歪んだ世界でのお話(3)

一日の始まりを告げる無機質なアラーム音が鳴り響く。pipipi,pipipiと持ち主を眠りから覚まそうとしている。

「うーん...」

男はアラーム音に気にせず、まどろみを楽しんでいた。最近の男のお気に入りはまどろんでいることだったので、中々起きようとしない。

pipipi,pipipi,pipiガチャン

男は嫌気が刺したのか、自力でアラーム音を止めた。身体を起こすと一つ。
男「ふあぁああ」

大きなあくびをした。
一日の始まりである。

自室の扉を開け、定まらない足取りで階段を降りて行く。まだ頭は起きていないので、降りたところで頭をぶつけた。

「男ぉー!ご飯できているわよー!」

居間からは母の甲高い声が聞こえる。聞き慣れた声は今は少しうっとおしく感じる。
はーいと間抜けた声を返し、今へと向かった。

今日の朝はご飯と納豆とベーコン、男は納豆が出たので満足げに食べた。寝かした携帯を起動させ、起きるまで待っている間に、tvのニュースに耳を傾ける。

いつもとそう変わらない日常。何も変わっていなかった。聞こえてくるニュース以外は、毎日のような日だった。

[今日未明、東高校が最近巷で騒がれている廃墟事件の被害にあったことが明らかとなりました]

男はさして驚かなかった。

廃墟事件とは、昨日まで何とも無かった物が突然壊れたものや廃墟に入れ替わっているという最近起きている謎の事件である。
最初はバイオリンなどの小さなものが壊れたギターなどの物に入れ替わり、誰かのイタズラという方向性で操作が進んでいたが、一週間ほど前にショッピングモールが何の物音も、姿も無しに廃病院に入れ替わった事により事件は深刻化していった。その際、ショッピングモールにいたと思われる管理人も行方不明である。
これまでの事件で何の目撃談も物音も証拠も抑えられなかった警察はどうすることも出来なかったのだろう、入れ替わるその場を取り押さえる為かパトロール強化という方針を現在とっているのみである。
そのおかげで今は24時間警察が街をパトロールしている。それでも尚、建物は以前と入れ替わりつつある。

携帯が起動し、直後に震え出す。メールを着信した時の動きだ。友人の報告かと思い携帯を操作する。


学校からのメールであった。内容は「本日休校」の旨を伝えるものであった。

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