【ごちうさSS】チノ「睡眠薬ですか……」メグ「うん!」 (51)

ココア「……zzz」ムニャムニャ

チノ「……」

チノ「あの、ココアさんココアさん……」ユサユサ

ココア「……zzz」

チノ(完全に寝ています)

チノ(本当に効き目があるなんて…………)

チノ(困りました……)

 ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄

 ̄ ̄
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マヤ「チノは今日も眠そうだねー」

チノ「はい、ココアさんのコーヒー当てに付き合って、つい夜更かしをしてしまって」

メグ「だめだよ~ちゃんと睡眠はとらないとぉ~」

マヤ「夜更かしは美容の大敵だよー」

メグ「お肌とか荒れちゃうかもだしね~」

チノ「そうですね」

マヤ「あと背も伸びないよー」

チノ「背がっ!……伸びない……」ガーン

マヤ「チノが動揺してる!?」

メグ「あはは、肌荒れよりそっちのが嫌なんだね」

メグ「あ、それなら私いい物持ってるよ~」

マヤ「え、なになに?」

メグ「じゃじゃーん」パンパカパーン

チノ「なんですかそれ? なんかの薬みたいですけど」

マヤ「あ、わかった!」

マヤ「最近流行りの『危険ドラック』ってやつだね!」

メグ「そうそう、これが巷で話題の、脱法ハーブ改め危険ドラッ……ってなんでやね~ん~!」

チノ「…………メグさん、わざわざマヤさんに合わせなくていいです」ジトー

メグ「だってぇ~」

チノ「あとマヤさん、『ドラック』じゃなくて『ドラッグ』です」

マヤ「チノは細かいなあー、似たようなもんじゃんー」アハハー

チノ「で、結局それはなんですか?」

メグ「睡眠薬だよ~」

チノ「睡眠薬、ですか……」

メグ「夜眠れない時に、飲むとぐっすり眠れるんだよ~」

メグ「チノちゃんに少しわけてあげるね」

チノ「いいんですか?」

メグ「うんっ」

チノ「ではありがたくいただきます」

マヤ「悪用しちゃだめだぞー」

チノ「しませんよ、そんなこと」ジトー

 ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄

ココア「……zzz」

チノ(違うんですちょっと魔が差しただけなんです単にカフェインと一緒に摂取しても本当に眠くなるのか気になっただけなんです純粋な知的好奇心だったんです……)

ココア「……zzz」

チノ「……」

ココア「……zzz」ムニャムニャ

チノ「しかし、本当に気持ち良さそうに寝ていますね」フフッ

チノ(ココアさんの寝顔を見ていると、なんだかこっちまで幸せな気分になってきます)

ココア「……zzz」ムニャムニャ

チノ「…………」ゴクリ

チノ「…………」ツンツン

チノ(ハッ! 思わず、ココアさんのほっぺたをつんつんしてしまいました!)

ココア「……zzz」ムニャムニャ

チノ(ほっ、どうやら起きなかったみたいです)

チノ(そういえばココアさんは眠りが深いほうでした)

チノ(ならもうちょっと……)プニプニ

ココア「……zzz」

チノ(ココアさんのほっぺた……お餅みたいにぷにぷにしてて)プニプニ

チノ(大変よい感じです)プニプニ

チノ「……」プニプニ

ココア「ちのちゃん……」ゴニョゴニョ

チノ「ッ!?」ビクッ

チノ「コ、ココアさんッ?!」ビクビク

ココア「ちりめんじゃこのプールで一緒に泳ごうよ……」ムニャムニャ

チノ「…………」

チノ「ね、寝言ですか……びっくりしました」ホッ

チノ「しかしココアさんは一体どんな夢を見てるんですか」

チノ「食べ物を粗末にすると怒られますよ」

チノ「……」

チノ(寝ているのなら、もうちょっとだけ……)プニプニ

チノ「ふう……」プニプニ

チノ(このモチモチとしたココアさんのほっぺたの感触、癖になりそうです)プニプニ

チノ(もうちょっと……もうちょっとだけです……)プニプニ

……


……

チノ(夢中になってぷにぷにしていたら、いつの間にか朝になっていました)

チノ(油断しました……まさかぷにぷにが、あんな恐ろしいものだとは……)

チノ「……」

マヤ「あれぇー、チノ今日も眠そうだー」

メグ「もしかして睡眠薬効かなかった~?」

チノ「いえ、そうではなく……ぷにぷにの誘惑に勝てなくて」

メグ「ぷにぷに?」

マヤ「もふもふじゃなくて?」

チノ「すみません、こっちの話です」ゴホンッ

マヤ&メグ「???」

チノ「とにかくココアさんのせいなんです」

メグ「よくわからないけど、ココアちゃんの夜更かしに付き合わされちゃったのかな?」

マヤ「確かにありそう」アハハ

マヤ「『チノちゃーん、眠れないようー! 眠れるまでおねーちゃんとお話しよー』とか言ってさ」

メグ「あ~、言いそうだね」エヘヘー

マヤ「ホントにどっちが姉なのかわかんねーな、あははは」

メグ「いいな~、私もココアちゃんと一緒に夜更かししてみたーい」

チノ「あのメグさん……すみませんが睡眠薬余っていたら、またわけてもらえませんか?」

メグ「いいよ~」

チノ「ありがとうございます」

……


ココア「……」ウツラウツラ

チノ「ココアさん、寝るならベッドで寝てください」

チノ「私のベッド使っていいので」

ココア「ふあー……ごめんね、チノちゃん……」ウツラウツラ

ココア「なんだか急に、眠くなっちゃって……」クラクラ

チノ「疲れているんじゃないですか?」

ココア「ちょっと横になって休んだら、ちゃんと自分の部屋で寝るから……」クテッ

ココア「……zzz」

ココア「……zzz」

チノ「ココアさんココアさん」ユサユサ

ココア「……zzz」

チノ(起きません、どうやら完全に眠ってしまったようです)

チノ「…………」

チノ「ああ…………私は、またやってしまいました……」

ココア「……zzz」

チノ(でも、もうやってしまったことはどうにもできません)

チノ(仕方ないのでぷにぷにしましょう)プニプニ

チノ(この感触……やっぱり悪くないです)フニフニ

ココア「……zzz」

チノ(起きませんよね?)プニプニ

チノ(もうちょっと引っ張ってみましょう)ビノーン

チノ「おおー」プニーン

チノ(本当にお餅みたいな柔らかい肌をしています)プニーン

ココア「……zzz」フニャフニャ

チノ「ふふっ、ココアさんちょっと面白い顔です」フニーン

ココア「……zzz」ムニャムニャ

チノ「今度はダブルで……両頬で挑戦してみましょう」ゴクリ

チノ(…………)プニーン

チノ(なんだか心がぽかぽかします……)フニフニ

……


マヤ「チノは今日も寝不足?」

メグ「眠そうだね~」

チノ「メグさん悪いんですが……」

メグ「うん」ハイッ

……


……

ココア「……zzz」

チノ「……」クンクン

チノ「ココアさんの髪の毛のにおい……嫌いじゃないです」キリッ

チノ「あったかいお日様のような優しいにおいがして、一日中でも嗅いでいられます」クンカクンカ

……


チノ「メグさん」

メグ「はいはい~」

……


……

ココア「……zzz」

チノ「……」パシャッパシャッ

チノ「今の角度、完璧です」

チノ「良い画が撮れました」

チノ「でもちょっと過激さが足りませんね」ウーン

チノ「少し、服をはだけさせましょう」

ココア「……zzz」

チノ「そっーとそっーと」スッー

チノ「うん、良い感じです」ゴクリッ

チノ「これはたまりません……」

チノ「静止画だけでは勿体ないので、動画も撮影しましょう」カチカチ

……


……

チノ「」

メグ「はい、今日の分の睡眠薬~」

マヤ「おおー! チノとメグも以心伝心に!」

チノ「メグさん、いつもありがとうございます」

……


ココア「……zzz」

チノ「はぁ……」

チノ「私は……本当に……何をやっているんでしょうか……」

チノ「寝ているココアさんに、悪戯して…………」

チノ「…………」

チノ「だけど自分でも自分が、よくわからないんです」

チノ「こんな風に気持ちがコントロール出来ないなんてこと、今までありませんでした……」

チノ「私の中でココアさんの存在が大きくなって」

チノ「それが少し心地よくて、でもちょっとだけ怖くて……」

チノ「私の中のココアさんはどんどん大きくなっていくのに、ココアさんの中の私は、出会った時と変わらない気がして……」

ココア「……zzz」

チノ「ココアさんは、私がこんなに悩んでいること、気付いてないんでしょうね」

チノ「私はココアさんと、もっと仲良くなりたいんです……」

チノ「今以上に、もっと近づきたいんです……」

チノ「でもどうすればいいのか、わからないです……」

チノ「今まで、誰かと仲良くなりたい、近づきたい、なんて思ったことがなかったので……」

ココア「……zzz」

チノ「きっとココアさんが起きたら、私はまた素っ気ない態度をとってしまうと思います」

チノ「だから今だけは……」

ココア「……zzz」

チノ「『おねーちゃん』に甘えてもいいですよね……?」ギュッ

チノ「…………」ギュッ

チノ「あったかいです……ココアさんのニオイがします」ギュッ

チノ「…………」ギュッ

チノ「ココアさん………………ずっと……私の側にいてください……」ギュギュッ

 ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄

 ̄ ̄


ココア「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄」

ココア「 ̄ ̄ ̄ ̄という夢を見たよ」

リゼ「……」

シャロ「……」

チノ「ココアさん……」ジトー

千夜「ココアちゃん、私、いい病院知ってるわよ」

ココア「私病人扱い!?」

シャロ「まあココアが変なのは今に始まったことじゃないし……」ササッ

ココア「もう~変な子扱いしないでよ~。ってなんでシャロちゃん!私と少し距離とったの?!」ガーン

千夜「大丈夫よ、ココアちゃん!」ガシッ

ココア「千夜ちゃん~」ウルウル

千夜「ココアちゃんがどんなに変な子でも、私たちの友情は永遠だから」

ココア「変な子なのは否定してくれないんだ!?」

チノ「全くココアさんは……」アキレー

……


……

千夜「あら、ゴミ箱になんだか見覚えのあるものが……」ガサゴソ

千夜「これ、私がマヤちゃんにあげた『銀色の微睡み』だわ」

千夜「間違いないわね、これは今では普通のルートでは入手出来ないもの」ウンウン

千夜「ラビットハウスのゴミ箱にあったってことは、ここの誰かが使ったってことよね?」

千夜「…………」

千夜「……」

千夜「うん、見なかったことにしましょう」


おしまい

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