保険医「妊娠だって!?」(43)

保険医「女囚が!?なんで!!」

看守「ん~、そこんとこが謎なんだよなぁ...」

保険医「謎って...謎ってなんだよ?」

看守「見当もつかないんだよなぁ」

保険医「んなバカな。一人で突然妊娠したってか?どこの聖母だよ」

看守「まったく不思議だよなぁ...」ポリポリ

保険医「...で。妊娠してたのはどいつなんだよ?」

看守「>>2の罪で服役中の女囚だよ...」

違法ドラッグ

保険医「さて、と。父親探しを始めようか」

看守「例の女囚はどうした?」

保険医「寝かしてあるよ...よくあのギリギリまで隠し通したもんだ」

看守「そいつに話は聞いたか?」

保険医「あぁ。だが...」

看守「何も答えんかっただろう」

保険医「強情な女だ。妊婦相手じゃこちらもイマイチ強く出られんしな...」

保険医「というかよ」

看守「なんだよ」

保険医「父親探すったって答えは出てるようなもんじゃないか?」

看守「言いたいことは分かってるが、あえて聞こう」

保険医「看守の誰かだろう。この女子監にそれ以外男はいない」

看守「........」

保険医「ドラッグ所持...中毒もあったか?おおかた薬欲しさに体売ったんだろう」

看守「...そしてオレ達の誰かがそれに加担したと。」

保険医「アイツらならやりかねんだろ...?」

看守「.........」

保険医「スマン怒ったか」

看守「俺はこの仕事に誇りを持ってる。その考えは認めづらいな」

保険医「そうか....なら今回は俺一人で調べよう」

看守「悪いな。今度タルトおごってやるよ」

保険医「気にするな...俺が好きで調べるだけだ。お前には義務も何もない」

看守「気をつけろよ」

保険医「さて...>>6から調べていくか」

女囚と同部屋、またはそいつの隣の部屋の奴から話を聞く

保険医「おぉ、いらっしゃい」

女囚「あんたが呼んだんだろーが」ドスッ

保険医「機嫌悪いね?」

女囚「この部屋の薬くせーのが嫌いなんだよ...」イライラ

保険医「すぐ答えてもらえればさっさと帰れるよ。では...」

保険医「君は彼女と同部屋だった?」

女囚「そうだよ。文句あっか」

保険医「またケンカ腰だね...お茶飲みな。」

女囚「......」ムスッ

保険医「彼女はどんな人だった?その...友人としての印象とか。」

女囚「>>8なヤツだよ。」

安価間違えた
>>10

イケメンとSEXする妄想で想像妊娠する

保険医「バカにしてんのかい」

女囚「うるせーなぁ、結論結論。さっさと帰しやがれ」

保険医「頼むからさぁ...」

女囚「妄想癖あんのは嘘でもないけどな。」

保険医「薬だろう?」

女囚「......残念だが」

女囚「彼女は薬なんかハナからやっちゃいないぜ」

保険医「....なに?」

保険医「ならなんだ。冤罪だと?」

女囚「罪はあるな。実際麻薬は所持してたわけだし」

保険医「んん?でも...ええと」ペラッ

保険医「尿検査で麻薬反応出たらしいけど」

女囚「彼女の検査したのはあんたじゃないだろ?」

女囚「彼女をハメたやつがいる。検査医がな...」

保険医「ふぅん...なかなかいい情報が聞けたよ。帰るかい?」

女囚「茶を飲んだらな」ズズーッ

保険医「お時間いただきありがとうございます」

検査医「いえいえ、構いませんよ。本日はどのようなお話で?」

保険医「こちらの研究所の薬物鑑定について、色々とお聞きしたいのですが...」

検査医「答えられる範囲でお答えいたします。」

保険医「まず鑑定方法ですが...」

保険医「ありがとうございました。」

検査医「お役に立てれば幸いです」

保険医「それでは失礼いたします」バタン

保険医「......」

保険医「彼女の鑑定を担当した検査医に話を聞いてみたが」

保険医「.....なんていうかなぁ...大分ちゃんとした人だった」

保険医「あぁいう人が裏では実はヤバかったりするのかなぁ...怖い怖い」

保険医「軽くカマかけようかとも思ったが...隙が無い。」

保険医「ん~、あの検査医から情報得るのは難しいかもなぁ...どうしよう」

保険医「...また探偵ごっこか。一人だと恥ずかしいけどな」

保険医「」コソコソ

検査医「...」テクテク

保険医「(仕事終わりを尾行なのだよ。しかし遅くまでよく働くなぁ)」

検査医「...」テクテク

保険医「(見つからないようにな...気が抜けない)」コソコソ

検査医「...」ガチャッ

保険医「建物に入った...>>17か?」

農場

看守「で?どうしたんだよ」

保険医「どうって...まぁ建物の外から観察を続けたよ」

看守「さすがに中まで入っていく気にはならんよな。成果はそこまでか?」

保険医「いんやぁ、なかなか面白い事実が分かった気がするぜ」

看守「聞かせろよ」

保険医「農場...酪農場だったが。その後も続々人が入っていってな」

看守「へぇ。牛乳好きの方々かな?」

保険医「かもしれんがな。俺もお前も知ってる顔もあったぞ」

看守「....というと?」

保険医「この辺りのやーさんが数人な。」

看守「ほぉ...」

保険医「その後、夜明けまでの間人は出たり入ったりだったな。例の検査医は出てこなかった」

看守「夜明けまで、ねぇ。一斉に出入りは無かったんだな」

保険医「あぁ。目立たないようにやっていたようだ」

看守「よく観察続けられたな?」

保険医「どやぁ...」

看守「しかしあれだな...話がきな臭くなってきたな」

保険医「深追いは止したほうが良さそうだな。」

看守「知りたいのはあくまで女囚の腹の子の父親。そうだな?」

保険医「そうなんだがなぁ...段々関わるべきじゃない気がしてきた」

看守「ふぅん...そうか。」

看守「よ。」コンコン

女囚「...なんの用だよ」

看守「一人部屋か。いいねぇ...快適だろう?」

女囚「イヤミのつもりか?生憎、ほんとに快適なんだがな」

看守「そりゃ結構。ところで例の妊婦の父親だけどな」

女囚「言わねぇぞ」

看守「言え」

女囚「...」

看守「言えよ...ほら、早く。」

女囚「...言わない」

看守「最後通牒だ。言え」

女囚「...」

看守「推理はついてるな?」

保険医「まぁな...いくつかあるが。」

看守「これ、父親容疑のかかってる男の尿だ」チャプ

保険医「間違いないな?」

看守「俺が実際に採ってきたもんだからな」

保険医「ううぇ~...」

看守「そんな顔するな...俺だって嫌だったさ」

検査医「.....」

看守「あんた、何か『信条』って持ってるか?」

検査医「...いえ」

看守「ならそうだな...宗教は?あるいはあこがれの人物なんかはいる?」

検査医「ありませんね」

看守「そっか...」

検査医「...」

看守「.......」ジィー

検査医「...」

看守「結果は出たか?」

保険医「妊婦はシロ、父親容疑はクロ。」

看守「......残念だよ。」

保険医「こういうこともあるさ....というか」

保険医「その父親容疑の男、俺はよく知らないんだが...どんな男なんだ?」

看守「>>23な男...かな。」

保険医「あの妊婦、容姿も性格も良ければ頭も切れるってのに...妄想癖が玉にキズだな」

看守「ついでに男運の無さもな。なんとなく状況は分かってきたか?」

保険医「あの妊婦が男を庇ってるようだな。女がハメられてる可能性もあるが...」

看守「あの男には無理だろうな...多分」

保険医「検査医が誤診を下したのは女の手引きか」

看守「何があったのかねぇ...あの検査医も考えの読めない奴だし」

保険医「パッと見いい人なんだよなぁ」

看守「ちゃんとしてるようなんだがな」

検査医「.....」

看守「...『夢』は無いか?」

検査医「...今のところありませんね」

看守「ならあんたの望む人生はどんなものだ?平穏とか...刺激とか...」

検査医「分かりません」

看守「あんたさっきから何も答えないよな。生きてる実感持ってる?毎日楽しいの?」

検査医「恐らくは。」

看守「あ~、あ~。やめたやめた。もう帰るよ」ガタッ

看守「突然家まで押しかけて悪かったな。さいなら」バタン

検査医「.......」

保険医「あったか?」

看守「あったよ。」

保険医「そうか...どの程度あったんだ」

看守「結構量あったな...個人で使う量じゃない」

保険医「もう決まりかな」

看守「あぁ。」

保険医「あの検査医が『売人』だ」

保険医「君、根はいい人だよね」

女囚「だったらこんなとこ入らねーよバーカ」

保険医「謙遜かい?」

女囚「ムカツキ」

保険医「んでね、例の妊娠騒動について、段々分かってきたんだが...」

女囚「あそぉ...」

保険医「君は彼女を守ろうとしたね?彼女の意思を尊重しようと...」

女囚「...あんたはどうすんの?無視する気?」

保険医「>>29

面倒事はいやだから無視する

女囚「どっちやねん」

保険医「彼女が冤罪を被ってまで守ろうとした男だ、しょっぴくのは忍びない...と看守は言ってたが」

保険医「そうなるとアイツ個人的にボコボコにするだろうからね。そっちのが危ない」

女囚「死人が出るな」

保険医「ってわけで父親容疑の男は家宅捜査だ。」

保険医「彼女も悲しむだろうからね。友人としてはげましてやってくれ」

女囚「あたし関係ねーよ...」

看守「...というわけで今彼はお縄だ。」

検査医「...そうですか」

看守「あんた、薬を売ってたな?男の証言でいずれあんたも捕まるぜ」

検査医「そうですかねぇ...」

看守「あ?何?とぼける気?」

検査医「....ははっ」

看守「何笑ってんだ...」

検査医「私が売人ですか...面白い」

看守「...おい、とぼける気か」

看守「そこの床下にあんのは分かってんだよ」

検査医「はぁ...この小麦粉ですか?」

看守「..........はぁ?」

看守「あんたは男に薬を売ってた。」

看守「農場は会議場か?薬の保管場所か?知らんが、とにかくあんたが怪しいやつらの仲間なのは間違いない」

看守「しかしあのマヌケな男はドラッグ所持がバレてしまった。そこで男の彼女が動いた」

看守「所持の罪を全て自分のものにし、あんたに脅すか頼み込むかして誤診させた。そして牢に入った」

看守「男はそもそもそこの看守なわけだから、彼女としても不満は無かったわけだ。」

看守「ここでも逢い引きを繰り返し、ついに彼女は妊娠した。違うか?」

検査医「重要なところが抜けてますね...」

看守「なんだよ」

検査医「私は薬なんぞ売ってはいませんよ」

保険医「妊婦が脱獄したぁ?」

女囚「あぁ.....」

保険医「男が逮捕されたことを伝えた瞬間に?」

女囚「ナイフ持ってやがったよ...なんてやつだ」

保険医「そんで君は斬りつけられたと。」

女囚「ちくしょうめ.....」

保険医「どうしたもんかね.....こういう時に限って看守はいないし」

女囚「あいつノコギリも持ってたぞ...さっさと捕まえねーと」

保険医「ん~...>>35するべきかな」

あと5レスで解決

保険医「ノコギリかぁ...」

女囚「妊婦は男の所へ向かうはずだ。そうだろ?」

保険医「あぁ...果たして止められるかな...」

女囚「...なにボンヤリしてんだ?」

保険医「.....今俺にできるのは...」スクッ

女囚「.....?」

保険医「大手術の準備かな...」カチャカチャ

検査医「私はもう後がありません。」

看守「だろうな」

検査医「警察にではありません。組織にです」

看守「組織....?」

検査医「....私は薬を売ることを強いられた。あのくそったれにね...」

検査医「しかし出来なかった。薬の起こす悲劇はよく知っていますからね」

検査医「売っているふりをしたんですよ。自分の財産を食いつぶしてでもね」

看守「くそったれってのは誰のことだ」

検査医「自分が牢屋に入ったから、脅して仕事を押し付けてきた...あの女」

検査医「私の人生はあいつのせいで狂ってしまった。復讐せずにはいられませんよ」ニコッ

看守「..............」

   ウーーッカンカンカン

看守「...何があった?」

女囚「爆発。」

看守「爆発?」

女囚「脱獄した妊婦は男と再開した。しかし会った瞬間どっかーん」

看守「......なんだそれ」

女囚「さぁね。こっちが聞きたいよ」

看守「保険医はどうした?」

女囚「手術中だよ。しかし、助かるもんなのかね...こんな惨事で」

保険医「今回はさすがに疲れたよ」モグモグ

看守「さぞタルトが美味いことだろう」

保険医「あれから監獄はどうだ?」

看守「爆発から1週間。建物の修復は進んでるぞ」

保険医「さすが速いなぁ...たくましいもんだ」

看守「気になるだろう?ことの真相」

保険医「爆発は男の体内に仕込まれた爆破物から起こったようだ。おかげで男は全身バラバラだ」

看守「それを仕込んだのが検査医だ」

保険医「何故だ?」

看守「復讐だとよ。元・麻薬売人の妊婦への。な」

看守「客に惚れたのか、恋人に売ってたのかは分からん」

保険医「男を罪から逃れさせるべく、検査医を脅したわけか。にしたって自分が牢に入ることはなくないか?」

看守「さぁな...あの女にはこの監獄が二人の愛の巣に見えていたのかも分からん」

保険医「妄想って怖いな」

看守「ところで...あの女、大分腹は大きかったと思うが」

保険医「あぁ、胎児はだめだった。女が知ったら悲しむだろうな」

看守「また女囚に慰めにいかせるか?」

保険医「今度こそ死人が出るわ」


               完

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