【新世紀】死神【エヴァ落語】(46)

こんにちは根暗亭レイです

神様って…信じますか?

今日は神様の話しをします

あるところにとても貧しい夫婦が住んでいたそうです

ですが二人ともよく働き仲もとてもよい夫婦だったそうです

ある夜 彼はなんとなく散歩をしていました

夫シンジ「はあ貧乏で辛いなあ…もう何もしたくないよ…」

シンジ「あんな所に立派な松の木がある………死のう」

シンジ「でも、首吊りってやった事無いからうまくいかないかもな」

「フッフッフ教えてやるわよ」

シンジ「だ、誰?松の影に隠れているのは?」

死神アスカ「あたしよ」

シンジ「うわー去年マッシュポテトの食べすぎで死んじゃったアスカだ!ヒーなんまいだなんまいだ」

アスカ「違うわよ、アタシは死神よ!ほら足もあるしなんか変な三角形も頭に付けてないわよ」

シンジ「確かになんか虫歯菌みたいな格好してるし…言われてみれば」

シンジ「あっでも死神って結局怖い奴じゃないか!シッシッ」

アスカ「そんな風にぞんざいに手で追い払おうとしないの!風ができるでしょ!」

シンジ「風ができるからなんなんだよ!」

アスカ「いつか後悔するわよ」

シンジ「しないよ、早くどこかに行ってよ!」

アスカ「あらあ?そんな除け者にしてもいいのかなー?あんたを助けてやろうと思ったのになー」

シンジ「僕を…助ける?」

アスカ「せっかくいい金儲けの方法教えてやろうと思ったのになー」

アスカ「アンタの可愛いお嫁さんにも辛ーい思いさせないで済むのになー」

シンジ「あの…死神さん」

アスカ「どうしたの?アタシ暇じゃないんだけど」ニヤニヤ

シンジ「あの…ごめんなさい、そのお金儲けのやり方教えて下さい」

アスカ「はあ~しょうがないわね、いいよく聞くのよ」

アスカ「あんたはねえ、医者をやればいいのよ」

シンジ「シッシッ」

アスカ「だからそれやめろっつってんでしょ?」

シンジ「何が金儲けだよ!真剣に聞いて損したよ!僕は脈すらまともに取れないってのに医者なんて!前歯全部おるぞ!」

アスカ「お、落ち着きなさいよ、それに脈なんてとる必要ないのよ」

シンジ「…何言ってんだよ」

アスカ「アンタは病人を治してやるだけでいいのよ」

シンジ「そんな事…できるわけないよ」

アスカ「いい?アンタ今アタシの事が見えるのよね?」

シンジ「うん、その作り物臭い尻尾まではっきり見えるよ」

アスカ「ok!なら他の死神もあんただけには見えんのよ」

シンジ「ええって!驚くほどでもないか」

アスカ「こっからが大切よ!病人のとこには必ず死神が一人いるの」

アスカ「それで病人の足元にいるやつはまだ追い払えるんだけど」

アスカ「枕元にいる奴には何があっても手をだしちゃいけないわよ」

シンジ「…わかったよ」

アスカ「物わかりの良い奴は好きよ、それで追い払い方なんだけど…」

アスカ「二回手を叩いて呪文を唱えるの、一回しか言えないからしっかり覚えんのよ」

アスカ「#$%&×△○シャウエッセン!ちゃんと覚えた」

シンジ「ごめん、生粋の日本人の僕の耳ではシャウエッセンしか聞き取れなかったよ」

アスカ「上出来よ!他は適当でもシュエッセンが言えれば成立するわ!ほらやってみなさい」

シンジ「本当かな?じゃあいくよ」パンパン

シンジ「ナンタラカンタラシャウエッセン!」

シンジ「アレ?死神さん?死神さんどこー?夢でも見てたのかな?」

シンジ「…帰ろう」

トウジ「サクラの病気が治りますように…桜の病気が…」タタタッ

シンジ「今時お百度参りなんて健気だな…試してみようかな」

シンジ「すいません、サクラさんってかたは病気なんですか」

トウジ「そうなんや…高熱だしてうなされ取る…わしが変わってやれたら…」

シンジ「あのそのサクラさんの所に案内してもらっていいですか?」

シンジ「もしかしたらなおせるかもしれないんです」

この時確かに怪しいと思ったようですがワラにも縋りたい気持ちの鈴原君は

碇君を家に案内しました

そして通された床の間は小さな女の子が苦しんでいました

サクラ「っはあはあ」

小死神アスカ「イヒヒヒヒヒ」

シンジ「うわっ!ちっちゃいアスカ?」

トウジ「ん?ちっちゃい…なんやて?」

シンジ「いやなんでもないんです ハハハ…」

シンジ「(これが死神なのかな?足元にいるな、よし)」

シンジ「ナントカカンタラシャウエッセン!」

小アスカ「きゃー」ピュー

サクラ「?お兄…ちゃん…」

トウジ「さ、サクラ―!よかった!よかったなあホンマにぃぃぃぃぃい!」

サクラ「なんで泣いてるの」

トウジ「センセイ、おおきに!ホンマにおおきに!ほらっサクラお前もお礼いうんや」

サクラ「サクラのごびょうき直してくれたん?おおきに!」

シンジ「いや…なんてゆうか…そのよかったね」

トウジ「センセイ…これ少ないですけどほんの気持ちです」

シンジ「えっこんなにあ、ありがとうございます」

シンジ「ただいまっ、綾波明日から忙しくなるよ」

綾波「そう…結局苗字で呼ぶのね…どうして忙しくなるの?」

シンジ「実はこんなことがあって…」

綾波「そう…よかったわね」

それからの碇君は凄かったの貧乏長屋に医者の看板を立てて

訪ねてきた人の所に行っては死神を払って、寝る間も惜しんで命を救ったの

でも時には

冬月「先生どうか碇を救ってください」

ゲンドウ「…ううっ問題だ…」

アスカ「グーテンモーゲーン」

シンジ「(あちゃー枕元にいるよ)」

シンジ「申し訳ありませんがこの方はもう…」

冬月「そんな先生お願いです」

シンジ「ごめんなさい!」タタタッ

そういわれた患者さんは一日と持たず他の患者は必ず治すということで

碇君の評判は江戸中に広がりました

そうして数年が経つと二人は貧乏なんて知らなかったかのような大きな家に住み

子宝にも恵まれて幸せに暮らしているように外からは見えました

ですがたった一つの歪みがあったのです

綾波「…今日も遅かったのね」

シンジ「患者さんが多かったんだ」

綾波「そう…碇君に診てもらいたいって人が大勢碇君はどこかって聞きに来たけど…」

シンジ「………」

綾波「…どうして嘘をつくの」

シンジ「ああそうさ!浮気してるさ!マリは君みたいに小言も言わないし君よりも若いからね!」

綾波「お願い…もうその人と会わないで」

シンジ「嫌だよ!僕の事を本当に必要としてくれるのはマリだけなんだ」

シンジ「僕はマリのとこにいくよ!家もお金も好きにしていいから!さよなら!!」

綾波「…これは…涙…私……泣いてるの?」

それから碇君は二人目の二号機の人の家で医者を始めました

でもどういうわけかお客さんは来なくなり

最終的には二番目の二号機の人にも捨てられました

仕方なく碇君は元の貧乏長屋で元の…いいえ一人で貧乏暮らしを

また始めました

まともに食料も買えない日々が何日も続きました

そんなある日江戸でも三本の指に入るお金持ちの従者さんが

碇君の家を訪ねてきました

ケンスケ「お願いします、あなた様で無ければ治せないんです、早く!」

急かされながら屋敷に来てみるとそこには弱り果てた老人と

枕元にどっしりと構える死神が居ました

シンジ「(ついてないなあ、せっかく久しぶりの仕事だったのに)」

シンジ「すいません、この方はもう僕には無理です」

ケンスケ「お願いします!助けて下さい!今、気胃留・呂律様に逝かれると江戸の経済が破綻するのです」

シンジ「そう言われましても…」

アスカ「アッハゾー」

ケンスケ「お願いします!5年でいいから生きながらえさせてくれたら三百両差し上げます」 

シンジ「す、凄いや!でも…無理なものは…」

ケンスケ「お願いします、3年でいいですから救って下さったら五百両お支払いします」

シンジ「五百両でも無理なものは無理です、喉からブログレッシブナイフが出るほど欲しいですけどね!」

ケンスケ「1年!1年でいいから何とかしてくれたらもう千両あげちゃう!」

シンジ「千両!?千両…逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…そうだ」

シンジ「従者さん…ちょっとこっちへ」

ケンスケ「はい、なんでしょうか?」

シンジ「あなたの所に力持ちの男の人二人いますか」

ケンスケ「ええ!それくらい1万と2000人くらい」

シンジ「2人でいいんです、できれば早く呼んできてください」

というとすぐに二人の屈強な黒服がやってきました

シンジ「いいですか…僕が合図したら…布団を」

死神に聞かれないように碇君は小声で作戦を話しました

そして屈強な二人の黒服は布団の枕元と足元に陣を取りました

丑三つ時ごろになると死神は眠そうに大きな欠伸をして

さらに夜が深まると遂には居眠りを始めました

アスカ「…zzz」

シンジ「今です!」

というと黒服は病人の寝ている布団を持ち上げてグルンと廻して

枕元と足元を入れ替えました

シンジ「ウンタラカンタラシャウエッセン」

アスカ「えっ?何々?どうしたの!」

といった次の瞬間死神は驚いた顔をして外へと走っていきました

キール「治ったぞー!!」

ケンスケ「ありがとうございます!ありがとうございます!約束の千両でs」

シンジ「えっと持って帰れそうにないですから預かっててもらっていいですか」

シンジ「あと3両だけとりあえず」

シンジ「ふー仕事のあとのご飯はおいしいな、でもあんな方法でいいなんて」

シンジ「もっと早くやってればよかったなあの方法…」

アスカ「なーに言ってんのよ!バカシンジ!」

シンジ「え?もしかして最初の死神さん!久しぶりだね!」

アスカ「さっき会ったばっかじゃないの何言ってんのよ!」

シンジ「えっ?さっきのあなただったの?みんな同じだから分らなかったよ」

アスカ「それよりもよくも約束をやぶったわね~しかもよりによってアタシの時に」

シンジ「約束は破ってないよ」

アスカ「理に背いたのよ…おかげでアタシはb+に降格よ、しかも減給つきでね!」

シンジ「なんかごめんね。あっ今日千両もらったんだ死神さんにも半分…」

アスカ「いらないわよ!そんなもん、それよりついてきなさい」

シンジ「勘弁してよ、裏路地に連れ込んでソーセージで叩くんでしょ」

アスカ「いいからついてこい!このクソボケシンジ!」

シンジ「うわあ、引きずらないでー」

シンジ「ここどこ?寒いよ…」

アスカ「この船に乗りなさい」

シンジ「うん、乗ったよ…いい加減どこか教えてよ」

アスカ「三途の川よ…」

シンジ「ええっ!僕死んじゃったの!地獄なんか行きたくないよ」

アスカ「地獄行きだなんてよく解ってるじゃない、安心しなさい、まだ死んでないわ」

シンジ「えっ?よかった~死んでないんだ、じゃあなんで」

アスカ「いいから黙ってて…着いたわよ」

シンジ「なんだかすごく明るいね」

アスカ「よく見なさいよ」

シンジ「あっロウソクだ、長いのとか短いのとか捻じれてるのとかいっぱい燃えてるね」

アスカ「ここにあるロウソクはあんたらの寿命のロウソクよ」

シンジ「じゅ、寿命?」

アスカ「そう、長ければそれだけ長生きするし短いならすぐ死ぬ…」

シンジ「聞いたことあるかも…だから長さがバラバラなんだ」

アスカ「…それ、見なさい」

シンジ「長くて元気に燃えてるね」

アスカ「それあんたの息子」

シンジ「そっか~僕の子供か元気にやってんだね…嬉しいよ…」

アスカ「隣、見なさい」

シンジ「真ん中がえぐられたみたいな変な形のロウソクだね」

アスカ「あんたの嫁さん」

シンジ「………そ…っか…」

アスカ「その隣」

シンジ「みじ…かいね…いまにも…きえそうだよ…」

アスカ「ふーん分ってるみたいじゃない、あんたがズルしたからあの爺さんとあんたの寿命がとっかえられたのよ」

シンジ「しかたないよ…ね…たくさんひどいこと…してきたんだもん」

アスカ「は~つまんないわね、死ぬの怖くないんだ」

シンジ「怖い…怖いにきまってるじゃないか!なんでだよ!やっとお金ができて綾波に謝れると思ったのに!やり直せると…思ったのに!こんなのってないよ――!!」

シンジ「ねえ、僕を助けてよ!死にたくない…死にたくないんだー!お願いだよぉ…」

アスカ「そうこなくっちゃねぇ」ニタァ

アスカ「コレ、偶然余っちゃった予備なの、これに火を移せばあら不思議!アンタの寿命は元通りよ」ポイッ

シンジ「あ、ありがとう!つけ…つけ…つけ…」

アスカ「あ~ら残り時間が少ないわね、ほら30秒も無いわよ~急げ急げ~」

シンジ「黙っててよ!はあはあ…つけつけつけつけつけつけつけ」

アスカ「5…4…3…2…1…」

シンジ「ついた!!ついた、助かったんだ!」

アスカ「あ~らよかったわね」

シンジ「もう死神なんてこりごりだ!あっちにいけよ!シッシッ」

スッ

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                          劇終

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