穂乃果「夢を掴み取れ 僕らの~♪」 (669)

穂乃果「目指す未来は~♪」

穂乃果「必ず ここから続いているから~♪」

穂乃果「やろう!野球!」ドドン!

男は絶滅危惧種になって女同士で子供が作れるようになった
男は消えたが野球は消えなかった
むしろ女性の野球人口が増加
今や女性の中で一番人気のスポーツとなった…

※レズ要素は無いです
※パワプロのキャラは出すかも


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穂乃果(私、高坂穂乃果!今日から音ノ木坂学院の一年生!)

穂乃果(この音ノ木坂学院に入った理由はただひとつ!)

穂乃果(野球をやるためだよ!)

穂乃果(私は昔からの野球仲間で幼馴染の海未ちゃんとことりちゃんと一緒に、入部届けを出しに行った!だけど…)

穂乃果「えぇ~!?」

ことり「受け取れない!?」

先生「ごめんねー。いろいろ事情があるのよ」

海未「事情…?一体なにが」

先生「一言で表すなら…廃部、かなぁ」

ことほのうみ「廃部!?」

先生「正確にはまだ廃部じゃないんだけど…いろいろあってねぇ。まあ、部室に行ってみればわかるよ」

穂乃果「部室…」

穂乃果「行こう!」

ことり「うん!」

海未「ええ!」

ぼく「野球とか男がやるもんだろ?」
>>1「じゃあ男の存在をなくせばいいな」

穂乃果「ここが野球部の部室…」

海未「廃部と言われてたのでてっきりボロボロなものを想像していましたが…」

ことり「意外と綺麗だね…」

穂乃果「よーし…」スッ

穂乃果「失礼しま~す…」ガチャッ

「!!」ビクッ

「…誰?」

穂乃果「あ、あの!!入部希望なんですが…」

「残念ながら新入部員はもう募集してないわよ」

海未「ど…どうしてでしょうか…?」

「先生から話を聞かなかったの?もう野球部は廃部になるって」

ことり「え…で、でも、まだ廃部じゃないって…」

「廃部になるのももう時間の問題よ」

「ほら!そーいうわけだから、とっとと出てって!」

穂乃果「い、嫌です!!だって私、野球やりたいから!」

「ふん!そんなに野球がしたかったら、音ノ木坂なんかに来なければ良かったじゃない!」

穂乃果「ど、どうして!?音ノ木坂は、何回もラブベースボールに出場している名門校なんじゃ…」

「いつの時代の話よそれ!あんたたち…まさか何も知らずにここに来たってわけ?」


穂乃果「わ、私はお母さんから音ノ木坂はすごいって聞いたから…」

海未「私は穂乃果に誘われて…」

ことり「ことりも穂乃果ちゃんに誘われて…それに穂乃果ちゃんと一緒に野球をやりたかったし…」

「ほんとに何も知らずに来たのね…」

穂乃果「あはは…ごめんなさい…」

「はぁ…あのねぇ。音ノ木坂が常勝だったなんて話は、もう10数年前の話よ」

「今となっては、弱小中の弱小。それどころか部員もまともに集まらず、廃部寸前まで追い込まれているわ」

ことり「どうしてそんなことに…」

「UTX学院よ…」

海未「UTX学院…あ!あの名門の!」

「設備の整ってるUTX学院で野球をやりたいと思うのは当然よ。だから野球をやるやつはみんなUTXに通っている。音ノ木坂で野球をやるやつがいないなんて当たり前なのよ」

「いたとしても…せいぜい使いものにすらならない落ちこぼれか、お遊びの野球をしたいやつらばっかり…」

「そんな奴らは、すぐに辞めていくのよ」

「どうせあんたらも、お遊びで野球をやりにきたんでしょ」

穂乃果「ち、違います!私は本気です!本気でラブベースボールに出場、そして優勝を目指してます!」

「そんなに言うなら、野球が出来る数の部員を集めて出直してくることね」

「それさえ出来れば、いいわ。入部を認める」

穂乃果「分かりました!」

穂乃果「行こう!ことりちゃん、海未ちゃん!」ダッ

海未「ほ、穂乃果!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「あ!最後にひとつだけ…聞きたいことがあります!」クルッ

「…何よ」

穂乃果「お名前…教えてもらえますか?」

「あんたねぇ…人に聞く前に自分から…」

穂乃果「1年の高坂穂乃果です!」

「はぁ…」

にこ「2年の矢澤にこよ。別に覚えなくて結構だけど」

穂乃果「矢澤先輩ですね!覚えておきます!」

穂乃果「絶対に部員を集めて、入部を認めてもらいますから!それじゃ!」ダッ

タタタ…

にこ「何よ…あいつ」

にこ「昔の自分を見てるみたいで…腹が立つ」

穂乃果「お願いします!一緒に野球やりましょう!」

ことうみ「お願いします!!」

「野球…?」ピクッ

穂乃果「あ、あの!お願いします!一緒に野球を…」

「野球部はもう廃部の予定だけど…」

ことり「ま、まだ廃部って決まったわけじゃなくて!」

海未「廃部寸前だけど…部員さえ集まれば…」

「ふーん…まだ抵抗してたのね…くだらない」

穂乃果「くだらない…?」

「とにかく、私は興味は無いわ。それから忠告。音ノ木坂で野球をやろうだなんてバカな考えはしない方がいいわよ。じゃあね、新入生さん」

穂乃果「待ってください!」

「…何?」

穂乃果「さっきからくだらないとか音ノ木坂で野球をやらない方がいいとか…どうしてそんなことを言うんですか!?」

「決まってるじゃない。音ノ木坂で野球をやること自体が時間の無駄という意味よ」

穂乃果「無駄なんかじゃありません!」

「どこからその自信が来るのやら…」

「いいわ。野球をやってあげる」

穂乃果「ほ、本当ですか!?」

「ええ。そうよ」

「あなたに現実を分からせてあげるわ」

穂乃果「え…?」

穂乃果「あ、あの…どうしてグラウンドに…」

「言ったでしょ?野球をやってあげる、現実を分からせてあげると」

穂乃果「つ、つまり…どういうことですか?」

「今から勝負よ。あなたが勝てば私は野球部に入る。あなたが負ければ…そうね、別に何もいらないわ」

「ただ、あなたは現実の残酷さを知るだけだもの」

海未「あ、あの!キャッチャーは…」

「いらないわ。あなたたちでは私の球をとれないもの」

「さあ、早く打席に立って」

穂乃果「は、はい!」

「さて…ルールはどうしようかしら」

「そうだ、じゃあこうしましょう」

「3球なげて、私の球をバットに掠らせでもしたら…あなたの勝ち。それでいいわよね?」

穂乃果「か、掠らせるだけ…ですか?」

「そうよ。別に前に飛ばさなくてもいい。バットに少しボールが触れただけで、あなたの勝ち」

穂乃果「…分かりました」

穂乃果「その条件で受けて立ちます!」

穂乃果「よろしくお願いします!」ザッ

「言っておくけど、小細工は使わないわ」

「変化球も使わないし際どいコースを攻めるつもりもない」

「3球全部、ど真ん中に放るわ」

穂乃果「…!」

ことり「3球全部ど真ん中って分かってるなら打てるんじゃ…」

海未「あの人が嘘をついて変化球を使ったりする可能性…は無いですね。あの顔…相当自信があるようです」

「それじゃ…始めようかしら」

「…」ザッ

ビシュッ!

穂乃果「!?」

海未「は、速い!」

ことり「じょ、女子高生の投げる球じゃ無い…!」

穂乃果(速すぎて…バットを振ることすら
出来なかった…!)

「ふふ。速すぎて振ることすら出来ないようね」ニヤッ

穂乃果「っ!」

「さあ、2球目はどうかしら?」

穂乃果(次こそ…当てる!!)グッ

「…」ザッ

ビシュッ!

穂乃果「…!」

海未「ま、また…!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果(2球連続…バットが出てこなかった…!)

「はぁ…」

「どうやら、私が思ってたのと違うようね…」

「いいわ。最後の一球、掠らせる必要も無い。バットを振ることが出来ればあなたの勝ちよ」

穂乃果「え…」

「その代わり…私も本気を出すわ」ゴゴゴ…

海未「さっきまで…本気じゃなかったというのですか…!?」

ことり「で、でも!振るだけなら勝てるよ!」

穂乃果「…分かりました」グッ

「それじゃ…最後の一球」

「…」ザッ

ビシュッ!

ギュオオオオオオオ!

穂乃果(さ、さっきより速い!)

穂乃果(でも…バットを振りさえすれば…勝て……)

穂乃果「…!!」

「…私の勝ちね」

海未「そ、そんな…」

ことり「負け…ちゃった…」

「所詮あなたの実力なんてそんなものよ」

「とても一流とは思えない。もちろん、プロになれる可能性なんてゼロに等しい」

「そんな意味のない事に時間を使うくらいなら…違うことに時間を使った方がいいわ」

「じゃあね、新入生さん」

穂乃果「あ、あの!」

「…」ピタッ

穂乃果「せ、せめて名前だけでも…」

絵里「絢瀬絵里。2年生よ」

スタスタスタ…

穂乃果「絵里先輩、か…」

穂乃果「すごい人だったなぁ…」

穂乃果「…」

穂乃果「すぅ…」

穂乃果「次は絶対負けませんから!!!!もう一度!!!勝負してください!!!!」

絵里「…」ピタッ

絵里「ふん…」スタスタ…


穂乃果「音ノ木坂学院野球部!!ただいま絶賛部員募集中でーす!!」

海未「私たちと一緒にラブベースボール出場を目指して頑張りましょう!!」

ことり「今なら入部と同時にレギュラー確定ですよー!!」

穂乃果「はぁ…なかなかうまくいかないなぁ…」

「んー?野球部の部員募集中?」

穂乃果「!も、もしかして野球に興味が!?」

「あー…いや興味はあるんやけど…」

「ウチはなぁ…野球はあのボールが恐くて、やるのは無理なんよ」

穂乃果「そ、そうですか…」ショボン

「あ、だけどウチにいい考えがあるよ?」

海未「いい考え…?」

「簡単に言えば、モノで人を釣るってことやね」

穂乃果「モノで人を釣るって…お菓子とか?」

「あはは。違う違う。モノって言っても、そういう形に残るものじゃないんよ」

海未「形に残るもの…?お菓子って食べたら形に残らないんじゃ…」

「こ、細かいことはいいやん?とにかく、食べものとか、形に残るものじゃなくって…」

「えーっと、あなたが南さんやね?」

ことり「は、はい…」



「やっぱり♪ならちょうどええやん♪」

ことり「い、一体何が…」

「形に残らないモノで、音ノ木坂学院の生徒を釣れるものなんて…ひとつしか無いやん」

穂乃果「そ、それは一体…!」ゴクリ

「ズバリ!UTXとの練習試合や!」

穂乃果「UTXとの練習試合!?」

「音ノ木坂の生徒はUTXに憧れている…」

「UTXとの練習試合なんて聞いたら、真っ先に食いついてくるはずやん」

海未「確かにそうですが、どうやってUTXとの練習試合を…」

「そこにおるやん、理事長の娘さんが」ニヤリ

ことり「まさか…」

「そ。理事長に練習試合をしてもらうように頼むんよ」

ことり「えええ!?」

「ま、あくまでこれはウチの勝手な考え。部員集めがんばってな~」

穂乃果「あ!あの…」

「おっと。まだ名前を言ってなかったかな」

穂乃果「!?」

穂乃果(言おうとしてたことが読まれた…!?)

希「ウチは東條希、2年生。昨日、あなたが3球勝負をしたえりちの友人や」

希「じゃあね~。穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん」スタスタ

穂乃果「絵里先輩の友達…」

ことり「あれ…?そう言えば…なんで私たちの名前を知ってたんだろう…?」

海未「確かに…名乗った覚えは無いのですが…」

穂乃果「何者なんだろう…」

穂乃果「でも…何はともあれこれはいいアイディアだよ!」

ことり「えええ!?」

穂乃果「理事長に頼んでみよう!」

海未「えええ!?」


こうして…
実に33回に渡る交渉の末、私たちはあのUTXとの練習試合が現実になった!
UTXとの練習試合と聞いて、野球部に入部志望の人が16人も!
これで野球ができる!
私たちは早速部室に向かった!


穂乃果「にこ先輩!!」ガチャッ

にこ「げ…あんたはあの時の…」

穂乃果「高坂穂乃果です!」

にこ「何の用よ?」

穂乃果「ふっふっふ!実は!」

ゾロゾロ

にこ「!?」

16人「よろしくお願いしまーす!」

穂乃果「部員!集めてきました!」

にこ「うっそおおおお!?」ガタッ

穂乃果「にこ先輩!これで、認めてくれますよね!?」

にこ「うぐ…」

にこ「わ、分かったわよ…認めるわ」

にこ「ほら…この部室、もうあんたたちのものよ。好きに使って結構よ」

穂乃果「え?にこ先輩は…」

にこ「…出てくわよ。邪魔者だしね」

穂乃果「ど、どうして!?にこ先輩も、一緒に野球…」

にこ「野球なんてもううんざり。大嫌いなのよ」ガチャッ

バタン

穂乃果「にこ先輩…」





「次の試合…確実に負けるやろうなぁ」

「野球部は…そこで一度、大きな挫折を味わう」

「昔のにこっちみたいに…」

にこ「希…」

希「はろー♪」

にこ「何の用よ」ギロッ

希「別にー?ちょっとした独り言やん」

にこ「ふん…」スタスタ

希「…だけど、あの子たちだけはきっと諦めないと思う」

にこ「」ピタッ

希「今のにこっちみたいに、ね」ニヤッ

にこ「…」

スタスタスタ…

そしてやってきた…練習試合!

この日のために、私たちは必死に練習したんだ!

勝てるかどうかは分からないけど、全力でぶつかる!

穂乃果「来た…!」

海未「あれがUTX…」ゴクリ

ことり「オーラが違うね…」ゴクリ

モブ16人「きゃー!UTXー!」




絵里「…」

希「えーりち♪」

絵里「希…」

希「気になるん?」

絵里「…別に」プイッ

希「素直じゃないなぁ…」

希(そして…素直じゃない人がもう一人、見にきてるみたいやね)チラッ

にこ(変装)「なんだかんだで気になったから来て見たけど…」

穂乃果「いくよー!サード!」カキーン!

モブ1「きゃっ!」

穂乃果「どんまいどんまい!次!ショート!!」カキーン

モブ6「ひゃあ!」ヒョイ

にこ「何よあれぇ…試合前のノックからなんて失態を…」イライラ

にこ「そもそもあいつら…どう考えても初心者でしょ…」イライラ

にこ「なーにがきゃっ!よ!ボールにびびってんなら野球やるな!ボールをとる気が無いなら野球をやるなー!」ウガー!


「さっきから一人で何言ってるんだろう…あの人…」

「き、気にしない方がいいと思うよ」


絵里「…」


海未「私なんかが…ピッチャーでいいのでしょうか…」

ことり「海未ちゃんだからこそだよ!海未ちゃん以外に、ピッチャーが出来る人なんていないよ!」

海未「そう…でしょうか…」

ことり「そうだよ!ほら、早く私たちも準備しよ?」

海未「そ、そうですね…」


絵里「…」

にこ「やっと終わったー!あんなノック2度と見たくないわよバーカ!!」

「やっぱりあの人頭おかしいにゃー」

「ダメだよそんなこといっちゃ!あの人だって必死に生きてるんだろうし…」

にこ「さーて…本命のUTXのノックね」

にこ「ん…?」

カキーン!パシッ!

「やっぱり凄いなぁ…UTXは…」

「…」

にこ「このメンバー…一軍じゃない…けど、二軍でもないじゃない!」

にこ「ツバサが来てないから一軍じゃないって事は分かってたけど…まさか二軍ですら無いなんて…!」

にこ「つまりあれは…補欠の中の補欠を集めた…3軍!」

にこ「くっ…!音ノ木坂を舐め切ってるわね…!」

にこ「だけど…あのメンバーじゃ確かに舐められるのも無理は無いか…」

にこ「なんだか…嫌な予感がするわ…」

「…」

後攻 音ノ木坂

1 中 高坂穂乃果
2 捕 南ことり
3 投 園田海未
以下略


「プレイボール!!」


にこ「いきなり守備か…不安なんだけど…」

にこ「まともな試合になればいいんだけどねぇ…」


海未「…」ザッ

ビシュッ! ズバン!

主審「ストライクッ!」


にこ「おお!意外といい球投げるじゃない!」

海未「…」ザッ

ビシュッ!ズバン!

主審「ストライクッ!」


にこ「ん…?まだ降る気配無し?球筋を見極めてるのかしら…?」


海未「…」ザッ

ビシュッ!ズバン!

主審「ボールッ!」

にこ「際どいコースね。よく見切ったわね」


海未「…」ザッ

ビシュッ!ズバン!

主審「ストライクゥ!バッターアウトォ!!」


にこ「ええ!?み、見逃し三振!?」

希「へぇ。海未ちゃん結構いい球投げるやん」

絵里「…違うわね」

希「ん?」

絵里「彼女たちは打てないんじゃない…打たないだけよ」

希「打たないだけ…?」


ズバン!

主審「バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」

ことり「ナイスピッチだよ海未ちゃん♪」

穂乃果「流石海未ちゃん!守ってて安心したよ♪」

海未「て、照れますね…///」



にこ「嘘でしょ…三者連続見逃し三振って…」

にこ「3軍ってこんなにヘボだったの…?」

穂乃果「さあ!次は穂乃果たちの攻撃だよ!」

海未「穂乃果!まずは切り込み隊長がしっかりしなきゃダメです!だから頼みますよ!」

穂乃果「分かってるって!」スッ

穂乃果「よろしくお願いします!」



にこ「まずはあの子…穂乃果か」

にこ「あんたの実力のほどを見させてもらうわよ!」


UTX投「…」ザッ

ビシュッ!ズバン!

主審「ストライクッ!」

穂乃果「…!」

穂乃果(速い…!だけど…)グッ

UTX投「…」ザッ

ビシュッ!

穂乃果(絵里先輩に比べたら…打てない球じゃない!)カッ

キィン!!

にこ「おおお!打った!!二塁打コース!!」

UTX左翼「」ダダダ

UTX「」ダッ!スパッ!

にこ「うっそぉ!?あれをとったぁ!?」

穂乃果「そ、そんな…!」

ことり「どんまいだよ穂乃果ちゃん!あれは相手が上手かっただけだよ!」

海未「そうです!いいバッティングでした!」

穂乃果「二人とも…」

ことり「次はことりの番!私に任せて!」スッ

穂乃果「ことりちゃん!ファイトだよ!」

ことり「うん!」

ことり「…」グッ

にこ「あの子は…穂乃果の腰巾着その1ね」

にこ「どんなバッティングを見せてくれるのかしら…」


UTX投「…」ザッ

ビシュッ!

ことり「!」

ことり(遅い球!打てる!)グッ

ククッ

ことり(曲がった!?)ガッ

ボテボテ…

UTX投「」パシッ

UTX投「」ビシュッ

UTX一「」スパッ!

審判「アウト!」

ことり「そ、そんなぁ…」ガクッ


にこ「あっちゃー…見事に引っ掛けちゃったみたいね…」

にこ「これでツーアウトか…」

にこ「次は…」

海未「私の番ですね」

にこ「腰巾着その2ね…」

にこ「ピッチャーとしてはそこそこ…バッターとしてはどの程度なのか…」

海未(さて…どうしましょうか…)

海未(ここで私が三塁打や二塁打を打っても…得点にはならないでしょう)

海未(あまりこういうのは好きでは無いのですが…勝つためには仕方ないです。つまり、狙うのはただひとつ!)

海未(ホームラン狙いです!)

UTX「…」ザッ

ビシュッ!ククッ!

海未「っ!」ブン!

ズバン!

主審「ストライクッ!」

海未(変化球…!)



海未(次こそ…!)グッ

UTX投「…」ザッ

ビシュッ!ククッ!

海未「!」ブン!

ズバン!

主審「ストライクッ!」

海未(ま、また変化球…!)

海未(二回続けて…!くっ、次こそは打ちます!!)

海未「…」グッ

UTX投「…」ザッ

ビシュッ!ククッ!

海未「!?」ブン!

ズバン!

主審「ストライクッ!バッターアウトッ!スリーアウトチェンジッ!」

海未「さ…3球続けて…」ガクッ


にこ「そりゃそうでしょうね。あーんなホームラン狙いのフルスイングを見たら、変化球を投げたくなるわよ」

にこ「打者としては…スイングは悪くないけど、考えかたをもう少し考えなきゃねぇ…」



にこ(その後…)

にこ(特に試合が動くわけでもなく、両チームとも三者凡退が続いた)

にこ(ちなみに、UTXは毎回三者連続見逃し三振。どうなってるのよこれ…)

にこ(そして迎えた…5回表)

にこ(試合はようやく動き出した)

にこ(だけど…これが最初で最後の攻撃だった)

5回表

UTX監督「時間よ。終わらせましょう」

UTX四番「はい」スッ

海未(この回は四番からの好打順…)

ことり(前の回と同じ調子でガンガン攻めていこう!)

海未「…」ザッ

ビシュッ!

UTX四番「」カッ

キィィィィィィィィィィン!

海未「!?」

穂乃果「そ…そんな…」

にこ「初球打ちで…ホームラン!?」

海未(くっ…!点を取られたらキツイのに…まさか打たれるとは…!)

海未(ですが過ぎ去ったことです…次は抑える!)

海未「」ザッ

ビシュッ!

UTX5番「」カキーン

海未「!?」

にこ「右中間を抜けた!」

穂乃果「三塁打には…」パシッ

穂乃果「させないよ!」ビシュッ

モブサード「きゃあ!」

にこ「あっ!ば、馬鹿!何で避けてんのよ!?」

海未「そんな…!」

ことり「ランニングホームランになっちゃった…」

海未「くっ…!次こそは抑えます!」

海未「」ザッ

ビシュッ

カキーン!

海未(そ…そんなバカな…また…打たれた…)

にこ(それから…)

にこ(UTX打線の猛打と音ノ木坂の守備の薄さが合間って、瞬く間に点数をとられていった)

にこ(気づいた時にはもう…)

UTX 10-0 音ノ木坂

海未「ごめんなさい…私が不甲斐ないせいで…」

ことり「海未ちゃんのせいじゃないよ!」

海未「ですが…」

穂乃果「まだ試合は終わってないよ!諦めるのはまだ早い!」

海未「穂乃果…」

穂乃果「海未ちゃんはよく頑張ったよ!後は私に任せて!」

海未「では、頼みます…!」


にこ「ピッチャーが変わった!穂乃果がピッチャーね」

穂乃果「」ザッ

ビシュッ!ズバン!


にこ「悪くは無いけど…あの子よりはキレが無いわね…」

にこ「あの子ですら滅多打ちにされたのに…大丈夫なのこれ…?」

穂乃果(これ以上――)ザッ

穂乃果(点はとらさせない!)ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライクッ!」

穂乃果「」ザッ

ビシュッ!
ズバン!

主審「ストライクッ!」

にこ「ん…?」

にこ「なんで振ってこないの…?球筋を見極めるため…?」

にこ「いや…穂乃果はそこまでしなきゃ打てない相手じゃない…じゃあ何故?」

穂乃果「」ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!」

にこ「見逃し三振…はっ!ま、まさか…!!」

にこ「そーいうことか…!」

にこ「UTXの連中は…最初から…」

にこ「コールドを狙っていた!!」

にこ「5回表がくるまでバットを振らなかったのは…」

にこ「ルール上、5回が終わった時に10点差がついていなければ、コールドにならないから…」

にこ「UTXの実力と今の音ノ木坂の守備力なら…初回から10点以上取るのは簡単なはず」

にこ「だけど5回が終わらなければコールドにはならない…」

にこ「だから打ちすぎれば試合は終わらなくなる…そこで、UTXは5回表がくるまでバットを振らない戦術をとった…」

にこ「そして5回がくれば…全力で潰しにかかってくる」

にこ「でも…コールドに必要なのは、10点から」

にこ「10点をとったら…もう打つ必要はない」

にこ「つまり…」

ズバン!

主審「ストライクバッターアウッ!スリーアウトチェンッ!」

にこ「もう…打つ必要が無い…!」

にこ「なんて奴らなの…!!」ギリッ


それから…

5回の裏、音ノ木坂の攻撃は

言うまでもなく、三者凡退で終わった

10-0

音ノ木坂の惨敗で練習試合の幕は閉じた。

そして、野球部は…

穂乃果「…」ポツン

海未「…」ポツン

ことり「…」ポツン


あの試合の後…

次々と部員が辞めていった。

ある人は、自分には向いていないと言って

ある人は、UTXとの練習試合が終わればいる必要が無いといって

気づいた時には、三人だけになっていた


にこ「…」

希「にこっち~。こんなところで何してるん?」

にこ「別に」

希「部室には行かへんの?」

にこ「あそこはもう…私の場所じゃないわよ」

希「にこっち…」

にこ「じゃあね。私はもう帰るから」

希「…」

穂乃果「…」

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「…ダメだ。今のままじゃ」

海未「…」ピクッ

ことり「…」ピクッ

穂乃果「絵里先輩に言われた通り、私たちの実力なんてたかが知れてる。まだまだ二流、いや三流…四流だよ!」

穂乃果「だからこそ!こんなところで立ち止まってられない!!もっともっと練習して、一流を目指すんだ!!」

穂乃果「落ち込んでいる暇なんて無いよ!二人とも!!」

海未「穂乃果…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「やるったらやる!それだけだよ!!」ガチャッ

穂乃果「うおおおお!!ラブベースボール出場…いや、優勝目指して頑張るぞおおお!!!」ダッ




絵里「…ふん」

絵里「くだらない…本当にくだらない」

にこ(結局…)

にこ(夏のラブベースボールの地区予選までに部員が集まることは無かった)

にこ(だけどあいつらは…)

穂乃果「ばっちこい海未ちゃん!」

海未「いきますよ!とう!」カキーン!

穂乃果「うわっ!」ポロッ

海未「何してるんですか穂乃果!グラブの中に入ったんですから落とさないでください!」

穂乃果「ご、ごめん!次こそはうまくやるよ!」


にこ(あいつらは…夏休みのにもかかわらず、練習をしていた…たった三人で)

にこ(え?どうして矢澤さんは夏休みなのに学校に来てるのかって?)

にこ(うっさいわね補習よ察しなさいよ)

にこ(まあとにかく、こんな暑い中よく練習できるわねと呆れてたわけよ)

希「にこっちちーっす」ヌッ

にこ「わっ!?び、びっくりした…希か」

にこ「って、成績優秀なあんたがなんでここにいるのよ」

希「ちょっと野暮用でなぁ。カードが学校に来いって告げてたんよ」スッ

にこ「はぁ…」

希「そうそう、にこっちに実は話があってな」

にこ「話ぃ?」

希「ここで話すのもなんだし、夜中にここに来てくれんかなぁ」スッ

にこ「なーんで夜中に神社なんかに…何を話すつもりよ」

希「えー?それはもう、愛の告はk」

にこ「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ」

希「冷たいなぁ。ま、そういうわけやから。よろしく~」フリフリ

にこ「何よあいつ…」

にこ「あー…にしても補習疲れたわね…」

にこ「久しぶりにバッセンでストレス発散しようかしら」









にこ「あれ…私ってこんなに下手くそだったっけ…?」

にこ「いや、確かに打撃センス無いかもしれないし、ちょっとブランクあるかもしれないけど…」

にこ「こんなに下手くそだったっけ…?」

にこ「はぁぁ…ストレス発散どころか溜まったんですけど…」

にこ「…野球、か」

にこ「私にとって…野球ってなんだっけ」

にこ「…帰ろ」

にこ(約束通り神社に来たんだけど…)

穂乃果「456!457!」ブン!ブン!

にこ(なんで穂乃果がいるのよ!!)

にこ(こちとらご飯の最中に約束思い出して来てあげたのに…)

にこ(っくー!なんて友情に熱いやつなんだ矢澤!とか思いながら来たのに…)

にこ(なーんであいつがいるのよ!)

穂乃果「473!47よ」ブン!スポッ

にこ「!?」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

にこ「うわあ!?」スッ

ガサッ

穂乃果「し、しまった!私のバット!」

にこ「あんたねぇ!!なにすっぽ抜けてんのよぉ!」ガサッ

穂乃果「え?に、にこ先輩!?」

にこ「あ」

にこ(しまった…!つい勢いで出ちゃったじゃない…!)

穂乃果「ご、ごめんなさい…ってなんでにこ先輩がいるんですか?」

にこ「ゆ、友人に呼ばれてんのよ…」

穂乃果「こんな時間に?」

にこ「そうよ!」

にこ(嘘はついてないどころか本当のことしか言ってないわよ!)

穂乃果「そうだったんですか…意外です」

にこ「何が意外なのよ?」

穂乃果「いやあ、にこ先輩に友」

にこ「それ以上言ったらぶっとばすわよ」

穂乃果「ご、ごめんなさい!それからバット返してくださーい!」

にこ「ったく…ん?」

穂乃果「な、なんですか?」

にこ「あんた…その手…」

穂乃果「手…?」

にこ「見せなさい」パシッ

穂乃果「痛っ!」

にこ「何よこれ…豆も潰れて…血だらけじゃない!」

穂乃果「えへへ…」

にこ「えへへじゃないわよ馬鹿っ!」ビシッ

穂乃果「痛っ!」

にこ「これはすっぽ抜けるのも無理はないわね…」

にこ「あんた、テーピングはどうしたのよ」

穂乃果「テーピングは…えっと、やり方がよく分からなくて…」

にこ「家にはあるのね?」

穂乃果「はい、あります」

にこ「はぁ…仕方ないわね」

にこ「やり方教えてあげるから、あんたの家まで案内しなさい」

穂乃果「でもまだ素振りしたりな…」

にこ「この状態でやっても身につくものも身につかなくなるわよ。先輩の言うことにしたがえっての」

穂乃果「はーい…」ショボン

高坂宅


にこ(この手の状態から見るに…今日の素振りだけでなったわけじゃないわね)

にこ(多分…ここんとこ、毎日素振りやっていたんでしょうね…)

にこ「あんた…なんでこんなに頑張るわけ?」

穂乃果「え?」

にこ「手がこんな風になるまで頑張ったり、部員が集まらないくせに三人で練習してたり…なんでこんなに頑張るのか、理由が聞きたいのよ」

穂乃果「理由…ですか」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「強いて言うなら…野球がしたいから、です」

にこ「野球…」

にこ「どうしてそんなに野球にこだわるのよ?」

穂乃果「野球にこだわる理由…」

穂乃果「うーん…分かんないなぁ…」

穂乃果「野球が好きだから、って理由じゃ…ダメですか?」

にこ「…だめじゃないわ」

にこ「はい!テーピング終わり!でも今日は素振り禁止よ!休みなさい!」

にこ「じゃあね!」ダッ

穂乃果「あ!にこ先輩!」

にこ「」ピタッ

穂乃果「ありがとうございます!」

にこ「…ふん!」ダッ

にこ(そうだ…忘れてた)

にこ(こんな単純なことを忘れるなんて…私はなにをやっていたんだろう)

にこ(私は…もう一度!夢を追いかけたい!!)

にこ「!」

にこ「なるほど。希め…謀ったわね!」

にこ「本当に世話焼きなんだから…あいつ!」ニヤッ

翌日

穂乃果「今日も暑いねー」

ことり「でも練習がんばらなくっちゃ!」

穂乃果「もちろん!今日もファイトだよ!

海未「ですが無理は禁物ですよ?特に穂乃果は…」

穂乃果「分かってるって!昨日それは言われたばっかりだし!」ガチャッ

にこ「遅ぉぉぉぉぉい!!」

穂乃果「え!?」

海未「あ、あなたは…」

ことり「にこ先輩…?」

穂乃果「な…なんでここに…?」

にこ「決まってるでしょ!練習しにきたのよ!野球部の部員として!」

穂乃果「にこ先輩!」

海未「しかし…何故今になって…」

にこ「ふん。別に理由なんてないわよ」

にこ「ただ…野球が好きだってことを思い出しただけよ。文句ある?」

穂乃果「ありません!文句無しです!」ニッ

にこ「ふふん。それでよろしい」ニッ

にこ「さあ!行くわよ!まずはランニングから…」

先生「矢澤いるかー?」ガチャッ

にこ「」

先生「あ、やっぱりここか。何サボろうとしてるのよ」

にこ「ち、違いますって!私は野球部員として練習を…」ダラダラ

ことうみ「」ジトー

先生「嘘つけ。ほら、さっさと補習だ補習」ズルズル

にこ「嫌ああああ!せっかくかっこ良く決まったのになんでえええ!?」

にこ「穂乃果ぁー!あんたたちだけで練習始めてなさい!補習の後で私も参加するから!絶対に参加するからー!」

穂乃果「もちろんです!」

海未「騒がしい先輩ですね…」

ことり「補習って…」

穂乃果「でも!これは進歩だよ!」

穂乃果「よーし!今日も練習頑張るぞおおおおお!」

寝るます

見てる人いんのかこれ…

見てる人いてくれて嬉しい

再開します

にこ「はぁはぁやっと補習終わった…」

穂乃果「あ!来た!」

にこ「ま、待たせたわね…じゃあ練習始めるわよ!」

穂乃果「おー!」








にこ「ひとつ聞くけど、あんたたちのポジションは?」

穂乃果「穂乃果は外野なら何処でも!」

海未「今は仕方なく投手をしていますが…昔は内野手、特にサードとショートをやっていました」

ことり「私も今はキャッチャーがいないからキャッチャーやっているけど…前はファーストとかセカンドをやってました~」

にこ「なるほどねぇ…」

にこ「バッテリーがいなきゃ野球は出来ないからねぇ。ところで…えーっと、穂乃果の腰巾着ズ、あんたたちは今日投げ込みはしたの?」

海未「こ、腰巾着って…私の名前は園田海未です!」

ことり「南ことりです。投げ込みならにこ先輩が来るまでやってましたよ~」

にこ「ところで何球ぐらい投げた?」

海未「始めたばっかりなので…まだ50球ぐらいですね」

にこ「おっけー。把握した」

穂乃果「先輩!まずは何をするんですか!?」

にこ「守備練習よ!今のポジションじゃなくて、昔守ってたポジションにつきなさい!」

ことほのうみ「はい!」ザッ

にこ「基本的な事は知ってるだろうから何も言わないけど…大丈夫よね!?」

穂乃果「もちろん!」

海未「基本ならしっかりしてるつもりです!」

ことり「基本は大丈夫です!」

にこ「よーし。遠慮なくいくわよ!」カキーン

海未「え!?」

海未「くっ」ガッ

にこ「ちょっと!なにエラーしてんのよ!」

海未「い、いきなり打たれたら誰だって無理ですよ!」

にこ「はぁぁぁ?いきなり打たれたら無理ですってぇ?」

にこ「あんたねぇ!わざわざ打者が今から打ちますとかサードに打ちますとか言うと思ってんの!?」

海未「た、確かに言いませんが…」

にこ「練習だからそんなのは無理だなんて考えは通用しないわよ!守備につくなら、いつボールがきても大丈夫なように身構えてるのよ!」

にこ「よーし!次っ!」カキーン

海未「!」

海未(ま、また私!)

海未(次こそは!)パシッ

ビシュッ

ことり「うわっ!?」

海未「ああっ!?ご、ごめんなさい!」

にこ「何やってんのよ!!送球くらいしっかりしなさいよ!」

海未「は…はい」シュン

にこ「さあ!どんどん行くわよ!」

カキーン!カキーン!カキーン!







にこ「うーん…」

にこ「はっきり言わせてもらうけどさ、あんたたちの守備…」

にこ「お世辞にも良いとは言えないんだけど…」

海未「」

ことり「ですよね~」

穂乃果「そ、そんなぁ!」

にこ「はぁ…仕方ないわね~」

にこ「この私が守備のお手本を見せてあげるわ!!」

にこ「というわけで、海未がノックしなさい」

海未「!!」

海未「はい。分かりました」ニッコリ

穂乃果(海未ちゃんの顔が怖い…)

にこ「さあばっちこい!どこからでも構わな」

海未「じゃあ遠慮なく」キィン!

ことり(い、いきなりあんな強い打球を…!)

穂乃果(海未ちゃんえげつないなぁ…)

にこ「よっ」パシッ

海未「!?」

にこ「」ビシュッ!

ことり「」パシッ

穂乃果「おお…!何も危なげなく…!」

にこ「ほら、さっさと次!」

海未「くっ!」キィン!

にこ「」パシッビシュッ

ことり「」パシッ

にこ「ほれほれ、次次ぃ~」

海未「このっ!」キィン!

にこ「」パシッビシュッ

ことり「」パシッ

穂乃果「お~!エラーする姿が想像出来ないよ!」

海未「なら…!」グッ

海未「たぁ!」キィン!

穂乃果「え!?こっち!?」

海未(し、しまった!二遊間に転がしてしまった!)

海未(流石にこの打球の強さでこの方向は…セカンドの守備範囲じゃな…)

にこ「」ダッ!

海未(い!?)

にこ「」パシッ!

にこ「ほっ!」ビシュッ!

ことり「」パシッ!

穂乃果「あれ…?ボールが来ない…?」

海未(と…とった!?あれを!?)

海未(間違いなく二遊間を抜けていくと思ったのに…あれをとるなんて…!)

にこ「どう?口先だけのビッグマウスとは違うのよ!」フンス

にこ「ま、こう見えて守備のYAZAWAと呼ばれてるからね!」ドヤァ

にこ「あんたたちも、私を見習って守備を磨きなさいよ!」

ことほの「はい!」

海未「善処します…」ズーン

こうして私たちは、にこ先輩のご指導のもと

日々練習を積み重ねていった!

にこ先輩が加入してから、私たちはみるみる成長していくのを感じた!

にこ先輩は、才能がどうとか言ってたけど…

別にそんなことなくって、きっとにこ先輩のおかげだと思う!

にこ先輩には感謝でいっぱいだよ!


だけど、私たち初めての試練が訪れようとしていた…!!

穂乃果「ねぇねぇ海未ちゃんことりちゃん、この集会って何やるの?」ボソボソ

海未「聞いてなかったのですか?新しい生徒会長の発表ですよ」ボソボソ

ことり「誰が生徒会長になるんだろうね~」ボソボソ

穂乃果「にこ先輩だったりして」ボソボソ

ことり「それはないかな~」ボソボソ

海未「それはないですね」ボソボソ

穂乃果「だよね~」ボソボソ



にこ「へっくち!」



穂乃果「うーんじゃあ…」ボソボソ

穂乃果(絵里先輩だったりして…)

ことり「あ!きたよ!」

穂乃果「!」


スタスタスタ…

スッ

「この度、生徒会長に任命されました」

絵里「絢瀬絵里と申します」



海未「あ…あの人は…!」

穂乃果「絵里先輩が…生徒会長に…!」

穂乃果「まさか生徒会長が絵里先輩になるなんてね…」

海未「文武両道、才色兼備。特に欠点が無い完璧超人とも言われてる人ですからね…」

ことり「生徒会長に推薦されるのも納得だよ…」

海未「絵里先輩は野球部を目の敵にしているという話を聞きますが…」

ことり「それでこの野球部に何か悪い影響が無ければいいんだけど…」

ガチャッ

にこ「よう後輩ども!アイス買ってきたわよ!」

穂乃果「さっすがにこ先輩!やりますね!!」

にこ「でしょー?ま、私ぐらいになると後輩に気を配るなんて朝飯前なのよ!」ドヤァ

ガチャッ

にこ「んあ?」

絵里「どうも、矢澤さん」

にこ「!!」

穂乃果「え…絵里先輩…!」


にこ「なによ…何か用でも?」ギロッ

絵里「ええ。用があるわ。この野球部にね」

穂乃果「も、もしかして…入部希望とか…」

絵里「馬鹿なことは言わないでちょうだい」キッ

穂乃果「ご、ごめんなさい!」ビクッ

絵里「ふん…本題に移りましょうか」

絵里「単刀直入に言わせてもらうわ。私はこの野球部を…本気で潰す気よ」

穂乃果「なっ…!」

絵里「前生徒会長は甘い人でね。伝統ある音ノ木坂の野球部を潰すことを躊躇っていた」

絵里「たった一人で廃部に抵抗する生徒に情けをかけていた、と言った方が正しいかしら」チラッ

にこ「っ!」

海未「にこ先輩…!」

絵里「とにかく。私は容赦しないわ。いらないものはとことん切り捨てていく。この野球部のようにね」

穂乃果「いらないものなんかじゃありません!」

絵里「また貴女ね…」

絵里「どうしていらないものじゃないと言い切れるの?こんな、部員も集まらずまともに野球が出来ない状態なのに」

穂乃果「そ、それは…」

にこ「野球が好きだから」

絵里「!」

にこ「それだけあれば…私たちにとってはいらない理由なんかにならない」

にこ「でしょ?穂乃果」

穂乃果「…そうだよ」

穂乃果「その通りだよ!にこ先輩!」

穂乃果「私たちは野球が好き!だからこの場所が、野球部が必要なんです!」

絵里「…結局、貴女たちのわがままね」

にこ「そうよ!私たちの勝手なわがままよ!」

にこ「でも、今さら引き下がる気なんてさらさら無いわよ!」

にこ「去年からずっとこのわがままを押し通してきてるんだから!たとえ自分勝手と言われようが、私は自分の信じてきたことを貫き通す!それだけよ!」

絵里「…ふん。そこまで言うなら、条件をあげましょう」

穂乃果「条件…?」

絵里「今度の秋季大会、一回戦を突破することが出来れば、今年度は廃部を見送るわ」

絵里「ただし…一回戦を突破できなければ、即廃部よ!」

絵里「この条件でどうかしら?」

穂乃果「…」

にこ「…」

ほのにこ「乗った!!」

絵里「交渉成立ね。まあ、せいぜい頑張ることね」

ガチャッ

バタン

穂乃果「」ニヤッ

にこ「」ニヤッ

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「」スッ

にこ「」スッ

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「うわああああああああ!!どどどどどどうしよう!?」アタフタ

にこ「部員すらいないのに何が”乗った!”よ馬鹿ああああああああ!!」アタフタ

ことうみ「今さら!?」

にこ「カッコつけておきながら何も考えていなかったぁ!!」

穂乃果「部員が集まらなきゃ大会にすら出れない!それじゃあ一回戦突破出来るわけないから廃部だよぉぉぉぉお!!」

ことり「ふ、2人とも落ちついて?とりあえずアイス食べよ?」

穂乃果「そうだね!」ケロッ

にこ「早く食べないとアイスが溶けちゃうわ」ケロッ

海未「き、切り替えが早いのですね…」

穂乃果「あー美味しかったー♪」

にこ「やっぱ最高ねー♪」

穂乃果「さて…」

にこ「うん…」

穂乃果「うわああああ!どうしよーー!!」

にこ「部員!とにかく部員を集めなきゃダメよ!」

穂乃果「でも集まるかどうか…!」

にこ「集まるかどうかじゃないわよ!集めるのよ!どんな手を使ってでも!」

ガチャッ

ほのにこ「!!!」ガタッ

希「やっほー」

にこ「チッ」

希「し、舌打ち!?にこっち酷くない!?」

海未「貴女は確か…」

ことり「希先輩…ですよね?」

希「そ。おひさ~」

穂乃果「にこ先輩と希先輩って…知り合い?」

希「一応、にこっちの数少ない友人の一人やで。いや、一人しかいないって言ったほうが」

にこ「ここは焼肉定食じゃないわよ。弱肉強食だから。さあ帰った帰った!」

希「あんまりふざけたこと言ってるとわしわしするよ?」

にこ「ごめんなさい」ドゲザ

希「まったく…ウチだって万年焼肉食べてるわけじゃ無いんよ?」

希「とまぁ、そんなことは置いといて…」

希「ごめんなぁ。ウチの生徒会長が迷惑かけちゃって…。えりちってば、野球部に対してやたら厳しいから、すぐ行動に起こしちゃうんよ」

穂乃果「あの!」

希「ん?どうしたん?」

穂乃果「なんで絵里先輩は…野球部に対して、あんなに冷たいんですか?」

穂乃果「本当は…絵里先輩も野球が好きなはずなのに…」

ことり「絵里先輩が…野球を好き…?」

穂乃果「だって…あんなにすごい球投げるんだもん。あんなすごい球を投げられる人が…野球が嫌いな筈が無いよ!」

希「そうやねぇ…じゃあ」

希「誰にも言わないって言うなら、教えてあげよーかな」

穂乃果「誰にも言いません!教えてください!」

希「他のみんなは?」

にこ「誰かに言いふらしたところで私が得するわけでもないし、言いふらしたりなんかしないわよ」

海未「私も…言いふらしたりするつもりはありません」

ことり「私も同じです」

希「そっか。それじゃあ…話していこうかな…」

希「えりちは…中学生の頃は、シニアリーグのとある強豪チームで、エースをやっていたんよ」

海未「通りで…あんなすごい球を…」

希「将来有望で、えりちはもちろんUTXに入る気まんまんやった。だけど…」

にこ「まさか…肩をやったとか…」

希「正解。えりちは肩を壊してしまった」

希「だけど、えりちは諦めずにリハビリに励んだ」

希「そしたらみるみる回復していった。医者も驚くほどのスピードで」

希「この調子なら間に合う。そう思ってたけど…」

ことり「けど…?」

希「運が悪いことに…その年はえりち以外にも2人、飛び抜けた人材がいた」

にこ「一人は…ツバサよね」

希「そ。UTXのエース、綺羅ツバサや。もう一人は…名前は覚えとらんけど、アンダースローの子やったね。彼女は最終的にはUTXには入らなかったみたいやけど…」

希「話を戻すと、UTXはその2人に注目を集めた。怪我をしたえりちにはもう、目もくれず…」

希「えりちは、リハビリは上手くいった。昔みたいに投げられるようになった。だけど…」

希「UTXに入ることは出来なかった。UTXはもう…えりちのことは眼中になかった」

希「そしてえりちは、最終的に祖母の母校でもある音ノ木坂を選んだ」

にこ「ちょっと待ってよ。あいつの頭の良さなら、UTXに入ることなんて簡単なんじゃないの?」

希「確かにそうやね。でも…えりちのプライドが許さなかったんよ」

海未「プライド…」

希「自分の野球の実力を認めてもらえなかったUTXに、野球以外の方法で入ることを嫌った」

希「そして今も、そのプライドのせいで音ノ木坂の野球部を敵対視している」

希「弱い野球部なんて必要無いって考えてるんよ」

希「それでえりちは、徹底的に野球部を潰しにかかってる、ってわけなんよ」

ことり「そんな過去があったなんて…」

穂乃果「…けど」

穂乃果「まだ、絵里先輩は野球が好きなんですよね?」

希「もちろん。だってえりち、シニア時代よりも遥かに球が速くなってるんよ?」

希「かなーりめんどくさい性格をしてるんよ。えりちは」

穂乃果「そっか…やっぱり絵里先輩はまだ、野球が大好きなんだ…!」

穂乃果「ありがとうございます!希先輩!」

希「ふふ。どういたしまして」

希「さて、それじゃあ本題に移ろうかな」

にこ「本題?さっきのが本題じゃなかったの?」

希「違う違う。それは聞かれたから答えただけやん」

穂乃果「あ、そう言われてみれば確かに」

希「本題はな、秋季大会のことや」

穂乃果「!!」

にこ「!!」

希「話は聞かせてもらっとったよ。一回戦突破しなきゃ、廃部って」

にこ「うぐ…」

希「ふふ。でも安心して。実は、ウチが助っ人を用意してるんよ!」

にこ「え!?ま、マジで!?」

希「マジやマジよのマジですわよ。明日辺りに部室に来ると思うよ」

にこ「うっはー!神様仏様希様ー!ありがとうございます!ありがとうございます!」

穂乃果「ありがとうございます!ありがとうございます!」

希「そんなに言われると照れるやん」

希「まあとにかく、出場できるかどうかの心配はいらないよ~。ほな、がんばってなぁ~」ガチャッ

海未「待ってください!」

希「ん?」

海未「絵里先輩の過去を知っていたり…生徒会副会長なのに私たちに味方をしたり…貴女は一体何者なんですか!?そしてどちらの味方なんですか!?」

にこ「え!?」

穂乃果「副会長!?」

希「うーん…ウチが何者かっていうのはいずれ分かると思うよ。それから、ウチはえりちと野球部、両方の味方や」

バタン

にこ「希の話によれば、今日来る筈だけど…」

ザッザッ

にこ「お、来たわね!」

にこ「さあまず自己紹介から!」

ヒデコ「ヒデコでーす」

フミコ「フミコでーす」

ミカ「ミカでーす」

穂乃果「おお!来てくれたんだ!」

田中山「田中山花子です」

カレン「姫野カレンですわ」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


にこ「…」

にこ(なにこれ)

にこ(なんか一人だけめちゃくちゃ威圧感あるひとがいるんですけど!!)

カレン「…」ジー

にこ(なーんかめちゃくちゃこっち見てるんですけど!)ゾクッ

カレン「そこの姫君、お名前は?」

にこ「ひぃ!?や、矢澤にこです!」

カレン「にこ様ですわね。ムフフ…ゲキ好みのタイプですわ♪」

にこ「」

にこ(希ぃ!なんてものを連れてきてんのよぉ!)ガタガタ

私たちは秋季大会に向けて練習を始めた!

にこ先輩曰く、一回戦を勝つために必要なことを重点的にやるって!

私はバッティング練習を中心に、海未ちゃんはピッチング練習を中心に。ことりちゃんはキャッチングとバッティングをバランスよくやっていたよ!しかもことりちゃんは裏で何か作ってるみたい!忙しいのにすごいなぁ…


助っ人のみんなは守備練習とバントの練習を中心に!

にこ先輩はみんなに指導しながらも、バッティングを中心に練習に励んできた!

そしてついにやってきた!

秋季大会!

…の前の抽選会!!


穂乃果「にこ先輩!頼みますよ!」

海未「すべてはにこ先輩にかかっています!」

ことり「引き運の強さを見せつけてください!」

にこ「わ、分かってるわよ」ガチガチ

にこ(なんでこの大会はシードが無いのよ~!!UTXがシードなら気が楽なのに!)

にこ(頼みます!!神様仏様…はっ!希様~!!)

にこ(UTXは嫌だUTXは嫌だUTXは嫌だUTXは嫌だUTXは嫌だUTXは嫌だUTXは嫌だ…ッ!)








そして来た!大会当日!!

私は意気揚々と試合会場に向かった!!

だけど…

海未「はぁぁぁぁぁ…」ズーン

(・8・)「チュンチュン」

にこ「オソラキレイ…」

穂乃果「な、なんじゃこりゃ!?」ガーン

なんと!一回戦からUTXとぶつかることになったのだ!

…私はむしろ嬉しいのに、みんなして落ち込んじゃって……

穂乃果「もう!みんなどうしちゃったの!?」

穂乃果「せっかくあのUTXと試合が出来るんだよ!?楽しまなくっちゃ!」

にこ「はぁぁぁぁぁあん?楽しむぅぅう?」ギロッ

にこ「あんたそれぇ、本気で言ってんの?えぇ!?」

穂乃果「はい!」

にこ「どぅーん!」ズツキ!

穂乃果「痛ぁぁぁぁぁ!?」

にこ「野球部の存続がかかってるのに楽しむだぁぁぁん!?笑わせてくれるぜ!!」

にこ「負けたら廃部なのよ!?分かってんの!?」

穂乃果「勝てばいいじゃん!」

にこ「どぅーん!」ズツキ!

穂乃果「痛ぁぁぁぁぁ!?」

にこ「相手はあのUTXよ!!勝てるわけ無いで…」

にこ「あれ?」

穂乃果「痛たたたた…ど、どうしたんですか…?」

にこ「…」ジー


にこ(あのメンバー…この前と同じ…)

にこ(つまりあのメンバーって…)

にこ(三軍!?)

にこ(三郡!?さんぐん!?SANGN!?)

にこ「くくくくく…」

穂乃果「にこ先輩…?」

にこ「ふはははははははは!!よく聞きなさいあんたたち!!」

にこ「私たちにはまだ勝機がある!!」

海未「私たちに…」

ことり「勝機が…?」

にこ「そうよ勝機よ!しかもただあるんじゃなくってありまくりよ!今の私たちならあいつらに勝てる!!」

穂乃果「おお!なんかよく分からないけど…ワクワクしてきた!!」

海未「よくは分かりませんが…希望が見えてきました!」

ことり「理由は分からないけど…勝てる気がしてきた!」

にこ「そのいきよ!!さあ、まずはオーダー発表から!!」

音ノ木坂学院

1 投 園田海未
2 三 ミカ
3 遊 矢澤にこ
4 中 高坂穂乃果
5 左 フミコ
6 一 ヒデコ
7 補 南ことり
8 二 田中山花子
9 右 姫野カレン



海未「ことりが7番…?」

にこ「ただ上位打線をガチガチに固めるだけじゃだめなのよ!ちゃーんと考えがあるから安心しなさい!」

穂乃果「あ、そうだことりちゃん。作ってたものってどうなったの?」

ことり「あ~…ごめんね。間に合わなかった…」

ことり「けど、いつかそれを披露出来る日がくるように、この試合は絶対勝とうね!」

穂乃果「もちろん!!勝とう!!」

「かよちん早く早く~!試合が始まっちゃうよ~!」

「はぁはぁ、ま、待ってよぉ~!」

「や、やっと追いついたぁ…凛ちゃん速いよぉ…」

「ごめんごめん。さ、早く座って試合を見るにゃー!」











にこ「あんたたち!あの時やられた借りを10倍にして返す時が来たわよ!!」

海未「目指すは完封!」

ことり「やり返すぞコールド!」

穂乃果「絶対勝つぞーー!」

9人「おーーー!!」

希「えーりち♪」

絵里「希」

希「試合、見に行かへんの?」

絵里「別に…見に行く価値なんてないもの」

絵里「確かに部員を集めたと聞いた時は驚いたけど…」

絵里「一回戦からUTXよ。もう廃部は決まったも同然」

絵里「結果は見え切ってる。わざわざ見に行く必要はないわ」

希「そうかなぁ?」

絵里「何?意見でも?」

希「意見っていうか…ウチは…」

希「どっちが勝つか、分からないと思うんよ」

にこ「さあ私はたちの攻撃からよ!!」

にこ「海未ー!絶対塁に出なさいよー!」

海未「はい!」

海未「!!」

UTX投「…」

海未(あの時と…同じピッチャー…!)グッ

にこ(海未は、単打も狙えるし長打も狙えるタイプ)

にこ(だけど、そのどちらかに偏ってしまうのが玉に瑕。単打を狙おうとすれば長打はまったく出なくなるし、長打を狙おうとすればバットに当たりすらしない時もある)

にこ(だからこそ、ここはひとつに絞る)

にこ(単打を狙って、確実に塁に出る方にね!)

UTX投「」ザッ

ビシュッ!ククッ!

海未(変化球!狙い通りです!)カッ

キィン!

UTX投「!?」

にこ「よし!三遊間を抜けた!」

にこ「ナイスバッティングよ!海未ー!」

海未「や、やった!」グッ

にこ「よし!いける!」

にこ「次!しっかり仕事を果たしなさいよ!」

ミカ「」ザッ

UTX投「…」

にこ「くっくっく…ここはセオリー通りにいかせてもらうわよ!」

UTX投「…」ザッ

ビシュッ!

ミカ「」スッ

UTX選手ズ「!?」

ミカ「」コン

ボテボテ…

UTX三「」パシッビシュッ

UTX一「」パシッ

審判「アウト!」

にこ「送りバント成功!」ニヤリ

にこ「ふふん。ご丁寧に初球からストライクゾーンに投げてくれちゃって。送るのがこんなに簡単に決まっちゃうなんてねー」

にこ「以前戦った時は初心者集団だったからね。バントができるとは思ってなかったんでしょうねぇ」

にこ「ま、それを逆手にとったんだけど」

にこ「よーし!次はにこの番よぉ!!」ザッ

にこ「」ザッ

にこ(にこが3番の理由…それは)

にこ(万が一、送りバントバントの失敗やダブルプレー、そもそも海未が塁に出られなかった時に、代わりに私が塁に出るため)

にこ(もうひとつは…!)グッ

にこ(1番2番が作り出したチャンスを広げるため!あわよくば点を入れるためよ!)




ズバン!

主審「ストライクッ!バッターアウト!」

にこ「…」スタスタ

穂乃果「にこ先輩…」

にこ「何も言わないで…」ズーン

にこ(私ってこんなにバッティング下手だったっけ…)

にこ(まあそれはさておき!)

にこ(次の打者は…音ノ木坂最強の打者!)

にこ(一点は入ったも同然ね。あわよくば…)

穂乃果「お願いします!」ザッ

穂乃果「…」グッ

UTX投「…」ザッ

ビシュッ!

ズバン!

主審「……ボール!」

UTX投「」パシッ

UTX投「…」

UTX投「…」コクリ

UTX投「」ザッ

ビシュッ!ククッ!

ズバン!

主審「ボール!」

にこ「へいへいへいピッチャービビってるぅ~!」

にこ「…なーんて言わないけど、さっきまでのストライク先行のピッチングからガラッと変わったわね」

にこ「ようやく本気を出したみたいだけど…」

にこ「無駄よ。あの子には小細工なんて通用しない」


UTX投手「」ビシュッ!

穂乃果「」カッ…

キィィィィィィィィィィィィィン!!!


UTX中「」ダダダダダダ…

UTX中「」スタスタスタ…

ゴン…ッ…

ことり「は…」

ことり「入ったぁぁぁぁぁ!!凄い!凄いよ穂乃果ちゃぁぁん!」

海未「まさか…ここまでやるなんて…」

海未「流石は穂乃果です…!」

にこ「あははは!あわよくば2点入ればラッキーって思ってたけど、まさか本当にやっちゃうなんてねぇ!」

にこ「まったく、あんたはやっぱり…」

穂乃果「…」スタスタスタ…

穂乃果(いける…!この試合、勝てる!)

にこ「結局さっきの回は穂乃果の次で終わっちゃったけど…」

にこ「次は守備よ!いくら点をとっても、とられたらお終いよ!」

にこ(そして守備の最大の要は投手!頼んだわよ!海未!)

海未「…」

海未(練習の成果…今ここで発揮する時!)

海未(いきますよ!ことり!)

海未「」ザッ

ビシュッ!
ズバン!

主審「……ストライクッ!」

にこ(ふふ。練習の成果、早速出てるみたいね)

にこ(海未はもともと、いい球を投げれる。後はそれをコースに投げ分けられるかどうかよ)

にこ(海未にはコントロールを徹底的に磨いてもらった。ことりには、キャッチャーとして、配球のセオリーを叩き込んだ)

海未「…」ザッ

ビシュッ!

UTX1番「」ガッ

ガシャン

主審「ファール!」

海未「…」ザッ

ビシュッ!ズバン!

主審「ボール!」

にこ(そしてもうひとつ…ピッチャーに必要なもの…)

海未「…」ザッ

ビシュッ!ククッ!

UTX1番「!?」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!」

海未(よしっ!)グッ!

にこ(変化球を覚えさせたのよ!)

にこ(うまくいったみたいね!)

にこ「さあ!この調子でガンガン…」

キィン!

にこ「!」ダッパシッ

にこ「ファースト!」ビシュッ!

ヒデコ「」パシッ!

審判「アウト!」

にこ(ざーんねんでしたー♪守備はぬかりないわよ!助っ人軍団は守備練習を徹底的にやってきたからね!)

寝るます…

これめっちゃ長くなりそう…

おやすみなさい…

再開していきます

能力とか考えたけど球速がしっくりこない…

女性で速いのって何キロからなんだろ…

>>109

100km/h前後でプロレベルだったはず

にこ「ナイスピッチ!実力で三者凡退に抑えるなんてやるじゃない!」

海未「にこ先輩の指導のおかげですよ!さ、この回も点をとっていきましょう!」

にこ(私のおかげ…か。私はただ単にちゃんとした練習のやりかたを教えただけよ。あんたたちにはもともと才能はある。今までの練習のやりかたが悪かったから、その才能を活かせなかっただけ)

にこ「もちろんよ!どんどん攻めていくわよー!」

にこ(とは言ったものの…)

ガキン

ボテボテ…

審判「アウト!」

にこ(この回、ヒットが出る可能性があるのはことりだけね…)

にこ(助っ人軍団には守備とバントを徹底的に叩き込んだからね。バッティングは無理ね)

にこ(ことりに関しては心配無用ね)

UTX投「」ビシュッ!

ことり「!」カッ

キィン!

にこ「よしっ!二塁打!」

にこ(あ、ちなみにことりを7番においた理由は、穂乃果から始まる回を想定してのことよ)

にこ(穂乃果が塁に出て、確実に送ってチャンスを広げてことりで帰す!って考えだったけど…)

にこ(今は意味ないわねぇ…)

にこ(フォアボールでも出て、海未につながればいいのに…)

キィン!

にこ「は?」

>>110
ありがとうございます

男と女の差ってでかいっすね…

これだと海未ちゃん80台か…

男の筋力版表記でいいっすか?(震え声)

>>112

いわかんないようにマイル表示にしよう(提案)

田中山「」ザッ!

にこ「え?何これ?どうなったの?」

海未「田中山さんが打って1アウト一、三塁のチャンスですよ!」

にこ「うっそおおおん!?」

にこ(嘘でっしょー!?あの子に打撃練習なんてさせた覚えないんですけど!!こちとら練習やっても打てなかったのにむっきー!!)

カレン「」ヌッ

にこ(げ…!つ、次はあの子か…)

カレン「」ズシン…ズシン…

にこ(あの子…都合が合わなくて練習にこれなかったから…何もかも未知数なのよね…)ゴクリ

カレン「」グッ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

UTX投「!?」ビクッ

にこ「威圧感やべえ…」

にこ「雰囲気だけなら打ちそうなんだけどね…そんな漫画みたいな話、あるわけ…」

UTX投「」ビシュッ

カレン「」グッ

グワァラゴワガキィィィィィン!

にこ「」

ゴン!

穂乃果「は…」

穂乃果「入ったぁぁぁぁ!スリーランホームランだぁぁあ!」

にこ「うっそおおおおおおおおん!?」

>>114
園田海未 80マイル
絢瀬絵里 100マイル

違和感無いな(錯乱)


この試合終わったら現時点での能力でも書きます

球速はキロ表記で男性基準でオナシャス!センセンシャル!

にこ(マジかよ…マジかよ…)

にこ(あれ?このチーム強いんじゃない?)

にこ(あわよくば、この子が野球部にそのまま入ってくれれば…ラブベースボール出場も夢じゃないんじゃ…)ゴクリ

カレン「にこ様~♪」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

にこ「」

にこ(あれといっしょにプレーするのは私が無理だから却下で)

穂乃果「さあ!この調子でもっともっと点を取りにいこう!!」

「おー!!」

にこ「よっしゃー!この回守り切って、あの時の借りを返すわよぉ!」

穂乃果「はい!」バシッ

海未「この回を守り切れば…勝てるん……です…よね…」グッ






海未『』ザッ

ビシュッ!

カッ…

キィィィィィン!

海未『そ…そんな…!』

海未『くっ!』ビシュッ!

キィン!

キィン!

キィン!

海未『どうして…なんで…っ!』

…ちゃ………みちゃ………うみちゃ………







ことり「海未ちゃん?」

海未「はっ!」

ことり「どうしたの…?名前を呼んだのに反応もしないで…」

海未「な、なんでもありませんよ。さ!早く守備につきましょう!」ダッ

ことり「海未ちゃん…?」

海未(あの時は…五回で一気に10点を…)

海未(はっ!な、何を恐れているのですか…私は…!)

海未(四回まで、実力で抑えたじゃないですか…!今さら恐れる必要なんて――)ザッ

海未(無いっ!)ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!」

UTX打「…」

海未(いける…!)ザッ

ビシュッ!

UTX打「」カッ

キィン!

海未「!?」

にこ(大きい当たり…!だけど…)

ドン!

穂乃果(フェンス直撃…!運良くこっちに跳ね返ってきたっ!)パシッ

穂乃果(三塁には行かせないよっ!)ビシュッ!

ミカ「」パシッ!

UTX打「」ザッ!

審判「セーフ!」

穂乃果(間に合わなかった…!)

にこ(三塁打…点差は十分にあるけど…なんだか嫌な予感がするわね…)


海未(打たれた…!大きな当たり…!)

海未(落ちつくのです…園田海未…!)

海未(打たれることだってある…まったく打たれないピッチャーなんて…いないのですから…!)

海未「」ザッ

ビシュッ!

ことり「!?」

ことり(ストレート!?変化球を要求した筈なのに!?)

UTX打「」カッ

キィン!

にこ「たぁ!」ダッ

にこ(ダメだ…!ジャンプしても身長が足らない…!)

にこ「レフト!!」

フミコ「」パシッ

にこ(二塁打にはならなかった!けど…一点をとられた…!)

穂乃果「海未ちゃん…?」

海未(また…また打たれた…)

海未(このままじゃ…また…)

海未(抑えなきゃ…抑えなきゃいけないのに…)

海未(私がしっかりしなきゃ…私がしっかりしなきゃ…!)ザッ

ビシュッ

海未(しまっ…)

UTX打「」カッ

キィィィィィィィィィィィン!!

ドンッ…!

海未「そん…な…」

穂乃果「は…入っちゃった…」

にこ「タイム!タイムお願いします!!」

にこ「ちょっと海未!何やってんのよ!」

海未「ごめんなさい…」

にこ「謝らなくていいから!とにかく、焦らずきちんと投げなさい!点差はまだあるんだから!それに、無理にコールドを目指す必要も無い!うちにまともなピッチャーはあんたしかいないんだから!しっかりしなさいよ!」

海未「はい…わかりました…」

海未(そうだ…私しかいないんだ…私がしっかりしなくては…)

ズバン!

主審「ボール!フォアボール!」

海未「…っ!」

にこ(二打者続けてフォアボールって…何やってんのよ!)

にこ(さっきからまともに投がってないし…どうしちゃったのよほんとに…!)

にこ(このまま海未が打ち崩されたら…いくら点差が開いてるとは言え、追いつかれるのも時間の問題…)

にこ(頼むから踏ん張ってよ
…!)

海未「…」

海未(どうして…どうして思ったところに投げられないのですか…!)

海未「」ザッ

海未(次こそ…)

海未(次こそ入れます!)ビシュッ!

UTX打「」カッ

キィィィィィィィン!

海未(なっ…!?)

にこ(また大きな当たり…!これは流石に…)

穂乃果「」ダダダダダダダダダダダダ…

にこ(穂乃果!?まさかあれをとる気!?)

にこ(いや…もしかすると、もしかするかも!)ダッ!

穂乃果(間に合う!!)ダッ!

穂乃果「…!」パシッ!

穂乃果(とった…っ!)ドンッ

穂乃果「うわっ!?」

UTX走者「!?」ビクッ

穂乃果「いたたた…フェンスにぶつかった…」

にこ「穂乃果!ボール!」

穂乃果「!!」

穂乃果「にこ先輩!」ビシュッ

にこ「いっ…」パシッ

にこ「けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ビシュッ!

ギュオオオオオオオオオオオオオオ!!

UTX走者「…っ!」ダダダ…ダッ!

田中山「」バシィ!!

にこ「……!」

塁審「………」

塁審「アウトォ!!」

にこ「っしゃああああ!!」グッ

穂乃果「おおおおおお!!」

にこ「ナイスプレーよ!なかなかやるじゃない!!」ニッ

穂乃果「にこ先輩こそ!まさかここまで来てるなんて!」

にこ「ふふん♪ナイス判断でしょー!」

海未(すごい…あの打球をとってしまうなんて…)

ことり「海未ちゃん!」

海未「ことり…」

ことり「さっきの穂乃果ちゃんとにこ先輩のプレー、見たでしょ?」

ことり「海未ちゃんの後ろには、あんなにも頼れる仲間がいるんだよ?」

海未「仲間…」

ことり「もちろん、穂乃果ちゃんとにこちゃんだけじゃない。助っ人軍団さんだって、後ろについて海未ちゃんを支えている」

ことり「打たれる事を怖がっちゃダメ。打たれる事を怖がってちゃ、いつまで経っても前に進めない」

ことり「だから今は…抑えることじゃなくて、全力で投げることに集中しよう!ね、海未ちゃん♪」ニコッ

海未「全力で…投げることに…」


海未(そうだ…打たれる事を怖れていては、前に進めない)

海未(今はただ…ことりの構えるあのミットに向かって…)ザッザッ

海未(全力で投げるだけです!)キッ!

海未「…」キィィィィィン…

海未「」ザッ

ビシュッ!

ゴオオオオオオオ!

UTX打「!?」

UTX打「」ブン!

ズバン!

主審「す…ストライク!」

にこ(雰囲気が…変わった!?)

にこ(しかも球が一段と早くなっている…一体何が…!?)

海未「…」キィィィィン…

海未「」ザッ

海未「」ビシュッ!

ゴオオオオ!

UTX打「っ!」カッ

ガシャン!

主審「ファール!」

ことり(すごい…今までで一番いい球を投げてる…!)

ことり(いける!遊び球はいらない!3球で決めよう!海未ちゃん!)スッ

海未「」ザッ

UTX打「」グッ

海未「」ビシュッ!

ギュルルルルルルルルルルル!!

UTX打「!?」

ことり「!?」

ことり(曲がらない!?スライダーじゃない!?)

UTX打「っ!」ブン!

ズバンッ!

ギュルルル…

ことり「…!」

主審「…す」

主審「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!!」

にこ「や…やった…」

にこ「やった!やった!!やったああああああああ!!」

穂乃果「か…勝っちゃった…コールドで…」

にこ「いやったああああああ!勝った!勝ったああああああ!」

穂乃果「うううううやったー!!」ダダダダダダ

穂乃果「海未ちゃーん!!」ダキッ

海未「はっ!ほ、穂乃果…?」

穂乃果「やったね海未ちゃん!!勝ったんだよ!私たち!!」

海未「え…?か、勝った…?」

ことり「海未ちゃーん!すごかったよ!最後の球!」

海未「え?そ、そうでしたか?」

にこ「やったよおおおおおお!!うわあああああああん!!勝った!勝ったよおおおお!」

海未(全力で投げる事に集中した途端…頭が空っぽになって、すごく体が軽く感じた…あれは一体…?)




「う、嘘ぉ!?あのUTXが…音ノ木坂に負けた…!?」

「やっぱり…こっちの方が面白いにゃ!!」








「あーあー。せっかく遠出してきたのに、ツバサって人が投げる前に負けてるじゃない。なんで出さなかったのよ」

「あれは3軍だぞ」

「え?マジ?」

「うむ。どうやらUTXは音ノ木坂を舐めていたらしいな」

「それでボッコボコにされちゃったんだー。なんかださーい…って、まさかそれが分かってて音ノ木坂が勝つ方に賭けたのね!」

「ふっ。約束は約束だぞ。きんつばを奢ってもらうからな」

「ぐぬぬ…!悔しー!」

「しかし…面白いものが見れた。園田海未…その名はしかと覚えたぞ」

ここらで能力を

選手名 弾道 ミート パワー 走力 守備力 肩力 エラー回避 特殊能力


高坂穂乃果 弾道3 C B C C C C チャンス5 パワーヒッター

園田海未 弾道2 B C C D A E アベレージヒッター チャンスメーカー

南ことり 弾道2 C C D B B B 初球○ 広角打法

矢澤にこ 弾道1 F F C A B A 守備職人 送球○

投手能力忘れてた

選手名 球速 コントロール スタミナ 変化球(変化量) 特殊能力

園田海未 135km/h B D スライダー3 チェンジアップ1 打たれ強さ2 寸前× 対ピンチ2 奪三振 ジャイロボール

絵里「音ノ木坂がUTXを倒したぁ!?しかもコールドで!?」

希「地元紙にも載ってるよ~。ほらここここ」

絵里「嘘…信じられない…」

希「まあ、相手は3軍だったみたいやけどね~」

絵里「3軍って…それでもこの前はコールドで負けてたのに…今度はコールドで勝つなんて…信じられない…」

希「それだけ、あの子たちが成長してるってことやね」ニッコリ

絵里「…ふん。まあいいわ。いずれ私がこの手で…必ず野球部は潰すから」











にこ「今日は歌いまくるぞー!」

穂乃果「おー!!」

海未「明日も試合だというのにカラオケって…いいのですか?」

にこ「いいのよいいのよ!たまには練習休んで騒ぐのもいいもんよ!」

ことり「助っ人さんたちはどうしたんですか~?」

にこ「呼んだけど来なかったのよ~。ノリが悪いわねぇ」

にこ「まあ一人だけは呼んですらいないんだけどね…あは、あはは…」ボソッ

穂乃果「よーし!穂乃果から歌っちゃおー!あ、採点ありね!」

にこ「もちろんよ!さあじゃんじゃん騒いでどんどん歌って楽しむわよー!」

翌日、秋季大会二回戦当日

にこ(昨日調子に乗りすぎた…めっちゃだるい…)

海未(まともに寝てないせいで体が重い…)

ことり(頭が痛いよぉ…)ズキズキ

穂乃果「zzz…」

審判「プレイボール!」










デデドン!
20-0!
コールド負け!

にこ「…」

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「zzz…」

にこ「oh…」

海未「my…」

ことり「GOD…」

穂乃果「んあ?」パチン

穂乃果「ふあああ…よく寝た…」

穂乃果「あれ?ここどこ?」

ヒュゥゥゥゥゥゥ…

私たちは二回戦負けちゃったけど一回戦は無事に突破した!

だから今年度の廃部は無くなった!やったー!

そして私たちはまた、来年の夏に向けて練習を始めた!!

そんな私たちの目の前に、ついにあの人がやって来た…!

「ここが音ノ木坂ね…」

「珍しいな。ツバサが自分から足を運ぶなんて」

「そんなに気になるのぉ?」

「もちろん。3軍だったとはいえ、UTXを倒した相手よ。気になるのも当然」

「さあ、行きましょう。英玲奈、あんじゅ」









穂乃果「うおおおおお!」ダッ

穂乃果「あ」ポロッ

にこ「ちょっと!何やってんのよあ穂乃果!それぐらいポロるんじゃないわよー!」

穂乃果「えへへ。ごめんごめん」

「練習、頑張ってるみたいね」

穂乃果「ん?」クルッ

にこ「なぁー!?」

海未「この制服は…!」

ことり「UTXの…!」

にこ「し…しかも、た、ただのUTXの生徒じゃないわよ…!」

ことうみ「え?」

にこ「い、今…わ、私たちの目の前にいるのは……UTXの絶対的エース…!」

ツバサ「綺羅ツバサよ。よろしく」ニコッ

穂乃果「…え?」

穂乃果「えええええええええ!?」

寝るます

明日にはりんぱな、出来ればまきちゃん出したい…うっ

まきちゃん

助っ人の人達はキレていいw

ぼちぼち再開していきます

にこ「あのUTXの…エースが来るなんて…」

「エースだけじゃないわよ」

にこ「!?」

あんじゅ「うふふ」

英玲奈「初めまして。音ノ木坂の諸君」

にこ「UTXの主砲、優木あんじゅ…!そしてUTXの精密機械、東堂英玲奈…!」

にこ「UTXの三本柱が…揃い踏みだなんて…!」ガタガタ

海未「し、しかし…なんでそんな有名人が音ノ木坂に…!?」

あんじゅ「ちょっとしたご挨拶よ」

英玲奈「私たちは出ていなったとはいえ、名門である我々UTXを倒したと聞いた」

あんじゅ「おかげで春のラブベースボールに出れなくなって、監督の頭が完っ全にフルハウス」

英玲奈「あの音ノ木坂がここまで成長しているとは思わなかった」

ツバサ「だからこそ、気になって足を運んできた」

ツバサ「ところで…」チラッ

穂乃果「!!」ビクッ

ツバサ「貴女が、高坂穂乃果さんね?」

穂乃果「どうして私の名前を…?」

ツバサ「ふふ。貴女の事は既に調査済みよ」

ツバサ「貴女だけじゃない。もちろん他の選手も調査済みよ」

ツバサ「戦いにおいて、敵を知ることは基本だからね」

にこ「…!!」

にこ(敵…!あのツバサが、私たちを対等な敵として認めてくれた…!!)

ツバサ「そうだ!せっかくだから、ちょっと勝負をしましょう?」

穂乃果「勝負…?」

ツバサ「ええ。疼いて仕方ないの。私の本能が、貴女と勝負をしたいと言っている」

穂乃果「わ、私と…!?」

ツバサ「受けてくれるわよね?穂乃果さん」ニコッ

穂乃果「…!」

穂乃果(あのツバサさんと…勝負が出来る…!)ドキドキ

穂乃果「もちろん!受けて立ちます!」

ツバサ「ふふ。そうこなくっちゃ」ニヤリ

ツバサ「おっと、そう言えば…」

穂乃果「?」

ツバサ「あんじゅ、英玲奈。キャッチャーやってくれる?」

あんじゅ「無理。断固拒否」

英玲奈「正捕手でも無い私たちが、お前の球を取れるわけが無いだろう」

ツバサ「あはは…ですよね」

ことり「あ、あの…だったら私がキャッチャーやりますよ…」

ツバサ「ほ、本当に?ならお願いさせてもらうわ」

あんじゅ「あー…」

英玲奈「南ことり…だったかな」

ことり「は、はい」

英玲奈「怪我をしないように、ほどほどに頑張ってくれ」

あんじゅ「プロテクターとマスクはちゃんとつけることを勧めるわ…」

ことり「は、はい。分かりました~」



ツバサ「よし…っと」

ツバサ「こっちはもう準備万端よ」

穂乃果「私も、準備万端です!」

ツバサ「勝負は…1打席勝負!打てれば穂乃果さんの勝ちだし抑えれば私の勝ち。それでいい?」

穂乃果「構いません!」

ツバサ「ふふ。それじゃ始めましょう!」

穂乃果「はい!」

にこ「まさか…こんな間近でツバサの投球が見れるなんて…!!」

にこ「海未!あんたも同じ投手として、しっかり見ておきなさい!」

海未「はい!」

ツバサ「」ザッ

穂乃果「」グッ

ツバサ「」ビシュッ!

ギュオオオオ!

穂乃果「っ!」

ズバン!

穂乃果(速い…!!)

海未「凄い…!あんなに速い球を…!」

穂乃果(けど…絵里先輩の方が、もっと速かった!)グッ

穂乃果(これなら…打てる!)

にこ「確かにツバサのストレートは速い…けど、ツバサの真骨頂はストレートじゃないわ…!」

海未「え?」

にこ「ツバサの真骨頂、それは…」

ツバサ「」ザッ

ビシュッ!!

ギュオオオオ!

穂乃果「!?」

ことり(ぼ、ボールが穂乃果ちゃんの方に向かって!?)

穂乃果(このままじゃ、当た――)

グンッ!

ことほの「!?」

ことり「きゃっ!?」ガッ

穂乃果「ま…曲がった…?」

にこ「スライダーよ!!あれが、ツバサの真骨頂!!」

にこ「スピード・キレ・変化量…どれをとっても隙が無い!!あまりの切れ味に…巷では殺人スライダーとも言われてる!!」

にこ「特に右打者にとっては、デットボールだと思って仰け反ったらストライクゾーンに食い込んでくる…まさに魔球!」

海未「じ…次元が違う…!!」

英玲奈「あのスライダーは、来ると分かっていても未だに完璧に打ち返すことは出来ないな」

あんじゅ「おまけに、あの子は初見。打てるわけが無いし、ましてや…あんな球を見たばっかりじゃ、次にバットを振ることすら難しい」

英玲奈「それでもツバサは…次もスライダーを投げるだろうな」


穂乃果(凄い…!こんな球、初めて見た!)

穂乃果(なんだろう…なんだかとっても…)

穂乃果「」ニッ

穂乃果(ワクワクしてきた!)グッ

ツバサ「!」

ツバサ(ふふ…いい目をしてる)

ツバサ「」ザッ

ツバサ「」ビシュッ!

ことり(さっきと同んなじだ!穂乃果ちゃん!)

穂乃果「」グッ

ギュオオオ!グンッ!!


穂乃果「っ!」ブン!

ツバサ「!!」



ズバン!


ことり「…!」

穂乃果「…私の負けです」

穂乃果「勝負してくれて、ありがとうございます!ツバサさん!」ニッ

英玲奈「あのツバサのスライダーを見たばかりだというのに、ためらいなくバットを振ってきたか…」

あんじゅ「肝が据わってるわね。将来が楽しみ」カミノケクルクル

ツバサ「穂乃果さん!貴女と勝負できて、楽しかったわ!」

穂乃果「私も!すっごくわくわくしました!また、勝負しましょう!」

ツバサ「もちろん。ただし…今度の勝負は地区大会でしましょう」

ツバサ「決勝戦で待ってるわ」ニッ

穂乃果「はい!」








そして…

私はツバサさんという新たな目標を得て、より一層練習に励んだ!

冬を乗り越え、春がやって来て…そして私は、二年生になった!!








絵里「譲れないよ~…この儚いPRIDE…♪」ボソッ

絵里「…」

絵里「野球…か…」

友沢「肩壊してやる気無くす奴www」
山口「無いわーwww」

にこ「さて!今日から新一年生が部活動を見学しに来るわ!!」

穂乃果「いつもより気合いを入れて練習だね!!」

にこ「いや、逆よ穂乃果!」

穂乃果「逆!?何故っ!?」

にこ「馬鹿ねぇ、今ここで気合い入れて練習してるところ見せたら、誰も野球部に入ってこないでしょ!」

穂乃果「どうして?」

にこ「ここは音ノ木坂よ!ガチの野球をやりたい子なんている方が珍しいのよ!音ノ木坂で野球をやりたいと思ってる子は、あくまでゆるーい野球をしたいと思ってる筈!だからこそ、しばらくは簡単な練習を中心にやるわ!」

にこ「そして、入部した途端…徹底的にしごく!!」ニヤリ

海未「外道ですね…」

ことり「でも…去年の秋、UTXに勝ったから野球をやりたい人が音ノ木坂に入ってたりするんじゃないかなぁ?」

にこ「UTXに勝ったっていってもねぇ…二回戦があのざまだし、マグレで勝ったと思われてるでしょ」

ことり「そうかなぁ…」

にこ「そうよ。まあとにかく、今日の練習は簡単に…」

ガチャッ

「こんにちわー!入部希望でーす!」

「わ、私も…入部希望…です…!」

にこ「何ィ!?」ガタッ

穂乃果「早速入部希望者キターー!!」ガタッ

にこ「あ、あんたたち!名前は!?」

凛「星空凛です!よろしくにゃー!」

花陽「こ、小泉花陽です!よ、よろしくお願いします!」

にこ「さて!早速だけど…あんたたち2人の実力を試させてもらうわよ!」

海未「さっきまで簡単な練習と言っていたのはどこへいったのでしょうか…」

ことり「あはは…」

にこ「まずはあんたからよ!えっと…マリオ!」

花陽「は、花陽です…」

にこ「そう!花陽」

海未「なんでマリオ…?」

凛「でも自分だって分かったかよちんも凛は好きだにゃー♪」

にこ「花陽!あんたには今から守備・走塁・打撃の三つのテストを受けてもらうわ!」

花陽「は、はい!!」

穂乃果「花陽ちゃん!ファイトだよ!」


にこ「まずは守備からよ!あんた、野球経験は?」

花陽「あ、あります」

にこ「ポジションは?」

花陽「えっと…ライトをよく守ってます…けど、外野ならどこでも…」

にこ「よーし。要するに外野ね。じゃあさっさと守備につきなさい!」

花陽「は、はいっ!」ダッ








にこ「今から10本ノックするから、きちんととりなさいよ!」

花陽「はいっ!」

にこ「てやっ!」キィン!

ヒュウウウウ

花陽「」パシッ

にこ「あ、とったらこっちに遠投して!次からでいいから!」

花陽「は、はい!」

にこ「ていっ!」キィン!

ガッ
ゴロゴロゴロ

花陽「」パシッ

花陽「」ビシュッ






にこ「ふむ、守備は別に可もなく不可もなく、無難にこなしてるって感じね」

花陽「あ、ありがとうございます!」

海未「別にお礼を言う必要は無いと思いますが…」

にこ「よーし!次は走塁よ!スパイクの紐はきちんと結んでるわね!?」

花陽「い、今から結びなおします!」キュッ

花陽「完璧です!」

にこ「じゃあ始めるわよ!あんたには今からベースランをしてもらって、そのタイムを測るわ!」

にこ「いくわよー!よーい…」

花陽「」ザッ

にこ「どん!」ダッ!







花陽「はぁはぁはぁはぁ…」

にこ「うーん…足はそんなに速く無いわねぇ…」

花陽「ごめんなさい…」シュン

ことり「あ、謝る必要は無いと思うよ?」

にこ「最後は打撃よ!」

にこ「今から海未が10球くらい投げるから、それを打つのよ」

海未「って、私ですか」

にこ「三振狙いじゃなくて、打たせてとる感じでほどほどに頼むわよ!」

海未「了解しました」ザッ

海未「では花陽、いきますよ」

海未「」ザッ

ビシュッ

花陽「」カッ

キィン!

海未「!」

穂乃果「おお!」

海未「」ザッ

ビシュッ

花陽「」キィン!

海未「ふむ…」







にこ「ま…まあ、打撃はそこそこね」

花陽「えへへ…パワーに自信は無いけど、当てるのは得意なんです」

穂乃果「凄かったよ花陽ちゃん!」

花陽「そ、そんな大したことないですよ…///」

穂乃果「そんなことないって!にこちゃんの25倍くらい頼りになるバッターだよ!」

にこ「穂乃果、あんた後でグラウンド10周ね」

海未「それは花陽に失礼なのでは?」

ことり「25252倍かなぁ」

にこ「よかったわね穂乃果。仲間が増えたわよ。グラウンドを10周の」

凛「かよちんはやっぱり凄いにゃー♪」

にこ「花陽の実力はだいたい分かったことだし、次はル」

凛「ルイージじゃなくて凛だにゃ。凛も同じことやればいいんですよねー?」

にこ「え、ええ…そうよ」

凛「じゃあ最初は守備だねー♪かよちんも外野だったし凛も外野をやるにゃー♪」

花陽「凛ちゃん!頑張ってね!」

凛「もちろん!」








にこ(おのれぇ…にこの渾身のボケを殺すとは…)

にこ(これはちょっときつーくお灸を据えてやらなきゃいけないわねっ!)キィン!

凛「~♪」ダッ

凛「ほっ」パシッ

にこ「!?」

穂乃果「おお!あれをあっさりとった!」

にこ(くっ…ちょっと優しくしすぎたかしら?次は強めのゴロで!)キィン!

凛「あ!さっき遠投忘れてたにゃ!」

にこ(なーに突っ立てんのよ!そんなんじゃ…)

凛「」ダッ

凛「よっ」パシッ

凛「とう!」ビシュッ!

ギュオオオオオオオ!

ことり「」パシッ!

にこ「!?」

穂乃果「おお…!」

海未「ほう…」

凛「にこ先ぱーい!」

にこ「な、何よ!」

凛「もっと強いのお願いしまーす!」ニコッ

にこ「ぬぁ!?」

にこ(こ、こっちはこれでも強いの打ってるつもりなのに…きぃぃぃ!)キィン!

にこ(あっ!)

穂乃果「わ!打球が変な方向に!」

海未「流石にあれはとれな…」

ほのうみ「な!?」

凛「」ダダダダダ

凛「ほっ」パシッ

凛「とったにゃー♪」ニッ

花陽「り…凛ちゃんすごーい!凄いよ!」

にこ(嘘ぉん!?何者なのあの子!?)







にこ「守備は…くっ…み、認めたくは無いけどAクラスよ…」

凛「えーくらす?」

花陽「上手ってことだよ、凛ちゃん」

にこ「つ…次!さっさとやるわよ!」

凛「はーい!」

凛「次はベースランだね!凛の得意なやつ!」

にこ(得意と言うからには…それなりのタイムを叩き出してもらわなきゃ困るわね)

にこ「いくわよー!よーい」

凛「」ザッ

にこ「どん!」

ダッ!









にこ「な、何よこのタイム…」ドンビキ

にこ(陸上部にでも入ってたのあの子!?)

にこ(こんなの…女子高生の出せるタイムじゃないでしょ!)

凛「えへへー♪楽しかったぁ♪」

にこ(しかももう体力回復してるし…!どんなスタミナよ!)

凛「にこ先輩、どうだったー?」

にこ「…これは認めざるを得ない、間違いなしのAクラス…むしろSクラスよ」

凛「えすくらす?」

花陽「とても凄いってことだよ、凛ちゃん」

にこ「さあ次!次いくわよ!」

凛「最後は打撃だね!」

にこ(この手のキャラはひとつくらい欠点がある筈…)

海未「では、いきますよ」ザッ

海未「」ビシュッ!

凛「にゃっ」キィン!

穂乃果「おお…!これまた軽やかに…!」

海未「」ザッ

海未「」ビシュッ

凛「…」

ズバン!

穂乃果「あれ?」

にこ「おやおや~?どーして降らなかっ」

凛「海未先輩!」

海未「な、なんでしょうか?」

凛「手加減はいらないから、本気でお願いします!」

海未「!!」

にこ「なっ!?」

海未「…分かりました」

ことり「え!?ほ、本気なの!?」

海未「いきますよ、ことり!」ザッ

海未(あの球を…ここで試す!)ビシュッ!

ギュルルル!!

凛「」カッ

キィン!

海未「!!」

花陽「う、打ったぁ!」

穂乃果「う…海未ちゃんの全力を…!」

にこ「マジで…!?」

海未「…」

海未(違う…あの時の感覚と…何かが違う……)

穂乃果「海未ちゃん…?」

にこ「な、なんなのよあんた!」

にこ「守備走塁打撃、どれをとっても高い水準じゃない!」

にこ「あんた、なんで音ノ木坂なんかに来たの!?あんたほどの実力があれば、UTXにスカウトされてもおかしく無い筈なのに…!」

凛「え?スカウトされたよ?」

にこ「って、されたのかよっっっっ!?」ビシィ!

にこ「…え?マジで言ってんのあんた?」

にこ「えええええええええ!?UTXにスカウトされたのおおおおお!?」

にこ「って、驚くの遅いわ!!」ビシィ!

凛「さっきから何を一人で漫才してるんだにゃー?」

穂乃果「いつものことだから気にしなくていいよ。ところで…」

穂乃果「って、えええええええ!?あのUTXにスカウトされたぁ!?」

にこ「反応するの遅いわ!!」ビシィ

にこ「じゃなくて、な、なんであんた、す、スカウトされたのにUTXじゃなくて音ノ木坂に!?」

凛「だって…凛はかよちんと一緒に野球がしたかったから♪それに、UTXよりも、音ノ木坂で野球をやった方が楽しいって思ったんだにゃ!!」

花陽「り、凛ちゃん…!」ジーン

にこ「な…なんつー理由で…」

穂乃果「イイハナシダナー…!!」ウルウル

にこ(天才が考えてることがよく分からないわ…)

野球部に、新しいメンバーが加わった!!

今のメンバーは総勢6人!

後3人で助っ人無しでも野球が出来る!

そして、新たな出会いが!

凛「穂乃果先ぱーい!」

穂乃果「どうしたの凛ちゃん?」

凛「凛、穂乃果先輩のバッティングが見たい!」キラキラ

穂乃果「私のバッティング?」

にこ「別に見せてもいいんじゃない?あんたのバッティングは実際に参考になるだろうし」

穂乃果「じゃあ、遠慮なくやっちゃおうかな♪」

凛「やったー♪」








凛「じゃあ凛がピッチャーやるから、穂乃果先輩は全力で打ってくださいにゃ!」

穂乃果「おっけー!久しぶりにかっ飛ばすよ!!」

凛「いっくよー!」

凛「えい!」ビシュッ!

穂乃果「っ!」カッ

キィィィィィィィィィィィィィィィィン!!

凛「うおお!」

花陽「ぴゃあ!?」

にこ「うわあ…こりゃまたかっ飛ばしたわねぇ…」

海未「ちょっと飛ばしすぎな気が…って、人が!!」

ことり「あのままじゃボールがぶつかっちゃう!」

穂乃果「危なあああああい!避けて!避けてくださあああああい!」

にこ「ダメだ!聞こえて無い!!」

凛「こうなったら凛が走って…」

花陽「さ、流石に間に合わないよぉ!」

海未「避けてくださーーーい!くっ!まったく反応しない!」

ことり「も、もうこのままじゃ…当たっちゃ――」

「…」パシィ!

6人「!?」

凛「素手でとった!?」

穂乃果「しかも一切ボールを見ずに!?」

「何これ…野球のボール…?」

「あっちから来たのね。まったく…危ないわねっ!」ビシュッ!

凛「うおっ!?」ズバン!

穂乃果「あの距離からノーバンで!?」

花陽「な、なんて肩の強さを…!」

海未「な…何者なんでしょうか…」

ことり「すごい…」

「ふん」スタスタ…

にこ「…」

海未「にこ先輩…?どうしたのですか?」

にこ「いや…ちょっと引っかかることがあって…」

海未「引っかかること…?」

にこ「野球漫画読んでてさ、同じような場面があったのよ。主人公が打った特大ホームランのボールが、クールキャラに向かっていって…そのボールをクールキャラが何食わぬ顔で素手でとっちゃうってシーンが」

海未「なんと…!」

にこ「あれってさ…」

海未(これは後々そのクールキャラが仲間になるフラグと言いたいのですね!分かります!)

海未(しかもこの手のキャラはおそらく強キャラ!つまり、さっきの人を野球部に引き入れることが出来れば、相当な戦力になる!)

にこ「素手でとったら絶対痛いわよね!」

海未「」ズルッ

海未(そっちですか!)

凛「あ!確かに!あれは絶対に痛いにゃ!」

にこ「だよね!絶対痛いわよね!なのにクールキャラってカッコつけちゃってすました顔で『フッ野球のフッボフッールフッかフッ』ドヤァって言っちゃってさ!あれって絶対に強がりよね!後で誰も見てないところで『いってええええええ!!うわああああああ痛い!!手がヒリヒリするうううう!』って悶えてるわよねあれ!」

凛「分かるにゃー!それすっごく分かるにゃー!」

海未(いや、違う!気にするところはそこじゃありません!)

穂乃果「2人とも!」

海未(穂乃果!言ってやってください!この2人に!そんな談義をしている暇があるなら、一刻も早くさっきの人を野球部に引き入れた方が…)

穂乃果「実は…穂乃果もそれ、気になってたんだよね!」

海未「」

穂乃果「だから…今ここで確かめにいこう!」

にこ「言うと思ったわ、穂乃果!」ニッ

凛「なるほど!さっきの人を追いかければ…クールキャラの本性が見れる!」

穂乃果「行こう!」ダッ

にこりん「おー!」ダッ

海未「な…何でそうなるのですか!?」

花陽「あ!!」

ことり「どうしたの花陽ちゃん?」

花陽「あの人…確か同じクラスの――」








ほのにこりん「」コソコソ

「…」スタスタ

ほのにこりん(いた!)

「…」ピタッ

ほのにこりん「!」

「はぁ…」

ほのにこりん「」ドキドキ

「何?さっきから私のことをつけてきてるのはバレバいたあああああああああ!!今になってびりびりしてきたあああああ!よ、よく考えたらあれって硬球だから痛い!!あああ痛い痛い痛い!は、早く冷やさないと…」

「はっ!?」

ほのにこりん「」ニヤニヤ

「~~~っ!」カァァ

ほのにこりん「」ニヤニヤ

「か、かえるからねっ!///もう着いて来ないでよ!!///」ダッ

タタタタタ…

にこ「見た!?さっきの見た!?」

凛「見た!!目に焼き付けた!!」

穂乃果「あれがクールキャラ(仮)の実態だね!」

にこ「ねぇ…2人とも!」

凛「うん!」

穂乃果「もちろん!」

ほのにこりん(あの子を絶対に仲間にしよう!!)ドン!

寝るます

やっとまきちゃん出せた…

おやすみ

にこみたいな凡人枠のキャラは書きやすいからね、仕方ないね

ぼちぼち再開していくでやんす

にこ「と、言うわけで!あの子を野球部に引き入れるわよ!」

海未(なんか腑に落ちないのですが何故でしょう)

にこ「まずはあの子について、何か知ってることがあれば…」

花陽「あ、あの…」

にこ「花陽!何か知ってるのね!」

花陽「はい。あの子…確か、私と凛ちゃんと同じクラスの、西木野真姫さんです」

にこ「ほほう。同じクラスとな」

凛「そうだったんだ…知らなかったにゃー…」

にこ「あんたは同じクラスでしょうが!」ビシィ

凛「かよちんとばっかり喋ってたから覚えて無かったにゃー♪」

にこ「おいおい…」

穂乃果「でも、凛ちゃん花陽ちゃんと同じクラスって分かっただけでも進歩だよ!」

にこ「まあ、確かにそうね。後はどうやって引き入れるか…」

ことり「はーい♪ことりにいい意見があります♪」

にこ「よし。言ってみなさい」

ことり「それはね、あの子を――――」

翌日だよっ!

凛「」キョロキョロ

「はぁ…」

凛「居た!突撃だよかよちん!」

花陽「待って~!」

凛「にゃっ♪」ヌッ

「きゃっ!?って…昨日の!」

凛「星空凛だよ!よろしくね、西木野さん!いや、真姫ちゃんって言った方がいいかにゃ?」

真姫「同じクラスだったのね…で、貴女は…」

花陽「こ、小泉花陽です。よろしくお願いします」

真姫「別に敬語使わなくていいんだけど…同い年だし…」

凛「それじゃあ早速だけど、真姫ちゃんには一緒に野球をやって欲しいにゃ!」ドン!

真姫「イミワカンナイ!!」

真姫「唐突すぎでしょ!」

凛「えー?やってくれないの?」

真姫「やらないわよ!」

凛「やらないんじゃなくて出来ないんじゃないかにゃー?」ヌッ

真姫「そ、そんなこと無いわよ!出来るわよ!」

凛「じゃあ…」

真姫「でもやらないから!お断りだから!」

凛(うーん…まだ押しが足りないかにゃー…)










ことり『それはね、あの子をチョロればいいんだよ!』

海未『は?』

穂乃果『チョロる?』

ことり『聞いた話によると、さっきの子…西木野真姫ちゃんは医者の一人娘、つまり…』

にこ『あー…それはちょろいわぜったい』

穂乃果『チョロいね間違いなく』

海未『いやいやどうしてそうなるのですか』

凛『でも、チョロるって具体的にどうすれば?』

ことり『一番手っ取り早い方法は…』

ことり『ゴリ押しだよ!』








真姫「はぁ…なんで急に野球なんか…」ジャー

真姫「私は野球なんて…」キュッ

凛(鏡)「」ニコニコ

真姫「!?」バッ

真姫「い、いない!?」

真姫「気のせいか…」クルッ

凛(鏡)「」ニコニコ

真姫「!?」バッ

真姫「な、なんなの!?どうなってるの!?」

真姫(気味が悪い!早くトイレから出ましょ!)トントン

真姫「え?」クルッ

凛「ふしゃー!」

真姫「きゃああああああ!?」

真姫「な、なんなのよぉー!」

凛「一緒に野球やるにゃー!」

真姫「お断りよ!!」ダッ

タタタタ…







真姫「はぁはぁ…!イミワカンナイ!!」タタタタ…

真姫「私は一度やらないって言ったのに…なんでまた…」

凛(ゴミ箱)「野球やろー!!」バッ!

真姫「ヴェェェェェ!?どっから出てくんのよぉー!」ダッ

タタタ







真姫「はぁはぁ、流石に諦めて」

凛「野球やろー!」ニョキッ

真姫「ヴェェェェェ!?あんたの体どうなってるのよぉー!」ダッ

タタタ







凛「野球!」ヌッ

真姫「ヴェェ」

凛「野球!」ギュルルル

真姫「ヴェェ」

凛「野球!」ブロロロ

真姫「ヴェェェェェ!イミワカンナイ!」

講堂

真姫「はぁはぁ…こ、ここまでくれば…もう追って来ないでしょ…」

バン!

バンバンバン!

真姫「な、何!?」

穂乃果「な、何!?と聞かれたら」

にこ「答えてあげるが世の情け」

穂乃果「世界の破壊を防ぐため」

にこ「世界の平和を守るため」

穂乃果「愛と真実の悪を貫く」

にこ「ラブリーチャーミーな敵役」

穂乃果「穂乃果!」

にこ「にこ!」

穂乃果「銀河をかける野球部の2人には」

にこ「ホワイトボール 白い硬球が待ってるわ!」

凛「にゃーんてにゃ!」

真姫「ヴェェ!?き、昨日の三人組!!」

にこ「よくここまで追い詰めてくれたわね、凛!」

穂乃果「単刀直入に言います!私たちと一緒に野球をやって欲しいんだ!」

真姫「な、なんでそんなに野球野球って!お断りします!」

穂乃果「そんなこと言わないで!お願いします!この通り!!」

真姫「無理なものは無理です!とにかく、野球はやりませんから!」

穂乃果「お願い!私たち野球部にはあなたの力が必要なの!」

真姫「し、知りませんよ!他を当たってください!!」プイッ

にこ「チッ…意外と粘るわね…」

にこ「こうなったら、凛!私たちの出番よ!!」

凛「はいにゃ!」

にこ「あるぇるぇ~?なんで野球やってくれないのぉ~?」

凛「のぉ~?」

真姫「」ビクッ

真姫「そ、それは…」

にこ「もしかして~やれないんじゃなくて出来ないんじゃないの~?」

凛「にゃ~ん?」ピョコピョコ

真姫「で、出来ますよ!!」

にこ「証拠は~?」

凛「わぁ?」

真姫「昨日の!見たでしょ!ボールとったじゃないですか!」

にこ「まぐれかもしれないし、それに…」チラッ

凛「何?サッキカラ私ノコトヲツケテキテルノハバレバイタアアアアアアアアア!!今ニナッテビリビリシテキタアアアアア!ヨ、ヨク考エタラアレッテダカラ痛イ!!アアア痛イ痛イ痛イ!ハ、早ク冷ヤサナイト…」

真姫「」

にこ「あれを見ちゃったからねぇ」ニヤニヤ

にこ「やっぱりまぐれなんじゃなーい?本当は野球出来ないんじゃなーい?」ニヤニヤ

凛「にゃーい?」ニヤニヤ

真姫「」

真姫「」プツッ

真姫「出来るわよ!!そんなに言うなら…いいわ!上等じゃない!」

真姫「野球だろうがなんだろうが、やってやるわよ!!」

にこ「やった♪」

にこ(ちょろいもんだぜ)ニヤリ


にこ「と、言うわけで」

にこ「新入部員ゲットしましたー!」

ほのりん「いぇーい!!」

真姫「西木野真姫よ。よろしく」

海未「ええええ!?もう!?もう引き入れることに成功したのですか!?」

にこ「いやー…厳しい戦いだったわ…」ジーン

穂乃果「うんうん」ジーン

真姫(はぁ…本当はもう野球なんてやらない予定だったのに…何やってるんだろ…)

真姫(少なからず野球に未練でもあったのかしら…)

にこ「よーし。それじゃ早速だけど、あんたの実力を試すわ」

真姫「ふん。ようやくね」

真姫「いいわ。私の実力、見せてやるわ!!」

にこ「まずは守備よ!!あんた、ポジションは?」

真姫「どこでも出来るけど…ショートをやってたわ」

にこ「ショートォ!?」

にこ(外野だと思ったのに…)

にこ「ま、まあいいわ。さっさとポジションにつきなさい!」

真姫「言われなくても分かってるわよ!」ダッ


にこ「自信はあるみたいだから、手加減はしないわよ!」

真姫「ふん!手加減なんかいらないわよ!」

にこ(威勢だけはいいんだか…らっ!)キィン!

真姫「」パシッ ビシュッ

穂乃果「おお!華麗に捌いた!」

にこ(あれくらい出来なきゃ興醒めよ!)

にこ(次は加減はいらないわ…ねっ!!)キィン!

海未「あれは厳しい…ですが」

花陽「真姫ちゃんなら…!」

真姫「」パシッ ビシュッ!

ことり「」パシィ!

にこ(まだまだ余裕あり、って感じね)

にこ(じゃあさらに厳しい打球よ!)キィン!

真姫「」パシッ ビシュッ!

にこ(まだまだまだ余裕ありって顔ね…!よーし!次は本気でとらさせないわよっ!)

にこ「ていっ!」キィン!

穂乃果「ああっ!あれは流石に…」

凛「いや、大丈夫だと思うよ」

穂乃果「え?」

真姫「」ダッ! パシッ

真姫「」ザッ

真姫「」ビシュッ!

ことり「」パシィ!

穂乃果「おお!とった!!」

にこ「…!!」

にこ(この子…や、やるじゃない…!)

にこ「守備、走塁と終えたわけだけど…」

にこ「守備は…くっ!悔しいけど、あんたの実力を認めるわ…!」

真姫「ふん。あれくらい出来て当然よ」ドヤァ

にこ「走塁は普通ね。特に言うことは無し」

真姫「はぁ!?結構自信あったんですけど!」

にこ「残念だったわね。自信があるって言うならせめて私をドン引きさせるくらいのタイムを出さないと」チラッ

凛「にゃ?」キョトン

にこ「最後は打撃よ!」

真姫「ふん。軽く打ち返してやるわ!」








海未「」ザッザッ

真姫「…」グッ

穂乃果「真姫ちゃん…すごく打ちそうなオーラが漂っている…!」

凛「これは期待出来そうだね…!」

真姫「…」ゴゴゴゴ

にこ「…」

にこ(くっ…!守備というにこのアイデンティティが奪われる危機が訪れているというのに…打撃も凄かったらますますにこの立場が…!)

真姫「…」ゴゴゴ…

海未「では…いきますよ!」ザッ

ビシュッ!

真姫「」ニヤッ

海未「!」

ズバン!

真姫「」ブン!

海未「!?」

穂乃果「!?」

花陽「!?」

凛「…」

海未「2球目、いきますよ!」ザッ

ビシュッ

真姫「」グッ

ズバブン!

ことり「!?」

真姫「」ニヤリ

海未「…3球目」ザッ

ビシュッ!

ズバン ブン!

海未「…」

ことり「…」

真姫「ふっ…」ザッ

にこ「よし、打撃テスト終わりね」

真姫「は?ちょっと待ってよ!まだ10球やってないんだけど!」

にこ「あんた、一言言わせてもらうけどねぇ…」

にこ「素振りの実力を見てるんじゃないのよ!!!!これは打撃のテストなのよ!!!」

真姫「ヴェェ…」

にこ「なんでミットにボールが入ってからバットを振り出してるのよ!!タイミングが合わないとかいうレベルじゃないでしょうが!!」

真姫「た、球が速すぎるのよ!」

海未「いや…手を抜いていますが…」

真姫「訂正!球が遅すぎるのよ!!」

にこ「ほーう!!そこまで言うなら、海未の全力を打ってみなさいよ!」

真姫「上等よ!やってやろうじゃない!」








海未「い…いきます…よ…」ビシュッ

ヒョロヒョロ…

真姫「見えた!」カッ

キィィィィィィン!!

海未「うっ…」バタッ

ことり「海未ちゃーーーーん!?」

花陽「海未先ぱーーーーい!?」

ほのりん「zzz…」

真姫「見たでしょ!私のバッティング!」ドヤァ

にこ「…」プルプル

にこ「打てるまで…」プルプル

にこ「どんだけ時間かかってんのよぉおお!もう日が暮れてるわあああああああ!!」

アホー アホー

真姫ちゃんも加入し、ついに7人になった私たち野球部!

そして、残り2人のうち、1人はもう私の中で決まっている!

後はその人に実力を認めてもらえば大丈夫!

だけど…私たちにまた廃部の危機が訪れようとしていた!

穂乃果「生徒会長…絵里先輩から話があるっていうから部室に集まったけど…」

海未「一体何を話されるのでしょうか…」

にこ「おおかた、野球部の存続に関する話でしょ。どうせ」

ガチャッ

7人「!!!」

絵里「…集まってくれているみたいね」

穂乃果「絵里先輩!話って…」

絵里「単刀直入に言わせてもらうわ。実は、UTX側からあなたたちへ練習試合の申し込みがあった」

穂乃果「!!」

にこ「UTXから…!?」

海未「…わざわざそのことを伝えにきただけでは無いのでしょう?」

絵里「察しがいいわね。…本題に移りましょう」

絵里「去年の秋季大会の約束…それは昨年度いっぱいの廃部を見送ること」

絵里「だけどもう年度が変わった。つまり…」

にこ「次の練習試合に負けたら…廃部ってことでしょ…!」

絵里「ふふ。その通りよ」

絵里「私が言いたかったのはそれだけ。練習試合は来週の土曜日よ。それまでせいぜい練習に励むことね」ガチャッ

穂乃果「あの、待ってください!」

絵里「」ピタッ

穂乃果「次の試合、私たちが勝ったら――」

絵里「…」

穂乃果「…やっぱり、なんでもありません。このことは…試合に勝ったら伝えます!」

絵里「…ふん」

バタン

海未「まさか…またUTXと練習試合をすることになるなんて…!」

ことり「でもなんで今になってまたUTXが練習試合なんかを…」

にこ「私たちの実力を測りにきたのよ…!去年の秋季大会でコールド勝ちをしてしまったから…マークされたみたいね!」

海未「おまけに…今の音ノ木坂にはUTXの推薦を蹴ってまできた人もいますし…」チラッ

凛「?」

穂乃果「でも、この前は勝てたから、今度も勝てるよ!」

にこ「バカね…この前みたいにまた三軍でくるわけないでしょ!」

穂乃果「え!?さ、三軍だったの!?」

にこ「そうよ!…この前の大会で、少なくとも私たちは三軍では勝てないってことが分かったはずよ」

ことり「じゃあ次は…二軍か…」

海未「最悪の場合、一軍でくる…ということですね…!」

にこ「二軍ですらかろうじて勝てるかどうかってレベルなのに…一軍だったら間違いなく…!」

穂乃果「…大丈夫だよ!」

穂乃果「今の私たちだったら…きっと勝てる!」

穂乃果「今は負けることを考えないで、勝った後のことを考えながら練習をしよう!」

にこ「穂乃果…」

海未「ふふ。穂乃果の言う通りです!さあ、早く練習をしますよ!」

真姫「ちょっと待って!野球は9人じゃなきゃ出来ないんだけど!どうするのよ!?」

海未「あ…」

「そのことなら!」

「気にする必要はないよ!」

「私たちに任せて!」

穂乃果「この声は!!」

ヒデコ「ヒデコ!」

フミコ「フミコ!」

ミカ「ミカ!」

穂乃果「おお!来てくれたんだ!」

これはP(ポンコツ)K(肩でめんどくさい
)E(エリーチカ) 





「もしもし、ウチやけど…」

「久しぶり。元気にしとった?」

「ふふ。元気で何より」

「ところでさ、頼みがあるんやけど…」







そして一週間後!!

UTXとの練習試合の日がやってきた!!


にこ「ツバサは…いない!」

海未「ということは…二軍ですね」

にこ「二軍でも三軍とは比べものにならないくらい強いはずよ!!気を引き締めていくわよ!あんたたち!」

9人「おー!」

にこ「オーダーを発表するわ!」

ザザッ

1(中)星空凛
2(右)小泉花陽
3(投)園田海未
4(左)高坂穂乃果
5(捕)南ことり
6(一)ヒデコ
7(三)ミカ
8(二)矢澤にこ
9(遊)西木野真姫


真姫「わ…私が9番!?」

にこ「勝つために考えた結果よ。私だって8番なんだから我慢しなさい」

真姫「くっ…仕方ないわね…」

穂乃果「私たちが先攻だって!」

にこ「おっけー!打撃で一気に差をつけるわよ!」

穂乃果「おー!」

凛「よーし!いくにゃ!」

にこ(凛なら塁に出ることは期待出来る…けど、相手は凛のことを知っているだろうし…そう簡単には…)

キィン!

にこ「早っ!?」

凛「にこ先輩!塁に出たよー!」

にこ(もはやあの子くらいのレベルになったらそんな心配はいらないか…)

にこ(凛が塁に出たなら…こっちの流れが来たようなもんよ!)

にこ(花陽!)

花陽「…!」

花陽「」ザッ

にこ「さあUTX!覚悟しなさい!」

UTX投「」チラッ

凛「…」

UTX投「」ビシュッ!

凛「」ザッ

UTX一「」パシッ

塁審「セーフ!」

にこ「警戒してるみたいだけど…無駄よ!」

UTX投「」チラッ

凛「…」

UTX投「」ザッ

凛「」ダッ!

UTX投「」ビシュッ

ズバン!

UTX捕「」ビシュッ!

凛「」ザッ!

UTX二「」パシッ!

塁審「セーフ!」

穂乃果「やった!盗塁成功!」

にこ「当然よ!」

にこ(凛の足の速さなら、分かっていても刺すことは不可能よ!)

にこ「この調子よ!」

にこ(そのまま三盗…いけるかしら…?)

凛「…」

にこ(あの目…やる気まんまんね)

にこ(花陽!)

花陽「…!」

UTX投「…」チラッ

凛「…」

UTX投「」ザッ

凛「」ダッ!

UTX投「!!」ビシュッ

ズバン!

UTX捕「」ビシュッ!

UTX三「」パシッ!

凛「」ザッ!

UTX三「」バッ

塁審「…セーフ!!」

にこ「いよっしゃあ!!さっすが凛!」

にこ(カウントは1ボール1ストライク…)

にこ(ここはスクイズを狙いに行くか…それとも…)

にこ(…花陽を信じましょう。仮に打てなくても…海未と穂乃果が帰すはず)

にこ(花陽!思いっきり打ちなさい!)

花陽「」コクリ



花陽(前進守備…これなら私のパワーでも…)グッ

UTX投「」ザッ

UTX投「」ビシュッ!

花陽「」キィン!

凛「にゃっ!」ザッ

UTX三「」パシッ!

UTX三「」ビシュッ!

UTX一「」パシッ

花陽「ぴゃあ!?」

塁審「アウトー!」

にこ「どんまいどんまい!惜しかったわよ!」

にこ(さりげなく凛の判断が早かったわね…)

にこ「よーし!海未!凛を帰しなさいよ!」

海未「はい!」

海未「」ザッ

UTX投「…」

海未「…」

UTX投「…」チラッ

凛「…」

UTX投「…」

UTX投「」ザッ

ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!」

海未(やはり秋とは違う…流石は二軍、と言いたいところですが)

海未(決して打てない球ではない!)グッ

ビシュッ!

海未「」キィン!

海未(よし!セカンドの頭を越え…)

UTX二「」パシィ!

海未「な!?」

凛「やばっ…!」ダッ!

UTX二「」スタッビシュッ!

凛「」ザッ!

UTX三「」パシッ!

塁審「セーフ!セーフ!!」

凛「ほっ…危なかったぁ…」

海未「申し訳ないです…」

にこ「気にする必要はないわよ。あれは流石に…相手がうまかったわ。私でもあれはとれないもの」

真姫「身長のせいでね」ボソッ

にこ「うるさいわい!さあ穂乃果!あんたがランナーを帰すのよ!」

穂乃果「」ザッ!

UTX投「…!」

穂乃果(ここで点をとれれば…投げる海未ちゃんも少しは気が楽になる筈…)

穂乃果(ランナーは三塁にいる!無理に大きいのは狙わず、確実に打って行こう!)

UTX投「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

主審「…ボール!」

UTX投「」ザッ
ビシュッ!ククッ!
ズバン

穂乃果「」キッ
ガシャン!

主審「ファール!」

穂乃果「…」

UTX投「」ザッ
ビシュッ!ククッ!

穂乃果(きた!変化球!)キィン!!

ギュオオオオオオオオ!

UTX左「」ズバン!

審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」

ことり「ああっ!ちょうどレフトの定位置に…」

真姫「打った方向が悪かったわね…」

にこ「この回は結局残塁か…でも気にしてる暇は無いわ!しっかり守るわよ!」

海未「…」

海未(相手は二軍…油断出来ません)

海未「」ザッ
ビシュッ!ククッ!

UTX1番「」キィン!

海未「!?」

穂乃果「初球打ち…!」パシッ

にこ「いきなりランナーを出したか…」

海未「…」

海未(冷静に…冷静に対処します…!)ザッ

にこ「!?」

にこ(馬鹿っ!ランナーがいるのにワインドアップなんて…!)

UTX1番「」ダッ!

海未「」ビシュッ!

UTX1番「」ザッ!

ズバン!

主審「ストライク!」

凛「盗塁決まっちゃったにゃ…」

にこ「た、タイムお願いします!!」

にこ「海未!何やってんのよ!」

海未「す、すいません…」シュン

にこ「ランナーが出るとテンパっちゃうのはあんたの悪い癖!ランナーが出てもビビらないで!後ろには私も真姫も凛も守ってるんだから!」

にこ「とにかく、ランナーのことは気にせず精一杯投げなさい!あ、あと、次は送ってくるだろうから、無理に工夫せず素直に送らせて一塁でしっかりアウトにとるわよ!」

海未「はい!」

海未(そうだ…投げることに集中しなくては!)ザッ
ビシュッ!

UTX2番「」スッ

コン
ボテボテ

ミカ「」パシッビシュッ!

ヒデコ「」パシッ

塁審「アウト!」

にこ(1アウト三塁…私たちのさっきの攻撃と同じ状況ね…)

にこ(海未…踏ん張りなさいよ!)

海未「」ザッ
ビシュッ!

海未(しまっ…)

ドゴッ

UTX3番「っ!」

主審「デッドボール!」

にこ(って、いきなりデッドボールかい!)

にこ(本当に頼むから踏ん張ってよ海未~!)

UTX4番「」ザッ

海未(この状況で…4番打者…!)

海未(焦るな…焦るな園田海未…)

海未(集中…集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中)ブツブツ

海未「…!」キィィィン!

海未(この感じ…あの時と同じ…!)

海未(あの時ほど深くは無い…けど、これならあの球を投げれる!)

海未「」ザッ
ビシュッ!
ギュルルルルルルルルルルルルルルルル!!

UTX4番「!」キィン!!

海未「!!」

ことり(三遊間!抜け…)

真姫「」パシィ!

真姫「」ビシュッ!

にこ「」パシッ!ビシュッ!

ヒデコ「」パシッ!

塁審「アウト!スリーアウトチェンジ!!」

穂乃果「おおおお!ダブルプレー!!」

にこ「ふん。やるじゃない」

真姫「あれくらいとれて当然よ」

海未(すごい…あれをとる真姫もすごいですが…)

海未(にこも、真姫がとることを分かっていてセカンドのベースカバーに…真姫もにこが来ることを分かっていたからとったあとすぐにためらいなくセカンドベースの方へ投げた…)

海未(まさに職人技…!)

海未「助かりました。2人とも」

にこ「私たちは当然のことをしただけよ!」

真姫「だから、海未先輩もしっかり投げてくださいよね」

海未「ええ。次からはきちんと投げますよ!」

続く回も、どちらのチームもヒットは出たが残塁が続き、ゲームは0-0のまま、五回裏を終えた。

そして、六回表の音ノ木坂の攻撃!

海未(この回のトップバッターは私です)

海未(なんとしてでも塁に出て、穂乃果とことりにつなぎます!)

UTX投「」ザッ
ビシュッ!

海未「」キィン!

穂乃果「二遊間抜けた!」

にこ「流石は海未ね。チャンスを作るのが上手いわ!」

穂乃果「よーし!期待に答え…」

にこ「穂乃果!ちょっと耳貸しなさい!」

穂乃果「ん?」

にこ「」ゴニョゴニョ…

穂乃果「…わかった!」

にこ(海未!)スッ

海未「!」

海未(あのサインは…!)

にこ「上手く決まれば一気に楽になるわよ!」

凛「にこ先輩、何を言ったんだにゃ?」

にこ「見ていれば分かるわよ!」ニッ

UTX投「」ザッ

海未「」ダッ!

UTX投「」ビシュッ!

花陽(走った!盗塁?いや…)

穂乃果「!」キィン!

花陽(エンドランだ!)

にこ「よし!センター返し!」

真姫「得点にはならなかったけど…ノーアウト一三塁のチャンスね!」

花陽「しかもバッターはことり先輩!」

にこ「ことり~!ランナー返しなさいよ~!」

ことり「」ザッ

ことり(まずは先取点!絶対に…)グッ

UTX投「」ビシュッ!

ことり(取るっ!)カッ

キィィィィン!

にこ「きた!二塁打いけるわよこれ!」

にこ「回れー!回れ回れー!」

海未「」ザッ!

海未「よし!」

凛「先取点にゃ!」

にこ「穂乃果ぁー!」

穂乃果「」ダダダ

UTX右「」ビシュッ!

穂乃果「」ダッ!

UTX捕「」パシッ!バッ!

穂乃果「」ザッ!

主審「…!」

主審「セーフ!!セーフ!!!」

穂乃果「いやったああああ!!」

にこ「よっしゃああ!2点先取!!」

凛「やっと点数になったにゃ!」

真姫「あれ?ピッチャー代えてくるみたいね」

にこ「関係ないわ!今更ピッチャー代えてきたところで手遅れよ!」

にこ「私たちの流れは来てる!ガンガンいくわよ!!」



ピッチャー交代という野球においては当たり前の行為。

音ノ木坂ナインは気づいていなかった。

この行為の重要性。
投手が抱える負担に。

寝るます

おやすみ

ぼちぼち再開する

にこ(六回表の音ノ木坂の攻撃は、投手が変わってから三者凡退で攻撃が終わってしまった)

にこ(けどようやく得点になったわ!2点先取!)

にこ(続く六回裏も無失点で抑えて、七回表の攻撃!この回戦闘の真姫は言わなくても分かる通り、空振り三振)

にこ(凛はヒットを打って塁に出て、また盗塁を決めたけど、流石に警戒が強くなって三盗までは決められなかった)

にこ(だけど花陽が右方向に大きな当たりを打った。UTXのライトはそれをとったけど、タッチアップするには十分。タッチアップを見事に決め、2アウトランナー三塁!)

にこ(しかも迎えるバッターは海未よ!)

海未「」グッ

UTX投「」ビシュッ!
ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!チェンジ!」

にこ(見逃し三振!?あの海未が…!?)

海未「申し訳ないです…」

穂乃果「たまにはそんな時もあるって!さ、この2点を守り抜こう!」

海未「…」

穂乃果「海未ちゃん?どうしたのー?早くマウンドにいかないと…」

海未「あれ…?もうチェンジでしたっけ…?」

穂乃果「うん。私たちが守る番だけど…」

海未「あはは…申し訳ないです…うっかりしてました…」スッ

タタタ…

穂乃果「海未…ちゃん…?」

海未(この回と…八回と九回を抑えれば勝てる)

海未(私が頑張らなくては…!)ザッ

ビシュッ!

UTX打「」カッ

キィィィィィィィン!

にこ(大きな当たり!!これは…!)

凛「…」

ゴン!

花陽「は…入った…」

にこ(あの凛が一歩も動かない文句なしのホームラン…!)

にこ(一点を返されたか…!)

海未(まさか打たれるとは…いい球を投げたような気がしたのですが…)

海未(まだ…一点差ある…これを守り抜きましょう…!)

海未「」ザッ
ビシュッ!

UTX打「」キィン!

海未「…!」

海未(打たれましたか…ですが…まだ…焦る必要はない…!)ザッ
ビシュッ!

UTX打「」キィン!

海未(ま、また…!?)

海未(次こそ…!)ザッ

ビシュッ!

キィン!

キィン!

キィン!








花陽「4-2に…」

真姫「逆転されちゃったわね…」

海未「申し訳ないです…私が不甲斐ないばっかりに…」

にこ「いや…あんたは悪くないわよ…」

にこ「悪いのは…私よ…!」

にこ(考えてみれば当たり前だ…!)

にこ(今まではコールドで勝ったから、五回で終わっていた…だから疲れもみせなかった…)

にこ(けど…この試合はコールドは無く…海未にとっては始めて六回以上を投げる試合…)

にこ(それなのに私は…いつものように海未を酷使してしまった…!エンドランまでやらせて…!くっ…!)

にこ(それだけじゃない…私は海未に頼りきって、二番手のピッチャーを用意していない…!)

にこ(海未が続投しても降板しても…打たれるのが目に見えてる…!)

にこ(どうすればいい…!?私は…どうすれば…!)

穂乃果「打たれたなら…打ち返せばいい!」

穂乃果「点を取られたなら、取り返せばいいんだよ!」

にこ「穂乃果…」

穂乃果「この回は穂乃果からだね!絶対に打つから!」ニッ


穂乃果「」ザッ

UTX投「…」

UTX投「」ザッ
ビシュッ!

穂乃果(絶対に…)グッ

穂乃果(打つ!)カッ

キィィィィィィィン!

花陽「は…」

花陽「入ったあああああ!」

真姫「有言実行ね。やるじゃない」

凛「さっすが穂乃果先輩!!」

にこ(確かに…穂乃果の言うことも一理ある…かもしれないけど…)

にこ(やっぱり投手がいなきゃ厳しいものがあるし…何より後攻はUTXだから打って打ち返されてサヨナラなんてことも…)

「あの穂乃果って人、なかなかやるわね」

「うちのキャプテンにそっくりだな」

「確かに!言えてる~!」

「それにしてもこの『穂むらまんじゅう』は美味だな」モグモグ

にこ「…」

ことり「…」

凛「…」

真姫「…」

にこ「…え?誰?」

花陽「へ…」

花陽「変態だああああああああ!!」

「なー!」ビクッ

「変態とは失礼ね!」

にこ「いやいや!そんな格好して急にベンチに現れたら変態にしか見えないわよ!つーかあんたたち何者!?」

「おっと!そう言えばまだ名乗って無かったわね!」

2号「私は野球マン2号よ!よろしく~♪」

3号「同じく野球マン3号だ」

にこ「は?」

にこ「なによその直球ど真ん中のネーミングセンス…っていうか2号と3号って…1号はどこよ…」

2号「1号先輩は今は本拠地で練習中よ」

にこ「ほ、本拠地…?」

穂乃果「わあ!なんかベンチにいる!」

真姫「実はかくかくしかじか…」

穂乃果「なるほど」

ことり「」キィン!

3号「む。塁に出たみたいだな」

2号「ちょうどいいじゃない!そこのちっこいの、6番に送らせた後に代打よろしく。あ、代打は私じゃなくて3号ね」

にこ「ちっこいのですって!?」

2号「名前が分からなかったから見たままを言っただけでーす♪そんなに怒らないで欲しいなー♪」

真姫「まあ、正解よね」

にこ「ぐぬぬぬぬ!」

にこ「お断りよ!突然現れた変態に任せられるわけないでしょ!!」

2号「ふーん…別にいいけどー?勝ちたく無いの?部の存続がかかってるんでしょ?」

にこ「なっ!?どうしてそのことをあんたたちが…」

3号「知り合いに聞いた。そしてその知り合いに頼まれて助けにきた、というわけだ」モグモグ

2号「ひじ…んんっ!3号なら二軍のピッチャー程度なら打てるわ。そうすれば同点に出来る。それでも私たちの力を使わないと?」

にこ「くっ…」

穂乃果「あれ?それってほむまん?」

3号「ほむまん?穂むらまんじゅうのことか?知っているのか?」モグモグ

穂乃果「もちろん!だってうちで作っているからね!」

3号「なー!!どういうことだ!?」

穂乃果「私の実家がそのおまんじゅうを作って売っている穂むらってことだよ!あ、そうだ!今度新作を出すんだ!もしよかったら食べにこない?」

3号「ぜひ!!」

にこ&2号「何やってんのよ!!」スパン!

穂乃果&3号「ぐふっ!?」

にこ「なーにこんな変質者と仲良くなってんのよ!」

穂乃果「いやー、つい」

2号「なーにおまんじゅうなんか食べてるのよ!!顔がちょっと見えちゃってるじゃない!!」

3号「すまん…つい」

2号「ったく…」

ヒデコ「」コン

凛「送りバント成功にゃ!」

2号「さて、どうするのよ結局?私たち野球マンの力に頼るか、頼らないのか」

にこ「…」

にこ(こいつの態度は気に食わない…けど、勝つためには…)

にこ「…代打よ」

2号「はいは~い♪最初からそう言っとけばいいのよ♪」

2号「と、いうわけだから。頼んだわよ、3号」

3号「うむ」ザッ

3号「代打だ」

主審「!!」

UTX選手ズ「!?」

2号「驚いてるわねー」

にこ(当たり前でしょ…あんな変態が急に打席に立ったらねぇ)

にこ「ていうか、本当に打てるんでしょうね?」

2号「余裕余裕。あの子だったら朝飯前よ、二軍のピッチャーから打つなんて」

UTX投「」ビシュッ!

3号「」キィン!!

にこ「おお!」

花陽「ライト線への強い当たり!これならことり先輩も帰ってこれる!」

UTX右「」パシッ

ことり「同点!」ダン

にこ「よし!1アウトランナー2塁!!」

真姫「この回で追加点よ!!」

にこ「…ん?」

真姫「…あれ?」

にこ「…」チラッ

真姫「…」チラッ

にこまき「あっ…」

ズバン!
ストライクバッターアウト!
ズバン!
ストライクバッターアウト!
スリーアウトチェンジ!

2号「やる気あんのあの2人?」

凛「あれでも全力だにゃ…」

2号「ったく…何やってんだか」

2号「まあいいわ。次は私の番よ!ちっこいの、次の回から私が投げるからよろしく~♪それと、3号をキャッチャーにしてね~。ひじ…3号じゃなきゃ私の球は捕れないだろうし」

にこ「」イラッ

にこ(でも…ピッチャーか…)チラッ

海未「…」

にこ(海未には無茶をさせてきたし…休ませるにはちょうどいいかもしれないわね…)

にこ「しょうがないか…選手交代よ!」

3号→捕手

ことり→サード

海未→2号


2号「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

にこ(左のサイドスロー…確かに球はそこそこ速いけど…別に捕れないレベルじゃないと思うんだけど…)

主審「プレイ!」

2号「…」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

主審「ストライク!」

にこ(コントロールはなかなかのものね…でもやっぱり、捕れないレベルには見えない…)

2号「…」ザッ
ビシュッ!
ククッ

UTX打「」ブン!
ズバン!

主審「ストライク!」

にこ(いい変化球ね。けどやっぱり…捕れないレベルじゃ…)

2号「…」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

にこ「!?」

UTX打「!?」ブン

ズバン

主審「ストライク!バッターアウト!!」

にこ(な…何よさっきの球は…!?)

にこ(今納得したわ…あの球は確かに、まともに捕れるようなレベルじゃない!!)

にこ(あの変化球を投げるあいつもそうだけど…それを捕るあのキャッチャーも何者なの!?)

2号「ふっふーん♪楽勝楽勝♪」

にこ(三者連続奪三振とか…こいつ…口だけでは無いみたいね…)

2号「さあ9回表よ!延長とか嫌だからちゃっちゃと点とっちゃいなさいよー!」

凛「」ザッ

UTX投「」ザッ
ビシュッ!

凛「にゃ♪」スッ

UTX投「!」ダッ

凛「」コン

UTX投「」パシッ

凛「」ダン

塁審「セーフ!セーフ!」

穂乃果「うまい!」

2号「へぇ。そこでセーフティなんて、考えたわね」

花陽「」ザッ

花陽「」チラッ

凛「」ニッ

花陽「」ニコッ

穂乃果「ん…?」

3号(なんだ…今のは?何かのサインか…?)

UTX投「」チラッ

UTX投「…」

UTX投「」ザッ

凛「」ダッ

穂乃果(また走った!)

花陽「」キィン!

穂乃果「え!?」

ことり「打った!?」

にこ「エンドラン…このタイミングで!?」

真姫「でもこれ…もしかしたら…」

凛「」ダダダ

穂乃果「サードベースを蹴った!」

UTX右「」ビシュッ!

凛「」ダダダダッ!

UTX捕「」パシッ
ザァァァ!

UTX捕「」バッ!

主審「セーフ!セーフ!」

凛「やったぁ!」

穂乃果「おおお!勝ち越し!!」

にこ「ナイスよ2人とも!この調子でもっと追加点よ!」

にこ(なーんて言ったものの…)

にこ(さっきの回は2点どまりか…)

にこ(でもこの試合はもう…突っ立ってるだけで勝てそうね)

2号「」ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!!」

穂乃果「やったぁぁぁあああ!!勝ったぁぁあああ!!」

穂乃果「にこ先輩!勝ちましたよ!!」

にこ「ええ…そうね」

穂乃果「あれ…?にこ先輩、嬉しくないんですか…?」

にこ「嬉しくないっていうか、なーんか腑に落ちないっていうか…」チラッ

2号「これでなんとか、廃部は阻止できたみたいね」

3号「ああ。一件落着だな」

にこ「…」








2号「さて、私たちもそろそろ帰りますか」

3号「…」スタスタ

にこ「待ちなさい!」

2号「ん?って、あんたは…」

にこ「あんたたち…一体何者なの?」

2号「何者…ねぇ」

3号「ふっ。ただの通りすがりのヒーローさ」

スタスタスタ…

にこ「…いや、少なくとも通りすがりじゃないでしょ」

絵里「そんな!?音ノ木坂が勝ったですって!?」

絵里「なんでまた…!くっ…!」

絵里「どうして私のやることはいつも上手くいかないの…!どうして…!」

希「…えりち」

希「えりちは…本当はあの野球部を潰したくは無いんだと思うんよ」

絵里「何を言ってるの!?私は本気よ!!本気で野球部を潰す気よ!!」バン!

希「だったら…なんでわざわざ、そんな遠回りな手段を使うん?」

希「そんなに潰したいなら、部員がいないって理由だけで十分やん」

絵里「そ、それは…!」

希「それに…今まで野球部に与えてきた試練だって…絶対にクリア出来ない理不尽なものじゃない。クリア出来る可能性があるものだった」

希「それはきっと…えりちが、あの子たちがその試練を乗り越えることが出来ると思ってるからだと思うんよ。違う?」

絵里「違う!私は…!」

希「野球は捨てた。そう思ってたけど、心の奥底ではまだ捨て切れてなくて…」

希「その未練を断ち切るために、野球部を潰すと言って」

希「けど…その未練は思った以上に大きくて。本当は、また野球を…」

絵里「違うって言ってるでしょ!!」バン!!

希「えりち…」

絵里「…出てって」

希「…」

スタスタ
ガチャッ
バタン

にこ「さて…この前の試合、勝ったわけだけど」

にこ「廃部は一旦無くなった。確かに無くなった!だけど…」

にこ「私たちはまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ!!全っっっっ然ダメよ!!」

穂乃果「な、何で…?」

にこ「この前の試合!あの変質者が来なきゃ間違いなく負けていた!!」

真姫「確かに…それは言えてるわ」

にこ「しかも相手はUTXの二軍よ!二軍であのザマじゃ、一軍に勝てるわけがない!」

海未「しかし…どうすれば…」

にこ「そうね…やっぱりまずはピッチャーをもう1人くらい…」

穂乃果「それなら、穂乃果にいい考えがあるよ!!」ガタッ

海未「ほ、穂乃果」

穂乃果「試合に勝ったら、言うって決めてたんだ!今から行ってくる!」
ダッ!ガチャッ

にこ「ちょ、ちょっと穂乃果!!どこに行く気よぉ!まだミーティングは…」

穂乃果(初めて会ったあの日から…ずっと私の目標だった!)

穂乃果(そして…あの日交わした約束を…今ここで…!)

絵里「…」

絵里「野球なんて捨てた…捨てた筈なのに…」

ガチャッ

絵里「誰…?」

穂乃果「こんにちわ。絵里先輩」ニコッ

絵里「あなたは…」

絵里「…何の用かしら」

穂乃果「私、初めて絵里先輩と勝負をした時から…ずっと思ってたんです」

穂乃果「あんなすごい球を打てるようになりたい、って」

穂乃果「あの日から私は…絵里先輩を目標に努力してきました」

穂乃果「絵里先輩、覚えていますか?あの日のこと。私がこう言ったことを」

穂乃果「すぅ…」

穂乃果「次は負けませんから!!!もう一度!勝負してください!」

絵里「あなた…まさか…」

穂乃果「えへへ。言葉の通りです」

穂乃果「絵里先輩。私と勝負をしてください!野球で!」

絵里「…!」

穂乃果「そして…私が勝ったら」

穂乃果「私たちと一緒に野球をやってください!」

絵里「…」

絵里「いいわ…受けて立つ」

穂乃果「ほ、本当ですか!?」

絵里「ただし…」ガタッ

絵里「私が勝ったら、野球部は即廃部よ」

穂乃果「!!」

絵里「その条件でいいのなら…受けて立つわ」

穂乃果「…分かりました」

穂乃果「その条件で…お願いします!!」

寝る

久しぶりのエリチカの野球フェイズや

おやすみ

ぼちぼち再開

穂乃果「」ザッ

絵里「」ザッ

にこ「まさか…」

真姫「勝負することになるなんてね…」

海未「相手はあの絵里先輩…勝てるのでしょうか…」

絵里「さて…勝負の仕方だけど…」

「3打席勝負、っていうのはどう?」

にこ「!! この声…」

希「3打席のうち、ヒット性の当たりが2回出れば穂乃果ちゃんの勝ち。2回ヒット性の当たりが出ない、あるいは三振に打ちとれば…えりちの勝ち」

絵里「希!」

希「どう?この条件」ニッ

絵里「…異存は無いわ。それでやりましょう」

絵里「貴女は?」

穂乃果「私も、それでお願いします!」

希「ふふ。決まりやね」

希「じゃあ、ウチはえりちの球を受けようかな」

穂乃果「え?の、希先輩が!?」

絵里「希…あなた、私の球が捕れるの?」

希「逆に聞くけど…ウチが捕れないとでも?」ニヤッ

絵里「…希の言うことって、意外と当たるのよね」

絵里「いいわ。希、受けて頂戴。キャッチャーがいた方が投げやすいからね」

凛「さっきから色々言ってるけど…絵里先輩ってそんなに凄い球を投げるのかにゃ?」

海未「ええ…それはもう…」

ことり「あの球を捕るって…希先輩、最初に会ったときは野球のボールは恐いって言ってた筈じゃ…」

にこ「どうせそんなの、嘘に決まってるじゃない」

ことり「え?嘘?」

海未「なんでわざわざそんな嘘をつく必要が…」

にこ「さあね。あいつはそういう奴なのよ」

絵里「」ザッ
ビシュッ!

希「」ズバン!

絵里「準備は出来たわ。打席に立ちなさい」

穂乃果「」ザッ

穂乃果「お願いします!」

絵里「言っておくけど…今回は手加減しない。最初から全力でいくわ」

穂乃果「」グッ

絵里「」ザッ…

絵里「」ビシュッ!!

ズバン!!

穂乃果「…!!」

花陽「は…速い…!!」

海未「以前穂乃果と勝負した時よりも…さらに速く……!?」

穂乃果「…」

絵里「…」ザッ…

絵里「」ビシュッ!!

ズバン!!

穂乃果「…!」

にこ「穂乃果のやつ…1打席目は振るつもりは無いわね」

真姫「はぁ?なんでそんなこと…」

にこ「決まってるでしょ。あんな球…闇雲に振って当たる代物じゃない」

にこ「だから…1打席目はじっくり見て、その球筋を見極めることに専念している」

真姫「でも、そんなことをしたら…」

にこ「残り2打席全部打たなくちゃならない。だけど…あいつならやってくれるわ」

絵里「」ビシュッ!!

ズバン!!

絵里「三振よ。1打席目は私の勝ちね」

穂乃果「はい!でも…次からは打ちにいきますよ!」ニッ

絵里「…」

絵里(1打席捨てて次からの打席に賭けているようだけど…)ザッ

絵里(たった一年練習しただけで打たれるような球を投げているつもりは――)

絵里(無いっ!!)ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオオ!!

穂乃果「」キィン!!

ヒュッ!

絵里「なっ!?」

にこ「おお!!」

凛「打った!!」

穂乃果「今のは…ヒット性の当たりでいいですよね?」

絵里「っ!…ええ」

絵里(マグレよ…今のはきっと、何かの間違い…!)

絵里(私のストレートが…たった一年の練習で打てるわけが無い!)ザッ

絵里「」ビシュッ!!!

穂乃果「」カッ

絵里「!!」

ガシャン

絵里(また当てた…!?)

穂乃果「…」ゴゴゴ…

絵里(この子…たった一年でここまで成長していたなんて…!)

絵里(けど…!負けるつもりはない!!)グッ


絵里「」ザッ

ビシュッ!!

穂乃果「」ブン!

ズバン!!

穂乃果「…!」

絵里(よし!!)グッ

にこ「追い込まれた…!」

海未「穂乃果…!」ギュッ

穂乃果「えへへ…やっぱり凄いや…!」

穂乃果「でも…絶対に負けない!」

絵里「私だって…負けるつもりは無いわ!」

絵里「」ザッ

ビシュッ!!

穂乃果「」キィン!

ことり「惜しい!」

真姫「切れたわね…」

絵里「」ザッ

ビシュッ!!

穂乃果「」カッ

ガシャン!!

希(変化球を使えば打ちとれる可能性は高いのに…変化球を使わないなんてね)

希(ふふ。ただ勝つだけなら変化球を使えばいいだけなのに。やっぱりえりちは…めんどくさい性格してるよ。ほんとに…)

希(だけどうちは、どこまでもついていくよ。えりちと一緒に…)スッ

絵里(負けたく無い…!!けど…何故負けたくないの?)

絵里(野球部を潰したいから?自分の中から野球を切り捨てたいから?)

絵里(違う…そんな理由なんかじゃない)

絵里(そんなくだらない理由なんかじゃない!)ザッ

絵里(私は…私は野球で誰にも負けたく無いから!!)

絵里(ただそれだけよ!!!)ビシュッ!!!

ギュオオオオ!

穂乃果(負けたら廃部…)グッ

穂乃果(だけど…今は私!本気でこの勝負を楽しんでいる!!)カッ

キィィィィィィィィィン!!

絵里「……!」

ことり「これは…」

真姫「文句無しの…」

花陽「特大ホームラン…」

海未「じゃあ…この勝負は」

穂乃果「や…やった…」

穂乃果「やったああああああ!!」

にこ「うおおおおお!!!」ダッ

凛「にゃーん!穂乃果先ぱーーい!!」ダッ

絵里「私が…負けた……?」

にこ「よくやったわ!このこの~!」グリグリ

凛「さっすが穂乃果先輩だにゃー!」グリグリ

穂乃果「あははは!くすぐったいよー!」

絵里「…ふふ」

絵里「あはははは!」

穂乃果「絵里先輩…?」ビクッ

絵里「ハラショー。素晴らしいバッティングだったわ。私の完敗よ」

絵里「なんでだろうね…負けたのに…なんだかとっても清々しい気分」

絵里「…今なら、私の本心を打ち明けられるかもしれないわ」ザッ

穂乃果「…!」

絵里「野球部の皆さん…私の話を聞いてほしい」

絵里「私…絢瀬絵里を…」

絵里「…っ」グッ

希「」ニコッ

絵里「…!」

穂乃果「」ニコッ

絵里「…」ニッ

絵里「私を…野球部に入れてください!!」

絵里「今まで野球部を潰そうとしてきた…けど本当は、野球がやりたいって思っていた…」

絵里「分かっていたのに…自分でその気持ちを認められなくて…それであんなひどいことを言ってきた…」

絵里「今更そのことを許してもらえるとは思っていない。だけど…これだけは言わせてほしい」

絵里「ごめんなさい…!本当にごめんなさい!」

絵里「だからっ…!」

海未「顔を…上げてください」

絵里「…!」

海未「誰も…もうあなたのことは責めたりしていませんよ」

海未「実は…希先輩から色々聞いたんです」

絵里「希から…?」

海未「だから…絵里先輩が野球が大好きなのに不器用だということはみんな知っています」

穂乃果「野球が大好きって気持ちがあれば、それだけで十分!だよね、にこ先輩!」

にこ「ふん…別に、入るのは構わないけど」プイッ

にこ「…今までのこと…しっかり野球で返しなさいよね」

絵里「…!!」

絵里「ありがとう…!本当に…!」ウルウル

穂乃果「絵里先輩!野球部へようこそ!」

絵里「うん…!」ウルウル

穂乃果「よーし!!これで8人だー!」

希「いーや。ウチを入れて9人や」スッ

穂乃果「希先輩!?」

希「ウチ、こう見えて中学時代はシニアリーグでキャッチャーやってたんよ」

穂乃果「えええ!?」

海未「通りで絵里先輩の球を捕れるわけですね…」

希「えりちの球を捕れるのは…この音ノ木坂でウチだけ。だから…うちも入っていいかな?」

穂乃果「もちろん!!こちらこそお願いします!!希先輩!!」

穂乃果「よーし!!9人集まった!!これで…やっと野球部のメンバーだけで野球が出来る!!」

穂乃果「ついに…ついにここまで来れたんだ…!!」


ついに9人集まった私たち野球部!!

今日は希先輩と絵里先輩も加わって9人での初めての練習!




絵里「」ザッ

絵里「懐かしいわね…ユニフォームを着て練習だなんて」

絵里「さあみんな!練習…始めるわよ!!」

8人「おーー!」

今日はこれくらいで…


最近眠くて進まんな…おやすみ…

ぼちぼち

能力はお決まりのあのイベント後にでも

絵里「」ザッ
ビシュッ!!
ストン!

凛「にゃっ!?」ブン!

ことり「おお…!」


絵里「」グッ

海未「」ビシュッ!

絵里「」キィン!!

穂乃果「おお…!」


にこ「」キィン!

絵里「」ダッ!パシッ

絵里「」ビシュッ!

真姫「ふーん…」







花陽「すごいなぁ…絵里先輩…」

海未「投手としてはもちろんのこと、野手としても一線級ですね」

穂乃果「これは凄い戦力アップだよ!!」

にこ「ぐぬぬ…」

海未「…」

希「…」チラッ

穂乃果「…」

希「…」スッ

海未「」コクン

海未「」ザッ
ビシュッ!
ククッ

穂乃果「うおっ!?」ブン!

ズバン!

海未「よしっ!」グッ


海未「」ビシュッ!

希「」キィン!!

花陽「おお!」







ことり「希先輩もバッティング上手いね~」

凛「足もそこそこ速いにゃ!」

海未「ですがやはり一番凄いところはなんと言ってもあのリードですね」

海未「まるでバッターの心を読むかのように配球を組み立ててくる…」

海未「ピッチャーにとって、これほど頼りになるものはありませんね」

にこ「ぐぬぬ…」

にこ「くそっ…!同じ3年生なのになんなのこの差は…!!」ビシュッ

真姫「ぷっ」パシッ

にこ「ちょっと!なーに笑ってんのよ!」

真姫「別に笑ってませんけ…どっ!」ビシュッ!

にこ「痛っ!?」ズバン!

にこ「こ、この距離でそんなに強く投げるんじゃないわよ!」

真姫「ごめんなさい、手がすべっちゃって」

にこ「嘘つけ!!」

絵里「…!」

絵里「ねぇ、そ」

真姫「はい?」クルッ


にこ「くそっ…!同じ3年生なのになんなのこの差は…!!」ビシュッ

真姫「ぷっ」パシッ

にこ「ちょっと!なーに笑ってんのよ!」

真姫「別に笑ってませんけ…どっ!」ビシュッ!

にこ「痛っ!?」ズバン!

にこ「こ、この距離でそんなに強く投げるんじゃないわよ!」

真姫「ごめんなさい、手がすべっちゃって」

にこ「嘘つけ!!」

絵里「…!」

絵里「ねぇ、そこの貴女」

真姫「はい?」クルッ

絵里「名前は?」

真姫「えっと…西木野真姫、です」

絵里「真姫ね。唐突なんだけど…」

絵里「あなた、ピッチャーやってみない?」

真姫「…は?」

にこ「!?」


真姫「なんで私がピッチャーなんか…」

真姫「もう控えのピッチャーには海未先輩だっているし…」

絵里「ピッチャーは多いに越したことは無いわ。そして何より…」

絵里「私の目に狂いがなければ、真姫には才能がある」

真姫「私に…ピッチャーの才能が…?」

絵里「ええ。例えるなら…磨けば輝くダイヤモンドの原石と言ったところかしら」

真姫「…!」

絵里「真姫。やってくれるかしら?」

真姫「…」

真姫「し、仕方ないですね。そこまで言うならやってあげても…」カミノケクルクル

絵里「決まりね!それじゃ、早速投げ込みよ!」ガシッ

真姫「ヴェェ!?」

にこ「…!!」

にこ(ま、真姫のやつ…!このにこのアイデンティティである守備を奪っておいてピッチャーまで…!)

にこ「ぐぬぬぬぬ…!!」

にこ(くぅぅ…!こうなったら、私は…!!)グッ

穂乃果「だは~!疲れた~!」

絵里「ふふ。久しぶりにいい汗かいたわ」

穂乃果「ねぇ、絵里先輩。久しぶりの野球はどうでした?」

絵里「そうね…」

絵里「やっぱり、野球は最高ね!」ニコッ







穂乃果「~♪」

ブン!ブン!

穂乃果「ん?」ヌッ

にこ「163!164!」ブン!ブン!

穂乃果「にこ先輩?どうしてここに?」

にこ「げ!ほ、穂乃果!?」

にこ「み、見りゃわかるでしょ。素振りをしに…って、あんたはなんでここに来たのよ?」

穂乃果「それは勿論!穂乃果も素振りをしに来ました!」

にこ「あんたも…ってまさかとは思うけど…あんた、ここに来て毎日素振りしていたり?」

穂乃果「勿論!私の日課ですから!」ニコッ

にこ「な、なるほどねぇ。それは確かに、あんだけ打てるのも納得ね…」

穂乃果「でも、なんで急に素振りなんか…」

にこ「打てるようになりたいからに決まってるでしょ」

にこ「それ以外に理由なんて無いわよ」

穂乃果「あはは。確かにそうですね」

にこ「あ、そうだ」

にこ「穂乃果。手、見せてみなさい」

穂乃果「手?別にいいですけど…」スッ

にこ「…ふふ。テーピング、出来るようになったのね」

穂乃果「えへへ。にこ先輩に教えてもらったあの日から…自分でやるようになったんです。最初はにこ先輩のお手本みたいにうまくいかなかったけど…今じゃこの通りです!」ニッ

にこ「積み重ねの成果、ってわけね…テーピングが出来るようになったのも、あんたのバッティングも…」

にこ「懐かしいわね…あの日のことを思い出すわ。バットがすっぽ抜けて、こっちに飛んできた時は本当にびっくりしたんだから」

穂乃果「いや~…あはは…あの時はごめんなさい…」

にこ「別に謝らなくていいわよ。むしろ感謝してるくらいだから」

穂乃果「感謝…?」

にこ「ふん。別に深い意味は無いわよ」

にこ「穂乃果!」

穂乃果「」ビクッ

にこ「絶対にいくわよ!ラブベースボール!」ニッ

穂乃果「……はい!!」ニッ

そして…
夏休み直前!

絵里「みんな集まってくれたわね」

絵里「もう夏休み。地区予選も間近よ」

凛「くー!腕が鳴るにゃー!!」

穂乃果「今の私たちなら敵なしだよ!!」

真姫「…」

絵里「確かに、私たち個々の能力はすでに相当なものだと思うわ。だけど…私たちには決定的に足りないものがある」

ことり「私たちに…」

花陽「足りない…もの…?」

絵里「それはずばり…」

絵里「結束力よ!!」ダン!

海未「結束力…?」

希「なるほど。確かに言われてみれば…まだ9人集まってから日も浅いし、個々の力は強くても団体としての力は弱いってことやね」

絵里「そこで!夏休みに入ると同時に…合宿を行いたいと思います!!」

7人「合宿!?」

にこ「ちょっと待ってよ!合宿って言ったって…どこで…」

絵里「それならもう話をつけてあるわ。ねぇ?」チラッ

にこ「は?」

真姫「うちの別荘よ。近くにあまり使われていない球場もあるし、ちょうどいいと思うわ」

7人「別荘!?」

絵里「明日の一学期終業式の後、早速その別荘に向かうからみんな準備をしておくこと!以上!」

7人「明日ぁ!?」

穂乃果「うっひゃー…」

凛「おっきいにゃあ…」

にこ「」

真姫「ほら、そんなところに突っ立って無いでさっさと中に入りなさいよ」

ほのりん「はーい」

にこ「」







ことり「わぁ~…きれ~い…」

花陽「た、高そうなものばかり…」

にこ「ぐぬぬぬ…!」

絵里「ふぅ…今日はもう日が沈んで練習は出来ないけど」

絵里「今日から一週間、ここで合宿よ!」

海未「一週間…」

希「予想以上に長いなぁ…」

絵里「それと、もう一つ!」

絵里「みんなの絆を深めるために…今日から先輩禁止よ!」

8人「先輩禁止!?」

絵里「みんな集まったわね!」

絵里「今から、この合宿の練習メニューを発表…と言っても、ほとんどいつも通りなんだけどね」

海未「ほとんどいつも通り?」

絵里「ええ。というか、練習メニューはいつもと同じ。まったく変わらないわ」

絵里「ただ一つ…いつも通りのメニューに加えて、特別なメニューを食い込んだの」

希「特別なメニュー?」

絵里「そうよ。特別なメニュー…それは!」

絵里「タッグ練習よ!!」

穂乃果「タッグ練習?」

絵里「ようするに、二人一組で練習ってことよ」

凛「いや、それは分かるにゃ」

花陽「どうして急にタッグ練習を…」

絵里「ふふ。なんとなくよ」

8人「なんとなく!?」

絵里「ちなみに、タッグ相手はもう決めてあるわ」

絵里「まず、私と海未と真姫!」

海未「なるほど。投手組ですね」

真姫「1人余らないように、私たちはタッグじゃなくて3人にしたのね」

絵里「そして、穂乃果と凛!」

穂乃果「おお!凛ちゃんと!」

凛「穂乃果ちゃんよろしくにゃー♪」

絵里「ことりと花陽!」

ことり「花陽ちゃんとかあ」

花陽「よろしくね、ことりちゃん」

ことり「うん♪よろしく~」

絵里「最後はにこと希!」

希「にこっちよろしくな~」

にこ「なんでこの組み合わせ…?」

絵里「よーし!まずはいつものメニューからこなすわよ!」

8人「おー!」

穂乃果「だは~!つ、疲れた~…」

絵里「よーし!ひと通りおわったし、今からタッグ練習よ!各ペアごとに分かれて、自分がやるべきことを見つけるのよ!」

ことり「自分の…」

にこ「やるべきこと…」








絵里「さ、私たちは私たちで始めましょう」

海未「キャッチャーもいませんし…的当てが妥当ですかね」

真姫「まあ、そうなるわね」

絵里「待って!始める前に…私たち3人の投手陣の通り名でも決めましょう!」

海未「通り名…?」

真姫「いや…別にそんなの必要な」

絵里「Little Soldier とかどうかしら?」ドヤァ

海未「いや…流石にそれはちょっと」

真姫「そうよ。そんなもの要らな」

海未「私たちは小さくはありませんし…Littleでは合わない気がします」

絵里「なるほど…」

真姫「!?」

絵里「あ!そうだ!」

絵里「だったら…Soldier Game とかどうかしら!?」

海未「それです!!すごいしっくりきます!!」

絵里「ふふ♪じゃあSoldier Gameに決まりね!」

真姫「いや…その…」

真姫「イミワカンナイ…」

にこ「どうしてこの組み合わせになったんだかさっぱり分からないわね…」

希「実はこの組み合わせ…深い意味がある…」

にこ「深い意味…?」

希「…ように見えて、まったく深い意味は無いんよ」

にこ「無いんかい!」ビシィ

希「多分えりち…すっごく適当に決めた」

にこ「おいおい…」

希「まあ、組み合わせはともかく…どうする、にこっち。ウチらは何をやろっか」

にこ「その事なんだけど…」

希「ふふ。言わなくても分かっとるよ。打撃練習をやりたいんやろ?」

にこ「……!」

希「実はすでに用意してあるんよ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

にこ「な、何これ!?」

希「超高性能ピッチングマシーン”ガンダーロボMK-II”や」

希「これを使って、にこっちを徹底的にしごくんよ」ニヤリ

にこ「」ゴクリ

希「にこっち、覚悟は?」

にこ「そんなの…とっくの昔に出来てるわよ!」

希「ふふ…それじゃあ始めよっか♪」

希「乙女式打撃塾を…!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ことり「う~ん…私たちは何をしよっか?」

花陽「やっぱり…短所を克服することが必要なんじゃないかなぁ…」

ことり「短所かぁ…私の短所…」

花陽「私の短所…」

ことぱな「う~ん…」

ことぱな「あ!」

ことり「私たちの短所って…」

花陽「やっぱり…走塁かなぁ」

ことり「じゃあ、走塁やろっか♪」

花陽「はい♪」

ことぱな「走塁日和、です!」







穂乃果「ねぇねぇ凛ちゃん!実は別荘の近くに海があるらしいよ!」

凛「え!?ほんと!?」

穂乃果「ほんとだよ!せっかくだし、行ってみない?」

凛「行く行くー!むしろ行かないなんて勿体無いにゃー!」

穂乃果「よーし!じゃあ行こうか!!」ドン

凛「いざ海へ!!」ドン


三者三様、それぞれのペアはそれぞれの練習に励んだ!!

絵里「」ビシュッ!
ズバン!

絵里「やった!パーフェクト!」

真姫「さ…流石ね…私は7枚抜きが限界よ」

海未「真姫も頑張ればパーフェクトを目指せる筈ですよ」





にこ「くっ…!」

希「にこっち!ボールから目を離さずに!しっかりバットに当たる瞬間までボールを見るんよ!!」

にこ「わ、分かってるわよ!!」





ことり「はぁはぁ…」

花陽「はぁはぁ…」

ことり「結構キツイね~…」

花陽「そうだね…でも…頑張らなきゃ!」






凛「あはは!それ~!」バシャッ

穂乃果「わっ!冷たい!」

穂乃果「やったな~!それ~!」バシャッ

凛「にゃっ!なかなかやるにゃ~!それ~!」バシャッ

穂乃果「あははは!そっちがその気ならこっちも頑張っちゃうぞ~!それ~!」バシャッ

アハハハ…
ウフフフ…

ここらでステータスを


野手
選手名 弾道 ミート パワー 走力 守備力 肩力 エラー回避 特殊能力


高坂穂乃果 弾道4 C A C C B C チャンス5 パワーヒッター 威圧感 逆境○ 対エース○ プルヒッター ムード○

園田海未 弾道2 A C B C A C アベレージヒッター チャンスメーカー 初球○ ローボールヒッター 流し打ち

南ことり 弾道3 B B D B B A 初球○ 広角打法 チャンス5

矢澤にこ 弾道2 D F C A B A 守備職人 送球○ ヘッドスライディング

星空凛 弾道2 A C A A B A アベレージヒッター 盗塁5 走塁4 初球○ バント○ ヘッドスライディング チャンスメーカー

小泉花陽 弾道2 A D D C C B アベレージヒッター 意外性 粘り打ち

西木野真姫 弾道4 G A C A A A 守備職人 送球○ 三振

絢瀬絵里 弾道3 A B B A A B チャンス4 流し打ち 対エース○ 初球○

東條希 弾道3 B B B A A A キャッチャー5 ブロック○ 固め打ち ムード○ 送球4 対左投手4


投手

選手名 球速 コントロール スタミナ 変化球(変化量) 特殊能力

園田海未 143km/h A C スライダー3 チェンジアップ3 打たれ強さ2 奪三振 ジャイロボール 球持ち○ 低め○

絢瀬絵里 151km/h A A カーブ3 SFF3 ノビ5 闘志 体強打者○ 奪三振 緩急○

西木野真姫 138km/h B C スライダー3 カーブ4 チェンジアップ2 シンカー3 キレ4 リリース○

寝るます

おやすみ

ぼちぼち再開っす

合宿を終えた私たち!

そしてついに…地区予選がやってきた!

ザッ

絵里「みんな!今日は待ちに待った一回戦よ!!」

絵里「でも、試合に行く前に決めておかなきゃいけないことがあるわ」

花陽「決めておかなきゃいけないこと…?」

絵里「私たちを引っ張ってくれるリーダー役、つまりキャプテンよ!」

希「確かに、キャプテンの存在は必要やなぁ」

絵里「さて、誰がキャプテンになるかだけど…」

穂乃果「はい!私は…にこちゃんがいいと思います!」

にこ「…!」

絵里「じゃあ…にこ。やってくれるかしら?」

にこ「…」

にこ「…残念だけど、私には無理よ」

穂乃果「ど、どうして…」

にこ「私は…みんなを引っ張っていく力も無いし、みんなの支えになるような心の強さも無い」

にこ「私はキャプテンに向いていない。私に出来るのは…いざとなった時、キャプテンに説教垂れることが出来るくらい」

にこ「…あんたがキャプテンをやりなさい。穂乃果!」

穂乃果「ほのかが…キャプテン…!?」

にこ「あんたにはみんなを引っ張っていけるカリスマ性、みんなの精神的支柱になれる心の強さがある!」

にこ「みんな、文句は無いわね!」

海未「ええ。にこがそこまで言うのなら」

真姫「私も。異存はないわ」

凛「凛も穂乃果ちゃんがキャプテンに賛成にゃ!」

希「うちも賛成やね」

花陽「私も…それでいいと思います!」

ことり「穂乃果ちゃんがキャプテンに賛成です♪」

絵里「ふふ…みんなしてこう言ってるし…穂乃果、やってくれるかしら?」

穂乃果「みんな…!」

穂乃果「…分かりました」

穂乃果「私が…キャプテンをやります!!」






絵里「今からオーダーを発表するわ!」

1(中)星空凛
2(三)園田海未
3(投)絢瀬絵里
4(左)高坂穂乃果
5(一)南ことり
6(捕)東條希
7(右)小泉花陽
8(二)矢澤にこ
9(遊)西木野真姫

絵里「相手は去年の夏の地区予選ベスト4よ!油断は出来ないわ!」

ことり「あ!そうだ!!」

海未「どうしたのですか?」

ことり「えへへ。去年の秋には間に合わなかったけど…ようやく作り終わったんだ~」ガサゴソ

真姫「これって…ようやく

にこ「リストバンド…?」

ことり「実は…野球部のメンバーをイメージして作ってたんだけど…」

ことり「秋はまだ人数もいなかったからなんか中途半端になっちゃって…」

ことり「でも今はこうして9人揃ったから、イメージがどんどん思い浮かんできて、ようやく完成したの♪」

穂乃果「ことりちゃん…!ありがとう!」

ことり「さ、みんな着けて着けて~!」







穂乃果「よしっ…!!」スッ

穂乃果「みんな!!この試合、絶対に勝とう!!」

8人「おー!!」

敵監督「相手はあのUTXに勝ったようだけど…」

敵監督「所詮はマグレ!ボッコボコにしてあげるわぁ!」

絵里「」ザッ
ビシュッ!

敵打「」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」

敵監督「は?」

敵監督「ちょっと、三者連続三振ってどういうこと?」

敵選手A「いや、その…」

敵選手B「球が浮いたんですよ」

敵監督「そんなわけあるか!ほれ、さっさと守備につけ!」








穂乃果「」カッ

キィィィィィィィィィィン!!

敵投手「ほげぇ…満塁ほーむらん…」

敵監督「あれ…?」

敵監督「音の木坂ってこんなに強かったっけ…?」

敵ベンチ「天晴れっすなぁ」

敵監督「ええい投手交代よ!」

敵投手「はい」

敵エース「お疲れ」

敵投手「うん」

敵監督「きちんと抑えなさい!」

敵エース「はい」

敵監督「いつの間にか五回表に…」

敵監督「得点は10-0…で負けてる」

敵監督「どうなってるのこれ…」

敵選手A「無理ですね」

敵選手B「うん」

敵監督「何諦めとんねん!まだ試合は終わってないでっしょー!」

敵ベンチ「どうせコールドですよ。へっ」

敵ベンチ「しかも一回もヒット出てないし四球も無し。完全試合です」

敵監督「くっ…!なんて屈辱的な…!」

敵ベンチ「そもそも去年だってベスト4って言っても運が良かっただけですし」

敵選手「準決勝のUTXに完全試合&5回コールド食らってましたし」

敵監督「ええいそんなもの過去のことよ!私は気にしない!」

敵監督「とにかく!完全試合は嫌だから打ちなさい!!」

敵ベンチ「過去のこと気にしてるじゃん」

敵選手「ていうかあんな球打てませんよ。ポップアップしてるんですよ」

敵監督「だったら意識してボール一個分高めを振りなさい!」

敵選手「なるほど」


絵里「」ザッ

ビシュッ!!

敵打「」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!!」

敵監督「何やっとんねん!ボール一個分高めを振りなさいと言ったはずよ!」

敵打「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!『私はボール一個高めを振ったつもりがまだ下を振らされていた』な…何を言っているかわからねーと思うが以下省略」

敵監督「はぁ!?」

絵里「」ビシュッ!!

ズバン!!

主審「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!!」

穂乃果「やったあああ!勝った!!」

絵里「ふふ。無事一回戦突破ね!」ニッ

それから私たちは順調に地区予選を勝ち上がっていった!!

そしてついにベスト4まで勝ち上がった!

みんな活躍してたけど、絵里ちゃんはこの地区予選ではなんと無失点!

そして、今日は準決勝前日!!

にこ「みんな集まったわね」

にこ「これからのことだけど…みんな知っての通り、今日は休みで準決勝は明日。明後日はすぐ決勝戦よ」

にこ「そして決勝戦は…おそらくUTXが相手になる」

にこ「UTX相手にはもちろん絵里に投げてもらいたいの。できれば完投をしてもらうわ」

にこ「そこで、明日の試合だけど…絵里には投げさせないわ」

希「エース温存、ってわけやね」

絵里「私は明日と明後日に完投もオッケーよ?」

にこ「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。で、明日の先発なんだけど…」

にこ「真姫、あんたが明日の先発よ」

真姫「ヴェェ!?わ、私が!?海未でいいじゃない!」

にこ「経験よ経験。あんた一度も投げたこと無いんだし」

にこ「それとも~、自信無いの~?」ニヤニヤ

真姫「じ、自信くらいあるわよ!」

にこ「ふん。それでよろしい」

にこ「ま、最悪打たれても打ち返してくれるだろうし、代えのピッチャーはいるわ
。だから明日は気楽に投げなさい」

ことり「あ!そうだ!!」

にこ「な、何よ急に!びっくりするじゃない!」

ことり「ご、ごめん。実は…スポーツ飲料切らしちゃってるのを思い出して…」

にこ「はぁ!?何それ早く言ってよ!死活問題じゃない!」

にこ「こうなったら今から買い出しに行くしか無いわ!じゃんけんで負けた2人が買い出しに行くこと!いくわよー!」

9人「最初はグー!じゃんけん…」

真姫「はぁ…明日先発なのになんで私が買い出しなんかに…」

穂乃果「あははは…みんなパーで私と真姫ちゃんだけグーだなんてね…」

真姫「それにしても…はぁ。明日は先発かぁ…」

穂乃果「やっぱり…不安?」

真姫「べ、別に。不安なんかじゃないわよ」

「あれ?あなたたち、もしかして音ノ木坂の野球部員?」

穂乃果「あなたたちは…」

エリートA「私たちは明日の準決勝のあなたたちの対戦相手よ」

エリートB「まさかこんなところで出くわすなんてねぇ。あの守備の矢澤さんのチームメイトに」クスクス

穂乃果「にこちゃん?なんでにこちゃんの名前が…」

エリートB「ふふふ…こう見えて私たち、矢澤さんと中学時代に一緒に野球をやっていたのよ」

エリートA「ちょっと。その話は…」

穂乃果「にこちゃんの…」

真姫「昔のチームメイト…」

エリートB「懐かしいわねぇ。全然打てなくてしまいには打撃練習すらさせてもらえなくて、守備練習ばっかりやっててさぁ」

エリートB「それでついたあだ名が、守備のYAZAWAよ?ぷくく…守備だけじゃやっていけないのにねぇ」

真姫「…」

エリートB「守備だけ磨いても試合に出れないのに守備ばっかりやっちゃってさー、ほんと笑える。まあ打撃練習させてもらえないほど下手だから仕方ないわよねぇ」クスクス

エリートB「それなのにいっつもベンチではぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあうるさくて、ほんとに目障りだったわ」クスクス

真姫「…あんたに」

エリートB「ん?」

真姫「あんたにあの人の何が分かるって言うのよ!あの人はねぇ!誰よりも野球が…」

穂乃果「お褒めにあずかり光栄です。にこちゃんの守備には毎回助けてもらっています」ニコッ

エリートB「は?」

真姫「ほ、穂乃果!」

エリートB「ちょっと、褒めたつもりは無いのだけれど」

穂乃果「え?でもさっきから守備ってよく言ってましたよね?それってやっぱり…」

穂乃果「にこちゃんの守備が凄いってことを認めてくれているのかなーと思ったので。えへへ」

エリートB「っ…!」

エリートB「そ、そんなわけ…!」

エリートA「落ち着きなさい!」

エリートA「ごめんなさい…この子、昔矢澤さんと色々あって…」

エリートA「とにかく…次の試合、負ける気は無いわ」

エリートA「あなたたちに勝って、UTXを倒す。それだけよ」

穂乃果「ふふ。私たちも…負けるつもりはありませんよ!」ニッ

エリートA「…明日の試合、互いにベストを尽くしましょう」スタスタスタ…

真姫「ちょっと穂乃果!仲間が馬鹿にされたのよ!それなのに…」

穂乃果「言われても言い返すな。代わりに野球で返せ」

真姫「えっ?」

穂乃果「…って、にこちゃんならそう言うと思うんだ」

真姫「にこちゃんが…?」

穂乃果「そうだ!部室に戻った後、一緒に来て欲しい場所があるんだ」

真姫「なんで急にそんな…」

穂乃果「細かいことはいーじゃん!とにかく、約束だよ!」

真姫「はぁ…?」







真姫「ちょっと…ここ神社よ?何があるって言うの?」

穂乃果「ふふ。見てからのお楽しみだよ。それと、お静かにね?」

真姫「はぁ…」

穂乃果「あ!見て!」ボソボソ

真姫「何よ…?」

にこ「252…253…!」ブン!ブン!

真姫「あれって…にこちゃん…?」

穂乃果「にこちゃん、最近ここで私と一緒に素振りやっているんだ」

真姫「そうだったんだ…」

穂乃果「にこちゃんは誰よりも野球が好きで、誰よりも野球に真剣。だから、誰よりも努力している」

穂乃果「あの守備だって、努力の賜物なんだ」

真姫「…」

穂乃果「だから私には分かる。にこちゃんなら…例え馬鹿にされても、後ろ指さされても…絶対にめげないし、言い返したりもしない。でもその代わり…野球できっちりその返すんだ」

真姫「…」

穂乃果「だから次の試合…私たちもきっちり野球で返そう!」ニッ

真姫「…ふん」

真姫「当然よ」ニッ

寝るます

想像より長くなるなこれ

ちょっとみす

穂乃果「だから私には分かる。にこちゃんなら…例え馬鹿にされても、後ろ指さされても…絶対にめげないし、言い返したりもしない。でもその代わり…野球できっちり返すんだ」

に訂正

寝るねおやすみ

ぼ再

準決勝当日

にこ「オーダーを発表するわ!」

1(中)星空凛
2(三)園田海未
3(二)絢瀬絵里
4(左)高坂穂乃果
5(一)南ことり
6(捕)東條希
7(右)小泉花陽
8(遊)矢澤にこ
9(投)西木野真姫


にこ「相手は去年の秋季大会、UTXが負けたって理由もあるけど優勝して春のラブベースボールにも出場している」

にこ「それを差し引いても、毎年夏の地区予選でベスト4以上になっているわ」

絵里「なるほど…この地区では強豪、というわけね」

にこ「もっとも、あのUTXには毎年負けているんだけどね」

希「逆に言えば、UTX以外には負けていないってことやね」

にこ「そーいうこと。とにかく、今日勝たなきゃUTXと戦うことすら出来ないわ。気ぃ引き締めていくわよ!あんたたち!」

8人「はい!!」

真姫「すー…はー…」

真姫「…よし」

真姫(初登板…)

真姫(きっちり抑えていくわ!)

エリートB「」ザッ

真姫「!!」

真姫(昨日の…!!)グッ

真姫「…」

真姫(いえ…冷静になりなさい。私)

真姫(昨日決めたじゃない…きちんと)ザッ

真姫(野球で返すって!)ビシュッ

エリートB「」キィン

真姫「!」

真姫(しまっ…)

にこ「」ダッ!

にこ「」パシッ!

にこ「絵里!」ヒョイ

絵里「任せな…」パシッ

絵里「さい!」ビシュッ!

ことり「」パシッ!

塁審「アウト!」

にこ「へへっ!どんなもんよ!」

真姫「にこちゃん…」

真姫(ふふ…。私も…負けてられないわね)







真姫「」ビシュッ!
ククッ!

敵打「」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」

穂乃果「さっすが真姫ちゃん!3人で抑えるなんてやるぅ!」

真姫「ふふ。当然よ」

真姫「にこちゃん!」

にこ「何よ?」

真姫「…この試合、絶対に勝つわよ」

にこ「ふん。言われなくてもそのつもりよ!」ニッ

にこ「さあ今度は私たちの攻撃よ!」

花陽「凛ちゃんがんばって~!」

凛「」グッ

エリートA「…」

穂乃果「あ!昨日のあの人!ピッチャーだったんだ」

真姫「…」

エリートA「」ザッ

ビシュッ!

凛「にゃっ!」ガキン

ヒュー…
敵二「」パシッ

塁審「アウト!」

凛「どん詰まりだったにゃー…」

花陽「り…凛ちゃんが打てないなんて…」

希「…妙やね」

絵里「ええ…」

キィン!

ことり「打った!」

穂乃果「海未ちゃんナイス!」

海未「…」

海未(何故でしょう…打ったのに打った気がしない…そして手がビリビリする…)

にこ「よーし!次は絵里よ!絶対に打ちなさいよー!」

絵里「ふふ。もちろんよ」

絵里(あの球…何か秘密がある筈)

絵里(実際に体験してみて…それを確かめるしかないわね)グッ

絵里「…」

エリートA「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!」

絵里(別に特殊な回転をかけているわけじゃない…いたって普通のストレート)

絵里(確かに速い方ではあるけど…トップクラスかと問われたら、そうでもない)

絵里(でもこのストレートに…何か秘密が…)グッ

エリートA「」ザッ

ビシュッ!

絵里「っ!」キィン!

絵里(これは…!)

敵左「」タタタ…パシッ

塁審「アウト!」

絵里(思った以上に飛ばなかった…間違いない。この球の本質は…)

希「えりち。何か分かった?」

絵里「ええ。ばっちし」

絵里「あの球…相当重いわね」

凛「重い?」

絵里「重いって言っても、実際にボールが重くなってるわけじゃないわよ?あくまで、ボールが重く感じるだけ」

凛「確かに…なんか重く感じたにゃー」

ことり「でも…どうして重く感じるの?」

絵里「単に球が速いから重く感じる、回転数が多いから重く感じる、そもそも芯を僅かにずらされているから重く感じる…とまあ、色々な考え方はあるのだけれど、原因はよく分かっていないわ」

絵里「だけど…野球をやっていれば分かる。確かに、重い球というものは存在すると」

絵里「そして、球が重いということは、それだけ飛びにくくなるということを意味しているわ」

穂乃果「」カッ

キィィィィィィィィィン!!

花陽「打った!!」

真姫「いや…あれは…」

敵中「」タタタタタタ…パシッ!

審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」

にこ「ああ!惜しい!」

真姫「僅かに伸びなかったわね…」

穂乃果「うーん…芯で捉えたと思ったのになぁ…」

絵里「穂乃果でさえ、あのパワーを殺されているわ」

凛「そんな球を投げるピッチャー…どうすれば…」

絵里「対処法が無いわけではないわ」

希「と、言うと?」

絵里「あのピッチャーは、球の重さを活かして打たせて捕るスタイルを主としているわ」

絵里「そこで簡単に打ち捕られていたら相手の思うつぼ。だったら、簡単に打ち捕られないように工夫すればいい」

絵里「例えば、出来るだけピッチャーの球をカットして球数を稼ぐとかね」

絵里「打たせて捕るスタイルだから、バットに当てるのは容易な筈よ」

絵里「そして何より、ピッチャーって言うのはいつでも同じ球威の球が投げられるわけしゃない。回を重ね、投球数を重ねれば球威が落ちていくのが普通」

絵里「だったらさっき言ったように球数を稼いで、ピッチャーの球が勢いを失ったところを一気に叩く!」

絵里「もっとも…相手も自分の弱点が分かっているから対策はしている筈。私の作戦が上手くいくという保証は無いわ」

絵里「さ、私たちの守備よ。全力で守り抜くわよ!」

凛「よく分からないけど…分かったにゃ!」

真姫(なんだか久しぶりに初回で点数を取れていない気がするわ…)

真姫(だから私が…しっかり抑えなきゃ…!!)ザッ

ビシュッ!







絵里(互いにヒットは出たものの…)

絵里(真姫も相手の投手もきっちり抑えて、得点に繋がることは無かった)

絵里(しかし…五回表の相手の攻撃)

絵里(真姫が次第に崩れ始め…ツーアウトランナー二、三塁)

真姫「はぁ…はぁ…」

絵里(そろそろキツくなってきたわね…)

真姫「」ザッ

ビシュッ!ククッ!

敵打「」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!!スリーアウトチェンジ!」

真姫「よし!!」グッ

絵里「ふふ。やるじゃない。よく踏ん張ったわよ」

真姫「と、当然よ…!」

絵里「だけど…これ以上は無理ね」

真姫「無理なんかじゃ…」

絵里「嘘ばっかり。もう息も上がってるわよ」

真姫「くっ…!で、でもっ!」

絵里「安心しなさい。貴女はよくやってくれたわ。ね、みんな?」

穂乃果「もちろん!」

凛「よく抑えてくれたにゃ!」

にこ「ま、いいんじゃないの?」

真姫「みんな…」

絵里「と、いうわけだから…海未!肩を作っておきなさい!」

海未「はい!!」


絵里(さて…問題は…)

エリートA「」ザッ
ビシュッ

ことり「」ガキン

ボテボテ

敵三「」パシッ ビシュッ!

敵一「」パシッ!

塁審「アウト!」

絵里(やはり…あのピッチャーの攻略が1番の問題ね)

絵里(あのピッチャー…私が想像していたよりもタフね…未だ球威が落ちていない、むしろ球威が上がっている)

絵里(カットして球数を稼ごうとすると…なかなかキレのいい変化球が来て、空振りしてしまいがち…)

絵里(でも決してヒットが打てないわけではない)

希「」キィン!

穂乃果「打った!」

絵里(むしろ打ちやすい方。だけど…)

花陽「」キィン!

凛「かよちんも打った!これはチャンス…」

凛「あっ…」

にこ「」ガキン

敵遊「」パシッビシュッ

敵二「」パシッビシュッ

敵一「」パシッ!

凛「げ…ゲッツー…」

にこ「あああああ!やっちまったああああああ!!」ガン

絵里(ヒットを打ったとしても…どうしても打線が上手く繋がらないのよね…だから得点にならない…)

絵里(これに関しては工夫でどうにかなることじゃないし…うーん…)

絵里(まあ今はとにかく…流れが来るまで待つしかないか…)

絵里「海未!この回から頼んだわよ!」

海未「任せてください!!」

絵里「あ、それと…」

絵里「あの球、まだ試合で使うのはダメよ?」

海未「…分かってます」

穂乃果「あの球…?何それ?」

真姫「ネーミングセンスがメーター振り切っててこっちまで恥ずかしくなってくるような名前の魔球よ…。そんなことより早く守備につきなさいよ」

タタタ…

穂乃果「何それめちゃくちゃ気になる」


真姫→セカンド
海未→ピッチャー
絵里→サード



海未(なんとか抑えて8回表まで無失点、そして8回裏の攻撃を迎えたわけですが…)

花陽「ぴゃあ!?」ガキン

ボテボテ…

敵遊「」パシッビシュッ!

敵一「」パシッ!

塁審「アウト!!スリーアウトチェンジ!」

海未(結局この回も残塁…また上手く打線が繋がらないですね…)

穂乃果「よーし!9回表もしっかり守って、裏でサヨナラ勝ちを狙おう!」

8人「おー!」






海未「」ビシュッ!

ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!」

海未(よし!二人目!後一人です!!)

海未「」ザッ
ビシュッ!

エリートA「」カッ

キィィィィィィィィィィン!!

海未「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」ズーン

ことり「う、海未ちゃん…そんなに気にしなくても…」

穂乃果「そうだよ!一点差くらいどうにかなるって!」

海未「でも…これで負けてしまったら…私のせいです…!」

真姫「何馬鹿なこと言ってんのよ。私は負けるつもりなんて無いわ」

海未「真姫…」

真姫「勝つわよ…絶対に…!」グッ

にこ「…」

にこ(この悪い流れを変えるためにも…私が打たなくちゃ…!)

エリートA「」ザッ
ビシュッ!

にこ(きた!狙い通り!!)

にこ「」ガキン
ボテボテ…

にこ(ぎゃああ!思いっきり引っ掛けたぁ!)ダッ!

にこ(頼む…!)ダダダ

敵三「」パシッ

にこ(間に合ええええ!)ダッ!

敵三「」ビシュッ!

にこ「」ズザー!

敵一「」パシッ!

塁審「…!」

塁審「セーフ!セーフ!」

にこ「や…やった!!」

穂乃果「おおおお!内野安打!!」

凛「にこちゃんがついに打ったにゃああああああ!!」

花陽「いける!流れが来てますよこれ!」

希「絶妙な打球の強さやったね」

絵里「でも…次の打者は真姫か…」

絵里「…」

絵里(ここは送らせて確実に一点を取りにいくか…)

絵里(いや…この感じだと、確実性は無いわね…どうも打線が繋がらないから…)

絵里(だったらここは…賭けに出る!!)

絵里「タイムお願いします!!」

絵里「真姫!ちょっとこっちに来なさい!」

真姫「何よ?」

絵里「私に考えがあるの」

真姫「考え…?」

絵里「よし…言いたいことは伝えたわ」

穂乃果「絵里ちゃん、何を言ったの?」

絵里「見ていれば分かるわ」ニヤ

穂乃果「?」


真姫「」スタスタ…

真姫「」ザッ


エリートA「!?」

エリートB「なっ!?」

穂乃果「…あり?何か違和感…」

希「真姫ちゃんが…左打席に立ってる…!?」

穂乃果「そうそうそれ…ってえええ!?左打席ぃ!?真姫ちゃんは右打ちじゃ…」

希「えりち…一体何を考えて…!?」

絵里「…」







絵里「真姫、貴女…左打ちって出来る?」

真姫「は?何を急に…」

絵里「いいから答えて」

真姫「っ…で、出来ないことはないと思うけど…」

絵里「そう。なら問題無いわね」

絵里「真姫!次の打席…左打席に立ちなさい!」

真姫「な、なんで!?」

絵里「いいから、とにかく立ってみなさい!」

真姫「ヴェェ…イミワカンナイ…」







真姫(エリーは一体何を考えてるのよ…!)

真姫(左で素振りは試したことは何回かあるけど…打席に立って打つのは初めてよ!?)

真姫(打てるわけないじゃない…!)

エリートA「」ザッ

ビシュッ!

真姫「!」

ズバン!

主審「ストライク!!」

真姫「…」

真姫(何…さっきの感じ…?)

絵里「真姫が打てない理由って、にこが打てない理由と全然違うのよ」

絵里「にこが打てない理由って、きちんとボールは見ていて打つイメージはあるんだけど、それに体がついてこないからだと思う」

絵里「でも真姫は…そもそもボールを見ていない。ただ闇雲にバットを振っているだけよ」

絵里「ボールを見ていないのに当たるわけがない…だから私は、左打席に立たせた」

絵里「今までと違う、左打者という景色なら…きっとボールを見てくれると思ったの」

絵里「だけど…急に左打ちをしろと言われて出来る人はそうそういないわ」

絵里「でも、真姫なら出来る…かもしれない。あの子、センスは抜群だからね。私が教えた変化球だって、すぐに身につけるくらいだから…」



真姫(この感じ…今までに感じたことない…)

真姫(まだバットを振ったわけじゃないのに…すごく打てる気がする…)

真姫(いける…これなら…!!)

エリートA「」ザッ

ビシュッ!

真姫(打てるっ!!!)カッ

キィィィィィィィィィィィィィィン!!!

ゴン!!

ボトッ…

穂乃果「は…」

穂乃果「入ったあああああああああ!!」

凛「サヨナラ逆転2ランホームランだにゃあああああああ!!」

にこ「やったわよあんたたちいいいいいいい!!!」

穂乃果「うわああああんにこちゃんお帰りいいいいいいい!!」

真姫「…」

凛「真姫ちゃんもお帰りいいいいいい!!」

真姫「信じられない…私が…私がホームランだなんて…」

にこ「現実よばかあああああああ!!よくやったわこのやろーーー!!」グリグリ

真姫「ちょ、ちょっと痛いってば!」

穂乃果「うおおおお!」グリグリ

凛「にゃあああああ!」グリグリ

真姫「ああもう!ひっつかないでよーー!…ん?」

エリートB「…」

真姫「あ…あんたは…!」

にこ「…!」

エリートB「…いい仲間を持ったわね。矢澤さん」クルッ

スタスタ

真姫「…!」

にこ「…」

にこ「ええその通りよ!!こいつらは、私の最高の仲間なんだから!!」ニコッ

エリートB「…ふふ」

穂乃果「えへへ。それでこそにこちゃんだね!」ニコッ

真姫「ふふ。そうね」ニッ

凛「?」



穂乃果「よーし!ついに明日は決勝戦!!相手はUTX!!」

にこ「絶対勝つわよー!!」

絵里「ふふふ…腕が鳴るわね…!」

花陽「あーーー!!」

凛「か、かよちん?どうしたの?」

花陽「べ、ベンチに忘れものしちゃって!!」

にこ「忘れものぉ!?何やってんのよ!今すぐ取ってきなさーーい!!」

花陽「は、はいいい!」ダッ!







花陽「はぁはぁはぁ…」

グスッ…

花陽「ん…?」

エリートA「…」ポロポロ…

エリートB「うわああああん!わああああん!」

エリートB「嫌だよおおおお!これで終わりなんて…うわああん!」

エリートA「私だって…!勝ちたかったわよ…!ううう…うううう…!」ポロポロ


花陽「…!!」

花陽(泣いている…みんな…あんなに……)

花陽(私たちが……私たちが勝ったせいで………)

花陽「っ…」

花陽(この前もそうだった…対戦相手の高校の人たちが…みんな泣いていた…)

花陽(勝者がいれば…必ず敗者がいるって…分かってるのに…)

花陽(どうして…こんなに胸が苦しいの…?)ズキズキ

花陽(私は…)ズキズキ

寝るます

おやすみ

ぼ再

そして…ついにやってきた!決勝戦!!

穂乃果「ついにこの日がやってきたんだ…!!」

海未「あのUTXとの試合…!」

ことり「き…緊張してきたぁ…」

にこ「…」

にこ(やっぱりツバサたちがいる…あれは一軍ね…)

にこ(一軍は二軍とは比にならない…今までで一番苦しい試合になる…!)

穂乃果「よーし!みんな集合!!」

穂乃果「この試合に勝てば夢の舞台…ラブベースボールにいける!」

穂乃果「相手はあのUTX…だけど、今の私たちならきっと勝てる!」

穂乃果「全力出していこう!!」

8人「おー!!」

絵里「それじゃ、オーダーを発表するわ!」

1(中)星空凛
2(右)小泉花陽
3(投)絢瀬絵里
4(左)高坂穂乃果
5(三)園田海未
6(一)南ことり
7(捕)東條希
8(二)矢澤にこ
9(遊)西木野真姫


花陽「わ…私が2番…!?」

絵里「昨日の試合の後、にこと相談して決めたのよ」

にこ「ただ打てる順に並べても仕方ないからね。重要なのはどう繋がるか、だし」

絵里「それに、花陽は凛と相性がいいし、こっちの方がいいと思うの」

花陽「な…なるほど…」

凛「かよちんが2番に打つなら凛も勇気100倍にゃー!」

ツバサ「ふふ。待っていたわ。穂乃果さん」

ツバサ「あなたたちとの試合を…私はずっと楽しみにしていた」

ツバサ「私たちも…全力でいかせてもらうわ」

主審「プレイボール!」

凛「…」

凛(この人が…UTXのエース…)グッ

ツバサ(きたわね…星空さん)

ツバサ(特に警戒すべき選手の1人ね)

ツバサ(星空さんには悪いけど…初球からあの球でいくわ)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

凛「!」ビクッ

グンッ!

凛「!?」

ズバン!

主審「ストライク!」

にこ「い…いきなりスライダーで来たわね…!」

絵里「相変わらずのキレ味ね…あの殺人スライダー」

穂乃果「絵里ちゃん、ツバサさんのスライダーを見たことがあるの?」

絵里「ええ。シニア時代にね。もっとも、その時は肩を壊していて…ベンチから見ていただけだったけど…」

凛「…!」

凛(体に当たると思って避けたら…ストライクゾーンまで曲がってきた…!)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

凛「」ブン!

ズバン!

主審「ストライク!!」

凛(ストレート…!うぅ…打てると思ったのに…!)

ツバサ「」ゴゴゴ…

凛(次は多分…スライダー!!)

凛(打つよ…!)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

凛「にゃっ!?」ブン!
ズバン!

主審「ストライク!バッターアウト!!」

凛(す…スライダーはスライダーでも…縦のスライダーだにゃ…!!)

ことり「さ…三球三振…」

海未「あ…あの凛が…バットにかすりもしないなんて…」

花陽(凛ちゃんの代わりに…私が塁に出なきゃ…!)

ツバサ「…」

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

花陽「!?」ビクッ

ズバン!

球審「ストライク!」

花陽(な…!い、今の曲がりかた…尋常じゃない…!)

花陽(あんな球…打てるの…!?)

ツバサ(…次で終わりね)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

花陽(ストレート!?)

花陽「ぴゃあ!?」ガキン
ボテボテ…

ツバサ「」パシッ
ビシュッ!

あんじゅ(一塁手)「」パシッ

一塁審「アウト!」

にこ「いきなりツーアウト…!」

真姫「あの2人があんな簡単に倒れるなんて…珍しいわね…」

絵里「なるほどね…」

英玲奈(絢瀬絵里…投手としてはツバサと同等の実力を持つ…)

英玲奈(果たして、打者としてはどうか…)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!グンッ!

絵里「」ニヤ

ツバサ「!!」

絵里「」キィン!

穂乃果「おお!」

英玲奈(中堅手)「!」ダッ

ボトッ
ボトボト

英玲奈「」パシッ

英玲奈(くっ…!2塁まで行かれたか…!!)

絵里(ふふ…読み通りね)

ツバサ(してやられたわね…)

絵里(初球から投げてくると思ったわ。あの殺人スライダーをね)

英玲奈(しかしあれは予想していても簡単に打てる代物じゃない…)

英玲奈(これは単純に…絢瀬絵里の打者としての能力も高いということだろうな…)

ツバサ「まさか…もう再戦出来るなんてね」ニヤ

ザッ

穂乃果「…」

穂乃果(ツバサさん…約束通り、来ましたよ!決勝戦に!)

ツバサ(あなたとの勝負…ずっと楽しみにしていたわ)

穂乃果(今度は私が…絶対に勝つ!)

ツバサ(でも…容赦はしない!)

ツバサ(勝つのは…私たちUTXよ!)ザッ

ツバサ「」ビシュッ!!

穂乃果(この球はきっと…スライダー!)

グンッ!

穂乃果「」ブン!

ズバン!

球審「ストライク!」

穂乃果「…!!」

ツバサ「ふふ…」

穂乃果(あの時より…さらにキレが鋭くなってる…!)

ツバサ「」ザッ

穂乃果(今度こそ…!)

ツバサ「」ビシュッ!
ギュオオオオオオオオオオ!

穂乃果「!?」ビクッ

グンッ!
ズバン!

球審「ストライク!ツー!!」

穂乃果(またスライダー…!?)

絵里(まさか…)

ツバサ(三球で仕留めるわ。遊び球はいらない)ザッ

ビシュッ!
グンッ!

穂乃果「!」ブン!

ズバン!!

球審「…!」

球審「ストライク!!バッターアウト!!!スリーアウトチェンジ!!!」

穂乃果「…!」

海未「穂乃果まで…三球で…!」

希「しかも三球続けてスライダー…!」

穂乃果「あはは…やられちゃった…」

穂乃果「やっぱり凄いね…ツバサさん」

穂乃果「でも…負けないよ!」ニッ

絵里(昔憧れていたUTX相手に投げられるなんて…ふふ。光栄ね…)

絵里(だけど…やるからには勝たせてもらう。それがこのかしこいかわいいエリチカの流儀よ)キリッ

英玲奈「…」

英玲奈(音ノ木坂のエース、絢瀬絵里…)

英玲奈(球速、コントロール、スタミナ…どれをとってもトップクラス)

英玲奈(特にストレートは…手元で異様に伸びてくる)

英玲奈(その伸び具合は…ボールが浮き上がってきたと比喩されるほどの魔球)

英玲奈(初見であのストレートを打つのは無理と言ってもいい)

英玲奈(だが…私たちは研究してきている。音ノ木坂のメンバー全員について)

英玲奈(その中でも特に、星空凛、高坂穂乃果…そして絢瀬絵里については入念に)

絵里「」ザッ
ビシュッ!!!

英玲奈「」カッ

ガシャン

球審「ファール!」

絵里(へぇ、いきなり当ててきたわね…)

英玲奈(ふっ…やはり実物は違うな。映像よりもさらに伸びているように感じる)

希「…」

希(ストレート狙い…かなぁ。ちょっとスプリットで様子見やね)

絵里「…」

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ストン
ズバン!

球審「ボール!!」

希「…」

希(スプリットに釣られなかった…最初からスプリットが来るって予想していた…?)

英玲奈「…」

希(分からんなぁ…どうしてもこの人の考えてることがよく掴めない…)

希(今度は高めのストレート…で、いってみよか)スッ

絵里(ええ)コクン

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ボール!!」

希「…!」

希(まったく手を出してこなかった…ピクリとも反応しなかった…!?)

英玲奈(さっきの高めのストレート…絢瀬絵里最大の決め球でもある)

英玲奈(事実、あの球で最も多く打者を打ちとっていることが統計で明らかになっている)

英玲奈(そのどれもが、空振り三振か打ち上げているかだ)

英玲奈(この高めのストレート…実は全てストライクゾーンから高めに外れている)

英玲奈(しかし…打者は皆、ボール球なのにあの球に手を出してしまう)

英玲奈(それはやはり…あの球が異様に伸びてくるからだ)

英玲奈(ノビがいい…ということはつまり、回転数が普通の投手に比べて多い)

英玲奈(回転数が多いことによって、初速と終速の速度がほとんど変わらない。更に、通常の投手よりストレートが落ちずに、ほぼ真っ直ぐに飛んでくる)

英玲奈(だから、通常の投手の投げるストレートと比べて…浮いているように感じる)

英玲奈(高めのストレートを振ってしまう理由も、通常の投手が投げるストレートなら絶好球になるコースだからだ)

英玲奈(ストレートを武器にする投手というのは…ただストレートが速いだけではダメだ)

英玲奈(もちろん、速さも必要だ。だが本当に重要なのは…速さ以外の要素だ)

英玲奈(速さ以外の要素こそが、本当に打者を苦しめる)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

英玲奈「」キィン!

ヒュー…

穂乃果「」パシッ

審判「アウト!」

英玲奈(打ち上げてしまったか…)

あんじゅ「英玲奈が打ち上げるなんて、珍しいわね」

英玲奈「どうやら、相手の方が一枚上手だったよ。意識していたつもりが、まだ僅かにボールの下を振らされていた」

英玲奈「だが…さっきのでコツは掴んだ。次の打席からは打てる自信がある」

寝るます…

決勝はかなり長くなりそう…

おやすみ

ぼ再

希(その回はあのUTX打線を三人に抑えたえりち)

希(続く2回表の音ノ木坂の攻撃は…三者凡退)

希(やっぱり、あのスライダーを攻略出来ない限りは得点が出そうにも無いなぁ…)

希(そして迎えた2回裏、この回の先頭打者は…)

あんじゅ「」ザッ

希(UTXの主砲…優木あんじゅ…!)

絵里(相手が誰だろうと関係無いわ)

絵里(私は全力で…)ザッ

絵里(投げるだけ!!)ビシュッ!

ズバン!

球審「ストライク!!」

希(…よし、つぎは高めの釣り球で…)スッ

絵里「」コクッ

あんじゅ(まずは一発ね)ニヤリ

希(笑った…?)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

あんじゅ「」カッ

キィィィィィィィィィィィィィン!!

絵里「!」

希(なっ!?)

ゴン…ッ…

穂乃果「……!」

花陽「う…嘘…」

凛「入っちゃった…」

絵里「…」

希(そんな…外した筈なのに…無理矢理スタンドに…!?)

希(規格外や…完全にウチのリードが意味をなしていない…!)



英玲奈「高めの球は降るなと言ったろう」

あんじゅ「でも打てたからいいじゃない」

あんじゅ「それと…うふふ。もう見つけちゃった。あのピッチャーの癖をね」ニヤリ

海未(ホームランこそあったものの…)

海未(絵里はその後も動じず、冷静なピッチングで三人を抑えました)

海未(流石は音ノ木坂のエースと言ったところですね。私も見習わねば…)

海未(そして3回表の私たちの攻撃!!取られたら取り返します!と、意気込んでいたのですが…)

真姫「ぐっ!」ブン!

球審「ストライク!バッターアウト!!」

海未(にこ、真姫と続けて三振…悪い流れですね…)

海未(ですが次の打席は凛です!悪い流れを断ち切ってください!!)

凛「…」

凛(はっきり言って、あのスライダーをまともに打つのは無理にゃ…)

凛(だから、ひと工夫するよ!)

ツバサ「」ザッ

ツバサ「」ビシュッ!
グンッ

凛「」スッ

ツバサ「!」

ツバサ(これは…!)

凛「」コン ダッ

ボテボテ

ツバサ(セーフティバント!)ダッ

ツバサ「」パシッ

一塁審「セーフ!」

ツバサ「くっ…してやられたわね」

穂乃果「うまい!!」

絵里「サードが完全に出遅れていたわね。見事な判断よ、凛!!」

にこ「しかも次は花陽よ!これは期待できるわ!」

花陽「」ザッ

凛「よーし!俄然やる気出てきたにゃ!」

凛(かよちんのため、そしてチームのために、凛は凛で出来ることを全力でしなくちゃね!)

英玲奈(星空凛…おそらく、音ノ木坂で最も塁に出してはいけない選手)

英玲奈(単純な足の速さはもちろん、技術面でも他の追随を許さない)

英玲奈(まず、二盗は間違いなく決まってしまうだろうな)

ツバサ「」チラッ

凛「…」

ツバサ「…」

ツバサ「」ザッ

凛「」ダッ!

ツバサ「」ビシュッ!
ズバン!

球審「ボール!」

UTX捕「」ビシュッ!

凛「」ザッ!

UTX二「」パシッ

二塁審「セーフ!」

ことり「盗塁成功!」

海未「これなら一打同点もあり得ますね!」

ツバサ「…」

ツバサ(三盗の可能性もある…けどここは、打者との勝負に専念する)

ツバサ「」ザッ

凛「」ダッ!

ツバサ「!!」ビシュッ!
グンッ!
ズバン!

球審「ストライク!!」

UTX捕「」ビシュッ!

凛「」ザー!

UTX三「」パシッ

三塁審「セーフ!セーフ!!」

にこ「おおお!ナイス!!」

希「これでヒットが出れば同点やん!!」

凛「にひひ♪」ブイッ

ツバサ(ためらいなく走ってくるなんて…)

ツバサ(ふふ…面白くなってきたわね)ニヤ

花陽「…」

花陽(単打でも…打てれば同点…!!)

花陽(単打しか打てない私のために凛ちゃんがせっかく作ってくれたチャンス…無駄にする訳にはいかない!)

花陽(でも…万が一…万が一打てなくて…それが原因で負けたら…)

花陽(みんな…やっぱり泣いて…)

花陽(はっ!?な、何を考えているの私!?今は打つことに集中しなきゃ!!)

ツバサ「」ザッ

ビシュッ!

花陽「」キィン!

ツバサ「!」

審判「ファール!」

ツバサ(当ててきた…!)

花陽(いける…打てる気がする…!)

ツバサ(やるじゃない…でも、打たせる気は無いわ)ゴゴゴ

花陽(すごい気迫…!だけど…負けたく無い!)グッ

ツバサ「」ザッ
グンッ!

花陽(縦のスライダー!?)カッ

球審「ファール!」

花陽(あ、危なかった…あんな球も持っていたなんて…)

花陽(…)

花陽(ツバサさんも…きっと、野球が大好きで…だから、あんな凄いスライダーを投げられる…)

花陽(ラブベースボールにかける思いもきっと…私たちに負けていない…)

花陽(もし…もし、私たちがここで勝ったら…ツバサさんは、UTXのみんなは…)

ツバサ「」ビシュッ!

ズバン!!

球審「ストライク!バッターアウト!!」

花陽「!?」

花陽「そ…そんな…!?」

ツバサ「…」

ツバサ(妙ね…)

絵里「見逃し三振…」

にこ「何やってんのよぉ!」

花陽(打つことに集中するって…そう決意したのに…!なんで私は…!)

真姫「花陽…?」

花陽「ごめんなさい…」ズーン

凛「気にすること無いにゃー!凛だって一打席目は三振だったんだし!次の打席に打てればいいんだよ!」

真姫「…」

絵里「さて…と。次の回もばっちし抑えますか!」

希「…」







絵里「」ビシュッ!

ズバン!

球審「ボール!!フォアボール!!」

希(おかしい…別にえりちの制球が乱れてるわけじゃないのに…)

ツバサ(ふふ…どうやらあんじゅの言っていたこと、本当みたいね)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

ツバサ「」スッ

海未「!」ダッ!

ツバサ「」コン
ボテボテ

海未「」パシッ

海未(2塁は間に合わない…素直に一塁に…!)ビシュッ

ことり「」パシッ!

一塁審「アウト!」

希(ワンナウトランナー二塁…そして迎えるバッターは…)

英玲奈「」ザッ

希(統堂英玲奈…!)

眠くて考えがまとまらない…今日は寝ます

おやすみ

ぼ再

絵里「来たわね…」

英玲奈(前の打席は打てなかったが…今度はそうはいかない)

英玲奈「…」

希(何をやってくるか分からない…とりあえず…)チラッ

絵里「…」

絵里「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

球審「ストライク!!」

希「…」ビシュッ

絵里「…」パシッ

希(やっぱり…イマイチ考えてることが分からんなぁ…)

希(じゃあ…次は……)

絵里「」コクン

英玲奈「!!」

絵里「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

球審「ボール!!」

希(やっぱりダメだなぁ…この試合、高めの球を全然振ってもらえない…)

希(なら…)スッ

英玲奈(確かめたいことは確かめた。後は…打たさせてもらおう)

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

英玲奈「」キィン!!

希(センターの頭を越えた!まずい!また点が…!!)

凛「」タタタ

ボトッ

凛「」パシッ

真姫「凛!」

凛「にゃ!」ビシュッ!

真姫「」パシッ!

真姫「」ビシュッ!

UTX8番「」タタタダッ

希「」パシッ!

UTX8番「」ザッ!

球審「セーフ!!」

希(間に合わなかった…!)

にこ(タイムリーツーベース…!2点目…!)

あんじゅ「有言実行したわね、英玲奈ったら」

ツバサ「ふふ。流石はUTXの精密機械と呼ばれているだけあるわね」







「ねぇ2人とも、この試合どっちが勝つと思う?」

「私はUTXが勝つに一票で。明らかにUTXが優勢ですし」

「私も…今回ばかりはUTXだな。個人の能力ならUTX以上の者も数名いるが…団体、チームとして見ると流石にUTXに劣っているように見える」

「って、そういう先輩はどうなんですか?」

「ボクは…うーん」

「…分からないなぁ」

「えー!?自分で聞いておいて分からないー!?」

「だって…なんだろう。確かに…音ノ木坂とUTXじゃ、単純な力の差は歴然なんだけどさ。だけど…ボクは、音ノ木坂から可能性を感じたんだ」

「可能性…」


絵里「」ビシュッ!!

UTX2番「」キィン!!

英玲奈(よし!右中間真っ二つ…)ダッ

にこ「でりゃあ!!」ダッ!パシィ!!

英玲奈(なっ!?なんて跳躍力だ…!)ザッ クルッ ダッ

にこ(身長が足りないなら、ジャンプ力で補えばいいの…よっ!!)ビシュッ!

英玲奈(間に合えっ!!)

真姫(残念だけど…私たちの勝ちよ!)

真姫「」パシッ!

英玲奈「」ザー!

2塁審「…!」

2塁審「アウトォ!!スリーアウトォ!」

にこ「よしっ!!」

にこ(どんなもんよ!!一度身長足りなくて頭の上飛び越えられたことがあったから、必死に練習したのよ!!)

英玲奈(完全に計算外だったな…守備の名手とは知っていたが、これほどとは…)



「あのちっこいの…なかなかやるじゃない」

「この回…もっと点を取られると思っていたが…よく守ったものだ」

「ね?可能性、感じたでしょ?」

「まあ、確かにちょっとは感じたかな~」

「ふふ…さっきUTXが勝つと言ったが、撤回しよう」

「この試合…まだまだこれからだよ!」

絵里「ふぅ…助かったわ、にこ」

にこ「ふっふーん♪あれくらい取れて当然よ♪」

真姫「とか言って、めちゃくちゃ必死だったくせに」

絵里「さてと…打たれた分、今度はこっちから打ち返してあげなきゃね」

凛「一発頼むにゃー!」

絵里「任せておきなさい!」ニッ

絵里(って言ったものの、相手はあの綺羅ツバサ…とても一発デカイのを狙えるような相手じゃないわ)

絵里(ここは確実に塁に出る。狙いはスライダー――)

ツバサ「」ビシュッ!
グンッ!

絵里(横ではなく、縦のね!)キィン!!

ツバサ「!!」

凛「打ったー!」

真姫「センター前ヒット!」

にこ「初球から打つなんて…な、なかなかやるじゃない!」

凛「そしてそしてー!」

にこ「次のバッターは!」

穂乃果「」ザッ

にこりん「穂乃果(ちゃん)だー!!!」

穂乃果「…」ゴゴゴ…

ツバサ(来たわね…穂乃果さん…!)ゴゴゴ…

穂乃果(今度は打つ!あのスライダーを!!)

ツバサ「…」

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

球審「ボール!」

穂乃果(ストレート…次は多分、スライダーだ!)

ツバサ(スライダー狙いのようね。お望み通り…投げてあげるわ!)ザッ
ビシュッ!
グンッ!

穂乃果(来た!!)

穂乃果「」カッ

ガシャン

球審「ファール!」

凛「バットに当たってる!」

真姫「いける!穂乃果なら打てるわ!」

UTX捕(明らかにスライダー狙いだ…ここは縦のスライダーを低めに…)スッ

ツバサ「…」フルフル

UTX捕(首を横に振った!?まさか…スライダーを投げるつもりじゃ…)スッ

ツバサ「」コクン

UTX捕「!」

UTX捕(しょ、正気か!?打者としてはもっとも警戒すべき相手なのに…相手の狙っている球を投げるなんて…)

ツバサ「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

UTX捕「!?」

UTX捕(な…なんて気迫だ…!!)

UTX捕(ここは…ツバサさんの判断に委ねよう…!)

ツバサ(これが…私のッ!!)ザッ

ツバサ(全力投球よッ!!)ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオ!!

穂乃果(私のフルスイングを…ぶつけるッ!!)グッ

ググンッ!!

穂乃果「」ブンッ!!

ズバン!!

穂乃果「……!!」

球審「す…」

球審「ストライク!バッターアウトォ!!」

にこ「なっ…!」

真姫「さ…三振…!?」

穂乃果(スライダーって分かっていた…ツバサさんもスライダーで勝負してきた…)

穂乃果(でも…負けた…)

海未(あの穂乃果が…2打席連続で…)

海未(私がまともにやって…打てるのでしょうか…?)

海未(待てよ…まともにやってダメなら、まともにやらなければいいのでは?)

海未「」ザッ

ツバサ「!」

凛「にゃ!?」

希「バットをあんなに短く持って…」

にこ「ちょっと!あれじゃ外角にバットが届かないじゃない!」

絵里(海未…何を考えて…?)

海未(短く持っていれば、あの内角に食い込んでくるスライダーに対応できる)

ツバサ「」ザッ

ビシュッ!

ズバン!

球審「ストライク!」

海未(ですがそれを分かっていてわざわざ内角に投げてくるようなピッチャーはいない)

海未(だからこそ――)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

海未(私の狙いは最初から外角のスライダー!もとより内角の球など打つ気はありません!!)

海未(後は…短く持ったこのバットで…意地でも当てにいく!!)

海未「」キィン!

UTX一「っ!」

にこ「よしっ!ファースト強襲!!」

穂乃果「海未ちゃんナイス!!」

にこ「一、二塁のチャンスよー!ことりー!!絶対帰しなさいよー!!」

ことり「うんっ!」グッ

ことり「…」

穂乃果「ことりちゃんのあんな真剣な顔は初めて見たかも…」

にこ「それだけ集中してるってことよ」

にこ「きっと今…頭の中でどうやって打つか、必死に考えてるに違いないわ」

ことり「…」

ことり(あのスライダー…どうやって打てばいいんだろう…)

ことり(びゅっ!ってきたあと、ぶわって曲がって…そこをぽん!と…)

ことり(う~ん…やっぱり、しゅっ!ってきたあとぐん!ときてどん!かなぁ)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

ことり「!」ブン!

球審「ストライク!!」

ことり(それとも…ばん!ときてぎゅるる!ときてぐるぐる!でぐぐん!からのかきーん!かなぁ)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

ことり「」キィン!

ツバサ「!!」

凛「きたーー!!」

にこ「回れーー!!回れ回れ回れーー!!」

絵里「」ダダダ

海未「」ダダダ

絵里「よしっ!」ダン

穂乃果「やった!!一点返した!!」

ツバサ「まさか…あの球が打たれるなんて…」

にこ「しかもまだランナー二、三塁!逆転もあるわよー!!」

凛「希ちゃん!頼んだにゃー!」

希「任せとき!」ニッ

希(とは言ったものの…あんな球、よく打てたなぁえりちも海未ちゃんもことりちゃんも…)

希(うちは正直言って打てる自信は無いなぁ…)

ツバサ(もう打たせるつもりは無いわ)

ツバサ(この回は一点に抑える!)ザッ

ビシュッ!
グンッ!

希「っ!」ブン!

ズバン!

球審「ストライク!!」

希(スライダーって分かってたのに…!あんなん打てるわけないやん…!)

希「…」チラッ

海未「!」

希「」テヘペロ

海未「…?」

海未(の、希…?何でこっちを見てそんなことを…)

海未(はっ!まさか…あれは何かのサイン…!?)

希「…」

海未(なるほど…だいたい分かってきました…!)

希(なんとなーくてへぺろってやったけど…なんか海未ちゃんが深く考えてる…どうしよ…)

希(ウチの予想が正しければ…海未ちゃんはきっと…)

ツバサ「」ザッ

海未「」ダッ!

ツバサ「!?」ビシュッ

希(やっぱり走った!!)スッ

グンッ!

希(ぎゃあ!外に逃げてくスライダー!?)

希(くぅ…意地でも当てて…せめてファールに…!じゃないと海未ちゃんがかわいそうやん!)

希「たぁ!」コン
ボテボテ…

海未(上手い!ライン際です!!)ダン

海未(ホームベースは踏んだ!このまま切れなければ…一点です!!)

希(上手く行った!頼むから切れないで~!!)

ツバサ「くっ…!」

ツバサ(切れろ…!切れろ!)

コロコロ…ピタッ

審判「フェア!!」

にこ「よっしゃああああああ!スクイズ成功!!」

真姫「同点ね!!」

ツバサ(すっかりスクイズの事を忘れていたわ…私としたことが…)

希(あっっっっっぶなっ!!)ドキドキドキドキ

希(やっぱり海未ちゃんスクイズのサインと勘違いしてた…)

希(それにしても…あ、あんなに上手く決まるなんてなぁ…)

希(やっぱりうちって強運なんやなぁ…うわぁ、まだ心臓がばくばくしてる…)ドキドキ

希(死ぬかと思ったぁ…)

海未(あの球でスクイズを決めるとは…ナイスですよ!希!)グッ

にこ「しかもまだ一、三塁の大チャンス!!この調子で逆転よ!!」

真姫「…」

凛「…」

穂乃果「…」

絵里「…」

海未「…」

ガキン
パシッ
ビシュッ
パシッ
アウトー!
ビシュッ
パシッ
アウトー!
スリーアウトチェンジ!

にこ「…」スタスタ…

にこ「…てへぺろ☆」

海未「さ、守備につきましょう」

にこ「」

絵里「流石にスクイズ警戒されてたからスクイズ無理だったけどね…スクイズの方が良かったかしら…」

にこ「」

穂乃果「ファイトだよっ!」

にこ「…マジごめん」シュン

真姫「素直に謝れば良かったのよ…ったく。なーにがてへぺろよ」

にこ「いやん☆」テヘペロ

凛「ちょっと寒くないかにゃ?」

にこ「」

寝るます

おやすみ

ぼ再

どこで終わらせるかは決めてないけどいけるとこまではいきたい

絵里「」ザッ

ビシュッ!

希「」ズバン!

主審「ボール!!」

希(ダメだ…またボール先行のカウントに…なんでいつものピッチングが通じないん…?)

にこ「…」

にこ(さっきから妙だと思ったけど…なんとなく分かってきたわ…)

にこ「タイムお願いします!」

にこ「希!あんたもこっちきなさい!」

希「にこっち…?」

ザッ

絵里「どうしたのよ急に…」

にこ「どうしたもこうしたもないわよ!私はあんたたち2人に伝えたいことがあるからタイムをとったのよ!」

希「伝えたいこと…?」

にこ「はっきり言わせてもらうわ!あんたたちは、自分たちでは気づかない癖がある!」

絵里「癖…?」

にこ「ええ。絵里、あんたは高めに全力でストレートを投げるサインが出た時、首を縦に振る癖がある」

希「な!?」

絵里「待って。そんな癖だったら、とっくに希も気づいている筈じゃ…」

にこ「気づいていないわよ。だってこれは、あんただけの癖じゃなくてあんたたちバッテリーの癖なんだから」

希「ごめんえりち…まったく気づかなくて…」

絵里「いいのよ。気にしないで。次からは修正するから」

にこ「ダメよ」

絵里「え?」

にこ「ただ修正するだけじゃだめよ。これを逆手にとるのよ」

希「逆手にとる…?」

絵里「…」

希(逆手にとる、か…)スッ

絵里「」コクン

UTX3番「!」

UTX3番(高め…手を出すな)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

UTX3番「!?」

ズバン!

球審「ストライク!!」

UTX3番(低めのストレート!?まさか…さっきのタイムで、あの癖を…)

UTX3番(だとしたら…今までのやり方は通用しない…)

絵里「…」

絵里「」ザッ

UTX3番(今度は首を縦に振らない…なんでも首を縦に振るようにしたわけじゃないのか…)

ビシュッ!
ストン
ズバン!

球審「ボール!」

UTX3番(フルカウント…じっくり見ていこう)

絵里「」コクン

絵里「」ザッ
ビシュッ!

UTX3番(高めの絶好球!打てる!)

UTX3番「」ブン!

ズバン!

UTX3番「…!?」

球審「ストライク!バッターアウト!!」

UTX3番(ボールの下を振らされた…!?つまりあの球は…ボール球…!?)

UTX3番(ツースリーからあの球を投げてくるなんて…)

UTX3番(はっ!そういえばあの投手…投げる前に首を縦に…そして全力のストレートを高めに…)

UTX3番(どういうことだ…本当はまだ癖が直っていないのか…?)

にこ(くくく…思った通りね)

にこ(UTXの連中は頭がいい。だから深く考えすぎる)

にこ(こっちの手のひらで踊らされているとも知らずにね)

にこ(まあ…一部の、本当に頭がいいやつには見透かされるんだろうけどね…)

にこ(だけど…見透かすために払う代償こそ、私の本当の目的よ)

あんじゅ「」ザッ

絵里(来たわね…)

希(UTXの主砲…!)

絵里(さっきやられた借りは…きちんと返させてもらうわ)

あんじゅ(妙ね…もしかしたら癖に気づいて…)

あんじゅ(一球様子見ね…)

希(えりち!まずは…)スッ

絵里「」コクン

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ボール!」

あんじゅ(首を縦に振って高めのボール球…私が見抜いた癖通り)

あんじゅ(…まだ怪しいわね)

絵里「…」

絵里「」ザッ

ビシュッ!
ククッ
ズバン!

球審「ストライク!」

あんじゅ(首を振らずに高めにストレートもなし…まだ分からない)

あんじゅ(私の予想が正しければ…次で分かる)グッ

絵里「…」コクン

あんじゅ(首を縦に振った!)

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ストライク!!」

あんじゅ(低めのストレート…!なるほどねぇ…)

あんじゅ(一見、まだ癖が直っていないように見せかけて、それを利用していたと…)

あんじゅ(いい作戦だけど、ざーんねん。もう見抜いちゃったわ)

にこ(あの顔…バレたわね、こりゃ…)

にこ(だけど、わざわざ3球も待ってくれた!既に追い込んでいる!)

にこ(お膳立てはここまで!後はあんたたちに任せるわ!絶対に抑えなさいよ!)

絵里「…」

希(早くもこの作戦がバレるとはなぁ…でも追い込んだ。ここはこの球で…)スッ

絵里「」フルフル

希(えりち…!?)

あんじゅ(首を横に振った…?)

あんじゅ(今までそんなこと無かったのに…)

あんじゅ(キャッチャーのサインに従っていたのに…なぜ急に…)

あんじゅ(でも…なんなく分かるわ。サインに従わなかったってことは…)

あんじゅ(あなたが次に投げる球は、自分が一番自信のある球だってことが!)

あんじゅ(つまり…次の球は…)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

あんじゅ(ストレートよ!)

ストン

あんじゅ「なっ!?」ブン!

ズバン!

球審「ストライク!バッターアウト!」

あんじゅ(スプリット…!?)

絵里(よしっ!決まったわ!)

希(ストレートのサインに首を振った時は何事かと思ったけど…)

希(ある意味これは…ストレートを決め球とするえりちだからこそ出来た戦法やね…!)

にこ「よーし!!あのあんじゅは抑えたわ!!これからは小細工はいらない!!実力でねじ伏せるのよ!絵里!」

絵里「ふふ。言われなくても分かっているわ!」ニヤリ








その後、四回裏のUTXの攻撃は三人で終了。
続く五回表だが、ツバサの気迫の投球に押され、音ノ木坂は三者連続三振。
だが、絵里も負けじと気迫の投球を見せ、五回裏はUTXも三者連続三振となった。

そして迎えた、六回表の音ノ木坂の攻撃。
この回の先頭打者は絵里。

絵里「」ザッ

UTX捕(絢瀬絵里…今日、一番当ててきている…)

UTX捕(三振を狙うのは厳しい…打たせて取りましょう)スッ

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

絵里「」キィン!

UTX捕(な!?また初球打ち!?)

UTX遊「」ダッ!

UTX遊「」パシッ!

審判「アウト!!」

UTX捕(ほっ…危なかった…)

にこ「ああっ!惜しい!!」

海未「相手の守備が上手でしたね」

真姫「次は穂乃果…だけど」

希「まだ今日は一回もヒットが出ていない…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「」ザッ

ツバサ「…」ゴゴゴ…

穂乃果(次こそ…次こそは絶対に、打つ!!)ゴゴゴ…

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

よっしゃ、この試合のゴールが見えてきたで

明日明後日にはこの試合は終わらせるで

関係あるけど関係無いが、日本文理が凄かった(小並感)

寝るます
おやすみ

ぼ再

試合構成はもう完成した
後は文字にするだけやで

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

球審「ストライク!」

ツバサ「」パシッ

穂乃果「」グッ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

穂乃果(縦のスライダー!!)カッ

ガシャン!

球審「ファール!!」

絵里「バットには当たっている…」

にこ「後は前に飛ばすだけよ…!」

穂乃果(追い込まれた…)

穂乃果(一球外してくるか…それとも…)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!

穂乃果「!!」

穂乃果(この球は…!内角に入ってくるスライダー!ツバサさんの決め球!!)

穂乃果(打ちにいくしか…ないっ!)

穂乃果「」キィン!

ツバサ「!」

凛「キター!!」

あんじゅ「」パシィ!

ことり「ああっ!?」

凛「と、捕ったぁ!?抜けたと思ったのに!」

あんじゅ「」ダン

1塁審「アウト!!」

あんじゅ「ふう…」

にこ「ツーアウトか…!」

絵里「なかなかやるわね…」

海未「」キィン!

ヒュー…

UTX左「」パシッ!

審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」

真姫「この回も三者凡退か…」

にこ「きちんと守ってさっさと勝ち越すわよ!あんたたち!」

8人「おー!!」







希(この回の先頭は…)

ツバサ「」ザッ

絵里(ツバサ…!)

希(まだこの試合は送りバントを決めただけ…打者としての能力はよく分かっていない…)

絵里(9番打者だからと言って油断は出来ない…)

絵里「」ザッ
ビシュッ!

ズバン!

球審「ストライク!」

ツバサ(チームの方針で9番に甘んじているけど――)

ツバサ「」キィン!

絵里「!!」

ツバサ(打力ならチームの中でも上の方よ!)ダッ

花陽「」タタタ

コロコロ…

花陽「」パシッ ビシュッ!

にこ「」パシッ!クルッ

ツバサ「」ザッ!

にこ(いきなり二塁打か…!!)

にこ(しかも次のバッターは…!)

英玲奈「」ザッ

にこ(英玲奈…!UTXの精密機械…!!)

凛(なんだか嫌な予感がするにゃー…)ゾクリ

英玲奈「…」

希(この場面で来るか…うーん…やっぱり考えが読めんなぁ…正直言って苦手やん…)

希(とりあえず…ストレートが打たれてきとるし、まずは変化球で様子見やね)スッ


絵里「」コクリ

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ククッ

英玲奈(やはり変化球)キッ

英玲奈(読み通りだ)カッ

キィィィィィィィィン!

絵里「!!」

凛「」タタタ!

ゴン!
ボトボト…

凛(フェンス直撃…!)パシッ

ツバサ「よし!」ダン!

ツバサ(一点勝ち越し!)

英玲奈「」ダッ!

凛(三塁には…行かせない!)ビシュッ!

英玲奈「!」ピタッ

海未「」パシッ!

海未(2塁で止まりましたね…ナイスです、凛)

海未(ですが…状況は変わらないまま。ノーアウトランナー二塁…)

海未(そして…このまま2、3番を抑えたとしても…あんじゅさんと戦うことになる…!)

にこ(せめて一点…無理でも二点で抑えないと…!)

絵里「」ザッ

絵里「」ビシュッ!

UTX2番「」スッ

絵里「!」

UTX2番「」コン

絵里「」パシッ

英玲奈「」ザッ!

絵里(サードは無理ね…!)ビシュッ!

ことり「」パシッ!

1塁審「アウト!」

絵里「ほっ…」

絵里(なんとかワンナウト…だけどランナーは三塁…そして打順は3番)

UTX3番「」ザッ

絵里(スクイズの可能性もある…ここは慎重に投げなきゃね…)ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ボール!」

希(ランナーは動く気配無し…バッターもバントの構えすらしない)

希(だけどまだ判断するには早いか…ここは際どいコースを攻めながら様子を見よか…)スッ

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ストライク!」

絵里「…」パシッ

絵里(完全にスクイズする気は無しと…)

希(だったらもう、強気でいこう!えりち!)スッ

絵里(ええ!)コクリ

絵里「」ザッ
ビシュッ!

UTX3番「」ブン!

ズバン!

UTX3番「…!」

球審「ストライク!!」

絵里(これで…)ザッ

絵里(終わりよ!!)ビシュッ!

UTX3番「」キィン!!

絵里「!!」

希(マズイ!これは…捕れない球じゃない…けど!)

穂乃果「」タタタ

ヒュー

穂乃果「」パシッ

英玲奈「」ダッ!

穂乃果(タッチアップ!!)ビシュッ!!

英玲奈「」ザッ

英玲奈(この回2点目だ)

希(くっ…うまいところに打たれたなぁ…)

希(でも…ツーアウト。あと一つだけど…)チラッ

あんじゅ「」ザッ

希(ここでまた…優木あんじゅ…!!)

絵里(ここで抑えなきゃ…エースの名が泣くわね)

絵里(逃げはしない。全力で真っ向勝負よ!)

あんじゅ(二点取られてなお、動揺もせずに冷静に投げている…それどころか、私が打席に立った瞬間に闘志の炎が燃え上がっている…)

あんじゅ(果たしてその自信はあなたがエースであるところからくるのかしら?それとも、仲間を信頼しているところからくるのかしら)

あんじゅ(まあどちらでも構わないケド。私はどちらにせよ、あなたの自信を打ち砕いてやるわ)

あんじゅ(今ここで、このバットでね)ニヤリ

希(えりち…ここは小細工は無しやん)

希(ストレートでいこう!)

絵里「」ザッ

ビシュッ!!

あんじゅ「」カッ

ガシャン!

球審「ファール!」

希(初球から振ってきたね)

あんじゅ(ややボールの下を振らされたわね…本当に凄まじい球よ)

絵里(変化球はいらない…全部直球よ!!)ザッ

ビシュッ!

ギュオオオオオオオオオオオオ!!

あんじゅ(ふふ…捉えたわ…♪)ニヤリ

ブン!!

ズバン!!

あんじゅ「…!?」

希「…!」

球審「す…ストライク!!」

あんじゅ(そんな!?意識してボール一個分上を狙った筈…なのにまだボールの下を振らされていた!?)

絵里「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

あんじゅ(っ!つ…次こそはスタンドに放り込んでやるわ!)

あんじゅ(どうせ次の球も――)グッ

絵里「」ザッ

あんじゅ(ストレートよ!!)

絵里「」ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオ!

あんじゅ(ビンゴ!!)

あんじゅ「」キィン!!!

ギュン!!

絵里「」パシィッ!!!

シュウウウウウウウウ…

球審「あ、アウト!スリーアウトチェンジ!!」

絵里(ふふっ。私の勝ちね)ドヤァ

あんじゅ(くっ…完全に負けたわ…)スタスタ…

にこ(あ…改めて実感したわ…)

にこ(こいつ…仲間で良かったぁぁぁ…!)

にこ(敵にしたら厄介ってレベルじゃないわよこの子!だってこの子マジもんのバケモノじゃない!)

にこ(マジで仲間で良かったわ…!)

絵里「二点取られたなら取り返す!それが音ノ木坂の野球よ!」

絵里「さあ!この回で10倍返しよ!!ガンガン打っていきなさい!!」







希(とは言ったものの…)

ことり「ちゅん!」キィン!

ヒュー

UTX左「」パシッ

審判「アウト!!」

希(ウチ…打てる自信どころか…当てる自信すらないんやけど…)

希(まだバットに当たりすらしていないし…大丈夫かなぁ…)

絵里「希!!」

希「えりち…?」

絵里「あなたなら打てる!自信を持って!!」

にこ「そうよ!あんたなら打てる!!少なくとも私よりは打てるんだから自信を持ちなさい!」

希「えりち…にこっち…」

希「…ありがと。少し勇気が出たよ」ニッ

希「よーし!一発かましていこー!」

にこ「その息よー!!」

絵里「頑張れー!希ー!」

希(そうだ…迷いを捨てて自信を持って――)

ツバサ「」ビシュッ!

希(バットを振り抜く!!)キィン!

ツバサ「!!」

凛「三遊間抜けたー!」

穂乃果「希ちゃんナイス!!」

希(や…やった!打てた!)

にこ「っしゃあ!次は私の番ね!!」

穂乃果「にこちゃん…」

凛「にこちゃん…」

絵里「にこ…」

にこ「な、何よその目は!」

にこ「安心しなさい!ゲッツーにはならないから!!絶対に!!」







にこ「」コン

パシッ
ビシュッ
アウト!

にこ「どーよ!!送りバントを決めてやったわよ!!」

穂乃果「にこちゃん…!」

凛「にこちゃん…!」

絵里「にこ…!」

にこ「な、何よ?」

ほのりん「ナイスだよっ!」

絵里「よくやった!ハラショーよ!」

にこ「え?ま、まあね!当然よ!」

にこ(なんか凄く腑に落ちないけど…まあいっか)

寝る

もっと進むかと思ったけど無理だったな…

おやすみ

7回表っすね

ぼ再

今日中にこの試合に決着をつけると言ったが、あれは嘘だ

真姫(ツーアウトランナー2塁の絶好のチャンス!!)

真姫(…で、私に回ってくると)

真姫(私の今日の成績は…)

真姫(三振が二つ…)

真姫(左に変えて打てるようになったとは言え、GがEになった程度だからね…)

真姫(って、何を言っているのかしら…)

真姫(とにかく、せっかく回ってきたチャンスを無駄にするわけにはいかない)

真姫(絶対に打つ!!)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

真姫「」ブン!

ズバン!

真姫「っ!」

球審「ストライク!!」

真姫(明らかにボール球なのに!何振ってるのよ私!)

真姫(落ち着け…ボール球は振らずに、じっくり見ていきましょう)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ストライク!」

真姫「」

真姫(思いっきり入ってるじゃない…何故降らなかった…)

真姫(なんで私はボール球を振ってストライクを振らないの…!!)

真姫(…!!)ピキーン

真姫(そうだ、いいことを思いついた)

真姫(たとえボール球だったとしても、あまりにもストライクゾーンから大きく外れていたら打てないけど、ボール一個分外れている程度なら…打てないことはない)

真姫(だったらもう、あからさまなボール球以外はなんでも振ってやるわ!!少し外れていようが、無理矢理飛ばす!!)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

真姫「」キィン!!

ツバサ「!!」

絵里「打った!!右中間真っ二つ!!」

にこ「回れ~!!回れ回れ~!」

UTX中「」ビシュッ!!

真姫「」ザー!

UTX二「」パシッ!

二塁審「セーフ!!」

にこ「よっしゃあ!」

穂乃果「二、三塁のチャンスだよ!!凛ちゃん!!」

凛「任せるにゃ!!」

凛(正直、右打席じゃ打てる気がしないにゃ…)

凛(だから凛も、真姫ちゃんの真似をして…!)ザッ

ツバサ「!!」

にこ「凛も左打席に!?」

絵里「きっと凛なりの考えがある筈…凛を信じましょう」

凛「…」

凛(右打席だと…あの内角のスライダーはどうしても怖くって打てない…)

凛(でも左打席なら、怖く無いにゃ!!だから、思いっきりバットを振れる!)

ツバサ(何を考えているか分からないけど…私は手加減はしない。全力で投げさせてもらう!)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

凛(スライダー!)

凛「」キィン!!

ツバサ「!!」

穂乃果「おお!」

にこ「大きい!!これはもしかすると…」

絵里「入るかもしれないわ!」

英玲奈(まずい…!!入らないでくれ…!)ダッ

ゴン!

英玲奈「」パシッ

穂乃果「ああ!フェンスに当たった!」

絵里「もうひと伸びだったわね…」

にこ「だけどランナーは帰ってこれるわ!同点よ同点!!」

英玲奈(ホームには間に合わないが…)

英玲奈(三塁には行かせん!!)ビシュッ!

凛「にゃっ!」ズザー!!

UTX三「」パシィ!

3塁審「…!」

3塁審「セーフ、セーフ!!」

にこ「よっしゃあああああ!!」

穂乃果「三塁打だぁ!!」

絵里「よくやったわ!凛!!」

凛「へへへ♪」

にこ「この調子で勝ち越すわよぉ!!花陽ー!絶対に打ちなさいよー!!」

凛「かよちーん!!頑張るにゃー!!」

花陽「」ザッ

花陽(ここで打てば…勝ち越し!)

花陽(打たなきゃ…今度こそ!!)グッ

真姫「…」

ツバサ(驚いたわ…左であそこまで飛ばされるなんて)

ツバサ(あのスイングを見るに…左は初めてでは無いようね。おそらくもともと両打ち…だけど今大会は一度も左に立っていなかった。いざという時までとっておいたのね)

ツバサ(さて…この回だけど、おそらく二点で抑えられそうね)

花陽「…」

ツバサ(この子…どうも様子がおかしい)

ツバサ(試合に集中出来ていない感じ…)ザッ

ツバサ「」ビシュッ!

花陽「っ!」ブン

ズバン!

球審「ストライク!」

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!
グンッ!

花陽「ぴゃあ!?」ガキン

ヒュー…

ツバサ「」パシッ

審判「アウト!!スリーアウトチェンジ!」

ツバサ(やっぱりこの子…集中出来ていないわね)

花陽(まただ…!また余計なことを考えて…!)

真姫「…」

絵里「」ビシュッ!

UTX7番「」キィン!

真姫「」パシッ ビシュッ!

ことり「」パシッ!

一塁審「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」

にこ「よく3人で抑えたわ!絵里!」

穂乃果「絵里ちゃんナイス!!」

絵里「前の回でみんなが打ってくれたおかげよ!」

真姫「…花陽、ちょっといいかしら」

花陽「えっ?ど、どうしたの?」

真姫「聞きたいことがあるの。だから少し席を外すわよ」グイッ

花陽「ぴゃあ!?ひ、引っ張らないで~!」ズルズル

ガチャッ

バタン

凛「!」ピクッ

凛「かよちん…?」

花陽「ど、どうしたの?」

真姫「…どういうつもり?」

花陽「どういう…つもり…って…」

真姫「さっきからずっと集中出来ていないじゃない」

花陽「!」

花陽「そ、それは…」

真姫「何かあったの?」

花陽「っ…」

真姫「…図星みたいね」

真姫「ま、別に無理して言う必要は無いけど?」カミノケクルクル

真姫「ただ…言ってくれれば相談に乗るわよ。だ、だって仲間だし…」カミノケクルクル

花陽「真姫ちゃん…」

花陽「…あのね」

真姫「!」

花陽「実は…実は私……」

花陽「野球が…野球をするのが…」

花陽「怖く…なったの…」

真姫「…え?」

キィン!!

UTX左「」ダダダ

UTX左(届け…!)ダッ!

UTX左「」パシッ!ズザー!

審判「アウト!」

にこ「捕られた!?」

希「あれは相手のファインプレーやったね…」

にこ「ぐぬぬ!穂乃果ー!絶対打ちなさいよー!!」

穂乃果「うん!」



真姫「野球が怖くなったって…なんで急に…」

花陽「…試合に勝った後に、対戦相手の高校の人たちが…泣いているのを見てから…いろいろ考えるようになっちゃったんだ…」

花陽「そうしていろいろ考えているうちにね、私のプレイひとつで…誰かを泣かせてしまうんじゃないかって考えちゃって…」

真姫「花陽…」


ツバサ「」ビシュッ!!
グンッ!

穂乃果「!」ブン!!

ズバン!

球審「ストライク!バッターアウト!!」

穂乃果「…!」

穂乃果(また…また三振だ……!!)

穂乃果(ツバサさんのスライダー…まったくキレが落ちてない。それどころか、また一段と鋭くなっている!)


真姫「そんな…別にあなたのせいで誰かが泣くわけじゃないわ。野球は9人でやるものでしょ?」

花陽「分かってる。分かってるけど…考えちゃうんだ」

花陽「どうしても…チクチクするんだ。あの涙を思い出すと…この胸が…」


ツバサ「」ビシュッ!
グンッ!

海未「」ブン!

ズバン!!

球審「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!!

海未「申し訳ありません…」

絵里「気にすることないわよ。さ、次もきちんと守って最終回に勝ち越すわよ!!」


ガチャッ

真姫「!」ピクッ

凛「2人ともー!守備だよー!」

真姫「え!?もう!?」

花陽「あ、ありがと凛ちゃん!教えてくれて!」ダッ

凛「へへ♪お安い御用にゃ!」

凛「…」

凛(かよちん…)

真姫「何突っ立ってんのよ。私たちもいくわよ」ダッ

凛「え?う、うん!」ダッ

バタン

寝るます

明日こそ決着をつける

おやすみ

ぼ再

絵里「」ビシュッ!

UTX8番「」ブン!

ズバン!!

球審「ストライク!バッターアウト!」

絵里(まずは一人!そして…ここからが踏ん張りどころね)

ツバサ「」ザッ

絵里(ツバサ…!)キッ

絵里「」ザッ

絵里「」ビシュッ!

ツバサ(絢瀬さん。あなたにはこの試合で何度も初球を打たれてきたわ)

ツバサ(だから今度は私の番!!)キィン!

絵里「!!」

真姫「」ダッ

真姫(届かない!)

穂乃果「」パシッ

ツバサ(よし!)

絵里(ランナーを出してしまったわね…まさか初球から打たれるなんて…)

絵里(次のバッターは…)

英玲奈「」ザッ

絵里(1番厄介なバッターね…!!)グッ

絵里(最初の打席以外は全て打たれている…)

希(正直、力でごり押すことも読み合いで勝つことも難しい相手…)

希(三振をとるのはまず無理と言っていいやろね。ここは低めに球を集めて、打たせてとる。狙うはゲッツーやね)

絵里(りょーかい)コクリ

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ズバン!

球審「ボール!」

英玲奈「…」

絵里「…」パシッ

絵里「…」

絵里「」ザッ
ビシュッ!
ククッ
ズバン!

球審「ボール!」

英玲奈(球のキレはまだあるが、制球が少し乱れているな)

英玲奈(涼しい顔をしているが、やはり少なからず疲れが出ている…)

英玲奈(叩くならこの回だな…)グッ

絵里「」ビシュッ!

英玲奈「」キィン!

絵里「っ!」

絵里(センター返し…!)

凛「」パシッ ビシュッ!

ツバサ「」ザッ!

にこ「」パシッ

2塁審「セーフ!!」

絵里(ほっ…長打にならなかった分、まだマシね…)

絵里(ワンナウト一、二塁)

絵里(ゲッツーで仕留めて、四番に繋げさせないことが理想)

絵里(踏ん張れ…私!!)グッ

絵里「」ザッ

UTX2番「」スッ

絵里「!!」

ビシュッ!!

UTX2番「」コン

絵里(やっぱりうまくゲッツーはさせてくれないか…!)パシッ

ツバサ「」ズザー!

絵里(三塁は無理、素直に一塁ね)ビシュッ!

ことり「」パシッ!

1塁審「アウト!」

絵里(よし…ツーアウトね…!)

絵里(3番を抑えれば…4番には繋がらない)

絵里(点を取らさせないためにも…意地でも守り抜く!)

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオ!!

UTX3番「!!」

ズバン!

球審「ストライク!!」

絵里「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

UTX3番「っ!」

UTX3番(なんて気迫…!!)

UTX3番(でも…このチャンスを逃すわけには――)

絵里「」ビシュッ!!

UTX3番(いかない!!)キィン!!

絵里「!!」

絵里(またセンター返し!?)

凛「」パシッ

ツバサ(一点!)ダン!

ツバサ(そしてなおランナー一、三塁!まだまだチャンスよ!)

ツバサ(しかも次は、UTXが誇る4番打者!!)

あんじゅ「」ザッ

絵里「っ!」

絵里(まずいわね…4番に回さないどころか、こんなチャンスで回してしまうなんて…)

絵里(だけど、焦ってはダメよ絢瀬絵里。こういうときこそクールにならなきゃ)

絵里(おばあちゃんが言っていた。エースはクールであるべき。沸騰したお湯は蒸発するだけだ。と)

絵里(さあ…絢瀬絵里の本領発揮はこれからよ!)グッ

絵里「」ザッ
ビシュッ!!
ズバン!!

あんじゅ「…!!」

球審「す、ストライク!!」

あんじゅ(この土壇場にきて、まーだ球威が増すなんて…あなたも大概バケモノね…)

あんじゅ(けどね、今度はさっきのようにはいかないわ!)グッ

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオ!

あんじゅ(見えたッ!!ストレートッ!!)カッ

キィィィィィィィィィィィィン!!

絵里「!!」

ヒュー

あんじゅ(くっ…!高く打ち上げすぎた…!!)

絵里(ほっ。良かった。ライトの定位置に落ちるわね)

花陽(これで私が捕れば、スリーアウトでチェンジ…)

花陽(そして…次の回で逆転しなきゃ、私たちは負け――――)




ポトッ…

コロコロ…



花陽「――え?」



ツバサ「」ビシュッ!

ことり「」ブン!

ズバン!

ことり「…!」

球審「ストライク!バッターアウト!!」

穂乃果「3点差なんて…どうすれば…」

花陽「私が…あの時捕っていれば…!!」ポロポロ

花陽「ごめんなさい…!グスッ…ごめんなさい…!」ポロポロ

凛「かよちん…」

絵里「花陽のせいじゃないわよ…打たれたのは私。私に責任があるわ…」

穂乃果「私にだって…私にだって責任があるよ…!この試合…全然打てなかったからっ…!」

真姫「…」

真姫(終わり…か)

真姫(このメンバーで…行きたかったな…ラブベースボール)

海未「…」グッ

海未(せっかく…9人集まったのに…!)

海未(ここまで来て…終わりだなんて…!


にこ「…」バン!

穂乃果「」ビクッ

穂乃果「にこちゃん…?」




にこ「さっきから話は聞いたら…揃いも揃って責任がどうとか」

にこ「何が責任だ!!何が打てなかっただ!!試合はまだ終わっていないでしょうが!!」

穂乃果「でも…」

にこ「3点差がどうしたって言うのよ!」

にこ「音木坂は打たれたら打ち返すチーム!!そうでしょ!!」

にこ「あんたがしっかりしないでどうするのよ!!あんたはキャプテンでしょうが!!」

穂乃果「にこちゃん…」

にこ「私はまだ諦めない!!三つ目のアウトを取られるまでは、絶っっっっ対に諦めない!!」



ツバサ「」ビシュッ!

希「」ブン!

ズバン!

希(そんな…!)

球審「ストライク!!バッターアウト!!」



にこ「…私の番みたいね」

にこ「終わらせたりしないわよ…!!まだ、始まったばかりのこの奇跡を!!」

にこ「こんなところで終わらせてたまるもんか!!」


寝る

今日こそ終わらせるよこの試合は

おやすみ

ぼ再

今日こそ決着をつけるこの試合

多分ね

ツバサ「」ビシュッ!

にこ「」ブン!

ズバン!

球審「ストライク!!」

にこ「ぐ…!」

にこ(私が1年の頃から廃部寸前の野球部を守ってきて…やっと、やっと奇跡が起きてくれた!!)

ツバサ「」ビシュッ!!
グンッ!

にこ「」ブン!!

にこ(絶対に…終わらせない。もし終わるようなことがあるとしたら――)グッ

ツバサ「」ビシュッ!
ギュオオオオオオオオ!

にこ(この手でもう一度ッ!!奇跡を起こしてみせるッ!!)

グンッ!

にこ(スライダー!!見えたッ!!)

にこ「」キィン!!

ツバサ「な!?」

UTX二「」ダッ

UTX二(届かない…!!)

にこ「よしっ!!」グッ

ツバサ(まさか打たれるなんて…今までで一番いいスライダーだと思ったのに…)


穂乃果「打った…!?にこちゃんが…ツバサさんの球を…!?」

絵里「あのにこが…」


にこ(見てなさい…!野球ってのは最後の最後まで分からないスポーツだってことを、思い知らせてやるんだから!!)ザッ



真姫(まさか…にこちゃんが打つなんて…)

真姫(でも点差は3点…たった一人のランナーが出たところで…逆転なんて………)

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!!

にこ「」ダッ!

ツバサ「!?」

真姫「!?」

ツバサ(走った!?)

UTX捕「」ズバン!

球審「ボール!!」

UTX捕(間に合わないか…!!)ビシュッ!

にこ「」ザッ!!

UTX二「」パシッ!

二塁審「セーフ!!」

英玲奈(…驚いたな)

英玲奈(矢澤にこは、特に足が速いわけでもなく、盗塁が上手いわけでも無い)

英玲奈(それなのに…9回の表、ツーアウト。自分がアウトになれば負ける場面でためらいなくスタートを切るなんて…)

にこ「はぁ、はぁ…」

にこ(野球部に最初に訪れた時…目を疑ったわ)

にこ(部員は私を含め総勢四人。私以外は上級生だった)

にこ(しかも…野球部とは名ばかり。先輩達は部室にたむろって遊んでいただけ。野球なんかこれっぽっちもしやしない)

にこ(だから私は、野球部を変えようとした)

にこ(ビラを配って部員を集めたり、私だけでも練習して、先輩達に練習をするように促したりした)

にこ(でも、結果は散々だった)

にこ(私が野球部を変えようとして得た結果は、孤独だった)

にこ(先輩達も、新しく入ってきた人たちも、次々と辞めていった)

にこ(クラスでも孤立していって…正真正銘、ひとりぼっちになった)

にこ(何もかも野球のせいだ。そう思っていた)

にこ(だけど…やっぱり、野球が好きって気持ちは消し切れなくて)

にこ(前の生徒会長が、廃部にするって言った時は、わざわざ頭を下げにいって、なんとか廃部は見送ってもらった)

にこ(だけど…結局、部員は集まらず)

にこ(来年度には廃部だろうと諦めかけていた)

にこ(その時…奇跡は起きた)

にこ(穂乃果、あんたがいたからこうして私は野球をやっていられる)

にこ(いや…あんただけじゃない。海未、ことり、凛、花陽、真姫、絵里、希。みんながいてくれたから、野球をやれる)

にこ(私はまだ野球をやりたい。ただ続けるだけじゃダメ。このメンバーと一緒に続けていきたいの!だって、みんなは私にとっての奇跡だから!!)

ツバサ「」ザッ

にこ「」ダッ!

ツバサ「!?」ビシュッ!

真姫「!?」

ズバン!

UTX捕「」ビシュッ!

にこ「」ズザー!!

UTX三「」パシィ!!

三塁審「…!!」

三塁審「せ…セーフ!!セーフ!!!」

ツバサ(最終回、ツーアウトで三盗するなんて…!!)

英玲奈(信じられん…)

あんじゅ(暴走もいいとこよ…!一体何を考えてあんなことを…)

にこ「はぁ、はぁ…」

にこ「へへ…打てないあんたのために…わざわざここまで来てやったわよ…!」

真姫「にこちゃん…」

にこ「ここなら…単打でも一点は入るわ…だから絶対に打ちなさい…」

にこ「どうせなら…この前みたいに…特大ホームランを見せてもいいのよ…!!」ニヤッ

真姫「…」

真姫(ほんと…馬鹿な先輩ね)

真姫(あんなにボロボロになって、あんなリスクまで冒して…本当に、バカみたい。けど――)

ツバサ「」ザッ

にこ「」ダッ!

ツバサ「!?」ビシュッ!!

ツバサ(ホームスチール!?いや、これは――!!)

真姫(そんな馬鹿な先輩に付き合う私も、大概馬鹿なヤツよねっ!!)スッ

真姫「」コン
ダッ!!

ツバサ(セーフティスクイズ!!)ダッ!

ツバサ(くっ!)パシッ

ツバサ(ホームは間に合わない…ファーストよ!!)ビシュッ!!

真姫(間に合えッ!!)ダッ

真姫「」ズザー!!

あんじゅ「」パシッ!!

一塁審「セーフ!!セーフ!!」

真姫「よしっ!!」グッ

にこ「まずは一点!!」ニッ

ツバサ(まさか…最終回、ツーアウトの場面でセーフティスクイズなんて…!!)

あんじゅ(少しでも失敗していたら試合が終了するっていうのに…どんな脳みそしていたらこの局面でセーフティスクイズを仕掛けようと思うのかしら…!)

英玲奈(矢澤にこが三塁に立った時のセリフ。あの時のセリフで、内野陣はおろか、バッテリーの頭からも、完全にバントの可能性が消えていた)

英玲奈(まあ…この場面でセーフティスクイズを考える方がおかしいのだがな)

英玲奈(つまり、意表を突かれたというよりも、相手の賭けが成功したと言った方が正しいか…)

英玲奈(何にせよ、正気の沙汰では無いだろうな)

真姫「凛!!あんた、ここで簡単に終わったら承知しないわよ!!」

凛「…うん!!」

凛(にこちゃんも真姫ちゃんも、まだ諦めていない。あんなに必死に食らいついてるんだ)

凛(だから凛も…諦めない!三つ目のアウトがとられるまでは、絶対に諦めない!)グッ

ツバサ「!!」

ツバサ(また左打席…まさか…)

ツバサ「」チラッ

UTX三「!」

ツバサ「」チラッ

UTX一「!」

ツバサ(私の予想が正しければ…)ザッ

凛「」スッ

ツバサ(やっぱりセーフティ…いや、構えるのが早い!?)ビシュッ!!

UTX三「」ダッ!

UTX一「」ダッ!

ツバサ(違う!!これはまさか…!!)

凛「」スッ

UTX一&三「!?」

ツバサ(バスターかッ!!)

凛「」キィン!

真姫(ナイスよ!!凛!!)ダッ

UTX左「」パシッ

凛「やった!!ツーアウトランナー一、二塁!!」

真姫「得点のチャンス…次のバッターは…」

花陽「」ザッ

花陽(私の…私の番だ…)ガクガク…

真姫「…」

真姫「あの、タイムお願いしてもいいでしょうか?」

審判「タイム!」

真姫「凛!あんたも来なさい!」

凛「ガッテン承知にゃ!!」

花陽(ここで打たなきゃ…!!絶対に打たなきゃ…!!)ガクガク

真姫「花陽」凛「かーよちん!」

花陽「」ビクッ

花陽「真姫ちゃん…凛ちゃん…」

真姫「…失敗を恐れるな」

花陽「え?」

真姫「花陽、さっきの馬鹿な先輩の暴走を見たでしょ?なんで、あの時…にこちゃんはあんなことをしたと思う?」

花陽「それは…」

真姫「失敗を恐れなかったから」

花陽「!」

真姫「あの人は失敗することを恐れなかったから、そうでしょ?」

花陽「…!!」

真姫「あの時だけじゃない。にこちゃんは、失敗を恐れず、常に前に進み続けている」

真姫「いつだって、野球に真剣なのよ。いつだって、悔いが残らないように全力でプレイしているのよ」

真姫「にこちゃんだけじゃない。他のみんなも、私と凛だって。いつでも全力よ。ねぇ、凛」

凛「うん!凛はいつでも全力全開だよ!」

真姫「それに、私たち音ノ木坂の部員だけじゃない。今まで戦ってきた、他の高校の人たちも、みんな全力だった」

花陽「…!」

真姫「ねぇ、花陽。なんで…試合に負けた人たちが泣いていたと思う?」

花陽「そっ、それは…試合に負けたから…」

真姫「50点ね」

真姫「全力を振り絞って、精一杯戦ったのに、負けてしまって悔しいから。これが…私なりの模範解答よ」

真姫「花陽。あなたは優しい子よ。だから色々考えちゃうかもしれない。勝負っていうのは…その漢字が示すように、勝ちと負けがある」

真姫「けれど、その勝敗が誰のせいと決めるのはとんだお門違いよ」

花陽「真姫ちゃん…」

凛「かよちん、凛は…真姫ちゃんやかよちんみたいに頭が良くないから…難しいことは分からない」

凛「でもね、これだけは分かる!」ギュッ

凛「今のままじゃ、かよちんは絶対後悔しちゃうよ!!」

凛「だから…かよちん!!この打席…全力でプレイしよう!!全力で…野球を楽しもう!!」

花陽「凛ちゃん…!」

真姫「ま、そーいうこと。凛の言う通りよ」

真姫「言っとくけど、私たちはみんな…それに、対戦相手のUTXのみんなも、この試合がどんな結果になろうと、誰かのせいにすることは無いわ。そう言い切れる自信もある」

真姫「とにかく…この打席からは全力全開よ!!思いっきりやりなさい!悔いが残らないようにね!」

凛「かよちん!ファイトにゃ!!」

花陽「…!うん!!」

花陽(ありがとう…2人とも)グッ

ぐわあああああまた決着がつかなかった!

眠い寝る!

次こそ決着つけるから!

本当だぜ!?

おやすみ

ぼ再

決着つけるぜ

花陽(そうだ…みんな同じだったんだ)

花陽(みんな全力で野球をやっていたんだ)

花陽(なのに私は…!!勝手に勘違いして、悩んで…全力を出し切れて無かった)

花陽(そんなんじゃ…全力を尽くしている人たちに失礼だよ!!)

ツバサ「」ザッ

花陽(大切なことは、誰も涙を流さないことじゃない)グッ

ツバサ「」ビシュッ

花陽(本当に大切なことは――)

ギュオオオオオオオオオオ!!

花陽(全力には、全力で応えることだ!!)

グンッ!!

花陽「」カッ

キィン!!

ツバサ「!!」

ツバサ(そんな!?)

絵里「右中間!!抜けた!!」

にこ「回れぇぇえええええええええ!!!」

真姫「よし!!」ダン!

UTX右「」パシッ

UTX右「くっ!」ビシュッ

花陽「」ズザー!

UTX二「」パシッ!!

二塁審「セーフ!!」

花陽「や、やったぁ!!」

凛「かよちんナイスにゃー!!!」ニッ

真姫「よくやったわ!!花陽!!」ニコッ

花陽「ふ…2人とも…!!」ウルウル



にこ「ちょっとー!!まだ泣くには早いわよー!!」

花陽「ご、ごめん」ゴシゴシ

花陽(ありがとう、2人とも…!)

真姫「エリー!!二、三塁のチャンスよ!!」

絵里「ええ。絶対にランナーを帰すわ!!」

UTX捕(絢瀬絵里…この試合で、一番当たっている打者…)

UTX捕(おそらく、この試合においてはもっとも注意すべき打者)

UTX捕(得点差は一点…状況はランナー二、三塁)

UTX捕(仮に打たれたとして、裏で取り返すという手もあるが…どうするか…)

UTX捕(…次の四番、高坂穂乃果は…この試合、ヒットは無し)

UTX捕(…)

UTX捕「」スッ

ツバサ「!!」

ツバサ「…」

ツバサ「」ザッ

UTX捕「」スクッ

ツバサ「」ビシュッ

ズバン

絵里「!」

球審「ボール!!」

真姫「敬遠…?」

にこ「なるほどね…あえて穂乃果との勝負を選んだ…ってわけね」

にこ(いや…今日の穂乃果の成績を考えたら…妥当な策かもしれないわね…)

ツバサ「」ビシュッ

ズバン

球審「ボール!フォアボール!!」

絵里「」スタスタ…

穂乃果「…」グッ

にこ「穂乃果!!」

穂乃果「」ピクッ

にこ「私はヒーローにはなれない。私はせいぜい、かませ犬かヒーローの引き立て役にしかなれない」

にこ「けど、あんたはヒーローになれる」

穂乃果「にこちゃん…」

にこ「さあ!!今からヒーローになってきなさい!!」

穂乃果「…うんっ!!」

穂乃果「」ザッ

穂乃果「」スッ…

ツバサ「!!!」

あんじゅ「ふーん…」

英玲奈「…」

海未「ほ、穂乃果!?」

ことり「予告ホームラン…」

にこ「ぷっ!粋な真似してくれるじゃない、あの馬鹿」ニッ

ツバサ(ふふ…この私に対して予告ホームランか…)

ツバサ(…燃えてきたッ!!)ニヤリ

ツバサ「」ザッ

ビシュッ!!
グンッ!!

穂乃果「」カッ

ガシャン!!

球審「ファール!!」

UTX捕(いきなり当ててきた!?)

穂乃果「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

UTX捕(!!)ゾクッ

UTX捕(だ、ダメだ…次は縦のスライダーで…)

ツバサ「」フルフル

UTX捕「!?」

UTX捕(ツバサさん!?まさか…またスライダーを投げるつもりじゃ…)

ツバサ「」ザッ

ビシュッ!!

グンッ!!

穂乃果「」ブン!!

UTX捕「」ズバン!!

UTX捕「…!!」

UTX捕(な…なんてことだ…!!スライダー狙いのバッターに対して、スライダーで空振りをとるなんて…!!)

ツバサ「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

UTX捕(いや…もはやこの勝負、生半可な球では勝負にならない!!)

UTX捕(ツバサさん、あなたの判断に全てを委ねます!!)スッ

ツバサ「」ビシュッ!!

穂乃果「」キィン!!

審判「…!」

審判「ファール!!」

にこ「惜しい!!もう少し右!!」

海未「でもバットに当てています!!穂乃果なら打てます!!」

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!!

穂乃果「」キィン!!

ギュン!!

にこ「ぎゃあ!!」ビクッ!!

ガシャン!!

審判「ファール!!」

にこ(危なっ!!)

ツバサ「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

穂乃果「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ツバサ(私は今…この状況を、最高に楽しんでいる!!)

穂乃果(打てなきゃ負けなのに、ワクワクが止まらない!!)

穂乃果&ツバサ(こんなに燃えるような気持ちは初めてだ!!)

穂乃果(絶対に!!)グッ

ツバサ(負けられない!!)ザッ

にこ「ワインドアップ!?」

希「次の球に、全力をかけるみたいやね!!」

ツバサ(私はッッッ!!限界を超えるッッッ!!!)ビシュッッ!!

ギュオオオオオオオオオオ!!

穂乃果(血が出るくらいバットを振った。お小遣いを貯めてバッティングセンターに通ったりもした。そして、みんなと一緒に練習して、私は…私たちは成長していった!!)

穂乃果(今!!ここで!!)

穂乃果(これまでやってきたことを!!全部を!!みんなの想いを!!!このボールに――)

グンッッ!!

穂乃果(ぶつけるッッッ!)カッ

キィィィィィィィィィィィィィィィン!!!

ドン!!

ツバサ「……!」

穂乃果「は…入った…」

穂乃果「は、は、は…!!」

穂乃果「入ったああああああああ!!!」ダッ

ツバサ「ふふ…私の負けよ、高坂さん」

海未「穂乃果ぁああああ!!」ギュッ

ことり「穂乃果ちゃあああん!!」ギュッ

穂乃果「わわ!!暑苦しいよー!!」

にこ「ふん。ほんと、たいしたもんね」ニッ

絵里「ええ。まったく」ニコッ

UTX捕「ツバサさん…」

ツバサ「…まだ試合は終わって無いわ」

UTX捕「!!」

ツバサ「野球は…ここからが本番よ」

UTX捕「…!はいっ!!」

ズバン!!

海未「…!」

球審「ストライク!!バッターアウト!!スリーアウトチェンジ!!」

海未(打たれたことをものともせず…まだあんな球を……!!)

穂乃果「みんな!!円陣を組もう!!」

ザザッ!

穂乃果「最終回!!最後の最後まで、気を引き締めていこう!!!」

8人「おー!!」

ツバサ(最終回…得点差は3点。打順は6番から。ふふ…そっくりそのまま返されるとはね)

ツバサ(でも…私たちだって負けない。負けたくない!絶対に勝つ!!)

絵里「」ビシュッ!!

UTX6番「」キィン!!

絵里「!!」

にこ「にっ!!」ダッ!

にこ「」パシッ!

にこ「こっ!!」ビシュッ!!

ことり「」パシッ!

一塁審「アウト!!」

絵里「にこ!!ナイス!!」

にこ「当然よ!!」ニッ

絵里「」ビシュッ!!

UTX7番「」キィン!!

絵里「!!」

ツバサ「よし!!」

あんじゅ「ランナーが出た!!」

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

UTX8番「」キィン!!

凛「」ダダダ!!

凛「にゃっ!!」ダッ!パシッ!

凛「」グルン

審判「アウト!!」

穂乃果「凛ちゃんナイス!!」

凛「えへへ、それほどでも~」ニッ

真姫「ツーアウトよ!!あと一つ!!まだまだ気を引き締めていくわよ!!」

ツバサ「…」ザッ

絵里「…」

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

ズバン!!

ツバサ「…!!」

球審「ストライク!!」

ツバサ(ここにきて、また球威が増している…!!)

ツバサ(けど、そんなことは関係ない!)

絵里「」ビシュッ!

ツバサ(私は…それでも打つ!!)

ツバサ「」キィン!!

眠いッッッ!!

寝るッッッッ!

次こそ決着だから!!これは本当だから!!今度は決着詐欺じゃないから!!!

おやすみ

ぼ再

この試合は終わらせる

絵里(ツーアウト一、二塁…)

英玲奈「…」ゴゴゴゴ…

絵里(…ランナーなんか気にしてられないわね)

絵里「」ザッ
ビシュッ!!

ギュオオオオオオオオオ!!

英玲奈(悪いが、私たちも負けるわけにはいかないんだ)

英玲奈(いや、違うな…)

英玲奈(私は…)グッ

英玲奈(負けたくない!!)キィン!!

ギュン!!

絵里「っ!」

UTX7番「」ダン

絵里「くっ…!」

絵里(一点取られた…しかもランナー一、三塁…)

絵里(まるで、さっき私たちがやったことをそのまま返された気分ね…)

UTX2番「」ザッ

絵里(弱気になるな…私。強気よ、強気…)ザッ

ビシュッ!!

UTX2番「」キィン!!

絵里「!?」



穂乃果「」パシッ

穂乃果「だあ!!」ビシュッ!!

ツバサ「」ザー!

希「」パシッ!

審判「セーフ!!」

ツバサ「よし!!2点目!!」

絵里「……!!」

絵里(また…打たれた…!!)

絵里(後一点で同点…後二点で……逆転サヨナラ)

絵里(冷静になりなさい…私。私がしっかりしなくちゃダメなんだから…!!)ザッ

絵里「!?」ビシュッ

UTX3番「っ!!」ドゴッ

球審「デッドボール!!」

絵里「…!!」

絵里(一点差…ツーアウト満塁…!!)

絵里(しかも次のバッターは…)

あんじゅ「…」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

絵里(はは…手が震えてる)ガタガタ

絵里(自分で自分は強いと思っていたのにね…)

絵里(負けるのがこんなに怖く感じるのは、初めてだわ…)

希「えりち!!」

絵里「希…」

希「この勝負…うちは、えりちの一番自信のある球だけを要求する」

希「だからえりちは…うちのミットに向かって、全力で投げてくるんよ!!」ニッ

絵里「…!!」

絵里(ありがとう、希)

あんじゅ「…何を話したのかしらねぇ」ボソッ

希「全力で投げろ、って言っただけやん」ボソッ

あんじゅ「ふぅん…」

絵里(いくわよ…希!!)ザッ

絵里「」ビシュッ!!!

ギュオオオオオオオオオ!

希「」ズバン!!!

あんじゅ「…!?」

球審「す、ストライク!!」

希(くぅ…!手がビリビリする…!!)

あんじゅ(まだあんな球を投げられるの…!?信じられないわ…!)

絵里(まっすぐ、ただまっすぐ――)ザッ

絵里(貫いていく!!)ビシュッ!!

あんじゅ「」ブン!!

ズバン!!

球審「ストライク!ツー!!」

あんじゅ(そんな…!!バットにかすりもしないなんて…!)

あんじゅ(でも…負けられない!!)

あんじゅ(ツバサのためにも、UTXの仲間のためにも!そして…)グッ

あんじゅ(負けたくない!!一人のプレイヤーとして!!)

絵里「」ザッ

ビシュッ!!!

ギュオオオオオオオオ!!!

あんじゅ(絶対に!!負けたくない!!!)カッ

キィィィィィィィィィィィィィィン!!

花陽「」ダッ!!

花陽(まだ…まだ分からない!!最後の最後まで!!」

凛「かよちん!!」

ツバサ(入れ!!!)

花陽(届け…!!!)ダダダ

英玲奈(入れ…!)

花陽(届け……!!!)

あんじゅ(入れええええええ!!)

花陽(届けええええええ!!!)ダッ!!

花陽「っ!!」ドンッ!!

花陽「うっ…」ドサッ

凛「かよちん!!!」ダッ

凛「かよちん!!大丈夫!?」

花陽「はぁ…はぁ……」プルプル…

凛「かよちん……?」

凛「ぼ……ボール……?かよちんのグラブにボール…?」

凛「…ってことは………」



審判「あ…」

審判「アウトォ!!ゲームセットッッ!!!」



凛「か…勝った……」


凛「勝った!!勝ったんだ!!!勝ったんだよかよちん!!うわああああああああん!!」

花陽「や…やった…!!勝った…!勝ったああ!!」

凛「かよちーん!!」ギュー

花陽「凛ちゃあああん!!」ギュー

穂乃果「勝ったあああああああ!!」ダダダダダダ

穂乃果「勝ったよおおおお!!」ダッ!

海未「ぐふっ!?」ドゴッ!!

穂乃果「勝ったよ!!あのUTXに勝ったんだよ海未ちゃん!!」ギュー!!

海未「そ、そうですね…」

穂乃果「ちょっと~!海未ちゃんもっと喜ぼうよ~!」

海未「いや…う、嬉しいし喜びたいですけど…さ、さっきの……一撃…が……」ガクッ

穂乃果「海未ちゃあああああん!?」



希「えりち!!やったよ!!勝ったよ!!」

絵里「ふふ…そうね」

希「えりち…?嬉しく無いん?」

絵里「嬉しいわよ。嬉しいけど…」

絵里「えへへ…疲れちゃって、何も言えないわ」

希「…ふふ。そーいうことやったんね」

希「お疲れ様。えりち。よく投げ切ったよ」ニコッ

絵里「…ありがと。希」ニッ

にこ「終わっ…た……」バタン

ことり「に、にこちゃん?」

にこ「あの時あんな風にカッコつけたけど…本当は打てるか不安で…打てて良かった……勝てて良かったよぉぉおお!!うわああああああん!!!」ポロポロ

にこ「良かったよおおおお!!本当に勝てて良かったああああああああ!!」ポロポロ

ことり「にこちゃん…」

真姫「ふん。泣くなんて大げさね」

ことり「でも真姫ちゃんだって…泣いてるよ?」

真姫「ち、違うわよ!!これは…せ、青春のダイヤモンドなんだから!!」グスッ




あんじゅ「負けたわね…」

英玲奈「ああ…」

ツバサ「…」

ツバサ(あなたたちなら…きっと、もっと高みにいける)

ツバサ「」クルッ

あんじゅ「どこに行く気?」

ツバサ「…人のいないところよ」

英玲奈「…そうか」

あんじゅ「…後で私にも、その場所教えなさいよ」

ツバサ「…うん」

ガチャッ
バタン

決着ついた

寝る

ちなみにまだ続くよ

おやすみ

ぼ再

試合はすっ飛ばしつつも決勝戦まではやりたいです(震え声)

翌日

カラオケにて

穂乃果「ラブベースボール出場おめでとう!!かんぱーい!!」

8人「かんぱーい!!」

ワイワイガヤガヤ

絵里「いやあ、色々あったわね……」

希「そうやねぇ…」

にこ「ほら!!あんたたちも歌いなさいよー!!」

絵里「はいはい」

希「にこっち元気やなあ」

凛「かよちん!!真姫ちゃん!飲みもの持ってきたよ!!」

真姫「いつの間に…」

花陽「凛ちゃんありがとう」

真姫「」ゴク…ピタッ

真姫「…ちょっと。何これ。変な味がするんだけど」

凛「…えへ☆」

真姫「えへじゃないわよ!!あんたこれ、混ぜたでしょー!」ギュー

凛「いひゃいいひゃいしていひゃい!!ほっへほへひゃうひゃー!!」

花陽「ごはん頼んでもいいですか?」キラキラ

穂乃果「よーし!!次は海未ちゃん!!」

海未「ええ!?わ、私ですか!?」

ことり「海未ちゃんがんばって~♪」

海未「仕方ないですね…」







穂乃果「いや~、歌った歌った~♪」

花陽「お腹いっぱい…」

真姫「いや…それはおかしい」

絵里「zzz…」スヤァ

希「えりちぐっすりやなあ」

にこ「今日はめいいっぱい遊んだことだし、明日からまた練習よ!!」

穂乃果「えー…明日はまだ休みでいーじゃん!!」

凛「そうにゃそうにゃ!!」

にこ「よくなーい!!ラブベースボールに備えて練習しなきゃダメでしょーが!!」

海未「しかし…まだみんなの疲労もとれていませんし…」

ことり「さすがに明日くらいはゆっくりしてもいいんじゃないかな?」

にこ「ぐ…そう言われてみればそうかも」

にこ「…はぁ。仕方ないわねぇ。じゃ、明日は休み。明後日からまた練習よ。いいわね!?」

穂乃果「はーい!」

凛「にこちゃん話が分かるにゃー!!」







穂乃果「だは~。練習疲れた~」

凛「くたくただにゃー…」

穂乃果「そうだ!!ねぇねぇ凛ちゃん、ラーメン食べに行かない?」

凛「おお!!いいね♪行こ行こ!」

海未「はぁ…太りますよ?」

穂乃果「動いてるから大丈夫だって。そーいうわけだから、私は先に帰るね。海未ちゃん、ことりちゃん」

ガチャッ

バタン


にこ「……」

絵里「……」

真姫「……」









にこ「ねぇ、最近穂乃果の様子がおかしいと思うんだけど」ブン!

真姫「同感。穂乃果ってば、最近おかしいわ」

真姫「なんというか…練習をただこなしているだけ、って感じなのよね。サボってるわけじゃないし、やる気がないわけじゃないんだけど…」

絵里「以前のような熱さがない…ってことかしら」

真姫「まあ、そんな感じかしら」

にこ「それだけじゃないわよ」ブン!

にこ「あいつ…前までここで毎日素振りをやっていたのに、UTXに勝ってからまっっったく来なくなったわ」ブン!

にこ「ったく…これからラブベースボール本戦だっていうのに、何やってんのよあいつ…!!」ブン!

真姫「UTXに勝ってからよね…変になったのって」

にこ「勝って天狗になったのよきっと!!」ブン!!

絵里「…私の勝手な憶測なんだけど」

にこ「ん?」ピタッ

絵里「穂乃果は…もしかしたら、燃え尽きたのかも…」

にこ「はぁ?」

真姫「燃え尽きたって…これから本戦だっていうのに、早すぎない?」

絵里「穂乃果にとっての目標は…たぶん、ラブベースボール優勝じゃないんだと思うの」

にこ「じゃあなんだっていうのよ?」

絵里「…ラブベースボールに出場すること。それが目標だった」

絵里「もっと言えば…UTXに勝つこと。ツバサに勝つこと。それが一番の目標だった」

真姫「なるほどね…なんか納得した」

にこ「いや、私は納得できないんだけど!!」

にこ「まだラブベースボール優勝って目標が残ってるじゃない!!」

絵里「穂乃果にとって…ラブベースボール優勝っていう目標は、無いものかもしれない」

絵里「あの子のことだから…UTXに、ツバサに勝つことしか考えてなくて、その先のことを考えていなかったに違いないわ」

にこ「……ごもっともすぎて何も言えないわ」

真姫「でも、キャプテンがあのままじゃチームとしても問題だし…なんとかしなきゃマズイんじゃないの?」

にこ「そうは言ったって…どうすりゃいいのよ?」

絵里「……新しい目標…」

絵里「新しいライバルが現れてくれれば、きっと……」







にこ「次!!レフト!!」キィン!!

ヒュー

穂乃果「わわっ!!にこちゃん飛ばしすぎだよー!!」タタタ

ボトッ

コロコロ…

穂乃果「はぁはぁ…」タタタ

「…」ヒョイ

穂乃果「うぇ?」

ツバサ「相変わらず練習をがんばっているようね。穂乃果さん」ニコッ

穂乃果「つ、ツバサさん!?」

ツバサ「こんにちは。音ノ木坂の皆さん」

絵里「えっと…一応聞くけど、何か用があって来た…のよね?」

ツバサ「ええ。もちろん」

穂乃果「何かあるんですか?」

ツバサ「実は…私たちUTXは、合同合宿を予定していたの」

ことり「合同合宿?」

ツバサ「その合同合宿の相手を探していたのだけれど…」

ツバサ「その件について、あなたたちに話があるの」

にこ「ま、まさか!!」

花陽「私たちがその合同合宿に!?」

ツバサ「ふふ。その通りよ」

花陽「い、いいんですか!?」

ツバサ「あなたたちが参加したいというなら、快く参加を認めるわ」

にこ「も、もちろん!!参加します!いや、参加したいですとも!!」

ツバサ「他のみんなは?」

花陽「ぜ、是非!!是非とも参加させてください!!」

凛「かよちんがそう言うなら凛も参加するにゃー」

海未「あのUTXと共に練習出来るなんて…2度ととないチャンスです!!是非参加させてください!」

真姫「確かに…UTXと練習なんて、めったに無いわね。私も参加したいわ」

ことり「ことりも…UTXのみなさんから学びたいことは沢山あるし、参加したいです!」

絵里「UTXと練習か…ふふ。いいじゃない。ね、希」

希「ふふ。そうやね。ウチも参加したいなぁ」

ツバサ「穂乃果さんは?」

穂乃果「え」

穂乃果「わ、私は……」

にこ「ぬん!!」グイッ

穂乃果「痛っ!?」

にこ「穂乃果!!こんな機会滅多に無いのよ!?とりあえず参加したいって言っときなさいよ!!」ボソボソ

穂乃果「で、でも…」

穂乃果「その合宿に…ツバサさんたちは…出ないんじゃ……」

にこ「っ!!」

ツバサ「………」

にこ(や、やばっ!ツバサの機嫌を損ねた!?)

ツバサ「…ふふ。なんだ、そんなことを心配していたのね」

にこ(あれ?)

ツバサ「安心して。その合宿には、私たち三年生も参加するわ」

ツバサ「確かに…私たちはもうラブベースボールには出られない」

ツバサ「もう高校生として大会には出れないし、後は引退するだけだけれど…この合宿までは野球部でいるつもりよ。もちろん、野球部を引退した後も…練習は続けていく」

ツバサ「練習を続けていく理由は、プロ選手になったときのため…っていうのは建前ね。本当は、野球をやっているときが一番楽しいから。ただそれだけよ」

穂乃果「ツバサさん…」

ツバサ「さあ、音ノ木坂のキャプテンさん。どうするのかしら?」

穂乃果「……」グッ

穂乃果「…参加します。私も、参加したい!」

ツバサ「ふふ…いい返事」ニッ

ツバサ「それじゃあ、全員参加ってことで話をつけておくわね。日程は後ほど連絡する。早くて今日中、遅くても明日までには分かるはずだから」

ツバサ「わざわざ練習を中断させてしまってごめんなさい。それじゃ、私はこれでおさらばね」クルッ

ツバサ「おっと。言い忘れてたことがひとつ…」ピタッ

絵里「まだ何か?」

ツバサ「ただの補足よ。実は…合同合宿に参加する高校は、UTXと音ノ木坂だけじゃ無いのよ」

穂乃果「ええ!?」

にこ「じゃ、じゃあもう一校参加するってこと!?」

ツバサ「そういうことよ」

希「それで、何高校が来るん?」

ツバサ「恋恋高校よ」

にこ「え?」

穂乃果「ん?」

ツバサ「伝えたいことは全て伝えたわ。あんじゅも英玲奈も待っていることだし、私はもう行かせてもらうわ。じゃあね」スタスタ…

絵里「恋恋高校か…」

真姫「エリー、何か知ってるの?」

絵里「いや、何も」キリッ

真姫「ヴェェ!?」

にこ「何も知らないのに何か知っている風な顔したの!?」

絵里「別にそんな顔をしたつもりは無いんだけど…」

絵里「私はただ、聞いたことも無い高校の名前が出たから…ちょっと考えていただけよ」

にこ「確かに…恋恋高校なんて、聞いたこと無いわね」

希「昔強かった音ノ木坂とは違う感じやね」

海未「どうしてそんな高校とUTXが合同合宿を…」

真姫「気になるわね…」

絵里「きっと…何か理由があるはずよ」


寝る

おやすみなさい

更新出来そうに無いんでアライズの能力だけ…


野手能力

ツバサ 弾道2 ACBCAA アベレージヒッター バント職人

英玲奈 弾道3 ABAAAA アベレージヒッター 流し打ち 威圧感 対エース○ 送球○ レーザービーム 粘り打ち 固め打ち チャンスメーカー いぶし銀

あんじゅ 弾道4 AADCCB パワーヒッター 初球○ 粘り打ち 威圧感 対エース○ プルヒッター チャンス5 サヨナラ女 逆境○


投手能力

ツバサ 142km/h AA スライダー7 Vスライダー4 打たれ強さ4 勝ち運 キレ4 クイック4 尻上がり 対強打者○ 対左打者2 奪三振 球持ち○ 低め○ リリース○

今日は寝ます…

あの2人は出すけど男は出しません

男なんて出たらパワーバランスがおかしくなるからね

おやすみ

ぼちぼち再開

こっから色々出していく予定

そして数日後!

合同合宿の日がやってきた!!

凛「ほぇぇ…」

にこ「こ……こんな場所があったなんて……」

ツバサ「ふふ。驚いた?」

にこ「わあ!?」

ツバサ「ここはUTXが管理している施設。UTX以外の生徒は、この合同合宿以外でお目にかかることは出来ない」

にこ「」ゴクリ…

ツバサ「そして、ここはありとあらゆる設備が充実している。短期間とはいえ、ここで集中して練習すれば間違いなくレベルアップできること間違いなしよ」

花陽「」ゴクリ…

穂乃果「くかー…zzz…」

海未「穂乃果、いい加減起きてください!」

穂乃果「後5分ー…zzz…」

ことり「あはは…」

絵里「ところで、恋恋高校の生徒の姿がまだ見当たらないけど…」

ツバサ「そのことだけど、実は…」

「お、遅れましたぁー!!」ダダダ

ツバサ「!」

絵里「!」

絵里「この人たちが…」

希「恋恋高校の…」

真姫「…」


「もー!!先輩が寝坊するからー!!」

「まったくだよ!ボクがわざわざ家にまで行って起こしに行かなきゃどうなってたことか…」

「ごめんなさい…」


のぞえりまき(思ってたのと違う…)

絵里(あのUTXが合同合宿に招待するほどの相手だから大物を想像していたけど…)

真姫(なんか普通の高校生って感じね…オーラを感じないって言うか)

希(なーんか、イマイチつかみどころが無いって言うか………ん?)

希「…………ひじりん?」

「」ピクッ

「希…?」




「久しぶりだな。こうして顔を合わせて話すのは」

希「そうやね~。って、そうじゃなくて……」

希「驚いたよ。まさか恋恋高校にひじりんが居るなんて」

「ああ。そう言えば恋恋高校に入学したと言ってなかったな。すまない」

にこ「…な、何?知り合いなの?」

希「うん。この子は六道聖ちゃん。リトルリーグからの友人で、キャッチャーとしてのウチの師匠なんよ」

にこ「師匠ぉ!?」

聖「どうも」ペコリ

にこ(なんかいきなりすごい人が現れたんだけど…!!あの希の師匠って…!)

にこ(あれ?でも…あの声、どこかで聞いた気が…)

にこ(…気のせいか)

ツバサ「みんな集まったことだし…早速練習を始めましょう」

ツバサ「まずは着替えてから、グラウンドに集合よ」

「「「はい!!」」」







ザッ!

ツバサ「みんな集まったようね」

ツバサ「それじゃ、今からこの合同合宿の練習内容について説明するから、よく聞いておいて」

ツバサ「この合同合宿の1番の目的は、お互いを高め合うことにあるわ」

ツバサ「他校の選手の技術を吸収したり、自分の持っている技術を他校の選手に教えたり…そうして、互いに高め合っていく」

ツバサ「だけど、いくらなんでもこの人数でこのグラウンドすべてを使うのは無理よ。グラウンドは三つあるのだから」

にこ(ええ!?ここ以外にも他に二つもあるの!?)

花陽(さ、さすがUTX…!!スケールが違います…!!)

ツバサ「かと言って高校別に分かれて三つのグラウンドを使うのでは意味が無いわ。だから、まずは各校ごとに三つのグループを作ってもらいます。各校ごとに三つのグループに分かれた後、それぞれのグループが別々のグラウンドに向かい、そのグラウンドに集まったメンバーで練習を始める、という感じよ」

真姫「なるほど…」

にこ「グループ分け、どうしようかしら?」

絵里「ふっふっふ…」ニヤリ

絵里「こんな時のためにクジを用意しておいたのよ!!さあ、みんな引いて!!」ドヤァ

にこ(どんな時のことを想定していたのよこいつ)

真姫(まあスムーズにいくならどうでもいいか)

グラウンドB

絵里「ここね」

真姫「驚いたわ…こんなに綺麗に整備されてるなんて」

にこ「私はグラウンド三つもあること自体に驚いているんだけど」

真姫「UTXほどの名門校となれば部員もバカみたい多いんだし、それくらい普通だと思うんだけど」

にこ「そんなもんかねぇ」

あんじゅ「そんなものよ」

にこ「うわぁ!?び、びっくりした…」

真姫「もしかして、あなたもグラウンドB組?」

あんじゅ「そうよぉ。よろしくー」

絵里(あのあんじゅと一緒ねぇ。打撃ワーストのこの2人にはぴったりね)

「ここね!ほら、あんたたち早くしなさいよ!!」

「は、はーい!!」

「ったく、だらしないわねぇ。荷物持ちが遅れてどうすんのよ」

にこ「あんたもグラウンドB組みかしら?」

「ん?あ…あの時のチビ…」

にこ「誰がチビだコラァ!!初対面の相手に向かってチビとはどんな教育されてきとんのじゃワレェ!!」

絵里「ちょ!に、にこ!落ちついて!!」ガシッ

「あー……そういえば初対面だったんだっけ…」

「えー、ごほん」

「はじめまして♪恋恋の次期エースで現リリーフエースの橘みずきでーす♪」

みずき「よろしくお願いしまーす♪」ニコッ



グラウンドC

希「ウチらはここやね」

凛「だだっ広いにゃー…」

海未「UTXはやはり私たちの常識を遥かに越えていますね…」

凛「そもそもUTXの人たちは全員普通の高校生には見えない…」

英玲奈「おや、君たちもC組か」

海未「英玲奈さん!」

凛(特にこの人なんか一番普通じゃないよ…)

聖「む。希もC組だったか」

海未「!」

希「ひじりんもC組なん?」

聖「ああ。よろしく頼むぞ」

「ひ、聖ちゃん!!オイラを置いていかないで欲しいでやんす!!」

聖「…」

「む、無視!?ひどいでやんす~!!」

凛「誰にゃ?このメガネ」

「おっと失礼!自己紹介が遅れたでやんす」

矢部♀「オイラは矢部明子でやんす!よろしくでやんす~!」ニヤニヤ

凛「…」

聖「…」

グラウンドA

穂乃果「私たちは動く必要は無いんだね」

ことり「そうみたいだね」

花陽「私たちと練習する相手は…」

ツバサ「はーい♪私よ」ニコッ

花陽「ぴゃあ!?」

穂乃果「ツバサさん!」

ツバサ「私もA組よ。よろしくね」

穂乃果「こちらこそ!よろしくお願いします!」

「」テクテク

穂乃果「ん?」

「はじめまして。穂乃果ちゃん」

穂乃果「え?なんで私の名前を…」

「キミ、巷じゃ結構な有名人だよ?」

穂乃果「わ、私が有名人?」

「あ、自己紹介がまだだったね」

あおい「ボクは早川あおい。よろしくね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「よ、よろしくお願いします!」

「あのー…あおいちゃん、俺のこと忘れてない…?」

あおい「ああごめんごめん。この子はパワプロちゃん。一応キャプテンなんだ」

パワプロ♀(俺っ娘)「一応って……」

あおい「キャプテンの癖に遅刻してるからね。仕方ないよ」

パワプロ♀「ごめんなさい…」ズーン

穂乃果(この人が恋恋のキャプテンか…)

穂乃果(変な名前だなぁ…)

ツバサ(早川あおい……まさか……)

今日はこれくらいで

昨日は忙しい&寝落ちで投下出来なくて申し訳ない

ぼ再

ツバサ「…どうせならここはひとつ、互いの実力を知るためにエキシビションマッチ的なことをやってみない?」

あおい「と、言うと?」

ツバサ「UTXと音ノ木坂は互いの実力を把握している。だけど、恋恋の実力は把握しきれていない」

ツバサ「だから、一打席勝負をしてみない?」

あおい「なるほどね」

ツバサ「おっと。その前にひとつ聞くけど…あなたたちのポジションはどこかしら?」

あおい「ボクはピッチャーだよ」

パワプロ♀「俺はサード。一応キャッチャーもできるよ」

ツバサ「だったらちょうどいいわね。それじゃ、最初は早川さんと穂乃果さんが、次に私とパワプロさんが勝負。というのはどうかしら?」

あおい「おっ!いいね!ボクは穂乃果ちゃんと勝負したいと思っていたし!」

パワプロ♀「あのツバサさんと勝負かぁ…」

穂乃果「…」

ツバサ「穂乃果さん、それでいいかしら?」

穂乃果「え?あ、は、はい!それでいいです!」

ツバサ「よし。決まりね。でもまずはアップからね」

ことり(穂乃果ちゃん…?)


(つ´・ω・)つ))ガチャッ☎
最近、「ありがとう詐欺」が多発しております。
皆様も気をつけてくださいね。
(つ゜Д゜)つ・・・  ☎

あいさつ坊や「じゃあ、僕とありがとウサギが例を教えるよ。
       
       ガチャッ・・・もしもし?」

ありがとウサギ「もしもし?私はありがとう支援をしている、ありがとウサギと申します。」

あいさつ坊や「あぁ、そうなんですかー。挨拶って、気持ちいいですよね。
     
       ぜひ、私にも入らせてくれませんか?」

ありがとウサギ「もちろん、大歓迎しますよ!・・・・しかし、広島の復興のための

        お金を前払いで、2000000円払ってもらいますが、宜しいでしょうか?」

あいさつ坊や「う・・・!そんなに僕、お金持ってないよぉ!!!」

ありがとウサギ「あっそ。じゃーねー^言^」

ありがとウサギ「こんな感じですっ☆」







あおい「」ビシュッ!

パワプロ♀「」ズバン!

あおい「よーし!いいよ!」

穂乃果「よろしくお願いします!」ザッ

あおい「こちらこそ」ニコッ

あおい「じゃあ、一球目いきまーす!」

あおい「」ザッ

あおい「」ビシュッ!

穂乃果「」カッ

ガシャン!

穂乃果(アンダースローでこんなに速い球が投げられるなんて…)

穂乃果(でも…絵里ちゃんのストレートみたいな凄さはない。アンダースローだから打ちにくいけどね)

あおい「やるね…」ニヤ

あおい「じゃあ2球目!」

あおい「」ザッ

あおい「」ビシュッ!

ククッ

穂乃果(変化球…!!)カッ

パワプロ♀「」ズバン

穂乃果(変化球もなかなかキレがある…けど、ツバサのスライダーほどの切れ味はない…)

あおい「パワプロちゃん、あの球を投げるけど大丈夫ー?」

パワプロ♀「うーん…あの頃とは違うから自信を持って大丈夫とは言えないけど…うん!大丈夫!多分!」

あおい「よーし!!じゃあいくよ!」

穂乃果(あの球…?なんだろ?)

あおい「」ザッ
ビシュッ!

穂乃果(ストレートじゃない!変化球!)グッ

シュルルルルルル!

穂乃果「!?」ブン!

ズバン!

穂乃果「えっ?え!?」

あおい「ふふふ。驚いた?」

穂乃果「な、なんですか今の変化球!?なんか凄かったです!!」

あおい「マリンボール!!ボクのオリジナルの変化球だよ!」

穂乃果「マリン…ボール……!?」

ツバサ(やはり…あなたが例のアンダースローの凄腕の投手だったのね)

穂乃果(凄い…こんな凄い球を投げる人が……こんなところにいたなんて………!)







ツバサ「準備は万端よ!」

パワプロ♀「よろしくお願いします!」

ツバサ「」ザッ
ビシュッ!!
ギュオオオオオオオオ!

パワプロ♀「ぎゃあ!?」ビクッ

グンッ!

パワプロ♀「!?」

UTX捕「」ズバン!

あおい「凄い…あれが噂の殺人スライダー…」

パワプロ♀「こ、怖っ!!」

ツバサ「2球目、いくわ」ザッ

パワプロ♀「」グッ

ツバサ「」ビシュッ!
グンッ!

パワプロ♀「」カッ

キィィィィィィィィィィン!!

ツバサ「!?」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

あおい「ああ!惜しい!!」

パワプロ♀「ちょっと引っ張り過ぎたかなぁ…」

ツバサ(初見で当てて…あそこまで飛ばすなんて…!)

穂乃果(ぼ、ボールがあんなところまで…!なんてパワーなんだ…!)

ツバサ(なるほどね…彼女の存在も、恋恋がラブベースボールに出場した大きな要因となっているわけね)






ズバン!

パワプロ♀「うあああ!」グルグルグル

ツバサ「よし!!」

あおい「うっひゃー…パワプロちゃん負けちゃったかぁ…」

パワプロ♀「いやー…粘ったけどダメだったよ。やっぱりUTXのエースは凄いね!」

ツバサ(まさか10球も粘られるとは思っていなかったわ…)

ツバサ「さて、やることはやったし、練習を始めましょう!」

全員「おー!」

穂乃果「…」

ことり「穂乃果ちゃん?どうしたの?」

穂乃果「……ことりちゃん、この世界には、まだまだ私の知らない凄いことが沢山あるんだね」

穂乃果「ふふ…うおおおおおおおお!!燃えてきた!!燃えてきたよーー!!」ダダダ

ことり「穂乃果ちゃん!?」

ことり「行っちゃった…」

ことり「ふふ。でもよかった。穂乃果ちゃん、やっといつもの穂乃果ちゃんらしくなってきてくれて」

ことり「よーし!私も練習頑張ろう!」ダッ



短いけどこれくらいで…

最近暇がなくてあまり投下出来なくてすんません…

寝ます

おやすみ

ぼ再

ガンダーの事はすっかり忘れてた…







みずき「」ビシュッ!

にこ「」ブン!

ズバン!

にこ「ぬわあああああ!!」

みずき「ふふん。これで私の実力がよーく分かったかしら?」ニヤ

にこ「きぃぃぃぃ!!悔しいぃぃぃぃ!!」バンバン

真姫(なんだかめんどくさいことになりそうね…この組み合わせは…)

あんじゅ「まあ、ダメよね。全然ダメダメ。バットにかすりすらしないなんてありえないわ」

にこ「ぐはっ!?」

あんじゅ「そもそもバッティングフォームがきちんとしてないのよ。あなたのフォームはとても打てるようなフォームじゃない」

にこ「」ズーン

あんじゅ「はぁ…私がフォーム改良に付き合ってあげるわよ。ただし、私は厳しいわよ?」

にこ「!!」パァァ

真姫(バッティングフォームの改良ねぇ…)

絵里「さて、私たちはどうしようかしら?」

真姫「うーん…変化球を磨こうかしら」

絵里「あら、バッティングはいいの?」

真姫「今日はいいわ。それに…あの人から学びたいこともあるし」チラッ

みずき「」ビシュッ!

ズバン!







海未「」ビシュッ!

ギュルルル!

海未「はぁ…またダメですか…」

海未(未だにうまく回転がかけられない…いったい何がダメなのでしょうか…)

聖「どうした?さっきから1人で投げては唸っているようだが」

海未「実は…自分オリジナルの球を試しているのですが…なかなかうまくいかなくて…」

聖「ふむ…なるほど…」

聖「だったら私がお前の球を捕ろう。キャッチャーがいたほうが投げやすいだろう?」

海未「しかし…貴女の練習は…」

聖「気にするな。むしろお前の球を捕ることで、私が学ぶことも多いと思うぞ」

海未「ふむ…でしたら…お願いします」

聖「うむ。では早速始めようか」

聖「ところで、そのオリジナルの球とはどんなものだ?」

海未「うーん…言葉にするのは難しいですね…」

海未「あえて言うなら、ストレートの亜種のようなものでしょうか…」

聖「ほう…だいたい分かってきたぞ」

海未「?」







こうして、色々あった合同合宿一日目は無事に終了した。

と思っていたんだけど………



ツバサ「ふふふ…みんな、集まってくれたようね…」

絵里「こ、こんな夜遅くにどうしたのかしら?」ガクブル

穂乃果「いったい何が始まるんだろう?」

海未「さあ…私には分かりません」

みずき「なーんか嫌な予感がするんですけど…」

あおい「だ、だね…」

パワプロ♀「なんか俺も嫌な予感してきたよ…色んな意味で」

ツバサ「あなたたちに集まってもらったのは…実は意味があってなのよ」

花陽「意味があって…?」

ツバサ「英玲奈、照明落として」

英玲奈「はぁ…」パチン

絵里「きゃあああああああああああああああああああああ!?」ギュー

にこ「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

ツバサ(下から懐中電灯)「」パチン

絵里「わああああああああああああああ!?」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

にこ「」チーン

ツバサ「実はね…この宿舎には、出るって噂があるのよ」

凛「出る?」

ツバサ「ええ…」

ツバサ「ここは昔は車が走っていたらしくてね…ライバルとの対決を前に交通事故で亡くなってしまった、野球選手の亡霊が出てくるのよ…ふふふ…」

ほのりん「ええええ!?」

あおい「」

ツバサ「というわけで、今から肝試しよ。親睦を深めることも兼ねて」

真姫「何それ意味わかんない」

みずき「激しく同意」

あんじゅ「右に同じく」

絵里「」

パワプロ♀(やべっ、矢部ちゃんを部屋に忘れてきちゃった)

希「ええやんええやん♪面白そうやん♪」

聖(きんつば食べたいぞ…)










「ふっ。パワプロのやつめ、この僕が急に現れたら驚くだろうな」

「そりゃ驚きますよ。こんな夜中に現れたら誰だって…って、勝手に入って良かったんですか?姉さん?」

「問題ないさ。管理人には一応許可をとってある」

「なるほど。でもなんでこんな夜中なんかに?」

「ふん。他意は無いさ。ただ、なんとなく足が向いていただけさ」

(やっぱりパワプロさんのことが心配みたいだね)ニコニコ







今日はこのくらいで…

阿畑さんは出せないかも…ごめんなさい…

ぼ再

甲子園終わったけどまだ続くよ!

絵里「もう嫌ぁ…」ガタガタガタガタ

あおい「あはは…そこまで怖がらなくても…三人いるんだし…」

ツバサ「ふふふ…今日こそ見つけてやるわ!!例の亡霊を!!」

あおい「えー…なんでそんなにやる気なの…」

ツバサ「おっと。そうそう、早川さんに聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」

あおい「? 何かな?」

ツバサ「UTXの推薦を蹴ったというのは、本当かしら?」

あおい「うん。そうだよ?」

ツバサ「」ズコー

あおい「!?」ビクッ

あおい「ど、どうしたの?」

ツバサ「いえ…あっさり言うものだからびっくりして…」

ツバサ「それじゃ、質問を変えるわ。どうしてUTXの推薦を蹴ったの?」

あおい「どうして、かぁ…」

あおい「パワプロちゃんに誘われたんだ。恋恋で一緒に野球をやらないか、って」

あおい「最初は断ったよ。そもそも野球部が存在しない恋恋で野球をやれるわけが無いと言ってね」

あおい「だけど、パワプロちゃんは折れなかった。それどころか、恋恋に野球部を作ってあかつき大附属やUTXを倒そうなんてことを言ってきたんだ。もちろん、無理だって断ったよ」

あおい「それでもまだ折れなくて、結局折れたのはボクの方だった。まあ、もともとUTXは遠いから悩んでいた、っていうのもあったんだけどね」

あおい「最初こそ部員が集まらなくて、大会すら出れなかったけど…パワプロちゃんの頑張りもあって、部員は次第に集まって…」

あおい「そしてついに、3年目には…あのあかつき大附属を破って、ラブベースボールに出場。ふふ。昔では考えられないよ」

絵里「うわああああああああああ!?」ビクッ

あおい&ツバサ「!?」

絵里「び、びっくりした…誰かいると思ったら、鏡に写った私だった…」ガタガタガタガタ

あおい「」ズコー

ツバサ「」ズコー

ツバサ「こっちまでびっくりして損したわ…」

絵里「だ、だって!怖いものは怖……」

「…」スー

あおい「!?」

絵里「」バタッ

ツバサ「今のは…!?」

あおい「ままま、まさか幽霊!?」

ツバサ「ようやく会えたわね!!とっ捕まえてやるわ!」

あおい「ええええ!?」

「あのー…」

ツバサ「」バタッ

あおい「」バタッ

「えっ」

「ええええ!?」

にこ「ゆ、幽霊なんているわけないでしょ」

みずき「ぷぷぷ。びびってんの~?」

にこ「そ、そんなわけないでしょ!!ていうか、あんた…聞いた話によると二年生みたいだけど」

みずき「そうだけど何か?」

にこ「言っておくけどねぇ、私は三年生!あんたより年上よ!!」

みずき「うっそぉ!!意外!!背が小さいもんだからてっきり一年生かと思っちゃった~」

にこ「」イラッ

みずき「ごめんなさ~い♪ちっちゃい先輩♪」

にこ「うがああああああ!!」ダン!ダン!

真姫「はぁ…」

真姫(くじ引きで決まったとは言え、なんでこの組み合わせなの…)

真姫(早く解放されたい…)ズーン

にこ「ちょっと真姫!!偉大な先輩が馬鹿にされてるのよ!?何か言ってやりなさいよ!」

真姫「どーでもいい」

にこ「なっ!?」

みずき「ぷぷーっ!後輩に慕われて無いなんて…ぷくく…」

にこ「ぐぬぬぬぬぬ!!ムカつくー!!」

真姫「はぁ…」

「…」スー

真姫「…ん?」

にこ「ん?どうしたの真…」

「…」スー

にこ「!?」

みずき「え…な、何よあれ……」ガタガタ

みずき「こ、こっちに来てる!?早く逃げないと!!」

にこ「ままままま真姫!!ぼさっとしてないで早く!!」グイッ

真姫「」チーン

にこ「た、立ったまま気絶してる!?」

みずき「は、早く!!」

「…」スー

にこ「うわあああああああ!?も、もうこんなところまで!?」ガタガタ

「…」ギュルン

にこ「ぎゃああああああああああ!?」ジタバタ

みずき「きゃああああああああああ!?」

にこ「」ピタッ

みずき「え!?き、消えた!?何なの!?」

にこ「くくく…ついにちょうどいい体を手に入れた…!」スタスタ

みずき「ひっ!?」ビクッ

にこ「小娘ェ!!私と野球で勝負しろ!!」

みずき「え!?や、野球で!?」

今更だけど
時間を見つけて投稿しているんで
投稿頻度はすごく低くなります…

穂乃果「うぅ~…お化けには会いたくないなぁ…」

パワプロ♀「お、お化けなんているわけ無いよ。あはは…」

海未「……」

海未(私のあの魔球に…何が足りないのでしょう…)

海未(やはり回転数でしょうか…)

パワプロ♀「そ、そもそもお化けなんて非科学的なものが…」

ドンッ

「うっ!?」ドサッ

パワプロ♀「いてっ!」ドサッ

パワプロ♀「…え?」

パワプロ♀「うわあああああああああああああああああああ!!なんか当たった!!当たったあああああああああ!!」

海未「!?」

穂乃果「えええええええええ!?オ、お化け!?お化けですか!?」

「ん?その声…」

パワプロ♀「……あれ?この声はまさか…」

「パワプロ!!まさかこんなところで会うとは…」

パワプロ♀「ああ…やっぱり猪狩か…」

海未「知り合い…ですか?」

パワプロ♀「まあね…こいつのおかげでこの合同合宿に出れるようになっていたりして、色々と世話になったりもしてるんだ。って、なんでこんな夜遅くにここをうろついているんだよ…」

猪狩守♀「それはこっちのセリフだ!こんな夜中に何をやっているんだ!」

パワプロ♀「えー…質問を質問で返されたよ…」

猪狩守♀「まったく…キミには僕らの代わりにラブベースボールを制覇してもらわなければならないというのに…」

猪狩守♀「僕という目標が無くなった途端に夜遊びだなんて怠けたことをして……やはり僕が来ておいて正解だね」

猪狩守♀「僕が来てやったことに感謝するといいよ」フフン

パワプロ♀(心配になって来てくれたのなら素直にそう言えばいいのに…っていうか夜遊びじゃない……よね?それと、何をどう感謝すればいいんだ…)

穂乃果(なんか面白そうな人が来たね)

海未(猪狩……どこかで聞いたような…)

猪狩守♀「おっと。そう言えばパワプロ、進を見なかったか?」

パワプロ♀「え?進ちゃんも来てるの!?」

猪狩守♀「ああ。途中まで一緒にいたんだが…目を離したらいなくなっていた。姉として迷子になった妹は放っておけないから、探し回っているのさ」

パワプロ♀(迷子はお前の方だろと言いたい…だけど言わない)

穂乃果(なんだろう…絵里ちゃんと同じ感じがする)

希「えりち大丈夫かなぁ。こーいうのはダメダメだから心配やなぁ」

聖「ツバサという人が強そうだったから、なんとかなるんじゃないのか?」

英玲奈「いいや、ダメだな」

聖「?? 何故だ?」

英玲奈「あいつはいざ出るものに出くわしたら気絶する。そういうやつだ」

聖「そ、そうか…」

希(面白いことを聞いたなぁ)

聖「!?」

希「ん?ひじりんどうしたん?」

聖「誰だ!誰かいるな!!」

英玲奈「…なるほど」スタスタ

希「え?もしかしてお化け?」ワクワク

英玲奈「いいや、違う。これを見てみろ」

聖「これは…」

希「ま、真姫ちゃん!?立ったまま気絶してる!?」

希「一体何が…一緒にいたはずのにこっちの姿も見当たらないし…」

聖「みずきの姿も見当たらないな…」

英玲奈「何かあったに違いないな…」

「姉さん!!」

猪狩守♀「この声は!」

猪狩進♀「やっと見つけた!探しましたよ!」

パワプロ♀「やあ。久しぶりだね進ちゃん」

猪狩進♀「あ!パワプロさん!お久しぶりです」

猪狩進♀「って、それどころじゃないんですよ!!」

穂乃果「な、何かあったんですか?」

猪狩進♀「こちらの方は…?」

海未「私たちは音ノ木坂の者です」

猪狩進♀「音ノ木坂…あなたたちが…!」

猪狩守♀「進、一体何があったんだ?」

猪狩進♀「実は…人がいて、話かけたら急にその人が倒れてしまったんです」

猪狩守♀「なんだ、それだけのことじゃ大したことは…」

猪狩進♀「それだけじゃありませんよ!倒れたと思ったら、今度は悲鳴が聞こえてきて……そしてしばらく経ったら、急にグラウンドの照明が点灯して…!!」

パワプロ♀「照明が!?」

穂乃果「ほんとだ!いつの間についてたんだろう…?」

キィィィィィィィィィィィィィン!!

穂乃果「!?」

海未「この音は…バットにボールが当たった音!?」

穂乃果「グラウンドに行ってみよう!」ダッ

希「何これ…」

絵里「」

ツバサ「」

あおい「」

英玲奈「ツバサ…何をやっているんだか…」

聖「ふふ。なんだか面白い光景だな」

希「一体何が起こっているん…?」

キィィィィィィィィィン!

英玲奈「この音は…!?まさか!」

聖「照明がついている…?」

英玲奈「何かあるはずだ。行ってみよう」ダッ

聖「うむ」ダッ

希「スピリチュアルな予感…!」ダッ

みずき「はぁはぁ…な、なんで!?なんなのよ!」

穂乃果「あれは!!」

パワプロ♀「みずきちゃん!」

海未「もう一人…あそこにいるのは…」

みずき「次こそ!」ビシュッ!

にこ「」カッ

キィィィィィィィィィィィン!!

ほのうみ「にこ(ちゃん)!?」

にこ「くくく…そんな球では私を打ち取ることは出来んぞ…」

穂乃果「な、なんか様子おかしくない?」

海未「ええ…そもそもあそこまでボールを飛ばせる時点でおかしいですね…」

希「穂乃果ちゃん!海未ちゃん!」

穂乃果「希ちゃん!!」

聖「パワプロ先輩!」

パワプロ♀「聖ちゃん!」

にこ「ふふふ…ギャラリーが湧いてきたな…」ニヤリ

希「にこっち…?」

英玲奈「これは…!!」

聖「悪霊に取り憑かれたか…!」

穂乃果「えええ!?」

海未「あ、悪霊!?」

穂乃果「あ、悪霊!?」

希「なるほど…確かに、それならにこっちがあんな打てるようになったことも頷けるね」

にこ「くくく!この体は使いやすいぞ!私が生きていた頃の体とピッタリだからな!」

聖「この通り、悪霊だ」

穂乃果「ピッタリってことは生きている頃から小さかったんだね…なんだかかわいそう…」グスン

にこ「貴様ァ!この私を侮辱しているな!!」

海未「しかし…どうすればにこの体から悪霊を取り払えるのでしょうか…」

にこ「ふん!簡単な話だ!この私との勝負に勝てばいいのさ!!」

パワプロ♀「勝負って…」

猪狩守♀「さっきから何を訳の分からないことを言っているんだい?」

パワプロ♀(おっ。ちょうどいるじゃん。やってくれそうな人が)キュピーン

パワプロ♀「というわけだ。猪狩、あの子と勝負してやってくれよ」

猪狩守♀「なんで僕が勝負をしなくてはならないんだ。僕はそんなに暇じゃ無いんだ」

穂乃果(暇じゃ無いのにわざわざきたんだ)

パワプロ♀「もしかして猪狩、負けるのが恐いのか?」

猪狩守♀「な!?そ、そんなわけ無いだろう!!そもそも、この僕が何処の馬の骨か分からないやつに負けるわけが無いだろう!!」

パワプロ♀「そっか~。じゃあ、勝負してくれるな?」

猪狩守♀「いいだろう。やってやろうじゃないか!!」

パワプロ♀(ちょろい)

穂乃果(ちょろいなぁ)

これくらいで

たぶん更新頻度上げていきます

おやすみ

ぼ再

そろそろ野球やらなきゃ

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