕いしております!」

提督「うふふ、ありがとう♪」

提督「はいこれお勘定」

店主「丁度ね、まいど!また来てねー」ヒラヒラ

提督「アンタも頑張んなさい」ヒラヒラ

朝潮「お邪魔しました」ペコッ

提督「...」カツカツ

朝潮「...」トットッ

提督「今日はありがとうね」

朝潮「あ、いえっ、私はなにも!...むしろ、すみませんでした...」

提督「まぁ人間ってのは、皆善良とは限らないってことよね」

朝潮「...守ると言っておいてこの醜態...お恥ずかしいです」

提督「あら、アタシは特に危険はなかったし?」

提督「それに、アンタの身のこなしも確かだし。アタシは安心ね♪」

朝潮「...司令官」

提督「でも、女の子がむやみに下着の色を教えちゃダメよ」

朝潮「は、はい、わかりました」

朝潮「...」ニギニギ

提督「...ふふっ」

朝潮「...?どうされましたか?」

提督「い~え、なんでも♪」

ー鎮守府ー

コンコン ガチャ

朝潮「失礼します!」

提督「今戻ったわ~」

叢雲「おかえり、ずいぶんゆっくりしてたじゃない。仕事ほっぽっていいご身分ね」フッ

提督「あ~ん!叢雲から~い!」クネクネ

朝潮「司令官を責めないであげてください!私が...」

提督「シャンプー選ぶの大変だったものね」バチコ

朝潮「...!は、はい」

叢雲「ふーん」

提督「じゃ、アタシはお片付けついでにおひとつ浴びてくるわ。確認はこれからするから、叢雲も1つ休んでらっしゃい」

叢雲「ここを空ける訳にはいかないわ。気持ちだけ貰っとく」

提督「素直じゃないわね」

提督「あと、これはおみやげ。要らなかったらアタシの机に置いといて」コト

叢雲「...ん」

提督「じゃあお疲れ様♪良く休みなさい」

朝潮「はいっ!お疲れ様です!」

提督「あと、これはアンタの分ね」ガサッ

朝潮「あ、ありがとうございます!大事に使います!」

提督「うふふ♪さーって、お風呂お風呂♪」ルンルン

朝潮「...」

ー浴場ー

ザバーッ

提督「うぅ~…今日は歩いた歩いた~」ノビー

提督「ふぅ」

提督「駆逐艦たちには、いろんな人間性についての教育が必要かしらね...」

ガララ...

朝潮「失礼します!」

提督「きゃっ!?もう、びっくりしたわ~」

朝潮「す、すみません!」ペコー!

提督「あとアンタ!タオルくらい巻きなさいよ!」

朝潮「?」スッポンポン

提督「はぁ、人間性より、性のお勉強かしら...」

提督「ドック...、はもういいわぁ」ハァ

朝潮「お背中お流しします!」コトッ

提督「じゃあせっかくだし、お願いしようかしら」

提督「あら、早速シャンプー持ってきたのねっ」

朝潮「はいっ!使わせていただきます!」

提督「なら、アタシが頭洗ってあげる♪」

朝潮「そ、そんな、お手数を...」

提督「はいはい、一回流すわよ~」シャワー

朝潮「...っ!」

提督「ん~、この香りは正解ね♪」ヌリヌリ

提督「目閉じときなさいよ」

朝潮「はい」ギュッ

提督「指どおりいいわぁ~」ワシワシ

朝潮「...」コクコク

提督「痒いところはない?」ワシャワシャ

朝潮「大丈夫です。が...少しくすぐったいです」

提督「それは我慢なさい。、はい、流すわ」シャワー

朝潮「...」パシャパシャ

提督「...はい!おしまい。髪は纏めた方がいいわね」クルクル

朝潮「あ、ありがとうございます!とてもお上手でした!」

提督「どういたしまして♪」

朝潮「では、今度は私が!」

提督「はいはい」

ー翌日ー

朝潮「...」トットッ

如月「朝潮、おはようございます」

朝潮「おはよう!」フワッ

如月「んー?なんかいい香り...」

朝潮「え、なんだろう?」サラサラ

如月「くんくん、朝潮、もしかしてシャンプー使ってる?」

朝潮「あ、昨日、司令官に買ってい頂いたものが」

如月「えー!朝潮だけずるーいー!」

朝潮「こ、今度貸してあげるから」

如月「ぶー...そういうことじゃ」

朝潮「あ、司令官!」

提督「あら朝潮、如月、おはよう♪」

朝潮「おはようございます!」ピシッ

如月「おはようございまーす...」ムスッ

如月「司令官!朝潮だけシャンプー買ってもらってずるいわ!私もほしいです!」プー

提督「アンタのは自分のあるでしょうに」

提督「朝潮は、なんだか輝いてるわね♪」

朝潮「そ、そうでしょうか...」キラキラ

朝潮「司令官!本日もよろしくお願いいたします!」ギュッ

提督「あら。うふふ、ええ!よろしくお願いね♪」

朝潮「♪」ニギニギ

如月「...」ジー

如月「なぁに?手なんかつないじゃって。堅物の朝潮らしくないわ」

朝潮「なんだか落ち着くんです」ニギニギ

提督「実は甘えんぼさんなのね...♪」

朝潮「ち、違います!」

ー廊下ー

叢雲「...」コツコツ

初春「叢雲や、お早う」

叢雲「おはよう」

初春「...」ジー

叢雲「...なぁに?」

初春「いんや、今日は髪が艶やかじゃのぅと」

叢雲「...そ」ピコピコ

初春「なんじゃ?ようわからんが、ご機嫌じゃの?」

叢雲「別に、普通よ」

初春「ふむ、そうか」ホホホ

叢雲「...ただ」

叢雲「櫛を替えただけよ」

提督「はぁ、やっとこE -1突破...ね」

提督「もう諦めようかしら...」フラフラ

アハハ ウフフ

提督「あら、なんか賑やかね...」

提督「食堂の方から?」

ー食堂ー

扶桑「...はい、できあがり」キュッ

時雨「ありがとう」

時雨「へぇ、みつあみを巻くと、こんなこともできるんだね」ポンデマキ

扶桑「他にも巻き方や編み方をかえれば、いろんな形にできるわ」

荒潮「すごーい、扶桑さんって器用ねぇー」

川内「はいはいっ!次はあたしの髪もお願いっ!」

荒潮「えー、次はわたしよー」

山城「残念ね、妹たる私が優先よ!」

扶桑「うふふふ、山城ったら」

川内「ずるーい!ねぇねぇ、扶桑姉さん!やってやってー!」グイッ

荒潮「扶桑おねえちゃーん、わたしにもー」グーイ

山城「はっ!扶桑姉さまは、私だけの御姉様さまよっ!」ギュー

扶桑「あらあら...、もう山城ったら」グイグイ

時雨「大人気ないなぁ」クスッ

扶桑「はい、じゃあまずは早かった川内ちゃんから。次に荒潮ちゃん。山城は年上なんだから、我慢出来るわよね?」

山城「うぐっ、ね、姉さまがそう仰るのでしたら...」シュン

川内「やったー!」ワクワク

荒潮「うーん、わかったわー」

山城「ふんだ、今だけなんだから...」

提督「ご機嫌よう、アンタたち♪楽しそうね」

川内「あっ、提督!やっほー!」ブンブン

時雨「やぁ、いい雨だね」

荒潮「こんにちは~」フリフリ

扶桑「どうもこんにちは、提督」

山城「ご、ご機嫌ようです!」シャキッ

提督「あら時雨、イメチェン?」

時雨「うん、扶桑に結ってもらったんだ。どうかな?」クイクイ

提督「すごく似合ってるわ~♪どこぞの高速戦艦にも負けてないわ!」

時雨「えへへっ」

提督「扶桑、アナタけっこう器用なのね~!」

扶桑「そ、それほどでも...」///

荒潮「あらあら」

時雨「首まで真っ赤っか」

川内「お姉ちゃん、まだー?」プー

扶桑「あ、あら、ごめんなさいね、お待たせ。じゃあここに座って」ポンポン

川内「わーい!」ノシッ

扶桑「あらあら」ギュ

山城「ぐぬぬぅ...」

提督「山城、少しは譲ってやりなさいよ」

山城「あまり気乗りはしません...」ムスッ

扶桑「ちゃんと山城にもやってあげるから、ね?」ニコッ

山城「わかりましたっ!」キラッ

提督「チョロいわぁ~」

扶桑「川内ちゃんは、時雨ちゃんほど長くないから..こうかしら」アミアミ

川内「うくくっ、くすぐったいかも」

扶桑「両側編み込んで、上で襟足とくるっとまとめて、...はい」キュッ

川内「できた!?」

扶桑「どうかしら?」テカガミ

川内「うわっすごっ!どうなってるの!?...とれないみつあみだ!」ツンツン

扶桑「良く動く川内ちゃんにはいいかなって」

川内「ありがとう!お姉ちゃん♪」ギュー

扶桑「うふふ、どういたしまして」

山城「...」モンモン

川内「うおーっ!なんかみなぎってきたっ!夜戦の準備してくる!」タタタ

提督「まだ昼下がりよーって、もうっ、あのこったら」

時雨「あの状態じゃ、MVP間違いなしだね」

扶桑「次は荒潮ちゃんね、どうぞ?」ポンポン

荒潮「おねがいしまーす」ヨジヨジ

扶桑「荒潮ちゃんは、長くてふわふわしてるわね」ナデナデ

荒潮「お手入れが大変なのー」

扶桑「じゃあ、ほどきやすいほうがいいかもしれないわ」クシクシ

扶桑「ふたつに分けて、トップのサイドテールにして」クイクイ

提督「あら、それもなかなか似合うわね~」

荒潮「ほんとー?」

扶桑「本当よ」ニコッ

扶桑「まだこれからよ」クルクル

扶桑「こう、テールを巻いてピンでとめて...」

扶桑「ふわっとお団子にしてみたわ」ポン

荒潮「どうかしらー?」

時雨「荒潮のまとまった髪は、初めて見たよ。かわいいね」

提督「あら、アナタってなかなか美人なのね」

荒潮「わ、わたしにも見せてー」

扶桑「はい」テカガミ

荒潮「へー、ふーん」ポンポン

荒潮「これ、すごく素敵~♪」ニヘー

扶桑「よろこんでもらえて嬉しいわ」

荒潮「首や背中が涼しくなって、ふぁ~...」

提督「あらあら、おねむ?」

荒潮「お姉ちゃんの膝、柔らかいし、いいにぉいで...」コロン

扶桑「...」ナデナデ

山城「...」ユラユラ

時雨「...」

時雨「荒潮、お昼寝するなら部屋に行こうよ。僕も眠くなっちゃった」

荒潮「ううん...わかった~...」クシクシ

時雨「扶桑、髪、どうもありがとう」

荒潮「ありがとう~」

扶桑「どういたしまして。気をつけて戻るのよ」

荒潮「は~い...ふあ~...」フラフラ

時雨「おっと、しっかり。じゃ山城、お姉さんはお返しするよ」

山城「や、やっとね...!姉さまーん!」

時雨「提督、バイバイ」フリフリ

提督「うん、おやすみ♪」ヒラヒラ

山城「うー、他の女のにおいが...」クンクンクン

扶桑「も、もう、山城、提督が見てるわ...」///

提督「今に始まったことじゃないじゃない」

扶桑「んんっ、そんなにくっついてると弾薬...髪が結べないわ」

山城「はっ、そうでした」

扶桑「んー、山城も座る?」ポンポン

山城「ぜ、是非とも!」イソイソ

提督「大丈夫なの?」

山城「姉さまに不可能はありません!...たぶん」ノシッ

扶桑「...あ」ググッ

山城「...ど、どうされました?」

扶桑「ごめんなさい、これじゃちょっと...届かないわ」

山城「」ガーン

提督「そりゃそうよ!」

扶桑「と、隣に座ってもらっていいかしら?」

山城「わかりました...、不幸だわ...」

扶桑「山城はそうね...えーと」

山城「」ワクワク

扶桑「...あ、じゃあこちらを向いて座ってもらえるかしら?」

山城「はいっ、喜んで!」クルッ

扶桑「前髪を触るわよ」サラッ

山城「っ」

扶桑「山城の髪はさらさらのつやつやね。良くお手入れされてるわ」

山城「扶桑姉さまと並ぶのであればこそ!私は姉さまのぬばたまの髪こそ至極であり、憧れです」キリッ

扶桑「ほ、ほめすぎよ...」///

山城(ああ...なんとお可愛らしいっ!)

提督(眠たくなってきたわ...)

扶桑「すぐ終わるから、じっとしててね」

山城「はい!出来れば終わらなくても」

扶桑「...はい、できあがり」キュッ

山城「えっ」

提督「え」

山城「こ、これだけ、ですか?」ヤワラチャン

扶桑「山城はおでこを出すと可愛いなって、思ってたの」ニコ

山城「お、落ち着かないです」

扶桑「それにほら、少し前髪が長いでしょ?これなら、視界も、気持ちも明るくなるわ」

山城「...」

扶桑「嫌だったかしら...?」

山城「嫌な訳ないじゃないですか」

山城「おかげで姉さまが良く見えます!」

山城「なんだかどこぞの伊勢型戦艦だって投げ飛ばせそうです!」

日向「何を投げ飛ばすって?」ムクリ

山城「きゃ!な、なんであんた!?どっからでてくるのよっ」

提督「あら日向、そんなところで寝てたの?」

扶桑「ごめんなさい、お昼寝のお邪魔だったかしら?」

日向「大丈夫。でも、へぇ」

山城「な、何よ!」

日向「その髪型は、悪くない」

山城「な!?」

日向「根暗っぽくない」

提督「く、くくっ」

山城「...あんた、ちょっと演習付き合いなさい」

日向「ああ、いいとも」

扶桑「ふ、ふたりとも...行っちゃった」

提督「山城、可愛かったのにね~」

扶桑「似合ってましたよね?」

提督「えぇ。誉めそびれちゃった」

扶桑「みんな居なくなっちゃいました」

提督「あら、アタシがいるじゃな~い」

扶桑「提督...」

提督「ごめん、ちょっと膝かして。もう限界...」ゴロン

扶桑「えっ、あっ」

提督「いいでしょ、お姉ちゃん?」

扶桑「もう、提督まで」ポンポン

提督「やば、これは...いぃ..」

扶桑「...」

扶桑「...」

ウオー!ヨルハマダカー!

ヤカマシイ!

扶桑「...」

シグレ、アラシオモ、ソノアタマドウシタノ?

ン?チョットネ

ネー

扶桑「...」

ドーン!ドーン!

ヴゥゥゥゥン バババババ

扶桑「...」

提督「」スゥ スゥ

扶桑「...うふふ」

扶桑「今日も、いい天気ね」

不順
「駆逐艦」
叢雲 初春 朝潮
荒潮 如月 子曰
時雨 暁 響

「軽巡洋艦」
川内 那珂

「(航空)重巡洋艦」
古鷹 加古
利根 筑摩
最上 熊野

「(航空)戦艦」
扶桑 山城
日向 長門

「軽空母」
翔鳳 飛鷹

ー執務室ー

提督「第一遠征艦隊の旗艦を暁」

暁「がんばるわ!」

提督「第二遠征艦隊は筑摩が」

筑摩「期待には答えます」ムス

提督「で、今日のアタシの秘書艦は...」

提督「那珂ちゃん、よろしくね♪」

那珂「わっかりました!那珂ちゃん、お手伝いがんばりまーっす!」

提督「頼りにしてるわ~♪」クネクネ

暁「...」

提督「では、本日もよろしくお願いします。...頑張ろうねっ!」

一同「はいっ!」

提督「じゃ、かいさーん」

暁「司令官」トコトコ

提督「あ、あら、暁、どうしたの?」

暁「あのね、今日の秘書艦、変わってあげてもいいのよ?」ヒソッ

提督「ん~、どうして?」

暁「だって...那珂先輩って...」チラッ

那珂「んんっ、那珂ちゃん、現場はいってまーす!キャハッ♪」

暁「あんなんだし...」

提督「ん~...」

提督「でも大丈夫よ暁、心配いらないわ」

暁「そう、なの?」

提督「うん♪アタシのために気を使ってくれたのなら、嬉しいわ」

提督「でも、那珂ちゃんの事は悪く思わないでちょうだいね?」

暁「そ、そんなこと思ってないしっ」

暁「...司令官がそう言うなら、間違いないもの」

提督「ありがと。ほら、ここはアタシたちに任せて、ね」ナデナデ

暁「...わかったわ。あとなでなでは...」

暁「二人っきりの時にしてよね?」ヒソッ

提督「っ、お、おほほ、ほら、気をつけていってらっしゃい!」

ガチャ バタン

提督「ふぅ」

那珂「あれー?暁ちゃんとずいぶん長いひそひそ話だね?」

提督「そ、そうだったかしらん?」ヒューヒュー

那珂「ま、そういうの慣れてる」

提督「!か、陰口とかじゃないからね?」

那珂「えっ?何の話?」キョトン

提督「あ、あら?」

那珂「那珂ちゃんが可愛いからって、みんな噂しちゃうものー♪」

那珂「アイドルはつらいなぁ!」

提督「アイドルって大変ね~」

那珂「にひひっ...」

提督「あ、ちょっと待っててね」カツカツ

カチリ

提督「はい、これで邪魔は入らないわ」

那珂「鍵なんか閉めて...提督、もしかして!?」バッ

提督「なーにバカなこといってんの」ペン

那珂「あう」

提督「プライバシーの保護よ」

那珂「提督...」

提督「ほら、これくらいの量なら、アタシたちであっという間よ♪」

那珂「すぅ...はぁ...」

那珂「...うん、そうだね」ニコ

那珂「ねぇ、これくらいの量ならって、けっこうあるよ?」フタヤマ

提督「ごめんなさい!今日は那珂ちゃんじゃないと進まないかもなの...!どうかおねが~い!」

那珂「も、もー、仕方ないなぁー」サッサッサッ

那珂「ちょっとまってね」シャカシャカ

提督「あ、あら、あら」

那珂「...はい、ソートかんりょう!」トントン パッパッパッ

那珂「えー、これが報告書で、これが請求書。こっちが大本営からの書類で、あとは明細書と、認証待ちの書類です」

提督「いや~ん!さすが那珂ちゃん、すごい~♪」ツンツン

那珂「い、いつもやってる事だからっ」//

提督「あ~ん!謙遜しちやって~」

那珂「ほ、ほら、早くやろっ」

提督「はいはい♪」

提督「...」カリカリカリ

那珂「...」サラサラサラ

提督「...」カリカリ...カリ

那珂「...」トントン パチッ

提督「...あ、那珂ちゃんちょっといい?」

那珂「はい?」ササッ

提督「ごめーん、ここなんだけど...」

那珂「どれどれ?」ノシッ

提督「...」フニュ

那珂「えーと...あ、その資料ならさっき見かけたよ」ペラペラ

那珂「んー、はいこれ」

提督「あ、ありがと、助かったわ」

那珂「どういたしましてっ」ササッ

提督「...」カリカリカリ

提督「...よし」ペラペラッ パチッ

提督「ふぅ~、これで、だいたい、はんぶんっ」ノビー

提督「あぁ、お昼前にここまで終わるなんて...」チラッ

那珂デスク『キッチリ』

提督「頼んで善かったわぁ」

提督「...」

提督「意外とあったわね...」

那珂「そうだね...、すごい量だよぉ」カチャカチャ

提督「え!?な、なんのこと?」

那珂「何って、書類でしょ?」

提督「そ、そうそう!もう参っちゃう~!」

那珂「ねー。だから、ここで一息いれちゃう?」コトッ

提督「もうっ、タイミングばっちり♪ありがとっ」

那珂「てへぇ」//

提督「あら、何これ?紅茶?」

那珂「ふふん、なんでしょう?」

提督「んー」ズズッ

提督「少し酸っぱい...あ、これ知ってるわ!ローズヒップでしょ?」

那珂「あったりー♪この前輸入品のお店で買ってみたの。お肌に良いんだって!」

提督「あらやだ、ますます美しくなっちゃうわ~」ツヤツヤ

那珂「私ももっとキレイになりたいなぁ」フーフー

那珂「...なんてね」テヘヘ

提督「那珂ちゃん...」

提督「さ、最近どお?アイドル活動うまくいってる?」

那珂「うん。順調かな」

那珂「ファンの方からお手紙もらったり、ステージに出たりする機会が増えたよ」ズズッ

提督「あらん、良かったじゃない!」

那珂「まぁ、その分バッシングも多いんだけどね」

提督「...色んな人間がいるわ。気にしちゃダメよ」

那珂「そうかもしれない」

那珂「でも、それにも向き合わないといけないの」

提督「...」

那珂「でも」

那珂「たまにちょっと、苦しい時がある、かなっ」

提督「うん...」

那珂「あー、もう。普段は、がまん出来るんだけ、ど、なぁっ」グス

那珂「提督が、いるからかな...えへへっ」

提督「...胸くらい、いくらでも貸すわ」

那珂「...っ」ポタッ

那珂「...」トトッ

提督「...」

那珂「.....ッ...ヒクッ」

提督「...」

提督「よしよし...」ポンポン

那珂「あー」グシュ

提督「はい」ハンカチ

那珂「ありがと...、提督は優しいなぁっ」グスグス

提督「アナタだって、とってもいい娘よ。間違いないわ」

那珂「...嬉しい」エヘヘ

提督「んー、たまにはお休みだって、してもいいんじゃない?」

那珂「お休みはしないよ」

那珂「私がみんなを元気にするんだもん!」

提督「そっか」ウフフ

那珂「...でも今は」

那珂「艦隊のアイドルの那珂ちゃんじゃなくて、川内型軽巡洋艦三番艦の那珂ちゃんだから、提督のお手伝い頑張るねっ」

提督「うんっ♪」

那珂「...あと私の素顔は、提督とお姉ちゃん達だけの秘密だからね?」シー

提督「もちろんよオカマに懸けて誓うわ」シー

提督「さぁて、お昼まで再開しましょ!」

那珂「はーい!」

提督「お茶どうもごちそうさま♪」

那珂「い、いいよ、私だって恥ずかしいところ見せちゃったし」

提督「これも気晴らしよ。なにも恥ずかしくないわ」

那珂「...うんっ」

提督「じゃ、那珂ちゃんはこれをまとめてちょうだい」

那珂「りょーかい!」

提督「...」ポンポン ペラペラ

那珂「...」シャカシャカ

提督「...」サラサラサラ ポン

那珂「...」トントン

那珂「...」チラッ

提督「...」カリカリカリ

那珂「...」

提督「あれっ、もう終わっちゃった?」

那珂「え!?あ、うん!終わりましたぁ!」

提督「えー、早すぎよぉ。もうやることといったら、判子とサインしかないわぁ」

那珂「でもそれって、提督じゃないとダメだからね」

提督「そうなのよ~」

提督「あとは~、これだけだからー~、ん~、那珂ちゃんはゆっくりしてて?」バチコン

那珂「うーん、わかった」

提督「う~ん...」ペラッペラッ

那珂「...」キョロキョロ

提督「これは取り下げようかしら...」ブツブツ

那珂「あ、そうだ」ガサゴソ

提督「いる...いらない...いる...いる...」ポン シッ ポン ポン

那珂「...」サラサラ ペタ

提督「え~、どこでこんな資材使ったの~?後で聴取ね」ペラペラ

那珂「...♪」ペタペタ

提督「...あら」

提督「整理整頓してくれたの?」

那珂「うん、そうだよ。...よし!」

那珂「これなら次に秘書する娘が分かりやすいよね!」

提督「付箋紙貼ってメモまで残して...次の娘は大助かりね♪」

那珂「こういう時しかできないし」//

提督「後でアタシのもお願いしちゃおうかしら?」

那珂「そう来ると思って、付箋とファイルを作ってたんだな~♪」

提督「や~ん!もうずっと那珂ちゃんのファンでいるわっ!」アクシュ

那珂「ホント?えっへへっ♪」ギュッギュッ

ウウウウウゥゥゥゥゥ...

那珂「!?」ガタッ

提督「んん、もうお昼ご飯の時間ね」イソイソ

那珂「あ...」

那珂「ねぇ、この音やめない?びっくりするのきっと私だけじゃないよ」

提督「日々これ精進。何時でも気は引き締めておくものよ~」

那珂「...どうだかなー」

提督「おっと、お昼ご飯の前に...」カツカツカツ

カチリ

那珂「?」

提督「ほら、ちょっとだけonにしときなさい」

トントン

那珂「え、あ、ちょ」

提督「開いてるわぁ」

筑摩「失礼します」ガチャ

筑摩「作戦完了のご報告です」ペコ

提督「ん~、お疲れ様。今補給の準備をするわね。那珂ちゃん」

那珂「はいはーい!...アイドルを使うなんて、提督は幸せ者だなぁ!」ササッ

提督「まったくね♪」ヒラヒラ

筑摩「...提督」

提督「なぁに?」

筑摩「次の作戦の時は、できれば利根姉さんと同じ隊にできませんでしょうか?」

提督「どうかしら。あの娘、利根がアナタに甘えなければね~」

筑摩「良くいい聞かせますから、ご検討お願いします...」ムスッ

提督「もぅ、またそのほっぺた。わかったわよ」

筑摩「...」

提督「...」

筑摩「...」

提督「...」

那珂「補給の準備できたよ!」ササッ

提督「うん、ありがと」

筑摩「ありがとうございます。では、失礼します」ペコ

ガチャン バタン

提督「ふ~、那珂ちゃんナイスタイミング」

那珂「えっ?なんで?」

提督「うぅん、こっちの話よ」

提督「ほら、ご飯にしましょ!今日は何にしようかなっ♪」

那珂「...ち、ちょっと待って」

提督「どうしたの?」

那珂「えへへ、実は、ね」ゴソゴソ

那珂「じゃんじゃじゃ~ん!」トン

提督「お、お弁当...!」カッ

那珂「ロケ弁ほどじゃないんだけどさ、...どうかな?」パカッ

メニュー
卵焼き ウインナー(イ級型)
温野菜(人参 ブロッコリー)
ハート型三色おにぎり(梅 おかか わかめ)
以上、ピンクの小さいお弁当屋箱

提督「...那珂ちゃん、お料理できたのね」

那珂「お、女の子だもん!...おかしかったかな?」

提督「ぜんぜんおかしくな~い~!ちょ~か→わ↑い↑い~!!」

那珂「よかったっ♪」

提督「待って、写メるわ」パシャパシャ

那珂「や、やめて!恥ずかしいからっ」///

提督「でもなんで急にお弁当なんて?」

那珂「食堂が美味しくない訳じゃないよ?」

那珂「ここが居心地いいの。あと、ほら...うん...それだけっ」ニコッ

提督「そっか」

那珂「ほら、めしあがってくださいよ!」

提督「そう?じゃあもったいないけど」

提督「いただきますっ」

那珂「私も!いただきまーす!」

提督「あんむ」モグッ

那珂「...」ドキドキ

提督「わっ、お~いし~い!グーよグー!」b

那珂「で、でへへへ...」d

提督「うん、どれもおいしい」モグモグ

那珂「...」///アムアム

提督「...アタシね」

那珂「?」モムモム

提督「実は女の子にお弁当もらうの、初めてなのよね~」

那珂「っ!」グフッ ゴホゴホッ

提督「あら、大丈夫~? 」

那珂「す、すいません...」

那珂「へ、へー、初めてなんだ...」

那珂「提督ってけっこうモテそうだけどなぁ」

提督「どちらかと言えば、作ってあげてたほうかしらっ?」キャッ

那珂「あぁー...そうなんだー」

提督「ふふっ。でも作ってもらうのって」

提督「...意外と恥ずかしいな」ボソッ

那珂「えっ?」

提督「これホントおいしいわぁ~!」モグモグ

那珂「...」

那珂「じゃあさ...」

提督「ん?」

那珂「こ、こういうのも、初めてだったり、する?」スッ

提督「...」

那珂「あ、あーん...」ウインナー

提督「...」ゴクリ

ウインナー(イ級) クエヨ

提督「あ、あ~...」

コン コン

提督「ん!?」パクッ

那珂「!」

「響だよ」

提督「は、は~い!」

那珂「」サササッ

響「お昼だけど、司令官がなかなか食堂に来ないから...ん?」

提督「ご、ごめんなさ~い!今日はお弁当があるの~」オホホ

響「そうだったのか」ジー

響「へー、可愛いお弁当だね。もしかして、那珂先輩が?」

那珂「えっ、あ、そうだよぉ!アイドルはぁ、お料理もできるんだよっ♪」

響「流石だね。できれば今度、教えてほしいです」

那珂「じゃ、次のオフの日あたりでもっ」

響「ありがとうございます」キラキラ

響「じゃ、戻ります、失礼しました」

提督「うん、わざわざごめんね?」

響「気にすることはないよ」

響「...お邪魔しました」ニヤッ

バタン

提督「...」

那珂「...」

提督「...なんか、温かい目してたわね」

那珂「那珂ちゃん、スクープにならないよね...?」フルフル

提督「」トットットッ ガチャ

提督「」キョロキョロ バタン

提督「」カチリ

提督「...あれ、なんだかアタシ、超不審?」

提督「こ、これは那珂ちゃんのため。そうよ、那珂ちゃんのためなんだから...」ブツブツ

那珂「て、提督?大丈夫?」

提督「う、うぅん!なんでもないわ!」

提督「あー、びっくり!鍵かけ忘れちゃった」

那珂「...うぅ」//

提督「ふぅ、ごちそうさまでした」ペコ

那珂「おそまつさまです!」

提督「ホント、美味しかったわぁ。また作ってもらおうかしら? 」

那珂「えへへ、いいよ♪」

那珂「...次はちゃんと、あーんしてあげるね?」

提督「そ、そうね!」オホホ

提督「...」

提督「よし、私は書類を片付けるわ。那珂ちゃんはどうする?」

那珂「じゃあ、午後の作戦会議の準備をするね」

提督「うん!じゃあ、お願いね」

那珂「りょーかーい!」ササッ

ガチャガチャ

那珂「あ、そっか」カチリ

那珂「いってきます!」ガチャ

提督「いってらっしゃい」ヒラヒラ

提督「...」サラサラ ポン ポン

提督「...ふぅ」

提督「...」ペラ ペラ ポン ポン

提督「...はぁ」

提督「...」ポン...ポン

提督「...」

提督「うぅ~!」ワシワシ

提督「...」コテン

提督「まさか女の子が原因で憂鬱になるなんて...」

提督「アイデンティティ崩壊寸前ね」フフッ

提督「...」

提督「...まぁ、なるようになるわ。うん」ムクッ

提督「頑張れアタシっ!」

提督「...」

提督「仕事しよっと」

ー会議室ー

那珂「ふんふん♪」ガチャガチャ

那珂「ふふふん♪」ガタン

那珂「ふーんふーん♪」

那珂「ふーん...♪」クルッ

那珂「...」ピタッ

那珂「はぁ...」

那珂「やっぱり私って、魅力ないのかなぁ」ストン

那珂「...」

那珂「海兵さんとか工場の人達とか、みんなちやほやしてくれるけど...」

那珂「...」コテン

那珂「まだまだだなぁー」

那珂「...」

那珂「よし」ムクッ

那珂「提督呼んでこよっと」

ー執務室ー

提督「...」ポン ポン

提督「...」ペラペラ ペラッ

提督「...っ」トントン パサッ

提督「んぅ~!終わった~!」ノビー

提督「はぁ~」ズルー

提督「...」

提督「...ふー」

提督「...」ガタタッ

提督「さて、そろそろ作戦会議の時間かしらね」カツカツ

提督「準備終わったかしらぁ」ガチャ


那珂「あっ」

提督「あら」

那珂「会議の準備終わったよ」

提督「ありがと。こっちも丁度終わって、向かうところだったの」

那珂「そっかっ」ニコッ

提督「...」

那珂「ど、どうしたの?」

提督「アナタ、笑った顔がホント可愛いわね」

那珂「えっ」//

提督「...はっ!あ、あらやだ!なにいってるのかしらアタシったら!」

那珂「...な、那珂ちゃんスマイルっ♪」ニコッ

那珂「那珂ちゃんスマイルはぁ、あなたの心にダイレクトアタックなんだよっ!」

提督「ま、まるで徹甲弾ねっ」クスッ

那珂「あっひっどーい!」プン

提督「うふふっ」

那珂「...いひひっ」

ー会議中ー

提督「ここの海域はこういう風になっているわ」

那珂「...」キュキュキュ

提督「で、上からの情報だと...」

那珂「...」テキパキ

飛鷹「...」

提督「だから、今回の編成を...」

飛鷹「ねぇ日向」ヒソ

日向「...」チラッ

飛鷹「あのコ、何だかいつもと雰囲気が違うわよね」ヒソヒソ

日向「...」コクリ

飛鷹「普段からあれくらい真面目だといいのに」ヒソヒソ

日向「...」カシゲ

飛鷹「もう、なんとか言ったら」

加古「飛鷹、ちゃんと聞けよっ、でないと...」コソッ

提督「おい」

艦娘「!」ビクッ

提督「なんか鼠の声が聞こえたのは、気のせいかしら?」

飛鷹「...」ガタガタ

提督「...」

飛鷹「す、すみませんでしたっ!」ガタッ ペコ-

提督「...よろしい」

提督「もう、飛鷹?会議中のおしゃべりは厳禁よっ」バチコン

飛鷹「すみません!すみません!」

提督「珍しいわね、あんたが不真面目だなんて~。気をつけなさいよ?」

飛鷹「はいっ!恐れ入ります!」

提督「よし、着席」

飛鷹「...」ストン

提督「ごめんなさいね!途中からもう一度説明するわっ」

飛鷹「...」プルプル

加古「...どんまい」

提督「...このような形になるので、よろしく頼むわね」

艦娘「はいっ!」

提督「質問ある~?」

シーン

提督「はい、では会議終わりま~す。お疲れ様でした」

艦娘「お疲れ様でしたっ!」

ゾロゾロ

提督「...ふう」ギシッ

那珂「お疲れ様ですっ」

提督「那珂ちゃんも。ありがと」

那珂「飛鷹さん、どうしたんだろ?珍しいね?」

提督「まぁ、あの娘にとっては、珍しいことがあったのよ」

那珂「えー?なんかあったかなぁ...」

提督「...」

ー執務室ー

カチリ

提督「後少ししたら、暁の遠征隊が戻って来るわね」

那珂「そっか!じゃあ補給の準備を」

提督「那珂ちゃん」

那珂「ん?なんですかっ?」

提督「こういうのも大きなお世話かもだけど...」

提督「那珂ちゃんは、今の那珂ちゃんが素敵だと思うわ」

那珂「...えっ?」

提督「こ、これはね!別に変な意味じゃなくてね!」

提督「アナタのその仕事ぶりや、本来の人柄を、もっと皆が知ってくれたらなぁ...って」

那珂「...」

提督「その、なんていうか...」

那珂「...」

提督「...」

那珂「えへへっ、残念でしたっ!」

提督「...?」

那珂「那珂ちゃんはぁ、路線変更はしないんだよっ♪」

提督「...うふっ」

提督「そっか、そうだったわね」

那珂「アイドルの那珂ちゃんは、皆の為にあるの!」

提督「うん!」

那珂「でもね」トトッ

提督「っ」グッ

那珂「ここにいる時の私は」

那珂「特別な人の前だけなの」ギュッ

提督「!」

那珂「わかった?」

提督「...わかった」コクン

那珂「...」

提督「...」

那珂「...っ」

提督「...っ」

那珂 提督「あの」

コンコン!

提督「!」

那珂「!」パッ

「暁よ!艦隊が戻ってきたわ。ふぅ。」

提督「お、おかりなさい!今開けるわね!」

提督「!」ガチャガチャ

カチリ

提督「おかえりー...」ガチャ

暁「...」

那珂「おかえりなさーいっ」

提督「ど、どうしたの暁?」

暁「鍵がかかってた...」

提督「えっ」

暁「どうして鍵がかかってたの?」ノシノシノシ

那珂「...」

那珂「那珂ちゃん、補給の準備行ってきまーすっ!」ササッ

バタン

提督「あ、ちょっ」

暁「...」ウルウル

提督「...」

提督「別に何にもないわ。ちょっとつもる話をしてただけよ」

暁「...ホント?」グシッ

提督「本当よ。那珂ちゃんの、今後のアイドルの方針についてね」

暁「...そっか」

提督「ごめんなさいね。心配かけちゃって」

暁「...なでなで」

提督「ん?」

暁「頭をなでなでしてくれたら!...許してあげるわっ」

提督「...」

提督「ごめんね」ナデナデ

暁「気にしてないわっ。こ、こども扱いしないでっ」//

提督「え、え~」クスッ

トントトン

那珂「補給の準備終わったよ!」

暁「あ、ありがとうございます。那珂先輩」

那珂「どういたしましてっ♪」

提督「そだ、暁?」

暁「なあに?」

提督「遠征の報告がまだなんだけど」

暁「...」

暁「失敗しちゃったっ」ペロッ

提督「あら。しょうがないわねぇ」

提督「次は頑張りなさいよっ!」

暁「はい、なのです!」

暁「...ごめんね?」

提督「いいのよ、無事に帰って来たんだもの。ほら、補給行ってきなさい」

暁「では、ご機嫌ようです」ガチャ

那珂「...提督ー」

提督「な、なぁに?」

那珂「提督ってさ、暁ちゃんにだだ甘だよねー」

提督「そ、そんなことないわっ!」

那珂「そーかなー」ジー

提督「...あ、あ~、アタシもお風呂にはいってこようかしら~」

提督「那珂ちゃんもどう?」バチコン

那珂「っ!」

那珂「知ってるくせにー!提督のえっち!」

提督「おほほ、ごめんあそばせ♪那珂ちゃんもドック行ってきても良いわよ?」

那珂「その間、誰が執務室にいるの?」

提督「あ、じゃあやっぱり後でで...」

那珂「いいから!提督はどうぞ!ひとっ風呂!」グイグイ

提督「あ、あらら、じゃあお言葉に甘えて。すぐ戻るわねっ」

那珂「いってらっしゃい!」フリフリ

バタン

那珂「...」

那珂「ふぅ」

那珂「あー、まいったなぁ...」トットッ

那珂「...」ガタッ

那珂「...」ストン

那珂「...」コロン

那珂「...」スリスリ

那珂「提督、なんて言おうとしたのかな...」

トクン...

那珂「...」

那珂「...」///

ー浴場ー

ザバー

提督「うあ~~~...」

提督「...」ザブザブ

提督「ぷはぁ」

提督「...」

...ピチョン

提督「...」

提督「那珂ちゃん、なんて言おうとしたのかしら...」

提督「...」

提督「...!」ザブザブ

提督「ぶはぁ」

提督「...」

提督「つら~い...」

ー執務室ー

ガチャ

提督「あ~、いい湯だった~♪久しぶりに一人でゆっくり入った気がするわぁ」

那珂「おかえりー」

提督「お待たせ。大丈夫?疲れてるでしょ?」

那珂「大丈夫、だよ。うん」

提督「そう?」

那珂「...っ」

那珂「あ、あのさっ!」

提督「っ!な、なんでしょう?」

那珂「て、提督って、さ」

那珂「す、すきな、好きな」

提督「...」ゴクリ

那珂「~~~!」

那珂「好きなっ!...食べ物って、な、にぃ...?」

提督「た、食べ物?」

那珂「」チーン

提督「そ、そうね。お肉や、お魚が好き...かしら?」

那珂「ソッカー...」

提督「...」

提督「...那珂ちゃん」

那珂「ひゃいっ!」

提督「こんなアタシを、慕ってくれてありがとうね」ナデナデ

那珂「...」クリクリ

提督「...アタシもよ」ボソッ

那珂「!」

提督「い、今は提督としてねっ!」

那珂「...うんっ!」ニコッ

提督「那珂ちゃん、今日はお疲れ様でした。本当に助かったわっ、ありがとう♪」

那珂「提督も。お疲れ様でした」ペコ

提督「まぁ、その、あれよ」

那珂「?」

提督「なんかあったら、何時でも頼っていいからね」

那珂「...うんっ!」

那珂「でもっ」

那珂「那珂ちゃんは皆のものなんだから、ホントは一人占めしちゃダメなんだけどね」

提督「アイドルだものねっ」

那珂「そう!アイドルなの」

那珂「あなたのね」ホッペニチュ

提督「...!!」

那珂「じゃ、長めのオフいただいまーす!お休みなさーい!」トトトッ

ガチャ バタン

提督「...」

提督「...」

提督「...よし、もう一回お風呂入ろう」

ー廊下ー

那珂「うひゃああああ!」ダダダ

那珂「やっちゃったよぉー!」

那珂「これはヤバイ。このままだと自己解体しそう!」///

叢雲「あ、こらあんた!廊下は走っちゃ」

那珂「」ギューン

叢雲「だめ、よ...」ポカン

ー翌日ー

提督「はぁ...、寝れなかったわ...」

トントン

提督「どーぞー」

川内「川内参上!よろしくね!提督」

提督「!な、那珂ちゃん!」

川内「え?那珂じゃなくてあたし、川内...」

提督「あ、あぁ、そうね、よろしくね、川内...」

提督「さすが姉ね...似てるわ...。やばい...」ブツブツ

川内「んー?変なの」

那珂「艦隊のアイドル~!那っ珂ちゃんだよ~!」

ウアアアアアアアア!!
ナカチャーン!
カイタイー!
カワイイヨー!

那珂「今日はみんな来てくれてありがとう♪」

ウワアアアアアアア!!
ウオオオオオオオオ!!

那珂「今日は、なんと!新曲があります!」

ナ,ナンダッテー!?
キキターイ!!
カイターイ!
ウッセェ!

那珂「この歌はね、みんなに私の気持ちを伝えるために作ったの♪キャハッ♪」

ウワワワワワワワワ!!
ウ,ウワワワワワワワワ!!

那珂「心して聴いてねっ!」

那珂「マイ スイート アドミラル♪」

ー廊下ー

瑞鳳「うー、ドキドキするー!」トコトコ

朝潮「ご心配は要りません!司令官は素敵な方ですから」トットッ

瑞鳳「そっかぁ、どんな人かなぁ。...艦載機、好きかな」

朝潮「着きました。ここです」

瑞鳳「...すぅ、はぁ」

朝潮「開けますね」

『どうか!どうかお願いします!!』

朝潮「?」

瑞鳳「!?」

『提督、私の時だけ!今だけどうか!』

『やぁよ!』

『お願いします!私の活躍の為だと思って!』ガタッ

瑞鳳「ななな!ナニゴトっ!?」

朝潮「この声は...」

『ちょっとだけですからっ!どうしてもわかって下さらないのなら...私...』

『あんたそれ、結局最後まで...おバカ!ここで脱がないのっ!』

瑞鳳「だ、大丈夫なのっ!?っていうかどちらも女口調?でも違和感!」

朝潮「はぁ、またですか」

コンコン

『絡まないで...っ、あっ!ちょっと待って~!わっ!?』

『きゃっ』ドターン

朝潮「何事ですか司令官!?あ、開けますね!」ガチャ

瑞鳳「失礼しまー...!」

提督「いたた~...あら?」アオムケ

翔鳳「うぅ...やられた...あれ、痛くない?...きゃあっ!?提督!?」ウマノリ

朝潮「もう、またやってるんですか?」

提督「朝潮~!お願い!助けて!」

翔鳳「押し倒してるこの状況...悪くないかも...」///ニヘラ

提督「どこがぁ!?」

翔鳳「さぁ、提督。ここをどいて欲しかった、ら...」チラッ

瑞鳳「...」

翔鳳「...」

瑞鳳「お、お姉、ちゃん...」

翔鳳「瑞、鳳...?」

翔鳳「ず、瑞鳳!新しく建造されたのねっ!」

提督「...」

瑞鳳「...」

翔鳳「...!こ、これは違うの!提督はね!とても良い声でっ」

提督「...」シクシク

朝潮「うわぁ...」

瑞鳳「そう、なんだ...」

翔鳳「そう!...あれ?どうしたの、そんな目で見ないで...。違うの、私...!」

提督「アタシ...もうお嫁に行けない...」シクシク

翔鳳「提督!?」

瑞鳳「アタシ、ナニモミテナイ。キイテナイ」

翔鳳「ご、誤解だからっ!」

朝潮「...」ジー

翔鳳「ううっ...!違う、違うのぉ~!」ガタッ

翔鳳「うわあああああん!」ダダダダ...

瑞鳳「...」

朝潮「...」

提督「ふぅ、あ~恐かった」ムクリ

朝潮「大丈夫ですか!司令官っ」タタッ ギュ

提督「だ、大丈夫よ。ありがと」

朝潮「はいっ!」ニギニギ

瑞鳳「...」

提督「お、お騒がせしたわね!」カツカツ

提督「ようこそ、アタシの鎮守府へ!歓迎するわぁ♪」

瑞鳳「ず、瑞鳳です。軽空母ですが、錬度が上がれば、正規空母並の活躍をおみせできます!」ペコ

提督「よろしくね!瑞鳳ちゃん♪」ウフッ

瑞鳳「よろしくお願いいたします!」

朝潮「...」モジモジ

提督「朝潮~!ナイス建造!あなたはアタシの幸運の女神ねっ♪」ナデナデ

朝潮「っ!はいっ!ありがたき幸せっ!」///

瑞鳳「...」ジー

提督「?どうしたのっ?」

瑞鳳「提督って、ちまたでいう、オカマさん?」

朝潮「!」

提督「あなた、なかなか直球ね」

瑞鳳「あ!す、すみません!」

提督「いいえ、謝らなくていいわぁ」

提督「そうよ、アタシはオ・カ・マ♪」クネクネ

提督「あ、別にセクハラとか気にしないでね?アタシは男にしか興味ない.......からっ♪」

瑞鳳「そ、そうなんですか...」

瑞鳳(今の間はなんだろう?)

提督「で、この娘は朝潮よ」

朝潮「朝潮型駆逐艦のネームシップ、朝潮です!」ビシッ

提督「わからない事があったら、この娘と、叢雲って駆逐艦に聞いてみなさいね」

瑞鳳「わかりました」

提督「あと、さっき飛び出して行った...」

瑞鳳「あー...」

瑞鳳「翔鳳お姉ちゃん...」

提督「あの娘はね、うちの鎮守府の最初の空母なの」

瑞鳳「そうなんですか」

提督「錬度も空母では彼女が一番なのっ」

瑞鳳「へー」

提督「あの癖が無かったら、最高なんだけど...」

提督「まぁ...アタシが悪いんだけどね」

瑞鳳「ど、どうしてなんですか?」

提督「ん~」

朝潮「すみません司令官、私は次の作業がありますので」ビシッ

提督「あっ 、ごめんなさいね。いってらっしゃい♪」ヒラヒラ

朝潮「はいっ!失礼しますっ!」ガチャ

バタン

提督「まぁ、着任直後にこんな話も何だし、鎮守府を案内するわぁ」

瑞鳳「あ、ありがとうございます」

ー廊下ー

提督「まずはそうね~、近場から回って見ましょうか」カツカツ

瑞鳳「はい」トコトコ

ー食堂ー
ガヤガヤ

提督「あら、なんだか混んでるわね」

瑞鳳「...良いにおい」

提督「ちょうど良いわ、うちの艦隊のほとんど揃ってるから、ここで簡単な挨拶しちゃいましょう!」

瑞鳳「わ、わかりました」ピシッ

提督「あ、改めての紹介もあるから、今は固くならなくて良いわよ♪」

瑞鳳「は、はぁ」

瑞鳳(最初はびっくりしたけど、悪い人じゃないかも...)

提督「はいみんな~、ちょっと注目~!」パンパン

艦娘 ピシッ

瑞鳳「...!」

提督「新たに建造、着任した、瑞鳳ちゃんよ」

瑞鳳「ず、瑞鳳です!軽空母です!よろしくお願いします!」ペコ-

艦娘「よろしくお願いいたします!」

瑞鳳「...」

提督「みんな~、よろしくしてあげてね!」

艦娘「はいっ!」

提督「かいさ~ん!」

ガヤガヤ

瑞鳳「わー...」

提督「いい娘達でしょ」ニコ

瑞鳳「提督って、実はすごい人?」

提督「あらん、提督たるもの、これくらいまとめられなきゃダメよっ」

瑞鳳「す、すみません!生意気を」

提督「気にしなくていいわ。ありのままのあなたを、アタシに見せてちょうだい?」

瑞鳳「提督...」

飛鷹「軽空母ですって?」

瑞鳳「あ、は、はい!」

飛鷹「私は飛鷹。飛鷹型軽空母よ。よろしくね」

瑞鳳「はい!」

飛鷹「あー嬉しいわ!これでますます空の戦いが有利になる!」キラッ

瑞鳳「あ、あはは」

飛鷹「もう一人軽空母がいるんだけど...」

瑞鳳「翔鳳お姉ちゃんですか?」

飛鷹「あ、もう挨拶した?」

瑞鳳「い、いえ、その...」チラッ

提督「あの娘は色々あって、飛び出してっちゃったわ~」

飛鷹「あら、喧嘩でもしたの?」

提督「してないわ。...色々よ、いろいろ」トオイメ

飛鷹「...あー、頑張って?」

提督「...うん」

瑞鳳「なんか、ごめんなさい...」

提督「あ、アナタは悪くないわぁ!」

提督「飛鷹、アタシはこの娘を案内して来るから、まぁ、今日はほとんどやることないし、好きに過ごしなさい」

飛鷹「わかったわ。じゃ、瑞鳳。またね」ヒラッ

瑞鳳「はい、また!」

瑞鳳(上品な人だなぁ)

ー廊下ー

提督「飛鷹はね、元は客船だったんだって」カツカツ

瑞鳳「そうなん、ですか」トコトコ

提督「あの娘もできる娘だから、頼りなさぁい」

瑞鳳「はい」

瑞鳳「提督」

提督「なぁに?」

瑞鳳「正規空母はいないんですか?」

提督「あ~、うちにはいないわね~」

瑞鳳「そうな、んですか」

提督「そう、縁が無いのかしらね」クスクス

提督「それと、アタシは別にタメ口でも怒らないから、安心して?」

瑞鳳「...あ」

瑞鳳「...うんっ。ありがとうございます」ニコッ

ー工厰ー

提督「ここが工厰」

瑞鳳「へー、あんまりおっきくないね」

提督「うちはこれくらいでいいのよ」

初春「御前さま」ヒョコ

提督「あ~ん初春!こんなところでなにやってるのん?」

初春「ちょいと兵装の整備にのっ」

初春「おや、新造艦かえ?」

瑞鳳「はい、軽空母、瑞鳳です!」

初春「ほほほ、妾は初春、駆逐艦じゃあ。よろしく頼みますぞ」

瑞鳳「よろしくお願いします!」

提督「うふふっ。ほほえましいわぁ♪」

初春「御前さま、妾というものがありながら、まーた新しい女を侍らせおって」

提督「またってなによ...。ここには女の子とオカマしかないじゃな~い」

初春「おぉ、そうじゃったの!」

提督「も~、初春面白~い♪」

初春「そうかそうか、ほほほほ!」

瑞鳳「...」

提督「あ、ごめんね」

提督「じゃ初春、あまり根詰めすぎないでね。頬っぺた黒くなってるわ」フキフキ

初春「む、妾としたことが...」ムニムニ

初春「礼をいうぞ」//

提督「うふふ、またね」ヒラヒラ

ー廊下ー

瑞鳳「ねえねえ!」トコトコッ

提督「なぁに?」カツ カツ

瑞鳳「提督って、艦載機、好き?」

提督「艦載機?えぇ、まぁ、知ってる限りだとね」

瑞鳳「そっかぁ。...九九艦爆とか、けっこう可愛いんだよ?」

提督「九九艦爆ねぇ...。あの、脚が丸っこいところとか、かしらね」

瑞鳳「!」

瑞鳳「そうなのっ!脚が可愛いのよ♪」

提督「脚のお陰で、全体のフォルムが丸く見えちゃうのよねっ」

瑞鳳「わかるー!」

提督「流星は新型って感じ?」

瑞鳳「そうそう!でも、整備が大変なのよね」

提督「デリケートだからね~」

瑞鳳「うんうんっ!」キラキラ

ードックー

提督「あなた艦載機詳しいのね!そのうちもっと教えてちょうだい♪」

瑞鳳「うんっ!いいよ♪」

提督「おっと、ここがドックよ」

瑞鳳「ここもそんなにおっきくないねー」

提督「うふふ、ここはあくまでドックなの。でも、うちには1つ違う部屋があるの」

瑞鳳「へー、なんだろ?」

提督「それはね...」

叢雲「あら、誰かと思えば」

提督「あ、叢雲~♪」クネクネ

叢雲「てっきりドックを覗きに来たのかと思ったわ」

提督「そんなことし~な~い~!」

瑞鳳「あなたが叢雲さん?」

叢雲「あら、新人?いろいろ大丈夫だった?コイツとか」

瑞鳳「んー、はい」

叢雲「まぁ、せいぜい頑張りなさい」

叢雲「私は叢雲。特型駆逐艦五番艦よ」

瑞鳳「祥鳳型軽空母、瑞鳳です!よろしくお願いします!」

叢雲「祥鳳?」

提督「あ、そういえば見かけなかった?ちょっと見失ってて~」

叢雲「あの娘なら医務室に飛び込んでったわよ」

提督「あら、ありがと。今から行ってみるわ」

叢雲「只でさえ半裸みたいな格好なのに、ますますはだけてたけど、アンタ...まさか?」ジトー

提督「ち、違うわよぉ!あの娘が勝手に!ねぇっ?」

瑞鳳「うちの姉がすみません!」ペコ

叢雲「あらそう、良かったわね。けだものにならなくて」

提督「や~ん!叢雲辛辣~!」グネグネ

叢雲「あのね...」

叢雲「これから入渠するんだけど、早く出ていって貰えないかしら?」

叢雲「それとも酸素魚雷が欲しいの?」ガシャコ

提督「よし!瑞鳳ちゃん!医務室行くわよ!」カモーン

瑞鳳「あ、まってー!」

提督「邪魔したわね~叢雲~!」ヒラヒラ

叢雲「...ふん」

ー医務室ー

提督「ドックの隣が医務室よ」

瑞鳳「へー、ドックだけじゃないんだ」

提督「細かい傷や損傷は、妖精さんのお薬でちょちょいのちょい!よ♪」

瑞鳳「妖精さんと仲良しなんだね」

提督「いや、会ったことは無いんだけどね。でも、いつも心から感謝しているわ」

瑞鳳「ふーん...」

妖精(バンザーイ!)

瑞鳳「ふふっ♪」

提督「で、あのカーテンが閉まってるところにいるのね」

「」ビクッ

瑞鳳「お姉ちゃ~ん?」シャーッ

布団「ぅ...」モゾッ

提督「もう、出てらっしゃい、祥鳳」

布団「...」

祥鳳「...」チラッ

提督「別に怒ってなんていないわね」ニコッ

祥鳳「...」ウルウル

瑞鳳「もう!いじけてないで出ておいでよ!」グイグイ

布団「いやぁ!」

提督「瑞鳳」ポン

瑞鳳「ん...」

提督「任せなさい」

提督「ん、んんっ...」

瑞鳳「...?」

布団「...!」モゾッ

提督《祥鳳...》

提督《出ておいで》

瑞鳳「!?」

祥鳳「」ガバッ

提督《俺が意地なんか張らずに、君と向き合えば良かったのに...》

提督《すまなかった...》

祥鳳「~~!」//フルフル

提督《...許してくれるか?》ナデナデ

祥鳳「あぁっ提督!」ギュッ

提督《おっと》

祥鳳「すみませんでした...ワガママな私を、どうかお許しください...」

提督《...》

提督《許すよ》ギュッ

提督《今日は君が秘書艦じゃないか。俺にとって、秘書艦は特別だというのは知ってるだろ?》ポンポン

祥鳳「提...督...」ポヤァ

提督《祥鳳...》

祥鳳「あ、ありがとうございますっ!!もう!大丈夫すっ!私、超頑張りますっ!」///ツヤツヤ

提督《あぁ、頑張って》ニッ

祥鳳「」キュッ

祥鳳「」ピシッ

祥鳳「よし!」バシッ

祥鳳「先に執務室に戻ります!提督はゆっくり来てくださいねっ!」キラキラ

提督《あぁ、少しは残しといてくれよ?》

祥鳳「くぅー!全部やってあげたいっ!」///

祥鳳「失礼しましたっ!」ガチャ バタン

デヘヘヘー♪

提督《ふぅ、もういいかしら》

瑞鳳「...」ツー

提督《大変、瑞鳳。鼻血がでてるわ》ハンカチ

瑞鳳「ひゃっ!」ビクッ

提督《大丈夫?少し横になる?》ポンポン

瑞鳳「は、はっ、はっ、はっ...」///

瑞鳳「はぃ...」///コロン

提督《少し、押さえておいたほうがいいわね》ギュ

瑞鳳「...」///ドキドキ

瑞鳳(えっ、なにこれ!)

瑞鳳(提督の低い声がっ!身体に響いてっ...)

提督《顔が真っ赤よ、暑くない?》サラッ

瑞鳳(もっ、もうだめっ!痺れちゃうっ!)

瑞鳳「て、提督、声がっ」///

提督《え、あらやだ》

提督《んんっ、あ~っ、あ~、んっ」

提督「ふぅ、低い声もなかなか大変なのよね~」

瑞鳳「...」///ハァ ハァ

提督「しっかりしなさい、大丈夫?」

瑞鳳「て、提督...」ハァハァ

提督「なぁに?」

瑞鳳「私が、秘書艦の、時...」

提督「うん」

瑞鳳「ひ、ひ...」

提督「ひ?」

瑞鳳「低い声で、やってくだ、さい...」ガクッ

提督「瑞鳳?瑞鳳ちゃーん!?」ペンペン

瑞鳳「...」

瑞鳳「...でへへ」スヤスヤ

提督「...」

提督「...寝てるわ」

提督「...」

提督「えっ、低い声?」

提督「瑞鳳ちゃんもって...ねぇ...?」

瑞鳳「ふぁ...ていとく...うふふぅ...」ニヘラ

提督「...」

提督「やっぱり姉妹だわぁ~」

ー浴場ー

カポーン ザバーッ

提督「ふ~ぅ」

提督「祥鳳ったら、一人で全部やっちゃうなんて、はりきり過ぎよぅ。あの書類はアタシがサインしなきゃいけないのに...」

提督「ま、筆跡がすごく似てたから、多分大丈夫だろうけど」コキッ コキッ

提督「あの娘は...まったく、うふふっ」

ガラララ

提督「ん?」

祥鳳「提督...お背中流しにきましたっ」///

提督「え、え~、遠慮するわ~」

瑞鳳「温泉もあるんだねっ!」ヒョコッ

提督「ず、瑞鳳ちゃんまで~?」

瑞鳳「きゃ!?えっ、提督っ!?」///

提督「あっ、当然の反応...ありがたいわ~」

祥鳳「提督にご足労かけたのは私ですっ!なので!せめて...」

提督「...」

提督「瑞鳳ちゃん、どう思う?」

瑞鳳「ふーん♪ふーん...ん?えっ?」パシャパシャ

提督「アンタマイペース過ぎぃ!」ザバッ

瑞鳳「きゃー!提督!?見えてる!見えてるからっ!」///

祥鳳「えっ!?私にも見せてっ!」バシャバシャ

提督「き、きゃーっ!けだものーっ!」ブン

ザッパーン!

ー執務室ー

提督「お風呂で疲れるだなんて...アタシの安息が...」クター

ゴツッ「あいたっ!」

提督「...開いてるわ」

ガチャ

瑞鳳「...えへへ、お邪魔しまーす」バタン

提督「いらっしゃ~い...」

瑞鳳「て、提督~、ごめんってば~」トコトコ

提督「怒ってないわぁ。怒ってなんか...ふふ、ふふふ」

瑞鳳「ほ、ほら!麦茶!」コトン

提督「ん~...」コクリ

瑞鳳「肩も揉むよっ」モミモミ

提督「ん~っ」グイグイ

瑞鳳「あ、なかなかこってますね!」コリコリ

提督「...んふふっ」

提督「アナタ、面白い娘ね」

瑞鳳「そ、そうかな?」

提督「人懐っこいし、マイペースだし、子犬みたいで見てて飽きないわね♪」

瑞鳳「うー、それぇ、褒めてるのかわからないっ」

提督「うふふっ」

提督「どう?うちの鎮守府、お気にめしたかしら?」

瑞鳳「うん!とっても!」

瑞鳳「みんな優しいし親切だし」

瑞鳳「温泉もあるし!」

提督「そこはポイント高いわよね」ウンウン

瑞鳳「あと、あとね?」

瑞鳳「提督が、素敵だなって」

提督「あら、こんなオカマが?」

瑞鳳「ち、ちゃんと聞いてよっ」

提督「はいはい」フフッ

瑞鳳「...最初はちょっと、ううん、けっこう驚いたけど」

瑞鳳「提督と会ったり話したり、ふれあった人ってみんな、楽しそうで、いい顔してたんだよね」

瑞鳳「...提督がオカマさんなのにっ」

提督「それ、褒めてるのかわかんないわね?」

瑞鳳「...仕返しっ」ベー

提督「あら、生意気っ」クスクス

瑞鳳「だから、なんか、いいなぁって」

提督「...」

瑞鳳「えへへ、あたしこんな船だけど...仲良くしてくれる?」

提督「...当然よ」

提督「うちの鎮守府に来て、アタシを提督と呼んでくれるなら!」

提督「もうそれは家族の一員よっ♪」バチコン

瑞鳳「~!」ググッ

瑞鳳「提督ぅ!」ピョン

提督「おっと!」ギュッ

瑞鳳「あたし、うれしいっ!提督のために、精一杯がんばるねっ!」ギュー

提督「うん!アナタの活躍、期待しているわぁ」ナデナデ

提督(そこんところ、やっぱり姉妹ね)

瑞鳳「そういえば、教えてもらってなかったんだけどさ」

提督「ん?何かしら?」

瑞鳳「お姉ちゃんがあぁなっちゃったのは提督のせいだー、ってところ」

提督「あ~、あぁ、そうだったわねぇ」

瑞鳳「なんでなんで?」

提督「あれはねぇ...」

ー祥鳳健造当時ー

提督「うぅ、やっぱりこのままじゃダメ?」

叢雲「私はもう馴れたけど、そうそう受け入れられるものじゃないと思うわ」

提督「アンタ、本当に容赦ないわね...」

叢雲「あら、こんなに親切なのに?見る目ないわね」

トントン

提督「お出ましね....んんっ》

提督《どうぞ》

朝潮「し、失礼しますっ」ガチャ

朝潮「新しい艦が健造されました!どうぞ!」

祥鳳「軽空母、祥鳳です!は、はい!少し小柄ですが、提督の機動部隊にぜひ!加えてください!」ペコー

提督《け、軽空母だって!?》ガタッ

祥鳳「ひゃっ!?ごごご、ごめんなさいっ!正規空母じゃなくてごめんなさいぃ!」グスグス

提督《よく、来てくれた》ポン

祥鳳「...えっ?」

提督《君が我鎮守府の最初の空母だ!》

祥鳳「えっ?へっ?」

提督《あぁ、なんてことだ!ありがとう!》ギュー

祥鳳「あ、あの、あのぉ...」///

提督《どうか、我艦隊を導いてくれ、祥鳳》キラキラ

祥鳳「...は、はいぃっ!」ポワポワ

ーーー

提督「...で、あっけなくオカマだってバレたんだけど~」

瑞鳳「うんうん」コクコク

提督「オカマだからって関係ありませんっ!提督が、提督のお声があれば!私、戦えます~っ!って」

提督「お声っていうから、命令に忠実なのかしらって思ってたけど...」

提督「あの低い声のことだったのよぉ!」

瑞鳳「あー、なるほどー...」ウンウン

提督「それからと言うもの、褒めたり慰めたりする時は、毎回お願いされるようになったわ...」

提督「まったく、こんなオッサンみたいな声のどこが良いのかしら~?」

提督「ね~?」

瑞鳳「...」///

提督「...」

瑞鳳「...」///パタパタ

提督「アナタ、もしかして...鼻血出した理由って...」

瑞鳳「だ、だってだって!」

瑞鳳「あんな男らしい声で囁かれたら...胸が苦しくなっちゃうよ...」///

提督「な、なんですって...!」ガビーン

瑞鳳「...て、提督?」

提督「な、なによ」

瑞鳳「たまに、さ。普通の男性に、戻ってみたり、しない?」チラッ

提督「し、しないしない!」ブンブン

瑞鳳「えーっ!だってよく見ると、提督ってカッコいいよ!?」

提督「格好いいより、綺麗っていわれたいわね!」

瑞鳳「提督ってお父さんぽいじゃん!」

提督「お父さん...は、まぁ、いいけど、やぁよ!戻らないわっ!」

瑞鳳「えー!」

瑞鳳「あたしの格納庫まさぐってもいいから~!」

提督「おバカっ!そういうのは大事な時までとっときなさい!」

瑞鳳「ほらもうお父さんじゃん!」

瑞鳳「お願いお願い!私の時だけでいいから!」グイグイ

提督「アンタちょっといい加減にっ...きゃあっ!?」グラッ

瑞鳳「うわわっ!?」グイッ

ドターン!

トントントン

「ちょっとうるさいわよ!」ガチャ

叢雲「アンタたち今何時、だと...」

提督「いたたっ、あら、なんかデジャヴ...」アオムケ

瑞鳳「やら...れた...あれ?痛くない...提督っ?!」ウマノリ

叢雲「あんたっ...」プルプル

提督「ちょ叢雲ストーップ!これは事故よ事故っ!?」

瑞鳳「叢雲さーん!?」

叢雲「くらいなさいっ!」ガコン

「イヤーーーーッ!」バアボー!

提督「女って、恐いわ...」

ー執務室ー

提督「...」カリカリカリ

叢雲「...」サラサラ

提督「...」ポン ポン

叢雲「...」ペラッ

提督「ん~...叢雲」

叢雲「なに」サラサラ

提督「少し肌寒くない?」

叢雲「別に...暑くはないけど」

提督「...そっか、なんでもないわぁ」

叢雲「...」

提督「...」カリカリ カリ

提督「...」

提督「...ふ~」カリカリカリ

提督「...」

提督「ん~...」ググッ

叢雲「...はぁ」

叢雲「どうしたの?落ち着きないわね」

提督「...」トントン

提督「...ん~ん、何でもないわ」ニコ

叢雲「...」

提督「...」カリカリ

提督「...んんっ」ズズッ

提督「けほっ、ごほっ...!」

提督「...あ、ごめん、むせただけよ」ズルズル

叢雲「...」

叢雲「はぁっ...」スクッ

提督「...」

叢雲「あんた」

提督「...」

提督「...あ、なぁに?」

叢雲「...」ピタ

提督「あ、ひんやり...」

叢雲「...」

叢雲「...バカね」

提督「え?」

叢雲「あんた、風邪引いたわ」

提督「や、やぁねぇ~、元気、げんきよっ、げほっ!...んんっ」ゲヨゲヨ

叢雲「発熱、咳、喉の痛み、あと頭も痛い?」

提督「そ、そんなことっ」

叢雲「...」ジー

提督「...うん」

叢雲「はぁ、だと思ったわ」

提督「で、でも仕事はできるわっ。大丈夫、終わらせたら...っえほっ、ごほっ!」

叢雲「...」

叢雲「まったく、しょうがない提督ね」

叢雲「いいわ、ここは私に任せて、あんたは早く医務室行きなさい」

提督「でもそれじゃあ...」

叢雲「なによ、私が信頼できない?」

提督「...そんなこと」

叢雲「なら休みなさい。そのままじゃこっちが迷惑よ」

提督「...」

提督「...ゴメンね、叢雲」

叢雲「...ふん」

提督「...」

提督「後はこれだけだから、よろしくね...」

叢雲「えぇ、わかったわ」

提督「ごめんなさい、じゃあ、お休みいただくわ...」ガタタッ

叢雲「...」

提督「...」フラフラ

叢雲「...」

提督「...」ガチャ

グイッ

提督「おっと」

叢雲「...危なっかしくて見てられないわ」

提督「叢雲...」

叢雲「ぼさっとしてないで歩く」

提督「...は~い♪」

ー医務室ー

提督「作って良かったわぁ、医務室...」

叢雲「アンタはここに寝る」シャーッ

提督「はぁい」モゾモゾ

叢雲「体温計」ピッ

提督「...」ゴソゴソ

叢雲「薬は?」

提督「人間用のあったかしら...」

叢雲「...なんとかするわ」

叢雲「食欲はある?」

提督「平気よ」

叢雲「...待ってなさい」

提督「う~...げほっげほ、うえっ..」

提督「これは、なかなか...」グワングワン

ピピッ ピピッ

提督「...」モゾモゾ

提督「...39.4℃」

提督「はぁ...」ピッ

提督「...風邪なんていつぶりかしら」

叢雲「食べなさい」

提督「あら、うさちゃんリンゴ」

叢雲「いらないなら捨てるわ」

提督「た、食べます食べますっ」シャリ

提督「っ!げほっ!ごほごほっ!」

叢雲「...っ」

提督「ごめん、ホントにむせたわ」コンコン

叢雲「...」サスサス

提督「...」

叢雲「熱は?」

提督「...9度4分」

叢雲「あら、辛そうね」ピタッ

提督「...」

叢雲「熱いわ」

提督「...」

叢雲「それ、もう食べない?」

提督「い、いえ、いただくわ」シャリシャリ

叢雲「後、食べたら飲んどきなさい」

提督「あら、お薬あったのね」

叢雲「...」

提督「ふぅ、薬も飲んだし、後は寝るしかないわね...」

叢雲「まったく、手間がかかるオカマね」

提督「辛辣~…げほっ!ごほっごほっ...」

提督「んんっ、看病してもらってなんだけど...ここにいたらアナタにうつっちゃうわ」

叢雲「あんたとは身体の造りが違うのよ」

提督「...そっか」

叢雲「...」

叢雲「...早く良くなりなさい」ポン

提督「...!」

叢雲「じゃ、私は戻るから」カツカツ

提督「叢雲っ」

提督「ありがとう...」ニコ

叢雲「...」ガチャ

「...」ヒラヒラ

バタン

提督「...」

カチ コチ カチ コチ

提督「う、うぅ...ん」

カチ コチ カチ コチ

提督「...っ」パチッ

提督「ぶあぁ~...」

提督「熱いわ...」

提督「...ぐふっ、げほっ!」

提督「み、みず...」ググッ

提督「あ、体が重くて...動けない...」

提督「...」

カチ コチ カチ コチ

提督「...」グワングワン

カチ コチ カチ コチ

提督「つらーい...」グスグス

ガチャ

「はぁ...」

提督「あぁ...」

提督「だ、誰か、いるの?」

「え?その声は...提督?」

シャーッ

扶桑「どうされましたか...まぁ、顔色が悪いわ...!」

提督「ちょっと...風邪ひいちゃって」ヒュー...ヒュー...

提督「悪いけど...お水を...」

扶桑「わ、わかりました、待っててください...!」ノタノタ

コップコップ...コレネ ガチャーン!

ア,アア...ゴメンナサイ! イタッ! ウウ...

提督「...」ソワソワ

扶桑「お、お待たせしました...」

提督「ありがとう...」

扶桑「起きられますか?」

提督「んぐぐ...、ちょっと無理っぽい...」

扶桑「お手伝いしますね」ギュ

提督「...悪いわね」ムク

扶桑「いいえ。お水どうぞ」

提督「...っ...っ、ふぅ」

扶桑「体が熱いですね...お辛そう」

提督「風邪なんて久し振り...げほっげほっ!」

扶桑「...」サスサス

提督「ごめんね、みっともなくて...」

扶桑「そんな、私に比べたら全然...」ウフフ

提督「そ、そういえば、どうしてここへ...?」

扶桑「い、いえ、特に理由はないんですが...」

扶桑「なんだか落ち着くんです」

提督「そっか...なんか分かるわ」

扶桑「...また横になりますか?」

提督「そうね...」

扶桑「...」ググッ

提督「うぅ...やだ、まるで介護ね...」モゾモゾ

扶桑「そうおっしゃらず...」

扶桑「早く、良くなると良いですね」ピタッ

提督「...ありがと」ニッ

提督「アナタの手、ひんやりしてて気持ちいいわぁ…」ウツラ

扶桑「そ、そうですか?」ピター

提督「えぇ...やわらかで、やさ、しい...」

扶桑「...」

提督「...」スー スー

扶桑「おかわいそうに...」

扶桑「...」

扶桑「妖精さん、なんとかなりませんか?」

扶桑「あ、お薬はもう飲まれたのですね」

扶桑「んー、では、おでこに貼るやつありますか?」

扶桑「...ありがとうございます」

扶桑「...」ペリペリ ペタペタ

提督「...」スー スー

扶桑「...ごゆっくり、おやすみ下さい」

シャーッ ...ガチャ パタン

ーーー

ワラワラワラ

〈様子はどう?〉ピョコン

〈んー、まだ熱いなこりゃ〉ツンツン

〈でもさっきよりは苦しくなさそう〉

〈よかった~〉

〈ま、アタイらのお薬は万能だかんね!〉フフン!

〈人間用は初めてだったけどねっ〉

〈き、聞こえちゃうでしょ!〉

〈だーいじょうぶだって!聞こえてないよ!〉



提督「...」

〈叢雲ちゃんも素直じゃないよねー〉

〈ホントは一番心配してるくせに~〉

〈リンゴ剥いてる時の顔見たっこー〉

ハーイ!

〈あれを慈愛顔ってんだね!〉ケラケラ

〈俺が男だっら嫁にしてたぜ...〉

〈だめよ、だってあのこ...は...〉

〈んー?〉クルッ



提督「...」ジー

〈お、起きてる〉

〈俺、目があっちゃんたんだけど〉

〈奇遇だな、あたしもだ〉

提督「...」パチクリ

〈お、おーけー、落ち着け。大丈夫、提督さんにゃアタイらは見えない、聞こえない。いいね?〉

〈あっ、はい〉

提督「あ、はい」

〈...〉

提督「...」

〈て、提督閣下、ご容態はいかがでしょうか...?〉

提督「ええ、大分楽になったわ」

〈そ、それは喜ばしく...〉

〈タイム!〉

提督「ど、どうぞ」

ワラワラワラ

〈これは、あれか〉

〈見えてるな...〉

〈聞こえてる、よね?〉

〈げ、幻覚かなんかだろ〉

〈アタイら幻覚だったのか〉

〈熱で頭が...とか?〉

〈あたしたちイカれないと見えないの!?〉

〈まてまてまて、くーるになろう、おーけー、びーくーる〉

〈...〉

〈...〉チラッ

提督「...?」ニコ

〈提督閣下はちゃんと覚醒なさってるぞ〉

〈アイエエエ!ナンデ!?ナンデ!?〉

〈ティンときた。多分あの薬だこれ〉

〈マジか〉

〈それはあり得る。あたしたちの薬を人間に服用させたことなかったもん〉

〈副作用?無くもないけど〉

〈おーけー...びーくーる...〉プシュー

〈ど、どうしよう!〉

〈認知されているなら仕方ない!〉

〈まずは...ご挨拶だ!〉

〈おう!〉

ワラワラワラ

〈〉ピシーッ

提督「あ、あらあら」ムク

〈〉ババッ

〈お初にお目にかかります!提督閣下!〉

〈我々は、当鎮守府、医療班であります!〉

〈こ、このたびは!えーと、えーと...お日柄も良く!〉

〈ますますのご健勝のことと、お慶び申し上げますっ!〉

〈な、ないすとぅーみーちゅー!はうわーゆー!〉

提督「...」

〈...〉

提督「私が」

〈!〉

提督「当鎮守府司令官を務めてさせて頂いております、提督であります」

提督「諸君らの日々の活躍と、多大なる成果、重々耳にしております」

〈...〉

提督「この度は、小生の不甲斐なき所、目に余る恥をお掛けしたしだいで」ペコー

〈あ、頭をおあげください!提督閣下!〉

〈あ、あたしたちは好きで働いてますし!〉

〈提督さんにはいつも感謝しておりますの!〉

提督「...うふふっ」

提督「みんな優しいのね」

提督「でも、挨拶は大事だから、ねっ」バチコン

〈おーっ!〉

提督「そっか~、あなたたちが妖精さんね~♪」

〈わ、我々ごとき、さん付けなど!〉

提督「いいのよ、いつも通りにしてちょうだい」

〈で、でも...〉

提督「じゃあ、アタシからのお願いってことで、ダメ?」

〈...〉

〈いいの?〉

〈いいって〉

〈いいんだって〉

〈やったね!〉

提督「うふふふっ」

提督「静かだと思ってた医務室って、こんなに賑やかだったのね~」

〈あ、提督さん!お休みにならなくてもいいんですか?〉

提督「うん!あんなに辛かったのに嘘みたい!」

提督「どうもありがとね♪」

〈よかったー!〉

〈あたしたちに不可能はない!〉

〈どうなるかと思った...〉

提督「いけない!お仕事戻らなくちゃ」ペラン

提督「あら、何これ?」

〈冷えピタでーす!〉

〈熱を冷ますよ!〉

〈扶桑ちゃんが提督にって〉

提督「そっか。ありがたいわ」

トントントン

〈ノックノックノック!〉

〈トリプルクリック!〉

提督「あら、もしかして先に迎えがきちゃった?」

ガチャ

叢雲「具合どう?」パタン

提督「叢雲~♪大分良くなったわ~」フリフリ

叢雲「そ、顔色もいいし」ピタッ

提督「ん」

叢雲「熱も下がった。もう大丈夫そうね」

提督「ありがとね、看病してくれたり、仕事押し付けちゃったり...」

提督「叢雲にはアタシから特別MVPあげちゃう♪」

叢雲「いらないわ」

提督「え~!」クネクネ

〈ホントは嬉しいくせー〉

〈威張ってんじゃねーよー〉

〈素直にもらっちゃえ!〉

叢雲「...」

提督「そうね、アイスクリームはどうかしら?」

叢雲「...わ、悪くないわ」ピコピコ

〈喜んでるwww〉

〈本体w嘘つかねぇw〉

叢雲「...」キッ

〈あ、あたしもアイス食べたーい!〉

〈そうだ!ずるいずるいー!〉

提督「アンタたちにもあげるわよっ」バチコン

〈わーい!〉

叢雲「...えっ」

叢雲「...あんた、見えるの?」

提督「ええ。さっき見えるようになったわ。ねー?」

〈ねー〉

〈提督閣下、万歳!〉

叢雲「...」

叢雲「...全部聞いてたの?」

提督「え?」

叢雲「こいつらの話、全部聞いてたわけ?」ガコン

提督「さ、さっき叢雲が入って来た時からしか知らないわよ!?」

叢雲「...」

叢雲「他に何も喋ってないでしょうね?」ジロッ

〈め、滅相もねぇ!〉ガクガク

〈あ、アタイら口ちょー堅いし!〉

〈慈愛顔でリンゴ剥いてたなんて言ってないよ!〉

〈ばっか!〉

叢雲「」ムンズ

〈げぴぃ!?〉

叢雲「...」グリグリ

〈ああっ!ごめんなさい!無言で酸素魚雷グリグリするのはっ!あっ、そこは、ダメえっ!〉グニグニ

提督「まあまあまあ...」

叢雲「...屈辱だわ」グリー

〈あっ、あーっ!〉グニュー

提督「さて、仕事に戻らなくちゃ」

叢雲「もう全部終わった」ペイッ

〈うぅ、もうお嫁にいけない...〉ヨヨヨ

〈ご愁傷さまです...〉チーン

提督「あら、終わっちゃったの?敏腕ねぇ~」

叢雲「執務室、開けてるんだから早く戻るわよ」クルッ

提督「わかったわ」モゾモゾ

提督「妖精さんたち...」

〈はいっ!〉

提督「どうか、これからもよろしくお願いね♪」

〈お、お任せください!〉

〈やってやるのねー!〉

〈なんかムネアツ!〉

提督「うふふふっ」

ー廊下ー

提督「妖精さんって、あんな感じなのね」カツカツ

叢雲「...」コツコツコツ

提督「こう、髭もじゃのドワーフみたいだと思ってたのに~」

叢雲「...」

提督「かわいい娘たちじゃな~い♪」

叢雲「うるさいわね、静かに歩けないの?」

提督「あらやだ、ごめんなさい」

叢雲「ふん...」

提督「...」カツカツ

叢雲「...」コツコツ

ー執務室ー

提督「...」ペラ ペラ

叢雲「...」

提督「あのね...」

叢雲「...」

提督「...もし、叢雲が休ませてくれなかったら、正直危なかったと思うわ」

提督「本当に、ありがとうね」

叢雲「...別に、当然の事をしたまでよ」

提督「妖精さんのお薬もあったけど、アナタの対処も良かったわ」

提督「けっこう面倒見がいいのねっ」

叢雲「ま、それほどでもあるわ」

提督「ツンツンしてるけど...」

叢雲「なんですって?」

提督「な、なんでも~」オホホ

提督「そういえばアナタって、妖精さんと仲いいのね?」

叢雲「そ、そんなことないわ。やめてよ」

提督「ま、今日から見えるようになったアタシがわかる訳ないわよね」

提督「どうしようかしら~。一度にこの鎮守府全体の妖精さんとご挨拶しなきいけないかな?」

叢雲「それは無理よ」

提督「どうして?」

叢雲「妖精は謎が多いの。居たり居なかったり」

提督「あ、そうなんだ...」

叢雲「悪いことは言わない、関わるのは仕事の時だけにしときなさい」

提督「わ、わかったわ」

提督「ちなみに、その心は~?」

叢雲「あ、あいつら、有ること無いこと...」ブツブツ

提督「だ、大丈夫?」

叢雲「はっ!...とにかく!あまり関わらないこと!いいわね?」キッ

提督「は~い」プー

提督「...」

叢雲「...」

提督「...」ジー

叢雲「何よ、視線が気持ち悪いわ」

提督「ひど~い!」グネグネ

叢雲「...い、言い過ぎた」

提督「うん、許す~♪」

叢雲「やっぱり気持ち悪いわ...」

叢雲「はぁ、どうかしたの?」

提督「え~?ん~」

叢雲「言うなら早く言う!」

提督「せっかちさんねぇ、もう」フフッ

提督「ほら、アナタとは長い付き合いじゃない?」

叢雲「...そう、だったかしら」

提督「辛いときや苦しいときはいつもアナタがいたわ」

叢雲「ふん、別にあんたの為じゃないし」

提督「うふふ、アナタのそういう所も好きよ~」

叢雲「やだ...ありえない」ブルッ

提督「あ~ん!もっと心を開いてくれたっていいじゃな~い!」

叢雲「...」

叢雲「...はぁ」

提督「呆れちゃった?」

叢雲「...」

叢雲「...とっくに開いてるわよ、バカ」プイッ

提督「叢雲...!」

叢雲「か、勘違いしないで!」

叢雲「あんたがそんなんだから、ほっとけないだけで...」

叢雲「...」

提督「...うふふっ」//

叢雲「ちがう、バカ!そんなんじゃないわよ?あんたが立派な提督なってもらわないとアタシの面子がっ...!」///

提督「あらあら、そんな照れ隠し、アタシには通用しないわ~♪」ツンツン

叢雲「くっ...!」フラッ

提督「えっ、ちょっと!大丈夫?」

叢雲「な、何がよ...」ハァ ハァ

提督「今フラって...、それになんか顔も赤くない?」ピタッ

叢雲「...!」

提督「あっつ!?」

提督「叢雲、まさかホントにうつっちゃった?」

叢雲「そんな...」

叢雲「さっきの悪寒、アンタのせいだと思ったのに...」

提督「ど、どうしましょ!と、とりあえず医務室行くわよ」

叢雲「や、やめて、いい笑い者よ...」

提督「そんなこと言ってる場合?!」

叢雲「お、お願い...」ウルッ

提督「...っ」

提督「わかった、なら、アタシの部屋に連れてくからね」

叢雲「こ、ここでいいわよ...」

叢雲「別に、一人で、大丈夫、だから...」

提督「だ~め、横になるとこないし、誰か来ちゃうでしょ」

叢雲「...」

提督「ね?」

叢雲「勝手にしなさい...」

提督「歩ける?」

叢雲「へ、平気...」ヨタヨタ

提督「...」グッ

叢雲「うう...」

提督「掴まりなさい」グイッ

叢雲「ば、バカ、はなしてっ、離しなさっ」オヒメサマダッコ

提督「勝手にさせてもらうからね」

叢雲「...」

叢雲「知らない...」フイッ

ー廊下ー

提督「お薬はアタシが取ってくるからね」カツカツ

叢雲「...ん」

提督「なんか欲しいものある?」

叢雲「...」

叢雲「別にないわ...」

提督「お水は持ってきてあげるわ、リンゴはどう?」

叢雲「...」フルフル

提督「ん~、あ、アイスなら食べれそう?」

叢雲「..えぇ」ピコッ

提督「わかったわ。任せて」

叢雲「...」

叢雲「礼は言わないわよ...」

提督「うふふ、そうね、これはアタシからの恩返しよ」

叢雲「...ま、期待はしてないわ」

ありがとうございます!
時間がかかりますが、順番にやらせて頂きます!

ーバルコニーー

ミャー ミャー

提督「...」

提督「うふ、懐かしいわぁ...」

川内「あれ?提督じゃん!」ブンブン

那珂「えっ?」ピタッ

響「なんだって?」ピタッ

暁「司令官ですって?」ピタッ

提督「あら、川内...とその付随艦たち~、お元気ぃ?」ヒラヒラ

那珂「元気だよぉ!キャハッ♪」クルッ

提督「エプロンと三角巾?似合ってるわよ♪お料理でもしてたの?」

響「うん。依然、那珂先輩にお料理教えて貰うって約束をね」

提督「あ~、なんか覚えある~。暁も教えてもらってたんだ?」

暁「レディはお料理もたしなむものなのよ!」エッヘン

提督「へー、なにを作ったの?」

川内「えーと、野菜がゴロゴロ入ったスープと」

響「まだ下味の段階だけど、白身魚のバター焼き」

暁「デザートには牛乳ゼリーよ!」

那珂「え、えっとね、ポトフと、ムニエルと、パンナコッタだよー」

川内 響 暁「そう、それ!」

提督「いや~ん!美味しそうぅ~!」クネクネ

那珂「ちょっと多めにつくったからさ」

暁「司令官も一緒にどうかしら?」

提督「あら~、なんか悪いわね、催促しちゃったみたいで♪」

川内「いいのいいの!」

響「呼ぶつもりだったし。ね?」

暁「...う、うん」モジッ

那珂「えへへ...」

川内「提督は何してたの?」

提督「アタシ?まぁ、ちょっと昔の写真を見つけてね」ピラッ

響「へぇ、いつの?」

提督「この写真は、アタシがまだ訓練生の頃ねぇ」

那珂「ということは...提督の若い頃の写真!」キラーン

暁「み、見せて見せてっ!」ピョンピョン

提督「えー、そんなに面白くはないわよ?ほら」

〈宿舎をバックに男5人が並んでいる写真〉

川内「えっ」
那珂「え゛」
暁「ええっ!」
響「...」

提督「恥ずかしいわね...」

川内「こ、これでしょ?」ツン

提督「うん」

那珂「か、かっこいい!」
暁「かっ、カッコいい!」///

響「これが、こうなるのか...」チラッチラッ

提督「あの頃は身なりに厳しくてねぇ~」

川内「ど、どうしてオカマになっちゃったの?」

提督「やぁね、その頃からすでにオカマよっ」

那珂「うっそ...」

暁「ステキ...」///

響「暁...」

那珂「えっ、でも良く...そのままでいられたの?」

提督「別に何てことないわぁ」

提督「だって、そこのみんなもオカマだったんだから」

一同「...」

一同「えーっ!?」

川内「この筋肉モリモリの人も!?」

提督「えぇ」

那珂「このくっきり二重のイケメンさんも!?」

提督「うん」

暁「この背の高い髭の人も!?」

提督「もちろん♪」

提督「あぁ、懐かしいわぁ~...ぐふふっ」

響「この国はどうなってるんだろう...」

提督「普通は、あり得ないわよね~」

那珂「だ、だって提督になるんだから、海軍なんだよね?」

提督「そうよ」

提督「辛いことばかりだったけど、今でも輝かしい想い出よ...」トオイメ

川内「へー」

暁「...そうなの」

響「良かったら、その頃の話を聞かせて欲しいな」

那珂「響ちゃん!?」

響「あれ、私だけかな?気になるの」

那珂「それは...」

暁「気になるわ!」

川内「聞きたい聞きたーい!」

提督「ま~、アナタたちの時間によるけど...場所もここでいい?」

那珂「大丈夫!あとはお魚焼くだけだから!」

暁「ここで平気よ!」

提督「大丈夫?なら、そうねぇ」

提督「じゃあこの写真、訓練生時代あたりを」

川内「わーい!」

響「興味深いね」

提督「あれは、なんだったかなぁ...」

提督「そうそう!当時の教官に一目惚れしたのが入隊のきっかけだったわ~♪」

一同「え゛っ...」

ーーー

オカマ「はぁ...アタシ、なにやってんだろ...」トボトボ

オカマ「こんな中途半端な人間じゃ、居場所なんてないわ...」

ウデタテ ハジメ!

オカマ「...ん?」

イチ!ニ!サン!シ!
ヤルキアルノカ! モットヒクク!
ハイ!

オカマ「うわ~、スパルタ~。海兵さんたちは大変ね~」

オカマ「お国のために働いたって、筋肉しかつかないわ...。う~やだやだ」

「もっと早く!」

オカマ「ん?」ピクッ

教官「もっと声をだせ!」ゲシッ

「はいぃ!」

教官「休むな、腕立てしろコラ!」ゲシッ

「は、はいっ!」ハァハァ

オカマ「...」

教官「死ぬ気でやれぃ!」ギラッ

オカマ「~!」キューン

オカマ「...い、いい男!」キラキラ

筋肉「ぐふっ、いい男!」テカテカ

オカマ「ん?」

筋肉「ん?」

オカマ「...」

筋肉「...」

オカマ「...」スッ

筋肉「...」ニギッ

ーーー

教官「お前たち!新に入隊する者がいる!」

オカマ「よろしくお願いしますっ!」

筋肉「よろしくお願いしますぅ!」

訓練生「...」ザワザワ

教官「いいか!この国と海を守るため、尽力せよ!わかったな!」

オカマ「はいっ!」

筋肉「はいぃ!」

教官「...」

教官「...なめてるのか!?その腐った精神も鍛え上げてやるからな!」バシィ! バシィ!

オカマ「うぐっ!...はいっ!」

筋肉「うっ、はいい!」

オカマ「いたたっ...、ひっぱたく事ないじゃない...。悪くないけど♪」

筋肉「さすが軍人...、脳まで響くビンタだったわ...♪」グフフ

オカマ「...入隊、しちゃったわね」

筋肉「ええっ、踏み込んでしまったわ」

オカマ「...アンタとなら狙える気がするわぁ」

筋肉「ぐふっ、奇遇、あたしも思ったわぁ」

オカマ 筋肉「あの引き締まった教官のケツ!」

オカマ「うふ、うふふふふ....」

筋肉「ぐふふふふ...」

オカマ「あ、今さらだけど、アタシはオカマ。よろしくね♪」スッ

筋肉「筋肉よぉ、よろしくぅ♪」ニギッ

キャッキャ グフフ

〈かくして、漢(おとめ)達の血と涙、汗と汁がちょちょぎれる、地獄の日々が始まった!〉

教官「体操を始める!続け!」

教官「1!2!3!4!」バッ バッ バッ バッ

訓練生「いち!に!さん!し!」サッ サッ サッ サッ

筋肉「ふん!ふん!ふん!」ザッ ザッ ザッ

オカマ「えっ、えっ?」

教官「馬鹿野郎!続けと言っただろう!」ゲシッ

オカマ「ぎゃふっ!す、すみません!」

教官「こうだ!こう!」バッ バッ

オカマ「い、いちぃ!にぃ!」ヨタヨタ

教官「もっと腰をいれろ!」グイッ

オカマ「きゃっ!?い、挿れろだなんて...」///

教官「...ふ、ふざけやがってぇ!」バシィバシィバシィ!

オカマ「あひい!!」

訓練生「...」ザワザワ

髭面「...」

教官「次は外周を10周!時間内に戻って来なければ昼飯は無い!」

訓練生「はいっ!」

教官「行けっ!」

ザッ ザッ ザッ ザッ...

オカマ「ひぃ...、ひぃ...、し、死ぬ、死ぬわ、マジで」グタグタ

筋肉「頑張って、まだ始まったばかりよっ!」サッサッ

オカマ「あ、あんたっ、でかい、図体の、わりに、ひぃ、動け、ふぅ、るわねっ、ひぃ!」

筋肉「鍛えてるから。大事な身体ですもの、ぐふふ♪」

オカマ「アタシも、すこし...、鍛えとく、死ぬわべきだった、わ...!?」ドン

オカマ「きゃっ!」ズシャッ

髭面「あら、悪いわね」フー フー

オカマ「...あ、アンタ」ピクッ

筋肉「ちょ、ちょっと!やめなさいって!」

髭面「...」ゴゴゴゴゴ

オカマ「...」ビカー

髭面「新入りの癖に、生意気」

オカマ「...」

髭面「教官のケツは、このワタシが頂くの。アンタじゃなくてね...」タッタッタッ

オカマ「!」

オカマ「じょ、上等じゃな~い!?」ムクッ

オカマ「こなくそぉ!」タッタッタッ!

筋肉「ちょ!ちょっとぉ!」ザッザッザッ

教官「腕立て1000回!始めっ!」

訓練生「いち!に!さん!し!ご!...」

オカマ「じゅうっ!じゅうにぃ!じゅさぁん!」グーイグーイ

教官「もっと低く!」ゲシッ

筋肉「31!32!33!」グッグッグッ

教官「ペース下げるな!あげろあげろ!」

髭面「155!156!157」グッグッグッ

教官「声出せもっと!」

オカマ「んぎぃ~!ひぎぃ~!」グッグッグッ

教官「数をかぞえろ!」ゲシッ

オカマ「くはっ...、な、何回だっけ...」

教官「馬鹿野郎!連帯責任だ!全員もう最初始めろ!!」

訓練生「...ちっ」

オカマ「はぁ...はぁ...くぅっ...!」ギリッ

教官「徒手格闘術の訓練だ!」

訓練生「はいっ!」

教官「先ずは手本を見せる!お前、受けろ」

イケメン「はい!」スッ

オカマ「...あら、なかなかいい男」

筋肉「...いえ、待って」

教官「いいか、まずは相手の動きを良く見る」スッ

教官「もし相手が突きを仕掛ければ...来い!」

イケ「っ!」シュッ

教官「突きをいなし懐に入り」パシッ グイッ

イケ「くっ!?」ドサッ

教官「組伏せて極める」グググ

イケ「がぁっ!」キリキリ

教官「よーしやってみろ!」

訓練生「はいっ!」

オカマ「うっわ~、エグいわね...」イタソー

筋肉「あれは確かに痛いわ。でも、彼はそうでもないみたいね」

オカマ「んん?」

イケ「教官、もう一度だけ教えてください!」

教官「お前は物覚えが悪い奴だな。まったく...、そいやっ!」ガシッ グイッ グルン

イケ「ぐあっ!」バシン

教官「こうだ。わかったな!」グググ

イケ「わ、わかりま、したっ!ありがとう、ぐぅっ、ございますっ」///キリキリ

筋肉「ね?」

オカマ「これは羨ましい」マガオ

筋肉「そっち!?」

オカマ「アタシもちょっと復習してくるわ♪」カツカツ

筋肉「いってらっしゃーい」

筋肉「じゃ、あたしはこっちをいただこうかしらぁ...」ニヤリ

訓練生「」ビクッ


オカマ「教官!あた、自分にも今一度おねがいしま~す!」

教官「貴様ら、やる気あるのか...」

イケ「僕が、教えてあげますよ」ニコッ

オカマ「嬉しいけど、アンタには用は無いわ」フイッ

イケ「おっと」グイッ

オカマ「きゃっ!?」バタン!

イケ「やだなー、そんな事言わないでおくれよ」グググ

オカマ「ぐっ!うぅっ!?」パシパシ

教官「出来るじゃないか」

イケ「!あ、ありがとうございますっ!」//パッ

オカマ「こ、こいつぅ~!」

オカマ「このっ!このぉ!」シュッ シュッ

イケ「ダメダメ、全然なってない」ヒラッ ヒラッ

オカマ「そおい!」ブン

イケ「はっ!」パシッ バッ

オカマ「ぐあっ!」ボコッ

イケ「うーん、こんなんじゃ教官に稽古をつけてもらうまでもないね」バシッ バシッ

オカマ「ぐふっ、がはっ!」

イケ「寝てなよ」シュッ

筋肉「はい」パシッ

イケ「...なに?」

オカマ「あ、アンタ...」ボロッ

筋肉「いーや、なかなか動けるイケメンがいたからぁ♪」

訓練生「」ピクピク

イケ「ふん、馬鹿力の変態オカマめ」

筋肉「あら、良く言うわぁ」スッ

筋肉「...ゲイでホモの変態さん」ボソッ

イケ「っ!こいつ!」ビシュ!

筋肉「いい突きだけど、えいっ」パシッ ネジッ

イケ「うぐっ!?」

筋肉「まだまだね」グイー

イケ「く、くそっ!」キリキリ

筋肉「っと」パッ

筋肉「教官!どうか自分にご指導お願いしまーす♪」

教官「いいだろう。かかってきなさい」ペキパキ

筋肉「ぐふふ、よろしくお願いしますぅ!」テカテカ

オカマ「ぐぬぬ...」
イケ「ぐぬぬ...」

教官「これより、射撃訓練を開始する!」

訓練生「はいっ!」

教官「弾は5発、20m先の的に全弾撃ち込め!無駄は許さん、弾丸1発血の一滴だと思え!」

訓練生「はいっ!」

オカマ「お、重いわね...」

筋肉「危なっかしいわぁ...」

教官「射手!目標正面の敵ぃ!」

訓練生「」ババッ!

オカマ「おっと!」バッ

教官「~~~!」

訓練生「」カチャカチャ

オカマ「こうやって...こうやって...」カチャカチャ

教官「射撃用意!」

訓練生「射撃よーい!」カチャ

教官「撃てぃ!」

オカマ「ひいいい!」ダダダダダーン!

筋肉「ファイヤーッ!」ダダン!ダダン!ダン!

髭面「...」ダン! ダン! ダン! ダン! ダン!

教官「撃ち方やめーい!」

オカマ「当たった...?あっ!当たってる!1発!いえ~い♪」

筋肉「おバカ、1発だけじゃないっ」

オカマ「アンタはどうだったのよ?」

筋肉「ぐふふん、4発よ♪」

オカマ「や、やるじゃない...」

髭面「ふん...甘いわね」

オカマ「なにがよっ!またおちょくりにきたのっ?」

髭面「...」

筋肉「げっ」

オカマ「なにが?」

筋肉「その人、全弾命中よ」

オカマ「なん...だと?」

筋肉「上手いこと的に☆まで作っちゃって」

髭面「それくらいチョロいものよ」フッ

オカマ「...」クルッ

髭面「な、なによ?」

オカマ「アンタ...」ガシッ

髭面「...!」

筋肉「ちょっとやめっ...!」

オカマ「すごいすご~い!」キラキラ

髭面「...は?」
筋肉「は?」

オカマ「ぜひとも射撃を教えてほしいわ~!だめ?」

髭面「な、な、なによアンタ、意味がわかんない」

オカマ「ほら、アタシまだ新人だし...?でもアンタはベテランぽいし!どことなくアタシたちと同じく臭いがするし!」

髭面「...」

オカマ「それにアンタは、ただ意地悪そうなフリしてるだけに思えるから...」

髭面「!」

髭面「ば、バッカじゃないの!?勘違いもいいところ!」

オカマ「そっか」

髭面「...ふんっ!」スタスタ

オカマ「...」

髭面「...アタシは厳しいわよ?」チラッ

オカマ「よっしゃ!ありがとう♪」

オカマ「うふふ、思った通りよりいい人じゃ~ない」

筋肉「ぐ、ぐふふふっ...」プルプル

オカマ「な~に笑ってんのよっ」

筋肉「だ、だってっ!ツンデレって...ぶふっ!」グハハハハハ!

オカマ「え~?かわいいところあるじゃない♪」

筋肉「ぐははは...あんた、なかなかの大物になるかもだわねぇ」

オカマ「そうかしら?」

教官「兵士たるもの、学問も疎かにしてはならない!」

訓練生「はいっ!」

教官「いいか!科目の試験に合格出来ない奴は、いくら実戦が出来ていようが除隊だ!」

訓練生「はいっ!」

オカマ「まさか、またお勉強することになるなんて。懐かしいわ~」グテーン

筋肉「...」ズーン

オカマ「だ、大丈夫?」

筋肉「ごめん、アタシはもうダメみたい...。教官のケツは、アナタにゆずるわ...」ニコッ

オカマ「ちょっと~!?」

イケ「騒がしいね、変態二人組?」スタッ

オカマ「アンタだって人に言えないでしょうに...、ほじくるわよ?」ワキワキ

筋肉「ダメよ...悦んじゃうわ」

オカマ「あ、そっか...」

イケ「...き~み~た~ち~!!」プルプル

イケ「こうなったら勝負だ!」ビシッ

オカマ「受けてたつわ!」

イケ「各科目の試験の点数が総合的に高い方が勝ち、いいね?」ゴゴゴ

オカマ「おもしろいわぁ...恨みっこ無しよ...」ビカー

筋肉「何か賭けたりしないの?」

オカマ「勝てばいい。それだけ」

イケ「ふん、せいぜい頑張りなよ...」

イケ「まぁ、ちなみに僕はかの☆☆高校(難関)を卒業しているが...ね!」フフン

筋肉「ま、まじでー?」

オカマ「あら、やるじゃない...。アタシは〇〇高校(超難関)卒業したけど」シレッ

イケ「なっ!?」

筋肉「ど、どんだけー?」

オカマ「ま、がんばって~」ヒラヒラ

イケ「きぃーー!!」

髭面「愉快な事してるじゃない」

オカマ「あ、アナタも参加する?」

髭面「ふん、気が向いただけなんだから...」

オカマ「はいはい」

筋肉「ぐふふっ...」

オカマ「問題はアンタなんだかね?」

筋肉「えっ?」

オカマ「脳味噌まで筋肉にしちゃったみたいだから、頑張って灰色にしなくちゃ!」

筋肉「お勉強だけはちょっとぉ...」

オカマ「友を放っておくなんて、出来ないよ」キラキラ

筋肉「あなた...」キラキラ

髭面「そこまでにしときなさい。さすがに気持ち悪いわ」

国語「はい、ではこの電報を読んでください」

「ワレアオバ、です」

オカマ「なによ、普通に読めばいいだけじゃない...ねぇ?」

筋肉「...」b

オカマ「ゲッソリした顔でサムアップしても...」

ーーー

数学「以下の条件で、この小銃から放たれる弾丸の速度を表しなさい」

オカマ「こんな簡単じゃない」カリカリ

筋肉「...」b

オカマ「アンタ、さっきよりちょっと痩せた?」

数学「答えを...あなた」

「??です」

オカマ「アタリっと」

オカマ「...」

オカマ「...ん?」

オカマ「ちょっとちょっと」ツンツン

筋肉「なにっ」ヒソッ

オカマ「この隊に女の子なって居たっけ?」

筋肉「いないわよ」

オカマ「え、じゃあ、さっき答えた人誰よ」

筋肉「え、聞いてなかったわ」

オカマ「もうっ、頼りないわねぇ」

オカマ「...」カリカリ

オカマ「...誰だったのかしら」

ーーー

英語「コノ、ブンヲ、アー、ムキムキノアナタ、ヨンデクレサーイ」

筋肉「えっ!あたしっ!?...あ、あいすぴーく、じゃぱにーず!」

英語「オーマイゴッド。デハ、アナタ、ドーゾ」

「~~~」ペラペラ

オカマ「!」クルッ

無口「~~~」ペラペラ

オカマ「あのこねぇ...!」

英語「アリガトーゴジャイマース!ミナサンモ、ヨンデクレサーイ」

筋肉「うえー...」

ーーー
オカマ「ど?も?」カツカツ

無口「!」

オカマ「こんにちは!」

無口「...」ペコッ

オカマ「あ?、アナタ!お勉強得意なのね!どれも完璧だったわぁ♪」

無口「...」

オカマ「...」

オカマ「その、なんていうの?」

オカマ「アナタ、とても綺麗な声してるじゃない」

無口「っ」ガタッ

スタスタ

オカマ「あらら...」

筋肉「逃げられちゃったわね」

オカマ「あのこも辛い思いをしてきたのよ...きっと」

筋肉「かわいそうだけど、放ってあげるのも優しさじゃない?」

オカマ「...」

オカマ「そんなんじゃダメよ!」

オカマ「ドン底をさまよって、もがき苦しむあの気持ち、アナタだって解るでしょ?」ニコッ

筋肉「!」

筋肉「そ、そうね...!もぅ!あたしのバカバカッ!」バキバキ

オカマ「ちょっ、落ち着いて~」

無口「...」スタスタ

オカマ「あ、やっほ~♪元気してるぅ?」ポン

無口「!?」ダダッ

オカマ「えっ、逃げないでよ~!」

ーーー

無口「...」トボトボ

無口「あうっ」ドンッ

筋肉「あらん?」グルッ

無口「!!」

筋肉「大丈夫ぅ?」ズイッ

無口「す、すみま...!」ダダッ

筋肉「あらあら」

筋肉「...」

筋肉「...なるほど」

筋肉「ちょっとかわいいかも♪」グフッ

ー学習室ー

無口「...」

無口「...」キョロキョロ

無口「...はぁ」

オカマ「ため息なんかついて、どうしたの?」ヒョコッ

無口「うひゃあ!?」ビキーン

筋肉「おっと、だいじょーぶ?」

無口「う、うわわわっ!」ダダッ

オカマ「ま、まって」

髭面「ふぅ...うっさいわね、何してるの?」

無口「ぎゃあああ!」

イケ「君たち、いじめは良くないな!」グイッ

無口「きゃあああああ!!」

イケ「え...」

オカマ「こら~!いじめるな~!」

筋肉「みそこなったわぁ」

髭面「最低ね」

イケ「待て、それはおかしいんじゃないかな!?」

無口「...ぐすっ」ウルッ

イケ「あ...」ドクン

無口「な、なんなんですか...、ぼ、ボクをいじめる気ですか?」グスッ

オカマ「お、驚かせごめんなさいね。別にアタシたち、いじめるつもりはないわ!ねっ!」

筋肉「そうよ。まぁ、あたしたちにからまれたのは嬉しくないかも知れないけど」

髭面「ワタシはなんの事かわからいわ」

イケ「ふっ、同じ隊の仲間なのだ。お近づきになりたくてね」

無口「...」

オカマ「ワタシはあのね、アナタとお友達になれたらなぁって、思っただけなの」

オカマ「そりゃ、アタシたちは変わり者だけど、誰かをいじめたり、虐げたりはしない」ニコッ

無口「...!」

オカマ「...うん」

オカマ「お、おほほ、それだけよ。ごめんなさいね...」

無口「う、.....い、です」

オカマ「ん?」

無口「う、うれしいです...!」

無口「ボク、よ、弱気だし、男らしくないし、昔から、いじめられてて...」

無口「いきなり声をかけられて、怖くて逃げちゃった、けど...」

無口「ご、ごめんなさい!」

無口「だ、だから、...あの、その...」

オカマ「...」

無口「ど、どうか、お友達に、ならせてください!」ペコッ

オカマ「...」

オカマ「や~ん!う↓れ↑し↑い→~!」

オカマ「ありがとね!アタシはオカマ。よろしくねっ♪」

無口「む、無口ですっ」

オカマ「ほら、アンタたちもっ」

筋肉「よろしくねぇ♪」グフフ

髭面「ま、せいぜい足手まといにならないようにね」フン

イケ「君とは仲間になるべくして、僕は生まれて来たのだろうね」フッ

無口「...で、では、失礼します」ペコ

オカマ「またね~♪」

筋肉「ぐふふ♪」ヒラヒラ

オカマ「...さて」チラッ

筋肉「ふぅ」チラッ

髭面「...」チラッ

イケ「よし...ふふふ」グッ

オカマ「な~にが、よし、よ」シラッ

筋肉「なーにが僕は生まれて来たのだろうね(キラッ)よぉ」ムキッ

髭面「キモい」ジョリッ

イケ「キミに言われたくないな!!」

オカマ「そして、各科目の試験が終わったのでした!」

筋肉「誰に話してるのぉ?」

オカマ「さ~て、結果発表が掲示板にのるわぁ...ちょっと緊張してきた」

筋肉「あなたは大丈夫でしょ」ホジホジ

オカマ「アンタはもうちょっと緊張しなさいよっ!」ペシッ

訓練生 ガヤガヤ

オカマ「おっと、混んでるわぁ」

オカマ「ごめんね~、ちょ~っと通して~」サワサワ

〈ダ,ダレダー!〉〈オレジャナイ!〉

オカマ「どれどれ~?」

髭面「遅かったじゃない」

オカマ「あはん、ちょっと野暮用ってやつよ」

髭面「訳わかんない」

髭面「じゃ、ワタシは戻るわ」フイッ

オカマ「え~、もうちょっと楽しみましょうよぉ」クネクネ

髭面「そう言うのは若い子達でやりなさい」ヒラ

オカマ「若いって...アナタいくつなのよ...」

筋肉「どおぉ?みんな合格してるー?」ノッシノッシ

〈オスナー!〉〈ア,ツブレタ〉

オカマ「今見るとこ~」

筋肉「どれどれ?」

ー合格者ー
※優秀者順

国語::無口 オカマ イケメン

数学:無口 オカマ 髭面

社会:無口 オカマ イケメン

理科:無口 オカマ 髭面

英語:無口 オカマ イケメン
以下略

オカマ「あのコすっごぉい!」

筋肉「どんな脳味噌してんのぉ」

筋肉「てゆーか、アンタも大概よぉ!」ドンダケー

オカマ「まぁ、難しい事はなかったわねぇ♪」

オカマ「そんなことより!アンタちゃんと受かってたんでしょうね!」

筋肉「そう!そうなの!ちょっと見てこれぇ!」ドシンドシン

オカマ「ちょ、跳ねると、揺れるわぁ...、ん~?」

オカマ「...」

オカマ「...」

オカマ「オール、61点」

オカマ「て、これ赤点ギリギリィ!ギリギリよこれぇ!」

筋肉「合格しました」

オカマ「ま、まぁ、うん。よかったわね。おめでと」

筋肉「ありがとー!これはアナタのおかげよーぅ♪」ギュー キリキリ

オカマ「どういたし、ま゛っ、くるしっ...つぶれ、つぶつぶっ!」パシパシ

オカマ「あ、無口ちゃ~ん♪」

無口「!」

無口「...」ペコッ

オカマ「あ~」

オカマ「1位そうなめおめでとう~」ツンツン ヒソヒソ

無口「...あ、ありがとう、ございます」コソコソ

無口「あ、あとちゃんはやめてください...」コソコソ

オカマ「かわいいのに...」シュン

無口「...」

無口「も、もっと人がいない時になら...」//

オカマ「!」

オカマ「わ、わかった♪」//

筋肉「なにこれ」

オカマ「そういえば、まだアイツを見てないわねぇ」キョロキョロ

筋肉「そこそこ」ツンツン

オカマ「ん?」

イケ「ぬーーーーー...」

オカマ「うわぁ、ブサイク」

筋肉「たんかきってぼろ負け、かっこ悪ぅ!」

イケ「...」

イケ「笑えよ」

オカマ「なにを?」

イケ「僕は君に負けたんだ!見下して、笑うといいよっ」

オカマ「...」

オカマ「何言ってんのよ」クスッ

イケ「くっ...」

オカマ「アンタがどう思ってるかは知らないけど、アタシはそこまでアンタのこと見下してないわよ」

イケ「...」

オカマ「仲間じゃない?」

イケ「..:!君...」

オカマ「まぁけど、勝ったからには言わせてもらうね」

イケ「何をだい?」

オカマ「ぶぉあかめっ♪」

イケ「!!!!」ビキー

イケ「きいいいいいぃぃ!」

オカマ「おーっほっほっほ!」

筋肉「あんたたち、仲いいわよね」

オカマ「あ~楽しい」

筋肉「ほんとね」

オカマ「...あれ、なんで入隊したんだっけ?」

筋肉「お尻お尻」

オカマ「あっ、危ない、忘れてたわ」

オカマ「教官...、早く会いたいわぁ!」

髭面「何もう終わってしまいそうな雰囲気だしてんの」

オカマ「えっ」

イケ「そうだ...、まだ、まだ終わらないよ!」

無口「...せ、せっかく友達になれたのに」

オカマ「アナタたち...」

オカマ「そうよね!頑張らなくちゃ!」

筋肉「ぐふふ、どんな具合なのかしらぁ♪」

髭面「ま、ワタシが頂くんだけどね」

イケ「ぼ、僕だって...!」チラッチラッ

無口「...み、皆さん、何を狙ってるんですか?」

変態「教官のケツ!」ビシッ

無口「...え、えぇ」

訓練生「君達、仲いいね。どうだい?一枚」

オカマ「あら素敵♪お願いしま~す」

筋肉「はいはい、じゃ、並んで並んでー」グイグイ

髭面「わ、ワタシはいいって...」

イケ「うまく頼むよ」キラッ

無口「...♪」ニコ

訓練生「はい、チーズ!」カシャ

教官「コラー!何遊んでんだ!!」

オカマ「やっば!」

ーーー

提督「...で、撮った写真なの♪」

川内「へー!いーなー!楽しそう!」

暁「素敵な仲間に会えたのねっ!」キラキラ

那珂「え、那珂ちゃんにはもっと...な、なんでもないや...」

響「...那珂先輩、大丈夫。私もです」ポン

提督「でね~!そっからなんだけど~!」

ウウウウウウゥゥゥゥゥ....

那珂「げっ、お昼なっちゃった!早く仕上げないと!」

提督「あら、もうそんな時間?ごめんなさい、長くなっちゃったわ」

響「大丈夫だよ。さぁ、早く戻ろう」

暁「司令官!暁が作った牛乳ゼリー、食べてみて!」

川内「あー、腹減ったぁ!」

朝潮「司令官!今日の建造はいかがなさいますか?」

提督「そうね~、しばらく資材を貯めておきたいから、今日も建造はお休みってことで~、ヨロシク!」ビシッ

朝潮「かしこまりました!」ピシッ

初春「御前さま、演習の誘いがきておりまするぞ!」

提督「おっけ~!じゃメンバーは古鷹、加古、利根、筑摩、祥鳳、瑞鳳で決まり!初春には今日の遠征の旗艦をお願いするわね♪」

初春「お任せじゃあ!」

長門「あ、あの、私は何をしたら...」イイノカ

提督「長門には...そう!お風呂掃除をお願いしようかしら!力有り余ってるじゃない?ん~、でも一人じゃ可愛そうだから、あとでアタシも手伝うから、一緒に頑張りましょ♪」

長門「わかった...!」イチバンブロハ,テイトクトハイレルカモ! キラッ

叢雲「...」

叢雲「はぁ、いつも思うのだけど...」

叢雲「有能なのにどうしてオカマなのよ」

提督「え~?それちょ~今さらなんですけど~!」チチチ

叢雲「...あら、こんなところに魚雷が」ガコン

提督《失礼しました》バリトン

叢雲「気持ち悪い」フン

提督「ど~したらいいのよぉ~!」グネグネ

叢雲「はいはい、あんたは早く書類片付けるっ。長門を待たせてるんでしょ。私は遠征組の支度手伝ってくるから、ちょっと空けるわ」

提督「は~い。あ、遠征先は北方だから」

叢雲「防寒着ね、わかってるわ」カツカツ

提督「さっすが~♪ありがとね」

叢雲「ん」ガチャ

バタン

提督「...」

提督「ふぅ」

提督「ここも、賑やかになったわね」

提督「...」

提督「...うん」

提督「さて、お仕事お仕事っと」カリカリ

トントントン

「...」

トントントン

叢雲「入るわよ?」ガチャ

バタン

提督「...」

叢雲「どうしたの?俯いて」カツカツ

提督「...」

叢雲「...」

提督「...すぅ」クー

叢雲「...え、居眠りとか」

書類〈キッチリ〉

叢雲「...」

叢雲「...」

提督「...う~ん」

叢雲「...アホ」

叢雲「...」

叢雲「また少し、痩せたんじゃない...」

叢雲「...」ツン

提督「...う」プニ

叢雲「ふふっ」

ーーー

ー鎮守府正面ー

ヒュルルルル...

「...」ザッ

チュートリアル娘「...」ピシッ

「...」ピシッ

ヒュルルルル...

チ娘「ようこそ当鎮守府へ!提督閣下♪」ドンドンパフパフ!

提督「お出迎え、ありがとうございます」

チ娘「わたくし、鎮守府の説明役を給りました、チュートリアル娘でありますッス!」

提督「あた、小生は大本営より派遣されました、オカマ大佐であります」

チ娘「さささ、立ち話はなんなんでご案内しますッス!こちらへどうぞどうぞ!」

提督「失礼します」

ー執務室ー

ガチャ

チ娘「失礼しまーす!!」バーン

「ひっ!」ビクッ

チ娘「あ、ごめーん!びっくりした?」

「あああ、あんた!バカじゃないの!? 」ガコン

チ娘「まままま、その魚雷をリリースしたまえ。提督閣下のお通りッスよ!」

提督「し、失礼します」

「!」

「あ、あんたが司令官ね?ま、せいぜい頑張りなさい」フサァ

チ娘「この娘、すっごい照れ屋だから、気をつけてね!」

「...」グリッ

チ娘「あおん!」

チ娘「いてて...こんなんス。マジ」

提督「あ、あはは」

「...」キッ

チ娘「あっ、あー!で、では提督閣下!ここでのお勤めを説明しますッス!」

チ娘「提督閣下にはこの鎮守府で、来るべき時に備えるため、戦力の確保と強化をしてもらいたいのでーす!」

提督「戦力の確保と強化...」

チ娘「あ、今、鉄砲とかミサイルとか思い浮かべたッスか?」

提督「ええ」

チ娘「ちっちっちー、あいにくですが、それでは戦えないのでッス!」

提督「な、なんと」

提督「では、どういった...」

チ娘「はい!こちらです!」ジャーン

「...ふん」

提督「お、女の子...?」

チ娘「ただの狂暴な女の子じゃございません!皆様、大変お待たせしました!自己紹介タイムです!どうぞー!」

「だ、誰が狂暴よっ!あとハードルをあげるなっ!」

チ娘「ツッコミありがとうございます!」

叢雲「と、特型駆逐艦五番艦の叢雲よ」

提督「むら、くも...」ピクッ

叢雲「...なに?知らないの?」

チ娘「知らないのー?ふっふっふっ...」ニヤリ

提督「駆逐艦、叢雲...」ンー

叢雲「まったく、ありえ」

提督「大阪、藤永田造船所で建造。1928年、9月27日進水、1929年5月10日就役。全長118.5メートル、幅は...」

叢雲「なくない!わ、わかったから!それ以上はやめて!」///

チ娘「...こいつぁ、やるかもしれねぇ!」

提督「でも、あれは船であって、人間では」

叢雲「私は人間じゃないわ」

提督「...」

叢雲「...」

提督「...なるほど、そういうこと」

チ娘「え、把握しちゃったッスか?」

提督「まぁ、ね」

叢雲「...」

提督「そうだ、まだこちらの紹介がまだでしたね」

チ娘「よっ、待ってました!」パパン

提督「んー...」

叢雲「...?」

提督「長い付き合いになるんだもの、かくしちゃダメよねっ!」キュルン

叢雲「えっ」

チ娘「キター!」

提督「本日より、この鎮守府で指揮をとります、オカマ大佐ですっ!よろしくねっ♪」

叢雲「...」

チ娘「いっひっひっひっ」クスクス

叢雲「ええええええっ!?」

提督「あれ、ヤバいかんじ?」

チ娘「大丈夫ッスよ!叢雲ちゃんは優秀な秘書艦ッスから!ほらほら!」

叢雲「や、やだ」

提督「よ、よろしく?」

叢雲「ありえなーい!」ダダッ

ガチャ バーン!

提督「...」

チ娘「ま、そうなるなぁ」

提督「アンタ、どっちの味方よ...」

チ娘「どーしよっかなー。これからお仕事内容説明するところだったんスけどー」

提督「それは、あの娘でも説明できること?」

チ娘「はい♪あの娘に説明してもらうところでしたぁ。いやー、逃げられちゃったしなぁ。どーしよっかなー?」チラッチラッ

提督「そ、なら探して聞き出すわ」

チ娘「さっすが提督閣下!おっとこ前ー!」

提督「アンタに言われても、あんまり嬉しくないわね~」

チ娘「こんな美少女なのにっ!」

提督「残念!アタシは美男子のほうが好きなの♪」

チ娘「お、オカマなんて嫌いだーっ!」ダダダッ

ガチャ バーン!

提督「差別よくな~い!」

ガチャ

チ娘「...大変だと思いますけど、よろしくお願いします」チラッ

提督「任せなさい!」

チ娘「じゃ!ご武運をー!」シュッ

提督「うわ~、すっごい不安...」

提督「すぐには受け入れられない、か」

提督「うぅ~、海軍基地が恋しいわぁ...」

提督「...」

提督「よし、泣き言はおしまい。あの娘をさがさなくっちゃ!」

ガチャ

叢雲「あ」

提督「あら」

叢雲「わ、悪かったわね。頭を冷やしてきた...」

提督「あ、うん」

叢雲「...」

提督「...」

叢雲「どいてくれる?入れないのだけれど」

提督「あぁ!ごめんなさいっ」サッ

叢雲「こほん、じゃ、改めて説明するわ」

叢雲「あの小さいのが言ってたように、アンタにはこの鎮守府で、戦力の確保と強化をしてもらう」

提督「うんうん」

叢雲「ここでいう戦力っていうのは、私達、艦娘をさすの」

叢雲「艦娘ってのは...、まぁ、この現代に、人型兵器として生まれ変わった艦船と思ってくれていいわ」

提督「なるほどね」

叢雲「...」

叢雲「本当に理解してる?」ジッ

提督「もちろん、なんで~?」

叢雲「ならいいけど」フイ

叢雲「話を進めるわ」

提督「は~い」

叢雲「...」

叢雲「まず、艦娘を増やすには、工廠で建造しなければならないの」

提督「建造...」

叢雲「建造は、燃料、鋼材、弾丸、ボーキサイト、この4つのみで行うの。他の材料は必要ないわ」

提督「ほうほう」

叢雲「後、開発というのがあって、そこで砲や魚雷、艦載機などの兵器を造ることができる。材料は建造と一緒だから」

叢雲「これらを行うことで、戦力を発展させることが可能よ」

提督「ふむ」

叢雲「...」

提督「...うん!早速やってみましょうか!」

叢雲「そうね」

提督「...」

叢雲「...」

提督「あのぉ...」

叢雲「なに?」

提督「アタシ、ここの地理がまだわからなくて...」

叢雲「...そうだったわね、こっちよ」

提督「あ、待ってよぉ!」

ー廊下ー

叢雲「...」コツコツ

提督「...」カツカツ

叢雲「...」サラッ

提督「...」

叢雲「あまりじろじろ見ないでくれる?」

提督「あ、ごめんなさい。とても綺麗な髪だったから...」

叢雲「...」

叢雲「...」コツコツコツ

提督「え、あ、ちょ」

叢雲「置いてくわよっ!」

提督「は、はいっ」トットッ

ー工廠ー

ガチャン ギギギギ

叢雲「ここが工廠」

提督「へ~、あまり広くないわね」キョロキョロ

叢雲「...」

叢雲「で、これが建造炉、あっちが開発炉」

提督「すごい形の機械ね...」

叢雲「このパネルに材料、ま、資材の量を打ち込んで、あとは実行するだけ」

提督「なるほどね。ちなみに今ある資材はこれってこと?」

叢雲「そう。限りある資源よ。大切に使いなさい」

提督「は、はい」

提督「ん~」カチカチカチ

提督「とりあえず、最低限の量で建造してみましょうか」カチカチッ

提督「...ふぅ、緊張するわね。...えいっ」ポチッ

ガシャコン ウイイイィィィ...

提督「動いた!すごい迫力!」キラキラ

叢雲「...」

叢雲「ちなみに言っておくけど」

提督「ん?」

叢雲「私達艦娘は兵器なの。その気になれば、アンタだってタダですまないって事、忘れないで」

提督「...」

提督「そっか」

提督「なら、仲良くならなきゃね♪」ニコ

叢雲「...!」

叢雲「ばっかじゃないのっ!」

提督「あら、もう物言わぬ船じゃないんだから、もっとお互いを知る事は大切じゃないかしら?」

叢雲「ぅ...」

提督「それにアナタの事も、もっと知りたいしね!」

提督「うふっ♪」バチコン

叢雲「や、やだ...ありえない」ツツツ

提督「や~ん!引かないで~!」クネクネ

叢雲「クネクネしない!まったく、気持ちの悪いオカマねっ!」

提督「手厳しぃ~!」グネグネ

提督「ところで、建造ってどれくらいかかるの?」

叢雲「私も詳しくは知らないけど、艦の種類によって違うみたい。一番早く出来上がるのは駆逐艦で、遅くなるにつれて大きな船になるわ」

提督「そういうことね。じゃ、さっき20分ってあったのは、早い方なのかしらね」

叢雲「まぁ、初めは駆逐艦しか出ないと思うけど」

提督「そうなの?なら、アナタの姉妹も来るかもね♪」

叢雲「ふ、ふん。別にどっちでもいいわ」

提督「素直じゃないわねぇ~」

叢雲「うっさい」

提督「うふふっ。待ってる間に、開発、いってみる?」

叢雲「...任せるわ」

提督「これも資材を入力して、実行するのね」カチカチ

叢雲「そうよ」フリフリ

提督「何してるの?」

叢雲「開発は、建造と違って秘書艦の技術も必要なの」

叢雲「ま、やるだけやってみるわ」

提督「ところで、なにか狙ってる物はある?」

叢雲「そうね、...魚雷、だといい、かも」

提督「おっけ~♪」

提督「じゃ、弾丸を少し増やして...、鋼材もどうかしら」カチカチ

提督「ん~魚雷でてこい!」ポチッ

叢雲「よっ」ガシャコン

キラキラキラキラ...

『61cm四連装(酸素)魚雷』GET!

提督「あ、でた!」

叢雲「うそぉ!?」

叢雲「ささ、酸素魚雷!酸素魚雷じゃないっ!」キラキラ

提督「アナタの魚雷とは違うの?」

叢雲「こんなのとは比べ物にならないわ!」

提督「へ~、そっか」

提督「じゃあはい、どうぞ」

叢雲「...い、いいの?」

提督「もちろん!アナタのために造ったんだから!」

叢雲「...」

叢雲「...ん」

叢雲「装備してきたわ」ガコン

提督「なにこれスゴッ!」

叢雲「艤装よ。これで敵と戦うの」

提督「へ~!かっこいい!その12.7cm連装砲も素敵ね!」

叢雲「あら、見る目あるじゃない」

叢雲「そしてこの酸素魚雷...」

提督「ますますアナタの魅力が増すわね♪」

叢雲「っ!」

叢雲「...そ、そんなところよっ!」プイッ

提督「よかった~♪」

叢雲「...」

叢雲「...ありがと」ボソッ

提督「ん?」

叢雲「早速打ってみたいわね。的になってみない?」ニッ

提督「え、遠慮しとくわぁ~...」

提督「おっと、そろそろ時間かしら?」

叢雲「そうね」

提督「...あ、出来るわ!」

キラキラキラキラ...

「...」シャッ

初春「妾が初春じゃあ。よろしく頼みますぞ!」パタパタ

提督「なんか古風な娘が出来たわ!」

叢雲「初春型ね」

提督「はじめましてっ、アタシがアナタの提督よ。よろしくねっ♪」

初春「...」ジロー

提督「...」

初春「...お主、おのこで間違いあるまいな?」

提督「ええ、まぁ、間違ってないわ」

初春「しかし、その口調は...」

提督「うふふ、オカマは初めてかしら?そうね、体は男、心は乙女!そんな感じよっ♪」

初春「なんと面妖な...」

提督「大丈夫!アタシは男にしか興味ないから!危害はないわぁ!」

初春「え」
叢雲「え」

提督「え?」

叢雲「まぁ、オカマは放っておいて、私が叢雲よ。ま、せいぜい頑張りなさい」

初春「うむ、よろしくじゃ」

提督「お、おいてけぼりぃ~!」

提督「よし、これで建造と開発はおっけ~!」

叢雲「そうね、なんとかなったわ」

初春「ほほう、貴様は駆け出しの提督であったか」

提督「そうなの~。だから、アナタの事、いろいろ教えてね♪」

初春「ふむ、よかろう」

叢雲「プライベートは大事にしなさいよ」

提督「うふ、アナタたちみたいなかわいい娘たちに囲まれるのも、悪くないわね♪...アタシオカマだけど」

叢雲「なによ急に、気持ち悪い」

初春「...」

初春「き、貴様は妾が可愛くあるのか?」

提督「もちろん!雰囲気とかまるでお姫さまみたいで素敵よ♪」

初春「そ、そうか...ほっほっ」//

提督「ふふっ、はにかんだ顔もかわいいわ」ニコッ

初春「は、はうう...」///

初春「く、くるしゅうないぞっ、よきにはからうのじゃ!」パタパタ

提督「うん、よろしくね♪」

叢雲「なにこれ」

提督「さぁて、これからどうしたらいいのかしら?」

叢雲「後はアンタが指揮をとりなさい」

提督「も、もう教えてくれないの?」

叢雲「私だって提督業はどうするのか知らないの」

提督「そっか...」

叢雲「...」

提督「とりあえず、この指南書を見て覚えなきゃね」ペラッ

叢雲「...」

提督「なになに...、艦を増やしたら、出撃、演習、遠征で錬度をあげて...」

叢雲「...」ススッ

提督「資材を調達するには遠征が必要なのね」

叢雲「...待って」

提督「おっと?」

叢雲「遠征するには、第二艦隊を開放しないといけないわ。ほら、ここ」ズイッ

提督「あ、あら、ホントだわ。見落としてた」

叢雲「頼りないわね。私がついてないと何も出来ないの?」

提督「な、なにも言えないわぁ...」

初春「...むっ」

初春「叢雲や」

叢雲「なに?」

初春「お主、少々口が過ぎるのではないか?」

叢雲「そ、それはこいつが」

初春「今日が初心の者に、その物言いは些か厳しすぎるぞ」

叢雲「う、うるさいわね!アンタには関係ないでしょっ」

提督「おい」

叢雲「!」
初春「!」

提督「仲間内で喧嘩は止めなさい」

初春「し、しかしこやつが」

提督「初春、叢雲はアタシのために教えてくれてるだけよ」

初春「う、うぅ、そうで、あるか」スゴスゴ

提督「...うふふ、アタシをかばってくれたのね。ありがと」ナデ

初春「...」クリ

叢雲「...ふんっ」

提督「叢雲」

叢雲「うっ」

提督「...」スッ

叢雲「っ!」ビクッ

提督「むらくも~♪」ギュー

叢雲「わわあっ!?」

叢雲「ちょ、ばか、セクハラッ!離しなさいっ!」///

提督「...アナタが意地っ張りなのはよくわかったわ」

提督「でも、決して意地悪でないってのもわかってるからね」

叢雲「...」

提督「頼りないかもしれないけど、アタシに任せて」

提督「寂しい思いはもう、させないわ」

叢雲「...」

叢雲「...ん」

初春「なんぞ、めでたいのぉ?」ウフフ

叢雲「!?」///

提督「よし決めた!初春、アンタもこっちよりなさい」

初春「う、うむっ」ソソッ

提督「これからアンタたちとアタシは家族よっ!」グイッ

叢雲「い、嫌よ、そんなの!」ググッ

初春「なんと、では...妾が妃に...」//ピト

提督「そして我々の勝利は、この平和を守ること!」

提督「見よ、この暁に染まる大海原を!」

提督「勝ちましょう!終わりなき戦いに!誓いましょう!この水平線に!」

叢雲「やぁよ!はな、離しなさいぃ!」

初春「御前さまっ!」

提督「暁の水平線に!勝利を刻むわよぉ~!」

ーーー
提督「...う、ううん」ウト

提督「...」パチ

長門「...」ジー

提督「はっ!」ガバッ

長門「おはよう...」ウルッ

提督「おはよう...長門」

叢雲「あら、よく寝たわね」

提督「えっ!今何時!?」

長門「お昼前だ...」フロソウジハ,オワッタゾ...

提督「ご、ごめ~ん!長門~!」

長門「いい、いいんだ。はは...」オフロ...

提督「お、お仕事が終わったら...」

長門「いいだろう!」ヨッシャ!

提督「あっ...」

長門「ふっふっふっ、その言葉、忘れないでくれ」テイトクトオッフロ

ガチャ バタン

提督「うぇ~、居眠りとか...弛んでるわ...」

叢雲「ねぇ」

提督「ん?」

叢雲「...疲れてるなら...いいなさいよ、ばか」ボソッ

ウウウウウゥゥゥゥ...

提督「え、なぁに?」

叢雲「...!」

叢雲「なんでもない!」カツカツカツ

提督「...叢雲」

叢雲「しょ、食堂」

叢雲「早く行くわよ」ピコッ

提督「え、あ、待って!」ガタッ

叢雲「...」クスッ

ガチャ バタン

ー防波堤ー

提督「ふぅん、今日も海は穏やかねぇ~ん」スタスタ

ミャア ミャア

提督「ウミネコも元気だこと」

ミャアミャア ミャアミャアミャア

提督「...ん?」

「...」プカーン チャプチャプ

提督「えっ!?大変!!」

提督「お~い!大丈夫~!?」

「...」チャプチャプ

提督「いけないっ」ヌギッ

ダッ!...ドボン

提督「ちょっと!」バシャバシャ

「...」ガシッ

提督「しっかりしなさい!」グイッ グイッ

提督「はあっ、はあっ...」ザブザブ

「...あぶふっ」プハッ

提督「ちょっとアンタ!わかる?」ペンペン

「...う、ううん」

提督「息はあるわねっ」

提督「ちょっと~!誰か~!」

提督「って、誰もいないじゃないっ!」

「...」

提督「女の子...学校の制服ではないから、艦娘よね」

〈なんだなんだ?〉

提督「妖精さん!」パァ

提督「いきなりでごめんなさい!大至急ドックの用意をお願い!」

〈んー?おやおや!わかった、まかせんしゃい!〉ドロン!

提督「ありがとう!」

提督「ふんっ、待ってなさい」ギュ

「う、あ...」ボヤァ

提督「今ドックに連れていくからね!」タッタッ

「...」

ー執務室ー

「いやー、たーすかったよー!」

提督「も~、すごくびっくりしたぁ~」

「助けてくれてありがとうだよっ!うーん!」

提督「うふふ、元気そうでなによりね♪」

提督「ところでアナタ、どこの艦娘?自慢じゃないけど、ここはなかなかの辺境よ?」

「あーうん。それなんだけどさぁ」

提督「うん」

「あたしねぇ...」

提督「う、うん...」

「なんと...」ゴゴゴ

提督「...」ビカー

「なんも覚えてないんだよねぇ!」タハァ!

提督「なんかそんな気がしてたわぁ!」アラァ!

アハハハ!オホホホ!

提督「って、アンタどうするの?このまま野良艦娘じゃ廃棄されちゃうわよ」

「えっ、ここで雇ってくんないの?」

提督「あら、そうくる?」

「あ、あたしは役にたつぜぇ?」ゴマスリ

提督「ほう、どこんとこぉ?」

「ちょっと紙とペン、貸してくれる?」

提督「じゃあ...これで」ハイ

「どもっ」

「ちょっと動かないでねぇ」カリカリ

提督「...」

「...」サラサラサラ

「はい、できた!」

提督「はやっ」

提督「どれどれ...」

提督「いや、いやいや、アナタ...」

「へっへーん!上手く描けたっしょ!」

〈影の多いイケメン提督の絵〉

提督「え~、これはちょっとダメかなぁ~」

「がびーん!?」ガビーン

提督「もっと美しく描いてみて♪」アハーン

「...え、うん」

「...っかしーな...イメージ通りなんだけど...」カリカリサラサラ

「...ゴニョゴニョ」シュッシュッ

「...っと、こうかな?」ピラッ

提督「ふぅん...」ジー

「...」ゴクリ

提督「アンタ採用♪」

「...うぇ!?や、やったー?」

提督「じゃ、改めて自己紹介してもらおっかなぁ~♪」

「あ、うん」

秋雲「あたしは秋雲!こう見えて、陽炎型駆逐艦だよっ」

提督「秋雲ねっ!アタシはこの鎮守府の提督よぉ♪」

提督「あ、ちなみに男にしか興味ないから、セクシュアルなハラスメントは無いから安心してね♪」バチコン

秋雲「ってーとー...、提督さんはオネェってことかい?」

提督「今時でいえば、そうなるわねぇ」

秋雲(...だから最初のは失敗だったのかぁ)

2枚目〈耽美な乙女系提督の絵〉

秋雲「あ、あはは...」

秋雲(まてよぅ...)ピキーン

秋雲(自覚はしてないが、なかなかの男前だよこの提督さん...オネェだけど)

秋雲(この人、女に興味ないってこたぁ、まだチャンスはあるかもねぇ。ライバル少なそう?)

秋雲(...べ、別に助けてもらった事での一目惚れってんじゃないし!...うん)

秋雲(でもまぁ、あわよくば...)//

提督「大丈夫?」ズイッ

秋雲「うひゃあ!?」

提督「ご、ごめんね、近かすぎた?少し顔が赤かったから...熱っぽかったら言いなさいよ?」

秋雲「あああ、ありがとう、大丈夫!」

提督「うふふっ、アンタも今日からアタシたちの家族なんだから、遠慮はいらないからね」ニコ

秋雲「!」

秋雲「...」ブツブッ

提督「ど、どうかした?」

秋雲「な、なんでもないよ!さぁて、どなたかここを案内してくれないかなぁ?」チラッ

提督「そうね、じゃアタシが案内してあげる♪」

秋雲「うわーい!」

提督「ついてらっしゃ?い」カモーン

ガチャ バタン

コンコン

「...」

コンコン ガチャ

加古「提督ー?いるー?」

加古「ま、いねぇから返事ないんだけどな!」ハハッ

加古「なんだよ、暇だから構ってもらおうと思ったのに...」チョロチョロ

加古「...んん?なんだこれ」ペラッ

加古「!!!」

加古「だ、だれだコイツ!」///

加古「こ、こっちはっ!?」ペラッ

加古「あっ、あー、うん、提督ね」

加古「...」ジー

加古「上手くできてるなぁ...」

加古「...」

加古「よし」ゴソゴソ

「何がよし、なの?」ヒョコ

加古「うおおおお!?」

加古「き、如月!いつ入ってきた!?」ガサッ

如月「うふふ、今しがたよ。ねぇ、後に隠したのはなぁに?」サワサワ

加古「ぎゃっ!な、なんでもな、あふっ...!やめろ、そこはっ!あっー!」ヒラリ

如月「あら?」

如月「まぁ...」ピラッ

如月「素敵な絵、ね...♪」ペロリ

ー廊下ー

秋雲「ねぇねぇ!提督さんはいくつなんだい?」トコトコ

提督「あら、レディに歳を聞くなんて、なってないわねぇ」カツカツ

秋雲「レディって...。じゃあさ、好きな食べ物は?」

提督「そうねぇ、お肉とぉ、お魚かな?」

秋雲「なるほどなるほど...」カリカリ

提督「...」

提督「なにやってんの?」チラッ

秋雲「おっとダメダメぇ、これは見せられない!」サッ

提督「えー、んもう!けちんぼ!」

秋雲「にしししっ!」

ー食堂ー

ガヤガヤ ガヤガヤ

秋雲「わーお、いるねぇ」

提督「みんなここで駄弁るの好きなのよねぇ~」

〈ア,テイトクー〉フリフリ
〈コンニチハー〉ブンブン

提督「うふふ」ヒラヒラ

秋雲「...」

〈オ,シンジンサンダ〉
〈ミンナセイレツー〉

提督「は~い注目~」パンパン

ビシッ

秋雲「お、おー...」

提督「え~、こちらが、今日新たに仲間になる娘よ!はい、どうぞ」

秋雲「お、おっし...」

秋雲「陽炎型駆逐艦の、秋雲でっす!どぞ、お見知りおきをー!」

ヨロシクオネガイシマス!

秋雲「あ、よ、よろしくお願い、します」ヘコッ

提督「実は今回は建造はしてません!」

ザワッ!

提督「ゆ、誘拐じゃないわよ!ドロップだからね!」アセアセ

ホッ

提督「みんな、仲良くしなさいよ♪」

ハイッ!

提督「はい、かいさ~ん!」

ガヤガヤ

秋雲「おぉー...」

提督「うふふ、いい娘たちでしょ♪」

秋雲「いやー、終始おー...としか言葉がでなかったよ...」

秋雲「てか、ちゃんと提督さんやってんだねぇ。ちょっと安心だよ」

提督「う~ん、みんな最初は疑ってかかるのよね~。ま、わからなくはないけどっ」

秋雲「おもしろい人だねぇ、提督は。他所ならもっとおっかないもんだと思うけど」

提督「ヨソはヨソ、ウチはウチよ♪」

秋雲「こりゃまるでお母さんだ」イシシ

提督「あら、お母さんって言ってくれたの、アナタが初めてよっ♪」ウフフ

秋雲「そっかぁ!」アハハ

時雨「やぁ」

提督「あらぁ♪時雨きゅ~ん♪」クネッ

秋雲「どもっ」

時雨「僕は時雨。よろしくね」

秋雲「よろしくっ」

時雨「そうだ、ようやくうちにも陽炎型がきたね」

提督「あっら~?そんなこと.......あったわね!」

秋雲「うっそー、あたしけっこう姉妹多いんだけどなぁ」

提督「ね~。まさか、最初に来たのが末っ子なんですもの~」

秋雲「おもしろいことがあるもんだ!」

時雨「ふふっ」クスッ

時雨「思ったんだけど、その制服って夕雲型の制服なはずだよね?」

秋雲「あ、やっぱりそう思う?いやー、あたしもなんでかなーって」

時雨「でもうん、よく似合ってる」ニコ

秋雲「そ、そうかい!にしし、ちょっと照れ臭いねぇ」//

秋雲「そだ!」

提督「これ?」ペン ト カミ

秋雲「う」

秋雲「うはー、さすが提督!できるオカマだねぃ!」

提督「ありがと♪」

時雨「なんだい?」

秋雲「うーん、ちょーっと動かないでね」カリカリ

時雨「え、あ、ぼ、僕は別に...」//

提督「まぁまぁ、この娘なかなかいい仕事するわよ」

秋雲「あー!その表情いいねぇ!捗るわぁ!」サラサラサラ

時雨「て、提督ぅ...」///

提督「ぶふふっ...かわいすぎ...!」

秋雲「はいできた!どうよ!」

時雨「う、うん」ヒラッ

〈頬を染める時雨、提督を添えて〉

提督「わ~まるで絵画みたいね!」

時雨「す、すごい...」

秋雲「これはあなたにプレゼント!」ヒラリ

時雨「いいのかい?」

秋雲「いいのいいの!だってほらぁ...」

秋雲「し、時雨はあたしの、最初の友達じゃん?」モジモジ

時雨「...ふふっ、そっか。じゃ、ありがたく頂くよ。秋雲」

秋雲「いしししっ」ヘヘン

提督「じゃ、あたしたちは次へ行きましょうか」

秋雲「はいよー」

時雨「次はどこを案内するんだい?」

提督「道なりに行けば、工厰かしら」

時雨「なら、僕もご一緒してもいいかい?少し用があるんだ」

提督「あら、時雨きゅんがいいならぁ♪」

秋雲「いいよ!」

時雨「ありがとう」

ー廊下ー

時雨「1つ聞いてもいいかな」

秋雲「ん、なぁにぃ?」

時雨「そんな絵の腕、どこで磨いたの?」

提督「あ、それアタシも気になってたの~。なんでなんで?」

秋雲「あー、これ? 」

秋雲「まぁ昔の話なんだけど。ある絵描きさんがあたしに乗ってたんだけど、その人がまぁー上手なんだわ!」

秋雲「で、アタシもそんなふうになりたいなぁーって、それでいろいろ勉強してて、現在に至るわけですよ」

提督「努力家なのね...」

時雨「そうなんだ」

時雨「じゃ、その道ではもう秋雲はベテランじゃないかな」ニコ

秋雲「そ、そんなことないってー!まだまだ素人だよ!」

ー工厰ー

ガシャン ギギギギ

提督「ここが工厰よ」

秋雲「ほえー、こりゃなかなか、味がある機械だねぇ」メモメモ

時雨「何を書いてるの?」

秋雲「これぇ?まぁ、ネタ帳ってやつさ」

提督「見せては~?」

秋雲「あげられないねぇ!」サッ

提督「ですよね~」

時雨「あはは」

時雨「じゃ、僕はここで」

秋雲「そういや、何しに来たの?って聞くのは野暮かな?」

時雨「大丈夫だよ。なに、ちょっと装備のメンテナンスさ」

提督「お手入れに余念がないわね」

時雨「僕の出来ることをしなきゃ、ね」

提督「ま、工厰は建造と開発、あと改装くらいかしらね」

秋雲「ふむふむ」

提督「じゃ、次いってみま」

ガション!

加古「提督!いるか!?」

提督「あら、加古じゃない。どうしたの?穏やかじゃないわね」

加古「い、いや、ちょっとな」

加古「なぁ、この絵描いたヤツ知ってる?」タンビテイトク

秋雲「おりょ?それあたしが描いたやつだよ」ヒョコ

加古「お前が?...へぇ、新造艦か」

提督「いいえ、拾ったの」

加古「ひ、拾ったぁ!?誘拐か!?」

提督「ち、違う違う!ドロップよドロップ!」

加古「あっ、あー、そっちかぁ。ビックリしたぁ」

提督「も~やめてよ~。アタシがそんなひとに見えないでしょ~?」

加古「だよなー」

提督「も~ぅ♪」

アハハハ ウフフフ

秋雲「...」

秋雲「あ、あのー、えーとぉ」

加古「あぉん、自己紹介まだだったか!アタシは加古!よろしくぅ!」

秋雲「あ、秋雲ですー。そのー、加古さん、なんか言いに来たんじゃないんですか?」

加古「え?あー..............あれ、なんだっけ?」

提督「その絵がどうのって?」

加古「っあーー!そう!それ!!」

提督「加古ったら、忘れっぽいんだからぁ」ツン

加古「まったくだぁ!」ハハハ!

秋雲「話が進まないよぉ...」

加古「そうだ、如月を見なかったか?」

提督「如月?見てないわねぇ。どうしたの?」

加古「いやさ、提督の机に置いてあった絵を見つけてさ」

加古「あまりに良い出来だったからちょっと借りようかなぁーって思ったら、如月に取られて...」

提督「アナタがその絵を持ってるってことは、男前の方を如月は漏ってたのね」

加古「そうなんだよぉ!あたしが欲しかったのにぃ!」ジダンダ

提督「え~...」

秋雲「あ、だったらもう一枚描くよー?」

加古「えっ、ホントか!?」パァ

秋雲「さっきの紙とペンがあるからねっ」カリカリ

加古「おぉ、はえーなー」

秋雲「ふぬぬぬぬ...どうだっ!」サラサラサラッ

加古「もうかよ!?...どれぇ?」ピラッ

加古「...」ジー

秋雲「...」

加古「パーフェクトだ」サッ

秋雲「おそれいります」ガシッ

提督「なんでよ~。そっちのキレイな絵の方が絶対良いって~!」クネクネ

加古「それは...いいかな」

秋雲「うん。どうにもイメージじゃないなー」

提督「それはおかしぃ...」ショボン

加古「あ、それはそうと如月なんだけど」

加古「あん時さー、なかなか悪い目してたから気をつけなよ」ポン

秋雲「あたしが?えー...なにそれこわい」

提督「あの娘はふだん大人しいけど、けっこう積極的なところあるからねぇ~」

提督「ま、大丈夫でしょ!」

秋雲「そっかー!...ってなんかフラグくさい!」

加古「あー、やっともやもやがスッキリした!これで寝れる!」

提督「アンタねぇ...まだ寝るつもりなの?」

加古「16時間睡眠があたしの信条でね!」

加古「ま、提督がよければぁ、添い寝してくれてもいいんだよぉ?」ススス

秋雲「...」ピクッ

提督「アンタと違って忙しいのっ。お昼寝はまたの機会ね」グイッ

加古「ちぇー」

秋雲「...添い寝はいいんだ」

提督「じゃ、ここはこの辺にして、次いきましょ」

秋雲「うん」

加古「おきをつけてー」

秋雲「どもっす!」ペコ

提督「うふふ、おやすみ♪」ヒラヒラ

ー廊下ー

提督「...といった感じかなぁ~。ウチの現状は」カツカツ

秋雲「そうなんだー」トコトコ

提督「ん~そうねぇ、なんか質問あるぅ?」

秋雲「」キラン

提督「...!」

秋雲「待ってました質問ターイム!」メモ!

秋雲「ではまず、身長と体重は?」

提督「そ、そんな質問なの?」

秋雲「いえーす!大事だよ!」b ビシッ

提督「え、え~...、前の健康診断だと、確か182cmだったかな?体重は...ヒ ミ ツ ♪」

秋雲「ヒミツって...提督は男じゃーん!恥ずかしくないでしょ?」

提督「男じゃないわ、オカマっ!乙女に体重の話はタブーよっ」

秋雲「んー、まぁいっか!はい次!」

提督「え、えぇ」

秋雲「血液型は?」

提督「A型よ」

秋雲「星座は?」メモメモ

提督「牡牛座」

秋雲「ふむふむ」メモメモ

提督「...この質問、必要?」

秋雲「そりゃもう!」

秋雲「あと、お歳は?」

提督「う~ん、ナイショにしておくわ♪」

秋雲「それくらいいーじゃん...」

秋雲(ま、後で執務室漁ってみますか)

提督「あ、ちなみにアタシの身分証明は厳重に保管してるから、執務室漁っても無駄よ♪」

秋雲「ぐぬぬ、そっかぁ...ん?あれ?」

提督「もうおしまい?」

秋雲「あ、あとひとつ!」

秋雲「ご結婚は、されてますぅ?」ワクワク

提督「結婚?してないわ」

秋雲(ッシャキター!)

提督「ここ、海軍なのに男が一人もいないんですもの...相手が居なくてまいっちゃうわぁ」

秋雲「そ、そうだった、この人男好きだった!」

提督「ま、色恋沙汰してる暇なんてないわ。今はアンタたちとこうして働いてるわけだし」

秋雲「でもこの戦いが終わったら?」

提督「そうね、終わってから考えるわ」

秋雲「...」メモメモ

秋雲(おさらいするとー、提督、性別はオカマ、身長182、体重は...見た感じには細身だから65前後かな?血液型はA型で牡牛座、未婚っと)

秋雲(あぁ男好き...。実にもったいない。でもネタとしてはオイシイ...複雑な気分...)

提督「いかがだったかしら?」

秋雲「あ、うん!ご協力ありがとうございますっ!」

提督「ふ~、なんか職質された気分だったわ...」

秋雲「えっへへー?なんか悪いことでもしたのかい?」

提督「昔はよく不審者扱いでね。あの頃は肩身が狭かったわぁ~!」

秋雲「あ、あはは...。オカマを雇う軍も軍だけど...。ましてや提督になれるんだからなぁ。すごいよね!」

提督「人は見かけじゃない、中身が大切なのよっ!」

秋雲「おおっ!その通りだあっ!」

ードックー

提督「ここがドックよ」

秋雲「目が覚めるとそこは、知らない天井であった...まる!」

提督「人造人間なんかウチにはないわよ」

秋雲「おっとー?提督イケる口だねぇ」

提督「かじる程度よ。てかそれ古くない?」

秋雲「名作は時代を越えるのよ!漫画はいい!この国の生み出した宝だよ、うーん!」キラキラ

提督「はいはい」

秋雲「ね、この扉なぁに?」

提督「よく聞いてくれました!」

提督「ここが我鎮守府特別の医務室よ!」ガチャ

秋雲「医務室ー?」

山城「はぁ...不幸だわ...」ドヨン

〈元気だせよー〉

〈せっかくの美人が台無したぜぇ?〉

提督「あら、お取り込み中?」

〈あっ!提督閣下!〉ピシッ

山城「はぁ..................、えっ!姐様!?」

提督「やっほ~」ヒラヒラ

山城「あ、う、お、お疲れ様です!」ピシッ

提督「どうしたの?怪我でもしたの?」

山城「あ、いえ...」

〈この娘も姉と一緒で、よくここに顔を出すんです〉

〈さみしい娘なんだよ...〉

山城「五月蝿いわよ...?」ギロッ

〈ひゅいっ!!?〉

秋雲「わかる、わかるよ!」

山城「ん?」

秋雲「この白を基調とした清潔感、薬くさいメディカルな雰囲気、ベットにカーテン...普段お世話にならないはずのこの部屋に、何故か足を運ばせる!」

秋雲「...デビュー...黒歴史...保健室...うっ、頭が...」ブツブツ

山城「何?この娘...」

〈頭大丈夫?〉

提督「き、今日から仲間になった
の!ほら!」

秋雲「あ、秋雲です...。今なんか思い出しそうだったんだけど...ま、いっかぁ!」

山城「あなた...幸せそうね」ハァ

提督「おもしろい娘でしょ♪」

山城「私は山城。ふこ...扶桑型戦艦二番艦よ...はぁ...」

秋雲「初対面で申し訳ないんだけど、ため息ばかりついてちゃ幸せにはなれないよぉ?」

山城「はん、新入りのあなたにはわからないわ...」

秋雲「ほほう、しかしあたしは暗い顔ほど笑顔にさせたくなるもので!」サッ

秋雲「ちょっと妖精さん方!山城さんの肩とか頭とかに乗ってもらます?」

山城「あ、あんた何を」

〈よっしゃ肩だー!〉

〈あたまとーり!〉

〈おい、そこはあたしが乗るんだよぉ!〉

山城「...」ワラワラ

秋雲「いいねぇ、いいよぉ、華やかだ!」カリカリ!

山城「ね、姐様...」

提督「まぁまぁ、すぐ終るわ」

提督「それに、妖精さんといると楽しいでしょ?」バチコン

山城「...」

〈このしかめっ面めぇ!おい肩のやつ!こいつの頬っぺた持ち上げろ!〉

〈はいさー!〉グニッ
〈よいしょー!〉ムニッ

山城「!」

秋雲「それいただき!」シャシャシャ

山城「や、やめなさい!」ガタッ

〈うわー〉コロコロ

山城「こんな事してなんになるのっ!」

秋雲「はい、できた」ピラッ

山城「...っ」

提督「見てみなさいよ」ポン

山城「...」

〈妖精と戯れて、笑顔をこぼす山城の絵〉

秋雲「...んまぁ、気に入らなかったら捨てても...」

山城「...」

山城「...これ」

秋雲「?」

山城「扶桑姉さまと一緒のやつも、描ける?」

秋雲「お安いご用で」

山城「...そう」

提督「...」

提督「...うふっ、素敵じゃない?」

山城「ま、まぁまぁね」

秋雲「あははー、どもっ」

提督「さぁて、アタシたちは次行きますか」

秋雲「はーい」

〈秋雲ちゃん!そのうちまたおいでー!〉

秋雲「ありがとー!」

提督「うふふ、またね♪」ヒラヒラ

山城「...」

山城「ふふっ、こんな顔しないわよ...」

〈かわいいぜぇ...〉クスクス

山城「う、うるさい」

ー廊下ー

秋雲「ちょっと煽り過ぎたかなぁ...」

提督「アナタ、ちょっと口が達者かもね」

秋雲「戦艦クラスはおっかないからねー...」

提督「うふふ、でも山城は、満更でもなかったみたいよ」

秋雲「ホント?」

提督「ええ。扶桑の居ない空間であの雰囲気はかなり良い方よ」

秋雲「そ、そっか」

提督「やるじゃないっ」バチコン

秋雲「にししっ、光栄だねぇ♪」

提督「あと~、仕事やドックのあるアナタたちにはあまり関係ないと思うんだけど~」カツカツ

秋雲「うぇ~?なになに?」トコトコ

提督「なんと」

秋雲「うん」

提督「こんな所にっ」

秋雲「うーんっ」

提督「ババンババンバンバン!」

秋雲「ビバノンノ!」

提督「温泉があるのよぉ♪」

秋雲「温泉があるのかぁ!」

提督「...」

秋雲「...」

提督「ま、それだけなんだけどね」

秋雲「あれぇ?」ズルッ

ー浴場・更衣室ー

提督「ま、ここを使うのはアタシか、物好きな娘くらいかしら」

秋雲「ここだけ見たら旅館だねぇ、こりゃ」

提督「お風呂も広いのよ♪」ガラララ

秋雲「うへー!え、ここ一人占め?」

提督「そうよ~♪」

秋雲「いいなぁ、こことドックくっつけちゃえばいいんじゃん!」

提督「ダメよぉ、酸素魚雷が発射されるわ...」

秋雲「どゆこと?」

〈ックシッ!〉

提督「...まぁまぁ!それはそれってことでっ」

秋雲「ふーん?」

提督「じゃあ~、後は執務室戻るけど、なんかある?」

秋雲「.....っは!」

秋雲(提督...お風呂...全裸...ヌード!)ktkr!

秋雲「はいはい提督!」ノ

提督「どうぞ?」

秋雲「お風呂入りたいです!」

提督「早速ね、いいわよ」

秋雲「ホントに!?」

提督「自慢のお風呂よぉ、当然じゃない♪」

秋雲「じ、じゃあご一緒に...」ゴニョゴニョ

提督「アタシは先に戻るわねっ、ごゆっくり~」ガラララ...

秋雲「あっ、ちょ、提督...」

秋雲「...」

秋雲「...入っとこ」ヌギヌギ

ー浴場ー

秋雲「...」

秋雲「...」チャプチャプ

秋雲「...ふぁあぁ」

秋雲(参ったなぁ...)

秋雲(...)

『待ってなさい!今ドックに連れていくからねっ!』

秋雲(見てました。薄目で。かっこよかったなぁ...)

秋雲「...」

秋雲「はああああぁ...」

秋雲「いくらオカマでも、時雨や加古先輩から伝わるあの信頼感」

秋雲「倍率高いだろうなぁ...きっと」

秋雲「...」

秋雲「...」チャプン

秋雲「いい湯だなぁ~...」

ー執務室ー

ガチャ バタン

提督「ふぅ、戦力増強は良いことよね。駆逐艦が占めてるけど」

「うふふ...」

提督「!」

「お待ちしてましたわ」クルッ

提督「あ、アナタはっ!」

ー浴場ー

秋雲「んあーあっちぃー...」

秋雲「そろそろあがりますかぁ」ザブッ

ドタドタ

「き、如月っ!まって、タイムー!」

秋雲「ん?」

ドタドタドタ ガラッ!

如月「ようやく、出会えましたわ...絵の人!」ハァ ハァ

秋雲「えっ!なに!なにっ!?」ササッ

提督「に、逃げて...」ビローン

秋雲「て、提督ー!?」

如月「させませんわっ!」ピョン

秋雲「おぶふっ!」ガバッ

ザッパーン!

提督「ちょっ、大丈夫~!?」

如月「...ぷわぁっ!い、勢いあまってタックルしちゃった...」

如月「はっ!秋雲さん!」ザバッ

秋雲「」プカーン

提督「あ」

如月「あら」

提督「秋雲~っ!!」ザブザブ

提督「ふぅん!」ザバー

提督「秋雲、秋雲!」ペンペン

秋雲「ぶふあぁ...だ、だいじょぶ、だいじょぶ...」

提督「よ、よかった...」

提督「あがるわよ、立てる?」

秋雲「うん、たて...っ」キュピーン

秋雲「ない!こ、困ったなー」チラッ

提督「...」

提督「うふふっ、わかったわ。これ羽織っときなさい」ヌギッ

秋雲「あ、ありがと」パサッ

提督「持ち上げるわよ」グッ

秋雲「うん...」ギュ

秋雲「...」ザバー

提督「...」ザブザブ

秋雲「あ、あはは、重くない?」

提督「そう?なら羽のようだ、って言っておこうかしら、ふふっ」

秋雲「」

秋雲「ま、またまたぁ!上手いんだから提督わぁ!」

提督「そうでしょ?」

秋雲(お、落ち着け、落ち着くのよ秋雲。この人はあれだ。みんなに優しいんだ、うん。)

秋雲「いやー、まさか2度もだっこされちゃってー!悪いなぁー!」

提督「良いじゃない?アタシもされてみたいわぁ」

提督「だって身体をあずけるのよ、それが相手が相手なら堪らないわねぇ。その腕に包まれて、ね」

秋雲「...っ!!」ビクッ

秋雲(こ、これはマズイ!いや、おいしすぎる!でも今あたしほぼ裸!)

秋雲(あー、意外とがっしりしてるんだなぁ...いい匂いするし...)チラッ

提督「...」ザッブザッブ

秋雲(かっこいいなぁ...、時間、止まったり、しないかな)

提督「よいしょ、じゃ降ろすわよ?」

秋雲「あっ...」ギュ

提督「ん?」

秋雲「...んーん、ありがとう」パッ

提督「ちょっと待ってなさいね」ガララ

秋雲「うん」

秋雲「...」

秋雲「き、緊張した...」バックバック

秋雲「いひ、いひひっ...」//

如月「...」

秋雲「...あ」

秋雲「あー、如月、さん?」

如月「」クルッ

秋雲「うえっ...」ビクッ

如月「...」ニコッ

如月「どう?うちの提督」

秋雲「そ、そっすねー、素敵っす」

如月「そうでしょうそうでしょう」

如月「提督は文武両道、才色兼備、殿方で有りながら乙女心を兼ね備える、もはや超人」

秋雲「は、はい」

ガララ

如月「よくって?あの方は私たちの星!」

如月「提督は誰にもわたさもふっ!?」ポフッ

提督「もー、褒めすぎよ如月♪」

如月「ホントの事ですわ!」

提督「ありがとっ、ほらバスタオルよ」フワッ

秋雲「...ありがとう」

提督「風邪ひく前に拭いちゃいなさいね」

如月「提督ー♪拭いてくださる?」チラッ

提督「...ほ~らよしよしよし~」ワシャワシャワシャ

如月「あ、あぁん!激し過ぎですぅ♪」

秋雲「...」フキフキ

提督「...」

ー執務室ー

提督「で、如月は秋雲を探してどうするつもりだったの?」

如月「そうでしたわ!秋雲さん!」

秋雲「な、なんでしょう?」

如月「あなた、絵がお上手なのねっ」

秋雲「いえ、それほどでも」

如月「あ、あのー、そんなにかしこまらなくても...」

提督「あら如月、嫌われてるわね~」

如月「え゛っ」

秋雲「...」モジモジ

如月「べ、別にそんなつもりじゃ!」

如月「ご、ごめんね?アレはそんなっ!いじめたりなんかしないから、ねっ?」ギュ

秋雲「わ、わかってます、はい」

提督「あら、これは難しそう」

如月「うわーん!」

秋雲「え?提督と如月さんの絵を描くの?それだけ?」

如月「そうなの!ここにあった絵がとても素敵だったから、提督の絵を、私を添えて...ダメ?」

秋雲「なーんだ、そうだったのねぇ」

如月「な、なんだと思ってた?」

秋雲「いやー、なんか地のはてまで追っかけて、危ないことされるー、みたいな?」

如月「しーまーせーんー!」

秋雲「...ほんと?」

如月「でも、お風呂場でぶつかったのは謝るわ、ごめんなさい!」ペコ

秋雲「...」

如月「...っ」チラッ

秋雲「じゃ、仲直りの握手っ」サッ

如月「うぅっ!ありがとう~!」ギュー

提督「...」ニコニコ

秋雲「じゃあ、これはちょっと気合いいれなきゃだねぇ!」

秋雲「ではではお二人さん、ちょっと内側向いて、ここ座ってー」

提督「は~い」

如月「うふふ♪」

提督「嬉しそうねっ」

如月「それはもう!提督との思い出が増えるんですものっ」

提督「写真じゃないあたり、粋よね!」

秋雲「はいはーい、動かないでね」

提督「おとと」ピシッ

如月「うふ、うふふふっ♪」

ー数分後ー

秋雲「うくくくくっ!...できたあっ!」

提督「気合い入ってたけど、ホントに早いわね」

如月「...」ドキドキ

秋雲「いかがかな?」ガタタッ

如月「...」

提督「まぁ...」

〈執務室に映えた、凛々しい提督と笑みを浮かべた如月〉

如月「ステキ...」

秋雲「被写体がいいからね!」

提督「ありがとね、秋雲」ナデナデ

秋雲「にししっ...」///

秋雲「一番の報酬だよっ」

如月「これ、私かもらっていいのかしら?」

秋雲「もちろん!如月の為に描いたんだし」

如月「ありがとう、本当にありがとう!」

如月「これで捗るわぁ...」ニヘー

秋雲「っ」ピキーン

秋雲「もし良かったら、部屋で見てみてね」ヒソッ カサッ

如月「?わかった」

如月「では、戻ります」

提督「お疲れ様~」ヒラッ

秋雲「ばいばーい」

如月「失礼しましたー、おやすみなさい♪」

ガチャ バタン

提督「秋雲もお疲れ様」

秋雲「あー、もー疲れたー」

提督「鎮守府回っただけなのに、日がくれちゃったわね」

秋雲「でも今日は...生まれて一番良い一日だった。そんな気がするよ」

提督「そっか」

秋雲「これからもそんな日が続く予感!」

提督「当然よ!アタシがいる限りねっ♪」

秋雲「やっぱり男前だねぇ」

提督「男前はやめてほしいわ~」

秋雲「うーん、ムリかなぁー」ニシシ

提督「アナタの部屋は駆逐艦の寮に用意してあるから、好きにお使い」

秋雲「ありがとう!」

提督「仲良くやりなさいね。みんな良い子だから」

秋雲「了解でっすぅ!」ピシッ

提督「じゃ、明日もよろしくね!」

秋雲「はいっ!」

秋雲「ではー、失礼します!」

提督「はーい」

ガチャ

秋雲「...」ジー

提督「...ん?」

秋雲「おやすみっ」

提督「おやすみ」ヒラヒラ

バタン

ー夜中・秋雲の部屋ー
コンコン

秋雲「...んあぁ...誰だよぉ」ヨロヨロ

秋雲「はーい?」ガチャ

如月「こんばんはっ」

秋雲「あれー、如月?なーに?」

如月「あなたの、これ...」ピラッ

秋雲「あ、それどうだった?」

如月「...さ、最高だった...」///

秋雲「それは良かったぁ♪」

如月「ねぇ、これ完成させない?」

秋雲「おっと、こんなに早く仲間ができるなんて」

如月「絵はあまり描けないけど、妄想なら負けないわ!」

秋雲「よしきた!いっちょやっちゃいますか!」

如月「えぇっ!やっちゃいましょ!」

「「提督総受本!」」

「それから艦娘達の間で、極秘裏にその本が出回り、鎮守府内の社会現象になったのは、また別のお話」

ー食堂ー

ガヤガヤ ワイワイ

日向「...」クー クー

ワイワイ ガヤガヤ

ゥゥ...

日向「...」パチッ

ヴゥゥゥゥゥン...

〈エ,カンサイキ?〉

〈ン?ア,ズイウン〉

〈ズイウンダ!〉

ザワザワ

日向「」ムクッ

ゥゥゥ...バシュー

日向「...」

日向「...来たか」

〈日向様、御無沙汰しております!伊勢よりご伝言です〉

〈今年モ催ス、時刻フタサンマルマル。オ土産ヨロシク!とのことです〉

日向「ふっ...ご苦労、提督にはもう顔出したかい?」

〈はい、クネクネされてました〉

日向「そうか。じゃあ扶桑達と長門にも頼むよ」

〈なんと!今年は長門様もいらっしゃるのですね!楽しみです!〉

日向「あ、奴は初めてか。なら簡単に説明しといてくれ」

〈了解!ではまた!〉

ブルン!ブルブルブブヴヴヴ...

ヴゥゥゥゥゥン!

日向「...」

日向「用意するか」

ー執務室ー

提督「そっか」

提督「も~そんな時期かぁ」

提督「な~に着ていこうかしら♪」

提督「あっ、今年は長門も行くことになるわね!」

提督「...どんな反応するかしら」

提督「...」

提督「あの娘達にも、そういった道があるってのも示せるし」

提督「...うん」

提督「...」

提督「あ~楽しみぃ~♪」

トン トントン

提督「はぁい?」

ガチャ

長門「て、提督」ヒョコ

提督「あら長門、どうしたの?」

長門「そ、その...」イマシガタ ズイウンガ...

提督「あっ、アナタにもいったのね。それじゃ話は早いわ♪」

提督「そんなところにいないで、ほら、入りなさいっ」

長門「し、失礼する」バタン

提督「で、どうしたの?長門っ」

長門「折角のお誘いなのだが、そ、その、私のようなものがそんな、華やかな席についてもいいのかと...」

提督「なっ...」

提督「な~に言ってんのよおバカさんアタック!」チョップ!

長門「!?」イテッ!?

長門「...」タタカレタ...

提督「もう、見た目は大人、頭脳は子供なんだからっ」ナデナデナデ

長門「...そんなこと」ナイモン

提督「いい?これはアナタ達戦艦の為に設けた席なの。それがどういうことか、連合艦隊旗艦だったアナタにならわかるわよね?」

長門「...」

提督「だからアナタはアナタのままでいいの。なにも着飾ることなんてないわ。うふん♪おっけ~?」

長門「お、おっけぃ」

提督「ところで、アナタお洋服とか持ってる?」

長門「お恥ずかしながら、一張羅なんだ」

提督「なるほどね。じゃあ今回はアタシの服を貸してあげるぅ♪」

長門「そ、そんな、私はこのままでも...」

提督「ダメよぉ!女の子なんだから身嗜みはだいじっ!」

長門「う、うむ...」

提督「となると時間がかかるわね。よし!今からアタシの部屋に行くわよ!」

長門「!」テイトクノヘヤ!

長門「い、いいだろうっ、お願いするっ」フンス

提督「うふふっ、任せなさい。ついてらっしゃい!」

ー執務室・2時間後ー

提督「ふぅ~。良い仕事したわぁ♪」

長門「...」モジモジ

提督「もう、そんな顔してたらもったいないわよっ」

長門「そ、その...」

〈黒いレースのワンピース、白いふわふわ、黒ストッキング、ボルドーのハイヒール〉

長門「なんというか、すごく、挑戦的だ...」ヒラヒラスケスケ...//

長門「そ、それに」

長門「化粧はなれないな...」ジカンカカッタ

提督「基がいいからすごく似合ってるわよ♪」

長門「そんなこと...」ハズカイシケド ウレシイ///

提督「それに基が良くて薄化粧だけで映えるから、羨ましいわぁ」ジ-

長門「う...」モジモジ

提督「正直、アタシの服なのにアタシより似合ってて、少し妬ましいわっ!」フフッ

長門「そういえばこれ、提督の服なのだな...」

トントン

提督「どうぞ~」

ガチャ

扶桑「失礼します」

山城「し、失礼します」

提督「あらぁ、アナタ達!気合い入れてきたわねっ」

扶桑「そうでしょうか?」ニコッ

〈紅白の和服、艦橋盛り盛り〉

山城「気合い抜いたら崩れますから...」プルプル

提督「無理しなきゃいいのに」

山城「姉さまがやるのでしたら、私も続くまでです!」グラグラ

扶桑「山城、大丈夫?」

山城「今大丈夫になりました!」ピタッ

扶桑「あら?そこにいらっしゃるのは...」

長門「...」コンバンハ

扶桑「長門さん!どうしたの?かわいいっ!」キラキラ

提督「そうでしょそうでしょう!」フフン

長門「て、提督に見繕ってもらったのだ」

扶桑「その服、去年提督が着てらしたけど、見違えるわね」

長門「...」ヤハリ キテタノカ

山城「...」

長門「ふ、扶桑と山城も、華やかで見目麗しい」

山城「当然よ、姉さまですもの!」

扶桑「うふふ、ありがとう」

提督「うふふ、段々雰囲気出てきたわね♪」

長門「提督はそのままで行くのか?」アマリ ジュンビ サレテナイ?

提督「うん...前回ちょっとね」トオイメ

扶桑「に、似合ってましたよ!」

山城「少しやり過ぎた感も、一味ありましたよ!」

提督「山城?」ビカー

山城「あっ、いや、悪い意味ではぁっ!」

コンコン

扶桑「は、はぁい、開いてますー」

ガチャ

日向「おっと、もう揃っていたか」バタン

長門「日向...?」

日向「ん?...誰だ?」

長門「な、長門だっ」

日向「おぉ、誰だか分からなかったよ」

日向「美人過ぎてね」サラッ

長門「っ」///

長門「ひ、日向はどこか男性的だな」カッコイイ

〈ブランウ系のスーツ、ネクタイ、瑞雲型ネクタイピン〉

日向「これくらいしかなくてね」

扶桑「日向さん、こんばんは」ペコ

日向「やぁ」

日向「君の妹さんは、今日も元気だね」

扶桑「かわいいわよね♪」

日向「...ふふっ」

提督「あら日向、いらっしゃい」

山城「はぁ、はぁ」グラグラ

日向「君達は仲が良いのか悪いのか」

提督「え~?仲良しよねぇ?山城?」

山城「ハイ、姐サマ...」

日向「はっはっ」

山城「...」ムスー

提督「さぁて、皆揃ったわね!そろそろ会場に向かいましょうか!」

ー鎮守府正面ー

提督「送迎は叢雲に頼んであるわぁ」

長門「か、彼女は駆逐艦では?」

提督「見た目は少女でも、駆逐艦なのよねぇ」

長門「あぁ、なるほど」コドモデハナイナ

扶桑「靴がいつもと違うから、歩きにくいわ...」カラン コロン

山城「姉さまだいじょ」

日向「大丈夫か、手を貸そう」スッ

扶桑「そ、そんな」

日向「ほら」ギュ

扶桑「す、すみません、ありがとうございます」//

山城「...」

日向「山城も、大丈夫かい?」

山城「お構い無く」フン

提督「あらあら」

長門「...」タノシソウ

提督「よく見ときなさい。日向がはしゃいでるなんて珍しいから♪」

長門「提督」

提督「なぁに?」

長門「今日は、日向にとって特別なことでもあるのか?」

提督「あら、いい感してるじゃない」

提督「でも、そうね。向こうについてからのお楽しみってことで」

長門「そうか」

長門「...」

ブロロロロロ...

提督「あ、きたきた!」ヒラヒラ

ブルルルル

長門「ワンボックスってやつか...」クルマ アッタノカ

提督「は~い、のってのって~」ガチャ

提督「運転手さん、よろしくねぇ♪」

叢雲「はいはい」

扶桑「よいしょっと」

山城「ふんっ、ふんぬっ」

日向「...」グイッ

山城「きゃっ」ストン

日向「おっとすまない、強引だったか」

山城「ふ、ふん!別になんともなかったし...」

提督「乗った~?」

「はーい」

提督「じゃ、レッツゴー♪」

ブルルルルロロロ....

ーーー

扶桑「...」
山城「...」
日向「...」
提督「...」

長門「...」モジモジ

叢雲「大丈夫?ちゃんと済ませたの?」

長門「す、済ませてある!...じゃなくて」

叢雲「あぁ、あんたは初めてだったわね」

長門「...」ナンダカ オチツカナイ

叢雲「まぁ、その、頑張ってね...」

長門「なっ、ど、どういう意味なんだ?」

ー山中ー

ブウゥゥゥゥゥン

長門「...随分山の中なのだな」マックラ

提督「そりゃもう!隠れ家的料亭だからねっ!」

長門「料亭...!」ジュルリ

扶桑「美味しいのよね」

山城「扱う素材がいいのよ」

日向「料理人の腕もな」

長門「た、楽しみだ」ワクワク

日向「期待していいぞ」

扶桑「おかみさんも可愛いの」

提督「名物女将よぉ!」

長門「それはそれは」ミンナ テンション アガッテキタ

ー料亭・竜飛ー

ブロロロロロ...キッ

提督「っしょ!と~ちゃく~!」

長門「なんと趣のある佇まい...」ナツカシイ

ガラララ

「いらっしゃい!そろそろ来ると思ってたよ!」

提督「やっほ~!今日はお誘いありがとうね!」

「いえいえ!これも提督のお陰ですから」

扶桑「こんばんはー」ペコリ

山城「元気そうね」

「元気元気!今日も気合いはってるね!ぐらぐらっ!」

日向「...」

「あれ、どうしたの?日向、大人しいじゃん」

日向「ふっ、平常運転だ」

「うふふ、そっか」

長門「...」テイトク

提督「そうそう!今年は新人さんもいるのよ!」

「えっ、あ、おお!」

長門「はじめまして、長門です」

伊勢「本物だ!すごーい!おっと、戦艦伊勢です!あ、もう戦艦じゃないけど。よろしくね!」

長門「なんと?」

提督「ささ、話は中でねっ!入った入った!」

伊勢「そうそう、どうぞ入って入って!」

「お邪魔しまーす!」

提督「叢雲っ」タタッ

叢雲「はいはい、わかってる。あまりハメ外したらダメよ」

提督「ありがと。じゃあ申し訳ないけど、帰りもよろしくね」

叢雲「ん」

伊勢「...よっし、料理の仕上げしなきゃ」

日向「...伊勢」スッ

伊勢「なに?あっ!お土産だ!ありがとう日向ぁ!」ギュウ

日向「...私ごと持ってくつもりか?」

伊勢「ダメだった?」

日向「...駄目だ」

伊勢「ふーん」

伊勢「おっと!こうしちゃいられない!」

伊勢「お土産ありがとうね!ま、楽しんでいきなよっ」

日向「あぁ」

ー玄関ー

提督「こんばんは~」

ススススッ

「この度はどうも。ようこそ、いらっしゃいまし」ミツユビ

提督「いえいえ、こちらこそお招き頂きまして...」ペコー

「...ふふっ!お元気そうですね!」

提督「元気よぉ!...また1つ年とったけどねぇ」

「全然かわってないから、大丈夫ですよ♪」

提督「その点アナタはどんどん若返ってない?」

「そうかしら?まぁ、もう見た目はかわらないからね!」

提督「....でた!艦娘ジョ~ク!」

日向「邪魔するぞ」

扶桑「どうもー」

山城「元気してる?」

「あっ、いらっしゃいませ!ご無沙汰しております!はい!皆さんもお元気そうで!」

扶桑「そんなにかしこまらなくていいのに」

「いえいえ、皆さんは先輩ですので!...ん?」

長門「...失礼する」ガララ

「...!!」

「て、提督っ!」

提督「そ、今年仲間になったの♪」

長門「せ、戦艦、長門だ」

鳳翔「元軽空母、鳳翔です!会えて嬉しいです!長門さん!」キラキラ

長門「う、うむ」マブシイ

鳳翔「素敵なお召し物ですね!大人の魅力がひしひしとっ!とってもお似合いですっ!」クルクル

長門「...」テ,テイトク

提督「この娘の精神年齢、瑞鳳のちょっと上くらいだと思っていいわ」ヒソッ

鳳翔「誰が精神年齢低いって?」プク

提督「いえっ、滅相もございませぇん!」ピシッ

鳳翔「よろしい!ささっ、立ち話もここまで。ご宴会はこちらです!」

ー広間ー

鳳翔「皆さんお酒は何をお召し上がりになりますか?」

提督「ビ~ルぅ!」

長門「私も」

扶桑「お冷や...」

山城「ダメです。日本酒を2つ、熱燗と冷やでお願いします」

日向「前のボトルは残っているか?」

鳳翔「ありますとも!ウイスキーですねっ。ロックのセットでお持ちします」

鳳翔「あ、お料理も次々と来ますので、おまちください!」

「はーい」

提督「ふぅ」フキフキ

長門「提督」

提督「ん?」

長門「ここの艦娘は、どういった...」

提督「別に暗い話じゃないわ。これは、あの娘達が選んだ道なの」

長門「...」

提督「ま、今日は楽しみなさいっ!」

鳳翔「お待たせしましたー!ビールの方!」ガチャッ

提督「は~い!」
長門「はい」

鳳翔「日本酒です!」コトッ

山城「ありがとう」
扶桑「お酒は...ダメなのよ...」シクシク

鳳翔「ボトルとセットです!」コツッ

日向「すまんな」

鳳翔「提督、おつぎしますね!」シュポッ

提督「あら、ありがとっ」トポトポ

鳳翔「長門さんも!」

長門「ありがとう」トポトポトポ

山城「ささっ、姉さま、お猪口をお持ちください」スッ

扶桑「あぁ、あぁ...ダメなのに...手が勝手に...!」トクトク

日向「...」カロン

鳳翔「日向さんっ」サッ

日向「私は手酌でいいのだが」

鳳翔「ダメでーす。あと、私がいるうちはグラスは空きませんよっ」トクトク

日向「参ったな」

提督「はい、ちゅ~も~く!」

「...」ピシッ

鳳翔(うふふっ、懐かしい緊張感...)

提督「えー、お集まり頂きまして、ありがとうございます」

提督「ここに揃っております、戦艦、航空戦艦の皆様のご活躍もあり、我が国の海域の平和が保たれております。重ねてお礼申し上げます。ありがとう」

「いえいえ...」

提督「...と、お堅いのはここまで!硬いのは長門の腹筋だけにしておきまして!」

長門「!?」

提督「今宵も!ドキッ!秋の戦艦女子会を~!開演いたしま~す!」

パチパチパチパチ!!

提督「お腹が減ったので、ご挨拶はここまで!では、杯をお持ちください!」スッ

提督「乾杯!」

「かんぱーい!」

コチン!

提督「っ、っ、っ...!ぷはぁっ!うんまいぃ!」

鳳翔「はーい提督♪おかわりです」

提督「どもども?♪」トポトポ

長門「...」チビッ

長門「うぐっ!!」ニガッ!?

提督「あれぇ?どうしたの長門ぉ?」ニマ

長門「ぅっ...ぁっ!」ウルッ

提督「...あ、これ本気でダメなほうだわ」

提督「鳳翔ちゃん、長門にはカクテルをお願い。甘いやつで?」

鳳翔「はーい!」パタパタ

長門「すまない...」ノメルト オモッタ

提督「よしよし、初めてじゃキツいわよね?」ナデナデ

長門「...」クリクリ

山城「...いい酒ね」クイッ

扶桑「...」チビチビ

山城「いかがですか?姉さま」トクトク

扶桑「うぅ...おいしい、おいしいよぉ...」クピクピ

山城「...」

山城(いけるっ)グッ!

鳳翔「扶桑さん!ペース早くないですか?」

扶桑「...そんなこと、ないれす!」

山城「と、姉さまがおっしゃっておりますので、ここは私にお任せを」ニッコリ

鳳翔「あっはいー」ソソソ

鳳翔(伊勢さんにフルーツ盛り作ってもらおう。艦橋みたいな!)

ヴゥゥゥゥゥウン!

提督「キタ~!」

長門「な、なんだ?!」テキシュウ!?

伊勢「お待たせしましたー!お通しです!」

〈ですー!〉ブイィィイン

長門「瑞雲が運んでくるのか!」スゴイ!

お通し〈牡蠣のポン酢〆、菊花のお浸し、ひじきの煮物〉

伊勢「今イチオシです!」

提督「いただいてま~す!」モグッ

提督「...!」ピキーン

提督「伊勢...腕上げたわね」スッ

伊勢「恐れ入ります」ギュ

扶桑「ひじき...おさけがすすみましゅ...」モグモグチビチビ

山城「本当に、いいお味」

鳳翔「あ、煮物は私がつくりました!」

長門「うむ、とても美味しいよ」

鳳翔「ありがとうございますっ」

提督「お袋の味...」ボソッ

鳳翔「んっ?」ニコ

提督「あ~おいしいわぁ♪」モグモグ

伊勢「お料理の配膳は瑞雲がやりますので、ここから私も混ぜてくださいよ!」

提督「おいでおいで~!日向がお待ちかねだから、いってあげてっ」

日向「...」

伊勢「お待たせ~♪」

日向「お疲れ」ススッ

伊勢「うふふ、何飲もうかなぁ」

日向「...」カロン

日向「ほら」トクトク

伊勢「あれ、いいの?」

日向「あぁ、そのためのボトルさ」

伊勢「...ありがと」

「乾杯」カチン

伊勢「くぅーっ!きくぅー!」

日向「元気そうだな」チビッ

伊勢「日向もね」

日向「海は、相変わらずだよ」

伊勢「陸はなかなか良いものよっ」

日向「そうか」チビチビ

伊勢「うん」クイッ

扶桑「やましろぉ!のんでるぅ!?」グラグラ ゴツン

山城「飲んでますよ。これ、今だけ取っちゃいましょうねー」ガチャッ

扶桑「あはははっ、かるーいー!」ギューッ

山城「もう、姉さまったら」

長門「...」

提督「長門?」

長門「あ、いや」

提督「羨ましい?」

長門「そうではない。ここは素敵な所だな、と」

提督「そうね。私からみたら、みんなただの女の子ですもの。本来ならこうあるべきね」ゴクッ

長門「鎮守府では見せない顔だから、ちょっと驚いた」

提督「ま、一時だけでも戦争を忘れられるような時間があっても、バチは当たらないわ」

長門「...そうだな」

提督「...」

提督「辛気くさいのはおしま~い!長門!アタシをお姉さんとおもってもいいのよぉ?」ウデクミ

長門「姉なのか...」

鳳翔「長門さん!私のことを妹と思ってもいいんですよぉ?」ウデクミ

長門「いや、妹はいるんだ。しっかり者のね」

鳳翔「そうですかー、残念!」チェー

伊勢「はーい、どんどん持ってきてー!」パチパチ

ヴゥゥゥゥゥン...

〈お吸い物です!〉

〈お刺身お待ちぃ!〉

提督「ここはお刺身に急く気持ちを抑えて、まずはお吸い物ね」ズズッ

長門「...美味しい。優しい味だ」

扶桑「おさしみおーいしー♪」モグモグ

山城「あぁ、姉さま!...せっかちさんですねっ」ウフフフ

日向「うん」スルッ

伊勢「まぁ、これは普通のお吸い物なんだけどね」

日向「いや、とってもおいしいよ」

伊勢「そうっ?私もこれは美味しくできたと思ってたの!」ニコ

提督「落ち着いたところで!お刺身を...ぱくりっ」

長門「...うむ、これはイナダだな。新鮮ゆえのこの弾力と歯応え、そしてしつこくない脂の乗り、とても良いものだ」オイシイ!

提督「ぜ、全部言われた...」

伊勢「ま、魚に気を使うようになったのは、料理を始めてからなんだけどね!」

山城「ただでさえ強かったのに...チートよ」チビチビ

扶桑「よおっ、いせしゃん!にっぽんいちぃ!」パチパチ

長門「...ふ、扶桑はこのままでいいのか?」

提督「あまり大丈夫じゃないけど、大丈夫よっ」

日向「ま、そうなるな」

長門「どうなってしまうんだ...」

鳳翔「山城さん!食べてますか?飲んでますか?」

山城「えぇ、頂いてるわ」

鳳翔「山城さんもペース早いのに、相変わらず余裕ですねぇ」

山城「肴がいいから、ね」チラッ

扶桑「あーふこう。そうおもうよね?やましろっ。おさけおいしいし、おりょうりおいしいし、ていとくがふたりいるの。あれ?わたしふこう?ねっ、やましろっ?」ユサユサ

鳳翔「これは完全に出来上がっちゃってますねー」

山城「えぇ、上出来よ」チビチビ

鳳翔「お料理も食べてくださいよー」プ

山城「うふふ、...ならこれが良いわね」ムニッ

鳳翔「んむっ!?」

山城「やわらかく膨らんでて美味しそう...」フフフフ

鳳翔「いはい!いはいでふ!」ギュー

山城「ふははははっ」

伊勢「かもーん!」

ブゥゥゥゥゥウン

〈和牛のたたきです!〉
〈根菜の煮物だよぉ!〉

提督「お肉!お肉よ!」

長門「提督は肉がお好きだったな」

提督《どうも、肉食系オカマです》バリトン

長門「!?」ドコカラ!?

鳳翔「も、もぅ、提督?いきなりはダメです...」///ドキドキ

提督「なぜ軽空母は低音によわいのかしら...」

日向「肉も悪くない」モグ

伊勢「和牛だから、すごく良いものなんだけどなぁ」

日向「いや伊勢が...姉さんが作ったから美味しいのさ」フッ

伊勢「なっ」

伊勢「...もう日向ぁ!やめてよぉ!照れるじゃーん!」バッシバッシ

日向「おっとっと」

鳳翔「...はいっ提督、あー...」スッ

提督「あらあら...あんむっ、ん~!おいしっ♪」モグモグ

鳳翔「えへへ...」//

提督「おかえしよぉ、ほらっ」ススッ

鳳翔「わっ、あー...、ではっ」パクリ

鳳翔「...ん~♪」

キャッキャッウフフ

山城「流石、良妻空母...オカマですら落としにかかる...!恐ろしい子っ!」

扶桑「やましおぉ...」チョンチョン

山城「はい?」

扶桑「あぁぁぁん...」フルフル

山城「...」

山城「」バキッ

扶桑「...もぅ、おはしまでたべちゃー、めっ!」

山城「す、すみません、つい」ボリボリ

ヴゥゥゥゥゥン!

〈天麩羅でーす!〉

〈茶碗蒸しだよぉ!〉

日向「...」ユラー

伊勢「ひゅ、日向?大丈夫?」

日向「...あぁ」

日向「...姉さん」

伊勢「ん?」

日向「私も、姉さんのように強くなりたい...」

伊勢「私はもう強くないって。きっと日向に追い越されてるよ」

日向「そうだろうか」コツン

伊勢「なぁに?甘えんぼかぁ?」ウリウリ

日向「...あはは」//

長門「...」

長門「こういうことか」フフッ

提督「鳳翔ちゃ~ん!なんでうちには正規空母が来ないのぉ!?」グイッ

鳳翔「なんでですかねー」トプトプ

提督「鳳翔ちゃん、改二で正規空母ならない?」グイッ

鳳翔「私は小さいので、出来ないんじゃないかな」トポトポ

鳳翔「提督は軽空母じゃご不満ですか?」

提督「そ、そんなことないけど...」チビチビ

提督「でもそこはほら、でかくて~、長くて~、いっぱい出せちゃう?」カンサイキガ

扶桑「こうくうせんかんだって、おくれはとりましぇんよ!」

日向「そうだ、瑞雲では不満か?え?」

提督「あ、いやそんなことは」

伊勢「あ、航戦の悪口?これはいただけないなぁ」ニヤニヤ

山城「姉さまの侮辱は、姐様でも許せません」

長門「...」アワワ

鳳翔「あー、提督、ここはアレしかないです!」

提督「えっ」

伊勢「アレね」

日向「アレか」

山城「アレよ」

扶桑「アレでしゅ!」

長門「アレ...とは?」

提督「や、やぁよ!アレはもうやらないからっ!」

鳳翔「でも、私のこと小さいって...」

提督「アナタが自分で言ったんでしょ!?」

伊勢「航戦は力不足って...」

提督「それは言ってない!」

日向「瑞雲...」

提督「一言もバカにしてない!」

山城「姉さま...」

提督「だから言ってないっばっ!」

扶桑「..........おえっぷ」

提督「ちょっ、ダメよ、大丈夫!?」

長門「...」アレトハ?

提督「口で言いなさいよっ!」

「おー!」パチパチパチパチ

伊勢「おぉ、ツッコミきった!」

日向「我が提督は優秀だ」

提督「はあっ、はあっ、どんなもんよ...」b

山城「でもアレはやってもらいます」

扶桑「すみませーん!わりばしいちぜんー!」

ヴゥゥゥゥン

〈はいー!〉

提督「...やんなきゃダメ?」

鳳翔「宴会なんですから!宴会芸の1つは披露していただかないとっ」

提督「...~っ!」

提督「わかったわ...やればいいんでしょ!やれば!」

ザワザワザワ...

提督「...」

鳳翔「ミュージック、スタート!」カチッ

bGM〈オリーブの首飾り〉

提督「」クルッ

提督「」バッ!

長門「!!」ヌイダッ!?

「ヒュー!」

提督「」グイッ

長門「!!!」シリ ト ティーバッグニ ワリバシヲ ハサンダ!?

「キャーッ!」

提督「」バキッ!

長門「!!!?」シリデ ワリバシヲ オッタ!!

「うわーーー!」パチパチパチ

提督「...」

伊勢「いやー、たまりませんな」

日向「ああ、いい尻だ」

山城「やはり盛り上がりますね!」

扶桑「きゃー、かっこいいー」

鳳翔「提督、もう一本いかがですかぁ?」ニコッ

提督「も、もういいです...」

長門「て、提督!もう一度!もう一度見たいっ!」キラキラ

提督「な、長門!?」

鳳翔「アンコールはいりましたぁ!」

提督「ふえぇ...」

提督「...」ズーン

日向「良いものが見れた」

山城「これがないと締まらないわ」

扶桑「うい~...ひっく!」

伊勢「あー、面白かった!」

提督「こんなの絶対オカシイわよ...、女子会のノリじゃないわ...」

長門「て、提督」

提督「...長門」

長門「ら、来年もまた、見せてくれ...」///モジモジ

提督「勘弁してつかぁさい...」

長門「...」

鳳翔「長門さんっ」ストン

長門「お?なんだ?鳳翔、さん」

鳳翔「嫌ですねー!呼び捨ていいんですよ!長門さんが先輩なんですから!」

長門「船の頃ならそうだが...、今は、ほ、鳳翔の方が生まれが早いから」ドウナノダロウ

鳳翔「まぁまぁ、そこは大人しくお姉さん風を吹かせておくといいんです!」ズイッ

長門「う、うむ...」

長門「...」

長門「...」ナデナデ

鳳翔「んふふっ、それでいいんですっ♪」ギュー

長門「...うん」ヒトナツッコイ

鳳翔「ふふふふー♪」ゴロゴロ

長門「...」ナデナデ

長門「...」チラッ

伊勢「でねー、そこのお店のお爺さんが私の事を指差して、伊勢が化けて出てきたー!って腰抜かしてさっ!」

長門「...」

鳳翔「...」

鳳翔「ところで長門さん。私たちの事、まだ気になってる感じですか?」ムクッ

長門「...ん?いや、まぁ」キニナル

鳳翔「もー、提督がちゃんと話してあげても良かったのに!」

提督「そりゃアタシが言うこともできたけど~。ほら、そこは本人から聞いた方が重みが違うでしょ?」

鳳翔「別に私は、それでも良かったんだけど...」モニョモニョ

鳳翔「ま、そう言う事ならば!私自らお話しましょう!」

長門「おぉ」

鳳翔「これは、私がまだ鎮守府にいたお話...」

長門「...」

鳳翔「私は、戦いに明け暮れていました」

提督「...?鳳翔ちゃんはまかない担当だったような」

鳳翔「海に蠢く敵を、千切っては沈め千切っては沈め...」

提督「煮魚が美味しかったのよ♪」

鳳翔「ですが、気づいてしまったのです。己の限界を...」

提督「厨房の設備がかなり簡素なものだったのよね。鳳翔ちゃんからしたら不便そうだなってずっと思ってたの」

鳳翔「なので私は戦士の身分を捨てて、飛び足したのです!未知なる世界へ!」

提督「空母やめたいって言った時は、嫌われたかと思ってもうそれはそれは悩んだものよ...まさか料理人になりたいだなんて!」

鳳翔「もう提督うるさいですー!」プ

提督「ごめ~ん」ペロ

長門「あ、あはは」

鳳翔「とまぁ、理由はそんな感じでした!」

長門「な、なるほど」

長門「つまり、根っからの女将気質だったのだな」ガテンガイク

鳳翔「まぁ私自身、戦闘は苦手でしたし、艦載機あまり積めませんし...小さいし...」

長門「ほ、鳳翔...」

鳳翔「誰が小さいってっ?」

長門「え!?」ビクッ

提督「それ自分で言ってるから~!」ビシッ

鳳翔「あれ、そうでしたっけ?」

長門「...」カ,カンムスジョーク

長門「だが、軍の所有物である私達は、そう簡単に...」

伊勢「えっ?私が料理人なった理由?しかたないなー!特別に教えてあげる!」ズズイ

長門「え、あ、はい、お願いします...」

伊勢「いやー、あの頃は戦いに明け暮れててさー」

提督「伊勢はウチの主力で、エースだったわ」

伊勢「うじゃうじゃ出てくる敵を千切っては沈め千切っては沈め!」

提督「相手の射程外から一方的な砲撃で、まさにもぐら叩きよ!」

伊勢「だけど気づいてしまった...己の限界にね」

提督「航空戦艦になるかならないかで、もめたわよね...」

伊勢「だからいっそもう戦場から離れて、海から陸に上がって暮らそうと思ったんだー」

提督「鎮守府を抜けたいって聞いて、軽くパニクったのを覚えてるわぁ。私はすごく反対したんだけど...」

伊勢「ほら、鳳翔も抜けるって聞いて、この娘一人じゃ危なっかしいでしょ?」

鳳翔「そ、そんなことないですー!」

伊勢「で、結局航戦になるだけなって、でも納得いかなくて、無理やり提督を納得させてー、今にいたるわけ!」

提督「ま、せっかく生まれ変わった人生だしぃ?アタシも鬼じゃないから、ポッキリ折れちゃったわよ」

山城「伊勢がいれば私なんか要らなかったところだし。今は活躍の場が増えたから特に...」

扶桑「いせしゃんが いないと はりあいがないんでしゅよ!やましろも、ひゅうがしゃんも、おとなしく、なりましたし...ぅっ」

日向「...」カラン

長門「...」

日向「私は、反対だったんだ...!」ダン!

伊勢「...日向」

日向「戦闘力、戦術、統率力も優れて、文武両道な姉さん」

日向「私は姉さんに憧れ、いつも背中を見ていた...」

日向「いつか、いつかその背中を越えたくて...私は、私はっ!」ウルッ

伊勢「...!」

日向「...っ」グイッ

日向「すまない、取り乱した...」カラン

長門「...」

鳳翔「...」

提督「...」

提督「!」ピコーン!

提督「そ、そういえば!さっき奥から変な物音がしたの!こわいわぁ~!ちょっと見てきてくれない?日向!」

日向「なっ、なんで私が」

鳳翔「こ、こわいー!わたしじゃきっと襲われちゃますー!どうかお願いしますー!」

日向「お、おかしいだろ...」

提督「おねが~い...っ♪」バチコン

伊勢「...ふふっ」

伊勢「わー!そーれはたいへんだー!ちょっと見てなこないとだー。だから日向、付き合いなさいっ」

日向「...」

日向「なんだこれは...」ブツブツ

伊勢「ちょっと見てきまーす!」

提督「いってらっしゃ~い」

ピシャッ

提督「...ふぅ」

長門「...」ナ,ナンダイマノ

山城「ね、姐様...くくっ、い、いくらなんでもっ...ぶふふっ」

鳳翔「あはははっ!ちょっとむちゃくちゃすぎますよぉ!」

提督「アンタの演技だって大概よぉ!」

扶桑「ど、どどどろぼうですかぁ!?」

提督「うふふふっ、違うわよぉ。ちょっと野暮なことしただけよ」ゴクッ

鳳翔「まったくです!」

山城「まったくね」

扶桑「???」

ー縁側ー

キシッ キシッ...

日向「どこで音なんか...」

伊勢「日向」

日向「ん」

伊勢「まぁ、ここ座りなよ」

日向「だ、だが...」

伊勢「いいんだって!」グイッ

日向「...っ」ストン

伊勢「ふぅ」

伊勢「...」

日向「...」

伊勢「んー」

日向「...」

伊勢「ちょーっと、驚いたなぁ。ふふっ」

日向「...」

伊勢「私のこと、そんなに慕ってくれてたんだ?」

日向「ふん...」プイッ

伊勢「ま、知ってたけどねっ」グイッ

日向「!」ギュッ

伊勢「日向は強いよ」

伊勢「私が撃ち漏らしたフォローとか、身を乗り出して庇ってくれたり、私より先に瑞雲使いこなしちゃったり」

伊勢「突っ走っちゃう私を誰より支えてくれたのは、日向だったよ」

日向「...」

伊勢「戦果だって聞いてる。こんなに強いんだよ?あんたは私の自慢なんだから、ねっ」ポンポン

日向「...」

日向「...違う」

伊勢「ん?」

日向「違うんだ...、私はただ」

日向「ただ、姉さんと離れたくないだけだったんだ...」

伊勢「...」

日向「憧れていたのは強さじゃない。姉さん自身だ」

日向「鎮守府から居なくなって初めて気がついた」

日向「私が戦っていられるのも、あの日呉に沈む時、心細くなかったのも」

日向「いつも伊勢が居てくれたからっ」ウルッ

伊勢「...日向」

日向「越えようなんて、口実で、ただ...っ」ポロ

伊勢「うぐぅっ!!」ブワワッ

日向「!?」

伊勢「なんて、出来たっ、うぅっ、良い妹なんだぁ!」グシグシ

伊勢「私の夢1つでえっ、こんなにさみし、っ思いさせてえっ!」

日向「...」ポロポロ

伊勢「ごべんねっひゅーがぁっ!」ウワーン!

日向「...ふ、ふふっ、だめだよ姉さん、皆に聞こえてしまうっ」グシュ

伊勢「うわあああああん!!」

〈うわあああああん!!〉

ー広間ー

提督「ん?なんで伊勢が泣いてるの?」

山城「さぁ?」

鳳翔「きっと、絆が深まったんですっ...!」ウルウル

扶桑「どこからかなきごえが...なんだかわたしもっ、うっ、うえええぇん!」メソメソ

山城「あ、あーよしよし!姉さま落ち着いて!」

長門「ううっ...胸が、熱くなるなっ」

提督「混沌としてきたわね...」

シャーッ

伊勢「ただいまー」

提督「おかえり~、何かいた?」

日向「異常はなかった」

提督「そっ、よかったぁ」

日向「...」

鳳翔「...えへへ」スンスン

扶桑「うっく、ひっく...」エグエグ

日向「...あの」

山城「待って、やめて、また姉さまが泣いちゃう」

日向「...」

長門「...!」b

日向「なにがあったんだ?」

提督「んんー、アナタは気にしなくていいわぁ」

伊勢「あーなんだかお腹へったな!そういえばお料理終わっちゃったっけ?」

提督「え~、しっかりしてよぉ板前さん!」

伊勢「あれー?」

鳳翔「確か茶碗蒸しまで来ましたよ?」

伊勢「あっ、なら次はご飯です!ご飯!やったねっ」

提督「えっ」

山城「え」

長門「ん?」

扶桑「もう...おなかいっぱいです...」

提督「...ナイス扶桑っ」ボソッ

伊勢「それは困ったなー、このあとがデザートなんだけどなぁ」

「!」

提督「わぁい、ご飯、アタシご飯だぁいすき」

長門「締めは飯に限るな」

扶桑「デザートのため、です...」

山城「姉さまがおっしゃるなら...」

伊勢「ってなわけで!ごめーん!持ってきてー!」

...ゥゥゥゥゥウウン!

〈やっとお呼びだよ!お茶漬けです!召し上がれ!〉

伊勢「そうそうこれこれ!」

提督「あら、これはこれで...」

長門「...」ジュルリ

鳳翔「実は、これが一番気合い入ってたりします!」

伊勢「梅干し、鰹節、海苔、茶葉、各地からはるばる取り寄せた高級食材を、シンプルかつ贅沢に掻き込める一品となっております!」

扶桑「そ、それはたまりましぇうっ...うめぼしでヨダレが」

山城「これならさらっと食べれるわね」

伊勢「ほらほら!冷める前に食べちゃって!」

提督「...はふはふ、...こ~れはヤバイわ」

長門「ご、五臓六腑に...」

日向「しみる...」

山城「掻き込むのに気が引けることもあるのね」

扶桑「おいしい!スッゴくおいしいでふ!」ズルズル

伊勢「でしょでしょ!」

伊勢「お酒の締めはお茶漬けだよね♪」

提督「生きてて良かった...」ホッコリ

鳳翔「うふふふっ♪」

伊勢「はー!我ながら良い仕事したなぁ!」

提督「...うっぷ、アタシ、今回飲みすぎたかも~...」

長門「だ、大丈夫か?」サスサス

提督「ん、ありがと」

提督「ふぅ、ホント、ここは良いわねぇ。お酒も、お料理も、人も」

鳳翔「そのお言葉をいただければ、満足ですっ」

伊勢「うん!」

提督「それに、アナタたちと飲める事もね」

日向「...あぁ」

扶桑「...」コク コク

山城「たまには悪く、ないです」

提督「...ふふっ」

提督「まぁ、アレよ、皆に出会えた事に、ありがとうってね」

伊勢「...提督」

鳳翔「...提督さん」

提督「ん~!はい!ごめん!ここまで!」パチパチ

提督「伊勢、最後の呼んじゃって!」

伊勢「えー、もうちょっと浸っててもいいじゃん」

鳳翔「いいところだったんですからぁ!」

提督「後はアタシが居なくなってからどうぞ!」

伊勢「しょうがないなぁ。おねがーい!」

ヴゥゥゥゥゥン!

〈じゃんじゃじゃーん!皆大好き!デザートの時間だよぉ!〉

〈林檎のタルト〉

〈バニラアイス〉

長門「うわぁ!すごいっ!」キラキラ

日向「デザートは別腹とはよく言うが、私も女だな...」

山城「姉さま、姉さま!起きてください!デザート来ましたよ!」ユサユサ

扶桑「うへへ...もう、たべりゃらませんよぉ...」ニヘ

鳳翔「あらら、じゃあタルトだけ包んでおきますねー」

提督「じゃあアタシのもお願いできる?」

伊勢「えーっ、食べないの?」

提督「今はお腹いっぱいだから、申し訳ないけど、お土産にして後でいただくわ」

伊勢「まぁ、無理して食べても、ね...」

提督「だからアイスをいただくわ!」

伊勢「うんうん!めしあがれっ!」

長門「こ、これはアレか。温かい物にあえて冷たい物を合わせることで、口の中で広がる...な、なんだったか」

鳳翔「ハーモニー!ってやつですかっ?」

長門「それだっ」

山城「...」モムモム

伊勢「どうどう?今年は美味しい林檎のがとれたからさ!」

山城「そうね、まあまあ...」

伊勢「えーっ」

山城「どころじゃないわね。美味しい。とってもね」

伊勢「!!」

伊勢「大変だ!山城がデレた!」

提督「なんですって!?」

日向「なに?」ガタッ

山城「待って、その反応おかしくない?」

扶桑「えへへへ....♪」

鳳翔「提督!」

提督「なぁに?」

鳳翔「私との披露宴はぁ、いつにしますか?...きゃっ♪」

提督「あら~、話の糸口がまったく見えないわねぇ~」キョロキョロ

長門「それはそうと提督は男色では」

日向「いや、最近はそうではないらしい」

提督「えっ」

日向「風の噂では、ある駆逐艦と軽巡洋艦が」

提督「ウェイト!なにそれ!」

伊勢「えー?ロリコンー?やだー」ニヤニヤ

山城「そう言われれば、駆逐艦とかには随分甘いところあるかも」

提督「そ、それは駆逐艦だからで、特別な気持ちは無いわよ!」

鳳翔「そうなんですか!?なら私も駆逐艦になります!」

鳳翔「提督!一人前のレディとして扱ってよねっ!」

提督「やめなさい。それ無駄に似てるからやめなさい」

提督「そう言うアンタたちは、どんな男が好みなのよ?はい、長門」

長門「なっ、そ、そそ、そんなのわからん!」ハレンチナ///

山城「あーら可愛らしい」クスクス

長門「や、山城は違うのかっ?」

山城「私は男なんか要らない。姉さまさえいれば!」

日向「だが扶桑が男と結婚したら?」

山城「」コチーン!

日向「おっと...。わ、私はそうだな。やはり逞しい人だろうか」

提督「アンタより逞しい男なんてそういないわよ。逆にか弱い子犬系なんてどお?」ウフ

日向「ふむ...鍛え直さなければならないな」

伊勢「私も、なよなよしてるのはちょっとなぁ。やっぱり男は筋肉だよ!」

長門「そうだ!筋骨粒々はかかせんな!」

伊勢「お、わかってるねぇ!私は首回りが好きだなー」

日向「背中も捨てがたいな」

長門「私は太い腕には憧れる!」キラキラ

提督「ある意味肉食系なト~クねぇ...」

鳳翔「て・い・と・く♪私は提督が大好きですよ!」ピト

提督「ありがと。私も好きよ?艦娘として」

鳳翔「そこは冗談でも、男として君が好きだよキラッ、くらい言えないといけないと思います!」

提督「残念!アタシはオカマだからいけなくないの」ベー

鳳翔「あー、馬鹿にされた!これでも私の方が年上なんですからねっ!」

提督「アンタみたいな姉さん女房じゃ、逆に面倒見なきゃいけないじゃない」

鳳翔「じゃあ幼妻です!私はいつまでも若いままですから!」

提督「体と頭も小さいままね」

鳳翔「誰が小さいって!?」

提督「アンタがっ...言ってないわね、アタシか!ごめんごめん」ナデナデ

鳳翔「あ...」

鳳翔「な、ナデナデしないでってばっ!ぷんすか!」

提督「...マジで勘弁してください」

鳳翔「うふふふっ、勝った♪」

ー午前4時ー

提督「...」

長門「...」

日向「...」

伊勢「...」

山城「...」

扶桑「ぅうん...」スースー

鳳翔「...」

提督「...ふぅ」

伊勢「...なんか言ってよぉ」

提督「もう、なんも出ないわよ」

山城「っ...ふぁあ...」

日向「...うむ」

提督「そろそろ頃合いね」チラッ

提督「はい、アンタたち~、身仕度して~」

鳳翔「えー、帰っちゃうんですかぁ?お部屋ならいっぱいありますよ?泊まっていったって...」ギュー

提督「...」

提督「素敵なお誘いだけど、アタシはやることがあるから、気持ちだけいただくわ。ありがと」ニコ

鳳翔「...そう、ですか」スルッ

山城「...」カクッ カクッ

長門「ううむ...」コロン

提督「長門、山城、しっかりなさい。もうそろそろだから」

長門「ん~...」ムクリ

ヴゥゥゥゥン...

〈提督、お迎えです〉

提督「来たわね」

提督「は~い、みんな起きて~」パンパン

伊勢「あー、終わっちゃったなぁ」

日向「あっという間とはよくいったものだね。本当に」

山城「姉さま、起きてください。帰りますよ」ナデナデ

扶桑「...もう、たべられないです...」

長門「ベタな...」

提督「ふふっ」

提督「伊勢、鳳翔ちゃん、今日はありがとうございました。ごちそうさまです」

伊勢「いえいえ!楽しんでいただけて光栄だよ」

鳳翔「お粗末さまでした!早く来年こないかな!」

提督「アンタ気が早いわよぉ~」

ー玄関ー
ゾロゾロ...

山城「ご馳走さま。真面目に働きなさいよ」

伊勢「山城はこれ以上不幸になりませんように!」

扶桑「お邪魔しました...、私、変なこと言わなかった?」

鳳翔「はい!平常運転でしたよ!あ、これタルトですので、どうぞお召し上がりください!」

伊勢「日向、海は任せたからね!」

日向「あぁ。伊勢の料理、来年も楽しみにしてるよ」

長門「邪魔をした。女子会...というものが、こんなに楽しいものだったとは。また招待してくれると嬉しい」

伊勢「まだまだ固いなぁ、長門はぁ。私らはもう仲間だ!次回もまた呼ぶから、元気にしてなよ!」

鳳翔「そうです!毎年呼んじゃうんですからね!お体に気をつけて、頑張ってください!」

提督「じゃ、ごちそうさま。なんか不自由あったら何時でも頼ってね。海にもいつでも顔出しなさい。こちらが歓迎するわぁ♪」

伊勢「いやぁ、いつもホントにありがとうございます。機会がありましたらお伺いしますんで!」

鳳翔「提督!また来てくださいねっ!次は二人っきりで飲みましょう!まっ、待ってますからねっ!」トトト

提督「あっ、ちょっと」

伊勢「まったく、罪なオカマだなぁ」ツンツン

提督「これも毎年のことだけどさ。弱いのよ、こういうのは...」

伊勢「果たして、提督の正妻戦争は誰が掴み取るのか!」

提督「...鳳翔」

伊勢「あーもう!これも毎年だなぁ!あとは任せて、みんな待ってるよっ」グイグイ

提督「おとと...じゃあ、元気でね」

伊勢「提督もね!」

ヴゥゥゥゥン ヴゥゥゥゥン!...ゥゥゥゥン!

〈提督どのー!〉
〈お元気で!〉
〈またきてねー〉

提督「っ、おっ!アナタたちもお疲れ様!元気でね!また暴れたくなったらいつでも来なさいっ」

〈〈〈はいっ!〉〉〉

提督「うふふ、またね」ヒラヒラ

ガララ...ピシャ

伊勢「...」フリフリ

伊勢「ナイスフォロー!よくやった!」

〈やりました!〉

伊勢「っても、鳳翔がなぁ...」

〈他の瑞雲達をすでに派遣ずみですよ〉

伊勢「すばらしい。さて、明日は休みだから、ここからは私に任せて、休んじゃってー」

〈...なにいってんですか。みんなでお片付けしてから、お休みにいたしますので。もうひとがんばりです〉

伊勢「あははっ、そっか!ごめん!よーし、やるぞぉ!」

ー車内ー
バタン

提督「おまたせ、お迎えありがと」ガチャッ

叢雲「ん」ガチャ

ブロロロロ...

提督「...ふぅ」

提督「...」チラッ

山城「...」スースー

長門「...」クークー

日向「...」フーフー

扶桑「...」

提督「寝ちゃったわねぇ」

叢雲「あんたも、寝てていいわよ」

提督「ありがと、でもぉ、大丈夫よ」

叢雲「そ」

叢雲「...」

提督「あの娘たちは元気だった」

叢雲「...」

提督「伊勢は陸の方が楽しそうなのよね~。もったいないわぁ」

叢雲「...」

提督「鳳翔ちゃんは相変わらずだったわぁ。小さくてぴょこぴょこしてて」

叢雲「...」

提督「自分で小柄だって言ってるのに、アタシが言うと怒るのよ~」

叢雲「...」

提督「今回も扶桑が開始早々酔いつぶれてねぇ」

叢雲「...」

提督「なんか流れで今回もアレを...」

叢雲「...」

提督「あ、これね、デザートのタルト。余ったから貰ったの。これね、タルトを温めてからアイスと一緒に食べると美味しいそうよ!」

叢雲「ん」

叢雲「...」

提督「それでね...」

叢雲「...」

提督「...」クカー

叢雲「...」

叢雲「...お疲れさま」

提督「...」ニッ

扶桑「...」クスッ

ー翌日ー

提督「ふあぁ...」

古鷹「あれ、お疲れですか?」

提督「あ、うぅん!ごめんなさいね、大丈夫!」

古鷹「私に出来ることがあるなら、なんでもおっしゃってくださいね!私、頑張ります!」

提督「うふふ、じゃあそろそろドックの準備お願いしようかしらっ」

古鷹「はいです!」

ー戦艦寮ー

長門「あ、頭が、痛い...」ガンガン

日向「ず、瑞雲、すまないが、今日は...うっ」ズキズキ

山城「あぁ...ふ、不幸だわ...」グワングワン

扶桑「よく寝ました」キラッ

―ドック―

如月「ふぅ、疲れたわぁん」

子日「今日の遠征遠かったもんね」

暁「うー、口の周りがしょっぱい」

荒潮「潮風で髪が傷んじゃうー」

如月「それ私のセリフよぉ」

利根「うむ!任務成功、滞り無しじゃあ!」

筑摩「ですね、姉さん♪姉さんの指揮、カッコよかったです!」

〈オーラーイ、オーラーイ!〉

チャポン…

一同「ふぅ…」

ガガガ…ザピー…

提督『あ?あ?、聞こえてるかしら?は?い、みんなおつかれ~♪』

暁「!」

如月「あら」

筑摩「…」ムスッ

提督『ごめ~ん、さっき伝え忘れがあったのぉ!』

子日「えっ」

利根「な、なんと、何かやりそこねたかの…」

提督『あ、たいしたことじゃないから気にしないでね』

荒潮「あらあら」

提督『アナタたちが遠征中、本部の間宮ちゃんから支援物資が届いてね』

一同「!」

提督『うふふ、食堂係に言ってあるから、後で召し上がれ♪』

一同「わぁい!」

提督『要件は以上、どうぞごゆっくり~♪』ガピー…プツッ

利根「まままま、間宮とゆったか!?」ザバー

筑摩「姉さん落ち着いてください」

子日「やったぁ!何かな、何かなぁ?」

如月「間宮さんと言ったら…アイスかしらっ」

暁「羊羹かもしれないわ!」

荒潮「どっちも食べたーい」

利根「待ちきれないのじゃあ~!」バッチャバッチャ

筑摩「落ち着いてください」ニコッ

利根「う、うむ」チャポン

子日「あ、そうだ!」

如月「なぁに?」

子日「ドック上がったら、提督も呼んでお茶にしようよ!」

利根「お、それは良いな!」

筑摩「姉さんは、私と一緒にお茶しましょう」

利根「ん?それはもちろん筑摩も一緒に」

筑摩「いいえ、私と二人で、ふふっ」

利根「う、うむ、そうか…」

子日「…ね!どう?」

荒潮「私は賛成ー」

如月「いいわねぇ、司令官とゆっくり話すのも久しぶりだし」

暁「そ、そうねっ。私もご一緒するわ!」

子日「やったー!」

如月「それで、どんな事話すの?」

荒潮「話の話題は大事ー」

子日「そっかぁ、そうだねぇ」

荒潮「今日の遠征の出来事とかー?」

暁「出来事なんてなかったわよね…」

子日「そういえば、あの、何だっけ?箱のやつ」

如月「家具箱?」

子日「そうそう!アレってさ、なんであんな所にっ!って場所にあるよね!」

荒潮「わかるー」

暁「わかる!」

如月「あるあるぅ」

子日「海に浮いてるならわかるけど、岩の間とか!」

暁「木の下とか!」

如月「砂の中とか」

荒潮「イルカさんが持ってたりとかー」

暁「えーっ!?イルカが持ってたの!?」

荒潮「うんー、イルカさんがぁ、いるかぁ?って」ウフフ

暁「う、うら…」

子日「うらやましいぃ!あたしもイルカさんのほしいほしい!」

如月「そんな事もあるのね…で、でも、そのダジャレはないわ」クププ

暁「…べ、別にうらやましくなんか、ないんだからねっ!」

利根「…」

利根「じ、実はワシも以前クジラさんになっ」

筑摩「姉さん」ニコッ

利根「う、うむ」

如月「クジラと言えば」

子日「いえば?」

如月「提督が、捕鯨できないわぁ!って、嘆いてた事があったわ」

暁「何の事かしら?」

荒潮「捕鯨って、クジラさんを捕まえることよねー?」

子日「そんな任務あった?」

如月「さぁ?」

暁「かりに捕まえたら、どうするのかしら…」

荒潮「何かで聞いたけど、けっこう美味しいらしいわよー?」

子日「えっ!食べちゃうのっ!?」

如月「そ、そんなっ!」

暁「う、うそよっ!司令官はそんな人じゃない!」

荒潮「そ、そうよねぇ」

如月「食べるなんてあんまりよ…」

子日「そうだよ!一人で食べちゃうなんて!ずるいずるい!」

「…」

暁「ん?」

如月「ん?」

荒潮「んー?」

子日「ん?」

利根「…」

利根「おっほん!提督の言う捕鯨とは、実は潜水母艦の事でだな…」

筑摩「うふふ、姉さんは物知りですね」

利根「そ、そうじゃろ!」ドヤ!

筑摩「私にもっと詳しく教えてください」ニッコリ

利根「う、うむ」

暁「…潜水母艦と言えば」

荒潮「なーに?」

暁「ここの鎮守府には、潜水艦ってまだいないわよね」

子日「そうだねー!海の中からこんにちは!ってするんでしょ?」

荒潮「こんにちはする前に、魚雷をプレゼントするのよねー」

如月「潜水艦って、戦艦や重巡に狙われないんでしょ?それって凄いわよねぇ」

暁「でも、私たち駆逐艦の敵じゃないわ!」

子日「ソナーと爆雷があればだけど!」

暁「ぐぬぬ…」

荒潮「潜水艦の艦娘って、どういう娘なのかしらぁ?」

如月「それは…髪が長くて」

暁「肌が白くて」

子日「眼鏡光ってて、マスクをしてて…!」

―――
ヨ級?「…デッチクシッ!」ゴボボボ

カ級?「ダイジョウブ?」ピコピコ
―――

子日「ち、違うよね、違うよねっ!?」

暁「そそそ、そんなわけないじゃないっ!」ブルブル

如月「だ、誰よ、変な事言ったのっ」

荒潮「できれば、こんにちはしたくないかもー…」

利根「…」

利根「我々重巡も、航空巡洋艦になって瑞雲を運用できれば潜水艦くらいっ」

筑摩「私たちも早く改二になりたいですね、姉さん。…あの人が遠征ばかりさせるから」ムスッ

利根「う、うむ?」

荒潮「改二と言えばー」

子日「なになに?」

荒潮「大人みたいに体が大きくなったりしないかなぁーって」

如月「わかるぅ」

暁「わかるわ!」

子日「わかるわかる!」

如月「今のままでも十分だけど、もっと成長した姿…うふふ」

子日「もっともーっと可愛くなっちゃうなぁ♪てひひっ」

暁「真の、大人とレディー…」ホワホワ

荒潮「きっとえらいべっぴんさんになるんよー」

如月「ん?」

暁「ん?」

子日「ん?」

荒潮「あらあら、いちおう私神戸生まれだから。ついポロリしちゃったー」

暁「神戸…重巡の熊野さんも神戸だったわよね」

如月「ふぅーん、どことなく品がある…かしら?」

子日「いいないいな!荒潮お嬢さま!」

荒潮「よきにはからえー♪」

如月「それお姫様よ」ププッ

利根「…」

利根「よきにはからえとは、ワシのために上手くやってくれよ、と言う意味なのじゃ!」

筑摩「それくらい知ってます」ニコニコ

利根「う、うむ」

如月「上手くっていえば…」

暁「なに?」

如月「そろそろお腹減ってきちゃったわぁ」

子日「あっ、もう入渠おわってた!」

荒潮「別に壊れてた訳じゃないしねー」

暁「利根先輩はまだ入ってますか?」

利根「ふむ、吾輩も上がるとするかの!」

筑摩「そうおっしゃらず、姉さん」

利根「えっ」

筑摩「もう少し、ゆっくりしていきましょう。ねっ?」ニコ

利根「…そ、そうか」

荒潮「じゃあ、お先にあがりまーす」

如月「何かなぁ♪」

子日「アッイス、ようっかん、シュークリームーッ♪」

利根「はう…」キュルキュルクー

―食堂―

子日「こんにちは!今は何の時間?おやつの時間だよ!」

荒潮「うふふー、おやつは大好きぃ♪」

如月「そしてご同席あずかりますのは」

暁「こちらよっ!」

提督「ど~も~♪鎮守府のアドミラル、提督よぉん♪」

駆逐艦s「わー」パチパチパチ

提督「ん~…ほっ、ほほはっ!」トントトトン

駆逐艦s「」パチパパパッ!

一同「…」

提督「何これ?」

子日「わかんない!」

荒潮「3時のおやつはうきうきうぉっちん」

如月「うぶふっ」クスクス

暁「荒潮…今日はご機嫌ね」

暁「間宮さんから差し入れがあるって、司令官言ってたから」

荒潮「いっしょにどうかしらってぇ」

如月「ドックでね」

子日「子日が提案したんだよっ!」

提督「あらぁ、嬉しいわぁ♪」

子日「えへへぇ♪」

如月「おやつもだけど、司令官のトーク、期待してるわ♪」ウインク

提督「あら、期待されてもなにもでないわよぉ」

暁「そこらへんはアレよ、サイコロ回して…」

荒潮「なにがでるかなっ♪」

如月「ぷっ…あ、暁まで…っ」プルプル

提督「このカルテット面白いわぁ」

提督「そんなことより、ほらっ、貰ってきちゃいなさい」

子日「そうだった!なにかななにかなぁ!」テテテ

如月「お腹ぺこぺこー」

暁「はしゃいじゃって、お子様ねっ!」トトト

荒潮「提督は、コーヒーでいーい?」

提督「いいの?じゃあお願いしようかしらっ」

荒潮「りょーかーい♪」

暁「…はっ!レディのにおい!」

如月「荒潮…、恐ろしい娘っ」

子日「?」

暁「何これっ!」

子日「初めてみた!」

如月「私知ってる!これはミルフィーユ、ねっ」フフン

子日「みるひーゆ?」

暁「そ、そうねっ、みるひーゆよっ」

荒潮「あれー?これ、ミルクレープじゃなぁい?」

如月「えっ」

提督「如月おしい!ミルクレープでした~。荒潮正解!」

荒潮「わぁい♪」

如月「え~」

暁「み、みるくれーぷ、これが、みるくれーぷ…」ブツブツ

子日「ねー、早く食べよーよー…」

暁「あっ、司令官のは?」

提督「アタシはさっき食べたから大丈夫」

暁「そう…」

子日「おいしそー!いただきまぁす!」

如月「せっかちさんねぇ。みんな揃うまで待ってほしいわぁ」

暁「まったくね!」

子日「えへへ、ごめーん」

荒潮「よいしょ、よいしょ…」カチャカチャ

荒潮「…はーい、どーぞ」コトン

提督「どうもありがとっ」

荒潮「うふふー、いーえー♪」ストン

子日「みんな座ったよね!準備はいーい?」

如月「えぇ」

暁「うん!」

荒潮「いいよぉ」

子日「それではご一緒に!」

駆逐艦s「いただきまーす!」

提督「ぞ~ど、めしあがれ♪」フフッ

子日「ざくっ!もぐもぐもぐっ!うわっ、おいしーっ!」パタパタ

如月「ん~♪ホッペが落ちそぉ~」トローン

荒潮「あらー、ほっぺた落ちゃったぁー」ペトーン

暁「おいしい!おいしいわ司令官!」ピョコピョコ

提督「うんうん!まるで高級ホテルのフルコースのラストに出るデザートのような出来の良さよねっ!」

暁「高級、ホテル…!」

子日「フル、コース…!」ゴクリ

如月「例えが大人ねっ」

荒潮「ブルジョワー」

提督「あくまで例えよ」ズズッ

子日「なんだか、もったいなくなってきちゃった…」チビチビ

如月「そうね、こんなのめったに食べられないもの」

荒潮「これって、ぜんぶ手作りなのよねー?」ペリペリ

暁「あっ、剥がれるんだ!」ペリペリ

提督「そうよぉ~。これ全部間宮ちゃんの特製なんだから」

提督「クレープを一枚一枚丁寧に焼いて、クリームとクレープをそれはまた一枚一枚丁寧に重ねて、やっと出来る一品よ」

暁「そうなんだ…」アムアム

荒潮「間宮さんの優しさでできてるのね」アムアム

如月「そう思うならお行儀よく食べなさいよっ」

子日「でもこれ、剥がして食べるとなんだかお得!」アムアム

如月「もうっ!」プン

提督「うふふふ」

提督「今度、お礼の手紙書かなきゃね」ズズ

暁「…」チラッチラッ

如月「…」

暁「し、司令官っ!」

提督「ん、なぁに?」

暁「えと、その…」//

如月「はぁい司令官、あ~ん♪」スッ

暁「!!」

提督「え~、いいの~?」

如月「もちろんですわっ」

提督「じゃあ…」パクッ

提督「ん~やっぱりおいし~♪」

暁「っ…!っ…!」ワナワナ

如月「…ふっふーん」ニヤ

暁「うぬぬぬ…!」

荒潮「じゃーわたしもー。あーん」

暁「!?」

提督「そんな悪いわ、アンタたちで食べなさいよ~」

荒潮「たーべーてー」ウリウリ

提督「…どうもっ」パクリ

荒潮「おいしい?」

提督「う~ん、とってもっ」

荒潮「うふふー♪」

子日「あ、あたしのはあげないよっ!」サッ

提督「なによっ、別に狙ってなんかないわぁ」

暁「…」

提督「そういえば暁、なんか言おうとしたわよね?」

暁「…なんでも、ない」

提督「そう…?」

如月「…」

如月「もうっ、痩せ我慢しちゃって~。ホントはお腹空いてるクセに」ツンツン

提督「そんなこと…」

如月「…」ツンツンツン

提督「…そうね。もう一口、ほしいかもしれないわぁ~」

暁「!」ザクッ

暁「ほっ、ほら!司令官!にゃーん!」ズイッ

提督「お、おっきぃ…あむっ!」

暁「…」ジッ

提督「ん~♪とっても美味しかったわ。ありがとね!」バチコン

暁「ど、どういたしましてっ!」///

如月「…ふふっ」

荒潮「んふふー」

子日「お腹いっぱいなら、あたしが食べてあげるよ?」

暁「子日にはあげないよーだ!」

子日「なんでっ!?」

子日「あーおいしかったなぁ!」

暁「そうねっ」ニコニコ

如月「ねぇ、どんなお話する?」

荒潮「それはー、サイコロでぇ」

如月「も、もういいからっ」

提督「サイコロ…確率って言えばね」

如月「司令官まで…もう、なんですか?」

提督「羅針盤を回してくれる妖精さんいるじゃない?」

子日「!」

暁「!」

荒潮「!」

提督「あの娘たちってさぁ…」

如月「み、見てよこの輝く肌!触ってもいいんですよっ?」グイグイ

提督「な、何よ急に」

子日「そそそ、その話はダメなの!」

暁「わ、わたし、まだ司令官と一緒になるいたいのに…!」ウルウル

提督「えっ、えっ?」

荒潮「はやく、はなしそらして」コソコソ

提督「よ、よう、ようかん!羊羹を買いに行った時の話なんだけどねっ!」

子日「ようかん!」ケロッ

暁「なになに!?」キラキラ

如月「…」ホッ

荒潮「…」ウインク

提督「あ、あはは…」ゴメンネ

提督「それでね、お客様用の羊羹を切らしてて、気がついたのが夜だったからアタシが買いに行ったのよ」

子日「うんうん」

提督「まぁ、お買い物が終わってからのお話しだったんだけどね」

提督「ここで言っちゃうけど………出たのよ」

「?」

提督「……妖怪が」

「…」

暁「もー、何言ってるのよ司令官!」

子日「そうそう!お化けなんてうっそさって、言ってるじゃん!」

提督「そう言いたいけど、実体験よ」

子日「…」

暁「…」

提督「あの時は…鎮守府への帰り道、アタシは小走りで帰ってたの。よく通る道だから、なんてことないはずだったの」

提督「でも、その日はなんか変な雰囲気だったわ…」

如月「ふぅん…」

提督「ほら、今の時期って寒いじゃない?」

提督「あの日は不思議なことに、暖かかった、ううん、生暖かい…かしら」

提督「おかしいなぁおかしいなぁって、アタシは思ったのよ。次第にアタシの足は速くなったわ」

提督「…結構走ったはずなのよ。鎮守府からそんなに距離はないから、もう着いててもおかしくなかった」

提督「…でもね、走っても走っても、鎮守府に辿りつけない、いえ、景色が変わらないの」

暁「ごくり…」

荒潮「あ、あらぁ…」

提督「だんだん気持ち悪くなってきて…、怖いなぁ、怖いなぁって…」

如月「…っ」

提督「足を止めたわ。胸が苦しいのと、意味がわからないので」

提督「ふと、何か聞こえたような気がしたの。耳を澄ますとね、おーい、おーいって。呼んでるの」

提督「後ろを振り向いたけど誰もいなかったわ」

子日「うわー…うわ…!」

提督「でも呼ぶ声は止まらなくて、それがどんどんどんどん近づいてくるの!」

提督「もうこれはヤバイ!そう思って視線を戻した時、でたのよ…!」

提督「…妖怪猫吊るしが!!」

如月「…」

荒潮「…」

暁「…」シロメ

子日「…」シロメ

提督「…」

如月「よ、妖怪猫吊るしって…」

荒潮「エラー娘さん?」

提督「そ」

如月「でもなんで怖いなぁってぶふふっ!」クスクス

如月「いな○わさんのモノマネ似てなーい」

提督「アンタねぇ、面白おかしく語ったけど、かなり怖かったんだからね!」

提督「まぁネタバラシすると、アタシが小走りしてる時に財布を落として、それを拾ったあの娘がおいかけてくれたんだけど、なかなか追いつかないから次元を歪ませて届けてくれた、ってわけなの~」

如月「まぁ、実際に遭遇したらちょっと怖いかもぉ」

荒潮「あ、きいてぇー」

提督「なぁに?」

荒潮「妖怪に、なんか、ようかい?」

如月「…」

提督「…」

荒潮「お、怨念がぁ」

如月「はいはい、そこにおんねぶふうっ!」プルプル

提督「如月…」

荒潮「如月ちゃん大好きぃ♪」

如月「荒潮のせいであんまり恐くなくなっちゃったじゃなぁい。ねぇ?」

暁「…」シロメ

子日「…」シロメ

如月「も、もしもーし?」ツン

暁「……っは!ししし司令官!こっ怖かったのならわたしに頼っていいんだからねっ!?」ブルブル

提督「うふふ、ありがと」ヨシヨシ

子日「わわわ、わたしは巻き込まないでねっ!?」ブルブル

提督「アンタは薄情ね!」ナデナデ

如月「やぁーん、如月こわーい♪」グイー

荒潮「私もなでてー」ピトー

提督「なによアンタたち~♪」ヨシヨシ

如月「妖怪といえば」

提督「なぁに?」

如月「潜水艦の艦娘ってどんな娘なんですかぁ?」

子日「そうそう!深海棲艦みたいな仄暗い海の底から、みたいなじゃないよねっ!?」

提督「違うわよぉ。あんなカ級とかヨ級みたいなじゃないって」

提督「まぁ、敵にまわすのは怖いけどね」

暁「司令官は会ったことあるの?」

提督「大本営でちょっとだけね」

提督「アンタたちが思ってるようなビジュアルじゃないのは確かよ。普通に可愛い女の子たちだったから♪」

子日「かわいい…」

如月「女の子…」

暁「ふんだ!」

荒潮「あーらあら」

提督「な、なによ」

暁「かわいいといえばっ!」プンスカ!

提督「な、なにかしら~!」

暁「私たちは改二になったら、大人な体になれるの?」

提督「改二、ね」

提督「うちの鎮守府にはまだ改二はいないからぁ、アタシも見たことないし…」

提督「ごめんなさいね、それはわからないわ~」

暁「そっか…」シュン

子日「ねぇねぇ!提督はどう思う?子日たちがナイスバティになっちゃったら!」キャルーン

如月「さすがの司令官も手が出ちゃうか・もっ♪」ウフーン

荒潮「いやーん」アハーン

暁「あ、あう…」///

提督「…これはあったとしても改二は無しね~」

「えー!」

子日「そんなぁ!ちゃんといいこにするからぁ!」

如月「もう、冗談ですわ…」

荒潮「本気にしちゃ、やーよ?」

暁「大人のレディに、なれないの…?」

提督「うふふ、冗談よ」

提督「もちろんいずれ皆を改二にしてあげるわ。その時姿形がかわろうとも、アンタたちはアンタたちよ」

提督「それに、レディになるには大人のボディじゃなくて、淑やかな心、そう気持ちよっ」

如月「なるほどね。その体現が司令官なのかしらっ」

暁「なのです!」

提督「それ程でもあるわね♪」

子日「あ、提督といえば!」ハイ!

提督「アタシ~?」

子日「提督って女子力高いよねー!」

提督「そんなことないわよ~、ね、荒潮」ポン

荒潮「あらあら、そんなことあるわよー、ねぇ如月ちゃーん」ポン

如月「やーだー♪決まってるじゃなーい、暁ー?」ポン

暁「もちろん!一人前のレディですから!」フフン!

子日「…」

提督「も~、おほほほほ」

荒潮「うふふふふー」

如月「ふふふふふっ」

暁「えへへへへ」

子日「ちょ、ちょっとわたしはーっ!?」

暁「冗談でしょっ、子日っ」ポン

子日「ふんだっ」

如月「あれー?子日おこなの?」

荒潮「激おこスティックふぁ、ふぁ…なんだっけー?」

子日「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームだよっ!」

荒潮「やーん、子日ちゃん女子力たかーい」

子日「えっ、そうかな…」

如月「高い高ーい♪」

子日「そ、そう?」

暁「私の次に高いかも?」

子日「もー!そんなことないってばー!」ニシシッ

如月荒潮暁(チョロい)

提督(女子の世界の闇は深い…ガンバレ、子日!)ホロリ

荒潮「チョロいといえばー」

子日「?」

提督「な、なになに~?」

荒潮「利根先輩どうなったのかしらー?」

提督「利根?アナタ達とドック行ったんじゃないの?」

如月「ほら、私達はすぐ直るから」

暁「あと筑摩先輩につかまってたわ」

提督「あ~…」

子日「そういえば提督と筑摩先輩はあまり仲良くないよね?」

如月「ちょ、あなたっ!」

提督「まぁ、プライベートな所もあるし、アタシがとやかく言うことはできないわ」

提督「実際姉思いのいい娘だし、利根も気にしてはないようだし、ね」

提督「これはアタシとあの娘のお話だから、あとは気にしないの。いい?」

如月「わかりました」

荒潮「あ、はいー」

子日「はぁい」

暁「なのです」

…グウウウウウウウ

暁「ぴいっ!?」ガタッ

如月「な、急に脅かさないでよ~」

暁「い、今何か唸り声みたいな…」

子日「あたしも、聞えた…」サー

提督「え?そう?」

荒潮「ほんとー?」

暁「ホントよ!」

子日「ホントだもん!」

グゴゴゴゴゴゴ…!

暁「ほらまたぁっ!!」ヒシッ

子日「え、エラー娘さん!?」ヒシッ

提督「あんな鳴き声じゃないわよ…。なにかしら?」ムギュー

ノジャー…

如月「何か聞こえた?」

荒潮「のじゃーって聞こえたー」

暁「なにそれこわい!」

子日「なにそれコワイ!」

提督「のじゃーって…」

コツ…コツ…コツ、コツ バァン!

暁「きゃあー!」

子日「うひゃー!?」

利根「お腹すいたのじゃー!」ギュルルルルルルクー!

提督「あ~ら利根、いらっしゃ~い♪」ヒラヒラ

利根「て、提督~!我輩のおやつは!?」

提督「取ってあるわよ」

利根「ありがたい!…どうしたのじゃ?」

暁「あわわわわ…」ガクブル

子日「ほわわわわ…」ガクブル

如月「お気になさらず」

荒潮「ちょっとした不思議体験でアンビリーバボーなんですー」

利根「ほう…それはなんと、お疲れ様じゃな?」

筑摩「姉さん速いですよ…」

筑摩「…提督、お疲れ様です」ムスッ

提督「お疲れさま。あなたのもあるから、食べてらっしゃい」

筑摩「ありがとうございます」ペコ

筑摩「…その娘たちは」

暁「あわー」

子日「ほわー」

如月「お気になさらず」

荒潮「Xファイルがですねー」

筑摩「はぁ…」

利根「筑摩ー!早くするのじゃー!」ブンブン

筑摩「あ、待って姉さん!」

筑摩「…では」ペコ ムス

提督「どうも」ヒラッ

如月「…くくっ、もう何よ荒潮、何よアンビリーバボーとかXファイルって…!」

荒潮「おわかりいただけただろうかぁ」

如月「うふははははっ!」タシタシ

提督「アンタ達はもう…。二人はいつまでくっついてるの?」ヨシヨシ

子日「もうお化けヤダー!」

暁「司令官!今日は一緒に寝てあげてもいいのよ?」

如月「ずるーい!私も私も!」丿

荒潮「じゃあ私もー」丿

子日「あたしも!」丿

提督「…」

提督「アタシも…」丿

「どうぞどうぞ!」

提督「えっ、ちょ、なにこれ~!」

提督「さぁて、アタシはそろそろ執務室戻らないと」

暁「あっ…」

子日「大変だねー」

如月「お勤めご苦労様です」

荒潮「楽しかったー」

提督「有意義な時間だったわぁ♪」

提督「じゃまたね~」フリフリ

ポロリ

暁「あっ、司令官!ハンカチ落と」

エラー娘「もー、また落として」ヌルー

エラー娘「オォォイ」ブゥン

如月「…」
荒潮「…」
子日「…」
暁「…」アパアパ

『この日は暁と子日と荒潮と如月と一緒に寝る事になりました』

―浜辺―

ザザーン…

初春「ふんふーん♪」サクサク

初春「まことに、いい天気じゃの~」サックサック

キラーン

初春「ん?なんじゃ?」

初春「…」サクサク

初春「ふむ」ヒョイ

初春「御守…かの?」

初春「落し物、だろうか」

キラーン

初春「誰かのものかもしれぬし、持ち帰っておくかの」ゴソゴソ

初春「ん~、潮風が心地よいのぉ♪」

―鎮守府裏―

初春「ふむ」カツカツ

初春「涼しい日陰を歩くのも乙なものじゃ」カッツカッツ

ウフフフ

初春「む?」

熊野「はい最上さん、あ~ん♪」

最上「一人で食べられるってば~、もう…。あむっ」モグモグ

熊野「うふふふっ」

初春「おーおーここは日陰なのだが、なんぞ、眩しいのぉ」ホホホ

最上「あう、はちゅはう~」フリフリ

熊野「最上さんはしたない…、ご機嫌よう初春さん。お散歩ですの?」

初春「うむ。海岸沿いからぐるーっとの」

最上「んっくん、お互いヒマだね~」

初春「ほほほ、言い返せんのぉ」

初春「そうじゃ、これを落とした者はおらぬかえ?」ゴソゴソ

最上「なになに?」

初春「この御守なのじゃが」

熊野「まぁ、金色の美しい御守ですわねぇ」

初春「浜辺に落ちてたのじゃ。状態が良いから、流れてきたようにはみえぬのだが」

最上「んー、僕たちは浜辺には降りてないよ」

熊野「防波堤ならよく出かけますけど…」

初春「ふむ、そうか…」

初春「ほほほ、邪魔したの」

最上「ううん!」

熊野「鎮守府にもどられます?」

初春「うむ、今日は天気が良い故ちと遠回りして戻るとするぞ」

初春「では、ご機嫌よう」

―倉庫前―

サァー…

初春「滅多に訪れぬ場所ではあるなぁ」カツカツ

初春「この物寂しさも…風流よのぉ」パタパタ

グガー

初春「む?」

加古「んがー…ごー…」スヤスヤ

扶桑「ふふふ…」

初春「おやおや、珍しい組み合わせが」パタパタ

扶桑「初春さん、こんにちは。いい天気ですね…」

初春「違いない」

初春「こやつは、人の脚でよくもまぁ熟睡できるものじゃな」ツンツン

加古「ん、ん~、あと5時間…」ピクッピクッ

扶桑「ふふっ。ここは静かで私も良く来るのですが、どうやら絶好のお昼寝ポイントみたいです」

初春「わからんでもない」

扶桑「初春さんもお昼寝ですか?」

初春「いや、わらわは散歩じゃ」

扶桑「空がこんなに青いのに、外に出ないともったいないですものね」

初春「お主が言うと説得力が…」

初春「そうじゃ、これに見覚えは?」

扶桑「御守?いいえ、このように眩しいのは見たことありません…」

初春「そうか。…幸薄なお主に譲ろうか?」

扶桑「私に?いいえ、必要ありません。きっとあっても無駄でしょうし…」

加古「暗い顔してんじゃねぇよぉ…」ムニャムニャ

初春「…」

扶桑「…」

初春「ほほ、確かに必要なさそうじゃな」パタパタ

扶桑「ふふっ」

初春「お邪魔したの」

扶桑「いえ、お散歩、お気をつけて」ニコリ

―鎮守府正面―

初春「…うんむ!」パタパタ

初春「我が鎮守府…小規模ながら雄大な佇まい。天晴じゃの」パタパタ

長門「…」

初春「おや、おったのかえ?」

長門「…」ズット ココニ イタノニ…

初春「長門殿も日向ぼっこかえ?」

長門「あぁ。洗濯物を干したついでに…」

初春「穏やかじゃあ」

長門「うむ」ココチヨイ

長門「…」ハツハル ハ ドチラヘ?

初春「…」パタパタ

長門「…」アノ… チラッ

初春「ん?あぁ、なんじゃ?」

長門「い、いや…」

初春「ふむ…」ゴソゴソ

初春「これが誰のかご存知ないか?」プラーン

長門「…」

長門「…」イヤ、ワカラナイ

初春「…お主」ピッ

長門「!」

初春「その口は飾りか?ちゃんと口にせねば伝わらぬと、提督がよう言っているであろう」

長門「うっ、す、すまない…」ツイ…

初春「よう気をつけることじゃ」

初春「お主は頼りにしておるのじゃからなっ」ニッ

長門「…!」

長門「ありがたい、お言葉です…」ペコリ

初春「ほほほ、よろしく頼みますぞ」カツカツ

―食堂―

カチャカチャ…

初春「込み入る前の食堂というのもまた一興…」ストン

初春「ふむふむ、今日はかれーか!楽しみじゃ♪」

祥鳳「あれ、初春さん!お昼にはまだ早いですよ?お腹すいちゃいました?」フキフキ

初春「お構いなく。ちょいと寄ってみただけじゃ」

祥鳳「そうでしたか」

祥鳳「…お昼前の静かな食堂、なかなかどうして、新鮮な気持ちになりますね」

初春「ほほ、わらわもそう思っていたところじゃ。お主、なかなか趣味が合うのぉ♪」

祥鳳「そうですかっ?嬉しいです!」

瑞鳳「お姉ちゃーん?洗い物ほったらかし!って初春さん?お昼にはまだ早いよ?お腹空いちゃった?」

初春「寄ってみただけじゃと…さっきも言うたような、ほほ、お主らは本当によく似とる」

祥鳳「お恥ずかしい…」//

瑞鳳「んー?」

初春「そうじゃ、忙しいところ悪いのじゃが、これに、心当たりは?」ゴソッ

祥鳳「わぁ、ピカピカですね…」

瑞鳳「わ!ピカピカだね!」

初春「ふふ…」

祥鳳「うーん、見覚えは無いですね」

瑞鳳「私も」

初春「そうか」

初春「ほほ、邪魔をした。かれー、楽しみにしておるぞ」

祥鳳「はい!頑張ります!」

瑞鳳「おまかせください!」

初春「ほほ、またの」

―資料室―

初春「時にこういった物に目を通すのも…」ペラッ

初春「…」ペラペラ

初春「…うむむ、なにが何やらさっぱりじゃ」パタン

ガチャ

初春「おや?」

叢雲「あら初春、こんなところで何やってるの?」

初春「まぁ、散歩の一環じゃな」

叢雲「そ。退屈そうで何よりだわ」ゴソゴソ

初春「ふん…口の悪い娘じゃの~」パタパタ

叢雲「間違ってはいないでしょ」

初春「まぁの!」シャッ

叢雲「…」ペラッ

初春「…」

初春「時に叢雲や」

叢雲「んー?」

初春「お主は深海棲艦をどう思う?」

叢雲「どうって…」

叢雲「敵よ。それ以上も以下もないわ」ガサガサ

初春「敵、であるか。まぁ、そうじゃな」フム

叢雲「今更ね」

初春「なに、奴らにも帰る場所や、守るものがあるのかとな」

叢雲「…」

叢雲「考えるのは勝手だけど、変な気起こさないでちょうだい」

初春「ありえんことじゃが、ふむ…気をつけよう」

叢雲「そろそろ集中させてくれるかしら?」

初春「おぉ、これはすまなかった。お忙しい叢雲はご苦労様じゃ」

叢雲「ふん」

初春「ほほほ。では最後に」ゴソゴソ

初春「これはお主のではあるまいか?」

叢雲「…」ジー

叢雲「いいえ、知らないわ」プイ

初春「そうか…」

初春「ではお勤め、励みなされよ」フリフリ

叢雲「言われるまでもないわ」ヒラ

―執務室前―

初春「…」パッパッ

初春「…」クシクシ

初春「…」キュッ

初春「…ふぅ」

ココン!

「はぁ~い…初春でしょ?」

初春「~!」グッ

初春「ほほほ!そうじゃわらわじゃ!入りますぞ」ガチャ

…バタン

―執務室―

初春「ふふふっ」

提督「あら~ん、どうしたの~?初春は今日オフじゃなぁい?」

初春「おふ故に、御前様にこうして会いに出向いたのじゃ!」ドヤ

提督「やあ~ん!はちゅか↓わ↑い→い~!」グネグネ

初春「ほほ、くるしゅうないぞ」//

初春「見たところ、執務は一段落ついたところかえ?」

提督「そうね。ほぼおしまいって感じかしら、んう~!」ノビー

初春「おー、お疲れのようじゃのぅ」ススッ

初春「どれ、ここはわらわが1つ、まっさーじなるものを施してしんぜよう!」コキコキ

提督「あらホント~?じゃあお願いしていい?」

初春「御意に!」

初春「ん、んん!これは、なかなか…!」ワシワシ

提督「あまり無理しなくてもいいわよ?」

初春「なんの!」ワッシワッシ

初春「御前様、なかなかっ、立派なお身体を、お持ちなのじゃな!」グッグッグッ

提督「これでもスラッと、戻した方なのよぉ…、あっそこそこ…うっ」コキコキ

初春「わらわは、どちらでも、受け入れるぞ!」グーイグーイ

提督「ムキムキはアタシの柄じゃないわぁ~…ふぅ」

提督「ありがと、もう大丈夫よっ」

初春「む、もう良いのか…?」

提督「ええ!とっても上手だっわぁ~!アナタ器用ねっ♪」バチコン

初春「ふふん!そんなこと、あるぞっ」ドヤ

提督「ん~、すっきり!軽くなったわぁ~♪」

初春「…」

初春「コリのように、御前様の肩にのっているモノもほぐしてやれれば良いのだが…」

提督「アタシのモノなんて、アナタ達が背負ってるモノに比べたら軽いものよ」

初春「…ほほっ」

初春「ならばわらわが一人分など、大した物ではあるまい」ギュウ

提督「んっ!?ま、まぁ、そうね」イイカオリ

初春「ふふふっ」//

初春「時に思う」

提督「うん」

初春「わらわ達には、鎮守府と御前様という帰る場所がある」

初春「この国を守るのは最もじゃが、それよりもこの居場所がわらわは大事…」

初春「故に、深海共は可哀想じゃ!」ギュ

提督「…」

初春「あぁ、有り難いのぉ」スリスリ

提督「…守ってくれて、ありがと」ナデナデ

初春「他でもない御前様の為ならば…」

初春「…」ススッ

提督「…っは!」

提督「そ、そういえば初春の胸、なんだか大きくなったんじゃない?」クルッ

初春「わらわの胸?そんなもの変化など…あぁ」ゴソゴソ

提督(アタシ、なにいってるんだろ…)

初春「浜辺に御守が落ちていたのじゃ。御前様に見覚えは?」

提督「いいえ。アタシは御守なんて持ってないし…」

提督「なぁにこれ…すごい金ピカねぇ」ホンモノ?

初春「違うか。ふむ…ではこれは落し物として登録しておくかの」

〈その必要はないぜ!〉ヒョコッ

初春「んん?」

提督「あら妖精さん。じゃあこの御守はアナタの?」

〈いいや、そういうことじゃないんだけど…〉

〈そいつは女神の御守ってんだ〉

初春「め、女神の」

提督「おまもり?」

〈あぁ!なんでも凄いご利益があるとかなんとか〉

初春「迷信であろう?」

〈いいや!これはマジだぜ!聞いた話じゃ、轟沈したはず艦娘が元通り直っていたとか!まだ着任してない艦娘が全て揃ったとか!〉

提督「それが本当ならとんでもないわねぇ~」

初春「にわかに信じられんが…」

〈持ってても損はしないって!…装備スロット1つ消費するけど〉

初春「御前様…」

提督「いいんじゃない?誰のでもないそうだし、拾った者勝ちよっ」

初春「ふむ…これも何かの縁、か。では頂いておこう」

〈ちゃんと装備しないと効果無いからきをつけな!〉

初春「わ、わかった」

〈話はそれだけ!じゃあね!〉ピューン

初春「うむ!かたじけない!」

提督「ど~も~♪」

提督「いわゆるアイテムなのねぇ。おもしろ~い」

初春「わらわより御前様が持っていた方が良いのでは…残りの艦娘を
全て揃えられると」

提督「これは初春のっ。アタシはアタシの運で揃えてみせるわ」

初春「そうか」

初春「…そういえば」

初春「御前様、わらわの胸の大きさなぞ、よう知っておるなぁ~?」シャッ

提督「えっ!?」

初春「オカマでもわらわの胸に興味が湧くものかえ~?」フニ

提督「それは、あっ、あれよぉ!初春とはよくスキンシップをとるから、いつもの感覚がね!ほらっ!」

初春「ほほぉん」ニヤニヤ

提督「ホントよぉ…」

ウウウウウゥゥゥゥン!
ウウウウウゥゥゥゥン!

提督「あ~!もうお昼の時間ね!今日は何かしらぁ~!」

初春「ほほほ、今日はかれーだそうな」

提督「や~ん、楽しみぃ~!」クネクネ

「司令官!!」トントン!

提督「入りなさい」

ガチャ

朝潮「失礼します!司令官、鎮守府近海に敵です!」ビシッ

提督「なんですって!」

初春「くぅ、すぐに戦闘の準備を!」

朝潮「はい!叢雲さんがすでに!」

初春「ほほ、あやつめ」

提督「さすが叢雲!…まずはブリーフィングよ。初春、今食堂にいる娘達に伝えて。朝潮、状況を教えてちょうだい」

初春「了解じゃあ!」

朝潮「了解です!」ビシッ

―食堂―

提督「え~聞いての通り、敵よ」

………

提督「時間ヒトヒトゴウマル、場所は鎮守府近海。現在確認されている数は1つ。でも潜水艦が隠れている、とも予想できるわ」

提督「敵は一隻だけど、なんだか胸騒ぎがするわね…」

提督「用心に越したことはないから、今回は五隻の編成で出撃してもらうわ」

提督「旗艦を初春とし、朝潮、長門、最上、熊野、アンタ達。よろしくね」

「はい!」

提督「では、準備が整い次第出撃よ!」ビカー!

―鎮守府近海―

ザバババババ…

初春「予定地に到着…」

朝潮「…敵、確認できません」

最上「待ってて、今瑞雲で偵察してるから」

熊野「本当に敵だったのでしょうか…?」

長門「…」

朝潮「反応は確かにあったのですが…」

初春「ま、戦闘など無いに越したことは」

長門「…いる」

初春「む!」

最上「て、敵を発見!ここから三時の方向!約20キロ!」

熊野「あっちには何も無いはずですわ。どこに向かおうというのかしら」

初春「気になるが、まずは確認しにゆくぞ!」

最上「この辺りなんだけど…」

朝潮「見えませんね」

長門「…いや、見えた。十一時の方向!」

初春「なんと!……あやつか!」

?「…」チャプチャプ

熊野「な、なんですの!あの姿は!?」

最上「ち、小さい女の子…?」

朝潮「戦艦でも重巡でも軽巡でもありません!」

?「…!?」ワタワタ

長門「気づかれた!」

朝潮「様子がおかしいようですね…!」ガチャ

初春「…」

熊野「先手必勝!一捻りで黙らせてやりますわ!」ガシャコン!

?「ヒッ…!」

初春「っ…!?」

?「コ、コナイデッ!」ブワッ

熊野「しゃべった!?」

初春「待たれ!撃つでない!」

最上「な、何する気?」

初春「わらわに任せて欲しい」ズイッ

初春「…」ススッ

?「カ、カエレッ!」

長門「…」ガチャン

初春「待て、威圧するでない」

朝潮「近づくとのは危険です!」

初春「大丈夫、大丈夫じゃ」ニコ

初春「お主!」

?「…!…!」キョロキョロ

初春「そこのお主じゃ」ユビサシ

?「…?」

初春「一人で、ここへ、来たのか?」

?「…」

?「…」コクン

朝潮「!」

最上「わかる、みたいだね…」

初春「早く、帰るのじゃ、良いな」

?「ゼ、ゼロ、オイテケ!」

長門「零?艦載機か…?」

初春「ぜろは、無い。危ないから、はよう、帰るのじゃ!」

?「…」ショボン

朝潮「…っ」ゴクリ

初春「…」

?「…カエル」

初春「そ、そうか!」

?「ゼロ…」ズズズズ…

初春「もう来るでないぞー!」フリフリ

?「…」フリ…フリ…

チャポン…

初春「…ふぅ」

最上「帰った…」

熊野「ようですわ…」

長門「…ふむ」

朝潮「な、なんだったのでしょうか」

初春「わからん!とりあえず、わらわ達も戻るとしよう。変に疲れたぞ…」

朝潮「は、はい!作戦終了!これより帰投します!」

―鎮守府・港―

ザバババババ

朝潮「無事に戻ってこれましたね」

最上「今回は戦闘してないしね」

熊野「あれは、逃がしたって事になるのかしら…」

長門「会話ができる深海棲艦…か」キョウミブカイ

初春「…これのお陰だろうか」ギュ

オーイ!

初春「!」

初春「御前様ぁー!」パァッ

提督「おかえり~!」

提督「はぁ~、皆無事ね…よかった…」

―執務室―

提督「う~ん…。新手の深海棲艦ねぇ」

初春「うむ。そやつは童女の姿をしておって」

長門「ゼロ、たぶん艦載機を置いてけと…」

朝潮「私たちに帰れと言ってました」

最上「何がおかしいって、言葉をしゃべったんだ!」

熊野「最終的に初春が説得して追い返しましたわ」

提督「…」

提督「頭がこんがらがってきたわ…」

初春「無理もない…わらわ達もさっぱりじゃ」

提督「……」

提督「ま、いいわ。皆お疲れ様!補給の用意はしてあるから、いってらっしゃい♪」

「はい!」

提督「旗艦の初春は後で戻って来てねっ」バチコン

初春「あいわかった」

―補給後・執務室―
ココン!

提督「はぁ~い、いらっしゃい」

ガチャ

初春「入りますぞ!」バタン

提督「悪いわね。呼び戻しちゃって」

初春「なんの!御前様のお呼びとあれば!」

提督「ありがと。それでね、今回の新種の深海棲艦についてわかるところだけでいいから、教えてほしいのよ~」

初春「うむ、重要な事じゃからの」

提督「ま、立ち話でなんだからそこの椅子に座っちゃって~」

初春「おぉ!すまぬのぉ」ガタガタタッ

初春「むふー」ストン

提督「…近くな~い?」

初春「そうかや?」ズイッ

初春「で、あ奴の事じゃが。まず体格はわらわの頭1つ下で子供のようじゃった。特徴は白い髪、白い肌、赤い目。兵装は見当たらなかったが、あれは隠してあるとみて間違いはなかろう…」

提督「なるほどなるほど」カリカリ

初春「戦闘力が計り知れぬが、ふっ、あのような小娘ならば赤子の手をひねるまでも無く!」

提督「こ~ら」ペン

初春「!」

提督「今の慢心は良くないわね」

提督「姿形が子供だからって、それが本当に見た目通りの強さとは限らないわ。今回は上手くいったけれど、もしそれが狂暴なヤツだったら無傷ではすまなかったはずよぉ」

初春「わ、わらわを手をあげた…」フルフル

提督「え?」

初春「ならばっ!一方的に攻め立ててあ奴を沈めれば良かったのか!?」ガタッ!

提督「は、初春?落ち着いて…」

初春「そうであればあの時皆を止めはせんかった!」

初春「わらわは!…わらわは敵であろうあ奴を、なぜか帰した方がよいと…そんな…」

提督「初春…あのね」

初春「くっ、はじめから!わらわを旗艦になどせねば良かったのじゃ!」ダッ

ガチャ バダン!

提督「…」

―廊下―

初春「くうぅっ!」カツカツカツ

初春(わらわは!御前様が喜んでくださると思う一心で!)

初春「…っ!」カツカツカツ

初春(無駄な消費もなく、皆を守り、無事に戻ってきたのではないか!)

初春「っ、っ!」グシッ

初春(なのにわらわを叩くなど…!愚か者め、しれ者め、罰当たりめ!)

叢雲「ん?」

叢雲「あんた、どうしたの」

初春「しらん!」カツカツカツ

叢雲「…」

―執務室―

提督「…」

提督「はぁ~…」

提督「ん~~~!アタシのバカ~!」ワシワシワシ

トントントン

提督「…」グシャ

提督「どうぞ」

ガチャ

叢雲「入るわ」バタン

提督「…ふふっ」ヒラヒラ

叢雲「はぁ」

叢雲「バッカじゃないの?」コツコツ

提督「なんも言えないわね」

叢雲「ふぅ…」カツカツ

叢雲「で、何したの?」ジッ

提督「アンタが思ったことはしてないわよ!」

提督「今日の出来事を報告してもらって、あの娘がちょっと不安な事いうから、こう、ぺんって…。あとお説教?」

叢雲「…」フゥ

提督「…」

叢雲「私も」

叢雲「あの娘が危なっかしい気はしてる」

提督「…」

叢雲「でも、信じてあげるのがアンタの役割じゃないの?違う?」

提督「…おっしゃる通りね」

叢雲「でも一番の落ち度は、あの娘を叩いたことね」

提督「そこよね…」

叢雲「あー可哀想」

提督「うぅっ!」グサッ

叢雲「…ここで落ち込んで、追いかけなくていいの?それとも酸素魚雷喰らっとく?」ガコン

提督「今なら甘んじて受けてもいいわ」

叢雲「っ」ガシッ

提督「!」

叢雲「シャキッとしなさい!家族の大黒柱がヘタってどうすんの!」

提督「む、叢雲…!」

叢雲「まったく、こんなのが提督だなんて聞いて呆れるわ。…頭ボサボサのままでみっともない」クシクシ

提督「ご、ごめんなさいね」

叢雲「早く行ってきなさい」ペン

提督「ありがとう、恩にきるわ!」

ガチャ バタン

―浜辺―

初春「…」ザク…ザク…

初春「…」グシッ

初春「…」ザクッ

初春「…」

初春「…」ゴソッ

キラーン

初春「なにが、女神の御守か…」

初春「わらわの想いは、まるで届かぬではないか」

初春「…こんなものっ」グッ

「初春!」

初春「っ!」

提督「はあっ、はぁっ…」

初春「お、おま…」

初春「ふん!な、なんの用じゃ」フイッ

提督「…」ザクッ

初春「よるなっ」

提督「…」ザク ザク

初春「よ、よるでない!」

提督「…」ザク ザク

初春「なぜじゃ!なぜお主は何もわかってくれぬのじゃ!」

提督「…」ザクザク

初春「お主と、わらわの、仲ではないのかぁ…っ」ジワッ

提督「…」ザクザク …ザクッ

初春「っ…」キッ

提督「…」

初春「…」

提督「…」

ミャー ミャー

提督「…さっきは、叩いて悪かったわ」

初春「ゆるさぬ」

提督「…」

初春「…」

ミャーミャー ミャー

提督「このとおり!」サイケイレイ

初春「ふんっ」

提督「ごめんなさい!」ガッショウ

初春「…」チラッ

提督「うぐぐ…!」プルプル

初春「…」

初春「…ふ」クスッ

提督「ぐ~…」チラッ

初春「…ま、わらわは寛大であるからに」

初春「これでゆるしてやるとしよう!次は無いと思え!」ペシッ

提督「はは~っ!」

初春「…」

初春「…わらわは上から叩かれるのは嫌じゃ。…降ってくるかのようでの」

提督「…」

初春「もしわらわが粗相をしたのであれば、どうかこのように、優しく諭しておくれ…」ナデナデ

提督「わかったわ…」

初春「…」

提督「…」

提督「はつはるぅ~!」ガシッ

初春「御前様あっ!」ダキッ

ミャー!ミャー!

提督「あ~しんどかった!初春とケンカなんてもう二度としたくないわ!」

初春「まったくじゃ!苦しゅうて胸が張り裂けたかと思ったわ!」

提督「本当にごめんね、もう叩かないわぁ」ナデナデ

初春「う、うむ、わらわも生意気な事を言うた。すまぬ…」

提督「いいのよ。アナタを、アナタ達を信じる事がアタシの役目なのだから」

初春「御前様…!」

初春「ここに約束しよう。もう慢心は口にせぬ!御前様に迷惑はかけぬと!」

提督「そんな迷惑だなんて事は」

初春「思えば御前様の手で造られた時より、わらわは御前様のモノ…で、あって…」

初春「」

初春「その…いつわらわと…契ってくださるのだろうか…?」ポッ///

提督(あら~?なんか話がすごく逸れたわぁ?)

提督「そ、それはアタシがオカマで有ることでね?」ヨクシッテルト オモウケド

初春「性別云々など、愛の前では無意味…!」キラキラ

提督「ほ、ほらでも」

初春「何も心配はいらぬ!たとえこの身が朽ち果てようが、沈もうが、必ず御前様を…!」

提督「おっと…その誓約は許されないわぁ」ナデナデ

初春「は!…う、うむ、そうじゃの。轟沈してはと元も子もない…。おかげで少し落ち着いたのじゃ。すまぬ」

提督「大丈夫。でもそうね、そんなアナタのまっすぐな所、好きよ♪」

初春「っ!わ、わらわもお慕いしておりまするっ!」///

提督「うふふっ」

初春「で、ではこれより、わらわとの…!」

提督「おっと!まだやり残した仕事があったんだわ!じゃ、先に戻ってるわねっ!」ダッシュ

初春「あ…」

提督「…」ピタッ

提督「戻りは気をつけて来るのよっ」バチコン

初春「ふっ、わかっておる!」

初春「…」

ミャー ミャー

ザザーン…

初春「…」ゴソッ

キラーン

初春「…」

初春「どうか、あの者に幸多からんことを…」ギュ

初春「…ふふっ」

―次の日・執務室―

提督「う~ん…ますますわからないわねぇ」

叢雲「新たな深海棲艦、言葉を話す、戦う意思はなかった…、どういう事?」

初春「どうもあやつは零戦を探していたようじゃが…」

提督「ウチにある零戦でもいいのかしら?」

叢雲「与える気なの?」

提督「それでいなくなってくれるなら願ったり、なんだけど」

叢雲「奴らは敵よ。与えたところで何されるかわからないわ」

提督「それも困るのよねぇ~」ウ~ン

初春「…そのような、恩を仇で返すようには見えんかったがのぉ」

叢雲「信じられないわね」フッ

初春「!おまえさまぁ~…」

提督「ま、まぁ、実際にアタシ達は見たわけじゃないし、会敵した初春の言葉なら、信じられ、る…しぃ?」

初春「そーじゃそーじゃ!」

叢雲「…」イラァ

叢雲「ふん!だったらやってみなさいよ。どうせこれしか対策が思いつかないんだしっ」

初春「ならばそうしよう!のう、御前様?」

提督「そうね。コレに賭けてみましょうか」

叢雲「でもどうするの?無駄にできる艦載機はうちにないのだけれど」

初春「作ればよかろう?」キョトン

叢雲「あ、あんたねぇ、そう簡単にっ!」

―工廠―

ピッピピッ ガシャコン!

初春「はぁっ!」ボン!

キラキラキラ…

〈零式艦戦21型〉

叢雲「出来ちゃうのよっ!?」ガビーン

提督「わぁい」タッチ
初春「わぁい」タッチ

叢雲「ふ、ふん!どうせ追い払ったのだから、もう二度と会うことなんて…!」

ウウウウウゥゥゥゥ!

初春「ん?まだ昼餉には早い…」

ウウウウウゥゥゥゥ!

提督「違うわ、これは緊急事態よ!」

「失礼、しますっ!」

朝潮「し、司令官!」ハァハァ

提督「敵ね?」

朝潮「はい!反応は一つです!」ビシッ

初春「また現れおったのか…!」

叢雲「あ~もう!なんなのよっ!」

提督「全員、食堂に集合よ!」

―食堂―

提督「さて、つい昨日騒ぎになった新たな深海棲艦」

提督「それがまた、現れたわ」

ザワザワ…

提督「相手は人型で見た目は子供。武器や装備は一切不明。そして私達と同じ言葉を話し、それに応答できる知性…」

提督「そして、ゼロ、おそらく零戦をさがしているらしいとのこと」

空母達 ザワザワ…

提督「なので、今回はその探し物をあえて譲ってみる事にします」

提督「何か質問あるかしら?」

「…」

提督「ありがとう」

提督「で、編成なんだけれど…」

ガタタッ

初春「わらわがゆこう。いまいちど話しをしてみたい」

長門「…護衛にでも、使ってほしい」

朝潮「朝潮、分析のために参ります!」

最上「偵察ならまかせて!…って思ったけど、長門さんのついでくらいしか役にたたないけどね」

熊野「あらあら、昨日のメンバー揃組でして?この熊野、新たな脅威にも屈しませんわ!」

提督「ありがとう、アナタ達」

ガタッ

秋雲「そ、そのー、私もいってみたいなー!なんて」イシシ

提督「そっか、秋雲は絵が描けたわね!じゃあその腕を見込んで、頼まれてもらえるかしら?」

秋雲「かしこまりぃ!」

提督「一応、今回の作戦の最終確認なんだけれど…」

提督「もし例の敵がいたら初春、アナタに任せてもいいのかしら?」

初春「あぁ、お任せあれ!」

提督「未だに相手の力量は計り知れないわ。慎重にね」

初春「あいわかった。気を引き締めてゆこう」コク

提督「うん」ニッ

提督「で、秋雲には目標
スケッチを。あんまり前に出すぎちゃダメよ」

秋雲「あいあいキャプテン!うおー!腕がなるねぇー!」

提督「長門、熊野、最上、朝潮は
初春の援護をお願い。そしてもしもの時は返り討ちにしてやりなさい」バチコン

「はいっ!」

提督「さぁて、第二回戦。うまくいってちょうだいよ~」ビカー

―鎮守府近海の外れ―

朝潮「レーダーの反応は前回の位置とほぼ同じです」

初春「ならばこの辺りか」

最上「…」

長門「…」

秋雲「おぉ、集中してるねぇ…」

熊野「ふふっ、最上さんの瑞雲か、長門さんの電探か。今回はどちらが早いのかしら」

最上「…」

長門「…」

最上「…感あり!」

長門「…いた」

最上「十時の方向!」
長門「十時の方向!」

熊野「同時ですわ!」

秋雲「かーっこいいぃ!今の一枚描いとこっと♪」

初春「お主ら…真面目にせんかっ」

?「…」チャプチャプ

朝潮「視認できました」

初春「さて、手はず通りに」

秋雲「何アレ…まんま女の子じゃん」

長門「…」

最上「危なそうには見えないんだけどなぁ」

熊野「ええ。囲んで撃てば簡単に倒せそうなのですが…」

初春「これ、慢心すると足元をすくわれるぞ」シャッ

最上「う、うん」
熊野「はい…」

初春(わらわが言えた物ではないがの)パタパタ

初春「ゆくぞ。初春、いざ参る」

初春「…」ザバババ…

?「…」キョロキョロ

?「!」ビクッ

?「カ、カエレッ!」

初春「おーおー、落ち着け。わらわじゃ。覚えておらぬか?」

?「…ア…ア」オドオド

初春「…まぁよい。お主に、聞きたい事が、あるでの!」ユビサシ

?「ア!」

初春「な、なんじゃ?」

?「キノウノカンムス!」

初春「お、おぉ、そうじゃ!我が名は、初春。はつはるじゃ!」

?「ハツハウ…?」

初春「は つ は る !」

?「ハ、ハツハル!」

初春「うむ、言えたではないかっ」

初春「お主の、名前は、あるのか?」

?「…」

北方棲姫「ホッポウ、セイキ…」

初春「ほっぽうせいき…?」

北方「ホッポデイイ」

初春「うむ、ではほっぽよ!お主はなにゆえ、こんなところにおるのじゃ?」

北方「…ゼロ、ホシイノ」

初春「それだけか?」

北方「ウン」コクリ

初春「あー、他の者の様に、戦闘はしないのか?」

北方「イタイノ、ヤダ!」

初春「!」

初春「ほほほっ、そうじゃな。同感じゃ」ニコ

朝潮「すごいです…!深海棲艦とまともな会話が出来ています!」

熊野「それもこれも殺意、というものが感じられませんからね」

最上「もしかしたら、僕達の仲間になっちゃったり?」

長門「…」

秋雲「…」カリカリカリ

長門「…」オオ

秋雲「お?どうよ~。秋雲さん的によく出来てるかなぁって!」ニッシシ

〈初春とほっぽちゃんのゆるい不思議空間の図〉

長門「美化せずにちゃんと描いた方がいいかと…」デモ カワイイ

秋雲「こうしてられるのも、全方向舐めるように描ききったからねぇ」ビラッ

長門「…なんと」コヤツ、ヤルナ…

秋雲「あとできればスカート中…、めくれないかなぁ~」ジー

長門「… 」

初春「そうかそうか。わらわもの、お主らと争いたくはない」

北方「ソッカ」

初春「じゃが、ここはほっぽにとって危険な海域じゃ。前にも言うたが、ここにはもう来るでない」

北方「…」

初春「…ゼロ、か?」

北方「ソウ!」フンス

初春「…それがあれば、ここにはもう用はない。そうじゃな? 」

北方「ウン」コクリ

初春「ふむ」

初春「これがお主の目当ての物であれば良いのだが…」シャッ

北方「!!」

初春「どうだろうか?」

北方「ゼロ!」パァ

初春「そうか、これか」

北方「ク、クレルノ?」ジリジリ

初春「あぁ、よいぞ」

北方「ワァイ!」

初春「ただし!!」

北方「ヒャア!」ビクッ

初春「よく聞くのじゃぞ?…おほん、一つ!北方、お主はもうこの海域もう来ない。約束できるな?」

北方「ヤクソク…スル!」

初春「二つ!これはわらわからのお願いなのじゃが、ほっぽの仲間達もこの海域に近寄らないでほしい。そう伝えてもらえまいか?」

北方「ツタエル!」チラッチラッ

初春「あとは…」

初春「お主ら!何かこやつに言っておきたい事はないか?」

朝潮「えっ?な、何かとは…」

長門「…」

最上「うーん…」

熊野「特には…」

秋雲「はい!」ノ

初春「何じゃ秋雲?」

秋雲「ほっぽちゃんのパンツ見ーせて!」

北方「コレ?」ピラー

秋雲「マーーベラス!」シャカシャカシャカ

初春「こんの罰当たりめぇ!ほっぽも捲らんでよい!」

初春「まったく…」

北方「ゼロ…ゼロォ…」クーン

初春「…」キュン

初春「で、ではくれてやろう」//ガシャッ

北方「ヤ、ヤッター!」

北方「アリガトウ!ハツハル!」ギュ

初春「ほ、ほほっ、ういやつめ」ナデナデ

北方「ハツハル、イイヤツ!」

初春「そうかそうか」ヨシヨシ

初春「お主の仲間も、これくらい素直なら良いのだが…」

北方「?」

初春「いや、独り言じゃ」フフッ

初春「さて、これにて作戦完了。わらわは鎮守府に帰還する」

北方「カエッチャウノ…?」

初春「そうじゃ」

北方「マタ、アエル?」

初春「はて、それはどうかの」

北方「…ハツハル」

初春「…」

北方「マタネ」フリフリ

初春「…」ニコ

初春「…あぁ」ヒラヒラ

初春「…」クルッ

初春「…」チラッ

北方「…」フリフリ

初春「…っ」ザバババ…

北方「…」フリフリ

初春「…」

朝潮「お疲れ様です」ピシッ

初春「うむ」

初春「…行ったか」

熊野「変わった深海棲艦でしたわね」

最上「戦ってきた中にもあんな感じのがいたのかと思うと戦いにくいなぁ」ウーン

秋雲「くーっくっく…ロリペド深海棲艦…捕まってチョメチョメ…これは捗るわぁ~!」キラキラ

長門「しかしあれが奴らの作戦かもしれない…気を許しては、いけない」

初春「そうじゃの。それに、もう現れることはなかろうて」

初春「さ、わらわ達も帰ろう」

―鎮守府・港―

提督「…」

叢雲「あんたねぇ、わざわざ出迎えなくてもいいじゃない」

提督「だって心配じゃなあ~い!」グネグネ

叢雲「子供のおつかいじゃあるまいし」

提督「な~んて言って、一緒に待ってるのどこのお利口さんかしら~?」

叢雲「わ、私は別にっ!」//

提督「はいはい」ニヤニヤ

叢雲「なによ、酸素魚雷をっ」スッ

提督「あ、きたきた!見えたわ!」

提督「いち、に、さん…うん!全員いるわ!良かった…」

叢雲「…ふん。当然よ」クル

提督「え~、行っちゃうの?」

叢雲「補給の用意よ。わかるでしょ?」カツカツカツ

提督「うふふ、ありがと」

朝潮「司令官!ただいま戻りました!」ビシッ

提督「おかえり!皆ケガはない?変なことされなかった?変な物食べされられなかった?」サッサッサッ

朝潮「はい、滞り無く!」キラキラ

熊野「えぇ。何もありませんでしたわ」フー

長門「他に敵影はなかった」

提督「よしよし」ウンウン

秋雲「提督ぅ、見て見て!いっぱい描いてきたぞ~!」ガサッ

提督「あ、あら、随分いっぱい描いたわねぇ~」タウンページクライアルワ

提督「どれどれ?」ピラッ

〈ほっぽちゃんの下半身〉

提督「へー、黒なんてはいてるの?…じゃなくて、どこの描いてんのよぅ!」

秋雲「あ、最後に描いたのもまぜちゃった…ごめんごめん!」ニシシ

提督「でもよくやったわ、後でしっかり見せてもらうわね」ワシワシ

秋雲「あ~…」♪///

初春「…」

提督「…」

提督「さ、みんな補給にいってらっしゃい!叢雲が用意してくれてるわ♪」

「はい!」

ゾロゾロゾロ…

提督「初春」

初春「御前様…」

提督「お疲れ様。どうしたの?元気ないわね」

初春「うむ…」

提督「…」

提督「とりあえず、補給にいっちゃいなさい。何かお話があるなら聞いてあげるわ」ポン

初春「…あぁ、後でゆこう」

提督「…」

提督「…」ペラッ

〈北方棲姫のスケッチ〉

提督「…」ペラッ

〈オドオドしたほっぽちゃん〉

提督「ん~」ペラッ

〈ゼロに喜ぶほっぽちゃん〉

提督「!…あぁ」ペラ

〈笑顔のほっぽちゃんと柔らかい表情の初春〉

提督「…」

初春「そういうこと、かしら」

―執務室―

朝潮「私からの報告は以上です!」

提督「ありがと!あとはゆっくり休んでいいわ」

朝潮「は、はい…」

提督「ん!まった!」

朝潮「はい!何でしょうか!」ピシッ

提督「あ~、ん~…そう!工廠に資材が届いたから、妖精さん達と一緒に片付けておいてほしいの。戻ってきたばかりで悪いけど、お願いできる?」

朝潮「はいっ!よろこんでっ!」ビシッ

提督「お願いね~」ヒラヒラ

朝潮「では、行ってまいります!」

ガチャッ パタン

提督「ふふっ、パワフルねぇ~。若いっていいわぁ~」

初春「…」

提督「…ふ~む」

提督「浮かない顔っていうのは、今の初春の表情をいうのよ~?」

初春「はぁ~…」

提督「あ、幸せが逃げたわ」ヒョイヒョイ

初春「御前様~!」ムー

提督「冗談だってばぁん!」

初春「うぅ…わらわは、わからなくなったぞ…」

提督「そうなの」

初春「…聞かぬのか?」

提督「アナタの気持ちが整うまで待っててあげるわ」ニコ

初春「~!」

初春「…」ノシノシノシ

提督「ど、とうしたの?」

初春「なに、ただの補給じゃ」ムギュ

提督「んん!?」ピキーン

初春「…」ギュー

提督「…」

提督「ん…ん~、なら好きなだけ補給なさい」ナデナデ

初春「お、恩にきる…」///

提督「…」

初春「…」

提督「…」

初春「…御前様」

提督「ん?」

初春「あやつ、ぽっぽはゆっておった」

初春「戦いは、痛いから嫌だと」

提督「…」

初春「零戦を探していたのもあやつが、ただ欲していただけのようであった」

提督「…」

初春「それで、笑うのじゃ。ほっぽは」

初春「ありがとう、と」

提督「…」

初春「はははっ、これでは、…これでは迷ってしまうではないか」

初春「奴らは敵であるのに。まるで、わらわは達と…!」

提督「そこからは危なくなっちゃうから、落ち着いて」ツン

初春「んむっ」

提督「…そっか」

提督「純粋な娘、だったのね」

初春「…」コク

提督「でももう来ないって約束したんでしょ?なら、もう心配いらないわ」

初春「…うむ」

提督「ね?」

初春「…」

初春「そうじゃな…」

初春「戦わずにすんで、良いに越した事は無いからの!」

提督「きっとそのほっぽちゃん、アナタの零戦で楽しく遊んでるわっ」

初春「あぁ!」

初春「そうじゃ。そう思うことにしよう」

提督「えぇ」

初春「…」

提督「…」

初春「…」ギュ

提督「ところで、この補給はどれくらいかかるのかしら?」

初春「はて、いつまでかの~?」

提督「え~」ナデナデ

初春「むふ~」

提督「そうだ」ガサガサ

初春「?」

提督「秋雲が単体のスケッチ以外にいろいろ描いてたのがあってね」

提督「これこれ」ヒラッ

初春「お、おぉ!」

初春「あやつ、まこと良い腕をしておるなぁ」

提督「ねっ」

初春「これ、いただいても…?」

提督「うん。大事に取っときなさい」

初春「うむ!礼をいう!」

トントントン

『私よ』

提督「げっ、初春、離れないとっ」

初春「よいよい。このまま通してしまえ」ニヤ

提督「そ、れ、は…ちょっと」

初春「くるしゅうない、入られよ!」

提督「あちょっ」

ガチャ

叢雲「なんであんたが返事して、って…」パタン

提督「お、おかえり~…」ホホホ

初春「おぉ叢雲。先の補給の準備、大義であったぞ」ムギュ-

叢雲「あーらあらあら、仲良しさんねぇ。まだ日も高いのに執務室でからみあってていいのかかしらぁ」ニコリ

提督「からっ、こ、これは」

初春「わらわにとって褒美じゃな」

叢雲「なんですって?オカマの上に座って密着するのがご褒美?いい趣味してるわあんたっ」

初春「あぁまったく。体から伝わる心拍、柔らかな匂い、この包み込まれる安心感。われながら良い趣味じゃ。お主にはもったいない」ホホッ

叢雲「!」ピキーン

提督「あわわ…」

叢雲「そこを退きなさい」ノッシノッシ

初春「断る」

叢雲「ならあんたが退かしなさい!」

提督「えぇ!?アタシじゃ、だって」

叢雲「つべこべ言わない!」ガシッ

初春「あ~れ~!愛し合うふたりを強引に引き剥がすのはやめてたもれ~」ギュー

叢雲「このっ、このぉっ!」グイグイ

初春「い、いたっ、叢雲これっ、加減せいばかもの!」ググッ

提督「く、苦しっ…!」クキキキ

叢雲「こ、このっ!」ガコン

叢雲「色ボケ変態オカマーッ!」ブウン

提督「ぎ、魚雷はマズ」

―バルコニー―

ミャー ミャー

叢雲「…」ムスッ

初春「…」フー

叢雲「っ、悪かったわよ」

初春「そうじゃの」フン

叢雲「あ、謝ってるじゃない」

初春「そうじゃのっ」

叢雲「…」

初春「…」

叢雲「だいたいあんたがっ」

初春「叢雲。お主のその殴り癖、なんとかならんのか?いくら屈強の我が提督も身が持たぬぞ?」

叢雲「うぅっ…」シュン

初春「まったく、落ち込むくらいならよせばよかろうに…」

叢雲「むしろなんであんたはそんなにおおっぴらになれるのよ…」

初春「知りたいか~?」ススッ

叢雲「…けっこうよ」

初春「それはのぅ」

叢雲「…」

初春「素直になることじゃ!」

叢雲「…素直に」

初春「おっと、叢雲にはあまりにも難しいか」ホホホ

叢雲「…」

初春「ま、お主の売りはそのつんつんな態度だからのぅ」

叢雲「私…」

初春「うむ」

叢雲「あいつに嫌われたり、とか…」

初春「むう?」

叢雲「自分がどんな性格かはわかってる」

叢雲「でもあいつの、司令官の事…尊敬、してるわ…」

初春「ほうほう」ニヤニヤ

叢雲「ムカつく顔ね!」

初春「すまんすまんっ」

叢雲「…」

叢雲「あいつが何でも出来るようになったから、私はそれに付いていこうと必死だった」

初春「ふむ」

叢雲「でもあいつったら、私達艦娘ひとりひとりと向き合って、山のような仕事もこなして、いらない心配したり、無駄に喜んだり、グネグネしたり…」

初春「…」

叢雲「こんな人、初めてだったから…」

初春「…」

叢雲「だから…あんたみたいに素直に気持ちを伝えられたら、どれだけ…………楽か」ハァ

初春「そうか」

叢雲「…」

初春「しかしあやつはオカマぞ?」

叢雲「い、今更っ、馴れたわよ」

初春「ふむ。…知っておるかはわからぬが、あやつの倍率はすこぶる高いぞ?」

叢雲「何のよ?」

初春「愛人枠じゃ」ズバッ

叢雲「あいじん…!って、なんでよ?あいつ変態オカマじゃない!」

初春「そう言って素直になってない輩が、お主しかおらんということじゃ」

叢雲「…」

叢雲「なんですって!?」

初春「皆、あの手この手で攻略中じゃ」

叢雲「し、知らなかった…」プルプル

初春「じゃが、もっと大変なのが…」

叢雲「…」ゴクリ

初春「提督の心、じゃ」

叢雲「…」

初春「あやつは、初めて会った時からの男以外興味がない、を貫いておる」

叢雲「そんなこと、あったわね」

初春「今では随分揺らいでいる!…様に見えなくもない」

初春「仮に気持ちを伝えても、すんなり受け入れられはしないじゃろう」

叢雲「そう、なんだ…」

初春「わらわはこんなにも愛を叫んでおるのにぃ!御前様ぁ~!」

叢雲「…」

初春「それでも、わらわを抱きしめてくださるようになったのは、気持ちが届いている証拠じゃ!」

叢雲「なっ」

初春「わらわが大幅にりーど、じゃな♪」シャッ

叢雲「ぐぬぬぬ…」

初春「ほーっほっほっ」パタパタ

叢雲「…」

叢雲「決めた…」

初春「何をじゃ?」

叢雲「あんたには負けない!」

初春「ほほーう?」

叢雲「そうよ…あいつは私が育てたの。だからあいつを独占したって、何もおかしくないわ!」グルグル

初春「いや、いささかその発想はおかしかろう」

叢雲「あ、あれっ?」

初春「つまりは、恋敵じゃ。そうであろう?」

叢雲「そ、そう!初春!あんたは私のライバルよっ!」ユビサシ

初春「笑わせてくれる!出遅れにやすやすと抜かされてなるものか!」ユビサシ

叢雲「…」

初春「…」

叢雲「…ふふっ」

初春「ふふふ」

叢雲「…あんたくらいよ。私とこんなに絡んでくるのは」アクシュ

初春「初期艦と初建造艦の仲であろう」グッ

叢雲「そうね。悪くないわ」

初春「うむ、くるしゅうないっ」

ミャー…ミャー…

―深海―

ゴボボボッ…

北方「ブーン、ブーン!」

タコヤキ〈アウチ、アウチ!〉

北方「ブーン…ドカーン!」

タコヤキ〈オーマイゴー!〉

?「…」

北方「ゼロ、ゼロ!」キャッキャッ

?「ホッポ…」

北方「オネエチャン!ゼロ!」

?「マァカッコイイ…」

?「コンナモノドコカラ…?」

北方「モラッタ!」

?「ヘェ、ダレカラ?ヲキュウ?」

北方「カンムス!」カチャカチャ

?「…エ?」

北方「カンムスノ、ハツハル!」ブーン

?「イケナイ…ソレヲワタシナサイ」グイッ

北方「ナンデ!?カエシテ!」

?「コレハマダ、コワレテイナイ。キケンスギル」

北方「ホッポノゼロ!カエシテ!」

?「イケナイ」

北方「カエセッ!」ビカッ!

?「ウッ!?」バチッ

零戦 ドゥルン…ドゥルン…

北方「アレ?」

?「アァ…」

零戦 ドゥルルルルルル!

北方「ゼロ、ウゴイタ!」

?「チガウ。アレハモウ、ゼロデハナイ…」

零戦 グキッ グキバキッ!

北方「ア…アァ…」

黒零 バルルルルル!

ヴウウウウウゥゥゥ…!ゴボボボ…

北方「マッテ!イカナイデ!ハツハル!」ブクブク…

?「ホッポ…!」

?「…」

―翌日・執務室―

提督「さぁって!あの件も一段落ついたし平常運転!と、いうことで。ここに集まってもらった皆には、これから遠征にいっていただきます!」

朝潮「わかりました!」ビシッ

初春「ふむ」

叢雲「遠征なんていつぶりかしら」

那珂「が、かんばりますっ!」コチコチ

提督「どうしたの那珂ちゃん。やけに堅いわね?」

那珂「どうもこうも…!」チラッ

朝潮「?」実力No.3
初春「?」実力No.2
叢雲「…」実力No.1

那珂「那珂ちゃんの存在感、薄くないですかぁ…?」

提督「そう?今日はアナタが旗艦で張り切ってるかと思ってたのに~」

那珂「センターなのはうれしいけどぉ…」

叢雲「いつまで無駄話してるの?早く作戦を言いなさい?」

提督「アッハイ」
那珂「スミマセン」

提督「おほん。このところ燃料の消費が右肩上がりなのよね~」

叢雲「そうね。最近出撃が多かったし」

提督「だからこれからしばらく燃料の確保を優先に遠征していこうと思います。…あわよくば家具箱もあつめられたらなぁ~ってっ」テヘペロ

初春「なぁに、それくらいお安い御用じゃ」

朝潮「この朝潮!この身に換えて必ず確保してきます!」ビシッ

提督「大げさよ~。軽い気持ちで行ってきてちょうだいっ」

那珂「那珂ちゃん、はっきり言っていらない娘なんじゃあ…」

提督「よっ!那珂ちゃん今日もすっごくカワイイわ!今日も輝いてる!なんていうの?オ~ラってヤツがビンビン!」

那珂ちゃん「も、もー!そんな事言っても、スマイルしか出ないんだからねっ!きゃはっ☆」キラン

提督「キャ~!」グネグネ

叢雲「…なにこれ」

―港―

ミャー ミャー

提督「じゃ~、忘れ物はないわよね?」

朝潮「はい!ぬかり無いです!」

叢雲「忘れ物も何も…」

那珂「………よしっ!那珂ちゃんいつでもかわいい!」クシクシ

初春「誰に見せる訳でもなかろう」

提督「じゃ、気をつけていってらっしゃい♪」

「はいっ!」

初春「御前様」ズイ

提督「ん、なぁに?」

初春「この遠征が終わった暁には、今度こそわらわとっ」

叢雲「っ!ぐずぐずしてないでさっさと行くわよっ!」グイッ

初春「おおっ!?む、叢雲よ!そこを引っ張るでない!ああっ」

提督「ふふふっ」ヒラヒラ

―鎮守府近海―

ザバババババ

叢雲「あんたね!場所位選びなさいよっ!」

初春「何故じゃ?わらわが愛を叫ぶその場所が世界の中心となっておるのに」シャッ

叢雲「そ、そんなのヘリクツよっ!」

初春「理屈ばかりでは嫌われてしまうぞえ~?」パタパタ

叢雲「うぐぐぐ…!」

ワーワーギャーギャー!

朝潮「…」

那珂「…」

那珂「いい天気、だね」

朝潮「はい」

叢雲「はぁ…はぁ…」

初春「難儀な娘じゃの~」

叢雲「もういい…。あんたはそういうヤツだったわ」

初春「お?」ゴソッ

叢雲「何?」

初春「いやの」キラーン

叢雲「御守?まだ持ってたのね」

初春「捨てるわけにもいかんしの」

初春「それに、妖精達の話ではなんでも曰く付きの代物だそうな」

叢雲「物騒な御守ね」

初春「や、いい意味でじゃがな」キラリーン

叢雲「…眩しいわよ」

初春「?」キラッキラッ

叢雲「ワザとやってるでしょ!?」

初春「ほほほっ」

那珂「この二人って、こんなに仲良しだっけ…?」

朝潮「仲良しですよ?」

那珂「そ、そうなんだ」

朝潮「はい。仲良しでいないと、司令官が悲しみますので」

那珂「あー。提督は喧嘩とか大嫌いだからね」

朝潮「…」

朝潮「司令官は、私達の良い所悪い所を全てご理解して、受け入れてくださいました」

那珂「…」

朝潮「私は司令官のお役に立てれば、それで良いのです」

那珂「…うん。私もそう思う」

朝潮「いつまでも、こんな平和が続いて欲しいものです」

那珂「そうだねっ」ニコ

朝潮「…」

那珂「…」

朝潮「ところで」

那珂「?」

朝潮「那珂さんいつもの口調わすれてますよ?」

那珂「…」

那珂「かかかかんたたたいのアイドルるるぅ!」キャピー!

初春「もう良い、もう良いのだ」ポン

叢雲「あ、あなたも大変ね」ポン

那珂「やめてー!那珂ちゃんの心の耐久力はゼロよーっ!」

―数時間後―

叢雲「そろそろ頃合かしら。ちゃんと燃料は持った?」

朝潮「はい!」ズシッ

初春「うむ。しかし、家具箱は見つからなかったの」

叢雲「そうね。でもあんなのいつでもあるとは限らないわ」

朝潮「できれば持ち帰りたかったですね…」

叢雲「また探しに来ればいいのよ。さて、ぐずぐずしてないでさっさと帰投しましょう」

那珂「…」ポツーン

叢雲「…」

叢雲「たくさん取れたわね。あいつも、し、司令官も喜ぶわよ…」タブン…

那珂「はっ!那珂ちゃん気を使われてる!?なんだか不憫!」

叢雲「っ!旗艦なんだからシャキッとしなさい!」

那珂「は、はいぃ!」

ザバババババ…

那珂「そういえば…」

初春「なんじゃ?」

那珂「例の小さな深海棲艦が出た場所って、この近くなんだよね?」

初春「ん~…、そう、だったかの?」

叢雲「その通りよ。あんた、何度もこの辺り来てるじゃないの」

初春「そう申されても…見渡してもここは海しかなかろう」

叢雲「ふぅ…、あんたの頭の電探は飾りかしら?」

初春「おぉ!」

朝潮「ふふっ」

那珂「戦わないんだったら、那珂ちゃんもその娘と会ってみたかったなぁ」

初春「残念じゃが、機会はもうなかろう」

那珂「だよね~」

那珂「でも絶対可愛いよね!小さくて、髪が長くて白くて、目が赤くて…」

北方「…!…!」キョロキョロ

那珂「そう!ちょうどあんな感じの…ん?」

叢雲「え?」クル

朝潮「はい?」クル

初春「なんと!」グルッ

北方「アワワワ…!」キョロキョロ

初春「ほっぽ!何故におぬしがここに!」ザババ

北方「ハ、ハツハル!」

北方「コナイデッ!」

初春「何?」

……………ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウヴヴヴ!

朝潮「初春さん!上!」

初春「っ!?」

ダダダダダダッ!

初春「うぐっ!」バゴーン!

北方「キャアア!!」バアボー!

叢雲「初春っ!」ザババ!

ヴゥゥゥゥゥンン!

朝潮「な、何事ですかっ!?は、初春さんが!」

那珂「朝潮さん大丈夫、落ち着いて!すぐに砲雷撃戦の用意を!」ガチャン

朝潮「あ、あ、あ、は、はい!」ガチャッ

那珂「私達は叢雲さんの援護をしつつ、初春さんとあの深海棲艦を救出するよ!着いて来て!」ザバババ

朝潮「…」

朝潮「か、かっこいい…!」キラッ

初春「うぐぐっ…この程度では、まだまだ…!」中破

北方「ハツハル!シッカリシテ!」小破

初春「だ、大丈夫じゃ…」

初春「ほっぽよ、何故ここに…、あれはなんじゃ?」

北方「ハツハルカラモラッタゼロ、ウゴキダシタ」

初春「なんと」

北方「セイギョデキナイ!ホッポニモコウゲキシテクル!」

初春「暴走、か?」

暴走「ゴメンネ、ハツハル…。ヤクソク、マモレナカッタ…」シュン

初春「…よいよい」

初春「こうなっては仕方がない。…それに、おぬしにまた会えた」ナデ

北方「…エヘヘ」

叢雲「このっ!」ボン!ボン!

ヴゥヴゥヴゥゥン!

叢雲「なんだってのよ!カスリもしないわ!」ザバババッ

初春「叢雲…」

叢雲「大丈夫?酷くやられたわね。機銃でそれだけのダメージだなんて、ヤバイかも」

叢雲「…あんた!」キッ

北方「ヒャイッ!?」

叢雲「あの黒い艦載機はあんたのでしょ!?何とかしなさいよ!」

北方「ソ、ソレガ…」

初春「…あれは暴走しているそうな」

叢雲「ちぃ、使えないわね!」

北方「ゴ、ゴメンナサィ…フエェ…」

初春「まぁまぁ」

那珂「初春さーん!」ザババババ

ウゥヴヴヴヴ!

朝潮「撃ちます!」ボン! ボン!ボン!

ギュルルルルル!!

ダダッ!ダダダダッ!

朝潮「はっ!」Miss

那珂「危なっ!?」Miss

初春「おぉ、おぬしら…」ブスブス

那珂「大丈夫ですかっ?」

朝潮「叢雲さん、援護します!」ボン!

叢雲「頼むわ!でも、速すぎて当たらないっての!」ボン! ボン!

那珂「ここは逃げましょう!初春さん、掴まって」グッ

初春「お、おぉ…」ギュッ

北方「ホ、ホッポモッ!」グスッ

那珂「…うん!お願いね、ほっぽちゃん!」ニコッ

ダダダダダダッダダダダッ!

朝潮「きゃっ!?」ボーン!

叢雲「朝潮!」

朝潮「大丈夫です!かすっただけ!」

叢雲「こんの~!沈みなさいっ!」ボンボンボン!

朝潮「この海域から出ていけ!」ボン!ボン!ボン!

ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!

ダダダダダダッ!

ヒュー ヒュー

叢雲「爆撃よ!避けて!」

朝潮「くうぅ!」ザバッ

ドボン ドボン

初春「…!」

初春「まずい!」バッ

北方「ハツハル!?」

那珂「ど、とうしたのっ!?」

初春「叢雲!」ザバッ

叢雲「ふぅ、まったく、とんでもない奴ね」

ゴポ…

朝潮「危ないところでした…」

ゴポポ…

初春「む、むらくもっ!」

ゴポポポポ…バシュー!

叢雲「あ、あんた、動いたら駄目でしょ!」

初春「避けよ!叢雲っ!!」サッ

叢雲「えっ」ドン

カッ

〈ドボオォォォォン!!〉

ザーッ…

初春「」ギギギギ…

朝潮「あ…あぁ…」

叢雲「あんた…っ」ガシッ

那珂「は、はつ」

北方「ハツハルゥー!!」

ヴゥゥゥゥ…

?「…」チャポン ザザザザ…!

ガシャァン!ドォォン…!ドォォオン…!

ゥゥゥゥヴヴヴ ガコン!!

ガガガガガゥゥゥゥゥゥ…ドボン!

?「…」シュゥゥゥ…

那珂「し、深海棲艦…」

朝潮「こんな時にっ!」チャキッ

北方「コウワンオネェチャン!」

那珂「お姉ちゃん!?」

港湾棲姫「ホッポ…ダイジョウブ?」

北方「ホッポハダイジョウブ…デモ、ハツハルガ!」

叢雲「初春…なんであんたっ!」

初春「…て、…と…、かな…む」

叢雲「ばかぁっ!」ギュッ

初春「む、む………や、は……さな……く…」

叢雲「放さないわ…、すぐに、鎮守府に戻るから」ギシッ

港湾「…」

北方「オネェチャン、ナントカシテアゲテ!」ワタワタ

叢雲「…」ザバババ…

港湾「…」

叢雲「…」ザバババ

港湾「…ゴメンナサイ」

叢雲「…っ」

叢雲「大至急帰投よ!早く!」

那珂「は、はいぃ!」

朝潮「はいっ!」ザババ

北方「エッ、エッ…?」

港湾「カエリマショウ」ガシッ

北方「ソンナ、オネェチャン!ハツハルガッ!!」ジタバタ

港湾「…」ブクブクブク

北方「ハツハル!ハツハ…」ブクブクブク

叢雲「…」ザバババババ…

初春「…」

叢雲「…」

初春「ぅ…」

叢雲「大丈夫?もうすぐ、だから…!」グシッ

初春「…」

初春「…」フッ

叢雲「…」ザバババ…

那珂「叢雲さん…」

叢雲「私はいい。敵が来ないか見てて」

那珂「…はい」

朝潮「…」

初春「…」

叢雲「…」

初春「ぉ…」

叢雲「なにっ?」

初春「ぉま……さま…」

叢雲「すぐに会えるわ!あいつは今日も港で待っててくれてるから!ね!そうでしょ?」

朝潮「そ、そうです!司令官は待っていてくださいます!」

那珂「…ほら!もう陸が見えてきたよ!鎮守府だよ!」

初春「…」ギギ

叢雲「…」

―鎮守府―

提督「…」カリカリカリ

提督「…」ペラッペラッ カリカリ

〈…〉

提督「ん?」ピタッ

提督「…」ジッ

飛鷹「どうしたの?提督。海なんか見つめて」

提督「…なにかしら、胸騒ぎがする」

提督「………!!」ピキーン

提督「ごめんなさい!ちょっと迎え行ってくるわ!」ガタッ

飛鷹「えっ、えっ、何を!?」

ガチャ ダダダダッ… …ダカダカダカ!

提督「はあっ、大至急、入渠の用意をお願いっ!」ガタタッ

ドタドタドタ…

飛鷹「はいはい…」

ザバババババ

叢雲「港が見えてきたわ、もう安心よ」

朝潮「私、先に入渠の準備をしてきます!」ザバッ

叢雲「お願い」

那珂「初春さん!見て!司令官が居るよ!」

叢雲「…本当!ほらあんたの大好きな司令官よ!」

初春「…」ピクッ

…オ~~イ

提督『あさしお~!』

初春(…)

提督『なかちゃ~ん!』

初春(…あぁ)

提督『むらくも~!』

初春(…聞こえる)

提督『はつはるぅ~!!』

初春(…御前様)

初春(わらわは、ちゃんと帰って、参りました…)

初春(これで、良いのじゃ…)

叢雲「司令官!!」

提督「アンタたち~!」

提督「は、初春!」

叢雲「ほら、聞こえたでしょ。もう大丈夫よ」

初春「…」

初春「ぁぁ…」

提督「ヒドイ損傷…!しっかりなさい!!」

初春「お、御前様…」

初春「お慕い、して、おります…」

叢雲「な…、ふふっ。今は何も言わないわ」

初春「叢雲…、放して、よい…」

叢雲「大丈夫なの?」

初春「もう…良いのじゃ…」

叢雲「…そ」

提督「ほっ、良かった…」

提督「叢雲~、手を放しちゃだめよ~」フリフリ

叢雲「あいつが何か言ってるわね…」ヒラヒラ

初春「叢雲…」

叢雲「なによ」

初春「ありがとう」

叢雲「…面と向かわれると照れるわね」パッ

トポン

叢雲「わ、私とあんたの仲じゃない!」

提督「は、はつはるっ!!」ドボン!

叢雲「…え、ちょっ…、なに?あれ、どこに行ったの?」

那珂「あ、あぁ…」ユビサシ

叢雲「えっ?えっ?」

コポコポコポ…

叢雲「う、嘘…」

提督「うげっ、がぼっ!…はつ、はらぅ!!」バシャバシャバシャ

叢雲「もういいって、ここまで来て、助かったのに…」

叢雲「ありがとうって、そんなっ!」

提督「うわああああっ!」ザブン

叢雲「あんたが沈んだらあっ!わたしはっ…!」グスッ

提督「ぶはっ!初春、はつはるっ!」ハアッハアッ

叢雲「誰と張り合えばいいのよぉっ!?」

提督「はあっ、はあっ…」

叢雲「…」ポロポロ

提督「は、初春が…」ブワッ

叢雲「ご、ごう、ちんっ…」グシャッ

「うわあああああん!!」

ゴボ…ゴボゴボゴボゴボブクブク

ビカーーーン!!!

提督「」

叢雲「」

那珂「」

「ハッピーサプラーーーイズ!」ザッパーン!

?「ふっふっふーん!ワターシを呼び出したハッピーなマスターはどなたデース?」

提督「うわあああああん!」

叢雲「うええええん!」

那珂「あわわわわ…」

?「…」

?「もしもーし、エクスキューズミー?」

提督「うっさいわね!!今はそれどこ、ろ、じゃっ…うわああああ!」

叢雲「そうよぅ!ひんこんででっ…!くぅうっ…」

?「オーゥ…」

那珂「あ、貴女は?」

?「オゥ!話が通じるライトクルーザーがっ!」

那珂「かくかくしかじかで…」

?「まるまるうまうま!オールライト!話は聞かせていただいたネー!」

?「そんなお利口さんなライトクルーザーちゃんは、鎮守府に戻ってどうぞ!」キラーン

那珂「なんd」シュン

?「その方が都合が良いからデース」テヘペロ

?「ンッンー。あー、この度は、御シューショー様デース!」フカブカ

提督「何よアンタ!忙しいのよ!!」

叢雲「そうよ!さっきからうっさいわね!誰よあんた!」

?「ウェイ、ウェーイッ!」

?「申し遅れました、ワタクシ」

女神「黄金の御守の女神様デース!」テレーン!

提督「…」

叢雲「…」

―数十分後―

女神「つまり!アナタが今欲しいものは何ですかー!願いを一つだけ叶えてあげマース!と言っているのデース!!」

提督「だったら最初からそう言いなさいよっ!!」

叢雲「そうよ!回りくどいのと変な訛りで聞き取りにくいよのっ!」

女神「ふえぇ…」ハァハァ

提督「じゃあ願い派1つ。初春を、ここでついさっき沈んだアタシの初春を返して。全回復で!」

叢雲「異論はないわ」

女神「ウェーイ。よーく考えてくだサーイ。一つだけデスが、なんでも!どんな事でも願いが叶いマースよ?」

女神「それは、アナタの鎮守府に全ての艦娘、もちろん正規空母達などが揃い組になりマース!」

叢雲「な、なんですって…」チラッ

提督「…」

提督「そんなのどうでもいいわ」

女神「えっ」

提督「残りの艦娘は、時間をかけてゆっくり揃えるからいいの。鎮守府のみんなとね」

叢雲「司令官…」

女神「オーゥ!泣かせるネー!」

女神「ブット…それが叶うことはないでショー」

提督「なぜ?」

女神「アナタはそういうフォーチュンになっているのデース!!」

提督「…」

女神「今なら全ての艦娘アーンド!金剛型はもれなくレベルマックスの提督バーニングルァヴマックスデースよ?」

提督「…」

叢雲「提督…ルァヴ…」

提督「気持ちは変わらないわ。初春を、返して」

叢雲「…」

女神「…」

女神「決意は固い様デース…」

女神「願いはそれでファイナルアンサー?」

提督「えぇ」

女神「わかりました」

女神「…」シュン

叢雲「なんで落ち込んでるの?」

女神「いえ、アナタのアドミラールが羨ましいデース」ニコリ

叢雲「あなた…」

女神「では名残惜しいですが、今から願いを叶えマース。リトルタイムかかりますのでお待ちくだサーイ」キラキラ

提督「えぇ」

叢雲「…」

女神「それではアナタに武運長久を!ワタシはヴァルハラから見ているネー!」キラキラキラ

「グッドラーッグゥ!」キラーン!シャララララ…

提督「…」

叢雲「…」

ザザーン…

提督「…夢だったのかしら」

叢雲「さぁ…」

ゴポポポポ…

初春(…)

キラキラ…

初春(…なん、じゃ…?)

『ハッピーサプラーイズ』キラキラ

初春(お、おぬしは)

『ンー』フルフル

『アナタは幸せ者デース。せっかくなので、アナタの叶わぬ願い、ちょっとだけ色を付けてあげマース』ピカーン

初春(…)

『あ、アナタのアドミラールに伝えておいてくだサーイ』

『もうすぐ争わなくて済みます、と』キラキラ

初春(わかった…)

『ではでは、グッドラーック!』シャラン

初春(…)

ゴポポポポ…!

ザザーン…ザザーン…

提督「…」プカー

叢雲「…」チャプチャプ

提督「叢雲」

叢雲「なに…」

提督「今、あの娘と出会ってからの事、全部思い返してたわ…」

叢雲「私も…」グスッ

提督「…」

叢雲「…」

提督「ねぇ」

叢雲「なに…」

提督「艦娘って、お葬式はどうするの…」

叢雲「知らないわよ…」スンスン

ブクブク…

提督「アタシ、決めたわ」

叢雲「なにを…?」グシグシ

提督「それは…」

ブクブクブク…!

提督「んん?」

叢雲「え?」

ピカーン!

ザザザザザザ…

初春「…」キラキラ

提督「あ、あぁっ…!!」

叢雲「……っ!!」グスッ

初春「…ほほっ」

初春「なんてを顔しとる、御前様、叢雲」ニコ

「は、はつはるぅ~!!」

―港―

提督「げほっ!ごへっ!…うえっ」

初春「だ、大丈夫かぇ?」サスサス

提督「あ~…本物よ…!元気なアタシの初春よ~っ!!」ギューッ!

初春「そうじゃ、わらわじゃ。御前様」ナデナデ

叢雲「…っ」プルプル

初春「叢雲…」

叢雲「このっ!」グッ

初春「…」

叢雲「ばかぁ~…」ウエーン

初春「おー、よしよし、すまなかった。心配かけた」ナデナデ

叢雲「し、心配、どころじゃ…っうっうぅ…!」ポコポコ

朝潮「初春さん!」

ゾロゾロゾロ

〈ハツハルガシズンダッテ!?〉
〈エッ、ココニイルヨ?〉
〈アレホントダ〉
〈サッキ スゴイヒカッテタノ ナニ?〉

朝潮「よかった…!無事だったのですね!」ザッ

朝潮「すぐにドックへ行きましょう!」

初春「もう、大丈夫じゃて」

叢雲「!」

叢雲「ダメ…ドックに行くわよ」

初春「わ、わらわはこの通り元気に」

叢雲「あんたの〈もう〉は信用しないっ!」グイッ

初春「あ~れ~!」ズルズル

提督「…」ポカーン

朝潮「司令官、大丈夫ですか?」スッ

〈テイトクナンデヌレテルノ?〉
〈ウミニオチタノ!?〉
〈アブナカッタネ〉
〈カゼヒイチャウヨ〉

提督「ありがとう…。アタシは大丈夫よ」グッ

朝潮「そう、ですか」ニギッ

朝潮「司令官…緊急事態により、燃料は全てなくなってしまいました。遠征失敗です…」

提督「わかったわ。でもいいの、アナタたちがちゃんと…。生きて戻って来てくれるなら、それで」

朝潮「司令官…」

〈テイトク、ナイテルノ…?〉
〈ソンナワケ…マジカ!〉
〈ナカナイデ!シレイカン!〉
〈ワタシタチハココニイマスヨ!〉

提督「ありがとう、ありがとうみんな!」

提督「さ、もう戻りましょう!ベタベタしてて気持ち悪いからアタシはお風呂に入ってくるわねっ」

朝潮「わかりました!では準備を」

提督「大丈夫、一人でやるわ」フラッ

朝潮「そ、そうですか」シュン

提督「…」カツ カツ

朝潮「…」

―浴場―

提督「…」ポカーン

提督「…」チャプチャプ

提督「…ぁぁぁ」ゴシゴシゴシ

提督「…」ダバー

ガラララ…

提督「誰…?」

「はて、誰であろうなぁ」

提督「!?」グルッ

初春「ほほっ」スラリ

提督「は、初春…」ザバッ

初春「!!」///

初春「お、御前様の!御前様が…」チラッチラッ

提督「あ、あぁ…ごめんなさい」チャポン

初春「んんっ…お邪魔しますぞ」ススッ

提督「…」

初春「ふぅ」チャパッ

提督「…」

初春「…」

提督「…」ジー

初春「んんんっ!…御前様や」

提督「なぁに?」

初春「そんなに見つめられると…」///

提督「あ、ごめんなさいね…」ジー

初春「し、視線はそらさぬのか…」

初春「そういえば、報告は聞いたかや?」

提督「失敗だった、というのは聞いたわ」

初春「あぁ、失敗であったかぁ」

初春「本当はたくさんあったのだがのぉ。もったいない!」

提督「…」

初春「朝潮のヤツが張り切ってしこたま積んでおってな」フフッ

提督「うん…」

初春「そうじゃ、今回わらわがこうなったのも、またぽっぽが現れてな」チャプ

提督「あらあら」

初春「わらわがあげた零戦がどうやら暴走してな。あれは凶悪な強さであった…」

提督「そっか…じゃああげたのは失敗だったわね」

初春「喜んでおったのは良いが、脅威になってしまっては、の」

初春「爆撃が来ると、戦っていた叢雲と朝潮が避けたは良いが…。魚雷になっておってな!」

提督「…」

初春「中破した身体でも、いざという時は案外、動けるものじゃの!」

提督「…」

初春「あっ、あー…んん…」

提督「アナタは、やっぱりそういう娘なのよね…」チャプ

提督「優しくて、仲間思いで、無鉄砲で…」

初春「うぅ…何も言い返せん」

提督「…」

提督「もうっ!そんなところも含めて、初春が好きよっ!」ワシワシ

初春「あうぅ…」クリクリ

初春「わ、わらわも!こんなわらわを好いてくれる御前様が大好きじゃ!」

提督「アタシね、決めたの」

初春「なっ」ドキッ

提督「これからは…」

ガラララ

朝潮「失礼します!」ピシッ

提督「あ~」

初春「…!」

朝潮「…」

朝潮「あっ」

朝潮「先にお背中お流しいたしますか?」コクン?

提督「…」

初春「…っ」

提督「…うふっ」ニコ

提督「お願いしようかしら、ね」ザバッ

初春「お、御前様ぁ~…!」

ザバー カコン

朝潮「…」コシコシ

初春「ふんっ、ふんぬっ」ゴシゴシゴシ

提督「…」イテテ

朝潮「あ、あの…」

初春「なんじゃ」ムスッ

朝潮「ひっ…」

初春「む~、せっかく御前様のお返事が聞けると思おたのに!」

朝潮「す、すみません」

提督「あ、朝潮は悪くないわぁ。それにアタシが言いたかったのは、初春の聞きたい言葉とは違うかなぁ~って…」

初春「それでなければなんと言おうかぁ!?」ゴッシゴッシ

提督「ひえ~!」

提督「ん~、この事はそのうち話すことにするわ」

初春「ぐぬぬ…」

朝潮「私はお邪魔だったでしょうか…」シュン

提督「そんなことないわよ。賑やかにお風呂を楽しみたいじゃな~い」

初春「わらわは御前様とふたりっきりでよかったのじゃが!」

提督「あらあら」

朝潮「…っ」チラッ チラッ

初春「…」

初春「むぅ、そんな目で見るでない。わらわが悪かった!」

朝潮「お、恐れ入りますっ」

提督「うふふ」

チャプン…

提督「は~」

初春「ふ~ん」

朝潮「ふぅ」

「…」

提督「初春の御守…」

初春「うむ…」

提督「本物だったわねぇ…」

初春「そうであったな…」

朝潮「あの光は、その御守の輝きがったのですか?」

提督「うん。実のところ、何が起こったのかまだ頭が追いついていないんだけど…」

提督「夢、みたいだったけど、夢じゃなかった訳だし」

初春「ふむ」

朝潮「一体何が起こったのか、聞いてもよろしいでしょうか…?」

提督「いいわよ。…う~んと」

提督「初春が…沈んだ後にね、急に海面が泡立って光ったの。そしたら光の中から女の人が出てきてね?私は御守の女神だ~って言ってたのよぉ」

朝潮「め、女神…」

提督「それが何とも胡散臭い英語混じりの話し方でねぇ?こっちは大事な仲間が沈んで悲しんでるのにヘラヘラしてたものだから頭きちゃって!」

朝潮「あ、あはは」

初春「…」

提督「それで、何でも1つだけ願いが叶えるって言ってたから、初春を返してもらったわけ。以上!」

朝潮「あ、ありがとうございました。現実に起こったとは思えませんね…」

提督「まぁ、艦娘は沈んだら戻って来ないっていうルールの中で、こうして初春がいるんだから…真実よね~。は~びっくりびっくり」

初春「わらわが一番驚いておるのじゃがな」

提督「そ、そうよね!」

初春「だんだんと思い出してきたのじゃが、わらわもその女神とやらに会った、と思う」

提督「あら、そうなの?」

初春「御前様の言うてたような、奇妙な話し方をする変わったおなごじゃった…」

初春「それで、御前様に伝えて欲しいと何か…」ウーン

提督「無理して思い出さなくても大丈夫よ?」

初春「いや、一言だけ…。たしか、戦わなくても良い、という感じであったか」

提督「戦わなくていい?深海棲艦との事かしら」

初春「うろ覚えゆえ、気にしないでたもれ」

提督「わかったわ。でも、ありがと」ニコ

初春「ほほっ」

ガララ…!

提督「ん?」

叢雲「ち、ちょっと!居るんでしょ初春!」ヒタヒタ

初春「なんじゃ、もう出てきたのかえ」

叢雲「いつの間にかいなくなって!こっちは気が気で…はっ!」ヒタッ

提督「ど、ど~も~」

朝潮「叢雲さん、お疲れ様です」

初春「おぉ、すまぬ。お主を除け者にするつもりはなかったのじゃが」

叢雲「…っ」プルプル

提督「あわわわ…」

叢雲「………そ。のぼせるんじゃないわよ」クルッ

ヒタヒタヒタ…ガラララ

提督「えっ」

初春「おや」

提督「魚雷がとんで、こなかったわね…」

初春「うむ」

朝潮「珍しいですね…」

初春「…」

初春「…」ニヤリ

提督「ちょっと~、今のやり取りのどこにニヤつく要素があるのよぅ」

初春「なぁに、ようやく肩が並んだようじゃなと」

提督「え~、なんの話?」

初春「御前様の話じゃ…♪」ピタッ

提督「え、えっ」

朝潮「ふふっ、なるほどです」

提督「わからないのアタシだけ!?」

―執務室―

ガチャ

提督「ふぅ、いい湯だったわぁ~ん」ホカホカ

バタン

叢雲「…」チラッ

提督「あ、あら」

叢雲「…」プイッ

提督「…」

提督「な、何か飲むぅ~?」

叢雲「っわ!」ガタッ

提督「ひっ!」

叢雲「…私がやる」カツカツ

提督「…あ、ありがと」

提督「…」

叢雲「…」ガチャ パタン

提督「…」チラッ

叢雲「…」トプトプ

提督「…」

叢雲「…」カツ カツ

叢雲「はい、牛乳」コトン

提督「ありがとう、ございます」

叢雲「なんで敬語なのよ…」

提督「あ、あら、なんでかしら~」

提督「…」

叢雲「飲まないの?」

提督「あ、いただきます」ゴクッ

叢雲「…」

提督「…ふぅ」

叢雲「あの娘、初春はもう、大丈夫なの?」

提督「えぇ。中身も何から何まで、アタシの知ってる初春だったわ」

叢雲「そ…」

提督「…」

提督「ふ、不思議なこともあるものよねぇ~!も~夢だったんじゃないかって」

叢雲「しし、司令官!」

提督「はいっ!!」

叢雲「し、しれ…あんたは、もしあの時、初春でなくて私が沈んでたら…」

提督「…」

叢雲「…私を、選んでくれた?」

叢雲「…」

提督「…」フッ

叢雲「…っ」

提督「当然じゃない」

叢雲「ほ、ほんと?」

提督「本当よ。叢雲がいないとか、考えられないもの」

叢雲「あんた、私の事、嫌いじゃないの?」

提督「ん~?どっからキライなんて言葉が出てきたの?」キョトン

叢雲「だ、だって!私は…」

提督「別にアナタにされてきた事に、アタシは何一つ怨みなんてないわよっ」

叢雲「で!でも、さっきから変な態度だったし…」シュン

提督「あ、あれは条件はん…んんっ!」

提督「とにかく!アタシはアナタを嫌いじゃないし、嫌いになんてならないから。安心なさい」ニコッ

叢雲「…」

叢雲「はぁ~」グター

提督「ちゃんと答えにはなったかしら?」

叢雲「じょ、上々よ」フイッ

提督「じゃあアタシも聞くけど」

提督「叢雲はアタシの事、嫌い?」

叢雲「…そんなわけ」

提督「じゃあ好き?」

叢雲「そそ、そんなわけっ!」ピコピコ

提督「あら、やっぱり嫌い…?」

叢雲「ち、ちがっ…」ヘタッ

提督「好き?」

叢雲「うぐぐぐっ!」ピコピコ

提督「ふふっ♪」

叢雲「なぁっ!何笑ってんのよ!!」

提督「うふふ、アタシは好きよ。叢雲のそういうとこっ♪」

「ななななな!!」ドーン

「あっ熱っ!?叢雲ちょ、大丈夫!?」

「だだだ、だいじょぶよ~…」

「叢雲っ、むらくも~!」

初春「…」

初春「ほほっ」シャッ

初春「素直になれたではないか」パタパタ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月11日 (土) 04:01:23   ID: hzznkUMd

続きはまだなのぉ~?

2 :  SS好きの774さん   2014年10月12日 (日) 02:39:56   ID: 507n_2YS

なんてかっこいいオカマだよ…続き楽しみだ

3 :  SS好きの774さん   2014年10月12日 (日) 02:46:14   ID: ZeuMShzb

早くしなさいよ!!

4 :  SS好きの774さん   2014年12月03日 (水) 16:35:46   ID: xbwPEYd_

俺的に扶桑型が出てるssは嬉しいです。扶桑酔っ払いの所キュンとしました。

5 :  SS好きの774さん   2015年05月15日 (金) 23:06:00   ID: CJp6TUsk

女提督か、これは期待出来るぞ~

叢雲「どうしてオカマなのよっ!」


(´・_・`)

6 :  SS好きの774さん   2015年07月09日 (木) 09:24:15   ID: TQO0bB5_

待ってたぁぁぁぁぁ!!!
この提督がイケメン過ぎてつらい!

7 :  SS好きの774さん   2015年08月20日 (木) 20:22:57   ID: wfAmKEu8

すごいオカマだ…。

8 :  SS好きの774さん   2017年07月25日 (火) 18:20:26   ID: -xiMmsMR

オカマ声(参照ワンピースのボンクレ)って、低音を元に高音をミックスする感じだから、実際そこまで低音出すのは苦労しないという、無駄知識。

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